(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】原子吸光分光光度計
(51)【国際特許分類】
G01N 21/31 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
G01N21/31 610B
(21)【出願番号】P 2024005015
(22)【出願日】2024-01-17
(62)【分割の表示】P 2022527440の分割
【原出願日】2020-05-29
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100149962
【氏名又は名称】阿久津 好二
(74)【代理人】
【識別番号】100170988
【氏名又は名称】妹尾 明展
(74)【代理人】
【識別番号】100189566
【氏名又は名称】岸本 雅之
(74)【代理人】
【識別番号】100102037
【氏名又は名称】江口 裕之
(72)【発明者】
【氏名】小林 央祐
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-153540(JP,A)
【文献】特開平10-160667(JP,A)
【文献】実開昭57-130254(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
G01J 3/00- 4/04
G01J 7/00- 9/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向および短手方向を有するバーナーヘッドと、
前記バーナーヘッドの上部に形成され、前記長手方向に延在する火口スロット部とを備え、
前記火口スロット部は、上方から見て、前記短手方向における前記火口スロット部の幅が、前記長手方向における前記火口スロット部の両端部より中央部の方が大きくなるように、前記短手方向において互いに隙間をあけて対向する1対の湾曲面部を有し、
前記長手方向における前記火口スロット部の中央部の幅は、前記長手方向における前記火口スロット部の両端部の各々の幅の120%以上である、原子吸光分光光度計。
【請求項2】
前記1対の湾曲面部の各々の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以下である、請求項1に記載の原子吸光分光光度計。
【請求項3】
前記バーナーヘッドは、互いに着脱可能に組み付けられた1対のバーナーチップを含み、
前記火口スロット部は、前記1対のバーナーチップによって構成されている、請求項1または請求項2に記載の原子吸光分光光度計。
【請求項4】
前記バーナーヘッドに、前記1対の湾曲面部を冷却するための水冷部が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の原子吸光分光光度計。
【請求項5】
前記短手方向における前記火口スロット部の幅は、前記長手方向における前記火口スロット部の両端部から中央部に向かうにしたがって大きい、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の原子吸光分光光度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子吸光分光光度計に関する。
【背景技術】
【0002】
原子吸光分光光度計の構成を開示した先行文献として、特開平11-153540号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された原子吸光分光光度計においては、スリット幅が一定であるバーナーヘッドを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
糖分または塩分を高濃度に含む試料を測定する場合、バーナーヘッドの火口スロット部の内部で析出物が発生することがある。この析出物によって火口スロット部の一部が閉塞した場合、火口スロット部上に発生するフレームが不均一になって測定結果の信頼性が低下する。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、火口スロット部の内部での析出物の発生を抑制することにより、糖分または塩分を高濃度に含む試料の測定結果の信頼性を確保することができる、原子吸光分光光度計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく原子吸光分光光度計は、バーナーヘッドと、火口スロット部とを備える。バーナーヘッドは、長手方向および短手方向を有する。火口スロット部は、バーナーヘッドの上部に形成され、上記長手方向に延在する。火口スロット部は、上方から見て、上記短手方向における火口スロット部の幅が、上記長手方向における火口スロット部の両端部より中央部の方が大きくなるように、上記短手方向において互いに隙間をあけて対向する1対の湾曲面部を有している。上記長手方向における火口スロット部の中央部の幅は、長手方向における前記火口スロット部の両端部の各々の幅の120%以上である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、火口スロット部の内部での析出物の発生を抑制することにより、糖分または塩分を高濃度に含む試料の測定結果の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る原子吸光分光光度計の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1の原子吸光分光光度計が備えるバーナーヘッドをII-II線矢印方向から見た断面図である。
【
図3】
図1の原子吸光分光光度計を矢印III方向から見た平面図である。
【
図4】実施の形態1に係る原子吸光分光光度計が備えるバーナーチップの構造を示す斜視図である。
【
図5】実施例および比較例の各々の火口スロット部の中央部と両端部の幅を示すグラフである。
【
図6】実施の形態2に係る原子吸光分光光度計が備える1対のバーナーチップおよび水冷部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施の形態に係る原子吸光分光光度計について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。図面においては、実際の寸法の比率に従って図示しておらず、構造の理解を容易にするために、比率を変更して図示している箇所がある。図面におけるX方向は後述するバーナーヘッドの長手方向、Y方向はバーナーヘッドの短手方向である。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る原子吸光分光光度計の構成を示す斜視図である。
図2は、
図1の原子吸光分光光度計が備えるバーナーヘッドをII-II線矢印方向から見た断面図である。
図3は、
図1の原子吸光分光光度計を矢印III方向から見た平面図である。
図4は、実施の形態1に係る原子吸光分光光度計が備えるバーナーチップの構造を示す斜視図である。なお、本実施の形態においては、後述する実施の形態2における水冷部を配置することが可能な形状を有するバーナーチップを備えるバーナーヘッドについて説明する。
【0011】
図1~
図3に示すように、実施の形態1に係る原子吸光分光光度計1は、バーナーヘッド100と、火口スロット部110とを備える。
図1に示すように、本実施の形態においては、原子吸光分光光度計1は、保持筒10と、燃料ガス導入部20と、助燃ガス導入部30と、試料導入部40とをさらに備える。
【0012】
図1および
図2に示すように、バーナーヘッド100の下部に、保持筒10が接続されている。試料導入部40から導入され、燃料ガス導入部20から導入される燃料ガスと助燃ガス導入部30から導入される助燃ガスとが保持筒10の内部において混合されることにより霧化された試料は、バーナーヘッド100へ導入される。
【0013】
図1~
図3に示すように、バーナーヘッド100は、長手方向(X方向)および短手方向(Y方向)を有する。バーナーヘッド100は、1対のバーナーチップ120と、基台130とを含んでいる。
【0014】
バーナーヘッド100の上部に、火口スロット部110が形成されている。火口スロット部110は、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)に延在している。火口スロット部110は、1対のバーナーチップ120によって構成されている。
【0015】
図1~
図4に示すように、1対のバーナーチップ120の各々は、後述する実施の形態2における水冷部を配置可能なように、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)から見て、階段状の外形を有している。ただし、水冷部が配置されない場合は、1対のバーナーチップ120の各々は、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)から見て、矩形など任意の形状を有していてよい。
【0016】
図4に示すように、1対のバーナーチップ120の各々は、互いに対向する内側面に、湾曲面部121と平面部124とを含んでいる。バーナーヘッド100の長手方向(X方向)において、両端部に平面部124が位置しており、平面部124同士の間に湾曲面部121が位置している。湾曲面部121は、バーナーヘッド100の短手方向(Y方向)において、平面部124に対して凹んでいる。
【0017】
図4に示すように、湾曲面部121は、バーナーチップ120の上部に位置している。バーナーチップ120において、湾曲面部121の下方には、バーナーヘッド100の短手方向(Y方向)において湾曲面部121よりも平面部124から離間した凹部125が形成されている。
【0018】
図4に示すように、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における湾曲面部121の両端部122が位置する部分のバーナーチップ120の厚みの寸法t1は、湾曲面部121の中央部123が位置する部分のバーナーチップ120の厚みの寸法t2より大きい。湾曲面部121は、上方から見て、円弧形状を有している。なお、1対のバーナーチップ120の厚みの寸法t1同士が互いに異なっていてもよいし、厚みの寸法t2同士が互いに異なっていてもよい。
【0019】
1対のバーナーチップ120の各々の湾曲面部121の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以下である。湾曲面部121は、たとえば、バフ研磨されている。1対のバーナーチップ120の各々は、ステンレス鋼またはチタンにより構成されている。
【0020】
図1~
図3に示すように、1対のバーナーチップ120は、互いに着脱可能に組み付けられている。バーナーチップ120同士は、たとえば、ボルト締結などの公知の接続方法により互いに接続されている。
【0021】
湾曲面部121同士が対向するように1対のバーナーチップ120が組み付けられることによって、火口スロット部110が形成されている。その結果、
図3に示すように、火口スロット部110は、上方から見て、バーナーヘッド100の短手方向(Y方向)における火口スロット部110の幅が、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の両端部112より中央部113の方が大きくなるように、バーナーヘッド100の短手方向(Y方向)において互いに隙間をあけて対向する1対の湾曲面部121を有している。
【0022】
火口スロット部110の幅は、両端部112の各々の幅の寸法w1より中央部113の幅の寸法w2の方が大きい。本実施の形態においては、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の中央部113の幅の寸法w2は、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の両端部112の各々の幅の寸法w1の120%以上である。
【0023】
火口スロット部110における逆火の発生を抑制する観点から、中央部113の幅の寸法w2は、両端部112の各々の幅の寸法w1の120%以上150%以下であることが好ましい。たとえば、両端部112の各々の幅の寸法w1は0.5mmであり、中央部113の幅の寸法w2は0.6mmである。バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の長さは、たとえば、50mm以上100mm以下である。
【0024】
なお、火口スロット部110は、1対のバーナーチップ120によって構成される場合に限られず、ブロック状の1つのバーナーチップに開口を設けることにより形成されていてもよい。
【0025】
図2に示すように、1対のバーナーチップ120は、互いに組み付けられた状態において、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)から見て、火口スロット部110側が細い先細形状を有している。互いに組み付けられたバーナーチップ120同士の間には、火口スロット部110と連通した空間126が形成されている。
【0026】
図1および
図2に示すように、1対のバーナーチップ120の各々は、基台130に支持されている。基台130は、直方体状の外形を有している。
図2に示すように、基台130は、保持筒10と接続され、内部に試料を通流可能な空間131を有する。1対のバーナーチップ120の各々と基台130とは、たとえば、ボルト締結などの公知の接続方法により互いに接続されている。
【0027】
バーナーヘッド100内の試料は、基台130の内部の空間131を通過して、バーナーチップ120同士の間の空間126へ導入され、火口スロット部110から放出される。
【0028】
図1に示すように、火口スロット部110から放出された試料は、火口スロット部110上においてフレーム50により励起される。なお、フレーム50としては、たとえば、アセチレン-空気フレーム、または、一酸化二窒素-空気フレームなどが用いられる。フレーム中をバーナーヘッド100の長手方向(X方向)に通過した光の吸光度を分光光度計で検出することにより、試料成分が分析される。
【0029】
ここで、火口スロット部の形状と、火口スロット部の一部における閉塞の発生との関係を検証した実験例について説明する。本実験例においては、実施の形態1と同様の火口スロット部110を備える実施例に係る原子吸光分光光度計と、火口スロット部の幅が略均一である比較例に係る原子吸光分光光度計とにおいて、糖分または塩分を高濃度に含む試料を測定し、火口スロット部の一部において閉塞が発生するか検証した。
【0030】
図5は、実施例および比較例の各々の火口スロット部の中央部と両端部の幅を示すグラフである。
図5においては、縦軸に、火口スロット部の幅(mm)、横軸に、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部の位置を示している。
【0031】
図5に示すように、実施例に係る原子吸光分光光度計においては、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の中央部113の幅の寸法w2が両端部112の各々の幅の寸法w1の120%以上である。比較例に係る原子吸光分光光度計においては、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部の中央部の幅の寸法および両端部の各々の幅の寸法は、実施例の火口スロット部110の両端部112の各々の幅の寸法w1と略同一である。
【0032】
比較例に係る原子吸光分光光度計においては、火口スロット部の内部で析出物が発生し、この析出物によって火口スロット部の一部が閉塞した。実施例に係る原子吸光分光光度計においては、火口スロット部の内部で析出物が発生せず、析出物が火口スロット部110の一部を閉塞することはなかった。
【0033】
上記の実験例によって、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の中央部113の幅の寸法w2が両端部112の各々の幅の寸法w1より大きいことにより、火口スロット部110の内部での析出物の発生を抑制できることが確認できた。
【0034】
実施の形態1に係る原子吸光分光光度計1においては、火口スロット部110は、上方から見て、バーナーヘッド100の短手方向(Y方向)における火口スロット部110の幅が、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の両端部112より中央部113の方が大きくなるように、バーナーヘッド100の短手方向(Y方向)において互いに隙間をあけて対向する1対の湾曲面部121を有している。これにより、火口スロット部110の内部での析出物の発生を抑制することができ、火口スロット部110上に発生するフレームの均一性を維持して、糖分または塩分を高濃度に含む試料の測定結果の信頼性を確保することができる。また、高濃度の試料を希釈せずに測定することができるため、測定感度の低下を抑制することができる。さらに、析出物を除去するための清掃頻度を低減することができる。
【0035】
実施の形態1に係る原子吸光分光光度計1においては、バーナーヘッド100の長手方向(X方向)における火口スロット部110の中央部123の幅の寸法w2は、両端部122の各々の幅の寸法w1の120%以上である。これにより、火口スロット部110の内部での析出物の発生を安定して抑制することができる。
【0036】
実施の形態1に係る原子吸光分光光度計1においては、1対の湾曲面部121の各々の表面粗さ(Ra)が0.1μm以下であることにより、火口スロット部110上に発生するフレーム50のゆらぎが抑制され、測定結果の信頼性を確保することができる。
【0037】
実施の形態1に係る原子吸光分光光度計1においては、火口スロット部110を構成する1対のバーナーチップ120が互いに着脱可能に組み付けられていることによって、1対のバーナーチップ120を分解して清掃し、再度組み付けることができる。
【0038】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2に係る原子吸光分光光度計について説明する。実施の形態2に係る原子吸光分光光度計は、バーナーヘッドの構成のみ実施の形態1に係る原子吸光分光光度計と異なるため、実施の形態1に係る原子吸光分光光度計1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0039】
図6は、実施の形態2に係る原子吸光分光光度計が備える1対のバーナーチップおよび水冷部を示す断面図である。
図6に示すように、実施の形態2に係る原子吸光分光光度計が備えるバーナーヘッドは、1対の湾曲面部121を冷却するための水冷部240をさらに含んでいる。
【0040】
水冷部240は、1対のバーナーチップ120の各々において、バーナーヘッド100の短手方向(Y方向)において火口スロット部110と並ぶように配置されている。水冷部240は、1対のバーナーチップ120の先細形状を挟むように設けられている。
【0041】
水冷部240は、図示しない循環流路によって冷却水60が通流する管路250を含む。1対のバーナーチップ120においては、管路250を介して冷却水60と熱交換することにより、1対の湾曲面部121が冷却される。
【0042】
実施の形態2に係る原子吸光分光光度計においては、バーナーヘッドに1対の湾曲面部121を冷却するための水冷部240が設けられていることにより、1対の湾曲面部121が高温になることを抑制して、火口スロット部110の内部での析出物の発生を抑制することができる。
【0043】
(態様)
上述した例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0044】
(第1項)
一態様に係る原子吸光分光光度計は、
長手方向および短手方向を有するバーナーヘッドと、
前記バーナーヘッドの上部に形成され、前記長手方向に延在する火口スロット部とを備え、
前記火口スロット部は、上方から見て、前記短手方向における前記火口スロット部の幅が、前記長手方向における前記火口スロット部の両端部より中央部の方が大きくなるように、前記短手方向において互いに隙間をあけて対向する1対の湾曲面部を有している。
【0045】
第1項に記載の原子吸光分光光度計によれば、火口スロット部の内部での析出物の発生を抑制することにより、糖分または塩分を高濃度に含む試料の測定結果の信頼性を確保することができる。
【0046】
(第2項)
第1項に記載の原子吸光分光光度計において、
前記長手方向における前記火口スロット部の中央部の幅は、前記長手方向における前記火口スロット部の両端部の各々の幅の120%以上である。
【0047】
第2項に記載の原子吸光分光光度計によれば、火口スロット部の内部での析出物の発生を安定して抑制することができる。
【0048】
(第3項)
第1項または第2項に記載の原子吸光分光光度計において、
前記1対の湾曲面部の各々の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以下である。
【0049】
第3項に記載の原子吸光分光光度計によれば、火口スロット部上に発生するフレームのゆらぎを抑制し、測定結果の信頼性を確保することができる。
【0050】
(第4項)
第1項から第3項のいずれか1項に記載の原子吸光分光光度計において、
前記バーナーヘッドは、互いに着脱可能に組み付けられた1対のバーナーチップを含み、
前記火口スロット部は、前記1対のバーナーチップによって構成されている。
【0051】
第4項に記載の原子吸光分光光度計によれば、1対のバーナーチップを分解して清掃し、再度組み付けることができる。
【0052】
(第5項)
第1項から第4項のいずれか1項に記載の原子吸光分光光度計において、
前記バーナーヘッドに、前記1対の湾曲面部を冷却するための水冷部が設けられている。
【0053】
第5項に記載の原子吸光分光光度計によれば、1対の湾曲面部が高温になることを抑制して、火口スロット部の内部での析出物の発生を抑制することができる。
【0054】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではない。また、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 原子吸光分光光度計、10 保持筒、20 燃料ガス導入部、30 助燃ガス導入部、40 試料導入部、50 フレーム、60 冷却水、100 バーナーヘッド、110 火口スロット部、112,122 両端部、113,123 中央部、120 バーナーチップ、121 湾曲面部、124 平面部、125 凹部、126,131 空間、130 基台、240 水冷部、250 管路。