(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20241112BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241112BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241112BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20241112BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/613
B60K1/04 Z
(21)【出願番号】P 2024116890
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2024006300の分割
【原出願日】2020-07-30
【審査請求日】2024-07-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雄太郎
(72)【発明者】
【氏名】田邉 千済
(72)【発明者】
【氏名】望月 有吾
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-087377(JP,A)
【文献】特開2018-140728(JP,A)
【文献】特開2020-080244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 10/625
H01M 10/613
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ骨格と、前記ボディ骨格に固定された蓄電装置とを備えた車両であって、
前記蓄電装置は、
蓄電モジュールと、
前記蓄電モジュールを収容する収容ケースとを備え、
前記収容ケースは、
前記車両の前後方向に延びると共に、前記車両の幅方向に間隔をあけて設けられた第1側壁および第2側壁と、
前記第1側壁から前記車両の幅方向に張り出す第1固定メンバーと、
前記第2側壁から前記車両の幅方向に張り出す第2固定メンバーと、
液冷媒が流通する冷媒通路と、
を含み、
前記第1固定メンバーおよび前記第2固定メンバーは、前記ボディ骨格に固定されており、
前記第1固定メンバーは、前記第1側壁の外側面に設けられており、
前記第2固定メンバーは、前記第2側壁の外側面に設けられており、
前記第1固定メンバーおよび前記第2固定メンバーは、前記車両の前後方向に延びるように形成されており、
前記第1側壁および前記第2側壁は、前記蓄電モジュールよりも上方にまで延びており、
前記第1側壁には、上下方向に配列する複数の第1中空部が形成され、
前記第2側壁には、上下方向に配列する複数の第2中空部が形成され、
前記複数の第1中空部は前記第1固定メンバーの上方にまで形成され、
前記複数の第2中空部は前記第2固定メンバーの上方にまで形成され、
前記ボディ骨格は、前記車両の前後方向に延びる第1メンバーを含み、
前記第1固定メンバーは前記第1メンバーに固定されており、
前記冷媒通路は、前記蓄電モジュールよりも前記第1メンバ側に配置されており、
前記冷媒通路は、前記第1メンバーよりも下方に位置する、車両。
【請求項2】
前記車両の側方から側面視すると、前記冷媒通路および前記第1固定メンバーは重なるように配置された、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記蓄電装置は、
上方に前記蓄電モジュールが配置された支持板と、
前記支持板の下方に間隔をあけて配置された底板と、
をさらに備え、
前記支持板の上面と、前記底板の下面との間に、冷却通路が形成された、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記冷却通路は、前記支持板の下面に形成された、請求項
3に記載の車両。
【請求項5】
前記冷却通路は、前記支持板に一体的に形成された、請求項
4に記載の車両。
【請求項6】
前記冷却通路は、前記底板から上方に間隔をあけて配置された、請求項
3から請求項
5のいずれかに記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から各種の蓄電装置が提案されており、特開2019-200993号公報に記載された蓄電装置は、蓄電モジュールと、蓄電モジュールを冷却する冷却装置と、収容ケースとを備える。蓄電モジュールおよび冷却装置は収容ケース内に収容されており、冷却装置内には冷媒が流れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車室空間を広く確保するために、冷却装置を備えた蓄電装置を車両の下面に配置することが考えられる。蓄電装置を車両の下面に配置すると、地面からの輻射熱などによって蓄電装置の底面側が暖められる。
【0005】
このため、冷却装置に冷媒を供給する供給管の位置によっては、地面からの輻射熱の影響を受けて、蓄電モジュールが良好に冷却されない場合がある。
【0006】
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両の下面に配置される蓄電装置においても、蓄電装置内の蓄電モジュールを良好に冷却することができる蓄電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る蓄電装置は、車両のフロアパネルの下方に設けられる蓄電装置であって、収容ケースと、収容ケース内に収容された蓄電モジュールと、収容ケース内に収容されると共に、蓄電モジュールを冷却する冷却器とを備える。収容ケースは底板を含み、収容ケースのうち底板よりも上方に位置する部分に冷媒が流れる冷媒通路が形成され、冷媒通路は冷却器に接続されている。
【0008】
上記の蓄電装置によれば、地面からの輻射熱によって収容ケースの底板の温度が高くなったとしても、冷媒通路は底板よりも上方に位置しているため、冷媒通路内を流れる冷媒の温度が高くなることを抑制することができる。これにより、冷却器に供給される冷媒温度を低く抑えることができ、蓄電モジュールを良好に冷却することができる。
【0009】
上記車両は、ボディ骨格を含み、収容ケースは、底板から上方に延びると共に、ボディ骨格と隣り合う位置に配置された周壁部を含む。冷媒通路は、周壁部に形成されている。
【0010】
上記の蓄電装置によれば、車両前方側から暖かい空気が流れてきたとしても、ボディ骨格によって周壁部に温かい空気があたることを抑制することができる。このため、周壁部内に冷媒通路が形成されているため、冷媒通路内の冷媒が暖められた空気によって暖められることを抑制することができる。
【0011】
上記冷媒通路は、冷却器に冷媒を供給する供給通路と、冷却器から排出される冷媒が通る排出通路とを含み、供給通路は排出通路よりも上方に位置する。
【0012】
上記の蓄電装置によれば、供給通路は排出通路よりも上方に位置しているため、底板の温度が上昇したとしても、供給通路内を流れる冷媒の温度が高くなることを抑制することができる。
【0013】
上記収容ケースは、車両の幅方向の一端側に位置する第1側壁部と、幅方向の他端側に位置する第2側壁部とを含み、冷媒通路は、第1側壁部に形成されている。
【0014】
上記の蓄電装置によれば、第2側壁部の構造を簡素化することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0015】
上記車両は、エンジンと、エンジンに接続された排気管とを含み、第2側壁部は、排気管と隣り合う位置に配置されている。
【0016】
上記の蓄電装置によれば、第1側壁部は排気管から離れているため、第1側壁部に形成された冷媒通路内を通る冷媒が排気管からの熱によって暖められることを抑制することができる。
【0017】
上記車両は、エンジンと、エンジンに接続された排気管とを含み、収容ケースは、車両の幅方向の一端側に位置する第1側壁部と、幅方向の他端側に位置する第2側壁部とを含み、冷媒通路は、冷却器に冷媒を供給する供給通路と、冷却器から排出される冷媒が通る排出通路とを含み、供給通路は、第1側壁部に形成されており、排出通路は、第2側壁部に形成されており、第2側壁部は、排気管と隣り合う位置に配置されている。
【0018】
上記の蓄電装置によれば、第2側壁部内に排出通路が形成されているため、第2側壁部が排気管によって暖められたとしても、第2側壁部の温度が高くなることが抑制されている。このため、第1側壁部および第2側壁部の温度差が大きくなることを抑制することができ、蓄電モジュール内における温度分布に大きな差が生じることを抑制することができる。
【0019】
上記冷却装置は、蓄電モジュールの下面に配置されている。この蓄電装置によれば、底板の温度が高くなったとしても、冷却器によって底板から蓄電モジュールに伝達される熱量を低減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示に係る蓄電装置によれば、車両の下面に配置される蓄電装置において、冷却装置に供給される冷媒が地面からの輻射熱などの影響を受けることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施の形態1に係る蓄電装置を備えた車両1を模式的に示す模式図である。
【
図2】蓄電装置6およびその周囲の構成を示す断面図である。
【
図3】蓄電装置6の一部を断面視した平面図である。
【
図4】
図3に示すIV-IV線における断面図である。
【
図12】右側壁30の内側面87を示す平面図である。
【
図13】第1変形例に係る蓄電装置6Aを示す断面図である。
【
図14】第2変形例に係る蓄電装置6Bを示す断面図である。
【
図15】第3変形例に係る蓄電装置6Cを示す断面図である。
【
図16】第4変形例に係る蓄電装置6Dを示す断面図である。
【
図17】第5変形例に係る蓄電装置6Eを示す断面図である。
【
図18】第6変形例に係る蓄電装置6Fを示す断面図である。
【
図19】第7変形例に係る蓄電装置6Gを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から
図19を用いて、本実施の形態に係る蓄電装置について説明する。
図1から
図19に示す構成のうち、同一または実質的に同一の構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る蓄電装置を備えた車両1を模式的に示す模式図である。なお、
図1などにおいて、「F」は車両前方方向、「B」は車両後方方向、「W」は車両幅方向、「U」は上方向、「D」は下方向を示す。
【0023】
車両1は、ボディ骨格2と、エンジン3と、駆動装置4と、PCU5と、蓄電装置6と、排気管7とを備える。
【0024】
ボディ骨格2には、エンジンコンパートメント8と、車室9とが形成されている。エンジンコンパートメント8は、車室9よりも前方に形成されている。
【0025】
ボディ骨格2は、フロアパネル10を含む。フロアパネル10は車室9の床面を形成する部材である。フロアパネル10は、金属部材であって板状に形成されている。
【0026】
エンジン3と、駆動装置4と、PCU5とはエンジンコンパートメント8内に収容されており、蓄電装置6はフロアパネル10の下方に配置されている。
【0027】
PCU5は、蓄電装置6に電気的に接続されている。PCU5は、コンバータと、2つのインバータとを含む。コンバータは蓄電装置6から供給される直流電力を昇圧して、インバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換して、駆動装置4に供給する。たとえば、インバータは三相交流電力に変換する。
【0028】
駆動装置4は、回転電機MG1と、回転電機MG2と、動力分割機構11とを含む。回転電機MG2は、一方のインバータから供給される交流電力によって駆動輪12を回転させる駆動力を発生する。動力分割機構11はエンジンからの動力を、回転電機MG1に伝える動力と、駆動輪12に伝える動力とに分割する。なお、回転電機MG1には、他方のインバータが接続されている。
【0029】
排気管7は、エンジン3に接続されている。排気管7はエンジン3から車両後方に延びると共に下方に向けて延びている。排気管7は、フロアパネル10の下面に配置されると共に、車両1の後方に向けて延びている。
【0030】
本実施の形態1においては、排気管7は蓄電装置6の左側面側を通って、車両1の後端部側に向けて延びている。
【0031】
図2は、蓄電装置6およびその周囲の構成を示す断面図である。ボディ骨格2は、フロアパネル10の下面に配置されたメンバー13,14を含む。メンバー13,14は、車両1の前後方向に延びるように形成されており、メンバー13およびメンバー14は車幅方向Wに間隔をあけて配置されている。メンバー13,14としては、たとえば、ロッカーメンバーやリンフォースメンバーなどである。なお、ロッカーメンバーは、ドアの下方に配置されている部材である。
【0032】
蓄電装置6は、収容ケース20と、蓄電モジュール21と、冷却器22とを含む。収容ケース20は、底板25と、周壁部26と、カバー部材27と、固定メンバー28,29とを含む。
【0033】
カバー部材27は収容ケース20の上面に配置されている。底板25は収容ケース20の下面を形成する部材である。周壁部26は、底板25から上方に延びるように形成されており、周壁部26は環状に形成されている。
図3に示すように、周壁部26は、右側壁30と左側壁31と前壁32と後壁33とを含む。
【0034】
図2において、固定メンバー28は右側壁30の外側面側に配置されており、固定メンバー29は左側壁31の外側面側に配置されている。固定メンバー28,29は、たとえば、底板25および周壁部26に一体的に固定されている。固定メンバー28は、ボルトなどの締結部材35によってメンバー13に固定されており、固定メンバー29は、ボルトなどの締結部材によってメンバー14に固定されている。固定メンバー28,29がメンバー13,14に固定されることで、収容ケース20がボディ骨格2に固定されている。
【0035】
蓄電モジュール21は、モジュールケース36と、モジュールケース36に収容された複数の単位電池37とを含む。
【0036】
本実施の形態1においては、モジュールケース36は樹脂によって形成されている。なお、モジュールケース36を金属などによって形成するようにしてもよい。
【0037】
モジュールケース36は、底板40と、右側壁41と、左側壁42とを含む。さらに、
図3に示すように、モジュールケース36は、前壁43と、後壁44とをさらに含む。なお、右側壁41、左側壁42、前壁43および後壁44は、底板40から上方に延びるように形成されている。
【0038】
モジュールケース36には、車幅方向Wに間隔をあけて複数の収容凹部38が形成されている。なお、収容凹部38は上方に向けて開口するように形成されている。単位電池37は、各収容凹部38に収容されている。モジュールケース36には、隣り合う単位電池37同士間に位置する隔壁39が形成されている。隔壁39によって、隣り合う単位電池37間の絶縁性が確保されている。そして、単位電池37は車幅方向Wに間隔をあけて配列しており、本実施の形態においては、単位電池37の配列方向は車幅方向Wである。
【0039】
右側壁41は、右側壁30の内側面に密着している。左側壁42および左側壁31の間には、挿入部材46が挿入されている。挿入部材46は、収容ケース20内に蓄電モジュール21を挿入した際に、左側壁42および左側壁31の間の隙間に圧入される板状の部材である。挿入部材46を左側壁42および左側壁31の間の隙間に圧入することで、右側壁41が右側壁30に押さえ付けられると共に、挿入部材46が左側壁31に押さえ付けられる。
【0040】
これにより、右側壁30および左側壁31の間の拘束力によって、蓄電モジュール21および挿入部材46が右側壁30および左側壁31の間に固定される。なお、各単位電池37が充放電することで、蓄電モジュール21は車幅方向Wに長くなるように変形する。これにより、右側壁30および左側壁31の間の拘束力も大きくなり、蓄電モジュール21は右側壁30および左側壁31の間に良好に固定される。
【0041】
図4は、
図3に示すIV-IV線における断面図である。冷却器22には、複数の冷却通路50,51,52,53が形成されている。各冷却通路50,51,52,53は、車幅方向Wに延びると共に、各冷却通路50,51,52,53は車両前後方向に間隔をあけて形成されている。各冷却通路50,51,52,53には、冷媒Cが流れている。なお、冷媒Cは水などの液体であってもよく、空気などの気体であってもよい。なお、冷却器22に冷媒Cを供給する供給通路に膨張弁を設けて、冷却器22に断熱膨張させた冷媒Cを供給するようにしてもよい。
【0042】
冷却器22は、金属板55と、ケース本体56と、底板57とを含む。金属板55はモジュールケース36の底板40の下面に配置されており、金属板55には複数の貫通孔58が形成されている。
【0043】
ケース本体56は、天板60と、連結部61と、周壁62と、隔壁63とを含む。周壁62は天板60の外周縁部から下方に向けて延びると共に、環状に形成されている。隔壁63は、冷却通路50,51,52,53を区画するように形成されている。底板57は、ケース本体56の下方からケース本体56に装着されている。
【0044】
天板60は板状に形成されており、金属板55の下面に配置されている。連結部61は、金属板55の上面に複数形成されている。各連結部61は貫通孔58を通って底板40に一体的に連結している。たとえば、モジュールケース36と、ケース本体56と、金属板55とはインサート成形などによって一体的に形成されている。
【0045】
天板60と金属板55との接触面積は各貫通孔58の開口面積よりも広く、底板40と金属板55との接触面積は各貫通孔58の開口面積よりも広い。
【0046】
そして、天板60および底板40は、貫通孔58を通る複数の連結部61によって接続されている。このため、蓄電モジュール21に振動が加えられたとしても、アンカー効果によって、金属板55はケース本体56およびモジュールケース36に固定された状態を維持することができる。
【0047】
金属板55は、ケース本体56よりも車両前後方向に広く形成されており、金属板55の下面70はケース本体56から露出している。下面70は、ケース本体56よりも前方に位置する露出面71と、ケース本体56よりも後方に位置する露出面72とを含む。
【0048】
そして、露出面71,72は、接着剤59によって収容ケース20の前壁32および後壁33に接着されている。
【0049】
前壁32は土台73と壁74とを含み、壁74は土台73の上面から上方に延びるように形成されている。土台73の上面の一部は、蓄電モジュール21が配置される搭載面77である。
【0050】
後壁33は土台75および壁76を含み、壁76は土台75の上面から上方に延びるように形成されている。土台75の上面の一部は、蓄電モジュール21が配置される搭載面78である。
【0051】
そして、接着剤59は、搭載面77および露出面71の間と、搭載面78および露出面72の間に形成されている。金属板55、土台73および土台75はいずれも金属によって形成されている。このため、接着剤59によって、蓄電モジュール21は収容ケース20に強力に接着されている。さらに、金属板55、土台73および土台75はいずれも金属製であるため、蓄電装置6に振動などが加えられたとしても、金属板55、土台73および土台75において割れなどが生じることを抑制することができる。
【0052】
蓄電モジュール21を収容ケース20に固定するためのボルトなどの締結部材を省略することができる。締結部材を省略することで、収容ケース20内における蓄電モジュール21の占有率を高めることができ、収容ケース20の容量が一定としたときにおける電気容量を大きくすることができる。
【0053】
単位電池37の底面と底板40との間には熱伝導材80が配置されている。そして、この
図4に示す例においては、底板40には、複数の貫通孔81が形成されている。貫通孔81は底板40の上面から下面に達するように形成されており、貫通孔81によって金属板55の上面の一部が底板40から露出している。熱伝導材80は貫通孔81内に入り込んでおり、熱伝導材80は金属板55と接触している。
【0054】
ここで、各冷却通路50,51,52,53内を冷媒Cが流れることで、単位電池37の底面側が冷却される。
【0055】
この際、金属板55は金属によって形成されており、各冷却通路50,51,52,53に近い位置に形成されている。このため、金属板55は冷却器22によって冷却されやすい。そして、熱伝導材80は金属板55に直接接触しているため、熱伝導材80を通して単位電池37を良好に冷却することができる。さらに、単位電池37は、図示されていない電極体と、この電極体を収容する金属製のセルケースと含む。熱伝導材80は接着性を有しており、熱伝導材80は貫通孔81を通して、金属製のセルケースおよび金属板55を接着している。これにより、単位電池37は良好にモジュールケース36に固定されている。
【0056】
図5は、
図4に示すV-V線における断面図である。冷却通路50および冷却通路51は連結されており、冷却通路52および冷却通路53は連結されている。
【0057】
冷却通路50の一端側には供給口65が形成されており、冷却通路51の一端側には排出口66が形成されている。冷却通路52の一端側には排出口67が形成されており、冷却通路53の一端側には供給口68が形成されている。
【0058】
図6は、冷却器22の一端側を示す斜視図である。供給口65,68から冷却通路50,53に冷媒Cが供給される。冷媒Cは、排出口66,67を通して冷却通路51,52から排出される。
【0059】
次に、冷却器22に冷媒Cを供給する供給路15と、冷却器22から排出された冷媒Cが流れる排出路16とについて説明する。
図7および
図8は、供給路15を示す断面図であり、
図9および
図10は、排出路16を示す断面図である。
【0060】
本実施の形態においては、供給路15および排出路16は、右側壁30および右側壁41に形成されている。
【0061】
図7において、右側壁30は、内側面87と、外側面88とを含む。内側面87は右側壁41に接触している面である。右側壁41は、右側壁30の内側面87と当接する当接面89を含む。
【0062】
供給路15は、右側壁30に形成された供給通路17と、右側壁41に形成された接続通路85,86とを含む。供給通路17は、右側壁30に形成された通路82,83,84を含む。通路84は、外側面88から車幅方向Wに延びる。通路82および通路83は通路84の端部に接続されている。通路82は通路84の端部から車両前方に延び、その後、内側面87に達している。通路83は、通路84の端部から車両後方に延び、内側面87に達している。
【0063】
外側面88には、通路84の開口部90が形成されている。この開口部90には、図示されていない供給管が接続されている。この供給管は図示されていない熱交換器などに接続されており、熱交換器によって冷却された冷媒Cが通路84に供給される。
【0064】
内側面87には、通路82の開口部91と、通路83の開口部92とが形成されている。外側面88の内側面87には、開口部91を取り囲むシール部材93と、開口部92を取り囲むシール部材94とが配置されている。
【0065】
右側壁41の当接面89が右側壁30の内側面87に当接することで、接続通路85が開口部91に接続され、接続通路86が開口部92に接続されている。なお、シール部材93によって通路82および接続通路85の接続部分から冷媒Cが漏れることが抑制されており、シール部材94によって通路83および接続通路86の接続部分から冷媒Cが漏れることが抑制されている。なお、蓄電モジュール21が充放電することで蓄電モジュール21が車幅方向Wに長くなるように変形すると、当接面89および内側面87の密着力が高くなり、シール部材93,94によるシール性も向上する。
【0066】
接続通路85,86は、当接面89から車幅方向Wに延びるように形成されており、その後、下方に延びるように形成されている。
図8を参酌して、接続通路85の下端部は、冷却器22の供給口65に接続されている。
【0067】
ここで、接続通路85は、右側壁41に形成されており、冷却器22の供給口65も右側壁41に形成されている。仮に、冷却器22に冷媒を供給する供給管を冷却器22に取り付けた構造においては、供給管と冷却器22の供給口との位置合わせなどを正確に行ったり、シール性を確保したりする必要がある。その一方で、
図8に示す例においては、位置合わせおよびシール性を確保する必要性がなく、冷却器22および蓄電モジュール21を容易に組み立てることができる。
【0068】
なお、接続通路86の下端部は供給口68に接続されており、接続通路86および供給口68も右側壁41に形成されている。このため、接続通路86および供給口68においても、接続通路85および供給口65と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図9を参酌して、排出路16は、右側壁30に形成された排出通路18と、右側壁41に形成された接続通路100,101とを含む。排出通路18は、右側壁30に形成された通路95,96,97を含む。
【0070】
通路97は外側面88から車幅方向Wに延びる。通路95,96は通路97の端部に接続されている。通路95は通路97の端部から車両前方に延び、内側面87に達するように形成されている。通路96は通路97の端部から車両後方に延び、内側面87に達するように形成されている。車両前後方向において、通路95,96の長さは、
図7に示す通路82,83の長さよりも短い。
【0071】
外側面88には、通路97の開口部102が形成されている。開口部102には、図示されていない排出管が接続されており、開口部102から排出された冷媒Cが熱交換器に供給される。
【0072】
内側面87には、通路95の開口部103と、通路96の開口部104とが形成されている。内側面87には、開口部103の周囲を取り囲むシール部材105と、開口部104の周囲を取り囲むシール部材106とが設けられている。
【0073】
開口部103には、接続通路100が接続されており、開口部104には供給通路101が接続されている。シール部材105は接続通路100および通路95の接続部分から冷媒Cが漏れることを抑制しており、シール部材106は接続通路101および通路96の接続部分から冷媒Cが漏れることを抑制している。なお、充放電によって蓄電モジュール21が車幅方向Wに長くなるように変形すると、右側壁30および左側壁31の間の密着力が高くなり、シール部材105、106のシール性も向上する。
【0074】
このように、冷却器22に冷媒Cを供給する供給路15と、冷却器22から排出された冷媒Cが流れる排出路16とは、右側壁30および右側壁41内に形成されている。このため、配管などを冷却器22に接続することで冷媒Cを冷却器22に供給させたり、冷却器22から冷媒Cを排出させたりする場合と比較すると、部品点数の低減を図ることができる。
【0075】
図10を参照して、接続通路100は車幅方向Wに延びた後、下方に向けて延びる。接続通路100の下端部は、排出口66に接続されている。排出口66から排出された冷媒Cが接続通路100に流入する。
【0076】
接続通路101も接続通路100と同様に形成されており、接続通路101の下端部は排出口67に接続されている。ここで、接続通路100,101と、排出口66,67は、いずれも、右側壁41に形成されている。このため、冷却器22から冷媒Cを排出させる排出管を冷却器22に接続した場合と比較すると、位置合わせおよびシール性の確保を図る必要性がなく、収容ケース20および冷却器22を容易に組み立てることができる。
【0077】
図11は、右側壁30を示す断面図である。右側壁30は、上面113と、下面114と、側面115と、側面116とを含む。なお、側面115は、車両前方側に位置しており、側面116は車両後方側に位置している。
【0078】
右側壁30は、壁本体117と、壁本体117に充填された複数の充填部120~128を含む。
【0079】
壁本体117には、車両の前後方向に延びると共に、上下方向に間隔をあけて配置された複数の貫通孔が形成されている。そして、車両前方向において、各貫通孔の両端は充填部120~129によって閉塞されている。
【0080】
これにより、右側壁30には、中空部110と、供給通路17と、中空部111と、排出通路18と、中空部112とが形成されている。上面113側から下面114に向けて、中空部110と、供給通路17と、中空部111と、排出通路18と、中空部112とが順次配列するように形成されている。
【0081】
供給通路17は、排出通路18よりも上方に形成されている。供給通路17および排出通路18の間には、中空部111が形成されている。上面113と供給通路17との間には中空部110が形成されており、下面114と排出通路18との間には中空部112が形成されている。なお、壁本体117は押出成形などによって形成されている。
【0082】
図12は、右側壁30の内側面87を示す平面図である。内側面87には、シール部材130およびシール部材131が配置されている。シール部材130は、シール部材93と、シール部材105と、連結片132,133とを含む。シール部材93およびシール部材105は環状に形成されており、シール部材93,105は開口部91,103の周囲を取り囲むように形成されている。連結片132,133は、シール部材93およびシール部材105を接続するように形成されている。
【0083】
シール部材131は、シール部材94と、シール部材106と、連結片134,135とを含む。シール部材94,106は環状に形成されており、開口部92,104の周囲を取り囲むように形成されている。連結片134,135は、シール部材94およびシール部材106を接続するように形成されている。シール部材130,131は、固体ガスケットや硬化型接着材によって形成されている。
【0084】
右側壁30の内側面87には、内側面87から突出するピン136,137が形成されている。
【0085】
なお、右側壁30の内側面87には、右側壁41の当接面89が当接しており、この当接面89には、ピン136,137対応する位置に、凹部が形成されている。そして、当接面89の凹部にピン136,137を挿入することで、右側壁30および右側壁41の正確な位置決めがなされている。
【0086】
ここで、右側壁30および右側壁41を位置合わせさせることで、
図7に示す右側壁30に形成された供給路15と右側壁41に形成された接続通路85,86とを位置合わせさせると共に、
図9に示す排出通路18と、接続通路100,101とを一括して位置合わせさせることができる。これにより、供給路15および接続通路85,86のシール性と、排出通路18および接続通路100,101のシール性を簡単に確保することができる。
【0087】
上記のように構成された蓄電装置6が搭載された車両1について説明する。
図1を参照して、天気が晴れている状態において、地面19の温度が高くなり、地面19から輻射熱によって蓄電装置6が暖められる場合がある。
【0088】
エンジン3が駆動している状態において、エンジン3および排気管7は高温となり、エンジン3および排気管7の周囲の空気は暖められる。車両1が走行すると、車両前方から車両後方に向けて暖められた空気が流れる。
【0089】
図2において、地面19からの輻射熱は、収容ケース20の底板25に入射して、底板25は高温となりやすい。
【0090】
さらに、エンジン3などによって暖められた空気が車両後方に向けて流れる際に、フロアパネル10とカバー部材27との間の隙間は狭いため、暖められた空気はフロアパネル10およびカバー部材27の隙間を通り難い。
【0091】
暖められた空気がフロアパネル10およびカバー部材27の間の隙間を通るときの流速よりも、暖められた空気が底板25の下面を通る流速の方が速い。そのため、底板25が暖められた空気から受ける受熱量は、カバー部材27が受ける受熱量よりも多い。このため、底板25の温度は高くなりやすい。
【0092】
その一方で、収容ケース20には、供給通路17および排出通路18を含む冷媒通路23が形成されており、冷媒通路23は収容ケース20のうち底板25よりも上方に位置する部分に形成されている。このため、冷媒通路23内を通る冷媒Cの温度が高くなることを抑制することができ、低温のままの冷媒Cを冷却器22に供給することができる。これにより、蓄電モジュール21を良好に冷却することができる。
【0093】
なお、冷却器22は、蓄電モジュール21の下面側に配置されているため、底板25の温度が高くなったとしても、底板25の熱が蓄電モジュール21に伝達されることを抑制することができる。
【0094】
冷却器22は、底板25の上方に間隔をあけて配置されている。このため、底板25の温度が高くなったとしても、冷却器22が底板25によって直接的に暖められることが抑制されている。これにより、冷却器22の冷却能力が低下することが抑制されており、蓄電モジュール21を良好に冷却することができる。
【0095】
右側壁30は、メンバー13と隣り合う位置に設けられており、右側壁30およびメンバー13の間の隙間は小さい。このため、エンジン3などによって暖められた空気は、右側壁30およびメンバー13の間に入り込み難い。
【0096】
このため、右側壁30は温度の高い空気に曝され難く、冷媒通路23内を流れる冷媒Cの温度が高くなることが抑制されている。これにより、低温の状態の冷媒Cを冷却器22に供給することができ、蓄電モジュール21を良好に冷却することができる。
【0097】
供給通路17は排出通路18よりも上方に形成されており、供給通路17は排出通路18よりも底板25から離れている。そのため、供給通路17内を流れる冷媒Cの温度が高くなることが抑制されており、冷却器22に供給される冷媒Cの温度が高くなることが抑制されている。これにより、冷却器22に低温の状態の冷媒Cを供給することができ、蓄電モジュール21を良好に冷却することができる。
【0098】
冷媒通路23は右側壁30に形成されており、左側壁31には冷媒通路は形成されていない。このため、左側壁31の構造を簡素化することができ、蓄電装置6の製造コストの低減が図られている。
【0099】
さらに、排気管7は左側壁31と隣り合うように配置されており、冷媒通路23が形成された右側壁30は排気管7から大きく離れている。このため、排気管7が高温となったとしても、冷媒通路23内を流れる冷媒Cが高温となることが抑制されている。
【0100】
図11において、排出通路18内を流れる冷媒Cは冷却器22によって暖められているため、排出通路18内を流れるCの温度は供給通路17を流れる冷媒Cの温度よりも高い。
【0101】
その一方で、排出通路18および供給通路17の間には、空気層である中空部111が配置されているため、供給通路17内を流れる冷媒Cが、排出通路18内を流れる冷媒Cによって暖められることが抑制されている。
【0102】
車両前後方向において、中空部111の長さは、供給通路17および排出通路18の長さよりも長い。このため、排出通路18内を流れる冷媒Cによって、供給通路17内を流れる冷媒Cが暖められることを良好に抑制することができる。
【0103】
上面113および供給通路17の間には、中空部110が設けられている。さらに、車両前後方向において、中空部110の長さは、供給通路17よりも長いため、上面113側の熱が供給通路17に伝達されることが抑制されている。このため、仮に、上面113の温度が高くなったとしても、供給通路17内を流れる冷媒Cの温度が高くなることが抑制されている。このように、供給通路17内を流れる冷媒Cの温度が高くなることが抑制されているため、冷却器22は蓄電モジュール21を良好に冷却することができる。
【0104】
下面114および排出通路18の間には、空気層である中空部112が配置されている。さらに、車両前後方向において、中空部112の長さは、排出通路18の長さよりも長い。このため、下方からの熱によって、排出通路18内の冷媒Cが暖められることを良好に抑制することができる。これにより、冷媒Cを冷却する熱交換器に求められる冷却能力を低く抑えることができ、当該熱交換器の小型化を図ることができる。
【0105】
(変形例1)
図13は、第1変形例に係る蓄電装置6Aを示す断面図である。この
図13に示す例においては、右側壁30に供給通路17が形成されており、左側壁31に排出通路18が形成されている。
【0106】
排気管7は左側壁31と隣り合う位置に設けられている。そのため、左側壁31は右側壁30よりも温度が高くなり易い。その一方で、左側壁31内に冷媒Cが流れる排出通路18が配置されているため、左側壁31の温度上昇が抑制される。
【0107】
これにより、右側壁30および左側壁31の温度差を低減され、車幅方向Wにおいて、蓄電モジュール21の温度バラつきを抑制することができる。(変形例2)
図14は、第2変形例に係る蓄電装置6Bを示す断面図である。蓄電装置6Bにおいては、右側壁30と右側壁41とは離れており、左側壁31と左側壁42とは離れている。
【0108】
右側壁30内には供給通路17が形成されており、左側壁31には排出通路18が形成されている。なお、右側壁41には接続通路85,86は形成されておらず、左側壁42に接続通路100,101は形成されていない。
【0109】
蓄電装置6Bは、供給通路17および冷却器22を接続する接続管140と、冷却器22および排出通路18を接続する接続管141と、蓄電モジュール21を右側壁30および左側壁31に固定する固定部材とを備える。なお、固定部材は図示されていない。
【0110】
この蓄電装置6Bにおいても、供給通路17および排出通路18は、収容ケース20のうち底板25よりも上方に位置する部分に形成されている。このため、底板25の温度が高くなったとしても、供給通路17および排出通路18内を流れる冷媒Cの温度が上昇することを抑制することができる。これにより、冷却器22は蓄電モジュール21を良好に冷却することができる。
(変形例3)
図15は、第3変形例に係る蓄電装置6Cを示す断面図である。蓄電装置6Cにおいても、右側壁30および右側壁41は離れており、左側壁31および左側壁42も離れている。
【0111】
蓄電装置6Cの収容ケース20Cは、サイドフレーム144,145をさらに備える。サイドフレーム144,145は底板25の上面に配置されている。サイドフレーム144は、右側壁30の内側面と接触するように設けられている。サイドフレーム145は、左側壁31の内側面と接触するように設けられている。サイドフレーム144,145は、車両前後方向に延びるように形成されている。
【0112】
蓄電装置6Cにおいては、供給通路17はサイドフレーム144内に形成されており、排出通路18はサイドフレーム145内に形成されている。
【0113】
蓄電装置6Cは、供給通路17および冷却器22を接続する接続管142と、冷却器22および排出通路18を接続する接続管143とを含む。
【0114】
この蓄電装置6Cにおいても、供給通路17および排出通路18は、収容ケース20のうち底板25よりも上方に位置している。このため、供給通路17および排出通路18内を流れる冷媒Cの温度が高くなることが抑制されている。
(変形例4)
図16は、第4変形例に係る蓄電装置6Dを示す断面図である。蓄電装置6Dにおいては、左側壁42および左側壁31は離れている一方で、右側壁41および右側壁30は互いに当接している。蓄電装置6Dは、右側壁30および右側壁41を互いに連結する締結部材150を含む。締結部材150は、たとえば、ボルトなどである。
【0115】
なお、蓄電装置6Dの構成は、締結部材150以外の構成において、実施の形態1の蓄電装置6と同様に構成されている。このため、蓄電装置6Dにおいても、右側壁30に供給通路17および排出通路18が形成されると共に、右側壁41内には、冷却器22と供給通路17を接続する接続通路と、冷却器22および排出通路18を接続する接続通路とが形成されている。
【0116】
このように、挿入部材46に替えて締結部材150を採用することで、右側壁30および右側壁41を圧着させるようにしてもよい。
(変形例5)
図17は、第5変形例に係る蓄電装置6Eを示す断面図である。蓄電装置6Eは冷却器151を含む。冷却器151は、供給ダクト157と、複数の冷却通路158と、排気ダクト159とを含む。
【0117】
供給ダクト157はモジュールケース36の前壁43に装着されており、排気ダクト159は、モジュールケース36の後壁44に装着されている。供給ダクト157および排気ダクト159は、いずれも、車幅方向Wに長尺に形成されている。
【0118】
冷却通路158は、モジュールケース36の各隔壁39内に形成されている。冷却通路158は、車両前後方向に延びるように形成されており、冷却通路158は供給ダクト157および排気ダクト159に連通している。
【0119】
なお、冷却通路158は、隔壁39において、高さ方向に間隔をあけて複数形成されていてもよい。
【0120】
蓄電装置6Eにおいては、図示されていないボルトなどの締結部材によって、右側壁30および右側壁41が密着している。なお、挿入部材46などを左側壁42および左側壁31の間に挿入して、右側壁30および右側壁41を密着させるようにしてもよい。
【0121】
右側壁30内には、供給通路153および排出通路154が形成されている。右側壁41には、接続通路155,156が形成されている。
【0122】
供給通路153および接続通路155は互いに連通しており、接続通路155は供給ダクト157に連通している。また、接続通路156および排出通路154は互いに連通しており、接続通路156は排気ダクト159に連通している。
【0123】
供給通路153には、図示されていない熱交換器によって冷却された冷媒Cが供給される。そして、冷媒Cは供給通路153、接続通路155および供給ダクト157を順次流れる。冷媒Cは冷却通路158内を流れることで、単位電池37を冷却する。
【0124】
単位電池37を冷却した冷媒Cは、排気ダクト159内に入り込む。その後、冷媒Cは、接続通路156および排出通路154を順次通り、その後、熱交換器において冷却される。
【0125】
このように、蓄電装置6Eにおいても、右側壁41に接続通路155,156が形成されており、右側壁30に供給通路153および供給通路154が形成されている。そのため、右側壁30および右側壁41を位置合わせさせることで、供給通路154および接続通路156の位置合わせと、供給通路153および接続通路155の位置合わせを一括的に行うことができる。これにより、各通路の位置ずれを抑制することができ、各通路の接続部分のシール性を確保し易くなっている。
【0126】
蓄電装置6Eにおいては、冷却器151は、モジュールケース36の側面に設けられている。
【0127】
蓄電装置6Eを備えた車両が走行している際に、路面に障害物などが落ちている場合があり、障害物が蓄電装置6Eの前壁32に衝突する場合がある。
【0128】
この際、供給ダクト157が前壁43に設けられているため、供給ダクト157が緩衝部材として機能する。これにより、単位電池37に大きな衝撃力が加えられることを抑制することができる。
(変形例6)
図18は、第6変形例に係る蓄電装置6Fを示す断面図である。蓄電装置6Fにおいては、
図4に示す蓄電装置6と異なり、底板40Fに貫通孔81が形成されていない。
【0129】
このため、底板40Fの強度が高く、蓄電装置6Fに振動が加えられたとしても、底板40Fに割れなどが生じることを抑制することができる。なお、蓄電装置6Fにおいても、冷却器22はモジュールケース36に一体的に構成されている。さらに、冷却器22の一部である金属板55の露出面71,72と、収容ケース20の一部であり金属製の土台73,75とが接着剤59によって接着されている。このため、蓄電装置6Fにおいても、冷却器22および蓄電モジュール21は、収容ケース20に良好に固定されている。
(変形例7)
図19は、第7変形例に係る蓄電装置6Gを示す断面図である。蓄電装置6Gは、冷却器22Gを含む。
【0130】
冷却器22Gは、本体部160と、張出部161および張出部162とを含む。本体部160内には、冷却通路50,51,52,53が形成されている。
【0131】
張出部161は本体部160の上面から車両後方に向けて張り出すように形成されており、張出部162は本体部160の上面から車両前方に向けて張り出すように形成されている。なお、本体部160、張出部161および張出部162は、金属材料によって形成されている。
【0132】
後壁44の下端部には爪部165が形成されており、前壁43の下端部には爪部166が形成されている。爪部165は張出部161を係止めており、爪部166は張出部162を係止めている。これにより、冷却器22Gはモジュールケース36に一体的に固定されている。
【0133】
なお、張出部161の下面の一部は爪部165から露出しており、張出部162の下面の一部は爪部166から露出している。接着剤59は、土台75の上面および張出部161,162の下面を接着している。
【0134】
このように、蓄電装置6Gにおいても、接着剤59は金属同士を接着している。このため、冷却器22Gは土台73,75に強固に固定されている。
【0135】
このように、蓄電装置6Gにおいても、蓄電モジュール21Fの金属部分と、収容ケース20を接着剤59で接着させている。
【0136】
これにより、蓄電装置6Gにおいても、蓄電モジュール21および冷却器22Gを収容ケース20に強固に固定することができ、ボルトなどの締結部材を省略させることができる。
【0137】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0138】
1 車両、2 ボディ骨格、3 エンジン、4 駆動装置、6,6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G 蓄電装置、7 排気管、8 エンジンコンパートメント、9 車室、10 フロアパネル、11 動力分割機構、12 駆動輪、13,14 メンバー、15 供給路、16 排出路、17,153,154 供給通路、18 排出通路、19 地面、20,20C 収容ケース、21,21F 蓄電モジュール、22,22G,151 冷却器、23 冷媒通路、25,40,40F,57 底板、26 周壁部、27 カバー部材、28,29 固定メンバー、30,41 右側壁、31,42 左側壁、32,43 前壁、33,44 後壁、35,150 締結部材、36 モジュールケース、37 単位電池、38 収容凹部、39,63 隔壁、46 挿入部材、50,51,52,53,158 冷却通路、55 金属板、56 ケース本体、58,81 貫通孔、59 接着剤、60 天板、61 連結部、62 周壁、65,68 供給口、66,67 排出口、70,114 下面、71,72 露出面、73,75 土台、74,76 壁、77,78 搭載面、80 熱伝導材、82,83,84,95,96,97 通路、85,86,100,101,155,156 接続通路、87 内側面、88 外側面、89 当接面、90,91,92,102,103,104 開口部、93,94,105,106,130,131 シール部材、110,111,112 中空部、113 上面、115,116 側面、117 壁本体、120,128,129 充填部、132,133,134,135 連結片、136,137 ピン、140,141,142,143 接続管、144,145 サイドフレーム、157 供給ダクト、159 排気ダクト、160 本体部、161,162 張出部、165,166 爪部、C 冷媒、MG1,MG2 回転電機、W 車幅方向。