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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】救急搬送システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20241112BHJP
【FI】
G06Q50/40
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024552295
(86)(22)【出願日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2024015725
【審査請求日】2024-09-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】中川 敢斗
(72)【発明者】
【氏名】河合 克哉
(72)【発明者】
【氏名】深川 浩史
(72)【発明者】
【氏名】西村 将太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 由華子
(72)【発明者】
【氏名】鶴 直樹
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-086213(JP,A)
【文献】特開2021-018623(JP,A)
【文献】特表2021-508094(JP,A)
【文献】特開2018-190142(JP,A)
【文献】特開2022-059352(JP,A)
【文献】澤 喜司郎,新版 交通とビジネス 【改訂版】 ,改訂初版,株式会社成山堂書店,2012年06月28日,pp.163-165
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、
医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、
輸送者に関する情報である輸送者情報及び前記搬送要求に基づき、前記搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、
記患者が前記医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、
前記インセンティブ決定用情報受信部により受信した前記医療実績に基づき、前記対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、
を備える救急搬送システム。
【請求項2】
救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、
医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、
輸送者に関する情報である輸送者情報及び前記搬送要求に基づき、前記搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、
前記患者の搬送によって前記対象輸送者に生じる負担に関する負担情報、及び前記患者が前記医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績の少なくとも一方を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、
前記インセンティブ決定用情報受信部により受信した前記負担情報及び前記医療実績の少なくとも一方に基づき、前記対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、
を備え、
前記インセンティブ決定部は、前記対象輸送者の輸送車両に設けられた撮像部により取得される前記患者の容体情報にさらに基づき、前記インセンティブを決定する、
急搬送システム。
【請求項3】
救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、
医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、
輸送者に関する情報である輸送者情報及び前記搬送要求に基づき、前記搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、
前記患者の搬送によって前記対象輸送者に生じる負担に関する負担情報、及び前記患者が前記医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績の少なくとも一方を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、
前記インセンティブ決定用情報受信部により受信した前記負担情報及び前記医療実績の少なくとも一方に基づき、前記対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、
を備え、
前記負担情報及び前記医療実績の少なくとも一方を前記インセンティブ決定用情報受信部が受信したか否かを判断し、受信した場合に、前記インセンティブの原資を健康保険の保険金及び予め設定されたプール金の少なくとも一方とし、受信していない場合に、前記インセンティブの原資を健康保険の保険金及び予め設定されたプール金以外とするインセンティブ原資判断部と、
をさらに備える救急搬送システム。
【請求項4】
前記輸送者情報は、前記医療実績に基づき更新される、
請求項1に記載の救急搬送システム。
【請求項5】
救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、
医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、
輸送者に関する情報である輸送者情報及び前記搬送要求に基づき、前記搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、
前記患者の搬送によって前記対象輸送者に生じる負担に関する負担情報、及び前記患者が前記医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績の少なくとも一方を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、
前記インセンティブ決定用情報受信部により受信した前記負担情報及び前記医療実績の少なくとも一方に基づき、前記対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、
を備え、
前記搬送要求は、前記患者及び前記患者の代理人の少なくとも一方により入力された前記負担情報を含み、
前記インセンティブ決定部は、前記搬送要求に含まれる前記負担情報に基づいてインセンティブ予測値を算出し、
前記インセンティブ予測値及び前記対象輸送者として抽出された旨を前記対象輸送者に出力する出力部をさらに備える、
急搬送システム。
【請求項6】
前記負担情報は、前記対象輸送者が搬送した前記患者の出血の発生、前記患者が罹患している又は罹患している可能性のある病気、前記患者の搬送に伴う前記対象輸送者の輸送車両の清掃の発生、及び前記患者に対する乗降中の補助の少なくともいずれか一つに関する情報を含む、
請求項2、3、及び5のいずれか一項に記載の救急搬送システム。
【請求項7】
前記インセンティブ決定部は、搬送距離及び搬送時間の少なくとも一方を含む前記対象輸送者の搬送実績にさらに基づき、前記インセンティブを決定する、
請求項1に記載の救急搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配車アプリ、タクシー、及びカーシェア等、利用者が必要に応じて移動手段として利用することができる車両の提供サービスが存在している。配車アプリ、タクシー、及びカーシェア等の車両は、救急搬送を目的としていない車両であるが、これらの車両を用いて患者を搬送することができれば、救急車が不足している場合等に、迅速に患者を医療機関へ搬送することが可能になる。
【0003】
例えば、特許文献1には、配車アプリ等と連携して、救急搬送を目的としていない車両により患者を救急搬送する救急搬送配車システムが開示されている。また、特許文献1に記載の発明では、患者のトリアージ結果に基づいて患者に発生している可能性が高い疾患を特定し、その疾患に基づいて患者の救急搬送に対応することができる輸送者を輸送者候補として抽出し、その中から搬送依頼先の輸送者を決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-86213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、健常者を搬送する通常搬送と比較して、患者を医療機関へ搬送する救急搬送では、輸送者にかかる負担が大きい。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、輸送者にかかる負担に応じたインセンティブを輸送者に与えることについては考慮されていないという課題があった。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、患者の搬送によって輸送者にかかる負担に見合ったインセンティブを決定することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る救急搬送システムは、救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、輸送者に関する情報である輸送者情報及び搬送要求に基づき、搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、患者が医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、インセンティブ決定用情報受信部により受信した医療実績に基づき、対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、を備えることを特徴とする。
また、本開示に係る救急搬送システムは、救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、輸送者に関する情報である輸送者情報及び搬送要求に基づき、搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、患者の搬送によって対象輸送者に生じる負担に関する負担情報、及び患者が医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績の少なくとも一方を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、インセンティブ決定用情報受信部により受信した負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、を備え、インセンティブ決定部は、対象輸送者の輸送車両に設けられた撮像部により取得される患者の容体情報にさらに基づき、インセンティブを決定する、ことを特徴とする。
また、本開示に係る救急搬送システムは、救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、輸送者に関する情報である輸送者情報及び搬送要求に基づき、搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、患者の搬送によって対象輸送者に生じる負担に関する負担情報、及び患者が医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績の少なくとも一方を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、インセンティブ決定用情報受信部により受信した負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、を備え、負担情報及び医療実績の少なくとも一方をインセンティブ決定用情報受信部が受信したか否かを判断し、受信した場合に、インセンティブの原資を健康保険の保険金及び予め設定されたプール金の少なくとも一方とし、受信していない場合に、インセンティブの原資を健康保険の保険金及び予め設定されたプール金以外とするインセンティブ原資判断部と、をさらに備えることを特徴とする。
また、本開示に係る救急搬送システムは、救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車する救急搬送システムにおいて、医療機関への搬送を要する患者の搬送要求を受信する搬送要求受信部と、輸送者に関する情報である輸送者情報及び搬送要求に基づき、搬送要求に対応可能な対象輸送者を抽出する抽出部と、患者の搬送によって対象輸送者に生じる負担に関する負担情報、及び患者が医療機関で受けた医療行為の実績である医療実績の少なくとも一方を受信するインセンティブ決定用情報受信部と、インセンティブ決定用情報受信部により受信した負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部と、を備え、搬送要求は、患者及び患者の代理人の少なくとも一方により入力された負担情報を含み、インセンティブ決定部は、搬送要求に含まれる負担情報に基づいてインセンティブ予測値を算出し、インセンティブ予測値及び対象輸送者として抽出された旨を対象輸送者に出力する出力部をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、救急搬送システムは、負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部を備える。これにより、輸送者にかかる負担に見合ったインセンティブを決定することが可能な救急搬送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の救急搬送システムを示す構成図である。
図2】実施の形態1の救急搬送システムの変形例を示す構成図である。
図3】実施の形態1の輸送実績の一例を示す概略図である。
図4】実施の形態1の輸送者情報の更新の一例を示す概略図である。
図5】実施の形態1の各構成のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6】実施の形態1の救急搬送システムの処理フローを示すシーケンス図である。
図7】実施の形態1の救急搬送システムの処理フローを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態に係る救急搬送システムを、図面を参照しながら説明する。本発明にかかる救急搬送システムは、救急搬送専用ではない車両を患者の搬送のために配車するシステムである。以下の実施の形態は、例にすぎず、実施の形態を適宜変更することが可能である。また、以下の実施の形態において、説明の簡単のため、適宜具体例を用いて説明するが、実施の形態を限定するものではない。図において、同様の構成には同じ符号が付されている。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1における救急搬送システムについて、図1、及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1の救急搬送システムを示す構成図である。また、図2は、実施の形態1の救急搬送システムの変形例を示す構成図である。
【0012】
図1に示すように、救急搬送システム100は、民間輸送サービス200を管理する管理サーバ200a、患者10が操作する患者端末、医療機関400が操作する医療機関端末、対象輸送者300の輸送車両500、及び対象輸送者300が所有する携帯端末9とインターネット等の通信回線を介して接続されている。救急搬送システム100は、搬送要求受信部1、抽出部3、出力部4、インセンティブ決定用情報受信部5、輸送実績記憶部6、インセンティブ原資判断部7、及びインセンティブ決定部8を備える。
【0013】
また、民間輸送サービス200は、例えば配車アプリ、タクシー、及びカーシェア等の利用者が必要に応じて移動手段として利用することができる救急搬送専用ではない車両を提供するサービスである。以下では、救急搬送専用ではない車両を運転する運転手を輸送者と称する。輸送者は、民間輸送サービス200を提供するタクシー会社、運送会社、スマートフォンのアプリケーションである配車アプリ等に運転手として登録される。配車アプリの場合、輸送者は個人の輸送車両500を所有する。
【0014】
輸送者は、民間輸送サービス200にユーザ登録する際に、輸送者情報を登録する。そして、輸送者により登録された輸送者情報は、輸送者情報記憶部2に記憶される。輸送者情報は、患者10を医療機関400へ搬送することを希望する輸送者に関する情報である。輸送者情報記憶部2は、輸送者情報を抽出部3に送信する。図1において、民間輸送サービス200の管理サーバ200aが輸送者情報記憶部2を備えており、民間輸送サービス200の管理サーバ200a及び救急搬送システム100が輸送者情報記憶部2を共有しているが、これに限定されない。すなわち、救急搬送システム100は、図2に示すように、輸送者情報記憶部2を救急搬送システム100内に備えていてもよい。この場合、救急搬送システム100は、輸送者情報受付部2aをさらに備える。輸送者情報受付部2aは、輸送者が登録した輸送者情報を受付け、輸送者情報記憶部2に輸送者情報を送信し、記憶させる。
【0015】
輸送者情報は、輸送者の個人情報、輸送者の過去の搬送経験に関する情報、及び搬送時に輸送者が使用する輸送車両500に関する情報等を含む。個人情報には、輸送者の氏名、住所、及び年齢等が含まれる。また、搬送経験に関する情報には、過去に輸送者が患者10を医療機関400に搬送した回数、及び過去に輸送者が当該患者10を搬送した際に得たインセンティブに関する情報等が含まれる。また、搬送経験に関する情報には、後述の負担情報、医療実績、搬送実績、及び容体情報のうち、過去の搬送に関するものを含んでもよい。
【0016】
また、輸送者情報は、輸送者の現在地等のリアルタイムな情報を含んでいてもよい。これにより、例えば、救急搬送システム100は、輸送者の現在地と、患者10の現在地又は迎車希望場所とを参照することで、輸送者が患者10の搬送に対応可能であるか否かを判断することができる。よって、救急搬送システム100は、後述の抽出部3による対象輸送者300の抽出の際に、抽出のミスマッチが発生することを抑制することができる。
【0017】
搬送要求受信部1は、医療機関400への搬送を要する患者10の搬送要求を受信する。搬送要求受信部1は、受信した搬送要求を抽出部3に送信する。搬送要求は、搬送を要する患者10及び患者10の代理人の少なくとも一方が送信する。搬送要求には、患者10の状況に関する情報が少なくとも含まれる。患者10の状況には、患者10の症状、及び患者10の現在地等が含まれる。また、患者10の症状には、患者10が罹患している病気、患者10が罹患している可能性のある病気、外傷の有無及び状態、出血の有無及び状態、自立歩行の可否等が含まれる。
【0018】
また、患者10及び患者10の代理人の少なくとも一方は、現在地と異なる場所での迎車を希望する場合には、搬送要求に迎車希望場所に関する情報を含めてもよい。また、患者10及び患者10の代理人の少なくとも一方は、希望する搬送先の医療機関400又はかかりつけの病院等がある場合には、搬送要求に搬送希望先に関する情報を含めてもよい。
【0019】
抽出部3は、搬送要求受信部1が受信した搬送要求及び輸送者情報記憶部2に記憶された輸送者情報に基づき、搬送要求に対応可能な輸送者を抽出する。以下では、抽出部3によって抽出された搬送要求に対応可能な輸送者を対象輸送者300と称する。すなわち、対象輸送者300は、輸送者情報記憶部2に記憶された輸送者の中から抽出される。
【0020】
抽出部3は、搬送要求に含まれる患者10の状況に基づき、搬送要求に対応可能な輸送者を対象輸送者300として抽出する。ここで、抽出部3における抽出方法の具体例を説明する。例えば、抽出部3は、候補となる輸送者の住所又は現在地と、患者10の現在地又は迎車希望場所とを参照し、患者10の現在地又は迎車希望場所に最も近い輸送者を対象輸送者300として抽出してもよい。また、例えば、抽出部3は、搬送要求に含まれる患者10の症状と、輸送者情報に含まれる搬送経験に関する情報とを参照し、搬送要求を送信した患者10の症状と同様の症状を持つ患者10を過去に搬送したことがある輸送者を、優先的に対象輸送者300として抽出してもよい。対象輸送者300の抽出方法は上記の例に限られず、抽出部3は、搬送要求に含まれる情報及び輸送者情報に基づいて適宜抽出を行うことができる。
【0021】
搬送要求に迎車希望場所に関する情報が含まれている場合には、抽出部3は、当該迎車希望場所を患者10の迎車位置として決定する。また、搬送要求に迎車希望場所に関する情報が含まれていない場合には、抽出部3は、患者10の現在地を患者10の迎車位置として決定する。また、搬送要求に搬送希望先に関する情報が含まれる場合には、抽出部3は、当該搬送希望先を搬送先として決定する。また、搬送要求に搬送希望先に関する情報が含まれない場合には、抽出部3は、患者10の症状及び患者10の迎車位置に基づき、患者10の受診に適しかつ迎車位置に最も近い医療機関400を搬送先として決定する。また、抽出部3は、抽出した対象輸送者300の輸送者情報である対象輸送者情報、決定した患者10の送迎場所、及び決定した搬送先に関する情報等を出力部4に送信する。
【0022】
出力部4は、抽出された対象輸送者300に対して、対象輸送者300として抽出された旨、患者10の迎車位置、及び搬送先に関する情報等を出力する。このとき、例えば、出力部4は、対象輸送者300が所有する携帯端末9、タブレット、及びPC等に通知を送信する。対象輸送者300が所有する携帯端末9、タブレット、及びPC等は、通知を受信する通知受信部9aを備える。また、出力部4は、対象輸送者300の輸送者情報である対象輸送者情報を輸送実績記憶部6に送信する。
【0023】
抽出部3によって抽出された対象輸送者300は、出力部4からの通知を受けて、迎車位置において患者10を迎車し、決定された搬送先へ患者10を搬送する。また、対象輸送者300は、患者10の搬送に対応できない旨を抽出部3に送信してもよい。このとき、抽出部3は、当該対象輸送者300を除外した上で、搬送要求に対応可能な輸送者を対象輸送者300として再度抽出する。
【0024】
インセンティブ決定用情報受信部5は、対象輸送者300に与えるインセンティブを決定するための情報として、インセンティブ決定用情報を受信する。インセンティブ決定用情報受信部5は、受信したインセンティブ決定用情報を輸送実績記憶部6に送信する。インセンティブとは、患者10を医療機関400に搬送した行為に対して対象輸送者300が受け取る対価のことである。実施の形態1において、インセンティブは、金銭であるものとして説明するがこれに限定されない。例えば、インセンティブは、対象輸送者300が医療機関400を受診した際の対象輸送者300に対する保険点数の割引、及び対象輸送者300が輸送車両500を清掃する際に使用できるクーポン等、金銭以外のものであってもよい。
【0025】
インセンティブ決定用情報受信部5は、インセンティブ決定用情報として、患者10の搬送によって対象輸送者300に生じる負担に関する情報である負担情報を受信する。対象輸送者300は、負担情報をインセンティブ決定用情報受信部5に送信する。また、対象輸送者300は、搬送先の医療機関400に負担情報を送信してもよい。この場合、インセンティブ決定用情報受信部5は、医療機関400及び患者10の少なくとも一方から負担情報を受信してもよい。また、負担情報は、対象輸送者300が送信した情報の代わりに、搬送要求に含まれる患者10の症状に関する情報であってもよい。すなわち、負担情報は、患者10及び患者10の代理人の少なくとも一方により入力される搬送要求に含まれていてもよい。この場合、搬送要求受信部1は、搬送要求に含まれる負担情報を、インセンティブ決定用情報受信部5に送信する。
【0026】
負担情報には、例えば、対象輸送者300が搬送した患者10の出血の有無及び状態、患者10の嘔吐等に伴い発生した清掃等の後処理の有無、患者10が罹患している病気、患者10が罹患している可能性のある病気、及び乗降中の補助の有無等が含まれる。
【0027】
また、インセンティブ決定用情報受信部5は、インセンティブ決定用情報として、医療機関400に搬送された患者10が医療機関400で受けた医療行為の実績である医療実績を受信する。医療機関400及び患者10の少なくとも一方は、医療実績をインセンティブ決定用情報受信部5に送信する。このとき、患者10は、医療機関400を受診後に、スマートフォンのアプリケーション等を用いて、医療実績登録部10aに医療実績を登録するようにしてもよい。医療実績登録部10aは、インセンティブ決定用情報受信部5に医療実績を送信する。
【0028】
医療実績には、例えば、患者10が医療機関400で診察を受けた際の医師による診断結果、処置内容、医療費、保険点数等の医療機関400で生じた医療行為の実績が含まれる。
【0029】
また、インセンティブ決定用情報受信部5は、インセンティブ決定用情報として、対象輸送者300が患者10を医療機関400へ搬送した実績である搬送実績を受信する。対象輸送者300は、搬送実績をインセンティブ決定用情報受信部5に送信する。
【0030】
搬送実績は、搬送距離及び搬送時間の少なくとも一方を含む。搬送距離は、対象輸送者300が患者10を迎車した迎車位置から、対象輸送者300が患者10を搬送した搬送先までの距離である。また、搬送時間は、迎車位置において患者10を迎車し、決定された搬送先へ患者10を搬送するまでに対象輸送者300が要した時間である。また、搬送実績は、対象輸送者300が患者10を搬送した時間帯、及び搬送時の有料道路の使用有無等の情報を含んでもよい。
【0031】
また、インセンティブ決定用情報受信部5は、インセンティブ決定用情報として、患者10の容体情報を受信してもよい。このとき、対象輸送者300の輸送車両500には、ドライバーモニタリングシステム500aが備えられている。すなわち、対象輸送者300の輸送車両500には、撮像部が設けられている。撮像部は、患者10を撮像することで患者10の容体情報を取得する。ドライバーモニタリングシステム500aは、当該容体情報をインセンティブ決定用情報受信部5に送信する。また、ドライバーモニタリングシステム500aは、患者10の容体情報を搬送先の医療機関400に送信してもよい。これにより、救急搬送システム100は、搬送する患者10の状態をリアルタイムで医療機関400と共有することができ、取得した患者10の容体情報を診断に利用することができる。
【0032】
容体情報は、患者10の表情、顔色、及び脈拍等を含む。対象輸送者300の輸送車両500に設けられた撮像部は、患者10の視線、瞳孔、瞼の開き、顔の筋肉の動き、及び肌の領域を撮像した画像の輝度値等に基づき、患者10の容体情報を取得する。
【0033】
輸送実績記憶部6は、インセンティブ決定用情報受信部5からインセンティブ決定用情報を受信し、記憶する。具体的には、輸送実績記憶部6は、抽出部3により抽出された対象輸送者300の輸送者情報である対象輸送者情報、負担情報、医療実績、搬送実績、及び容体情報を関連付けて輸送実績として記憶する。輸送実績記憶部6は、輸送実績に含まれる情報をインセンティブ原資判断部7に送信する。
【0034】
ここで、輸送実績記憶部6に記憶される輸送実績の具体例について図3を用いて説明する。図3は、実施の形態1の輸送実績の一例を示す概略図である。以下の一例は、実施の形態を限定するものではなく、輸送実績記憶部6は、対象輸送者情報、負担情報、医療実績、搬送実績、及び容体情報を適宜関連付けて輸送実績として記憶することができる。
【0035】
図3において、対象輸送者Aの輸送実績について説明する。「2km」という搬送距離、及び「15分」という搬送時間が、搬送実績として対象輸送者Aに関連付けられて記憶される。また、「乗降中の補助あり」という負担情報が、対象輸送者Aに関連付けられて記憶される。また、「診断結果:骨折」、「処置内容:レントゲン、診察、ギブスによる固定」、及び「医療費:10,000円」という医療実績が、対象輸送者Aに関連付けられて記憶される。また、「1分間当たりの脈拍:100」という患者10の容体情報が、対象輸送者Aに関連付けられて記憶される。次に、対象輸送者Bの輸送実績について説明する。「5km」という搬送距離、及び「30分」という搬送時間が、搬送実績として対象輸送者Bに関連付けられて記憶される。また、「嘔吐あり」という負担情報が、対象輸送者Bに関連付けられて記憶される。また、「診断結果:風邪」、「処置内容:薬処方、診察」、及び「医療費:3,000円」という医療実績が、対象輸送者Bに関連付けられて記憶される。また、「1分間当たりの脈拍:90」という患者10の容体情報が、対象輸送者Bに関連付けられて記憶される。
【0036】
上述の通り、輸送実績記憶部6は、搬送が行われる度に対象輸送者情報、当該対象輸送者300の負担情報、当該対象輸送者300が搬送した患者10に関する医療実績、当該対象輸送者300の搬送実績、及び当該対象輸送者300が搬送した患者10の容体情報を関連付け、当該対象輸送者300の輸送実績として記憶する。そして、輸送実績記憶部6は、輸送実績に含まれる情報を適宜組み合わせて、インセンティブ原資判断部7に送信する。
【0037】
ここで、対象輸送者300に与えられるインセンティブの原資は、健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方であってもよい。これにより、救急搬送システム100は、対象輸送者300にインセンティブを支払う患者10の負担を軽減することができる。しかし、救急搬送の必要がないにもかかわらず、患者10が不正の目的で搬送要求を搬送要求受信部1に送信し、対象輸送者300が患者10を医療機関400に搬送した場合において、健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方から対象輸送者300に与えられるインセンティブが支払われてしまう虞がある。そこで、インセンティブ原資判断部7は、インセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方にするか否かを判断する。
【0038】
インセンティブ原資判断部7は、輸送実績記憶部6から対象輸送者300の輸送実績を受信し、インセンティブ決定部8に輸送実績を送信する。このとき、インセンティブ原資判断部7は、負担情報及び医療実績の少なくとも一方をインセンティブ決定用情報受信部5が受信したか否かを判断する。負担情報及び医療実績のいずれも存在しない場合、救急搬送の必要がないにもかかわらず、患者10が不正の目的で搬送要求を搬送要求受信部1に送信したと考えられる。そこで、インセンティブ決定用情報受信部5が負担情報及び医療実績の少なくとも一方を受信したと判断した場合、インセンティブ原資判断部7は、対象輸送者300へのインセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方とする。また、インセンティブ決定用情報受信部5が負担情報及び医療実績のいずれも受信していないと判断した場合、インセンティブ原資判断部7は、対象輸送者300へのインセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金以外とする。また、対象輸送者300へのインセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金以外とした場合、インセンティブ原資判断部7は、対象輸送者300へのインセンティブの原資を患者10の銀行口座の預金及び患者10のクレジットカードの少なくとも一方としてもよい。この場合、搬送要求受信部1は、銀行口座の情報及びクレジットカードの情報の少なくとも一方を予め登録した患者10の搬送要求のみを受信するようにしてもよい。これにより、インセンティブ原資判断部7は、不正の目的で搬送要求を搬送要求受信部1に送信し、救急搬送の必要がないにもかかわらず対象輸送者300によって医療機関400に搬送された患者10に対し、対象輸送者300に与えるインセンティブを負担させることができる。
【0039】
また、対象輸送者300が不正の目的で捏造した負担情報をインセンティブ決定用情報受信部5に送信し、実際よりも高いインセンティブを不正に得ようとする場合も考えられる。そこで、インセンティブ原資判断部7は、医療実績をインセンティブ決定用情報受信部5が受信したか否かのみを判断するようにしてもよい。このとき、医療実績をインセンティブ決定用情報受信部5が受信したと判断した場合、インセンティブ原資判断部7は、対象輸送者300へのインセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方とする。また、医療実績をインセンティブ決定用情報受信部5が受信していないと判断した場合、インセンティブ原資判断部7は、対象輸送者300にインセンティブを与えないと判断する。これにより、インセンティブ原資判断部7は、不正の目的で負担情報を捏造した対象輸送者300にインセンティブを与えてしまうことを抑制することができる。
【0040】
インセンティブ決定部8は、インセンティブ原資判断部7から受信した輸送実績に含まれる情報に基づき、対象輸送者300に与えるインセンティブを決定する。すなわち、インセンティブ決定部8は、インセンティブ原資判断部7から受信した輸送実績に含まれる負担情報、及び医療実績の少なくとも一方に基づき、当該負担情報、及び当該医療実績の少なくとも一方に関連付けられた対象輸送者300へのインセンティブを決定する。また、インセンティブ決定部8は、インセンティブ原資判断部7から受信した輸送実績に含まれる搬送実績及び容体情報の少なくとも一方にさらに基づき、当該搬送実績及び当該容体情報に関連付けられた対象輸送者300へのインセンティブを決定してもよい。このとき、搬送実績には、搬送距離及び搬送時間の少なくとも一方に関する情報が含まれる。
【0041】
インセンティブ決定部8は、インセンティブ原資判断部7から受信した輸送実績に含まれる負担情報、及び医療実績の少なくとも一方に基づき、患者10の搬送による対象輸送者300への負担が大きいほど、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。
【0042】
例えば、インセンティブ決定部8は、負担情報に「患者10の出血あり」という情報が含まれていた場合、「患者10の出血あり」という情報が含まれていない場合に比べて、輸送車両500の清掃等の後処理に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。また、例えば、インセンティブ決定部8は、負担情報に「患者10が罹患している又は罹患している可能性のある病気」に関する情報が含まれていた場合、「患者10が罹患している又は罹患している可能性のある病気」に応じてインセンティブを決定する。例えば、インセンティブ決定部8は、「患者10が罹患している又は罹患している可能性のある病気」が「COVID-19」である場合、「患者10が罹患している又は罹患している可能性のある病気」が「風邪(ライノウイルス等によるもの)」である場合と比べて、感染力の高い患者10の搬送に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。また、例えば、インセンティブ決定部8は、負担情報に「患者10の嘔吐あり」という情報が含まれていた場合、「患者10の嘔吐あり」という情報が含まれていない場合に比べて、輸送車両500の清掃等の後処理に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。また、例えば、インセンティブ決定部8は、負担情報に「患者10に対する乗降中の補助あり」という情報が含まれていた場合、「患者10に対する乗降中の補助あり」という情報が含まれていない場合に比べて、患者10に対する乗降中の補助に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。
【0043】
また、例えば、インセンティブ決定部8は、医療実績に「診断結果:COVID-19」という情報が含まれていた場合、医療実績に「診断結果:風邪(ライノウイルス等によるもの)」という情報が含まれていた場合と比べて、感染力の高い患者10の搬送に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。また、例えば、インセンティブ決定部8は、医療実績に「処置内容:薬処方」という情報が含まれていた場合、医療実績に「処置内容:薬処方」という情報が含まれていない場合と比べて、薬の処方を要する患者10の搬送に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。また、例えば、インセンティブ決定部8は、医療実績に「医療費」に関する情報が含まれていた場合、「医療費」に応じてインセンティブを決定する。例えば、インセンティブ決定部8は、医療実績に含まれる「医療費」が予め設定された閾値以上である場合、「医療費」が予め設定された閾値未満である場合に比べて、症状のより重い患者10を搬送したことにより対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。また、例えば、インセンティブ決定部8は、医療実績に含まれる「保険点数」が予め設定された閾値以上である場合、「保険点数」が予め設定された閾値未満である場合に比べて、症状のより重い患者10を搬送したことにより対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。
【0044】
また、インセンティブ決定部8は、インセンティブ原資判断部7から受信した輸送実績に含まれる搬送実績及び容体情報の少なくとも一方にさらに基づき、患者10の搬送による対象輸送者300への負担が大きいほど、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。また、例えば、インセンティブ決定部8は、搬送実績に含まれる「搬送距離」が所定の距離よりも長い場合、「搬送距離」が所定の距離以下の場合に比べて、長距離の搬送に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。
【0045】
また、例えば、インセンティブ決定部8は、容体情報に含まれる「1分間当たりの脈拍」が所定の値よりも大きい場合、「1分間当たりの脈拍」が所定の値以下である場合に比べて、より興奮状態にある患者10の搬送に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。
【0046】
また、上記のように、インセンティブ決定部8が対象輸送者300に与えるインセンティブを決定する際の具体例について説明したが、これに限定されない。例えば、インセンティブ決定部8は、負担情報、及び医療実績の少なくとも一方に基づけば、輸送実績に含まれる情報を組み合わせて対象輸送者300に与えるインセンティブを決定することもできる。
【0047】
また、インセンティブ決定部8は、対象輸送者情報と輸送実績とを参照することで、対象輸送者300に与えるインセンティブを決定してもよい。例えば、インセンティブ決定部8は、対象輸送者情報に含まれる対象輸送者300の搬送経験と、負担情報及び医療実績の少なくとも一方に含まれる患者10の症状とを参照する。そして、インセンティブ決定部8は、対象輸送者300が搬送経験のない症状を有する患者10を搬送した場合に、対象輸送者300が搬送経験のある症状を有する患者10を搬送した場合に比べて、搬送経験のない症状を有する患者10への対応に伴い対象輸送者300への負担が増大したと判断し、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定してもよい。
【0048】
また、インセンティブ決定部8は、搬送要求に含まれる負担情報をインセンティブ決定用情報受信部5が搬送要求受信部1から受信していた場合、当該負担情報に基づき、当該搬送要求に対応したことによって発生するインセンティブの予測額であるインセンティブ予測値を算出する。例えば、インセンティブ決定部8は、対象輸送者300から送信される搬送対応後の負担情報に「患者10の出血あり」という情報が含まれていた場合に決定されるインセンティブの額を、インセンティブ決定用情報受信部5が搬送要求受信部1から受信した負担情報に「患者10の出血あり」という情報が含まれていた場合のインセンティブ予測値として算出する。インセンティブ決定部8は、算出したインセンティブ予測値を出力部4に送信する。
【0049】
このとき、出力部4は、対象輸送者300として抽出された旨、患者10の迎車位置、及び搬送先に関する情報等の出力に加え、インセンティブ決定部8が算出したインセンティブ予測値を当該対象輸送者300に出力する。
【0050】
また、インセンティブ決定部8は、決定したインセンティブに関する情報であるインセンティブ情報を出力部4に送信する。インセンティブ情報には、インセンティブを決定する際に基となった輸送実績に含まれる情報、及びインセンティブの額等の情報が含まれる。
【0051】
出力部4は、インセンティブ決定部8から受信したインセンティブ情報を対象輸送者300に送信する。このとき、例えば、出力部4は、対象輸送者300が所有する携帯端末9、タブレット、及びPC等にインセンティブ情報の通知を送信してもよい。
【0052】
また、出力部4は、インセンティブ決定部8が決定したインセンティブを対象輸送者300に支払ってもよい。すなわち、出力部4は、対象輸送者300の銀行口座等にインセンティブを送金する構成でもよい。このとき、インセンティブの原資は、健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方であってもよい。これにより、救急搬送システム100は、インセンティブを対象輸送者300に支払う患者10の負担を軽減することができる。
【0053】
出力部4は、インセンティブ情報の送信及びインセンティブの送金の少なくとも一方を行うことで、対象輸送者300に対してインセンティブの内容を報知することができる。
【0054】
また、出力部4は、インセンティブ決定部8から受信したインセンティブ情報を輸送者情報記憶部2に送信する。輸送者情報記憶部2は、出力部4から受信したインセンティブ情報とインセンティブを与えられた対象輸送者300の輸送者情報とを関連付けて記憶する。このとき、輸送者情報記憶部2は、インセンティブ情報に含まれる負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者300の輸送者情報を更新する。
【0055】
輸送者情報記憶部2が輸送者情報を更新する際の具体例について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1の輸送者情報の更新の一例を示す概略図である。以下の一例は、実施の形態を限定するものではなく、輸送者情報記憶部2は、インセンティブ情報に含まれる負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者300の輸送者情報を適宜更新することができる。
【0056】
図4において、対象輸送者300として抽出部3に抽出された輸送者Aは、搬送前の時点で、いずれも軽傷であった患者A、患者B、及び患者Cの搬送経験があり、当該搬送経験は、輸送者情報記憶部2に記憶されている。また、輸送者情報記憶部2に記憶されている輸送者情報には、輸送者Aが軽傷患者のみに対して対応可能である旨が記憶されている。ここで、輸送者情報記憶部2は、捻挫等を軽傷、出血を伴う外傷等を中傷、及び骨折を伴う外傷等を重傷として記憶するものとする。抽出部3は、輸送者Aの輸送者情報に含まれる搬送経験及び搬送要求に含まれる患者Dの状況に基づき、輸送者Aが経験したことのある症状と同じく軽傷である患者Dの搬送のために、対象輸送者300として輸送者Aを抽出する。インセンティブ決定部8は、輸送者Aに与えるインセンティブ情報を決定し、当該インセンティブ情報を輸送者情報記憶部2に送信する。輸送者情報記憶部2は、輸送者Aの搬送経験に患者Dの搬送におけるインセンティブ情報を追加して記憶する。ここで、輸送者情報記憶部2は、輸送者が搬送した経験のある軽傷患者の人数が4人以上である場合に、輸送者が対応可能な患者が軽傷者のみから軽傷者及び中傷者となるように、当該輸送者の輸送者情報を更新するものとする。このとき、輸送者Aが搬送した経験のある軽傷患者の人数は4人となるため、輸送者情報記憶部2は、輸送者Aが対応可能な患者は軽傷者及び中傷者であるものとして、輸送者Aの輸送者情報を更新する。
【0057】
次に、実施の形態1における各構成、すなわち、搬送要求受信部1、抽出部3、出力部4、インセンティブ決定用情報受信部5、輸送実績記憶部6、インセンティブ決定部8、及びインセンティブ原資判断部7のハードウェア構成例を説明する。図5は実施の形態1の各構成のハードウェア構成例を示すブロック図である。救急搬送システム100の各構成は、図5Aに示すように専用のハードウェアである処理回路11であってもよいし、図5Bに示すようにメモリ13に格納されているプログラムを実行するプロセッサ12であってもよい。
【0058】
図5Aに示すように、救急搬送システム100の各構成が専用のハードウェアである場合、処理回路11は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。救急搬送システム100の各構成の機能それぞれを処理回路11で実現してもよいし、各部の機能をまとめて1つの処理回路11で実現してもよい。
【0059】
図5Bに示すように、救急搬送システム100の各構成がプロセッサ12である場合、各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ13に格納される。プロセッサ12は、メモリ13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、救急搬送システム100の各構成の各機能を実現する。すなわち、救急搬送システム100の各構成は、プロセッサ12により実行されるときに、後述する図6及び図7に示す各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ13を備える。また、これらのプログラムは、救急搬送システム100の各構成の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0060】
ここで、プロセッサ12とは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)等のことである。メモリ13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスク、フレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、ミニディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクであってもよい。
【0061】
なお、救急搬送システム100の各構成の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、救急搬送システム100における処理回路11は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0062】
次に、実施の形態1における救急搬送システム100の処理フローについて説明する。図6及び図7は、実施の形態1の救急搬送システム100の処理フローを示すシーケンス図である。なお、図6及び図7は、互いに連続した一つのシーケンス図であり、図6のA~E及び図7のA~Eにおいて連続する。
【0063】
ステップS101では、民間輸送サービス200の管理サーバ200aが備える輸送者情報記憶部2は、輸送者情報を抽出部3に送信する。
【0064】
ステップS102では、搬送要求受信部1は、医療機関400への搬送を要する患者10の搬送要求を受信し、受信した搬送要求を抽出部3に送信する。
【0065】
ステップS103では、抽出部3は、搬送要求受信部1が受信した搬送要求及び輸送者情報記憶部2に記憶された輸送者情報に基づき、搬送要求に対応可能な輸送者を抽出する。また、抽出部3は、抽出した対象輸送者300の輸送者情報である対象輸送者情報、決定した患者10の送迎場所、及び決定した搬送先に関する情報等を出力部4に送信する。
【0066】
ステップS104では、インセンティブ決定部8は、搬送要求に含まれる負担情報をインセンティブ決定用情報受信部5が受信していた場合、当該負担情報に基づき、当該搬送要求に対応したことによって発生するインセンティブの予測額であるインセンティブ予測値を算出し、算出したインセンティブ予測値を出力部4に送信する。
【0067】
ステップS105では、出力部4は、抽出された対象輸送者300に対して、対象輸送者300として抽出された旨、患者10の迎車位置、搬送先に関する情報、及びインセンティブ予測値等を出力する。
【0068】
ステップS106では、出力部4は、対象輸送者情報を輸送実績記憶部6に送信する。
【0069】
ステップS107では、対象輸送者300は、インセンティブ決定用情報受信部5に負担情報を送信する。
【0070】
ステップS108では、医療機関400は、インセンティブ決定用情報受信部5に医療実績を送信する。
【0071】
ステップS109では、対象輸送者300は、インセンティブ決定用情報受信部5に搬送実績を送信する。
【0072】
ステップS110では、輸送車両500のドライバーモニタリングシステム500aは、撮像部により取得した患者10の容体情報をインセンティブ決定用情報受信部5及び医療機関400に送信する。
【0073】
ステップS111では、インセンティブ決定用情報受信部5は、受信した負担情報、医療実績、搬送実績、及び容体情報を輸送実績記憶部6に送信し、記憶させる。輸送実績記憶部6は、受信した対象輸送者情報、当該対象輸送者300の負担情報、当該対象輸送者300が搬送した患者10に関する医療実績、当該対象輸送者300の搬送実績、及び当該対象輸送者300が搬送した患者10の容体情報を関連付け、当該対象輸送者300の輸送実績として記憶する。また、輸送実績記憶部6は、インセンティブ原資判断部7に輸送実績を送信する。
【0074】
ステップS112では、インセンティブ原資判断部7は、受信した輸送実績に負担情報及び医療実績の少なくとも一方が含まれているかを判断する。すなわち、インセンティブ原資判断部7は、負担情報及び医療実績の少なくとも一方をインセンティブ決定用情報受信部5が受信したか否かを判断する。
【0075】
ステップS113では、インセンティブ原資判断部7は、負担情報及び医療実績の少なくとも一方をインセンティブ決定用情報受信部5が受信したと判断した場合(ステップS112:YES)、対象輸送者300へのインセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方とし、インセンティブ決定部8に輸送実績を送信する。
【0076】
ステップS114では、インセンティブ原資判断部7は、負担情報及び医療実績のいずれもインセンティブ決定用情報受信部5が受信していないと判断した場合(ステップS112:NO)、対象輸送者300へのインセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金以外とする。
【0077】
ステップS115では、インセンティブ決定部8は、輸送実績に含まれる負担情報、及び医療実績の少なくとも一方に基づき、当該負担情報、及び当該医療実績の少なくとも一方に関連付けられた対象輸送者300へのインセンティブを決定する。また、インセンティブ決定部8は、インセンティブ情報を出力部4に送信する。出力部4は、インセンティブ決定部8から受信したインセンティブ情報を輸送者情報記憶部2に送信する。
【0078】
ステップS116では、輸送者情報記憶部2は、インセンティブ情報に含まれる負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者300の輸送者情報を更新する。
以上で、実施の形態1における救急搬送システム100の処理フローについての説明を終了する。
【0079】
このように、実施の形態1の救急搬送システム100は、負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者300へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部8を備える。上記の構成にすることで、救急搬送システム100は、輸送者にかかる負担に見合ったインセンティブを決定することができる。例えば、インセンティブ決定部8は、負担情報に「患者10の出血あり」という情報が含まれていた場合、「患者10の出血あり」という情報が含まれていない場合に比べて、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。これにより、救急搬送システム100は、輸送車両500の清掃等、患者10を医療機関400へ搬送する救急搬送により、健常者を搬送する通常搬送と比較して増大した対象輸送者300への負担を考慮してインセンティブを決定することができる。また、例えば、インセンティブ決定部8は、医療実績に「診断結果:COVID-19」という情報が含まれていた場合、医療実績に「診断結果:風邪(ライノウイルス等によるもの)」という情報が含まれていた場合と比べて、対象輸送者300に与えるインセンティブをより高いものに決定する。これにより、救急搬送システム100は、感染力の高い患者10の搬送等、患者10を医療機関400へ搬送する救急搬送により、健常者を搬送する通常搬送と比較して増大した対象輸送者300への負担を考慮してインセンティブを決定することができる。また、患者10の搬送を希望する輸送者数の増加が見込まれるため、救急搬送システム100は、救急車が不足している場合等に、救急搬送を目的としていない車両を用いて迅速に患者10を医療機関400へ搬送することができる。
【0080】
また、インセンティブ決定部8は、対象輸送者300の輸送車両500に設けられた撮像部により取得される患者10の容体情報にさらに基づき、対象輸送者300へのインセンティブを決定する。上記の構成にすることで、負担情報及び医療実績に含まれる情報を容体情報によってさらに裏付けることができる。これにより、救急搬送システム100は、輸送者にかかる負担をより精度高くインセンティブに反映させることができる。
【0081】
また、インセンティブ原資判断部7は、負担情報及び医療実績の少なくとも一方をインセンティブ決定用情報受信部5が受信したか否かを判断し、受信した場合に、前記インセンティブの原資を健康保険の保険金及び予め設定されたプール金の少なくとも一方とし、受信していない場合に、前記インセンティブの原資を健康保険の保険金及び予め設定されたプール金以外とする。上記の構成にすることで、救急搬送システム100は、インセンティブの原資を健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方にするか否かを判断することができる。これにより、救急搬送システム100は、救急搬送の必要がないにもかかわらず、患者10が不正の目的で搬送要求を搬送要求受信部1に送信し、対象輸送者300が患者10を医療機関400に搬送した場合において、健康保険の保険金及び救急搬送システム100の中で予め設定されたプール金の少なくとも一方から対象輸送者300に与えられるインセンティブが支払われてしまうことを抑制することができる。
【0082】
また、輸送者情報は、負担情報及び医療実績の少なくとも一方に基づき更新される。上記の構成にすることで、救急搬送システム100は、輸送者情報記憶部2に記憶される輸送者情報を、輸送者の実際の搬送経験に則した内容にすることができる。これにより、救急搬送システム100は、搬送要求に対応可能な対象輸送者300をより精度高く抽出することができる。
【0083】
また、搬送要求は、患者10及び患者10の代理人の少なくとも一方により入力された負担情報を含み、インセンティブ決定部8は、搬送要求に含まれる負担情報に基づいてインセンティブ予測値を算出し、出力部4は、インセンティブ予測値及び対象輸送者300として抽出された旨を対象輸送者300に出力する。上記の構成にすることで、救急搬送システム100は、患者10の搬送によって受け取ることができるインセンティブを、対象輸送者300に事前に報知することができる。これにより、対象輸送者300は、患者10の搬送に対応するか否かを判断する際に、患者10の搬送に対応した場合に受け取ることができるインセンティブを考慮することができる。
【0084】
また、負担情報は、対象輸送者300が搬送した患者10の出血の発生、患者10が罹患している又は罹患している可能性のある病気、患者10の搬送に伴う対象輸送者300の輸送車両500の清掃の発生、及び患者10に対する乗降中の補助の少なくともいずれか一つに関する情報を含む。上記の構成にすることで、救急搬送システム100は、患者10を医療機関400へ搬送する救急搬送により、健常者を搬送する通常搬送と比較して増大した対象輸送者300への負担を考慮してインセンティブを決定することができる。
【0085】
また、インセンティブ決定部8は、搬送距離及び搬送時間の少なくとも一方を含む対象輸送者300の搬送実績にさらに基づき、対象輸送者300へのインセンティブを決定する。搬送距離及び搬送時間等が長いほど、患者10の症状が悪化する可能性が高まり、対象輸送者300への負担が増大すると考えられる。よって、上記の構成にすることで、救急搬送システム100は、輸送者にかかる負担をより精度高くインセンティブに反映させることができる。
【0086】
なお、救急搬送システム100は、救急搬送専用ではない車両を運転する輸送者を輸送者と称するものとし、国及び自治体等が管轄する救急車及び緊急搬送車等の救急搬送専用の車両を運転する輸送者は対象外である。また、救急搬送システム100は、本来救急搬送専用の車両を、救急搬送以外の目的で使用する輸送者に関しても同様に対象外とする。
【0087】
また、出力部4は、対象輸送者300として抽出された旨の通知、インセンティブ情報、及びインセンティブ予測値を対象輸送者300の携帯端末9、タブレット、及びPC等に送信するものとしたが、これに限定されない。すなわち、出力部4は、対象輸送者300として抽出された旨の通知、インセンティブ情報、及びインセンティブ予測値を対象輸送者300に送ることができれば同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0088】
100 救急搬送システム、200 民間輸送サービス、200a 管理サーバ、300 対象輸送者、400 医療機関、500 輸送車両、500a ドライバーモニタリングシステム、1 搬送要求受信部、2 輸送者情報記憶部、2a 輸送者情報受付部、3 抽出部、4 出力部、5 インセンティブ決定用情報受信部、6 輸送実績記憶部、7 インセンティブ原資判断部、8 インセンティブ決定部、9 携帯端末、9a 通知受信部、10 患者、10a 医療実績登録部
【要約】
救急搬送システム(100)は、患者(10)の搬送によって対象輸送者(300)に生じる負担に関する負担情報、及び患者(10)が医療機関(400)で受けた医療行為の実績である医療実績の少なくとも一方に基づき、対象輸送者(300)へのインセンティブを決定するインセンティブ決定部(8)を備える。これにより、輸送者にかかる負担に見合ったインセンティブを決定することが可能な救急搬送システム(100)を提供することができる。
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