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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ラフマット
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
A63B69/36 511A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023530314
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 KR2021017250
(87)【国際公開番号】W WO2022108416
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0158022
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】315019182
【氏名又は名称】ゴルフゾン カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】735, YEONGDONG-DAERO, GANGNAM-GU, SEOUL, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン フン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、グァン ソク
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-005383(JP,A)
【文献】実公昭49-043243(JP,Y1)
【文献】韓国実用新案第95-0004334(KR,Y1)
【文献】実開平05-086375(JP,U)
【文献】特開2020-175119(JP,A)
【文献】特開平07-031708(JP,A)
【文献】特開平04-024302(JP,A)
【文献】特開2001-029527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラフでのショット環境を提供するラフマットとして、
ゴルフボールが置かれる芝生部を備えるマット上板部と、
屈曲地形を形成するためのパターン形状を有し、前記マット上板部の下部に備えられ、前記マット上板部が前記パターン形状によって屈曲地形を形成するようにする地形形成フレームとを含み、
前記地形形成フレームは、
複数の凸部によるエンボスパターンを形成するように構成され、前記マット上板部が前記複数の凸部に沿って屈曲地形を形成するように構成され、
前記凸部の各々は、隣接する凸部との間を支持して前記凸部の各々の形状を維持させる支持部を備える
フマット。
【請求項2】
前記地形形成フレームと前記マット上板部を支持するベース板をさらに含み、
前記地形形成フレームの上に前記マット上板部が具備されることにより、前記ベース板と前記地形形成フレームとの間に前記複数の凸部による多数のキャビティが形成され、前記地形形成フレームと前記マット上板部との間に空間部が形成されるように構成される請求項に記載のラフマット。
【請求項3】
ラフでのショット環境を提供するラフマットとして、
ゴルフボールが置かれる芝生部を備えるマット上板部と、
前記マット上板部の下部に備えられ、複数の凸部によるエンボスパターンを形成し、前記複数の凸部に対応して前記マット上板部が複数の塚の地形を形成するようにする地形形成フレームとを含み
前記地形形成フレームは、
所定のパターンで前記複数の凸部を形成するフレームベースと、
前記複数の凸部それぞれの下部に形成された、前記複数の凸部に対応する複数のキャビティとを含み、
前記凸部の各々は、隣接する凸部との間を支持して前記凸部の各々の形状を維持させる支持部を備える、
ラフマット。
【請求項4】
前記複数のキャビティのうち一部または全部に軟質の充填材が充填されるようにしてゴルフクラブによって前記塚の地形を打撃する打撃感を具現するようにする、請求項に記載のラフマット。
【請求項5】
前記地形形成フレームと前記マット上板部を支持するベース板をさらに含み、
前記ベース板の上部と前記地形形成フレームの下部との間に備えられ、前記地形形成フレームの前記複数の凸部に対応する複数の凹部を形成する下部地形フレームをさらに備え、
前記複数の凸部それぞれに前記複数の凹部それぞれが対応するように備えられる、請求項3または4に記載のラフマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフ練習場やスクリーンゴルフシステムなどで使用者がゴルフショットをするために利用されるゴルフマットに関するもので、特にゴルフ練習や仮想ゴルフ競技をする使用者がゴルフ場のラフ環境でゴルフボールを打撃できるようにするラフマットに関するものだ。
【背景技術】
【0002】
通常、ゴルフ練習場やスクリーンゴルフシステムで使用者がゴルフショットをするように用意されるゴルフマットは、ゴム材質の四角板の上段に人工芝を敷いて作られた形態で提供され、そのようなゴルフマットの人工芝の上にゴルフボールを載せ、使用者がゴルフクラブを利用してゴルフスイングによってゴルフマットの人工芝上のゴルフボールを打撃する方式でゴルフショットが行われる。
【0003】
このようなゴルフマットは、フェアウェイでのゴルフショットを練習できるフェアウェイマットと、ラフ環境でゴルフショットを練習できるラフマット、そしてバンカー状況でゴルフショットを練習できるバンカーマットに細分化され、多様な状況で多様なゴルフショットを練習できるようにする。
【0004】
従来のゴルフマットは弾性力の良いゴム材質の四角形板の上に人工芝が形成された板を載せた構成で、フェアウェイマットは短い人工芝で具現し、ラフマットは長い人工芝で具現するのが通常だった。
【0005】
しかし、実際のゴルフ場ではラフは単純に長い芝生や茂みなどが形成されているだけでなく、多様な地形を形成するため、ゴルフショットをする時フェアウェイに比べてかなり難しい環境を提供するが、従来の一般的なラフマットは単純にフェアウェイマットより長い人工芝を平らな板の上に形成させた形態であるため、実際にはフェアウェイマットでゴルフショットをするより難易度がはるかに高いラフ環境でのゴルフショット練習にはかなり不足しており、フェアウェイマットと明確な差別点がないという問題点があった。
【0006】
これと関連して従来公開された先行技術として次のような先行技術文献がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許公報第10-2004-0085811号
【文献】韓国登録特許公報第10-086752号
【文献】韓国公開特許公報第10-2017-0021025号
【文献】韓国公開特許公報第10-2017-0089124号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前述したような従来の技術の問題点を解決するために、フェアウェイマットでゴルフショットをすることに比べて難易度をかなり高め、よりリアリティーがあるようにラフでゴルフショットができる環境を提供できるように、ゴルフショットを難しくする地形を形成し、それによる打撃感を提供できるラフマットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例によるラフマットは、ラフでのショット環境を提供するラフマットとして、ゴルフボールが置かれる芝生部を備えるマット上板部と、屈曲地形を形成するためのパターン形状を有し、前記マット上板部の下部に備えられ、前記マット上板部が前記パターン形状によって屈曲地形を形成するようにする地形形成フレームを含む。
【0010】
好ましくは、前記地形形成フレームは、複数の凸部によるエンボスパターンを形成するように構成され、前記マット上板部が前記複数の凸部に沿って屈曲地形を形成するように構成される。
【0011】
また、好ましくは、前記地形形成フレームとマット上板部を支持するベース板をさらに含み、前記地形形成フレームの上にマット上板部が具備されることにより、前記ベース板と前記地形形成フレームとの間に前記多数の凸部による多数のキャビティが形成され、前記地形形成フレームと前記マット上板部との間に空間部が形成されるように構成される。
【0012】
一方、本発明の他の一実施例によるラフマットは、ラフでのショット環境を提供するラフマットとして、ゴルフボールが置かれる芝生部を備えるマット上板部と、前記マット上板部の下部に備えられ、複数の凸部によるエンボスパターンを形成し、前記複数の凸部に対応して前記マット上板部が複数の塚の地形を形成するようにする地形形成フレームを含む。
【0013】
また、好ましくは、前記地形形成フレームは、所定のパターンで前記複数の凸部を形成するフレームベースと、前記複数の凸部それぞれの下部にキャビティを形成し、前記複数の凸部に対応する複数のキャビティを含む。
【0014】
また、好ましくは、前記複数のキャビティのうち一部または全部に軟質の充填材が充填されるようにしてゴルフクラブによって前記塚の地形を打撃する打撃感を具現するようにする。
【0015】
また、好ましくは、前記地形形成フレームとマット上板部を支持するベース板をさらに含み、前記ベース板の上部と前記地形形成フレームの下部との間に備えられ、前記地形形成フレームの複数の凸部に対応する複数の凹部を形成する下部地形フレームをさらに備え、前記複数の凸部それぞれに前記複数の凹部それぞれが対応するように備えられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるラフマットは、ゴルフショットを難しくする地形を形成し、それによる打撃感を提供できるようにすることで、フェアウェイマットでゴルフショットをすることに比べて難易度をかなり高め、より現実感のあるラフでのゴルフショット環境を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明の一実施例によるラフマットの全体的な構成を示したもので、(b)は(a)に示したラフマットを主要構成要素別に分解して表した分解図である。
図2】本発明の一実施例によるラフマットを主要構成要素別に分解した状態を示した図面として、図1の(b)のII―II断面を示した図面である。
図3】(a)は図1の(a)のI―I断面を示したものであり、(b)は(a)と異なる形態の断面を示したものであり、(c)は本発明の異なる実施例によるラフマットの断面を示した図面である。
図4】(a)は本発明のもう一つの実施例によるラフマットに対して主要構成要素別に分解した状態を示した断面図であり、(b)は(a)に都市された構成要素を全て結合した状態を示した図面であり、(c)は(b)に都市されたラフマットから凸部と凹部によって形成される内部空間を充填材で充填した状態を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によるラフマットに関して図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
まず、図1を参照して本発明の一実施例によるラフマットの構成について説明する。
【0020】
図1の(a)は本発明の一実施例によるラフマットの全体的な構成を示したもので、図1の(b)は図1の(a)に示したラフマットの主要構成要素別に分解して表した分解図である。
【0021】
図1に示したように、本発明の一実施例によるラフマットは、ベース板100とマット上板部220と、ベース板100及びマット上板部220との間に備えられる地形形成フレーム300とを含んで構成することができる。
【0022】
ベース板100は床に設置される部分で、例えばゴルフ練習場やスクリーンゴルフシステムの打席にラフマットが設置される底面に備えられ、その上部に備えられるマット上板部220と地形形成フレーム300を支持する構成要素である。
【0023】
図1の(a)及び(b)では、ベース板100を単純な四角板の形状で示したが、本発明はこれに限らず上部の構造物を保護し支持できる構成を持つ形状であれば、ベース板として全て可能である。
【0024】
例えば、ベース板100は上部が開口された筐体形態で備えられ、地形形成フレーム300とマット上板部220を収容するように構成されることもできる。
【0025】
ベース板100はゴルフクラブによる打撃時、緩衝のためにゴム材質やその他に緩衝が可能な材質によって製造でき、打撃時の緩衝のための別の緩衝用クッションなどの部材がベース板100の上部に追加で備えられることもできる。
【0026】
マット上板部220は、ゴルフボールが置かれ、ラフ環境を提供するための人工芝(または天然芝である可能性もある)を形成する芝生部210を備えるように構成でき、前述した芝生部210が植立されるように構成されることができる。
【0027】
マット上板部220は軟質のシリコンやゴム材質で、その下に備えられる構造物の形状によって形状変形が可能な材質で製造できる。
【0028】
地形形成フレーム300はマット上板部220の下部に備えられる構成要素であり、マット上板部220がラフ環境を提供できる地形を形成できるようにするための構成を持つことができる。
【0029】
即ち、地形形成フレーム300はラフマットの屈曲地形を形成するためのパターン形状を持つように構成でき、マット上板部220の下部に備えられてマット上板部220が地形形成フレーム300のパターン形状によって屈曲地形を形成するようにすることができる。
【0030】
地形形成フレーム300は、例えば、凸凹したエンボスパターンを持つように構成され、その上に置かれるマット上板部220がそのエンボスパターンに沿って凸凹な地形を具現するようにすることができる。
【0031】
図1の(a)及び(b)に示したように、地形形成フレーム300は、フレームベース310とフレームベース310上に形成される複数の凸部320と、複数の凸部320それぞれの下部にキャビティ340を形成するように構成することができる。
【0032】
図1の(a)及び(b)に示したように、地形形成フレーム300はドーム(dome)形状またはそれと類似した形状で上に凸状に形成された凸部320を多数具備してエンボスパターンを形成するように構成されることができる。
【0033】
地形形成フレーム300は、多数の凸部320を形成しながら、それぞれの凸部320の下部はキャビティ340を形成するように構成されるため、地形形成フレーム300は上部が複数の凸部320を備え、下面は逆に複数のキャビティ340を形成するように構成されることができる。
【0034】
地形形成フレーム300に形成された多数の凸部320は、図1の(b)に示したように、小さなドーム状の凸部多数が多少細かく配置されたパターンで形成することができる。 例えば、図1の(b)に示した凸部320を4~5個合わせた程度の大きさを持つドーム形状に形成させることもできるなど、その大きさと形態を多様に構成することができる。
【0035】
地形形成フレーム300は、図1の(b)に示したように、それぞれの凸部320の間にそれぞれの凸部320の形状を支持するための支持部350を備えるように構成することもできる。
【0036】
図1の(b)に示したように、地形形成フレーム300の上部にはマット上板部220が備えられるが、地形形成フレーム300の上にマット上板部220が置かれることで、図1の(a)に示したようにマット上板部220は地形形成フレーム300に備えられたそれぞれの凸部320に対応して、塚(上に突き出た丘の形)を形成できるように構成できる。
【0037】
即ち、図1の(a)及び(b)に示したように、地形形成フレーム300の上にマット上板部220が置かれることで、地形形成フレーム300の複数の凸部320に対応してマット上板部220が複数の塚の地形を形成することができる。
【0038】
前述したようにマット上板部220にどんな形の塚の地形が形成されるかは、地形形成フレーム300が持つパターンがどんな形なのか、そしてマット上板部220の材質がどんなものなのかによって変わることができる。
【0039】
例えば、マット上板部220の材質が非常に軟らかく外力によって変形しやすい材質であれば、地形形成フレーム300が形成する凸部320の形態によって比較的高い丘を形成したり、比較的深い屈曲を形成することができ、マット上板部220の材質が大きく変形しない材質であれば、地形形成フレーム300が形成する凸部320の形態によって小幅に上昇する程度の低い丘を形成したり浅い屈曲を形成することもできる。
【0040】
そして、地形形成フレーム300に形成された凸部320の大きさを小さくするほど、それによってマット上板部220に形成される屈曲の程度も小さくなり、逆に凸部320の大きさを大きくするほど、それによってマット上板部220に形成される屈曲の程度も大きくなりうる。
【0041】
地形形成フレームの複数の凸部によるエンボスパターンによってマット上板部が形成する塚の地形は、高くそびえた形の丘はもちろん、非常に低くそびえた形の緩やかな丘も含むことができ、表面的にマット上板部上に丘が形成されているかどうかを確認するのが難しいほどほぼ平らに形成されてもゴルフクラブで打撃をする時、地形形成フレームの凸部にクラブヘッドが引っかかることで丘を打撃するような打撃感を伝達できる形態の地形も前述の塚の地形に含まれうる。
【0042】
本明細書にいう「塚の地形」は前述のような意味を有するものと定義することとする。
【0043】
一方、前述したようにマット上板部220が地形形成フレーム300の複数の凸部によるエンボスパターンによって複数の塚の地形を形成することで、芝生部210の芝生長さと前述した複数の塚の地形により、ゴルフクラブがゴルフボールを打撃しながらラフマットを打撃する時、単純に平らで平凡な芝生マットより高い難度を具現できるだけでなく、一律ではない難度、即ち任意の難度を具現できる。
【0044】
ここで、一律ではない任意の難度とは、ラフマット上のどの位置にゴルフボールが置かれるかによって打撃感が変わることがあるという意味である。
【0045】
即ち、従来の平らで平凡なマットの場合、どの位置にゴルフボールを置いて打撃をしても常にほぼ同じ打撃感を具現するしかないが、前述したような本発明の一実施例によるラフマットは地形形成フレームによってマット上板部が複数の塚の地形を形成することでゴルフボールが置かれた位置ごとに異なる打撃感が具現される。
【0046】
例えば、ある位置ではゴルフボールを打撃する時、クラブヘッドが塚の部分に正確に引っかかって非常に打撃しにくい打撃感を与えることができ、ある位置ではゴルフボールを打撃する時、クラブヘッドの端部が塚の下に引っかかって打撃できないようにすることができ、ある位置ではゴルフボールを打撃する時、クラブヘッドが塚の上部をかすめるように通過する打撃感を与えることができるなど多様でランダムな打撃感の具現が可能である。
【0047】
実際にゴルフ場でゴルフボールを打撃する時にもフェアウェイでゴルフボールを打つよりラフ地域でゴルフボールを打つことが非常に難しいが、これはラフ地域での打撃が地形的妨害などによって予測できないためである(つまり打撃が容易かどうかがかなりランダムである)。
【0048】
前述したような本発明の一実施例によるラフマットも地形形成フレームによってマット上板部が複数の塚の地形を形成することから多様でランダムな打撃が可能な環境を提供することができる。
【0049】
一方、本発明の一実施例によるラフマットに関して、図2及び図3を参照して説明する。図2は本発明の一実施例によるラフマットを主要構成要素別に分解した状態を示した図面であり、図1の(b)のII―II断面を示した図面であり、図3の(a)は図1の(a)のI―I断面を示し、図3の(b)は図3の(a)と異なる形態の断面を示したものであり、図3の(c)は本発明の他の一実施例によるラフマットの断面を表した図面である。
【0050】
図2に示したように、本発明の一実施例によるラフマットは、ベース板100と、その上に設置される地形形成フレーム300と、その上に設置されるマット上板部220と、マット上板部220にラフ環境を提供するための人工芝を形成する芝生部210とを含む。
【0051】
ここでベース板100と地形形成フレーム300の間にはゴルフクラブがマットを打撃する時の衝撃を緩和するための別の緩衝クッションが備えられる。
【0052】
地形形成フレーム300は、図2に示したように、フレームベース310とフレームベース310上に形成される複数の凸部320と、複数の凸部320それぞれの下部にキャビティ340を形成することができる。
【0053】
前述したようにベース板100の上に地形形成フレーム300を設置し、その上に軟質のシリコンやゴム材質を有するマット上板部220を設置すると、図3の(a)に示したように地形形成フレーム300のエンボスパターンによってマット上板部220の形状が変形して屈曲を有する地形または複数の塚230を有する地形を形成することができる。
【0054】
図3の(a)ではラフマットのマット上板部220は地形形成フレーム300が持つ多数の凸部320によるエンボスパターンに沿って多少過度に屈曲を形成した状態を示しているが、実際には図3の(a)に示したものよりマット上板部がかなり緩やかな屈曲を示すことができ、図3の(b)はこのような緩やかな塚240の地形を有するラフマットの一例について示している。
【0055】
図3の(b)に示したラフマットも、図2及び図3の(a)と同一の構成を有する。即ち、ベース板100の上に地形形成フレーム300が設置され、その上にマット上板部220が設置され、マット上板部220にはラフ環境を提供するための芝を形成する芝生部210が備えられる。 地形形成フレーム300は、フレームベース310とフレームベース310上に形成される複数の凸部320と、複数の凸部320のそれぞれの下部にキャビティ340を形成するように構成することができる。
【0056】
地形形成フレーム300はマット上板部220に緩やかな塚240が形成されるようにしてゴルフ場のラフでの環境を提供でき、そのようなラフでの予測困難なゴルフショットの打撃感を伝達することができる。
【0057】
また、地形形成フレーム300はそれぞれの凸部320との間が相対的に凹んだ形状であるため、図3の(b)に示したようにマット上板部220が地形形成フレーム300の上に備えられる場合、地形形成フレーム300とマット上板部220との間及び各凸部320との間に空間部SPを形成することができる。マット上板部220が地形形成フレーム300によってどれだけ変形されるかによって空間部SPの大きさは変わることができる。
【0058】
即ち、図3の(b)に示したラフマットは、地形形成フレーム300の上にマット上板部220が具備されることにより、ベース板100と地形形成フレーム300との間に多数の凸部320による多数のキャビティ340が形成されると同時に、地形形成フレーム300とマット上板部220との間及び各凸部320との間に空間部SPを形成することができる。
【0059】
このようにラフマットが構成されることで、ラフマット上のどの位置にゴルフボールが置かれるかによって、前述した凸部320と空間部SPとキャビティ340の組み合わせによって非常に多様な打撃感を提供することができる。
【0060】
即ち、複数の凸部320は打撃時にクラブヘッドに抵抗感または異物感を提供すると同時に、キャビティ340は打撃された凸部320が形状変形しやすくすることで緩衝の役割を果たし、空間部SPは打撃時にクラブヘッドが凹む感覚を伝達できる。
【0061】
したがって、前述したような複数の凸部320とキャビティ340と空間部SPとの組み合わせにより打撃時にゴルフクラブに多様な打撃感を提供することができる。
【0062】
一方、図3の(c)は、図3の(b)に示したラフマットで地形形成フレーム300に形成された複数の凸部320下部に形成された複数のキャビティ340のうち一部または全部に軟質の充填材360が充填されるようにした状態を示す。
【0063】
前述したように、複数のキャビティ340に充填材360を充填させることで、ゴルフクラブでラフマットを打撃する時、その衝撃によって凸部320の変形に弾性を付与することができ、それによって地形形成フレーム300の耐久性を高め、打撃時により高い抵抗感を提供することができる。
【0064】
一方、図4を参照して本発明の他の一実施例によるラフマットの構成について説明する。
【0065】
図4の(a)は、本発明の他の一実施例によるラフマットに対して主要構成要素別に分解した状態を示した断面図(図2に示した断面図に対応する断面図)であり、図4の(b)は、図4の(a)に示した構成要素を全て結合した状態のラフマットに関して示した図面であり、図4の(c)は、図4の(b)に示したラフマットで凸部と凹部によって形成される内部空間を充填材として充填した状態を示した図面である。
【0066】
図4の(a)に示したように、本発明の他の一実施例によるラフマットは、ベース板100上に地形形成フレーム300と下部地形フレーム400が対向するように接して備えられ、地形形成フレーム300の上部にマット上板部220が設置され、マット上板部220にはラフ環境を提供するための芝生を形成する芝生部210が備えられる。
【0067】
地形形成フレーム300は、図4の(a)に示したように、フレームベース310とフレームベース310上に形成される複数の凸部320と、複数の凸部320それぞれの下部にキャビティ340を形成するように構成することができる。
【0068】
下部地形フレーム400は、図4の(a)に示したように、地形形成フレーム300の複数の凸部320に対応する複数の凹部420を形成し、複数の凸部320それぞれが対応するように地形形成フレーム300と下部地形フレーム400が互いに接触して結合または接合または一体化されるように備えることができる。
【0069】
地形形成フレーム300と下部地形フレーム400の結合は構造的に結合されるようにすることもでき、別の結合手段によって結合されるようにすることもでき、互いに接合させることもでき、一体で形成されるようにすることもできる。
【0070】
下部地形フレーム400は地形形成フレーム300を逆さまにひっくり返したものでもあり、別の構成要素として作られたものでもありうる。
【0071】
前述したように、ベース板100の上に地形形成フレーム300と下部地形フレーム400を互いに結合して設置し、地形形成フレーム300の上に軟質シリコンまたはゴム材質を有するマット上板部220を設置すると、図4の(b)に示したように地形形成フレーム300のエンボスパターンによってマット上板部220の形状が変形しながら屈曲を有する地形または複数の塚250を有する地形を形成することができる。
【0072】
図4の(b)に示したようにラフマットを構成することにより、地形形成フレーム300の各凸部320と下部地形フレーム400の各凹部420とを互いに対応するようにマッチングさせ、内部空間CAをより大きく確保することでより効果的な緩衝機能を有することができ、また、地形形成フレーム300とマット上板部220との間及び各凸部320の間の第1空間部SP1と、下部地形フレーム400とベース板100の間及び各凹部420の間の第2空間部SP2、即ち、第1空間部SP1と第2空間部SP2の二種類の空間部の多数を備えることで、より効果的な緩衝機能を持たせることができる。
【0073】
一方、図4の(c)は図4の(b)に示したラフマットで地形形成フレーム300の複数の凸部320と下部地形フレーム400の複数の凹部420によって形成された各内部空間CAに軟質の充填材370が充填されるようにした状態を示したものである。
【0074】
前述したように、複数の内部空間CAに充填材370を充填させることで、ゴルフクラブでラフマットを打撃する時、その衝撃によって凸部320が変形されることに弾性を付与することができ、それによって地形形成フレーム300などの耐久性を高め、打撃時により高い抵抗感が提供されるようにすることができる。
【0075】
以上説明したように、本発明によるラフマットはゴルフショットを難しくする地形を形成し、それによる打撃感を提供できるようにすることで、フェアウェイマットでゴルフショットをすることに比べて難度をかなり高め、よりリアリティーのあるラフでのゴルフショット環境を提供できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によるラフマットは、ゴルフ練習と関連した産業分野及び仮想のゴルフシミュレーションを基盤にゴルフプレイを楽しめるようにするいわゆるスクリーンゴルフ産業分野などに利用できる。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】