(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】気泡発生機構付きノズル
(51)【国際特許分類】
B05B 1/02 20060101AFI20241112BHJP
B05B 1/30 20060101ALI20241112BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20241112BHJP
A01G 25/02 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B05B1/02 101
B05B1/30
B01F21/00
A01G25/02 602B
(21)【出願番号】P 2020083176
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】308041934
【氏名又は名称】株式会社シバタ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】澤田 暢介
(72)【発明者】
【氏名】行方 重樹
(72)【発明者】
【氏名】柴田 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】花村 厚次
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-093940(JP,A)
【文献】特開2009-155846(JP,A)
【文献】特開2018-134587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00-21/00
B21F21/00-25/90
A01G25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置の吐出管路(X)に取り付けられて農作業に利用される気泡発生機構付きノズル(1)であって、
前記ポンプ装置の前記吐出管路(X)に接続される吸水側部(3)と、
前記吸水側部(3)の先端部(3a)に連結され、作業者の手によって持たれる持ち手部(4)を有するノズル本体部(2)と、
前記ノズル本体部(2)または前記吸水側部(3)の少なくとも何れかに内蔵され、液体流路上に設けられた微細気泡発生器(20)と、を備え、
前記微細気泡発生器(20)は、
前記液体流路の一部に連通する流路である円筒部(21c)を含む導入部材(21)と、前記導入部材(21)の下流側に設けられ、前記円筒部(21c)に連通する円錐状の流路であるテーパ部(22b)と前記テーパ部(22b)の下流側に形成された細孔であるオリフィス部(22c)とを含む微細気泡発生部材(22)とを有し、前記ポンプ装置から送られ前記液体流路を流れる高圧水に対してキャビテーション効果により微細気泡を発生させる、気泡発生機構付きノズル。
【請求項2】
前記微細気泡発生器(20)は、前記ノズル本体部(2)の前記持ち手部(4)に内蔵されている、請求項1に記載の気泡発生機構付きノズル。
【請求項3】
前記ノズル本体部(2)の前記持ち手部(4)は、前記作業者の手によって操作が可能な液体流路の開閉機構(30)を含む、請求項2に記載の気泡発生機構付きノズル。
【請求項4】
前記微細気泡発生器(20)は、直径1μm未満のウルトラファインバブルを発生させる、請求項1~3の何れか一項に記載の気泡発生機構付きノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡発生機構付きノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば農業分野等において、マイクロバブル(以下、MBという)やウルトラファインバブル(以下、UFBという)等の微細気泡の利用が注目されている。MBは、直径1μm以上100μm未満の気泡である。UFBは、直径1μm未満の気泡である。液体中に微細気泡を溶解させる又は含有させる場合に、用いられるガスの種類は様々である。また液体の種類も様々である。農業分野では、主として、水中に空気の微細気泡を発生させ、空気中の酸素を利用する。そのために高圧ポンプ等が用いられる。特許文献1には、圃場に供給する水にMBやUFB等の微細気泡を含有させて、栄養素を循環させるシステムが記載されている。マイクロバブル発生装置が、ポンプによって汲み上げられた排水に、微細気泡を溶解させる。一方、特許文献2には、MB等を発生させる気泡発生機構が内装されたシャワーヘッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-7646号公報
【文献】国際公開第2013/012069号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポンプに適用される従来の気泡発生装置は、装置が大型化する傾向にあり、高価にならざるを得なかった。また、使用場所や設置場所の制約も大きかった。たとえば、高圧ポンプには、定置型ポンプや可搬型ポンプがあるが、ポンプそのものが大きいため、さらに気泡発生装置を設置することは難しい。気泡発生機構が内蔵された従来のシャワーヘッドは、家庭用(一般の水道の圧力用)に設計されたものであり、高圧ポンプへの適用は難しい。
【0005】
本発明は、ポンプに対する適用性が高められた気泡発生機構付きノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポンプ装置の吐出管路(X)に取り付けられて農作業に利用される気泡発生機構付きノズル(1)であって、ポンプ装置の吐出管路(X)に接続される吸水側部(3)と、吸水側部(3)の先端部(3a)に連結され、作業者の手によって持たれる持ち手部(4)を有するノズル本体部(2)と、ノズル本体部(2)または吸水側部(3)の少なくとも何れかに内蔵され、液体流路上に設けられた微細気泡発生器(20)と、を備え、微細気泡発生器(20)は、液体流路の一部に連通する流路である円筒部(21c)を含む導入部材(21)と、導入部材(21)の下流側に設けられ、円筒部(21c)に連通する円錐状の流路であるテーパ部(22b)とテーパ部(22b)の下流側に形成された細孔であるオリフィス部(22c)とを含む微細気泡発生部材(22)とを有し、ポンプ装置から送られ液体流路を流れる高圧水に対してキャビテーション効果により微細気泡を発生させる。
【0007】
この気泡発生機構付きノズル(1)によれば、ポンプ装置の吐出管路(X)に接続される吸水側部(3)、または、その先端側に連結されたノズル本体部(2)に、微細気泡発生器(20)が内蔵される。ポンプ装置から送られる高圧の液体が、吸水側部(3)およびノズル本体部(2)を通るとき、微細気泡発生器(20)によって、微細気泡が発生し、吐出される液体に混合される。このように、ポンプ装置の吐出管路(X)に取り付けられるノズルに微細気泡発生器(20)が内蔵されているので、ポンプに対する適用性が高められている。
【0008】
微細気泡発生器(20)は、ノズル本体部(2)の持ち手部(4)に内蔵されていてもよい。比較的簡易なパーツを組み合わせて構成される持ち手部(4)に、微細気泡発生器(20)が内蔵されるので、本来のノズルの構造を大きく変更することなく、簡易に微細気泡発生機構を搭載することができる。
【0009】
ノズル本体部(2)の持ち手部(4)は、作業者の手によって操作が可能な液体流路の開閉機構(30)を含んでもよい。この場合、作業者は、開閉機構(30)を操作することで液体の吐出と停止を切り替えることができ、気泡発生機構付きノズル(1)の使用上の利便性が高められている。
微細気泡発生器(20)は、直径1μm未満のウルトラファインバブルを発生させてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポンプに対する適用性が高められた気泡発生機構付きノズルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る気泡発生機構付きノズルの縦断面図である。
【
図2】
図1の微細気泡発生器付近を拡大して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する本実施形態の気泡発生機構付きノズル1は、たとえば、定置式または可搬式のポンプに接続され、農作業等に利用される。
【0013】
まず
図1を参照して、一実施形態に係る気泡発生機構付きノズル1の基本構成について説明する。気泡発生機構付きノズル1は、ポンプ装置(図示せず)の吐出管路Xに取り付けられて、水等の液体を吐出(散布)するためのものである。気泡発生機構付きノズル1は、吐出管路Xに接続される管状の吸水側部(吸入側部)3と、作業者によって持たれるノズル本体部2とを備える。気泡発生機構付きノズル1は、どのような型式のポンプ装置に対しても、適用可能である。
【0014】
気泡発生機構付きノズル1は、特に、高圧で水等の液体を圧送することができる、高圧ポンプに適用される。ポンプ装置は、定置型ポンプであってもよく、可搬型ポンプであってもよい。吐出管路Xは、ポンプ装置の吐出部に接続されたホース等の可撓性の管路であってもよい。吐出管路Xは、固定された配管等であってもよい。吐出管路Xは、固定された配管と可撓性の配管との組み合わせであってもよい。ポンプの動力源(駆動源)は、特に限定されない。気泡発生機構付きノズル1が適用されるポンプ装置は、モータ式のポンプ装置であってもよく、バッテリ式(充電式)のポンプ装置であってもよく、エンジン式のポンプ装置であってもよい。
【0015】
気泡発生機構付きノズル1は、先端の吐出口12から高圧水を吐出する。気泡発生機構付きノズル1は、先端に設けられたノズルランス取付部材11を備えており、このノズルランス取付部材11に、気泡発生機構付きノズル1とは別の部材である棒状の噴霧ノズルであるノズルランス(図示せず)が取り付けられる。なお、ノズルランス取付部材11が取り付けられず、気泡発生機構付きノズル1のみが高圧水の散布に用いられてもよい。
【0016】
吸水側部3は、吸水側部3の本体をなし定形性を有する外管状部材5と、外管状部材5の内部に挿入された内管状部材6とを有する。内管状部材6内に、水等の液体を導入する第1流路P1が形成されている。吸水側部3の基端部3bが、上記吐出管路Xに接続される。吸水側部3の先端部3aには、ノズル本体部2の基端部10bが連結されている。ノズル本体部2の筐体10内に配置された内部連結管7によって、吸水側部3の第1流路P1(内管状部材6)とノズル本体部2内の第2流路P2とが連結されている。このようなノズル本体部2および吸水側部3の連結構造は、
図1に示される構造に限定されるものではなく、ポンプ用ノズルに適用され得る公知の種々の構造が採用されてもよい。
【0017】
ノズル本体部2は、ノズルに必要とされる機械的および電気的な種々の部品を収容する筐体10を有する。筐体10は、吸水側部3よりも大きな直径を有する円筒状の部材である。ノズル本体部2は、作業者の手によって持たれる持ち手部4を有する。筐体10の中央部および先端部が、持ち手部4に相当する。持ち手部4は、たとえば、作業者の片手によって容易に把持されるよう、適宜の大きさ(直径)を有する円筒状部分として形成されている。
【0018】
気泡発生機構付きノズル1は、ポンプから送られる高圧水に微細気泡を溶解または含有させることができる構造を有する。ポンプ100において発生させられる微細気泡とは、たとえば直径1μm未満のUFBである。ポンプ100において、微細気泡として、たとえば直径1μm以上100μm未満のMBが発生させられてもよい。ポンプ100は、たとえば潅水等に利用されて、農作物の生育促進を可能とする。
【0019】
より詳細には、持ち手部4には、微細気泡であるUFBを発生させるUFB発生器(微細気泡発生器)20が内蔵(収容)されている。持ち手部4は、上記のノズルランスが取り付けられる円筒状のノズルランス取付部材11を有している。ノズルランス取付部材11は、ねじ部を含む取付部11aを有しており、この取付部11aに、たとえばノズルランスの接続部がねじ込まれ、固定される。ノズルランス取付部材11は、筐体10の先端部10aに固定されている。UFB発生器20は、筐体10の先端部10aおよびノズルランス取付部材11に亘る領域に内蔵されている。ポンプ用ノズルにおける既存の部品が活用されており、その結果、
図1に示されるように、UFB発生器20が内蔵された状態で、ノズル全体の外形寸法は(UFB発生器20の取付け前に比して)さほど変化していない。
【0020】
図1および
図2を参照して、UFB発生器20およびUFB発生器20の周辺構成について説明する。
図1および
図2に示されるように、UFB発生器20は、筐体10内の第3流路P3と同心状に(共通の軸線周りに)配置された2つの部材を有する。UFB発生器20は、筐体10の先端部10aに取り付けられた導入部材21と、ノズルランス取付部材11に内蔵されたUFB発生部材(微細気泡発生部)22とを有する。
図2に示されるように、導入部材21の基端部21bが、筐体10の先端部10aに埋設さている。円筒状の導入部材21の基端側の壁部に形成された導入孔21hが、ノズル本体部2の第3流路P3に同心状に配置され連通している。第3流路P3と導入孔21hとは等しい直径を有するが、導入孔21hの下流側に形成された円筒部21cは、第3流路P3よりも大きな直径を有する流路であるように形成されている。
【0021】
ノズルランス取付部材11の円筒状の本体部11b内に、UFB発生部材22が収容されている(格納されている)。本体部11bは、筐体10の先端部10aから突出する導入部材21の先端部21aに、たとえばねじ込みによって固定されている。導入部材21の円環状の先端面21eに、UFB発生部材22の円環状の入口端面22fが当接している。UFB発生部材22の出口端面22eは、ノズルランス取付部材11内に形成された段面11dに対面し、たとえばこの段面11dに突き当てられている。
【0022】
全体として円筒形状のUFB発生部材22内には、円錐状の入口テーパ部22bと、出口円筒部22aと、入口テーパ部22bおよび出口円筒部22aの間に形成された細孔であるオリフィス部22cとが形成されている。これらの入口テーパ部22b、オリフィス部22c、および出口円筒部22aは、中心軸線(第3流路P3および導入部材21の軸線に一致する)周りに対称に形成されており、互いに連通している。
【0023】
上記のように構成されたUFB発生器20では、ノズル本体部2内の第3流路P3と、導入部材21内の円筒部21cと、UFB発生部材22内の入口テーパ部22b、オリフィス部22cおよび出口円筒部22aによって形成されたUFB発生空間と、ノズルランス取付部材11内の第4流路P4とが連通している。UFB発生部材22は、高圧水がノズル内に通水される際、キャビテーション効果によってUFBを発生させる。UFB発生部材22において発生させられた無数のUFBは、UFB発生部材22の下流側に放出され、高圧水と共に上記ノズルランスに送られる。ポンプ装置および気泡発生機構付きノズル1が農業に利用される場合は、UFBは、たとえば空気(酸素)の微細気泡である。このUFBが溶解または含有された高圧水は、ノズルランスから吐出され、圃場に供給(たとえば、散布)される。UFBを含む水が圃場に供給されることで、たとえば農作物の生育が促進される、収量が増大するといった効果が期待できる。
【0024】
なお、UFB発生器20の具体的構成は、
図2に示される上記構成に限定されない。UFB発生器20として、たとえば、特許第6279179号に開示された各種態様の気泡発生装置が適用されてもよい。いずれにしても、気泡発生機構付きノズル1のノズル本体部2内に組み込まれ、高圧水の通水に伴ってUFBを発生させる。
【0025】
さらに、気泡発生機構付きノズル1では、ノズル本体部2の持ち手部4が、液体流路の開閉機構30を含んでいる。開閉機構30は、筐体10の先端部10aに回動可能に取り付けられた開閉レバー31と、筐体10内の開閉用空洞部10cに収容され、開閉レバー31の内面(上面)に突設された突起32によって押し上げられる開閉部材33とを含む。
図2に示されるように、筐体10内の開閉用空洞部10cは、第2流路P2および第3流路P3の軸線方向に直交する方向(筐体10の直径に相当する向き)に延在しており、コイルバネ39と突起32との間に、開閉部材33が保持されている。
図2に示される閉止状態で、開閉部材33はコイルバネ39に付勢されて下方の閉止位置に位置しており、第2流路P2と第3流路P3とを遮断する。
【0026】
開閉レバー31は、筐体10の下方に配置されて、筐体10の底壁部10fに対面している。作業者の手によって開閉レバー31が握られ、開閉レバー31が回動支点38を中心に回動(図示反時計回りに回動)すると、開閉部材33の下端33bに当接する突起32が、コイルバネ39の付勢力に抗して開閉部材33を押し上げる。開閉部材33の上方へのスライド移動により、開閉部材33の胴部に形成された細く括れる流路開放部33aが、第2流路P2に連通する。
【0027】
このような操作により、第2流路P2と第3流路P3とが開通する(開放される)。開閉部材33が開放位置に位置した状態で、係合片36が筐体10の底壁部10fに形成された開口10eに侵入し、底壁部10fに係合する。係合片36は、回動支点35を中心に回動可能であり、捩りバネ37によって後方に(図示反時計回りに)付勢されている。係合片36が底壁部10fに係合された状態が維持されることで、流路の開放状態が保持される。作業者は、たとえばポンプからの送水がなされている状態で水の吐出(散水)を停止させたい場合には、指(人差し指等)で解除ボタン34を押して開放状態を解除できる。すなわち、解除ボタン34が押されると、係合片36が捩りバネ37の付勢力に抗して前方に(図示時計回りに)回動し、底壁部10fに対する係合片36の係合状態が解除される。開閉部材33は、コイルバネ39の付勢力を受けて下降し、上記の閉止位置に戻る。
【0028】
以上説明した構成を有する本実施形態の気泡発生機構付きノズル1によれば、ポンプ装置の吐出管路Xに接続される吸水側部3に、UFB発生器20が内蔵されている。ポンプ装置から送られる高圧の液体が、吸水側部3およびノズル本体部2を通るとき、UFB発生器20によって、微細気泡が発生し、吐出される水等の液体に混合される。このように、ポンプ装置の吐出管路Xに取り付けられるノズルにUFB発生器20が内蔵されているので、ポンプに対する適用性が高められている。また、接続元のポンプ装置を問わずに接続・利用することが可能となり、より手軽にUFBを発生させることができる。
【0029】
特に、本実施形態では、UFB発生器20がノズル本体部2の持ち手部4に内蔵されていている。比較的簡易な(複雑でない)パーツを組み合わせて構成される持ち手部4に、UFB発生器20が内蔵されるので、本来のノズルの構造を大きく変更することなく、簡易に微細気泡発生機構を搭載することができる。
【0030】
また、ノズル本体部2の持ち手部4が、作業者の手によって操作が可能な液体流路の開閉機構30を含んでいる。作業者は、開閉機構30を操作することで液体の噴霧(吐出)と停止を切り替えることができ、取り扱い性が向上している。これにより、気泡発生機構付きノズル1の使用上の利便性が高められている。
【0031】
従来は、微細気泡発生機構をポンプに適用しようとしても、装置が大型化する傾向にあり、高価にならざるを得なかった。また、使用場所や設置場所の制約も大きかった。本実施形態によれば、高価なポンプ装置を使用することなく、通常の(汎用型の)ポンプを利用してUFB水を得ることができる。また可搬機に取り付けることも可能となり、使用場所の自由度が飛躍的に向上する。充電式噴霧機の吐出ホースに気泡発生機構付きノズル1を適用した場合、従来型噴霧機を用いて、UFB水を発生させることができる。軽量かつ小型の充電式噴霧機を用いるので、屋外または屋内を問わず、電源や水源が近くに存在しない場所においても、UFB水を噴霧できる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。たとえば、微細気泡発生器が、気泡発生機構付きノズル1の吸水側部3内に内蔵されてもよい。気泡発生機構付きノズル1内の各部材のレイアウトによって、微細気泡発生器の配置は適宜に変更可能である。いずれの部位に微細気泡発生器(具体的には上記実施形態のUFB発生部材22)が配置されても、ノズル全体としてのコンパクト性は確保される。微細気泡発生器が、ノズル本体部2と吸水側部3の両方に設けられてもよく、また、ノズル本体部2と吸水側部3の中間位置に(跨るように)設けられてもよい。
【0033】
微細気泡発生器は、ノズルにおける液体の吐出経路上に装備されればよい。気泡発生機構付きノズル先端に、ノズルランス(噴霧ノズル)が取り付けられる態様に限られず、噴霧ホースが取り付けられてもよく、噴霧管を接続するための継手が取り付けられてもよい。
【0034】
噴霧機に限られず、たとえば高圧洗浄機等に本発明が適用されてもよい。その場合に、微細気泡発生器が、噴霧開閉装置(いわゆるガン)の近傍に設置されてもよい。開閉機構を備えない気泡発生機構付きノズルに、本発明が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1…気泡発生機構付きノズル、2…ノズル本体部、3…吸水側部、3a…先端部、3b…基端部、4…持ち手部、11…ノズルランス取付部材、11a…取付部、12…吐出口、20…UFB発生器(微細気泡発生器)、21…導入部材、22…UFB発生部材(微細気泡発生部)、22c…オリフィス部、30…開閉機構、X…(ポンプ装置の)吐出管路。