(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】センサ装置、センサシステム、およびセンサ装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241112BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G06F3/01 570
G06F3/041 580
(21)【出願番号】P 2021095526
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】512093491
【氏名又は名称】株式会社アスコ
(73)【特許権者】
【識別番号】393019436
【氏名又は名称】株式会社デイ・エム・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】中路 健
(72)【発明者】
【氏名】杉岡 康次
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175414(JP,A)
【文献】特開2005-50177(JP,A)
【文献】特開2005-47327(JP,A)
【文献】特開2011-215921(JP,A)
【文献】特開2012-146303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1範囲および第2範囲を含む検出範囲における対象物のジェスチャを検出するジェスチャセンサ部と、
前記ジェスチャセンサ部が検出した前記ジェスチャ
が特定ジェスチャであることを特定する特定部と、
前記特定部が特定した
前記特定ジェスチャを示すジェスチャ信号、および前記
第1範囲において前記対象物が占める領域を取得する取得部と、
前記対象物が前記第1範囲にある場合、前記領域の大きさに対応する出力信号を生成し、前記対象物が前記第2範囲にある場合、前記ジェスチャ信号が示す前記特定ジェスチャに対応する出力信号を生成する生成部と、
前記出力信号を出力する出力部と、を備えるセンサ装置。
【請求項2】
前記第1範囲は前記ジェスチャセンサ部からの距離が近い
範囲であり、
前記第2範囲は前記第1範囲よりも
前記ジェスチャセンサ部からの距離が遠い
範囲である、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記対象物が前記第2範囲にある場合、前記生成部は、前記取得部が前記ジェスチャ信号を取得してから第1所定時間までに前記ジェスチャセンサ部から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない、請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記ジェスチャが前記ジェスチャセンサ部に近づいてから離れる動作である場合、
前記特定部は、前記対象物が前記ジェスチャセンサ部に近づいていることを認識する開始閾値と、前記対象物が前記ジェスチャセンサ部から離れたことを認識する終了閾値とで異なる閾値を用いて前記ジェスチャを特定する請求項1~3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記対象物が前記終了閾値を超えて前記ジェスチャセンサ部から離れてから第2所定時間までに前記ジェスチャセンサ部から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない、請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のセンサ装置と、報知装置とを含むセンサシステムであって、
前記センサ装置は、前記ジェスチャセンサ部が検出したジェスチャの動きを示す動作信号を前記報知装置に送信する送信部を備え、
前記報知装置は、前記動作信号に対応する報知を行う、センサシステム。
【請求項7】
前記報知装置は、複数のLEDを備え、
前記動作信号に対応して、前記複数のLEDの表示態様を切り替える、請求項6に記載のセンサシステム。
【請求項8】
インターロック機能を有するセンサ装置であって、
前記ジェスチャセンサ部とは異なるサブセンサ部を備え、
前記サブセンサ部はジェスチャセンサあるいはタッチセンサであり、
前記生成部は、
前記サブセンサ部で前記対象物による所定のジェスチャあるいはタッチ操作を検出した場合、前記ジェスチャセンサ部で検出した前記ジェスチャと前記領域の大きさとに基づいて対応する出力信号を生成し、
前記サブセンサ部で前記対象物による所定のタッチ操作あるいはジェスチャを検出しない場合、前記ジェスチャセンサ部でジェスチャを検出しても前記出力信号を生成しない、請求項1~5のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載のセンサ装置と、該センサ装置から前記出力信号を受信する外部装置とを含むセンサシステムであって、
前記センサ装置は、複数の前記ジェスチャセンサ部を備え、
前記外部装置は、複数の前記ジェスチャセンサ部それぞれに対応する複数のオブジェクトを含む表示画像を生成し、
前記生成部は、複数の前記ジェスチャセンサ部のうち前記対象物を検出した前記ジェスチャセンサ部に対応する前記オブジェクトに関する出力信号を生成する、センサシステム。
【請求項10】
第1範囲および第2範囲を含む検出範囲における対象物のジェスチャを検出する検出ステップと、
検出ステップにおいて検出した前記ジェスチャ
が特定ジェスチャであることを特定する特定ステップと、
特定ステップにおいて特定した
前記特定ジェスチャを示すジェスチャ信号、および前記
第1範囲において前記対象物が占める領域を取得する取得ステップと、
前記対象物が前記第1範囲にある場合、前記領域の大きさに対応する出力信号を生成し、前記対象物が前記第2範囲にある場合、前記ジェスチャ信号が示す前記特定ジェスチャに対応する出力信号を生成する生成ステップと、
前記出力信号を出力する出力ステップと、を含むセンサ装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置、センサシステム、およびセンサ装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触での操作を検出可能なセンサ装置が知られている。このようなセンサ装置としては、例えば、赤外線の反射光量の違いにより対象物の有無を検出する赤外線(IR)方式の検出装置、あるいは画像認識により対象物のジェスチャを検出する画像処理装置などが挙げられる。
【0003】
また、特許文献1には、IR発光ダイオード(LED)と、IR近接センサとを備え、3次元のユーザの動きに関連するデータを取得するように構成されているセンサシステムを具備する移動コンピューティングデバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のようなIR方式の検出装置は、検出部を表示デバイスと密着させる必要があり、構成上の制約がある。すなわち、表示デバイスが、ユーザの手が届きにくいデジタルサイネージ等である場合、ユーザにとって使い勝手が良くないといった問題がある。また、上述のような画像処理装置は、開発費およびソフトウェアが高価であり、CPUの負荷も大きいといった問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、容易な構成で処理負荷の軽い非接触式のセンサ装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサ装置は、検出範囲における対象物のジェスチャを検出するジェスチャセンサ部と、前記ジェスチャセンサ部が検出した前記ジェスチャを特定する特定部と、前記特定部が特定したジェスチャを示すジェスチャ信号、および前記検出範囲において前記対象物が占める領域を取得する取得部と、前記ジェスチャ信号が示す前記ジェスチャと前記領域の大きさとに基づいて、対応する出力信号を生成する生成部と、前記出力信号を出力する出力部と、を備える。
【0008】
上記の構成によれば、ジェスチャセンサであるセンサ部を表示デバイスと切り離した構成とすることができるため、構成上の制約を低減することができる。また、ジェスチャを検出するジェスチャセンサ部を用いているため、画像処理といった高負荷となる処理が不要となり、安価かつ低CPU負荷にて、非接触のセンサ装置を実現できる。
【0009】
また、センサ装置は、検出範囲において対象物が占める領域に基づいて、出力信号を切り替えることができる。例えば、手のひらの場合を「決定」、指先の場合を「キャンセル」とした場合、ユーザは、検出範囲に手のひらを入れることで、手のひらが占める領域に基づいて、「決定」を示す出力信号を外部装置へ送信することができる。また、ユーザは、検出範囲に指を入れることで、指先が占める領域に基づいて、「キャンセル」を示す出力信号を外部装置へ送信することができる。このように、センサ装置は、従来とは異なる方法により出力信号を生成することができる。
【0010】
また、前記検出範囲を、前記ジェスチャセンサ部からの距離が近い第1範囲と、該第1範囲よりも遠い第2範囲とに分けたとき、前記生成部は、同じジェスチャであっても、前記対象物が前記第1範囲にあるときと前記第2範囲にあるときとで異なる前記出力信号を生成してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、生成部は、対象物が第1範囲にあるときと第2範囲にあるときとで生成する出力信号を異ならせることができるので、対象物が第2範囲にあるとき、ジェスチャに基づく出力信号を生成し、同じジェスチャであっても、対象物が第1範囲にあるときはジェスチャではなく対象物が占める領域に基づく出力信号を生成できる。
【0012】
また、前記生成部は、前記取得部が前記ジェスチャ信号を取得してから第1所定時間までに前記ジェスチャセンサ部から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しなくてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、或るジェスチャから次のジェスチャまでの間の動作のようなユーザの意図しないジェスチャに対応する出力信号の生成を防ぐことができる。
【0014】
また、前記ジェスチャが前記ジェスチャセンサに近づいてから離れる動作である場合、前記特定部は、前記対象物が前記ジェスチャセンサに近づいていることを認識する開始閾値と、前記対象物が前記ジェスチャセンサから離れたことを認識する終了閾値とで異なる閾値を用いて前記ジェスチャを特定してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、対象物が占める領域を特定する動作の開始と終了を繰り返すといったチャタリング現象を防止することができる。
【0016】
また、前記生成部は、前記対象物が前記終了閾値を超えて前記ジェスチャセンサから離れてから第2所定時間までに前記ジェスチャセンサ部から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しなくてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、ジェスチャ後のユーザの意図しない動作をジェスチャと特定し、当該ジェスチャに対応する出力信号を生成してしまうことを防ぐことができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサシステムは、前記センサ装置と、報知装置とを含むセンサシステムであって、前記センサ装置は、前記ジェスチャセンサ部が検出したジェスチャの動きを示す動作信号を前記報知装置に送信する送信部を備え、前記報知装置は、前記動作信号に対応する報知を行う。
【0019】
また、前記報知装置は、複数のLEDを備え、前記動作信号に対応して、前記複数のLEDの表示態様を切り替えてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、報知装置は、特定部が特定したジェスチャをユーザに報知することができる。
【0021】
また、前記センサ装置は、インターロック機能を有するセンサ装置であって、前記ジェスチャセンサ部とは異なるサブセンサ部を備え、前記サブセンサ部はジェスチャセンサあるいはタッチセンサであり、前記生成部は、前記サブセンサ部で前記対象物による所定のジェスチャあるいはタッチ操作を検出した場合、前記ジェスチャセンサ部で検出した前記ジェスチャと前記領域の大きさとに基づいて対応する出力信号を生成し、前記サブセンサ部で前記対象物による所定のタッチ操作あるいはジェスチャを検出しない場合、前記ジェスチャセンサ部でジェスチャを検出しても前記出力信号を生成しなくてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、センサ装置は、2つのセンサ部を用いたインターロック機能を有することができる。すなわち、ジェスチャセンサ部の意図しない検出を防ぐことができ、また、ユーザの安全性を向上させることができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサシステムは、前記センサ装置と、該センサ装置から前記出力信号を受信する外部装置とを含むセンサシステムであって、前記センサ装置は、複数の前記ジェスチャセンサ部を備え、前記外部装置は、複数の前記ジェスチャセンサ部それぞれに対応する複数のオブジェクトを含む表示画像を生成し、前記生成部は、複数の前記ジェスチャセンサ部のうち前記対象物を検出した前記ジェスチャセンサ部に対応する前記オブジェクトに関する出力信号を生成する。
【0024】
上記の構成によれば、センサ装置は、複数のジェスチャセンサ部を使用して外部装置への出力信号を生成することができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサ装置の制御方法は、検出範囲における対象物のジェスチャを検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出した前記ジェスチャを特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定したジェスチャを示すジェスチャ信号、および前記検出範囲において前記対象物が占める領域を取得する取得ステップと、前記ジェスチャ信号が示す前記ジェスチャと前記領域の大きさとに基づいて、対応する出力信号を生成する生成ステップと、前記出力信号を出力する出力ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によれば、容易な構成で処理負荷の軽い非接触式のセンサ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係るセンサ装置を含むセンサシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】上記センサ装置に接続された報知装置の一例を示す模式図である。
【
図3】上記センサ装置のジェスチャセンサ部の検出範囲を示す模式図である。
【
図4】ユーザの指および手のひらが第1範囲にある状態を示す模式図である。
【
図5】上記センサ装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図6】ジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない第1所定時間を示す模式図である。
【
図7】ジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない第2所定時間を示す模式図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係るセンサ装置を含むセンサシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図9】上記センサ装置のジェスチャセンサ部およびサブセンサ部がそれぞれユーザの右手および左手を検出する様子を示す図である。
【
図10】上記センサ装置の複数のジェスチャセンサ部と外部装置の表示部が表示する複数のオブジェクトとの対応関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔実施形態1〕
(センサ装置1の構成例)
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサ装置1を含むセンサシステム10の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、センサ装置1は、ジェスチャセンサ部11と、制御部12と、記憶部13と、送信部14と、出力部15とを備える。センサ装置1は、それぞれ出力部15および送信部14を介して外部に接続された外部装置2および報知装置3に出力信号を送信する。
【0029】
ジェスチャセンサ部11は、検出範囲Rにおける対象物20(例えば、ユーザの手)のジェスチャを検出する(
図3参照)。ジェスチャセンサ部11は、IR光を照射するIR光源と、対象物20により反射されたIR光を検出するIRセンサとを有する。ジェスチャセンサ部11は、当該IR光源およびIRセンサの公知の構成により、ジェスチャセンサ部11に対する対象物20の座標、対象物20が占める領域(以下、占有領域と称する)、および対象物20のジェスチャを検出することができる。対象物20の座標とは、ジェスチャセンサ部11を原点とする、センサ面11a(
図3参照)上の2つの軸(XY軸)およびセンサ面11aに垂直な軸(Z軸)における座標(X、Y、およびZ座標)である。対象物20の占有領域とは、センサ面11aの平面視において、検出範囲R内の対象物20の外周で囲まれる部分である。対象物20のジェスチャとは、ジェスチャセンサ部11が検出範囲R内の対象物20の特定の動作に対応して検出するジェスチャである。例えば、ユーザが検出範囲R内において手を左から右へ動かしたとき、ジェスチャセンサ部11はこのような動作を「右の操作」として検出する。ここで、ジェスチャセンサ部11は、ジェスチャに対応する特定の動作の開始および終了を自動的に検出することができる。
【0030】
制御部12は、センサ装置1のCPU(Central Processing Unit)であり、センサ装置1を構成する各部を統括的に制御する。制御部12は、特定部121と、取得部122と、生成部123とを備える。
【0031】
特定部121は、ジェスチャセンサ部11から対象物20の座標および占有領域を経時的に取得する。また、特定部121は、ジェスチャセンサ部11がジェスチャを示す動作の終了を検出したとき、当該ジェスチャを取得する。特定部121は、占有領域およびジェスチャを特定する。取得部122は、特定部121が特定したジェスチャを示すジェスチャ信号、および占有領域を取得する。生成部123は、ジェスチャ信号が示すジェスチャと占有領域の大きさとに基づいて、対応する出力信号を生成する。
【0032】
記憶部13は、対象物20のジェスチャと、外部装置2への出力信号とを対応付けた対応表を記憶する。例えば、記憶部13は、手を左から右へ動かすジェスチャ「右の操作」と、右スクロールを示す(右矢印キーの入力)信号とを対応付けて記憶する。
【0033】
出力部15および送信部14は、外部装置2および報知装置3が備える送信部と通信を行う。出力部15および送信部14は、USB(Universal Serial Bus)等の有線あるいはBluetooth(登録商標)等の無線の通信経路により、それぞれ外部装置2および報知装置3と通信を行うものであればよい。
【0034】
外部装置2は、PC(Personal Computer)、あるいはFA(Factory Automation)機器等である。外部装置2は、センサ装置1から出力信号を受信し、該出力信号に基づき動作する。外部装置2は、表示部(不図示)を備えていてもよく、該表示部は、制御部12が特定したジェスチャに対応した表示画像を表示してもよい。
【0035】
報知装置3は、複数のLED31を備えるLED表示装置である(
図2参照)。報知装置3は、ジェスチャセンサ部11が検出したジェスチャの動きを示す動作信号をセンサ装置1から受信し、該動作信号に対応する報知動作を行う。このような構成によれば、報知装置3は、特定部121が特定したジェスチャをユーザに報知することができる。報知装置3の具体的な構成については、
図2を参照し後述する。なお、報知装置3は、LED表示装置に限定されず、動作信号に対応して、報知動作を切り替え得る構成を有していればよい。例えば、報知装置3は、動作信号に対応した音を出力するスピーカであってもよい。例えば、報知装置3は、制御部12から「右の操作」を示す動作信号を受信したとき、該動作信号に対応するビープ音を出力する、あるいは「右」という音声を出力する。または、報知装置3は、動作信号に対応したアニメーションを表示する液晶ディスプレイであってもよい。報知装置3は、センサ装置1と一体となって構成されていてもよい。
【0036】
図2は、センサ装置1に接続された報知装置3(LED表示装置)の一例を示す模式図である。
図2に示すように、報知装置3は、その表示面において複数のLED31を備える。複数のLED31は、円形に配置される複数のLED31aと、十字形に配置される複数のLED31bとからなる。報知装置3は、センサ装置1から受信する動作信号に対応して、複数のLED31の表示態様を切り替える。
【0037】
例えば、報知装置3は、センサ装置1から動作信号を受信しない間、中心近くのLED31bを(例えば青く)点灯させる。また、報知装置3は、センサ装置1から「右の操作」を示す動作信号を受信したとき、中心近くのLED31bから右部のLED31bに向かって十字形の複数のLED31bを順次(例えば青く)点灯させる。また、報知装置3は、センサ装置1から「右回転の操作」を示す動作信号を受信したとき、上部のLED31aから右部のLED31aに向かって円形の複数のLED31aを順次(例えば青く)点灯させる。また、報知装置3は、センサ装置1から「手のひらの接近」を示す動作信号を受信したとき、中心近くのLED31bの発光色を青色から赤色に切り替える、あるいは点灯状態を点滅状態に切り替える。このような構成によれば、ユーザは、自身が入力したジェスチャに対応する複数のLED31の表示態様を確認することで、特定部121が正しくジェスチャを特定したかを目視で確認することができる。なお、このような表示態様を外部装置2の表示部において実施してもよい。また、報知装置3の構成(複数のLED31の配置)としては上述の構成に限定されず、動作信号に対応して、複数のLED31の表示態様を切り替え得る構成であればよい。
【0038】
図3は、センサ装置1のジェスチャセンサ部11の検出範囲Rを示す模式図である。
図3の示すように、ジェスチャセンサ部11の検出範囲Rは、ジェスチャセンサ部11からの距離が近い第1範囲R1と、第1範囲よりも遠い第2範囲R2とを含む。
図3に示した一例では、第1範囲R1は、検出範囲Rにおいて、センサ面11aを含む平面からそれぞれ距離L1および距離L2(L2>L1)だけ離れた境界面B1および境界面B2で囲まれた範囲である。また、第2範囲R2は、検出範囲Rにおいて、センサ面11aを含む平面からそれぞれ距離L2および距離L3(L3>L2)だけ離れた境界面B2および境界面B3で囲まれた範囲である。例えば、距離L2および距離L3は、それぞれ約2cmおよび約10cmである。
【0039】
生成部123は、同じジェスチャであっても、対象物20が第1範囲R1にあるときと第2範囲R2にあるときとで異なる出力信号を生成する。なお、「対象物20が第1範囲R1にある」とは、対象物20の少なくとも一部が第1範囲R1に入っている状態を示す。また、「対象物20が第2範囲R2にある」とは、対象物20の少なくとも一部が第2範囲R2に入っており、いかなる対象物20も第1範囲R1には入っていない状態を示す。
【0040】
具体的には、特定部121は、対象物20が第1範囲R1にあるとき、占有領域を特定する。また、特定部121は、対象物20が第2範囲R2にあるとき、ジェスチャを特定する。詳細には、特定部121は、第1範囲R1に対象物20が入ってから所定時間の間(例えば0.8秒程度)、対象物20が第1範囲R1に留まっていたとき、占有領域を特定する。
図3に示した一例では、特定部121は、ジェスチャセンサ部11から対象物20までの距離(対象物20のZ座標)がL1からL2までの範囲に入ったとき、対象物20が第1範囲R1にあると特定する。これにより、生成部123は、対象物20が第2範囲R2にあるとき、ジェスチャに基づく出力信号を生成し、同じジェスチャであっても、対象物20が第1範囲R1にあるときはジェスチャではなく対象物20の占有領域に基づく出力信号を生成できる。
【0041】
特定部121は、対象物20が第1範囲R1にあるとき、ジェスチャを特定しない。このような構成によれば、対象物20が第1範囲R1にあるときに生成部123が占有領域に基づく出力信号とジェスチャに基づく出力信号とを重複して生成するのを防ぐことができる。
【0042】
また、ジェスチャがジェスチャセンサ部11に近づいてから離れる動作である場合、特定部121は、開始閾値と、終了閾値とで異なる閾値を用いてジェスチャを特定してもよい。ここで、開始閾値は、対象物20が第1範囲R1に入りジェスチャセンサ部11に近づいていることを特定部121が認識する閾値である。終了閾値は、対象物20がジェスチャセンサ部11から離れたことを特定部121が認識する閾値である。このような構成によれば、特定部121が占有領域を特定する動作の開始と終了を繰り返すといったチャタリング現象を防止することができる。なお、
図3に示した一例では、開始閾値は境界面B2であり、終了閾値は境界面B3である。
【0043】
図4は、ユーザの指および手のひらが第1範囲R1にある状態を示す模式図である。
図4の符号4Aおよび符号4Bは、それぞれユーザの指および手のひらが第1範囲R1にある状態を示している。生成部123は、対象物20の占有領域の大きさが所定の閾値より大きい場合、「手のひらの接近」に対応する出力信号を生成する。また、生成部123は、対象物20の占有領域の大きさが所定の閾値より小さい場合、「指の接近」に対応する出力信号を生成する。このような構成によれば、生成部123は、第1範囲R1における対象物20の占有領域の大きさに基づいて、外部装置2への出力信号を切り替えることができる。
【0044】
なお、
図4では、1つの閾値により、「指の接近」と「手のひらの接近」とに対応する2種類の出力信号を生成する方法を示したが、これに限定されない。例えば、生成部123は、2つ以上の閾値により、3種類以上の出力信号を生成してもよい。また、対象物20の占有領域の大きさの所定の閾値は、ユーザにより設定されてもよい。これにより、生成部123は、各ユーザの指および手のひらの大きさに応じた所定の閾値により、出力信号を切り替えることができる。
【0045】
ここで、検出範囲Rにおける、ジェスチャセンサ部11から距離L1以下の範囲R0(ジェスチャセンサ部11からの距離が第1範囲R1より近い範囲)では、手のひらに対応する占有領域の大きさと、指先に対応する占有領域の大きさとの差が小さい。そのため、生成部123は、ユーザの意図しない出力信号を生成する可能性がある。例えば、ユーザが手のひらを近付けたにもかかわらず、生成部123は、占有領域の大きさが所定の閾値より小さいと判定し、「指の接近」に対応する出力信号を生成する可能性がある。そのため、特定部121は、範囲R0に対象物20が入っているとき、占有領域を特定しない。これにより、生成部123がユーザの意図しない誤った出力信号を生成する可能性を抑制することができる。また、対象物20が、第1範囲R1を通らずに範囲R0に入る場合(例えば、横方向から範囲R0に入る場合)、生成部123は、範囲R0における対象物20の占有領域あるいはジェスチャに対応する出力信号を生成しない。
【0046】
(センサ装置1の動作例)
図5は、センサ装置1の制御部12の処理を示すフローチャートである。
図5を用いて、制御部12がジェスチャおよび占有領域を特定し、該ジェスチャおよび占有領域に対応する出力信号を生成する処理について、以下に説明する。
【0047】
図5に示すように、まず、特定部121は、ジェスチャセンサ部11から取得する対象物20の座標に基づいて、第1範囲R1に対象物20が入ったか否かを判定する(S1)。第1範囲R1に対象物20が入ったと判定した場合(S1におけるYES)、特定部121は占有領域を特定する(特定ステップ、S2)。第1範囲R1に対象物20が入ったと判定しなかった場合(S1におけるNO)、後述するS6に進む。なお、特定部121は、第1範囲R1に対象物20が入って所定時間の間(例えば0.8秒程度)、対象物20が第1範囲R1に留まっていたとき、第1範囲R1に対象物20が入ったと判定してもよい。
【0048】
次に、取得部122は、占有領域を特定部121から取得する(取得ステップ)。また、取得部122は、占有領域の大きさと外部装置2への出力信号とを対応付けた対応表を記憶部13から取得する。生成部123は当該対応表に基づき、占有領域の大きさに対応する出力信号を生成する(生成ステップ、S3)。出力部15は、当該出力信号を外部装置2へ出力する。なお、生成部123は、占有領域の大きさに対応する動作信号を生成してもよい。送信部14は、当該動作信号を報知装置3に送信してもよい。
【0049】
次に、特定部121は、ジェスチャセンサ部11から取得する対象物20の座標に基づいて、対象物20が終了閾値を超えたか否かを判定する(S4)。終了閾値を対象物20が超えたと判定した場合(S4におけるYES)、制御部12は、後述するS5に進む。終了閾値を対象物20が超えたと判定しなかった場合(S4におけるNO)、制御部12は、ジェスチャおよび占有領域を特定せずに待機する。
【0050】
生成部123は、対象物20が終了閾値を超えてジェスチャセンサ部11から離れてから第2所定時間t2までにジェスチャセンサ部11から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない(S5)。第2所定時間t2については、
図7を参照し後述する。
【0051】
S1において、第1範囲R1に対象物20が入ったと判定しなかった場合(S1におけるNO)、S6に進む。ジェスチャセンサ部11からジェスチャ信号を取得した場合(S6におけるYES)、特定部121は、ジェスチャを特定する(特定ステップ、S7)。ジェスチャセンサ部11からジェスチャ信号を取得しなかった場合(S6におけるNO)、制御部12は、処理を終了する。
【0052】
次に、取得部122は、ジェスチャを特定部121から取得する(取得ステップ)。また、取得部122は、ジェスチャと外部装置2への出力信号とを対応付けた対応表を記憶部13から取得する。生成部123は当該対応表に基づき、ジェスチャに対応する出力信号を生成する(生成ステップ、S8)。出力部15は、当該出力信号を外部装置2へ出力する。なお、生成部123は、ジェスチャに対応する動作信号を生成してもよい。送信部14は、当該動作信号を報知装置3に送信してもよい。
【0053】
生成部123は、取得部122がジェスチャ信号を取得してから第1所定時間t1までにジェスチャセンサ部11から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない(S9)。第1所定時間t1については、
図6を参照し後述する。
【0054】
以上のように、センサ装置1は、第1範囲Rにおける対象物20の占有領域に基づいて、外部装置への出力信号を切り替えることができる。例えば、手のひらの場合を「決定」、指先の場合を「キャンセル」とした場合、ユーザは、第1範囲Rに手のひらを入れることで、手のひらが占める領域に基づいて、「決定」を示す出力信号を外部装置2へ送信することができる。また、ユーザは、第1範囲Rに指を入れることで、指先が占める領域に基づいて、「キャンセル」を示す出力信号を外部装置2へ送信することができる。このように、センサ装置1は、従来とは異なる方法により外部装置2への出力信号を生成することができる。
【0055】
図6は、ジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない第1所定時間t1を示す模式図である。
図6に示すように、ユーザは「右の操作」を示す動作を連続して行う場合、第2範囲R2において、左から右へ移動した手をいったん左へ移動させ、再び手を左から右へ移動させる。このとき、ユーザは「右の操作」を示す動作を2回連続で行ったつもりであるにも関わらず、ジェスチャセンサ部11は、「右の操作」「左の操作」「右の操作」という順にジェスチャを検出し得る。生成部123は、仮にこれらのジェスチャ信号に対応する出力信号を生成した場合、ユーザの意図しない「左の操作」に対応する出力信号を生成することとなる。
【0056】
そのため、生成部123は、取得部122がジェスチャ信号を取得してから第1所定時間t1までにジェスチャセンサ部11から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない。
図6に示した一例においては、生成部123は、取得部122が1回目の「右の操作」を示すジェスチャを取得してから第1所定時間t1までにジェスチャセンサ部11から取得した「左の操作」を示すジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない。これにより、センサ装置1は、或るジェスチャから次のジェスチャまでの間の動作のようなユーザの意図しないジェスチャに対応する出力信号の生成を防ぐことができる。
【0057】
また、報知装置3は、センサ装置1から動作信号を受信してから第1所定時間t1の終了時まで動作信号に対応する報知動作を行ってもよい。これにより、ジェスチャ信号を取得しない第1所定時間t1をユーザに報知することができる。
図6に示した一例においては、ユーザは報知装置3の報知動作の間に、左から右へ移動した手をいったん左へ移動させればよい。
【0058】
図7は、ジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない第2所定時間t2を示す模式図である。
図7に示すように、ユーザは「手のひらの接近」を示す動作を行う場合、第1範囲R1より左方から第1範囲R1を通って第1範囲R1より右方に移動するように、手を左から右へ移動させてもよい。このとき、ジェスチャセンサ部11は、第1範囲R1における対象物20の「右の操作」示すジェスチャを検出する。ここで、センサ装置1は、ジェスチャセンサ部11が対象物20の動作の終了を検出してから、取得部122がジェスチャ信号を取得するまでに処理時間を要する。そのため、取得部122は、対象物20が終了閾値を超えてジェスチャセンサ部11から離れたことを認識した後に、「右の操作」を示すジェスチャ信号を取得する。生成部123は、仮に「右の操作」を示すジェスチャ信号に対応する出力信号を生成した場合、ユーザの意図しない出力信号を生成することとなる。
【0059】
そのため、取得部122は、対象物20が終了閾値を超えてジェスチャセンサ部11から離れてから第2所定時間t2までにジェスチャセンサ部11から取得したジェスチャ信号に対応する出力信号を生成しない。
図7に示した一例においては、生成部123は、対象物20が終了閾値を超えてジェスチャセンサ部11から離れてから第2所定時間t2までにジェスチャセンサ部11から取得した「右の操作」を示すジェスチャを取得しない。これにより、センサ装置1は、ジェスチャ後のユーザの意図しない動作をジェスチャと特定し、当該ジェスチャに対応する出力信号を生成してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0061】
図8は、本発明の他の実施形態に係るセンサ装置100を含むセンサシステム110の概略構成を示すブロック図である。センサ装置100は、サブセンサ部101を備える点で、センサ装置1と相違する。
【0062】
サブセンサ部101は、対象物20のジェスチャを検出するジェスチャセンサ、または対象物20のタッチ操作を検出するタッチセンサである。サブセンサ部101は、ジェスチャセンサ部11との相互干渉を回避するため、公知の技術によりジェスチャセンサ部11との同期制御が行われてもよい。
【0063】
生成部123は、サブセンサ部101で対象物20による所定のジェスチャあるいはタッチ操作を検出した場合、ジェスチャセンサ部11で検出したジェスチャと占有領域の大きさとに基づいて対応する出力信号を生成する。一方、生成部123は、サブセンサ部101で対象物20による所定のジェスチャあるいはタッチ操作を検出しない場合、ジェスチャセンサ部11がジェスチャを検出しても出力信号を生成しない。このような構成によれば、センサ装置100は、2つのセンサ部を用いたインターロック機能を有することができる。すなわち、ジェスチャセンサ部11の意図しない検出を防ぐことができる。
【0064】
図9は、センサ装置100のジェスチャセンサ部11およびサブセンサ部101がそれぞれユーザの右手および左手を検出する様子を示す図である。
図9が示す一例において、サブセンサ部101はジェスチャセンサである。
図9に示すように、ユーザがサブセンサ部101の検出範囲内に左手を入れながら、ジェスチャセンサ部11の検出範囲内で右手を動作させることにより、生成部123は、外部装置2への出力信号を生成することができる。また、ユーザがサブセンサ部101の検出範囲内に左手を入れない場合、ジェスチャセンサ部11の検出範囲内で右手を動作させたとしても、生成部123は、外部装置2への出力信号を生成しない。すなわち、生成部123がジェスチャセンサ部11で検出したジェスチャと占有領域の大きさとに基づいて対応する出力信号を生成するのは、ユーザが左手をサブセンサ部101の検出範囲内に入れているときのみである。このような構成によれば、ユーザが意識してサブセンサ部101の検出範囲内に左手を入れない限り(ユーザが両手を使用しない限り)、ユーザの右手の動作に基づく外部装置2への出力信号は生成されない。したがって、センサ装置100は、2つのセンサ部を用いたインターロック機能を提供することができる。
【0065】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0066】
図10は、複数のジェスチャセンサ部11A~11Eと外部装置2の表示部21が表示する複数のオブジェクト(ボタン)211A~211Eとの対応関係を示す図である。なお、
図10では、表示部21が生成する表示画像22の一例を示している。
図10に示すように、センサ装置1は、複数のジェスチャセンサ部11A~11Eを備えてもよい。また、外部装置2は、複数のジェスチャセンサ部11A~11Eそれぞれに対応する複数のオブジェクト211A~211Eを含む表示画像22を生成してもよい。ここで、生成部123は、複数のジェスチャセンサ部11A~11Eのうち対象物20を検出したジェスチャセンサ部11Cに対応するオブジェクト211Cに関する出力信号を生成する。外部装置2は、当該出力信号を受信すると、当該出力信号に対応する処理を行い、また、新たな表示画像22の生成を行ってもよい。このような構成によれば、センサ装置1は、複数のジェスチャセンサ部11A~11Eを使用して外部装置2への出力信号を生成することができる。
【0067】
例えば、ジェスチャセンサ部11Cが第2範囲R2における対象物20のジェスチャを検出すると、生成部123は、オブジェクト211Cを選択する出力信号を生成する。外部装置2は、当該出力信号を受信すると、オブジェクト211Cを強調する表示画像22を生成する。また、ジェスチャセンサ部11Cが第1範囲R1における対象物20のジェスチャを検出すると、生成部123は、オブジェクト211Cの押下を決定する出力信号を生成する。外部装置2は、当該出力信号を受信すると、オブジェクト211Cの決定に対応する処理を行い、また、オブジェクト211Cを決定した旨の表示画像22を生成する。このような構成によれば、ユーザは、オブジェクト211Cが選択されていることを確認した後に、オブジェクト211Cの押下を決定することができる。
【0068】
〔ソフトウェアによる実現例〕
センサ装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部12に含まれる各部および外部装置2)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0069】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0070】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0071】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0072】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0073】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1、100 センサ装置
2 外部装置
3 報知装置
10、110 センサシステム
11 ジェスチャセンサ部
11A~11E ジェスチャセンサ部
12 制御部
121 特定部
122 取得部
123 生成部
14 送信部
15 出力部
20 対象物
31 LED
101 サブセンサ部
211A~211E オブジェクト
R 検出範囲
R1 第1範囲
R2 第2範囲
t1 第1所定時間
t2 第2所定時間