(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法、サーバーおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/374 20210101AFI20241112BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A61B5/374
A61B10/00 H
(21)【出願番号】P 2023555743
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2021010379
(87)【国際公開番号】W WO2022191367
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032457
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522270435
【氏名又は名称】アイメディシンク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】カン スンワン
(72)【発明者】
【氏名】パク ウケブ
(72)【発明者】
【氏名】コ ジュヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム ナムヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン テギュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘリン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0138328(KR,A)
【文献】特開2016-106940(JP,A)
【文献】特開2007-125362(JP,A)
【文献】特表2015-507516(JP,A)
【文献】特開2011-172942(JP,A)
【文献】特表2011-514823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/372-5/374
A61B 10/00
G16H 50/20-50/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティング装置によって遂行される方法において、
複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集段階;
第1分類モデルを利用して前記収集された脳波データを分析することによって、算出された確率に基づいて、前記複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類段階;
第2分類モデルを利用して、導き出された記憶障害(Memory impairment)の有無に基づいて、前記非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認知障害(amnestic Mild Cognitive Impairment、aMCI)グループに分類する第2分類段階;および
最適化された分類モデルを利用して導き出された主観的認知減少(Subjective Cognitive Decline、SCD)の有無に基づいて、前記正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、
前記最適化された分類モデルを利用して導き出された前記使用者が持っている記憶障害の種類に基づいて、前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類段階を含む、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項2】
前記脳波収集段階は、
第1使用者の頭の互いに異なる位置に付着される複数の脳波測定チャネルを通じて複数の単位脳波データを収集する段階;
前記収集された複数の単位脳波データを数値化およびイメージ化して定量化された脳波データ(QEEG)を生成する段階;および
予め設定された性別および年齢別基準に基づいて前記生成された定量化された脳波データを標準化させる段階を含む、請求項1に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項3】
前記定量化された脳波データ(QEEG)を生成する段階は、
高速フーリエ変換(Fast-Fourier Transform)に基づいて、前記測定された複数の単位脳波データに対する周波数ドメインを算出する段階;
前記算出された周波数ドメインに基づいて、前記測定された複数の単位脳波データのうち同一の時点で測定された複数の単位脳波データに対応する周波数ドメインを前記複数の脳波測定チャネルの位置により再配列する段階;および
前記再配列された複数の単位脳波データを時系列に沿って蓄積して対称イメージ(symmetry image)形態の定量化された脳波データを生成する段階を含む、請求項2に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項4】
前記第1分類段階は、
第1分類モデルを利用して前記生成された定量化された脳波データをイメージ分析することによって、前記複数の使用者それぞれに対する重症認知障害確率および非重症認知障害確率を算出する段階;および
前記算出された重症認知障害確率および前記算出された非重症認知障害確率を利用して前記複数の使用者を前記重症認知障害グループまたは前記非重症認知障害グループに分類する段階を含む、請求項2に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項5】
前記第2分類段階は、
前記非重症認知障害グループに含まれた使用者のうち記憶障害(Memory impairment)がある使用者を前記記憶障害型軽度認知障害グループに分類し、前記記憶障害型軽度認知障害グループに分類されなかった使用者を前記正常グループに分類する段階を含む、請求項1に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項6】
前記第3分類段階は、
使用者分類のための
前記最適化された分類モデル-前記最適化された分類モデルは第3分類モデルおよび第4分類モデルを含む-を生成する段階;
前記第3分類モデルを利用して、前記正常グループに含まれた使用者のうち
前記主観的認知減少(Subjective Cognitive Decline、SCD)がない使用者を前記正常範囲内グループに分類し、前記主観的認知減少がある使用者を前記認知障害潜伏期グループに分類する段階;および
前記第4分類モデルを利用して前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者のうちリトリーバル障害(Retrieval Failure)を有する使用者を前記アルツハイマーでない軽度認知障害グループに分類し、貯蔵障害(Encoding Failure)を有する使用者を前記認知症前軽度認知障害グループに分類する段階を含む、請求項1に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項7】
前記最適化された分類モデルを生成する段階は、
前記複数の使用者それぞれから収集された複数の脳波データを分析して導き出される複数の特徴値のうち予め設定された個数の特徴値を任意に繰り返し選択して互いに異なる複数の特徴値組み合わせを生成し、前記生成された複数の特徴値組み合わせそれぞれを利用して複数の多次元モデルを生成する段階;
前記生成された複数の多次元モデルそれぞれに対する正確度を算出する段階;および 前記算出された正確度が高い順序に沿って上位N個の多次元モデルを選択し、前記選択されたN個の多次元モデルそれぞれに含まれた特徴値それぞれに対する個数をカウンティングし、最も高いカウンティング値を有する特徴値から順次M個の特徴値を選択し、前記選択されたM個の特徴値を含む前記最適化された分類モデルを生成する段階を含む、請求項6に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項8】
前記第1分類段階による分類結果、前記第2分類段階による分類結果および前記第3分類段階による分類結果を利用して、前記正常範囲内グループ、前記認知障害潜伏期グループ、前記アルツハイマーでない軽度認知障害グループ、前記認知症前軽度認知障害グループおよび前記重症認知障害グループそれぞれに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度をスコアリングする段階をさらに含む、請求項1に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項9】
前記スコアリングする段階は、
前記重症認知障害の程度により前記正常範囲内グループに含まれた使用者に対して0~50範囲内の点数を付与する段階;
前記重症認知障害の程度により前記認知障害潜伏期グループに含まれた使用者に対して50~60範囲内の点数を付与する段階;
前記重症認知障害の程度により前記アルツハイマーでない軽度認知障害グループに含まれた使用者に対して60~70範囲内の点数を付与する段階;
前記重症認知障害の程度により前記認知症前軽度認知障害グループに含まれた使用者に対して70~85範囲内の点数を付与する段階;および
前記重症認知障害の程度により前記重症認知障害グループに含まれた使用者に対して85~100範囲内の点数を付与する段階を含む、請求項8に記載の脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法。
【請求項10】
プロセッサ;
ネットワークインターフェース;
メモリ;および
前記メモリにロード(load)され、前記プロセッサによって実行されるコンピュータプログラムを
含み、
前記コンピュータプログラムは、複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集インストラクション(instruction);
第1分類モデルを利用して前記収集された脳波データを分析することによって、算出された確率に基づいて、前記複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類インストラクション;
第2分類モデルを利用して、導き出された記憶障害(Memory impairment)の有無に基づいて、前記非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認障害(amnestic Mild Cognitive Impairment、aMCI)グループに分類する第2分類インストラクション;および
最適化された分類モデルを利用して導き出された主観的認知減少(Subjective Cognitive Decline、SCD)の有無に基づいて、前記正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、
前記最適化された分類モデルを利用して導き出された前記使用者が持っている記憶障害の種類に基づいて、前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類インストラクションを含む、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類サーバー.
【請求項11】
コンピューティング装置と結合されて、
複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集段階;
第1分類モデルを利用して前記収集された脳波データを分析することによって、算出された確率に基づいて、前記複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類段階;
第2分類モデルを利用して、導き出された記憶障害(Memory impairment)の有無に基づいて、前記非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認知障害(amnestic Mild Cognitive Impairment、aMCI)グループに分類する第2分類段階;および
最適化された分類モデルを利用して導き出された主観的認知減少(Subjective Cognitive Decline、SCD)の有無に基づいて、前記正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、
前記最適化された分類モデルを利用して導き出された前記使用者が持っている記憶障害の種類に基づいて、前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類段階実行させるためにコンピュータで読み取り可能な記録媒体
に記録されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の多様な実施例は脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法、サーバーおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認知症(dementia)とは、脳疾患でもたらされた一連の症状を意味する。
【0003】
認知症は認識能力の低下で日常的な活動能力が欠如状態となるもので、認知症が進行されると、思考力、行動および日常生活の遂行に影響を及ぼすことになる。医者らは二つ以上の認識機能(例:記憶力、言語機能、情報理解、空間機能、判断力および注意力を含む)が顕著に損傷する場合、認知症と診断する。
【0004】
認知症患者は問題を解決し感情を統制するのに困難があり得、人格の変化を経ることもある。認知症患者が体験する正確な症状は、認知症を起こした疾患によって損傷した脳がどの部位であるかにかかっている。認知症の多くの類型では脳の神経細胞の一部が機能を停止し、他の細胞との連結が消えて死ぬことになる。認知症は大概着実に進行される。すなわち、認知症は徐々に脳に広がって患者の症状は時間の経過につれて悪化する。
【0005】
我が国の場合、65歳以上の老人の人口のうち約9.5%である29万人程度が若年性認知症で苦労しており、このうち73%である18万人は習慣的に道端をうろつくなどの重症患者である。これは今後人口の老齢化が加速化するにつれて持続的に増加するものと予想される。
【0006】
認知症は未だ効果的な治療剤が開発されていないので、認知症の早期発見による予防管理が何よりも重要な疾患である。しかし、現在まで認知症の診断は主に神経心理テストに依存しており、補助的手段としてMRI(脳萎縮などの脳変形検査)またはPET(アミロイド沈着水準検査)等が使われているが検査費用が高い短所があり、脳脊髄液検査法(アミロイドあるいはタウタンパク質の量を測定)は侵襲的な方法であって患者がいやがる短所がある。
【0007】
このような問題点を改善するために、従来には脳波データ分析を通じての認知症診断プラットフォームを開発して、患者の脳波データを分析(例:脳波データが認知症患者の脳波データなのかまたは正常な人の脳波データなのかを分析)することによって該当患者が認知症患者であるかどうかを判断した。
【0008】
しかし、このような従来の認知症診断プラットフォームの場合、脳波データを分析して該当患者が正常状態なのかまたは認知症状態なのかを分類すなわち、正常状態と認知症状態を単純に二分法的に分ける技術に過ぎないという点で、現在認知症疾患を持っている患者を識別することはできるものの、正常状態であっても認知症の発生可能性がある使用者を選別することは不可能であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前述した従来の認知症診断プラットフォームの問題点を改善するために、複数の使用者に対する脳波データを分析して正常状態の使用者と認知症患者を分類するだけでなく、正常状態の使用者に対しても、記憶障害の有無、記憶障害の種類および程度などを考慮して認知症の可能性を細分化することによって、現在認知症を持っている患者を識別できるだけでなく、正常状態の使用者の中でも認知症の発生確率がある使用者を早期選別できる脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法、サーバーおよびコンピュータプログラムを提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は以上で言及された課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した課題を解決するための本発明の一実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法は、コンピューティング装置によって遂行される方法において、複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集段階、前記収集された脳波データを分析して前記複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類段階、前記非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認知障害(amnestic Mild Cognitive Impairment、aMCI)グループに分類する第2分類段階および前記正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類段階を含むことができる。
【0012】
多様な実施例において、前記脳波収集段階は、第1使用者の頭の互いに異なる位置に付着される複数の脳波測定チャネルを通じて複数の単位脳波データを収集する段階、前記収集された複数の単位脳波データを数値化およびイメージ化して定量化された脳波データ(QEEG)を生成する段階および予め設定された性別および年齢別基準に基づいて前記生成された定量化された脳波データを標準化させる段階を含むことができる。
【0013】
多様な実施例において、前記定量化された脳波データ(QEEG)を生成する段階は、高速フーリエ変換(Fast-Fourier Transform)に基づいて、前記測定された複数の単位脳波データに対する周波数ドメインを算出する段階、前記算出された周波数ドメインに基づいて、前記測定された複数の単位脳波データのうち同一の時点で測定された複数の単位脳波データに対応する周波数ドメインを前記複数の脳波測定チャネルの位置により再配列する段階および前記再配列された複数の単位脳波データを時系列に沿って蓄積して対称イメージ(symmetry image)形態の定量化された脳波データを生成する段階を含むことができる。
【0014】
多様な実施例において、前記第1分類段階は、第1分類モデルを利用して前記生成された定量化された脳波データをイメージ分析することによって、前記複数の使用者それぞれに対する重症認知障害確率および非重症認知障害確率を算出する段階および前記算出された重症認知障害確率および前記算出された非重症認知障害確率を利用して前記複数の使用者を前記重症認知障害グループまたは前記非重症認知障害グループに分類する段階を含むことができる。
【0015】
多様な実施例において、前記第2分類段階は、第2分類モデルを利用して、前記非重症認知障害グループに含まれた使用者のうち記憶障害(Memory impairment)がある使用者を前記記憶障害型軽度認知障害グループに分類し、前記記憶障害型軽度認知障害グループに分類されなかった使用者を前記正常グループに分類する段階を含むことができる。
【0016】
多様な実施例において、前記第3分類段階は、使用者分類のための最適化された分類モデル-前記最適化された分類モデルは第3分類モデルおよび第4分類モデルを含む-を生成する段階、前記第3分類モデルを利用して、前記正常グループに含まれた使用者のうち主観的認知減少(Subjective Cognitive Decline、SCD)がない使用者を前記正常範囲内グループに分類し、前記主観的認知減少がある使用者を前記認知障害潜伏期グループに分類する段階および前記第4分類モデルを利用して前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者のうちリトリーバル障害(Retrieval Failure)を有する使用者を前記アルツハイマーでない軽度認知障害グループに分類し、貯蔵障害(Encoding Failure)を有する使用者を前記認知症前軽度認知障害グループに分類する段階を含むことができる。
【0017】
多様な実施例において、前記最適化された分類モデルを生成する段階は、前記複数の使用者それぞれから収集された複数の脳波データを分析して導き出される複数の特徴値のうち予め設定された個数の特徴値を任意に繰り返し選択して互いに異なる複数の特徴値組み合わせを生成し、前記生成された複数の特徴値組み合わせそれぞれを利用して複数の多次元モデルを生成する段階、前記生成された複数の多次元モデルそれぞれに対する正確度を算出する段階および前記算出された正確度が高い順序に沿って上位N個の多次元モデルを選択し、前記選択されたN個の多次元モデルそれぞれに含まれた特徴値それぞれに対する個数をカウンティングし、最も高いカウンティング値を有する特徴値から順次M個の特徴値を選択し、前記選択されたM個の特徴値を含む前記最適化された分類モデルを生成する段階を含むことができる。
【0018】
多様な実施例において、前記第1分類段階による分類結果、前記第2分類段階による分類結果および前記第3分類段階による分類結果を利用して、前記正常範囲内グループ、前記認知障害潜伏期グループ、前記アルツハイマーでない軽度認知障害グループ、前記認知症前軽度認知障害グループおよび前記重症認知障害グループそれぞれに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度をスコアリングする段階をさらに含むことができる。
【0019】
多様な実施例において、予めスコアリングする段階は、前記重症認知障害の程度により前記正常範囲内グループに含まれた使用者に対して0~50範囲内の点数を付与する段階、前記重症認知障害の程度により前記認知障害潜伏期グループに含まれた使用者に対して50~60範囲内の点数を付与する段階、前記重症認知障害の程度により前記アルツハイマーでない軽度認知障害グループに含まれた使用者に対して60~70範囲内の点数を付与する段階、前記重症認知障害の程度により前記認知症前軽度認知障害グループに含まれた使用者に対して70~85範囲内の点数を付与する段階および前記重症認知障害の程度により前記重症認知障害グループに含まれた使用者に対して85~100範囲内の点数を付与する段階を含むことができる。
【0020】
前述した課題を解決するための本発明の他の実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類サーバーは、プロセッサ、ネットワークインターフェース、メモリおよび前記メモリにロード(load)され、前記プロセッサによって遂行されるコンピュータプログラムを含むものの、前記コンピュータプログラムは、複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集インストラクション(instruction)、前記収集された脳波データを分析して前記複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類インストラクション、前記非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認知障害(amnestic Mild Cognitive Impairment、aMCI)グループに分類する第2分類インストラクションおよび前記正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類インストラクションを含むことができる。
【0021】
前述した課題を解決するための本発明のさらに他の実施例に係るコンピュータプログラムは、コンピューティング装置と結合され、複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集段階、前記収集された脳波データを分析して前記複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類段階、前記非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認知障害(amnestic Mild Cognitive Impairment、aMCI)グループに分類する第2分類段階および前記正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、前記記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類段階を実行させるためにコンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存され得る。
【0022】
本発明のその他の具体的な事項は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の多様な実施例によると、複数の使用者に対する脳波データを分析して正常状態の使用者と認知症患者を分類するだけでなく、正常状態の使用者に対しても、記憶障害の有無、記憶障害の種類および程度などを考慮して認知症の可能性を細分化することによって、現在認知症を持っている患者を識別できるだけでなく、正常状態の使用者の中でも認知症の発生確率がある使用者を早期選別することができるという利点がある。
【0024】
本発明の効果は以上で言及された効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類システムを図示した図面である。
【0026】
【
図2】本発明の他の実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類サーバーのハードウェア構成図である。
【0027】
【
図3】本発明のさらに他の実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法のフローチャートである。
【0028】
【
図4】多様な実施例において、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法により使用者を分類およびスコアリングする過程を図示した図面である。
【0029】
【
図5】多様な実施例において、定量化された脳波データを生成する方法を説明するための図面である。
【
図6】多様な実施例において、定量化された脳波データを生成する方法を説明するための図面である。
【0030】
【
図7】多様な実施例において、定量化された脳波データを生成する方法により生成された対称イメージ形態の定量化された脳波データを例示的に図示した図面である。
【0031】
【
図8】多様な実施例において、最適化された分類モデルを生成する方法のフローチャートである。
【0032】
【
図9】多様な実施例において、
図9の方法により最適化された分類モデルを生成する過程を図示した図面である。
【0033】
【
図10】多様な実施例において、各グループに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度をスコアリングする過程を説明するためのグラフである。
【0034】
【
図11】多様な実施例において、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法により導き出される結果データを例示的に図示した図面である。
【
図12】多様な実施例において、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法により導き出される結果データを例示的に図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に制限されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野の通常の技術者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0036】
本明細書で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素の他に一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。明細書全体に亘って同じ図面符号は同じ構成要素を指し示し、「および/または」は言及された構成要素のそれぞれおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。たとえ「第1」、「第2」等が多様な構成要素を叙述するために使われるが、これら構成要素はこれらnお用語によって制限されないことは言うまでもない。これら用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使うものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよいことは言うまでもない。
【0037】
他の定義がない限り、本明細書で使われるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野の通常の技術者に共通して理解され得る意味で使われ得るであろう。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0038】
明細書で使われる「部」または「モジュール」という用語はソフトウェア、FPGAまたはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「部」または「モジュール」は何らかの役割を遂行する。しかし、「部」または「モジュール」はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「部」または「モジュール」はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成されてもよく、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されてもよい。したがって、一例として「部」または「モジュール」はソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイおよび変数を含む。構成要素と「部」または「モジュール」内で提供される機能はさらに小さい数の構成要素および「部」または「モジュール」で結合されたり追加的な構成要素と「部」または「モジュール」にさらに分離され得る。
【0039】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」等は図面に図示されているように、一つの構成要素と他の構成要素との相関関係を容易に記述するために使われ得る。空間的に相対的な用語は、図面に図示されている方向に加えて使用時または動作時の構成要素の互いに異なる方向を含む用語と理解されるべきである。例えば、図面に図示されている構成要素をひっくり返す場合、他の構成要素の「下(below)」または「下(beneath)」で記述された構成要素は他の構成要素の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語である「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。構成要素は他の方向にも配向され得、これに伴い、空間的に相対的な用語は配向により解釈され得る。
【0040】
本明細書で、コンピュータは少なくとも一つのプロセッサを含むすべての種類のハードウェア装置を意味するものであり、実施例により該当ハードウェア装置で動作するソフトウェア的構成も包括する意味で理解され得る。例えば、コンピュータはスマートフォン、タブレットPC、デスクトップ、ノートパソコンおよび各装置で駆動される使用者クライアントおよびアプリケーションをすべて含む意味で理解され得、また、これに制限されるものではない。
【0041】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0042】
本明細書で説明される各段階はコンピュータによって遂行されるものとして説明されるが、各段階の主体はこれに制限されるものではなく、実施例により各段階の少なくとも一部が互いに異なる装置で遂行されてもよい。
【0043】
本明細書では、重症認知障害(例:アルツハイマー性認知症(ALZheimer’s disease dementia、ADD))を基準として複数の使用者を分類するものとして説明しているが、これに限定されず、脳波データを含む使用者の生体データを分析して分類可能な多様な疾病に対しても同一または類似する形態で適用が可能である。
【0044】
図1は、本発明の一実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類システムを図示した図面である。
【0045】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類システムは重症認知障害患者分類サーバー100、使用者端末200および外部サーバー300を含むことができる。
【0046】
ここで、
図1に図示された脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類システムは一実施例に従ったものであり、その構成要素が
図1に図示された実施例に限定されるものではなく、必要に応じて付加、変更または削除され得る。
【0047】
一実施例において、重症認知障害患者分類サーバー100は複数の使用者に対する脳波データを収集し、収集した脳波データを分析して、複数の使用者それぞれを重症認知障害グループ、正常範囲内(Within Normal Limits、WNL)グループ、認知障害潜伏期(Preclinical AD)グループ、アルツハイマーでない軽度認知障害(Non-AD Mild Cognitive Impairment、Non-AD MCI)グループおよび認知症前軽度認知障害(Prodromal AD)グループのうちいずれか一つのグループに分類することができる。しかし、これに限定されない。
【0048】
多様な実施例において、重症認知障害患者分類サーバー100は使用者の要請により使用者の脳波データを分析して使用者が重症認知障害患者であるかどうかを判断し、判断結果(例:使用者が属したグループに対する情報、認知症の有無または認知症発生確率(点数)に対する情報など)を含む結果リポート(例:
図11および12)を提供することができる。例えば、重症認知障害患者分類サーバー100はネットワーク400を通じて使用者端末200および脳波測定装置(図示されず)と連結され得、使用者端末200から得た診断要請に対する応答として脳波測定装置から脳波データを収集および分析することによって、結果リポートを生成および提供することができる。
【0049】
ここで、ネットワーク400は複数の端末およびサーバーのようなそれぞれのノード相互間に情報交換が可能な連結構造を意味し得る。例えば、ネットワーク400は近距離通信網(LAN:Local Area Network)、広域通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット(WWW:World Wide Web)、有線/無線データ通信網、電話網、有線/無線テレビ通信網などを含むことができる。
【0050】
また、ここで、無線データ通信網は3G、4G、5G、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、5GPP(5th Generation Partnership Project)、LTE(Long Term Evolution)、WIMAX(World Interoperability for Microwave Access)、ワイファイ(Wi-Fi)、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)、Wireless LAN(Wireless Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、PAN(Personal Area Network)、RF(Radio Frequency)、ブルートゥース(Bluetooth)ネットワーク、NFC(Near-Field Communication)ネットワーク、衛星放送ネットワーク、アナログ放送ネットワーク、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)ネットワークなどを含むことができるが、これに限定されない。
【0051】
一実施例において、使用者端末200はネットワーク400を通じて重症認知障害患者分類サーバー100と連結され得、重症認知障害患者分類サーバー100が提供する使用者インターフェース(User Interface、UI)を通じて、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類プロセスの遂行を要請でき、これに対する応答として、使用者が属したグループに対する情報、認知症の有無または認知症発生確率(点数)に対する情報を含む結果リポートの提供を受けることができる。
【0052】
多様な実施例において、使用者端末200は携帯性と移動性が保障される無線通信装置であって、ナビゲーション、PCS(Personal Communication System)、GSM(Global System for Mobile communications)、PDC(Personal Digital Cellular)、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、IMT(International Mobile Telecommunication)-2000、CDMA(Code Division Multiple Access)-2000、W-CDMA(W-Code Division Multiple Access)、Wibro(Wireless Broadband Internet)端末、スマートフォン(Smartphone)、スマートパッド(Smartpad)、タブレットPC(Tablet PC)などのようなすべての種類のハンドヘルド(Handheld)基盤の無線通信装置を含むことができるが、これに限定されない。
【0053】
一実施例において、外部サーバー300はネットワーク400を通じて重症認知障害患者分類サーバー100と連結され得、重症認知障害患者分類サーバー100が脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類プロセスを遂行するために必要な各種情報/データを保存および管理したり、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類プロセスを遂行することにより生成される各種情報/データを保存および管理することができる。例えば、外部サーバー300は重症認知障害患者分類サーバー100の外部に別途に備えられる保存サーバーであり得るが、これに限定されない。以下、
図2を参照して重症認知障害患者分類サーバー100のハードウェア構成について説明することにする。
【0054】
図2は、本発明の他の実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類サーバーのハードウェア構成図である。
図2を参照すると、本発明の他の実施例に係る重症認知障害患者分類サーバー100(以下、「サーバー100」)は一つ以上のプロセッサ110、プロセッサ110によって遂行されるコンピュータプログラム151をロード(Load)するメモリ120、バス130、通信インターフェース140およびコンピュータプログラム151を保存するストレージ150を含むことができる。ここで、
図2には本発明の実施例に関連する構成要素のみ図示されている。したがって、本発明が属した技術分野の通常の技術者であれば
図2に図示された構成要素の他に他の汎用的な構成要素がさらに含まれ得ることが分かる。
【0055】
プロセッサ110はサーバー100の各構成の全般的な動作を制御する。プロセッサ110はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)または本発明の技術分野に広く知られている任意の形態のプロセッサを含んで構成され得る。
【0056】
また、プロセッサ110は本発明の実施例に係る方法を実行するための少なくとも一つのアプリケーションまたはプログラムに対する演算を遂行することができ、サーバー100は一つ以上のプロセッサを具備することができる。
多様な実施例において、プロセッサ110はプロセッサ110内部で処理される信号(またはデータ)を一時的および/または永久的に保存するラム(RAM:Random Access Memory、図示されず)およびロム(ROM:Read-Only Memory、図示されず)をさらに含むことができる。また、プロセッサ110はグラフィック処理部、ラムおよびロムのうち少なくとも一つを含むシステムオンチップ(SoC:system on chip)形態で具現され得る。
【0057】
メモリ120は各種データ、命令および/または情報を保存する。メモリ120は本発明の多様な実施例に係る方法/動作を実行するためにストレージ150からコンピュータプログラム151をロードすることができる。メモリ120にコンピュータプログラム151がロードされると、プロセッサ110はコンピュータプログラム151を構成する一つ以上のインストラクションを実行することによって前記方法/動作を遂行できる。メモリ120はRAMのような揮発性メモリで具現され得るであろうが、本開示の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0058】
バス130はサーバー100の構成要素間通信機能を提供する。バス130はアドレスバス(address Bus)、データバス(Data Bus)および制御バス(Control Bus)等の多様な形態のバスで具現され得る。
通信インターフェース140はサーバー100の有線/無線インターネット通信を支援する。また、通信インターフェース140はインターネット通信以外の多様な通信方式を支援してもよい。このために、通信インターフェース140は本発明の技術分野に広く知られている通信モジュールを含んで構成され得る。いくつかの実施例において、通信インターフェース140は省略されてもよい。
【0059】
ストレージ150はコンピュータプログラム151を非臨時的に保存することができる。サーバー100を通じて脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類プロセスを遂行する場合、ストレージ150は脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類プロセスを提供するために必要な各種情報を保存することができる。
【0060】
ストレージ150はROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリなどのような不揮発性メモリ、ハードディスク、着脱型ディスク、または本発明が属する技術分野で広く知られている任意の形態のコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含んで構成され得る。
【0061】
コンピュータプログラム151はメモリ120にロードされる時、プロセッサ110に本発明の多様な実施例に係る方法/動作を遂行させるようにする一つ以上のインストラクションを含むことができる。すなわち、プロセッサ110は前記一つ以上のインストラクションを実行することによって、本発明の多様な実施例に係る前記方法/動作を遂行できる。
【0062】
一実施例において、コンピュータプログラム151は複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集段階、収集された脳波データを分析して複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類段階、非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認知障害(amnestic Mild Cognitive Impairment、aMCI)グループに分類する第2分類段階および正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類段階を含む脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法を遂行するようにする一つ以上のインストラクションを含むことができる。
【0063】
本発明の実施例に関連して説明された方法またはアルゴリズムの段階はハードウェアで直接具現されるか、ハードウェアによって実行されるソフトウェアモジュールで具現されるか、またはこれらの結合によって具現され得る。ソフトウェアモジュールはRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROM、または本発明が属する技術分野で広く知られている任意の形態のコンピュータ読み取り可能記録媒体に常駐してもよい。
【0064】
本発明の構成要素はハードウェアであるコンピュータと結合されて実行されるためにプログラム(またはアプリケーション)で具現されて媒体に保存され得る。本発明の構成要素はソフトウェアプログラミングまたはソフトウェア要素で実行され得、これと同様に、実施例はデータ構造、プロセス、ルーチンまたは他のプログラミング構成の組み合わせで具現される多様なアルゴリズムを含んで、C、C++、ジャバ(Java)、アセンブラ(assembler)などのようなプログラミングまたはスクリプト言語で具現され得る。機能的な側面は一つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムで具現され得る。以下、
図3~12を参照して、サーバー100により遂行される脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類プロセスについて説明することにする。
【0065】
図3は本発明のさらに他の実施例に係る脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法のフローチャートであり、
図4は多様な実施例において、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法により使用者を分類およびスコアリングする過程を図示した図面である。
図3および4を参照すると、S110段階で、サーバー100は複数の使用者に対する脳波データを収集する脳波収集動作を遂行できる。例えば、サーバー100は脳波測定装置(図示されず)を通じてリアルタイムで測定された複数の使用者に対する脳波データを収集することができる。しかし、これに限定されず、サーバー100は外部サーバー300から予め保存された複数の使用者それぞれに対する脳波データの提供を受けることができる。
【0066】
ここで、脳波データは使用者の頭(頭皮)の互いに異なる位置に付着される複数の脳波測定チャネル(例:総19個のチャネル(例:Fp1、Fp2、F3、F4、C3、C4、P3、P4、O1、O2、F7、F8、T3、T4、T5、T6、Fz、Cz、Pz))を含む脳波測定装置(図示されず)を通じて測定される複数の単位脳波データ(例:各チャネルを通じて測定される独立的な脳波信号)を意味し得る。
【0067】
多様な実施例において、サーバー100は複数の使用者それぞれに対して、複数の使用者が別途の動作を取っていない平常時の状態で測定される脳波データだけでなく、各種テスト(例:言語流暢性検査、ボストン呼称検査、簡易精神状態検査、単語リスト記憶検査、構成行動検査、単語リスト回想検査、単語リスト再認検査、構成回想検査、道作り検査A/Bなど)を遂行する過程で測定される脳波データを収集することができる。
多様な実施例において、サーバー100は複数の使用者に対して収集された複数の脳波データそれぞれを加工して複数の定量化された脳波データ(QEEG)を生成することができる。以下、
図5および6を参照して説明することにする。
【0068】
図5および6は多様な実施例において、定量化された脳波データを生成する方法を説明するための図面である。
図5および6を参照すると、S210段階で、サーバー100は第1使用者の頭の互いに異なる位置に付着される複数の脳波測定チャネルを通じて収集された複数の単位脳波データに対する周波数ドメインを算出することができる。
【0069】
多様な実施例において、サーバー100は複数の単位脳波データそれぞれに対して事前に決定された範囲の周波数に基づいた周波数変換を遂行して一つ以上のスペクトログラム(例:
図6(A))を生成することができる。
ここで、スペクトログラムは、音や波動を視角化して把握するためのものであり、波形(waveform)とスペクトル(spectrum)の特徴を組み合わせて示したイメージに関連したものであり得る。スペクトログラムは時間軸と周波数軸の変化により振幅の差を印刷濃度または表示色相の差で表したものであり得る。しかし、これに限定されない。
【0070】
また、ここで、事前に決定された範囲の周波数は、1~45Hzであり得るが、これに限定されない。
多様な実施例において、サーバー100は脳波データが測定された時間が予め設定された時間(例:4秒)未満である場合、オーバーラッピング(overlapping)を通じてスペクトログラムの大きさを正四角行列で合わせることができる。例えば、サーバー100は正四角行列で構成された各スペクトログラムを時間軸に基づいてrelative powerを計算(該当時間帯の相対的な強度を計算)し、各行列内の最も大きい値を基準として-1~1の間のスケーリングを遂行して一つ以上のスペクトログラムを生成することができる。しかし、これに限定されない。
【0071】
多様な実施例において、サーバー100は高速フーリエ変換(Fast-Fourier Transform)に基づいて周波数ドメインを算出するものの、時間と周波数による変化をより効率的に表現するためにsuperlet技法を利用して周波数ドメインを算出することができる。しかし、これに限定されず、多様な周波数ドメイン算出方法(例:ウェーブレット変換(wavelet transform))が適用され得る。
S220段階で、サーバー100はS210段階で算出された周波数ドメインに基づいて、複数の単位脳波データのうち脳波測定チャネルを通じて同一の時点で測定された複数の単位脳波データに対応する周波数ドメインを複数の脳波測定チャネルの位置により再配列することによって、複数の映像サブデータ(例:
図6(B))を生成することができる。
【0072】
例えば、サーバー100は同一の時点で測定されたと判断された複数の単位脳波データを使用者の頭皮表面の複数の領域(すなわち、19個の領域)それぞれの位置(例:使用者の頭皮表面に対応する位置)により再配列(例:総19個の脳波測定チャネルの位置を基盤に、複数の単位脳波データを左側および右側のそれぞれ11個(3個の共通チャネル(Fz、Cz、Pz)を含む)に分けて再配列)することで、映像サブデータを生成することができる。
【0073】
多様な実施例において、サーバー100は互いに異なる時点に対する複数の映像サブデータを生成することができる。
S230段階で、サーバー100は再配列された複数の単位脳波データを時系列に沿って蓄積することができる。例えば、サーバー100はS230段階を経て生成された互いに異なる時点に対する複数の映像サブデータを時系列に沿って蓄積でき(例:
図6(B))。ここで、複数の映像サブデータそれぞれは周波数領域に対する情報だけでなくチャネル別連結性に関連した情報をさらに含むことができる。
【0074】
S240段階でサーバー100は定量化された脳波データを生成することができる。
ここで、使われる周波数は1Hz~45Hzであり得、定量化された脳波データは
図6(B)に図示された通り、対称イメージ(symmetry image)形態で表現され得る。これは周波数の全体領域だけでなくチャネル別に位相(topologic)に対する情報が含まれているため、定量化された脳波データのみで一度にすべての情報(例:周波数(Frequency)、周波数別強度(Power)、信号が発生する位置(Location)、他の信号との関連性(Relation)、信号のパターン(規則性、複雑性)(Time-dynamics))を確認できるという利点がある。
【0075】
ここで、定量化された脳波データの形態は前述した対称形イメージに制限されず、トポロジーイメージ(topology image)、時間-周波数イメージ(time-frequency image)等の多様な形態のイメージが適用され得る。
【0076】
多様な実施例において、サーバー100は予め設定された性別および年齢別基準に基づいてS240段階で生成された定量化された脳波データを標準化(例:標準点数標準化)させることができる。しかし、これに限定されない。
【0077】
再び、
図3および4を参照すると、S120段階で、サーバー100は定量化された脳波データを分析して複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類する第1分類動作を遂行できる。
【0078】
多様な実施例において、サーバー100は第1分類モデルを利用して複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類することができる。
ここで、第1分類モデルは対称イメージ形態の定量化された脳波データをイメージ分析して対称イメージ値(Symmetry image value)を特徴値として抽出し、抽出された特徴値により重症認知障害患者である確率を算出および分類するモデル(例:ランダムフォレスト(Random forest(8:2) 5 fold C.V)モデル)であり、重症認知障害患者の有無がラベリングされた複数の定量化された脳波データを学習データにして予め学習されたモデルであり得る。
【0079】
ここで、第1分類モデルは一つ以上のネットワーク関数で構成され、一つ以上のネットワーク関数は一般的に「ノード」と指称され得る相互に連結された計算単位の集合で構成され得る。このような「ノード」は「ニューロン(neuron)」と指称されてもよい。一つ以上のネットワーク関数は少なくとも一つ以上のノードを含んで構成される。一つ以上のネットワーク関数を構成するノード(またはニューロン)は一つ以上の「リンク」により相互に連結され得る。
第1分類モデル内で、リンクを通じて連結された一つ以上のノードは相対的に入力ノードおよび出力ノードの関係を形成することができる。入力ノードおよび出力ノードの概念は相対的なものであり、一つのノードに対して出力ノード関係にある任意のノードは他のノードとの関係で入力ノード関係にあり得、その逆も成立し得る。前述した通り、入力ノード対出力ノード関係はリンクを中心に生成され得る。一つの入力ノードに一つ以上の出力ノードがリンクを通じて連結され得、その逆も成立し得る。
【0080】
一つのリンクを通じて連結された入力ノードおよび出力ノード関係で、出力ノードは入力ノードに入力されたデータに基づいてその値が決定され得る。ここで入力ノードと出力ノードを相互に連結するノードは加重値(weight)を有することができる。加重値は可変的であり得、第1分類モデルが所望の機能を遂行するために、使用者またはアルゴリズムによって可変され得る。例えば、一つの出力ノードに一つ以上の入力ノードがそれぞれのリンクによって相互に連結された場合、出力ノードは前記出力ノードと連結された入力ノードに入力された値およびそれぞれの入力ノードに対応するリンクに設定された加重値に基づいて出力ノード値を決定することができる。
【0081】
前述した通り、第1分類モデルは一つ以上のノードが一つ以上のリンクを通じて相互に連結されて第1分類モデル内で入力ノードおよび出力ノード関係を形成する。第1分類モデル内でノードとリンクの個数およびノードとリンクの間の相関関係、リンクそれぞれに付与された加重値の値により、第1分類モデルの特性が決定され得る。例えば、同じ個数のノードおよびリンクが存在し、リンク間の加重値が異なる二つの第1分類モデルが存在する場合、二つの第1分類モデルは互いに異なるものと認識され得る。
【0082】
第1分類モデルを構成するノードのうち一部は、最初の入力ノードからの距離に基づいて、一つのレイヤ(layer)を構成することができる。例えば、最初の入力ノードから距離がnであるノードの集合は、nレイヤを構成することができる。最初の入力ノードから距離は、最初の入力ノードから該当ノードまで到達するために経なければならないリンクの最小個数によって定義され得る。しかし、このようなレイヤの定義は説明のための任意的なものであり、第1分類モデル内でレイヤの次数は前述したものと異なる方法で定義され得る。例えば、ノードのレイヤは最終の出力ノードから距離によって定義されてもよい。
【0083】
最初の入力ノードは第1分類モデル内のノードのうち他のノードとの関係でリンクを経ずにデータが直接入力される一つ以上のノードを意味し得る。または第1分類モデルネットワーク内で、リンクを基準としたノード間の関係において、リンクに連結された他の入力ノードを有さないノードを意味し得る。これと同様に、最終の出力ノードは第1分類モデル内のノードのうち他のノードとの関係で、出力ノードを有さない一つ以上のノードを意味し得る。また、隠れノードは最初の入力ノードおよび最後の出力ノードではない第1分類モデルを構成するノードを意味し得る。本開示の一実施例に係る第1分類モデルは入力レイヤのノードが出力レイヤに近い隠れレイヤのノードより多くてもよく、入力レイヤから隠れレイヤに進行されるにつれてノードの数が減少する形態の第1分類モデルであり得る。
【0084】
第1分類モデルは一つ以上の隠れレイヤを含むことができる。隠れレイヤの隠れノードは以前のレイヤの出力と周辺の隠れノードの出力を入力にすることができる。各隠れレイヤ別隠れノードの数は同一であってもよく異なってもよい。入力レイヤのノードの数は入力データのデータフィールドの数に基づいて決定され得、隠れノードの数と同一であってもよく異なってもよい。入力レイヤに入力された入力データは隠れレイヤの隠れノードによって演算され得、出力レイヤである完全連結レイヤ(FCL:fully connected layer)により出力され得る。
【0085】
多様な実施例において、第1分類モデルはディープニューラルネットワーク(DNN:deep neural network、深層ニューラルネットワーク)であり得る。ディープニューラルネットワークは入力レイヤと出力レイヤの他に複数の隠れレイヤを含む第1分類モデルを意味し得る。ディープニューラルネットワークを利用すればデータの潜在的な構造(latent structures)を把握することができる。すなわち、写真、文章、ビデオ、音声、音楽の潜在的な構造(例えば、どのような物体が写真にあるか、文章の内容と感情が何であるか、音声の内容と感情が何であるかなど)を把握することができる。ディープニューラルネットワークは畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)、リカレントニューラルネットワーク(RNN:recurrent neural network)、オートエンコーダ(auto encoder)、GAN(Generative Adversarial Networks)、制限ボルツマンマシン(RBM:restricted boltzmann machine)、深層信念ネットワーク(DBN:deep belief network)、Qネットワーク、Uネットワーク、シャムネットワークなどを含むことができる。前述したディープニューラルネットワークの記載は例示に過ぎず、本開示はこれに制限されない。
【0086】
多様な実施例において、ネットワーク関数はオートエンコーダを含んでもよい。オートエンコーダは入力データと類似する出力データを出力するための人工ニューラルネットワークの一種であり得る。オートエンコーダは少なくとも一つの隠れレイヤを含むことができ、奇数個の隠れレイヤが入出力レイヤの間に配置され得る。それぞれのレイヤのノードの数は入力レイヤのノードの数からボトルネックレイヤ(エンコーディング)という中間レイヤに縮小されてから、ボトルネックレイヤから出力レイヤ(入力レイヤと対称)に縮小と対称となって拡張されてもよい。次元減少レイヤと次元復元レイヤのノードは対称であってもよくそうでなくてもよい。
【0087】
オートエンコーダは非線形次元減少を遂行できる。入力レイヤおよび出力レイヤの数は入力データの前処理以後に残ったセンサの数と対応し得る。オートエンコーダ構造でエンコーダに含まれた隠れレイヤのノードの数は入力レイヤから遠ざかるほど減少する構造を有することができる。ボトルネックレイヤ(エンコーダとデコーダの間に位置する最も少ないノードを有するレイヤ)のノードの数は過度に小さい場合、十分な量の情報が伝達されない場合があるため、特定数以上(例えば、入力レイヤの半分以上など)に維持されてもよい。
多様な実施例において、第1分類モデルは教師あり学習方法によって学習されたモデルであり得る。ここで、教師あり学習は通常的に特定データと特定データに関連した情報をラベリングして学習データを生成(例:
図7)し、これを利用して学習させる方法であって、因果関係を有する二つのデータをラベリングして学習データを生成し、生成された学習データを通じて学習する方法を意味する。
【0088】
より具体的には、サーバー100はラベリングされた学習データを利用して分類モデルを構成する一つ以上のネットワーク関数に対する学習を遂行できる。例えば、サーバー100は学習入力データそれぞれを一つ以上のネットワーク関数に入力させ、一つ以上のネットワーク関数で演算された出力データそれぞれと学習入力データそれぞれのラベルに該当する学習出力データそれぞれを比較して誤差を導き出すことができる。すなわち、分類モデルの学習で学習入力データは一つ以上のネットワーク関数の入力レイヤに入力され得、学習出力データは一つ以上のネットワーク関数の出力と比較され得る。
サーバー100は学習入力データに対する一つ以上のネットワーク関数の演算結果と学習出力データ(ラベル)の誤差に基づいて分類モデルを学習させることができる。
また、サーバー100は誤差に基づいて一つ以上のネットワーク関数の加重値を逆伝播方式で調整することができる。すなわち、サーバー100は学習入力データに対する一つ以上のネットワーク関数の演算結果と学習出力データの誤差に基づいて一つ以上のネットワーク関数の出力が学習出力データに近づくように加重値を調整することができる。
【0089】
サーバー100は一つ以上のネットワーク関数の学習が事前に決定されたエポック以上遂行行された場合、検証データを利用して学習中断の有無を決定することができる。事前に決定されたエポックは全体学習目標エポックの一部であり得る。
検証データはラベリングされた学習データのうち少なくとも一部で構成され得る。すなわち、サーバー100は学習データを通じて分類モデルの学習を遂行し、分類モデルの学習が事前に決定されたエポック以上繰り返された後、検証データを利用して分類モデルの学習効果が事前に決定された水準以上であるかどうかを判断することができる。例えば、サーバー100は100個の学習データを利用して目標反復学習回数が10回である学習を遂行する場合、事前に決定されたエポックである10回の反復学習を遂行した後、10個の検証データを利用して3回の反復学習を遂行し、3回の反復学習の間の分類モデル出力の変化が事前に決定された水準以下である場合、それ以上の学習が無意味なものと判断して学習を終了することができる。
すなわち、検証データは分類モデルの反復学習でエポック別学習の効果が一定以上であるか以下であるかに基づいて学習の完了を決定するのに利用され得る。前述した学習データ、検証データの数および反復回数は例示に過ぎず、本開示はこれに制限されない。
【0090】
サーバー100はテストデータを利用して一つ以上のネットワーク関数の性能をテストして一つ以上のネットワーク関数の活性化の有無を決定することによって、分類モデルを生成することができる。テストデータは分類モデルの性能を検証するために使われ得、学習データのうち少なくとも一部で構成され得る。例えば、学習データのうち70%は分類モデルの学習(すなわち、ラベルと類似する結果値を出力するように加重値を調整するための学習)のために活用され得、30%は分類モデルの性能を検証するためのテストデータとして活用され得る。サーバー100は学習が完了した分類モデルにテストデータを入力し誤差を測定して、事前に決定された性能以上であるかどうかにより分類モデルの活性化の有無を決定することができる。
サーバー100は学習が完了した分類モデルにテストデータを利用して学習完了した分類モデルの性能を検証し、学習完了した分類モデルの性能が事前に決定された基準以上の場合、該当分類モデルを他のアプリケーションで使うように活性化することができる。
【0091】
また、サーバー100は学習完了した分類モデルの性能が事前に決定された基準以下である場合、該当分類モデルを非活性化して廃棄することができる。例えば、サーバー100は正確度(accuracy)、精密度(precision)、再現率(recall)等の要素を基準として生成された分類モデルの性能を判断することができる。前述した性能評価基準は例示に過ぎず、本開示はこれに制限されない。本開示の一実施例によりサーバー100はそれぞれの分類モデルを独立的に学習させて複数の分類モデルを生成することができ、性能を評価して一定性能以上の分類モデルのみを使うことができる。
【0092】
多様な実施例において、サーバー100は第1分類モデルを利用して定量化された脳波データをイメージ分析することによって、複数の使用者それぞれに対する重症認知障害確率および非重症認知障害確率を算出することができ、算出された重症認知障害確率および非重症認知障害確率を利用して複数の使用者を重症認知障害グループまたは非重症認知障害グループに分類することができる。例えば、サーバー100は算出された重症認知障害確率および非重症認知障害確率を利用して重症認知障害確率が予め設定された第1確率以上であり、非重症認知障害確率が予め設定された第2確率未満の使用者を重症認知障害グループに分類し、重症認知障害グループに分類されなかった残りの使用者を非重症認知障害グループに分類することができる。
しかし、これに限定されず、サーバー100は前記の方法と反対に、非重症認知障害確率が予め設定された第1確率以上であり、重症認知障害確率が予め設定された第2確率未満の使用者を非重症認知障害グループに分類し、非重症認知障害グループに分類されなかった残りの使用者を重症認知障害グループに分類することができる。
【0093】
ただし、非重症認知障害グループに分類された使用者を重症認知障害の程度により多くのグループに細分化するために、重症認知障害確率が予め設定された第1確率以上である使用者すなわち、明確に重症認知障害であると判断される使用者のみを重症認知障害グループに分類し、残りの使用者を非重症認知障害グループに分類することが好ましい。
【0094】
多様な実施例において、サーバー100は予め設定された脳波データ除去条件(例:有力アルツハイマー病認知症の核心臨床基準)に基づいて、第1分類モデルの学習に使われる脳波データに対するフィルタリングを遂行できる。
例えば、サーバー100は複数の脳波データのうち年齢および性別で異常があるものと判断される脳波データおよび正常脳波データでTBR2標準点数が基準以上の脳波データを除去することができる。
【0095】
また、サーバー100は複数の脳波データのうち客観的な証拠が不充分な場合の脳波データおよび非典型的で疑問点がある脳波データを除去することができる。しかし、これに限定されない。例えば、サーバー100は使用者が認知的損傷の特徴の側面では有力アルツハイマー病認知症の核心臨床基準を満足するが認知障害が急な発明の様相を示したり漸進的減退の客観的(病歴や認知検査上)証拠が不充分な場合、このような使用者の脳波データを除去することができる。
また、サーバー100は有力アルツハイマー病認知症のすべての核心臨床基準を満足するが、認知障害の発明や弱化と時間的に連関した脳卒中の病歴がある使用者、多数の脳梗塞または大きさの大きい脳梗塞が存在する使用者、激しい白質高強度信号病変等で確認される相当な水準の脳血管疾患を有する使用者、認知症存在自体を除いたレビー小体型認知症の核心症状を含む使用者、活動性神経学的疾患や非神経学的同伴疾患または認知機能に深刻な影響を与え得る薬物を使った使用者の脳波データを学習データから除去することができる。しかし、これに限定されない。
【0096】
S130段階で、サーバー100は非重症認知障害グループに含まれた使用者を正常グループまたは記憶障害型軽度認知障害グループに分類する第2分類動作を遂行できる。
多様な実施例において、サーバー100は第2分類モデルを利用して、非重症認知障害グループに含まれた使用者のうち記憶障害(Memory impairment)がある使用者を記憶障害型軽度認知障害グループに分類し、記憶障害型軽度認知障害グループに分類されなかった使用者(例:記憶障害がない使用者)を正常グループに分類することができる。
ここで、第2分類モデルはランダムフォレスト、LGBM、勾配ブースティング(Gradient boosting)およびTBR関連特徴値を抽出するSVM、KNN、TREE、均衡化されたランダムフォレスト(balanced Random forest、BRF)モデルであり得るが、これに限定されない。
【0097】
多様な実施例において、サーバー100は第2分類モデルを利用して非重症認知障害グループに含まれた使用者のうち記憶障害に関連した疾患を有する使用者を優先的に選択および分類し、以後、記憶障害に関連した疾患を有していない正常の使用者を選択および分類する動作を遂行できる。
このために、第2分類モデルは互いに異なる2個以上の分類モデル(例:敏感度(Sensitivity)が特化された分類モデルと特異度(Specificity)が特化された分類モデル)を含むことができ、敏感度が特化された分類モデルと特異度が特化された分類モデルなどの組み合わせを利用して分類する動作を遂行できる。
【0098】
一実施例において、サーバー100は敏感度が特化された分類モデルおよび特異度が特化された分類モデルを順序に関係なく組み合わせて分類する動作を遂行できる。例えば、サーバー100は使用者の選択により敏感度が特化された分類モデルを通じて分類する動作を遂行した後に特異度が特化された分類モデルを通じて分類する動作を遂行できる。他の例として、サーバー100は使用者の選択により特異度が特化された分類モデルを通じて分類する動作を遂行した後に敏感度が特化された分類モデルを通じて分類する動作を遂行できる。
【0099】
他の一実施例において、第2分類モデルは少なくとも一つ以上の敏感度が特化された分類モデルと少なくとも一つ以上の特異度が特化された分類モデルを含むことができ、サーバー100は少なくとも一つ以上の敏感度が特化された分類モデルと少なくとも一つ以上の特異度が特化された分類モデルを利用して分類する動作を遂行できる。例えば、サーバー100は第1特異度が特化された分類モデルを利用して分類する動作を遂行し、第1敏感度が特化された分類モデルを利用して分類する動作を遂行し、第2特異度が特化された分類モデルを利用して分類する動作を遂行できる。また、サーバー100はその目的に合うように複数個の分類モデルの組み合わせを通じて分類する動作を遂行できる。
ここで、敏感度が特化された分類モデルは記憶障害に関連した疾患を有する使用者の脳波データを第1学習データとして学習されたモデルすなわち、記憶障害に関連した疾患を有する使用者に対して記憶障害に関連した疾患があることを判断するモデルであり、特異度が特化された分類モデルは記憶障害に関連した疾患を有していない使用者の脳波データを第2学習データとして学習されたモデルすなわち、記憶障害に関連した疾患を有していない使用者に対して記憶障害に関連した疾患がないということを判断するモデルであり得る。
【0100】
多様な実施例において、サーバー100は第1学習データを利用して敏感度が特化された分類モデルを学習させ、第2学習データを利用して特異度が特化された分類モデルを学習させるものの、第1学習データと第2学習データが不均衡な場合(例:第1学習データの数と第2学習データの数が予め設定された値以上の差を有する場合)、敏感度が特化された分類モデルを学習させるための第1学習データと特異度が特化された分類モデルを学習させるための第2学習データの比率が所定の比率以下となるように補正(例:Balanced Random forest)でき、これを通じて、2個の分類モデル間の学習データが不均衡となることを克服することができる。
【0101】
S140段階で、サーバー100は正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類する第3分類動作を遂行できる。
まず、サーバー100は使用者分類のための最適化された分類モデルを生成することができる。例えば、サーバー100は正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類するための第3分類モデルと記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類するための第4分類モデルを生成することができる。以下、
図8および9を参照して、サーバー100により遂行される最適化された分類モデル生成方法について説明することにする。
【0102】
図8は多様な実施例において、最適化された分類モデルを生成する方法のフローチャートであり、
図9は多様な実施例において、
図9の方法により最適化された分類モデルを生成する過程を図示した図面である。
図9および10を参照すると、S310段階で、サーバー100は互いに異なる特徴値組み合わせを含む複数の多次元モデルを生成することができる。例えば、サーバー100は10個の特徴値(例:
図10の「FT1」、「FT2」~「FT10」)のうち予め設定された個数である3個の特徴値を任意に繰り返し選択して互いに異なる複数の特徴値組み合わせを生成でき、生成された複数の特徴値組み合わせそれぞれを利用して複数の多次元モデル(三次元モデル)を生成することができる。この時、サーバー100は10個の特徴値に対して、互いに異なる組み合わせを有するすべての特徴値組み合わせ(例:
10C
3個の組み合わせ)に対する多次元モデルを生成することができる。
【0103】
ここで、多次元モデルを構成する特徴値は複数の使用者それぞれから収集された複数の脳波データを分析して導き出されるものであり得るが、これに限定されない。
S320段階で、サーバー100はS310段階を経て生成された複数の多次元モデルそれぞれに対する正確度を算出することができる。例えば、サーバー100は複数の多次元モデルを利用して複数の使用者を予め設定された条件により分類し、分類した結果と実際の結果を比較して分類の正確度を算出することができる。
【0104】
この時、サーバー100は正常グループの使用者を分類する第3分類モデルと記憶障害型軽度認知障害グループの使用者を分類する第4分類モデルを個別的に生成するために、互いに異なる条件による分類正確度を個別的に算出することができる。例えば、サーバー100は第3分類モデルを生成するために、複数の多次元モデルを利用して正常グループに含まれた使用者を正常範囲内グループまたは認知障害潜伏期グループに分類し、分類した結果と実際の結果を比較して、正常グループに対する分類正確度を算出することができる。また、サーバー100は第4分類モデルを生成するために、複数の多次元モデルを利用して記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループまたは認知症前軽度認知障害グループに分類し、分類した結果を再び実際の結果と比較して記憶障害型軽度認知障害グループに対する分類正確度を算出することができる。
【0105】
ここで、実際の結果は、複数の使用者を対象に遂行される各種テスト(例:言語流暢性検査、ボストン呼称検査、簡易精神状態検査、単語リスト記憶検査、構成行動検査、単語リスト回想検査、単語リスト再認検査、構成回想検査、道作り検査A/Bなど)により複数の使用者を直接分類した結果を意味し得る。
また、ここで、正確度は複数の多次元モデルを利用して分類した結果と実際の結果間の類似する程度を数値化して示したものであり得るが、これに限定されない。
【0106】
S330段階で、サーバー100はS320段階を経て算出された正確度が高い順序に沿って上位N個の多次元モデルを選択し、選択されたN個の多次元モデルそれぞれに含まれた特徴値それぞれに対する個数をカウンティングし、最も高いカウンティング値を有する特徴値から順次M個の特徴値を選択することができる。
例えば、
図10に図示された通り、サーバー100は複数の多次元モデルをS320段階を通じて算出された正確度が高い順に整列し、整列した複数の多次元モデルのうち上位5個の多次元モデルを選択することができる。以後、サーバー100は上位5個の多次元モデルに含まれた特徴値のうち上位M個の特徴値を選択することができる。
【0107】
この時、サーバー100は前記の複数の多次元モデルよりさらに正確度が高い分類モデルを生成するために、複数の多次元モデルに含まれた特徴値の数よりさらに多い特徴値が含まれるようにすることができる。例えば、複数の多次元モデルが3個の特徴値を含む三次元モデルである場合、最適化された分類モデルが4個以上の特徴値を含むように上位4個の特徴値を選択することができる。
【0108】
S340段階で、サーバー100はS330段階で選択されたM個の特徴値を含む最適化された分類モデルを生成することができる。
【0109】
再び、
図3および4を参照して、サーバー100は第3分類モデルを利用して正常グループに含まれた使用者のうち主観的認知減少(Subjective Cognitive Decline、SCD)がない使用者を正常範囲内グループに分類し、主観的認知減少がある使用者を認知障害潜伏期グループに分類することができる。
【0110】
また、サーバー100は第4分類モデルを利用して記憶障害型軽度認知障害グループに含まれた使用者のうちリトリーバル障害(Retrieval Failure)を有する使用者をアルツハイマーでない軽度認知障害グループに分類し、貯蔵障害(Encoding Failure)を有する使用者を認知症前軽度認知障害グループに分類することができる。
S150段階で、サーバー100はS120段階~S140段階を経て複数の使用者を分類した結果を利用して、正常範囲内グループ、認知障害潜伏期グループ、アルツハイマーでない軽度認知障害グループ、認知症前軽度認知障害グループおよび重症認知障害グループそれぞれに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度をスコアリングすることができる。
【0111】
ここで、重症認知障害の程度は各グループを分類する基準となる要素(Factor)に対する程度を意味し得る。例えば、正常グループに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度は主観的認知減少の程度を意味し得、記憶障害型軽度認知障害グループのうちアルツハイマーでない軽度障害グループに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度はリトリーバル障害の程度を意味し得、認知症前軽度認知障害グループに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度は貯蔵障害の程度を意味し得る。また、重症認知障害グループに含まれた使用者に対する重症認知障害の程度は実際の重症認知障害が進行された程度を意味し得る。しかし、これに限定されない。
【0112】
多様な実施例において、サーバー100はスコアリングモデルを利用して正常範囲内グループ、認知障害潜伏期グループ、アルツハイマーでない軽度認知障害グループ、認知症前軽度認知障害グループおよび重症認知障害グループそれぞれに属した使用者に対する点数をスコアリングすることができる。
ここで、スコアリングモデルはそれぞれのグループに属した使用者に対する情報(例:属したグループに対する情報および重症認知障害程度)を入力にして該当使用者の認知症確率を点数で算出するモデルであり得る。例えば、スコアリングモデルは認知障害潜伏期グループ、アルツハイマーでない軽度認知障害グループ、認知症前軽度認知障害グループおよび重症認知障害グループそれぞれに属した使用者に対する点数をスコアリングするためのスコアリング関数を生成でき、生成されたスコアリング関数に前記の入力値を入力して、使用者に対する点数を算出することができる。
ここで、スコアリング関数は
図10に図示された通り、各グループ毎に互いに異なる傾きを有する1次関数の形態で具現され得るが、これに限定されない。
【0113】
多様な実施例において、サーバー100は
図10に図示されたスコアリング関数に基づいて、重症認知障害の程度により正常範囲内グループに含まれた使用者に対して0~50範囲内の点数を付与し、認知障害潜伏期グループに含まれた使用者に対して50~60範囲内の点数を付与することができる。
また、サーバー100は
図10に図示されたスコアリング関数に基づいて、重症認知障害の程度によりアルツハイマーでない軽度認知障害グループに含まれた使用者に対して60~70範囲内の点数を付与し、認知症前軽度認知障害グループに含まれた使用者に対して70~85範囲内の点数を付与し、重症認知障害グループに含まれた使用者に対して85~100範囲内の点数を付与することができる。
【0114】
多様な実施例において、サーバー100は第1使用者から脳波データを含む認知症の診断要請の入力を受ける場合、認知症の診断要請に対する応答として第1使用者の脳波データを利用して、第1使用者に対する定量化された脳波データを生成する動作、定量化された脳波データを分析して第1使用者をいずれか一つのグループに分類する動作および分類されたグループおよび重症認知障害の程度によりスコアリングする動作を遂行でき、各動作を遂行することにより導き出される結果を組み合わせて結果リポート(例:
図11および12)を提供することができる。
【0115】
これを通じて、使用者の脳波データを収集して入力する簡単な動作だけで使用者が重症認知障害患者なのかどうかを判断できるだけでなく、重症認知障害患者ではなくても重症認知障害に発展する可能性がどの程度となるかを数値化して提供することによって、使用者が重症認知障害に関連して本人の状態をより明確に把握し、これに伴う措置を取ることができるようにするという利点がある。
【0116】
前述した脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法は、図面に図示されたフローチャートを参照して説明した。簡単な説明のために、脳波データ分析を通じての重症認知障害患者分類方法は一連のブロックで図示して説明したが、本発明は前記ブロックの順序に限定されず、いくつかのブロックは本明細書に図示され叙述されたものと異なる順序で遂行されるかまたは同時に遂行され得る。また、本明細書および図面に記載されていない新しいブロックが追加されたり、一部のブロックが削除または変更された状態で遂行され得る。
【0117】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野の通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施され得るということが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、制限的ではないものと理解されるべきである。