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特許7586454測定データ通信システム、測定装置、中継器、及び、サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】測定データ通信システム、測定装置、中継器、及び、サーバ
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/10 20220101AFI20241112BHJP
【FI】
H04L67/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019215661
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2021086446
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000106690
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 匡生
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-064121(JP,A)
【文献】特開2006-319381(JP,A)
【文献】国際公開第2008/041078(WO,A2)
【文献】特開平03-057397(JP,A)
【文献】特開2014-154114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定情報を収集する測定部と、第1の記憶領域と、を含む測定装置と、
第2の記憶領域を含む中継器と、
データベースを含むサーバと、
を備え、
前記測定装置は、
前記中継器との通信を実行可能である間に、前記測定部が前記測定情報を収集する場合に、当該通信を実行可能な間に前記測定部によって収集されたK個(Kは1以上の整数)の前記測定情報に対応するK個の測定データを第1の周期で前記中継器に順次送信し、
前記中継器との通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集されたL個(Lは1以上の整数)の前記測定情報に対応するL個の測定データを前記第1の記憶領域に記憶し、
前記L個の測定データが前記第1の記憶領域に記憶された後に、前記中継器との通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第1の記憶領域内の前記L個の測定データを前記第1の周期より短い第2の周期で前記中継器に順次送信し、
前記中継器は、
前記サーバとの通信を実行可能である間に、前記測定装置から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバに送信し、
前記サーバとの通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置から受信した前記測定データを前記第2の記憶領域に記憶し、
前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記サーバとの通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記中継器から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記データベースに記憶する、
測定データ通信システム。
【請求項2】
前記中継器は、前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記サーバとの通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データと、当該測定データが前記通信を実行不可能な間に受信されたデータであることに関係する第1のフラグと、を対応付けて前記サーバに送信する、請求項1に記載の測定データ通信システム。
【請求項3】
前記測定装置は、前記測定データが前記第1の記憶領域に記憶された後に、前記中継器との通信を実行可能に戻る場合に、前記第1の記憶領域内の前記測定データと、当該測定データが前記通信を実行不可能な間に収集された前記測定情報を示すデータであることに関係する第2のフラグと、を対応付けて前記中継器に送信し、
前記中継器は、前記測定装置から前記第1の記憶領域内の前記測定データと前記第2のフラグとを受信する場合に、前記第1の記憶領域内の前記測定データと前記第2のフラグとを対応付けて前記サーバに送信する、請求項1又は2に記載の測定データ通信システム。
【請求項4】
測定情報を収集する測定部と、
第1の記憶領域と、
中継器と通信するための通信インターフェースと、
前記通信インターフェースと前記中継器との間の通信を実行可能である間に、前記測定部が前記測定情報を収集する場合に、当該通信を実行可能な間に前記測定部によって収集されたK個(Kは1以上の整数)の前記測定情報に対応するK個の測定データを第1の周期で前記中継器に順次送信する第1の送信部であって、前記中継器は、前記中継器とサーバとの間の通信を実行可能である間に、前記通信インターフェースから前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記中継器から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバのデータベースに記憶するように構成されている、前記第1の送信部と、
前記通信インターフェースと前記中継器との通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集されたL個(Lは1以上の整数)の前記測定情報に対応するL個の測定データを前記第1の記憶領域に記憶する記憶制御部と、
前記L個の測定データが前記第1の記憶領域に記憶された後に、前記中継器との通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第1の記憶領域内の前記L個の測定データを前記第1の周期より短い第2の周期で前記中継器に順次送信する第2の送信部と、
前記中継器と前記サーバとの間の通信を実行不可能である場合でも、当該通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集された前記測定情報を示す前記測定データを前記中継器に送信する第3の送信部であって、当該通信を実行不可能な間に前記通信インターフェースから前記中継器に送信された前記測定データは、前記中継器の第2の記憶領域に記憶され、前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記サーバとの通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データは前記中継器から前記サーバに送信される、前記第3の送信部と、
を備える、測定装置。
【請求項5】
第2の記憶領域と、
測定情報を収集する測定装置と通信するための第1の通信インターフェースと、
データベースを含むサーバと通信するための第2の通信インターフェースと、
前記第1の通信インターフェースと前記測定装置との間の通信を実行可能である間に、前記測定装置が前記測定情報を収集する場合に、前記測定装置から、当該通信を実行可能な間に前記測定装置によって収集されたK個(Kは1以上の整数)の前記測定情報に対応するK個の測定データを第1の周期で順次に受信する第1の受信部と、
前記第2の通信インターフェースと前記サーバとの間の通信を実行可能である間に、前記測定装置から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバに送信する第1の送信部であって、前記サーバは、前記第2の通信インターフェースから前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記データベースに記憶するように構成されている、前記第1の送信部と、
前記第2の通信インターフェースと前記サーバとの間の通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置から受信した前記測定データを前記第2の記憶領域に記憶する記憶制御部と、
前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記第2の通信インターフェースと前記サーバとの間の通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データを前記サーバに送信する第2の送信部と、
前記第1の通信インターフェースと前記測定装置との間の通信を実行不可能である状況において、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置によって収集されたL個(Lは1以上の整数)の前記測定情報に対応するL個の測定データが前記測定装置の第1の記憶領域に記憶された後に、前記第1の通信インターフェースと前記測定装置との通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記測定装置から前記第1の記憶領域内の前記L個の測定データを前記第1の周期より短い第2の周期で順次に受信して、前記第1の記憶領域内の前記L個の測定データを前記サーバに送信する第3の送信部と、
を備える、中継器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、測定データ通信システム及び当該測定データ通信システムに含まれる各装置(測定装置、中継器、及び、サーバ)に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、管理対象の機器の状況を把握するためのセンサを内蔵する状況把握装置と、状況把握装置から情報を取得する中継装置と、中継装置から情報を取得して記憶するデータベースと、を備える管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-6937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、装置間(例えば状況把握装置と中継装置との間)の通信が実行できない状況については何ら考慮されていない。装置間の通信が実行できない状況では、状況把握装置のセンサによって収集された情報をデータベースまで送信することができず、当該情報をデータベースに記憶することができない。即ち装置間の通信を実行不可能な間に収集された情報(即ちデータ)が逸失する事態が起こり得る。
【0005】
本明細書では、装置間の通信を実行不可能な場合の問題に対処するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する測定データ通信システムは、測定情報を収集する測定部と、第1の記憶領域と、を含む測定装置と、第2の記憶領域を含む中継器と、データベースを含むサーバと、を備える。前記測定装置は、前記中継器との通信を実行可能である間に、前記測定部が前記測定情報を収集する場合に、前記測定情報を示す測定データを前記中継器に送信し、前記中継器との通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集された前記測定情報を示す前記測定データを前記第1の記憶領域に記憶し、前記測定データが前記第1の記憶領域に記憶された後に、前記中継器との通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第1の記憶領域内の前記測定データを前記中継器に送信する。前記中継器は、前記サーバとの通信を実行可能である間に、前記測定装置から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバに送信し、前記サーバとの通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置から受信した前記測定データを前記第2の記憶領域に記憶し、前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記サーバとの通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データを前記サーバに送信する。前記サーバは、前記中継器から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記データベースに記憶する。
【0007】
ここで、「測定情報」は、例えば、温度、湿度、ph値、等の様々な情報であり、その種類は何ら限定されるものではない。「第1の記憶領域(及び第2の記憶領域)」は、例えば、不揮発性又は揮発性のメモリ内の所定の領域である。また、「サーバ」は、1個の装置として構成されていても、複数の装置の組合せであってもよい。また、中継器との通信、及び、サーバとの通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。
【0008】
上記の構成によると、中継器は、サーバとの通信を実行不可能な場合に、測定装置から受信した測定データを自機の第2の記憶領域に記憶しておき、その後、当該通信を実行可能な状態に戻る場合に、第2の記憶領域内の測定データをサーバに送信する。また、測定装置は、中継器との通信を実行不可能な場合に、測定部によって収集された測定情報を示す測定データを自機の第1の記憶領域に記憶しておき、その後、当該通信を実行可能な状態に戻る場合に、第1の記憶領域内の測定データを中継器に送信する。これにより、中継器は、第1の記憶領域内の測定データをサーバに送信する。即ち、中継器とサーバとの間の通信及び測定装置と中継器との間の通信のいずれかを実行不可能な場合でも、通信を実行不可能な間に測定部によって収集された測定情報を示す測定データを逸失させることなくサーバに送信することができる。以上より、装置間の通信を実行不可能な場合の問題に対処することができる。
【0009】
前記測定装置は、前記中継器との通信を実行可能な場合に、当該通信を実行可能な間に前記測定部によって収集されたK個(Kは1以上の整数)の前記測定情報に対応するK個の前記測定データを第1の周期で前記中継器に順次送信し、前記中継器との通信を実行不可能な場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集されたL個(Lは1以上の整数)の前記測定情報に対応するL個の前記測定データを前記第1の記憶領域に記憶し、前記L個の測定データが前記第1の記憶領域に記憶された後に、前記中継器との通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記L個の測定データを前記第1の周期より短い第2の周期で前記中継器に順次送信してもよい。
【0010】
この構成によると、測定装置は、中継器との通信を実行可能な状態に戻る場合に、中継器との通信を実行不可能な間に測定部によって収集されたL個の測定情報に対応するL個の測定データを短い周期で中継器に順次送信する。これにより、中継器は、L個の測定データを迅速に受信することができる。この結果、中継器は、L個の測定データをサーバに迅速に送信することができ、データベース内のデータが一部不足している状態から迅速に復旧することができる。
【0011】
前記中継器は、前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記サーバとの通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データと、当該測定データが前記通信を実行不可能な間に受信されたデータであることに関係する第1のフラグと、を対応付けて前記サーバに送信してもよい。
【0012】
この構成によると、サーバは、第1のフラグを利用して、中継器から送信された測定データが、サーバとの通信を実行可能な状態な間に中継器によって受信された測定データであることを知ることができる。
【0013】
前記測定装置は、前記測定データが前記第1の記憶領域に記憶された後に、前記中継器との通信を実行可能に戻る場合に、前記第1の記憶領域内の前記測定データと、当該測定データが前記通信を実行不可能な間に収集された前記測定情報を示すデータであることに関係する第2のフラグと、を対応付けて前記中継器に送信し、前記中継器は、前記測定装置から前記第1の記憶領域内の前記測定データと前記第2のフラグとを受信する場合に、前記第1の記憶領域内の前記測定データと前記第2のフラグとを対応付けて前記サーバに送信してもよい。
【0014】
この構成によると、サーバは、第2のフラグを利用して、中継器から送信された測定データが、中継器との通信を実行可能な状態な間に測定部によって収集された測定情報を示す測定データであることを知ることができる。
【0015】
本明細書で開示する測定装置は、測定情報を収集する測定部と、第1の記憶領域と、
中継器と通信するための通信インターフェースと、前記通信インターフェースと前記中継器との間の通信を実行可能である間に、前記測定部が前記測定情報を収集する場合に、前記測定情報を示す測定データを前記中継器に送信する第1の送信部であって、前記中継器は、前記中継器とサーバとの間の通信を実行可能である間に、前記通信インターフェースから前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記中継器から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバのデータベースに記憶するように構成されている、前記第1の送信部と、前記通信インターフェースと前記中継器との通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集された前記測定情報を示す前記測定データを前記第1の記憶領域に記憶する記憶制御部と、前記測定データが前記第1の記憶領域に記憶された後に、前記中継器との通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第1の記憶領域内の前記測定データを前記中継器に送信する第2の送信部と、前記中継器と前記サーバとの間の通信を実行不可能である場合でも、当該通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集された前記測定情報を示す前記測定データを前記中継器に送信する第3の送信部であって、当該通信を実行不可能な間に前記通信インターフェースから前記中継器に送信された前記測定データは、前記中継器の第2の記憶領域に記憶され、前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記サーバとの通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データは前記中継器から前記サーバに送信される、前記第3の送信部と、を備える。
【0016】
この構成によると、測定装置は、中継器との通信を実行不可能な場合に、測定データを自機の第1の記憶領域に記憶しておくことができる。また、測定装置は、中継器とサーバとの間の通信を実行不可能である場合でも、測定データを中継器に送信する。これにより、中継器は、測定データを自機の第2の記憶領域に記憶することができる。この結果、中継器とサーバとの間の通信及び測定装置と中継器との間の通信のいずれかを実行不可能な場合でも、通信を実行不可能な間に測定部によって収集された測定情報を示す測定データを逸失させることなくサーバに送信することができる。装置間の通信を実行不可能な場合の問題に対処することができる。
【0017】
本明細書で開示する中継器は、第2の記憶領域と、測定情報を収集する測定装置と通信するための第1の通信インターフェースと、データベースを含むサーバと通信するための第2の通信インターフェースと、前記第1の通信インターフェースと前記測定装置との間の通信を実行可能である間に、前記測定装置が前記測定情報を収集する場合に、前記測定装置から前記測定情報を示す測定データを受信する第1の受信部と、前記第2の通信インターフェースと前記サーバとの間の通信を実行可能である間に、前記測定装置から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバに送信する第1の送信部であって、前記サーバは、前記第2の通信インターフェースから前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記データベースに記憶するように構成されている、前記第1の送信部と、前記第2の通信インターフェースと前記サーバとの間の通信を実行不可能である場合に、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置から受信した前記測定データを前記第2の記憶領域に記憶する記憶制御部と、前記測定データが前記第2の記憶領域に記憶された後に、前記第2の通信インターフェースと前記サーバとの間の通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記第2の記憶領域内の前記測定データを前記サーバに送信する第2の送信部と、前記第1の通信インターフェースと前記測定装置との間の通信を実行不可能である状況において、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置によって収集された前記測定情報を示す前記測定データが前記測定装置の第1の記憶領域に記憶された後に、前記第1の通信インターフェースと前記測定装置との通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記測定装置から前記第1の記憶領域内の前記測定データを受信して、前記第1の記憶領域内の前記測定データを前記サーバに送信する第3の送信部と、を備える。
【0018】
この構成によると、中継器は、サーバとの通信を実行不可能な場合に、測定装置から受信した測定データを自機の第2の記憶領域に記憶する。そして、測定データが第2の記憶領域に記憶された後に、サーバとの通信を実行可能に戻る場合に、第2の記憶領域内の測定データをサーバに送信する。また、中継器は、測定装置との通信を実行不可能である状況において、当該通信を実行不可能な間における測定データが測定装置の第1の記憶領域に記憶された後に、測定装置との通信を実行可能に戻る場合に、測定装置から第1の記憶領域内の測定データを受信して、第1の記憶領域内の測定データをサーバに送信する。この結果、中継器とサーバとの間の通信及び測定装置と中継器との間の通信のいずれかを実行不可能な場合でも、通信を実行不可能な間に測定部によって収集された測定情報を示す測定データを逸失させることなくサーバに送信することができる。装置間の通信を実行不可能な場合の問題に対処することができる。
【0019】
本明細書で開示するサーバは、測定装置によって収集された測定情報を示す測定データを記憶するデータベースと、前記測定装置と通信可能な中継器から前記測定データを受信するための通信インターフェースと、前記測定装置と前記中継器との間の通信を実行可能であり、かつ、前記通信インターフェースと前記中継器との間の通信を実行可能である状況において、前記中継器から、当該通信を実行可能な間に前記測定装置によって収集された前記測定情報を示す前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記データベースに記憶する第1の記憶制御部と、前記測定装置と前記中継器との間の通信を実行不可能である状況において、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置によって収集された前記測定情報を示す前記測定データが、前記測定装置の第1の記憶領域に記憶された後に、前記測定装置と前記中継器との間の通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記中継器から、前記第1の記憶領域内の前記測定データを受信するときに、前記第1の記憶領域内の前記測定データを前記データベースに記憶する第2の記憶制御部と、前記通信インターフェースと前記中継器との間の通信を実行可能である状況において、当該通信を実行不可能な間に前記測定装置から受信した前記測定データが、前記中継器の第2の記憶領域に記憶された後に、前記通信インターフェースと前記中継器との間の通信を実行可能な状態に戻る場合に、前記中継器から、前記第2の記憶領域内の前記測定データを受信するときに、前記第2の記憶領域内の前記測定データを前記データベースに記憶する第3の記憶制御部と、を備える。
【0020】
この構成によると、サーバは、測定装置と中継器との間の通信を実行不可能である間に測定装置によって収集された測定情報を示す測定データと、中継器とサーバとの間の通信を実行不可能な間に測定装置によって収集された測定情報を示す測定データと、を逸失させることなくデータベースに記憶することができる。装置間の通信を実行不可能な場合の問題に対処することができる。
【0021】
また、本明細書で開示する他の測定データ通信システムは、第1の中継器と、前記第1の中継器とは異なる第2の中継器と、データベースを含むサーバと、を備える。前記測定装置は、前記第1の中継器との通信を実行可能である間に、前記測定部が前記測定情報を収集する場合に、前記測定情報を示す測定データを前記第1の中継器に送信し、前記第1の中継器は、前記測定装置から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記第1の中継器から前記測定データを受信する場合に、前記測定データを前記データベースに記憶し、前記測定装置は、前記第1の中継器との通信を実行不可能であり、前記第2の中継器との通信を実行可能である場合に、前記第1の中継器との通信を実行不可能な間に前記測定部によって収集された前記測定情報を示す前記測定データを前記第2の中継器に送信する。
【0022】
この構成によると、測定装置は、第1の中継器との通信を実行不可能な場合に、その間に測定部によって収集された測定情報を示す測定データを逸失させることなく第1の中継器とは異なる第2の中継器に送信する。これにより、例えば、第2の中継器は、測定データをサーバに送信することができる。以上より、装置間の通信を実行不可能な場合の問題に対処することができる。
【0023】
上記の測定データ通信システムを実現するための方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、測定データ通信システム内の各装置(測定装置、中継器、サーバ)を実現するための方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】測定データ通信システムの構成を示す。
図2】測定装置のブロック図を示す。
図3】中継器のブロック図を示す。
図4】サーバのブロック図を示す。
図5】第1実施例において通信を実行可能なケースを示す。
図6】第1実施例において中継器との通信を実行不可能なケースA1を示す。
図7】第1実施例においてサーバとの通信を実行不可能なケースA2を示す。
図8】第2実施例に係る測定データ通信システムの構成を示す。
図9】第2実施例において中継器との通信を実行不可能なケースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施例)
(測定データ通信システム2の構成;図1
図1に示す測定データ通信システム2は、対象の機器又は施設の状況を示す測定情報を収集し、収集された測定情報を示す測定データをインターネット上のサーバ500に送信するためのシステムである。システム利用者は、サーバ500にアクセスすることによって、対象の機器又は施設の状況を知ることができる。測定データは、測定装置10を示すIDと、測定情報を示す測定値と、測定情報を収集した日時を示す測定日時と、を含む。測定データ通信システム2は、測定装置10と、中継器100と、サーバ500と、を備える。測定装置10と中継器100とは相互に無線通信を実行可能である。また、中継器100とサーバ500とは相互に無線通信を実行可能である。即ち、測定装置10とサーバ500とは、中継器100を経由して相互に無線通信を実行可能である。
【0026】
(測定装置10の構成;図1図2
図1に示す測定装置10は、対象の機器又は施設(以下これらを「対象機器等」と呼ぶ)の近傍に設けられる装置である。測定装置10は、対象機器等の状況(具体的には、例えば温湿度、照度、加速度、ドアの開閉等)を示す測定情報を収集するとともに、収集した測定情報を中継器100へ送信する。図2に示すように、測定装置10は、第1種の無線通信インターフェース12aと、バッテリ14と、温湿度センサ20と、加速度センサ22と、照度センサ24と、磁気センサ26と、制御部30と、メモリ32と、を備える。以下ではインターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0027】
第1種の無線通信I/F12aは、中継器100と第1種の無線通信を実行するためのI/Fである。ここで、第1種の無線通信は、例えばSub-GHz無線通信(920MHz帯を使用した無線通信)である。なお、変形例では、第1種の無線通信は、例えば、他の周波数帯を利用する無線通信、Bluetooth(登録商標)通信、LTE通信であってもよい。また、他の変形例では、測定装置10は、第1種の無線通信I/F12bに代えて、中継器100との間で有線通信を実行可能なI/Fを備えていてもよい。
【0028】
バッテリ14は、測定装置10の各部に電力を供給する。バッテリ14は、例えば、乾電池である。
【0029】
各センサ20~26は、測定情報を収集する(測定する)測定部である。具体的には、温湿度センサ20は、対象機器等の周辺の温度及び湿度を測定するためのセンサである。加速度センサ22は、対象機器等の加速度を測定するためのセンサである。加速度センサ22によって測定された加速度は、対象機器等の姿勢や動作の検出に利用することができる。照度センサ24は、対象機器等の周辺の照度を測定するためのセンサである。磁気センサ26は、いわゆるAMR(Anisotropic Magnet Resistive)センサである。磁気センサ26によって測定された磁気の値は、例えば対象機器等の近傍の扉の開閉検知等のために利用することができる。
【0030】
制御部30は、メモリ32に記憶されているプログラム34に従って様々な処理を実行する。また、メモリ32は、プログラム34の他に、測定データ記憶領域36を有する。測定データ記憶領域36は、測定装置10内の各センサ20~26によって収集された測定情報を示す測定データを記憶可能な領域である。
【0031】
(中継器100の構成;図1図3
中継器100は、測定装置10とサーバ500との間のデータの送受信を中継する機器である。中継器100は、測定データ通信システム2の管理者によって、対象機器等の近傍(例えば同じ建物内)に設置される。中継器100は、測定装置10との間で第1種の無線通信を実行可能であるとともに、サーバ500との間で第2種の無線通信を実行可能である。
【0032】
図3に示すように、中継器100は、第1種の無線通信I/F112aと、第2種の無線通信I/F112bと、商用電源部114と、制御部130と、メモリ132と、を備える。第1種の無線通信I/F112aは、測定装置10の第1種の無線通信I/F12aと同様である。
【0033】
第2種の無線通信I/F112bは、中継器100と第2種の無線通信を実行するためのI/Fである。ここで、第2種の無線通信は、例えばLTE通信である。なお、変形例では、第2種の無線通信は、インターネットにアクセス可能な通信方式であればよく、例えば、3G通信、無線LAN通信(例えばWi-Fi通信)等であってもよい。また、他の変形例では、中継器100は、第2種の無線通信I/F112bに代えて、サーバ500との間で有線通信を実行可能なI/Fを備えていてもよい。
【0034】
ここで、第1種の無線通信と第2種の無線通信の違いについて説明する。第1種の無線通信(例えば、Sub-GHz無線通信)のビットレートは、例えば、100~200kbpsである。一方、第2種の無線通信(例えば、LTE通信)のビットレートは、例えば、10~20Mbpsである。即ち、第2種の無線通信のビットレートは、第1種の無線通信のビットレートよりも高速である。
【0035】
商用電源部114は、中継器100の各部に電力を供給する。商用電源部114は、例えば、商用電源(図示省略)に接続され、商用電源から供給される電力を中継器100の各部に供給可能な電圧に変換する電圧コンバータである。
【0036】
制御部130は、メモリ132に記憶されているプログラム134に従って様々な処理を実行する。また、メモリ132は、プログラム134の他に、測定データ記憶領域136を有する。測定データ記憶領域136は、測定装置10から受信された測定データを記憶可能な領域である。
【0037】
ここで、測定装置10のメモリ32の記憶容量と中継器100のメモリ132の記憶容量の違いについて説明する。メモリ32の記憶容量は、メモリ132の記憶容量よりも小さい。これに伴い、測定データ記憶領域36の記憶容量も、測定データ記憶領域136の記憶容量よりも小さい。これは、測定装置10は、中継器100と比較して、サイズ、消費電力等の様々な制約を有し、記憶容量の大きいメモリを備えることができないからである。
【0038】
(サーバ500の構成;図1図4
サーバ500は、データベース510を備える。データベース510には、中継器100から受信された測定データが蓄積される(記憶される)。
【0039】
図4に示すように、サーバ500は、第2種の無線通信I/F512bと、商用電源部514と、制御部530と、メモリ532と、を備える。第2種の無線通信I/F512bは、中継器100の第2種の無線通信I/F112bと同様である。商用電源部514は、中継器100の商用電源部114と同様である。
【0040】
制御部530は、メモリ532に記憶されているプログラム534に従って様々な処理を実行する。また、データベース510は、メモリ532に含まれる。
【0041】
(具体的なケース;図5図7
図5図7を参照して、具体的なケースについて説明する。図5は、測定データ通信システム2において、装置間の通信が実行できるケースを示す。なお、以下では、各装置の各制御部(例えば測定装置10の制御部30等)が実行する処理のことを、各装置(例えば測定装置10等)の動作として説明する。また、以下では、測定装置10は、第1種の無線通信I/F12aを介して、中継器100との通信を実行する。また、中継器100は、第1種の無線通信I/F112aを介して、測定装置10との通信を実行し、第2種の無線通信I/F112bを介して、サーバ500との通信を実行する。また、サーバ500は、第2種の無線通信I/F512bを介して、中継器100との通信を実行する。以下では、特に言及しない限り、「第1種の無線通信I/F12a(又は112a)を介して」及び「第2種の無線通信I/F112b(又は512b)を介して」という説明を省略する。
【0042】
測定装置10は、測定情報を所定の第1の収集周期(例えば30分)で繰り返し収集する。第1の収集周期は、ユーザによって測定装置10に設定される。例えば、ユーザは、第1の収集周期として数十秒~数時間の中の特定の値を任意に選択する。測定装置10は、第1の収集周期における所定のタイミングでセンサ(例えば温湿度センサ20)が測定情報を収集する場合に、S10において、当該センサから測定情報を取得し、S12Aにおいて、当該測定情報を示す測定データD1を中継器100に送信する。
【0043】
中継器100は、S12Aにおいて、測定装置10から測定データD1を受信すると、S12Bにおいて、測定データD1をサーバ500に送信する。なお、図示は省略しているが、中継器100は、測定装置10から測定データを受信すると、測定データの受信が完了したことを示す応答を測定装置10に送信する。
【0044】
サーバ500は、S12Bにおいて、中継器100から測定データD1を受信すると、S14において、測定データD1をデータベース510に記憶する。なお、図示は省略しているが、サーバ500は、中継器100から測定データを受信すると、測定データの受信が完了したことを示す応答を中継器100に送信する。
【0045】
続いて、測定装置10は、S20において、S10の収集から第1の収集周期が到来するタイミングで再び測定情報を収集し、S22Aにおいて、当該測定情報を示す測定データD2を中継器100に送信する。S22B、S24は、測定データD2が利用される点を除いて、S12B、S14と同様である。
【0046】
例えば、100個の測定情報が第1の収集周期で収集されると、S10~S104に示すように、100個の測定データD1~D100がデータベース510に記憶される。
【0047】
図5に示すように、測定装置10は、測定情報を収集すると、当該測定情報を示す測定データを直ぐに中継器100に送信するように構成されている。即ち、測定装置10は、
中継器100との通信を実行可能な場合に、当該通信を実行可能な間における100個の測定データD1~D100を第1の収集周期で中継器100に順次送信する。
【0048】
(ケースA1;図6
図6のケースA1は、図5のケースの続きである。例えば、何らかの原因により、装置間の通信が実行できない場合がある。当該原因は、例えば、停電等により装置(例えば中継器100)に電力が供給されないことである。本ケースは、測定装置10と中継器100の間の通信が実行できないケースを示す。
【0049】
S110では、測定装置10は、図5のS100の収集から第1の収集周期が到来するタイミングで再び測定情報を収集すると、当該測定情報を示す測定データD101を中継器100に送信することを試みる。しかし、この際、停電等により中継器100に電力が供給されず、中継器100の電源がOFFである。このため、測定装置10は、中継器100から測定データD101に対する応答を受信しない。測定装置10は、中継器100から応答が受信されない、即ち、中継器100との通信を実行不可能であると判断し、S112において、連番(例えば「1」)を付して測定データD101を測定データ記憶領域36に記憶する。なお、変形例では、上記の連番は付されなくてもよい。また、他の変形例では、連番に代えて、中継器100との通信を実行不可能であると判断した日時を付して測定データD101を測定データ記憶領域36に記憶してもよい。
【0050】
測定装置10は、中継器100との通信を実行不可能であると判断すると、測定情報を第1の収集周期に代えて第2の収集周期で繰り返し収集することを開始する。第2の収集周期は、第1の収集周期より長い時間(例えば1時間)に設定される。第2の収集周期は、測定装置10に予め設定されている固定値である。なお、変形例では、第2の収集周期は、ユーザにより選択された第1の収集周期に基づいて、制御部30によって自動的に決定されてもよい。また、他の変形例では、第2の収集周期は、ユーザによって選択されてもよい。
【0051】
例えば、中継器100との通信を実行不可能である場合でも、測定情報を第1の収集周期(例えば、30分)で繰り返し収集する比較例が想定される。上記したように、測定装置10のメモリ32(即ち測定データ記憶領域36)の記憶容量は小さい。このため、測定情報を短い第1の収集周期で繰り返し収集すると、中継器100との通信を実行可能な状態に戻る前に、測定データ記憶領域36に測定データを記憶することができず、測定データが逸失される可能性がある。これに対して、上記の構成では、測定情報が長い第2の収集周期で繰り返し収集されるので、中継器100との通信を実行可能な状態に戻るまで測定データ記憶領域36の残量を確保することができ、測定データが逸失されることを抑制することができる。例えば、測定データ記憶領域36は、メモリ32の記憶容量を考慮して、最大で96件の測定データ(即ち、4日分の測定データ)を記憶可能な記憶容量に設定される。なお、変形例では、上記の比較例の構成を採用してもよい。
【0052】
また、上記したように、測定装置10の各部には、バッテリ14から電力が供給されている。測定情報を長い第2の収集周期で収集することによって、測定情報を短い第1の収集周期で収集することと比較して、中継器100との通信を実行不可能となる場合におけるバッテリ14の消費を抑えることができる。
【0053】
S120では、測定装置10は、S110の収集から第2の収集周期が到来するタイミングで再び測定情報を収集する。この時点でも、中継器100の電源はOFFである。このため、測定装置10は、中継器100との通信を実行不可能であると判断し、S122において、連番(例えば「2」)を付して上記の収集済みの測定情報を示す測定データD102を測定データ記憶領域36に記憶する。
【0054】
例えば、20個の測定情報を収集するまで、中継器100の電源はOFFのままである。そして、その後に、中継器100の電源がONに戻る。
【0055】
S200では、測定装置10は、20個目の測定情報の収集から第2の収集周期が到来するタイミングで再び測定情報を収集する。S202Aでは、測定装置10は、上記の収集済みの測定情報を示す測定データD121を中継器100に送信する。中継器100の電源がONであるので、測定データD121は、中継器100に受信される。この結果、中継器100は、S202Bにおいて、測定データD121をサーバ500に送信し、サーバ500は、S204において、測定データD121をデータベース510に記憶する。現時点では、データベース510は、測定データD1~D100、D121を記憶する。即ち、中継器100との通信を実行不可能な間に測定装置10のセンサ(例えば温湿度センサ20)によって収集された20個の測定情報に対応する20個の測定データD101~D120は、データベース510に記憶されていない。
【0056】
続いて、S212A、S222A、S292Aに示すように、測定装置10は、測定データ記憶領域36内の20個の測定データD101~D120を所定周期(例えば1分)で中継器100に順次送信する。ここで、測定装置10は、測定データ記憶領域36内の測定データ(例えばD101)と、再送フラグと、を対応付けて中継器100に送信する。当該再送フラグは、対応する測定データが中継器100との通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報を示すデータであることを示すフラグである。また、中継器100に送信される測定データD101~D120のそれぞれには、上記の連番(例えば「1」~「20」)が付されている。
【0057】
中継器100は、S212Aにおいて、測定装置10から、測定データD101と再送フラグとを受信すると、212Bにおいて、測定データD101と再送フラグとをサーバ500に送信する。例えば、中継器100は、測定装置10から、測定データD101と再送フラグとを受信すると、再送フラグに対応付けられている測定データD101を先出しのデータとしてメモリ32内の送信バッファ(図示省略)に記憶する。これにより、中継器100は、当該送信バッファ内の他のデータよりも優先して、測定データD101をサーバ500に送信することができる。データベース510内のデータが一部不足している状態から迅速に復旧することができる。
【0058】
サーバ500は、S212Bにおいて、中継器100から測定データD101と再送フラグとを受信すると、測定データD101に再送フラグが対応付けられていると判断して、S214において、測定データD101を補足的に記憶するための処理を実行する。具体的には、サーバ500は、データベース510から測定データD101内のIDと同じIDを含む測定データD1~D100、D121を特定する。そして、サーバ500は、測定データD101に含まれる測定日時が測定データD100に含まれる測定日時と測定データD121に含まれる測定日時の間であると判断して、測定データD101を測定データD100の次のデータとしてデータベース510に記憶する。
【0059】
S222A~S294に示すように、測定データ記憶領域36内の残りの測定データD102~D120も、同様に、サーバ500に送信され、データベース510に補足的に記憶される。これにより、S294に示すように、測定データD1~D121は過不足なくデータベース510に記憶される。上記のように再送フラグを利用することにより、サーバ500は、測定データD101~D120が中継器100との通信を実行可能な状態な間に測定装置10によって収集された測定情報を示す測定データであることを知ることができる。この結果、サーバ500は、測定データを補足的に記憶する処理を適切に実行することができる。
【0060】
また、データベース510に補足的に記憶された測定データには、再送フラグが対応付けられている。例えば、サーバ500は、外部の端末装置(図示省略)からアクセスされる場合に、データベース510に記憶されている測定データによって示される測定情報を端末装置に表示する。この際、サーバ500は、再送フラグが対応付けられている測定データによって示される測定情報のプロットを再送フラグが対応付けられていない測定データによって示される測定情報のプロットと異なる色で端末装置に表示する。これにより、端末装置を操作するユーザは、中継器100との通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報と、中継器100との通信を実行可能な間に測定装置10によって収集された測定情報と、を視覚的に区別することができる。
【0061】
また、データベース510に補足的に記憶された測定データには、連番が付されている。これにより、サーバ500は、中継器100との通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報を示す測定データのみを時系列に整理することができる。例えば、サーバ500は、外部の端末装置(図示省略)からアクセスされる場合に、データベース510に記憶されている測定データのうち、中継器100との通信を実行不可能な間における測定データのみを利用して、中継器100との通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報を時系列で端末装置に表示することができる。測定情報について様々な表示態様をユーザに提供することができる。
【0062】
ここで、測定装置10は、S296において、測定データ記憶領域36から測定データD101~D120を削除する。例えば、測定装置は、以下のように、測定データ記憶領域36から測定データD101~D120を順次削除する。具体的には、サーバ500は、中継器100から測定データD101を受信すると、測定データD101に対する応答(例えばACK)を中継器に送信する。中継器100は、当該応答を測定装置10に送信する。そして、測定装置10は、中継器100から測定データD101に対する応答を受信する場合に、測定データ記憶領域36から測定データD101を削除する。測定データD102~D120についても、測定装置10は、中継器100から当該測定データに対応する応答を受信する場合に、測定データ記憶領域36から当該測定データを削除する。
【0063】
本ケースによれば、中継器100との通信を実行不可能である場合であっても、通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報を示す測定データD101~D120を逸失させることなくサーバ500に送信することができる。
【0064】
また、上記の構成によると、測定装置10は、中継器100との通信を実行可能な状態に戻る場合に、中継器100との通信を実行不可能な間における20個の測定データD101~D120を第1の収集周期(例えば30分)より短い所定周期(例えば1分)で中継器100に順次送信する(S212A、S222A、S292A)。これにより、中継器100は、測定データD101~D120を迅速に受信することができる。この結果、中継器100は、測定データD101~D120をサーバ500に迅速に送信することができ、データベース510内のデータが一部不足している状態から迅速に復旧することができる。
【0065】
(ケースA2;図7
図7のケースA2は、図5のケースの続きである。本ケースは、中継器100とサーバ500の間の通信が実行できないケースを示す。
【0066】
S310では、測定装置10は、図5のS100の収集から第1の収集周期が到来するタイミングで再び測定情報を収集する。S312Aでは、測定装置10は、当該測定情報を示す測定データD101を中継器100に送信する。
【0067】
中継器100は、S312Aにおいて、測定装置10から測定データD101を受信すると、測定データD101をサーバ500に送信することを試みる。しかし、この際、メンテナンス等によりサーバ500の電源がOFFである。このため、中継器100は、サーバ500から測定データD101に対する応答を受信しない。中継器100は、サーバ500から応答が受信されない、即ち、サーバ500との通信を実行不可能であると判断し、S314において、連番(例えば「1」)を付して測定データD101を測定データ記憶領域136に記憶する。なお、変形例では、上記の連番は付されなくてもよい。また、他の変形例では、連番に代えて、サーバ500との通信を実行不可能であると判断した日時を付して測定データD101を測定データ記憶領域136に記憶してもよい。
【0068】
S320では、測定装置10は、S310の収集から第1の収集周期が到来するタイミングで再び測定情報を収集する。この時点でも、サーバ500の電源はOFFである。このため、中継器100は、S322Aにおいて、測定装置10から上記の収集済みの測定情報を示す測定データD102を受信する場合に、サーバ500との通信を実行不可能であると判断し、S324において、連番(例えば「2」)を付して測定データD102を測定データ記憶領域136に記憶する。
【0069】
例えば、20個の測定情報を収集するまで、サーバ500の電源はOFFのままである。そして、その後に、サーバ500の電源がONに戻る。
【0070】
S400~S404は、図6のS200~S204と同様である。続いて、中継器100は、S412において、測定データ記憶領域136内の20個の測定データD101~D120と、再送フラグと、を対応付けてサーバ500に送信する。当該再送フラグは、対応する測定データがサーバ500との通信を実行不可能な間に測定装置10から受信されたデータであることを示すフラグである。当該再送フラグは、図6のケースA1における再送フラグと同一であってもよく、異なっていてもよい。また、サーバ500に送信される測定データD101~D120のそれぞれには、上記の連番(例えば「1」~「20」)が付されている。
【0071】
サーバ500は、S412において、測定データD101~D120と再送フラグとを受信すると、S414において、図6のS214等と同様に、測定データを補足的に記憶する処理を実行する。これにより、S414に示すように、測定データD1~D121が過不足なくデータベース510に記憶される。上記のように再送フラグを利用することにより、サーバ500は、測定データD101~D120がサーバ500との通信を実行可能な間に測定装置10から受信されたデータであることを知ることができる。この結果、サーバ500は、測定データを補足的に記憶する処理を適切に実行することができる。また、図6のケースA1と同様に、再送フラグが対応付けられている測定データによって示される測定情報のプロットを他のプロットと異なる色で端末装置に表示することができる。ユーザは、サーバ500との通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報を他の測定情報と区別することができる。また、図6のケースA1と同様に、サーバ500は、測定データに付された連番によって、サーバ500との通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報を示す測定データのみを時系列に整理することができる。図6のケースA1と同様に、測定情報の様々な表示態様をユーザに提供することができる。
【0072】
ここで、中継器100は、測定データD101~D120の送信が完了すると、S416において、測定データ記憶領域136から測定データD101~D120を削除する。具体的には、サーバ500は、中継器100から測定データD101~D120を受信すると、測定データD101~D120に対する応答(例えばACK)を中継器100に送信する。中継器100は、当該応答を測定装置10に送信する。そして、測定装置10は、中継器100から応答を受信する場合に、測定データ記憶領域136から測定データD101~D120を削除する。
【0073】
本ケースによれば、サーバ500との通信を実行不可能である場合であっても、通信を実行不可能な間に測定装置10から受信された測定データD101~D120を逸失させることなくサーバ500に送信することができる。
【0074】
(対応関係)
測定装置10、各センサ20~26、測定データ記憶領域36が、それぞれ、「測定装置」、「測定部」、「第1の記憶領域」の一例である。中継器100、測定データ記憶領域136が、それぞれ、「中継器」、「第2の記憶領域」の一例である。サーバ500、データベース510が、それぞれ、「サーバ」、「データベース」の一例である。測定データD1~D100が、「K個の測定データ」の一例である。測定データD101~D120が、「L個の測定データ」の一例である。第1の収集周期、所定周期が、それぞれ、「第1の周期」、「第2の周期」の一例である。図7のケースA2における再送フラグ、図6のケースA1における再送フラグが、それぞれ、「第1のフラグ」、「第2のフラグ」の一例である。第1種の無線通信I/F12aが、「測定装置」の「通信インターフェース」の一例である。第1種の無線通信I/F112a、第2種の無線通信I/F112bが、それぞれ、「中継器」の「第1の通信インターフェース」、「第2の通信インターフェース」の一例である。第1種の無線通信I/F512aが、「サーバ」の「通信インターフェース」の一例である。
【0075】
(第2実施例)
(測定データ通信システム4の構成;図8
図8は、第2実施例に係る測定データ通信システム4の構成を示す。測定データ通信システム4は、中継器200が追加されている点を除いて、第1実施例に係る測定データ通信システム2と同様である。
【0076】
中継器200の構成は、中継器100と同様である。中継器200は、測定装置10及びサーバ500と無線通信を実行可能である。なお、図8の状態では、測定装置10と中継器100との間には、第1種の無線通信を実行するための無線接続が確立されているが、測定装置10と中継器200との間には、第1種の無線通信を実行するための無線接続が確立されていない。例えば、中継器100、200のそれぞれが、サーバ500との有線通信を実行可能であってもよい。また、例えば、中継器100、200のそれぞれが、メッシュネットワークを形成する複数個の中継器(例えばアクセスポイント)の一部であってもよい。
【0077】
(具体的なケース;図9
図9を参照して、具体的なケースについて説明する。本ケースの初期状態では、図5と同様に、100個の測定情報が第1の収集周期で収集され、100個の測定情報に対応する100個の測定データD1~D100が測定装置10から中継器100を経由してサーバ500に送信される。
【0078】
本ケースでも、図6のケースA1と同様に、100個目の測定情報の収集の後に、停電等により中継器100に電力が供給されない。S500では、測定装置10は、第1の収集周期が到来したタイミングで収集した測定情報を示す測定データD101を中継器100に送信することを試みる。しかし、この際、中継器100の電源がOFFであるので、測定装置10は、中継器100から測定データD101に対する応答を受信しない。このため、測定装置10は、中継器100との通信を実行不可能であると判断し、S502において、測定データD101を測定データ記憶領域36に記憶する。その後、測定装置10は、中継器200との無線接続を確立するための処理を開始する。そして、測定装置10は、S511において、中継器200との無線接続を確立する。例えば、測定装置10は、中継器100との無線接続を確立するための第1の接続情報と、中継器200との無線接続を確立するための第2の接続情報と、をメモリ32に記憶している。測定装置10は、メモリ32内の第2の接続情報を利用して、中継器200との無線接続を確立する。中継器200との無線接続を確立するための処理は、例えば、中継器200の探索を含む。このため、当該処理の開始から中継器200との無線接続を確立までには、所定の時間を要する。測定データD101を測定データ記憶領域36に記憶することによって、中継器200との無線接続を確立までに収集された測定情報を示す測定データD101が逸失することを抑制することができる。
【0079】
S512Aでは、測定装置10は、S511で確立した無線接続を利用して、測定データ記憶領域36内の測定データD101を中継器200に送信する。これにより、中継器200は、S512Bにおいて、受信済みの測定データD101をサーバ500に送信する。この結果、S514では、測定データD101がデータベース510に記憶される。
【0080】
本ケースによれば、中継器100との通信を実行不可能である場合であっても、通信を実行不可能な間に測定装置10によって収集された測定情報を示す測定データD101を逸失させることなく、サーバ500と通信可能な他の中継器200を経由してサーバ500に送信することができる。本実施例における中継器200が、「第2の中継器」の一例である。
【0081】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例が含まれる。
【0082】
(変形例1)第2種の無線通信は、第1種の無線通信とは異なる種類の無線通信に限らず、第1種の無線通信と同じ種類の無線通信であってもよい。この場合、中継器100は、第2種の無線通信I/F112bを備えず、第1種の無線通信I/F112aを利用して、測定装置10及びサーバ500との通信を実行してもよい。
【0083】
(変形例2)サーバ500は、インターネット上のサーバに限らず、例えば、中継器100が属するLAN上のサーバであってもよい。
【0084】
(変形例3)測定装置10に備えられるセンサは、上記のものには限られない。例えば、大気圧センサ、土壌のphを測定する土壌phセンサ、CO2(二酸化炭素)濃度を測定するCO2センサ、音の大きさを測定する音センサ、人感センサ、体温センサ、脈拍センサ、GPS(Global Positioning System)センサ、電波強度センサ、降水量センサ、交通量センサ、花粉センサ、PM2.5センサ、放射線センサ、電池残量センサ、等が備えられていてもよい。また、測定装置10は、上記の各センサ20~26以外の追加センサを接続するためのコネクタを備えていてもよい。この場合、測定装置10は、追加センサによって収集される測定情報を示す測定データを、中継器100を経由してサーバ500に送信してもよい。本変形例では、追加センサが、「測定部」の一例である。
【0085】
(変形例4)上記の第1実施例では、測定装置10は、測定データD101~D120を第1の収集周期より短い所定周期で中継器100に順次送信する(図6)。これに代えて、測定装置10は、測定データD101~D120を第1の収集周期と同じ周期で中継器100に順次送信してもよい。本変形例によれば、「第2の周期」を省略可能である。
【0086】
(変形例5)図6のケースA1において、再送フラグは中継器100に送信されなくてもよい。本変形例によれば、「第2のフラグ」を省略可能である。
【0087】
(変形例6)図7のケースA2において、再送フラグはサーバ500に送信されなくてもよい。本変形例によれば、「第1のフラグ」を省略可能である。
【0088】
(変形例7)再送フラグは、中継器100及びサーバ500が解釈可能な所定のフラグであればよい。一般的に言えば、「第1のフラグ」は、測定データが通信を実行不可能な間に受信されたデータであることに関係していればよく、「第2のフラグ」は、測定データが通信を実行不可能な間に収集された測定情報を示すデータであることに関係していればよい。
【0089】
(変形例8)第2実施例では、中継器200は、測定装置10から測定データD101を受信することに応じて、測定データD101をサーバ500に送信する(図9のS512B)。これに代えて、中継器200は、測定データD101を自機のメモリ内に記憶してもよい。そして、中継器200は、サーバ500からの要求に応じて、自機のメモリ内の測定データD101をサーバ500に送信してもよい。また、他の例では、中継器200は、測定データD101をサーバ500とは異なる他のサーバに送信してもよい。この場合、サーバ500は、当該他のサーバにアクセスして、当該他のサーバから測定データD101を受信してもよい。
【0090】
(測定データ通信システムの利用例の紹介)
本明細書で開示される測定データ通信システム(例えば測定データ通信システム2)が利用される例を紹介しておく。
【0091】
(利用例1)例えば、測定データ通信システムを遊技店内の遊技者の生体状態(遊技者の存否、遊技者の体温、脈拍等)の管理のために利用してもよい。その場合、測定装置10は、遊技機の近傍に配置されてもよい。測定装置10は、例えば、人感センサを内蔵する測定機器、体温センサを内蔵する測定機器、脈拍センサを内蔵する測定機器を備える。人感センサの検出値を監視することで、遊技者の存否を判断することができる。また、体温センサの検出値及び脈拍センサの検出値を監視することで、遊技者の健康状態を把握することができる。
【0092】
(利用例2)測定装置10が、電池残量センサを内蔵する測定機器、及び、GPSセンサを内蔵する測定機器を備え、測定装置10の生死監視及び盗難検出を行ってもよい。電池残量センサの検出値を監視することで、測定装置10の生死を判断し得る。また、GPSセンサの検出値を監視することで、測定装置10の位置を把握し、測定装置10が盗難されているか否かを判断し得る。
【0093】
(その他の利用例)また、以下のような場面でも測定データ通信システムを利用可能である。
(1)農業、畜産業等における作物、家畜、環境等の状態の監視及び管理。
(2)扉の開閉状態、侵入者等を検出することによる安全管理。
(3)外部センサと接続することによる拡張ユニットの構築。
(4)介護、看護等の分野における要介護者の状態(例えば健康状態、徘徊の有無等)の監視及び管理。
(5)家電等の稼働状態を検出することによる、高齢者等の安否確認管理。
(6)上記以外の各種対象の各種状態の監視及び管理。
【0094】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0095】
2、4:測定データ通信システム、10:測定装置、12a:第1種の無線通信I/F、14:バッテリ、20:温湿度センサ、22:加速度センサ、24:照度センサ、26:磁気センサ、30:制御部、32:メモリ、34:プログラム、36:測定データ記憶領域、100:中継器、112a:第1種の無線通信I/F、112b:第2種の無線通信I/F、114:商用電源部、130:制御部、132:メモリ、134:プログラム、136:測定データ記憶領域、200:中継器、500:サーバ、510:データベース、D1~D121:測定データ
図1
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図9