(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】オーダーエントリーシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241112BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241112BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241112BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/00 311D
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020076932
(22)【出願日】2020-04-23
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】安部 俊孝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 友紀
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-124980(JP,A)
【文献】特開2004-145606(JP,A)
【文献】特開2009-163545(JP,A)
【文献】特開2015-075870(JP,A)
【文献】特開2013-105409(JP,A)
【文献】特開2019-046244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/12
G07G 1/00
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文を行う客が所持する注文装置
が記憶する会員識別情報を取得
することで、前記注文を行う客を特定する特定手段と、
前記注文を行う客が利用するテーブルのテーブル識別情報を入力する入力手段と、
前記注文を行う客が所持する注文装置を用いて注文された商品を登録する登録手段と、
前記会員識別情報と前記テーブル識別情報を記憶手段に格納することで、前記登録手段で登録された商品の注文を確定する注文確定手段と、
を備え、
前記注文装置による注文が事前注文の場合は、前記会員識別情報を取得すると共に予約番号を採番しておき、
前記記憶手段は、
前記注文装置から会員識別情報を取得すると共に予約番号が採番された場合であって、且つ前記入力手段で前記テーブル識別情報が入力された場合は、前記登録手段で登録した商品の注文は事前注文であり、
一方、前記注文装置から会員識別情報を取得したが予約番号が採番されていない場合であって、且つ前記入力手段で前記テーブル識別情報が入力された場合は、前記登録手段で登録した商品の注文は店内注文であるとし、
これら事前注文と店内注文とを区別して記憶することを特徴とするオーダーエントリーシステム。
【請求項2】
オーダーエントリーシステムとしてのコンピュータシステムを、
注文を行う客が所持する注文装置
が記憶する会員識別情報を取得
することで、前記注文を行う客を特定する特定手段、
前記注文を行う客が利用するテーブルのテーブル識別情報を入力する入力手段、
前記注文を行う客が所持する注文装置を用いて注文された商品を登録する登録手段、
前記会員識別情報と前記テーブル識別情報を記憶手段に格納することで、前記登録手段で登録された商品の注文を確定する注文確定手段、
として機能させ、
且つ前記注文装置による注文が事前注文の場合は、前記会員識別情報を取得すると共に予約番号を採番するように機能させ、
さらに前記記憶手段を、
前記注文装置から会員識別情報を取得すると共に予約番号が採番された場合であって、且つ前記入力手段で前記テーブル識別情報が入力された場合は、前記登録手段で登録した商品の注文は事前注文であり、
一方、前記注文装置から会員識別情報を取得したが予約番号が採番されていない場合であって、且つ前記入力手段で前記テーブル識別情報が入力された場合は、前記登録手段で登録した商品の注文は店内注文であるとし、
これら事前注文と店内注文とを区別して記憶する
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダーエントリーシステム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲食店では、近年、人手不足などの影響もあり、セルフオーダーシステムを導入する店舗が増えてきた。また、顧客が所有する携帯装置(スマートホン)で注文を行うセルフオーダーシステムなども導入され、さらに注文受付の効率化や、最適化が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、注文受付の効率化が図れるオーダーエントリーシステム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、注文を行う客が所持する注文装置が記憶する会員識別情報を取得することで、前記注文を行う客を特定する特定手段と、前記注文を行う客が利用するテーブルのテーブル識別情報を入力する入力手段と、前記注文を行う客が所持する注文装置を用いて注文された商品を登録する登録手段と、前記会員識別情報と前記テーブル識別情報を記憶手段に格納することで、前記登録手段で登録された商品の注文を確定する注文確定手段と、を備え、前記注文装置による注文が事前注文の場合は、前記会員識別情報を取得すると共に予約番号を採番しておき、前記記憶手段は、前記注文装置から会員識別情報を取得すると共に予約番号が採番された場合であって、且つ前記入力手段で前記テーブル識別情報が入力された場合は、前記登録手段で登録した商品の注文は事前注文であり、一方、前記注文装置から会員識別情報を取得したが予約番号が採番されていない場合であって、且つ前記入力手段で前記テーブル識別情報が入力された場合は、前記登録手段で登録した商品の注文は店内注文であるとし、これら事前注文と店内注文とを区別して記憶することを特徴とするオーダーエントリーシステムにある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】オーダーエントリーシステム1の概略構成図である。
【
図2】メニューファイル200の一例を示す図である。
【
図3】店内サーバ10の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】POS装置20の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図5】携帯装置100(130)の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】
図6(a)は顧客が店舗に来店した時の流れを示す説明図、
図6(b)は顧客が退店する時の流れを示す説明図である。
【
図7】顧客が一人でオーダーを行う場合の客用携帯装置100における動作フロー図である。
【
図8】顧客が一人でオーダーを行う場合の店内サーバ10における動作フロー図である。
【
図9】代表以外の客用携帯装置100によって顧客がオーダーを行う場合の動作フロー図である。
【
図10】POS装置20における精算の手順を示す動作フロー図である。
【
図11】
図11(a)は取引データテーブルの一例を示す図、
図11(b)は注文データテーブルの一例を示す図、
図11(c)は座席管理データテーブルの一例を示す図である。
【
図12】
図12(a)は会計札F1´の一例を示す図、
図12(b)は座席案内用レシートP1の一例を示す図である。
【
図13】受付端末70において来店受付を行う場合の表示画面の変遷例を示す図である。
【
図14】客用携帯装置100を用いて商品の予約注文を行う場合のタッチパネル107の変遷例を示す図である。
【
図16】形態A~Fによる本オーダーエントリーシステム1の各使用態様を示す図である。
【
図17】
図17(a)は、座席管理モニタ画面G3の一例を示す図、
図17(b)はテーブル番号「0001」のテーブル詳細情報画面G3aを示す図、
図17(c)はテーブル番号「0002」のテーブル詳細情報画面G3bを示す図である。
【
図18】セルフPOS装置20によって精算を行う場合の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるオーダーエントリーシステム1の概略構成図である。同図に示すように、オーダーエントリーシステム1は、店内サーバ(管理装置、ストアコントローラ)10と、POS装置20と、セルフオーダー端末40と、厨房装置50と、受付端末70と、アクセスポイント80と、客用携帯装置(店内)100と、店員用携帯装置130と、客用携帯装置(店外)100と、クラウドサーバ170とを具備し、各機器を通信可能に接続して構成されている。オーダーエントリーシステム1の内、客用携帯装置(店外)100とクラウドサーバ170を除く装置は、例えば飲食店内に設置される。客用携帯装置(店外)100とクラウドサーバ170は、インターネットなどのネットワーク160を介して他の各機器に接続されている。客用携帯装置100には、顧客が所有する携帯電話やスマートホン、タブレットPCなどが含まれ、クラウドサーバ170や店内サーバ10などのサービスの提供を受ける場合は、事前に専用アプリケーションをダウンロードする方法や、WEBブラウザで利用する方法や、モバイルオーダー(スマートホンから注文&決済するシステム)を利用する方法などを用いる。
【0008】
店内サーバ10と、POS装置20と、セルフオーダー端末40と、厨房装置50と、受付端末70と、アクセスポイント80とは、互いにLAN190を介して接続されている。なお、店内サーバ10の代わりに、クラウドサービス(外部サーバ)を用いても良い。この場合は、外部サーバが管理装置となる。LAN接続の形態は、有線であっても良いし、無線であっても良い。またアクセスポイント80は、無線LANにより、客用携帯装置(店内)100及び店員用携帯装置130と接続されている。
【0009】
店内サーバ10は、オーダーエントリーシステム1を制御するコンピュータであって、メニューマスタファイル(商品マスタファイル)などの種々の情報を管理する。メニューマスタファイルは、適宜更新される。店内サーバ10は、適宜、最新のメニューマスタファイルをメニューファイル(商品ファイル)としてPOS装置20や携帯装置100,130などに送信する。
図2はメニューファイル200の一例を示す図である。同図に示すようにメニューファイル200には、各メニュー商品のメニューコード、名称、価格(通常価格、特売価格、スマホ割引価格など)などのメニュー商品情報が記憶されている。
【0010】
図3は店内サーバ10の機能ブロックの一例を示す図である。同図に示すように、店内サーバ10は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、表示部14と、ハードディスク15と、操作部16と、通信部17とを有しており、これら各構成要素を互いに通信回線18を介して接続して構成されている。CPU11は、ROM12に記憶された制御プログラムを実行することにより、店内サーバ10の動作を制御する。ROM12は、前記制御プログラムなどの各種情報を記憶する。RAM13は、種々の情報を一時記憶する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイであり、店内サーバ10を操作する店員に対して情報を表示する。ハードディスク15は、種々のファイル(例えば、上記メニューファイル200、指示ファイル、印字フォーマットファイル、注文データファイル、会計ファイル等)や各種精算用情報などを記憶する記憶手段である。操作部16は、店内サーバ10を操作する店員から種々の指示を受けるための各種キーなどを有している。通信部17は、LAN190を介して各種外部機器と通信するための通信インターフェースである。また例えば、店内サーバ10は、集計部を備え、店員からの指示に応じて又は予め定めた所定時刻に、RAM13やハードディスク15などの記憶部に記憶している情報等に基づいて、集計情報(例えば、日計レポート等の売上実績情報)を生成する。
【0011】
図4はPOS装置20の機能ブロックの一例を示す図である。POS装置20は、飲食を行った客が精算を行う場合などに使用する。同図に示すように、POS装置20は、このPOS装置20の動作を制御するCPU21と、顧客の買上情報などを記憶するハードディスク22と、CPU21が実行するプログラムを記憶するROM23と、種々の情報(例えば店内サーバ10より取得したメニューファイル200など)を一時記憶するRAM24と、商品などに付されているバーコードなどを光学的に読み取るスキャナ部25と、メニュー商品の名称や価格などを表示する表示部26と、レシート印字部28と、現金や金券などを保管するドロワ部29と、LAN190を経由して店内サーバ10などの外部機器と通信する通信部30と、POS装置20を動作させる各種の操作ボタンなどからなる操作部31とを備えている。各構成要素は互いに通信回線32を介して接続されている。POS装置20は、店員操作用のPOS装置(精算装置)でもよいし、顧客が操作する型のPOS装置(精算装置)でもよい。
【0012】
セルフオーダー端末40は、テーブルに配置され主に客が自ら商品の注文を画面から選択するものであり、商品注文履歴や会計金額などの表示機能がある。また、店員呼出し等の機能も備える。厨房装置50は、この例では、注文された料理(商品)の調理指示データを画面に表示するキッチンモニタであり、一般に厨房(調理場)近傍に設置される。厨房で調理する店員は、厨房装置50で表示される調理指示内容に従って調理を行う。厨房装置50は、携帯装置100,130などから料理の注文を受けた際に送信される調理指示命令を受け取り、調理指示内容を表示する。厨房装置50は、キッチンモニタの代わりに、調理指示内容をレシートにプリントアウトするキッチンプリンタであっても良いし、両者を設置しても良い。プリントアウトされるレシートは、調理指示用チケットや配膳用レシート等である。
【0013】
受付端末70は、例えば店舗の入り口付近に設置され、希望するテーブルや席を店員または来店客が入力する装置である。本オーダーエントリーシステム1の場合、受付端末70は、座席管理装置でもある。受付端末70には、人数、席の種類(カウンター・テーブル)、禁煙・喫煙などを入力する。座席予約システムと連動している場合は、座席予約している顧客の入店管理と、座席予約をしていない顧客の座席希望を受け付ける端末であってもよい。
【0014】
客用携帯装置100は、何れも一般に客が所有しているスマートホンなどの携帯装置であり、また店員用携帯装置130は、店舗用の特別仕様の携帯装置またはスマートホンなどの携帯装置であるが、何れの携帯装置も同様の構成を有している。なお客用携帯装置100には、店内で別途当該客用として渡されるタブレットPCなどの携帯装置も含まれる。携帯装置100,130は、何れも
図1に示すように、その表面にタッチパネル107,137を有している。店舗用の特別仕様の携帯装置は、客がスマートホンなどを所持していない場合や、事前注文をスマートホンで行っていた場合でも、店員が追加オーダーを受付けるときに使用してもよい。各携帯装置100,130の機能ブロック構成はほぼ同一なので、以下、まとめて説明する。
【0015】
図5は携帯装置100(130)の機能ブロックの一例を示す図である。同図に示すように携帯装置100(130)は、CPU101(131)と、ROM103(133)と、RAM105(135)と、タッチパネル(表示部兼操作部)107(137)と、通信部109(139)と、操作ボタン部111(141)と、撮像部113(143)とを、通信回線115(145)によって相互に接続して構成されている。CPU101(131)は各種プログラムを実行する。ROM103(133)は、例えば、CPU101(131)において実行される各種プログラムや、タッチパネル107(137)において表示される画像データなどを記憶する。RAM105(135)は、例えば店内サーバ10から受信した各種ファイル(例えばメニューファイル200)や、CPU101(131)が生成したデータを一時記憶する。タッチパネル107(137)は、液晶パネルのような種々の画像を表示する表示装置と、タッチパッドのような位置入力装置とを組み合わせた装置であり、画面上の表示を押下(タッチ)することで予め設定された複数のメニュー商品の中から注文を受けたメニュー商品を選択する選択手段(入力装置)となっている。通信部109(139)はアクセスポイント80を経由して他の外部装置と送受信を行う送受信手段である。操作ボタン部111(141)は、例えば電源スイッチボタンや操作ボタンなどから構成され、操作者である顧客や店員からの入力操作を受け付ける。撮像部113(143)は撮影を行うものであり、例えば2次元コードなどの認証情報を撮影し、当該認証情報に記載されている情報を取り出す機能、即ちスキャン機能も有するスキャナ部でもある。
【0016】
次に、上記オーダーエントリーシステム1を用いて、顧客がオーダーを行う方法について、場合を分けて説明する。
〔顧客が1台の携帯装置を使って注文を行う場合〕
図7は、顧客が一人でオーダーを行う場合の客用携帯装置100における動作フロー図である。顧客は、まず、店舗に到着する前に、または店舗の入口付近で席待ちしている際に、自己の携帯装置100を使って事前注文を行うことができる。事前注文は、店外にある客用携帯装置100を、ネットワーク160を介してクラウドサーバ170に接続することで行う。即ち、予め当該店舗のシステムに関するプログラムをダウンロードしておいた客用携帯装置100を用いて、クラウドサーバ170にアクセスし、事前予約を行うことができる。なお、客用携帯装置100での注文方法としては、上述のように、WEBブラウザによる方法やモバイルオーダーによる方法などもある。
また、携帯装置でアプリをダウンロードする時に会員登録を行う事で顧客情報を管理できる。顧客情報を登録しない場合は、携帯装置の登録情報(アカウントやメールアドレス、携帯電話番号など携帯装置を識別できる情報)を顧客情報として管理する様にしても良い。顧客情報とは、会員登録時は会員情報であり、その他一般の顧客については、店員などが管理のために割当てる識別情報でも良い。利用客を特定するための情報である。
【0017】
このとき、まだ店内のテーブル番号(テーブル識別情報)等は入力されていないので、ステップ1-1の「N」からステップ1-2に移行し、事前注文する場合は、ステップ1-3に移行して、客用携帯装置100から事前注文を行う。そしてこの客用携帯装置100からクラウドサーバ170に前記事前注文データ(注文情報)を送信する(ステップ1-4)。なお、事前注文を行わない場合は、ステップ1-3とステップ1-4はスキップする。クラウドサーバ170は、受信した上記事前注文データを予め該当店舗の店内サーバ10に送信してそのハードディスク15などに記憶させておいても良い。また該当店舗に顧客が到着して受付端末(端末)70などで受付を行った際などに、店内サーバ10からクラウドサーバ170にアクセスして事前注文データを入力するなどしても良い。具体的には、客が受付端末70へ入店処理(チェックイン)する際に、予約番号を入力した場合や、客用携帯装置100に表示した予約番号や会員識別番号(会員情報)をシンボルコード化(二次元コードやバーコード)したものを受付端末に備え付けの読取装置で読み取るなどすることで、入店処理を行い厨房端末へ調理指示を行うこともできる。なお、事前注文を行わない場合は、ステップ1-3とステップ1-4はスキップする。
【0018】
図6(a)は、顧客が店舗に来店した時の流れを示す説明図である。同図に示すように、顧客が店舗に来店すると、まず受付端末70に、希望する席(人数、席の種類、禁煙・喫煙など)を入力する。注文端末70への入力は、店員が行っても良い。希望する席が入力されたことは、店内サーバ10に送信され、店内サーバ10は、これを許可し、その旨を注文端末70に送信し、記憶する。なおこの希望する席は、客用携帯装置100で事前予約を行っても良い。その場合は、来店したことを受付端末70へ入力する。また店内サーバ10の代わりにクラウドサーバ170を用いて上記運用を行っても良い。
【0019】
次に、顧客は、希望のテーブルT1が空いていた場合、または空いた場合、店員により当該テーブルT1に案内される。その際、店員から会計用の会計札F1を手渡される。店員は、会計札F1を顧客へ手渡す前に、当該会計札F1に表示されている会計札番号F11(その識別コード、会計用媒体識別子、顧客識別情報)を、受付端末70やPOS装置20などでスキャンすることで、利用可能な会計札F1であるか否かを判別するように構成しても良い。なお、会計札F1は、事前にテーブルT1に置いていても良い。これによって、当該テーブルT1が空いていることが容易にわかる。
【0020】
顧客は、会計札F1を受け取り、テーブルT1に着く。テーブルT1に着くと、順番はどちらからでも構わないが、テーブルT1に貼付されているテーブル番号(テーブル識別情報)T11を入力し(ステップ1-5)、且つ会計札F1に表示されている会計札番号(会計識別情報)F11を入力する(ステッカ-6)。テーブル番号T11を入力する方法としては、例えばテーブルT1に貼付または印刷されているテーブル番号T11(バーコード、2次元コードなど、テーブル識別子)を、携帯装置100の撮像部(スキャナ部)113によって読み込む方法や、手入力によってテーブル番号T11を携帯装置100に入力する方法などがある。会計札番号F11を入力する方法としては、例えば会計札F1に貼付または印刷されている会計札番号F11(バーコード、2次元コードなど、会計用媒体識別子)を、携帯装置100に読み込む方法や、手入力によって会計札番号F11を携帯装置100に入力する方法などがある。これによって、当該客用携帯装置100を用いた店内でのメニューの注文が可能になる。なお、会計札F1は店内待合室で席順待ちをしている際に、客に渡しても良い。会計札番号F11を客用携帯装置100で読み取る事で、会員情報と関連づけたことにより、事前注文を行うことができるようにしてもよい。事前注文のステータスを店外事前注文と店内事前注文とに区別可能にすることで、厨房端末での表示態様や、調理指示の可否などを判定するデータとして利用できる。
【0021】
フロー図に戻り、前記入力したテーブル番号T11と会計札番号F11を店内サーバ10に送信する(ステップ1-7)。店内サーバ10から受付完了通知が送られてきたら(ステップ1-8の「Y」)、店内での注文が可能となり、ステップ1-10に移行する。一方、店内サーバ10から受付不可通知が送られてきたら、そのタッチパネル107に、受け付けが不可であった旨のエラー報知を行う(ステップ1-9)。エラー報知の方法としては、客用携帯装置100のタッチパネル107に、「この会計札は利用できません」などと画面表示したり、音声案内したりし、会計札F1の交換を促す。
【0022】
受け付けが不可である場合とは、例えばテーブル番号T11や会計札番号F11の入力に入力エラーがあったような場合や、店員から預かった会計札F1が、誤って、別の顧客が現在使用中(例えば精算中)の会計札F1であったような場合などである。例えば前記受付端末70において会計札F1が使用可能か否かのチェックを行わなかったような場合にこのようなエラーが発生し易い。このため、客が所有する携帯装置100のタッチパネル107に、「会計札F1を読み取ってください」と表示して、まず会計札F1が会計済みになっているか否かを確認した上で、テーブル番号T11を読み取るように操作案内を行っても良い。そうすることで、会計札F1のステータス更新の異常をいち早く知ることができる。また、店員が会計札F1を顧客に渡すときに、事前にテーブル番号T11と会計札F1の情報を紐づけることで、顧客が別のテーブルについてしまったり、悪意により他のテーブル番号T11と会計札F1を紐づけたりするなどの不正を防止することもできる。
【0023】
以上説明したように、テーブル番号T11と正規の会計札番号F11の両者を入力することを条件に、入力を行った客用携帯装置100による当該店舗のメニューの注文(注文の確定、店内での事前注文を含む)を行うことが可能になる。即ち、客から操作で注文確定を行うことができる。その際、店舗側で注文を受け付けたことを通知しても良い。事前に客側のメールアドレスなどの情報が登録されていればプッシュ通知やメールなどで客へ注文受付を知らせることも可能である。また、顧客情報等により顧客を特定する情報をテーブル番号T11と、会計札番号F11とを紐づけることを条件に注文の確定を行っても良い(注文確定手段)。
【0024】
次に、店内でメニューを注文する場合(ステップ1-10の「Y」)は、テーブル番号T11などを入力した前記客用携帯装置100を用いて、例えば紙媒体のメニューから商品番号を手入力したり、紙媒体のメニューに表示された識別コードを撮像部113でスキャンしたりすることなどで、注文データの入力を行う(ステップ1-11)。また、当該客用携帯装置100にダウンロードした専用アプリや、テーブル番号T11と会計札番号F11とを紐付けたことを条件に店内の特定のWIFIに接続することなどで、ブラウザでメニューを表示させて、注文データの入力をさせるようにしても良い(ステップ1-11)。なお、専用アプリの起動と特定WIFI接続を、前述の来店受付の条件にしても良い。
【0025】
特定WIFIへ接続することで、来店受付時の顧客の操作が省略され、また受付端末70や店員用携帯装置130等によって、予約客の来店がすぐにわかる。例えば、受付端末70の予約番号を来店時に点滅など態様を変えて報知したり、店員用携帯装置130へプッシュ通知したりすればより作業性は向上する。例えば受付端末70や店員用携帯装置130に、「予約番号999のお客様が来店されました。店内飲食と持帰り注文があります」などを表示する。事前注文には店内飲食とお持ち帰りどちらも注文可能である場合であれば、店内飲食分の調理は開始し、客へすべての配膳が完了したときにお持ち帰り分の調理を開始するなどすればなるべく新しい商品を提供できることや、他のテーブルの注文状況を鑑みて同時に調理をまとめて行った方が工数の削減できるなど、さらに効率的となる。
【0026】
ステップ1-11に戻って、当該客用携帯装置100のタッチパネル107に表示された例えば注文完了ボタン(確定ボタンなどでもよい)を押下することで(ステップ1-12の「Y」)、前記注文データを送信する(ステップ1-13)。送信する注文データには、店内で注文した注文データと共に、事前注文した事前注文データも含まれる。送信先は、店内サーバ10を経由して厨房装置50、又は並行して店内サーバ10と厨房装置50である。店内サーバ10では、注文データを受け付け、前記テーブル番号T11と会計札番号F11と紐付けて記憶する。厨房装置50では、受信した注文データから調理指示を出力する。注文された商品の調理が完了したら、配膳指示を行う。
【0027】
次に、客用携帯装置100が、前記店内サーバ10から前記注文データの受け付けが完了したことを受信すると、そのタッチパネル107に、受付が完了した旨の表示を行う(ステップ1-14)。
【0028】
図11(a)は、前記注文した各取引の取引データテーブルの一例を示す図である。この取引データは、例えば店内サーバ10やクラウドサーバ170に記憶されるが、他の機器に記憶させてもよい。同図に示すように、取引データには、取引番号、予約番号、注文番号、会員コード(客用携帯装置100の識別番号)、来店時間、店内利用・持ち帰りの種別、取消し区分などのデータがある。この店内利用・持帰り種別は、軽減税率適用時の税シフトのための情報でもある。予約番号に案内番号をセットすることで、事前予約ではない顧客と判別することもできる。取引番号は、事前予約とその他の客に対して重複しない範囲で採番してもよい。そして取消データの注文番号に、各注文商品・数量などの下記する注文データテーブルの注文データがリンクすればよい。
会計札F11を利用する場合は、会計札識別番号F11やそれに代わる会計用識別番号を管理する。この取引データは、客が注文するときに生成される。事前注文の場合は、予約番号の管理番号が採番される。店内テーブルでの注文は予約番号が採番されない。よって、予約番号により事前注文と店内(テーブル)注文を区別できる。そして取引データの注文番号に、注文データや座席管理データが関連づけられればよい。持ち帰りの場合は、所定の時間に間に合うように調理指示のタイミングを調整して出力すればよい。店内待合室では事前注文として取扱う。
【0029】
図11(b)は、注文データテーブルの一例を示す図である。この注文データは、注文した商品にかかるデータであり、例えば店内サーバ10やクラウドサーバ170に記憶されるが、他の機器に記憶させても良い。同図に示すように、注文データには、注文番号、客数、客層、区分(注文入力区分)、注文時間(開始)、商品コード、数量(注文数量)単価、売価(販売金額)、などのデータがある。区分は、注文入力した装置の区分であり、客が携帯装置によって、注文をしたか、店員が注文をしたかなどによって区別可能に管理される。セルフルオーダー端末が各席に配置している場合は、同様に区別可能に管理される。この区分により、アプリ利用時の提供価格を、スマホ割引を適用することも可能である。
【0030】
図11(c)は、座席管理データテーブルの一例を示す図である。この座席管理データは、座席を管理する上で必要なデータであり、例えば店内サーバ10やクラウドサーバ170に記憶されるが、他の機器に記憶させても良い。同図に示すように、座席管理データには、座席番号、取引番号、予約番号、案内番号、人数、テーブル種別、禁煙・喫煙区分、入店時間、案内時間、待ち時間、などのデータを含む。座席データと取引データは取引番号(伝票番号)で関連づけられている。座席予約をしている場合、予約番号を案内番号して、予約区分などで区別可能に管理してもよい。
尚、取引データと、注文データと、座席管理データは、別テーブルで管理してもよいしその他のテーブルと組合せを行うなど、ひとつのテーブルから必要な処理によってデータ抽出して処理を行えばよい。各テーブルにデータを重複して管理してもよい。また、予約取消された場合は、もちろん予約は無効となり、取消し区分もフラグ管理されているので、集計や分析に利用できる。予約新規、変更なども併せて管理してもよい。
【0031】
図8は、顧客が代表者一人でオーダーを行う場合の店内サーバ10における動作フロー図である。顧客が、店舗に到着する前に、または店舗の入口付近で席待ちしている際に、客用携帯装置100を使って事前注文を行うと、当該事前注文データは、ネットワーク160を介してクラウドサーバ170に送信される。クラウドサーバ170に送信された事前注文データは、ネットワーク160を介して店内サーバ10に送信され(ステップ2-1の「Y」)、当該店内サーバ10に記憶する(ステップ2-2)。なお、事前注文データがない場合は、ステップ2-2はスキップする(ステップ2-1の「N」)。
【0032】
次にステップ2-3において、客用携帯装置100からテーブル番号T11と会計札番号F11を受信すると、当該テーブル番号T11や会計札番号F11が正当であるか否かを判断し、正当であると判断した場合は、当該テーブル番号T11と会計札番号F11と前記客用携帯装置100を紐付け、受付を完了させ(ステップ2-4の「Y」)、受付完了通知を前記客用携帯装置100に送信する(ステップ2-5)。
【0033】
一方、当該テーブル番号T11や会計札番号F11が正当でないと判断した場合は、当該テーブル番号T11と会計札番号F11と前記客用携帯装置100の紐付けを行わず(ステップ2-4の「N」)、受付不可通知を前記客用携帯装置100に送信する(ステップ2-6)。受付不可の理由としては、上述のように、例えば読み取ったテーブル番号T11や会計札番号F11に入力エラー(例えばデータが取得できない、テーブル番号T11がシステム設定において未設定、同様に会計札番号F11が未設定など)があった場合や、店員から預かった会計札F1が、誤って、別の顧客が現在使用中(例えば精算中)の会計札F1であったような場合などである。
【0034】
この受付不可通知には、不可理由も併せて付加しておくことが望ましい。その他、不正を目的として過去に利用した会計札F1を撮像した画面などを使用した際にも必ず重複使用を判定できるので、当該不正に対策にも有用である。言い換えれば、店内サーバ10は、テーブル番号T11と会計札番号F11が既に受け付けられ、且つ当該テーブル番号T11に当該会計札番号F11、または他の会計札番号F11の入力があった場合、他の装置である受付端末70、POS装置20、厨房端末50にその状態を通知する通知手段(ステップ2-6を実行するCPU11など)を備えている。
【0035】
受け付けが完了すると(ステップ2-5)、次に、客用携帯装置100から店内における注文データを受け付け(ステップ2-7の「Y」)、受け付けた注文データを記憶する(ステップ2-8)。なお、店内における注文データがない場合(事前注文データのみの場合)は、ステップ2-8はスキップする(ステップ2-7の「N」)。
【0036】
次に、記憶した事前注文データと店内における注文データを確定する(ステップ2-9)。次に、確定した注文データを厨房装置50に送信し、調理を開始させるとともに、POS装置20にも注文データを送信し、精算用データとして記憶する(ステップ2-10)。
【0037】
一方、前記客用携帯装置100には、前記注文データの受け付けが完了した旨の情報を送信する(ステップ2-11)。これによって客用携帯装置100では、上述のように、そのタッチパネル107に、受付が完了した旨の表示が行われる(ステップ1-14)。
【0038】
ところで、事前注文または席待ち時の注文は、テーブル番号T11も会計札番号F11も紐付かず、仮注文の状態でクラウドサーバ170や店内サーバ10や客用携帯装置100に記憶されており、予約No.や事前注文No.などで識別可能に管理されている。店外からの事前注文の場合、席予約などがあれば、来店を受付端末70に入力する。来店登録は、位置情報、特定WIFI、画面への予約番号の入力、シンボルコード(バーコード、二次元コードなど)を受付端末70などに読み取らせることなどによって行える。そして上述のように、席に案内される際に会計札F1を店員から手渡されたり、既に空いたテーブルに会計札F1が置かれていたりすると、顧客は会計札番号F11とテーブル番号T11を入力することで、前記事前注文が確定する。よって、会計札番号F11とテーブル番号T11のない注文データは、「事前注文データ」であり、会計札番号F11とテーブル番号T11が関連付けられて初めて注文が確定する。
【0039】
事前注文の持帰りの場合、即ちテーブルT1に着かずに持ち帰る場合は、来店予定時間に間に合うように調理指示を行ってもよい。なお、このテーブルT1に着かないで持ち帰る持帰り注文の事前注文は、決済完了(例えば事前注文時に決済を完了しておいた場合など)により注文情報を確定とする。
【0040】
一方、上記店内でテーブルT1に着いての持帰り注文は、決済完了を注文情報の確定の条件にしなくても良く、会計札番号F11やテーブル番号T11の読み取りで確定しても良い。会計札番号F11やテーブル番号T11を読み取る場合には、店内飲食のみの場合と、店内飲食と持ち帰り(お土産購入)の場合があり、これらの場合は、上記した方法と同様に、会計札番号F11やテーブル番号T11の読み取りで注文情報を確定し、会計も会計札F1で行う。
【0041】
即ち、店内テーブル番号T11と会計札番号F11を紐付けた顧客による、事前注文を含む持ち帰り注文(店内持帰り注文)の場合は、会計札番号F11(さらにはテーブル番号T11)の読み取りで持ち帰りの注文情報を確定する。一方、店外から事前注文して店頭などで直接持ち帰る注文(店外持帰り注文)の場合は、事前決済処理で、持ち帰りの注文情報を確定する。
【0042】
次に、
図6(b)は、顧客が退店する時の流れを示す説明図である。同図に示すように、顧客が退店する場合は、自己の客用携帯装置100と会計札F1とを持って、POS装置20に移動する。そして、会計札F1をPOS装置20のスキャナ部25にかざし、会計札F1に貼付または印刷などされた識別コード(会計札番号F11)を読み込む。または手入力で会計札番号F11を入力しても良い。これによってPOS装置20は、会計札番号F11及びテーブル番号T11と紐付いている注文情報(精算データ)を、店内サーバ10(またはクラウドサーバ170またはハードディスク22)から呼び出し、精算処理を行う。精算処理が完了した後、前記テーブル番号T11と会計札番号F11と客用携帯装置100との紐付けを解除し、会計札F1を別の顧客用に使用可能とする。これによって、会計札F1は継続して何回でも使用することが可能になる。なおこの精算時に、持ち帰り商品がある場合は、POS装置20に、ポップアップ等で、「持ち帰り商品があります」のような報知画面を表示しても良いし、「受取完了」の入力ボタン(OKボタン)などを表示しても良い。
【0043】
また上記顧客が退店する際に、客用携帯装置100でも店内飲食分の商品がすべて配膳されたことを入力したり、会計を行う旨を宣言などすれば、より会計札F1の使用有無を管理することが徹底されるので好適である。例えば、会計宣言していない会計札F1が精算装置としてのPOS装置20のスキャナ部25にかざされたときに異常を検出できる。こちらも不正対策であり、食事中や配膳終了していない注文があれば精算時に判明する。なお、このような客用携帯装置100での配膳完了または精算宣言を行わなくても、配膳が完了しない状態で、精算処理がされた場合は、POS装置20にて「配膳が終わっていません」の報知文言や、具体的な品名、数量を表示して報知しても良い。例えば、食後のデザートの出し忘れなどを検出できる。さらに、このタイミングで持ち帰り商品を案内してもよいし、店員が操作する装置へ、持ち帰り商品の伝票番号やテーブル番号を報知することで、顧客の場所へ持ち帰り商品を手渡しするなどもできる。
【0044】
このオーダーエントリーシステム1によれば、テーブル番号T11と会計札番号F11と客用携帯装置100とを紐付けて精算を行うので、当該顧客(前客)が使用していたテーブルが精算のために空いてしまえば、たとえその精算が完了していなくても、当該空いたテーブルに次の顧客(次客)を案内できる。即ち、もしテーブル番号T11だけを客用携帯装置100に紐付けた構成にすると、物理的にテーブルが空いた状態でも、前客の精算が終了しないうちに次客が自己の客用携帯装置100とテーブル番号T11を紐付けた場合、次客の注文が前客の精算に含まれてしまうなどの不都合を生じる虞がある。また、客用携帯装置100でいわゆるモバイル決済(空中決済)を行った場合、会計札F1をPOS装置20のスキャナ部で読取ることで、サインライト等で精算終了済の客であることを出力、報知するなどしてもよい。
【0045】
従って、テーブル番号のみだと、物理的にテーブルが空いた状態でも、データ管理上、次客にテーブルを案内できない。一方、本オーダーエントリーシステム1によれば、次客に新たな会計札F1を配布するだけで、前客との識別ができるため、物理的にテーブルが空いた状態になれば、すぐに次客をテーブルに案内できる。また会計の際、顧客は会計札F1を持ってPOS装置20に向かうので、店員は会計が行われることを視覚的に容易に認識することができるという効果もある。
【0046】
ところで上記例では、事前注文可能としたが、これを止め、受付端末70で来店受付を行った時点で、客用携帯装置100から当該店舗の注文を可能にする構成としても良い。また上記例では、テーブル番号T11と会計札番号F11を入力した後に店内での注文を行う構成としたが、店内での注文(仮注文)を行った後に、テーブル番号T11と会計札番号F11を入力することで、注文を確定して店内サーバ10や厨房装置50に注文データを送信するように構成しても良い。
【0047】
以上説明したように、オーダーエントリーシステム1は、顧客情報(会員登録の際の会員番号や、携帯装置の登録情報など)とテーブル識別情報(テーブル番号など)と会計識別情報(会計札番号など)を入力する入力手段(客用携帯装置など)と、商品を入力する商品入力手段(客用携帯装置など)とを備え、さらに前記顧客情報と前記テーブル識別情報と前記会計識別情報とを紐づけることで、前記商品入力手段で入力された商品の注文を確定する注文確定手段(ステップ1-12の「Y」)を備える構成となっている。
【0048】
またオーダーエントリーシステム1は、顧客が所持する携帯装置100と、前記携帯装置100からの情報を受け付ける店内サーバ(管理装置)10とにより、注文を処理するオーダーエントリーシステム1であって、前記店内サーバ(管理装置)10は、前記携帯装置100から注文を受け付ける受付手段(ステップ2-1,2,7,8)と、前記受付手段で受け付けた注文情報を確定する確定手段(ステップ2-9)と、を備え、一方、前記携帯装置100は、タッチパネル107や撮像部113(入力手段)を備え、前記携帯装置100の撮像部(入力手段)113でテーブルT1を識別するテーブル番号(テーブル識別子)T11を入力(ステップ1-5)し、且つ会計札(会計用媒体)F1を識別する会計札番号(会計用媒体識別子)F11を入力(ステップ1-6)した場合に、前記店内サーバ(管理装置)10の受付手段(ステップ2-1,2,7,8)により受け付けた注文情報を確定(ステップ2-9)する構成となっている。なおこの例では、管理装置として店内サーバ10を用いたが、その代わりにPOS装置20やクラウドサーバ170を管理装置として用いる構成としても良い。
【0049】
〔複数の顧客がそれぞれの携帯装置を使って注文を行う場合〕
複数の顧客がそれぞれの携帯装置を使って注文を行う場合は、まず代表の顧客の1台の客用携帯装置100を代表の客用携帯装置100とする。具体的には、テーブル番号T11と会計札番号F11を読み込んだ客用携帯装置100を代表の客用携帯装置100とする。この代表の客用携帯装置100の動作は、上記
図7に示す客用携帯装置100の動作と同じである。なおこの代表の客用携帯装置100がテーブル番号T11と会計札番号F11を入力して受付完了通知を受けた後は、他の客用携帯装置100に対して、受け付けを許可する情報を有する認証情報(二次元コード)をそのタッチパネル107に表示可能としている。認証情報は、例えば代表の客用携帯装置100のタッチパネル107に表示した「グループ注文」ボタンを押下することなどによって表示されるようにする。
【0050】
代表以外の客用携帯装置100は、以下のような動作を行う。
図9は、代表以外の客用携帯装置100によって顧客が注文を行う場合の動作フロー図である。代表以外の顧客は、まず、店舗に到着する前に、または店舗の入口付近で席待ちしている際に、自己の携帯装置100を使って事前注文を行うことができる。事前注文は、店外にある客用携帯装置100を、ネットワーク160を介してクラウドサーバ170に接続することで行う。即ち、予め当該店舗のオーダーシステムに関するプログラムをダウンロードしておいた客用携帯装置100を用いて、クラウドサーバ170にアクセスし、事前予約を行うことができる。
【0051】
このとき、まだ代表の客用携帯装置100から下記する認証情報を入力していないので、ステップ3-1の「N」からステップ3-2に移行し、事前注文する場合(ステップ3-2の「Y」)は、ステップ3-3に移行して、客用携帯装置100から事前注文を行う。そしてこの客用携帯装置100からクラウドサーバ170に前記事前注文データ(注文情報)を送信する(ステップ3-4)。なお、事前注文を行わない場合は、ステップ3-3とステップ3-4はスキップする。クラウドサーバ170は、受信した上記事前注文データを予め該当店舗のPOS装置20に送信してそのハードディスク22などに記憶させておいても良い。なおこの事前注文データには、予約No.や注文No.などを付して、注文をまとめておいた方が良い。席で個別に注文するときに複数の客用携帯装置100を用いるので、上記のように事前注文データをまとめておいた方が好適である。
【0052】
次に、当該顧客が店舗に来店すると、代表者の所持する代表の客用携帯装置100のタッチパネル107に表示された認証情報を、当該顧客の客用携帯装置100の撮像部(スキャナ部)113によってスキャンし、認証情報内の情報を入力する(ステップ3-5)。認証情報内には、前記代表の客用携帯装置100に紐付いて(即ちテーブル番号T11と会計札番号F11に紐付いて)、注文を許可する情報が含まれているので、この認証情報を、店内サーバ10に送信する(ステップ3-6)。そして店内サーバ10から受付完了通知が送られてきたら(ステップ3-7の「Y」)、店内での注文が可能となり、ステップ3-8に移行する。一方、店内サーバ10から受付不可通知が送られてきたら、そのタッチパネル107に、受け付けが不可であった旨のエラー報知を行う(ステップ3-9)。エラー報知の方法としては、客用携帯装置100のタッチパネル107に「この携帯装置は利用できません」などと画面表示したり、音声案内したりする。受け付けが不可である場合とは、例えば認証情報の入力に入力エラーがあったような場合などが考えられる。
【0053】
以上説明したように、代表以外の顧客の客用携帯装置100は、代表の客用携帯装置100に表示させた認証情報を入力することを条件に、入力を行った客用携帯装置100で当該店舗のメニューから注文を行うことが可能になる。
【0054】
なお、複数の客用携帯装置100で注文する場合は、会計をまとめるか、会計を別々に個別会計するか、事前に宣言できるようにしておくことが、会計をスムーズに行うために好ましい。事前に宣言する1つの方法として、代表の客用携帯装置100の認証情報を表示してスキャンする際に、代表の客用携帯装置100またはスキャンした側の客用携帯装置100のタッチパネル107に、個別会計か一括会計かを選択する画面を表示し、何れかを選択・確認する方法などが考えられる。確認するタイミングとしては、代表の客用携帯装置100において認証情報を表示する操作のとき、もしくは他の客用携帯装置100において代表の客用携帯装置100の認証情報を読み取ったときなどが考えられる。
【0055】
個別会計を選択した場合、この実施形態では個別に異なる会計札F1を渡さず、代表以外の個別会計は各自の客用携帯装置100によって行う方法を用いているが、場合によっては、個別会計を行う顧客毎に異なる会計札F1を渡し、各会計札F1で個別会計しても良い。なお、個別に会計札F1を使用する場合は、代表又はスキャンした側の客用携帯装置100に「個別会計の場合は、別途会計札を店員から受取願います」などの案内メッセージを表示しても良い。
【0056】
次に、店内でメニューを注文する場合(ステップ3-8の「Y」)は、前記客用携帯装置100を用いて、例えば紙媒体のメニューから商品番号を手入力したり、紙媒体のメニューに表示された識別コードを撮像部113でスキャンしたりすることなどで、注文データの入力を行う(ステップ3-10)。また上述のステップ1-11の説明と同様に、当該客用携帯装置100にダウンロードした専用アプリなどによって注文データを入力しても良い。
【0057】
そして、当該客用携帯装置100のタッチパネル107に表示された例えば注文完了ボタン(確定ボタンなどでもよい)を押下することで(ステップ3-11の「Y」)、前記注文データを送信する(ステップ3-12)。送信する注文データには、店内で注文した注文データと共に、事前注文した事前注文データも含まれる。送信先は、店内サーバ10を経由して厨房装置50、又は並行して店内サーバ10と厨房装置50である。店内サーバ10では、注文データを受け付け、前記代表の客用携帯装置100と紐付けて記憶する。厨房装置50では、受信した注文データから調理指示を出力する。注文された商品の調理が完了したら、配膳指示を行う。
【0058】
次に、客用携帯装置100が、前記店内サーバ10から前記注文データの受け付けが完了したことを受信すると、そのタッチパネル107に、受付が完了した旨の表示を行う(ステップ3-13)。
【0059】
代表以外の客用携帯装置100によって注文を行う際の、店内サーバ10における動作は、上記
図8に示す店内サーバ10の動作とほぼ同じである。即ち、事前注文データをクラウドサーバ170から受け付けた場合は、これを記憶しておき、次に前記認証情報を受け付けた場合は、店内での注文データの注文入力を可能とし、記憶した事前注文データと店内で受け付けた注文データとを確定して厨房装置50とPOS装置20に送信し、注文を受け付けたことを客用携帯装置100に送信する。
【0060】
なお上記例では、認証情報を代表以外の客用携帯装置100が読み込むことで、注文可能としたが、その代わりに、代表以外の客用携帯装置100においても、代表の客用携帯装置100と同様に、テーブル番号T11と会計札番号F11を入力することで、注文を許可するように構成しても良い。但しこの場合は、最初に注文可能になった客用携帯装置(代表の客用携帯装置)100へ、注文許可のためのプッシュ通知やメールなどを送信する注文許可手段を設けておくことが好ましい。
【0061】
以上説明したように、代表の携帯装置100は、当該携帯装置100が入力したテーブル番号(テーブル識別子)T11及び会計札番号(会計用媒体識別子)F11と同じテーブルT1及び同じ会計札(会計用媒体)F1での他の携帯装置100による注文を可能とする認証情報を出力する出力手段(タッチパネル107)を備え、前記他の携帯装置は、前記認証情報を取得すること(ステップ3-5)により、前記店内サーバ(管理装置)10の受付手段への注文を可能にしている。
【0062】
〔1又は複数の顧客が携帯装置を使って精算を行う場合〕
1又は複数の顧客が、POS装置20において精算を行う場合について説明する。
図10は、POS装置20における精算の手順を示す動作フロー図である。まず、顧客が1台の携帯装置を使って注文を行った場合は、分割精算ではないので(ステップ4-1の「N」)、ステップ4-8に移行し、前述のように、直接、当該顧客が所持する会計札F1の会計札番号F11(識別コード)をPOS装置20のスキャナ部25が読み込むことで、当該会計札番号F11に紐付いている注文データを用いて、精算処理を行う。
【0063】
次に、複数の顧客がそれぞれの携帯装置を使って注文を行うが、精算は代表のみが行う場合は、例えば当該代表の客用携帯装置100又はPOS装置20に、自身が代表として全ての注文メニューの合計金額を払う旨の入力を行う。これによって、ステップ4-1の「Y」、ステップ4-2の「Y」から、ステップ4-8に移行し、上記と同様に、当該代表の顧客が所持する会計札F1の会計札番号F11(識別コード)をPOS装置20のスキャナ部25が読み込むことで、当該会計札番号F11に紐付いている注文データを用いて、精算処理を行う。
【0064】
次に、複数の顧客それぞれがそれぞれの客用携帯装置100を用いて自己が注文した注文メニューを、それぞれの客用携帯装置100を使って分割精算する場合(ここでは3人で分割精算する場合)について説明する。
【0065】
3人で分割精算する場合は、ステップ4-1の「Y」とステップ4-2の「N」からステップ4-3に移行する。そしてステップ4-3において、POS装置20のスキャナ部25に、代表以外の顧客(1人目)が、自己の所持する客用携帯装置100を操作してそのタッチパネル107に分割精算用の識別情報(二次元コードなど)を表示し、この分割精算用の識別情報をPOS装置20のスキャナ部25にかざすことで読み取る。これによって、ステップ4-3の「N」からステップ4-4に移行し、この客用携帯装置100によって注文したメニューは未精算なので、ステップ4-5に移行し、当該客用携帯装置100から注文したメニューの分割精算処理を行う。
【0066】
即ちこの分割精算は、当該客用携帯装置100のタッチパネル107に精算用識別情報を表示(出力)し、この精算用識別情報をPOS装置20のスキャナ部25が読み込むことによって行う。
【0067】
次に、ステップ4-3に移行し、代表以外の別の顧客(2人目)が、自己の所持する客用携帯装置100を操作してそのタッチパネル107に分割精算用の識別情報を表示し、この分割精算用の識別情報をPOS装置20のスキャナ部25にかざすことで読み取る。以下上記一人目の顧客の場合と同様の操作で、当該客用携帯装置100から注文したメニューの分割精算処理を行う(ステップ4-3,4,5)。
【0068】
即ちこの分割精算も、当該客用携帯装置100のタッチパネル107に精算用識別情報を表示(出力)し、この精算用識別情報をPOS装置20のスキャナ部25が読み込むことによって行う。
【0069】
最後に、ステップ4-3において、POS装置20のスキャナ部25に、代表の顧客(3人目)が、会計札F1に表示されている会計札番号(識別コード)F11をかざして読み込めば、ステップ4-3の「Y」からステップ4-6に移行し、このときは他の全て(1人目と2人目)の客用携帯装置100による分割精算が完了しているので(ステップ4-6の「Y」)、会計札F1による分割精算処理を行う(ステップ4-8)。これによって一連の分割精算が完了する。
【0070】
一方、他の全て(1人目と2人目)の客用携帯装置100による分割精算が完了していない状態で会計札F1の会計札番号(識別コード)F11をPOS装置20のスキャナ部25にかざして分割精算を行おうとした場合は、ステップ4-6からステップ4-7に移行し、分割精算不可である旨の報知を、POS装置20において行う。報知の方法としては、例えばその表示部26に「先に携帯装置による分割精算を済ませてください」のような表示を行ったり、音声案内を行ったりする。これによって、会計札F1を有する代表の顧客による分割精算を確実に最後に行わせることができる。
【0071】
以上のように、代表者の客用携帯装置100による精算処理を最後に行わせるように構成することで、会計札F1での精算が必ず最後になるので、代表以外の顧客の分割精算を失念する虞が無くなり、全ての客用携帯装置100による分割精算と会計札F1による分割精算とを間違いなく行うことができ、不正会計を誘発する虞も防止できる。
【0072】
なお、客用携帯装置100の台数に予め閾値を設定しておき、閾値を超える台数で分割精算する場合に、上記会計札F1を有する代表の顧客による分割精算を最後に行わせるように構成しても良い。例えば閾値を3人としておき、2人までは会計札F1を用いた分割精算を先に行うことを許可し、3人を超える場合は会計札F1を用いた分割精算は最後でなければならないように構成することもできる。人数が多くなると、分割精算の全てが完了したか否かを店員が判別しにくくなって、不正会計を誘発する虞があるからである。
【0073】
本発明は、会計札F1を用いたオーダーシステムなので、例えば会計札F1を大きめのサイズにしたり、落下したときに落下音が出るようにしたり、店員や他の顧客が視認可能な形態にしたりすることで、顧客が誤って未精算で退店することを防止することができる。また会計札F1に防犯用タグなどを取り付けておくことで、会計札F1を持ったまま誤って退店することを、防犯用タグを検出するアンテナなどを利用することで、防止することもできる。
【0074】
なお、会計札F1とテーブル番号T11を紐づけることで注文を確定しているが、会計札F1に換えて、客がダウロードしたアプリの識別番号を紐づければ、当該テーブルに他のアプリ識別番号が紐づいた状態であればエラーとしても良い。その場合は精算時のシンボルコードにアプリの識別番号も含んで表示すれば管理は可能である。
また、不正防止の観点から、受付端末70で会計用シンボルコードを印刷したレシートを席案内のタイミングで発行してもよい。また、会計札F1を注文確定の条件から省く場合などは、従来のように配膳用レシートに伝票番号などシンボルコード化して精算処理を行ってもよいし、店員が配膳時に手渡した該伝票番号のシンボルコードを、客用携帯装置100で読み取る事で、精算データの確定を行うなどを行うなど、システム面でのセキュリティ対策を行うこともできる。
【0075】
ところで、テーブル番号T11と会計札番号F11の組み合わせは、何れも固定の識別情報のため、同一営業日内も含めて同じ組み合わせ情報を繰り返し利用することになる。仮に、テーブル番号T11と会計札番号F11をカメラなどで撮影したものを、もう一度客用携帯装置100に入力すると、他の客のオーダーを入力してしまう虞も考えられる。
【0076】
これに対して、店内サーバ10などの注文データフォルダに、フラフ管理を行うことで、不適切な処理を防止することができる。例えば、誤ったテーブル番号T11と会計札番号F11を入力した際、既に当該組み合わせの注文データフォルダが作成されていて、注文中のフラグがあれば、前記入力をエラーにする。そして、後から入力した別の顧客に対して、「注文開始できません」などの報知や、注文確定操作の禁止などを行う。一方、先に入力した顧客に対しては、「不正なアクセスがありました」などの報知を行う機能を付加し、また厨房端末50、受付端末70、POS装置20などによって店員への報知を行う機能を付加しても良い。後に入力した顧客の方が正規の顧客の場合もあるので、上記の表示に代えて、「エラーが発生しました。店員を呼んでください。」などと案内を表示し、その上で店員への報知を行うように構成しても良い。なお、上記注文データフォルダは、精算済みになった場合は、履歴データとして取り扱う。換言すると、同じテーブル番号T11と同じ会計札番号F11の注文データに「注文中(利用中)」のものが存在すると、新たな顧客(別グループ)の客用携帯装置100からの注文を許可しない制御を行う。
会計札F1に換えた上記アプリの識別番号でも、テーブル番号T11のみで管理する場合とは異なり、過去に利用したテーブル番号T11での注文、他の客に注文していない商品を配膳するなどの不正やロスも防止できる。
【0077】
複数(同一グループ)の客用携帯装置100で注文する場合、代表以外の客用携帯装置100は、代表の客用携帯装置100から認証を受けることで、注文を行うことができ、問題は発生しない。一方、前記同一グループ以外の他の顧客の客用携帯装置100から注文が行われた場合は、エラーとなる。即ち、代表の客用携帯装置100からの注文が可能になった後、当該客用携帯装置100から認証を受けることで、同一グループの他の顧客の客用携帯装置100からの注文を可能にする構成は、テーブル番号T11と会計札番号F11を用いて代表の客用携帯装置100からの注文を可能にする上記オーダーエントリーシステム1に限らず、他の各種注文受付システムでも同様に用いることができる。例えば、空中決済方式でテーブル番号と位置情報(GPS)、ビーコン、店内WIFIへのログインなどの仕組みでも有効に利用できる。
【0078】
ところで、上記代表の客用携帯装置100に表示する認証情報には、当該注文データ(フォルダ)にアクセスできるコードを動的に付与すればよい。動的に付与された認証情報が客用携帯装置100のアプリケーション側で記憶しておけば、会計開始ボタンで他の携帯装置のみに精算用シンボルコードを表示させるなどして、個別に会計できるようにする。ここでの認証情報は、動的にユニークなものを作成すれば不正はできない。
【0079】
以上説明したように、各々の携帯装置100から注文したそれぞれの注文データを分割精算する場合、会計札番号(会計用媒体識別子)F11を入力した代表の携帯装置100による注文データを、会計札(会計用媒体)F1と紐付け、一方代表以外の携帯装置100は、それぞれの注文データを精算するための精算用識別情報を出力(表示)することとしている。
【0080】
また分割精算を行う場合、前記他の携帯装置100による精算処理が完了していないときは、前記会計札(会計用媒体)F1と紐付けた代表の携帯装置100による精算処理を禁止することとしている。
【0081】
〔顧客が携帯装置を使わないで注文を行う場合〕
顧客が携帯装置を使用する注文方法については、既に説明したが、必ずしもすべての顧客が携帯装置による注文を行うことができない場合を説明する。
【0082】
店舗からの貸出用の携帯装置を使用する場合には、顧客情報に代えて店員の店員識別コードと、会計識別情報(会計札)とテーブル番号の入力により注文を確定する様にしてもよい。貸出用の携帯装置を顧客に貸し出す場合には、さらに、店員識別コードと携帯装置の号機番号等を紐づけるなどしてもよい。このようにすることで、席待ちのときには、テーブル番号が未入力でも事前に注文できるので顧客にとっても非常に便利である。また、店舗の待合室にいることを管理できるので、調理指示を厨房端末へ送信しても良い。厨房端末は、その時点で調理開始してもよい。また、席待ちの予想時間を鑑みて、待ち時間の残り時間に応じて調理指示を送信してもよい。こうすることで、顧客は席に案内されると、すぐに注文した料理が配膳される。
【0083】
また、各テーブルにセルフオーダー端末がある場合、顧客はセルフオーダー端末に、
図12(a)に示すような会計札F1´の識別情報(会計識別情報)F11´を入力する。セルフオーダー端末にスキャナを備えてあれば、スキャナで会計札F1´のシンボルコード(バーコード、二次元コードなど)からなる識別情報F11´の読み取りをしてもよい。会計札F1´にバーコード可読文字F111´が印字してあれば、その可読文字、または会計札F1´に表記された番号をテンキーで入力をしてもよい。なお、注文開始の条件としては、店員から座席案内時に発行される
図12(b)に示すような座席案内用レシートP1に、毎回所定のルールで、入力するための文字列P11を生成し発行しても良い。そうすることで、携帯装置を持参しない顧客の場合でもセルフオーダーの注文を行うことができる。尚、セルフオーダー端末の場合は、事前にテーブル番号が紐づいている場合は、テーブル番号入力を省略しても良い。
【0084】
また、テーブルにセルフオーダー端末がない、貸出用携帯装置がない場合、店員が店員用携帯装置130(オーダー端末)で直接注文を取っても良い。この場合は、会計札を識別可能な情報と、店員用携帯装置130(オーダー端末)にログインしているログイン情報(店員コードなど店員を識別可能な情報、仮に店員が持参した携帯装置で店員用携帯装置130(オーダー端末)のアプリを起動している場合などは、該携帯装置を識別できる情報であれば良い)の入力を条件に注文開始としても良い。テーブル番号の入力は、テーブル添付のシンボルコード(バーコード、二次元コードなど)をスキャン入力しても良いし、店員がテーブル番号を入力しても良い。そうすることで、店員の操作ミスも回避できる。なお、店員用携帯装置130は店員操作が原則であるから、会計札F11は注文入力の必須条件でなくてもよい。つまり、最終配膳がおわって顧客に追加注文の有無など確認した後に、会計札F11を紐づければ良い。
【0085】
さらに、座席案内時に、受付端末で案内するテーブルと会計札とを紐づける設定を行えば、さらに不正や操作ミスが防止できる。座席案内時に受付端末(座席案内端末)のスキャナに会計札のシンボルコード(バーコード、二次元コードなど)をスキャンしても良いし、受付端末の画面から会計札を指定しても良い。会計札に代えて座席案内カードや上記座席案内用レシートP1などの会計用の媒体として発行し、発行するタイミングでテーブル番号と紐づけ設定するようにしても良い。なお、配膳用レシートや精算用レシートを利用して精算処理を行ってもよい。精算用レシートは、すべての商品を配膳した場合に、別途、発行してもよい。
【0086】
次に、本発明を適用した場合の前記受付端末70における受付動作の一例を説明する。
図13は、受付端末70において来店受付を行う場合の表示画面の変遷例を示す図である。受付端末70の前に顧客が到着すると、受付端末70の表示画面には、
図13(a)に示す初期画面G1-1が表示される。当該初期画面G1-1には、受付ボタンG11と、予約済みボタンG13が表示される。受付ボタンG11を押下した場合は、その場で受付番号が付与される。そしてボタンG11を押下すると
図13(c)に示す席予約画面G1-3が表示される。次に、席予約画面1-3中の席条件選択ボタンG19や人数入力ボタンG21によってこれらの条件(人数、席の種類(カウンター・テーブル)、禁煙・喫煙など)を入力した後、決定ボタンG23を押下すれば、図示しない座席案内レシートや呼出用レシートが発行される。後は、呼び出しを受けるまで待機する。また、G13が押下されると、
図13(b)のチェックイン画面G1-2が表示される。次に、チェックイン画面G1-2中の予約番号入力欄G15に予約番号を入力し、決定ボタンG17を押下すると、予約済の顧客が店舗に到着した状態(チェックイン)となる。また、顧客の携帯装置のアプリ画面に予約番号のシンボルコードを表示し、受付端末に備えたスキャナで読み取るなどしてもよい。予約番号の手入力の場合は、呼出レシートを発行し、顧客の携帯装置の予約番号を引き続き、席を案内するときの顧客の照合に利用しても良い。
尚、客用携帯装置100による座席予約操作は、
図13(c)に、来店日時や来店店舗を指定する画面が追加されており、操作画面での条件指定方法はほぼ同じである。
【0087】
図14は、客用携帯装置100を用いて、商品の予約注文を行う場合のタッチパネル107の変遷例を示す図である。
図14(a)はTOP画面である。ホームボタン、クーポンボタン、オーダー(メニュー)ボタン、や図示はしていないが、マイメニューなどを設けることで、購入履歴からの注文や、お気に入りからの注文を可能にしてもよい。客用携帯装置100を用いて予約注文を行う場合は、例えば
図14(a)に示す初期画面G2-1中のメニューを見るボタンG25を押下し、
図14(b)に示す商品選択画面G2-2を表示する。そして商品選択画面G2-2中に表示された商品の内の1又は複数の商品を選択する。商品の選択が終了して、当該商品選択画面G2-2中の注文確認ボタンG27を押下すると、
図14(c)に示す注文確認画面G2-3が表示される。そして注文内容を確認した後、図示しない決定ボタンを押下すると、
図14(d)に示す注文内容画面G2-4が表示される。注文内容画面G2-4には、注文番号G29が表示されるので、店舗に到着して事前注文データを送信する際(例えば
図7に示すステップ1-3,4)に使用する。
なお、
図14(c)は、精算処理を行うために注文一覧の確認、持ち帰りか店内利用か、持ち帰りの場合は、事前決済か店舗決済か、来店時刻や来店店舗などを選択する。また、来店時間から逆算して注文キャンセルを禁止するように制御してもよい。
図14(d)の注文番号G29は確認のために登録済のメールアドレスなどに通知されてもよい。さらに、店内では、商品注文履歴や合計金額などの表示が適時更新されるので、客はいつでも現在の注文状況を把握することができる。また、客用携帯装置100のアプリ内に店員呼出の機能を備えてもよい。
【0088】
図15は、本オーダーエントリーシステム1で発行される各種レシートの具体例を示す図であり、
図15(a)は精算終了後に例えばPOS装置20のレシート印字部28から発行される会計レシートR1の一例を示しており、
図15(b)は厨房装置50の印刷部から発行される配膳レシートR2-1,R2-2の一例を示しており、
図15(c)は厨房装置50の印刷部から発行される調理指示チケットR3-1,R3-2の一例を示している。
会計レシートR1には、取引内容が印字されている。本事例の運用では、客が注文した商品と店員が注文した商品が区別可能なので、入力区分を印字するようにしてもよい。また、客用携帯装置100での携帯アプリの利用推進のために、アプリダウンロード用の二次元コードを印字してもよい。アプリ入会クーポンや、客用携帯装置100で注文した商品を割引、値引(アプリ会員セルフ注文価格)などを適用すると利用推進に好適である。この場合は、精算用レシートに支払金額の金額など印字することもできる。配膳レシートR2-1、R2-2は、注文された商品の配膳用レシートである。会計用伝票(会計札F1の代替レシート)として使用してもよい。ここでは担当に注文入力者を印字しているが、テーブル担当者などがいる業態では、テーブル担当者を印字してもよい。調理指示チケットR3-1,R3-2は、厨房装置50内蔵プリンタやキッチンプリンタから発行されるものである。
【0089】
次は、本オーダーエントリーシステム1においてのオーダーエントリーの形態について説明する。
図16は、形態A~Fによる本オーダーエントリーシステム1の各使用態様を示す図である。同図において、形態A,B,C,D,Fの顧客は本オーダーエントリーシステム1に関する携帯アプリをダウンロードした客用携帯装置100を携帯しており、形態Eの顧客は当該客用携帯装置100を携帯していないものとする。換言すると、顧客が携帯装置を所持する場合と、所持しない場合についての店外から店内へ移動する過程でのオーダーエントリー操作においての例示である。形態Aの場合は、客は携帯装置を操作して、座席予約と事前注文を行う。携帯装置は、携帯アプリをダウンロードしているので、該携帯装置で操作した内容については、会員情報が含まれる。事前注文及び座席予約を実行した客の会員情報は関連付けてデータ化される。
形態Bは、形態Aの操作から事前注文を行わない形態である。形態Cは形態Aの操作から座席予約を行わない形態である。さらに、形態Dは、携帯装置に携帯アプリのダウンロードをした状態で入店する形態である。尚、形態Dの場合は、店内(待合室)で携帯アプリをダウンロードしておけばよい。その結果、形態Aから形態Dにおいては、店内のテーブルへ着席する前に事前注文を行うことができる。
【0090】
〔形態A〕
顧客は、店舗外において、客用携帯装置100を用いて、顧客の識別(顧客情報)と事前注文と座席予約を入力する。次に、店内の待合室において、会計札(会計識別情報)を受け取って入力する。このとき客用携帯装置100を用いて追加注文と調理指示を受付けても良い。そして店舗内のテーブルにおいて、テーブル識別情報を入力して座席識別を行い、配膳先を確定する。このとき、調理指示を受付けても良い。また、席待ちが発生した場合は、待合室で追加注文や変更、削除などを行ってもよい。なお、事前注文を調理予定指示は、チェックインまでは仮確定として管理してもよい
【0091】
〔形態B〕
顧客は、店外において、客用携帯装置100を用いて、顧客の識別(顧客情報)と座席予約を入力する。座席予約を行っているので、受付端末にチェックイン処理を行う。店内の待合室において行う事前注文を行っても良い、この事前注文が最初の注文となる。席待ちがない場合は、テーブルにおいてテーブル識別情報を、客用携帯装置100で読取り、商品を注文する。この場合、客は客用携帯装置100で商品を注文してもよいし、店員へ注文を行ってもよい。その場合は、店員は、店員用の携帯装置で注文を受け付ける。
【0092】
〔形態C〕
顧客は、店外において、客用携帯装置100を用いて、顧客の識別(顧客情報)と事前注文を入力する。入店後、座席予約を行っていないので、受付端末で、所望の座席条件を指定する。指定方法は前述の通りである。テーブルに移動し、テーブル識別情報を読み取る事で、注文確定となる。
【0093】
〔形態D〕
顧客は、直接店舗(待合室)に来店し、客用携帯装置100を用いて、顧客の識別(顧客情報)と所望の座席条件の指定を行う。事前注文してもよいし、テーブルで客自身が注文してもよいし、店員に注文をしてもよい。この場合、会計識別情報やテーブル識別情報の入力は、例えばテーブルに移動した際に客用携帯装置100を用いて行う。尚、調理開始のタイミングは厨房端末にて調理担当が確定してもよいし、商品毎の調理リードタイムが管理されているのであれば、該リードタイム(調理時間)に応じて、自動で調理指示を開始してもよい。
【0094】
〔形態E〕
形態Eは、非会員、つまり一般客である。また会員でも携帯装置を使用しない場合などである。顧客は、直接店舗(待合室)に来店し、座席の選択と会計札(会計識別情報)の受け取りを行う。そして店内のテーブルにおいて、店員用携帯装置130を用いて、店員によるオーダーエントリーを行う。この場合は、例えば、店員用携帯装置130によって、店員の識別(店員識別情報)と座席識別(テーブル識別情報)が完了していれば注文入力を可能とする。注文入力を行い確定後に調理指示などを行なう。なお前記会計札(会計識別情報)の入力は、店員用携帯装置の場合は必須でなくてもよく、会計までに前記会計札(会計識別情報)を入力すれば良い。なお、会計札に代えて会計用伝票などで会計処理を行う場合は、会計札がなくてもよい。
【0095】
〔形態F〕
形態Fは、テーブルについた後に、客用携帯装置100で商品を注文する場合である。顧客は、直接店舗に来店して会計札を受け取った後、店内のテーブルに着く。そして、客用携帯装置100を用いて、顧客の識別(顧客情報)と座席識別(テーブル識別情報)と会計札(会計識別情報)と注文と調理指示を入力する。なお、客はテーブルで携帯アプリをダウンロードして、商品の注文を行ってもよい。
【0096】
図17(a)は、座席管理モニタ画面G3の一例を示す図である。座席管理モニタ画面G3は、例えば受付端末70またはPOS装置20または厨房装置50などの表示部に表示される。同図に示すように、座席管理モニタ画面G3には、店内のテーブルの配置状態が表示される。同図において、テーブル番号「0001」のテーブルには、携帯による注文を行っていることを示す携帯マークG31が表示されている。またこのテーブル番号「0001」のテーブルに表示された「1/4」は、注文した商品4つの内、1つがまだ配膳されていないことを示している。またテーブル番号「0002」のテーブルは、携帯によらない注文を行っている。またこのテーブル番号「0002」のテーブルに表示された「配膳済」は、注文された全ての商品が配膳済みであることを示している。また、店員携帯装置130で操作する場合でも、テーブルまとめ操作、例えば、複数のテーブルを指定して、予約番号や案内番号と関連づける入力を行うことができる。テーブル番号「0007」と「0008」のテーブルは、「●」が表示と、点線の囲みでまとめることで、1つのグループが両テーブルを使用していることを示している。これらのテーブルは、顧客用携帯装置による注文が行われており、また注文した商品8つの内、全ての商品がまだ配膳されていないことを示している。
また、店員が顧客をテーブルに案内する場合は、予約番号や案内番号と、座席番号を関連付けることで、座席管理データが生成される。テーブル毎に必要な情報を更新し表示する。なお、例示では店舗内レイアウトを表示しているが、一覧表などリスト画面でもよい。各テーブルの状態、空き状態、利用中(配膳状態)、片付け中の態様を変えて表示してもよい。主になるテーブル番号は、昇順降順、または指定などで決定すればよい。座席管理モニタを更新するタイミングはタイマーや所定のキー操作があった場合などである。
【0097】
さらに上記座席管理モニタ画面G3中の例えばテーブル番号「0001」のテーブル部分を押下すると、
図17(b)に示すようなテーブル番号「0001」のテーブル詳細情報画面G3aが表示される。この例の場合、テーブル番号「0001」のテーブルの顧客は、客用携帯装置100の顧客情報(会員番号)と、客数と、客層と、配膳済みの商品の数と、未配膳の商品の数とが表示されている。また座席管理モニタ画面G3中の例えばテーブル番号「0002」のテーブル部分を押下すると、
図17(c)に示すようなテーブル番号「0002」のテーブル詳細情報画面G3bが表示される。テーブル番号「0002」のテーブルの顧客は、客用携帯装置100を用いず、店員による注文受付を行っており、また客数と、客層と、配膳済みの商品の数と、未配膳の商品の数とが表示されている。
【0098】
今回、特徴的な表示は、客用携帯装置100と店員用携帯装置130で注文を受け付けたかについても、態様を変えるなど、アイコンを表示して区別できるようになっている。例えば、客用携帯装置100の利用テーブルが多い場合は、店員はホール対応以外の業務に配置するなど、店内状況に応じた人員配置、配置指示ができる。また、テーブルの詳細情報は、テーブル番号を指定することで、詳細画面に遷移する様にしてもよい。タッチパネルの場合は、画面からタッチ選択してもよい。詳細画面は、
図17(b)(c)であり、
図17(b)は、客用携帯装置100の利用者であることが分かる。客数、客層、配膳状態、などが分かるようになってる。FOは初回注文の時間であり、AOは追加注文の時間である。配膳状態の態様を変えて表示してもよい。
図17(c)は、店員用携帯装置130での注文をしたテーブルであり、SEは、配膳終了時間である。
【0099】
なお、座席管理モニタでテーブル状況を、当該テーブルの客の会計札F1や会計用伝票のシンボルコードをPOS装置で読み取った段階や、精算処理が終わったタイミングなどの情報を受信することにより、利用中から準備中に更新してもよい。または、客が客用携帯装置100で、会計処理を宣言した段階でもよい。そうすることで、店員は、スムーズにテーブルの片づけを行うことができる。片付け終了後は、店員用携帯装置130などから片付け完了通知を行う事で、さらに、準備中から空き状態に更新してもよい。確実にテーブル状況の更新ができるので格段の効果がある。
【0100】
顧客は、精算処理を行う場合は、客用携帯装置100で会計指示を行っても良い。その操作により、未配膳の商品がある場合は、席を立つ前に把握できる。この会計指示操作を行わない場合は、POS装置20側で警告・報知を行っても良い。店員用携帯装置130での注文の場合は、特に操作は不要であり、店員用携帯装置130で会計までに取引データと会計札を紐づけておく、もしくは会計用伝票を持ってPOS装置20に移動する。
【0101】
精算をセルフPOS装置によって行う場合(POS装置20がセルフPOS装置の場合)は、例えばセルフPOS装置20の表示部26に
図18(a)に示すような会計情報読込指示画面G4-1を表示する。会計情報読込指示画面G4-1には、会計札F1の会計識別番号F11をセルフPOS装置20のスキャナ部25に読み取らせるような指示が表示されているので、顧客はその指示に従って、会計識別番号F11を読み取らせる。これによって、精算を行うための各種指示画面(図示しないものも含む)が表示されて行き、それぞれの画面の指示に従って精算処理を進めていく。
【0102】
デジタルクーポンがある場合は、先にクーポン利用宣言を行うことで注文データに反映することはできるが、会員登録をしていない顧客に対しては、
図18(b)に示すようなクーポン読込指示画面G4-2を表示し、クーポン券(携帯クーポンを画面に表示するタイプのものや紙媒体のもの)のシンボルコードをスキャナ部25で読み取らせることでクーポンを反映できる。次に
図18(c)に示すような決済方法選択画面G4-3を表示し、当該画面G4-3を用いて決済方法を選択する。最後に
図18(d)に示すような決済方法指示画面G4-4を表示し、当該画面4-4の指示に従って決済を行うことで、精算が完了する。
【0103】
ところで、会員登録をしていない顧客は、上述のように、非現金決済か現金決済かを選択して精算処理を行う。一方、会員登録をしている顧客(会員)は、事前に決済している場合(持ち帰り)や事前に登録した非現金決済方法がある場合は、空中決済を行うこともできる。その場合は、別途非現金決済を客用携帯装置100で実行した結果を客用携帯装置100のタッチパネル107にシンボルコードとして表示して、セルフPOS装置20のスキャナ部25で読み取らせたり、NFCなどを用いたりして、決済完了していることを入力する。あるいは会計識別番号F11を読み取らせることで、一連の操作を終了できる。会計札F1のチェックは、顧客に代わって店員がスキャナ部25で読み取ることで行っても良い。セルフPOS装置20は、精算完了の旨を、サインライトやデータ出力によって店員に報知することができる。
【0104】
本オーダーエントリーシステムは、顧客が所持する携帯装置と、前記携帯装置からの情報を受け付ける管理装置とにより、注文を処理するオーダーエントリーシステムであって、前記管理装置は、前記携帯装置から注文を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた注文情報を確定する確定手段と、を備え、一方、前記携帯装置は、入力手段を備え、前記携帯装置の入力手段でテーブルを識別するテーブル識別子を入力し、且つ会計用媒体を識別する会計用媒体識別子を入力したことを条件に、前記管理装置の受付手段により受け付けた注文情報を確定することを特徴としている。
本オーダーエントリーシステムによれば、テーブル識別子(テーブル番号など)と会計用媒体識別子(会計札など)の入力を条件として、注文情報を確定するので、同じテーブルを使用する前後の客の注文と区別することが可能になる。これによって例えば、物理的に、テーブルが空いても、前客の精算が終了しない限り、次客を当該テーブルに案内できないという問題を解決することができ、注文受付の効率化を図ることができる。
【0105】
また本オーダーエントリーシステムは、上記特徴に加え、前記携帯装置は、当該携帯装置が入力したテーブル識別子及び会計用媒体識別子と同じテーブル及び同じ会計用媒体での他の携帯装置による注文を可能とする認証情報を出力する出力手段を備え、前記他の携帯装置は、前記認証情報を取得することにより、前記管理装置の受付手段への注文を可能にすることを特徴としている。
これによって、複数の携帯装置による注文が可能になる。各携帯装置による注文のタイミングは、必ずしも代表者がテーブル番号(テーブル識別子)と会計札番号(会計用媒体識別子)を自身の携帯装置に入力した後でなくても良く、例えば予め各携帯装置から事前注文(仮注文)を行っておき、代表者がテーブル番号と会計札番号を自身の携帯装置に入力した際に、事前注文を確定するようにしても良い。
即ち例えば複数の携帯装置で注文する場合、1グループが席待ち時に、それぞれの携帯装置で事前注文しておき、テーブルに着いた時点で代表者がテーブル番号と会計札番号を自身の携帯装置に入力し、さらに認証情報を他の携帯装置に取得させたときに、全ての事前注文を確定し、調理指示するようにしても良い。
また例えば、事前に認証情報を代表者が出力してこれを他の携帯装置が取得し、その後それぞれの携帯装置で事前注文を行っておき、席に着いたときにテーブル番号と会計札番号を自身の携帯装置に入力することにより、全ての事前注文を確定し、調理指示するようにすることもできる。
事前注文は、厨房端末などでも確定注文とは区別して管理すれば、なお効率的にすることが可能になる。
【0106】
また本オーダーエントリーシステムは、前記管理装置が、前記テーブル識別子と前記会計用媒体識別子が既に受け付けられ、且つ、当該テーブル識別子に当該会計用媒体識別子、または他の会計用媒体識別子の入力があった場合、他の装置に当該状況を通知する通知手段を備えることを特徴としている。
これによって、テーブル識別子と会計用媒体識別子が既に受け付けられている場合に、同一のテーブル識別子に対して、同一または異なる会計用媒体識別子が入力されたことを容易に把握することが可能となる。
【0107】
また本オーダーエントリーシステムは、顧客が所持する携帯装置と、前記携帯装置からの情報を受け付ける管理装置とにより、注文を処理するオーダーエントリーシステムによるオーダー方法であって、前記管理装置が、前記携帯装置から注文を受け付ける受付工程と、前記受付工程で受け付けた注文情報を確定する確定工程と、を備え、一方、前記携帯装置が、入力工程を備え、前記携帯装置の入力工程でテーブルを識別するテーブル識別子を入力し、且つ会計用媒体を識別する会計用媒体識別子を入力したことを条件に、前記管理装置の受付工程により受け付けた注文情報を確定させることを特徴としている。
【0108】
また本オーダーエントリーシステムは、上記特徴に加え、各々の携帯装置から注文したそれぞれの注文データを分割精算する場合、前記会計用媒体識別子を入力した携帯装置による注文データを、前記会計用媒体と紐付け、一方他の携帯装置は、それぞれの注文データを精算するための精算用識別情報を出力することを特徴としている。
これによって個別会計をスムーズに行うことができる。
また会計札番号(会計用媒体識別子)を入力した携帯装置(代表者の携帯装置)による注文データを会計用媒体(会計札)と紐付けることで、代表者は必ず会計札で会計せざるを得ないようにでき、これによって会計札を店舗に回収することができるようになる。
【0109】
また本オーダーエントリーシステムは、上記特徴に加え、前記分割精算を行う場合、前記他の携帯装置による精算処理が完了していないときは、前記会計用媒体と紐付けた携帯装置による精算処理を禁止することを特徴としている。
代表者の携帯装置による精算処理を最後に行わせることで、全ての携帯装置による精算を間違いなく行わせることができる。
【0110】
このように、テーブル番号と会計札番号を利用して注文を管理することで、店員は注文を行なう工数を削減できる。また、券売機でも店舗の省人化は可能であるが、追加注文時に客が移動する手間などを考えると、それらの装置、システムよりも効果が得られるという特徴を有している。また、会計札番号は来店時に読み取るものなので位置情報の取得の代替情報としても効果がある。
【0111】
また本オーダーエントリーシステムは、顧客情報とテーブル識別情報と会計識別情報を入力する入力手段と、商品を入力する商品入力手段とを備え、さらに前記顧客情報と前記テーブル識別情報と前記会計識別情報とを紐づけることで、前記商品入力手段で入力された商品の注文を確定する注文確定手段を備えることを特徴としている。
顧客情報とテーブル識別情報(テーブル番号など)と会計識別情報(会計札など)の入力を条件として、商品の注文を確定するので、同じテーブルを使用する前後の客の注文と区別することが可能になる。これによって例えば、物理的に、テーブルが空いても、前客の精算が終了しない限り、次客を当該テーブルに案内できないという問題を解決することができ、注文受付の効率化を図ることができる。前記入力手段は、携帯装置であることが好ましい。
【0112】
また本オーダーエントリーシステムは、上記特徴に加え、前記携帯装置を店員が所持する場合、前記顧客情報に代えて店員識別情報を紐づけることで、前記注文確定手段を実行することを特徴としている。
すなわち、会員ではない一般客の場合は、顧客情報はないので、店員の携帯する携帯装置で注文を行う。
【0113】
また本オーダーエントリーシステムは、上記特徴に加え、前記テーブル識別情報と、会計識別情報を事前に紐づける端末を備えることを特徴としている。
例えば座席案内時に、端末(受付端末など)において、テーブル識別情報(テーブル番号など)と、会計識別情報(会計札など)を紐付けしておけば、誤って他のテーブルに行った様な場合でも、例えばその間違いを顧客及び店員に報知することで、これに容易に気付くことができる。また不正防止にもなる。
【0114】
また本オーダー方法は、顧客情報とテーブル識別情報と会計識別情報を入力する入力工程と、商品を入力する商品入力工程と、を有し、さらに前記顧客情報と前記テーブル識別情報と前記会計識別情報とを紐づけることで、前記商品入力手段で入力された商品の注文を確定する注文確定工程、を備えることを特徴としている。
【0115】
そして本発明に係るオーダーエントリーシステムは、会員識別情報または店員識別情報から注文装置(客用携帯装置100や店員用携帯装置130など)を特定する特定手段と、テーブル識別情報(テーブル番号T11など)を入力する入力手段(ステップ2-3)と、購入する商品を登録する登録手段(ステップ2-2,2-8)と、を備え、前記会員識別情報または前記店員識別情報と前記テーブル識別情報を記憶手段に格納することで、前記登録手段で登録された商品の注文を確定する注文確定手段(ステップ2-9)を備えることを特徴としている。
会員識別情報または店員識別情報とテーブル識別情報(テーブル番号など)の格納を条件として、商品の注文を確定するので、同じテーブルを使用する前後の客の注文と区別することが可能になる。これによって例えば、物理的に、テーブルが空いても、前客の精算が終了しない限り、次客を当該テーブルに案内できないという問題を解決することができ、注文受付の効率化を図ることができる。
【0116】
また本発明は、上記特徴に加え、前記特定手段で特定した識別情報が、前記会員と、前記店員の場合に応じて、前記注文確定手段で確定した注文を判別できることを特徴としている。
これによって、注文が何れの注文装置から行われたかを認識できる。
【0117】
また本発明は、上記特徴に加え、前記特定手段で特定した識別情報が、前記会員と、前記店員との場合に応じて、前記注文の印字態様を変えて印字する印字手段を備えることを特徴としている。
これによって、例えば
図15の「担当、担当者」に示すように、注文が何れの注文装置から行われたかを認識できる。
【0118】
また本発明は、上記特徴に加え、座席管理手段を備え、前記テーブル識別情報と、特定手段で特定した注文装置に応じて、該テーブル識別情報から特定できるテーブル情報を判別可能に出力する出力手段を備えることを特徴としている。
テーブル情報とは、例えば、
図17(a),(b),(c)に示されているような、テーブル識別情報毎の、特定手段で特定された注文装置(客用携帯装置100や店員用携帯装置130)に応じた、客数や配膳の状態などの各種情報をいう。これによって、各テーブル情報の内容を容易に認識することが可能になる。
【0119】
また本発明は、上記特徴に加え、会計用媒体の識別情報を読み取る読取手段(撮像部113,143など)をさらに備え、前記注文確定手段は、前記特定手段が会員識別情報から前記注文装置を特定した場合、前記会計用媒体の識別情報と、前記会員識別情報と、前記テーブル識別情報を前記記憶手段に格納することで注文を確定し、前記特定手段が店員識別情報から前記注文装置を特定した場合、前記店員識別情報と、前記テーブル識別情報を前記記憶手段に格納することで注文を確定することを特徴としている。
例えば、注文装置として店員用携帯装置を用いる場合は、店員の識別(店員識別情報)と座席識別(テーブル識別情報)の入力が完了していれば注文入力が可能になる。一方、注文装置として会員用携帯装置を用いる場合は、店員の識別(店員識別情報)と座席識別(テーブル識別情報)と会計札(会計識別情報)の入力が完了していれば注文入力が可能になる。
【0120】
また本発明に係るオーダー方法は、会員識別情報または店員識別情報を取得する工程と、テーブル識別情報を入力する工程と、購入する商品を登録する工程と、を備え、前記会員識別情報または前記店員識別情報と前記テーブル識別情報を記憶手段に格納することで、前記商品登録の工程で登録された商品の注文を確定する注文確定工程を備えることを特徴としている。
【0121】
上記実施形態に係るオーダーエントリーシステム1(店内サーバ10、POS装置20、厨房装置50、受付端末70、客用携帯装置(店内)100、店員用携帯装置130、客用携帯装置(店外)100、クラウドサーバ170)で実行されるプログラムは、ROMやハードディスク等に予め組み込まれて提供されるものとしているが、これに限られず、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のオーダーエントリーシステム1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のオーダーエントリーシステム1で実行されるプログラムを、ネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0122】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0123】
1 オーダーエントリーシステム10 店内サーバ(管理装置、ストアコントローラ)
11 CPU 12 ROM
13 RAM 14 表示部
15 ハードディスク 16 操作部
17 通信部 18 通信回線
20 POS装置 21 CPU
22 ハードディスク 23 ROM
24 RAM 25 スキャナ部
26 表示部 28 レシート印字部
29 ドロワ部 30 通信部
31 操作部 32 通信回線
50 厨房装置 70 受付端末
80 アクセスポイント 100 客用携帯装置
130 店員用携帯装置 101(131) CPU
103(133) ROM 105(135) RAM
107(137) タッチパネル(表示部兼操作部)
109(139) 通信部 111(141) 操作ボタン部
113(143) 撮像部 115(145) 通信回線
160 ネットワーク 170 クラウドサーバ
190 LAN 200 メニューファイル
T1 テーブル T11 テーブル番号(テーブル識別子、テーブル識別情報)
F1,F1´ 会計札(会計用媒体)
F11,F11´ 会計札番号(会計用媒体識別子、会計識別情報)
P1 座席案内用レシート P11 文字列