(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2020143354
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】茨田 悦臣
(72)【発明者】
【氏名】安藤 繁光
(72)【発明者】
【氏名】中山 博夫
(72)【発明者】
【氏名】水野 博康
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 友和
(72)【発明者】
【氏名】久保 慶太
(72)【発明者】
【氏名】神谷 美里
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-094112(JP,A)
【文献】特開2022-037347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する第一流下域と第二流下域とを備えた遊技領域と、
前記遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段と、
始動口に遊技球が入球したことに基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記始動口は前記第一流下域を流下する遊技球が入球可能な第一始動口と、前記第二流下域を流下する遊技球が入球可能な第二始動口とが設けられ、
図柄の変動を所定の変動時間に亘って実行した後、前記当否判定の判定結果を確定表示する図柄表示手段と、
前記当否判定の判定結果が大当りになることに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
所定条件の下、前記当否判定の判定結果が大当りとなることなく実行される当否判定の回数を計数する計数手段と、を具備し、
前記始動口として、遊技球の入球可能性が変化可能な可変式の前記第二始動口を備え、
通常状態よりも前記可変式の前記第二始動口への入球可能性を向上させる入球可能性向上制御と、該通常状態よりも前記変動時間を短縮化する変動短縮制御との少なくとも一方を制御態様に含む時短制御が行われることで、前記当否判定の実行頻度が高められた時短状態に、遊技状態を移行させる時短状態移行手段と、
を備える遊技機であって、
前記時短状態として、
所定の移行条件が成立することに基づいて移行する第1時短状態と、
前記計数手段が計数する計数値が、所定回数を示す値に到達することに基づいて前記移行条件が成立することなく移行する第2時短状態と、
所定の打ち方演出条件の成立に基づいて、前記第一流下域を狙った遊技球の発射または前記第二流下域を狙った遊技球の発射を促す打ち方演出を実行する打ち方演出手段と、
を備え、
前記通常状態で前記計数値が前記所定回数を示す値に到達することに基づいて第1演出を実行し、前記第1時短状態で前記計数値が前記所定回数を示す値に到達することに基づいて、該第1演出とは異なる第2演出を実行し、
前記時短状態の開始時
及び前記時短状態中
の前記打ち方演出と前記時短状態終了時の前記打ち方演出
ではそれぞれ異なる前記打ち方演出であり、
尚且つ、前記第1時短状態の前記時短状態の開始時の前記打ち方演出及び前記時短状態中の前記打ち方演出と前記第2時短状態の前記時短状態の開始時の前記打ち方演出及び前記時短状態中の前記打ち方演出とでは異なる前記打ち方演出であり、前記第1時短状態の前記時短状態終了時の前記打ち方演出と前記第2時短状態の前記時短状態終了時の前記打ち方演出も異なる前記打ち方演出を実行し、
前記第1時短状態と前記第2時短状態は、前記時短制御の態様が等しいことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に「時短状態」に移行可能な弾球遊技機(パチンコ機)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例を示す弾球遊技機(パチンコ機)は、「閉鎖状態から開放状態に変化可能な開閉式の始動口」を含む1以上の始動口と、大入賞口とを遊技領域に備え、遊技球が始動口に入球することに基づいて当否判定(特別図柄に関する当否判定)を実行する。そして、この当否判定の判定結果が大当りになることに基づいて、大入賞口を開放させる大当り遊技を実行する。
この種の遊技機として、所定の移行条件が成立すると、開閉式の始動口の開放時間を延長する開放延長制御等を行うことにより、当否判定の実行頻度が高められた時短状態に移行可能なものが従来から知られている(特許文献1を参照)。
また、通常、遊技機では当否判定の判定結果を報知するための手段として、当否判定の判定結果を、図柄(特別図柄)の変動表示を所定時間に亘って実行した後に報知する図柄表示装置の他に、図柄の変動表示に対応する遊技演出を実行する演出手段を備える。そして、この当該演出手段によって「図柄の変動表示に対応する遊技演出」が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、上記時短状態への移行契機(移行条件)等が多様化しているが、この多様化に見合う報知行為(図柄の変動表示や遊技演出)が実行されているとは言い難く、遊技興趣が十分に高められていないのが実情である。
【0005】
本発明は上記観点に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を十分に高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の遊技機は、
始動口に遊技球が入球したことに基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄の変動を所定の変動時間に亘って実行した後、前記当否判定の判定結果を確定表示する図柄表示手段と、
前記当否判定の判定結果が大当りになることに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
所定条件の下、前記当否判定の判定結果が大当りとなることなく実行される当否判定の回数を計数する計数手段と、を具備し、
前記始動口として、遊技球の入球可能性が変化可能な可変式の始動口を少なくとも備え、
通常状態よりも前記可変式の始動口への入球可能性を向上させる入球可能性向上制御と、該通常状態よりも前記変動時間を短縮化する変動短縮制御との少なくとも一方を制御態様に含む時短制御が行われることで、前記当否判定の実行頻度が高められた時短状態に、該遊技状態を移行させる時短状態移行手段と、
を備える遊技機であって、
前記時短状態として、
所定の移行条件が成立することに基づいて移行する第1時短状態と、
前記計数手段が計数する計数値が、所定回数を示す値に到達することに基づいて前記移行条件が成立することなく移行する第2時短状態と、
を備え、
前記通常状態で前記計数値が前記所定回数を示す値に到達することに基づいて第1演出を実行し、前記第1時短状態で前記計数値が前記所定回数を示す値に到達することに基づいて、該第1演出とは異なる第2演出を実行し、
前記第1時短状態と前記第2時短状態は、前記時短制御の態様が等しいことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、(1)通常状態で計数手段が計数する計数値が所定回数を示す値に到達することに基づいて第2時短状態に移行するケース1と、(2)第1時短状態で当該計数値が所定回数を示す値に到達することに基づいて第2時短状態に移行するケース2とで異なる演出を実行する。
例えば、当該計数値が所定回数を示す値に到達することに基づいて第2時短状態に移行するケースであっても、通常状態で第2時短状態に移行するケースでは、当該計数値が所定回数を示す値に到達したことを示唆する演出(第1演出)を実行し、第1時短状態で第2時短状態に移行するケースでは、時短状態を継続することを示唆する演出が実行される。
【0008】
このように、本発明によると、当該計数値が所定回数を示す値に到達した際の遊技状態に応じて異なる演出が実行され、遊技者に当該遊技状態に対応した印象を与えることができるため、遊技興趣を十分に高めることができる。
【0009】
本発明において、時短制御の態様(つまり、時短性能)は、入球可能性向上と、変動短縮制御との少なくとも一方で特定されてもよいし、他の制御を含む状態で特定されてもよい。
本発明では、第1時短状態と第2時短状態とで時短性能が等しくされるため、遊技状態が第1時短状態であるとき、当該計数値が所定回数を示す値に到達することに基づいて第2時短状態に移行する場合には、新たな時短状態(第2時短状態)が開始されることを遊技者に判り難い状態で(若しくは判らない状態で)、新たな時短状態(第2時短状態)に移行させることができる。
【0010】
この場合、例えば、遊技者には、新たな時短状態(第2時短状態)に移行しても、第1時短状態がそのまま、いつも以上に継続するような印象を自然に伝えることができる。この場合、第1時短状態がいつまでも継続するような印象を与えることできるため、遊技者に、あたかも、第1時短状態の期間(時短回数)が延長されたように思わせて遊技者に得をしたような印象を与えることができる。
【0011】
なお、本発明に関連する発明(以下、関連発明という)として、第1時短状態と第2時短状態の時短制御の態様(つまり、時短性能)が異なる場合を例示できる。
この関連発明では、遊技状態が第1時短状態である場合に、当該計数値が所定回数を示す値に到達することに基づいて第2時短状態に移行する場合には、新たな時短状態(第2時短状態)が開始されることを遊技者に判り易くすることができる。このため、第1時短状態から第2時短状態に移行することが明らかになり、遊技にメリハリを付けることができる。
【0012】
ここで、遊技機においては、可変式の始動口は、遊技球の入球が困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に所定の開放時間に亘って変化可能である。そして、遊技状態が非時短状態である場合、可変式の始動口の開放状態となる頻度が通常の頻度とされ、可変式の始動口への遊技球の入球可能性が通常の可能性となる。これに対して、遊技状態が時短状態である場合、可変式の始動口の開放状態となる頻度が高い頻度とされ、可変式の始動口への遊技球の入球可能性が、非時短状態よりも向上する。
【0013】
また、可変式の始動口への入球可能性の向上した状態として、可変式の始動口の開放時間を延長する開放延長状態(可変式の始動口が開放状態となる回数を多くして、開放時間を延長する開放延長状態も含む)を例示できる。そして、第1時短状態と第2時短状態とで、可変式の始動口が開放状態となる回数や、延長される開放時間を等しくして、時短制御の態様(時短性能)を等しくすることができる。
【0014】
なお、第1時短状態と第2時短状態の時短制御の態様(時短性能)を、本発明の(a)入球可能性向上制御、(b)変動短縮制御以外、の制御によって特定することもできる。
例えば、(c)特別図柄の停止時間を短縮化する停止時間制御、(b)普通図柄(後述する)の変動時間及び停止時間の少なくとも一方を短縮化する短縮化制御、(d)普通図柄に関する当否判定の当り確率を向上させる当り確率向上制御によって特定したり、或いは、(a)~(d)に示す制御を2種以上組み合わせたもの(但し、(a)及び(b)の少なくとも一方を含む組み合わせであるもの)によって特定したりするものを例示することもできる。
【0015】
ここで、以下の説明において、(a)特別遊技を介して移行する時短状態を「a時短状態(大当り時短状態)」と称し、(b)所定の計数手段が計数する計数値が、所定回数を示す値に到達することに基づいて前記特別遊技を介することなく移行する時短状態を「b時短状態(到達時短状態)」と称し、(c)特定図柄が確定されることに基づき、特別遊技を介することなく移行する時短状態を「c時短状態(特定時短状態)」と称することがある。
なお、(b)の「所定の計数手段」とは、所定条件の下、前記当否判定の判定結果が当選となることなく実行される当否判定の回数を計数する計数手段である。また、特別遊技としては、例えば、所定の賞球上の利益を得る可能性がある大当り遊技と、この大当り遊技よりも少ない賞球上の利益を得る可能性がある小当り遊技と、のうちの少なくとも一方を例示できる。
【0016】
また、上記「所定回数」、つまり、「b時短状態」の作動回数(以下、遊技状態が「b時短状態」に移行する回数であって、規定到達回数ということがある)を、例えば、以下のように定めることができる。
この規定到達回数を、「a時短状態」の上限実行回数(時短回数)、つまり、「a時短状態」の利益を維持しつつ実行可能な特別図柄に関する当否判定の上限回数を上回る回数に定めることができる。具体的には、この規定到達回数を、本遊技機の大当り確率の「逆数」を超える値に定めることができる。
【0017】
つまり、通常確率状態で大当り確率(つまり、当否判定で当選となる確率)の逆数を超える回数だけ、当否判定を行っても、大当りを発生させなかった場合(つまり、当否判定で当選とならなかった場合)は、所謂「嵌まった(確率的には大当りを発生してもおかしくないのに大当りを発生させられなかった)」ものとして、時短状態(b時短状態)に移行させる趣旨である。例えば、「b時短状態」に移行するのは、大当り確率(通常確率)の逆数の約3倍、例えば、大当り確率(通常確率)が「1/300」だったら、大当りとなることなく実行される当否判定の回数が「900回」位になると、「b時短状態」に移行する。
【0018】
上記「所定条件」とは、例えば、(1)特別図柄に関する当否判定において大当りとなる確率を通常確率から高確率に変動させる機能(以下、確率変動機能という。)を備える遊技機において、当否判定において大当りとなる確率が通常確率であることを「所定条件」とし、時短状態に移行しているか否かを特に問わない。また、(2)確率変動機能を備えない遊技機においては、常時、「所定条件」が成立することとしてもよい。
なお、時短状態に移行していないことで「所定条件」が成立することとしてもよい。つまり、時短状態に移行していないと一律に「所定条件」が成立し、時短状態に移行していると「所定条件」が成立しないこととしてもよい。
【0019】
本発明において、第1時短状態としては、(1)特別遊技を実行した後に移行する時短状態(a時短状態)と、(2)当否判定の結果が特定結果になることに基づいて(特定図柄が確定表示されることに基づいて)、特別遊技を実行することなく移行する時短状態(c時短状態)との少なくとも一方を例示できる。
また、本発明において、第2時短状態は、当否判定の回数が規定到達回数になることを契機に移行する時短状態(b時短状態)である。
【0020】
ここで、本発明の遊技機は、例えば、
作動検出部(例えば、普通図柄作動ゲート)が遊技球を検出することに基づいて普通図柄に関する当否判定を行う普通図柄当否判定手段を備え、
可変式の始動口は、前記普通図柄に関する当否判定の判定結果が当りになることに基づき、遊技球が入球困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球可能性が高い開放状態に変化可能である。
また、本発明の遊技機においては、始動口として、上記可変式の始動口(後述する第2始動口)のみを備えてもよいし、上記可変式の始動口の他に、遊技球の入球可能性が変化しない始動口(後述する第1始動口)を備えてもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の遊技機によると、遊技興趣を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図。
【
図7】パチンコ機50において、遊技状態別の時短状態作動パターンを示す図表。
【
図8】各実施例のパチンコ機50で付与される時短状態において実行される時短制御の態様(時短性能)を示す図表。
【
図9】(a)は大当り時短状態の開始タイミングを示すタイムチャート、(b)は到達時短状態の開始タイミングを示すタイムチャート、(c)は特定時短状態の開始タイミングを示すタイムチャート。
【
図10】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。
【
図11】主制御装置80で実行される普通図柄始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
【
図12】主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
【
図13】主制御装置80で実行される普通図柄否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャート。
【
図14】(a)は主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャート、(b)は主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャート。
【
図15】主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
【
図16】(a)は主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャート、(b)は主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャート。
【
図17】主制御装置80が実行する特別図柄入賞確認処理のフローチャート。
【
図18】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第1のフローチャート。
【
図19】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第2のフローチャート
【
図20】(a)は主制御装置80が実行する外れ設定処理のフローチャート、(b)は変形例を説明するための説明図。
【
図21】(a)は特図変動開始処理で送信するコマンドの内容を示す説明図、(b)は主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第3のフローチャート。
【
図22】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第4のフローチャート。
【
図23】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第5のフローチャート。
【
図24】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第6のフローチャート。
【
図25】時短状態移行指定コマンドと、時短状態終了指定コマンド等を説明するための図表。
【
図26】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第1のフローチャート。
【
図27】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第2のフローチャート。
【
図28】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第3のフローチャート。
【
図35】サブ統合制御装置83が実行する時短演出フラグ管理処理を示すフローチャート。
【
図36】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート1。
【
図37】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート2。
【
図38】サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理を示すフローチャート。
【
図41】(a)はサブ統合制御装置83が実行するカウントコマンド受信処理を示すフローチャート、(b)は到達残り回数と中間演出の実行タイミングの関係を示す図表。
【
図42】サブ統合制御装置83が実行する計数フラグ解除処理を示すフローチャート。
【
図43】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
【
図45】サブ統合制御装置83が実行する時短演出フラグ管理処理を示すフローチャート。
【
図46】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0024】
(1)実施例1
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0025】
また、前枠52は、左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開閉可能に構成されている。そして、外枠51に対して内枠70を閉鎖し、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となると、遊技を実行可能な状態となる。また、前枠52を左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開放すると、遊技盤1の前面1aが開放され、パチンコホールの店員等が、当該前面1aに対して発生した不具合を解消する作業(遊技盤1における球詰まりの解消作業等)を施すことができる。なお、以下の説明において、前枠52をガラス枠と称することもある。
【0026】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0027】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカ66により出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0028】
図2は、本実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。
この遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域部3Lと第2遊技領域部3Rとに分けられている。
センターケース5の左側が第1遊技領域部(以下、左打ち領域という)3L、右側が第2遊技領域部(以下、右打ち領域という)3Rとなり、遊技球の発射威力を所定力以上で図に示したT部まで到達した遊技球は誘導路3pを転動し、右打ち領域3Rに至り、右打ち領域3Rを流下する。一方、遊技球の発射威力を所定未満で、T部に到達しない遊技球が左打ち領域3L(センターケース5の左側)を流下することになる。なお、遊技領域3(左打ち領域3L、右打ち領域3R)には多数の遊技釘が植設されている(図示を省略)。
【0029】
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6の画面6aを臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口13が設けられている。なお、この普通入賞口13は、入球率が変化しない常時入球が可能な普通入賞口である。
センターケース5の右側の右打ち領域3Rには、普通図柄作動ゲート17が配置されている。
そして、右打ち領域3Rにおいて普通図柄作動ゲート17の下には普通電動役物12Aが配置されている。また、普通電動役物12Aの内部には第2始動口12が設けられ、普通電動役物12Aの内部に入球した遊技球が第2始動口12に入球可能とさせている。
【0030】
普通電動役物12Aには、その開閉を行うための左右一対の翼片12tを備え、この一対の翼片12tは、下端側の支点を基準に回動可能とされ、当該一対の翼片12tの上端部の間隔を狭くして、普通電動役物12Aを閉鎖状態とする。
そして、普通電動役物12Aが閉鎖状態となると、一対の翼片12tの上端部間には、ほぼ1球の遊技球の通過を許容する間隔が形成されるが、当該上端部で構成される隙間の真上には、遊技球の通過を禁止する障害部材12aが設けられている。このため、普通電動役物12Aが開放状態であると、右打ち領域3Rを流下した遊技球は普通電動役物12Aに入球し、第2始動口12に入球する可能性があるが、普通電動役物12Aが閉鎖状態であると、普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球することが不可能となっている。但し、一対の翼片12tの上部から障害部材12aを排除等し、普通電動役物12Aが閉鎖状態であっても普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球可能であってもよい。
【0031】
また、一対の翼片12tの上端部の間隔を広げると普通電動役物12Aが開放状態となる。つまり、普通電動役物12Aが開放状態となると、一対の翼片12tが正面視で略逆ハの状態となり、当該上端部の間隔が遊技球の直径複数個分に広がり、各翼片12tの上端部と障害部材12aとの間隔が遊技球の直径を超える幅となる。しかも、一対の翼片12tの左右に対向する面が、第2始動口12の上部周辺に到達した遊技球を第2始動口12の内部に案内する案内面を構成する。このため、普通電動役物12Aが開放状態となると、普通電動役物12A(一対の翼片12tの上端部)の上部周辺に流下する遊技球は第2始動口12に入球し易くなる。
【0032】
また、普通電動役物12A(第2始動口12)の左下には大入賞口14が配置され、センターケース5の直下であって、大入賞口14の左側には第1始動口(第1始動入賞装置)11が配置されている。
第1始動口11は、植設された遊技釘(図示を省略)及び遊技領域3の略中央部に大型サイズで配置されたセンターケース5により、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11には、専ら左打ち領域3Lを流下した遊技球が入球可能となっている。換言すると、第1始動口11には、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球する可能性が低くなっている。
【0033】
右打ち領域3Rの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、7セグメント表示装置からなる第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、複数個のLEDからなる第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
【0034】
上記のように遊技盤1を構成することによって、左打ち領域3Lに遊技球を流下した遊技球が専ら第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(
図4参照)が遊技球を検出)することに基づいて、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(以下、第1特図とも記載)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
【0035】
右打ち領域3Rに遊技球を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(
図4参照)が遊技球を検出)することに基づいて、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様(当り、外れの各態様)に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(
図4参照)を駆動させる。つまり、普通図柄表示装置7に普図の当り態様(当り図柄)が停止表示され、普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して第2始動口(普通電動役物12A)の翼片12tが開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(
図4参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(
図4参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄(以下、第2特図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0036】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口11と第2始動口12への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動(当否判定)を開始する。この点に関しては後述する。
但し、本実施例と異なり、第1始動口11と第2始動口12への入球順に第1特別図柄と第2特別図柄を変動させたり、第1特別図柄と第2特別図柄を同時に変動させたりしてもよい。
【0037】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(
図4参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材14tが開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(
図4参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
つまり、大入賞口14の下端側には扉部材(開閉部材)14tが傾動可能に支持されており、非特別遊技状態(大当り遊技や後述する小当り遊技が実行されないとき)には、大入賞口14は扉部材14tによって閉鎖された状態となり、遊技球を入球させることができない。一方、特別遊技状態(大当り遊技等)には、扉部材14tが傾動し(遊技盤1と対面する遊技者方向に傾動し)、大入賞口14が開放された状態となり、遊技球を入球させることができる。
【0038】
以上のように、普通図柄作動ゲート17、第2始動口12、及び大入賞口14は、右打ち領域3R(センターケース5の右側)に配置されているため、特別遊技状態(大当り遊技状態等)及び時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)に移行した場合は、発射した遊技球の全てが右打ち領域3Rに到達するように発射ハンドル64を調整(遊技球の発射威力を所定力以上に調整)することになる。一方、第1始動口11は、センターケース5の略直下に配置されていると共に、非開放延長状態(非時短状態)には、普通電動役物12A(第2始動口12)が開放状態となる頻度が低い(時短状態よりも遙かに低い)ため、発射した遊技球の全てが左打ち領域3Lに到達するように発射ハンドル64を調整(遊技球の発射威力を所定力未満に調整)することになる。
【0039】
本パチンコ機50において、時短状態(後述するa時短状態、b時短状態、c時短状態)では開放延長機能が作動するため(入球可能性向上制御を行うため)、当該時短状態を開放延長状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)ということがある。
【0040】
但し、時短状態(後述するa時短状態、b時短状態、c時短状態)において、
可変式の始動口(第2始動口12)の開放延長機能と、特別図柄の変動短縮機能とのうち、開放延長機能を作動させずに変動短縮機能のみを作動させてもよいし変動短縮機能を作動させずに開放延長機能のみを作動させてもよい。
【0041】
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘(図示を省略)が植設されており、盤面最下部にはアウト口2dが設けられている。
パチンコ機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0042】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0043】
また、主制御装置80には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36から検出信号が入力される。また、外枠51に対して内枠70が閉鎖状態になると内枠スイッチ36(
図4を参照)がON状態となり、外枠51に対して内枠70が開放状態になると内枠スイッチ36がOFF状態となる。更に、ガラス枠開放スイッチ35を内枠70の裏面側に設けることができる。
【0044】
パチンコ機50の裏側の主制御装置80には、性能表示装置48と、設定キーSW47と、RAMクリアスイッチ46を備える。
RAMクリアスイッチ46は、該RAMクリアスイッチ46を押下しつつ、電源スイッチ86をONして電源投入することで、RAMクリアを実行するためのスイッチである。また、RAMクリアスイッチ46は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。
ここで、本実施例のパチンコ機50において、大当り判定確率の設定変更機能を備えてもよい。例えば、設定値1~6の6種類(種別)のうち何れかの設定値を設定可能な場合には、各設定値1~6に対応して異なる大当り判定確率が段階的に設けられている。この場合、設定値1に対応する大当り当選確率(1/300)、設定値2(1/290)、設定値3(1/280)、設定値4(1/270)、設定値5(1/260)、設定値6(1/250)の順に高くなっている。
【0045】
本実施例のパチンコ機50では、管理者(パチンコホールの店員等)が、設定キーSW47を設定スイッチ(鍵穴)に挿入して、設定キーSW47の操作位置を、初期位置を基準として所定方向(例えば、右回転方向)に回転させて、設定スイッチをONにする。この状態で、RAMクリアスイッチ46を押圧操作したまま、パチンコ機50に電源を投入すると、パチンコ機50のモードは設定変更モードとなる。
この設定変更モードで、管理者(パチンコホールの店員等)が、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作することで、設定値を変更することができる。つまり、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作する毎に、設定値が設定値1~設定値6、更に、設定値1…の順に変更される。
その際、性能表示装置48に設定値の変更に伴い、その時点の設定値を示す数値が表示される。
【0046】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置80は各種の乱数を抽出(生成)する乱数カウンタ等も備えている。
また、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0047】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ13a等の検出信号が入力される。
【0048】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
【0049】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで普通電動役物(第2始動口12)の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0050】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0051】
なお、払出制御装置81は、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0052】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0053】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0054】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0055】
パチンコ機50は、RAMクリアスイッチ(SW)46(図例では主制御装置80に配置されている)を押した状態で電源を投入すると、RAMの領域のうちの一部を除いた領域がクリアとなると共に、RAMの初期設定が行われることになる。
また、本実施例では、段階設定値(所謂、設定1~設定6を示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。具体的には、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
前述のように、パチンコ機50は、主制御装置80に、RAMに記憶された情報を消去するためにRAMクリアSW46が設けられている。RAMクリアSW46は払出制御装置81や電源基板85に設ける構成としてもよい。また、性能表示装置48は主制御装置80に設けられ、主制御装置80によって制御される。また、本実施例では、主制御装置80に、上述したように設定変更や設定確認の際に用いる、設定キーSW47を備える。
【0056】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部(
図4において音声制御部83aと表記)は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御、つまり、音量の制御や、音声の種類(例えば、報知音の種類等、設定示唆音の制御)等を行う。また、ランプ制御装置としての機能部(
図4においてランプ制御部83bと表記)は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0057】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0058】
なお、電源基板85(
図3を参照)は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板85に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板85は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0059】
次に、
図5~
図9を用いて、本実施例のパチンコ機50の基本的仕様について説明する。
本実施例のパチンコ機50は、所謂「時短機」であり、特別図柄の当否判定で大当りと判定する確率を通常よりも高確率とする高確率状態を備えていない。つまり、特別図柄の当否判定で大当りと判定する確率が変動することはなく、常時、通常の確率で行う。但し、本実施例のパチンコ機50が当該高確率状態を備えていてもよい。
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定(以下、第1当否判定という)が実行される。また、第2始動口12への入球に起因して第2特別図柄の当否判定(以下、第2当否判定という)が実行される。
【0060】
第1当否判定が実行されると、第1特別図柄の停止図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)と、変動パターン(第1特別図柄が変動表示する時間を特定する変動パターン)が乱数抽選で決定され、決定された変動時間に基づいて第1特別図柄表示装置9及び演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第1特別図柄の変動時間を経過して、第1特別図柄表示装置9で第1特別図柄の停止図柄(確定図柄)が表示され、演出図柄表示装置6に第1特別図柄に対応する演出図柄が停止表示(確定表示)され、第1当否判定の結果を報知される。
【0061】
また、第2当否判定が実行されると、第2特別図柄の停止図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)と、変動パターン(第2特別図柄が変動表示する時間を特定する変動パターン)が乱数抽選で決定され、決定された変動時間に基づいて第2特別図柄表示装置10及び演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第2特別図柄の変動時間を経過して、第2特別図柄表示装置10で第2特別図柄の停止図柄(確定図柄)が表示され、演出図柄表示装置6に第2特別図柄に対応する演出図柄が停止表示(確定表示)され、第2当否判定の結果を報知される。
【0062】
第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)又は第2特別図柄の当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなると、所定時間に亘り、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄(特
図1_大当り図柄1、特
図1_大当り図柄2、特
図1_大当り図柄3、特
図2_大当り図柄1若しくは特
図2_大当り図柄2)で確定表示される。これにより、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0063】
本実施例のパチンコ機50では、第1当否判定の結果が大当りとなる場合、
図5(a)に示すように、停止図柄(確定表示される大当り図柄)が、「特
図1_大当り図柄1(4R通常大当り図柄)」とされる場合を「35%」の割合で生じ、「特
図1_大当り図柄2(6R通常大当り図柄)」とされる場合を「60%」の割合で生じ、「特
図1_大当り図柄3(6R通常大当り図柄)」とされる場合を「5%」の割合で生ずる。
【0064】
また、
図5(b)に示すように、第2当否判定の結果が大当りとなる場合、「特
図2_大当り図柄1(6R通常大当り図柄)」とされる場合を「40%」の割合で生じ、「特
図2_大当り図柄2(8R通常大当り図柄)」とされる場合を「60%」の割合で生ずる。
【0065】
そして、何れの大当り図柄も、所謂「通常大当り図柄(たとえ確定表示されても大当り確率を向上させない大当り図柄)」である。
つまり、停止表示(確定表示)されると、通常大当りを発生し、対応する大当り遊技(4R大当り遊技、6R大当り遊技若しくは8R大当り遊技)を実行した後、パチンコ機50の遊技状態が、通常確率状態且つ時短状態(以下、「通常確率・時短状態」と表記することがある)に移行する(
図9(a)参照)。この通常確率・時短状態がa時短状態である。
【0066】
なお、本実施例では、何れの大当り図柄が停止表示(確定表示)されることに基づいても、通常確率・時短状態(a時短状態)に移行することとするが、何れかの大当り図柄が停止表示(確定表示)されることに基づいて、通常確率・時短状態(a時短状態)に移行しないこととしてもよい。例えば、第1当否判定の結果が大当りとなることに基づいて実行される大当り遊技終了後においては、通常確率状態且つ非時短状態(以下、「通常確率・非時短状態」と表記することがある)となってもよいし、第2当否判定の結果が大当りとなることに基づいて実行される大当り遊技終了後に比べ、通常確率・時短状態(a時短状態)に移行する割合を低くしてもよい。
【0067】
第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなり、大当り図柄として「特
図1_大当り図柄1」若しくは「特
図1_大当り図柄2」が確定表示されることに基づいて実行される大当り遊技を実行した後、通常確率・時短状態(a時短状態)になる場合には、大当り遊技後に実行される「特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)」の実行回数が100回となるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
【0068】
また、第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなり、大当り図柄として「特
図1_大当り図柄3」が確定表示されることに基づいて実行される大当り遊技を実行した後、通常確率・時短状態(a時短状態)になる場合には、大当り遊技後に実行される「特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)」の実行回数が950回となるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
【0069】
そして、第1当否判定の結果が大当りとなることに基づいて実行される大当り遊技を実行した後に移行する「通常確率・時短状態(a時短状態)」を終了すると、遊技状態は通常確率・非時短状態になる。ここで、a時短状態を維持しつつ実行可能な当否判定の実行回数(100回若しくは950回)をa時短状態の時短回数という。
【0070】
また、第2特別図柄の当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなることに基づいて実行される大当り遊技を実行した後、通常確率・時短状態(a時短状態)になる場合には、大当り遊技後に実行される「特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)」の実行回数が「100回」となるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。そして、この通常確率・時短状態(a時短状態)を終了すると、遊技状態は通常確率・非時短状態(つまり、通常状態)になる。
なお、以下の説明において当否判定の結果が大当りとなり、大当り遊技を実行した後に移行する時短状態(a時短状態)をその移行原因に基づいて、「大当り時短状態」と称することがある。
【0071】
また、この時短状態(a時短状態)は、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする変動時短機能が作動される状態(つまり、時短制御が行われた状態)であり、非時短状態とは開放延長機能及び変動時短機能が作動していない状態(つまり、時短制御が行われていない状態)である。
【0072】
また、
図5(c)に示すように、本パチンコ機50では、遊技状態が通常確率状態(非時短状態であるか、時短状態であるかを問わない)において、「特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)」の結果が大当りとなることなく実行される当該当否判定の回数が、「900回(規定到達回数)」に到達すると、遊技状態が通常確率・時短状態(以下、この時短状態をb時短状態と称することがある)に移行する(
図9(b)を参照)。
【0073】
つまり、通常確率状態で実行される当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の回数が規定到達回数に到達すると、大当り遊技を介することなく、通常確率・開放延長状態(b時短状態)に移行する。この通常確率・時短状態(b時短状態)は、当該通常確率・時短状態(b時短状態)に移行した後において実行される当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定」の回数が「900回」となるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
【0074】
以下の説明において、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の回数が規定到達回数に到達することで、移行する時短状態(b時短状態)をその移行原因に基づいて、「到達時短状態」と称することがある。
ここで、
図5(d)に示すように、規定到達回数は、主制御装置80に搭載されたRAMを初期化する「ラムクリアの処理」若しくは「大当り発生後(大当り遊技実行後)」から起算した特別図柄の変動回数、つまり、通常確率状態で当否判定の結果が大当りを発生することなく実行した「特別図柄に関する当否判定」の回数である。
【0075】
実施例では、規定到達回数は、大当り確率(1/300)の「逆数」を超える値(300を超える値)であれば特に問わない。つまり、通常確率状態で大当り確率の「逆数」を超える回数だけ、当否判定を行っても、大当りを発生させなかった場合は、所謂「嵌まった」ものとして、時短状態に移行させ、健全な遊技を継続する遊技者を救済するためである。より具体的には、大当り確率が「1/300」である場合、例えば、301回以上、特に、700回以上としたり、750~900回のうちの何れかの回数としたりすることができる。
【0076】
本実施例では、「到達時短(b時短状態)」に移行すると、大当り時短(a時短状態)に比べて遙かに多い時短回数が得られる可能性が高く設定されている。ここで、b時短状態を維持しつつ実行可能な当否判定の回数(900回)をb時短状態の時短回数という。
【0077】
但し、第1当否判定の結果が大当りとなり、大当り図柄として「特
図1_大当り図柄3」が確定表示されることに基づいて実行される大当り遊技を実行した後において移行する大当り時短(a時短状態)で設定される時短回数(950回)は、「到達時短(b時短状態)」において設定される時短回数(900回)よりも多くなっている。
【0078】
到達時短状態(b時短状態)も、大当り時短(a時短状態)と同様に、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動される状態である。
【0079】
本実施例のパチンコ機50では、
図6(a)に示すように、遊技状態が非時短状態である場合も、
図6(b)に示すように、遊技状態が時短状態である場合、も、第1当否判定の結果が外れとなる場合、外れ図柄として「特
図1_外れ図柄1」若しくは「特
図1_外れ図柄2」が確定表示される。また、第1当否判定の結果が外れとなる場合、外れ図柄が「特
図1_外れ図柄1」に設定される確率(乱数抽選で選択される確率)が「149/150」であり、「特
図1_外れ図柄2」に設定される確率(乱数抽選で選択される確率)が「1/150」である。
ここで、「特
図1_外れ図柄1」は非特定外れ図柄(非特定図柄)の具体例を構成し、「特
図1_外れ図柄2」は、特定外れ図柄(特定図柄)の具体例を構成する。
【0080】
ここで、本実施例では、外れ図柄の一態様(特
図1_外れ図柄2)で特定図柄を設定するが、本発明では、外れ図柄とは無関係に特定図柄を設定してもよい。例えば、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りでない場合、特定当選であるか否かを判定し、特定当選である場合には停止図柄として特定図柄が選択され、特定当選でない場合には停止図柄として非特定図柄が選択されることとしてもよい。
【0081】
また、第2当否判定の結果が外れとなる場合、
図6(c)に示すように、外れ図柄として「特
図2_外れ図柄1」が確定表示される。なお、第2当否判定の結果が外れとなる場合、外れ図柄が「特
図2_外れ図柄1」に設定される確率は「100%」であり、この「特
図2_外れ図柄1」は非特定外れ図柄の具体例を構成する。
このように、本実施例では、第1特別図柄の外れ図柄の中に特定外れ図柄(特定の外れ図柄)を備えるが、第2特別図柄の外れ図柄の中に特定外れ図柄(特定図柄)を備えない。但し、第2特別図柄の外れ図柄の中に特定外れ図柄を備えてもよい。
【0082】
遊技状態が非時短状態であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が停止表示(確定表示)されると特定外れを発生し、
図6(a)に示すように、大当り遊技を実行することなく(大当り遊技を介することなく)、パチンコ機50の遊技状態が、通常確率状態且つ時短状態(c時短状態)に移行する。この通常確率・時短状態(c時短状態)は、当該状態(c時短状態)に移行後、特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が50回になるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する(
図9(c)を参照)。ここで、c時短状態を維持しつつ実行可能な当否判定の回数(50回)をc時短状態の時短回数という。
【0083】
この特定外れ図柄(特定図柄)が確定表示されることに基づいて、大当り遊技を介することなく移行する「通常確率状態且つ時短状態」が、特定時短状態(c時短状態)である。なお、非特定外れ図柄が停止表示(確定表示)されても、時短状態移行の契機とならない。
そして、この通常確率・時短状態(c時短状態)を終了すると、遊技状態は通常確率且つ非時短状態(通常状態)になる。
【0084】
この特定時短状態(c時短状態)も、大当り時短(a時短状態)と同様に、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動される状態である。ここで、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示され、大当り遊技を実行することなく移行する時短状態(c時短状態)を「特定時短状態」と称し、作動契機が異なる他の時短状態(a時短状態及びb時短状態)と区別することがある。
【0085】
一方、本実施例では、
図6(b)に示すように、遊技状態が時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態の何れか)であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示されても、特定外れとして扱われず、単なる外れとして扱われる。
つまり、本実施例では、遊技状態が時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態の何れか)であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示されたときに時短回数は、そのまま維持され、新たに50回加算されることはない。例えば、時短状態を維持しつつ実行可能な当否判定の回数(残り回数)が20回のとき、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が停止表示(確定表示)されても、時短回数が「20回+50回」とはならず、「20回」のまま維持される。
【0086】
なお、遊技状態が時短状態であるときに(a時短状態、b時短状態若しくはc時短状態であるときに)、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示されると、単なる外れとして扱わないこととしてもよい。例えば、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)であるとき、特定外れ図柄が確定表示された時に、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数と、特定外れ図柄が停止表示されることに付与される時短状態(特定時短状態)の時短回数を比較して、時短回数が残り回数よりも多い場合、残り回数をc時短状態への移行に伴い付与予定の時短回数(50回)で残り回数を更新することとしてもよい。
【0087】
例えば、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数が「60回」の場合に特定外れ図柄が確定表示されても残り回数は維持され、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数が「20回」の場合に特定外れ図柄が確定表示されても残り回数が「50回」に更新されることとしてもよい。このようにすれば、特定外れ図柄が確定表示されても、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数が減少することがないため、遊技者に不利益を与えることはない。
【0088】
ここで、
図7を用いて、「時短状態移行契機発生時の遊技状態」と、「移行対象となる時短状態の種類」について説明する。
遊技状態が「通常確率・非時短状態(所謂通常状態)」、「a時短状態」、「b時短状態」、「c時短状態」の何れであっても、大当り図柄が確定表示されると、大当り遊技を介して「a時短状態」に移行することができる。
【0089】
また、遊技状態が「通常確率・非時短状態(所謂通常状態)」、「a時短状態」、「c時短状態」であるとき、到達時短状態(b時短状態)の移行契機を生ずると、大当り遊技を介することなく到達時短状態(b時短状態)に移行することができる。なお、遊技状態が到達時短状態(b時短状態)であるとき、到達時短状態(b時短状態)の移行契機を生ずることは、非現実的であると考えられる。蓋し、大当り確率が「1/300」である状況で、900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとならず、到達時短状態(b時短状態)に移行し、この到達時短状態(b時短状態)で更に900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとならないこと、つまり、大当り確率が「1/300」で1800回に亘って大当りとならないこと、となる可能性が、かなり低い。
【0090】
また、到達時短状態は大当り(大当り遊技)を介するまでに1回しか作動しないものとして設けることも考えられ、その場合、到達時短状態で900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとならず、到達時短状態終了後に再度900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)を行っても到達時短状態に移行しない構成が考えられる。
【0091】
更に、遊技状態が「通常確率・非時短状態(所謂通常状態)」であるとき、特定時短状態(c時短状態)の移行契機を生ずると、大当り遊技を介することなく特定時短状態(c時短状態)に移行することができる。これに対して、遊技状態が「a時短状態」、「b時短状態」であるとき、特定外れ図柄が確定表示されても、新たに「c時短状態」に移行するのではなく、継続する時短状態が維持される。
【0092】
なお、本実施例では、時短状態で特
図1_外れ図柄2が確定表示されても、新たに特定時短状態(c時短状態)に移行することがないが、時短状態の最終変動(当該時短状態で変動表示を実行可能な最終変動、つまり、残り回数が1回で開始された変動)において、特
図1_外れ図柄2(特定外れ図柄)が確定表示されると、c時短状態に移行することとしてもよい。
【0093】
次に、
図5を用いて、特別図柄に関する当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当りとなる場合に実行される大当り遊技の内容と、大当り遊技を実行した後に移行する遊技状態について説明する。
【0094】
図5に示すように、第1当否判定の結果が大当りとなり、「特
図1_大当り図柄1(4R通常大当り図柄)」が確定表示されると、4R通常大当りが発生し、「4R大当り遊技」を実行する。また、第1当否判定の結果が大当りとなり、「特
図1_大当り図柄2(6R通常大当り図柄)」若しくは「特
図1_大当り図柄3(6R通常大当り図柄)」が確定表示されると、6R通常大当りが発生し、「6R大当り遊技」を実行する。
【0095】
第2当否判定の結果が大当りとなり、「特
図2_大当り図柄1(6R通常大当り図柄)」が確定表示されると、6R通常大当りが発生し、「6R大当り遊技」を実行する。また、第2当否判定の結果が大当りとなり、「特
図2_大当り図柄2(8R通常大当り図柄)」が確定表示されると、8R通常大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。
ここで、「4R大当り遊技」では大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を所定のインターバルを間に挟んで4回行い、「6R大当り遊技」では同様なラウンド遊技を同様なインターバルを間に挟んで6回行う。更に、「8R大当り遊技」では同様なラウンド遊技を同様なインターバルを間に挟んで8回行う。
【0096】
また、図示を省略するが、第1始動口11及び第2始動口12への入球による賞球数は3個、その他入賞口13への入球による賞球数は10個となっている。このため、開放延長状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)にあるときには、右打ち領域3Rに向けて遊技球を発射すると、第2始動口12に入球が高頻度に入賞し、第2始動口12への入球に基づいて頻繁に賞球「3個」を獲得することで、所謂「球減り」を抑制することができる。
また、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個となっている。
【0097】
次に、
図8を用いて、各時短状態の時短性能について説明する。
ここで、時短状態とは、遊技状態が通常状態(非時短状態)にある場合に比べ、有利な状態で、特別図柄に関する当否判定を実行可能な状態である。つまり、遊技状態が通常状態(非時短状態)にある場合に比べて、第2始動口12への入球可能性を高めたり、特別図柄の平均変動時間を短縮化したりすること等で、特別図柄に関する当否判定の実行頻度が高められた状態である。
【0098】
ここで、本実施例では、時短状態において第2始動口12への入球可能性を高めるための手法として、(1)第2始動口12の開放時間を延長する手法と、(2)普通図柄の平均変動時間を短縮したり、普通図柄に関する判定で当り確率を高くしたりすること等で、第2始動口12の開放頻度を向上させる手法が用いられている。
【0099】
また、本実施例では、各時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)の時短性能が以下のようにされている。
普通図柄の平均変動時間は、非時短状態で5秒とされ、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で5秒よりも短い時間とされている。つまり、a時短状態で平均1秒、b時短状態で平均0.5秒、c時短状態で平均0.8秒とされている。
【0100】
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非時短状態において「0.3秒を1回」であり、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で非時短状態の開放時間よりも長くされている。つまり、a時短状態で「2.0秒を1回」、b時短状態で「1.5秒を1回」、c時短状態で「1.0秒を2回」とされている。
【0101】
特別図柄の平均変動時間は、非時短状態において20秒であり、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で非時短状態の平均変動時間よりも短くされている。つまり、a時短状態で「平均10秒」、b時短状態で「平均5秒」、c時短状態で「平均7秒」とされている。
【0102】
また、特別図柄の変動に対応する演出表示において、リーチ及びそれに伴うリーチ演出を実行する確率(以下、単に「リーチ出現率」という)は、非時短状態で平均「21/229」、大当り時短状態(a時短状態)で平均「7/229」、到達時短状態(b時短状態)で平均「4/229」、特定時短状態(c時短状態)で平均「5/229」とされている。
【0103】
また、普通図柄の当選確率は、非時短状態(非開放延長状態)で「1/6」に設定され、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で「5/6」に設定されている。なお、本実施例では、何れの時短状態であっても、普通図柄の当選確率が等しくされているが、a時短状態及びc時短状態の少なくとも一方と、b時短状態とで、普通図柄の当選確率を異ならせてもよい。
【0104】
なお、普通図柄の当選確率を時短状態の種類によって異ならせてもよい。例えば、普通図柄の当選確率がb時短状態の方が、a時短状態やc時短状態よりも高くされたり、逆に、低くされてもよい。
また、本実施例では、b時短状態の時短性能と、a時短状態やc時短状態の時短性能が異なっているが、b時短状態の時短性能と、a時短状態やc時短状態の時短性能が同一とされてもよい。
【0105】
以上のような構成の下、本実施例のパチンコ機50では、遊技状態が非時短状態であるとき、先ず、遊技者は左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射して(左打ちを行い)、第1始動口11への入球によって第1当否判定で大当りの発生を目指す。そして、大当りを発生させ、大当り遊技を実行した後は、大当り時短状態(a時短状態)に移行し、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が延長されるため、遊技球の発射態様を切り替えて(強くし)、右打ち領域3Rに向かって遊技球を発射する(右打ちで第2始動口12への入球を目指す)。
【0106】
また、遊技状態が非時短状態であるか、時短状態であるかを問わず、大当りを発生することなく実行される当否判定(特別図柄に関する当否判定)を予め定めた規定到達回数(本実施例では「900回」)行うと、到達時短状態(b時短状態)に移行し、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が延長される。
【0107】
更に、遊技状態が非時短状態である場合に特定外れ図柄が停止表示されると、大当り遊技を介さずに特定時短状態(c時短状態)に移行し、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が延長される。なお、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で特定外れ図柄が確定表示されても、通常の外れ(非特定外れ)として扱われ、当該特定外れ図柄の確定表示に基づいて、特定時短状態に移行することはない。
【0108】
また、本遊技機50では、通常、賞球量は、ラウンド遊技の回数に比例して多くなるため、本実施例のパチンコ機50では、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が、第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも、多量の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。
【0109】
なお、本実施例では、第1当否判定の結果が大当りとなる場合と、第2当否判定の結果が大当りとなる場合と、で大当り遊技後に付与される特典に差異を設けていないが、本実施例と異なり、両者の場合に差異を設けてもよい。例えば、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも、大当り遊技後に付与される特典が多くされていてもよい。つまり、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも、大当り遊技後に移行する時短状態(a時短状態)の期間が長くされていてもよい。
【0110】
更に、このように、第2当否判定の結果が大当りとなる場合と第1当否判定の結果が大当りとなる場合に利得の差異を設ける手法は、これに限定されず、例えば、大当り遊技後に付与される特典を同一とし、大当り遊技実行時の賞球量の多少によって利得の差異を設けてもよいし、逆に大当り遊技実行時の賞球量を同一とし、大当り遊技後に付与される特典の多少によって、遊技者に供与される利得に差異を設けてもよい。
以上のように、本パチンコ機50では、右打ち領域3Rに第2始動口12等が配置され、第2始動口12の入賞頻度が時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で向上するため、時短状態(大当り時短、到達時短、特定時短状態)では右打ち領域3Rへの遊技球の発射を誘発する構成となっている。
【0111】
また、実施例1では、
図8に示すように、b時短状態における特別図柄の平均変動時間は、a時短状態及びc時短状態と異なっており、b時短状態における特別図柄の変動時間の短縮度合い(非時短状態における特別図柄の平均変動時間(20秒に対する短縮度合い)は、a時短状態及びc時短状態における特別図柄の変動時間の短縮度合いと異なっている。
更に、b時短状態におけるリーチの出現確率は、a時短状態及びc時短状態におけるリーチの出現確率と異なっている。
また、特別図柄の平均変動時間はb時短状態及びc時短状態においてa時短状態よりも短く、リーチの出現確率はb時短状態及びc時短状態においてa時短状態よりも低くされている。従って、b時短状態及びc時短状態においてa時短状態よりも、特別図柄の変動が短い間隔で実行される。
【0112】
本パチンコ機50では、以下のように遊技が進行する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、
図10に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10~S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0113】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0114】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0115】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0116】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」~「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0117】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」~「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
S35に続くリーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」~「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0118】
なお、非時短状態(変動時間短縮機能未作動時)にリーチとなる値の数は21で、値は「0」~「20」であり、大当り時短状態(a時短状態)にリーチとなる値の数は7で、値は「0」~「6」であり、到達時短状態(b時短状態)にリーチとなる値の数は4で、値は「0」~「3」であり、特定時短状態(c時短状態)にリーチとなる値の数は5で、値は「0」~「4」である。
【0119】
S40に続く変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」~「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
外れ図柄決定用乱数更新処理(S46)は「0」~「3966」の3967個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0120】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14、一般入賞口13への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
【0121】
なお、本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球(3個)が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0122】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b、等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0123】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口13に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0124】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10~S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図10に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0~3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0125】
次に、
図11を用いて、普通図柄に関する始動入賞確認処理(以下、普通図柄始動入賞確認処理ということがある)について説明する。この普通図柄始動入賞確認処理は、
図10のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
図11に示す普通図柄に関する始動入賞確認処理(普通図柄始動入賞確認処理)は、普通図柄作動ゲート17への入球があるか否かを判定し(S100)、入球があれば(S100:yes)、普通図柄の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S102)。否定判定の場合には(S102:no)、S104の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数(普図決定用乱数)などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリ(内蔵RAMに設けられた普図用の保留記憶処理であって、
図11では図示を省略)に記憶される(最大4つ)。そして、普通図柄保留数表示装置8の表示制御、演出図柄表示装置82やサブ統合制御装置83への普通図柄保留数コマンド送信処理を行い(S106)、本処理を終了(リターン)する。
【0126】
また、S100の処理で普通図柄作動ゲート17への遊技球の入球がなかったと判定される場合(S100:no)及び普通図柄の保留記憶が満杯であった場合には(S102:yes)の場合には、そのままリターンとなる。
【0127】
次に、
図12~14を用いて、普通図柄に関する当否判定処理(以下、普通図柄当否判定処理ということがある)について説明する。この普通図柄当否判定処理は、
図10のメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
普通図柄当否判定処理(普図当否判定処理)では、先ず、第2始動口12を開放させるための普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S110)。普通電動役物12Aが作動中である場合には(S110:yes)、そのまま普通図柄遊技処理へ移行する。また、普通電動役物12Aが作動していない場合には(S110:no)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(S112)。変動中でなければ(S112:no)、確定図柄が表示されているかを判定する(S114)。
【0128】
確定図柄が表示中でなければ(S114:no)、普通図柄の保留記憶があるか否かを判定し(S116)、普通図柄の保留記憶があれば(S116:yes)、普通図柄の保留記憶数をデクリメントし(S118)、S120に移行する。なお、普通図柄の保留記憶がなければ(S116:no)、そのまま普通図柄遊技処理に移行する。
【0129】
S120では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去して)、時短フラグ(第1時短フラグ、第2時短フラグ若しくは第3時短フラグ)がセットされている(すなわち1)か否かを判定する。このS120で肯定判断であれば(S120:yes)、読み込んだ普通図柄の当り決定用乱数を時短テーブルに記録されている当り値と照合し(S122)、
図14のS130に移行する。否定判断された場合(S120:no)は、S124にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し、
図13のS130へと移行する。
【0130】
ここで、本実施例では遊技状態が、特別図柄に関する大当り確率が通常確率(時短フラグが「0」)であると普通図柄の当り確率は「1/6」とされ、時短状態(時短フラグが「1」)であると、普通図柄の当り確率は「5/6」とされている。ここで、時短フラグが1であると、通常、普通図柄確率変動機能が作動する遊技状態となる。
【0131】
なお、普通図柄の当り確率(普通図柄に関する当否判定の結果が当りとなる確率)が、通常確率(本実施例では「1/6」)から高確率(本実施例では「5/6」)に変動するのは、大当り遊技を開始する際に作動を開始した役物連続作動装置(
図22のS388を参照)が作動を停止していることを前提条件とすることができる。つまり、大当り遊技中作動していた役物連続作動装置が、大当り遊技を終了して作動を停止していることを、普通図柄の当り確率が高確率に変動するための前提となるのが一般的である。
よって、時短フラグが「1」となったら無条件に普通図柄の当り確率が、通常確率から高確率に変動するものに限定せず、(1)役物連続作動装置が作動を停止していることと、(2)時短フラグが「1」となったこと、という2つの条件が成立した場合に普通図柄の当り確率が高確率に変動することとしてもよい。
【0132】
図13のS130では普通図柄の当りか否かを判定し、当りであれば(S130:yes)、当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S132)、変動パターンを決定する(S134)。その後、普通図柄当り設定処理を実行し(S136)、S140に移行する。一方、普通図柄が当りでなければ(S130:no)、外れの変動パターンを決定し(S138)、S140に移行する。
【0133】
本実施例のパチンコ機50では普通図柄の変動時間(S134若しくはS138で決定される変動パターンが特定する変動時間)は、普通図柄当否判定の結果が当りであるか、外れであるかに関係なく、しかも、当り図柄に関係なく、パチンコ機50の遊技状態が通常状態(非時短状態)であれば平均5.0秒であり、パチンコ機50の遊技状態がa時短状態(第1時短フラグ=1)であれば平均1.0秒、b時短状態(第2時短フラグ=1)であれば平均0.5秒、c時短状態(第3時短フラグ=1)であれば平均0.8秒である。
【0134】
その後、S140に移行し、普通図柄表示装置7の変動開始、およびサブ統合制御装置83へ普通図柄変動開始コマンドを送信し(S140)、普通図柄遊技処理に移行する。本実施例の普通図柄当り設定処理(S136)では、非時短状態中に、S130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを0.3秒で1回の開放パターンを設定する。
【0135】
また、a時短状態中にS130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを2秒で1回の開放パターンを設定し、b時短状態中にS130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを1.5秒で1回の開放パターンを設定し、c時短状態中にS130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを1.0秒で2回の開放パターンを設定する。
【0136】
図12のS112において、普通図柄が変動中の場合には(S112:yes)、
図14(a)に示すS146に移行する。S146では、普通図柄の変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S146:yes)、対応した普通図柄の確定図柄表示処理を行い(S148)、普通図柄遊技処理に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、普通図柄表示装置7にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、図柄変動時間を経過していない場合には(S146:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0137】
図12のS114において、確定図柄表示中の場合には(S114:yes)、
図14(b)に示すS150に移行する。S150で確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了した場合には(S150:yes)、確定図柄の表示を終了し(S152)、普通図柄の当りの組合せであるか否かを判定する(S154)。普通図柄の組合せが当りである場合には(S154:yes)、普通図柄当り開始演出処理を行い(S156)、普通図柄遊技処理へと移行する。確定図柄表示時間を終了していない場合(S150:no)、普通図柄の組合せがハズレである場合は(S154:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0138】
図15~
図16を用いて、普通電動役物12A(第2始動口12)を開放することで行われる普通図柄遊技処理について説明する。なお、普通図柄遊技処理は、普通図柄当否判定処理の実行後に実行される処理である。
図15に示すように、普通図柄遊技処理が開始されると、先ず、普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S160)。普通電動役物12Aが作動中の場合には(S160:yes)、普通電動役物12Aが開放中か判定する(S162)。一方、普通電動役物12Aが作動中ではない場合には(S160:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。
【0139】
普通電動役物12Aが開放中でなければ(S162:no)、普通図柄当り終了演出中か判定し(S164)、普通図柄当り終了演出中でなければ(S164:no)、普通図柄当り開始演出時間が経過したか確認し(S166)、普通図柄当り開始演出時間が経過していれば(S166:yes)、普通電動役物開放処理(S168)へ移行し、終了となる。
本実施例の普通電動役物開放処理(S168)は、上述したS136で設定した普通電動役物12Aの開放パターンに基づいて普通電動役物12A(第2始動口12)を開放する(閉鎖状態から開放状態とする)。
【0140】
図15のS162の処理で普通電動役物12Aが開放中であれば(S162:yes)、
図16(a)のS170に移行する。そして、普通電動役物12A(第2始動口12)に9個(規定数)の入球があったか否かを判定する(S170)。規定数に達した場合には(S170:yes)、普通電動役物閉鎖処理(S174)を行い、普通図柄当り終了演出処理を実行して(S176)、終了となる。一方、普通電動役物12A(第2始動口12)に9個(規定数)の入球がない場合には(S170:no)、普通電動役物12Aの開放時間が終了となったか否かを判定する(S172)。肯定判定の場合には(S172:yes)、S174に移行する。なお、否定判定の場合には(S172:no)、そのまま終了となる。
【0141】
図15のS164の処理で普通図柄当り終了演出中であれば(S164:yes)、
図16(b)に示すS180に移行し、普通図柄当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S180)。普通図柄当り終了演出時間が経過していれば(S180:yes)、普通図柄当り終了コマンド送信処理(S182)を実行し、この処理でサブ統合制御装置83に普通図柄当り終了コマンドを送信し、普通図柄遊技を終了する。なお、普通図柄当り終了演出時間が経過していない場合には(S180:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了する。
【0142】
次に、
図17を用いて、特別図柄に関する入賞確認処理(以下、特別図柄入賞確認処理ということがある)について説明する。この特別図柄入賞確認処理は、
図11のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
特別図柄入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S200)。肯定判断なら(S200:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S202)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S200:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0143】
第1保留記憶が満杯でなければ(S202:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶領域に記憶するとともに、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ、第1保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やす(S204)。そして、加算した第1保留記憶の数に該当する保留数コマンド(第1保留数コマンド)を生成し、サブ統合装置83に送信し(S206)、S210へ移行する。
一方、4個の第1保留記憶があれば(S202:yes)保留記憶せず、第1保留記憶の数を示すカウンタや第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS210へ移行する。
【0144】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S200:no)もS210に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S210:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S212)。また、第2始動口12に遊技球が入球したと判断された場合には(S210:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0145】
第2保留記憶が満杯でなければ(S212:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第2保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を増やす(S214)。そして、加算した第2保留記憶の数に該当する保留数コマンド(第2保留数コマンド)を生成し、サブ統合装置83に送信し(S216)、本処理を終了する。
一方、S212において4個の第2保留記憶があれば(S212:yes)、第2保留を記憶せず、第2保留記憶の数や第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S210:no)も、本処理を終了する。
【0146】
また、S200において行われる判定処理、S210において行われる判定処理よりも前に主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力するため、第1保留記憶、第2保留記憶が満杯であっても賞球が払い出されることになる。
更に、サブ統合制御装置83は第1保留数コマンド、若しくは、第2保留数コマンド(第2保留記憶数指示コマンド)を受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。
【0147】
ここで、S204を行った後、新たに発生した第1特別図柄に関する保留記憶(S200の肯定判定に基づいて、S204で記憶された第1特別図柄に関する保留記憶、つまり、第1保留記憶)についての先読み判定(以下、第1先読み判定という)を実行し、この第1先読み判定の結果に基づいて、予告演出内容(実施例1では到達演出の内容、実施例2では開始演出の内容等)を選択してもよい。
同様に、S214を行った後、新たに発生した第2特別図柄に関する保留記憶(S210の肯定判定に基づいて、S214で記憶された第2特別図柄に関する保留記憶、つまり、第2保留記憶)についての先読み判定(以下、第2先読み判定という)を実行し、この第2先読み判定の結果に基づいて、予告演出内容(実施例1では到達演出の内容、実施例2では開始演出の内容等)を選択してもよい。
【0148】
なお、先読み判定とは、保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に関し、当否判定(後述する
図18~
図24を参照)を行う前に、事前に行われる判定である。また、先読み判定の結果に基づいて実行する演出内容については後述する。
【0149】
また、この先読み判定は、保留記憶領域(S204、S206において、始動口11、12への入球に基づいて取得した保留記憶を記憶する領域)に記憶された乱数を先読み判定する構成に限らず、保留記憶領域以外の記憶領域(例えば、仮の記憶領域)に記憶された乱数を先読み判定することとしてもよい。
【0150】
次に、
図18~25を用いて、特別図柄に関する当否判定処理(以下、特別図柄当否判定処理ということがある)について説明する。この特図当否判定処理は、
図10に示すメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
図18に示すように、特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、
図19のS330に移行し、第2保留記憶(上記、
図17のS214による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
【0151】
この保留記憶があれば(S330:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S332)、S338に進む。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、
図17のS204による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
【0152】
また、第1保留記憶がなければ(S334:no)、待機コマンドをサブ統合制御装置83に送信した後(S337)、大当り遊技処理へ移行する。この待機コマンドは、特別図柄が変動しておらずパチンコ機50が「待機状態(所謂「客待ちの状態)」であることを示すコマンドである。
また、本パチンコ機50では、このように、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理する。
【0153】
S338では確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率状態であることを意味する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
そして、S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定する(S350)。
【0154】
ここで、実施例1のパチンコ機50では、特別図柄の確率変動機能を備えないため、S338で一律に否定判定される。但し、特別図柄の確率変動機能を備えるパチンコ機50では、S338で肯定判定される。なお、実施例1のパチンコ機50においても、特別図柄の確率変動機能を備えることとしてもよい。
また、実施例1のパチンコ機50は、特別図柄に関する当否判定の大当り確率を段階的に設定可能な機能を備えていないが、当該設定機能を備えるパチンコ機50では、S350においてその時点の設定値に応じて段階的に異なる確率で大当りと判定(大当り判定)される。
【0155】
S350で大当りと判定される場合には(S350:yes)、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
そして、「第1当否判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
【0156】
また、「第2当否判定」の結果が大当りである場合には、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1当否判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2当否判定」に相当する。
【0157】
なお、
図5(a)及び(b)に示すように、第1当否判定を経て移行するS352の処理では、大当り図柄が「特
図1_大当り図柄1(4R通常大当り図柄)」、「特
図1_大当り図柄2(6R通常大当り図柄)」若しくは「特
図1_大当り図柄3(6R通常大当り図柄)」の何れかに決定される。また、第2当否判定を経て移行するS352の処理では、「特
図2_大当り図柄1(6R通常大当り図柄)」、若しくは、「特
図2_大当り図柄2(8R通常大当り図柄)」の何れかに決定される。
【0158】
そして、S352の処理で大当り図柄を決定すると、変動パターン決定処理(S354)に移行する。
この変動パターン決定処理(S354)では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。ここで、変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
【0159】
そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行った後(S356)、S364の処理に移行する。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(
図5(a)及び(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(実施例1では時短状態となるか、確変機能を備えるパチンコ機50では高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
一方、S350において外れと判定された場合は(S350:no)、外れ図柄を決定する(S358)。そして、外れ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S360)。こうして、変動パターンが設定されると、外れ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。
【0160】
ここで、
図20(a)を用いて、S362の外れ設定処理について説明する。
外れ設定処理を開始すると、S362eで時短フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S362e)。ここで、本実施例では、時短フラグとしては、遊技状態が「a時短状態」である場合に設定される第1時短フラグと、遊技状態が「b時短状態」である場合に設定される第2時短フラグと、遊技状態が「c時短状態」である場合に設定される第3時短フラグとが予定されている。
S362eで肯定判定されると(S362e:yes)、S362fを実行した後、S362gに移行し、S362eで否定判定されると(S362e:no)、S362fをスキップしてS362gに移行する。
【0161】
ここで、S362fでは時短回数を「-1」する処理を行う。つまり、時短状態で実行可能の当否判定の残り回数(時短回数)を「1」デクリメントする。
本実施例では、大当り遊技の終了時に、大当り時短状態に移行し、時短回数が「100回」若しくは「950回」に設定され(
図28のS546を参照)、通常確率状態で実行される当否判定の回数が「900回」に到達すると、到達時短状態に移行し、時短回数が「900回」に設定される(
図24のS452を参照)。また、特定外れ図柄が確定表示された場合に特定時短状態に移行し、時短回数が「50回」に設定される(
図24のS458を参照)。
【0162】
そして、S362fでは、特別図柄の変動表示が開始される度に、当該時短回数が「-1」され、当該時短回数がS362fを行うことで、「0」となる変動表示が停止される際に時短フラグの値が「1」から「0」とされる。但し、本実施例と異なり、対応する時短フラグの値が「1」である場合、特別図柄の停止表示時に時短回数を「-1」する処理を行ってもよい。
【0163】
S362gでは到達カウンタの値を「1」インクリメントする。ここで、到達カウンタは、通常確率状態で実行される当否判定の回数を計数するためのカウンタであり、本実施例のパチンコ機50では、大当り遊技を実行するか、ラムクリアされると到達カウンタは初期化(値を「0」と)される(
図5(d)を参照)。
このように、本パチンコ機50においては、遊技状態が通常確率状態であると、大当りを生ずることなく実行される「特別図柄に関する当否判定」の回数が計数(カウント)される。
【0164】
S362gを実行するとS362hに移行し、カウントコマンドをサブ統合装置83に送信する処理を行う。つまり、通常確率状態で当否判定が行われる度に、通常確率状態で当該当否判定が行われたことを示す情報が、主制御装置80からサブ統合装置83に送信される。このため、サブ統合装置83は通常確率状態で実行された当否判定の回数を把握することができる。
【0165】
そして、S362hを実行するとS362iに移行し、到達カウンタの値が規定到達回数になったか否かを判定する。ここで、通常確率状態で、大当りを発生することなく実行される当否判定の回数が、規定到達回数(本実施例では900を例示)になると、大当り遊技を介することなく遊技状態が時短状態(b時短状態)に移行する。
S362iで否定判定される場合には(S362i:no)、外れ設定処理をリターンする。これに対して、S362iで肯定判定される場合には(S362i:yes)、到達フラグの値を「1」とする処理(S362j)を実行した後、外れ設定処理をリターンする。なお、到達フラグは、通常確率状態で当否判定(変動表示)の回数が、規定到達回数になったことを示すフラグであり、規定到達回数となると値が「1」とされる。
【0166】
ここで、S360では、リーチ判定用乱数がリーチを発生させる値(前述の所定値)と判定される場合には、その時点の遊技状態を考慮した変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。ここで、当否判定の結果が外れである場合、演出図柄の変動表示においてリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う場合を「リーチ外れ」と称し、リーチを行わない場合を「ノーマル外れ」と称することとする。
なお、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合であって、遊技状態が非時短状態である場合、「ノーマル外れ且つ非時短状態用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が時短状態である場合、「ノーマル外れ且つ時短状態用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
【0167】
当否判定の結果が外れであり、リーチを行う場合(リーチ外れの場合)であって、遊技状態が非時短状態である場合、「リーチ外れ且つ非時短状態用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が時短状態である場合、「リーチ外れ且つ時短状態用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。この場合も、当否判定の結果が大当りである場合と同様に、時短状態用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間は、非時短状態用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間よりも短か目とされる。
一般にノーマル外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴わない場合)において「ノーマル外れ且つ非時短状態用の変動パターンテーブルを参照して決定する変動パターンは、リーチ外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴う場合)において「リーチ外れ且つ非時短状態用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。
【0168】
図19に戻り更に説明すると、S356又はS362に続いては、S364に移行する。このS364では、上述したS332若しくはS336でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合装置83に送信する。
S364に続くS366では、上述の抽選結果(第1当否判定若しくは第2当否判定)を示すデータをサブ統合制御装置83に出力し(S366)、大当り遊技処理へ移行する。
【0169】
ここで、このS366でサブ統合制御装置83に送信されるデータに関し、
図21(a)を用いて説明する。
S366の変動開始コマンド(表示制御コマンド)には、変動時間を指定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)の他に、当否判定結果に基づく情報(データ)が含まれる。
具体的には、当否判定の結果が大当りである場合、「大当り情報」が含まれる。
また、当否判定の結果が外れで、当該当否判定で規定到達回数になった場合(
図20(a)のS362iで肯定判定される場合)には、外れ情報と到達情報が含まれ、当該当否判定で規定到達回数にならない場合(
図20(a)のS362iで否定判定される場合)には、外れ情報が含まれるが、到達情報は含まれない。
【0170】
更に、当否判定の結果が特定外れの場合、外れ情報と特定情報が含まれる。ここで、特定情報は、非時短時において外れ図柄として特
図1_外れ図柄2が選択される場合に生ずる。
また、変動開始コマンドには、当否判定の結果が外れの場合、当該外れがリーチ外れか、ノーマル外れかを示すデータ(リーチ判定用乱数を特定するデータ)も含まれる。
【0171】
更に、S366の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図18に戻り更に説明すると、
図18のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、
図21(b)のS370に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S370:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S370:yes)、確定図柄表示処理(S372)を行ってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0172】
図18のS324において確定図柄を表示中と判定された場合には(S324:yes)、
図22のS374に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S374:no)は大当り遊技処理を行う。
これに対し、S374において肯定判定(S374:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S376)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S378)。
【0173】
S378で大当りになる図柄であると判定された場合(S378:yes)は、S380において、時短フラグ(第1時短フラグ、第2時短フラグ若しくは第3時短フラグ)が1か否かを判定する。第1時短フラグ、第2時短フラグ及び第3時短フラグの何れかが1であれば(S380:yes)、S382にて当該時短フラグ(第1時短フラグ、第2時短フラグ若しくは第3時短フラグ)を0にし、S384に移行する。一方、何れの時短フラグ(第1時短フラグ、第2時短フラグ及び第3時短フラグ)も1でなければ(S380:no)、そのままS384に移行する。
【0174】
つまり、S382においては、第1時短フラグの値が1であれば第1時短フラグの値を0とし、第2時短フラグの値が1であれば第2時短フラグの値を0とし、第3時短フラグの値が1であれば第3時短フラグの値を0とする。
【0175】
S384では、状態指定コマンドを送信する。この場合、遊技状態が「通常確率・非時短状態(つまり、通常状態)であることを示すコマンド」が、サブ統合制御装置83に送信される。つまり、大当り遊技を実行中には、遊技状態が通常確率・非時短状態(通常状態)となる。
S384に続いて、S386では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS388にて役物連続作動装置を作動させる。
【0176】
S388を行うと、続くS390において大当り開始演出処理を行い、大当り遊技処理を行う。ここで、大当り開始演出処理を行うと、主制御装置80は、大当り遊技を開始することを示すコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。
S378において、確定表示させた特別図柄が大当りになる図柄でないと判定された場合は(S378:no)、
図23のS398に移行し、第1時短フラグが「1」か否かを判定する。
【0177】
つまり、S398では、現在、大当り時短状態であるか否かを判定する。そして、第1時短フラグの値が1である場合には(S398:yes)、到達フラグの値が1であるか否かを判定し(S404)、肯定判定される場合には、S450(
図24を参照)に移行する。つまり、大当り時短状態を実行中であっても規定到達回数となると(到達フラグの値が1となると)、到達時短状態に移行する。なお、S450の詳細については後述する。
【0178】
S404で否定判定されると(S404)、S406で時短回数が「0」か否かを判定する(S406)。そして、時短回数が「0」ではないとき(S406:no)は、そのままS470に移行する。
一方、時短回数が「0」であるとき、S410にて第1時短フラグを「0」にし、S470に進む。
【0179】
S398で第1時短フラグが「1」でなければ(S398:no)、S412に移行し、第2時短フラグが「1」か否かを判定する。つまり、S412では、現在、到達時短状態であるか否かを判定する。
そして、第2時短フラグの値が1である場合には(S412:yes)、到達フラグの値が1であるか否かを判定し(S414)、肯定判定される場合には、S450(
図24を参照)に移行する。但し、前述のように、到達時短状態中に到達フラグの値が1とされることは実際にはあり得ないため、通常、S414で否定判定される。
【0180】
S414で否定判定される場合には、S416で時短回数が「0」か否かを判定する(S416)。そして、時短回数が「0」ではないとき(S416:no)は、そのままS470に移行する。
これに対して、時短回数が「0」であるときには、S430にて第2時短フラグを「0」にし、S470に進む。
【0181】
S412で第2時短フラグが「1」でなければ(S412:no)、
図24のS436に移行し、第3時短フラグが「1」か否かを判定する。つまり、S436では、現在、特定時短状態であるか否かを判定する。
そして、第3時短フラグの値が1である場合には(S436:yes)、S438に移行し、到達フラグの値が1であるか否かを判定する(S438)。そして、S438で肯定判定される場合には(S438;yes)、S450に移行する。
【0182】
S438で否定判定される場合には(S438:no)、時短回数が「0」か否かを判定する(S440)。そして、時短回数が「0」ではないとき(S440:no)は、そのままS470に移行する。
これに対して、時短回数が「0」であるときには、S446に移行して、第3時短フラグを「0」にし、S470に進む。
【0183】
S436で否定判定される場合には(S436:no)、つまり、何れの時短フラグの値も1でない場合には、S448に移行し、到達フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S448で肯定判定される場合には(S448:yes)、到達フラグの値を「0」とする処理(S450)と、時短回数を設定する処理(S452)と、第2時短フラグの値を「1」とする処理(S454)を行った後、S470に移行する。
【0184】
ここで、S448で肯定判定される場合とは遊技状態が「到達時短状態」に移行するケースを示しており、その場合、S452において時短回数として「900回」が設定される。なお、「到達時短状態」に移行する場合、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能がセットされる。
【0185】
S448で否定判定される場合には(S448:no)、S456で、今回の外れが、特定の外れであるか否か(S372で特定外れ図柄確定表示されたか否か)を判定する。そして、S456で否定判定される場合には、そのままS470に移行する。
一方、S456で肯定判定される場合には、時短回数を設定する処理(S458)と、第3時短フラグを「1」に設定する処理(S460)とを行った後、S470に移行する。このS460において第3時短フラグを「1」に設定すると、特定時短状態(c時短状態)に移行する。
【0186】
ここで、S456で肯定判定される場合とは遊技状態が「特定時短状態」に移行するケースを示しており、その場合、S458において時短回数として「50回」が設定される。なお、「特定時短状態」に移行する場合、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能がセットされる。 そして、S460を行った後、S470に移行する。
【0187】
S470では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理へ移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0188】
なお、本実施例では、時短状態(a時短状態、b時短状態若しくはc時短状態)であるとき、特
図1_外れ図柄2が確定表示されても、c時短状態に移行しないこととしたが、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数と、特定外れ図柄が停止表示されることに基づいて付与予定の時短回数を比較して、当該時短回数が残り回数よりも多い場合、残り回数を付与予定の時短回数で更新することとしてもよい。
【0189】
例えば、
図23のS404、S414若しくは
図24のS438で否定判定される場合に、特定外れを生じたか否かを判定し、当該判定で肯定判定される場合には、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数と、特定外れの発生に基づいて付与予定の時短回数を比較する。そして、付与予定の時短回数の方が多い場合に、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数を付与予定の時短回数で更新(上書き)してもよい。
【0190】
ここで、
図25(a)を用いて、S470で送信される状態指定コマンドの内容について説明する。
第2時短フラグの値を1とした後(S454)に移行するS470の処理では、第2時短状態移行指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に到達時短状態に移行することを示すコマンドが送信される。
また、第3時短フラグの値を1とした後(S460)に移行するS470の処理では、第3時短状態移行指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に特定時短状態に移行することを示すコマンドが送信される。
【0191】
更に、第1時短フラグの値を0とした後(S410)に移行するS470の処理では、第1時短状態終了指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に大当り時短状態が終了することを示すコマンドが送信される。
また、第2時短フラグの値を0とした後(S430)に移行するS470の処理では、第2時短状態終了指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に到達時短状態が終了することを示すコマンドが送信される。
【0192】
更に、第3時短フラグの値を0とした後(S446)に移行するS470の処理では、第3時短状態移行指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に特定時短状態が終了することを示すコマンドが送信される。
【0193】
同様に、
図22のS384の状態指定コマンドは、時短状態終了指定コマンド(a時短状態、b時短状態、若しくは、c時短状態)が終了したことを指定するコマンド)である。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に時短状態(a時短状態、b時短状態、若しくは、c時短状態)が終了することを示すコマンドが送信される。
【0194】
また、後述する
図28のS556の状態指定コマンドは、大当り時短状態開始指定コマンドである。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に大当り時短状態(a時短状態)に移行することを示すコマンドが送信される。
更に、前述の
図22のS390の大当り開始演出処理において、大当り遊技を開始することを示すコマンドが主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。
そして、以上のコマンドを受信したサブ統合制御装置83は、後述の時短演出フラグ管理処理を実行する(
図35を参照)。
【0195】
次に
図26から
図28を用いて、大当り遊技処理について説明する。
まず、
図26に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているか否かを判断する(S506)。
【0196】
ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S506:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S508)。これも否定判定の場合は(S508:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S510)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S510:yes)、大入賞口開放処理(S512)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
【0197】
大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S502:yes)、
図27のS514に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では大入賞口14への規定入賞数は10個だが、8個、9個でもよく、特に限定するものではない。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S514において、大入賞口14に遊技球が10個入賞した場合には(S514:yes)、大入賞口閉鎖処理(S518)を行い、大当りインターバル処理(S520)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0198】
図26に戻る。
図26のS506でインターバル中であると判定された場合は(S506:yes)、
図27のS522に進み、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ラウンド遊技間のインターバル時間が経過している場合(S522:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S524)。また、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過していない場合には(S522:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。S524において、最終ラウンドであれば(S524:yes)、大当り終了演出処理(S526)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0199】
S524において、最終ラウンドでなければ(S524:no)、大入賞口14を開放する処理(S528)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0200】
図26に戻る。
図26のS508で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S508:yes)、
図28のS530に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。そして、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
一方、大当り終了演出時間が経過した場合には(S530:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S532)、条件装置の作動を停止する(S534)。
【0201】
そして、S534を実行すると、S544に移行し、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。
本実施例では、S544で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する処理(S548)とを行う。ここで、S548で時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
【0202】
S548の処理を行うか、S544で否定判定される場合には(S544:no)、S550に移行し、到達カウンタの値が「正数」であるか否かを判定する。そして、S550で肯定判定される場合には(S550:yes)、到達カウンタの値を初期化し(値を「0」とし)、S554に移行する。また、S550で否定判定される場合には(S550:no)、そのままS554に移行する。
つまり、本パチンコ機50においては、大当りを発生するか、主制御装置80にラムクリア処理が施されると、到達カウンタが初期化される。この場合、初期化されてから、通常状態で実行される当否判定(特別図柄に関する当否判定)の回数が、「900回」になると到達時短状態に移行する。
【0203】
S554において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS556において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
つまり、S556では、大当り遊技を介して移行する時短状態(大当り時短)になることを示すコマンドが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。
ここで、S546において時短回数は、第1当否判定(第1特別図柄に関する当否判定)若しくは第2当否判定(第2特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとなって実行された大当り遊技を終了する場合に「100回」若しくは「950回)に設定される。
【0204】
次に、
図29~
図34を用いて本実施例のパチンコ機50で実行される演出制御の概要を説明する。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御する。
【0205】
まず、
図29(a)は、遊技状態が「非時短状態」であるときの演出図柄表示装置6の画面6aを示している。
遊技状態が「非時短状態」であるか、「時短状態」であるかを問わず、始動口11、12に遊技球が入球することに基づき、特別図柄の当否判定が実行されると、第1特別図柄表示装置9若しくは第2特別図柄表示装置10において特別図柄の変動が開始される。そして、特別図柄の変動開始に呼応して、演出図柄表示装置6の主表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。
【0206】
この主表示領域6Hでは、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。なお、本実施例では、演出図柄の変動を主表示領域6Hにおいて3桁の構成図柄を表示して行うが、構成図柄の数は特に問わず、1個であってもよいし、3以外の複数であってもよいし、スクロール方向が横方向であってもよい。なお、主表示領域6Hにおいて、左側に表示される構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
【0207】
また、演出図柄表示装置6の画面6aには、関連事項表示部6Fが出現し、例えば、キャラクタ、動画、実写画像等を用いて、演出図柄の変動及び停止表示を盛り上げるための関連演出を実行したり、遊技者に発するコメント、警告等を表示したりする。
但し、「遊技状態が非時短状態」である場合には、演出図柄表示装置6の画面6aで遊技者に遊技球の「左打ち」を促す一般左打ち示唆演出LHが実行される。なお、「遊技状態が非時短状態」である場合には、後述する左打ち示唆演出LS1、LS2、LS3を除いて、遊技球の発射態様を示唆する表示(例えば、一般左打ち示唆演出LH)を一切行わないこととしてもよい。
【0208】
この一般左打ち示唆演出LHは、左方向を指し示す矢印L1と、矢印L1と離れた位置に表示される「左打ちして下さい」という文字表示L2とで構成される。
この「一般左打ち示唆演出LH」が出現している間、通常、遊技者は遊技球の発射強度を弱め、発射した遊技球を左打ち領域3Lを流下させ、遊技を進行させようとする。
【0209】
この一般左打ち示唆演出LHは、遊技状態が変化した時に表示することにより、遊技者にどちらの遊技領域を(左打ち領域3Lと右打ち領域3Rとのうちの何れを)目指して遊技球を発射すれば良いかを報知するようにすることが考えられる。
その場合、所定時間経過したら、もうどちらの遊技領域で遊技をすれば良いかを把握できているとして表示を終了してもよい。
また、左打ち遊技が推奨されているとき(遊技状態が非時短状態)に右打ち領域3Rへ遊技球が打ち込まれていることを検出したときに表示することも考えられる。この場合は推奨する遊技領域(つまり、左打ち領域3L)に発射位置を修正したことを検出したら表示を終了することにより、推奨する遊技領域とは異なる遊技領域(つまり、右打ち領域3R)での変則遊技を抑止することができる。
【0210】
また、遊技状態が非時短状態である場合には、主表示領域6Hが演出図柄表示装置6の略中央に大きく表示される。
なお、遊技状態が非時短状態で移行した場合、当該移行直後を除いて左打ちを示唆する表示(一般左打ち示唆演出LH等)を行わないこととしてもよい。つまり、当該移行直後に遊技球の発射態様を切り替える(時短状態中の右打ちから、非時短状態の左打ちに切り替える)ことを示唆する場合には、例えば、後述する左打ち示唆演出LS1、LS2、LS3を行う。そして、非時短状態移行後、遊技球の発射態様を示唆する表示を行なわず、非時短状態で右打ちが検出されたとき(例えば、右打ち領域3Rに設けらた普通図柄作動ゲート17が、遊技球を検出したとき)、警告表示などを行ってもよい。
【0211】
また、遊技状態が「非時短状態」であるか、「時短状態」であるかを問わず、演出図柄表示装置6の画面6aには、特別図柄に関する当否判定の結果を表示するための変動表示領域6Hの他に、第1保留図柄表示領域6D及び第2保留図柄表示領域6Eが出現可能とされている。
第1保留図柄表示領域6Dは、遊技球が第1始動口11に入球することに基づき取得した保留記憶(第1保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第1保留図柄という)6dを、4個を限度に表示可能な領域である。また、第2保留図柄表示領域6Eは、遊技球が第2始動口12に入球することに基づき取得した保留記憶(第2保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第2保留図柄という)6eを、4個を限度に表示可能な領域である。
【0212】
図29では、保留記憶数表示領域6D、6Eに保留図柄が表示されていることを「黒丸」で示し、表示されていないことを「白丸」で示している。なお、遊技状態が「非時短状態」である場合には遊技者が左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射すると第1保留記憶は貯まるが第2保留記憶は貯まり難くなっている。また、後述するように、遊技状態が「時短状態」である場合には、遊技者が右打ち領域3Rを狙って遊技球を発射すると、第2保留記憶は貯まるが第1保留記憶は貯まり難くなっている。
【0213】
また、
図29(a)に示すように、特別図柄に関する当否判定の結果が表示されると、主表示領域6Hにおいて演出図柄の変動を開始する。つまり、サブ統合制御装置83が変動開始コマンドを受信すると、
図29(a)に示すように、左演出図柄6Lと、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始する。
そして、リーチを行うことに決定される場合には、リーチ表示の実行時期になると、
図29(b)に示すように、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で停止表示してリーチ表示を実行する。このとき、画面6aに「リーチ」という文字情報M1が表示され、リーチ演出を開始する。
【0214】
更に、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、主表示領域6Hにおいて当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。
このとき、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合、変動時間を経過すると、
図29(c)に示すように、変動中の中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字で停止表示して大当り図柄の確定表示が実行される。この大当り図柄の確定表示によって大当りの発生が報知され、大当り遊技が実行される。
なお、図示を省略するが、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合には、リーチを伴う外れ(リーチ外れ)と、リーチを伴わない外れ(ノーマル外れ)がある。また、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合、変動時間を経過すると、変動中の中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと異なる数字で停止表示して外れ図柄の確定表示が実行される。
【0215】
図29(d)に示すように、大当り遊技を終了すると、遊技状態が大当り時短状態(a時短状態)に移行する。この場合、大当り時短状態(a時短状態)で特別図柄の変動表示を開始可能な状態となり、演出図柄表示装置6の画面6aで特別図柄の変動表示に対応する演出表示が開始可能な状態となる。
【0216】
次に、
図30を用いて、大当り時短状態(a時短状態)用の演出表示について説明する。
遊技状態が大当り時短状態(a時短状態)に移行すると、特別図柄の変動表示に対応して、演出図柄表示装置6の画面6aに大当り時短状態(a時短状態)用の演出表示を開始する。
【0217】
この場合、
図30(a)に示すように、画面6aの上縁部寄りで右打ち示唆演出RS1が実行される。この右打ち示唆演出RS1は、「右打ちして下さい」という文字表示R2と、この文字表示R2の両脇に表示される矢印R1(右方向を指し示す矢印R1)と、達吉RAUSHという文字情報R3とで構成される。このとき、画面6aには、大当り時短状態(a時短状態)の残り回数(大当り時短状態の利益を維持しつつ実行可能な当否判定回数)を示す文字表示R4も表示される。
【0218】
また、演出図柄表示装置6の画面6aに味方キャラクタAと、敵キャラクタBとが出現して睨み合う。そして、大当り時短状態用の右打ち示唆演出RS1が出現すると、通常、遊技者は遊技球の発射強度を強くし、発射した遊技球を右打ち領域3Rを流下させ、遊技を進行させようとする。
この後、大当り時短状態において、特別図柄の変動表示が開始される毎に演出表示が開始されるが、リーチを行うと決定されると、
図30(b)に示すように、リーチ表示後、味方キャラクタAと敵キャラクタBとがバトル演出を行い、当該バトルの勝敗等で「当否判定の結果」を示唆する。つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りの場合、味方キャラクタAが勝利する表示が実行され(図示を省略)。また、特別図柄に関する当否判定の結果が外れの場合、
図30(c)に示すように、敵キャラクタBが勝利する表示が実行される。
【0219】
なお、図示を省略するが、リーチを実行すると決定されない場合には、味方キャラクタAと敵キャラクタBは睨み合う状態を維持する(
図30(a)を参照)。
また、大当り時短状態(a時短状態)が開始されると、主表示部6Hは画面6aの隅に縮小して表示されるとともに、特別図柄に関する当否判定の結果が外れになる度に、大当り時短状態(a時短状態)の残り回数を示す文字情報R4を更新して(演出表示が開始した後、所定時間を経過する度に-1して)表示される。
なお、遊技状態が大当り時短状態(a時短状態)である場合には、大当り時短状態用の右打ち示唆演出RS1が継続される。
【0220】
そして、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなる度に、大当り時短状態(a時短状態)の残り回数が更新され、大当り時短状態(a時短状態)の最終変動を終了して通常状態(非時短状態)に移行した際に、
図30(d)に示すように、大当り時短状態用の左打ち示唆演出LS1が出現する。この左打ち示唆演出LS1は、演出表示が切り替わること(遊技球の発射態様が左打ちに切り替わること)を示唆するものであり、画面6aに味方キャラクタAと、大当り時短状態の終了を示唆するキャラクタD(岩のキャラクタD)と、「残念 時短終了!」という文字情報R5と、「左打ちに戻して下さい」という文字情報R6とを表示して行われる。
【0221】
つまり、大当り時短状態には、ある程度、変動時間を掛け、味方キャラクタAと、敵キャラクタBとを出現させて行うが、この状態(大当り時短状態)が終了して遊技状態が変わった時に遊技者がどちらの遊技領域で(左打ち領域3Lと右打ち領域3Rとのうちの何れの遊技領域で)、遊技をすれば良いか混乱しないように、左打ち示唆演出LS1を表示して遊技者を誘導させることができる。
【0222】
なお、大当り時短状態を終了し、遊技状態が非時短状態になると、演出図柄表示装置6の画面6aで、左打ち示唆演出LS1を実行する。そして、左打ち示唆演出LS1を実行した後、所定時間(例えば、2秒)が経過すると、前述の「一般左打ち示唆演出LH」が実行されてもよいし、遊技球の発射態様を示唆する表示を行わないこととしてもよい。
【0223】
図31は、遊技状態が非時短状態であるとき、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立したケース((以下、ケース1という)を示している。
ここで、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件とは、大当りを発生することなく実行された特別図柄に関する当否判定の回数が規定到達回数の「900回」となることである。
なお、ケース1においては、特別図柄に関する当否判定の回数が規定到達回数になったときの遊技状態が非時短状態であれば足り、規定到達回数になる前の遊技状態(非時短状態であるか、時短状態であるか)を特に問わない。
【0224】
図31(a)は、遊技状態が非時短状態であるとき、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立した場合の表示例を示している。つまり、
図31(a)は、遊技状態が非時短状態であるとき、大当りを発生することなく実行された「特別図柄に関する当否判定の回数」が、規定到達回数の「900回」になり、主表示部6Hに外れ図柄が表示される場合を示している。
このケース1では、主表示部6Hに外れ図柄が表示された後、
図31(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aで到達演出を実行する。ここで、到達演出とは、到達時短状態(b時短状態)に移行することを示唆する演出である。
【0225】
到達演出では、マイクMを持った猫のキャラクタNとともに、「突然ですが、次変動よりカラオケ遊タイムに入ります!」という文字表示R7が表示される。また、画面6aに右方向を指し示す1個の大きな矢印R8が表示され、次変動からb時短状態に移行し、次変動から右打ちを開始する心の準備を行うことが示唆される。
【0226】
この矢印R8は、大当り時短状態の際に表示された白抜きで複数の矢印R1に比べて大型であり、しかも、黒く塗りつぶされており、表示数も1個とされている。このため、b時短状態が始まる直前には、a時短状態が始まる際に比べて大きく異なり、遊技者は開始される時短状態の種類を判別することが容易である。
ここで、矢印R8と、文字表示R7、マイクM、キャラクタNを表示することで、到達時短状態(b時短状態)における「右打ち示唆演出RS2」が実行される。この「右打ち示唆演出RS2」は、大当り時短状態(a時短状態)における「右打ち示唆演出RS1」と一見して識別容易であるため、遊技者は、これから到達時短状態(b時短状態)を開始することに対する心の準備を行うことができる。
【0227】
なお、本実施例ではb時短状態に移行する直前に「突然ですが、次変動よりカラオケ遊タイムに入ります!」という文字表示R7やキャラクタN等を表示することで到達演出を行った。但し、本実施例と異なり、b時短状態に移行した後の時点(例えば、b時短状態で実行する最初の変動開始時)に、「突然ですが、この変動よりカラオケ遊タイムに入ります!」という文字表示やキャラクタN等を表示することで到達演出を行ってもよい。
【0228】
到達演出を行った後、到達時短状態(b時短状態)が開始すると、到達時短状態中演出が実行される。この到達時短状態中演出が開始されると、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなる度に到達時短状態(b時短状態)の残り回数を示す文字状態R4を更新して(演出表示が開始した後、所定時間を経過する度に-1して)表示される。
また、到達時短状態(b時短状態)に移行すると、主表示部6Hは画面6aの隅に縮小して表示される。
【0229】
また、到達時短状態中演出において、演出図柄表示装置6の画面6aには「カラオケ遊タイム」という文字情報R10が表示され、b時短状態の残り時短回数を示す文字情報R4も表示される。但し、到達時短状態(b時短状態)では時短回数が多く設定され(上限回数900回に設定され)、大当りを発生する可能性が高いため、b時短状態の残り時短回数を必ずしも表示する必要はない。
【0230】
また、到達時短状態(b時短状態)においては、大当り時短状態に比べて変動時間が短い(約半分である)ため、演出表示(特別図柄の変動)を開始しても、素早く当否判定の結果が表示される。つまり、「サクサク」と変動が開始され、素早く当否判定の結果が表示される。
蓋し、到達時短状態(b時短状態)の時短回数が「900回」と多くなっているため(大当り時短状態の時短回数の「9」倍となっているため)、多い時短回数を素早く消化し、当否判定の結果を表示する趣旨である。
【0231】
大当り時短状態は、有利な遊技状態を、大当りを獲得したことによる特典として付与するものであり、また該時短状態で大当りが得られるか否かが興趣のポイントになるため、予告やリーチ演出で遊技者を楽しませるのに対して、到達時短状態は、なかなか大当りを得られずに到達時短状態が作動するところまで遊技をしてしまった遊技者への救済措置として時短状態を付与するものである。このため、当るか否か(特別図柄に関する当否判定の結果が大当りか否か)を演出するよりも、少しでも早く大当りが発生するように変動演出を控えることが考えられる。
【0232】
ここで、この到達時短状態(b時短状態)では、キャラクタNが到達時短状態(b時短状態)を終了するまで、ひたすらカラオケを歌い続け、前述の矢印R8が継続して表示され、右打ちを示唆される。
そして、到達時短状態(b時短状態)においても、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなる度に、到達時短状態(b時短状態)の残り回数が更新される。
【0233】
なお、図示を省略するが、到達時短状態(b時短状態)において、リーチを実行するか否かが決定され、リーチを実行するとリーチ表示及びその後のリーチ演出が実行される。但し、リーチを実行する確率は、大当り時短状態に比べて低くされている。
また、到達時短状態(b時短状態)においては、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合も含め、リーチを実行しないこととしてもよい。つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りであっても、演出表示が開始されると、リーチ表示を行うことなく大当り図柄が表示されることとしてもよい。
【0234】
更に、到達時短状態(b時短状態)の最終変動を終了する間際に、
図31(d)に示すように、到達時短状態用の左打ち示唆演出LS2が出現する。この左打ち示唆演出L6は、演出表示が切り替わること(遊技球の発射態様を左打ちに切り替わること)を示唆するものであり、手を振るキャラクタNと、「まもなくカラオケ遊タイムを終了しますという文字情報R11」と、左方向を指し示す1個の大きな矢印R12が表示される。
【0235】
つまり、到達時短状態(b時短状態)では、短い変動時間の演出表示を繰り返すが、この状態(到達時短状態)が終了して遊技状態が変わった時に遊技者がどちらの遊技領域で(左打ち領域3Lと右打ち領域3Rとのうちの何れの遊技領域で)、遊技をすれば良いか混乱しないように左打ち示唆演出LS2を表示して遊技者を誘導させることができる。
この矢印R12も、大当り時短状態の際に表示された白抜きで複数の矢印R1に比べて大型であり、しかも、黒く塗りつぶされており、表示数も1個とされている。このため、b時短状態が始まる際には、a時短状態が始まる際に比べて大きく異なり、遊技者は終了する時短状態の種類を判別することが容易である。
【0236】
図32(a)は、非時短状態で、特定図柄(本実施例では、特定外れの発生を示す特定外れ図柄を例示)が確定表示されることに基づいて、遊技状態がc時短状態に移行するケースを示している。
ここで、本実施例では、遊技状態が非時短状態である場合に特定時短状態に移行する可能性があることとしたが、本実施例と異なり、所定条件の下、時短状態であっても特定時短状態に移行し得ることとしてもよい。
【0237】
図32(a)に示すように、非時短状態において、特別図柄に関する当否判定)の結果が「特定外れ図柄」を停止表示されることとなる結果である場合(つまり、特定外れの発生を示す結果である場合)、変動開始後、所定時間が経過すると、左演出図柄6Lと、右演出図柄6Rと、中演出図柄6Cを、この順で停止させ、演出図柄の外れ図柄を確定表示する。この場合、変動表示領域6Hに偶数数字を左から右へ昇順に並べた演出図柄が確定表示される。
【0238】
このように、特定外れを発生が報知されると、
図32(b)に示すように、特定時短状態開始演出が実行される。この特定時短状態開始演出では、画面6aに関連情報6Fとして所定のキャラクタQとともに、「次変動から達吉チャンスに入ります!」という文字情報R13」が表示される。
【0239】
また、特定時短状態開始演出では、右打ち示唆演出RS3が、「右打ちして下さい」という文字表示R14と、右方向を指し示す矢印R15と、熊の達吉Qと、「次変動から達吉チャンスに入ります!」という文字表示R13を表示して実行され、遊技者に右打ちの準備を示唆することが行われる。
つまり、文字情報の内容、キャラクタによって、大当り時短状態や到達時短状態に移行する場合と一見して識別可能となる。従って、遊技者は、これから特定時短状態(c時短状態)を開始することに対する心の準備を行うことができる。
【0240】
特定時短状態に移行した後、特別図柄の変動が開始されると、
図32(c)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6a(主表示部6H)において演出表示が開始され、特定時短状態中演出が実行される。この特定時短状態(c時短状態)を開始すると、主表示部6Hは画面6aの隅に縮小して表示されるとともに、演出図柄表示装置6の画面6aに特定時短状態(c時短状態)の残り回数を示す文字情報R4が更新して(演出表示が開始した後、所定時間を経過する度に-1して)表示される。
【0241】
特定時短状態中演出では、演出図柄表示装置6の画面6aに「達吉チャンス 当りをつかまえろ!」という文字情報R18が表示され、c時短状態の残り時短回数を示す文字情報R4も表示される。
なお、特定時短状態(c時短状態)を継続中においても、右打ち示唆演出LS3を継続する。
【0242】
この特定時短状態(c時短状態)を終了するまで、達吉のキャラクタQが、大当りの発生を示唆する文字情報R17(当りを示す文字情報R17)を捕まえることができたら、大当りを獲得可能であることを示唆する演出が実行される(
図32(c)を参照)。そして、特定時短状態(c時短状態)においても、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなる度に、特定時短状態(c時短状態)の残り回数が更新される。
【0243】
更に、特定時短状態(c時短状態)の最終変動を終了する間際に、
図32(d)に示すように、特定時短状態用の左打ち示唆演出LS3が出現する。この左打ち示唆演出LS3は、演出表示が切り替わること(遊技球の発射態様が左打ちに切り替わること)を示唆するものであり、熊の達吉のキャラクタの顔Sと、「まもなく達吉チャンスを終了しますという文字情報R19」を表示して行われる。
【0244】
この場合も、特定時短状態(c時短状態)では、短い変動時間の演出表示を繰り返すが、この状態(到達時短状態)が終了して遊技状態が変わった時に遊技者がどちらの遊技領域で(左打ち領域3Lと右打ち領域3Rとのうちの遊技領域で)、遊技をすれば良いか混乱しないように左打ち示唆演出LS3を表示して遊技者を誘導させることができる。
なお、特定時短状態を終了し、遊技状態が非時短状態になると、演出図柄表示装置6の画面6aで、前述の左打ち示唆演出LS3を実行する。そして、左打ち示唆演出LS3を実行した後、所定時間(例えば、2秒)が経過すると、前述の「一般左打ち示唆演出LH」が実行されてもよいし、遊技球の発射態様を示唆する表示を行わないこととしてもよい。
【0245】
また、図示を省略するが、特定時短状態(c時短状態)において、リーチを実行するか否かが決定され、リーチを実行するとリーチ表示及びその後のリーチ演出が実行される。但し、リーチを実行する確率は、大当り時短状態に比べて低くされている。
更に、特定時短状態(c時短状態)においては、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合も含め、リーチを実行しないこととしてもよい。つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りであっても、演出表示が開始されると、リーチ表示を行うことなく大当り図柄が表示されることとしてもよい。
【0246】
以上のように、各時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)によって演出モードが異なり、演出モードの違いによって右打ち示唆態様の表示態様のみならず、左打ち示唆態様の表示態様も異なる。具体的に説明すると、各時短状態では矢印の大きさ、矢印の数、右打ち示唆演出の表記態様等に差異が設けられている。このため、遊技者にとっては開始する時短状態や、終了する時短状態を即座に判別することができる。
【0247】
なお、この実施例では表示態様で違いを表示したが、アナウンスの音声の違いや、LEDの点灯パターンの違いで示すことも考えられる。音声やLEDの場合は表示装置を備えなくとも遊技者に伝えることが可能となる。
【0248】
次に、
図33(a)~(d)は、遊技状態がa時短状態であるとき、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立したケース(以下、ケース2という)を示している。
ここで、ケース2は、「規定到達回数を超える数の時短回数が設定されるa時短状態」への移行に伴って生じ得る。
具体的に説明すると、
図33(a)に示すように、第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなり、大当り図柄として「特
図1_大当り図柄3」が確定表示されることに基づいて実行される大当り遊技を実行した後に移行するa時短状態に伴って生じ得る。
【0249】
このa時短状態では、時短回数が「950回」に設定されるため、
図33(b)に示すように、時短状態に移行して最初に開始される演出表示において、演出図柄表示装置6の画面6aに大当り時短状態(a時短状態)の残り回数を示す文字情報R4として、規定到達回数を超える数の時短回数(950回)が表示される。
【0250】
この「規定到達回数を超える数の時短回数(950回)が設定されるa時短状態」に移行すると、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなる度に、大当り時短状態(a時短状態)の残り回数が更新される(演出表示が開始した後、所定時間を経過する度に-1される)。
【0251】
そして、このa時短状態に移行した後、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなることが900回に亘って繰り返されると(規定到達回数まで繰り返されると到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立する。つまり、
図33(c)に示すように、残り回数を示す文字情報R4として、残り回数51回の演出表示で、当否判定の結果が外れであることが報知されると到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立する。
【0252】
a時短状態で到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立すると、到達演出を実行することなく、到達時短状態中演出が実行される。この到達時短状態中演出が開始されると、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなる度に到達時短状態(b時短状態)の残り回数を示す文字状態R4を更新して(演出表示が開始した後、所定時間を経過する度に-1して)表示される。
そして、到達時短状態を終了する際に、到達時短状態終了演出を実行する(
図31(d)を参照)。
【0253】
なお、実施例1の第1の変形例(以下、変形例1という)に示すように、a時短状態時において到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立すると、直ちに到達時短状態中演出が実行されるのではなく、
図33(A)に示す時短連続演出を実行した後、到達時短状態中演出が実行されてもよい。
つまり、実施例1に示すように、a時短状態で到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立した場合、画面6aの表示態様が「a時短状態であることを示唆する表示態様」から「b時短状態であることを示唆する表示態様」に切り替わると、新たな時短状態が開始されることが強調されることになる。
【0254】
これに対して、変形例1の場合には、a時短状態からb時短状態に移行させる際に、a時短状態で出現する演出内容と近時した演出内容の時短連続演出が介在される。つまり、近時したキャラクタ(a時短状態では空手着を着た男子、時短連続演出では空手着を着た少女)が出現する演出が介在される。
【0255】
この変形例1では、a時短状態中に新たな時短状態(b時短状態)が開始されたことを特別に強調せずに、a時短状態がそのまま(いつも以上に長く)継続することを遊技者に自然に伝わることを重視したものとなる。
【0256】
図34(a)~(b)は、遊技状態がc時短状態であるとき、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立したケース(以下、ケース3という)を示している。
なお、ケース3においては、特別図柄に関する当否判定の回数が規定到達回数になったときの遊技状態がc時短状態であれば足り、規定到達回数になる前の遊技状態を特に問わない。例えば、規定到達回数になるまでの間に、度々、特定図柄(特定外れ図柄)が確定表示され、c時短状態に移行することと、c時短状態を終了し、非時短状態に移行することを繰り返してもよい。
【0257】
図34(a)は、遊技状態がc時短状態であるとき、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立した場合の表示例を示している。つまり、
図34(a)は、遊技状態がc時短状態であるとき、大当りを発生することなく実行された「特別図柄に関する当否判定の回数」が、規定到達回数の「900回」になり、主表示部6Hに外れ図柄が表示される場合を示している。
【0258】
このケース3では、主表示部6Hに外れ図柄が表示された後、
図34(b)に示すように、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立する。
到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立すると、到達演出を実行することなく、到達時短状態中演出が実行される。この到達時短状態中演出が開始されると、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなる度に到達時短状態(b時短状態)の残り回数を示す文字状態R4を更新して(演出表示が開始され、所定時間を経過する度に-1して)表示される。
そして、到達時短状態を終了する際に、
図31(d)に示すように、到達時短状態終了演出を実行する。
【0259】
なお、ケース3においても、c時短状態時において、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立すると、直ちに到達時短状態中演出が実行されるのではなく、
図34(A)の変形例2に示すように、時短連続演出を実行した後、到達時短状態中演出が実行されてもよい。
【0260】
この場合、c時短状態中に新たな時短状態(b時短状態)が開始されたことを特別に強調せずに、a時短状態がそのまま(いつも以上に長く)継続することが遊技者に自然に伝わることを重視した演出を実行することができる。
【0261】
次に、
図35のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する時短演出フラグ管理処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
本処理は、時短演出フラグを、各時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)への移行に伴い設定したり(値を「1」としたり)、終了に伴い解除したり(値を「0」としたり)、大当り遊技の開始に伴い解除したりするものである。
【0262】
本処理を開始すると、S1000でサブ統合制御装置83が大当り開始コマンドを受信したか否かを判定する。ここで、サブ統合制御装置83は大当り開始コマンド(
図22のS390で送信される大当り遊技の開始を示すコマンド)を受信することで、大当り遊技を開始したと判定することができる。
そして、S1000で肯定判定されると(S1000:yes)、何れかの時短演出フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1005)。
【0263】
つまり、S1000の肯定判定を得た時短状態がa時短状態である場合には第1時短演出フラグの値が「1」とされ、b時短状態である場合には第2時短演出フラグの値が「1」とされ、c時短状態である場合には第3時短演出フラグの値が「1」とされている。
そして、S1005で否定判定される場合には(S1005:no)、本処理をリターンする。
【0264】
一方、S1005で肯定判定される場合には(S1005:yes)、設定されている時短演出フラグの値を「0」とする処理と、対応する回数表示カウンタの値を「0」とする処理を行った後、本処理をリターンする。ここで、回数表示カウンタは、時短状態で実行可能な当否判定の残り回数に対応するカウンタであり、各時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)に移行する際に、移行する時短状態に対応する時短回数(当該移行する時短状態の利益を保持しつつ実行可能な当否判定の上限回数)がセットされる。
【0265】
S1010について具体的に説明すると、遊技状態がa時短状態である場合には、第1時短演出フラグの値を「0」とする処理と、a時短状態の回数表示カウンタを初期化する処理(「0」とする処理)を行った後、本処理をリターンする。また、遊技状態がb時短状態である場合には、第2時短演出フラグの値を「0」とする処理と、b時短状態の回数表示カウンタを初期化する処理(「0」とする処理)を行った後、本処理をリターンする。更に、遊技状態がc時短状態である場合には、第3時短演出フラグの値を「0」とする処理と、c時短状態の回数表示カウンタを初期化する処理(「0」とする処理)を行った後、本処理をリターンする。
【0266】
なお、回数表示カウンタとは、時短状態で演出表示される際に演出図柄表示装置6の画面6aに、移行中の時短状態の残り回数を表示する際に、演出表示開始時点の残り回数を参照するカウンタである。例えば、
図30(b)においては、演出表示開始時点の残り回数が「80(回)」であり、その時点の回数表示カウンタの値が「80」であり、演出図柄表示装置6の画面6aに「時短状態の残り回数」が「80回」と表示される。
【0267】
ここで、a時短状態を開始する場合には、対応する時短回数(上限回数)が、「100回」若しくは「950回」に設定される。また、b時短状態を開始する場合には、対応する時短回数(上限回数)が、「900回」に設定される。更にc時短状態を開始する場合には、対応する時短回数(上限回数)が、「50回」に設定される。
そして、時短状態に移行する当否判定が実行される度に(特別図柄(演出図柄)の変動表示が終了する度に)、回数表示カウンタの値が「1」デクリメントされる。
【0268】
なお、本実施例では、後述する演出開始処理(
図36、
図37)において、時短状態で演出パターンを設定する際に回数表示カウンタの値が考慮される。例えば、時短状態で設定される演出パターンは、演出表示の開始時に回数表示カウンタの値に基づいて開始時点の残り回数を一定時間表示した後、当該残り回数が「-1」された表示に変更する演出表示を実行するパターンとされる。なお、残り回数の表示態様は、本実施例に示す態様に限定されない。
【0269】
S1000で否定判定されると(S1000:no)、S1015に移行し、時短演出フラグの値が「0」であるか否かを判定する(S1015)。そして、S1015の処理で肯定判定されると(S1015:yes)、S1020に移行し、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)移行指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1020)。
【0270】
つまり、(1)
図23のS470の処理で主制御装置80から送信された第2時短状態移行指定コマンド(到達時短状態に移行することを示すコマンド)、(2)
図23のS470の処理で主制御装置80から送信された第3時短状態移行指定コマンド(特定時短状態に移行することを示すコマンド)、(3)
図28のS556で主制御装置80から送信された大当り時短状態に移行することを示すコマンドのうちの何れかを受信したか否かを判定する(S1020)。
【0271】
S1020で肯定判定されると(S1020:yes)、S1025に移行し、受信したコマンドに対応する時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)移行指定コマンドに対応する時短演出フラグの値を「1」とする処理と、回数表示カウンタに時短演出フラグの値に対応する時短回数をセットする処理を行い、本処理をリターンする。
【0272】
ここで、S1020において、大当り時短状態(a時短状態)に移行したことを指定するコマンドを受信すると、回数表示カウンタには時短回数「100回」若しくは「950回」がセットされる。また、到達時短状態(b時短状態)に移行したことを指定するコマンドを受信すると、回数表示カウンタには時短回数「900回」がセットされる。更に、特定時短状態(c時短状態)に移行したことを指定するコマンドを受信すると、回数表示カウンタには時短回数「50回」がセットされる。
一方、S1020で否定判定されると(S1020:no)、そのまま本処理をリターンする。
【0273】
また、S1015で否定判定されると(S1015:no)、S1030に移行する。このS1030は、時短状態移行指定コマンドを受信したか否かを判定する処理である。ここで、S1030で肯定判定される場合は、大当り時短状態(a時短状態)若しくは特定時短状態(c時短状態)で到達時短状態(b時短状態)への移行を指定する時短状態移行指定コマンドを受信した場合である。
なお、本実施例と異なり、以下の場合には特定時短状態(c時短状態)に移行したことを指定するコマンドを受信する可能性がある。つまり、遊技状態が時短状態であるとき、特定外れ図柄が確定表示されると、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数と、特定外れ図柄が停止表示されることに付与される時短状態の時短回数を比較する。この比較の結果、時短回数が残り回数よりも多い場合、残り回数をc時短状態への移行に伴い付与予定の時短回数で残り回数を更新する場合には、S1030では特定時短状態(c時短状態)に移行したことを指定するコマンドを受信する可能性がある。
【0274】
S1030で肯定判定される場合には(S1030:yes)、S1035に移行し、(設定中の時短演出フラグの値を「0」とするとともに、)受信したコマンドに対応する時短状態移行指定コマンドに対応する時短演出フラグの値を「1」とする処理と、継続中の時短状態における回数表示カウンタの値を移行する時短状態の時短回数に更新する処理を行った後、本処理をリターンする。つまり、実際にS1030で肯定判定される場合は、a時短状態若しくはc時短状態で、b時短状態への移行を示す時短状態移行指定コマンドを受信した場合であり、S1035において、設定中の第1時短演出フラグ若しくは第3時短演出フラグを「0」とし、第2時短演出フラグの値を「1」とする。
【0275】
S1030で否定判定される場合には(S1030:no)、S1040に移行し、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1040)。
【0276】
つまり、(1)
図23のS470の処理で主制御装置80から送信された第1時短状態終了指定コマンド(大当り時短状態を終了することを示すコマンド)、(2)
図23の470の処理で主制御装置80から送信された第2時短状態終了指定コマンド(到達時短状態の終了を示すコマンド)、(3)
図23のS470の処理で主制御装置80から送信された第3時短状態終了指定コマンド(特定時短状態の終了を示すコマンド)、を受信したか否かを判定する(S1040)。
【0277】
そして、S1040で否定判定される場合には(S1040:no)、そのまま本処理をリターンする。
一方、S1040で肯定判定される場合には(S1040:yes)、S1045に移行し、受信した時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)終了指定コマンドに対応する時短演出フラグの値を「0」とする処理と、終了する時短状態の回数表示カウンタを初期化する処理(「0」とする処理)とを行った後、処理をリターンする。ここで、S1045において、a時短状態を終了する場合、第1時短演出フラグの値を「0」とし、b時短状態を終了する場合、第2時短演出フラグの値を「0」とし、c時短状態を終了する場合、第3時短演出フラグの値を「0」とする。
【0278】
次に、
図36及び
図37のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1100)。ここで、変動開始コマンドとは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(
図19のS366を参照)。
【0279】
この変動開始コマンドには、特別図柄に関する当否判定の結果(大当り、外れ)を示すデータと、変動時間を指定する変動パターンを示すデータが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、変動開始コマンドには、大当り図柄を指定するデータ(発生した大当りの種類を図柄指定コマンド示すデータ)が含まれる。更に、特別図柄の当否判定の結果が外れの場合、変動開始コマンドには、当否判定の結果が外れであることを示す外れデータ(外れ情報)の他に、到達情報の有無に関するデータと、特定外れ情報の有無に関するデータが含まれる。
ここで、到達情報とは、大当りとなることなく、実行された「特別図柄に関する当否判定」が規定到達回数となった場合に、外れ情報に付加されるデータである。また、特定外れ情報とは、特定外れである場合に外れ情報に付加されるデータである(
図21(a)を参照)。
【0280】
S1100で否定判定されると(S1100:no)、そのまま演出開始処理を終了し、肯定判定されると(S1100:yes)、S1105の処理に移行し、演出パターン(演出態様)を振り分ける際に使用する振分乱数を取得する。
【0281】
サブ統合制御装置83はS1105を実行すると、S1110に移行し、大当りを発生したか否か(変動開始コマンドに大当り情報が含まれているか否か)を判定する。
S1110で肯定判定される場合には(S1110:yes)、S1115に移行して、時短演出フラグ(第1時短演出フラグ~第3時短演出フラグの何れか)の値が「1」であるか否を判定する(S1115)。
【0282】
S1115で肯定判定される場合には(S1115:yes)、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、「時短時用の大当り演出を伴う演出パターン」を設定し(S1120)、S1300に移行する。
これに対して、S1115で否定判定される場合には(S1115:no)、「非時短時用の大当り演出を伴う演出パターン」を設定し(S1125)、S1300に移行する。
【0283】
S1110で否定判定される場合(S1110:no)、つまり、当否判定の結果が外れである場合(S1110:no)には、
図37のS1130に移行し、変動開始コマンドに到達情報が付加されているか否かを判定する。
S1130で肯定判定される場合(S1130:yes)、S1135に移行して、時短演出フラグの値が「1」であるか否を判定する(S1135)。
但し、S1135は、実質的に第1時短演出フラグ若しくは第3時短演出フラグの値が「1」であるか否を判定する処理となる(S1135)。蓋し、遊技状態が到達時短状態である場合、重ねて到達時短状態が設定されることを想定していないからである(
図7を参照)。
【0284】
S1135で否定判定される場合には(S1135:no)、到達演出用の演出パターンを設定し(S1140)、S1300に移行する。一方、S1135で肯定判定される場合には(S1135:yes)、時短継続演出用の演出パターンを設定し(S1145)、S1300に移行する。
【0285】
ここで、到達演出用の演出パターンに従う演出は、第1演出の具体例を構成し、時短継続演出用の演出パターンに従う演出は、第2演出の具体例を構成する。
到達演出用の演出パターンに従う演出としては、
図31(b)に示すように、遊技状態が到達時短状態に移行することを示す演出である。
また、時短継続演出用の演出パターンに従う演出としては、第1時短演出フラグの値が「1」の場合、例えば、到達時短中演出を実行するための演出パターンを設定する(
図33(d)を参照)。なお、到達時短中演出をいきなり出現させる演出パターンではなく、
図33(A)の時短連続演出を出現させてから、到達時短中演出を出現させる演出パターンを設定してもよい。
【0286】
更に、時短継続演出用の演出パターンに従う演出として、第3時短演出フラグの値が「1」の場合も、例えば、到達時短中演出を実行するための演出パターンを設定する(
図34(b)を参照)。なお、到達時短中演出をいきなり出現させる演出パターンではなく、
図34(A)の時短連続演出を出現させてから、到達時短中演出を出現させる演出パターンを設定してもよい。
【0287】
S1130で否定判定される場合には(S1130:no)、S1150に移行して、外れ情報(変動開始コマンド)に特定情報が付加されているか否かを判定する。
S1150で肯定判定される場合(S1150:yes)、S1155に移行し、「特定外れ演出を伴う演出パターン」を設定した後(S1155)、S1300に移行する。
【0288】
一方、S1150で否定判定される場合(S1150:no)、S1170に移行し、「一般外れ演出を伴う演出パターン」を設定した後(S1170)、S1300に移行する。
ここで、S1170では、到達情報及び特定情報が付加されていない場合の一般的な外れ演出を伴う演出パターンを設定する。具体的には、何れの時短演出フラグの値も「0」の場合には、非時短用の一般的な外れ演出(
図29を参照)を伴う演出パターンを設定する。また、何れかの時短演出フラグの値が「1」である場合には、時短用の一般的な外れ演出(
図31(c)(d)、
図32(c)(d)を参照)。
【0289】
図36のS1300では、演出図柄の停止図柄を設定する処理を行う。そして、S1300を行うと、演出を開始し(S1305)、演出開始処理をリターンする。
【0290】
次に、
図38のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置40から送信されるコマンドである(
図21のS372の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1500:no)、演出停止処理をそのまま終了する。
【0291】
一方、肯定判定される場合には(S1500:yes)、S1505に移行し、時短演出フラグ(第1時短演出フラグ~第3時短演出フラグの何れかの値)が「1」であるか否かを判定する。そして、S1505で肯定判定される場合には、回数表示カウンタの値を「-1」した後、S1515に移行し、S1505で否定判定される場合には 、S1510をスキップして、S1515に移行する。
【0292】
S1515では、演出図柄確定表示指示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理を行う。そして、演出停止処理を終了する。
【0293】
ここで、当否判定の結果が大当りである場合に、S1515の処理に伴い演出図柄表示装置6の画面6aに「大当り図柄(演出図柄)」が確定表示される。
この場合、中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、大当りの発生が報知される。
一方、当否判定の結果が外れである場合に、S1515の処理に伴い演出図柄表示装置6の画面6aに「外れ図柄(演出図柄)」が確定表示される。
この場合、中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと異なる数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、外れの発生が報知される。
【0294】
但し、「外れ図柄(演出図柄)」のうち、特定外れ図柄(演出図柄)は、偶数数字で構成される演出図柄を右から左に向かって昇順に並べた構成とされる。
【0295】
実施例1のパチンコ機50によれば、(1)通常状態(非時短状態)で大当りを生ずることなく実行される当否判定の回数が規定到達回数になることに基づいて到達時短状態に移行するケース1と、(2)a時短状態若しくはc時短状態で大当りを生ずることなく実行される当否判定の回数が規定到達回数になることに基づいて到達時短状態に移行するケース2とで異なる演出を実行する。
つまり、大当りを生ずることなく実行される当否判定の回数が規定到達回数に到達することに基づいて到達時短状態に移行するケースであっても、通常状態で到達時短状態に移行するケースでは、当該規定到達回数に到達したことを示唆する到達演出を実行し、a時短状態若しくはc時短状態で到達時短状態に移行するケースでは、時短状態を継続することを示唆する演出が実行される。
【0296】
このように、本実施例によると、規定到達回数に到達した際の遊技状態に応じて異なる演出が実行され、遊技者に当該遊技状態に対応した印象を与えることができるため、遊技興趣を十分に高めることができる。
なお、実施例1では、第1時短状態として、a時短状態及びc時短状態を備える態様を例示したが、a時短状態及びc時短状態の一方のみを備えてもよい。
【0297】
(2)実施例2
実施例2のパチンコ機50は、c時短状態を開始する際、当該c時短状態中において、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立するか否かを判定し、成立すると判定される場合と、成立しないと判定される場合とで異なる演出を実行するものである。
【0298】
先ず、
図39~
図40を用いて、実施例2のパチンコ機50で実行される演出制御の概要を説明する。
図39(a)は、非時短状態で実行された演出表示において、特定外れ図柄(演出図柄)が確定表示された場合を示している。
【0299】
この場合、特定外れ図柄が確定表示されることにより、開始するc時短状態の時短回数の間に、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立するか否かを判定する。
そして、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立しないと判定される場合は、
図39(d)に示すように、特定時短状態(c時短状態)の開始を通常態様で示唆する通常開始演出を実行する。そして、特定時短状態(c時短状態)を開始すると、
図39(e)に示すように、c時短状態中演出を行う。そして、特定時短状態で行う最終変動において特定時短状態終了演出を実行する(
図32(d)を参照)
【0300】
一方、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立すると判定される場合は、
図39(b)に示すように、特定時短状態(c時短状態)の開始を特別態様で示唆する特別開始演出を実行する。この特別開始演出は、到達時短状態(b時短状態)が、特定時短状態(c時短状態)中に開始されることを、特定時短状態(c時短状態)の開始時に示唆する演出である。具体的には、出現するキャラクタQが、到達時短状態を示唆するマイクMを持った状態で、「達吉チャンスの時間ですが、カラオケ遊タイムを前倒しでお届けします」というセリフV1を発声すること示す表示がされる。
【0301】
また、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立すると判定される場合は、例えば、以下のような演出を行う。
つまり、
図39(b)の特別開始演出を実行した後、
図39(c)及び
図40(a)に示すように、カラオケ遊タイム中の演出(
図31(c)と同様な表示)を行う。
但し、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立すると判定される場合には、サブ統合制御装置83が所定回数の変動開始コマンドを受信したところで、
図40(b)に示すように、演出表示を開始する際に特別時短状態中演出を実行する。この特別時短状態中演出は、到達時短状態(b時短状態)が、特定時短状態(c時短状態)中に開始されることを、特定時短状態(c時短状態)の途中に示唆する演出である。
【0302】
特別時短状態中演出について具体的に説明すると、特定時短状態に出現するキャラクタQが、到達時短状態を示唆するマイクMを持った状態で、「達吉チャンスの時間ですが、カラオケ遊タイムを前倒しでお送りしています」というセリフV2を発声すること示す表示がされる。
特別時短状態中演出を行う演出表示においても、以後、
図40(c)に示すように、カラオケ遊タイム中の演出を行う。
【0303】
そして、カラオケ遊タイムを繰り返し行うことで、特別図柄に関する当否判定の回数が規定到達回数に到達すると、次変動から到達時短状態の本番が開始されることが報知される。つまり、到達時短状態の本番が開始する状態に到達したこと(特別図柄に関する当否判定の回数が、規定到達回数の「900回」に到達したこと)を示す到達演出が実行される。
【0304】
具体的には、
図40(d)に示すように、マイクMを持った猫のキャラクタNとともに、「突然ですが、次変動よりカラオケ遊タイムの本番が始まります!」という文字表示V3が表示される。また、画面6aに右方向を指し示す1個の大きな矢印R8が表示される。
以後、次変動から
図31(c)に示す到達時短状態中演出を実行する。更に、到達時短状態(b時短状態)の最終変動を終了する間際に、到達時短状態を終了する際の演出を行う(
図31(d)参照)。
【0305】
なお、本実施例と異なり、特別時短中演出や特別開始演出を前述の先読み判定の内容に応じて実施することとしてもよい。つまり、期待感のある保留記憶が発生した場合に予告演出として特別時短中演出等と同様な演出、つまり、到達時短状態への移行可能性があることを示唆する演出を、予告演出(事前演出)として実行してもよい。
更に具体的に説明すると、前述の先読み判定において、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(S204では第1保留記憶、S214では第2保留記憶)に係わる大当り決定用乱数が、特定値(大当りとなる大当り値)であるか否かを判定し、肯定判定されると、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数が、特定値であることを示す先読みコマンド1を生成し、サブ統合制御装置83に送信する。
【0306】
また、新たに発生した保留記憶に係わる大当り決定用乱数が、特定値でないと判定する場合には、当該発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数が、所定値(演出表示でリーチ外れ演出を実行することとなる値)であるか否かを判定する。そして、肯定判定されると、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶が所定値(リーチを行う旨の値)であることを示す先読みコマンド2を生成し、サブ統合制御装置83に送信する。
【0307】
更に、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が上記特定値(大当りとなる大当り値)でなく、しかも、上記所定値(リーチを行う旨の値)でないことを示す先読みコマンド3を生成し、サブ統合制御装置83に送信する。
【0308】
一方、先読みコマンド1を受信したサブ統合制御装置83は、演出表示において大当り信頼度が高い大当り予告演出(以下、高信頼度予告演出といい、例えば、稀少性が高い特別なキャラクタが出現する演出を例示)を実行する。また、先読みコマンド2を受信したサブ統合制御装置83は、高信頼度予告演出よりも大当り信頼度が低い大当り予告演出(例えば、特別なキャラクタとは異なるキャラクタであるとともに、特別なキャラクタよりも稀少性が低いものが出現する演出を例示)を実行する。
【0309】
更に、以下の条件の下、予告演出として「特定時短状態を経て到達時短状態に移行する可能性があることを示唆する演出(以下、到達可能性予告演出という)」を実行してもよい。
例えば、前述の第1先読み判定の結果に基づいて、主制御装置80から送信された先読みコマンド2若しくは3を、サブ統合制御装置83が受信する度に、規定到達回数になるまでの当否判定回数(特別図柄に関する当否判定の回数)を取得する。そして、実行抽選に当選すると(例えば、当選確率が5%)、当該当否判定回数に応じて信頼度が異なる到達可能性予告演出を実行してもよい。
【0310】
例えば、当該当否判定回数が少ない場合(42回以下である場合、すなわち、50回から第1保留記憶と第2保留記憶の上限記憶個数を減じた値以下である場合)であり、しかも、遊技状態が非時短状態である場合には、第1の信頼度の到達可能性予告演出を実行する。例えば、当該第1保留記憶に先行する保留記憶が処理されて実行される演出表示中に「特定時短状態を経て到達時短状態になるかも?」という文字情報を表示する。これに対して、当該当否判定回数が、多い場合(43回以上である場合)であり、しかも、遊技状態が非時短状態である場合には、第1の信頼度よりも低い第2の信頼度の到達可能性予告演出を実行することとしてもよい。例えば、当該第1保留記憶に先行する保留記憶が処理されて実行される演出表示中に「特定時短状態を経て到達時短状態になるといいな!」という文字情報を表示することとしてもよい。なお、遊技状態が時短状態である場合には、到達可能性予告演出を実行しないこととしてもよい。
【0311】
次に、
図41(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行するカウントコマンド受信処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
本処理を開始すると、カウントコマンドを受信したか否か判定する(S800)。
【0312】
ここで、カウントコマンドとは遊技状態が通常確率状態であるとき、特別図柄に関する当否判定が実行される度に、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである(
図20(a)のS362hを参照)。
そして、サブ統合制御装置83がカウントコマンドの受信回数を計数することで、遊技状態が通常確率状態で実行される「特別図柄に関する当否判定」に関する回数を計数することができる。
【0313】
このS800の処理で否定判定されると(S800:no)、本処理をリターンし、肯定判定されると(S800:yes)、S805に移行する。
S805では計数フラグの値が「0」であるかを判定し(S805)、S805で否定判定される場合(S805:no)、そのままS815に移行し、計数カウンタの値を「+1」した後、本処理をリターンする。
【0314】
また、S805で肯定判定される場合(S805:yes)は、S810に移行し、計数フラグの値を「1」とする処理(S810)を実行する。そしてS810を実行した後、S815で計数カウンタの値を「+1」する処理を行った後、本処理をリターンする。
【0315】
ここで、計数フラグは、サブ統合制御装置83が主制御装置80から送信されるカウントコマンドを受信する回数を計数(カウント)する状態にあることを示すフラグである。そして、計数フラグの値が「1」とされると、サブ統合制御装置83が、主制御装置80から送信されるカウントコマンドを受信する度に計数カウンタがインクリメントされる。
なお、本実施例では、始めてカウントコマンドを受信すると計数フラグの値が「1」とされ、大当り時短移行コマンド(
図28のS556の状態指定コマンド(大当り時短に移行することを示すコマンド))を受信すると、計数フラグの値は「1」から「0」とされるとともに、計数カウンタの値が初期化される(
図42を参照)。
【0316】
次に、
図42のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する計数フラグ解除処理を説明する。この計数フラグ解除処理は、到達時短に移行する前に大当り時短に移行した場合に実行される処理である。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0317】
計数フラグ解除処理を起動すると、計数フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S900)。そして、S900で否定判定される場合には(S900;no)、計数フラグ解除処理をリターンする。
一方、S900で肯定判定される場合には、S905に移行し、大当り時短への移行を示すコマンドを受信したか否かを判定する(S905)。具体的には、
図28の状態指定コマンド(S556)をサブ統合制御装置83が受信したか否かを判定する。
【0318】
そして、S905で否定判定される場合には(S905;no)、そのまま計数フラグ解除処理をリターンする。
一方、S905で肯定判定される場合には(S905;yes)、S910に移行し、計数フラグの値を「0」にする処理と、計数カウンタを初期化する処理を行った後、S915に移行する。
【0319】
S915では中間演出フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S915で否定判定される場合には(S915;no)、そのまま計数フラグ解除処理をリターンする。
一方、S915で肯定判定される場合には(S915;yes)、中間演出フラグの値を「0」とする処理(中間演出カウンタの値が「0」でない場合は、中間演出カウンタの値を「0」とする処理も)を行った後、計数フラグ解除処理をリターンする。
【0320】
ここで、中間演出フラグの値とは、特別時短状態中演出を実行することを示すフラグであり、その値が「1」であると、特別時短状態中演出が実行される。
また、中間演出カウンタとは、c時短状態に移行した後、特別時短状態中演出が出現するまで行う演出表示の実行回数を示すカウンタである。
【0321】
そして、
図41(b)に示すように、c時短状態に移行した後、到達時短状態に移行するまでの演出表示の実行回数(以下、到達残り回数という)が、4回以下の場合は、特別時短状態中演出を実行せず、5回~10回の場合は、5回目の演出表示で特別時短状態中演出を実行し、11回以上の場合は、11回目の演出表示で特別時短状態中演出を実行することとしている。
なお、本実施例では、到達残り回数が5回以上の場合に、特別時短状態中演出を1回実行する態様を例示するが、複数回、実行することとしてもよい。
【0322】
図36、一部を修正した
図37のフローチャートを用いて、実施例2の演出開始処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
実施例2の演出開始処理は、
図36に従う処理と、
図37のS1130で肯定判定される場合の処理は実施例1と同様であるが、S1130で否定判定される場合の処理を
図43に従い行う点が実施例1と異なる。
実施例2の演出開始処理において、
図37のS1130で否定判定されると(S1130:no)、
図43のS1150に移行する。
そして、
図43のS1150においては、当否判定の結果が外れである旨を示すデータ(変動開始コマンド)に特定情報が付加されているか否かを判定する。
【0323】
S1150で肯定判定される場合には(S1150:yes)、S1180に移行し、S1150で否定判定される場合には(S1150:no)、S1220に移行する。
S1180では、計数カウントフラグの値が「1」であるか否かを判定し、S1180で否定判定される場合は(S1180:no)、S1205に移行し、通常開始演出用の演出パターンを設定する処理を行い、
図36のS1300に移行する。
一方、S1180で肯定判定される場合には(S1180:yes)、S1185に移行し、計数カウント値(カウントコマンドの受信回数)から特定時短状態の時短回数(50)を減じた値が、「0」未満であるか否かを判定する。つまり、S1185では、開始する特定時短状態において、到達時短状態の移行条件が成立するか否かを判定する。
【0324】
そして、S1185で否定判定される場合には(S1185:no)、S1205に移行し、通常開始演出用の演出パターンを設定する処理を行い、
図36のS1300に移行する。
一方、S1185で肯定判定される場合には(S1185:yes)、S1190に移行し、特別開始演出用の演出パターンを設定する処理を行う。このS1190を実行すると、S1195に移行し、以後の5回以上の演出表示を行うと、到達時短状態の移行条件が成立するか否かを判定する。
【0325】
そして、S1195で肯定判定される場合には(S1195:yes)、S1200に移行し、中間演出フラグの値を「1」とする処理と、中間演出カウンタに所定値をセットする処理を行い、
図36のS1300に移行する。これに対して、S1195で否定判定される場合には(S1195:no)、そのまま
図36のS1300に移行する。
ここで、S1200において、中間演出カウンタには、特別時短状態中演出が出現するまでに行う演出表示の実行回数を示す値がセットされる(
図41(b)を参照)。
【0326】
S1150で否定判定される場合(S1150:no)には、S1220に移行する。
S1220では、中間演出フラグの値が「1」であるか否かを判定し、否定判定される場合には(S1220:no)、S1270で時短状態である場合には時短時用の通常演出用の演出パターンを設定し、非時短状態である場合には非時短時用の通常演出用の演出パターンを設定し、
図36のS1300に移行する。
また、特別開始演出用の演出パターンとは、前述の
図39(b)で例示する特別開始演出であり、通常の演出とは異なる特別な演出の一具体例を構成する。また、通常開始演出用の演出パターンとは、前述の
図39(d)で例示する通常開始演出(c時短状態開始演出)であり、通常の演出の一具体例を構成する。
【0327】
S1220で肯定判定される場合には(S1220:yes)、S1225に移行し、中間演出カウンタの値を「-1」する処理を行う。S1225を行うと、S1230に移行し、中間演出カウンタの値が「0」になったか否かを判定する。そして、S1230で否定判定される場合には(S1230:no)には、S1270を実行した後、
図36のS1300に移行する。
【0328】
これに対して、S1230で肯定判定される場合には(S1230:yes)には、S1235に移行し、中間演出用の演出パターンを設定した後、S1240で、中間演出フラグの値を「0」とする。この後、
図36のS1300に移行する。
ここで、中間演出用の演出パターンとは、前述の
図40(b)で例示する特別時短状態中演出(c時短状態中演出)であり、特別な演出の他の具体例を構成する。なお、実施例2では、特別な演出として特別開始演出と、特別時短状態中演出を実行する場合を例示するが、特別な演出として特別開始演出と、特別時短状態中演出の何れかを実行することとしてもよい。
【0329】
実施例2のパチンコ機50によると、特定時短状態(c時短状態)に移行する際に、当該移行する特定時短状態(c時短状態)において、到達時短状態(b時短状態)に移行する条件が成立するか否かを判定し、成立すると判定される場合と、成立しないと判定される場合とで異なる演出を実行する。
従って、実施例2のパチンコ機50によると、特定時短状態(c時短状態)に移行する度に異なる演出が実行され、遊技興趣を十分に高めることができる。
【0330】
つまり、特定時短状態(c時短状態)に移行する際に通常開始演出が出現すると、時短状態の時短回数として所定回数(50回を例示)が付与され、この所定回数の間に大当りの発生を目指す遊技を行う。これに対し、特定時短状態(c時短状態)に移行する際に、特別開始演出が出現すると、時短状態の時短回数として所定回数を大きく上回る回数の間に大当りの発生を目指す遊技を行う。よって、通常開始演出が出現すると、緊張感を持って大当りの発生を目指す遊技を行うことになり、特別開始演出が出現すると、余裕を持って、大当りの発生を目指す遊技を行うことになる。
【0331】
このように、実施例2のパチンコ機50によると、特定時短状態(c時短状態)に移行する度に、到達時短状態(b時短状態)に移行するか否かを反映した異なる演出が実行され、遊技者に当該遊技状態に対応した印象を与えることができる。
しかも、実施例2のパチンコ機50では、特定時短状態に移行する際に、当該移行する特定時短状態において、到達時短状態に移行する条件が成立すると判定される場合には、特別時短状態中演出が出現する可能があるため、より一層、遊技興趣を向上させることができる。
【0332】
(3)実施例3
実施例3のパチンコ機50では、到達時短状態に移行したが、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなることなく、到達時短状態を終了した場合の演出表示例を示すものである。
つまり、到達時短状態(b時短状態)に移行し、到達時短状態の利益を保持した当否判定(特別図柄に関する当否判定)を多数回(900回を例示)繰り返しても、大当りを発生させなかった場合、所謂「大嵌まり」を生じたと判定し、特有な演出を出現させ、以後、遊技を継続すべきか否かを判定するため、指針を与えるものである。
【0333】
ここで、到達時短状態を終了した後の遊技状態は、通常遊技状態(非開放延長状態(通常確率))であるが、実施例3のパチンコ機50では、到達時短状態に移行するまでの履歴により、
図44(a)及び(b)に示すように、演出モードが以下のように変化する。
【0334】
具体的には、(a)一般的な通常状態(通常遊技状態)で行う演出モード(以下、一般演出モードという)と、(b)単独のb時短状態から抜けた場合の通常状態(通常遊技状態)で行う演出モード(以下、第1特別演出モードという)と、(c)c時短状態と重なった(連続した)b時短状態をから抜けた場合の通常状態(通常遊技状態)で行う演出モード(以下、第2特別演出モードという)とで演出内容が異なるものとする。なお、単独のb時短状態から抜けた場合とは、非時短状態で開始された到達時短様態を終了し、通常状態(通常遊技状態)に移行する場合を示す。また、c時短状態と重なったb時短状態をから抜けた場合とは、c時短状態で開始された到達時短様態を終了し、通常状態(通常遊技状態)に移行する場合を示す。
【0335】
(a)一般演出モードでは、演出表示において演出図柄表示装置6に通常状態(通常遊技状態)用の画面6aを表示する(
図29(a)に示す画面6aを参照)。
また、(b)第1特別演出モード及び第2特別演出モードは、到達時短状態を終了後、最初の演出表示(最初の特別図柄の変動)を行う際に実行される演出モードである。そして、当該最初の演出表示(最初の特別図柄の変動)を行った後、後続する演出表示(最初の特別図柄の変動)を行う際には一般演出モードが実行される。
【0336】
実施例3では、第1特別演出モード及び第2特別演出モードを到達時短状態を終了後、最初の演出表示(最初の特別図柄の変動)に行う態様を例示するが、最初の演出表示に限定されず、最初の演出表示を含む複数回の演出表示で実行することとしてもよい。例えば、到達時短状態を終了後の所定回数の変動において行ってもよい。このように、到達時短状態を終了後の所定回数の変動において行う場合には、遊技者に対して、当該演出が示唆するメッセージ(遊技を継続すべきか否かを判定するため、指針)を強く伝達することができる。
【0337】
第1特別演出モード及び第2特別演出モードの演出内容は異なっている。また、第1特別演出モード及び第2特別演出モードの演出内容を種々選択可能であるが、例えば、
図44(a)及び(b)に示す表示例や、
図44(c)及び(d)に示す表示例を例示できる。
【0338】
図44(a)及び(b)に示す表示例は、遊技者にポジティブな印象を与えるポジティブ演出を行うものである。
図44(a)に示すように、単独のb時短状態から抜けた場合には、画面6aに表示されているキャラクタ(達吉)Yのセリフとして「そろそろかも」という文字情報S3が表示される。つまり、時短回数として特に多い回数(900回)が設定されるb時短状態を抜けてしまうくらい(b時短状態状態を終了してしまうくらい)、特別図柄に関する当否判定が大当りとなっていないため、そろそろ大当りを発生することを示唆する演出を行う。
【0339】
図44(b)に示すように、c時短状態と重なったb時短状態をから抜けた場合には、画面6aに表示されているキャラクタ(達吉)Yのセリフとして「そろそろ当たらないマズイ(そろそろ大当りしなかったらマズイ)」という文字情報S4が表示される。つまり、到達時短状態に移行する際に設定された時短回数に加えて、到達時短状態となるまでのc時短状態で行われた当否判定の回数だけ当否判定を行っても、大当りを発生しないくらい、特別図柄に関する当否判定が大当りとなっていないため、そろそろ当たらないマズイということを示唆する演出(そろそろ高い確率で大当りを発生することを示唆する演出)を行う。
【0340】
すなわち、
図44(a)及び(b)に示す表示例では、遊技の対象となっているパチンコ機50が、所謂「チャンス台」であることを遊技者に対してアピールする表示を行うポジティブ演出を実行する。このため、この表示例が出現すると、パチンコ機50の稼働を高めることができる。
【0341】
また、第1特別演出モード及び第2特別演出モードの表示例は、
図44(a)及び(b)に示すものに限定されず、
図44(c)及び(d)に示すものであってもよい。
図44(c)に示すように、単独のb時短状態から抜けた場合には、画面6aに表示されているキャラクタ(達吉)Yのセリフとして「今日はキビシイかも」という文字情報S5が表示される。つまり、時短回数として特に多い回数(900回)が設定されるb時短状態を抜けてしまうくらい(b時短状態状態を終了してしますくらい)、特別図柄に関する当否判定が大当りとなっていないため、遊技を続行しても大当りを発生することが難しいことを示唆する演出を行う。
【0342】
図44(d)に示すように、c時短状態と重なったb時短状態をから抜けた場合には、画面6aに表示されているキャラクタ(達吉)Yのセリフとして「他の台を打ったほうが…」という文字情報S4が表示される。つまり、到達時短状態に移行する際に設定された時短回数に加えて、到達時短状態となるまでのc時短状態で行われた当否判定の回数だけ当否判定を行っても、大当りを発生しないくらい、特別図柄に関する当否判定が大当りとなっていないため、遊技の対象となっているパチンコ機50を他のパチンコ機50に変えたり、遊技を終了した方が好ましいことを示唆するネガティブな演出を行う。
【0343】
すなわち、
図44(c)及び(d)に示す表示例では、遊技の対象となっているパチンコ機50で、遊技を行うことを終了した方が好ましいことを示唆するネガティブな演出を実行する。このため、この表示例が出現すると、パチンコ機50で遊技を継続することが抑制され、所謂「遊技のめり込みの防止」を図ることができる。
【0344】
次に、
図45を用いて、実施例3の時短演出フラグ管理処理について説明する。この時短演出フラグ管理処理においては、S1030で肯定判定される場合には(S1030:yes)、S1030bに移行し、受信した時短状態移行コマンドが第2時短状態移行コマンドであるか否かを判定する(S1030b)。
【0345】
なお、第2時短状態移行コマンドでない場合には(S1030b:no)、時短状態移行コマンドに対応する時短演出フラグの値を「1」とし(1035b)、S1038に移行する。なお、前述のように、本実施例において時短状態で更に時短状態移行コマンドを受信するケースは、S1030bで肯定判定されるケースに限定される。つまり、S1030で肯定判定されると、S1030bにおいて一律に肯定判定される。
【0346】
S1030bで肯定判定されると、S1032に移行し、第3時短演出フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S1032で否定判定される場合には(S1032:no)には、S1034で第2時短演出フラグの値を「1」とする処理と、継続中の時短状態における回数表示カウンタの値を移行する時短状態(到達時短状態)の時短回数に更新する処理を行った後(S1038)、本処理をリターンする。
また、S1032で肯定判定される場合には(S1032:yes)には、S1036で第4時短演出フラグの値を「1」とする処理を行った後、S1038で継続中の時短状態における回数表示カウンタの値を移行する時短状態(到達時短状態)の時短回数に更新する処理を行い、本処理をリターンする。
【0347】
S1030で否定判定される場合には(S1030:no)、S1040で時短状態終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、S1040で否定判定される場合には(S1040:no)、そのまま本処理をリターンする。
一方、S1040で肯定判定される場合には(S1040:yes)、S1041aに移行し、第2時短演出フラグの値が「1」であるか否かを判定し、S1041aで肯定判定される場合には(S1041a:yes)、S1041cで単独終了フラグの値を「1」とした後、S1045に移行する。
【0348】
これに対し、S1041aで否定判定される場合には(S1041a:no)、S1041bに移行し、第4時短演出フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S1041bで肯定判定される場合には(S1041b:yes)、S1041dで複合終了フラグの値を「1」とした後、S1045に移行する。一方、S1041bで否定判定される場合には(S1041b:no)、そのままS1045に移行する。
【0349】
S1045では、受信した時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)終了指定コマンドに対応する時短演出フラグの値を「0」とする処理と、終了する時短状態の回数表示カウンタを初期化する処理とを行った後、処理をリターンする。
ここで、単独終了フラグの値は、到達時短状態単独の時短状態を終了したことを示すフラグであり、複合終了フラグの値は、特定時短状態から連続的に到達時短状態を終了したことを示すフラグである。
【0350】
次に実施例3の演出開始処理について説明する。
実施例3の演出開始処理では、S1220以降の処理を
図46に従い行う点(
図46に示す修正を加えた
図43に従う点)が、実施例2の演出開始処理と異なる。
【0351】
実施例3の演出開始処理では、
図46に示すように、S1220で否定判定される場合(S1220:no)と、S1230で否定判定される場合には(S1230:no)には、S1251に移行し、単独終了フラグの値が「1」である否かを判定する。
このS1251で肯定判定される場合には(S1251:yes)、S1252で単独終了用の演出パターンを設定する処理を行った後、S1253で単独終了フラグの値を「0」とする処理を行い、
図36のS1300に移行する。
S1252では、
図44(a)若しくは
図44(c)の単独b時短状態抜けを示唆する演出パターンを設定する。
【0352】
S1251で否定判定される場合には(S1251:no)、S1254に移行し、複合終了フラグの値が「1」である否かを判定する(S1254)。
S1254で肯定判定される場合には(S1254:yes)、S1256で複合終了用の演出パターンを設定する処理を行った後、S1257で複合終了フラグの値を「0」とする処理を行い、
図36のS1300に移行する。
S1256では、
図44(b)若しくは
図44(d)の複合b時短状態抜けを示唆する演出パターンを設定する。
【0353】
また、S1254で否定判定される場合には(S1254:no)、S12558に移行し、一般的な外れ演出を伴う演出パターンを設定する。具体的には、何れの時短演出フラグの値も「0」の場合には、非時短用の一般的な外れ演出(
図29を参照)を伴う演出パターンを設定する。また、何れかの時短演出フラグの値が「1」である場合には、時短用の一般的な外れ演出を設定する。このS1258を行うと、そのまま
図36のS1300に移行する。
なお、S1252及びS1256において、ボジティブな演出パターン(
図44(a)、(b))を設定するか、ネガティブな演出パターン(
図44(c)、(d))を設定するかを乱数抽選等でランダムに決定してもよいが、他の要素を考慮して決定してもよい。
【0354】
また、当該パチンコ機50の段階設定値が高く、大当り確率が高い場合にボジティブな演出パターンが設定される確率を高くし、段階設定値が低い場合、ネガティブな演出パターンが設定される確率を高くしてもよい。
この場合、遊技者は、 ボジティブな演出が出現し易いか、ネガティブな演出が出現し易いかによって当該パチンコ機50の段階設定値を推測することもできる。
なお、図示を省略するが、
図36のS1110で肯定判定される場合(大当り発生の場合)と、
図43のS1150で肯定判定される場合(特定外れ発生の場合)には、単独終了フラグの値が「1」であれば「0」とされ、複合独終了フラグの値が「1」であれば「0」とされる。
【0355】
実施例3によると、実施例2の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、所謂「大嵌まり」を生じた場合には、遊技継続の可否に関する明確な判断の基準を与えることができ、遊技の健全性を担保することができる。
【0356】
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0357】
各実施例では、第1時短状態(特定時短状態)と、第2時短状態(到達時短状態)で、時短性能が異なる態様を例示した。この場合、第1時短状態(特定時短状態)から第2時短状態(到達時短状態)に移行することが比較的容易に判断できるため、遊技にメリハリを付けることができる。
【0358】
また、各実施例と異なり、第1時短状態(特定時短状態)と、第2時短状態(到達時短状態)で、時短性能を等しくしてもよい。この場合、第1時短状態(特定時短状態)から第2時短状態(到達時短状態)に移行する場合に、新たな時短状態(第2時短状態、つまり、到達時短状態)が開始されることを遊技者に判り難い状態で(若しくは判らない状態で)、新たな時短状態(第2時短状態、つまり、到達時短状態)に移行させることができる。このため、時短状態が途中延長され、遊技者に得をしたような印象を与え、遊技興趣を高めることができる。
【0359】
更に、各実施例では、第1時短状態(特定時短状態)と、第2時短状態(到達時短状態)とにおいて、入球可能性向上制御(第2始動口12の開放延長制御)と、特別図柄の変動時間を短縮化する変動短縮制御との双方を異なることとし、第1時短状態(特定時短状態)と、第2時短状態(到達時短状態)の時短状態の時短性能を異なるものとした。但し、入球可能性向上制御(第2始動口12の開放延長制御)と、変動短縮制御の一方のみを異なることとし、第1時短状態(特定時短状態)と、第2時短状態(到達時短状態)の時短状態の時短性能を異なるものとしてもよい。
【0360】
例えば、第1時短状態(特定時短状態)と第2時短状態(到達時短状態)が連続する場合(第1時短状態(特定時短状態)から通常状態を挟むことなく、第2時短状態(到達時短状態)に移行する場合)、入球可能性向上制御(第2始動口12の開放延長制御)のみを引き継いで(入球可能性向上制御を同一態様とし)、変動短縮制御は時短回数とともに更新される(変動短縮制御を異ならせる)こととしてもよい。
【0361】
各実施例では、特別図柄に関する当否判定で大当りとなる確率を高確率に変動させる機能(大当り確率の確率変動機能)を備えないこととしたが、大当り確率の確率変動機能を備えるパチンコ機50についても本発明を好適に適用できる。
但し、大当り確率の確率変動機能を備える場合には、大当り確率が高確率状態である場合には、
図20(b)に示すように、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなっても、到達カウンタをインクリメントしないこととしてもよい。
つまり、確率変動機能を備えるパチンコ機50においては、外れ設定処理2が起動すると、確変フラグ(特別図柄に関する当否判定で大当りとなる確率が高確率に変動していることを示すフラグ)の値が「1」であるか否かを判定する(362a)。そして、S362aで否定判定される場合には(S362a;no)、実施例1と同様に、
図20(a)に示す、S362a以降の処理は、実施例1と同様である。
【0362】
これに対し、確変フラグの値が「1」である場合には(S362a;yes)、S362bでは確変回数を「-1」する処理を行う。つまり、高確率状態で実行可能の当否判定の残り回数(確変回数)を「1」デクリメントする。
この後、S362cで時短フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S362c)。そして、S362cで肯定判定されると(S362c:yes)、S362dを実行した後、外れ設定処理2をリターンし、S362cで否定判定されると(S362c:no)、S362dをスキップして外れ設定処理2をリターンする。
つまり、大当り確率の確率変動している場合には、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなっても、計数手段(到達カウンタ)がインクリメリメントされてない。
【0363】
また、本実施例及び変形例では、所定条件の下、特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなると、計数手段(到達カウンタ)がインクリメリメントしたが、当否判定の結果が大当りでない場合には、外れの他に小当りを発生するパチンコ機50においては、特別図柄に関する当否判定の結果が小当りと、計数手段(到達カウンタ)がインクリメリメントすることとしてもよい。
【0364】
また、各実施例及び各変形例を、一般的なデジパチタイプのパチンコ機50への適用例として説明したが、これに限らず、本発明を所謂「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50や、所謂「Vチャレタイプのパチンコ機50等の他のタイプのパチンコ機50にも適用することができる。
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0365】
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
図1に示す発射ハンドル64と、
図4等に示す発射制御装置84と、発射モータ30が、「発射手段」の一例に相当する。
「左打ち領域3L」が、第1遊技領域部の一例に相当し、「右打ち領域3R」が、第2遊技領域部の一例に相当する。
「普通図柄作動ゲート17」が、作動検出部の一例に相当する。
【0366】
各実施例に示す第1始動口11と、第2始動口12が「始動口」の一例に相当し、第2始動口12が、可変式の始動口の一例に相当する。
図19のS330~S350に至る処理が、「当否判定」の一例に相当する。
図2及び
図4の第1特別図柄表示装置9と第2特別図柄表示装置10が、図柄表示装置の一例に相当する。
図22のS378の肯定判定を経て、
図26~
図28に至る処理が、「大当り遊技実行手段」の一例に相当し、大当り遊技実行手段は特別遊技実行手段の一例に相当する。
図20(a)のS362gの処理が、「計数手段」の一例に相当する。
【0367】
図7に示す大当り時短状態(a時短状態)と特定時短状態(c時短状態)が、第1時短状態の具体例を示し、到達時短状態(b時短状態)が、第2時短状態の一例に相当する。
【符号の説明】
【0368】
1;遊技盤、3;遊技領域、3L:左打ち領域、3R:右打ち領域、6;演出図柄表示装置、11;第1始動口(特1始動口)、12;第2始動口(特1始動口)、14;大入賞口、17;普通図柄作動ゲート、80;主制御装置、82;演出図柄制御装置、83;サブ統合制御装置。