(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】電子棚札システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
(21)【出願番号】P 2020149977
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】長堀 宗永
(72)【発明者】
【氏名】若林 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】白井 剛
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-325858(JP,A)
【文献】特開2001-195660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子棚札の機器状態を示す値を取得する取得手段と、
未使用の電子棚札を記憶する記憶手段と、
前記取得手段によって取得された前記機器状態を示す値を所定の値と比較して、前記機器状態の悪い前記電子棚札を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記電子棚札の台数と前記未使用の電子棚札の台数とを同一画面で表示する表示手段と
を備える電子棚札システム。
【請求項2】
前記検出手段によって検出された前記電子棚札の台数が予め決められた台数に達した場合に、報知する報知手段と
をさらに備える請求項1の電子棚札システム。
【請求項3】
前記検出手段によって検出された前記電子棚札と関連づけられている商品を、該電子棚札に代えて前記未使用の電子棚札に表示させるように、前記未使用の電子棚札に対する表示更新指示を作成する作成手段をさらに備える請求項2に記載の電子棚札システム。
【請求項4】
所定の期間の更新回数が所定の回数以下である前記電子棚札を抽出する第1の抽出手段と、
前記記憶手段に記憶された前記未使用の電子棚札のうち、前記所定の期間に更新されていない前記電子棚札を抽出する第2の抽出手段と、
前記第1の抽出手段によって抽出された電子棚札と、前記第2の抽出手段によって抽出された電子棚札の両方、またいずれか一方の契約解除処理を実行する契約解除実行手段とをさらに備える請求項2または3に記載の電子棚札システム。
【請求項5】
前記契約解除処理の対象となった電子棚札の契約解除日を表示させるように、前記対象となった電子棚札に対する表示更新指示を作成する作成手段をさらに備える請求項4に記載の電子棚札システム。
【請求項6】
前記機器状態を示す値は、前記電子棚札の電池残量である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子棚札システム。
【請求項7】
前記機器状態を示す値は、前記電子棚札の更新回数である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子棚札システム。
【請求項8】
前記機器状態を示す値は、前記電子棚札の故障の有無を示す値である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子棚札システム。
【請求項9】
コンピュータ実行可能命令を含むプログラムであって、前記命令は、コンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに、
電子棚札の機器状態を示す値を取得する取得ステップと、
未使用の電子棚札を記憶する記憶ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記機器状態を示す値を所定の値と比較して、前
記機器状態の悪い前記電子棚札を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって検出された前記電子棚札の台数と前記未使用の電子棚札の台数とを同一画面で表示する表示ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット、ドラッグストア、家電量販店などの店舗で、紙媒体であるプライスカードやPOP広告に代えて、またはそれらと併せて、電子棚札(Electronic Shelf Label)の利用が進んでいる。電子棚札は、価格などの商品情報を表示可能な小型ディスプレイを備え、管理装置から当該商品情報を受信して表示することができる(例えば、特許文献1参照)。当該電子棚札を利用することで、商品表示の変更を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、導入費用の問題、あるいは技術革新による装置の買取リスクの問題などから、電子棚札の利用に二の足を踏む事業者も存在する可能性がある。そこで、電子棚札をより利用しやすくするために、サブスクリプション方式により電子棚札のサービスを提供することが試みられている。しかしながら、サブスクリプション方式によって電子棚札のサービスを提供する場合、電子棚札サービスの提供者は、電子棚札の導入後も実際に使用されている電子棚札を管理していく必要がある。
【0005】
本発明は、上述したような問題に鑑みてなされたものであり、電子棚札を管理することが可能な電子棚札システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である電子棚札システムは、電子棚札の機器状態を示す値を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記機器状態を示す値を所定の値と比較して、前記機器状態の悪い前記電子棚札を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記電子棚札の台数が予め決められた台数に達した場合に、報知する報知手段とを備える。
【0007】
本発明の一態様である方法は、電子棚札の機器状態を示す値を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記機器状態を示す値を所定の値と比較して、前記機器状態の悪い前記電子棚札を検出する検出ステップと、前記検出ステップによって検出された前記電子棚札の台数が予め決められた台数に達した場合に、報知する報知ステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る管理装置の機能ブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る商品情報データベースを示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る送受信機の機能ブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係る電子棚札情報データベースを示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る電子棚札の機能ブロック図である。
【
図7】第1の実施形態に係る電子棚札の表示例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係る携帯端末の機能ブロック図である。
【
図9】第1の実施形態に係る電子棚札システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施形態に係る電子棚札システムの別の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態の変形例1に係る電子棚札システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図12】第1の実施形態の変形例2の概要を説明するための図である。
【
図13】第1の実施形態の変形例2に係る電子棚札システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図14】第1の実施形態の変形例2に係る表示画面の一例を示す図である。
【
図15】第1の実施形態の変形例2に係る別の表示画面の一例を示す図である。
【
図16】第1の実施形態の変形例2に係る別の表示画面の一例を示す図である。
【
図17】第1の実施形態の変形例2に係る別の表示画面の一例を示す図である。
【
図18】第1の実施形態の変形例2に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図19】第1の実施形態の変形例3に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図20】第1の実施形態の変形例3に係る複数店舗管理装置の機能ブロック図である。
【
図21】第2の実施形態に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0010】
説明は、以下の順序で行われる。
1.実施形態の概要
2.第1の実施形態
2.1.システム構成
2.2.動作例
2.3.変形例1
2.4.変形例2
2.5.変形例3
2.6.変形例4
3.第2の実施形態
3.1.システム構成
3.2.動作例
4.他の実施形態
5.実施形態の総括
【0011】
<<1.実施形態の概要>>
まず、実施形態の概要を説明する。
【0012】
一般的に、電子棚札は、商品の所定の情報(例えば、商品名、売価、規格(産地)、及び販促情報など)を表示するように管理される。例えばスーパーマーケットでは、通常、部門ごとに電子棚札は管理され、青果部門では、例えば同じキャベツであっても、産地が変るとその表示内容が変更される。
【0013】
電子棚札の電池(バッテリ)は、電子棚札の表示を1日に1回または2回のペースで更新すると、3年から5年でなくなってしまう。また、冷凍食品を扱うコーナーでは、その他の場所と比べて、電子棚札の電池の減りは早くなってしまう。
【0014】
電子棚札をサブスクリプション方式で提供する場合、電子棚札の電池が切れてしまう前に、新たに使用可能な電子棚札を店舗に届ける必要がある。
【0015】
また、店舗に導入された全ての電子棚札を一度に交換するとなると、店舗での作業時間の確保は難しく、交換作業を行う従業員の負担も大きくなる恐れがある。また、サービス提供者も、新たな電子棚札を事前に手配しなくてはならず、相当数の電子棚札を一度に用意するのは難しい。このような理由により、電子棚札の交換は、電子棚札システムの使用者と該システムの提供者との間を行き来する通い箱を用いて、所定の数量ずつ交換して、ローテーションを行うことが検討されている。
【0016】
本実施形態によると、電子棚札を管理して、電子棚札の交換を容易に行うことを可能にする電子棚札システム及び方法を提供することができる。
【0017】
<<2.第1の実施形態>>
図1~
図13を参照して、第1の実施形態を説明する。
【0018】
<2.1.システム構成>
図1は、第1の実施形態に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す。
【0019】
電子棚札システム100は、管理装置110、送受信機120、130、電子棚札140a、140b、140c(以下、特に区別する必要のない限り符号は140として説明する)携帯端末150、及び印刷装置160を含む。電子棚札システム100は、スーパーマーケット、ドラッグストア、家電量販店などの店舗に設置される。
【0020】
管理装置110は、送受信機120を介して、複数の電子棚札140a、140b、140cと互いに通信可能に接続される。また、管理装置110は、送受信機130を介して、店員が使用する携帯端末150及び印刷装置160と通信可能に接続される。尚、通信形態は、有線であっても無線であってもよい。また、送受信機120、送受信機130、複数の電子棚札140a、140b、140c、携帯端末150、及び印刷装置160の数は、図示された例に限定されない。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係る管理装置の機能ブロック図である。管理装置110は、処理部111と、記憶部116と、表示部117と、入力部118と、通信インタフェース部119とを有する。
【0022】
記憶部116は、例えばROM、RAM、及びストレージメモリなどにより実装される。記憶部116は、処理部111の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータ(例えば、商品情報データベース)を、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、処理部111の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0023】
表示部117は、例えば電子ペーパーや液晶ディスプレイ等であり、処理部111から出力される表示用データに応じて、使用者(例えば、管理者、店員など)に種々の情報を表示する。
【0024】
入力部118は、例えば、マウスやキーボードであり、当該使用者から種々の入力を受け付ける。入力部118は、受け付けた入力情報を、処理部111に提供し、あるいは記憶部116に記憶する。また、入力部118は、表示部117と一体化したタッチパネルディスプレイとすることもできる。
【0025】
通信インタフェース部119は、ネットワークアダプタ及び/又はネットワークインタフェースカード等により実装される。通信インタフェース部119は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。例えば通信インタフェース部119は、有線又は無線ネットワーク(例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)など)を介して、送受信機120、130との間で通信を行う。
【0026】
処理部111は、記憶部116に格納されているプログラムが実行されることにより実現される。処理部111は、管理部112、印刷指示部113、及び表示指示部114を含む。尚、処理部111は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含んでもよい。すなわち、処理部111は、これらの構成要素の動作以外の動作も行ってよい。
【0027】
管理部112は、使用者によって入力された、電子棚札を用いて表示する商品に関する商品情報を取得し、記憶部126に記憶する。具体的には、管理部112は、後述する商品情報データベースに、対象商品の商品識別子、商品名、及び売価などを登録する。また、管理部112は、電子棚札に関する情報(例えば、設定情報や状態情報など)を、送受信機120に格納された電子棚札情報データベースを用いて管理する。例えば、所定の数量のグループ単位で電子棚札を管理するため、電子棚札のグループ識別子を電子棚札情報データベースに登録する。すなわち、複数の電子棚札が、それぞれのグループが所定の数量の電子棚札を含む複数のグループに分けて管理される。尚、所定の数量は、電子棚札を運搬する通い箱の収納数量に基づいて決定することができる。通常、サブスクリプション方式の場合、電子棚札サービスの提供者は、先に交換対象分の電子棚札を工場から通い箱を利用して事業者へ出荷し、事業者は、回収された交換後の電子棚札を、通い箱を利用して工場へ返却する。この場合、電子棚札は、通い箱の収納数量の倍数で管理すると、交換作業が容易になる。具体的には、電子棚札は、店舗の部門単位で管理されている(割り当てられている)ので、当該部門単位での交換作業の方が、事業者は実施しやすい。また、電子棚札は、電池残量の少ない順、表示内容の更新回数の多い順、または総合的な評価で、回収日前に所定の数量のグループ単位でグループ分けするのが好適である。
【0028】
表示指示部114は、上述した電子棚札に関する情報に基づいて、電子棚札140に表示内容の更新を指示する。例えば、表示指示部114は、日付情報を表示するように、電子棚札140に表示内容の更新を指示する。日付情報は、例えば、電子棚札140の次回の回収日や設置日とすることができる。また、表示指示部114は、電子棚札140が属するグループのグループ識別子を表示するように、電子棚札140の表示内容の更新を指示してもよい。また、表示指示部114は、例えば、商品の売価が変更されると、当該変更内容に応じて電子棚札140に表示内容を更新するように指示する。
【0029】
尚、管理装置110は、クラウドシステムによって提供してもよい。
【0030】
図3は、第1の実施形態に係る商品情報データベースの例を示す。商品情報データベース(DB)300は、記憶部116に記憶され、商品情報データを格納する。
【0031】
商品情報DB300は、JAN/PLUコード(商品識別子)と、商品名と、売価とを含むことができる。JAN/PLUコード(商品識別子)は、商品に割り当てられたユニークな識別子であり、一般にバーコードとして商品に付される。JAN(EAU)コードは、8桁または13桁で表される。PLU(Price Look Up)コードは、一般に6桁から8桁で表される。使用者は、入力部118を介して、商品情報DB300に対して商品情報の新規登録、更新、及び削除を行うことができる。例えば、売価が変更されると、変更後の売価が表示されるように、電子棚札140の表示内容が更新される。尚、売価については、商品情報DB300に加えて、販売企画マスタの特売情報も参照される。同一の商品について複数の販売企画が重複して設定されている場合は、電子棚札140には最安値が優先して表示される。例えば、今月のお得商品が曜日指定でさらに特売になる場合などがあるので、通常、商品情報DB300が参照される優先順位は、最も低くなる。商品情報DB300に含まれる項目はこれらに限定されず、その他の項目を含むことができる。
【0032】
図4は、第1の実施形態に係る送受信機の機能ブロック図である。送受信機120は、処理部121と、記憶部126と、通信インタフェース部127と、入出力部128とを有する。
【0033】
記憶部126は、例えばROM、RAM、及びストレージメモリなどにより実装される。記憶部126は、処理部121の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータ(例えば、電子棚札情報データベース)を、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、処理部121の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0034】
通信インタフェース部127は、ネットワークアダプタ及び/又はネットワークインタフェースカード等により実装される。通信インタフェース部127は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。例えば通信インタフェース部127は、有線又は無線ネットワーク(例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)など)を介して、管理装置110との間、及び、電子棚札140との間で通信を行う。
【0035】
処理部121は、記憶部126に格納されているプログラムが実行されることにより実現される。処理部121は、電子棚札特定部122、及び電子棚札管理部123を含む。尚、処理部121は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含んでもよい。すなわち、処理部121は、これらの構成要素の動作以外の動作も行ってよい。
【0036】
電子棚札特定部122は、管理装置110から受信した商品情報について、当該商品情報の送信先であり、当該商品情報に関連付けられた電子棚札140を特定する。電子棚札140の特定は、後述する電子棚札情報データベースを参照して行うことができる。
【0037】
電子棚札管理部123は、電子棚札情報データベースを用いて、電子棚札140の設定情報及び状態情報を管理する。例えば、電子棚札管理部123は、管理装置110から商品情報を受信すると、電子棚札情報データベースにおいて当該商品情報に関連付けられた電子棚札140の更新回数を更新する。また、電子棚札140から電池残量に関する情報を受信すると、電子棚札情報データベースにおいて当該電子棚札140の電池残量を更新する。電子棚札管理部123は、電子棚札情報データベースを用いて電子棚札140のその他の設定情報や状態情報を管理するが、詳細は後述する。
【0038】
図5は、第1の実施形態に係る電子棚札情報データベースの例を示す。電子棚札情報データベース(DB)500は、記憶部126に記憶され、電子棚札情報を格納する。
【0039】
電子棚札情報DB500は、各電子棚札の設定情報及び状態情報を記憶する。具体的には、電子棚札情報DB500は、グループ識別子、電子棚札識別子、部門、棚番号、JAN/PLUコード、商品名、売変回数、更新回数、電池残量、正常/異常、次回回収日、設置日等を含む。
【0040】
グループ識別子は、電子棚札140が属するグループを示す識別子である。棚札識別子は、電子棚札140a、140b、140cのそれぞれに割り当てられたユニークな識別子である。部門は、電子棚札140が割り当てられ、当該電子棚札140の管理を担当する担当部門を示す。棚番号は、電子棚札140が使用されている棚の番号を示す。JAN/PLUコードは、電子棚札140が使用されている商品の識別子である。商品名は、電子棚札140が使用されている商品の商品名を示す。売変回数は、売価が変更された回数を示す。更新回数は、電子棚札140の表示内容を更新した更新回数を示す。電池残量は、電子棚札140から受信した電池残量を示す。回収日は、電子棚札140が回収される日付を示し、グループ識別子に関連付けられている。すなわち、回収日は、電子棚札のグループ毎に設定される。設置日は、電子棚札140が設置された日付を示す。設置日も、電子棚札のグループ毎に設定され得る。
【0041】
電子棚札情報DB500では、電子棚札識別子に、商品識別子(JAN/PLUコード)が関連付けられている。この対応関係により、電子棚札特定部122は、商品情報の送信先である電子棚札140を特定することができる。また、1つの棚札識別子に対して、複数の商品識別子が関連付けられてもよい。その場合、電子棚札140は、複数の商品の商品情報を表示することができる。商品識別子(JAN/PLUコード)が設定されていない電子棚札は、未使用の電子棚札として検索または抽出することができる。管理装置110の管理部112は、後述するように、検索または抽出された未使用の電子棚札について、その電子棚札識別子を表示部117に出力したり、計数等を行ったりすることができる。
【0042】
尚、電子棚札情報DB500に含まれる項目はこれらに限定されず、その他の項目を含むことができる。
【0043】
図6は、第1の実施形態に係る電子棚札の機能ブロック図である。電子棚札140は、制御部141と、バッテリ142と、記憶部146と、通信インタフェース部147と、表示部148とを有する。
【0044】
記憶部146は、通信インタフェース部147を介して送受信機120から受信した商品情報を記憶する。通信インタフェース部147は、小型アンテナとすることができる。制御部141は、記憶部146に記憶された商品情報を、表示部148に表示する。表示部148は、電子ペーパーや小型液晶ディスプレイ等とすることができる。表示部148は、商品情報を、複数色のビットマップイメージで表示することができる。電子棚札140にはタイプや表示フォーマットが事前に設定されており、例えば、表示フォーマットの表示領域のうち売価表示領域には、使用者はフォント及びフォントサイズを指定することができる。また、商品名表示領域、規格表示領域、販促表示領域なども事前に設定されており、使用者は、表示するイラストやマークを指定することができる。電子棚札140は、バッテリ(電池)142によって駆動する。バッテリ142は、電子棚札140の表示内容の更新回数が多いほど早く消耗し、電子棚札140の交換が必要になる。電子棚札140は、電子棚札140を識別するための不図示のタグ(例えば、RFタグ、ICタグ、またはNFCタグ等)を備えてもよい。携帯端末150は、タグを読み取ることで電子棚札140の識別情報を取得することができる。
【0045】
図7は、第1の実施形態に係る電子棚札の表示例を示す。
図7(a)の表示例700及び
図7(b)の表示例710はそれぞれ、1つの電子棚札で1つの商品の商品情報を表示する例である。表示例700は、商品名701と、商品識別子を示すバーコード702と、付加情報703と、売価704と、棚札識別子を示すバーコード705と、日付情報706とを含む。表示例710も同様に、商品名711と、商品識別子を示すバーコード712と、付加情報713と、売価714と、棚札識別子を示すバーコード715と、日付情報716とを含む。
【0046】
図7(a)の表示例700では、付加情報703として「おすすめ品」等を表示しているが、これに限らず、商品を一定数購入することで値引きを行うバンドル販売、特定の商品を組み合わせることで値引きを行うセットマッチ販売、特定の商品の中から任意の商品を組み合わせることで値引きを行うミックスマッチ販売、及び一物三価などの情報を、付加情報703として表示してもよい。
図7(b)の表示例710では、付加情報713として、商品の産地などの情報を表示している。このように、電子棚札は、付加情報として様々な情報を表示することができる。
【0047】
また、日付情報706、716は、当該電子棚札140の回収日を示してよい。日付情報706、716は、電子棚札140のグループ単位で、使用者によって指定され得る。すなわち、日付情報706、716は、電子棚札140が属するそれぞれのグループに対する日付情報とすることができる。また、電子棚札140は、回収日に代えて、または回収日とともに、電子棚札140の設置日を表示してもよい。また、電子棚札140は、電子棚札140が属するグループのグループ識別子を表示してもよい。
【0048】
また、日付情報706、716は、電子棚札サービスの契約解除日でもよい。この場合、電子棚札140の回収が遅延すると課金が停止されてないので、電子棚札140は、文字フォントや同時に表示するマーク等で当該日付情報を強調してもよい。回収日や契約解除日が設定されている電子棚札140については、上位装置で管理されている日付(例えば、回収日前5日などの期日)が迫っても回収されていない場合、警告リストの出力、画面上の報知、及び該当する電子棚札のLEDランプを点滅させる等、他の電子棚札140と異なる態様で店員が視認しやすくなるように表示内容を変更してもよい。
【0049】
図8は、第1の実施形態に係る携帯端末の機能ブロック図である。携帯端末150は、処理部151と、記憶部156と、スキャナ部157と、入力部158と、通信インタフェース部159とを有する。携帯端末150は、ハンディターミナルとも称される。使用者は、電子棚札140に表示された商品識別子及び棚札識別子を携帯端末150に読み取らせて、電子棚札140の交換作業等を行うことができる。
【0050】
記憶部156は、例えばROM、RAM、及びストレージメモリなどにより実装される。記憶部156は、処理部151の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、処理部151の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0051】
スキャナ部157は、商品識別子を示すバーコード、又は棚札識別子を示すバーコードを読み取ることができる。すなわち、携帯端末150は、バーコードリーダであってよい。
【0052】
入力部158は、例えば、数字を入力するためのテンキーとすることができる。使用者はテンキーを押下して、バーコードが付されていない商品の商品識別子を入力することができる。或いは、入力部158に、棚札識別子を入力できるようにしてもよい。
【0053】
通信インタフェース部159は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。例えば通信インタフェース部159は、送受信機130を介して、管理装置110との間で通信を行う。
【0054】
処理部151は、記憶部156に格納されているプログラムが実行されることにより実現される。処理部151は、制御部152、及び撮像部153を含む。尚、処理部151は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含んでもよい。すなわち、処理部151は、これらの構成要素の動作以外の動作も行ってよい。
【0055】
制御部152は、スキャナ部157で読み取った商品識別子又は棚札識別子、及び入力部158に入力された商品識別子又は棚札識別子を、管理装置110に送信する。
【0056】
撮像部153は、回収した電子棚札140を撮像して、画像データを記憶部156に格納することができる。画像データを記憶部156に格納しておくことで、使用者の作業内容の記録、または作業実績の管理、または電子棚札の回収忘れの確認等に用いることができる。もちろん、スキャナ部157で読み取った棚札識別子や入力部158に入力された棚札識別子を記憶部156に記憶しておくことで、同様の効果を得ることができる。
【0057】
<2.2.動作例>
図9は、第1の実施形態に係る電子棚札システムの動作例を示すフローチャートである。ここでは、電子棚札システムにおいて、各電子棚札に日付情報、特に回収日を表示する際の動作例を示す。電子棚札システムは、各電子棚札に日付情報を表示することで、使用者による作業を行いやすくすることができる。例えば、各電子棚札に回収日が表示されていれば、使用者は当該回収日を確認しながら、電子棚札の回収作業を容易に行うことができる。
【0058】
まず、S101において、管理装置110の管理部112は、送受信機120に格納された電子棚札情報DB500から、各電子棚札の回収日を取得する。
【0059】
次いで、S102において、管理装置110の表示指示部114は、送受信機120を介して、取得した回収日を表示するように電子棚札140に指示する。
【0060】
次いで、S103において、電子棚札140は、表示指示部114からの指示に応じて回収日を表示する。
【0061】
このようにして、電子棚札システムは、回収日などの日付情報を電子棚札140に表示する。尚、回収日は、必ずしもすべての電子棚札140に表示されなくてもよく、次の回収日が電子棚札情報DB500に登録されているものだけを表示するようにしてもよい。
【0062】
図10は、第1の実施形態に係る電子棚札システムの別の動作例を示すフローチャートである。ここでは、次回の交換(回収)対象外の電子棚札のうち状態が悪い電子棚札を、次回の交換対象の電子棚札と差し替えるための動作例を説明する。
【0063】
まず、S201において、管理装置110の管理部112は、各電子棚札の状態を送受信機120に対して問い合わせる。電子棚札140の状態には、例えば、電子棚札140の更新回数や、電池残量が含まれる。送受信機120は、管理装置110からの問い合わせに応じて、あらためて電子棚札140から電池残量を取得してよい。
【0064】
次いで、S202において、管理部112は、送受信機120から各電子棚札の状態を取得する。ここで取得される情報には、電子棚札140に設定されたグループ識別子や回収日など、電子棚札情報DB500に記憶されたその他の情報も含まれる。
【0065】
次いで、S203において、管理部112は、次回の交換対象外の電子棚札のうち、状態の悪い電子棚札が存在するかどうか判定する。次回の交換対象外の電子棚札であるかどうかは、取得された回収日に基づいて判定することができる。また、状態の悪い電子棚札であるかどうかは、例えば、更新回数や電池残量から判定することができる。更新回数が予め設定された所定の閾値(所定値)以上である電子棚札は、間もなく電池残量がなくなる可能性が高いため、状態が悪い電子棚札と判定することができる。また、電池残量が所定の閾値(所定値)以下である電子棚札も、状態が悪い電子棚札と判定することができる。状態の悪い電子棚札が存在しない場合は処理を終了し、状態の悪い電子棚札が存在する場合はS204に進む。
【0066】
次いで、S204において、管理部112は、次回の交換対象の電子棚札のうち、S203で状態が悪いと判定された電子棚札より、状態の良い電子棚札が存在するかどうか判定する。次回の交換対象である電子棚札であるかどうかは、取得された回収日に基づいて判定することができる。また、状態の良い電子棚札が存在するかどうかは、S203で取得された電子棚札の状態(例えば、電子棚札の更新回数や電池残量)と、本ステップで取得された電子棚札の状態とを比較することで、判定することができる。状態の良い電子棚札が存在しない場合は、S206に進み、状態の良い電子棚札が存在する場合は、S205に進む。
【0067】
尚、状態の良い電子棚札が存在するかどうかの判定は、状態が悪いと判定された電子棚札との比較ではなく、次回の交換対象の電子棚札のグループの中で、電子棚札の状態を表す値と所定の閾値との比較で判定してもよい。すなわち、次回の交換対象の電子棚札のグループの中で、電池残量が所定の閾値より多い電子棚札が存在するかどうかを判定してもよいし、更新回数が所定の閾値より少ない電子棚札が存在するかどうかを判定してもよい。
【0068】
S206において、管理部112は、次々回の交換対象の電子棚札のスケジュールを前倒しする。
【0069】
S205において、管理部112は、S203で状態が悪いと判定された次回の交換対象外の電子棚札140のグループ識別子を、次回の交換対象の電子棚札140のうち、S203で状態が悪いと判定された電子棚札より状態の良い電子棚札140のグループ識別子と差し替える。すなわち、管理部112は、S203で状態が悪いと判定された電子棚札の回収日を、差し替え後のグループの回収日で更新する。差し替え後のグループの回収日は、次回の回収日となる。
【0070】
S207において、表示指示部114は、日付情報(回収日)の再表示を、電子棚札に指示する。また、表示指示部114は、グループ識別子の再表示(すなわち、差し替え後のグループ識別子の表示)を、電子棚札に指示してもよい。
【0071】
また、使用者は、携帯端末150を使用して、交換対象の電子棚札として回収された電子棚札の識別情報を読み取って(あるいは、電子棚札の識別情報を直接入力して)記憶させるとともに、携帯端末150に当該電子棚札が回収されたことを入力するようにしてもよい。この場合、携帯端末150のスキャナ部157または入力部158は、電子棚札が回収されたことを入力するための入力手段として機能することができる。そうすることで、電子棚札システムは、電子棚札の回収実績を収集し、回収忘れの有無を確認できるようにすることができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態における電子棚札システムでは、状態の悪い電子棚札を管理し、当該電子棚札の交換を早目に実施することを可能にする。そうすることで、サブスクリプション形式による電子棚札サービスの提供中に電子棚札が動作しなくなることを回避し、電子棚札サービスの品質を向上させることができる。
【0073】
<2.3.変形例1>
以下、本実施形態の変形例1について説明する。以下に説明する変形例1は、適宜、上記実施形態及び他の変形例と組み合わされてよい。
【0074】
本変形例における電子棚札システムは、電子棚札の電池残量と更新回数から残りの使用可能期間を割り出して、電子棚札の交換スケジュールを生成することができる。
【0075】
図11は、第1の実施形態の変形例1に係る電子棚札システムの動作例を示すフローチャートを示す。
【0076】
まず、S301において、管理装置110の管理部112は、指定されたタイプの電子棚札の状態を送受信機120に対して問い合わせる。電子棚札140の状態には、例えば、電子棚札140の電池残量や更新回数が含まれる。
【0077】
次いで、S302において、管理部112は、指定されたタイプの各電子棚札の状態を送受信機120から取得する。
【0078】
次いで、S303において、管理部112は、取得された各電子棚札の状態に基づいて、電池残量が所定の閾値以下となる電子棚札が、所定の数量となる日を算出する。ここで、電子棚札が所定の閾値以下となった電子棚札が、交換対象の電子棚札である。電子棚札は、1日に3回更新した場合に5年間使用可能であるものとする。よって、電池残量が100%の電子棚札について、電池残量がなくなるまでの更新可能回数((3×365×5)回)は予め分かっているため、現在の電池残量が分かれば、残りの更新可能回数が分かる。尚、電子棚札のタイプによっては、異なるバッテリ寿命を有することもある。例えば、冷蔵ケースに用いる電子棚札(低温タイプ)は、バッテリ寿命が短いため、1日3回の更新で3年間使用可能であるものとする。したがって、電池残量が100%の電子棚札の更新可能回数は、(3×365×3)回となる。残りの使用可能回数が所定の数以下となる日を、電子棚札の交換日とする。また、電子棚札の所定の数量は、通い箱の収容可能数量(交換ロット数)に対応する。電池残量が所定の閾値以下となる電子棚札が所定の数量に満たない場合は、電子棚札の数量が第2の所定数に到達した場合に、第1の所定数に最も近い電子棚札を抽出して、交換日を設定してもよい。既に使用可能期間または更新回数が閾値を超えている電子棚札があるので、所定の数量に満たないという理由で交換しない、通い箱投入数よりも少ない数量での輸送となるとコスト的にも無駄が発生する。
【0079】
その結果、電子棚札を、適度の残使用時間または残使用回数の状態で回収できるので、提供者側の損失も削減できる。換言すると、あまりに余裕を持ち過ぎた交換スケジュールであると、当該電子棚札のバッテリや電子ペーパー部を交換、または、電子棚札を廃棄にして無駄が発生する可能性があるが、このように交換スケジュールを調整可能にすることで、最も使用した状態で行うことができる。
【0080】
この方法は、単独でも利用できるし、スケジュール管理と併せて利用することもできる。提供者側の提供可能数量により制限がかかる可能性があり、ローテーション(回収・交換業務)を効率的に行える方法であれば、単独でも組合せでもよい。
【0081】
さらに、この商品の更新頻度であれば、どのくらいの電池残量であと何日使える(閾値に達する)かが分かる。また、更新回数が非常に多い場合、タイムセールでの更新回数やLEDランプ使用時間が多いことが分かる(特売や月間特売などで前者赤色、後者緑色などを点灯・点滅させて使用する場合など。例えば、開店から閉店までの電池消耗量が計算できるとすると、消耗の激しい電子棚札を抽出することが可能である。更新回数等に加えて、LEDランプの点灯・点滅等による消耗量も事前に設定しておく。)。
【0082】
換言するならば、通常使用(1日3回)と特売または月間特売などを行う場合は、利用可能日数などがどの程度かを算出することができる。そうすると、各電子棚札の残りの利用可能期間・更新回数が分かる。
【0083】
事前のグループ設定ではなく、残使用日数が所定の閾値以下となった電子棚札が発生した場合、極端には1台でも3か月後には残量10%(例:2週間程度しか使えない)になった時点で、利用可能時間が短いと予測、算出された電子棚札の順に、通い箱(交換最低ロット)の台数などを参考に、上限数量を抽出することができる。
【0084】
さらに、使用頻度の高い商品とリンクされている電子棚札と、使用頻度の低い商品とリンクされている電子棚札のリンクを変更することで、電子棚札の使用頻度を調整することができ、交換スケジュール、交換期間を調整(伸ばす)することも可能となる。
【0085】
よって、自動的に次回の交換日や台数を導くことができる。これは、使用者側で把握できるように管理装置などで閲覧(一覧表示)できるようにしてもよいし、提供者側へ該当データを日々送信(定期的に出力)するようにしてもよい。提供者側へ該当データを送信することで、提供者側の交換スケジュールも組みやすくなる。
【0086】
以上説明したように、本変形例によると、効率的な電子棚札の交換が可能となる。
【0087】
<交換方法>
ここで、店舗での電子棚札の交換方法について説明する。
【0088】
電子棚札は不図示のLEDランプを備え、特売や月間お得品などの販売促進活動や、発注業務、棚在庫数のチェック等に、当該LEDランプを利用することができる。これらの業務に加えて、交換対象の電子棚札を識別可能なようにLEDランプを点灯または点滅させてもよい。そのようなLEDランプの設定は、電子棚札サービスの提供者側が、交換用の電子棚札を使用者側へ発送する際に行ってもよい。
【0089】
また、通い箱に収納される交換用の電子棚札は、交換用の電子棚札を発送する提供者側で、交換する商品コード(JAN又はPLU)順や、使用者の店舗のロケーション順に梱包しておくことで、使用者側で電子棚札をスムーズに交換することができる。これは、提供者が、交換日及び交換日以降の商品売価情報を入手することで可能となる。尚、通い箱の投入の順番は、特売と通常売価を商品コード順、ロケーション順に並べておいてもよい。
【0090】
また、交換用の電子棚札の識別子と、交換対象の電子棚札の識別子とを照合させることで、交換作業のミスを減らすことができる。また、交換後、交換した分だけ中継器(トランシーバ)のマスタデータを更新して、再度、更新(通信チェック)を行い、エラーとなった場合は予備品と交換するなどの対応が可能である。そうすることで、電子棚札の交換作業を開店時間中に行うこと(例えば、閉店近くに開始すること)が可能となる。電子棚札の識別子照合は、バーコードをスキャンして行ってもよいし、ICタグを読み取って行ってもよい。また、交換した作業履歴情報を記憶しておくことで、提供者側は交換終了時期を把握することができる。
【0091】
<2.4.変形例2>
以下、本実施形態の変形例2について説明する。以下に説明する変形例2は、適宜、上記実施形態及び他の変形例と組み合わされてよい。
【0092】
図12は、第1の実施形態の変形例2の概要を説明するための図である。
【0093】
本変形例2では、電子棚札システムは、使用中の電子棚札の電池残量等を取得して、状態の悪い電子棚札の台数をカウントする。契約台数の電子棚札のうち未使用の電子棚札(例えば、予備の電子棚札)は、状態の悪い電子棚札の代用として使用することができる。すなわち、通常の運用では予備の電子棚札があるので、使用者は、当該予備の電子棚札を状態の悪い電子棚札の代用として充当して、まず、状態の悪い電子棚札を提供者に返却する。次いで、新たな電子棚札が提供者から使用者へ発送される。この場合、一時的に契約台数が減少することになるが、その期間はプライスカードなどでカバーする。
【0094】
契約台数には、故障交換分として使用者に提供される未請求(無償)の電子棚札を含むことができる。故障交換分は、例えば、契約台数の1%とする。未請求の電子棚札も、状態の悪い電子棚札の代用として使用することができる。
【0095】
電子棚札システムは、状態の悪い電子棚札のカウント数が所定の台数に達すると、電子棚札の交換台数と未使用台数を報知する。所定の台数は、例えば、通い箱の収容可能数の単位で、予め設定される。通い箱は、電子棚札サービスの提供者から発送されるので、使用者は、通い箱を受け取り、交換対象の電子棚札を収容して提供者へ返送し、電子棚札を返却する。電子棚札の契約台数、未使用の電子棚札、及び電子棚札の使用状況は、管理装置110の記憶部116に記憶され、管理される。
【0096】
図13は、第1の実施形態の変形例2に係る電子棚札システムの動作例を示すフローチャートを示す。
【0097】
まず、S401において、管理装置110の管理部112は、各電子棚札の状態を送受信機120に対して問い合わせる。電子棚札140の状態には、例えば、電子棚札140の電池残量や更新回数が含まれる。また、電子棚札140の状態には、電子棚札の故障の有無を含んでもよい。故障の有無は、例えば、送受信機120が、電子棚札140との通信状態に基づいて判定することができる。また、使用者が、電子棚札140の表示状態等に基づいて故障しているかどうかを判断し、管理装置110を介して登録してもよい。故障の有無は、所定の値(例えば、0や1など)で表すことができる。
【0098】
次いで、S402において、管理部112は、送受信機120から各電子棚札の機器状態を示す値を取得する。すなわち、管理部112は、電子棚札の機器状態を示す値を取得する取得手段として機能する。
【0099】
次いで、S403において、管理部112は、取得された各電子棚札の機器状態を示す値を所定の値と比較して機器状態の悪い電子棚札を検出して、機器状態の悪い電子棚札の数をカウントする。すなわち、管理部112は、機器状態の悪い電子棚札の検出手段として機能する。管理部112は、例えば、電池残量が所定の値以下である電子棚札、更新回数が所定の値以上である電子棚札、及び故障している電子棚札(すなわち、故障の有無に関して所定の値を有する電子棚札)を検出して、検出された電子棚札をカウントする。
【0100】
次いで、S404において、管理部112は、機器状態の悪い電子棚札のカウント数が、予め決められた所定の台数に達したかどうか判定する。所定の台数に達した場合はS405に進み、所定の台数に達していない場合は処理を終了する。
【0101】
S405において、管理部112は、電子棚札の交換台数(すなわち、状態の悪い電子棚札として検出された電子棚札の台数)と未使用の電子棚札の台数とを報知する。すなわち、管理部112は、報知手段として機能する。管理部112は、例えば、表示部117において、報知内容として上記電子棚札の交換台数と未使用の電子棚札の台数とを同一画面で表示する。管理部112は、報知内容を印刷装置によって印刷してもよい。また、管理部112は、状態の悪い電子棚札として検出された電子棚札と関連づけられている商品を、当該検出された電子棚札に代えて未使用の電子棚札に表示させるように、当該未使用の電子棚札に対する表示更新指示を作成する。管理部112は、表示更新指示を、送受信機120を介して対象の電子棚札に送信する。表示更新指示を受信した電子棚札は、当該商品の表示を行う。このように、管理部112は、表示更新指示の作成手段として機能する。
【0102】
対象の電子棚札を交換、返却するまでの間に、使用者は、対象の電子棚札の代用として未使用分の電子棚札を充当することができる。未使用分の電子棚札は、新商品用として各部門で保管されている電子棚札や、店全体で予備として確保されている電子棚札を含む。
【0103】
管理部112は、使用者が設定した有償範囲の未使用台数(予備台数)について、指定された期間における台数の推移や平均値、また、複数期間における台数の推移や平均値を算出して記憶部116に記憶するとともに、表示部117に表示してもよい。具体的には、契約解除に関して事前通知制(例えば、2か月前に提供者へ契約解除の申し出をするなど)を採っている場合は、直近2か月と前年比等から、今後2か月の予測台数を算出してもよい。このように、管理部112は分析機能を有し、適切な契約台数に変更するための材料を提供することができる。
【0104】
<未使用の電子棚札の算出方法>
未使用の電子棚札は、上述したように、商品コード(JAN/PLUコード)が設定されていない電子棚札とすることができる。従って、未使用の電子棚札の識別子を抽出して、出力、リスト化することができる。また、通信エラー等が生じている電子棚札は、異常または正常のステータスで管理することができる。異常のステータスは、電子棚札に通信エラーや物理的故障等が生じている場合に使用される。
【0105】
管理部112は、所定の期間または管理者が入力する指定期間において、未使用の電子棚札の台数を算出し、さらに平均値の算出やグラフ化などを行うことができる。使用者は、その情報から契約解除する電子棚札の台数を検討し、決定することができる。この場合、管理部112は、管理画面に契約解除フラグを付して対象の電子棚札を出力し、提供者(メーカー)側への契約解除依頼のためのデータ送信やリスト発行などを実行し、通知を行うことができる。尚、これに加えて売変回数の少ない商品と売変回数が多い商品の数を比較し、売変回数(更新回数)が多い商品の比率が高い場合は、使用者は電子棚札の追加契約を行ってもよい。また、売変回数(更新回数)が多い商品の比率が低い場合は、未使用の電子棚札に代えて、または加えて、使用者は、一部の電子棚札の契約解除(契約台数の削減)を行うことができる。同様に、(契約解除のための)回収指示を行うことができ、期日までに回収できていない電子棚札を(日次処理や回収確認のための通信により)確認して、当該電子棚札の表示態様を変えて(例えば、特売や通常使用しているLEDランプの色や点滅、点灯などの方法を避けて)、回収する店員に分り易いように報知してもよい。
【0106】
換言すると、未使用の電子棚札と売変回数の少ない電子棚札を契約解除の対象にすることができる。売変回数は、管理者によって指定することができ、指定された売変回数よりも少ない売変回数の電子棚札を対象とすることができる。管理者は、電子棚札ではなく、プライスカードでよいと判断できる売変回数を指定する。管理部112は、現在、店舗で使用されている電子棚札に対して、契約解除のための回収指示の表示更新を行うことができる。
【0107】
<状態の悪い電子棚札のカウントのリセット>
まず、管理部112は、条件設定(例えば、所定の電池残量や所定の更新回数)にしたがい、対象の電子棚札が所定の数量になると報知する。通い箱を50個とすると、投入数量最大の50個分で報知するとする。電子棚札を回収する場合、携帯端末で電子棚札を初期化する操作に応じて、ステータスを回収完了に変更することで実績管理を行うことができる。例えば、携帯端末で、店員が通常回収または特別回収(契約解除)などを選択することで、操作完了に応じて、管理部112は、当該電子棚札が回収されたことが分かるので、管理上のフラグ更新も可能となる。また、事前に回収または契約解除の指示データを生成することで、誤った操作を防止することができる。そうすることで、例えば、通常回収と特別回収が同時に行われる場合に、操作指示のマークや日付の文字フォントを店員が誤認した場合の対策となる。
【0108】
なお、通常回収指示を一度行ったものは、作業完了の有無に関わらず、次の回収指示(つまり次の50個)において重複選択を禁止すれば、どの通い箱(作業単位でもよい)に投入する電子棚札かは混乱せずに整理できる。つまり、回収対象にカウントした電子棚札を次回以降の検出対象とは区別することで、同じ電子棚札を重複して検出する虞がなくなる(一度抽出された電子棚札は、次回の抽出対象から除外する)。
【0109】
さらに、所定の数量を設定しなくても(この場合は50個)、電池残量や更新回数に応じて、回収する電子棚札を決定してもよい。つまり、条件にあった電子棚札を抽出して合計数を把握するようにしてもよい。その上で回収数を決定して、提供者側に通い箱の数量を指示するという運用を行ってもよい。通い箱のセット台数を考慮するか否かは任意である。尚、通い箱を有効に活用する方が運賃等は無駄にならないが、使用者に強要することはできない。また、電子棚札を大量に回収する場合などは、通い箱の単位ではなく、例えば320個を回収対象としてもよい。
【0110】
電子棚札の管理区分として、「買取」か「サブスクリプション」かを記憶して、電子棚札を管理してもよい。店舗内で混在することはないが、例えば、クラウドサービスを利用した買い取りの顧客に対して、サブスクリプションでの料金を表示したりすることで、次の店舗の開店時や未導入の店舗への導入検討を促すことが可能である。
【0111】
図14は、第1の実施形態の変形例2に係る表示画面の一例を示す。表示画面1401は、管理装置110の表示部117に表示することができる。尚、以下に説明する他の表示画面も同様である。
【0112】
表示画面1401は、通常回収の電子棚札を対象としたデータ参照・作成画面である。表示画面1401では、使用者は、電子棚札のタイプ、電池残量、及び更新回数残(残りの更新可能回数)を指定して、通常回収の電子棚札の検索を実行することができる。
図14の例では、タイプA及びBで、電池残量が30%未満の電子棚札が指定されている。
【0113】
尚、電子棚札のタイプは、電子棚札のサイズ等に応じて分けられている。また、タイプが異なっていても共通の通い箱を使用することができる場合もあり、それらのタイプはまとめて選択可能になっている(例えば、タイプA及びB)。また、
図14の例では、複数選択を禁止するラジオボタンが使用されているが、この限りではない。電池残量と更新回数残も、AND検索またはOR検索のどちらでも選択できるようにしてよい。
【0114】
検索実行ボタン1402は、検索条件を指定するまでは無効となっている。通い箱単位指示データ作成ボタン1403が押下されると、電子棚札の通い箱単位の指示データが作成される。通い箱単位指示データは、例えばタイプA・Bの場合は50個単位となり、端数は選択されない。回収指示データ作成ボタン1404を押下すると、回収指示データが作成される。回収指示データには、対象の全ての電子棚札のデータが含まれる。よって、電池残量が降順のリストが出力される。回収指示データの作成には慎重を期す必要があるため、回収指示データ作成ボタン1404は、表示画面1401の左端に寄せて配置されている。一方、検索実行ボタン1402は、検索条件を指定した後に押下しやすいように、検索条件設定の隣に配置されている。
【0115】
図15は、第1の実施形態の変形例2に係る別の表示画面の一例を示す。表示画面1501は、検索結果を示す画面であり、電子棚札の回収対象数を表示する。表示画面1501は、検索実行後に表示されるポップアップ画面とすることができる。
【0116】
表示画面1501では、未使用の電子棚札を表示することで電子棚札の回収指示とあわせて対象の商品情報を表示する電子棚札がどの程度あるか知ることができる。尚、表示画面1501で表示される数量は、正常な電子棚札のみである。
【0117】
表示画面1501は、回収実行ボタン1502と、一覧に戻るボタン1503とを含む。
【0118】
図16は、第1の実施形態の変形例2に係る別の表示画面の一例を示す。表示画面1601は、契約解除により回収される電子棚札を対象としたデータ参照・作成画面である。
【0119】
表示画面1601では、使用者は、電子棚札のタイプ、検索期間、未使用かどうか、及び売変回数を指定して、契約解除の対象となる電子棚札の検索を実行することができる。検索実行ボタン1602は、検索条件を指定するまで無効となっている。契約解除データ作成ボタン1603が押下されると、電子棚札の契約解除データが作成される。
【0120】
図17は、第1の実施形態の変形例2に係る別の表示画面の一例を示す。表示画面1701は、検索結果を示す画面であり、電子棚札の契約解除対象数を表示する。表示画面1701は、検索実行後に表示されるポップアップ画面とすることができる。
【0121】
表示画面1701は、契約解除ボタン1702と、一覧に戻るボタン1703とを含む。契約解除ボタン1702は、押し間違いの防止のため、また、電子棚札のサービス提供者にとっては望ましくないボタンであるため、クリック操作でもタッチ操作でも押下するのが面倒な画面の左端に寄せて、さらに小さくして配置されている。一覧に戻るボタン1703は、簡単に押下できる位置に配置されている。
【0122】
図16及び
図17を参照して説明したように、管理装置110の管理部112は、契約解除対象の電子棚札を抽出して、契約解除処理を実行することができる。具体的には、管理部112は、
図16の表示画面1601で指定された所定の期間において、更新回数(売変回数)が所定の回数以下である電子棚札を抽出する。また、管理部112は、記憶部116に記憶された未使用の電子棚札のうち、上記所定の期間に表示が更新されていない電子棚札を抽出する。所定の期間の更新回数が所定の回数以下である電子棚札、または、所定の期間に更新されていない未使用の電子棚札、あるいはその両方が、契約解除処理の対象となる。管理部112は、表示画面1701において契約解除ボタン1702が押下されると、契約解除処理を実行する。すなわち、管理部112は、契約解除手段として機能する。また、管理部112は、契約解除処理の対象となった電子棚札の契約解除日を、当該対象となった電子棚札に表示させるように、当該対象となった電子棚札に対する表示更新指示を作成する。上述したように、管理部112は、電子棚札の表示更新指示の作成手段として機能する。
【0123】
尚、契約数の変更により契約額及び差額、契約単価が変更になる場合、例えば、合計3,300個で契約していたが、3,000個の契約となり、契約単価が変る場合など、金額的な差が小さいのであれば、契約解除を再検討する情報としても有効である。
【0124】
<2.5.変形例3>
以下、本実施形態の変形例3について説明する。以下に説明する変形例3は、適宜、上記実施形態及び他の変形例と組み合わされてよい。
【0125】
図18は、第1の実施形態の変形例3に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す。
【0126】
本変形例に係る電子棚札システム1800は、クラウドシステムによって構成される。クラウド210は、一般に1または複数のサーバー装置等によって構成され、上述した管理装置110に相当する機能をアプリケーション211として実装する。また、クラウド210は、電子棚札222やPOP広告(例えば、紙媒体の広告)227のデザインデータ212を記憶装置213に記憶する。さらに、クラウド210は、EOS(Electronic Ordering System)/POS(Point of Sales)システム214から、商品データや売価データを受信して、記憶装置213に記憶する。EOS/POSシステム214は、電子棚札サービスの使用者が管理するシステムである。
【0127】
クラウド210は、有線または無線ネットワーク215を介して、その他の装置と通信可能に接続される。具体的には、クラウド210は、トランシーバ221を介して電子棚札222と通信し、アクセスポイント(AP)223を介して携帯端末(Hand Held Terminal)224と通信する。また、クラウド210は、業務PC(Personal Computer)225やプリンタ226とも通信する。
【0128】
業務PC225は、ブラウザソフトを備えたPCまたはシンクライアントとすることができる。使用者は、業務PC225を利用して、クラウド210を介して電子棚札222に関するデザインを設定することができる。業務PC225がクラウド210を介して商品データ(商品マスタとも称する)や売価データを受信することで、使用者は、どの商品をどの電子棚札にリンクさせるか(表示させるか)を設定することができる。また、業務PC225が電子棚札222の状態情報(電池残量や更新回数)を受信することで、電子棚札サービスの使用者と提供者との間で電子棚札222の状態情報を共有することができる。
【0129】
電子棚札222は、デザインデータ212や、商品データ及び売価データに基づいて、商品情報を表示することができる。プリンタ226は、デザインデータ212や、商品データ及び売価データに基づいて、POP広告227を印刷することができる。
【0130】
このように、本実施形態に係る電子棚札システムは、クラウドシステムによって提供することができる。
【0131】
<2.6.変形例4>
以下、本実施形態の変形例4について説明する。以下に説明する変形例4は、適宜、上記実施形態及び他の変形例と組み合わされてよい。
【0132】
図19は、第1の実施形態の変形例4に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す。
【0133】
本変形例に係る電子棚札システム1900は、複数店舗管理装置170と、店舗A181、店舗B182、及び店舗C183を含む。店舗A181、店舗B182、及び店舗C183のそれぞれには、上述した電子棚札システム100が導入されている。複数店舗管理装置170は、各店舗の電子棚札システム100と通信可能に接続され、各店舗で管理されている電子棚札の情報を取得し、電子棚札の使用状況を管理することができる。尚、店舗の数は、この限りではない。
【0134】
図20は、第1の実施形態の変形例4に係る複数店舗管理装置の機能ブロック図である。複数店舗管理装置170は、処理部171と、記憶部176と、表示部177と、入力部178と、通信インタフェース部179とを有する。
【0135】
記憶部176は、例えばROM、RAM、及びストレージメモリなどにより実装される。記憶部176は、処理部171の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータ(例えば、商品情報データベース)を、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、処理部171の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0136】
表示部177は、例えば液晶ディスプレイであり、処理部171から出力される表示用データに応じて、使用者(例えば、管理者、店員など)に種々の情報を表示する。
【0137】
入力部178は、例えば、マウスやキーボードであり、当該使用者から種々の入力を受け付ける。入力部178は、受け付けた入力情報を、処理部171に提供し、あるいは記憶部176に記憶する。また、入力部178は、表示部177と一体化したタッチパネルディスプレイとすることもできる。
【0138】
通信インタフェース部179は、ネットワークアダプタ及び/又はネットワークインタフェースカード等により実装される。通信インタフェース部179は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。例えば通信インタフェース部179は、有線又は無線ネットワーク(例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)など)を介して、各店舗の電子棚札システム100との間で通信を行う。
【0139】
処理部171は、記憶部176に格納されているプログラムが実行されることにより実現される。処理部171は、管理部172を含む。尚、処理部171は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含んでもよい。すなわち、処理部171は、これらの構成要素の動作以外の動作も行ってよい。
【0140】
管理部172は、各店舗の電子棚札システム100から、電子棚札の情報を取得し、記憶部176に記憶する。管理部172は、取得した電子棚札情報のうち、例えば、店舗毎に管理された複数の電子棚札のそれぞれの電子棚札識別子と日付情報(例えば、回収日)とを取得して表示部177に表示することができる。そうすることで、電子棚札サービスの提供者は、各店舗における電子棚札の使用状況を把握することができる。
【0141】
また、管理部172は、それぞれの電子棚札が属するグループの識別情報を表示部177に表示してもよい。そうすることで、電子棚札サービスの提供は、グループ毎に交換対象の電子棚札の数量を把握することができる。
【0142】
<<3.第2の実施形態>>
続いて、
図21を参照して、第2の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態は、具体的な実施形態であるが、第2の実施形態は、より一般化された実施形態である。
【0143】
<3.1.システム構成>
図21は、第2の実施形態に係る電子棚札システムの概略構成の一例を示す。電子棚札システム2100は、管理装置2101、送受信機2102、及び複数の電子棚札2103a、2103b、2103cを含む。また、管理装置2101は、取得部2112、検出部2113、及び報知部2114を含む。尚、電子棚札の数はこの限りではない。
【0144】
管理装置2101は、1つ以上のプロセッサと、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスクとにより実装されてもよい。
【0145】
<3.2.動作例>
第2の実施形態に係る電子棚札システム2100の動作例を説明する。第2の実施形態によれば、取得部2112は、例えば送受信機2102を介して、電子棚札2103a、2103b、2103cの機器状態を示す値を取得する。検出部2113は、取得部2112によって取得された機器状態を示す値を所定の値と比較して、機器状態の悪い電子棚札を検出する。報知部2114は、検出部2113によって検出された電子棚札の台数が予め決められた台数に達した場合に、報知する。
【0146】
-第1の実施形態との関係
一例として、第2の実施形態に係る電子棚札システム2100に含まれる管理装置2101、送受信機2102、及び電子棚札2103a、2103b、2103cはそれぞれ、第1の実施形態に係る電子棚札システム100の管理装置110、送受信機120、及び電子棚札140a、140b、140cの動作を行ってもよい。この場合、第1の実施形態についての説明は、第2の実施形態にも適用される。尚、第2の実施形態はこれらの例に限定されない。
【0147】
以上、第2の実施形態を説明した。第2の実施形態によれば、例えば、電子棚札の効果的な利用が可能になる。
【0148】
<<4.他の実施形態>>
以上、実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0149】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしも記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0150】
また、本明細書において説明した構成要素(例えば、情報取得部、判断部、及び/又は出力部)の処理を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の処理をプロセッサ(CPU)に実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-transitory computer readable medium)が提供されてもよい。当然ながら、このような装置、モジュール、方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体も本発明に含まれる。
【0151】
<<5.実施形態の総括>>
[技術分野]
本発明は、電子棚札システム及び方法に関する。
[背景技術]
近年、スーパーマーケット、ドラッグストア、家電量販店などの店舗で、紙媒体であるプライスカードやPOP広告に代えて、またはそれらと併せて、電子棚札(Electronic Shelf Label)の利用が進んでいる。電子棚札は、価格などの商品情報を表示可能な小型ディスプレイを備え、管理装置から当該商品情報を受信して表示することができる(例えば、特許文献1参照)。当該電子棚札を利用することで、商品表示の変更を容易に行うことができる。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2000-076351号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
一方で、導入費用の問題、あるいは技術革新による装置の買取リスクの問題などから、電子棚札の利用に二の足を踏む事業者も存在する可能性がある。そこで、電子棚札をより利用しやすくするために、サブスクリプション方式により電子棚札のサービスを提供することが試みられている。しかしながら、サブスクリプション方式によって電子棚札のサービスを提供する場合、電子棚札サービスの提供者は、電子棚札の導入後も実際に使用されている電子棚札を管理していく必要がある。
【0152】
本発明は、上述したような問題に鑑みてなされたものであり、電子棚札を管理することが可能な電子棚札システム及び方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、電子棚札の機器状態を示す値を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記機器状態を示す値を所定の値と比較して、前記機器状態の悪い前記電子棚札を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記電子棚札の台数が予め決められた台数に達した場合に、報知する報知手段とを備える電子棚札システムである。
上記構成によれば、電子棚札を管理して、電子棚札の交換を容易に行うことが可能になる。
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の電子棚札システムであって、未使用の電子棚札を記憶する記憶手段と、前記検出手段によって検出された前記電子棚札の台数と前記未使用の電子棚札の台数とを同一画面で表示する表示手段とをさらに備える。
上記構成によれば、交換対象の電子棚札の台数と未使用の電子棚札の台数とを把握することが容易になる。
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の電子棚札システムであって、前記検出手段によって検出された前記電子棚札と関連づけられている商品を、該電子棚札に代えて前記未使用の電子棚札に表示させるように、前記未使用の電子棚札に対する表示更新指示を作成する作成手段をさらに備える。
上記構成によれば、未使用の電子棚札に対する表示内容を容易に設定することができる。
(4)本実施形態の一態様は、(2)または(3)に記載の電子棚札であって、所定の期間の更新回数が所定の回数以下である前記電子棚札を抽出する第1の抽出手段と、
前記記憶手段に記憶された前記未使用の電子棚札のうち、前記所定の期間に更新されていない前記電子棚札を抽出する第2の抽出手段と、
前記第1の抽出手段によって抽出された電子棚札と、前記第2の抽出手段によって抽出された電子棚札の両方、またいずれか一方の契約解除処理を実行する契約解除実行手段と
をさらに備える。
上記構成によれば、契約解除対象の電子棚札を抽出し、契約解除処理を行うことが容易になる。
(5)本実施形態の一態様は、(4)に記載の電子棚札であって、前記契約解除処理の対象となった電子棚札の契約解除日を表示させるように、前記対象となった電子棚札に対する表示更新指示を作成する作成手段をさらに備える。
上記構成によれば、契約解除対象の電子棚札の回収が容易になる。
(6)本実施形態の一態様は、(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の電子棚札システムであって、前記機器状態を示す値は、前記電子棚札の電池残量である。
上記構成によれば、電子棚札の電池残量に基づいて、交換対象の電子棚札を検出することができる。
(7)本実施形態の一態様は、(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の電子棚札システムであって、前記機器状態を示す値は、前記電子棚札の更新回数である。
上記構成によれば、電子棚札の更新回数に基づいて、交換対象の電子棚札を検出することができる。
(8)本実施形態の一態様は、(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の電子棚札システムであって、前記機器状態を示す値は、前記電子棚札の故障の有無を示す値である。
上記構成によれば、電子棚札の故障の有無に基づいて、交換対象の電子棚札を検出することができる。
(9)本実施形態の一態様は、電子棚札の機器状態を示す値を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記機器状態を示す値を所定の値と比較して、前記機器状態の悪い前記電子棚札を検出する検出ステップと、前記検出ステップによって検出された前記電子棚札の台数が予め決められた台数に達した場合に、報知する報知ステップとを含む方法である。
上記構成によれば、(1)と同様に、電子棚札を管理して、電子棚札の交換を容易に行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0153】
100 電子棚札システム
110 管理装置
120、130 送受信機
140a、140b、140c 電子棚札
150 携帯端末
160 印刷装置