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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】釣用ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/18 20060101AFI20241112BHJP
   A01K 85/16 20060101ALI20241112BHJP
   A01K 85/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A01K85/18
A01K85/16
A01K85/00 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020157086
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050903
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】510089823
【氏名又は名称】有限会社GAN CRAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100150762
【弁理士】
【氏名又は名称】阿野 清孝
(72)【発明者】
【氏名】平岩 孝典
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-216657(JP,A)
【文献】米国特許第02932112(US,A)
【文献】特開2005-218314(JP,A)
【文献】登録実用新案第3132520(JP,U)
【文献】特開2018-201370(JP,A)
【文献】特開2007-117025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00-85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハード系素材により構成されたルアー本体と、このルアー本体の下端に設けられ、フックを取り付けるフックアイと、前記ルアー本体の前端に設けられ、リールから繰り出されたラインの先端を固定するラインアイとを備えた釣用ルアーであって、
前記ルアー本体は、長手方向で複数に分割され、その互いに相隣なる分割片同士がジョイントを介して左右方向に湾曲自在に連結され、
前記ジョイントのうち、前記ラインアイが設けられた分割片と前記フックアイが設けられた分割片とを連結するジョイント、及び前記フックアイが設けられた分割片同士を連結するジョイントとしては、互いの連結構造により左右方向への揺動を可能とする金属製ジョイントが適用されている一方、
前記ルアー本体の最後端に位置しかつ尾鰭を有する後端分割片とこれの前側に隣接する中央分割片とを連結するジョイントとしては、左右方向への可撓性を有する弾性体により形成された弾性ジョイントが適用されているとともに、前記弾性ジョイントの材質としては、シリコン樹脂材料又はゴム材料が使用され、当該弾性ジョイントは、上方から見た平面視で略I字状を呈する前後方向へ長い板状に形成されており、
前記後端分割片の隣接側端部は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凸設されている一方、当該後端分割片と隣接する前記中央分割片の隣接側端部は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凹設されていて、前記後端分割片及び前記中央分割片が互いに凹凸状に形成されて左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにしていることを特徴とする釣用ルアー。
【請求項2】
前記後端分割片と前記中央分割片との間には、介在分割片が介在され、
前記後端分割片と前記介在分割片とを連結するジョイントとしては、前記弾性ジョイントが適用されており、
前記中央分割片と隣接する前記介在分割片の隣接側端部は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凸設されている一方、前記後端分割片と隣接する前記介在分割片の隣接側端部は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凹設されていて、前記後端分割片及び前記介在分割片、並びに前記介在分割片及び前記中央分割片がそれぞれ互いに凹凸状に形成されて左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにしている請求項1に記載の釣用ルアー。
【請求項3】
前記弾性ジョイントは、前後方向へ延び、その前後両端においてそれぞれ左右方向へ増幅された前後の挿通片と、この前後の挿通片間を連結する連結片とを備え、
前記前後の両挿通片は、当該両挿通片にそれぞれ対応する前記両分割片の対応部位において上方向き又は下方向きに凹設された挿通穴に対し嵌挿されている請求項1又は請求項2に記載の釣用ルアー。
【請求項4】
前記弾性ジョイントの前後の挿通片は、前記両分割片の挿通穴にそれぞれ嵌挿された状態で、固定具により抜け落ち不能に固定されている請求項3に記載の釣用ルアー。
【請求項5】
前記金属製ジョイント及び前記弾性ジョイントのうちの少なくとも1つには、当該金属製ジョイント及び弾性ジョイントの一方とは種類が異なる前記弾性ジョイント及び前記金属製ジョイントの他方も併用されている請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の釣用ルアー。
【請求項6】
前記弾性ジョイントは、前記金属製ジョイントに対し直に接触する直接触位置又は非接触に離間する離間位置に脱着可能に取り付けられている請求項5に記載の釣用ルアー。
【請求項7】
前記弾性ジョイントとしては、左右方向への可撓性が互いに異なる弾性体により形成された複数種類の弾性ジョイントが選択可能に用いられている請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の釣用ルアー。
【請求項8】
前記弾性体としては、左右方向への可撓性を有しかつ破断し難い強度を有する材質が適用されている請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の釣用ルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用ルアーの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣用ルアーとしては、魚などに擬したボディーをハード系素材(ABS樹脂)等により構成したルアー本体と、このルアー本体の下端に設けられ、フックを取り付けるフックアイと、ルアー本体の前端に設けられ、リールから繰り出されたラインの先端を固定するラインアイとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、この釣用ルアーにあっては、ルアー本体を、長手方向で3つに分割し、その互いに相隣なる分割片同士が上下方向複数のジョイントを介して左右方向に湾曲自在に連結されるようにしている。この場合、各ジョイントとしては、互いに相隣なる分割片同士のうちの前側の分割片の後端より後方へ突出する環状部と、後側の分割片の前端より前方へ突出し、環状部に対し係合する環状係合部とを備えたものが適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-187248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前述したルアー本体の各分割片を係合するジョイントでは、環状部と環状係合部とが互いの点接触により係合している。そのため、ラインの巻取り時や船舶等による曳航時などのルアー操作時に左右方向へのジョイントの揺動が水中の負荷を受けて急激に逆方向へ切り変わり、各分割片の動きが不自然なものとなるおそれがある。これは、ルアー本体の速度変化に応じて変わり易い傾向にあり、ルアー本体の速度変化によっては各分割片の動きが急激に切り変わってしまうと、自然な魚の動きを醸し出すことができない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ルアー本体の速度変化に応じて各分割片の動きが不自然なものとならないようにし、自然な魚の動きを醸し出すことができる釣用ルアーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明では、ハード系素材により構成されたルアー本体と、このルアー本体の下端に設けられ、フックを取り付けるフックアイと、前記ルアー本体の前端に設けられ、リールから繰り出されたラインの先端を固定するラインアイとを備えた釣用ルアーを前提とする。更に、前記ルアー本体を、長手方向で複数に分割し、その互いに相隣なる分割片同士をジョイントを介して左右方向に湾曲自在に連結する。そして、前記ジョイントのうち、前記ラインアイが設けられた分割片と前記フックアイが設けられた分割片とを連結するジョイント、及び前記フックアイが設けられた分割片同士を連結するジョイントとして、互いの連結構造により左右方向への揺動を可能とする金属製ジョイントを適用する。一方、前記ルアー本体の最後端に位置しかつ尾鰭を有する後端分割片とこれの前側に隣接する中央分割片とを連結するジョイントとして、左右方向への可撓性を有する弾性体により形成された弾性ジョイントを適用するとともに、前記弾性ジョイントの材質として、シリコン樹脂材料又はゴム材料を使用し、当該弾性ジョイントを、上方から見た平面視で略I字状を呈する前後方向へ長い板状に形成する。更に、前記後端分割片の隣接側端部を、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凸設させる一方、当該後端分割片と隣接する前記中央分割片の隣接側端部を、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凹設させていて、前記後端分割片及び前記中央分割片を互いに凹凸状に形成して左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにすることを特徴としている。
また、前記後端分割片と前記中央分割片との間に介在分割片を介在させ、前記後端分割片と前記介在分割片とを連結するジョイントとして、前記弾性ジョイントを適用する。そして、前記中央分割片と隣接する前記介在分割片の隣接側端部を、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凸設させる一方、前記後端分割片と隣接する前記介在分割片の隣接側端部を、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凹設させていて、前記後端分割片及び前記介在分割片、並びに前記介在分割片及び前記中央分割片をそれぞれ互いに凹凸状に形成して左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにしていてもよい。
【0008】
また、前記弾性ジョイントは、前後方向へ延び、その前後両端においてそれぞれ左右方向へ増幅された前後の挿通片と、この前後の挿通片間を連結する連結片とを備える。そして、前記前後の両挿通片を、当該両挿通片にそれぞれ対応する前記両分割片の対応部位において上方向き又は下方向きに凹設された挿通穴に対し嵌挿していてもよい。
【0009】
更に、前記弾性ジョイントの前後の挿通片を、前記両分割片の挿通穴にそれぞれ嵌挿した状態で、固定具により抜け落ち不能に固定することがこのましい。
【0011】
また、前記金属製ジョイント及び前記弾性ジョイントのうちの少なくとも1つに、当該金属製ジョイント及び弾性ジョイントの一方とは種類が異なる前記弾性ジョイント及び前記金属製ジョイントの他方も併用することがこのましい。
【0012】
更に、前記弾性ジョイントを、前記金属製ジョイントに対し直に接触する直接触位置又は非接触に離間する離間位置に脱着可能に取り付けていてもよい
【0013】
また、前記弾性ジョイントとして、左右方向への可撓性が互いに異なる弾性体により形成された複数種類の弾性ジョイントを選択可能に用いてもよい。
【0014】
更に、前記弾性体として、左右方向への可撓性を有しかつ破断し難い強度を有する材質を適用してもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上、要するに、ルアー本体を複数に分割した分割片同士を連結するジョイントのうち、ラインアイを有する分割片とフックアイを有する分割片とを連結するジョイント、及びフックアイを有する分割片同士を連結するジョイントとして、金属製ジョイントを適用することで、金属製ジョイントがその連結構造により当該分割片同士の互いの離脱を回避して安定した釣果を発揮しつつ左右方向への揺動を可能としている。このとき、ラインの巻取り時や船舶等による曳航時などのルアー操作時にルアー本体がゆっくりと低速で引かれると、金属製ジョイントが左右方向へ揺動するものの、ルアー本体が速く高速で引かれると、金属製ジョイントの左右方向への揺動が制限され、各分割片が直線的な動きとなる。
【0016】
その場合、ルアー本体の最後端の分割片とその前側に隣接する分割片とを連結するジョイントとして、左右方向への可撓性を有する弾性体により形成された弾性ジョイントを適用することで、ルアー操作時にルアー本体がゆっくりと低速で引かれると、弾性ジョイントが金属製ジョイントの左右方向への揺動と同じ方向へ追従するように揺動し、各分割片が左右方向へS字形に動く。一方、ルアー操作時にルアー本体が速く高速で引かれると、弾性ジョイントが金属製ジョイントと逆方向へ揺動し、各分割片が直線的な動きに変換されて左右方向へ柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きをする。これにより、ルアー操作時の速度変化に応じて、各分割片の動きに変化を持たせて自然な魚の動きを醸し出すことができる。
【0017】
また、弾性ジョイントの前後の両挿通片を、それにそれぞれ対応する両分割片の対応部位にて上方向き又は下方向きに凹設した挿通穴に対し嵌挿することで、弾性ジョイントを両分割片に対し簡単に取り付けることが可能となり、両分割片に対する弾性ジョイント装着時の取付作業性を図ることができる。
【0018】
更に、弾性ジョイントの前後の挿通片を、両分割片の挿通穴にそれぞれ嵌挿した状態で、固定具により抜け落ち不能に固定することで、両分割片の挿通穴からの弾性ジョイントの両挿通片の不慮の抜け落ちを確実に防止し、最後端の分割片の損失を回避することができる。
【0019】
また、弾性ジョイントにより連結される分割片同士の間に介在させた単数又は複数の介在分割片を、当該分割片同士の間においてそれぞれ弾性ジョイントを介して連結することで、前後両端を弾性ジョイントにより連結した単数又は複数の介在分割片によってルアー操作時のルアー本体の動きがよりこまやかなものとなる。つまり、ルアー操作時にルアー本体が低速で引かれると、複数の弾性ジョイントが金属製ジョイントの左右方向への揺動と同じ方向へ追従するようになめらかに揺動し、各分割片が左右方向へS字形に動く。一方、ルアー操作時にルアー本体が高速で引かれると、弾性ジョイントが金属製ジョイントと逆方向へ揺動し、各分割片が直線的な動きに変換されて左右方向へ柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きをする。これにより、ルアー操作時の速度変化に応じて、各分割片の動きに変化を持たせてより自然な魚の動きを醸し出すことができる。
【0020】
また、金属製ジョイント及び弾性ジョイントのうちの少なくとも1つに、当該金属製ジョイント及び弾性ジョイントの一方とは種類が異なる弾性ジョイント及び金属製ジョイントの他方も併用することで、金属製ジョイントによる互いの連結構造により離脱を確実に回避しつつ弾性ジョイントによるルアー操作時の速度に応じた各分割片の動きを可能としている。これにより、ルアー操作時の速度変化に応じて、金属製ジョイントにより連結された各分割片の動きにも変化を持たせて自然に近い魚の動きを醸し出すことができる。
【0021】
更に、弾性ジョイントを、金属製ジョイントに対し直に接触する直接触位置又は非接触に離間する離間位置に脱着可能に取り付けることで、弾性ジョイント及び金属製ジョイントを併用する際に弾性ジョイントをその構造や取付スペースなどに応じて直接触位置又は非接触位置に適宜変更することが可能となり、弾性ジョイントの汎用性を図ることができる。
【0022】
また、弾性ジョイントとして、左右方向への可撓性が互いに異なる弾性体により形成された複数種類の弾性ジョイントを選択可能に用いることで、潮流や河川の流れの速さなどの条件に応じて、それぞれ弾性の異なる複数種類の弾性ジョイントの中から最適なものを選択することが可能となり、各分割片の動きに変化を持たせてより一層自然に近い魚の動きを醸し出すことができる。
【0023】
更に、左右方向への可撓性を有しかつ破断し難い強度を有する材質を弾性体として適用することで、弾性ジョイントによる分割片同士の動きに変化を持たせた自然な魚の動きを醸し出すことができることに加え、金属製ジョイントのような破断し難い強度を併せ持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る釣用ルアーを左側方から見た正面図である。
図2図1の釣用ルアーを右側方から見た背面図である。
図3図1の釣用ルアーを後方から見た右側面図である。
図4図1の釣用ルアーを前方から見た左側面図である。
図5図1の釣用ルアーを上方から見た平面図である。
図6図1の釣用ルアーを下方から見た底面図である。
図7図1の釣用ルアーのジョイント並びにフックアイ及びラインアイの構造を示す縦断面図である。
図8図1の釣用ルアーの使用状態を示す正面図である。
図9】ジョイントの特性による各分割片の左右方向への動きをルアー操作時におけるルアー本体の低速域及び高速域に応じて説明する説明図を示し、(a)は2分割した分割片を金属製ジョイントにより連結したルアー本体の揺動状態の説明図、(b)は3分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の揺動状態の説明図である。
図10】ジョイントの特性による各分割片の左右方向への動きをルアー操作時におけるルアー本体の速度に応じて説明する説明図を示し、(a)は2分割した分割片同士を金属製ジョイントにより連結したルアー本体の低速域での揺動姿勢を示す平面図、(b)は3分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の低速域での揺動姿勢の平面図、(c)は3分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の高速域での揺動姿勢の平面図である。
図11】第1の実施の形態の変形例に係る釣用ルアーに用いられる三種の弾性ジョイントを示し、(a)~(c)はそれぞれ釣用ルアーを左側方から見た各種弾性ジョイントの正面図である。
図12】本発明の第2の実施の形態に係る釣用ルアーを左側方から見た正面図である。
図13図12の釣用ルアーを上方から見た平面図である。
図14】ジョイントの特性による各分割片の左右方向への動きをルアー操作時におけるルアー本体の低速域及び高速域に応じて説明する説明図を示し、(a)は3分割した各分割片を金属製ジョイントにより連結したルアー本体の揺動状態の説明図、(b)は4分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の2つの弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の揺動状態の説明図である。
図15】ジョイントの特性による各分割片の左右方向への揺動姿勢をルアー操作時におけるルアー本体の速度に応じて説明する説明図を示し、(a)は3分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の低速域での揺動姿勢の平面図、(b)は3分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の高速域での揺動姿勢の平面図、(c)は4分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の2つの弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の低速域での揺動姿勢の平面図、(d)は4分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の2つの弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の高速域での揺動姿勢の平面図である。
図16】本発明の第3の実施の形態に係る釣用ルアーのジョイント並びにフックアイ及びラインアイの構造を示す縦断面図である。
図17】第3の実施の形態の変形例に係る釣用ルアーを上方から見た平面図である。
図18】第3の実施の形態のその他の変形例に係る釣用ルアーを上方から見た平面図である。
図19】第3の実施の形態のその他の変形例に係る釣用ルアーを上方から見た平面図である。
図20】第3の実施の形態のその他の変形例に係る釣用ルアーを上方から見た平面図である。
図21図20の釣用ルアーの弾性ジョイントを示し、(a)は弾性ジョイントの側面図、(b)は弾性ジョイントの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は本発明の実施の形態に係る釣用ルアーを左側方から見た正面図、図2図1の釣用ルアーを右側方から見た背面図、図3図1の釣用ルアーを後方から見た右側面図をそれぞれ示している。また、図4図1の釣用ルアーを前方から見た左側面図、図5図1の釣用ルアーを上方から見た平面図、図6図1の釣用ルアーを下方から見た底面図をそれぞれ示している。
【0027】
図1図6に示すように、釣用ルアー1は、魚などに擬したボディーをハード系素材(ABS樹脂)等により構成するルアー本体2と、このルアー本体2の下端における先端寄り位置及び後端寄り位置にそれぞれ固設され、後述するフック33を取り付けるフックアイ31,31と、ルアー本体2の前端(先端)に固設され、図示しないリールから繰り出されたライン40(図8参照)の先端を結わえて固定するラインアイ41とを備えている。
【0028】
図7図1の釣用ルアー1のジョイント並びにフックアイ31及びラインアイ41の構造を示す縦断面図を示している。この図7にも示すように、ルアー本体2は、長手方向(前後方向)で3つに分割されている。この3つの分割片5~7は、ルアー本体2の尾鰭20を有する最後端分割片としての後端分割片7と、この後端分割片7の前側に相隣なる前側隣接分割片としての中央分割片6と、この中央分割片6の前側に相隣なる前端分割片5とからなる。
【0029】
フックアイ31,31のうちの前側のフックアイ31は、両端に孔部を有する略眼鏡状のフックアイ本体3の下部に設けられている。この前側のフックアイ本体3の上部は、前端分割片5の下端の前後方向略中間位置に埋設された状態で固定されている。そして、前側のフックアイ31は、前端分割片5の下端の前後方向略中間位置より下方へ露出している。
【0030】
後側のフックアイ31も、両端に孔部を有する略眼鏡状のフックアイ本体3の下部に設けられている。この後側のフックアイ本体3の上部は、中央分割片6の下端の後端位置に埋設された状態で固定されている。そして、後側のフックアイ31は、中央分割片6の下端の後端位置より下方へ露出している。
【0031】
ラインアイ41は、両端に孔部を有する略眼鏡状のラインアイ本体4の前端の一側孔部に構成されている。このラインアイ本体4の他側は、前端分割片5の先端(前端)の上下方向略中央位置(魚の鼻が位置する部位)付近に埋設された状態で固定されている。そして、ラインアイ41は、前端分割片5の先端(前端)の上下方向略中央位置より前方へ露出している。
【0032】
図8図1の釣用ルアー1の使用状態を示す正面図を示している。この図8に示すように、前後の両フックアイ31,31には、それぞれスプリットリング32を介してフック33(詳述するとトリプルフック)が取り付けられている。
【0033】
各分割片5~7のうち、互いに前後で相隣なる前端分割片5及び中央分割片6同士は、ステンレスなどの金属により形成された金属製ジョイント8を介して左右方向へ揺動可能に連結されている。また、互いに前後で相隣なる前端分割片5及び中央分割片6の隣接側端部51,61は、互いに凹凸状に形成されている。つまり、前端分割片5の隣接側端部51(後端部)は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凹設されている一方、中央分割片6の隣接側端部61(前端部)は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凸設され、前端分割片5及び中央分割片6の左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにしている。
【0034】
金属製ジョイント8は、前端分割片5後端部の隣接側端部51の底部(前端部)に前部が埋設された状態で後方へ露呈する上下一対の環状部81,81と、中央分割片6前端部の隣接側端部61の先端部(前端部)に後部が埋設された状態でそれぞれ前方へ突出し、環状部81,81に対し回動自在に係合する上下の環状係合部83,83とを備えている。この場合、金属製ジョイント8は、各環状部81と各環状係合部83との互いの点接触による連結構造によって左右方向へ揺動するようになっている。
【0035】
一方、互いに前後で相隣なる中央分割片6及び後端分割片7同士は、左右方向への可撓性を有する弾性体により構成された弾性ジョイント9を介して連結されている。また、互いに前後で相隣なる中央分割片6及び後端分割片7の隣接側端部62,71は、互いに凹凸状に形成されている。つまり、中央分割片6の隣接側端部62(後端部)は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凹設されている一方、後端分割片7の隣接側端部71(前端部)は、上方から見た平面視で前方へ向かって略<字状に凸設され、中央分割片6及び後端分割片7の左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにしている。
【0036】
弾性ジョイント9の材質としては、弾性を有し切断され難いものであれば特に限定されないが、シリコン樹脂材料又はゴム材料が使用可能である。具体的には、シリコン樹脂材料としては、メチルシリコーンゴムなどが挙げられる。また、ゴム材料としては、例えばニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム(FPM)等の合成ゴムや、ポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンゴム(EPDM)を混合した熱可塑性エラスマー等のゴム状弾性材が挙げられる。なお、ゴム状弾性材として複数種の合成ゴムや天然ゴムをブレンドしたものを使用してもよい。
【0037】
この弾性ジョイント9は、上方から見た平面視で略I字状を呈する前後方向へ長い板状に形成されている。そして、弾性ジョイント9は、その前後両端においてそれぞれ左右方向へ増幅された前後の挿通片91,92と、この前後の挿通片91,92間を連結する連結片93とを有している。前後の挿通片91,92は、弾性ジョイント9の前後両端を上下方向へ延び、連結片93の左右方向の厚さの略3倍の厚さに設定されている。
【0038】
弾性ジョイント9の前側の挿通片91に対応する、中央分割片6後端部の隣接側端部62の上端(対応部位)には、下方向きに凹設された平面視で略T字状の前側凹部63(挿通穴)が設けられている。この前側凹部63には、弾性ジョイント9の前側の挿通片91と連結片93の前側部分とが上方から嵌挿されている。一方、弾性ジョイント9の後側の挿通片92対応する、後端分割片7前端部の隣接側端部71の上端(対応部位)には、下方向きに凹設された平面視で略逆T字状の後側凹部72(挿通穴)が設けられている。この後側凹部72には、弾性ジョイント9の後側の挿通片92と連結片93の後側部分とが上方から嵌挿されている。
【0039】
そして、弾性ジョイント9は、前後の挿通片91,92が前側及び後側凹部63,72に嵌挿されると、中央分割片6の隣接側端部62及び後端分割片7の隣接側端部71間において連結片93の中央部分のみが露出し、当該連結片93の中央部分の弾性によって中央及び後端分割片6,7同士の左右方向への動き(湾曲)が抵抗を持たせた状態で行えるようにしている。このとき、前後の挿通片91,92を前側及び後側凹部63,72に上方から嵌挿する際に、後側の挿通片92を後端分割片7の後側凹部72に嵌挿した状態で、前側の挿通片91を中央分割片6の前側凹部63に嵌挿するようにしてもよい。この場合、弾性ジョイント9の前後の挿通片91,92は、前側及び後側凹部63,72への嵌挿によって、中央分割片6の隣接側端部62及び後端分割片7の隣接側端部71に対し脱着可能に取り付けられている。
【0040】
また、弾性ジョイント9は、前後の挿通片91,92を前側及び後側凹部63,72に挿通した状態で、後端分割片7の前端部(隣接側端部71の直後方)及び中央分割片6の後端部(隣接側端部71の直前方)に対し固定具としてのねじ部材94,94による右側方からの螺着によってそれぞれ止着されている。このとき、前側のねじ部材94は、弾性ジョイント9の連結片93の前端の上部位置を右側方から貫通することで前側の挿通片91を前側凹部63内に抜け落ち不能に止着している一方、後側のねじ部材94は、弾性ジョイント9の後側の挿通片92の上部位置を右側方から貫通することで後側の挿通片92を後側凹部72内に抜け落ち不能に止着している。
【0041】
図9はジョイント8,9の特性による各分割片5~7の左右方向への動きをルアー操作時におけるルアー本体2の低速域及び高速域に応じて説明する説明図を示し、(a)は2分割した分割片5,7同士を金属製ジョイント8により連結したルアー本体の揺動状態の説明図、(b)は3分割した各分割片5~7を前側の金属製ジョイント8及び後側の弾性ジョイント9によりそれぞれ連結したルアー本体2の揺動状態の説明図である。
【0042】
また、図10は、ジョイント8,9の特性による各分割片5~7の左右方向への揺動姿勢をルアー操作時におけるルアー本体2の速度に応じて説明する説明図を示し、(a)は2分割した分割片5,7同士を金属製ジョイント8により連結したルアー本体の低速域での揺動姿勢を示す平面図、(b)は3分割した各分割片5~7を前側の金属製ジョイント8及び後側の弾性ジョイント9によりそれぞれ連結したルアー本体2の低速域での揺動姿勢の平面図、(c)は3分割した各分割片5~7を前側の金属製ジョイント8及び後側の弾性ジョイント9によりそれぞれ連結したルアー本体2の高速域での揺動姿勢の平面図である。
【0043】
図9の(a)及び図10の(a)に示すように、ルアー本体17は、長手方向(前後方向)で2つに分割されている。この2つの分割片5,7は、ルアー本体17の尾鰭20を有する最後端分割片としての後端分割片7と、この後端分割片7の前側に相隣なる前端分割片5とからなる。互いに前後で相隣なる前端分割片5及び後端分割片7同士は、金属製ジョイント8を介して左右方向へ揺動可能に連結されている。
【0044】
ここで、本願の3つの分割片5~7を金属製ジョイント8及び弾性ジョイント9により連結した3分割のルアー本体2と、2つの分割片5,7を金属製ジョイント8により連結した2分割のルアー本体17とを対比する。
【0045】
先ず、ルアー本体17の2つの分割片5,7同士を連結する金属製ジョイント8は、各環状部81と各環状係合部83との互いの点接触による連結構造によって、図9の(a)に示すように、ライン40の巻取り時や船舶等による曳航時などのルアー操作時にルアー本体2がゆっくり低速で引かれる低速域では、左右方向へ交互に揺動し、各分割片5,7が中心線nに対し左右方向へS字形に動く。
【0046】
このとき、ルアー本体17は、図10の(a)に示すように、金属製ジョイント8の点接触によって、左右方向への金属ジョイント8の揺動が水中の負荷を受けて急激に逆方向へ切り変わるため、前端分割片5後端部の隣接側端部51と後端分割片7前端部の隣接側端部71とが当接するまで各分割片5,7が左右方向へ動く揺動姿勢を交互に急激に繰り返す。一方、ルアー操作時にルアー本体2が速く高速で引かれる高速域では、金属製ジョイント8の左右方向への揺動がほとんど制限され、各分割片5,7が直線的な動きとなる。
【0047】
これに対し、3つの分割片5~7を金属製ジョイント8及び弾性ジョイント9により連結した3分割のルアー本体2の中央分割片6と後端分割片7とを連結する弾性ジョイント9は、ルアー操作時にルアー本体2の低速域では、図10の(b)に示すように、弾性ジョイント9が金属製ジョイント8の左右方向への揺動と同じ方向へ追従するように揺動する。このとき、左右方向への金属ジョイント8の揺動が水中の負荷を受けて急激に逆方向へ切り変わるものの、弾性ジョイント9が金属製ジョイント8の左右方向への揺動と同じ方向へ追従するように揺動するため、図9の(b)に示すように、各分割片5~7が柔らかいカーブを描きながら中心線nに対し左右方向へS字形に動く。
【0048】
一方、ルアー操作時にルアー本体2の高速域では、図10の(c)に示すように、弾性ジョイント9が金属製ジョイント8と逆方向へ揺動する。このため、図9の(b)に示すように、各分割片5~7が中心線nに沿った直線的な動きに変換されるものの、当該各分割片5~7が左右方向へ柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きとなる。
【0049】
したがって、本実施の形態では、ルアー本体2を3つに分割した分割片5~7同士のうち、ラインアイ41及びフックアイ31を有する前端分割片5とフックアイ31を有する中央分割片6とが、金属製ジョイント8により連結され、その連結構造により当該分割片5,6同士の互いの離脱を回避して安定した釣果を発揮しつつ左右方向への揺動を可能としている。このとき、ライン40の巻取り時や船舶等による曳航時などのルアー操作時にルアー本体2がゆっくりと低速で引かれると、金属製ジョイント8が左右方向へ揺動するものの、ルアー本体2が速く高速で引かれると、金属製ジョイント8の左右方向への揺動が制限され、各分割片5~7が直線的な動きとなる。
【0050】
その場合、ルアー本体2の後端分割片7とその前側の中央分割片6とを連結するジョイントとして弾性ジョイント9が適用されているので、ルアー操作時にルアー本体2が低速で引かれると、弾性ジョイント9が金属製ジョイント8の左右方向への揺動と同じ方向へ追従するように揺動し、各分割片5~7が左右方向へS字形に動く。一方、ルアー操作時にルアー本体2が高速で引かれると、弾性ジョイント9が金属製ジョイント8と逆方向へ揺動し、各分割片5~7が直線的な動きに変換されて左右方向へ柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きをする。これにより、ルアー操作時の速度変化に応じて、各分割片5~7の動きに変化を持たせて自然な魚の動きを醸し出すことができる。
【0051】
また、弾性ジョイント9の前後の挿通片91,92が、その対応部位となる、中央分割片6の隣接側端部62及び後端分割片7の隣接側端部71において、下方向きに凹設した前側凹部63及び後側凹部72に対し嵌挿されているので、弾性ジョイント9を両分割片6,7に対し簡単に取り付けることが可能となり、両分割片6,7に対する弾性ジョイント9装着時の取付作業性を図ることができる。
【0052】
しかも、弾性ジョイント9は、中央分割片6の前側凹部63及び後端分割片7の後側凹部72に対し前後の挿通片91,92を嵌挿した状態で、当該後端分割片7及び中央分割片6に対しねじ部材94,94によってそれぞれ止着されている。これにより、両分割片6,7の前側凹部63及び後側凹部72からの弾性ジョイント9の両挿通片91,92の不慮の抜け落ちを確実に防止し、後端分割片7の損失を回避することができる。
【0053】
なお、前記第1の実施の形態では、弾性ジョイント9の前後の挿通片91,92を、中央分割片6の隣接側端部62及び後端分割片7の隣接側端部71に対し脱着可能に取付けた状態で、当該後端分割片7及び中央分割片6に対しねじ部材94,94によってそれぞれ止着したが、ゴム製ジョイントの後端部が後端分割片の隣接側端部に対し着脱不能に固着されている一方、前側の挿通片のみが中央分割片の隣接側端部の前側凹部に対し脱着可能に取付けた状態で当該中央分割片に対しねじ部材によって止着されていてもよい。この場合には、弾性ジョイントの断裂などに伴う後端分割片の紛失時にねじ部材による止着を解除すれば、新たな後端分割片を弾性ジョイントと共に交換することが可能となり、後端分割片の交換作業を簡単かつ効率よく行うことができる。
【0054】
また、前記第1の実施の形態では、中央分割片6及び後端分割片7同士を左右方向に可撓性を有する弾性体よりなる弾性ジョイント9を介して連結したが、図11に示すように、弾性ジョイントとしては、互いに弾性の異なる弾性体により形成された3種類の弾性ジョイント95~97が適宜選択可能に用いられていてもよい。このとき、3種類の弾性ジョイント95~97としては、例えば複数種の合成ゴムや天然ゴムのブレンド比率を変更するなどして互いに弾性を異ならせた弾性体により形成することも可能である。
【0055】
この場合には、ライン40の巻取り時や船舶等による曳航時などに起因するルアー本体2の操作時の速度変化に加え、潮流や河川の流れの速さなどにも応じて、それぞれ弾性の異なる3種類の弾性ジョイント95~97の中から適宜選択することが可能となり、選択された最適の弾性ジョイントに付け替えることで、分割片6,7同士の動きに変化を持たせてより一層自然に近い魚の動きを醸し出すことができる。なお、図11の各弾性ジョイント95~97は、実施の形態で述べた弾性ジョイント9と形状が合致しており、構造も同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明は省略している。また、弾性ジョイントは、互いに弾性の異なる弾性体により形成された3種類に限定されるものではなく、互いに弾性の異なる弾性体により形成された2種類又は4種類以上の弾性ジョイントから適宜選択されるようにしてもよいのはいうまでもない。
【0056】
また、前記第1の実施の形態では、前後の挿通片91,92を連結片93の左右方向の厚さの略3倍の厚さに設定したが、前後の挿通片の厚さはこれに限定されるものではなく、連結片の弾性に応じて変更してもよい。
【0057】
次に、本発明の第2の実施の形態を図12図15に基づいて説明する。
【0058】
この実施の形態では、後端分割片と中央分割片との間に単数の介在分割片を介在させている。なお、介在分割片を除くその他の構成は前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0059】
図12は本発明の第2の実施の形態に係る釣用ルアーを左側方から見た正面図、図13図12の釣用ルアーを上方から見た平面図をそれぞれ示している。また、図14はジョイントの特性による各分割片の左右方向への動きをルアー操作時におけるルアー本体の低速域及び高速域に応じて説明する説明図を示し、(a)は3分割した各分割片を金属製ジョイントにより連結したルアー本体の揺動状態の説明図、(b)は4分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の2つの弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の揺動状態の説明図である。
【0060】
更に、図15はジョイントの特性による各分割片の左右方向への揺動姿勢をルアー操作時におけるルアー本体の速度に応じて説明する説明図を示し、(a)は3分割した各分割片を前側の金属製ジョイント8及び後側の弾性ジョイント9によりそれぞれ連結したルアー本体2の低速域での揺動姿勢の平面図、(b)は3分割した各分割片5~7を前側の金属製ジョイント8及び後側の弾性ジョイント9によりそれぞれ連結したルアー本体3の高速域での揺動姿勢の平面図、(c)は4分割した各分割片を前側の金属製ジョイント8及び後側の2つの弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の低速域での揺動姿勢の平面図、(d)は4分割した各分割片を前側の金属製ジョイント及び後側の2つの弾性ジョイントによりそれぞれ連結したルアー本体の高速域での揺動姿勢の平面図である。
【0061】
すなわち、本実施の形態では、図12及び図13に示すように、釣用ルアー12は、魚などに擬したボディーをハード系素材(ABS樹脂)等により構成するルアー本体22を備えている。このルアー本体22の後端分割片7と中央分割片6との間には、単数の介在分割片102が介在されている。この介在分割片102及び当該介在分割片102の前側で相隣なる中央分割片6同士は、弾性ジョイント9を介して連結されている。また、介在分割片102及び当該介在分割片102の後側で相隣なる後端分割片7同士も、弾性ジョイント9を介して連結されている。
【0062】
また、中央分割片6の隣接側端部62と相隣なる介在分割片102の隣接側端部103(前端部)は、前方へ向かって略<字状に凸設され、中央分割片6及び介在分割片102の左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにしている。一方、後端分割片7の隣接側端部71と相隣なる介在分割片102の隣接側端部104(後端部)は、前方へ向かって略<字状に凹設され、介在分割片102及び後端分割片7の左右方向への湾曲が互いの干渉を回避しつつ行えるようにしている。
【0063】
弾性ジョイント9の後側の挿通片93に対応する、介在分割片102前端部の隣接側端部103の上端(対応部位)には、下方向きに凹設された平面視で略逆T字状の後側凹部105(挿通穴)が設けられている。この後側凹部105には、中央分割片6後端部の前側凹部63に前側の挿通片91と連結片93の前側部分とが嵌挿された弾性ジョイント9の後側の挿通片92と連結片93の後側部分とが上方から嵌挿されている。
【0064】
一方、弾性ジョイント9の前側の挿通片91に対応する、介在分割片102後端部の隣接側端部104の上端(対応部位)には、下方向きに凹設された平面視で略T字状の前側凹部106(挿通穴)が設けられている。この前側凹部106には、後端分割片7前端部の後側凹部72に後側の挿通片92と連結片93の後側部分とが嵌挿された弾性ジョイント9の前側の挿通片91と連結片93の前側部分とが上方から嵌挿されている。
【0065】
また、各弾性ジョイント9は、前後の挿通片91,92を前側及び後側凹部63,72,105,106に嵌挿した状態で、ねじ部材94,94による右側方からの螺着によって前側及び後側凹部63,72,105,106内に抜け落ち不能に止着されている。
【0066】
ここで、3つの分割片5~7を金属製ジョイント8及び弾性ジョイント9により連結した3分割のルアー本体2と、4つの分割片5~7,102を金属製ジョイント8及び2つの弾性ジョイント9,9により連結した4分割のルアー本体22とを対比する。
【0067】
先ず、ルアー本体2の3つの分割片5~7のうちの中央分割片6と後端分割片7とを連結する弾性ジョイント9は、ルアー操作時にルアー本体の低速域では、図15の(a)に示すように、中央分割片6と前端分割片5とを連結する金属製ジョイント8の左右方向への揺動と同じ方向へ追従するように揺動し、金属ジョイント8の揺動が急激に逆方向へ切り変わっても、図14の(a)に示すように、各分割片5~7が柔らかいカーブを描きながら中心線nに対し左右方向へS字形に動く。
【0068】
一方、ルアー操作時にルアー本体2の高速域では、図15の(b)に示すように、弾性ジョイント9が金属製ジョイント8と逆方向へ揺動し、図14の(a)に示すように、各分割片5~7が中心線nに沿った直線的な動きに変換されるものの、当該各分割片5~7が左右方向へ柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きとなる。
【0069】
これに対し、ルアー本体22の4つの分割片5~7,102のうちの中央分割片6と介在分割片102とを連結する弾性ジョイント9、及び介在分割片102と後端分割片7とを連結する弾性ジョイント9は、ルアー操作時にルアー本体の低速域では、図15の(c)に示すように、2つの弾性ジョイント9,9が金属製ジョイント8の左右方向への揺動と同じ方向へ追従するように揺動する。このとき、左右方向への金属ジョイント8の揺動が水中の負荷を受けて急激に逆方向へ切り変わるものの、2つの弾性ジョイント9が金属製ジョイント8の左右方向への揺動と同じ方向へ追従するようにそれぞれ揺動するため、図14の(b)に示すように、各分割片5~7がさらに柔らかいカーブを描きながら中心線nに対し短い間隔で左右方向へS字形に動く。
【0070】
一方、ルアー操作時にルアー本体22の高速域では、図15の(d)に示すように、2つの弾性ジョイント9,9のうち、中央分割片6と介在分割片102とを連結する前側の弾性ジョイント9が、金属製ジョイント8と逆方向へ揺動し、介在分割片102と後端分割片7とを連結する後側の弾性ジョイント9が前側の弾性ジョイント9と逆方向(金属製ジョイント8とは同方向)へ揺動する。このため、図14の(b)に示すように、各分割片5~7,102が中心線nに沿った若干直線的な動きに変換されるものの、当該各分割片6~7,102が左右方向へより柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きとなる。
【0071】
したがって、本実施の形態では、ルアー本体22を4つに分割した各分割片5~7,102のうち、前端分割片5と中央分割片6とが、金属製ジョイント8により連結されている一方、中央分割片6と介在分割片102、及び介在分割片102と後端分割片7がそれぞれ弾性ジョイント9により連結されている。このため、ルアー操作時にルアー本体22がゆっくり引かれる低速域では、2つの弾性ジョイント9,9が金属製ジョイント8と同じ方向へ揺動し、各分割片5~7がさらに柔らかいカーブを描きながら中心線nに対し短い間隔で左右方向へS字形に動く。
【0072】
一方、ルアー操作時にルアー本体2が速く引かれる高速域では、金属製ジョイント8及び2つの弾性ジョイント9,9が前から順にそれぞれ逆方向へ揺動し、各分割片5~7,102が左右方向へより柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きをする。これにより、ルアー操作時の速度変化に応じて、各分割片5~7,102の動きに変化を持たせてより自然な魚の動きを醸し出すことができる。
【0073】
また、2つの弾性ジョイント9,9の前後の挿通片91,92が、前側及び後側凹部63,72,105,106に嵌挿した状態で、ねじ部材94,94によってそれぞれ止着されているので、弾性ジョイント9の劣化時や破損時に後端分割片7及び/又は介在分割片102を交換することなく弾性ジョイント9のみを交換することが可能となり、弾性ジョイント9交換時のコストの低廉化を図ることができる。
【0074】
なお、前記第2の実施の形態では、後端分割片7と中央分割片6との間に単数の介在分割片102を介在させたが、後端分割片と中央分割片との間に複数の介在分割片が介在されていてもよいのはいうまでもない。
【0075】
次に、本発明の第3の実施の形態を図16に基づいて説明する。
【0076】
この実施の形態では、前端分割片と中央分割片とのジョイントを変更している。なお、前端分割片と中央分割片とのジョイントは、前記第1の実施の形態で述べた金属製ジョイント及び弾性ジョイントを併用しているものの基本構成は同じであり、同一部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。図16は本発明の第3の実施の形態に係る釣用ルアーのジョイント並びにフックアイ及びラインアイの構造を示す縦断面図を示している。
【0077】
すなわち、本実施の形態では、図16に示すように、釣用ルアー13は、前端分割片5、中央分割片6及び後端分割片7に3分割されたルアー本体23を備えている。このルアー本体22の前端分割片5と中央分割片6とは、金属製ジョイント8及び弾性ジョイント110を介して連結されている。
【0078】
金属製ジョイント8は、前端分割片5後端部の隣接側端部51の底部上部位置に前部が埋設された状態で後方へ露呈する環状部81と、中央分割片6前端部の隣接側端部61の先端部上部位置に後部が埋設された状態で前方へ突出し、環状部81に対し回動自在に係合する環状係合部83とを備えている。この場合、金属製ジョイント8は、前端分割片5後端部と中央分割片6前端部との上部位置に設けられ、環状部81と環状係合部83との互いの点接触による連結構造によって左右方向へ揺動するようになっている。
【0079】
弾性ジョイント110は、上方から見た平面視で略I字状を呈する前後方向へ長い板状に形成されている。そして、弾性ジョイント110は、その前後両端においてそれぞれ左右方向へ増幅された挿通片111,112と、前後の挿通片111,112間を連結する連結片113とを有している。前後の挿通片111,112は、弾性ジョイント110の前後両端を上下方向へ延び、連結片113の左右方向の厚さの略3倍の厚さに設定されている。この場合、弾性ジョイント110は、前端分割片5後端部と中央分割片6前端部との下部位置に設けられ、金属製ジョイント8に対し非接触に離間する離間位置としての下部位置において脱着自在に装着されている。
【0080】
弾性ジョイント110の前側の挿通片111に対応する、前端分割片5後端部の隣接側端部51の下端(対応部位)には、上方向きに凹設された底面視で略T字状の前側凹部52(挿通穴)が設けられている。この前側凹部52には、弾性ジョイント110の前側の挿通片111と連結片113の前側部分とが下方から嵌挿されている。一方、弾性ジョイント110の後側の挿通片112対応する、中央分割片6前端部の隣接側端部61の下端(対応部位)には、上方向きに凹設された底面視で略逆T字状の後側凹部64(挿通穴)が設けられている。この後側凹部64には、弾性ジョイント110の後側の挿通片112と連結片113の後側部分とが下方から嵌挿されている。
【0081】
そして、弾性ジョイント110は、前後の挿通片111,112が前側及び後側凹部52,64に嵌挿されると、前端分割片5の隣接側端部51及び中央分割片6の隣接側端部61間において連結片113の中央部分のみが露出し、当該連結片113の中央部分の弾性によって前端及び中央分割片5,6同士の左右方向への動き(湾曲)が抵抗を持たせた状態で行えるようにしている。このとき、前後の挿通片111,112を前側及び後側凹部52,64に下方から嵌挿する際に、後側の挿通片112を中央分割片6の後側凹部64に嵌挿した状態で、前側の挿通片111を前端分割片5の前側凹部52に嵌挿するようにしてもよい。この場合、弾性ジョイント110の前後の挿通片111,112は、前側及び後側凹部52,64への嵌挿によって、前端分割片5の隣接側端部51及び中央分割片6の隣接側端部61に対し脱着可能に取り付けられている。
【0082】
また、弾性ジョイント110は、前後の挿通片111,112を前側及び後側凹部52,64に嵌挿した状態で、前端分割片5の後端部(隣接側端部51の直前方)及び中央分割片6の前端部(隣接側端部61の直後方)に対し固定具としてのねじ部材(図示せず)による一側方からの螺着によってそれぞれ止着されている。
【0083】
このとき、弾性ジョイント110は、ルアー操作時にルアー本体23が低速で引かれる低速域では、金属製ジョイント8の左右方向への揺動が急激に逆方向へ切り変わる際に抵抗を加えて緩やかに行えるようにし、各分割片5~7が柔らかいカーブを描きながら中心線nに対し左右方向へS字形に動く。一方、ルアー操作時にルアー本体23が高速で引かれる高速域では、金属製ジョイント8は、各分割片5~7が中心線nに沿った直線的な動きに変換される弾性ジョイント110の左右方向への揺動に伴って若干左右方向へ揺動し、各分割片5~7が左右方向へ柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きとなる。
【0084】
したがって、本実施の形態では、前端分割片5と中央分割片6とが金属製ジョイント8及び弾性ジョイント110を上下で併用して連結されているので、金属製ジョイント8による互いの連結構造により離脱を回避しつつ弾性ジョイント110によるルアー操作時の速度に応じた動きを可能にしている。このため、ルアー操作時にルアー本体23が低速で引かれる低速域では、各分割片5~7が柔らかいカーブを描きながら中心線nに対し左右方向へS字形に動く一方、ルアー操作時にルアー本体23が高速で引かれる高速域では、各分割片5~7が中心線nに沿って若干左右方向へ揺動する直線的な動きに変換され、各分割片5~7が左右方向へ柔らかくゆらゆらと非常になまめかしい動きとなる。これにより、ルアー操作時の速度変化に応じて、各分割片5~7,102の動きに変化を持たせてより自然な魚の動きを醸し出すことができる。
【0085】
しかも、前端分割片5と中央分割片6とが互いの上部位置で金属製ジョイント8により連結されていることにより、ルアー操作時に中央分割片6のフックアイ31にヒットしても前端分割片5に対する離脱が回避され、安心して釣果を得ることができる。
【0086】
なお、前記第3の実施の形態では、3つの分割片5~7に3分割されたルアー本体23に適用した場合について述べたが、図17に示すように、ルアー本体22が前端分割片5、中央分割片6、介在分割片102及び後端分割片7に4分割された釣用ルアー12に適用してもよいのはいうまでもない。
【0087】
また、前記第3の実施の形態では、弾性ジョイント110を、前端分割片5後端部と中央分割片6前端部との下部位置に設け、上部位置の金属製ジョイント8に対し非接触に離間する下部位置に脱着自在に装着したが、図18に示すように、ルアー本体24が3分割された各分割片5~7を備えた釣用ルアー14において、左右方向へ延びる棒状の弾性体からなる弾性ジョイント120の左右両端を前端分割片5後端部の隣接側端部51の後端部間に連結し、この弾性ジョイント120の中途部を中央分割片6前端部の隣接側端部61の前端側において左右方向に貫通する貫通孔66内に挿通させるようにすることで、金属製ジョイント8に対し非接触に後方へ離間する離間位置に弾性ジョイント120が脱着自在に装着されていてもよい。この場合、各環状部81と各環状係合部83との互いの点接触による金属製ジョイント8の連結構造によって左右方向への揺動が急激に切り変わる際に、貫通孔66内に中途部を嵌挿した弾性ジョイント120の撓みによって前端分割片5に対する中央分割片6の左右方向への揺動に抵抗を加えて緩やかに行えるようにしている。
【0088】
更に、図19に示すように、ルアー本体25が3分割された各分割片5~7を備えた釣用ルアー15において、弾性体よりなる略U字クリップ状の弾性ジョイント130が、金属製ジョイント8に対し直に接触する直接触位置つまり中央分割片6前端部の隣接側端部61の先端部より前方へ突出する各環状係合部83の根元位置に脱着自在に装着されていてもよい。この場合、各環状部81と各環状係合部83との互いの点接触による連結構造によって左右方向へ揺動する際に、各環状係合部83の根元位置に装着した弾性ジョイント130が各環状部81に接触し、その接触時の弾性ジョイント130の撓みによって前端分割片5と中央分割片6との間の左右方向への揺動に抵抗を加えて緩やかに行えるようにしている。
【0089】
また、図20及び図21に示すように、ルアー本体25が3分割された各分割片5~7を備えた釣用ルアー15において、弾性体よりなる略円環状の上下の弾性ジョイント140(図では1つのみ示す)が、金属製ジョイント8に対し直に接触する直接触位置つまり各環状部81及び各環状係合部83をそれぞれ個々に外方から包み込むように装着されていてもよい。この場合、各環状部81と各環状係合部83との互いの点接触による連結構造によって左右方向へ揺動する際に、各環状部81及び各環状係合部83に装着した弾性ジョイント140が当該各環状部81及び各環状係合部83に接触し、その接触時の弾性ジョイント140の撓みによって前端分割片5と中央分割片6との間の左右方向への揺動に抵抗を加えて緩やかに行えるようにしている。
【0090】
なお、前記各実施の形態では、ルアー本体2,22~25をABS樹脂などのハード系素材により成形したが、その他の合成樹脂や木材又は合成木材などのほか、金属や非鉄金属により成形されたルアー本体であってもよい。
【0091】
また、前記各実施の形態では、魚などに擬したボディーを有するルアー本体2,22~25を用いたが、魚などに擬したボディーを有するルアー本体でなくてもよく、ルアー本体の下端に設けられたフックアイと、ルアー本体の前端に設けられたラインアイとを備えた釣用ルアーであればよい。
【0092】
また、前記各実施の形態では、ルアー本体2,22~25を長手方向で3つまたは4つに分割したが、5つ以上に分割されていてもよいのはいうまでもない。
【0093】
更に、前記各実施の形態では、各分割片5~7,102を金属製ジョイント8及び/又は弾性ジョイント9,110,120,130,140により連結したが、左右方向への可撓性を有しかつ破断し難い強度を有する材質、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やゴムメタルなどの材質によって形成された弾性体によって各分割片が連結されていてもよい。この場合には、弾性ジョイントによる分割片同士の動きに変化を持たせた自然な魚の動きを醸し出すことができることに加え、金属製ジョイントのような破断し難い強度を併せ持つことが可能となる。
【0094】
また、前記各実施の形態では、固定具としてねじ部材94を用いたが、弾性ジョイントの前後の挿通片を前側及び後側凹部に挿通した状態で差し込んで止着するピン部材などが固定具として用いられていてもよい。更に、弾性ジョイントの前後の挿通片を前側及び後側凹部に挿通する際にボンドなどの接着材が固定具として用いられていてもよい。加えて、固定具は、必須の構成要件ではなく、補助的に用いられるものであることから、弾性ジョイントの前後の挿通片を前側及び後側凹部に挿通するだけであってもよい。
【0095】
また、前記各実施の形態では、弾性ジョイント9,110を、上方から見た平面視で略I字状を呈する前後方向へ長い板状に形成したが、各分割片の素材、形状、又は大きさによっては前後方向への長さが短く形成されていたり、平面視で略I字状以外の形状に形成されることもあり、弾性ジョイントの形状は各分割片の素材、形状、又は大きさに応じて適宜変更されるものである。
【0096】
また、前記各実施の形態では、前端分割片5の隣接側端部51、中央分割片6の隣接側端部62、及び介在分割片102の隣接側端部104を、平面視で略<字状に凹設する一方、中央分割片6の隣接側端部61、後端分割片7の隣接側端部71、介在分割片102の隣接側端部103を、平面視で略<字状に凸設したが、互いに前後で相隣なる分割片同士の隣接側端部の形状はこれに限定されるものではなく、当該分割片同士の隣接側端部が左右方向へ湾曲した際に互いの干渉を回避し得る形状であればなんでもよい。
【符号の説明】
【0097】
1,12~15 釣用ルアー
2,22~25 ルアー本体
31 フックアイ
33 フック
40 ライン
41 ラインアイ
5 前端分割片
52 前側凹部(挿通穴)
6 中央分割片(直前方分割片)
62 中央分割片の隣接側端部
63 前側凹部(挿通穴)
64 後側凹部(挿通穴)
7 後端分割片(最後端分割片)
71 後端分割片の隣接側端部
72 後側凹部(挿通穴)
8 金属製ジョイント
9,110,120,130,140
弾性ジョイント
91,92 挿通片
93 連結片
94 ねじ部材(固定具)
95~97 弾性ジョイント
102 介在分割片
105 後側凹部(挿通穴)
106 前側凹部(挿通穴)
111,112 挿通片
113 連結片
図1
図2
図3
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図5
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