(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】電動草刈機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/90 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
A01D34/90 P
(21)【出願番号】P 2021002628
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】392036452
【氏名又は名称】株式会社工進
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】大西 崇之
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-096805(JP,A)
【文献】特開2014-117267(JP,A)
【文献】特開2013-192510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00-34/01
A01D 34/412-34/90
A01D 42/00-42/08
A01D 43/06-43/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正転方向に回転することで草刈り機能を果たす回転刃と、
前記回転刃を正転方向および逆転方向に駆動するモータと、
前記モータに電力を供給する電源部と、
前記モータの駆動および停止を操作する主操作部と、
前記回転刃の回転方向を切り替える切替操作部と、
前記回転刃の回転状態の制御基準値を設定する設定操作部と、
前記主操作部、前記切替操作部および前記設定操作部の操作状態に基づいて、前記電源部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記切替操作部が正転状態に操作され、且つ前記主操作部が駆動状態に操作された場合、前記設定操作部によって設定された前記制御基準値に基づく第1制御目標値を制御目標として、前記電源部を制御し、
前記切替操作部が逆転状態に操作され、且つ前記主操作部が駆動状態に操作された場合、前記設定操作部によって設定された前記制御基準値に基づき且つ前記第1制御目標値よりも前記回転刃の回転状態量を低減させる第2制御目標値を制御目標として、前記電源部を制御
し、
前記第2制御目標値は、前記第1制御目標値に1未満の係数を乗じた値であり、
前記係数が、制御基準値が大きくなるほど小となる、電動草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
地面に生えた雑草等を刈り取る装置として、電動草刈機が広く用いられている。特許文献1には、従来の電動草刈機の一例が開示されている。同文献に開示された電動草刈機は、回転刃を正転方向に回転させる際には、調整部により調整された制御目標値に基づいてモータへの通電が制御される。一方、回転刃を逆転方向に回転させる際には、調整部により設定されている制御目標値にかかわらず予め設定された一定の逆転時制御目標値に基づいてモータへの通電が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動草刈機の使用時において逆転方向に回転刃を回転させる主な目的の一つに、回転刃等に雑草が絡む、いわゆる草絡みの解消がある。草絡みの状態は、その場に生えている雑草等の種類や、回転刃に絡んだ雑草の量等によって、様々に異なる。回転刃を逆転方向に回転させる際の逆転時制御目標値が一定であると、回転数が不足して草絡みが十分に解消できなかったり、回転数が過大であるために意図しない飛散物が発生したりする等が懸念される。また、回転刃がねじによって固定されている場合、過大な回転数によって回転刃の固定が弱まるおそれがある。さらに、草絡みを解消することに対して不必要なほどの高回転で回転刃を逆転させると、無駄なエネルギーが消費されるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、逆転駆動時により容易且つ適切に草絡みを解消することが可能な電動草刈機を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される電動草刈機は、正転方向に回転することで草刈り機能を果たす回転刃と、前記回転刃を正転方向および逆転方向に駆動するモータと、前記モータに電力を供給する電源部と、前記モータの駆動および停止を操作する主操作部と、前記回転刃の回転方向を切り替える切替操作部と、前記回転刃の回転状態の制御基準値を設定する設定操作部と、前記主操作部、前記切替操作部および前記設定操作部の操作状態に基づいて、前記電源部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記切替操作部が正転状態に操作され、且つ前記主操作部が駆動状態に操作された場合、前記設定操作部によって設定された前記制御基準値に基づく第1制御目標値を制御目標として、前記電源部を制御し、前記切替操作部が逆転状態に操作され、且つ前記主操作部が駆動状態に操作された場合、前記設定操作部によって設定された前記制御基準値に基づき且つ前記第1制御目標値よりも前記回転刃の回転状態量を低減させる第2制御目標値を制御目標として、前記電源部を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、逆転駆動時により容易且つ適切に草絡みを解消することができる。
【0008】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る電動草刈機の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る電動草刈機の一例を示すシステム構成図である。
【
図3】本発明に係る電動草刈機の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明に係る電動草刈機の制御目標値の一設定例を示すグラフである。
【
図5】本発明に係る電動草刈機の制御目標値の他の設定例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本開示における「第1」、「第2」等の用語は、単に相互の用語の識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0012】
図1および
図2は、本発明に係る電動草刈機の一例を示している。本実施形態の電動草刈機A1は、回転刃1、モータユニット20、電源部3、制御部4、主電源操作部50、主操作部51、切替操作部52、設定操作部53、通電ランプ60、正逆回転ランプ62、速度表示ランプ63、本体ケース71、シャフト72、第1ハンドル73および第2ハンドル74を備える。
【0013】
回転刃1は、正転方向Fに回転することにより、草刈り機能を果たす刃である。回転刃1は、全体として円板状であり、外周部分に複数の刃部が配列されている。
【0014】
モータユニット20は、モータ2が内蔵されたユニットであり、図示しない駆動軸を介して回転刃1に連結されている。モータ2は、回転刃1を回転駆動する駆動源であり、たとえば三相交流電力によって駆動されるブラシレスモータである。
【0015】
本体ケース71は、電源部3等を内蔵する部材であり、たとえば樹脂成形品である。
【0016】
シャフト72は、長尺の支持構造部材であり、たとえば金属や樹脂等からなる。シャフト72の一端には、モータユニット20が固定されており、他端には本体ケース71が固定されている。
【0017】
第1ハンドル73および第2ハンドル74は、電動草刈機A1の使用者が把持する部位である。第1ハンドル73および第2ハンドル74は、シャフト72から互いに反対側に突出している。本実施形態においては、第1ハンドル73は、使用者の右手によって把持されることが意図されており、第2ハンドル74は、使用者の左手によって把持されることが意図されている。本実施形態においては、第1ハンドル73には、主操作部51、主電源操作部50、切替操作部52、設定操作部53、通電ランプ60、正逆回転ランプ62および速度表示ランプ63が取り付けられている。また、本実施形態においては、本体ケース71には、後述のバッテリ31が取り付けられている。
【0018】
電源部3は、モータ2を駆動するための電力を供給するためのものである。電源部3の具体的構成は何ら限定されず、本実施形態においては、
図2に示すように、バッテリ31、ゲートドライバ32および複数のスイッチング素子33を有する。
【0019】
バッテリ31は、電源部3が供給する電力が蓄電されたものである。バッテリ31の具体的構成は何ら限定されず、本実施形態においては、本体ケース71に対して脱着自在とされたリチウムイオンバッテリである。バッテリ31の出力電圧は、たとえば13~21または26~42V等である。
【0020】
ゲートドライバ32は、複数のスイッチング素子33のスイッチングを行うドライバであり、複数のスイッチング素子33のゲート端子に接続されている。複数のスイッチング素子33は、MOSFET等の半導体素子であり、ブリッジ回路を構成している。
【0021】
電源部3は、ゲートドライバ32のゲート制御によって、バッテリ31の直流電力を複数のスイッチング素子33からなるブリッジ回路によって三相交流電力に変換し、モータ2に出力する。電源部3の出力電圧は、例えば18~30V(実効値)である。
【0022】
制御部4は、主操作部51、切替操作部52および設定操作部53の操作状態に基づいて、電源部3を制御するものである。本実施形態においては、制御部4は、電源部3のゲートドライバ32に対して制御指令を送信することにより、後述の制御目標値を目標としたモータ2の駆動制御を行う。制御部4には、主電源操作部50、主操作部51、切替操作部52および設定操作部53と、通電ランプ60、正逆回転ランプ62および速度表示ランプ63とが接続されている。
【0023】
主電源操作部50は、電動草刈機A1が動作可能である電源ONと動作不可である電源OFFとを切り替える操作部である。
【0024】
主操作部51は、主電源操作部50が電源ONである場合に、モータ2の駆動および停止を切り替える操作部である。本実施形態においては、主操作部51は、第1ハンドル73に取り付けられており、使用者の右手によって握られることにより操作される。
【0025】
切替操作部52は、回転刃1の回転方向を正転方向Fと逆転方向Rとに切り替える操作部である。切替操作部52は、たとえば第1ハンドル73に取り付けられており、押しボタンやロータリースイッチ等である。
【0026】
設定操作部53は、回転刃1の回転状態の制御基準値を設定する操作部である。設定操作部53は、たとえば第1ハンドル73に取り付けられており、押しボタンやロータリースイッチ等である。設定操作部53は、制御基準値を所望の状態に設定する操作を可能に構成されており、複数のポジションを選択可能な構成や、設定値を連続的に可変可能な構成が適宜選択される。
【0027】
通電ランプ60は、主電源操作部50が電源ONを選択した状態である場合に、点灯するものであり、たとえばLEDや電球等の光源が内蔵されている。通電ランプ60は、たとえば、第1ハンドル73に取り付けられている。
【0028】
正逆回転ランプ62は、切替操作部52による回転刃1の回転方向の選択に対応して点灯状態が異なるものであり、たとえばLEDや電球等の光源が内蔵されている。正逆回転ランプ62は、たとえば、第1ハンドル73に取り付けられている。
【0029】
速度表示ランプ63は、回転刃1の回転状態量である回転数に対応して点灯するものであり、たとえばLEDや電球等の光源が内蔵されている。速度表示ランプ63は、たとえば、第1ハンドル73に取り付けられている。
【0030】
次に、電動草刈機A1の動作例について、以下に説明する。
【0031】
使用者によって主電源操作部50が電源ONに選択されると、電源部3および制御部4等に通電され、動作可能な状態となる。
図3に示すように、制御部4は、ステップS1において、切替操作部52の状態を取得する。切替操作部52によって正転方向Fが選択されている場合(ステップS1:Yes)、制御部4は、第1制御目標値を設定する(ステップS2)。第1制御目標値は、設定操作部53によって設定された制御基準値に基づいて設定されるものであり、回転刃1を正転方向Fに回転させる際の回転状態量を定量的または定性的に制御するための基準値である。
【0032】
ここで、第1制御目標値が制御基準値に基づいて設定されるとは、第1制御目標値と制御基準値とが相関を持つことを意味し、第1制御目標値の大小(高低)が制御基準値の大小(高低)に対応していることを言う。
【0033】
また、回転刃1の回転状態量とは、回転刃1の回転の度合いを表す状態量であり、モータ2による制御対象となるものである。回転状態量は、主には回転数であるが、何ら限定されず、たとえば回転トルクの大小であってもよいし、回転刃1の回転が継続される時間の長短であってもよい。また、制御部4が電源部3によるモータ2への電力供給をデューティ制御する場合、回転状態量としてデューティ比を採用してもよい。以降においては、回転状態量として回転数Nを採用した場合について説明する。
【0034】
図4は、設定操作部53の制御基準値と回転状態量の一例である回転数Nの関係を示している。本例においては、設定操作部53は、設定基準値として「強」「中」「弱」の3つの状態が選択可能な構成とされている。制御基準値が「強」である場合、第1制御目標値は、最も高い回転数N1sに設定され、制御基準値が「弱」である場合、第1制御目標値は、最も低い回転数N1wに設定される。また、制御基準値が「中」である場合、第1制御目標値は、回転数N1sと回転数N1wとの間の回転数N1mに設定される。なお、設定操作部53による選択肢は、「強」「中」「弱」の3つに限定されず、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。さらに、設定操作部53によって設定される制御基準値は、後述の例のように無段階の値から選択される構成であってもよい。
【0035】
次いで、主操作部51によって駆動を選択する操作がなされた場合(ステップS4:Yes)、制御部4は、第1制御目標値を制御目標として回転刃1を正転方向Fに回転駆動するように、電源部3によるモータ2への電力供給を制御する。この制御は、たとえば、モータ2への通電状態を検出したり、回転刃1の回転数Nを検出したりすることにより、これらの情報を用いたフィードバック制御を行ってもよい。
【0036】
このように、切替操作部52によって正転方向Fが選択されている場合、設定操作部53によって設定された制御基準値である「強」「中」「弱」に対応して、回転刃1は、回転数N1s,N1m,N1wのいずれかに設定されて回転駆動される。
【0037】
一方、切替操作部52によって逆転方向Rが選択されている場合(ステップS1:No)、制御部4は、第2制御目標値を設定する(ステップS3)。第2制御目標値は、設定操作部53によって設定された制御基準値に基づいて設定されるものであり、回転刃1を逆転方向Rに回転させる際の回転状態量を定量的または定性的に制御するための基準値である。また、第2制御目標値は、上述の第1制御目標値よりも回転刃1の回転状態量を低減させる値に設定される。
【0038】
たとえば、
図4に示す例においては、設定操作部53によって設定された制御基準値である「強」「中」「弱」に対応して、第2制御目標値が回転数N2s,N2m,N2wにそれぞれ設定される。回転数N2sが最も高く、回転数N2wが最も低く、回転数N2mは、回転数N2sと回転数N2wの間の値である。また、回転数N2sは、回転数N1sよりも低く、回転数N2mは、回転数N1mよりも低く、回転数N2wは、回転数N1wよりも低い。このような第1制御目標値と第2制御目標値との具体的な関係は何ら限定されず、たとえば、設定操作部53によって設定された制御基準値が同一である場合に、第2制御基準値は、第1制御基準値に1未満の一定の係数(たとえば20%程度)を乗じた値としてもよい。
【0039】
次に、ステップS3に続いて、主操作部51によって駆動を選択する操作がなされた場合(ステップS4:Yes)、制御部4は、第2制御目標値を制御目標として回転刃1を逆転方向Rに回転駆動するように、電源部3によるモータ2への電力供給を制御する。この制御は、たとえば、モータ2への通電状態を検出したり、回転刃1の回転数Nを検出したりすることにより、これらの情報を用いたフィードバック制御を行ってもよい。
【0040】
図5は、制御基準値と第1制御目標値および第2制御目標値との関係の他の例を示している。本例においては、設定操作部53によって制御基準値が0%~100%の間の無段階の連続的な値に設定される。ステップS2においては、この制御基準値に基づいて、第1制御目標値が連続した値に設定される。本例においては、第1制御目標値は、制御基準値と正比例関係を有する値に設定されている。一方、ステップS3においては、制御基準値に基づいて、第2制御目標値が連続した値に設定される。第2制御基準値は、制御基準値と相関を有するものの、正比例の関係とはなっていない。すなわち、第2制御基準値は、第1制御目標値に乗じる上述の係数が、制御基準値が大きくなるほど小となる関係とされている。なお、本例とは異なり、第2制御目標値は、第1制御目標値に一定の係数を乗じた値であってもよい。
【0041】
次に、電動草刈機A1の作用について説明する。
【0042】
本実施形態によれば、まず、回転刃1が正転方向Fに回転駆動される場合、設定操作部53の制御基準値に基づいて第1制御目標値が設定され、回転刃1の回転状態量(回転数N)が使用者の意図に沿って設定される。これにより、刈り取ろうとする雑草等の状態に合わせて適切に草刈りを行うことができる。
【0043】
次に、回転刃1が逆転方向Rに回転駆動される場合、回転刃1は、第2制御目標値を制御目標として回転駆動される。第2制御目標値は、制御基準値に基づいた値であって、第1制御目標値よりも回転刃1の回転数Nを低くする(回転状態量を低減させる)値に設定される。回転刃1を正転方向Fに回転させる際、すなわち草刈りをする際に、設定操作部53が「強」に設定される場合は、雑草等が屈強であったり密集していたりするために、回転刃1の回転状態量を増大させる状態であると想定される。このような状態において草絡みが生じると、雑草が回転刃1に強く多量に絡んでいると推定される。設定操作部53が「強」に設定された状態で、切替操作部52によって逆転方向Rを選択して回転刃1を逆転方向Rに回転させると、回転刃1は、比較的高い回転数である回転数N2sで回転させられる。これにより、強い度合いの草絡みをスムーズに解消することができる。
【0044】
その一方で、正転方向Fの回転数N1sは、屈強で密集した雑草を刈り取ることが可能な程度の回転数である。このような回転数を逆転方向Rに回転する回転刃1に適用してしまうと、草絡みを解消するには過度に高回転であることが考えられ、電力を浪費してしまう。しかしながら、回転数N2sは、正転方向Fに回転する場合の回転数N1sよりも低い値である。このため、草絡みの解消には過剰である回転数で回転刃1を逆転方向Rに回転させてしまうことを回避し、電力消費を抑制することができる。したがって、電動草刈機A1によれば、逆転駆動時により容易且つ適切に草絡みを解消することができる。
【0045】
また、回転刃1がねじ等の螺合を利用してモータユニット20に取り付けられている場合、ねじの締結方向は、回転刃1が正転方向Fに回転駆動されている場合にねじに負荷されると想定される回転力を考慮して決定される。このため、回転刃1が逆転方向Rに回転されている際に過度な回転力がねじに負荷されると、ねじによる締結力が低下し、回転刃1の取り付けが不安定となるおそれがある。本実施形態によれば、回転刃1を逆転方向Rに回転させる際の第2制御目標値は、正転方向Fに回転させる際の第1制御目標値よりも確実に小さい値に設定可能である。これにより、回転刃1の取り付けが不安定となるような事態を回避することができる。
【0046】
本発明に係る電動草刈機は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る電動草刈機の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0047】
A1 :電動草刈機
1 :回転刃
2 :モータ
3 :電源部
4 :制御部
20 :モータユニット
31 :バッテリ
32 :ゲートドライバ
33 :スイッチング素子
50 :主電源操作部
51 :主操作部
52 :切替操作部
53 :設定操作部
60 :通電ランプ
62 :正逆回転ランプ
63 :速度表示ランプ
71 :本体ケース
72 :シャフト
73 :第1ハンドル
74 :第2ハンドル
F :正転方向
R :逆転方向
N,N1m,N1s,N1w,N2m,N2s,N2w:回転数