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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】成形シートの抜刃型
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/44 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B26F1/44 E
B26F1/44 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021020143
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122719
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】306048144
【氏名又は名称】有限会社山崎抜型
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 隆之
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-330388(JP,A)
【文献】米国特許第05210952(US,A)
【文献】特開2003-191198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に抜刃を突設した抜型ユニットと、
複数の前記抜型ユニットが一側の面に取り付けられる基板と、
前記基台に着脱可能に設けられ、前記抜型ユニットの前記基台を前記基板に沿って移動自在に取り付ける取付部材と、
前記基板に設けた複数の前記抜型ユニットと対向して設けられる押圧部材とを備え、
前記複数の抜型ユニットと前記押圧部材との間に成形シートを配置し、前記複数の抜型ユニットの前記抜刃が前記成形シートから複数の成形体を打ち抜く成形シートの抜刃型において、
前記基板に前後左右に間隔を置いて複数の孔を設け、
前記取付部材は雄螺子により前記基板に取り付けられ、
前記複数の孔に、前記雄螺子を螺合する雌螺子部を設け
前記基板の他側の面側に設けるムラ取り板を備え、このムラ取り板に前記抜刃に対応したマークを設けたことを特徴とする成形シートの抜刃型。
【請求項2】
前記基板に、前記孔の位置を示す基板側表示部を設け、前記抜型ユニットに、前記取付部材を螺合する前記孔を示すユニット側表示部を設けたことを特徴とする請求項1記載の成形シートの抜刃型。
【請求項3】
前記複数の孔が前記基板に貫通形成されており、それら複数の孔に吸引手段を接続し、前記基台に前記孔より径大で該孔に連通する基台側連通孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の成形シートの抜刃型。
【請求項4】
前記基台に、前記一側が他側より大きな段付き孔を設け、前記取付部材の本体は、前記段付き孔の段差面に係止可能で前記段付き孔の前記一側に遊挿する抜け止め部と、前記段付き孔の前記他側に遊挿する遊挿部とを備え、前記雌螺子部に螺合して前記本体を前記基板に取り付ける前記雄螺子を有することを特徴とする請求項1又は2記載の成形シートの抜刃型。
【請求項5】
記ムラ取り板に、前記基台側連通孔に連通するムラ取り板側連通孔を設け、このムラ取り板側連通孔に前記吸引手段を接続したことを特徴とする請求項3記載の成形シートの抜刃型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品トレーや商品収納用パッケージ等を真空成形又は空圧成形によって成形した樹脂の成形品やパルプモールドの成形品などの抜刃型に関し、詳しくは成形シートに形成した複数の成形体を、基板上に装着した抜型ユニットによって打ち抜く成形シートの抜刃型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品トレーや商品収納用パッケージ等の樹脂成形品は、樹脂原反シート上に真空成形又は空圧成形によって成形された樹脂成形体を別工程で打抜装置によって所望の寸法形状に打ち抜いて形成される。
【0003】
前記パッケージ成形体を打抜装置によって所望寸法に打ち抜く場合、原反シートに成形された各成形体の配列位置寸法と抜刃型の据付位置関係を正確に一致させてから打ち抜く必要がある。
【0004】
このため抜刃を埋め込んだ打ち抜きユニットのボルト取り付け穴を、装着側の取り付け板上に突設したボルトの直径よりも大きく形成して前記打ち抜きユニットの装着位置を微調整可能にした成形シート打ち抜き型(例えば特許文献1)がある。
【0005】
また、樹脂成形体の打抜において、吸排気ノズルを吸引状態として、成形体を受け部材の載置面に吸引して安定させた状態で打ち抜きを行うようにした打抜装置(例えば特許文献2)がある。
【0006】
さらに、樹脂成形シートに形成の複数の成形体を、基板上に装着した抜型ユニットによって正確かつ1工程で打ち抜き可能に構成したものとして、図9に示すように、基板101上に枢軸を介して水平方向に遥動自在な抜型ユニット102と該抜型ユニット102上に付勢部材を介して垂直方向に遥動自在なガイド部材103とを設けると共に、前記基板101上には前記ガイド部材103の挿通穴104を有する押圧板105を配置し、前記抜型ユニット102を上方から押圧することにより成形シート106から樹脂成形体107を打ち抜く成形シートの抜刃型(例えば特許文献3)がある。
【0007】
また、この種の打ち抜き型において、ムラ無く全面で適正に打抜かれるように抜型の刃先の押圧力を均一化するため、抜型背面にムラ取り用粘着テープを貼付けること(例えば特許文献4)が知られている。
【0008】
ところで、パルプモールドのシートにプレスなどにより複数の製品(成形体)を成形した後、その成形シートから複数の製品を打抜くことも知られている(例えば特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平9-47999号公報
【文献】特公平1-29674号公報
【文献】特開2010-137330号公報
【文献】特開2005-2328号公報
【文献】特開平7-150500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献3の成形シート106の抜型ユニット102では、抜型ユニット102の設置位置と樹脂成形シート106に形成された各成形体107との位置関係を一致させるための段取り時の微調整を不要とし、前記樹脂成形シート106の成形体107部分を抜型ユニット102上のガイド部材103に単に被蓋するだけで抜型ユニット102の設置位置を即座に定めることができる。
【0011】
ところで、特許文献1の成形シート打ち抜き型において、異なる大きさのトレイを打ち抜くには、トレイの大きさに合わせた打ち抜きユニットを用意しても、そのまま取付板に取り付けることができないため、取付板もトレイの大きさに合わせた専用のものに交換する必要がある。また、特許文献3の成形シートの抜型ユニット102では、ガイド部材103や押圧板105を変更する必要があり、汎用性では劣る面がある。また、パルプモールドなど成形体の打ち抜きにおいても同様な問題が予想される。
【0012】
また、抜型の刃先の押圧力を均一化するために、ムラ取り用粘着テープなどによる調整作業が容易にできる装置の開発が望まれている。
【0013】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、汎用性に優れた成形シートの抜刃型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、基台に抜刃を突設した抜型ユニットと、複数の前記抜型ユニットが一側の面に取り付けられる基板と、前記基台に着脱可能に設けられ、前記抜型ユニットの前記基台を前記基板に沿って移動自在に取り付ける取付部材と、前記基板に設けた複数の前記抜型ユニットと対向して設けられる押圧部材とを備え、前記複数の抜型ユニットと前記押圧部材との間に成形シートを配置し、前記複数の抜型ユニットの前記抜刃が前記成形シートから複数の成形体を打ち抜く成形シートの抜刃型において、前記基板に前後左右に間隔を置いて複数の孔を設け、前記取付部材は雄螺子により前記基板に取り付けられ、前記複数の孔に、前記雄螺子を螺合する雌螺子部を設け、前記基板の他側の面側に設けるムラ取り板を備え、このムラ取り板に前記抜刃に対応したマークを設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、前記基板に、前記孔の位置を示す基板側表示部を設け、前記抜型ユニットに、前記取付部材を螺合する前記孔を示すユニット側表示部を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、前記複数の孔が前記基板に貫通形成されており、それら複数の孔に吸引手段を接続し、前記基台に前記孔より径大で該孔に連通する基台側連通孔を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、前記基台に、前記一側が他側より大きな段付き孔を設け、前記取付部材の本体は、前記段付き孔の段差面に係止可能で前記段付き孔の前記一側に遊挿する抜け止め部と、前記段付き孔の前記他側に遊挿する遊挿部とを備え、前記雌螺子部に螺合して前記本体を前記基板に取り付ける前記雄螺子を有することを特徴とする。
【0018】
請求項の発明は、前記ムラ取り板に、前記基台側連通孔に連通するムラ取り板側連通孔を設け、このムラ取り板側連通孔に前記吸引手段を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の構成によれば、基板に複数の抜型ユニットを前後左右移動自在に取り付けたから、成形シートの成形体に対して抜型ユニットの設置位置が正確に定められた状態で、抜刃により成形体を打ち抜くことができる。しかも、基板に前後左右に間隔を置いて複数の孔を設けたから、基板の任意の位置に複数の抜型ユニットを取り付けることができる。このため成形体の大きさが変わり、これに対応して使用する抜型ユニットの大きさが変わった場合でも、対応が容易となる。また、成形シートの抜きの不十分な部分に対応するマークの位置に、ムラ取り用粘着テープなどのムラ取り部材を設けることにより、抜刃の高さを調整することができる。また、使用する抜型ユニットの大きさが変わった場合でも、ムラ取り板を交換すれば済み、基板はそのまま兼用して使用することができ、汎用性に優れたものとなる。
【0020】
請求項2の構成によれば、基板に設けた孔の位置を示す基板側表示部と、取付部材を螺合する孔を示すユニット側表示部と、に基いて、取付部材を基板の孔に螺合することにより、基板の所定位置に抜型ユニットを取り付けることができる。
【0021】
請求項3の構成によれば、成形シートに形成された成形体を、基板の孔と基台側連通孔を通して吸引し、抜型ユニットに保持することができ、しかも、取付部材を螺合する孔を吸引に利用することができる。
【0022】
請求項4の構成によれば、抜け止め部により抜け止め状態で基台を基板に取り付けることができると共に、遊挿部及び抜け止め部と段付き孔との間の隙間により、抜型ユニットが前後左右方向移動自在となる。
【0023】
請求項の構成によれば、成形シートに形成された成形体を、基板の孔と基台側連通孔とムラ取り板側連通孔を通して吸引し、抜型ユニットに保持することができ、しかも、取付部材を螺合する孔を吸引に利用することができる。また、使用する抜型ユニットの大きさが変わった場合でも、ムラ取り板を交換すれば済み、基板はそのまま兼用して使用することができ、汎用性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
図2】同上、分解斜視図である。
図3】同上、一部を拡大した基板の平面図である。
図4】同上、抜型ユニットの平面図である。
図5】同上、基板に重ね合わせた抜型ユニットの平面図である。
図6】同上、ムラ取り板の平面図である。
図7】同上、要部の縦断面図である。
図8】本発明の実施例2を示す要部の縦断面図である。
図9】従来例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0026】
図1図7は本発明の実施例1を示し、成形シートの抜刃型1は、平板状の基台2に枠状の抜刃3を突設した抜型ユニット4と、複数(3個)の前記抜型ユニット4,4,4が一側の面である上面5Jに取り付けられる平板状の基板5と、前記基台2に着脱可能に設けられ、前記抜型ユニット4の前記基台2を前記基板5に前後左右方向移動自在に取り付ける複数の取付部材6と、前記基板5に設けた複数の抜型ユニット4に対向して設けられる押圧部材たる押圧板7とを備える。
【0027】
前記抜刃型1は、前記複数の抜型ユニット4,4,4と前記押圧板7との間に配置した成形シート8(図7)を、前記押圧板7が押圧することにより、前記複数の抜型ユニット4,4,4の前記抜刃3が前記成形シート8から複数の成形体たる樹脂成形体9,9,9を打ち抜くものである。尚、前記成形シート8には、合成樹脂やパルプモードなどが用いられ、この例では合成樹脂である。
【0028】
前記基板5は、一側である上側に設けたステンレス製の上板部11と、他側である下側に設けた下板部12とを重ね合わせてビス(図示せず)などの固定手段により一体化してなる。尚、前記下板部12は、ABS樹脂などの合成樹脂などからなり、その下板部12に比べて硬質な材料からなる。また、下板部12は、上板部11に比べて厚く形成されている。
【0029】
前記基板5には、前後左右に間隔Kを置いて格子状に複数の孔13,13・・・を貫通形成し、前記複数の孔13,13・・・には、前記取付部材6を螺合する雌螺子部13Mが設けられている。尚、この例では、前記上板部11において前記孔13は透孔であり、前記下板部12において前記孔13には雌螺子部13Mが設けられており、この雌螺子部13Mは孔13にスプリューを設けることにより構成されている。
【0030】
前記基板5の前記上面5Jである前記上板部11の上面には、左右方向等間隔で前後方向の縦表示線14,14・・・が罫書きなどにより複数設けられると共に、それら縦表示線14,14・・・と交差して、前後方向等間隔で左右方向の横表示線15,15・・・が罫書きなどにより複数設けられている。
【0031】
そして、前記縦表示線14,14・・・と前記横表示線15,15・・・の交点16,16・・・の位置に前記孔13が穿設されている。尚、隣り合う縦表示線14,14の間隔Kと、隣り合う横表示線15,15の間隔Kとは同一である。
【0032】
さらに、図3などに示すように、上板部11の上面5Jの縁側には、縦表示線14,14・・・の端部側に記号である数字表示部17,17・・・が設けられ、これら数字表示部17,17・・・は、「1」から増加する整数のアラビア数字により構成されている。また、上板部11の上面5Jの縁側には、横表示線15,15・・・の端部側に記号であるアルファベット表示部18,18・・・が「A」から順番に記載されている。また、前記縦表示線14,横表示線15及び表示部17,18は、レーザーなどにより前記上面5Jに刻設されている。
【0033】
従って、数字表示部17,17・・・とアルファベット表示部18,18・・・の組み合わせにより、これらが示す縦,横表示線14,15の交点16に位置する孔13を指定表示する位置表示部19を構成している。尚、この例では、基板側表示部たる位置表示部19は、前記縦,横表示線14,15を備える。
【0034】
前記抜型ユニット4の基台2及び抜刃3は、その平面形状が前後又は左右方向に長い方形をなし、この例では一側長さ方向である左右方向に長く形成され、基台2が抜刃3に比べて平面形状が大きく形成されている。前記基台2は、木製や合成樹脂製であって、図7に示すように、その基台2に抜刃3の他端である下端3T側が埋め込まれた状態で固定され、該抜刃3の下端3Tが前記基台2の他側面たる下面と面一に形成されている。従って、打ち抜き時に抜刃3に加わる力が、下端3Tから直接基板5に加わる。
【0035】
抜刃3の平面形状は、前記樹脂成形体9の平面形状に略対応する。また、前記抜刃3の一端側である上端側は前記基台2の上面から上方に突出し、その基台2の上面から抜刃3の上端までの高さが、前記樹脂成形体9の高さに略対応する。尚、図7に示すように、抜刃3内に装着した状態で、樹脂成形体9の底面と基台2の間に隙間が形成される。
【0036】
前記基台2には、複数の段付き孔21が設けられ、この例では、基台2の長さ方向及び幅方向に等間隔で4個の段付き孔21が穿設されており、幅方向に並んだ一対の段付き孔21,21が長さ方向両側にそれぞれ配置され、段付き孔21,21は幅方向より長さ方向に離れて配置され、その段付き孔21は円形に形成されている。
【0037】
図7などに示すように、前記段付き孔21は、その一側である径大部21Aと、その他側である径小部21Bと、これら径大部21Aと径小部21Bの間に設けた一側向きの段差面21Cとを備える。また、図4などに示すように、前記基台2の上面には、長さ方向に隣り合う段付き孔21,21の中心を通る縦線22Tと、幅方向に隣り合う段付き孔21,21の中心を通る横線22Yとが設けられている。さらに、前記縦線22T,22Tの間隔と前記横線22Y,22Yの間隔は、前記間隔Kの整数倍である。
【0038】
そして、抜型ユニット4が揺動する前の設定基準取付位置で、全ての段付き孔21の中心に孔13が位置するように設定されており、また、図7などのように、設定基準取付位置で、隣り合う抜型ユニット4,4の間には間隔が設けられる。
【0039】
図4などに示すように、前記基台2の上面には、前記段付き孔21に近接して、ユニット側表示部たる交点位置表示部23が設けられている。この交点位置表示部23は、前記数字表示部17と前記アルファベット表示部18とを併記してなり、前記交点位置表示部23は、基板5への抜型ユニット4の取付状態で、段付き孔21の中心位置に対応する孔13を示す。尚、表示部17,18との間にハイフォンを設けなくても良く、対応する孔13が判れば表示部17,18の表記の順番や位置も適宜選定できる。
【0040】
尚、図3では、数字表示部17である「6」と、アルファベット表示部18である「T」との間にハイフォンを記載し、これらを対応する段付き孔21に近接して表示している。このように基板5の左右方向であるX軸を整数で表す整数軸とし、基板5の前後方向であるY軸をアルファベットで表すアルファベット軸とした座標軸により、対応する孔13の位置を特定できる。
【0041】
そして、交点位置表示部23に対応する孔13に、段付き孔21を合わせる際、縦線22Tと横線22Yを、対応する基板5の縦表示線14と横表示線15に合わせることにより、段付き孔21の中心に孔13の位置が合わされ、基板5への抜型ユニット4の位置合わせを簡便に行うことができる。
【0042】
従って、異なる大きさの抜型ユニット4に交換する際も、位置を間違えることなく、基板5に取り付けることができる。
【0043】
前記抜型ユニット4は、前記段付き孔21に着脱可能に設ける前記取付部材6により前記基板5に着脱可能に取り付けられる。図7などに示すように、前記取付部材6は、合成樹脂などからなる本体26を備え、この本体26は、抜け止め部たる円板状の径大部26Aと、遊挿部たる円板状の径小部26Bとを一体に備え、これら径大部26Aと径小部26Bの間に下向きの段差面26Cが設けられ、また、前記本体26の中心には、雄螺子たる皿付きネジ27を挿通する透孔たる取付孔28が貫通形成されている。尚、この取付孔28の上部には、前記皿付きネジ27の頭部を収納するテーパ部が設けられている。
【0044】
前記取付部材6の径大部26Aは、前記径大部21Aより断面が小さく、即ち径小であって、該径大部21Aに遊挿され、遊挿状態で、径大部26Aと径大部21Aの間には隙間が形成される。また、前記径大部26Aの前記段差面26Cが前記段付き孔21の段差面21Cに係合して基板5に基台2が取り付けられる。さらに、前記取付部材6の径小部26Bは、前記径小部21Bより断面が小さく、即ち径小であって、該径小部21Bに遊挿され、遊挿状態で、径小部26Bと径小部21Bの間には隙間Sが形成される。
【0045】
このように段付き孔21と本体26との間に隙間を設けることにより、前記皿付きネジ27を孔13に螺合して基板5に抜型ユニット4を取り付けた状態で、前記抜型ユニット4が前記隙間Sの分だけ前後左右移動自在となる。
【0046】
図4などに示すように、前記基台2には、長さ方向中央で幅方向に並んで一対の基台側連通孔29,29が穿設されていると共に、幅方向中央で長さ方向両側にそれぞれ基台側連通孔29A,29Aが穿設されている。前記基台側連通孔29,29Aは同径で、その直径は、斜めに隣り合う孔13,13の間隔以上で、この例では前記間隔Kの2倍以下である。このように基台側連通孔29A,29Aの直径を設定することにより、取付状態において、前記隙間Sの範囲で抜型ユニット4が移動しても、基台側連通孔29,29Aに少なくとも1個の孔13が連通し、最大4個の孔13が連通する。尚、抜型ユニット4は、左右及び前後に線対称な形状を有する。
【0047】
図6に示すように、前記抜刃型1は、前記基板5の他側の面である下面5Kに設けるムラ取り板31を備える。前記ムラ取り板31はステンレスなどからなり、突出部31Tを除いて前記基板5と同形である。尚、基板5の下面5Kは下板部12の下面である。前記ムラ取り板31には、設定位置での取付状態において、複数の抜型ユニット4,4,4の前記基台側連通孔29,29Aの位置に対応して、ムラ取り板側連通孔32,32Aが穿設されている。また、連通孔29,32同士は同径であり、連通孔29A,32A同士は同径である。
【0048】
前記ムラ取り板31には、取付状態の複数の抜型ユニット4,4,4の前記抜刃3の下端3Tの位置に対応して、マークたる対をなす縦線33,33とマークたる対をなす横線34,34,34,34,34,34が設けられていると共に、前記抜刃3の湾曲角部3Kに対応して、マークたる湾曲線35,35,35,35を設け、この例では、レーザーによりそれら線33,34,35を刻設している。尚、縦線33,33は3つの抜型ユニット4,4,4に対応して、連続形成されている。
【0049】
そして、前記ムラ取り板31の上面には、前記線33,34,35の必要箇所に、ムラ取り用テープであるムラ取り用粘着テープ36を貼り付けることができる。この場合、線33,34の長さ方向にムラ取り用粘着テープ36を部分的に張り付けたり、図6のように線33,34に交差するように部分的にムラ取り用粘着テープ36を張り付けたりすることができる。尚、ムラ取り板31は、ビス(図示せず)などの固定手段により基板5の下面5Kに着脱可能に取り付けられる。
【0050】
また、図1に示すように、前記ムラ取り板31の下面には吸引手段たる吸排気手段51が接続される。この吸排気手段51の箱型の本体52は、上面たる上面板53を備え、この上面板53が、押圧板7を除いた抜刃型1を取り付ける支持面である。そして、前記上面板53に複数の吸排気孔たる吸排気孔54が前後方向及び左右方向に前記間隔Kを置いて穿設されており、ポンプ(図示せず)などにより吸排気孔54から吸気したり、排気したりすることができる。
【0051】
それら吸排気孔54,54・・・は前記孔13,13・・・と同一位置に配置されている。即ち、吸排気手段51の吸排気孔54,54・・・に対応して、前記基板5に前記孔13を形成している。従って、吸排気孔54,54・・・を前記孔13,13・・・を合わせるようにして、本体52の上面にムラ取り板31を固定することにより、全ての吸排気孔54,54・・・と前記孔13,13・・・とが平面同一位置となる。尚、この例では吸排気孔54と孔13の数は同一であり、また、吸排気孔54と孔13は略同径である。
【0052】
また、この例では、前記上面板53と、突出部31Tを除いた前記ムラ取り板31とは略同形であり、本体52の上面にムラ取り板31を合わせて固定することにより、吸排気孔54と孔13とが位置決めされ、この場合は、略同形の上面板53とムラ取り板31が、吸排気孔54と孔13とを位置決めする位置決め手段55である。
【0053】
さらに、前記上面板53とムラ取り板31の周囲の3辺を位置合わせることにより、吸排気孔54と孔13とが位置決めされるように構成した場合は、前記上面板53の周囲のいずれか3辺とこれに対応するムラ取り板31の周囲の3辺とが前記位置決め手段55である。また、前記上面板53に設けた位置決めマーク(図示せず)によりムラ取り板31を上面板53に固定することにより、吸排気孔54と孔13とが位置決めされるように構成した場合は、前記位置決めマークが前記位置決め手段である。
【0054】
次に、前記抜刃型1の使用方法につき説明する。基台2に設けた交点位置表示部23に対応する孔13に、段付き孔21を合わせ、この段付き孔21に取付部材6を挿入すると共に、皿付きネジ27を前記対応する孔13に螺合する。このように交点位置表示部23により、抜型ユニット4を所定の位置に簡便に取り付けることができ、この取付状態で、隙間Sにより、基板5に対して、抜型ユニット4が前記基板5の上面5Jに沿って平面の全方向に移動可能となるように、皿付きネジ27を螺合する。
【0055】
図7のように、複数の抜型ユニット4の抜刃3に成形体9を挿入するようにして、基板5上に成形シート8を載置すると、成形体9が抜刃3内に嵌ることにより、成形体9の位置に合わせて抜型ユニット4が平面方向に揺動し、成形体9に対して抜型ユニット4が位置合わせされる。
【0056】
また、基板5上に成形シート8を載置した状態で、前記吸排気手段51が吸引駆動し、連通孔32,32A,複数の孔13及び連通孔29,29Aを通して成形体9が吸引され、成形体9に対して、抜刃3の位置がずれていた場合は、前記隙間Sにより抜型ユニット4が移動して位置合わせされる。
【0057】
前記吸排気手段51の吸気駆動においては、連通孔29,32同士が対応した位置に設けられると共に、連通孔29A,32A同士が対応した位置に設けられ、複数の孔13が連通孔29,29A,32,32Aに連通するから、抜型ユニット4を取り付ける孔13を利用して成形体9を吸引して保持することができる。
【0058】
この場合、吸排気手段51の上面板53にムラ取り板31を重ねて固定することより、ムラ取り板側連通孔32,32Aに連通する吸排気孔54以外の吸排気孔54が、ムラ取り板31により塞がれるため、連通孔32,32Aに連通する吸排気孔54により効率よく吸引することができると共に、ムラ取り板側連通孔32,32Aに基台側連通孔29,29Aが連通するから、抜型ユニット4内の成形体9に集中して吸引力が働くこととなる。
【0059】
そして、吸引により成形体9が抜刃3内に保持された状態で、押圧板7が降下して、基板5側に進行し、抜刃3と押圧板7に挟まれて成形シート8から成形体9が切断分離される。
【0060】
この後、吸排気手段51の吸気駆動を停止して成形体9を抜型ユニット4から取り出す。また、必要に応じて、吸排気手段51を排気駆動して、抜型ユニット4内から成形体9を排出してもよい。
【0061】
尚、複数の成形体9を形成した成形シート8がパルプモールドの場合、抜刃3により、乾燥後に成形シート8から成形体9を切断分離することが好ましいが、乾燥前に又は乾燥工程の途中で切断分離しても良い。
【0062】
また、初期のムラ取り処理の場合は、基板5にムラ取り板31を取り付けて成形シート8を切断し、切断分離が不十分な箇所には、該箇所に対応して、前記ムラ取り板31の上面にムラ取り用粘着テープ36を接着した後、再度、基板5にムラ取り板31を取り付けて切断し、必要に応じて、これを複数回行い、ムラ取りを行う。この際、抜刃3に対応して、ムラ取り板31には線33,34,35が設けられているから、これら線33,34,35を基準として必要箇所に粘着テープ36を簡便に取り付けることができる。
【0063】
次に、大きさの異なる抜型ユニット4を用いる場合について説明する。基板5はそのまま利用し、例えば、成形体9の左右幅が1.5倍になれば、左右幅が1.5倍の大型抜型ユニット4を2個用いる。この2個の大型抜型ユニット4,4の大きさは、3個の抜型ユニット4に比べて、左右方向の幅が約1.5倍となり、好ましくは、基台側連通孔29,29,29A,29Aの左右方向の幅も広くなり、また、基台2には、段付き孔21の近傍に、取り付ける孔13に対応する交点位置表示部23を記載する。また、2個の大型抜型ユニット4,4の基台側連通孔29,29,29A,29Aに対応して、ムラ取り板31の連通孔32,32Aの位置を変更する。即ち、ムラ取り板31は交換し、基板5はそのまま使用する。
【0064】
また、例えば、成形体9が4個の場合は、前記2個の大型抜型ユニット4を、前後方向に略2分割した小型抜型ユニット4を4個用いれば、4個の成形体9を打ち抜くことができる。尚、樹脂成形体9の数や大きさに対応して、基板5を大きくすることができる。
【0065】
このように使用する抜型ユニット4の数や大きさが変わった場合、抜型ユニット4とムラ取り板31のみを交換し、基板5を繰り返し使用することができる。また、抜型ユニット4の前後幅のみを変更する場合なども、変更箇所に対応した抜型ユニット4とムラ取り板31に変更することにより基板5を再利用して対応することができる。
【0066】
このように本実施例では、請求項1に対応して、基台2に抜刃3を突設した抜型ユニット4と、複数の抜型ユニット4が一側の面たる上面5Jに取り付けられる基板5と、
基台2に着脱可能に設けられ、抜型ユニット4の基台2を基板5に前後左右方向移動自在に取り付ける取付部材6と、基板5に設けた複数の抜型ユニット4と対向して設けられる押圧部材たる押圧板7とを備え、複数の抜型ユニット4と押圧板7との間に成形シート8を配置し、複数の抜型ユニット4の抜刃3が成形シート8から複数の成形体たる樹脂成形体9を打ち抜く成形シート8の抜刃型1において、基板5に前後左右に間隔を置いて複数の孔13を設け、取付部材6は雄螺子たる皿付きネジ27により基板5に取り付けられ、複数の孔13に、皿付きネジ27を螺合する雌螺子部13Mを設けたことにより、基板5に複数の抜型ユニット4を前後左右移動自在に取り付けたから、成形シート8の樹脂成形体9に対して抜型ユニット4の設置位置が正確に定められた状態で、抜刃3により樹脂成形体9を打ち抜くことができる。しかも、基板5に前後左右に間隔を置いて複数の孔13を設けたから、基板5の任意の位置に複数の抜型ユニット4を取り付けることができる。このため成形体9の大きさが変わり、これに対応して使用する抜型ユニット4の大きさが変わった場合でも、対応が容易となる。
【0067】
このように本実施例では、請求項2に対応して、基板5に、孔13の位置を示す基板表示部たる位置表示部19を設け、抜型ユニット4に、取付部材6を螺合する前記孔を示すユニット側表示部たる交点位置表示部23を設けたから、基板5に設けた孔13の位置を示す位置表示部19と、取付部材6を螺合する孔13を示す交点位置表示部23と、に基いて、取付部材6を基板5の孔13に螺合することにより、基板5の所定位置に抜型ユニット4を取り付けることができる。
【0068】
このように本実施例では、請求項3に対応して、複数の孔13が基板5に貫通形成されており、それら複数の孔13に吸排気手段51を接続し、基台2に孔13より径大で該孔13に連通する基台側連通孔29,29Aを設けたから、成形シート8に形成された樹脂成形体9を、基板5の孔13と基台側連通孔29,29Aを通して吸引し、抜型ユニット4に保持することができ、しかも、取付部材6を螺合する孔13を兼用して吸引に利用することができる。
【0069】
このように本実施例では、請求項4に対応して、基台2に、一側たる径大部21Aの面積が他側たる径小部21Bの面積より大きな段付き孔21を設け、取付部材6の本体26は、段付き孔21の段差面21Cに係止可能で段付き孔21の径大部21Aに遊挿する抜け止め部たる径大部26Aと、段付き孔21の径小部21Bに遊挿する遊挿部たる径小部26Bとを備え、雌螺子部13Mに螺合して本体26を基板5に取り付ける雄螺子たる皿付きネジ27を有するから、抜け止め部たる径大部26Aにより抜け止め状態で基台2を基板5に取り付けることができると共に、径小部26B及び径大部26Aと段付き孔21との間の隙間Sにより、抜型ユニット4が前後左右方向移動自在となる。
【0070】
また、このように本実施例では、請求項に対応して、基板5の他側の面たる下面5K側に設けるムラ取り板31を備え、このムラ取り板31に抜刃3に対応したマークたる縦線33,横線34及び湾曲線35を設けたから、成形シート8の抜きの不十分な部分に対応するマークたる縦線33,横線34及び湾曲線35の位置に、ムラ取り用粘着テープ36などのムラ取り部材を設けることにより、抜刃3の高さを調整することができる。また、使用する抜型ユニット4の大きさが変わった場合でも、ムラ取り板31を交換すれば済み、基板5はそのまま兼用することができ、汎用性に優れたものとなる。
【0071】
このように本実施例では、請求項に対応して、ムラ取り板31に、基台側連通孔29,29Aに連通するムラ取り板側連通孔32,32Aを設け、このムラ取り板側連通孔32,32Aに吸排気手段51を接続したから、成形シート8に形成された樹脂成形体9を、基板5の孔13と基台側連通孔29,29Aとムラ取り板側連通孔32,32Aを通して吸引し、抜型ユニット4に保持することができ、しかも、取付部材6を螺合する孔13を吸引に利用することができる。また、使用する抜型ユニット4の大きさが変わった場合でも、ムラ取り板31を交換すれば済み、基板5はそのまま兼用して使用することができ、汎用性に優れたものとなる。
【0072】
以下、実施例上の効果として、位置表示部19は、縦,横表示線14,15を備えるから、孔13の位置を目視により簡便に確認できる。また、前記基台2の上面には、長さ方向に隣り合う段付き孔21,21の中心を通るように配置された縦線22Tと、幅方向に隣り合う段付き孔21,21の中心を通るように配置された横線22Yとが設けられているから、縦線22Tと横線22Yを、対応する基板5の縦表示線14と横表示線15に合わせることにより、基板5への抜型ユニット4の位置合わせを簡便に行うことができる。さらに、縦表示線14,横表示線15,表示部17,18,線22T,22Y,33,34をレーザーにより刻設したから、上面5Jを薬品などを用いて洗浄しても、線が消えることがない。
【0073】
また、基台側連通孔29,29Aの直径は、斜めに隣り合う孔13,13の間隔以上で、間隔Kの2倍以下であるから、取付状態において、前記隙間Sの範囲で抜型ユニット4が微動しても、基台側連通孔29,29Aに複数の孔13が連通することができ、吸引力を確保できる。尚、斜めに隣り合う孔13,13の間隔は、間隔K×√2である。
【0074】
さらに、前記ムラ取り板31には、取付状態の複数の抜型ユニット4,4,4の基台側連通孔29,29Aの位置に対応して、ムラ取り板側連通孔32,32Aが穿設されているから、吸排気手段51による成形シート8の吸引力を確保できる。また、抜型ユニット4の基台2には、該基台2の長さ方向中央で幅方向に並んで一対の基台側連通孔29,29が穿設されていると共に、幅方向中央で長さ方向両側にそれぞれ基台側連通孔29A,29Aが穿設されているから、複数の基台側連通孔29,29Aにより成形体9の底部を均一に吸引することができる。
【0075】
また、吸排気手段51の吸排気孔54,54・・・に対応して、基板5に前記孔13を形成し、ムラ取り板側連通孔32,32Aに連通する吸排気孔54以外の吸排気孔54が、ムラ取り板31により塞がれるため、連通孔32,32Aに連通する吸排気孔54により効率よく吸引することができると共に、ムラ取り板側連通孔32,32Aに基台側連通孔29,29Aが連通するから、抜型ユニット4内の成形体9に集中して吸引力を加えることができる。また、吸排気孔54と孔13とを位置決めする位置決め手段55を備えるから、吸排気手段51に位置決め手段55に基いてムラ取り板31を固定することにより、吸排気孔54と孔13との位置を位置合わせすることができる。
【実施例2】
【0076】
図8は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記抜型ユニット4に、前記樹脂成形体9をガイドするガイド部材61を設けている。
【0077】
前記ガイド部材61は、前記抜型ユニット4内に設けられ、前記成形体9の4つの側面に対応する側面案内面62を有し、前後方向に隣り合う側面案内面62,62の間隔は上方に向かって拡大し、前後方向に隣り合う側面案内面62,62の間隔は上方に向かって拡大する。
【0078】
従って、樹脂成形体9をその底部側から抜刃3内に挿入すると、成形体9の側面に側面案内面62が係合することにより、成形体9の位置に抜刃3が来るように抜型ユニット4が移動し、成形体9に対して抜型ユニット4が正しい位置に位置決めされる。
【0079】
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
【0080】
尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の容易の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、基板における孔の前後方向の間隔と左右方向の間隔を同じに設定することが好ましいが、異なっていてもよい。また、数字表示部とアルファベット表示部とは、一方が基板の左右方向、他方が基板の前後方向に付されていても良いし、左右方向と前後方向の両方向に、数字表示部を設けたり、アルファベット表示部を設けたりしても良く、この場合、例えば縦表示線を示す表示部を前側、横表示線を示す表示部を後側に配置するなどして順番などにより判るようにすれば良い。さらに、実施例では、取付部材の本体と雄螺子が別体のものを示したが、本体に雄螺子を一体的に設けてもよい。また、抜型ユニットに設ける段付き孔の数や配置は、孔13の略中心に対応すれば、適宜選定可能である。さらに、基台側連通孔及びムラ取り板側連通孔の数,配置,大きさ,形状などは、少なくとも1つの孔13に連通すれば、適宜選定可能である。また、基板を、上板部と下板部の2枚の板から1枚の板により構成してもよい。また、実施例のように、上板部の孔を透孔、下板部の孔に雌螺子部を設けると、上板部がワッシャとして作用して好ましいが、上板部の孔に雌螺子部を設け、下板部の孔を透孔としてもよい。さらに、実施例では、吸排気孔の数及び配置と、基板の孔13の数及び配置とを同一としたが、間隔Kが同一であれば、吸排気孔の数より対応する孔13が少なくてもよく、この場合は、孔13に対応しない吸排気孔をムラ取り板により塞ぐように構成することが好ましい。また、隙間Sの寸法は適宜選定可能である。さらに、成形シートは、パルプモードでもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0081】
1 抜刃型
2 基台
3 抜刃
4 抜型ユニット
5 基板
5J 上面(一側の面)
5K 下面(他側の面)
6 取付部材
7 押圧板(押圧部材)
8 成形シート
9 樹脂成形体(成形体)
17 数字表示部(マーク)
18 アルファベット表示部(マーク)
19 位置表示部(基板側表示部)
21 段付き孔
21A 径大部(一側)
21B 径小部(他側)
23 交点位置表示部(ユニット側表示部)
26 本体
26A 径大部(抜け止め部)
26B 径小部(遊挿部)
27 皿付きネジ(雄螺子)
29,29A 基台側連通孔
29A 基台側連通孔
31 ムラ取り板
32,32A ムラ取り板側連通孔
33 縦線(マーク)
34 横線(マーク)
35 湾曲線(マーク)
51 吸排気手段(吸引手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9