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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241112BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241112BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/00 331C
G07G1/01 301E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023027080
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2018014697の分割
【原出願日】2018-01-31
(65)【公開番号】P2023054300
(43)【公開日】2023-04-13
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文克
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特許第5507747(JP,B1)
【文献】特開2000-194942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品識別情報を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段と、を備え
前記判断手段は、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断し、
最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段は前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記表示手段には、前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品の販売態様の正否を確認する確認手段を表示することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様のある商品の登録を実行可能な商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、
商品識別情報を入力する入力手段、
前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段、
前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段、として機能させ
さらに前記判断手段が、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断するように機能させ、
最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段が前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
商品識別情報を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段と、を備え
前記判断手段は、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断し、
最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段は前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項5】
同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様のある商品の登録を実行可能な商品販売データ処理システムとしてのコンピュータを、
商品識別情報を入力する入力手段、
前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段、
前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段、として機能させ
さらに前記判断手段が、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断するように機能させ、
最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段が前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないように機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の販売態様のある商品登録を好適に実行可能な商品販売データ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が購入しようとする商品を、顧客自らが登録して支払い処理を行う、いわゆるフルセルフPOS装置がある。この種のフルセルフPOS装置の場合、秤を接続しておき、商品登録後に、その商品の質量を秤によって計量し、当該計量した質量を、予め登録しておいたその商品の基準質量と照合し、これによって登録した商品が正しいことを確認(照合)する方法が用いられる。
【0003】
しかし、秤による商品質量の照合を行うと、その商品が正しい商品であったとしても、実際の計量質量と、基準質量との間に所定値以上の差がある場合があり、このような場合はエラーが発生してしまい、これによってその登録操作が煩雑になってしまう虞があった。
【0004】
また、未登録商品を載置する載置部から登録済商品を載置する載置部への質量値の移動が正しいか否かを秤で確認することや、登録済商品の載置部に質量加算されることで商品登録が実行されているとみなして確認に代えている場合などもある。
【0005】
また、上記エラーによる復旧操作などの煩雑さを回避してフルセルフPOS装置の利用頻度の向上を図る為や、設置スペースの問題で、秤自体を設置しない現場もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-162208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述のように、予め登録している基準質量を基準にした商品質量チェックを行わない場合や、秤を設置しない場合は、同一商品において異なる販売態様(例えば缶ビールにおける単品販売や6缶パック販売やケース販売など)があってそれぞれの販売態様に対して異なるバーコードが設定・印刷(または貼付)されている商品において問題が発生する虞があった。
【0008】
即ち例えば、6缶パックを購入しようとした場合に誤って(または不正に)単品に印刷されている単品販売用のバーコードをスキャンしてしまったり、ケース販売においてもケース上に単品販売用のバーコードが印刷されていることがあるので誤って(または不正に)これをスキャンしてしまったりする場合があった。
【0009】
このように、ケースもしくは6缶パックを単品のバーコードでスキャンされると、ケースもしくは6缶パックを単品の価格で販売してしまうことになるので、店舗にとって非常に大きな打撃となる。
【0010】
また、フルセルフPOS装置などでは、上記商品購入時の誤った登録操作が、不正なのか操作ミスなのかを判断することが難しく、操作ミスの場合は顧客に良い印象を与えないし、不正の場合はこれを発見したとしてもその不正を追及できない可能性もあった。
【0011】
また、上記操作ミスは、通常のPOS装置において、店員(特に新人など)が登録操作を行う場合にも生じる虞があった。
【0012】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、複数の販売態様があることによる操作ミスを未然に回避することができる商品販売データ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる商品販売データ処理装置は、商品識別情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段と、を備え、前記判断手段は、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断し、最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段は前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないことを特徴としている。
ここで、商品識別情報には、JANコード、PLUコード、ITFコード、QRコード(登録商標)などの種々のバーコードなどがある。また、入力手段としては、バーコードを読み取るスキャナや、押圧操作するプリセットキーなどがある。
これによって、複数の販売態様を有する商品について、販売態様の選択ミスを防止することができる。また、不正の可能性のある操作を検知・確認し易くなる。
【0016】
また本発明は、上記特徴に加え、前記表示手段には、前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品の販売態様の正否を確認する確認手段を表示することを特徴としている。
【0017】
また本発明は、同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様のある商品の登録を実行可能な商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、商品識別情報を入力する入力手段、前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段、前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段、として機能させ、さらに前記判断手段が、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断するように機能させ、最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段が前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないように機能させることを特徴とするプログラムにある。
【0018】
また本発明は、商品識別情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段と、を備え、前記判断手段は、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断し、最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段は前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないことを特徴とする商品販売データ処理システムにある。
【0019】
また本発明は、同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様のある商品の登録を実行可能な商品販売データ処理システムとしてのコンピュータを、商品識別情報を入力する入力手段、前記入力手段によって入力された商品識別情報により特定された商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があるか否かを判断する判断手段、前記判断手段が前記商品に同一商品であって異なる商品識別情報による複数の販売態様があると判断した場合に、当該複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示する表示手段、として機能させ、さらに前記判断手段が、前記商品に複数の販売態様があると判断した場合は、さらに、当該複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様か否かを判断するように機能させ、最も高い価格が設定されている販売態様であると判断した場合は、前記表示手段が前記複数の販売態様にそれぞれ応じた商品イメージを表示しないように機能させることを特徴とするプログラムにある。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の販売態様があることによる操作ミスを未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】商品販売データ処理装置(フルセルフPOS装置)1-1の外観構成を示す斜視図である。
図2】商品販売データ処理装置1-1の構成を示すブロック図である。
図3】商品販売データ処理システム30の一構成例を示すブロック図である。
図4】商品ファイル40(40-1,40-2)の一例を示す図である。
図5】商品販売データ処理装置1-1の動作フロー図である。
図6A】表示画面G1の一例を示す図である。
図6B】表示画面G1-2の一例を示す図である。
図6C】表示画面G1-3の一例を示す図である。
図7】表示画面G2,G3の一例を示す図である。
図8】商品販売データ処理装置(対面セルフPOS装置)1-2の外観構成を示す斜視図である。
図9】商品販売データ処理装置1-2の構成を示すブロック図である。
図10】商品販売データ処理システム30-2の一構成例を示すブロック図である。
図11】商品販売データ処理システム30-3の一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態は図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかる商品販売データ処理装置(以下「フルセルフPOS装置」という)1-1の外観構成を示す斜視図、図2はフルセルフPOS装置1-1の構成を示すブロック図である。
【0024】
フルセルフPOS装置1-1は、購入しようとする商品の登録と精算を、全て顧客自らが行うPOS装置であり、図1に示すように、基台10の上部に、タッチパネル11を設置し、タッチパネル11の下側に、商品のバーコード(商品識別情報)を読み込むスキャナ部13と印刷部15とを設置し、また基台10の正面側上部に紙幣投入口17を設置し、その斜め下側に硬貨投入口18を設置し、また紙幣投入口17の下方にお釣り排出口19を設置して構成されている。このフルセルフPOS装置1-1の場合、登録した商品の質量を検出してその商品の基準質量と照合する秤(質量検知手段)を設置していないが、もちろん別途、秤を設置しても良い。また、図示しないが一体型もしくは接続式のテンキーなどの入力補助手段が設置されても良い。
【0025】
また図2に示すように、フルセルフPOS装置1-1は、CPU201と、ROM203と、RAM205と、スキャナ部13と、タッチパネル11と、印刷部15と、通信部207と、ブザー209と、入出金部211と、撮像部212と、センサ部213とを備え、これらをバス213によって相互に接続して構成されている。なお上述のように、別途、秤や入力補助手段を設置する場合は、このバス213に秤(質量検出手段)や入力補助手段が接続される。
【0026】
CPU201は、ROM203に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、フルセルフPOS装置1-1の動作を制御する。ROM203は、プログラム(下記する図5の処理をCPU201で実行させるプログラムを含む)などを記憶する。RAM205は、種々の情報、例えば下記する図4に示す商品ファイル40の内容や、履歴情報など、を記憶する。
【0027】
スキャナ部13は、商品に付されているバーコード(商品コード、商品識別情報)などを光学的に読み取る入力手段である。タッチパネル11は、顧客に対して種々の情報を表示する表示部111と、画面にタッチすることで各種命令を入力する入力部113の機能を有している。入力部113も入力手段である。印刷部15は、この例ではレシートに印字を行って、その発行口151から印刷済みのレシートを発行するものである。通信部207は、下記するLAN33を介して、他の装置と通信する。ブザー209は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
【0028】
入出金部211は、釣銭釣札機、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダなどと、それらの制御部とを備えて構成されていて、入出金部211を用いて、現金、クレジット、電子マネーにより決済処理が行われる。入出金部211は、釣銭釣札機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バス213を介してCPU201に出力する。釣銭釣札機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口17、硬貨を投入する硬貨投入口18、釣銭を排出するお釣り排出口19とを備えている。また入出金部211は、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、CPU201に出力する。また入出金部211は、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、CPU201に出力する。
【0029】
撮像部212は、入金部、つまり顧客の支払い操作を撮影・記憶するなど、顧客自身を撮影する場合に用いる。通常は金銭授受のトラブルの際の証拠として記憶するが、不正な操作や操作ミスの多発する顧客を撮像・記憶して分割可能なデータに加工して利用する事もできる。
【0030】
センサ部213は、人感センサであり、顧客が装置の近傍に来たことを感知することで操作画面をスリープ状態や広告映像から商品登録の初期画面へ復帰・遷移させることや、音声や画像により「いらっしゃいませ」「商品を登録して下さい」などの操作案内メッセージを報知することに用いられる。
【0031】
図3は、複数台の上記フルセルフPOS装置1-1を用いて構成される商品販売データ処理システム(以下「POSシステム」という)30の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、POSシステム30は、管理装置(ストアコントローラ)31と、複数台のフルセルフPOS装置1-1とを、LAN33によって有線又は無線で相互に接続して構成されている。
【0032】
なお、図3に示したPOSシステム30の構成は一例であって、例えば、上記フルセルフPOS装置1-1と共に、後述する対面セルフPOS装置(対面セミセルフPOS装置)1-2(店員と顧客が対面し、商品登録を店員が、入金・決済操作を顧客が実施)や、従来の通常POS装置(商品登録も、入金・決済操作も、原則店員が実施)や、登録装置と精算機が別体のセミセルフPOSシステム(商品登録を店員が、入金・決済操作を顧客が実施)や、セルフ精算機などを接続しても良い。また、管理装置31の機能を、何れかのPOS装置が有するように構成し、管理装置31を省略することも可能である。
【0033】
管理装置31は、POSシステム30を制御するコンピュータであり、下記する商品ファイル(商品マスタ)40(40-1,40-2)などの種々の情報を、ネットワーク35を介して図示しない外部の装置(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体など)から取得し、管理する。管理装置31は、フルセルフPOS装置1-1に、最新の商品ファイル40を適宜送信する。
【0034】
図4(a)は、商品ファイル40-1の一例を示す図である。同図に示すように、商品ファイル40-1には、各商品の商品識別情報(JANコードなどの商品コード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格などの情報の他に、他の販売態様についての情報も含んでいる。ここで、他の販売態様とは、同一の商品ではあるが、その販売の態様が異なる態様のことを言う。具体的には、例えば図4(a)に示すように、同一の缶ビール「○○○」ではあるが、その販売態様として、「単品」で販売する態様と、「6缶パック」として販売する態様と、「12缶入りのケース」として販売する態様とがあるような場合である。即ち、この例での販売態様は、商品の販売単位を示している。但し本発明で言う販売態様は、販売単位のみでなく、例えば、本数は同一でもデザインが異なる(例えば優勝記念のデザイン)態様や、通常販売品とオマケつき販売品での異なる態様など、種々の態様が考えられる。そして図4(a)に示すように、他の販売態様が「有」の場合は、この商品識別情報に関連する他の販売態様の商品識別情報を全て紐付けている。具体的に図4(a)で言えば、「単品」の缶ビール「○○○」には、他の販売態様である「6缶パック」の商品識別情報「○○△」と、「12缶入りのケース」の商品識別情報「○○×」が紐付けられ、「6缶パック」の缶ビール「○○○」には、他の販売態様である「単品」の商品識別情報「○○○」と、「12缶入りのケース」の商品識別情報「○○×」が紐付けられ、「12缶入りのケース」の缶ビール「○○○」には、他の販売態様である「単品」の商品識別情報「○○○」と、「6本パック」の商品識別情報「○○△」が紐付けられている。即ち、商品ファイル40-1には、販売する各商品の販売態様毎の価格と、各商品の販売態様毎に付与された商品識別情報とを関連付けており、RAM205又は図示しないハードディスクなどの記憶手段に記憶されている。図4(b)は、他の商品ファイル40-2の一例を示す図である。同図に示すように、商品ファイル40-2には、各商品のPLUコード、商品名、規格、販売単位、商品識別情報(販売用JANコード)などの情報の他に、単品JANコードなどの他の販売態様についての情報も含んでいる。他の販売態様があるか否かは、販売用JANの他に単品用JANが存在することでわかる。また販売する各商品の販売態様毎の価格は、PLUコードに紐付けられた店舗のデータベースに記憶している価格を読み出すことでわかる。即ち、商品ファイル40-2の場合も、販売する各商品の販売態様毎の価格と、各商品の販売態様毎に付与された商品識別情報とを関連付けており、RAM205又は図示しないハードディスクなどの記憶手段に記憶されている。
【0035】
次に、フルセルフPOS装置1-1の動作を説明する。図5はフルセルフPOS装置1-1の動作処理の一例を示す動作フロー図である。顧客は、購入を希望する1又は複数の商品を持って、フルセルフPOS装置1-1に対面し、何れかの商品のバーコード(商品識別情報)をスキャナ部13にかざすことによって、そのバーコードの情報をスキャナ部13に入力する(ステップST1-1)。この例では、前記入力した商品のバーコードが、単品の缶ビール「○○○」のバーコードであるとする。
【0036】
次に、前記入力した商品に対して、前記商品ファイル40を検索し、その商品に複数の販売態様があるか否かを判断する(ステップST1-2)。この例の場合は、複数の販売態様があるので、ステップST1-3に移行する(ステップST1-2の「Y」)。なお、もしその商品に複数の販売態様が無い場合は、販売態様を誤って選択している虞はないので、下記するステップST1-3~ステップST1-6を行わずに直接ステップST1-7に移行して、その商品の商品登録を行う(ステップST1-2の「N」)。
【0037】
次に、前記ステップST1-2から移行したステップST1-3において、このフルセルフPOS装置1-1に秤(質量検出手段)が接続されているか否かを判断し、この例の場合、秤は設置されていないので、ステップST1-4に移行する(ステップST1-3の「N」)。
【0038】
次に、ステップST1-4において、入力した商品の販売態様が、関連する販売態様の内、最も高い価格の販売態様か否かを判断する。この例の場合、関連する販売態様の内、最も価格が高いのは、12缶入りのケースの販売態様であり、単品の販売態様ではないので、ステップST1-5に移行し(ステップST1-4の「N」)、タッチパネル11に、複数の販売態様を出力し、選択可能に表示する。
【0039】
図6A図6B図6Cは、複数の販売態様を選択可能に表示した表示画面G1,G1-2,G1-3の一例を示す図である。この表示画面G1,G1-2,G1-3は、前記入力されたバーコードに係る商品の販売態様の正否を確認する確認手段である。図6Aに示すように、『缶ビール「○○○」単品です。正しいですか?』と表示したり、図6B図6Cに示すように、『単品でのご購入で宜しいですか?』と表示したりすることで、この商品には複数の販売態様があることを顧客に認識(確認)させ、正しい選択をしていれば、「はい」ボタンG11を押下する。一方、購入しようとする商品の販売態様が間違っていた場合は、正しい販売態様である「6缶」ボタンG12又は「12缶」ボタンG13を押下する。この操作を実行することで客は改めて正しい商品の入力又はバーコードをスキャンしなくても訂正処理を完了する。即ち、スキャンした商品に複数の販売態様がある場合、その販売態様が正しいか否かを確認し、間違っていた場合は他の販売態様を選択(商品選択)できる。これによって、操作ミスを未然に効果的に回避できる。
さらに図6B図6Cに示すように、販売態様を画像やイメージと併せて表示しても良い。客は画像やイメージと現物を比較して選択が容易となる。また図6Cに示すように、数量入力用のボタンG14を表示させて、そのまま数量登録を実行できる様にしても良い。また数量入力用のボタンG14は、装置に装備されたテンキーなどメカキーを用いて「数量を入力する場合は、数字キーを押して下さい」などのメッセージを表示しても良い。
【0040】
図7は、複数の販売態様を選択可能に表示した他の表示画面G2,G3の一例を示す図である。この表示画面G2,G3も、前記入力されたバーコードに係る商品の販売態様の正否を確認する確認手段である。同図に示すように、『缶ビール「○○○」単品です。正しいですか?』と表示することで、この商品には複数の販売態様があることを顧客に認識(確認)させ、正しい選択をしていれば、「はい」ボタンG21を押下する。一方、購入しようとする商品の販売態様が間違っていた場合は、「いいえ」ボタンG22を押下する。「いいえ」ボタンG22が押下されると、別の表示画面G3を表示し、「正しいバーコードをスキャンしてください」などの表示(再登録指示)によって、他の販売態様を選択できるようにする。これによって、操作ミスを未然に効果的に回避できる。これら表示画面G2,G3の場合も、販売態様を画像やイメージと併せて表示しても良い。
【0041】
なおこの例では、タッチパネル11に複数の販売態様を選択可能に画面表示するように構成したが、その代わりにテンキーなど数字入力による選択でも良い。さらに、音声表示、ブザー、回転灯、レシートへの表示、他の装置への通信出力などによって、複数の販売態様を報知可能にしても良い。
【0042】
前述のように、ステップST1-5において複数の販売態様を選択可能に表示した場合は、その選択の正誤にかかわらず、複数の販売態様がある商品を入力(スキャン)したことを、他の装置に報知する(ステップST1-6)。ここで、他の装置とは、例えば、監視モニタ、他の有人POS装置、サービスカウンターの端末、アテンダント端末、自装置のサインライト、業務放送などがある。報知は、例えば、複数の販売態様がある商品を入力したフルセルフPOS装置1-1の号機番号を表示などすることで行う。サインライトの場合は、例えば店員のみに分かるような態様(色・点灯・点滅など)で報知する。また、さらに客側と店員側に操作表示部を備える装置の場合は、店員側に報知しても良い。正しい選択を店員が実行しても良い。また、顧客のランクによって一般客や誤操作の多い客(不正を頻繁に行っていると想定される)の場合、店員側のみに表示しても良い。
【0043】
このように、ステップST1-5において複数の販売態様の情報を出力する場合は、ステップST1-6において、その旨を、他の装置へ報知するので、スキャナ部(入力手段)13によって入力された商品識別情報に係る商品について他の販売態様があることを、当該フルセルフPOS装置1-1を操作している人以外の人(店員など)に知らせて注意を促すことができる(当該フルセルフPOS装置1-1を注視可能となる)。正しく操作して誤りを訂正して取引を完了した場合も、その操作履歴は残る。不正があった場合は、意図して間違えた商品を選択しているので、その証拠も履歴に残る。通常は入出金部(釣札釣銭機)を撮影している撮像部(撮像カメラ)212の方向を変えて操作者を撮影しても良いし、顧客の手元のみならず顧客全体を撮影しても良い。その時点での操作履歴(操作ログ)を記録する。会員登録していた顧客の場合は、会員別の記録を取り、その操作ミスが2回目の場合は、報知の態様を変えること、例えば前回も同様の操作ミスをしたことのコメントを表示するなど、してもよい。これらにより、販売態様の選択ミス(スキャン間違い)や不正の防止、また証拠確保などを容易に行え、これらに対する迅速な対応が可能となる。さらに、会員認識時又は非会員の不正操作者を撮像処理にて認識した時点で、自装置での報知、又は外部への報知を行うようにしても良い。チェーンやグループ店舗に情報を共有することも可能になる。
【0044】
次に、上記スキャンした商品またはステップST1-5において正しい販売態様に訂正された商品の商品登録を行う(ステップST1-7)。次に、購入しようとする全ての商品の登録が終わっていなければ(ステップST1-8の「N」)、ステップST1-1に戻って、次の商品のバーコードを読み込む操作を繰り返して行ってゆき、一方、購入しようとする全ての商品の登録が終わっていれば(ステップST1-8の「Y」)、一取引ごとに対応して登録された商品の精算に用いられる情報(精算情報)を生成し、記憶し、入出金部211などを用いて精算処理を行う(ステップST1-9)。精算情報は、当該精算情報を識別するための精算情報識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、精算情報は、当該精算情報を生成したフルセルフPOS装置1-1(すなわち、当該精算情報に係る商品を登録したフルセルフPOS装置1-1)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。また上記精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカード、デビットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。精算が完了すれば、印刷部15などを用いてレシートを発行する(ステップST1-10)。また、レシートに変えて電子レシートを出力しても良い。
【0045】
ところで、ステップST1-4において、入力した商品の販売態様が、関連する販売態様の内、最も高い価格の販売態様であった場合(ステップST1-4の「Y」)は、複数の販売態様の表示(ステップST1-5)を行わず、ステップST1-6に移行し、他の装置への報知を行った後に、ステップST1-7に移行してその商品の商品登録を行う。即ち、ステップST1-5をスキップすることで、複数の販売態様の情報の出力を制限する。これは以下の理由による。即ち、最も高い価格が設定されている販売態様が選択された場合、店舗側にとってはそれが不正な選択ではないと容易に判断でき、また顧客側にとっては価格が高くなるので間違った場合はこれに容易に気付く。このため、出力を制限することで、操作の簡略化を図ることができるからである。なお、上記例では複数の販売態様の情報の出力を制限したが、その代わりに、複数の販売態様の選択可能な表示を制限する(出力自体を制限するか否かを問わない)ように構成してもよい。何れの場合も、タッチパネル11に複数の販売態様が表示されないまま商品登録に移行するので、同様の効果を有する。
【0046】
なお、上述のように、ステップST1-4において、入力した商品の販売態様が最も高い価格の販売態様であった場合でも、ステップST1-6において、他の装置への報知は行う。これは、単純な間違い操作についてのフォローを迅速に行うためである。会員登録していた顧客の場合は、上記と同様に、2回目以降の場合は報知の態様を変えることが好ましい。
【0047】
ところで、ステップST1-3において、このフルセルフPOS装置1-1に、入力した商品を計量して照合するための秤(質量検知手段)が接続されていたとした場合は、バーコード入力後の商品が計量されることで正しい商品であるか否かを照合できる。このため、販売形態を誤って商品登録する虞はないので、ステップST1-4~5は不要になる(もちろん念のため、これらステップを実行させても良い)。このため、上記ステップST1-3において、秤(質量検知手段)が接続されていたとした場合(ステップST1-3の「Y」)は、その商品の質量を検知する(ステップST1-11)。そのとき、全ての商品をスキャンして個数入力を禁止しても良いし、禁止しない場合は単位質量で数量算出しても良い。そして商品ファイル40に予め記憶されている商品質量(基準質量)と比較・照合し(ステップST1-12)、正しければステップST1-7に移行して商品登録を行い、一方、正しくない場合はステップST1-1に戻って、正しいバーコードの入力からやり直す。
【0048】
なお、秤のエラーを検知した場合は、自動で、または店員の操作によって、上記した秤が未接続の場合の動作処理(前記ステップST1-3からステップST1-4に移行していく処理)に切替え可能としても良い。また秤のエラーが無い場合でも、店員の操作によって、秤が未接続の場合の動作処理に切替え可能としても良い。
【0049】
以上説明したように、上記フルセルフPOS装置1-1によれば、スキャナ部(入力手段)13によって入力されたバーコード情報(商品識別情報)に係る商品について、複数の販売態様がある場合に、これら販売態様の情報を出力する出力手段(ステップST1-5においてタッチパネル11にその情報を出力するCPU201など)を備えるので、複数の販売態様を有する商品について、販売態様の選択ミスがあるか否かの確認を促すことができ、前記操作ミスを防止することができる。また、不正の可能性のある操作を検知・確認し易くなる。
【0050】
さらに具体的に、スキャナ部(入力手段)13によって入力されたバーコード情報(商品識別情報)に係る商品について複数の販売態様がある場合に、当該複数の販売態様を選択可能に表示するタッチパネル(表示手段)11を有するので、複数の販売態様があることを操作者に容易に知らせることができると共に、もし販売態様を間違っていてもこれを容易に変更することができる。
【0051】
また上記フルセルフPOS装置1-1は、上述のように、秤(質量検知手段)の接続の有無を判定する判定手段(ステップST1-3を実行するCPU201など)を備え、前記判定手段が前記秤と接続されていると判定した場合、前記出力手段(ステップST1-5においてタッチパネル11に複数の販売態様の情報を出力するCPU201など)は、販売態様の情報の出力を制限(出力しないなど)している。なお上述のように、出力手段による販売態様の情報の出力の制限(出力しないなど)の代わりに、表示手段による複数の販売態様の選択可能な表示を制限する(表示しないなど)制御を行っても良い。
【0052】
このように、秤によって商品の質量を検知する場合は、その検知によって、販売態様の選択ミスを防止できるので、前記出力手段による出力動作(又は前記表示手段による表示)を省略しても良くなる。即ち上記フルセルフPOS装置1-1によれば、秤の接続の有無によって、それぞれ最適な処理が行えるようになる。
【0053】
なお、上記実施形態に係るフルセルフPOS装置1-1で実行されるプログラムは、ROM203等に予め組み込まれて提供されるものとしているが、これに限られず、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のフルセルフPOS装置1-1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のフルセルフPOS装置1-1で実行されるプログラムを、ネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。これらのことは、下記する各実施形態においても同様である。
【0054】
図8は本発明の第2実施形態にかかる商品販売データ処理装置(以下「対面セルフPOS装置」という)1-2の外観構成を示す斜視図であり、図8(a)は精算操作面側から見た図、図8(b)は登録操作面側から見た図である。また図9は上記対面セルフPOS装置1-2の構成を示すブロック図である。これらの図において、前記図1図2に示す実施形態にかかるフルセルフPOS装置1-1と同一又は相当部分には同一番号(但し各番号には符号「-2」を付す)を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1図7に示す実施形態と同じである。
【0055】
対面セルフPOS装置(対面セミセルフPOS装置)1-2は、店員と顧客が対面しながら、購入しようとする商品の登録を店員が行い、購入しようとする商品の精算を顧客が行うPOS装置であり、図1に示すフルセルフPOS装置1-1と相違する点は、タッチパネルとして、精算側(顧客側)のタッチパネル11-2Aの他に、登録側(店員側)のタッチパネル11-2Bを登録側に向けて設置し、また精算側のスキャナ部13-2Aの他に、登録側(店員側)のスキャナ部13-2Bを登録側に設置し、また印刷部15-2は筐体に対して外回りに180度回転可能で、図では発行口151-2の向きを登録側に向けている点である。尚、印刷部15-2は1台で共用しているが登録側、店員側にそれぞれ印刷部を配置しても良い。また、方向の変更は回転式に限らず、固定式に限らないし、手動、自動も問わない。
【0056】
登録側のタッチパネル11-2Bの側部には、商品の登録の際に使用するプリセットキーなどが設置されている。このタッチパネル11-2Bも、図9に示すように、店員に対して種々の情報を表示する表示部111-2Bと、画面にタッチすることで各種命令を入力する入力部113-2Bの機能を有している。スキャナ部13-2Bは、図8に示すように、ハンディータイプのウォンドスキャナを用いており、商品に付されているバーコードなどを光学的に読み取る。印刷部15-2は、その全体が基台10-2に対して180°回転できる構成となっており、その発行口151-2を、登録側にも精算側にも向けることができる構成となっている。
【0057】
図10は、複数台の上記対面セルフPOS装置1-2を用いて構成される商品販売データ処理システム(以下「POSシステム」という)30-2の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、POSシステム30-2は、管理装置(ストアコントローラ)31-2と、複数台の対面セルフPOS装置1-2とを、LAN33-2によって有線又は無線で相互に接続して構成されている。なお、図10に示したPOSシステム30-2の構成は一例であって、例えば、上記対面セルフPOS装置1-2と共に、上記フルセルフPOS装置1-1や、従来の通常POS装置や、登録装置と精算機が別体のセミセルフPOSシステムや、セルフ精算機などを接続しても良い。また、管理装置31-2の機能を、何れかのPOS装置が有するように構成し、管理装置31-2を省略することも可能である。
【0058】
この対面セルフPOS装置1-2においても、上記図5に示すと同様の動作処理が行われる。但し、対面セルフPOS装置1-2の場合は、登録処理を店員が行い、精算処理を対面している顧客が行うので、図5に示す動作フローの内、登録に関わるステップST1-1~ステップST1-8と、ステップST1-11,12を店員が行い、精算処理の関わるステップST1-9,10を顧客が行う。
【0059】
この対面セルフPOS装置1-2の場合、商品の登録を店員が行うので、これを顧客が行う場合に比べて、操作ミスは生じにくいが、それでもスキャンした商品に複数の販売態様がある場合はスキャンするバーコードを間違える虞などはあるので、これを防止して操作ミスを未然に防ぐため、本発明は有効である。
【0060】
ところで、上記図8に示す対面セルフPOS装置1-2は、対面方式ではない他の使用方式に用いることができる。即ち、この対面セルフPOS装置1-2は、上記したフルセルフPOS装置としても使用できるし、セルフ精算機としても使用できるし、登録装置と精算機が別体のセミセルフPOSシステムの登録装置としても使用できる。即ち、店舗の状況に応じて、即時に切換えて運用することができ、そのため、人手不足の解消やチェックアウトのスピードアップなどに役立つ。使用方法の切換えは、例えば登録側のタッチパネル11-2Bに表示したモード切換ボタンを押下することによって行う。また、対面セルフPOS装置として操作しながら、他の装置が登録データを受信可能であれば、他の装置へ登録データを送信、または引継ぎを行う事もできる。対面で顧客に精算してもらうか、他の装置で顧客に精算してもらうかの判断は、店員が必要に応じて自由に行える。例えば、レジ待機列が長い場合は、クレジットや電子マネーの顧客は対面で操作して、現金の客は他の装置へ渡す、または、カードや現金の準備に時間がかかりそうなら他の装置へ渡す、または、年配者は対面処理で、若者は他の装置に渡すなど、臨機応変に対応できる。セルフ精算機として使用する場合は、登録データを受信することで精算処理を実行し、フルセルフPOS装置として使用する場合は、待機中であればセルフ精算機へ切り替わり、他の客が操作中であれば、該操作終了後にセルフ精算機に切替わるようにも構成できる。
【0061】
対面セルフPOS装置1-2をフルセルフPOS装置に切換えて使用する場合は、図8に示す対面セルフPOS装置1-2において、店員側のタッチパネル11-2Bとスキャナ部13-2Bは使用しない。また図8に示す印刷部15-2の向きを、顧客側に反転し、その発行口151-2を顧客側に向けておく。これによって、前記図1に示すフルセルフPOS装置1-1と同様の機械的構成となるので、前記フルセルフPOS装置1-1と同様の動作処理(動作フロー)を用いることで、フルセルフPOS装置として使用できる。POSシステムとしては、例えば図3に示すPOSシステム30となる。なお、フルセルフPOS装置として使用する場合に、店員側のタッチパネル11-2Bに、顧客側のタッチパネル11-2Aと同一の画面を表示するように構成しても良い。これによって、顧客が何を行っているかを店員が即座に理解でき、困っている場合は操作方法を助言するなど、また店員側のタッチパネル11-2Bによって操作することが可能になる。
【0062】
図11は、上記対面セルフPOS装置1-2をセルフ精算機1-3として複数台用いて構成される商品販売データ処理システム(以下「POSシステム」という)30-3の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、POSシステム30-3は、管理装置(ストアコントローラ)31-3と、登録装置(通常POS装置、または対面セルフPOS装置1-2を登録装置として使用する)50-3と、複数台のセルフ精算機1-3とを、LAN33-3によって有線又は無線で相互に接続して構成されている。なお、図11に示したPOSシステム30-3の構成は一例であって、例えば、上記セルフ精算機1-3と共に、上記フルセルフPOS装置1-1や、対面セルフPOS装置1-2や、従来の精算機などを接続しても良い。また、管理装置31-3の機能を、何れかのPOS装置が有するように構成し、管理装置31-3を省略することも可能である。
【0063】
対面セルフPOS装置1-2をセルフ精算機1-3に切換えて使用する場合も、上記フルセルフPOS装置に切換えた場合と同様に、登録側のタッチパネル11-2Bとスキャナ部13-2Bは使用しない。また図8に示す印刷部15-2の向きを、顧客側に反転し、その発行口151-2を顧客側に向けておく。一方、商品の登録は登録装置50-3で行い、当該登録装置50-3で登録した商品の会計データをセルフ精算機1-3が受信する構成とする。これによって、セルフ精算機1-3として使用できるようになる。
【0064】
登録装置50-3は、店員が商品を登録する従来の通常POS装置(または上記対面セルフPOS装置1-2をこの登録装置として切り換えて使用するPOS装置)であり、購入対象の商品を登録する商品登録処理を実行する。このような商品登録操作によって、登録装置50-3には商品識別情報が入力され、入力された商品識別情報に対応する商品情報を取得する。また登録装置50-3は、一取引ごとに対応して登録された商品の精算に用いられる情報(精算情報)を生成し、記憶する。この通常のPOS装置である登録装置50-3で店員が商品を登録する場合も、店員が商品をスキャンする際、即ち手持ちのウォンドスキャナや固定式のスキャナで商品識別情報(バーコードなど)を読み込む際に、6缶パックの缶ビールの包装紙に添付された商品識別情報ではなく、単品の缶ビールに添付された商品識別情報をスキャンしてしまった場合は、客側表示画面に、商品内容量・規格など態様を変えて表示(例えば色の変更、点滅させるなど)して顧客にも注意を促し、また店員側の登録画面には、ポップアップ表示などで、「○○○ビール 350ml 単品です」のような報知を行う。このような報知メッセージと共に、商品登録を正しい商品にワンタッチで変更するキーがあっても良い。また、直前訂正ボタンを表示して、これを押下することで改めて正しい商品識別情報をスキャンするように構成しても良い。また小計を行うため、登録した商品の画面を一覧表示する際に、報知する手段として、該当する商品表示欄を他とは態様を変更して表示したり、マークなどを表示したりしても良い。レシートにマークを付けても良い。また、誤って登録したものについては通常の訂正処理の履歴に加えた、または別のフラグで履歴を管理する。具体的には、フラグ1:通常の訂正、フラグ2:販売態様変更訂正、とするか、別の領域でフラグ管理しても良い。
【0065】
一方この実施形態では、複数のセルフ精算機1-3が設置され、複数のうちのいずれか1台が、登録装置50-3において生成された精算情報を用いて精算処理を実行する。複数のセルフ精算機1-3のうちから、精算処理を実行させるべきセルフ精算機1-3を指定する態様としては、下記の第1の指定態様と第2の指定態様が挙げられる。
【0066】
第1の指定態様は、精算処理を実行させるセルフ精算機1-3を、店員が登録装置50-3にて指定する態様である。すなわち、店員が、セルフ精算機1-3を指定する操作を登録装置50-3に対して行うことによって、複数のセルフ精算機1-3のうちから精算処理を実行させるセルフ精算機1-3を指定する。なお、登録装置50-3において、各セルフ精算機1-3の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置50-3において、店員がセルフ精算機1-3を指定する際に、各セルフ精算機1-3の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0067】
店員がセルフ精算機1-3を指定した場合には、LAN33-3を介して、登録装置50-3において生成された商品登録データを含む精算情報が、指定されたセルフ精算機1-3に送信される。すなわち、登録装置50-3は、商品登録処理に続いてセルフ精算機1-3が指定された場合には、指定されたセルフ精算機1-3に対し、当該商品登録処理に基づく商品登録データを含む精算情報を送信する。なお、本実施形態では、登録装置50-3は、直接、セルフ精算機1-3に精算情報を送信するが、管理装置31-3を経由して、セルフ精算機1-3に精算情報を送信してもよい。
【0068】
また、第2の指定態様は、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置50-3から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、顧客が1つのセルフ精算機1-3に読み取らせる態様である。すなわち、顧客が、店員から手渡しされたお会計券をセルフ精算機1-3に読み取らせることによって、複数のセルフ精算機1-3のうちから精算処理を実行させるセルフ精算機1-3を指定する。お会計券には、発行元の登録装置50-3を示す登録装置識別情報と精算情報とが、バーコード(一次元コード)または2次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。セルフ精算機1-3は、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される精算情報から商品登録データを取得する。
【0069】
セルフ精算機1-3は、顧客の操作に応じて精算処理を実行する。また、セルフ精算機1-3は、精算処理を終了した場合には、登録装置50-3に精算処理の終了を通知する。
【0070】
なお、この実施形態において、複数のセルフ精算機1-3のうちから精算処理を実行させるセルフ精算機1-3を指定する態様としては、精算処理を実行させるセルフ精算機1-3を、店員が登録装置50-3にて指定する態様(第1の指定態様)と、顧客に手渡しされるお会計券を登録装置50-3から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、顧客が1つのセルフ精算機1-3に読み取らせる態様(第2の指定態様)とを挙げている。しかながら、セルフ精算機1-3を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下のようにセルフ精算機1-3を指定する態様であってもよい。
【0071】
1つの態様として、商品登録の完了に応じて登録装置50-3のタッチパネル(店員用表示部)に表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置50-3が、例えばセルフ精算機1-3に状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)セルフ精算機1-3を認識し、使用中でないセルフ精算機1-3のうちから所定の規則(例えば精算装置番号順)に従って、1つのセルフ精算機1-3を決定する。そして、登録装置50-3は、決定したセルフ精算機1-3に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0072】
もう1つの態様として、予めセルフ精算機1-3について精算処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、登録装置50-3のタッチパネル(店員用表示部)にセルフ精算機1-3への精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置50-3は、設定された優先順位に従った順でセルフ精算機1-3の精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次のセルフ精算機1-3について確認するようにする。そのうえで、登録装置50-3は、最初に精算処理が可能であることが確認されたセルフ精算機1-3に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0073】
もう1つの態様として、登録装置50-3は、全てのセルフ精算機1-3に精算情報を送信する。精算情報を受信したセルフ精算機1-3は、自己が受信した精算情報を利用して精算処理を実行可能な状態となると、自己が精算処理を実行することを通知する精算処理実行通知を精算情報の送信元の登録装置50-3に送信する。登録装置50-3は、精算処理実行通知の受信に応じて、精算処理実行通知の送信先のセルフ精算機1-3を示す表示(精算処理実行表示)を行う。店員は、精算処理実行表示を見て、精算処理を実行するセルフ精算機1-3がいずれであるのかを顧客に伝えればよい。この際、精算処理実行表示とともに、精算処理実行通知を送信したセルフ精算機1-3に設置した図示しないサインポールを所定のパターンで点灯させたり、セルフ精算機1-3のブザー(図9のブザー209-2に相当する)から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてもよい。
【0074】
もう1つの態様として、登録装置50-3にて商品登録を終えた商品が容れられた買い物カゴを、店員が、セルフ精算機1-3ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに移動させる。カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサが備えられている。センサによりカゴ置き場に買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応のセルフ精算機1-3が要求を行って、登録装置50-3から対応の精算情報を取得し、精算処理を実行するようにされる。この場合にも、精算処理を実行することとなったセルフ精算機1-3が、サインポールの点灯や報知音の出力などにより、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてもよい。
【0075】
もう1つの態様として、登録装置50-3は、精算情報と、複数のセルフ精算機1-3間での転送順を設定した転送順情報とを含む精算指示情報を、或る1つのセルフ精算機1-3に送信する。転送順情報は、セルフ精算機1-3間で循環的に転送順を指定するものであってよい。精算指示情報を受信したセルフ精算機1-3は、自己が精算処理を実行可能であれば、精算指示情報の送信元の登録装置50-3に対して、精算処理実行通知を送信し、受信された精算指示情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行する。一方、精算指示情報を受信したセルフ精算機1-3は、自己が精算処理を実行不可である場合、受信された精算指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次のセルフ精算機1-3に対して、受信された精算指示情報を転送する。このようにして、セルフ精算機1-3間で精算指示情報が順次転送されるようにすることによっても、精算処理を実行させるべきセルフ精算機1-3の指定に相当する手順が実現される。
【0076】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0077】
以上の説明に関し、さらに以下の項を開示する。
(付記1)
商品の登録を行う登録手段(ステップST1-7)と、
前記商品の販売に関連する情報を記憶する記憶手段(商品ファイル40を記憶するRAM205など)と、
を有する商品販売データ処理装置において、
前記記憶手段は、さらに前記商品に単品での販売態様の他に複数品での販売態様がある場合は、前記商品の各販売態様を関連付けて記憶し(商品ファイル40の他の販売態様の欄)、
前記商品の複数の販売態様の内、前記登録手段にて何れかの販売態様の当該商品を登録すると、当該登録した販売態様の価格とそれ以外の販売態様の価格とを比較する比較手段(ステップST1-4)を備え、
前記登録手段にて登録した商品の販売態様よりも高価な販売態様の価格が設定されている場合(ステップST1-4の「N」)に、報知する報知手段(ステップST1-5,タッチパネル11)を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
(付記2)
前記複数の販売態様は、単品での販売態様と、少なくとも前記単品での販売態様よりも高値で販売する販売態様とを含むことを特徴とする付記1に記載の商品販売データ処理装置。
(付記3)
前記報知手段は表示操作部(タッチパネル11)を備え、前記商品の前記複数の販売態様を選択可能に表示する(ステップST1-5)ことを特徴とする付記1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
(付記4)
前記報知手段は表示操作部(タッチパネル11)を備え、前記商品の販売態様の正否を確認する確認手段(表示画面G1,G2など)を表示することを特徴とする付記1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
(付記5)
前記報知手段は、質量検知手段の接続有無を判定する判定手段(ステップST1-3)を備え、前記質量検知手段が未接続であると判定された場合は、前記表示操作部(タッチパネル11)に前記商品の販売態様の正否を確認する確認手段(表示画面G1,G2など)を表示することを特徴とする付記4に記載の商品販売データ処理装置。
(付記6)
前記単品での販売態様より高値で販売する販売態様は、所定の数量単位、ダース単位、ケース単位の少なくとも何れか1つであることを特徴とする付記2に記載の商品販売データ処理装置。
(付記7)
質量検知手段の接続の有無を判定する判定手段を備え、
前記判定手段が前記質量検知手段が接続されていると判定した場合、前記表示手段は、複数の販売態様の選択可能な表示を制限することを特徴とする請求項3に記載の商品販売データ処理装置 。
(付記8)
前記入力手段によって商品識別情報を入力した商品の販売態様が、前記複数の販売態様の内で最も高い価格が設定されている販売態様の場合、前記表示手段は、複数の販売態様の選択可能な表示を制限することを特徴とする請求項3に記載の商品販売データ処理装置。
【符号の説明】
【0078】
1-1 商品販売データ処理装置(フルセルフPOS装置)
1-2 商品販売データ処理装置(対面セルフPOS装置)
1-3 セルフ精算機 10,10-2 基台
11,11-2A,11-2B タッチパネル(表示手段)
13,13-2A,13-2B スキャナ部(入力手段)
15,15-2 印刷部 17 紙幣投入口
18 硬貨投入口 19 お釣り排出口
30,30-2,30-3 商品販売データ処理システム(POSシステム)
31,31-2,31-3 管理装置(ストアコントローラ)
33,33-2,33-3 LAN 35 ネットワーク
40(40-1,40-2) 商品ファイル(商品マスタ)
50-3 登録装置(登録用POS装置) 111,111-2B 表示部
113,113-2B 入力部 151,151-2 発行口
201 CPU 203 ROM
205 RAM 207 通信部
209,209-2 ブザー 211 入出金部
213 バス G1,G2,G3 表示画面
G11,G12,G13,G21,G22 ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11