(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】加工機器の工具交換装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/157 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B23Q3/157 M
(21)【出願番号】P 2023164013
(22)【出願日】2023-09-26
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】515207329
【氏名又は名称】聖杰國際股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sanjet International Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.288-1,Desheng Rd. Daya District Taichung City 428,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 慶三
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】台湾特許出願公開第202333887(TW,A)
【文献】特開昭48-027379(JP,A)
【文献】特開平10-094932(JP,A)
【文献】特開昭57-001637(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115026614(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q3/155-3/157
B23Q5/22
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動けないように固定された台座と、
前記台座に結合されると共に移行カム、被動部、転回軸及び回転座を含み、前記移行カムは、第一軸線を中心として回転するように制御され、前記移行カムは、表面に曲線凹溝を有し、前記被動部は、前記曲線凹溝に嵌入した突出部を有し、前記移行カムが回転している場合に前記第一軸線方向に沿って往復運動を行い、前記転回軸は、前記台座を穿設すると共に第二軸線を中心として回転可能であり、前記転回軸における
一端側が前記被動部とかみ合うように連動し、前記転回軸における
他端側が前記回転座と固定するように接続される、伝動機構と、
前記回転座に接続されると共に第一位置と第二位置との間を揺動可能である、工具交換アームを含む、ことを特徴とする加工機器の工具交換装置。
【請求項2】
前記伝動機構は、被動ギアを含み、前記被動ギアは、前記転回軸
を覆い、
前記被動部は、前記第一軸線方向に設置されたギア面を有し、そのギア面を介してかみ合うように前記被動ギアと連動し、前記被動ギアは、前記転回軸と連動して回転する、ことを特徴とする請求項1に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項3】
前記伝動機構は、少なくとも一つの中央ギアを含み、
前記被動部における前記ギア面は、前記中央ギアとかみ合い、前記少なくとも一つの中央ギアは、前記被動ギアとかみ合い、前記少なくとも一つの中央ギアの歯数が前記被動ギアの歯数よりも少ない、ことを特徴とする請求項2に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項4】
前記伝動機構は、線性軌道とスライドブロックを含み、
前記線性軌道と前記スライドブロックは、そのうちの一方が前記台座に固定して接続される一方、他方が前記被動部に固定して接続され、前記線性軌道と前記スライドブロックとがすべり対偶で組み合わせられる、ことを特徴とする請求項1に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項5】
前記伝動機構は、前記台座と接合された伝動座を含み、前記移行カムは、回転可能に前記伝動座に設置されており、
前記工具交換装置は、前記伝動座が前記第一軸線の方向に沿って移行するように連動するための微細調整手段を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項6】
前記微細調整手段は、少なくとも一つの調節棒を含み、前記伝動座と前記台座がすべり対偶で組み合わせられ、
前記少なくとも一つの調節棒は、駆動されることにより回転して
、前記伝動座が移行するように連動する、ことを特徴とする請求項5に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項7】
前記伝動座は、複数の長溝穴を有し、前記台座は、複数の位置付け穴を有し、複数の位置決めピンは、それぞれ、前記長溝穴を通って対応する位置付け穴に延長し、
前記少なくとも一つの調節棒は、第一調節棒と第二調節棒を有し、前記第一調節棒は、駆動されることにより回転し、前記伝動座が第一方向へ移行するように連動し、前記第二調節棒は、駆動されることにより回転し前記伝動座が第二方向へ移行するように連動し、前記第一方向と前記第二方向とが逆の方向である、ことを特徴とする請求項6に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項8】
前記伝動機構は、伝動座とモーターを含み、
前記伝動座は、前記台座と結合され、前記移行カムは、前記伝動座に設置され、前記モーターは、前記伝動座と結合されると共に前記移行カムが回転するように連動し、
前記工具交換装置は、前記伝動座に結合されると共に前記移行カムによる回転角を検測するための角度センシングモジュールを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項9】
前記角度センシングモジュールは、磁石と角度センサーを含み、
前記磁石は、前記移行カムの一方端面に設置されると共に前記移行カムの回転に伴って回転し、
前記角度センサーは、前記伝動座に固定されると共に、前記磁石の磁力線の回転角を非接触で誘導して信号を発生し、前記信号は、前記モーターに稼働を停止させるように制御する、ことを特徴とする請求項8に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項10】
前記角度センシングモジュールは、前記伝動座に設置された二つの角度検測手段を含み、
前記移行カムには、前記移行カムと同期に回転可能な二つの被誘導部が設置されており、
各前記角度検測手段は、前記被誘導部を検測して信号を発生し、前記信号は、前記モーターが稼働を停止するように制御する、ことを特徴とする請求項8に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項11】
前記伝動座に設置された二つの位置検測手段、及び、前記被動部に設置された被誘導部を含み、
各前記位置検測手段は、前記角度センシングモジュールに電気接続され、前記角度センシングモジュールが前記信号を送信する場合に前記被動部における被誘導部をセンシングしながら確認信号を発生する、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項12】
前記工具交換アームが前記第一位置又は前記第二位置に位置付けられるための位置制限手段を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の加工機器の工具交換装置。
【請求項13】
前記位置制限手段は、前記台座に設けられた阻止面、前記回転座に設置された第一当接部と第二当接部を含み、
前記第一当接部が前記阻止面と接触している場合には、前記工具交換アームが前記第一位置に位置する一方、前記第二当接部が前記阻止面と接触している場合には、前記工具交換アームが前記第二位置に位置する、ことを特徴とする請求項12に記載の加工機器の工具交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工センターに含まれる機器に関し、特に、加工機器の工具交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マガジンを設けた既知の加工センターに含まれる機器とは、自動工具交換機構により、加工用工具を急速で切り替える目的を図るものである。前記自動工具交換機構は、工具交換アームを含み、前記工具交換アームは、回転軸の一方端が工具アームに接続されるように構成され、前記回転軸は、駆動される場合に、前記工具アームが回転するように連動することにより、工具を交換する。なお、一部の種類の機械において、工具を交換するためのアーム全体は、二つの固定点間を揺動して移行できるように制御しなければ、異なる工具を交換する構造に合致できず、例えば、主軸頭が起立式となる工具交換作業又は主軸頭が横式になる工具交換作業に適用されることができない。
【0003】
既知の工具交換機構は、工具交換アームが、九十度という範囲で反転可能な回転座に取り付けられ、前記回転座が反転するように制御することにより、前記工具交換アーム全体が0度と90度の二つの固定点間を移動するように連動することができる。しかしながら、工具交換アームは、全体としてその重さが軽くないことから、前記回転座が反転するように安定かつ円滑に連動するために、既知の形態として、比較的大きいパワーを発生して出力することができる油圧シリンダーを動力源とすることが採用されてきた。しかし、油圧手段を前記回転座が反転するように押す形態は、潜在的に、前記回転座の反転と位置づけが正確でないという問題が存在している。また、油圧構成には、油圧液が漏れになり、又は、油圧液を後で処理することが環境に優しくない問題も存在している。それ以外、使用際に油圧液の温度が高すぎてならないという制限も存在している。故に、二つの固定点間を移動可能な従来の工具交換機構には、完璧なものと思わず改良すべきところもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このことに鑑み、回転座の反転と定位が正確になる、加工機器の工具交換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、動けないように固定された台座、伝動機構及び工具交換アームを含んだ加工機器の工具交換装置を提供する。そのうち、前記伝動機構は、前記台座に結合されると共に移行カム、被動部、転回軸及び回転座を含み、前記移行カムは、第一軸線を中心として回転するように制御され、前記移行カムは、表面に曲線凹溝を有し、前記被動部は、前記曲線凹溝に嵌入した突出部を有し、前記移行カムが回転している場合に、前記第一軸線方向に沿って往復運動を行い、前記転回軸は、前記台座を穿設すると共に第二軸線を中心して回転可能であり、前記転回軸における前記台座の内側に位置する部分が前記被動部とかみ合うように連動し、前記転回軸における前記台座の外側に位置する部分が前記回転座と固定するように接続され、前記工具交換アームは、前記回転座に接続されると共に第一位置と一第二位置との間を揺動可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明による効果は、前記移行カムが回転するように駆動することにより前記被動部が水平移動するように連動し、水平移動している被動部が、噛み合いにより、前記転回軸が回転するように連動し、回転している転回軸により、前記工具交換アームが二つの固定点間を正確に位置付けて揺動するように連動することができる、ということにある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係る加工機器の工具交換装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示される加工機器の工具交換装置を分解した分解図である。
【
図3】
図1に示される加工機器の工具交換装置を示すものであって、工具交換アームが第一位置に位置することを示す正面図である。
【
図4】
図2に示される加工機器の工具交換装置についてその一部の構成を分解した分解図である。
【
図5】
図4に示される構件の組み合わせを他の視角から見た斜視図である。
【
図6】
図2に示される加工機器の工具交換装置において伝動機構についてその一部の構成を分解した分解図である。
【
図7】
図6に示される構件を分解した分解図である。
【
図8】
図3に示される加工機器の工具交換装置において伝動機構を簡単に示したものであって、回転座の第一当接部が阻止部と接触していることを示す図である。
【
図9】
図3と同様に工具交換アームが第二位置に位置することを示す図である。
【
図10】
図8と同様に前記回転座の第二当接部が前記阻止部と接触していることを示す図である。
【
図11】
図8に示される結構を局所的に拡大したものであって、角度センシングモジュールと移行カムとの位置関係を示す断面図である。
【
図12】他の角度センシングモジュールと伝動機構との位置関係を示す斜視図である。
【
図13】
図1に示される加工機器の工具交換装置についてその一部の構件を分解した分解図である。
【
図14】伝動座と起立壁との組み合わせ関係を示す断面図である。
【
図15】
図3に示される加工機器の工具交換装置において伝動機構を局所的に拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明をより明確に説明するように、好ましい実施例を挙げて図面を参照しながら以下に詳しく説明する。
図1乃至
図3を参照すると、示すように、本発明における好ましい実施例に係る加工機器の工具交換装置100は、加工機器における主軸の工具とマガジンにおける工具を交換するためのものである。前記工具交換装置100は、動けないように固定された台座10、工具交換アーム20及び伝動機構30を含む。そのうち、前記工具交換アーム20は、回転軸21及び工具アーム22を含み、前記回転軸21は、一方端が前記工具アーム22に接続され、前記工具アーム22は、工具棒(不図示)を挟むための対向する両方端を有し、前記回転軸21は、回転するように駆動されることにより、前記工具アーム22が180度だけ回転して切り替えるように連動する。
【0009】
前記伝動機構30は、前記台座10に結合されると共に、前記工具交換アーム20が二つの固定点間を移動するように連動する。本実施例では、前記伝動機構30は、前記工具交換アーム20が0度(
図3参照)と90度(
図9参照)との二つの固定点間を往復反転するように連動可能である。説明すべきことは、前記二つの固定点が0度と90度に限らず、実際のニーズに応じて調整されてもよい。以下に、前記工具交換アーム20が二つの固定点間を移動するように連動することができる具体的な構成について詳しく説明する。そのうち、前記台座10は、基部11及び前記基部11と起立するように接続される起立壁12を有する。前記工具交換アーム20に面する前記起立壁12の一方側を外側、反対する一方側を内側として定義すると、前記起立壁12における内側に位置する一側面には、二つの垣根13が設けられ、前方カバー14が取り外し可能に前記二つの垣根13を跨いで接続される。
【0010】
図4と
図5に示すように、前記伝動機構30は、ギアシャフト31、転回軸32、中央ギア33、被動ギア34及び回転座35を含む。前記ギアシャフト31と前記転回軸32とは、両方端が、それぞれ、前記起立壁12と前記前方カバー14を穿設し回転可能に前記二つの垣根13間に平行設置される。前記中央ギア33は、前記ギアシャフト31を覆うように接続され、前記被動ギア34が前記転回軸32を覆うように接続され、前記被動ギア34と前記転回軸32との間に鍵溝を設けると共に鍵を置くという形態(不図示)により連動することが可能になり。前記中央ギア33は、前記被動ギア34とかみ合うと共に、その歯数が前記被動ギア34の歯数よりも小さい。前記回転座35は、前記台座10における前記起立壁12の外側に起立し、複数のボルト24を介して前記工具交換アーム20における機器ケース23と固定するように接続される。前記回転座35は、複数の通り穴351を有し、複数のボルト36を介して、それぞれ前記通り穴351を通って前記転回軸32にロックし、前記起立壁12の一方端から通り抜けて、前記転回軸32と固定して接続される。前記転回軸32は、回転際に、前記回転座35と前記工具交換アーム20とが共に反転するように連動する。なお、前記転回軸32における前記起立壁12から通り抜けた部分は、さらに、阻み管37を覆うように接続される。前記阻み管37は、前記起立壁12と前記回転座35との間に位置することにより、作業環境においてほこりやかけらが予想せぬ、前記転回軸32と前記起立壁12との間に入って前記転回軸32の回転する円滑性を妨げるということを避けることができる。
【0011】
図6と
図7を再度参照すると、前記伝動機構30は、伝動座38、移行カム39、モーター40、及びスライドブロック41、線性軌道42及び被動部43をさらに含む。そのうち、前記伝動座38は、複数の位置決めピン44を介して前記台座10の起立壁12に結合される。前記伝動座38は、距離をおいた右側板381と左側板382を有し、前記右側板381と前記左側板382にそれぞれ前方シャフト45及び後方シャフト46を設ける。前記移行カム39は、本実施例において円柱形状となったカム(cylindricalcam)であって、その両端にそれぞれ前記前方シャフト45と前記後方シャフト46を通るように設置され、それにより回転可能に前記伝動座38に結合される。前記移行カム39は、表面に曲線凹溝391を設ける。前記モーター40は、前記伝動座38の左側板382に接続されると共に、前記移行カム39が第一軸線L1を中心として回転するように連動することができる。
【0012】
前記スライドブロック41、線性軌道42及び被動部43は、前記中央ギア33と前記移行カム39との間に設置される。前記スライドブロック41は、動けないように前記起立壁12に結合される。前記線性軌道42と前記スライドブロック41は、すべり対偶(slidingpair)で組み合わせられる。前記被動部43は、複数のネジ47を介して前記線性軌道42と一体化にして固定するように接続される。前記被動部43は、頂上面に、上記第一軸線L1の方向に沿って設置されたギア面431を有する。前記ギア面431は、前記中央ギア33とかみ合う。前記被動部43は、底面に突出部432を有する。前記突出部432は、前記移行カム39における前記曲線凹溝391に嵌入する。本実施例では、突出部432が、棒主体432aと頭部432bを含んだ柄付き軸承とされる。前記棒主体432aは、一方端が前記被動部43の底面に接続される一方、他方端が前記頭部432bに接続される。前記頭部432bは、前記曲線凹溝391に位置する。前記頭部432bを回転可能に設けることにより、前記曲線凹溝391と接触して摩損してしまうことを抑えることができる。前記頭部432bを回転不可能で設けることにより、前記棒主体432aと一体化にして自体の安定性を高めるように構成される。
【0013】
以上は、本発明の好ましい実施例に係る工具交換装置100の構成について説明したが、次に、その作動形態について説明する。
【0014】
図3及び
図8は、示すように、前記工具交換アーム20が直立している状態を示す。前記状態にある工具交換アーム20が第一位置P1に位置すると定義される。
図9と
図10を参照すると、示すように前記モーター40を起動させて前記移行カム39が回転するように駆動する場合には、回転している移行カム39がその曲線凹溝391により前記突出部432を押す。前記被動部43は、前記スライドブロック41と前記線性軌道42とがすべり対偶で組み合わせられる形態による制限があることから、前記第一軸線L1の方向に沿ってしか平移できないと共に、被動部43のギア面431がかみ合いにより前記中央ギア33を連動し、前記中央ギア33がかみ合いにより前記被動ギア34を連動し、回転している被動ギア34により、前記転回軸32が第二軸線L2(
図4参照)を中心として回転するように連動する。そうすると、前記回転座35と前記工具交換アーム20とが同期に反転するように連動することができる。前記工具交換アーム20が水平方向に設けられているまで揺動すると、前記状態にある工具交換アーム20が第二位置P2に位置すると定義される。一方、前記移行カム39が反転するように制御すると、前記工具交換アーム20を前記第一位置P1に戻るように引くことができる。なお、前記移行カム39における曲線凹溝391の行程の長さは、前記工具交換アーム20が前記第一位置P1と前記第二位置P2との間を確実に揺動できるように、ちみつに設計を行ったものである。
【0015】
なお、本発明では、前記工具交換アーム20を前記第一位置P1又は前記第二位置P2に正確に位置付けるための位置制限手段をさらに提供してもよい。
図4及び
図5に示すように、本実施例に係る位置制限手段は、前記台座10における前記起立壁12の外側に設置された阻止部15を含む。前記阻止部15は、阻止面15aを有し、また、前記回転座35における相違する二つのポイントに、それぞれ、第一当接部352と第二当接部353を設置する。そのうち、前記第一当接部352が前記阻止面15aにおける上部の箇所と接触している場合には、前記工具交換アーム20が正確に、前記第一位置P1(
図3及び
図8参照)に位置付けられることになる。また、前記第二当接部353が前記阻止面15aにおける下部の箇所と接触している場合には、前記工具交換アーム20が正確に前記第二位置P2(
図9及び
図10参照)に位置付けられることになる。要するに、前記曲線凹溝391をちみつに設計することを基礎に、前記阻止部15を設置することにより、前記回転座35が必要以上偏向してしまったことを避け、前記工具交換アーム20を正確に、前記第一位置P1又は前記第二位置P2に位置付けることを確保することができる。具体的な適用例において、前記第一当接部352と第二当接部353がボルトである。ボルトを前記回転座35にロックした深さを微細調整することにより、前記第一当接部352又は前記第二当接部353を前記阻止面15aに接触させることを早めたり遅らせたりして、前記工具交換アーム20に、正確な位置付ける効果を持たせることができる。なお、前記実施例において、台座10に阻止面15aを設置し、回転座35に第一当接部352と第二当接部353を設置したが、実際の必要に応じて、台座に第一当接部と第二当接部を設置し、回転座に阻止面を設置してもよい。
【0016】
上記実施例では、電気制御を、工具交換アーム20が揺動するように駆動するための動力源とする。つまり、前記モーター40により、直接的に、前記移行カム39が正反方向に回転するように駆動する。それにより、前記被動部43が前記第一軸線L1方向に沿って往復運動を行うように連動する。それに基づいて、前記工具交換アーム20が二つの固定点間を揺動するように制御する目的を図る。油圧シリンダーにより、工具交換アームが二つの固定点間を移動するように連動する場合に、油圧液が漏れたと、その油圧液に対する処理が環境に優しくないという問題を解決することができると共に、本発明に係る結構は、油圧液の温度が高すぎることにより使用が制限されてしまうことがない。
【0017】
上記被動部43は、かみ合いにより、前記台座10の内側に位置する転回軸32を覆った被動ギア34と連動して、工具交換アーム20が揺動するように連動するという目的を図る。上記実施例において、被動ギア34と被動部43のギア面431との間に中央ギア33を設置する。説明すべきことは、中央ギアの数が一つに限らず、実際の必要に応じて加減してもよい。また、前記転回軸の周面をギア面に設けると共に前記被動部のギア面と直接的に噛みかうように設置してもよい。それによると、前記中央ギアを設置する必要が無くなる。
【0018】
本発明に係る工具交換装置には、前記移行カムの回転角を検測して、モーターに稼働を停止させるように即時で制御するための角度センシングモジュールを追加して設置してもよい。
図1と
図6に示すように、前記角度センシングモジュール50は、上記実施例に係る工具交換装置100の伝動座38に取り付けられる。
図7と
図11に示すように、前記角度センシングモジュール50は、磁石51、角度センサー52及びコントローラー53を含む。前記磁石51は、前記移行カム39における側方穴392に塞がれた固定リング54を介して、前記移行カム39の端面に位置すると共に、前記移行カム39が回転するにつれ回転することができる。前記角度センサー52は、前記伝動座38における前記右側板381に固定される。前記角度センサー52は、前記磁石51における被誘導面51aと所定の微細距離をおいた誘導面52aを有する。前記微細距離は、1.5mm~3.5mmと設置されるが、2.5mmだけ距離をおくほうが好ましい。前記誘導面52aは、非接触で前記磁石51における磁力線の回転角が変化するように誘導する。誘導された磁力線の回転角(移行カムの回転角と等しい)が所定値に合致していると、前記コントローラー53が前記角度センサー52に生じた信号を受信しながら前記モーター40に稼働を停止させるように制御する。前記回転角の所定値は、前記工具交換アーム20が0度及び90度の角度で二つの固定点の位置に対応しており、つまり、前記工具交換アーム20が前記第一位置P1又は前記第二位置P2に到着すると、前記モーター40に稼働を停止させることにより、前記工具交換アーム20が必要以上揺動してしまうのを避けることができる。
【0019】
また、前記角度センシングモジュールは、二つの角度検測手段と二つの誘導ブロックからなるものであってもよい。
図12に示すように、二つの前記角度検測手段55は、近接スイッチであってそれぞれ固定板57に接続される。前記固定板57は、前記伝動座38の右側板381に固定して接続される。二つの前記誘導ブロック56は、信号カムであって、前記移行カム39と同期に回転できるように前記移行カム39の一方端に覆って接続される。二つの前記誘導ブロック56は、それぞれ、凸となった被誘導部56aを有し、各前記被誘導部56aがずれて設置される。各前記角度検測手段55が前記被誘導部56aを即時でセンシングすると、回転角と対応的に信号を発生する。前記信号は、同様に、前記モーター40に稼働を停止させるように制御するために用いられる。
【0020】
なお、本発明に係る工具交換装置には、前記被動部の位置を検知するための二つの位置検測手段を追加して設置してもよい。
図12に、二つの前記位置検測手段58と二つの前記角度検測手段55とが共にコントローラー(不図示)に電気接続される。二つの前記位置検測手段58を間隔を置いてそれぞれ固定板59に接続する。前記固定板59は、それから前記伝動座38における先端板383に固定するように設けられる。被動部43と線性軌道42を一体化にしてロックするためのネジを、頭部を有したネジ48を使うように変わる。前記頭部は、被誘導部48aを構成する。前記移行カム39が回転しながら前記角度検測手段55が回転角と対応的に信号を送信する場合は、二つの前記位置検測手段58のうちの一つにより、水平方向に移動した後に、前記被動部43における被誘導部48aをセンシングして確認信号を生じさせることになる。今まで、前記被動部43が十分に移動したと確認することができる。一方、角度検測手段55が回転角と対応的に信号を送信したものの、位置検測手段58がまだ、対応的に、確認信号を送信しなかった場合には、前記被動部43が予想通り十分に移動できたと思わず、この時のコントローラーによりアラーム信号を故障の提示として生じさせる。そして、故障を即時で排除することができる。前記位置検測手段を設置することについて磁石と角度センサーからなる角度センシングモジュールと組み合わせて使用すると良い。
【0021】
上記よりわかるように、本発明に係る工具交換装置100は、移行カム39、被動部43、中央ギア33及び被動ギア34について、それらの連動関係により、前記工具交換アーム20が所定の範囲に揺動できるようになるのみならず、前記第一位置P1又は前記第二位置P2に正確に位置付けられることも可能である。また、ギアの隙間が効果的に無くなるために、本発明は、前記伝動座38が前記第一軸線L1の方向に沿って移行するように連動できる微細調整手段をさらに提供する。前記微細調整手段は、少なくとも一つの調節棒を含む。伝動座38と台座10は、すべり対偶という形態で組み合わせられる。前記移行カム39が前記伝動座38に結合されることから、前記少なくとも一つの調節棒が回転するように駆動する際に、前記伝動座38と前記移行カム39が同期に移行するように連動することができる。
【0022】
図13乃至
図15に示すように、上記目的を実現する実施例において、前記台座10における起立壁12の内側面に、平行している二つの拘束面16を設ける。前記伝動座38は、尾端板384における上下辺縁に、それぞれ、肩部385をし、又は、前記起立壁12に複数の位置付け穴12aを設ける。前記尾端板384は、複数の長溝穴384aを有する。前記伝動座38を取り付ける場合には、その肩部385により、拘束面16と組み合わせ、複数の前記位置決めピン44を用いてそれぞれ前記長溝穴384aを介して位置付け穴12aに対応的に伸び込む。それにより、前記伝動座38は、前記長溝穴384aの長軸方向の範囲において前記第一軸線L1の方向に沿って移行することが可能である。一実施例では、前記位置付け穴12aがネジ穴、前記位置決めピン44がボルトとされる。
【0023】
また、前記少なくとも一つの調節棒係は、ボルトを例に挙げた第一調節棒60と第二調節棒61を含む。本実施例では、第一調節棒60と第二調節棒61が、同一側に設置される。そのうち、前記第一調節棒60は、前記起立壁12上における固定ブロック62にロックして固定するように接続される。前記固定ブロック62は、前記第一調節棒60の回転する際の固定支持ポイントを構成する。故に、前記第一調節棒60が前方へ移動するように駆動する場合には、前記第一調節棒60により前記伝動座38が第一方向D1へ移行するように押す。前記第二調節棒61は、前記伝動座38におけるネジ穴386に直接的にロックされている。しかも、第二調節棒61は、一方端が前記位置決めピン44の胴体に当接する。位置決めピン44は、一方端が前記位置付け穴12aに伸び込んだ。故に、前記第二調節棒61が回転するように駆動する際に、前記第二調節棒61と接触している位置決めピン44が固定支持ポイントを構成することになる。前記第二調節棒61は、引き続き、ネジ穴386へロックされ続ける場合に、前記伝動座38が引かれたように前記第一方向D1における第二方向D2へ逆に移動することになる。以上より、前記移行カム39を同期に移動する。
【0024】
上記において、前記伝動座38と同期に移行している前記移行カム39は、前記突出部432を介して、前記被動部43が移動するように当接して押し出す。それにより、ギア間の隙間が無くなると共に、前記工具交換アーム20全体の揺動方向を微細調整することができるという目的を達成することができる。説明すべきことは、他の実施例において、前記第一調節棒60と第二調節棒61を反対側に設置してもよく、即ち、それぞれ、右側板381と左側板382の外側に設置してもよい。なお、第一調節棒60と第二調節棒61には、第一調節棒60と第二調節棒61を正確に位置付けるように、それぞれU型ナット63をロックして設置してもよい。
【0025】
以上は、本発明における好ましい実施可能実施例に過ぎず、本発明の明細書及び特許の範囲に基づいた如何なる均等置換が本発明の特許範囲に含まれるとは言うまでもない。
【符号の説明】
【0026】
100 工具交換装置
10 台座
11 基部
12 起立壁
12a 位置付け穴
13 垣根
14 前方カバー
15 阻止部
15a 阻止面
16 拘束面
20 工具交換アーム
21 回転軸
22 工具アーム
23 機器ケース
24 ボルト
30 伝動機構
31 ギアシャフト
32 転回軸
33 中央ギア
34 被動ギア
35 回転座
351 通り穴
352 第一当接部
353 第二当接部
36 ボルト
37 阻み管
38 伝動座
381 右側板
382 左側板
383 先端板
384 尾端板
384a 長溝穴
385 肩部
386 ネジ穴
39 移行カム
391 曲線凹溝
392 側方穴
40 モーター
41 スライドブロック
42 線性軌道
43 被動部
431 ギア面
432 突出部
432a 棒主体
432b 頭部
44 位置決めピン
45 前方シャフト
46 後方シャフト
47 ネジ
48 ネジ
48a 被誘導部
50 角度センシングモジュール
51 磁石
51a 被誘導面
52 角度センサー
52a 誘導面
53 コントローラー
54 固定リング
55 角度検測手段
56 誘導ブロック
56a 被誘導部
57 固定板
58 位置検測手段
59 固定板
60 第一調節棒
61 第二調節棒
62 固定ブロック
63 U型ナット
L1 第一軸線
L2 第二軸線
P1 第一位置
P2 第二位置
【要約】
【課題】回転座の反転と定位が正確になる、加工機器の工具交換装置を提供する。
【解決手段】加工機器の工具交換装置は、動けないように固定された台座に接続される工具交換アーム、及び、前記工具交換アームが揺動するように連動する伝動機構を含む。そのうち、前記伝動機構は、移行カム、被動部及び転回軸を含み、前記移行カムは、表面に曲線凹溝を有し、前記被動部は、前記曲線凹溝に嵌入する突出部を有し、前記転回軸とかみ合うように連動し、前記転回軸は、前記工具交換アームに接続される。それにより、前記移行カムは、回転際に、前記被動部が水平移動するように連動し、移動している被動部により、前記転回軸が回転するように駆動しながら、前記工具交換アームが二つの固定点間を正確に揺動して位置付けるように連動することができる。
【選択図】
図1