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特許7586543トリアージ管理システム、トリアージ管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】トリアージ管理システム、トリアージ管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20241112BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20241112BHJP
   G16H 40/00 20180101ALI20241112BHJP
【FI】
G06Q50/26
G16H10/60
G16H40/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023216308
(22)【出願日】2023-12-21
【審査請求日】2024-01-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515264207
【氏名又は名称】株式会社イーバイピー
(74)【代理人】
【識別番号】110004440
【氏名又は名称】弁理士法人ソシデア知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓之
(72)【発明者】
【氏名】木村 正樹
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-281331(JP,A)
【文献】特開2019-192029(JP,A)
【文献】田中 秀樹,災害医療へのNFC準拠ICタグ活用事例,月刊自動認識 第25巻 第3号 ,日本,日本工業出版株式会社,2012年03月10日,第25巻,p.9-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/26
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリアージの状況を管理するトリアージ管理システムであって、
リアージタグに添付された位置情報発信タグから、要救助者の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記要救助者に装着されたトリアージタグの区分と、当該要救助者の症状と、当該要救助者の位置情報とに基づいた電子カルテを作成する作成部と、
前記要救助者の変化に応じて入力された前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状に対する編集内容を受け付ける受付部と、
受け付けた前記要救助者の変化に応じた編集内容に応じて、前記電子カルテにおける前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状を編集するとともに、取得する当該要救助者の位置情報に応じて、当該電子カルテにおける当該要救助者の位置情報を逐次編集する編集部と、
作成した前記電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する区分別リスト出力部と、
を備えるトリアージ管理システム。
【請求項2】
前記電子カルテにおけるトリアージタグの区分及び編集した当該電子カルテにおけるトリアージタグの区分に基づいて、前記要救助者の数を、前記区分別に集計する集計部と、
集計結果を集計リストとして出力する集計リスト出力部と、
を更に備える請求項1に記載のトリアージ管理システム。
【請求項3】
前記集計リスト出力部は、前記電子カルテの内容の一部又は全部を含めた、前記集計リストを出力する、
請求項2に記載のトリアージ管理システム。
【請求項4】
前記電子カルテは、症状を判断した箇所の画像、応急処置前後の画像の少なくとも一つを含む、
請求項1に記載のトリアージ管理システム。
【請求項5】
取得した前記位置情報に基づいて、前記要救助者の位置を反映したマップを出力するマップ出力部と、
を更に備える請求項1に記載のトリアージ管理システム。
【請求項6】
前記マップ出力部は、出力した前記マップに対する所定の入力を受け付け、作成した前記要救助者の電子カルテを、前記マップ上に出力する、
請求項5に記載のトリアージ管理システム。
【請求項7】
前記マップ出力部は、前記要救助者に紐付けられたアイコンを、前記マップ上の要救助者の位置に配置し、前記要救助者の基本情報の入力を受け付けた際、受け付けた当該要救助者に紐付けられた前記アイコンの態様を変更する、
請求項5に記載のトリアージ管理システム。
【請求項8】
医療施設毎の空病床数を取得する空病床数取得部と、
取得した前記空病床数に基づいて、前記要救助者の受入可否を受入可否リストとして出力する受入可否リスト出力部と、
を更に備える請求項1に記載のトリアージ管理システム。
【請求項9】
前記要救助者の症状に応じて、前記要救助者の医療施設への割当先を決定する決定部と、
決定した前記医療施設に、前記電子カルテを出力する医療施設出力部と、
を更に備える請求項1に記載のトリアージ管理システム。
【請求項10】
トリアージの状況を管理するコンピュータが実行するトリアージ管理方法であって、
リアージタグに添付された位置情報発信タグから、要救助者の位置情報を取得するステップと、
前記要救助者に装着されたトリアージタグの区分と、当該要救助者の症状と、当該要救助者の位置情報とに基づいた電子カルテを作成するステップと、
前記要救助者の変化に応じて入力された前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状に対する編集内容を受け付けるステップと、
受け付けた前記要救助者の変化に応じた編集内容に応じて、前記電子カルテにおける前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状を編集するとともに、取得する当該要救助者の位置情報に応じて、当該電子カルテにおける当該要救助者の位置情報を逐次編集するステップと、
作成した前記電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力するステップと、
を実行するトリアージ管理方法。
【請求項11】
トリアージの状況を管理するコンピュータに、
リアージタグに添付された位置情報発信タグから、要救助者の位置情報を取得するステップ、
前記要救助者に装着されたトリアージタグの区分と、当該要救助者の症状と、当該要救助者の位置情報とに基づいた電子カルテを作成するステップ、
前記要救助者の変化に応じて入力された前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状に対する編集内容を受け付けるステップ、
受け付けた前記要救助者の変化に応じた編集内容に応じて、前記電子カルテにおける前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状を編集するとともに、取得する当該要救助者の位置情報に応じて、当該電子カルテにおける当該要救助者の位置情報を逐次編集するステップ、
作成した前記電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアージの状況の管理に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時や救急活動時、トリアージが行われる。トリアージが行われる際、負傷者に関する情報を適切に登録する必要がある。
そこで、負傷者情報及びトリアージタグをデータベースに登録し、必要に応じて出力するシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-191702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、個々の負傷者の状態を把握することができるものの、現場の状況を適切に把握することが困難であった。そのため、現場の状況を適切に把握する方法が求められている。
【0005】
本発明は、現場の状況を適切に把握することが可能なトリアージ管理システム、トリアージ管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トリアージの状況を管理するトリアージ管理システムであって、
リアージタグに添付された位置情報発信タグから、要救助者の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記要救助者に装着されたトリアージタグの区分と、当該要救助者の症状と、当該要救助者の位置情報とに基づいた電子カルテを作成する作成部と、
前記要救助者の変化に応じて入力された前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状に対する編集内容を受け付ける受付部と、
受け付けた前記要救助者の変化に応じた編集内容に応じて、前記電子カルテにおける前記トリアージタグの区分又は当該要救助者の症状を編集するとともに、取得する当該要救助者の位置情報に応じて、当該電子カルテにおける当該要救助者の位置情報を逐次編集する編集部と、
作成した前記電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する区分別リスト出力部と、
を備えるトリアージ管理システムを提供する。
【0007】
本発明によれば、トリアージタグの区分毎に、電子カルテを一括して出力することにより、負傷者の状況を適切に把握することが可能となる。
【0008】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現場の状況を適切に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】トリアージ管理システム1の概要を説明する図である。
図2】トリアージ管理システム1の機能構成を示す図である。
図3】コンピュータ10が実行する電子カルテ作成処理のフローチャートを示す図である。
図4】コンピュータ10が出力する白紙の電子カルテの例を模式的に示す図である。
図5】コンピュータ10が入力を受け付ける際の電子カルテの例を模式的に示す図である。
図6】コンピュータ10が実行する電子カルテ編集処理のフローチャートを示す図である。
図7】コンピュータ10が実行する区分別リスト出力処理のフローチャートを示す図である。
図8】コンピュータ10が出力する区分別リストの例を模式的に示す図である。
図9】コンピュータ10が実行する集計リスト出力処理のフローチャートを示す図である。
図10】コンピュータ10が出力する集計リストの例を模式的に示す図である。
図11】コンピュータ10が実行するマップ出力処理のフローチャートを示す図である。
図12】コンピュータ10が出力するマップの例を模式的に示す図である。
図13】コンピュータ10が実行する空病床数取得処理のフローチャートを示す図である。
図14】コンピュータ10が実行する受入可否リスト出力処理のフローチャートを示す図である。
図15】コンピュータ10が出力する受入可否リストの例を模式的に示す図である。
図16】コンピュータ10が実行する医療施設割当処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0012】
[トリアージ管理システム1の概要]
図1は、トリアージ管理システム1の概要を説明するための模式図である。図1に基づいて、トリアージ管理システム1の構成物について説明する。
トリアージ管理システム1は、少なくとも、サーバ機能を有するコンピュータ10からなるトリアージの状況を管理するシステムである。本実施形態において、コンピュータ10に加え、現場にて救助活動を行う救助者が所持する救助者端末2、救助者を管理する管理者が所持する管理者端末3を備える。
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであっても良い。
救助者端末2は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の端末装置や、スマートウォッチ、スマートグラス、HMD(Head Mounted Display)等のウェアラブル端末である。救助者端末2の数は、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
管理者端末3は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の端末装置や、スマートウォッチ、スマートグラス、HMD等のウェアラブル端末である。管理者端末3の数は、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
なお、トリアージ管理システム1は、上述した救助者端末2、管理者端末3及びコンピュータ10に加え、医療施設で使用される医療施設端末(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の端末装置等)等のその他の端末や装置類等が含まれていても良く、その数、種類及び機能については、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0013】
トリアージ管理システム1が、トリアージの状況を管理する際の処理ステップの概要について説明する。
【0014】
コンピュータ10は、患者に装着されたトリアージタグの区分と、この患者の症状とに基づいた電子カルテを作成する(ステップS1)。
救助者端末2は、要救助者に装着されたトリアージタグに添付された識別コードを、所定のアプリケーションにより読み取り、コンピュータ10に、識別コードに紐付けられた電子カルテの送信を要求する。
コンピュータ10は、要求に応じて、白紙の電子カルテを救助者端末2に送信する。
救助者端末2は、受信した白紙の電子カルテを自身の表示部に表示し、電子カルテの所定の欄に対して、要救助者のトリアージタグの区分と、患者の症状との入力を、受け付ける。救助者端末2は、受け付けた入力内容を、コンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、入力内容を受信し、受信した入力内容に基づいて、患者に装着されたトリアージタグの区分と、この患者の症状とに基づいた電子カルテを作成する。
【0015】
コンピュータ10は、作成した電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する(ステップS2)。
コンピュータ10は、作成した電子カルテを、トリアージタグの区分毎に分類し、分類毎の要救助者の電子カルテを纏めた区分別リストを作成する。
管理者端末3は、所定のアプリケーションにより、区分別リストの送信を要求する。
コンピュータ10は、要求に応じて、作成した区分別リストを、管理者端末3に送信する。
管理者端末3は、区分別リストを受信し、自身の表示部に表示する。
コンピュータ10は、区分別リストを、管理者端末3に表示させることにより、作成した電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する。
【0016】
以上が、トリアージ管理システム1の概要である。
本トリアージ管理システム1によれば、現場の状況を適切に把握することが可能となる。
【0017】
[装置構成]
図2は、トリアージ管理システム1の構成を示すブロック図である。図2に基づいて、トリアージ管理システム1の装置構成について説明する。
トリアージ管理システム1は、トリアージの状況を管理するシステムであり、少なくともコンピュータ10により構成される。本実施形態において、トリアージ管理システム1は、コンピュータ10に加え、救助者端末2及び管理者端末3により構成される。
トリアージ管理システム1は、コンピュータ10が、公衆回線網等のネットワーク8を介して、救助者端末2及び管理者端末3とデータ通信可能に接続されたシステムである。
なお、トリアージ管理システム1において、救助者端末2及び管理者端末3の数は、適宜設計可能であり、特に限定されるものではない。
また、トリアージ管理システム1は、救助者端末2、管理者端末3及びコンピュータ10に加え、医療施設で使用される医療施設端末等のその他の端末や装置類等が含まれていても良く、その他の端末や装置類等の数、種類及び機能については、適宜設計可能である。
【0018】
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、作成した電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する区分別リスト出力部等を備える。
コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、患者に装着されたトリアージタグの区分と、この患者の症状とに基づいた電子カルテを作成する作成部等を備える。
【0019】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、電子カルテ出力モジュール、入力受付モジュール、位置情報取得モジュール、編集受付モジュール、区分別リスト出力モジュール、集計リスト出力モジュール、マップ出力モジュール、空病床数取得モジュール、受入可否リスト出力モジュール、医療施設出力モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、電子カルテ記憶モジュール、空病床数記憶モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、電子カルテ作成モジュール、編集モジュール、区分別リスト作成モジュール、集計モジュール、集計リスト作成モジュール、位置特定モジュール、区分特定モジュール、マップ作成モジュール、受入可否リスト作成モジュール、決定モジュールを実現する。
【0020】
救助者端末2は、救助者が所持する端末装置であり、上述したような端末装置や、ウェアラブル端末等である。
救助者端末2は、端末制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。
救助者端末2は、入出力部として、所定の入力等の受付、各種データの入出力等を実行する各種デバイス等を備える。
【0021】
管理者端末3は、現場にて救助活動を行う救助者を管理する管理者が所持する端末装置であり、上述したような端末装置や、ウェアラブル端末等である。
管理者端末3は、端末制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。
管理者端末3は、入出力部として、所定の入力等の受付、各種データの入出力等を実行する各種デバイス等を備える。
【0022】
以下、トリアージ管理システム1が実行する各処理について、上述した各モジュールが実行する処理と併せて説明する。
本明細書において、各モジュールは、その処理内容を、自身が有する機能として実行するものであっても良いし、所定のアプリケーションを介して実行するものであっても良い。
【0023】
[コンピュータ10が実行する電子カルテ作成処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する電子カルテ作成処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する電子カルテ作成処理のフローチャートを示す図である。本電子カルテ作成処理は、上述した要救助者に装着されたトリアージタグの区分と、この要救助者の症状とに基づいた電子カルテを作成する作成処理(ステップS1)の詳細である。
【0024】
電子カルテ出力モジュールは、白紙の電子カルテを出力する(ステップS10)。
電子カルテ出力モジュールは、救助者端末2からの要求に応じて、白紙の電子カルテを出力する。
救助者は、要救助者の状態(傷病の緊急度や重症度等)に応じたトリアージタグ(色付シリコンバンド等)を、要救助者の手や足等に装着する。トリアージタグは、状態に応じて、0~3の4つの区分に分類されている。0は、無呼吸群や死亡群であり、1は、最優先治療群(重傷群)であり、2は、待機的治療群(中等症群)であり、3は、保留群(軽傷群)である。また、トリアージタグは、その区分毎に、色分けされており、0が黒色、1が赤色、2が黄色、3が緑色である。トリアージタグは、位置情報発信タグ(GPS(Global Positioning System)タグ等)が添付されている。更に、位置情報発信タグは、所定の識別コード(2次元コード等)が添付されている。救助者端末2は、救助者から、識別コードを読み取るための所定のアプリケーションの起動に関する入力(救助者端末2におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。
救助者端末2は、識別コードを、所定のアプリケーションにより読み取り、識別コードに格納された電子カルテへのアクセス用URL(Uniform Resource Locator)等に基づいて、コンピュータ10に、白紙の電子カルテの送信を要求する。識別コードは、電子カルテと一対一対応(一の識別コードは、一の電子カルテのみが紐付けられている状態)となっており、過去に読み取られていた場合、コンピュータ10及び救助者端末2は、後述する編集処理を実行する。
電子カルテ出力モジュールは、要求に応じて、白紙の電子カルテを、救助者端末2に送信する。
救助者端末2は、白紙の電子カルテを受信し、自身の表示部に表示する(図4参照)。
電子カルテ出力モジュールは、救助者端末2に、白紙の電子カルテを表示させることにより、白紙の電子カルテを出力する。
【0025】
図4に基づいて、電子カルテ出力モジュールが出力する白紙の電子カルテについて説明する。同図は、電子カルテ出力モジュールが出力する白紙の電子カルテを模式的に示す図である。同図において、電子カルテ20が示されている。
電子カルテ20は、トリアージタグの区分を入力可能なトリアージタグ欄21、症状を判断した箇所の画像、応急処置前後の画像の少なくとも一つを入力可能な画像欄22等を備える。更に、電子カルテ20は、要救助者の基本情報(氏名、年齢、性別、住所、電話番号、トリアージ実施日時、トリアージ実施者名、搬送機関名、収容機関名等)、症状(傷病、病態等)が入力される欄等を有する。
【0026】
図3に戻り、電子カルテ作成処理の続きを説明する。
入力受付モジュールは、要救助者に関する要救助者情報の入力を受け付ける(ステップS11)。
救助者端末2は、救助者から、白紙の電子カルテの各欄に対する入力を受け付ける。救助者端末2は、各欄に対する救助者からの入力(タップ等)を受け付け、各欄に対するテキストや画像等の直接入力(仮想キーボード等を用いた入力、画像の入力等)、予め設定された複数の選択肢の中から、要救助者に合わせた選択肢の選択入力(ドロップダウンリスト等を用いた入力等)等を受け付け、要救助者の基本情報、トリアージタグの区分、画像、症状等の要救助者に関する要救助者情報の入力を受け付ける(図5参照)。
救助者端末2は、受け付けた要救助者情報を、コンピュータ10に送信する。
入力受付モジュールは、要救助者情報を受信し、要救助者に関する要救助者情報の入力を受け付ける。
【0027】
図5に基づいて、入力受付モジュールが入力を受け付ける要救助者情報について説明する。同図は、救助者端末2が要救助者情報の入力を受け付けた状態を模式的に示す図である。同図において、電子カルテ20が示されている。
トリアージタグ欄21は、ドロップダウンリスト等を用いた複数の選択肢の中から、救助者が所望する選択肢を選択入力可能な欄である。救助者端末2は、トリアージタグ欄21に、要救助者のトリアージタグの区分の入力を受け付ける。救助者端末2は、救助者から、トリアージタグ欄21に対する入力(タップ等)を受け付けた際、ドロップダウンリストを表示し、要救助者のトリアージタグの区分の選択入力を受け付ける。救助者端末2が、救助者からトリアージタグの区分の選択入力を受け付けた際、トリアージタグ欄21は、選択入力を受け付けたトリアージタグの区分に応じた色(0が黒色、1が赤色、2が黄色、3が緑色)に背景色が変更される。なお、トリアージタグ欄21は、テキストを直接入力可能な欄であっても良い。
画像欄22は、画像を入力可能な欄である。救助者端末2は、画像欄22に、要救助者の症状を判断した箇所の画像、応急処置前後の画像の少なくとも一つの入力を受け付ける。救助者端末2は、救助者から、画像欄22に対する入力(タップ等)を受け付けた際、救助者端末2が撮影した要救助者の画像や救助者端末2に通信可能に接続された撮影装置が撮影した要救助者の画像の入力を受け付ける。
救助者端末2は、要救助者の基本情報、症状等も同様に、電子カルテ20に設けられた対応する各欄に対する入力(タップ等)を受け付けた際、ドロップダウンリスト等による選択入力や、テキストの直接入力を受け付ける。
救助者端末2は、電子カルテ20に設けられた送信アイコン(受け付けた入力内容をコンピュータ10に送信するためのアイコン)等の入力を受け付けた際、入力を受け付けた要救助者情報を、コンピュータ10に送信する。
入力受付モジュールは、要救助者情報を受信し、要救助者に関する要救助者情報の入力を受け付ける。
【0028】
図3に戻り、電子カルテ作成処理の続きを説明する。
位置情報取得モジュールは、要救助者の位置情報を取得する(ステップS12)。
トリアージタグに添付された位置情報発信タグは、GPSに基づいて、自身の位置情報を測位し、測位した自身の位置情報を、要救助者の位置情報として、コンピュータ10に送信する。この時、位置情報発信タグは、自身の識別子(管理番号、名称等)を併せて送信する。位置情報発信タグは、逐次、位置情報を発信する。
位置情報取得モジュールは、位置情報及び位置情報発信タグの識別子を受信し、要救助者の位置情報を取得する。
【0029】
電子カルテ作成モジュールは、要救助者に装着されたトリアージタグの区分と、要救助者の症状とに基づいた電子カルテを作成する(ステップS13)。
電子カルテ作成モジュールは、受け付けた要救助者情報に基づいて、要救助者に装着されたトリアージタグの区分及び色、要救助者の症状、画像等を用いた電子カルテを作成する。電子カルテ作成モジュールが作成する電子カルテの形式は、特に限定されるものではなく、適宜設計可能であり、例えば、上述した図5の形式であっても良い。電子カルテ作成モジュールは、作成した電子カルテに、取得した要救助者の位置情報及び位置情報発信タグの識別子を紐付ける。
【0030】
なお、上述したステップS13の処理は、コンピュータ10の代わりに、所定の生成AI(Artificial Intelligence)がその処理を実行し、コンピュータ10が、生成AIによる処理結果を取得する構成も可能である。
【0031】
電子カルテ記憶モジュールは、作成した電子カルテを記憶する(ステップS14)。
【0032】
以上が、電子カルテ作成処理である。
【0033】
[コンピュータ10が実行する電子カルテ編集処理]
図6に基づいて、コンピュータ10が実行する電子カルテ編集処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する電子カルテ編集処理のフローチャートを示す図である。
【0034】
電子カルテ出力モジュールは、要救助者の電子カルテを出力する(ステップS20)。
電子カルテ出力モジュールは、救助者端末2からの要求に応じて、上述したステップS13の処理により作成した電子カルテを出力する。
救助者端末2は、要救助者に変化が発生した(状態や症状等の変化が発生)際、救助者から、要救助者に装着されたトリアージタグに添付された識別コードを読み取るための所定のアプリケーションの起動に関する入力(救助者端末2におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。
救助者端末2は、識別コードを、所定のアプリケーションにより読み取り、識別コードに格納された電子カルテへのアクセス用URL等に基づいて、コンピュータ10に、要救助者の電子カルテの送信を要求する。
電子カルテ出力モジュールは、要求に応じて、要救助者の電子カルテを、救助者端末2に送信する。
救助者端末2は、電子カルテを受信し、自身の表示部に表示する。
電子カルテ出力モジュールは、救助者端末2に、要救助者の電子カルテを表示させることにより、要救助者の電子カルテを出力する。
電子カルテ出力モジュールが、出力する要救助者の電子カルテは、例えば、図5で示したものである。
【0035】
編集受付モジュールは、要救助者の変化に応じた編集を受け付ける(ステップS21)。
救助者端末2は、救助者から、要救助者の変化に応じた各欄に対する入力を受け付ける。救助者端末2は、各欄に対する救助者からの入力(タップ等)を受け付け、各欄に対するテキストや画像等の直接入力(仮想キーボード等を用いた入力、画像の入力等)、予め設定された複数の選択肢の中から、要救助者に合わせた選択肢の選択入力(ドロップダウンリスト等を用いた入力等)等を受け付け、要救助者の基本情報、トリアージタグの区分、画像、症状等の要救助者情報に対する要救助者の変化に応じた編集を受け付ける。
【0036】
編集モジュールは、電子カルテを、要救助者の変化に応じて編集する(ステップS22)。
編集モジュールは、受け付けた編集内容に基づいて、要救助者の電子カルテの内容を編集する。例えば、編集モジュールは、トリアージタグの区分の編集を受け付けた場合、トリアージタグの区分を編集し、編集後の区分に応じた色に背景色を編集する。それ以外の各欄に対する編集も同様に、対応する欄の対応する内容を編集する。
【0037】
なお、上述したステップS22の処理は、コンピュータ10の代わりに、所定の生成AIがその処理を実行し、コンピュータ10が、生成AIによる処理結果を取得する構成も可能である。
【0038】
電子カルテ記憶モジュールは、編集後の電子カルテを記憶する(ステップS23)。
電子カルテ記憶モジュールは、編集前の電子カルテを、編集後の電子カルテに更新する。
【0039】
以上が、電子カルテ編集処理である。
なお、コンピュータ10は、要救助者に装着されたトリアージタグに添付された位置情報発信タグが発信する位置情報を、逐次受信しているため、要救助者の位置情報については、逐次、編集するものであっても良いし、所定期間毎に編集するものであっても良いし、上述した電子カルテ編集処理の際、位置情報も編集するものであっても良い。
【0040】
[コンピュータ10が実行する区分別リスト出力処理]
図7に基づいて、コンピュータ10が実行する区分別リスト出力処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する区分別リスト出力処理のフローチャートを示す図である。本区分別リスト出力処理は、上述した作成した電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する区分別リスト出力処理(ステップS2)の詳細である。
【0041】
区分別リスト作成モジュールは、作成した電子カルテを、区分別に纏めた区分別リストを作成する(ステップS30)。
区分は、要救助者毎に装着されたトリアージタグの区分である。
区分別リスト作成モジュールは、要救助者を、区分毎に分類する。区分別リスト作成モジュールは、分類毎に、要救助者を纏め、纏めた要救助者の電子カルテを纏めた区分別リストを作成する。
区分別リスト作成モジュールは、区分が0の要救助者群、区分が1の要救助者群、区分が2の要救助者群、区分が3の要救助者群の各郡に、要救助者を分類し、分類毎の各要救助者の電子カルテを一覧として纏め、区分別リストを作成する。
【0042】
なお、上述したステップS30の処理は、コンピュータ10の代わりに、所定の生成AIがその処理を実行し、コンピュータ10が、生成AIによる処理結果を取得する構成も可能である。
【0043】
区分別リスト出力モジュールは、作成した電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する(ステップS31)。
区分別リスト出力モジュールは、管理者端末3からの要求に応じて、作成した区分別リストを出力する。
管理者端末3は、区分別リストを表示するための所定のアプリケーションの起動に関する入力(管理者端末3におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。管理者端末3は、このアプリケーションに対して、区分別リストの表示に関する入力(所定のUI(User Interface)における所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、コンピュータ10に、管理者が所望する区分における区分別リストの送信を要求する。
区分別リスト出力モジュールは、要求に応じて、管理者が所望する区分における区分別リストを、管理者端末3に送信する。
管理者端末3は、区分別リストを受信し、自身の表示部に表示する(図8参照)。
区分別リスト出力モジュールは、管理者端末3に、区分別リストを表示させることにより、作成した電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する。
【0044】
図8に基づいて、区分別リスト出力モジュールが出力する区分別リストについて説明する。同図は、区分別リスト出力モジュールが出力する区分別リストを模式的に示す図である。同図において、区分別リスト30が示されている。
区分別リスト30は、管理者が所望した区分31と、各要救助者の電子カルテ32を纏めた一覧とにより構成される。
区分31は、管理者が所望した区分の数字が示されるとともに、背景色が、区分の数字に応じた色となっている。
電子カルテ32は、上述した電子カルテ作成処理に作成した電子カルテや電子カルテ編集処理により、編集した電子カルテである。電子カルテ32として出力する内容は、特に限定されるものではなく、作成又は編集した電子カルテの全てが出力されるものであっても良いし、その一部(症状等)が出力されるものであっても良い。
区分別リスト出力モジュールは、所定のUIを介して、区分別リスト30を出力する。区分別リスト30は、所定の位置(区分別リスト30の最上部、最下部等)に、区分31が存在し、各要救助者の電子カルテ32が、所定の順番(トリアージ実施日時の早い順、氏名順、年齢順等)で並べられたものである。なお、区分31の位置や各電子カルテ32の並び順は、適宜設計可能である。
また、管理者端末3は、他の区分の区分別リストに表示を切り替える入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ等)を受け付けた際、コンピュータ10に、受け付けた区分における区分別リストの送信を要求する。
区分別リスト出力モジュールは、要求に応じて、管理者が所望する区分における区分別リストを送信する。
管理者端末3は、管理者が所望する区分における区分別リストを受信し、新たに受信した管理者が所望する区分における区分別リストに、表示を切り替える。
【0045】
以上が、区分別リスト出力処理である。
【0046】
[コンピュータ10が実行する集計リスト出力処理]
図9に基づいて、コンピュータ10が実行する集計リスト出力処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する集計リスト出力処理のフローチャートを示す図である。
【0047】
集計モジュールは、要救助者の数を、区分別に集計する(ステップS40)。
集計モジュールは、上述した電子カルテ作成処理により作成した各要救助者の電子カルテにおけるトリアージタグの区分及び電子カルテ編集処理により編集した各要救助者の電子カルテにおけるトリアージタグの区分に基づいて、要救助者の数を集計する。
【0048】
集計リスト作成モジュールは、集計結果に基づいた区分別の要救助者数の集計リストを作成する(ステップS41)。
集計リスト作成モジュールは、区分別の要救助者の各集計結果を纏めた集計リストを作成する。
【0049】
なお、上述したステップS40及びS41の処理は、コンピュータ10の代わりに、所定の生成AIがその処理を実行し、コンピュータ10が、生成AIによる処理結果を取得する構成も可能である。
【0050】
集計リスト出力モジュールは、集計結果を集計リストとして出力する(ステップS42)。
集計リスト出力モジュールは、管理者端末3からの要求に応じて、作成した集計リストを出力する。
管理者端末3は、集計リストを表示するための所定のアプリケーションの起動に関する入力(管理者端末3におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。管理者端末3は、このアプリケーションに対して、集計リストの表示に関する入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、コンピュータ10に、集計リストの送信を要求する。
集計リスト出力モジュールは、要求に応じて、集計リストを、管理者端末3に送信する。
管理者端末3は、集計リストを受信し、自身の表示部に表示する(図10参照)。
集計リスト出力モジュールは、集計リストを、管理者端末3に表示させることにより、集計結果を集計リストとして出力する。
【0051】
図10に基づいて、集計リスト出力モジュールが出力する集計リストについて説明する。同図は、集計リスト出力モジュールが出力する集計リストを模式的に示す図である。同図において、集計リスト40が示されている。
集計リスト40は、要救助者に装着されたトリアージタグの各区分41と、各区分41における集計結果42とにより構成される。
区分41は、トリアージタグの各区分を示す数字が示されているとともに、背景色が、区分の数字に応じた色となっている。
集計結果42は、各区分41において集計した要救助者数が示されている。
なお、集計リスト40は、各区分41の要救助者の基本情報、症状等の電子カルテに入力された内容の一部又は全部を更に含むものであっても良い。例えば、各区分41における多い症状、多い年齢といったものや、逆に、少ない症状、少ない年齢といったものである。
また、集計リスト出力モジュールは、管理者から、要救助者のトリアージタグの区分の入力(ドロップダウンリストによる選択入力、仮想キーボードによる直接入力等)を受け付け、受け付けた要救助者のトリアージタグの区分に紐付けられた区分41及び集計結果42等の態様を変更(点滅、強調、アイコンの付与等)する構成も可能である。
【0052】
以上が、集計リスト出力処理である。
【0053】
[コンピュータ10が実行するマップ出力処理]
図11に基づいて、コンピュータ10が実行するマップ出力処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するマップ出力処理のフローチャートを示す図である。
【0054】
位置情報取得モジュールは、トリアージタグに添付された位置情報発信タグから、要救助者の位置情報を取得する(ステップS50)。
位置情報取得モジュールは、位置情報発信タグが逐次発信する位置情報を受信し、トリアージタグに添付された位置情報発信タグから、要救助者の位置情報を取得する。位置情報取得モジュールは、併せて、位置情報発信タグの識別子(管理番号、名称等)を受信し、位置情報発信タグの識別子(管理番号、名称等)を取得する。
【0055】
位置特定モジュールは、位置情報に基づいて、要救助者の位置を特定する(ステップS51)。
位置特定モジュールは、各位置情報発信タグが発信する位置情報に基づいて、位置情報発信タグが添付されたトリアージタグを装着した要救助者の位置を特定する。位置特定モジュールは、例えば、所定のマップにおける要救助者の位置を特定する。
【0056】
区分特定モジュールは、要救助者に装着されたトリアージタグの区分を特定する(ステップS52)。
区分特定モジュールは、各位置情報発信タグが発信する位置情報発信タグの識別子と、上述した電子カルテ作成処理及び電子カルテ編集処理により作成及び編集した電子カルテに紐付けられた位置情報発信タグの識別子とに基づいて、位置を特定した要救助者の電子カルテを特定する。区分特定モジュールは、特定した要救助者の電子カルテに入力されたトリアージタグの区分に基づいて、要救助者に装着されたトリアージタグの区分を特定する。
【0057】
マップ作成モジュールは、特定した要救助者の位置を反映したマップを作成する(ステップS53)。
マップ作成モジュールは、特定した要救助者の電子カルテが紐付けられたアイコンを作成する。マップ作成モジュールは、このアイコンを、特定した要救助者のトリアージタグの区分に応じた態様(トリアージタグの区分に対応する色に色分け等)で作成しても良いし、それ以外の態様で作成しても良いし、全て同じ態様で作成しても良い。
マップ作成モジュールは、作成したアイコンを、所定のマップにおける特定した各要救助者の位置に配置し、特定した要救助者の位置を反映したマップを作成する。
【0058】
また、マップ作成モジュールは、管理者が所望する区分の要救助者の位置のみを反映したマップを作成するものであっても良い。
この場合について説明する。
管理者端末3は、マップを表示するための所定のアプリケーションの起動に関する入力(管理者端末3におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。管理者端末3は、このアプリケーションに対して、マップの表示に関する入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、更に、所望する区分の入力(ドロップダウンリストによる選択入力、仮想キーボードによる直接入力等)を受け付け、受け付けた区分を、コンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この区分を受信し、この区分の要救助者の電子カルテが紐付けられたアイコンを作成する。
マップ作成モジュールは、作成したアイコンを、所定のマップにおける各要救助者の位置に配置し、管理者が所望する区分の要救助者の位置を反映したマップを作成する。
【0059】
なお、上述したステップS51~S53の処理は、コンピュータ10の代わりに、所定の生成AIがその処理を実行し、コンピュータ10が、生成AIによる処理結果を取得する構成も可能である。
【0060】
マップ出力モジュールは、取得した位置情報に基づいて、要救助者の位置を反映したマップを出力する(ステップS54)。
マップ出力モジュールは、管理者端末3からの要求に応じて、作成したマップを出力する。
管理者端末3は、マップを表示するための所定のアプリケーションの起動に関する入力(管理者端末3におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。管理者端末3は、このアプリケーションに対して、マップの表示に関する入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、コンピュータ10に、マップの送信を要求する。
マップ出力モジュールは、要求に応じて、マップを、管理者端末3に送信する。
管理者端末3は、マップを受信し、自身の表示部に表示する(図12参照)。
マップ出力モジュールは、マップを、管理者端末3に表示させることにより、取得した位置情報に基づいて、要救助者の位置を反映したマップを出力する。
【0061】
図12に基づいて、マップ出力モジュールが出力するマップについて説明する。同図は、マップ出力モジュールが出力する取得した位置情報に基づいて、要救助者の位置を反映したマップを模式的に示す図である。同図において、マップ50が示されている。
マップ50は、位置情報発信タグが添付されたトリアージタグが装着された要救助者毎に紐付けられたアイコン51が配置されたものである。
アイコン51は、マップ50における各要救助者の位置に配置されている。アイコン51は、要救助者のトリアージタグの区分に応じた着色がなされている。
なお、アイコン51は、所定のマークに限定されるものではなく、要救助者の基本情報、要救助者の画像等の要救助者に関するものや、記号等のそれ以外のものであっても良い。
アイコン51は、管理者からの入力(タップ等)を受け付け、受け付けたアイコン51に紐付けられた要救助者の電子カルテ等を、アイコン51の近傍に表示、又は、ポップアップ表示等する構成も可能である。
また、マップ出力モジュールは、管理者から、要救助者のトリアージタグの区分の入力(ドロップダウンリストによる選択入力、仮想キーボードによる直接入力等)を受け付け、受け付けた要救助者のトリアージタグの区分に紐付けられたアイコン51の態様を変更(点滅、強調、アイコンの付与等)する構成も可能である。
また、マップ出力モジュールは、管理者から、要救助者の基本情報の入力(仮想キーボードによる直接入力等)を受け付け、受け付けた基本情報に紐付けられたアイコン51の態様を変更(点滅、強調、アイコンの付与等)する構成も可能である。
また、管理者端末3は、管理者が所望する区分の要救助者の位置を反映したマップに表示を切り替える入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ、仮想キーボードによる直接入力等)を受け付けた際、コンピュータ10に、受け付けた入力内容を満たすマップの送信を要求する。
コンピュータ10は、要求に応じて、上述したステップS53の処理と同様の処理を実行し、マップを作成する際、管理者が所望した区分の要救助者の位置を反映したマップを作成する。
マップ出力モジュールは、要求に応じて作成したマップを、管理者端末3に送信する。
管理者端末3は、管理者が所望する区分の要救助者の位置を反映したマップを受信し、自身の表示部に表示する。このとき、既に、区分を指定していないマップや他の区分の要救助者の位置を反映したマップを表示している場合、新たに受信した管理者が所望する区分の要救助者の位置を反映したマップに、その表示を切り替える。
また、マップ出力モジュールは、マップを、切り替えるのではなく、元々のマップにおいて、管理者が所望する区分の要救助者の紐付けられたアイコンの態様を変更する(点滅、強調、アイコンの付与等)構成も可能である。
【0062】
以上が、マップ出力処理である。
【0063】
[コンピュータ10が実行する空病床数取得処理]
図13に基づいて、コンピュータ10が実行する空病床数取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する空病床数取得処理のフローチャートを示す図である。
【0064】
空病床数取得モジュールは、医療施設毎の空病床数を取得する(ステップS60)。
空病床数取得モジュールは、各医療施設が管理する医療施設端末(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の端末装置等)から、医療施設毎の空病床数を取得する。
要救助者を受け入れ可能な各医療施設(災害拠点病院等)が管理する医療施設端末は、現在の自施設における要救助者を受け入れ可能な空病床数を、コンピュータ10に送信する。医療施設端末は、空病床数に加えて、医療施設の識別子(名称等)、所在地、診療科目、医師の識別子(氏名等)等の自施設に関する医療施設情報を併せて送信する。
空病床数取得モジュールは、空病床数及び医療施設情報を受信し、医療施設毎の空病床数を取得する。
【0065】
空病床数記憶モジュールは、取得した空病床数を記憶する(ステップS61)。
空病床数記憶モジュールは、取得した空病床数と医療施設情報とを紐付けて記憶する。
【0066】
以上が、空病床数取得処理である。
コンピュータ10は、空病床数取得処理を随時実行し、医療施設の空病床数を随時記憶するとともに、既に記憶する空病床数を新たに取得した空病床数に応じて更新する。
【0067】
[コンピュータ10が実行する受入可否リスト出力処理]
図14に基づいて、コンピュータ10が実行する受入可否リスト出力処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する受入可否リスト出力処理のフローチャートを示す図である。
【0068】
受入可否リスト作成モジュールは、空病床数に基づいた要救助者の受入可否リストを作成する(ステップS70)。
受入可否リスト作成モジュールは、取得した医療施設毎の空病床数及び医療施設情報に基づいて、医療施設毎に、受入可能な要救助者のトリアージタグの区分及び症状と、要救助者数とを纏めた受入可否リストを作成する。受入可否リスト作成モジュールは、要救助者の受入可否リストを作成する際、各医療施設の並び順を、空病床数の多い順にしても良いし、対応可能区分が多い順にしても良いし、対応可能症状が多い順にしても良いし、医療施設の名称順にしても良いし、その逆であっても良いし、それ以外の方法であっても良い。
受入可否リスト作成モジュールが作成する受入可否リストは、上述した空病床数取得処理により、随時その内容が更新されるものである。
【0069】
また、受入可否リスト作成モジュールは、管理者が所望する条件(医療施設の識別子や、所在地、対応可能区分、対応可能症状、空病床数)を満たす医療施設のみの受入可否リストを作成するものであっても良い。
この場合について説明する。
管理者端末3は、受入可否リストを表示するための所定のアプリケーションの起動に関する入力(管理者端末3におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。管理者端末3は、このアプリケーションに対して、受入可否リストの表示に関する入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、更に、所望する条件の入力(ドロップダウンリストによる選択入力、仮想キーボードによる直接入力等)を受け付け、受け付けた条件を、コンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この条件を受信し、この条件を満たす医療施設のみを対象とする要救助者の受入可否リストを作成する。
【0070】
なお、上述したステップS70の処理は、コンピュータ10の代わりに、所定の生成AIがその処理を実行し、コンピュータ10が、生成AIによる処理結果を取得する構成も可能である。
【0071】
受入可否リスト出力モジュールは、取得した空病床数に基づいて、要救助者の受入可否を受入可否リストとして出力する(ステップS71)。
受入可否リスト出力モジュールは、管理者端末3からの要求に応じて、作成した受入可否リストを出力する。
管理者端末3は、受入可否リストを表示するための所定のアプリケーションの起動に関する入力(管理者端末3におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。管理者端末3は、このアプリケーションに対して、受入可否リストの表示に関する入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、コンピュータ10に、受入可否リストの送信を要求する。
受入可否リスト出力モジュールは、要求に応じて、受入可否リストを、管理者端末3に送信する。
管理者端末3は、受入可否リストを受信し、自身の表示部に表示する(図15参照)。
受入可否リスト出力モジュールは、管理者端末3に、受入可否リストを表示させることにより、取得した空病床数に基づいて、要救助者の受入可否を受入可否リストとして出力する。
【0072】
図15に基づいて、受入可否リスト出力モジュールが出力する受入可否リストについて説明する。同図は、受入可否リスト出力モジュールが出力する受入可否リストを模式的に示す図である。同図において、受入可否リスト60が示されている。
受入可否リスト60は、医療施設61、対応可能区分62、対応可能症状63、空病床数64により構成される。
医療施設61は、取得した医療施設情報に基づいた医療施設の名称が示されている。
対応可能区分62は、医療施設が対応可能なトリアージタグの区分が示されている。対応可能区分62は、背景色が、トリアージタグの区分に応じたものであっても良いし、そうでなくても良い。
対応可能症状63は、医療施設が対応可能な要救助者の症状が示されている。対応可能症状63は、対応可能な要救助者の症状の全てが記載されるものであっても良いし、一部(代表的な症状等)が記載されるものであっても良い。
空病床数64は、医療施設における空病床数が示されている。
なお、受入可否リスト60は、医療施設61と、空病床数64とのみにより構成されるものであっても良いし、上述したもの以外のものを含んで構成されるものであっても良い。
また、管理者端末3は、管理者が所望する条件(医療施設の識別子や、所在地、対応可能区分、対応可能症状、空病床数)を満たす医療施設のみの受入可否リストに表示を切り替える入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ、仮想キーボードによる直接入力等)を受け付けた際、コンピュータ10に、受け付けた入力内容を満たす医療施設のみを対象とする要救助者の受入可否リストの送信を要求する。
コンピュータ10は、要求に応じて、上述したステップS70の処理と同様の処理を実行し、要救助者の受入可否リストを作成する際、管理者が所望した条件を満たす医療施設のみに限定した要救助者の受入可否リストを作成する。
受入可否リスト出力モジュールは、要求に応じて作成した受入可否リストを、管理者端末3に送信する。
管理者端末3は、管理者が所望する条件を満たす受入可否リストを受信し、自身の表示部に表示する。このとき、既に、条件を指定していない受入可否リストや他の条件を満たす受入可否リストを表示している場合、新たに受信した管理者が所望する条件を満たす受入可否リストに、その表示を切り替える。
また、受入可否リスト出力モジュールは、受入可否リストを、切り替えるのではなく、元々の受入可否リストにおいて、管理者が所望する条件を満たす医療施設の態様を変更する(点滅、強調、アイコンの付与等)構成も可能である。
【0073】
以上が、受入可否リスト出力処理である。
【0074】
[コンピュータ10が実行する医療施設割当処理]
図16に基づいて、コンピュータ10が実行する医療施設割当処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する医療施設割当処理のフローチャートを示す図である。
【0075】
決定モジュールは、要救助者の症状に応じて、要救助者の医療施設への割当先を決定する(ステップS80)。
決定モジュールは、要救助者に装着されたトリアージタグの区分及び症状と、上述した受入可否リスト出力処理により作成した受入可否リストとに基づいて、要救助者の医療施設への割当先を決定する。
決定モジュールは、各要救助者におけるトリアージタグの区分及び症状に対応する医療施設を特定し、特定した医療施設の空病床数に空きがあるか否かを判断する。決定モジュールは、空きが無い場合、特定した医療施設以外の医療施設を再度特定する。一方、決定モジュールは、空きが有る場合、特定した医療施設を、要救助者の割当先に決定する。ここで、決定モジュールは、複数の医療施設を要救助者の割当先として特定した場合、空病床数が多い医療施設を、要救助者の割当先として決定する。それ以外にも、要救助者の現在の位置により近い医療施設を、要救助者の割当先として決定しても良いし、それ以外の方法により、医療施設への要救助者の割当先を決定しても良い。
【0076】
なお、上述したステップS80の処理は、コンピュータ10の代わりに、所定の生成AIがその処理を実行し、コンピュータ10が、生成AIによる処理結果を取得する構成も可能である。
【0077】
また、上述したステップS80の処理において、コンピュータ10が、要救助者の医療施設への割当先を決定しているが、コンピュータ10が主体ではなく、管理者端末3が主体としてこの処理を実行する構成も可能である。
この場合について説明する。
管理者端末3は、上述した受入可否リスト出力処理により表示する受入可否リストに対する医療施設への入力(医療施設61、空病床数64へのタップ等)を受け付け、受け付けた医療施設を、割当先とすることを示す割当先情報を、コンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、割当先情報を受信する。
決定モジュールは、割当先情報における医療施設を、要救助者の割当先の医療施設として決定する。
【0078】
医療施設出力モジュールは、決定した医療施設に、電子カルテを出力する(ステップS81)。
医療施設出力モジュールは、要救助者を割り当てた医療施設が管理する医療施設端末に、要救助者が割り当てられたことの通知(要救助者の人数、日時等を把握可能なメッセージ等)を送信する。
医療施設端末は、この通知を受信し、自身の表示部に表示する。
医療施設端末は、電子カルテを表示するための所定のアプリケーションの起動に関する入力(医療施設端末におけるホーム画面等に配置された所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、該当するアプリケーションを起動する。医療施設端末は、このアプリケーションに対して、電子カルテの表示に関する入力(所定のUIにおける所定のアイコンへのタップ等)を受け付け、コンピュータ10に、電子カルテの送信を要求する。
医療施設出力モジュールは、要求に応じて、この医療施設に割り当てた要救助者の電子カルテを、医療施設端末に送信する。
医療施設端末は、電子カルテを受信し、自身の表示部に表示する。
医療施設端末出力モジュールは、医療施設に割り当てた要救助者の電子カルテを、医療施設端末に表示させることにより、決定した医療施設に、電子カルテを出力する。
【0079】
以上が、医療施設割当処理である。
【0080】
上述した各処理は、別個の処理として記載しているが、コンピュータ10は、上述した各処理の一部又は全部を組み合わせて実行する構成も可能である。また、コンピュータ10は、各処理において、説明したタイミング以外のタイミングであっても、その処理を実行する構成も可能である。
また、上述した各処理は、コンピュータ10が実行する処理として記載しているが、その一部又は全部を、コンピュータ10ではなく、救助者端末2又は管理者端末3が直接実行する構成も可能である。この場合、例えば、救助者端末2が、電子カルテ作成処理及び電子カルテ編集処理を実行し、処理結果を、管理者端末3に出力し、電子カルテを記憶する。管理者端末3が、区分別リスト出力処理、集計リスト出力処理、マップ出力処理、空病床数取得処理、受入可否リスト出力処理、医療施設割当処理を実行するといったものである。
【0081】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されて良い。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されて良い。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしても良い。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0083】
本実施形態に開示される第1の態様は、トリアージの状況を管理するトリアージ管理システムであって、
患者に装着されたトリアージタグの区分と、当該患者の症状とに基づいた電子カルテを作成する作成部と、
作成した前記電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する区分別リスト出力部と、
を備えるトリアージ管理システムを提供する。
【0084】
本実施形態に開示される第2の態様は、前記患者の数を、前記区分別に集計する集計部と、
集計結果を集計リストとして出力する集計リスト出力部と、
を更に備える第1の態様に記載のトリアージ管理システムを提供する。
【0085】
本実施形態に開示される第3の態様は、前記電子カルテは、症状を判断した箇所の画像、応急処置前後の画像の少なくとも一つを含む、
第1の態様に記載のトリアージ管理システムを提供する。
【0086】
本実施形態に開示される第4の態様は、前記電子カルテを、前記患者の症状の変化に応じて編集する編集部、
を更に備える第1の態様に記載のトリアージ管理システムを提供する。
【0087】
本実施形態に開示される第5の態様は、前記トリアージタグに添付された位置情報発信タグから、前記患者の位置情報を取得する位置情報取得部と、
取得した前記位置情報に基づいて、前記患者の位置を反映したマップを出力するマップ出力部と、
を更に備える第1の態様に記載のトリアージ管理システムを提供する。
【0088】
本実施形態に開示される第6の態様は、医療施設毎の空病床数を取得する空病床数取得部と、
取得した前記空病床数に基づいて、前記患者の受入可否を受入可否リストとして出力する受入可否リスト出力部と、
を更に備える第1の態様に記載のトリアージ管理システムを提供する。
【0089】
本実施形態に開示される第7の態様は、前記患者の症状に応じて、前記患者の医療施設への割当先を決定する決定部と、
決定した前記医療施設に、前記電子カルテを出力する医療施設出力部と、
を更に備える第1の態様に記載のトリアージ管理システムを提供する。
【符号の説明】
【0090】
1 トリアージ管理システム
2 救助者端末
3 管理者端末
10 コンピュータ
20 電子カルテ
21 トリアージタグ欄
22 画像欄
30 区分別リスト
31 区分
32 電子カルテ
40 集計リスト
41 区分
42 集計結果
50 マップ
51 アイコン
60 受入可否リスト
61 医療施設
62 対応可能区分
63 対応可能症状
64 空病床数

【要約】
【課題】現場の状況を適切に把握する。
【解決手段】トリアージの状況を管理するトリアージ管理システムは、患者に装着されたトリアージタグの区分と、当該患者の症状とに基づいた電子カルテを作成し、作成した前記電子カルテを、区分別に区分別リストとして出力する。
【選択図】 図1

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