(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】施設提示装置、施設提示方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20241112BHJP
【FI】
G16H40/20
(21)【出願番号】P 2022528484
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2021016349
(87)【国際公開番号】W WO2021246083
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2020097593
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】林谷 昌洋
(72)【発明者】
【氏名】久保 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】柴野 暁彦
(72)【発明者】
【氏名】伴野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】矢原 潤一
(72)【発明者】
【氏名】山内 玲
(72)【発明者】
【氏名】武田 英之
(72)【発明者】
【氏名】相馬 健人
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-093159(JP,A)
【文献】特開2020-016993(JP,A)
【文献】特開2019-144746(JP,A)
【文献】特開2018-005313(JP,A)
【文献】特開2013-152632(JP,A)
【文献】特表2019-517166(JP,A)
【文献】特開2017-191362(JP,A)
【文献】特開2020-038175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択する選択手段と、
前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する提示手段と
を備える施設提示装置。
【請求項2】
前記選択手段は、複数の前記検査対象者が夫々受けようとしている複数の検査を示す前記検査情報と前記検査施設情報と前記カルテデータとに基づいて、前記複数の検査対象者に夫々推奨する複数の前記推奨施設を選択する
請求項1に記載の施設提示装置。
【請求項3】
第1の検査対象者と第2の検査対象者とが同じ検査を受けようとしている場合には、前記選択手段は、前記カルテデータに含まれる前記検査対象者の健康状態に関する状態情報に基づいて、第1及び第2の検査対象者のうち前記健康状態が相対的に悪い一の検査対象者を対象に、前記第1及び第2の検査対象者のうちの他の検査対象者よりも優先的に前記推奨施設を選択する
請求項1又は2に記載の施設提示装置。
【請求項4】
前記検査対象者に関する情報を、前記推奨施設に対して送信する送信手段を更に備える
請求項1から3のいずれか一項に記載の施設提示装置。
【請求項5】
前記検査対象者に関する情報が印刷された文書を発行する印刷文書出力手段を更に備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の施設提示装置。
【請求項6】
前記カルテデータの利用を前記推奨施設に許可する許可手段を更に備える
請求項1から5のいずれか一項に記載の施設提示装置。
【請求項7】
前記許可手段は、前記推奨施設が前記カルテデータを利用することについて前記検査対象者が同意したことを条件に、前記カルテデータの利用を前記推奨施設に許可する
請求項6に記載の施設提示装置。
【請求項8】
検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択することと、
前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示することと
を含む
、コンピュータが実行する施設提示方法。
【請求項9】
コンピュータに、
検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択することと、
前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示することと
を含む施設提示方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査を受けることを希望する検査対象者に推奨する検査施設を選択し且つ選択した検査施設を提示対象者に提示可能な施設提示装置、施設提示方法及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象者の疾病の予防又は早期発見を目的に、検査対象者は、検査機関において様々な検査を受けることが望まれる。従って、検査対象者が検査を受けることを促すための技術の開発が望まれている。例えば、特許文献1には、海外在住者に健康診断を受けさせるために、海外在住者が在住している国の休日及び慣習に基づいて健康診断の受診候補日を選定し、選定した受診候補日を海外在住者に通知する装置が記載されている。
【0003】
その他、本開示に関連する先行技術文献として、特許文献2から5があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-181136号公報
【文献】国際公開第2012/124265号パンフレット
【文献】特開2017-142650号公報
【文献】特開2007-172275号公報
【文献】特開2002-259571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
検査を行うことが可能な検査施設が複数存在する場合には、複数の検査施設の夫々の状況を考慮した上で、少なくとも一つの適切な検査施設が、検査対象者に推奨する推奨施設として選択することが望まれる。しかしながら、上述した特許文献1に記載の装置は、検査対象者が検査(特許文献1では、健康診断)を受けることが可能な医療機関が複数存在するか否かを何ら考慮していない。このため、特許文献1に記載の装置は、検査対象者に推奨する推奨施設を適切に選択することができるとは限らないという技術的問題を有している。
【0006】
本開示は、上述した技術的問題を解決可能な施設提示装置、施設提示方法及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。一例として、本開示は、検査対象者に推奨する推奨施設を適切に選択することが可能な施設提示装置、施設提示方法及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の施設提示装置の一態様は、検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択する選択手段と、前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する提示手段とを備える。
【0008】
本開示の施設提示方法の一態様は、検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択し、前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する。
【0009】
本開示の記録媒体の一態様は、コンピュータに、検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択する選択工程と、前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する提示工程とを実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
上述した施設提示装置、施設提示方法及び記録媒体によれば、検査対象者に推奨する推奨施設を適切に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態の施設提示システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の施設提示サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、施設データのデータ構造の一例を示すデータ構造図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の情報端末の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、施設提示サーバが行う施設提示動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、推奨施設を選択する動作を概念的に示す。
【
図7】
図7は、推奨施設を選択する動作を概念的に示す。
【
図8】
図8は、カルテDBを記憶している記憶装置を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、カルテデータのデータ構造の一例を示すデータ構造図である。
【
図10】
図10は、提示対象者に提示される推奨施設情報の一例を示す。
【
図11】
図11は、提示対象者に提示される推奨施設情報の一例を示す。
【
図12】
図12は、変形例の施設提示システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、変形例の施設提示サーバの構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、変形例において提示対象者に提示される推奨施設情報の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、施設提示装置、施設提示方法及び記録媒体の実施形態について説明する。以下では、施設提示装置、施設提示方法及び記録媒体の実施形態が適用された施設提示システムSYSについて説明する。このような施設提示システムSYSは、例えば、患者に対して医療を提供する医療機関において採用されてもよい。医療機関は、例えば、病院、診療所、介護老人保健施設、調剤薬局及びその他医療を提供する任意の施設(例えば、健康診断を行う施設及び任意の臨床検査を行う施設の少なくとも一方)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0013】
(1)施設提示システムSYSの構成
はじめに、本実施形態の施設提示システムSYSの構成について説明する。
【0014】
(1-1)施設提示システムSYSの全体構成
はじめに、
図1を参照しながら、本実施形態の施設提示システムSYSの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態の施設提示システムSYSの全体構成を示すブロック図である。
【0015】
施設提示システムSYSは、検査対象者が検査を受けようとしている(つまり、検査を受ける予定がある)場合に、検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を推奨施設として選択し、選択した推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に対して提示する。施設提示システムSYSは、推奨施設情報を提示対象者に対して提示することによって、提示対象者に当該推奨施設で検査を受けることを提案してもよい。検査対象者が受けようとしている検査は、検査対象者が検査を受けることを望んでいる検査、検査対象者が受けることが推奨されている検査、及び、検査対象者が受けるべき検査のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。以下では、説明の便宜上、検査対象者が受けようとしている検査を、“推奨検査”と称する。本実施形態における「検査対象者」は、推奨検査を受けようとしている任意の人物である。検査対象者は、例えば、施設提示システムSYSを採用している医療機関において診療を受けたことがある患者を含んでいてもよい。検査対象者は、例えば、施設提示システムSYSを採用している医療機関において推奨検査を受けるように勧められた患者を含んでいてもよい。また、本実施形態における「検査」は、医療に関する任意の検査(例えば、臨床検査)を含む。臨床検査は、検査対象者の身体を直接調べる生理検査(言い換えれば、生理機能検査)を含んでいてもよいし、検査対象者の身体から採取した試料(つまり、検体)を調べる抗体検査を含んでいてもよい。また、本実施形態における「検査施設」は、上述した検査を行うことが可能な任意の施設である。このような検査施設の一例として、上述した医療機関(例えば、病院、診療所、介護老人保健施設、調剤薬局及びその他医療を提供する任意の施設(例えば、健康診断を行う施設及び任意の臨床検査を行う施設の少なくとも一方)があげられる。また、本実施形態における「提示対象者」は、推奨施設情報の提示を受ける任意の人物である。提示対象者は、例えば、検査対象者と同一の人物であってもよい。提示対象者は、例えば、検査対象者と異なる人物(例えば、医療従事者)であってもよい。尚、本実施形態における「医療従事者」は、病気の治療、病気の予防、健康の維持、健康の回復及び健康の増進の少なくとも一つを目的とした活動である医療に従事する人物全般である。医療従事者は、医師、歯科医師助産師及びコメディカル(例えば、看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師及び理学療法士等の少なくとも一人)等の少なくとも一人を含んでいてもよい。
【0016】
推奨施設を選択し且つ選択した推奨施設に関する推奨施設情報を提示対象者に提示するために、
図1に示すように、施設提示システムSYSは、「施設提示装置」の一具体例である施設提示サーバ1と、情報端末2とを備えている。施設提示サーバ1と情報端末2とは、通信ネットワーク3を介して通信可能である。通信ネットワーク3は、有線の通信ネットワークを含んでいてもよいし、無線の通信ネットワークを含んでいてもよい。
【0017】
施設提示サーバ1は、施設提示システムSYSを採用している医療機関が利用可能な情報処理装置である。このため、施設提示サーバ1は、典型的には、医療機関に設置される。この場合、施設提示サーバ1は、医療機関の内部(例えば、医療機関を構成する医療施設の内部)に設置されていてもよいし、医療機関の外部(例えば、医療機関を構成する医療施設の外部に設置される施設)に設置されていてもよい。施設提示サーバ1は、施設提示動作を行う。具体的には、施設提示サーバ1は、推奨施設を選択する動作を、施設提示動作の一部として行ってもよい。更に、施設提示サーバ1は、提示対象者に対して任意の情報を提示可能な情報端末2を用いて、推奨施設情報を提示対象者に対して提示する動作を、施設提示動作の他の一部として行ってもよい。つまり、施設提示サーバ1は、推奨施設情報を提示対象者に提示するように情報端末2を制御する動作を、施設提示動作の他の一部として行ってもよい。
【0018】
情報端末2は、提示対象者が利用可能な情報処理装置である。情報端末2として、医療機関に設置される情報処理装置(例えば、パソコン及びタブレット端末の少なくとも一方)が用いられてもよい。情報端末2として、提示対象者が保有する情報処理装置(例えば、パソコン、タブレット端末及びスマートフォンの少なくとも一つ)が用いられてもよい。情報端末2は、上述したように、施設提示サーバ1の制御下で、推奨施設情報を提示対象者に対して提示する。その結果、提示対象者は、推奨施設を認識することができる。つまり、提示対象者は、検査対象者がどの検査機関で推奨検査を受けることが推奨されているか(言い換えれば、進められているか又は提案されているか)を認識することができる。
【0019】
(1-2)施設提示サーバ1の構成
続いて、
図2を参照しながら、施設提示サーバ1の構成について説明する。
図2は、施設提示サーバ1の構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、施設提示サーバ1は、記憶装置11と、演算装置12とを備えている。更に、施設提示サーバ1は、入力装置13と、出力装置14とを備えていてもよい。但し、施設提示サーバ1は、入力装置13及び出力装置14の少なくとも一方を備えていなくてもよい。記憶装置11と、演算装置12と、入力装置13と、出力装置14とは、データバス15を介して接続されていてもよい。
【0021】
記憶装置11は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置11は、演算装置12が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置11は、演算装置12がコンピュータプログラムを実行している際に演算装置12が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置11は、施設提示サーバ1が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置11は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置11は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0022】
本実施形態では、記憶装置11は、推奨施設を選択するために施設提示サーバ1が利用するデータを記憶する。
図2には、推奨施設を選択するために施設提示サーバ1が利用するデータの一例として、検査施設DB(Database:データベース)111が記載されている。つまり、
図2は、記憶装置11が検査施設DB111を記憶する例を示している。
【0023】
検査施設DB111は、検査施設に関する情報を含む検査施設情報1110を格納するデータベースである。一般的に、検査を行うことが可能な検査機関は複数存在する。例えば、同じ種類の検査を行うことが可能な検査施設が複数存在する可能性がある。例えば、異なる複数種類の検査を行うことが可能な検査施設が複数存在する可能性がある。このため、検査施設DB111は、典型的には、複数の検査施設に夫々対応する複数の検査施設情報1110を格納する。各検査施設情報1110は、各検査施設情報1110に対応する一つの検査施設に関する情報を含んでいる。
【0024】
このような検査施設情報1110の一例が、
図3に示されている。
図3に示すように、検査施設情報1110は、施設基本情報1111と、施設詳細情報1112とを含んでいてもよい。
【0025】
施設基本情報1111は、検査施設を特定するための基本的な情報を含む。例えば、
図3に示す例では、施設基本情報1111は、検査施設を識別するための施設IDと、検査施設の名称(施設名)に関する情報と、検査施設の住所に関する情報とを含んでいる。但し、施設基本情報1111は、これら複数の情報のうちの少なくとも一つを含んでいなくてもよい。施設基本情報1111は、
図3に示す複数の情報のうちの少なくとも一つに加えて又は代えて、他の情報を含んでいてもよい。
【0026】
施設詳細情報1112は、検査施設が行うことが可能な検査(以降、“実施可能検査”と称する)に関する詳細な情報を含む。例えば、施設詳細情報1112は、実施可能検査を示す情報を含んでいてもよい。
図3に示す例では、施設詳細情報1112は、実施可能検査を示す情報として、実施可能検査を識別するための検査IDと、実施可能検査の名称(検査名)に関する情報とを含む。更に、施設詳細情報1112は、実施可能検査の実施に関する情報を含んでいてもよい。例えば、
図3に示す例では、施設詳細情報1112は、検査施設の実施に関する情報として、検査施設における実施可能検査の予約状況に関する情報と、検査施設において行われた実施可能検査の実績に関する情報とを含んでいる。実施可能検査の予約状況に関する情報は、例えば、実施可能検査の予約が入っている日時に関する情報、ある日時において予約済みの実施可能検査の数に関する情報、実施可能検査の予約がまだ可能な日時に関する情報、及び、ある日時において実施可能検査の新たな予約を受け入れることが可能な数(つまり、実施可能検査の予約の空き数)に関する情報のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。尚、検査施設は、一般的に、検査装置を用いて実施可能検査を行う。このため、ある日時において予約済みの実施可能検査の数と同じ日時において実施可能検査の予約を受け入れることが可能な数との総和は、典型的には、実施可能検査を行うための検査装置の総数と一致する又は以下になる。また、検査施設において行われた実施可能検査の実績に関する情報は、例えば、検査施設において実施可能検査が行われた回数に関する情報及び検査施設において実施可能検査を受けた人物からの実施可能検査に対する評価(いわゆる、口コミ)に関する情報の少なくとも一つを含んでいてもよい。但し、施設詳細情報1112は、これら複数の情報のうちの少なくとも一つを含んでいなくてもよい。施設詳細情報1112は、
図3に示す複数の情報のうちの少なくとも一つに加えて又は代えて、他の情報を含んでいてもよい。
【0027】
検査施設が複数の異なる種類の実施可能検査を行うことが可能である場合がある。この場合には、検査施設情報1110は、検査施設が行うことが可能な複数の異なる種類の実施可能検査に夫々対応する複数の施設詳細情報1112を含んでいてもよい。例えば、検査施設情報1110は、第1の種類の実施可能検査に関する詳細な情報を含む第1の施設詳細情報1112と、第1の種類の実施可能検査とは異なる第2の種類の実施可能検査に関する詳細な情報を含む第2の施設詳細情報1112とを含んでいてもよい。
【0028】
再び
図2において、演算装置12は、例えば、CPU(Central Proecssing Unit)を含む。演算装置12は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置12は、記憶装置11が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置12は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。演算装置12は、不図示の通信装置を介して、施設提示サーバ1の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置12は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置12内には、施設提示サーバ1が行うべき動作(例えば、上述した施設提示動作)を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置12は、施設提示サーバ1が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0029】
図2には、施設提示動作を実行するために演算装置12内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。
図2に示すように、演算装置12内には、「選択手段」の一具体例である施設選択部121と、「提示手段」の一具体例である施設提示部122とが実現される。尚、施設選択部121及び施設提示部122の動作の詳細については、後に
図5等を参照しながら詳述するが、ここでその概要について簡単に説明する。施設選択部121は、検査施設DB111に基づいて、推奨施設を選択する。施設提示部122は、施設選択部121が選択した推奨施設に関する推奨施設情報を提示対象者に対して提示するように、情報端末2を制御する。
【0030】
入力装置13は、施設提示サーバ1の外部からの施設提示サーバ1に対する情報の入力を受け付ける装置である。
【0031】
出力装置14は、施設提示サーバ1の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置14は、施設提示サーバ1が行う施設提示動作に関する情報を出力してもよい。例えば、出力装置14は、推奨施設情報を提示するように情報端末2を制御するための制御情報を、通信ネットワーク3を介して情報端末2に対して出力(つまり、送信)してもよい。
【0032】
(1-3)情報端末2の構成
続いて、
図4を参照しながら、情報端末2の構成について説明する。
図4は、情報端末2の構成を示すブロック図である。
【0033】
図4に示すように、情報端末2は、記憶装置21と、演算装置22と、出力装置23とを備えている。更に、情報端末2は、入力装置24を備えていてもよい。但し、情報端末2は、入力装置24を備えていなくてもよい。記憶装置21と、演算装置22と、出力装置23と、入力装置24とは、データバス25を介して接続されていてもよい。
【0034】
記憶装置21は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置21は、演算装置22が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置21は、演算装置22がコンピュータプログラムを実行している際に演算装置22が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置21は、情報端末2が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置21は、RAM、ROM、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置21は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0035】
演算装置22は、例えば、CPUを含む。演算装置22は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置22は、記憶装置21が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置22は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。演算装置22は、不図示の通信装置を介して、情報端末2の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置22は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置22内には、情報端末2が行うべき動作実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置22は、情報端末2が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0036】
本実施形態では、情報端末2は、施設提示サーバ1の制御下で、推奨施設情報を提示対象者が認識可能な形式で出力するための推奨施設情報出力動作を行う。
図5には、推奨施設情報出力動作を行うために演算装置22内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。
図5に示すように、演算装置22内には、情報取得部221と、出力制御部222とが実現される。情報取得部221は、施設提示サーバ1から、推奨施設情報を提示するように情報端末2を制御するための制御情報を取得する。出力制御部222は、情報取得部221が取得した制御情報に基づいて、推奨施設情報を提示対象者が認識可能な形式で出力するように出力装置23を制御する。
【0037】
出力装置23は、情報端末2の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置23は、画像を出力してもよい。つまり、出力装置23は、画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置23は、推奨施設情報を画像として表示することで、推奨施設情報を提示対象者に対して提示してもよい。その結果、提示対象者は、視覚を用いて推奨施設情報を認識することができる。例えば、出力装置23は、音声を出力してもよい。つまり、出力装置23は、音声を出力可能な音声装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置23は、推奨施設情報を音声として出力することで、推奨施設情報を提示対象者に対して提示してもよい。その結果、提示対象者は、聴覚を用いて推奨施設情報を認識することができる。例えば、出力装置23は、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置23は、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置23は、推奨施設情報を紙面に印刷することで、推奨施設情報を提示対象者に対して提示してもよい。その結果、提示対象者は、視覚を用いて推奨施設情報を認識することができる。
【0038】
入力装置24は、情報端末2の外部からの情報端末2に対する情報の入力を受け付ける装置である。
【0039】
このような情報端末2は、施設提示サーバ1が設置された医療機関における提示対象者の動線上に配置されていてもよい。例えば、上述したように、提示対象者が検査対象者(例えば、患者)である場合には、情報端末2は、医療機関における患者の動線上に配置されていてもよい。医療機関における患者の動線は、医療機関の受付と、待合室と診療室とを結ぶ動線を含んでいてもよい。一例として、情報端末2は、医療機関の受付(例えば、診療を終えた患者が医療費を支払うための場所)に配置されていてもよい。この場合、患者は、医療機関において診療を受けた後に医療費を支払うタイミングで、診療において医療従事者から受けるように勧められた推奨検査を受けることが可能な推奨施設を認識することができる。他の一例として、情報端末2は、医療機関の待合室(例えば、患者が診療又は医療費の支払を待つための場所)に配置されていてもよい。この場合、患者は、医療機関において診療を受けた後に医療費の支払を待つタイミングで、診療において医療従事者から受けるように勧められた推奨検査を受けることが可能な推奨施設を認識することができる。例えば、上述したように、提示対象者が医療従事者である場合には、情報端末2は、診療が行われる部屋(例えば、診療室)に配置されていてもよい。この場合、医療従事者は、患者(つまり、検査対象者)の診療を行いながら、推奨施設を認識することができる。その結果、医療従事者は、患者(つまり、検査対象者)の診療を行いながら、患者に対して推奨施設を伝えることができる
或いは、上述したように検査対象者が保有する情報処理装置が情報端末2として用いられる場合には、検査対象者は、医療機関を訪れることなく、推奨施設を所望の場所(例えば、検査対象者の自宅等)で認識することができる。
【0040】
(2)施設提示サーバ1が行う施設提示動作
続いて、
図5を参照しながら、施設提示サーバ1が行う施設提示動作について説明する。
図5は、施設提示サーバ1が行う施設提示動作の流れを示すフローチャートである。
【0041】
図5に示すように、まず、施設選択部121は、施設提示動作の実行を施設提示サーバ1に対して要求するための施設提示要求が施設提示サーバ1に入力されたか否かを判定する(ステップS10)。施設提示要求は、提示対象者及び検査対象者の少なくとも一方によって施設提示サーバ1に入力されてもよい。例えば、提示対象者が検査対象者と同一人物である場合は、提示対象者(つまり、検査対象者)は、情報端末2の入力装置24を用いて、施設提示要求を施設提示サーバ1に対して送信(つまり、入力)してもよい。例えば、提示対象者が検査対象者と異なる人物(例えば、医療従事者)である場合は、提示対象者(例えば、医療従事者)は、施設提示サーバ1の入力装置13を用いて、施設提示要求を施設提示サーバ1に入力してもよい。
【0042】
ステップS10における判定の結果、施設提示要求が入力されていないと判定された場合には(ステップS10:No)、施設提示サーバ1は、
図5に示す施設提示動作を終了してもよい。施設提示動作を終了した後には、施設提示サーバ1は、一定期間が経過した後に施設提示動作を再度開始してもよい。
【0043】
他方で、ステップS10における判定の結果、施設提示要求が入力されたと判定された場合には(ステップS10:Yes)、施設選択部121は、推奨検査を選択する(ステップS11からステップS12)。具体的には、施設選択部121は、まず、施設提示要求に含まれる情報に基づいて、検査対象者が受けることを希望している推奨検査を特定する(ステップS11)。このため、施設提示要求には、検査対象者が受けることを希望している推奨検査を示す情報を含む推奨検査情報が含まれていることが好ましい。或いは、施設選択部121は、施設提示要求とは別に、推奨検査情報を取得してもよい。その後、記憶装置11が記憶している検査施設DB111に基づいて、ステップS11で特定した推奨検査を検査対象者が受けることが推奨される推奨施設を選択する(ステップS12)。つまり、施設選択部121は、施設提示要求に含まれる推奨検査情報と記憶装置11が記憶している検査施設DB111とに基づいて、検査施設DB111に格納されている複数の検査施設情報1110に夫々対応する複数の検査施設の中から、ステップS11で特定した推奨検査を受けようとしている検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択する(ステップS12)。
【0044】
例えば、施設選択部121は、検査施設DB111から、ステップS11で特定した推奨検査を行うことが可能な検査施設に対応する検査施設情報1110を抽出してもよい。その後、施設選択部121は、抽出した検査施設情報1110に含まれる施設詳細情報1112(特に、検査施設の予約状況に関する情報)に基づいて、抽出した検査施設情報1110に対応する検査施設が、推奨検査の予約を新たに受けることが可能か否かを判定してもよい。その結果、施設選択部121は、推奨検査の新たな予約を受け入れることが可能な検査施設(以降、“予約可能検査施設”と称する)を、推奨施設として選択してもよい。この場合、施設選択部121は、推奨施設情報が入力されると、推奨施設情報に基づいて複数の検査施設情報1110をサーチすることで推奨施設を出力する選択エンジンを用いて、推奨施設を選択してもよい。選択エンジンは、予約可能検査施設を推奨施設として選択するというルールベースのエンジンであってもよい。
【0045】
予約可能検査施設が複数存在する場合には、施設選択部121は、複数の予約可能検査施設のうちの少なくとも二つの夫々を、推奨施設として選択してもよい。つまり、施設選択部121は、複数の推奨施設を選択してもよい。
【0046】
予約可能検査施設が複数存在する場合には、施設選択部121は、複数の予約可能検査施設の全てを、推奨施設として選択してもよい。つまり、施設選択部121は、予約可能検査施設を、無条件に推奨施設として選択してもよい。
【0047】
或いは、施設選択部121は、複数の予約可能検査施設の一部のみを、推奨施設として選択してもよい。施設選択部121は、複数の予約可能検査施設の他の一部を、推奨施設として選択しなくてもよい。具体的には、施設選択部121は、所望の施設選択基準に基づいて、複数の予約可能検査施設の一部を推奨施設として選択する一方で、複数の予約可能検査施設の他の一部を推奨施設として選択しなくてもよい。例えば、
図6は、四つの検査施設#1から#4が予約可能検査施設である場合に、検査施設#2及び#3が推奨検査施設として選択される一方で、検査施設#1及び#4が推奨施設として選択されない状況を概念的に示している。
【0048】
施設選択基準は、施設提示システムSYSを採用している一の医療機関と関連を有する(例えば、同じ系列の)検査施設が、一の医療機関と関連を有していない検査施設よりも推奨施設として選択されやすくなるという第1の基準を含んでいてもよい。第1の基準が用いられる場合には、検査施設情報1110に含まれる施設基本情報1111は、検査施設が関連を有している医療機関に関する情報を含んでいてもよい。その結果、施設選択部121は、検査施設情報1110に基づいて、第1の基準を満たすように推奨施設を選択することができる。この場合、施設選択部121は、一の医療機関と関連を有する検査施設を推奨施設として優先的に選択することができる。その結果、施設提示システムSYSを採用している一の医療機関は、一の医療機関に関連する検査施設のリソースを優先的に活用することができる。つまり、施設提示システムSYSを採用している一の医療機関は、一の医療機関に関連する検査施設のリソースを有効に活用することができる。
【0049】
施設選択基準は、推奨検査と同じ種類の検査の実績が相対的に高い検査施設が、推奨検査と同じ種類の検査の実績が相対的に低い検査施設よりも推奨施設として選択されやすくなるという第2の基準を含んでいてもよい。例えば、第2の基準は、推奨検査と同じ種類の検査が行われた回数が相対的に多い検査施設が、推奨検査と同じ種類の検査が行われた回数が相対的に少ない検査施設よりも推奨施設として選択されやすくなるという基準を含んでいてもよい。例えば、第2の基準は、推奨検査と同じ種類の検査に対する評価(口コミ)が相対的に高い検査施設が、推奨検査と同じ種類の検査に対する評価が相対的に低い検査施設よりも推奨施設として選択されやすくなるという基準を含んでいてもよい。上述したように、検査施設情報1110に含まれる施設詳細情報1112は、検査施設において行われた検査の実績に関する情報を含んでいる。このため、施設選択部121は、検査施設情報1110に基づいて、第2の基準を満たすように推奨施設を選択することができる。この場合、施設選択部121は、実績が相対的に高い検査施設を推奨施設として優先的に選択することができる。その結果、検査対象者は、実績が相対的に高い検査施設において推奨検査を受けることができる。
【0050】
施設選択基準は、推奨検査と同じ種類の検査の予約数(つまり、予約済みの検査の数)が相対的に少ない検査施設が、推奨検査と同じ種類の検査の予約数が相対的に多い検査施設よりも推奨施設として選択されやすくなるという第3の基準を含んでいてもよい。言い換えれば、施設選択基準は、推奨検査と同じ種類の検査の新たな予約の受け入れが可能な数(つまり、推奨検査と同じ種類の検査の予約の空き数)が相対的に多い検査施設が、推奨検査と同じ種類の検査の新たな予約の受け入れが可能な数が相対的に少ない検査施設よりも推奨施設として選択されやすくなるという第3の基準を含んでいてもよい。上述したように、検査施設情報1110に含まれる施設詳細情報1112は、検査施設が行うことが可能な検査の予約状況に関する情報を含んでいる。このため、施設選択部121は、検査施設情報1110に基づいて、第3の基準を満たすように推奨施設を選択することができる。この場合、施設選択部121は、相対的に空きの多い検査施設を推奨施設として優先的に選択することができる。このため、施設選択部121は、一部の検査施設のみを推奨施設として偏って選択する可能性が低くなる。つまり、施設選択部121は、複数の検査施設を概ね均等に推奨施設として選択する可能性が高くなる。その結果、複数の検査施設のリソースが概ね均等に活用される。つまり、複数の検査施設のリソースが有効に活用される。
【0051】
施設選択基準は、検査対象者の住所に相対的に近い検査施設が、検査対象者の住所から相対的に遠い検査施設よりも推奨施設として選択されやすくなるという第4の基準を含んでいてもよい。第4の基準が用いられる場合には、ステップS10で入力される施設提示要求に含まれている推奨検査情報は、検査対象者の住所に関する情報を含んでいてもよい。或いは、施設選択部121は、施設提示要求とは別に、検査対象者の住所に関する情報を取得してもよい。例えば、後述するように記憶装置11がカルテDB112(
図8から
図9参照)を記憶している場合には、施設選択部121は、カルテDB112から、検査対象者の住所に関する情報を取得してもよい。その結果、施設選択部121は、検査施設情報1110に含まれる検査施設の住所に関する情報と検査対象者の住所に関する情報とに基づいて、第4の基準を満たすように推奨施設を選択することができる。この場合、施設選択部121は、検査対象者が訪れやすい推奨施設として優先的に選択することができる。その結果、検査対象者の利便性が向上する。
【0052】
施設選択部121は、推奨施設を選択することに加えて、推奨施設が検査対象者からの推奨検査の予約を新たに受け入れることが可能な日時(以降、“予約可能日時”と称する)を更に特定してもよい。上述したように、検査施設情報1110に含まれる施設詳細情報1112は、検査施設が行うことが可能な検査の予約状況に関する情報を含んでいる。このため、施設選択部121は、検査施設情報1110に基づいて予約可能日時を更に特定してもよい。
【0053】
予約可能日時を特定する場合には、施設選択部121は、検査対象者が推奨検査を受けることを希望する日程を考慮してもよい。つまり、施設選択部121は、検査対象者が推奨検査を受けることを希望する日程の範囲内で、予約可能日時を特定してもよい。この場合、ステップS10で入力される施設提示要求に含まれている推奨検査情報は、検査対象者が推奨検査を受けることを希望する日程に関する情報を含んでいることが好ましい。或いは、施設選択部121は、施設提示要求とは別に、検査対象者が推奨検査を受けることを希望する日程に関する情報を取得してもよい。
【0054】
施設選択部121は、複数の検査対象者が夫々複数の推奨検査を受けようとしている場合には、複数の検査対象者に夫々対応する複数の推奨施設を並行して選択してもよい。つまり、施設選択部121は、
図5のステップS10において複数の施設提示要求が入力された場合には、複数の施設提示要求に夫々含まれる複数の推奨検査情報に基づいて、複数の施設提示要求に応答して夫々複数の推奨施設を並行して選択してもよい。尚、複数の検査対象者が夫々受けようとしている複数の推奨検査は、全て同一の種類の検査であってもよい。或いは、複数の検査対象者が夫々受けようとしている複数の推奨検査のうちの少なくとも二つが、異なる種類の検査であってもよい。例えば、
図7は、四つの検査施設#1から#4が予約可能検査施設となり且つ検査対象者a、検査対象者b及び検査対象者cの夫々が推奨検査を受けるようとしている場合に推奨施設が選択される様子を概念的に示している。
図7に示す例では、施設選択部121は、検査対象者aのための推奨施設として検査施設#2を選択し、検査対象者bのための推奨施設として検査施設#3及び#4を選択し、検査対象者cのための推奨施設として検査施設#1を選択している。この場合、複数の検査対象者に夫々対応する複数の推奨施設を選択する動作は、複数の検査対象者と複数の推奨施設とをマッチングする動作と実質的に等価であるとみなしてもよい。尚、複数の検査対象者が夫々受けようとしている複数の推奨検査は、全て同一の種類の検査であってもよい。或いは、複数の検査対象者が夫々受けようとしている複数の推奨検査のうちの少なくとも二つが、異なる種類の検査であってもよい。
【0055】
同じ種類の推奨検査を受けるようとしている複数の検査対象者の夫々のための複数の推奨施設として同じ一の検査施設を選択可能である場合には、施設選択部121は、複数の検査対象者の夫々のための推奨施設として同じ一の検査施設を選択してもよい。例えば、
図7に示す例において、検査対象者a及びbが同じ種類の推奨検査を受けようとしており且つ検査施設#1が検査対象者aのための推奨施設及び検査対象者bのための推奨施設として選択可能である場合には、施設選択部121は、検査施設#1を、検査対象者aのための推奨施設及び検査対象者bのための推奨施設の夫々として選択してもよい。或いは、この場合には、施設選択部121は、少なくとも一人の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設を選択する一方で、少なくとも他の一人の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設を選択しなくてもよい。例えば、
図7に示す例において、検査対象者a及びbが同じ種類の推奨検査を受けようとしており且つ検査施設#1が検査対象者aのための推奨施設及び検査対象者bのための推奨施設として選択可能である場合には、施設選択部121は、検査施設#1を、検査対象者aのための推奨施設として選択する一方で、検査施設#1を、検査対象者bのための推奨施設として選択しなくてもよい。言い換えれば、施設選択部121は、少なくとも一人の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設を選択する一方で、少なくとも他の一人の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設とは異なる他の検査施設を選択してもよい。例えば、
図7に示す例において、検査対象者a及びbが同じ種類の推奨検査を受けようとしており、検査施設#1が検査対象者aのための推奨施設及び検査対象者bのための推奨施設として選択可能であり且つ検査施設#2が検査対象者bのための推奨施設として選択可能である場合には、施設選択部121は、検査施設#1を、検査対象者aのための推奨施設として選択する一方で、検査施設#2を、検査対象者bのための推奨施設として選択してもよい。
【0056】
この場合、施設選択部121は、推奨検査情報と検査施設DB111とに加えて、複数の検査対象者に関する情報に基づいて、複数の検査対象者に夫々対応する複数の推奨施設を選択してもよい。検査対象者の状態に関する情報の一例として、検査対象者が患者として受けた診療(つまり、診察及び治療の少なくとも一方)の履歴に関する情報があげられる。この場合、
図8に示すように、記憶装置11は、医療機関において検査対象者が受けた診療の履歴に関する情報を含むカルテDB112を記憶していてもよい。
【0057】
カルテDB112は、検査対象者が患者として受けた診療の履歴に関する情報を含むカルテデータ1120を格納するデータベースである。一般的に、医療機関において診療を受けたことがある患者は複数存在する。このため、カルテDB112は、典型的には、複数の患者(つまり、複数の検査対象者)に夫々対応する複数のカルテデータ1120を格納する。各カルテデータ1120は、各カルテデータ1120に対応する一人の患者が医療機関において受けた診療の履歴に関するデータを少なくとも含んでいる。
【0058】
このようなカルテデータ1120の一例が、
図9に示されている。
図9に示すように、カルテデータ1120は、患者基本情報1121と、診療履歴情報1122とを含んでいてもよい。
【0059】
患者基本情報1121は、患者個人に関する情報(典型的には、個人情報)を含む。例えば、
図9に示す例では、患者基本情報1121は、患者を識別するための患者IDと、患者の氏名に関する情報と、患者の住所に関する情報と、患者の身長に関する情報と、患者の体重に関する情報と、患者の既往歴(例えば、病歴、服薬歴及びアレルギー歴のうちの少なくとも一つ)に関する情報とを含んでいる。但し、患者基本情報1121は、これら複数の情報のうちの少なくとも一つを含んでいなくてもよい。患者基本情報1121は、
図9に示す複数の情報のうちの少なくとも一つに加えて又は代えて、他の情報を含んでいてもよい。例えば、患者基本情報1121は、患者の生年月日に関する情報と、患者の電話番号に関する情報と、患者の勤務先に関する情報と、患者の緊急連絡先に関する情報と、患者の社会歴に関する情報と、患者の家族歴(つまり、患者の親族又は同居者の既往歴)に関する情報と、患者の遺伝子配列に関する情報とのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0060】
診療履歴情報1122は、医療機関において患者が受けた診療の履歴(言い換えれば、診療の経過)に関する情報を含む。例えば、
図9に示す例では、診療履歴情報1122は、主訴に関する情報と、医師の診察内容に関する情報と、医師が決定した治療方針に関する情報と、医師が行った治療の内容に関する情報と、医師が処方した薬の内容に関する情報と、医師から患者又は医療従事者に対する指示の内容に関する情報と、患者が受けた問診に関する情報と、患者が受けた検査に関する情報とを含んでいる。但し、診療履歴情報1122は、これら複数の情報のうちの少なくとも一つを含んでいなくてもよい。診療履歴情報1122は、
図9に示す複数の情報のうちの少なくとも一つに加えて又は代えて、その他の情報を含んでいてもよい。例えば、診療履歴情報1122は、インフォームドコンセントの履歴に関する情報と、医療従事者から患者に対して行われた説明等に関する情報と、患者から医療従事者に対して行われた質問等に関する情報とのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0061】
カルテデータ1120は、施設提示サーバ1が設置された一の医療機関において患者が受けた診療の履歴に関する情報を含んでいてもよい。カルテデータ1120は、施設提示サーバ1が設置された一の医療機関とは異なる他の医療機関において患者が受けた診療の履歴に関する情報を含んでいてもよい。例えば、カルテデータ1120は、一の医療機関と関連を有する(例えば、同じ系列の)他の医療機関において患者が受けた診療の履歴に関する情報を含んでいてもよい。或いは、他の医療機関において患者が受けた診療の履歴に関する情報は、一の医療機関に設置された施設提示サーバ1によって適宜参照可能な形式で、他の医療機関に設置された記憶装置に記憶されていてもよい。この場合、施設提示サーバ1は、通信網を介して、他の医療機関に設置された記憶装置に記憶されている情報をダウンロード又は参照してもよい。
【0062】
このようなカルテデータ1120に含まれる情報を考慮すると、カルテデータ1120は、検査対象者の健康状態に関する情報を含んでいると言える。この場合、施設選択部121は、同じ推奨検査を受けようとしている複数の検査対象者の夫々のための推奨施設として同じ一の検査施設を選択可能である状況下において、健康状態が相対的に悪い一の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設が選択される可能性が、健康状態が相対的に良好な他の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設が選択される可能性よりも高くなるように、推奨施設を選択してもよい。つまり、施設選択部121は、健康状態が相対的に悪い一の検査対象者のための推奨施設を優先的に選択してもよい。一例として、施設選択部121は、推奨検査によって評価したい(つまり、確認したい)疾病にかかるリスクが相対的に高い一の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設が選択される可能性が、推奨検査によって評価したい疾病にかかるリスクが相対的に低い他の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設が選択される可能性よりも高くなるように、推奨施設を選択してもよい。つまり、施設選択部121は、推奨検査によって評価したい疾病にかかるリスクが相対的に高い一の検査対象者のための推奨施設を優先的に選択してもよい。
【0063】
また、同じ推奨検査を受けようとしている複数の検査対象者の夫々のための推奨施設として異なる複数の検査施設を選択可能である状況下においても、施設選択部121は、健康状態が相対的に悪い一の検査対象者のための推奨施設を優先的に選択してもよい。例えば、施設選択部121は、健康状態が相対的に良好な他の検査対象者よりも、健康状態が相対的に悪い一の検査対象者に対して、複数の検査施設のうちの検査設備が相対的に充実している一の検査施設を推奨施設として優先的に選択してもよい。つまり、複数の検査施設のうちの検査設備が相対的に充実している一の検査施設が存在する場合には、施設選択部121は、健康状態が相対的に良好な他の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設を選択することよりも、健康状態が相対的に悪い一の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設を選択することを優先してもよい。例えば、施設選択部121は、健康状態が相対的に良好な他の検査対象者よりも、健康状態が相対的に悪い一の検査対象者に対して、複数の検査施設のうちの直近の日時での予約が可能な一の検査施設を優先的に選択してもよい。つまり、複数の検査施設のうちの直近の日時での予約が可能な一の検査施設が存在する場合には、施設選択部121は、健康状態が相対的に良好な他の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設を選択することよりも、健康状態が相対的に悪い一の検査対象者のための推奨施設として一の検査施設を選択することを優先してもよい。この場合、施設選択部121は、健康状態が相対的に良好な他の検査対象者に対して、一の検査施設とは異なる他の検査施設を推奨施設として選択してもよい。
【0064】
或いは、単一の検査対象者のための推奨施設を選択する場合においても、施設選択部121は、カルテデータ1120(例えば、検査対象者の健康状態に関する情報)を用いてもよい。例えば、施設選択部121は、健康状態が相対的に悪い検査対象者に対して、複数の検査施設のうちの検査設備が相対的に充実している検査施設を推奨施設として選択してもよい。例えば、施設選択部121は、健康状態が相対的に悪い検査対象者に対して、複数の検査施設のうちの直近の日時での予約が可能な検査施設を推奨施設として選択してもよい。例えば、施設選択部121は、健康状態が相対的に悪い検査対象者に対して、複数の検査施設のうちの規模が相対的に大きい検査施設を推奨施設として選択してもよい。例えば、施設選択部121は、健康状態が相対的に良好な検査対象者に対して、複数の検査施設のうちの規模が相対的に大きくない検査施設を推奨施設として選択してもよい。
【0065】
このように複数の検査対象者に夫々対応する複数の推奨施設を選択する場合には、施設選択部121は、複数の検査対象者が夫々受けようとしている複数の推奨検査に関する情報が入力されると複数の検査対象者に夫々対応する複数の推奨施設に関する情報を出力する機械学習モデルを用いて、推奨施設を選択してもよい。尚、機械学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークを用いた機械学習モデルであってもよい。この場合、施設選択部121が機械学習モデルを用いて推奨施設を選択する前に、学習用データを用いて機械学習モデルのパラメータ(例えば、ニューラルネットワークの重み及びバイアスの少なくとも一方)を設定するための学習動作が行われることが好ましい。学習用データは、検査施設DB111に格納された複数の検査施設情報1110に相当するデータを含んでいてもよい。学習用データは、複数の検査対象者に関する情報(例えば、カルテデータ1120)に相当するデータを含んでいてもよい。学習用データは、推奨検査情報に相当するデータを含んでいてもよい。例えば、学習動作は、学習用データを少なくとも機械学習モデルに入力した場合に機械学習モデル124から出力される推奨施設に関する情報と、学習用データに対応するように生成された正解ラベル(つまり、推奨施設として選択されることが好ましい検査施設の正解情報)との誤差が小さくなるように、機械学習モデルのパラメータを設定する動作であってもよい。尚、複数の検査対象者に夫々対応する複数の推奨施設を選択する場合に限らず、施設選択部121は、機械学習モデルを用いて単一の検査対象者のための推奨施設を選択してもよい。つまり、施設選択部121は、上述したルールベースの選択エンジンに加えて又は代えて、機械学習モデルを用いて推奨施設を選択してもよい。
【0066】
再び
図5において、その後、施設提示部122は、ステップS12において施設選択部121が選択した推奨施設に関する推奨施設情報を提示対象者に対して提示するように、情報端末2を制御する(ステップS13)。その結果、情報端末2は、出力装置23を用いて、推奨施設情報を提示対象者が認識可能な形式で出力する。例えば、出力装置23が表示装置である場合には、提示対象者に提示される推奨施設情報の一例を示す
図10に示すように、出力装置23は、推奨施設の名称を示す表示フィールド231を含むGUI(Graphical User Interface)を、推奨施設情報として表示してもよい。
図10は、A病院、B病院、Cクリニック及びDクリニックの夫々が推奨施設として選択された場合に表示される推奨施設情報の一例を示している。尚、提示された推奨施設において受けることが推奨される推奨検査を提示対象者に認識させるために、
図10に示すように、施設提示部122は、推奨検査の項目名を含む推奨施設情報を提示対象者に提示してもよい。例えば、出力装置23は、施設提示部122の制御下で、推奨検査の項目名を示す表示フィールド232を含むGUIを、推奨施設情報の一部として表示してもよい。
【0067】
上述したように推奨施設が検査対象者からの推奨検査の予約を新たに受け入れることが可能な日時(つまり、予約可能日時)を施設選択部121が特定した場合には、施設提示部122は、推奨施設の名称に加えて推奨施設の予約可能日時を示す推奨施設情報を提示対象者に対して提示するように、情報端末2を制御してもよい。その結果、提示対象者の利便性が向上する。例えば、提示対象者に提示される推奨施設情報の他の一例を示す
図11に示すように、出力装置23は、施設提示部122の制御下で、予約可能日時を示す表示フィールド233を含むGUIを、推奨施設情報の一部として表示してもよい。この場合、出力装置23は、予約可能日時における推奨施設の空き状況を示す表示フィールド233を含むGUIを、推奨施設情報の一部として表示してもよい。
図11に示す例では、推奨施設の空き状況は、推奨施設が推奨検査の新たな予約を受け入れることが可能な数が相対的に多いことを示す「〇」という記号と、推奨施設が推奨検査の新たな予約を受け入れることが可能な数が相対的に少ないことを示す「△」という記号と、推奨施設が推奨検査の新たな予約を受け入れることできないことを示す「×」という記号と、推奨施設が推奨検査の新たな予約を受け入れることが可能な数が一定数以下の場合に当該数を示す数字とを用いて表示されている。尚、推奨施設が推奨検査の新たな予約を受け入れることが可能な数は、推奨施設が推奨検査の新たな予約を受け入れることが可能な数が一定数以下でない場合にも表示されてもよい。推奨施設が推奨検査の新たな予約を受け入れることが可能な数は、上述した「〇」という記号、「△」という記号及び「×」という記号のうちの少なくとも一つを共に表示「されてもよい。また、推奨施設情報を確認した提示対象者が推奨施設の予約をすぐにできるように、出力装置23は、予約可能日時を示す表示フィールド233に、クリックすると推奨施設の予約画面につながるハイパーリンクを埋め込んでいてもよい。その結果、提示対象者の利便性が向上する。また、上述したように予約可能日時が特定される際に検査対象者が推奨検査を受けることを希望する日程が考慮された場合には、出力装置23は、施設提示部122の制御下で、検査対象者が推奨検査を受けることを希望する日程を示す表示フィールド234を含むGUIを、推奨施設情報の一部として表示してもよい。
【0068】
(3)施設提示システムSYSの技術的効果
以上説明したように、本実施形態の施設提示サーバ1は、検査対象者が推奨検査を受けることが推奨される推奨施設を適切に選択し且つ提示対象者に提示することができる。特に、施設提示サーバ1は、複数の検査施設に関する情報を夫々含む複数の検査施設情報1110に基づいて、複数の検査施設の中から、検査対象者に適した少なくとも一つの検査施設を推奨施設として選択することができる。このため、検査施設情報1110を用いることなく推奨施設が選択される場合と比較して、施設提示サーバ1は、検査施設の状況が適切に考慮された及び/又は検査対象者に適した推奨施設を適切に選択することができる。例えば、施設提示サーバ1は、適切な検査施設で推奨検査を受けたいという検査対象者側の要望を満たすように、推奨施設を選択することができる。例えば、既に上述したように、施設提示サーバ1は、複数の検査施設のリソースを有効に活用できるように、推奨施設を適切に選択することができる。つまり、施設提示サーバ1は、複数の検査施設のリソースを有効に活用したいという医療機関側の要望を満たすように、推奨施設を選択することができる。
【0069】
(4)施設提示システムSYSの変形例
続いて、
図12を参照しながら、施設提示システムSYSの変形例(以降、変形例における施設提示システムSYSを、“施設提示システムSYSa”と称する)について説明する。
図12は、変形例の施設提示システムSYSaの全体構成を示すブロック図である。
【0070】
図12に示すように、施設提示システムSYSaは、上述した施設提示システムSYSと比較して、検査施設サーバ4aを更に備えていてもよいという点で異なる。更に、施設提示システムSYSaは、上述した施設提示システムSYSと比較して、施設提示サーバ1に代えて施設提示サーバ1aを備えているという点で異なる。施設提示システムSYSaのその他の特徴は、施設提示システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。
【0071】
検査施設サーバ4aは、検査施設が利用可能な情報処理装置である。このため、検査施設サーバ4aは、典型的には、検査施設に設置される。上述したように検査機関が複数存在する場合には、複数の検査施設に複数の検査施設サーバ4aが夫々設置されていてもよい。検査施設サーバ4aは、通信ネットワーク5aを介して施設提示サーバ1aと通信可能である。通信ネットワーク5aは、有線の通信ネットワークを含んでいてもよいし、無線の通信ネットワークを含んでいてもよい。
【0072】
変形例の施設提示サーバ1aの構成が
図13に示されている。
図13に示すように、施設提示サーバ1aは、上述した施設提示サーバ1と比較して、演算装置12内に実現される論理的な機能ブロックとして、「送信手段」の一具体例である情報送信部123aと、「許可手段」の一具体例である利用許可部124aを更に備えているという点で異なる。更に、施設提示サーバ1aは、上述した施設提示サーバ1と比較して、記憶装置11がカルテDB112(
図8から
図9参照)を記憶しているという点で異なる。施設提示サーバ1aのその他の特徴は、施設提示サーバ1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0073】
情報送信部123aは、検査対象者が推奨検査を実際に受ける検査施設として一の推奨施設を指定した場合に、その旨を指定された一の推奨施設(以降、“指定施設”と称する)に通知する。具体的には、情報送信部123aは、検査対象者に関する情報を指定施設に対して通知するための通知情報を、通信ネットワーク5aを介して指定施設の検査施設サーバ4aに対して送信する。通知情報は、例えば、検査対象者を示す情報(例えば、検査対象者の氏名を示す情報)を含んでいてもよい。通知情報は、例えば、検査対象者が受ける予定の推奨検査を示す情報(例えば、推奨検査の項目名を示す情報)を含んでいてもよい。通知情報は、例えば、検査対象者が推奨検査を受けることを希望する日時(或いは、出力装置23が出力した推奨施設情報を用いて検査対象者が既に指定施設の予約を完了している場合には、予約日時)を示す情報を含んでいてもよい。通知情報は、例えば、施設提示サーバ1が設置された医療機関(つまり、検査対象者を指定施設に紹介する医療機関)を示す情報(例えば、医療機関の名称を示す情報)を含んでいてもよい。通知情報は、例えば、指定施設を示す情報(例えば、指定施設の名称を示す情報)を含んでいてもよい。
【0074】
このような通知情報は、医療機関において一般的に用いられている診療情報提供書(いわゆる、紹介状)に相当する情報として用いられてもよい。このため、通知情報は、診療情報提供書(いわゆる、紹介状)に記載される情報を含んでいてもよい。
【0075】
通知情報は、通知情報の内容を印刷した文書として指定施設に送付されてもよい。この場合、施設サーバ1aは、印刷装置(いわゆる、プリンタ)として機能可能な出力装置14及び情報端末2の出力装置23の少なくとも一方(或いは、その他の出力装置)を用いて、通知情報の内容を印刷した文書を発行してもよい。つまり、通知情報の内容が、印刷可能な形式で演算装置12から出力装置14又は情報端末2の出力装置23(或いは、その他の出力装置)へ送信されてもよい。このように通知情報の内容を印刷した文書は、診療情報提供書(いわゆる、紹介状)そのものとして用いられてもよい。
【0076】
このような通知情報が施設提示サーバ1aから検査施設サーバ4aに対して送信されると、指定施設の担当者は、どのような検査対象者がどのような検査を受けようとしているのかを比較的容易に把握することができる。
【0077】
利用許可部124aは、検査対象者のカルテデータ1120の利用を指定施設に対して許可する。例えば、利用許可部124aは、記憶装置11が記憶している検査対象者のカルテデータ1120を、通信ネットワーク5aを介して指定施設の検査施設サーバ4aに対して送信してもよい。或いは、例えば、利用許可部124aは、記憶装置11が記憶している検査対象者のカルテデータ1120に対して指定施設の検査施設サーバ4aがアクセスする(つまり、参照する)ことを許可してもよい。この場合、検査施設サーバ4aは、通信ネットワーク5aを介して、記憶装置11が記憶している検査対象者のカルテデータ1120にアクセスしてもよい。一例として、検査施設サーバ4aは、施設提示サーバ1a(或いは、施設提示サーバ1aを利用している医療機関)が指定したAPI(Application Program Interface)を利用することで、検査対象者のカルテデータ1120にアクセス(例えば、取得、閲覧又は利用)してもよい。
【0078】
このように指定施設によるカルテデータ1120の利用が許可されると、指定施設の担当者は、検査対象者の状態(例えば、健康状態)を把握することができる。このため、指定施設の担当者は、検査対象者の状態を把握するための不必要な問診(例えば、既にカルテデータ1120にその結果が含まれている問診と同じ問診)を指定施設において再度行わなくてよくなる。或いは、指定施設の担当者は、検査対象者が実際に推奨検査を受けに指定施設に来る前に、検査対象者の状態を把握することができる。このため、指定施設の担当者は、前もって把握した検査対象者の状態に応じて、推奨検査の準備を行うことができる。
【0079】
利用許可部124aは、指定施設によるカルテデータ1120の利用について検査対象者が同意したことを条件に、指定施設によるカルテデータ1120の利用を許可してもよい。つまり、利用許可部124aは、指定施設によるカルテデータ1120の利用について検査対象者が同意していない場合には、指定施設によるカルテデータ1120の利用を許可しなくてもよい。言い換えれば、利用許可部124aは、指定施設によるカルテデータ1120の利用について検査対象者が同意していない場合には、指定施設によるカルテデータ1120の利用を禁止してもよい。
【0080】
検査対象者の同意を得るために、施設提示部122は、推奨施設情報を提示する際に、検査対象者の同意を得るため情報を合わせて提示対象者(この場合、検査対象者)に提示するように、情報端末2(特に、出力装置23)を制御してもよい。例えば、出力装置23が表示装置である場合には、提示対象者に提示される推奨施設情報の一例を示す
図13に示すように、出力装置23は、検査対象者の同意を得るために検査対象者が操作可能なGUI235aを表示してもよい。
図13に示す例では、GUI235aは、指定施設によるカルテデータ1120の利用について検査対象者が同意する場合に検査対象者が押下するボタンと、指定施設によるカルテデータ1120の利用について検査対象者が同意しない場合に検査対象者が押下するボタンとを含んでいる。
【0081】
このように指定施設によるカルテデータ1120の利用について検査対象者が同意したことを条件に指定施設によるカルテデータ1120の利用が許可されると、検査対象者の個人情報(この場合、カルテデータ1120)の意図しない流出が防止される。
【0082】
利用許可部124aは、指定施設が利用可能な検査対象者のカルテデータ1120の範囲(例えば、情報の量及び情報の種類の少なくとも一方)を、指定施設毎に変えてもよい。例えば、利用許可部124aは、施設提示サーバ1aを利用している医療機関と関連を有していない指定施設が利用可能な検査対象者のカルテデータ1120の範囲が、施設提示サーバ1aを利用している医療機関と関連を有する指定施設が利用可能な検査対象者のカルテデータ1120の範囲よりも狭くなるように、指定施設が利用可能な検査対象者のカルテデータ1120の範囲を変えてもよい。
【0083】
(5)付記
上述した実施形態に加えて、以下の付記を記載する。
[付記1]
検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択する選択手段と、
前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する提示手段と
を備える施設提示装置。
[付記2]
前記選択手段は、複数の前記検査対象者が夫々受けようとしている複数の検査を示す前記検査情報と前記検査施設情報と前記カルテデータとに基づいて、前記複数の検査対象者に夫々推奨する複数の前記推奨施設を選択する
付記1に記載の施設提示装置。
[付記3]
第1の検査対象者と第2の検査対象者とが同じ検査を受けようとしている場合には、前記選択手段は、前記カルテデータに含まれる前記検査対象者の健康状態に関する状態情報に基づいて、第1及び第2の検査対象者のうち前記健康状態が相対的に悪い一の検査対象者を対象に、前記第1及び第2の検査対象者のうちの他の検査対象者よりも優先的に前記推奨施設を選択する
付記1又は2に記載の施設提示装置。
[付記4]
前記検査対象者に関する情報を、前記推奨施設に対して送信する送信手段を更に備える
付記1から3のいずれか一項に記載の施設提示装置。
[付記5]
前記検査対象者に関する情報が印刷された文書を発行する印刷文書出力手段を更に備える
付記1から4のいずれか一項に記載の施設提示装置。
[付記6]
前記カルテデータの利用を前記推奨施設に許可する許可手段を更に備える
付記1から5のいずれか一項に記載の施設提示装置。
[付記7]
前記許可手段は、前記推奨施設が前記カルテデータを利用することについて前記検査対象者が同意したことを条件に、前記カルテデータの利用を前記推奨施設に許可する
付記6に記載の施設提示装置。
[付記8]
検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択し、
前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する
施設提示方法。
[付記9]
コンピュータに、
検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択する選択工程と、
前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する提示工程と
を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
[付記10]
コンピュータに、
検査対象者が受けようとしている医療に関する検査を示す検査情報と、前記検査を行うことが可能な複数の検査施設に関する検査施設情報と、前記検査対象者のカルテデータとに基づいて、前記複数の検査施設の中から、前記検査対象者に推奨する少なくとも一つの検査施設を、推奨施設として選択する選択工程と、
前記推奨施設に関する推奨施設情報を、提示対象者に提示する提示工程と
を実行させるコンピュータプログラム。
【0084】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う施設提示装置、施設提示方法及び記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。
【0085】
この出願は、2020年6月4日に出願された日本出願特願2020-097593を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。また、本願明細書に記載された全ての公開公報及び論文をここに取り込む。
【符号の説明】
【0086】
SYS 施設提示システム
1 施設提示サーバ
11 記憶装置
111 検査施設DB
1110 検査施設データ
1111 施設基本情報
1112 施設詳細情報
112 カルテDB
1120 カルテデータ
1121 患者基本情報
1122 診療履歴情報
12 演算装置
121 施設選択部
122 施設提示部
2 情報端末
22 演算装置
23 出力装置