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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20241112BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B65D47/08 130
B65D47/32 100
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020182976
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022073169
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-05-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】山本 学
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-015362(JP,U)
【文献】特開2013-079083(JP,A)
【文献】特開2014-162500(JP,A)
【文献】特開2017-178436(JP,A)
【文献】実開平05-024549(JP,U)
【文献】米国特許第04801054(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/08
B65D 47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、
前記キャップ本体にヒンジ部を介して連結された蓋体と、
を備え、
前記キャップ本体は、
前記口部に装着される装着筒部と、
前記装着筒部から径方向内側に突出する環状壁部と、
前記環状壁部から上方に突出する注出筒部と、
前記環状壁部から上方に突出し、前記注出筒部を囲む第1係合筒部と、
を有し、
前記蓋体は、
頂壁部と、
前記頂壁部の外周縁部から下方に突出する外周壁部と、
前記頂壁部から下方に突出し、前記注出筒部の内部に嵌合される栓部と、
前記頂壁部から下方に突出し、前記第1係合筒部に外嵌されて前記第1係合筒部に上下方向に係合する第2係合筒部と、
を有し、
前記環状壁部には、前記第1係合筒部の径方向外側で、かつ前記外周壁部の径方向内側に位置し、前記第2係合筒部と上下方向に対向する対向壁部が形成され、
前記対向壁部は、前記環状壁部から上方に突出するとともに、前記キャップ本体の周方向に延びている、キャップ。
【請求項2】
前記対向壁部は、前記第2係合筒部に接触または近接する、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記対向壁部の上端面は、径方向内側に向かうに従って下方に位置する傾斜面である、請求項1または2に記載のキャップ。
【請求項4】
前記外周壁部と前記第2係合筒部との径方向の間の空間を含む外周空間が形成され、
前記キャップ本体には、前記外周空間を外部空間に連通させる孔部が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項5】
前記外周壁部と前記第2係合筒部との径方向の間の空間を含む外周空間が形成され、
前記装着筒部と前記外周壁部との上下方向の間には、前記外周空間を外部空間に連通させる隙間が形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項6】
前記対向壁部には、前記対向壁部を径方向に貫通する貫通部が形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項7】
前記対向壁部と前記第1係合筒部との径方向の間には、下方に窪み前記周方向に延びる凹部が形成されており、
前記凹部の底面は、前記周方向において前記貫通部に近づくに従って下方に位置する傾斜面である、請求項6に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
キャップ本体と、キャップ本体にヒンジ部を介して連結された有頂筒状の蓋体と、を備えるキャップが知られている。例えば、特許文献1には、飲料容器などに用いられるキャップが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-81617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなキャップは、比較的高温の内容物が収容された容器本体に取り付けられた後に、外部から水などの冷却液によって冷却される場合がある。この場合、蓋体の内側の圧力が負圧になり、この負圧によって冷却液が蓋体の内側に浸入する虞があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、蓋体の内側に液体が浸入することを抑制できる構造を有するキャップを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のキャップの一つの態様は、内容物が収容される容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体にヒンジ部を介して連結された蓋体と、を備え、前記キャップ本体は、前記口部に装着される装着筒部と、前記装着筒部から径方向内側に突出する環状壁部と、前記環状壁部から上方に突出する注出筒部と、前記環状壁部から上方に突出し、前記注出筒部を囲む第1係合筒部と、を有し、前記蓋体は、頂壁部と、前記頂壁部の外周縁部から下方に突出する外周壁部と、前記頂壁部から下方に突出し、前記注出筒部の内部に嵌合される栓部と、前記頂壁部から下方に突出し、前記第1係合筒部に外嵌されて前記第1係合筒部に上下方向に係合する第2係合筒部と、を有し、前記環状壁部には、前記第1係合筒部の径方向外側で、かつ前記外周壁部の径方向内側に位置し、前記第2係合筒部と上下方向に対向する対向壁部が形成され、前記対向壁部は、前記環状壁部から上方に突出するとともに、前記キャップ本体の周方向に延びている。
【0007】
本発明のキャップの一つの態様によれば、環状壁部には、第1係合筒部の径方向外側に位置し、第2係合筒部と上下方向に対向する対向壁部が形成され、対向壁部は、キャップ本体の周方向に延びている。そのため、キャップの外部空間から蓋体の内側に浸入しようとする液体の少なくとも一部を対向壁部で遮ることができ、液体が第1係合筒部と第2係合筒部との係合部分に到達することを抑制できる。これにより、第1係合筒部と第2係合筒部との係合部分から蓋体の内側に液体が浸入することを抑制できる。したがって、比較的高温の内容物が収容された容器本体にキャップを取り付けた後にキャップを水などの冷却液で冷却することで蓋体の内側が負圧になった場合であっても、蓋体の内側に冷却液が浸入することを抑制できる。
【0008】
また、対向壁部は第2係合筒部と上下方向に対向しているため、蓋体が下方向きに押された場合などに、第2係合筒部を対向壁部によって下方から支持することができる。そのため、蓋体が下方向きに押された場合などに蓋体が変形することを抑制でき、第2係合筒部が第1係合筒部に対して下側に相対移動することを抑制できる。これにより、第1係合筒部と第2係合筒部との係合が緩くなる等の不具合が生じることを抑制できる。
【0009】
具体的には、例えば、キャップを容器本体に取り付ける際には、蓋体が閉じた状態のキャップを上方から比較的大きい力で押して、キャップを容器本体の口部に装着する。そのため、キャップを容器本体に取り付ける際においては、蓋体に下方向きの比較的大きい力が加えられる。これにより、蓋体が変形して第2係合筒部が第1係合筒部に対して下側に相対移動し、第1係合筒部と第2係合筒部との係合が緩くなる等の虞があった。
【0010】
これに対して、本発明のキャップの一つの態様によれば、上述したように、対向壁部によって第2係合筒部を下方から支持できるため、第1係合筒部と第2係合筒部との係合が緩くなる等の不具合が生じることを抑制できる。したがって、キャップを容器本体に取り付ける際に蓋体に下方向きの比較的大きい力が加えられても、第1係合筒部と第2係合筒部との係合が緩くなる等の不具合が生じることを抑制できる。
【0011】
前記対向壁部は、前記第2係合筒部に接触または近接する構成としてもよい。
この構成によれば、対向壁部と第2係合筒部との上下方向の間に隙間が設けられる場合に比べて、対向壁部と第2係合筒部との間を液体が通りにくくできる。これにより、液体が第1係合筒部と第2係合筒部との係合部分に到達することをより抑制できる。したがって、第1係合筒部と第2係合筒部との係合部分から蓋体の内側に液体が浸入することをより抑制できる。そのため、比較的高温の内容物が収容された容器本体にキャップを取り付けた後にキャップを冷却液で冷却することで蓋体の内側が負圧になった場合であっても、蓋体の内側に冷却液が浸入することをより抑制できる。
また、対向壁部が第2係合筒部に接触する場合、蓋体が閉じた状態においては、常に対向壁部によって第2係合筒部が下方から支持された状態となる。これにより、蓋体に下方向きの比較的大きな力が加えられても、第1係合筒部と第2係合筒部との係合が緩くなる等の不具合が生じることをより抑制できる。
また、対向壁部が第2係合筒部に近接する場合、第2係合筒部が僅かでも下方に動くと、第2係合筒部が対向壁部に接触する。これにより、対向壁部によって第2係合筒部を好適に下方から支持できる。また、対向壁部と第2係合筒部との上下方向の間には隙間が設けられるため、対向壁部と第1係合筒部との間の凹部内に液体が浸入した場合であっても、外気によって凹部内の液体を乾燥させやすい。
【0012】
前記対向壁部の上端面は、径方向内側に向かうに従って下方に位置する傾斜面である構成としてもよい。
この構成によれば、蓋体の下方向きの力が加えられた際に、対向壁部の上端面に第2係合筒部の下端部が上方から押し付けられると、第2係合筒部は、対向壁部の上端面から上方斜め径方向内側向きの反力を受ける。これにより、第2係合筒部が対向壁部に上方から押し付けられると、第2係合筒部が径方向内側に力を受けて、第1係合筒部に径方向外側から押し付けられる。したがって、第1係合筒部と第2係合筒部との係合が緩くなる等の不具合が生じることをより抑制できる。
【0013】
前記外周壁部と前記第2係合筒部との径方向の間の空間を含む外周空間が形成され、前記キャップ本体には、前記外周空間を外部空間に連通させる孔部が形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、蓋体が閉じた状態であっても、外周空間は、孔部を介して外気に開放される。これにより、第1係合筒部と第2係合筒部との係合部分によって外周空間と隔てられた蓋体の内側が、キャップが冷却されることなどによって負圧になっても、外周空間内が負圧になることが抑制される。したがって、キャップの外部空間から外周空間に液体が引き込まれることが抑制され、蓋体の内側に液体が浸入することをより抑制できる。
【0014】
前記外周壁部と前記第2係合筒部との径方向の間の空間を含む外周空間が形成され、前記装着筒部と前記外周壁部との上下方向の間には、前記外周空間を外部空間に連通させる隙間が形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、蓋体が閉じた状態であっても、外周空間は、隙間を介して外気に開放される。これにより、第1係合筒部と第2係合筒部との係合部分によって外周空間と隔てられた蓋体の内側が、キャップが冷却されることなどによって負圧になっても、外周空間内が負圧になることが抑制される。したがって、キャップの外部空間から外周空間に液体が引き込まれることが抑制され、蓋体の内側に液体が浸入することをより抑制できる。
【0015】
前記対向壁部には、前記対向壁部を径方向に貫通する貫通部が形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、貫通部を介して、対向壁部と第1係合筒部との径方向の間に形成された凹部内をキャップの外部空間と連通させやすい。これにより、対向壁部と第1係合筒部との間の凹部内に液体が浸入した場合であっても、外気によって凹部内の液体を乾燥させやすい。また、貫通部を介して、当該凹部の内部に浸入した液体を凹部の外部に排出することもできる。これらにより、凹部の内部に浸入した液体が蓋体の内側に浸入することを抑制できる。
【0016】
前記対向壁部と前記第1係合筒部との径方向の間には、下方に窪み前記周方向に延びる凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記周方向において前記貫通部に近づくに従って下方に位置する傾斜面である構成としてもよい。
この構成によれば、凹部内に液体が浸入した場合であっても、凹部の底面に沿って液体を貫通部まで導くことができる。これにより、凹部内に浸入した液体を、貫通部を介して凹部の外部に排出しやすくできる。したがって、凹部の内部に浸入した液体が蓋体の内側に浸入することを抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一つの態様によれば、蓋体の内側に液体が浸入することを抑制できる構造を有するキャップが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1実施形態のキャップを示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態のキャップ本体を上方から見た図である。
図3図3は、第2実施形態のキャップを示す断面図である。
図4図4は、第3実施形態のキャップを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るキャップについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0020】
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態のキャップ20は、注出容器1に備えられている。注出容器1は、内容物が収容される有底筒状の容器本体10と、容器本体10の口部11に装着されたキャップ20と、を備える。本実施形態では、容器本体10およびキャップ20の各中心軸は、共通の軸線上に配置されている。以下、この共通の軸線を容器軸Oと呼び、容器軸Oに沿う方向を上下方向(Z軸方向)と呼ぶ。また、容器本体10に対してキャップ20が位置する側(+Z側)を上側または上方と呼び、逆側(-Z側)を下側または下方と呼ぶ。また、上方から見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向と呼び、容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
【0021】
キャップ20は、容器本体10の口部11に装着される有頂筒状のキャップ本体30と、キャップ本体30にヒンジ部21を介して連結された有頂筒状の蓋体40と、を備える。キャップ本体30の周方向は、容器軸O回りに周回する周方向である。
蓋体40は、ヒンジ部21を中心として、キャップ本体30に対して上下方向と直交する方向(Y軸方向)に延びる軸回りに回動可能に設けられている。図1では、蓋体40が閉じた状態を示している。図1に示す状態から蓋体40を上方に向けてヒンジ部21回りに回動させることで、蓋体40を開くことができる。本実施形態においてキャップ本体30と蓋体40とヒンジ部21とは、同じ材料によって一体成形されている。キャップ本体30、蓋体40、およびヒンジ部21を形成する材料は、例えば、樹脂である。
【0022】
なお、以下の各部の相対位置関係の説明においては、特に断りのない限り、蓋体40が閉じた状態にある場合について説明する。
また、以下、上下方向と直交する方向のうち各図に示すX軸に沿う方向を前後方向と呼び、上下方向および前後方向に直交する方向(Y軸方向)を左右方向と呼ぶ。前後方向のうち容器軸Oに対してヒンジ部21が位置している側(-X側)を後側または後方と呼び、これとは逆側(+X側)を前側または前方と呼ぶ。
【0023】
キャップ本体30は、装着筒部31と、環状壁部32と、被覆部33と、シール筒部34と、注出筒部35と、第1係合筒部36と、対向壁部37と、を有する。
装着筒部31は、容器軸Oと同軸に配置された円筒状である。装着筒部31は、アンダーカット嵌合により容器本体10の口部11に装着される。なお、装着筒部31は、ネジによって口部11に螺着されてもよい。
【0024】
装着筒部31には、装着筒部31の上端部から下方に窪むスリット溝31aと、スリット溝31aに連通する孔部31bと、が形成されている。
スリット溝31aは、図2に示すように、周方向に延びる円弧状である。スリット溝31aは、装着筒部31の上側部分における径方向内周縁部に形成されている。図1に示すように、スリット溝31aが形成されていることにより、装着筒部31と環状壁部32との接続部30aは、薄肉になっている。
【0025】
孔部31bは、図2に示すように、周方向に間隔を空けて複数形成されている。本実施形態では、孔部31bは、2つ形成されている。2つの孔部31bは、それぞれ、装着筒部31のうち左右方向一方側(+Y側)の部分における前方寄り(+X寄り)の部分と、装着筒部31のうち左右方向他方側(-Y側)の部分における周方向の中央部と、に形成されている。
【0026】
孔部31bは、図1に示すように、上下方向に延びて、装着筒部31を上下方向に貫通している。孔部31bの上端部は、スリット溝31aの内部に連通している。孔部31bの下端部は、キャップ20の外部空間に連通している。孔部31bは、装着筒部31の径方向内側に開口している。
図2に示すように、装着筒部31のうちヒンジ部21が繋がる部分の近傍には、上下方向に延びる切り込み部39が設けられている。
【0027】
環状壁部32は、図1に示すように、装着筒部31の上端部から径方向内側に突出している。環状壁部32は、容器軸Oと同軸に配置された円環状である。環状壁部32は、容器本体10の口部11の上方に配置される。本実施形態において環状壁部32の内側は、容器本体10の内部に連通する連通孔32aとなっている。つまり、本実施形態において環状壁部32の内周面は、連通孔32aの内周面である。注出容器1が未使用の状態において、連通孔32aは、被覆部33によって閉塞されている。
【0028】
被覆部33は、破断可能な薄肉部33aと、薄肉部33aを介して連通孔32aの内周面に連結された閉塞板33bと、閉塞板33bから上方に向けて突出するプルリング33cと、を有する。注出容器1を初めて使用する際、使用者は、プルリング33cに手指を掛けて被覆部33を上方に引っ張り、薄肉部33aを破断させて被覆部33をキャップ本体30から取り外す。これにより、連通孔32aが開放され、容器本体10内の内容物を注出筒部35を介して外部に注出することが可能になる。
【0029】
シール筒部34は、環状壁部32から下方に突出している。本実施形態においてシール筒部34は、容器軸Oと同軸に配置された円筒状である。シール筒部34は、口部11内に密に嵌合される。
注出筒部35は、環状壁部32から上方に突出している。本実施形態において注出筒部35は、容器軸Oと同軸に配置された円筒状である。注出筒部35の上端部は、径方向外側に突出している。注出筒部35は、シール筒部34よりも径方向内側に位置する。
【0030】
第1係合筒部36は、環状壁部32から上方に突出している。本実施形態において第1係合筒部36は、容器軸Oと同軸に配置された円筒状である。第1係合筒部36は、注出筒部35の径方向外側に位置する。第1係合筒部36は、注出筒部35を囲んでいる。第1係合筒部36は、上下方向に見て、シール筒部34と重なる位置に配置されている。第1係合筒部36の上端部は、注出筒部35の上端部よりも下方に位置する。第1係合筒部36は、円筒状の第1係合筒部本体36aと、第1係合筒部本体36aの上端部から径方向外側に突出する第1係合部36bと、を有する。第1係合部36bは、容器軸Oと同軸に配置された円環状である。
【0031】
対向壁部37は、環状壁部32に形成されている。本実施形態において対向壁部37は、環状壁部32の径方向外周縁部に形成されている。対向壁部37は、環状壁部32から上方に突出している。対向壁部37の上端部は、第1係合筒部36の上端部よりも下方に位置する。対向壁部37の上端部は、第1係合部36bおよび第2係合部44bよりも下方に位置する。つまり、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分は、対向壁部37よりも上方に位置する。対向壁部37は、第1係合筒部36の径方向外側に位置する。対向壁部37は、後述する第2係合筒部44と上下方向に対向している。本実施形態において対向壁部37の上端面37aは、第2係合筒部44の下端部に接触する。本実施形態において対向壁部37の上端面37aは、径方向内側に向かうに従って下方に位置する傾斜面である。
【0032】
対向壁部37は、図2に示すように、キャップ本体30の周方向に延びている。本実施形態において対向壁部37は、第1係合筒部36を囲む略環状である。より詳細には、対向壁部37は、容器軸Oと同軸に配置された略円環状である。
本実施形態において対向壁部37には、対向壁部37を径方向に貫通する貫通部37bが形成されている。本実施形態において貫通部37bは、対向壁部37のうち左右方向他方側(-Y側)の端部に1つのみ形成されている。貫通部37bは、1つの孔部31bと同じ周方向に位置する部分を有する。貫通部37bは、上方に開口している。貫通部37bは、対向壁部37の一部を周方向に分断している。貫通部37bが形成されることにより、対向壁部37は、上方から見て左右方向に開口するC字形状となっている。
【0033】
図1に示すように、対向壁部37と第1係合筒部36との径方向の間には、下方に窪む凹部38が形成されている。図2に示すように、凹部38は、周方向に延びている。本実施形態において凹部38は、容器軸Oと同軸に配置された円環状である。凹部38の内部は、貫通部37bの内部と連通している。図1に示すように、蓋体40が閉じた状態において凹部38の上端開口は、後述する第2係合筒部44によって閉塞される。
【0034】
蓋体40は、キャップ本体30の上方を覆う円板状の頂壁部41と、頂壁部41の外周縁部から下方に突出する外周壁部42と、外周壁部42の径方向内側において頂壁部41から下方に突出する栓部43と、外周壁部42の径方向内側において頂壁部41から下方に突出する第2係合筒部44と、外周壁部42から径方向外側に突出する摘み部45と、を有する。
【0035】
外周壁部42は、容器軸Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。外周壁部42は、キャップ本体30の装着筒部31の上方に対向して配置される。本実施形態において外周壁部42の下端部は、装着筒部31の上端部と接触する。外周壁部42の下端部のうち後側の部分は、ヒンジ部21を介してキャップ本体30の装着筒部31と連結されている。
【0036】
本実施形態において栓部43は、容器軸Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。栓部43の下端部は、外周壁部42の下端部よりも上方に位置する。栓部43は、キャップ本体30の注出筒部35の内部に密に嵌合される。注出筒部35内に嵌合されることで、栓部43は、注出筒部35の上端開口を閉塞する。
本実施形態において第2係合筒部44は、容器軸Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。第2係合筒部44は、外周壁部42と栓部43との径方向の間に位置する。第2係合筒部44の下端部は、外周壁部42の下端部よりも上方に位置し、栓部43の下端部よりも下方に位置する。第2係合筒部44は、第1係合筒部36に外嵌される。本実施形態では、第2係合筒部44の下端部が、第1係合筒部36の上端部に外嵌される。
【0037】
第2係合筒部44は、円筒状の第2係合筒部本体44aと、第2係合筒部本体44aの下端部から径方向内側に突出する第2係合部44bと、を有する。第2係合部44bは、容器軸Oと同軸に配置された円環状である。第2係合部44bは、下方から第1係合部36bに係合する。これにより、第2係合筒部44は、第1係合筒部36に上下方向に係合する。したがって、閉じた状態の蓋体40が意図せず開くことを抑制できる。
【0038】
第2係合筒部44の下端部は、対向壁部37の上端面37aに接触する。第2係合筒部44の外周面は、対向壁部37の外周面よりも径方向内側に位置し、対向壁部37の内周面よりも径方向外側に位置する。第2係合筒部44の内周面は、対向壁部37の内周面よりも径方向内側に位置する。
摘み部45は、径方向において、容器軸Oを挟んだヒンジ部21の反対側に配設されている。本実施形態において摘み部45は、外周壁部42の下端部から前方に突出している。
【0039】
蓋体40が閉じた状態においてキャップ20には、内部空間SAと、外周空間SBと、が形成される。
内部空間SAは、蓋体40の内側の空間であり、キャップ本体30と蓋体40との上下方向の間に形成される。内部空間SAは、第1空間SA1と、第2空間SA2と、を含む。
【0040】
第1空間SA1は、注出筒部35の内部空間と、栓部43の内部空間と、を含む。注出容器1が未使用の状態において第1空間SA1は、頂壁部41と栓部43と注出筒部35と環状壁部32と被覆部33とに囲まれて形成されている。
第2空間SA2は、注出筒部35と第1係合筒部36との径方向の間の空間と、栓部43と第2係合筒部44との径方向の間の空間と、注出筒部35と第2係合筒部44との径方向の間の空間と、を含む。第2空間SA2は、頂壁部41と栓部43と第2係合筒部44と環状壁部32と注出筒部35と第1係合筒部36とによって囲まれて形成されている。第2空間SA2は、栓部43が注出筒部35に嵌合することによって、第1空間SA1と隔てられている。
【0041】
外周空間SBは、内部空間SAよりも径方向外側に位置する。外周空間SBは、外周壁部42と第2係合筒部44との径方向の間の空間と、外周壁部42と対向壁部37との径方向の間の空間と、スリット溝31aの内部空間と、を含む。本実施形態において外周空間SBは、貫通部37bを介して、凹部38の内部空間と連通している。凹部38の内部空間は、第1係合部36bと第2係合部44bとが係合することで、第2空間SA2と隔てられている。そのため、外周空間SBは、第1係合部36bと第2係合部44bとが係合することで、内部空間SAと隔てられている。蓋体40が閉じた状態において外周空間SBは、孔部31bを介して、キャップ20の外部空間に連通している。
【0042】
上述した本実施形態のキャップ20は、分別廃棄しやすい構造となっている。具体的には、蓋体40が開いた状態において蓋体40を把持して径方向外側に引っ張ると、切り込み部39に沿って装着筒部31の一部が上下方向に引き裂かれていくとともに、薄肉となっている接続部30aの一部が破断し始める。装着筒部31の一部が完全に上下方向に引き裂かれると、接続部30aの破断が周方向に進行し、接続部30aが設けられていない肉厚部(切り込み部39の隣接部分)のところまで破断する。この状態において蓋体40とキャップ本体30とが連結した状態で蓋体40を持ち上げると、装着筒部31が容器本体10の口部11から引き抜かれていく。これにより、キャップ20を口部11から容易に分離させることができる。したがって、キャップ20を容器本体10から容易に取り外して、分別廃棄することができる。
【0043】
本実施形態によれば、環状壁部32には、第1係合筒部36の径方向外側に位置し、第2係合筒部44と上下方向に対向する対向壁部37が形成され、対向壁部37は、キャップ本体30の周方向に延びている。そのため、キャップ20の外部空間から蓋体40の内側(内部空間SA)に浸入しようとする液体の少なくとも一部を対向壁部37で遮ることができ、液体が第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分に到達することを抑制できる。これにより、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分から蓋体40の内側(内部空間SA)に液体が浸入することを抑制できる。したがって、比較的高温の内容物が収容された容器本体10にキャップ20を取り付けた後にキャップ20を水などの冷却液で冷却することで蓋体40の内側(内部空間SA)が負圧になった場合であっても、蓋体40の内側(内部空間SA)に冷却液が浸入することを抑制できる。
なお、キャップ20を冷却液で冷却する方法としては、例えば、冷却液としてのシャワー水をキャップ20に掛ける方法が挙げられる。
【0044】
また、対向壁部37は第2係合筒部44と上下方向に対向しているため、蓋体40が下方向きに押された場合などに、第2係合筒部44を対向壁部37によって下方から支持することができる。そのため、蓋体40が下方向きに押された場合などに蓋体40が変形することを抑制でき、第2係合筒部44が第1係合筒部36に対して下側に相対移動することを抑制できる。これにより、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合が緩くなる等の不具合が生じることを抑制できる。
【0045】
具体的には、例えば、キャップ20を容器本体10に取り付ける際には、蓋体40が閉じた状態のキャップ20を上方から比較的大きい力で押して、装着筒部31とシール筒部34との間に容器本体10の口部11を押し込む。そのため、キャップ20を容器本体10に取り付ける際においては、蓋体40に下方向きの比較的大きい力が加えられる。これにより、蓋体40が変形して第2係合筒部44が第1係合筒部36に対して下側に相対移動し、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合が緩くなる等の虞があった。
【0046】
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、対向壁部37によって第2係合筒部44を下方から支持できるため、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合が緩くなる等の不具合が生じることを抑制できる。したがって、キャップ20を容器本体10に取り付ける際に蓋体40に下方向きの比較的大きい力が加えられても、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合が緩くなる等の不具合が生じることを抑制できる。
【0047】
また、本実施形態のように蓋体40の全体が薄肉形状となっている場合には、蓋体40に上方から力が加えられた際に、蓋体40が特に変形しやすい。これに対して、本実施形態によれば、上述したように、第2係合筒部44を対向壁部37によって下方から支持できるため、蓋体40に上方から力が加えられた際に、蓋体40が変形することを抑制できる。このように、第2係合筒部44を対向壁部37によって下方から支持できる構造は、蓋体40の全体が薄肉形状となっている場合に、特に有用である。
【0048】
本実施形態では、対向壁部37は、第1係合筒部36を囲んでいる。そのため、対向壁部37によって液体をより遮りやすく、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分から蓋体40の内側(内部空間SA)に液体が浸入することをより抑制できる。また、対向壁部37によって第2係合筒部44をより安定して下方から支持できる。そのため、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合が緩くなる等の不具合が生じることをより抑制できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、対向壁部37は、第2係合筒部44に接触する。そのため、対向壁部37と第2係合筒部44との上下方向の間に隙間が設けられる場合に比べて、対向壁部37と第2係合筒部44との間を液体が通りにくくできる。これにより、液体が凹部38内に浸入することを抑制でき、液体が第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分に到達することをより抑制できる。したがって、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分から蓋体40の内側(内部空間SA)に液体が浸入することをより抑制できる。そのため、比較的高温の内容物が収容された容器本体10にキャップ20を取り付けた後にキャップ20を冷却液で冷却することで蓋体40の内側(内部空間SA)が負圧になった場合であっても、蓋体40の内側(内部空間SA)に冷却液が浸入することをより抑制できる。
また、対向壁部37が第2係合筒部44に接触するため、蓋体40が閉じた状態においては、常に対向壁部37によって第2係合筒部44が下方から支持された状態となる。これにより、蓋体40に下方向きの比較的大きな力が加えられても、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合が緩くなる等の不具合が生じることをより抑制できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、対向壁部37の上端面37aは、径方向内側に向かうに従って下方に位置する傾斜面である。そのため、蓋体40の下方向きの力が加えられた際に、対向壁部37の上端面37aに第2係合筒部44の下端部が上方から押し付けられると、第2係合筒部44は、対向壁部37の上端面37aから上方斜め径方向内側向きの反力を受ける。これにより、第2係合筒部44が対向壁部37に上方から押し付けられると、第2係合筒部44が径方向内側に力を受けて、第1係合筒部36に径方向外側から押し付けられる。したがって、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合が緩くなる等の不具合が生じることをより抑制できる。
【0051】
また、本実施形態によれば、キャップ本体30には、外周空間SBをキャップ20の外部空間に連通させる孔部31bが形成されている。そのため、蓋体40が閉じた状態であっても、外周空間SBは、孔部31bを介して外気に開放される。これにより、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分によって外周空間SBと隔てられた内部空間SAが、キャップ20が冷却されることなどによって負圧になっても、外周空間SB内が負圧になることが抑制される。したがって、キャップ20の外部空間から外周空間SBに液体が引き込まれることが抑制され、蓋体40の内側(内部空間SA)に液体が浸入することをより抑制できる。
【0052】
また、本実施形態によれば、対向壁部37には、対向壁部37を径方向に貫通する貫通部37bが形成されている。そのため、貫通部37bを介して凹部38内をキャップ20の外部空間と連通させやすい。本実施形態では、凹部38内は、貫通部37b、外周空間SB、および孔部31bを介して、キャップ20の外部空間と連通する。これにより、対向壁部37と第1係合筒部36との間の凹部38内に液体が浸入した場合であっても、外気によって凹部38内の液体を乾燥させやすい。また、貫通部37bを介して、凹部38の内部に浸入した液体を凹部38の外部に排出することもできる。これらにより、凹部38の内部に浸入した液体が蓋体40の内側(内部空間SA)に浸入することを抑制できる。本実施形態では、凹部38の内部に侵入した液体を、貫通部37bを介して外周空間SBに排出し、外周空間SBから孔部31bを介してキャップ20の外部空間に排出することもできる。
【0053】
<第2実施形態>
本実施形態は、図3に示すように、上述した実施形態に対して、蓋体40を閉じた状態において装着筒部131と外周壁部42との上下方向の間に隙間Gが形成される点が異なる。
なお、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
【0054】
本実施形態の注出容器2におけるキャップ120において、キャップ本体130の装着筒部131には、装着筒部131の上端部から下方に窪む連通凹部131cが形成されている。連通凹部131cは、上方に開口し、装着筒部131の上端部のうちスリット溝31aよりも径方向外側に位置する部分を径方向に貫通している。連通凹部131cは、1つのみ設けられてもよいし、周方向に間隔を空けて複数設けられてもよい。
【0055】
連通凹部131cが設けられることによって、蓋体40が閉じた状態において、装着筒部131と外周壁部42との上下方向の間には、隙間Gが形成される。本実施形態において隙間Gは、連通凹部131cの内部空間によって構成される。隙間Gは、スリット溝31aの上端部とキャップ120の外部空間とを連通している。これにより、隙間Gは、外周空間SBをキャップ120の外部空間に連通させる。連通凹部131cが周方向に間隔を空けて複数設けられる場合、隙間Gも周方向に間隔を空けて複数設けられる。
キャップ120のその他の構成は、第1実施形態のキャップ20のその他の構成と同様である。
【0056】
本実施形態によれば、装着筒部131と外周壁部42との上下方向の間には、外周空間SBをキャップ120の外部空間に連通させる隙間Gが形成されている。そのため、蓋体40が閉じた状態であっても、外周空間SBは、隙間Gを介して外気に開放される。これにより、第1係合筒部36と第2係合筒部44との係合部分によって外周空間SBと隔てられた内部空間SAが、キャップ20が冷却されることなどによって負圧になっても、外周空間SB内が負圧になることが抑制される。したがって、キャップ120の外部空間から外周空間SBに液体が引き込まれることが抑制され、蓋体40の内側(内部空間SA)に液体が浸入することをより抑制できる。
【0057】
<第3実施形態>
本実施形態は、図4に示すように、上述した実施形態に対して、凹部238の底面238aの構成が異なる。
なお、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
【0058】
本実施形態の注出容器3におけるキャップ220において、キャップ本体230における対向壁部37と第1係合筒部36との径方向の間には、下方に窪み周方向に延びる凹部238が形成されている。本実施形態において凹部238の底面238aは、周方向において貫通部37bに近づくに従って下方に位置する傾斜面である。凹部238の底面238aは、凹部238の内側面のうち下方に位置し、上方を向く面である。図示は省略するが、凹部238の底面238aは、容器軸Oを径方向に挟んで貫通部37bと反対側に位置する部分において最も上方に位置しており、当該部分から周方向の両側に貫通部37bに向かうに従って徐々に下方に位置する。凹部238の底面238aは、上方から見て容器軸Oと同軸に配置された円環状である。
キャップ220のその他の構成は、第2実施形態のキャップ120のその他の構成と同様である。
【0059】
本実施形態によれば、凹部238の底面238aは、周方向において貫通部37bに近づくに従って下方に位置する傾斜面である。そのため、凹部238内に液体が浸入した場合であっても、底面238aに沿って液体を貫通部37bまで導くことができる。これにより、凹部238内に浸入した液体を、貫通部37bを介して凹部238の外部に排出しやすくできる。したがって、凹部238の内部に浸入した液体が蓋体40の内側(内部空間SA)に浸入することを抑制できる。本実施形態では、凹部238の内部に侵入した液体を、貫通部37bを介して外周空間SBに排出し、外周空間SBから孔部31bまたは隙間Gを介してキャップ220の外部空間に排出することもできる。
【0060】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、以下の構成を採用することもできる。
対向壁部は、第1係合筒部の径方向外側に位置し、第2係合筒部と上下方向に対向し、かつ、キャップ本体の周方向に延びているならば、特に限定されない。対向壁部は、貫通部が形成されない環状であってもよいし、周方向に間隔を空けて複数設けられていてもよい。対向壁部には、対向壁部を径方向に貫通する貫通部が複数形成されてもよい。対向壁部の上下方向の寸法は、特に限定されない。対向壁部の上端面は、傾斜面でなく、上下方向に対して直交する平坦面であってもよい。
【0061】
対向壁部は、第2係合筒部と接触しなくてもよい。この場合、対向壁部と第2係合筒部との上下方向の間には、隙間が形成される。この場合、当該隙間を介して、対向壁部と第2係合筒部との径方向の間に形成された凹部内に外気を取り込みやすく、凹部内に液体が浸入した場合であっても、凹部内の液体を乾燥させやすい。そのため、凹部内に浸入した液体が蓋体の内側(内部空間SA)に浸入することを抑制できる。
【0062】
また、対向壁部は、第2係合筒部に近接してもよい。この場合、第2係合筒部が僅かでも下方に動くと、第2係合筒部が対向壁部に接触する。これにより、対向壁部によって第2係合筒部を好適に下方から支持できる。また、対向壁部と第2係合筒部との上下方向の間には隙間が設けられるため、上述したように、凹部内の液体を乾燥させやすくできる。
なお、本明細書において「或る対象同士が近接する」とは、或る対象同士の間に僅かな隙間が設けられることである。「僅かな隙間」とは、例えば、対向壁部の径方向の厚さよりも小さい大きさの隙間を含む。
【0063】
外周空間をキャップの外部空間に連通させる孔部は、1つのみ形成されてもよいし、3つ以上形成されてもよい。当該孔部は、キャップ本体に形成されていなくてもよい。
第1係合筒部と第2係合筒部との係合部分は、対向壁部の上端部と上下方向において同じ位置に位置してもよいし、対向壁部の上端部より下方に位置してもよい。
蓋体の栓部は、筒状でなくてもよく、柱状であってもよい。
上述した実施形態においてキャップは、スリット溝および切り込み部が形成され、分別廃棄しやすい構造としたが、これに限られない。キャップには、スリット溝および切り込み部が形成されなくてもよい。
【0064】
以上、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、相互に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0065】
10…容器本体、11…口部、20,120,220…キャップ、21…ヒンジ部、30,130,230…キャップ本体、31,131…装着筒部、31b…孔部、32…環状壁部、35…注出筒部、36…第1係合筒部、37…対向壁部、37a…上端面、37b…貫通部、38,238…凹部、40…蓋体、41…頂壁部、42…外周壁部、43…栓部、44…第2係合筒部、238a…底面、G…隙間、SB…外周空間
図1
図2
図3
図4