(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】車載用カメラ
(51)【国際特許分類】
G03B 17/08 20210101AFI20241112BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241112BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20241112BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241112BHJP
H04N 23/51 20230101ALI20241112BHJP
G03B 15/00 20210101ALN20241112BHJP
【FI】
G03B17/08
G02B7/02 Z
G03B17/02
G03B30/00
H04N23/51
G03B15/00 V
(21)【出願番号】P 2022032954
(22)【出願日】2022-03-03
【審査請求日】2024-06-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 康孝
(72)【発明者】
【氏名】吉江 将之
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/161919(WO,A1)
【文献】特開2006-184464(JP,A)
【文献】特開2014-060621(JP,A)
【文献】特開2022-038900(JP,A)
【文献】特開2018-197798(JP,A)
【文献】特開2011-164461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/08
G03B 30/00
G03B 17/02
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズが配置されたレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒側の第1の面と、前記第1の面と反対の第2の面と、を備えたセンサ基板と、
前記センサ基板に設けられた撮像センサと、
前記センサ基板の前記第2の面に配置された基板実装コネクタと、
少なくとも前記センサ基板を収容するケースと、
外部のケーブルに接続するように設定され、前記基板実装コネクタに接続され、前記ケースの一部に配置されたケースコネクタと、を備え、
前記ケースは、
第3の面と、
前記第3の面と反対であり、かつ、前記センサ基板の前記第1の面の少なくとも一部と対向する第4の面と、
前記第3の面と前記第4の面との間に配置された第1の端面、第2の端面、第3の端面、及び第4の端面と、を備え、前記レンズ鏡筒の台座部である第1部材と、
前記センサ基板の前記第2の面の少なくとも一部に対向し、前記ケースコネクタが配置され、第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺を備えた四角形状の背面部と、
前記背面部の前記第1の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第1の側壁部と、
前記背面部の前記第2の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第2の側壁部と、
前記背面部の前記第3の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第3の側壁部と、
前記背面部の前記第4の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第4の側壁部と、を備えた第2部材と、
を備え、
前記第2部材の前記第1の側壁部は、第1の外側面と、第1の内側面と、前記背面部と反対の第1の端部と、を備え、
前記第2部材の前記第2の側壁部は、第2の外側面と、第2の内側面と、前記背面部と反対の第2の端部と、を備え、
前記第2部材の前記第3の側壁部は、第3の外側面と、第3の内側面と、前記背面部と反対の第3の端部と、を備え、
前記第2部材の前記第4の側壁部は、第4の外側面と、第4の内側面と、前記背面部と反対の第4の端部と、を備え、
前記センサ基板の少なくとも一部は、前記第2部材の前記第1の側壁部の前記第1の内側面と前記第3の側壁部の前記第3の内側面との間に配置され、
前記センサ基板の少なくとも一部は、前記第2部材の前記第2の側壁部の前記第2の内側面と前記第4の側壁部の前記第4の内側面との間に配置され、
前記第1部材の前記第4の面は、
前記第2部材の前記第1の側壁部の前記第1の端部と接触した第1の接触部分と、
前記第2部材の前記第2の側壁部の前記第2の端部と接触した第2の接触部分と、
前記第2部材の前記第3の側壁部の前記第3の端部と接触した第3の接触部分と、
前記第2部材の前記第4の側壁部の前記第4の端部と接触した第4の接触部分と、を備え、
前記ケースは、
前記第1部材の前記第1の端面と、前記第2部材の前記第1の側壁部の前記第1の外側面とに渡って配置された第1の溝部と、
前記第1部材の前記第2の端面と、前記第2部材の前記第2の側壁部の前記第2の外側面とに渡って配置された第2の溝部と、
前記第1部材の前記第3の端面と、前記第2部材の前記第3の側壁部の前記第3の外側面とに渡って配置された第3の溝部と、
前記第1部材の前記第4の端面と、前記第2部材の前記第4の側壁部の前記第4の外側面とに渡って配置された第4の溝部と、を備え、
前記第1の溝部、前記第2の溝部、前記第3の溝部、及び前記第4の溝部は、連続して配置され、
前記第1の溝部は、第1の側面部と、前記第1の側面部と対向する第2の側面部と、第1の底部と、を備え、
前記第2の溝部は、第3の側面部と、前記第3の側面部と対向する第4の側面部と、第2の底部と、を備え、
前記第3の溝部は、第5の側面部と、前記第5の側面部と対向する第6の側面部と、第3の底部と、を備え、
前記第4の溝部は、第7の側面部と、前記第7の側面部と対向する第8の側面部と、第4の底部と、を備え、
前記ケースは、前記第1の溝部、前記第2の溝部、前記第3の溝部、及び前記第4の溝部に沿って一周して配置されたリング形状部材を備え、
前記ケースの前記第1部材及び前記第2部材は、レーザ光を吸収して熱を生じる樹脂製の光吸収部材であり、
前記リング形状部材は、前記レーザ光を透過する樹脂製の光透過部材であり、
前記リング形状部材が、前記第1の溝部の少なくとも前記第1の底部、前記第2の溝部の少なくとも前記第2の底部、前記第3の溝部の少なくとも前記第3の底部、及び前記第4の溝部の少なくとも前記第4の底部に沿って一周して、前記レーザ光により溶着され、
前記第1の接触部分が、前記第1の溝部の前記第1の底部に位置し、
前記第2の接触部分が、前記第2の溝部の前記第2の底部に位置し、
前記第3の接触部分が、前記第3の溝部の前記第3の底部に位置し、
前記第4の接触部分が、前記第4の溝部の前記第4の底部に位置する、
車載用カメラ。
【請求項2】
前記
レンズ鏡筒と前記
ケースの前記
第1部材との間に封止材が設けら
れた、
請求項
1に記載の
車載用カメラ。
【請求項3】
前記
ケースの前記第1部材と前記
レンズ鏡筒とが、前記
レンズ鏡筒の光学軸回りに均等な間隔で
接合された、
請求項1
又は2に記載の
車載用カメラ。
【請求項4】
前記
センサ基板と前記
レンズ鏡筒と
は、固定手段により固定され、
前記固定手段で固定する箇所は2箇所以上である、
請求項1
又は2に記載の
車載用カメラ。
【請求項5】
前記固定手段は、接着剤、ネジまたはハンダの内の少なくとも一つである、
請求項4に記載の車載用カメラ。
【請求項6】
前記レーザ光に対する前記光吸収部材の透過率が、10%未満であり、
前記レーザ光に対する前記光透過部材の透過率が、20%以上である、
請求項1に記載の車載用カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像センサの高画素化により、車載等の撮像モジュールで高画質の画像が得られるようになってきている。高画質の精度を得るには、撮像モジュールの組み立ての精度も重要になってくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7965336号明細書
【文献】特許第5129352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、部品同士の組み付けを容易にすることが可能な車載用カメラを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る車載用カメラは、レンズが配置されたレンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒側の第1の面と、前記第1の面と反対の第2の面と、を備えたセンサ基板と、前記センサ基板に設けられた撮像センサと、前記センサ基板の前記第2の面に配置された基板実装コネクタと、少なくとも前記センサ基板を収容するケースと、外部のケーブルに接続するように設定され、前記基板実装コネクタに接続され、前記ケースの一部に配置されたケースコネクタと、を備え、前記ケースは、第3の面と、前記第3の面と反対であり、かつ、前記センサ基板の前記第1の面の少なくとも一部と対向する第4の面と、前記第3の面と前記第4の面との間に配置された第1の端面、第2の端面、第3の端面、及び第4の端面と、を備え、前記レンズ鏡筒の台座部である第1部材と、前記センサ基板の前記第2の面の少なくとも一部に対向し、前記ケースコネクタが配置され、第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺を備えた四角形状の背面部と、前記背面部の前記第1の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第1の側壁部と、前記背面部の前記第2の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第2の側壁部と、前記背面部の前記第3の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第3の側壁部と、前記背面部の前記第4の辺から前記第1部材の前記第4の面に向かって延びる第4の側壁部と、を備えた第2部材と、を備え、前記第2部材の前記第1の側壁部は、第1の外側面と、第1の内側面と、前記背面部と反対の第1の端部と、を備え、前記第2部材の前記第2の側壁部は、第2の外側面と、第2の内側面と、前記背面部と反対の第2の端部と、を備え、前記第2部材の前記第3の側壁部は、第3の外側面と、第3の内側面と、前記背面部と反対の第3の端部と、を備え、前記第2部材の前記第4の側壁部は、第4の外側面と、第4の内側面と、前記背面部と反対の第4の端部と、を備え、前記センサ基板の少なくとも一部は、前記第2部材の前記第1の側壁部の前記第1の内側面と前記第3の側壁部の前記第3の内側面との間に配置され、前記センサ基板の少なくとも一部は、前記第2部材の前記第2の側壁部の前記第2の内側面と前記第4の側壁部の前記第4の内側面との間に配置され、前記第1部材の前記第4の面は、前記第2部材の前記第1の側壁部の前記第1の端部と接触した第1の接触部分と、前記第2部材の前記第2の側壁部の前記第2の端部と接触した第2の接触部分と、前記第2部材の前記第3の側壁部の前記第3の端部と接触した第3の接触部分と、前記第2部材の前記第4の側壁部の前記第4の端部と接触した第4の接触部分と、を備え、前記ケースは、前記第1部材の前記第1の端面と、前記第2部材の前記第1の側壁部の前記第1の外側面とに渡って配置された第1の溝部と、前記第1部材の前記第2の端面と、前記第2部材の前記第2の側壁部の前記第2の外側面とに渡って配置された第2の溝部と、前記第1部材の前記第3の端面と、前記第2部材の前記第3の側壁部の前記第3の外側面とに渡って配置された第3の溝部と、前記第1部材の前記第4の端面と、前記第2部材の前記第4の側壁部の前記第4の外側面とに渡って配置された第4の溝部と、を備え、前記第1の溝部、前記第2の溝部、前記第3の溝部、及び前記第4の溝部は、連続して配置され、前記第1の溝部は、第1の側面部と、前記第1の側面部と対向する第2の側面部と、第1の底部と、を備え、前記第2の溝部は、第3の側面部と、前記第3の側面部と対向する第4の側面部と、第2の底部と、を備え、前記第3の溝部は、第5の側面部と、前記第5の側面部と対向する第6の側面部と、第3の底部と、を備え、前記第4の溝部は、第7の側面部と、前記第7の側面部と対向する第8の側面部と、第4の底部と、を備え、前記ケースは、前記第1の溝部、前記第2の溝部、前記第3の溝部、及び前記第4の溝部に沿って一周して配置されたリング形状部材を備え、前記ケースの前記第1部材及び前記第2部材は、レーザ光を吸収して熱を生じる樹脂製の光吸収部材であり、前記リング形状部材は、前記レーザ光を透過する樹脂製の光透過部材であり、前記リング形状部材が、前記第1の溝部の少なくとも前記第1の底部、前記第2の溝部の少なくとも前記第2の底部、前記第3の溝部の少なくとも前記第3の底部、及び前記第4の溝部の少なくとも前記第4の底部に沿って一周して、前記レーザ光により溶着され、前記第1の接触部分が、前記第1の溝部の前記第1の底部に位置し、前記第2の接触部分が、前記第2の溝部の前記第2の底部に位置し、前記第3の接触部分が、前記第3の溝部の前記第3の底部に位置し、前記第4の接触部分が、前記第4の溝部の前記第4の底部に位置する。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る車載用カメラによれば、部品同士の組み付けを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の撮像モジュールの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の撮像モジュールのケース形状のその他の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態の撮像モジュールの組み付け方法の変形例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の撮像モジュールのその他の形態の一例を示す図である(その1)。
【
図5】
図5は、実施形態の撮像モジュールのその他の形態の一例を示す図である(その2)。
【
図6】
図6は、実施形態の撮像モジュールのその他の形態の一例を示す図である(その3)。
【
図7】
図7は、実施形態の撮像モジュールのその他の形態の一例を示す図である(その4)。
【
図8】
図8は、実施形態の撮像モジュールのその他の形態の一例を示す図である(その5)。
【
図11】
図11は、実施形態の撮像モジュールの様々な形態の組み付け手順の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態の撮像モジュールの様々な形態の組み付け手順の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態の撮像モジュールの様々な形態の組み付け手順の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態の撮像モジュールの様々な形態の組み付け手順の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態の撮像モジュールの様々な形態の組み付け手順の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態のレンズ鏡筒とセンサ基板との固定を、レーザ溶着により行う場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図面を参照しながら、本開示に係る撮像モジュールおよび組み立て方法の実施形態について説明する。なお、特に近年、運転支援用に車載カメラが使用され、撮像モジュールの画質が運転支援の精度に直接関わるため、信頼性試験の条件が一層厳しくなっている。このため、本実施形態の撮像モジュールは、車載用のカメラに好適である。
【0009】
(実施形態)
本実施形態において、撮像モジュールとは、撮像センサに光学部品などを組み合わせたモジュールのことを指す。
【0010】
撮像センサは、撮像素子を有するCCD(Charge-Coupled Device)またはCMOS(Complementary MOS)などのイメージセンサである。
【0011】
光学部品は、光学系の一部またはすべてを構成する部品である。レンズ鏡筒は、光学部品の一例であり、光学レンズを配置した支持筒である。レンズ鏡筒には、この他、絞り、シャッタ、またはズーム機構などを備えるものもある。レンズ鏡筒は、これらの一部またはすべてを含む構成であってよい。
【0012】
なお以下では、光学部品であるレンズ鏡筒と、撮像センサと、撮像センサに電気配線するコネクタとを有する撮像モジュールの構成を示すが、撮像モジュールの構成をこれに限定するものではない。構成の置き換えや追加などを行ってもよい。
【0013】
以下、撮像モジュールの構成と、撮像モジュールの組み立て方について説明する。以下に複数の実施例を示すが、同様の箇所について繰り返しの説明となる場合には、図中に同一の符号を付すなどして、その説明を適宜省略する。
【0014】
図1に、本実施形態の撮像モジュールを示している。構成が分かるように外径構造の一部を断面で示している。撮像モジュール1は、レンズ鏡筒10と、センサ基板11に設けられた撮像センサと、コネクタ12とに分けられている。
【0015】
センサ基板11とレンズ鏡筒10とはセンサ基板11もしくはレンズ鏡筒10にあらかじめ接着剤1000を塗布しておき、ピント合わせの6軸調整を行った後にUV光照射により仮固定し、本硬化のため熱を加えて固定される。センサ基板11とレンズ鏡筒10との固定は、ネジまたはハンダなど、その他の固定手段で行ってもよいものとする。
【0016】
センサ基板11とレンズ鏡筒10とを固定した状態で、次に示す部品同士で接合を行う。ここで言う「接合」とは、部品を溶かして接合することを指す。例えば樹脂部品などを溶かして溶着させることを意味する。また、このように接合した箇所を「接合部」とする。
【0017】
第1部品101と第2部品102は、レンズ鏡筒10を収容するケースである。レンズ鏡筒10を収容する第2部品102に対し、第1部品101を接合する。
【0018】
第3部品103は、コネクタ12のケースである。第3部品103を第2部品102に接合する。第3部品103を第2部品102に接合することにより、センサ基板11の基板実装コネクタ11-1がコネクタ12と電気的に接続される。
【0019】
このように組み立てられた撮像モジュール1は、コネクタ12の電気配線12-1を介して駆動し、レンズ鏡筒10から入射した像を、センサ基板11の撮像素子に結像して撮像画像を電気配線12-1を介して出力する。コネクタ12は制御装置と接続する通信ケーブルなどのコネクタである。
【0020】
この構成において、接合を行う部分は、第1部品101と第2部品102との接触面a1と、第2部品102と第3部品103との接触面a2である。
【0021】
接触面a1、a2は、部品同士の対向する面である。厳密には接触していない部分があっても、接合が可能な程度であれば接触面に相当するものとし、接触面と呼ぶ。なお、接触面の定義については、その他の例においても同様とする。
【0022】
本実施形態では、接触面へのレーザ光の照射により、接着材を使用することなく、各部品間を溶着する。
【0023】
具体的には、対向する2つの部品を、光透過部材と光吸収部材で設ける。光透過部材と光吸収部材は、使用するレーザ光に対してそれぞれ異なる光透過率を示す。光透過部材は、使用するレーザ光に対して高い光透過率を示す部材である。光吸収部材は、そのレーザ光に対して低い光透過率を示す部材である。
【0024】
レーザ光は、光透過部材側から光吸収部材に向けて照射する。厳密には、光透過部材の表面側から光透過部材と光吸収部材との接触面を狙って照射する。この方式によると、照射されたレーザ光は、光透過部材を透過して光吸収部材に到達し、接触面で光吸収部材により吸収されて熱が発生する。熱の発生により、接触面において光吸収部材が溶融し、部材間が接触面で溶着(接合)する。
【0025】
なお、レーザ光は一例であり、部品間を溶着することが可能であれば、その他の照射手段を用いてもよい。
【0026】
図1において、第1部品101は光透過部材である。第2部品102は光吸収部材である。そして、第3部品103は光透過部材である。
【0027】
第1部品101と第2部品102の接合は、第1部品101の表面から第2部品102との接触面a1を狙ってレーザ光を照射することにより行う。
【0028】
図1において、レーザ光の照射向きと照射範囲を矢印x1で示している。同一箇所に並ぶ2本の矢印x1の間を、レーザ光で照射する。なお、レーザ光は、2本の矢印x1の間であれば、照射位置が多少ずれてもよい。また、必要に応じて、2本の矢印x1の間に対し、レーザ光の照射位置をずらしながら照射を行い、照射幅を広げてもよい。
【0029】
なお、第1部品101と第2部品102の接触面a1は、光の入射面側すなわちレーザ光の矢印x1の向きで平面視した場合に、レンズ鏡筒10の外形が円の形状なので、その円に沿って一周している。レンズ鏡筒10の外形の円に沿って接触面a1が構成されているため、それら接触面全体にレーザ光を照射して部品間を接合する。
図1の断面図では接触面全体の一周上に位置する第2部品102の左端と右端だけが示されているため、それぞれに、2本の矢印x1を示している。
【0030】
もう一方の第2部品102と第3部品103との接合は、第3部品103の表面から第2部品102との接触面a2を狙ってレーザ光を照射することにより行う。
図1において、レーザ光の照射向きを矢印x2で示している。
【0031】
第2部品102と第3部品103の接触面a2は、コネクタ12側すなわちレーザ光の矢印x2の向きで平面視した場合に、第2部品102の開口部の縁部がセンサ基板11の周囲に一周している。センサ基板11の周囲に接触面a2が構成されているため、その接触面全体にレーザ光を照射して部品間を接合する。
図1の断面図では接触面全体の一周上に位置する第3部品103の左端と右端だけが示されているため、それぞれに、2本の矢印x2を示している。
【0032】
なお、各部品間を接合する場合、レーザヘッドの照射向きを固定して部品を回転させる方法で各接触面にレーザ光を照射してもよいし、レーザヘッドを動かして、各接触面にレーザ光を照射してもよい。
【0033】
(レーザ光、光透過部材、光吸収部材の実施例)
ここで、レーザ光と、光透過部材と、光吸収部材との関係の一実施例を示す。
【0034】
<部材>
樹脂材
レーザ溶着に適した材料として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂やポリアミド(PA)樹脂などが使用可能である。
なお、樹脂にガラスフィラーなどの強化剤が含まれていてもよい。
【0035】
<レーザ>
近赤外光となる1060~1070nmのYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ等が使用可能である。
また、949nm(半導体レーザ)なども使用可能である。
【0036】
<樹脂透過率>
上記レーザ光に対して、樹脂(透過材)は20%以上の透過率、吸収材は90%以上の吸収率を持つ材料を使用することが望ましい。なお、レーザ光の照射条件等の合わせこみによってはその限りではない。また、透過材であっても可視光波長は透過しないように調色されており、車載カメラ内への可視光入射は制限されている。
【0037】
このように、本実施形態に示す部材の組合せであれば、レーザ光の照射により部品を溶融して接合することが可能になる。さらに、レーザ光の照射で光吸収部材が溶融した後に、部材間を加圧して圧着させることにより、より接着性が高まる。光吸収部材を溶かして接合するため、接触面を綺麗に接合することが可能である。この方法であれば組み立てが容易であり、また接着剤を使用しないため、過酷な使用環境下でも信頼性条件を維持し、長期間にわたり撮像モジュールを安心して使用続けることが可能になる。
【0038】
(撮像モジュール1のケース形状の変形)
図2に、本実施形態の撮像モジュールのケース形状を変形した場合の断面の一例を示している。
図2の撮像モジュール1は、コネクタ12側から平面視した際の第3部品103が第2部品102の口径よりも広い外形を有する場合の例である。
【0039】
この場合にも、
図1と同様な組み付け方法で組み付けを行うが、第3部品103が第2部品102の口径よりも広い外形を有するため、接合前に第3部品103を上下左右に移動させながらコネクタ12を基板実装コネクタ11-1に嵌合させるという自由度があり、基板実装コネクタ11-1との接続を行うことが容易になる。
【0040】
(撮像モジュール1の組み付け方法の変形)
図3に、撮像モジュール1の組み付け方法の変形例を示している。
図3の撮像モジュール1は、第1部品201と第2部品202との組み付けと、第2部品202と第3部品203との組み付けを、第4部品204を使用して行う場合の構成である。
【0041】
第1部品201、第2部品202、および第3部品203は、いずれも光吸収部材を使用し、第4部品204に光透過部材を使用して、部材間を接合する。
【0042】
図3に示すように、第1部品201と第2部品202はそれぞれ切欠き部b11、b12を有する。第1部品201と第2部品202とを組み合わせることにより、第1部品201の切欠き部b11と第2部品202の切欠き部b12とで第4部品204-1が収まる溝が形成される。
【0043】
第1部品201の切欠き部b11と第2部品202の切欠き部b12とにより形成される溝は、レンズ鏡筒10の外形に沿って一周している。第4部品204-1は、レンズ鏡筒10の外形に沿って溝に嵌められる。
【0044】
第4部品204-1は、溝全体に嵌るリング形状部品でもよいし、溝に沿って分割して埋める分割部品でもよい。
【0045】
第4部品204-1がリング形状部品の場合の組み付けは、第1部品201と第2部品202の一方の切欠き部(切欠き部b11または切欠き部b12)にリング形状の第4部品204-1を嵌めてから、第1部品201と第2部品202を接合する方法で行う。
【0046】
同様に、第2部品202と第3部品203にも、第4部品204-2に対応する切欠き部b13、b14を有する。第2部品202と第3部品203とを接合することにより、第2部品202の切欠き部b13と第3部品203の切欠き部b14とで第4部品204-2が収まる溝が形成される。溝は、第2部品202の開口部の外形に沿って一周している。第4部品204-2は、開口部外形に沿って溝に嵌められる。
【0047】
第4部品204-2がリング形状部品の場合の組み付け方は、同様である。第2部品202と第3部品203の一方の切欠き部(切欠き部b13または切欠き部b14)にリング状の第4部品204-2を嵌めてから、第2部品202と第3部品203を接合する方法で行う。
【0048】
また、第1部品201と第2部品202の接合と、第2部品202と第3部品203の接合は、それぞれに設けた第4部品204(それぞれ第4部品204-1、第4部品204-2)にレーザ光を照射することで行う。レーザ光は、それぞれ、
図3に矢印x3、x4で示す向きで照射する。つまり第1部品201と第2部品202の接合は、レンズ鏡筒10の外周方向から第4部品204-1の表面全体に照射し、第2部品202と第3部品203の接合は、第2部品202の開口部の外周方向から第4部品204-2の表面全体に照射する。このようにレーザ光を照射することで、第1部品201と第2部品202の溶融により部品間が溶着し、第2部品202と第3部品203の溶融により部品間が溶着する。
【0049】
図4~
図8は、撮像モジュールのその他の形態の一例を示す図である。
図4~
図8には、レンズ鏡筒10と、基板実装コネクタ11-1とコネクタ12の接続部品とを接合する構成のものについて示している。
【0050】
図4に示す構成は、レンズ鏡筒10の台座が第1部品301であり、基板実装コネクタ11-1とコネクタ12の接続部品が第2部品302である。第1部品301と第2部品302を接合することにより、撮像モジュール1が構成される。
【0051】
センサ基板11とレンズ鏡筒10の台座は、センサ基板11もしくはレンズ鏡筒10の台座にあらかじめ接着剤1000を塗布しておき、ピント合わせの6軸調整を行った後にUV光照射により仮固定し、本硬化のため熱を加えて固定される。接着剤1000はセンサ基板11もしくはレンズ鏡筒10の台座に対して2箇所以上に塗布される。矩形の構成のものでは、4隅のうちの2箇所以上に塗布される。従って、センサ基板11とレンズ鏡筒10とを互いに固定する箇所は2箇所以上である。なお、センサ基板11とレンズ鏡筒10の台座との固定は、接着剤1000を使った固定手段に限らず、ネジまたはハンダなど、その他の固定手段で行ってもよい。
【0052】
レンズ鏡筒10の台座(第1部品301)は、第2部品302の開口部において第2部品302の内面に縁部が接触する大きさの部品である。
【0053】
第2部品302は、第1部品301を組み付ける側(正面側と呼ぶ)が開口しており、内部にはセンサ基板11を収容する収容スペースを有し、背面側の面は、センサ基板11の基板実装コネクタ11-1とコネクタ12とを接続する孔を有する。
【0054】
この構成において、接合を行う部分は、第1部品301の縁部と第2部品302の開口部の内面との接触面a11である。第1部品301に光吸収部材を使用し、第2部品302に光透過部材を使用する。レーザ光は、光透過部材の表面側から光透過部材と光吸収部材との接触面a11を狙って照射する。
【0055】
図4に示す矢印の照射向きでレーザ光を照射する。レーザ光の照射方法は、これまで説明してきた方法を適宜適用する。第1部品301と第2部品302との接触面a11は、レンズ鏡筒10周囲を一周している。従って、これまで説明してきたように、レーザ光は接触面の全体に照射を行う。
【0056】
このような構成であれば、第1部品301と第2部品302との接合により撮像モジュール1を構成することができる。部品点数が少なく、組み立も容易である。
【0057】
図5に示す構成は、レンズ鏡筒10の台座(第1部品401)が、第2部品402の開口部側において第2部品402の外周と同じ大きさの部品である。その他の部分は、
図4と同じである。
【0058】
この構成において、接合を行う部分は、第1部品401の縁部と第2部品402の開口部の外周部との接触面a12である。第1部品401に光透過部材を使用し、第2部品402に光吸収部材を使用する。
【0059】
図5に示す矢印の照射向きでレーザ光を照射する。第1部品401と第2部品402の接触面a12は、レンズ鏡筒10周囲を一周しているので、レンズ鏡筒10周囲の接触面a12にレーザ光を照射する。
【0060】
図6に示す構成は、第3部品で接合を行う場合の構成である。第1部品501と第2部品502の形状は、それぞれ
図4に示す第1部品301と第2部品302と同様である。第3部品503は、レーザ光を照射する方向から第1部品501と第2部品502との接触面a11の縁を覆い、第1部品501と第2部品502とに接触するように配置する。第3部品503は、例えばレンズ鏡筒10の台座の上から覆う形状のものであり、レンズ鏡筒10の台座を除く本体円筒部と対応する位置に、円筒部を外部に露出する孔を有する。
【0061】
図6に示す構成では、第1部品501と第2部品502に光吸収部材を使用し、第3部品503に光透過部材を使用する。
【0062】
図6に示す矢印の照射向きでレーザ光を照射する。第3部品503にレーザ光を照射し、第1部品501との接触面a10-1と第2部品502との接触面a10-2を溶融することにより、第1部品501、第2部品502、および第3部品503を溶着する。
【0063】
図7に示す構成は、第3部品で接合を行う場合の別の構成である。第1部品601と第2部品602は、それぞれ
図5に示す第1部品401と第2部品402とにおいて、溝となる切欠き部を設けたものに相当する。第1部品601と第2部品602の接触面a12を含むように溝が設けられている。切欠き部の構成については、
図3に示す構成と同様である。第3部品603と溝は、
図3に示す第4部品204と溝とに相当する。この構成では、第1部品601と第2部品602に光吸収部材を使用し、第3部品603に光透過部材を使用する。
【0064】
図7に示す矢印の照射向きでレーザ光を照射する。
図3に示す第4部品204に対するレーザ光の照射と同様の方法で第3部品603にレーザ光を照射し、第1部品601、第2部品602、および第3部品603を溶着する。
【0065】
図8に示す構成は、レンズ鏡筒10全体に光透過部材が使用されている場合の構成である。第1部品701と第2部品702の形状は、それぞれ
図4に示す第1部品301と第2部品302と同様である。第3部品703は、レンズ鏡筒10である。
【0066】
この例では、センサ基板11が第1部品701にネジ1100により固定されているが、接着剤またはハンダ等の固定手段で固定してもよい。
【0067】
図8に示す構成では、第1部品701に光吸収部材を使用し、第2部品702に光透過部材を使用する。また、第3部品703に光透過部材を使用する。
【0068】
図8に示す矢印の照射向きでレーザ光を照射する。この構成において接合を行う部分は、第1部品701と第2部品702の接触面a11と、第1部品701と第3部品703の接触面a13の、2箇所である。
【0069】
第1部品701と第2部品702の接触面a11に対するレーザ光の照射方法は
図4と同じである。第1部品701と第3部品703の接触面a13については、第3部品703の台座の縁部を使用して、第1部品701と第3部品703の接触面a13を狙ってレーザ光を照射する。レーザ光は、
図8に示すように斜め方向から内側の方の接触面a13を狙って照射しているが、照射方向は適宜決めてよい。第1部品701と第3部品703とを接合する領域を照射できればよい。
【0070】
また、
図8に示す構成では、レンズ鏡筒10を接合するため、レンズ鏡筒10の台座の縁部と第1部品701との隙間から湿気等が入らないように防水にするために、シール材2000で隙間を埋めている。なお、隙間を封止できるものであれば、シール材以外の封止手段を用いてもよい。シール材など、封止を行うものをまとめて封止材という。
【0071】
(各形態の具体的な実施)
図9および
図10により、より具体的な例で実施を説明する。
図9は、
図4または
図5の構成を適用する場合の分解構成図である。
図10は、
図6の構成を適用する場合の分解構成図である。
【0072】
図9について、一例として
図4の構成を例に説明する。
図9に示す例では、レンズ鏡筒10に第1部品301の台座が構成されている。第1部品301には、光吸収部材が使用され、第2部品302に光透過部材が使用されている。
【0073】
図9に示す例では、まず、センサ基板11とレンズ鏡筒10とを接着剤1000により2箇所以上で固定する。この例では、センサ基板11もしくはレンズ鏡筒10の台座にあらかじめ接着剤1000を塗布しておき、ピント合わせの6軸調整を行った後にUV光照射により仮固定し、本硬化のため熱を加えて固定される。接着剤1000は4隅のうちの2箇所以上に塗布される。この実施例では、さらにセンサ基板11の背面側に放熱部材13を取り付ける。そして、第1部品301を、第2部品302の開口部内面に接触するように配置して、第1部品301の矩形の縁部と第2部品302の開口部内面との接触面にレーザ光を照射する。なお、第1部品301を位置合わせのために保持する突起部を第2部品302の内面に設けてもよい。
【0074】
一方の
図10に示す例では、第1部品501と第2部品502に光吸収部材を使用し、光透過部材の第3部品503を配置して、第3部品503にレーザ光を照射する。組み立手順は、まず、センサ基板11とレンズ鏡筒10とを接着剤1000により2箇所以上で固定する。この例では、センサ基板11もしくはレンズ鏡筒10の台座にあらかじめ接着剤1000を塗布しておき、ピント合わせの6軸調整を行った後にUV光照射により仮固定し、本硬化のため熱を加えて固定される。接着剤1000は4隅のうちの2箇所以上に塗布される。この実施例では、さらにセンサ基板11の背面側に放熱部材13を取り付ける。そして、第1部品501を第2部品502の開口部内面に接触するように配置し、さらに、第3部品503を配置する。レーザ光は、第3部品503の表面に向けて照射する。
【0075】
なお、第1部品501の接触面と第2部品502の接触面とが同じ高さになるように第2部品502の内面に位置合わせの突起部を設けてもよい。
【0076】
また、組み立ての手順は、これに限らない。例えば、第1部品501と第3部品503をレーザ光の照射により溶着してから、溶着後の第3部品503を第2部品502に配置してレーザ光を照射するようにしてもよい。
【0077】
図11~
図15は、撮像モジュールの様々な形態の組み付け手順を示している。
図11~
図15に示す各矢印は、レーザ光の照射方向を示している。これまで説明してきたように、レーザ光は、光透過部材側から光透過部材と光吸収部材との接触面を狙って照射する。従って、以下では特に説明しないが、各矢印が示す部材が光吸収部材で、矢印の方向において手間側に位置する部材が光透過部材であるものとして説明する。
【0078】
図11に示す撮像モジュール1は、2つの基板11の間に放熱材13を有し、基板11の周囲をシールド板14で覆った構成を有する。
【0079】
まず、第1部品801と第2部品802とを接合する(ステップS1)。次に、第2部品802と第3部品803とを接合する(ステップS2)。その後、レンズ鏡筒10側にシールド板14を設けたセンサ基板11を接着する。次に、第4部品804と第5部品805とを接合する(ステップS3)。そして、第3部品803と第4部品804とを接合する(ステップ4)。
【0080】
図12に示す撮像モジュール1の構成では、次のように組み立てを行う。まず、第1部品811と第2部品812とを接合する(ステップS11)。次に、第1部品811と第3部品813とを接合する(ステップS12)。その後、レンズ鏡筒10側にシールド板14を設けたセンサ基板11を接着する。次に、第4部品814と第5部品815とを接合する(ステップS13)。そして、第3部品813と第4部品814とを接合する(ステップ14)。
【0081】
図13に示す撮像モジュール1の構成では、次のように組み立てを行う。まず、第1部品821と第2部品822とを接合する(ステップS21)。その後、レンズ鏡筒10側にシールド板14を設けたセンサ基板11を接着する。次に、第3部品823と第2部品822とを接合する(ステップS22)。そして、第4部品824と第3部品823とを接合する(ステップS23)。なお、ステップS22とステップS23の順序は入れ替えてもよい。
【0082】
図14に示す撮像モジュール1の構成では、次のように組み立てを行う。なお、レンズ鏡筒10側にシールド板14を設けたセンサ基板11は接着されているものとする。まず、第2部品832と第3部品833とを接合する(ステップS31)。次に、基板実装コネクタ11-1とコネクタ12とを接続し、第1部品831と第2部品832とを接合する(ステップS32)。
【0083】
図15に示す撮像モジュール1の構成では、次のように組み立てを行う。なお、レンズ鏡筒10側にシールド板14を設けたセンサ基板11は接着されているものとする。まず、第2部品842と第3部品843とを接合する(ステップS41)。次に、基板実装コネクタ11-1とコネクタ12とを接続し、第1部品841と第2部品842とを接合する(ステップS42)。
【0084】
このように、構成により、組み立て方は異なるが、レーザ光の照射で簡単に組み立てを行うことができる。
【0085】
(レンズ鏡筒10とセンサ基板11との固定方法)
これまでレンズ鏡筒10とセンサ基板11との固定を、接着剤や、ネジや、ハンダ等の固定手段を用いて固定することを説明したが、レーザ溶着により固定を行ってもよい。
【0086】
図16に示すように、レンズ鏡筒10をセンサ基板11上にピント合わせの6軸調整して位置合わせをして配置し、レーザ装置本体2から、狙いの位置をずらして配置した各レーザヘッド2-1、2-2、2-3からレーザ光を同時に照射し、狙いの3箇所をレーザ溶着により固定する。
図16には、一例として、レンズ鏡筒10の縁部に対し、周囲360°のうちの0°、120°、および240°の位置に狙いを合わせて各レーザヘッド2-1、2-2、2-3から同時にレーザ光を照射する。このように、同時にレーザ光を照射して3箇所を溶着することにより、センサ面と光学系との軸ブレを抑え、画像のボヤケなどを抑止する。
【0087】
なお、ここでは一例として120°の間隔とし、3箇所に向けてレーザ光を照射する例を示したが、照射する箇所を3箇所に限定するものではない。30°の間隔など、光学軸回りに間隔が均等であれば、照射箇所を3箇所以上に増やしてもよい。
【0088】
このように3方向などから同時に溶着させることにより、ピントずれをなくし、長期間、画質を維持することも可能になる。特に、信頼性向上やピントずれの発生をなくすために、溶着が最適である。レンズ調整では、1μm単位の調整と固定が必要であるが、レーザを照射して固定するだけでは、100μm単位で動いてしまい、レンズ固定に用いることはできない。本実施形態のように、120°分岐の3方向などから同じ強度のレーザ光を照射することにより、1μm単位の固定が可能になる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
1…撮像モジュール、10…レンズ鏡筒、11…センサ基板、12…コネクタ、101…第1部材、102…第2部材、a1…接触面(接合部)、a2…接触面(接合部)。