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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/822 20230101AFI20241112BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 50/82 20230101ALI20241112BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20241112BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241112BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241112BHJP
   H10K 102/20 20230101ALN20241112BHJP
【FI】
H10K50/822
H10K59/10
H10K59/121
H10K59/122
H10K50/82
H10K71/16 164
H10K71/16 166
G09F9/30 365
G09F9/30 348Z
G09F9/00 338
H10K102:20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020089199
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021009837
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2019-0078338
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェシク
(72)【発明者】
【氏名】リ ヨンファ
(72)【発明者】
【氏名】リ ジュング
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジヨン
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-258144(JP,A)
【文献】特開平09-298088(JP,A)
【文献】特開平07-026255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/10 - 102/20
G09F 9/30
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、ディスプレイ部と、を含み、
前記ディスプレイ部は、表示領域と、透過領域と、を含み、
前記ディスプレイ部は、
前記透過領域に対応して配置された補助層と、前記補助層と離隔して配置されると共に、前記表示領域にのみ対応して配置された第2電極と、を含み、
前記補助層は、第1材料及び第3材料を含み、
前記第1材料は、前記補助層の表面に配置され、
前記第2電極は、第2材料を含み、
前記第1材料及び前記第2材料は、下記数式1を満足し、
前記補助層は、第1領域、及び前記第1領域と前記第1基板との間に介在された第2領域
を含み、
前記第1領域での前記第1材料の濃度が前記第2領域での前記第1材料の濃度と同じ状態であり、
ST2-ST1>0mJ/m <数式1>
前記数式1において、
ST1は、25℃での前記第1材料の表面エネルギーであり、
ST2は、25℃での前記第2材料の表面エネルギーである表示装置。
【請求項2】
前記透過領域には、前記第2電極が存在していない請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1領域は、最大第1材料濃度を有する位置を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記補助層は、第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第2領域と前記第1基板との間に介在され、
前記第2領域での前記第1材料の濃度と前記第3領域での前記第1材料の濃度とが互いに異なる請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
ST1は、0mJ/mより大きく30mJ/m以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1材料の分子量は、1500以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2材料は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、インジウム(In)、またはそれらの任意の組み合わせを含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3材料の分子量は、1500以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
第1基板と、ディスプレイ部を含み、
前記ディスプレイ部は、表示領域と、透過領域と、を含み、
前記ディスプレイ部は、前記透過領域に対応して配置された補助層と、前記表示領域及び前記補助層が配置された前記透過領域の一部に対応して配置された第2電極と、を含み、
前記補助層は、第1材料及び第3材料を含み、
前記第1材料は、前記補助層の表面に配置され、
前記第2電極は、第2材料を含み、
前記第1材料及び前記第2材料は、下記数式1を満足し、
前記補助層は、第1領域、及び前記第1領域と前記第1基板との間に介在された第2領域を含み、
前記第1領域での前記第1材料の濃度が前記第2領域での前記第1材料の濃度と同じ状態であり、
ST2-ST1>0mJ/m <数式1>
前記数式1において、
ST1は、25℃での前記第1材料の表面エネルギーであり、
ST2は、25℃での前記第2材料の表面エネルギーである表示装置。
【請求項10】
前記表示領域に対応して前記第2電極の第1部分が配置され、
前記透過領域に対応して前記第2電極の第2部分が配置され、
前記第1部分の厚さT1と前記第2部分の厚さT2は、下記数式2を満足する
T1>T2 <数式2>
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
T2は、0nmより大きく1nm以下である請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1領域は、最大第1材料濃度を有する位置を含む請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記補助層は、第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第2領域と前記第1基板との間に介在され、
前記第2領域での前記第1材料の濃度と前記第3領域での前記第1材料の濃度とが互いに異なる請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
ST1は、0mJ/mより大きく30mJ/m以下である請求項9に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1材料の分子量は、1500以下である請求項9に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2材料は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、インジウム(In)、またはそれらの任意の組み合わせを含む請求項9に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第3材料の分子量は、1500以下である請求項9に記載の表示装置。
【請求項18】
第1基板を提供する段階と、
前記第1基板上に表示領域と透過領域とを含むディスプレイ部を提供する段階と、を含み、
前記ディスプレイ部を提供する段階は、
前記表示領域及び前記透過領域上に第1材料を提供し、前記透過領域上にのみ第3材料を提供した後、前記表示領域上の前記第1材料を除去することで、前記透過領域に対応して配置された補助層を提供する段階と、第2電極を提供する段階と、を含み、
前記補助層は、第1材料及び第3材料を含み
記第2電極は、第2材料を含み、
前記第1材料及び前記第2材料は、下記数式1を満足し、
前記補助層は、第1領域、及び前記第1領域と前記第1基板との間に介在された第2領域を含み、
プラズマ処理によって、前記第1領域での前記第1材料の濃度が前記第2領域での前記第1材料の濃度より高い状態から、前記第1領域での前記第1材料の濃度が前記第2領域での前記第1材料の濃度と同じ状態となり、
前記第1材料は、前記補助層の表面に配置され、
ST2-ST1>0mJ/m <数式1>
前記数式1において、
ST1は、25℃での前記第1材料の表面エネルギーであり、
ST2は、25℃での前記第2材料の表面エネルギーである表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第3材料は、ファインメタルマスクを用いて蒸着することで提供される請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2電極は、オープンマスクを用いて前記第2材料を蒸着することで提供される請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、具体的に透過領域を有する表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、表示装置は、その用途が多様化されている。また、表示装置の厚さが薄くなり、重さが軽く、その使用の範囲が広範囲になっている。
【0003】
一例として、表示装置に対して透過性または透明性を具現しようとする研究が継続されている。具体的に、装置内部の薄膜トランジスタや表示パネルを透明な形態にすることで、透明表示装置として形成しようとする試みがある。
【0004】
透明表示装置を具現するために、基板、電極、絶縁膜、キャッピング膜のような多様な材料の組成、配置、厚さなど多様な変数を最適化することが必要である。例えば、有機発光表示装置の場合、互いに異なる物質を含む多数の導電膜及び絶縁膜が積層され、それにより、光学的特性が低下して、所望の透過性または透明性を獲得することが容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0044876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記課題を解決するための外光の透過率が高い表示装置及びその製造方法であって、本発明の実施例は、透過領域に実質的に共通電極が形成されていない表示装置を提供することができる。
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、本発明の記載から当該分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例による表示装置は、第1基板と、ディスプレイ部と、を含み、
前記ディスプレイ部は、表示領域と、透過領域と、を含み、
前記ディスプレイ部は、前記透過領域に対応して配置された補助層と、前記表示領域にのみ対応して配置された第2電極と、を含み、
前記補助層は、第1材料及び第3材料を含み、
前記第2電極は、第2材料を含み、
前記第1材料及び前記第2材料は、下記数式1を満足し、
前記補助層は、第1領域、及び前記第1領域と前記第1基板との間に介在された第2領域を含み、
前記第1領域での前記第1材料の濃度と前記第2領域での前記第1材料の濃度とが互いに異なり、
ST2-ST1>0mJ/m <数式1>
前記数式1において、
ST1は、25℃での前記第1材料の表面エネルギーであり、
ST2は、25℃での前記第2材料の表面エネルギーである。
【0009】
前記実施例において、前記透過領域には、第2電極が存在していなくてもよい。
【0010】
前記実施例において、前記第1領域は、前記第1材料の最大濃度位置を含んでもよい。
【0011】
前記実施例において、前記補助層は、第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第2領域と前記第1基板との間に介在され、
前記第2領域での前記第1材料の濃度と前記第3領域での前記第1材料の濃度とが互いに異なってもよい。
【0012】
前記実施例において、ST1は、0mJ/m超過ないし30mJ/m以下であってもよい。
【0013】
前記実施例において、前記第1材料の分子量は、1500以下であってもよい。
【0014】
前記実施例において、前記第2材料は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、インジウム(In)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0015】
前記実施例において、前記第3材料の分子量は、1500以下であってもよい。
【0016】
本発明の他の実施例による表示装置は、第1基板と、ディスプレイ部を含み、
前記ディスプレイ部は、表示領域と、透過領域と、を含み、
前記ディスプレイ部は、前記透過領域に対応して配置された補助層と、前記表示領域及び前記透過領域に対応して配置された第2電極と、を含み、
前記補助層は、第1材料及び第3材料を含み、
前記第2電極は、第2材料を含み、
前記第1材料及び前記第2材料は、下記数式1を満足し、
前記補助層は、第1領域、及び前記第1領域と前記第1基板との間に介在された第2領域を含み、
前記第1領域での前記第1材料の濃度と前記第2領域での前記第1材料の濃度とが互いに異なり、
ST2-ST1>0mJ/m <数式1>
前記数式1において、
ST1は、25℃での前記第1材料の表面エネルギーであり、
ST2は、25℃での前記第2材料の表面エネルギーである。
【0017】
前記実施例において、前記表示領域に対応して前記第2電極の第1部分が配置され、
前記透過領域に対応して前記第2電極の第2部分が配置され、
前記第1部分の厚さTと前記第2部分の厚さTは、下記数式2を満足する。
>T <数式2>
【0018】
前記実施例において、Tは、0nmより大きく1nm以下であってもよい。
【0019】
前記実施例において、前記第1領域は、前記第1材料の最大濃度位置を含んでもよい。
【0020】
前記実施例において、前記補助層は、第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第2領域と前記第1基板との間に介在され、
前記第2領域での前記第1材料の濃度と前記第3領域での前記第1材料の濃度とが互いに異なってもよい。
【0021】
前記実施例において、ST1は、0mJ/mより大きく30mJ/m以下である。
【0022】
前記実施例において、前記第1材料の分子量は、1500以下であってもよい。
【0023】
前記実施例において、前記第2材料は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、インジウム(In)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0024】
前記実施例において、前記第3材料の分子量は、1500以下であってもよい。
【0025】
本発明の一実施例による表示装置の製造方法は、第1基板を提供する段階と、
前記第1基板上に表示領域と透過領域とを含むディスプレイ部を提供する段階と、を含み、
前記ディスプレイ部を提供する段階は、
前記表示領域及び前記透過領域上に第1材料を提供し、前記透過領域上にのみ第3材料を提供した後、前記表示領域上の前記第1材料を除去することで、前記透過領域に対応して配置された補助層を提供する段階と、第2電極を提供する段階と、を含み、
前記補助層は、第1材料及び第3材料を含み、
前記第2電極は、第2材料を含み、
前記第1材料及び前記第2材料は、下記数式1を満足し、
ST2-ST1>0mJ/m <数式1>
前記数式1において、
ST1は、25℃での前記第1材料の表面エネルギーであり、
ST2は、25℃での前記第2材料の表面エネルギーである。
【0026】
前記実施例において、前記第3材料は、ファインメタルマスクを用いて蒸着することで提供されてもよい。
【0027】
前記実施例において、前記第2電極は、オープンマスクを用いて前記第2材料を蒸着することで提供されてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の多様な実施例によれば、透過領域に実質的に共通電極が形成されず、相対的に高い透過率を有する表示装置及びその製造方法を提供することができる。
【0029】
しかし、前述した効果は、例示的なものであって、実施例による効果は、後述する内容を通じて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施例による表示装置を概略的に示す構造図である。
図2】本発明の一実施例による表示装置を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の一実施例による表示装置を概略的に示す平面図である。
図4図2の表示装置の他の実施例による表示装置を概略的に示す断面図である。
図5図4のディスプレイ部をさらに詳細に示す断面図である。
図6】本発明の他の実施例による表示装置を概略的に示す断面図である。
図7】本発明の他の実施例による表示装置を概略的に示す平面図である。
図8図6の表示装置の他の実施例による表示装置を概略的に示す断面図である。
図9】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図10】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図11】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図12】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図13】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図14】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図15】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図16】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を示す断面図である。
図17】本発明の一実施例による電子機器の構成を概略的に示すブロック図である。
図18A】本発明の一実施例による電子機器を概略的に示す斜視図である。
図18B】本発明の一実施例による電子機器を概略的に示す斜視図である。
図19】実施例1、比較例1及び2の波長による透過率グラフを示す図面である。
図20】実施例2、比較例3及び4の波長による透過率グラフを示す図面である。
図21】実施例2及び比較例3のX線光電子分析法(XPS)による深みによる元素分析結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができる。以下において、複数の実施例を図面に例示し、詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、そして、それらを達成する装置または方法は、図面と共に詳細に説明されている実施例を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下においてされている実施例に限定されるものではなく、多様な形態で具現可能である。
【0032】
以下において、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。図面を参照して説明するとき、同一または対応する構成要素は、同じ符号を付し、それについての重複する説明は、省略する。
【0033】
以下の実施例において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的として用いられる。
【0034】
以下の実施例において、単数表現は、文脈上、明白に異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【0035】
以下の実施例において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0036】
以下の実施例において、膜、領域、構成要素などの部分が他の部分上に、または、上にあるというとき、他の部分の直上にある場合だけではなく、間に他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0037】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張または縮小される場合がある。例えば、図面で示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示されているので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0038】
ある実施例が異なって具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なって行われてもよい。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に行われてもよく、説明される順序とは逆順に進められてもよい。
【0039】
以下の実施例において、膜、領域、構成要素などが接続されたとするとき、膜、領域、構成要素が直接的に接続される場合だけではなく、膜、領域、構成要素の間に他の膜、領域、構成要素が介在し、間接的に接続される場合も含む。例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に接続されるとき、膜、領域、構成要素などが直接電気的に接続される場合だけではなく、間に他の膜、領域、構成要素などが介在し、間接的に電気的接続される場合も含む。
【0040】
図1は、本発明の一実施例による表示装置を概略的に示す断面図である。
【0041】
図1を参照すれば、本発明の一実施例による表示装置1は、第1基板10、及びディスプレイ部20を含む。ディスプレイ部20は、画像が具現される表示領域100と、外光が透過される透過領域200を含む。表示装置1において、外光は、第1基板10及びディスプレイ部20を透過して入射される。
【0042】
ディスプレイ部20は、表示領域100を通じて画像が具現され、透過領域100を通じて外光が透過される。ユーザUは、透過領域200を通じて外部のイメージを見ることができる。すなわち、表示装置1は、表示領域100の透過率と透過領域200の透過率が互いに異なるディスプレイとして具現される。
【0043】
一実施例として、画像が具現される側に位置したユーザUが第1基板10の外側のイメージを観察することができる前面発光型表示装置を例として説明するが、本発明の表示装置は、それに限定されない。他の実施例として、本発明の表示装置は、ディスプレイ部20から第1基板10の方向に具現される背面発光型でもよい。
【0044】
透過領域100に薄膜トランジスタ、キャパシタなどを配置せず、透過領域100での外光透過率を高め、結果として、表示装置の外光透過率を高め、透過イメージが薄膜トランジスタ、キャパシタなどによって干渉されて歪曲が発生することを防止する。
【0045】
表示装置1は、第1基板10に対向された第2基板をさらに含む。この際、ディスプレイ部20は、第1基板10と第2基板との間に設けられる。
【0046】
第2基板は、透明なガラスまたはプラスチック基板によって形成され、ディスプレイ部20からの画像が具現されるようにし、ディスプレイ部20での外気及び水分の浸透を遮断する。第1基板10及び第2基板は、その縁部が密封剤によって接続され、第1基板10及び第2基板間の空間が密封される。空間には、吸湿剤や充填剤などが位置する。または、第1基板10及びディスプレイ部20上に薄膜の第2基板を形成することで、密封される。その場合、第1基板10及び第2基板がいずれもフレキシブルに備えられる。
【0047】
以下では、本発明の一実施例による表示装置1として、有機発光表示装置を例として説明するが、本発明の表示装置は、それに限定されない。他の実施例として、無機EL表示装置(inorganic light emitting display)、量子ドット発光表示装置(quantumdot light emitting display)のように多様な方式の表示装置が用いられる。
【0048】
図2及び3は、本発明の一実施例による表示装置1Aを概略的に示す断面図及び平面図である。具体的に、図3は、互いに隣接した第1画素PX1、例えば、第1赤色画素Pr、第1緑色画素Pg、及び第1青色画素Pbを示す平面図であり、図2は、図3のA-A’に係わる断面図である。
【0049】
図2を参照すれば、ディスプレイ部20は、画像が具現される表示領域100とそれと隣接して外光が透過される透過領域200を含む。ここで、外光は、第1画素PX1の発光素子EL1が放出する光と区別される外光である。外光は、周辺光または他の電子素子が放出する光でもある。
【0050】
前記透過領域200には、不透明な物質を含む素子は配置されず、実質的に透明な補助層、絶縁膜などのみ配置され、表示装置1A外部のイメージをそのまま透過させうる。
【0051】
透過領域200は、第1外光61及び第2外光62が透過される。第1外光61は、ディスプレイ部20の外側から第1基板10の外側方向に透過される外光である。第2外光62は、第1基板10の外側からディスプレイ部20の外側に透過される外光である。素子及び配線が透過領域200を迂回して配置されることで、透過領域200には素子及び配線が配置されない。透過領域200には、少なくとも第4絶縁膜15が備えられない。透過領域200に配置された絶縁膜14は、透明絶縁物質を含む。
【0052】
表示領域100は、発光領域102及び回路領域101を含む。表示領域100には、第1画素PX1が配置される。発光領域102には、第1画素PX1の発光素子EL1が配置される。回路領域101には、発光素子EL1と電気的に接続され、薄膜トランジスタTR1を含む第1画素PX1の画素回路が配置される。回路領域101と発光領域102は、重畳せず、よって発光素子EL1と画素回路は、重畳しないように互いに隣接して配置される。回路領域101には、図示されたように、1つの薄膜トランジスタTR1が配置されることに限定されず、多数の薄膜トランジスタ及びキャパシタがさらに含まれ、それらと接続された走査線、データ線及び電源線などの配線がさらに備えられる。
【0053】
薄膜トランジスタTR1は、バッファ膜11上の半導体層111、ゲート電極112、ソース電極113及びドレイン電極114を含む。半導体層111とゲート電極112との間の第1絶縁膜12がゲート絶縁膜として機能し、ゲート電極112とソース電極113及びドレイン電極114との間の第2絶縁膜13が層間絶縁膜として機能することができる。
【0054】
発光素子EL1は、薄膜トランジスタTR1を覆う第3絶縁膜14上の第1電極116、第1電極116に対向する第2電極130、第1電極116と第2電極130との間の中間層117を含む。
【0055】
第1電極116の縁部は、第4絶縁膜15によって覆われ、第1電極116の中央部は露出される。第4絶縁膜15は、表示領域100を覆うように備えられるが、必ずしも表示領域100全体を覆うように備えられるものではなく、少なくとも一部、特に第1電極116の縁部だけ覆うことができれば、十分である。
【0056】
第4絶縁膜15を通じて露出された透過領域200に対応する第3絶縁膜14上には補助層118が備えられる。すなわち、補助層118は、中間層117と重畳しなく配置される。
【0057】
補助層118の厚さは、1nm以上2,000nm以下でもよい。具体的に、補助層118の厚さは、1nm以上50nm以下でもよいが、それに限定されるものではない。前記範囲を満足すれば、後述するように、第2電極がパターニングされる効果を十分に得つつも、透過領域200の透過率が相対的に高く確保される。
【0058】
補助層118は、第1材料及び第3材料を含む。
【0059】
中間層117上に第2電極130が備えられる。第2電極130は、表示領域100にのみ対応して配置され、透過領域200には配置されない。
【0060】
第2電極130は、第2材料を含む。
【0061】
前記第1材料及び前記第2材料は、下記数式1を満足し、
ST2-ST1>0mJ/m <数式1>
前記数式1において、
ST1は、25℃での前記第1材料の表面エネルギーであり、
ST2は、25℃での前記第2材料の表面エネルギーである。
【0062】
前記第1材料を乾式工程及び/または湿式工程を用いて全面(すなわち、表示領域100と透過領域200とをいずれも含む)に設けることで、第1層を形成する。具体的に、乾式工程の場合、オープンマスクを用いて全面に蒸着する方式で行われ、湿式工程の場合、全面にコーティングする方式で行われる。
【0063】
次いで、ファインメタルマスクを用いて透過領域200にのみ対応するように前記第3材料を蒸着させることで第2層を形成する。
【0064】
その後、表示領域100に対応して配置された前記第1材料を除去することができる。具体的に、全面にプラズマ処理、例えば、プラズマ熱処理を行うことで、表面に露出された前記第1材料を除去することで、補助層118を形成することができる。前記第3材料を透過領域200に対応するように蒸着したので、プラズマ処理を行っても透過領域200は、前記第1材料と前記第3材料が除去されない状態で残る。前記工程を行う間、前記第1材料が前記第1層から前記第2層の方向に拡散されるので、前記第1層と前記第2層との界面が消える。同時に、補助層118の一面、具体的に、第1基板10からさらに遠い面に前記第1材料の濃度が高くなる。
【0065】
次いで、オープンマスクを用いて表示領域100及び透過領域200をいずれも第2材料を蒸着させる。この際、前記第1材料及び前記第2材料の表面エネルギーが互いに異なって制御されることで、第1材料が配置された領域には実質的に第2材料が配置されないように制御される。すなわち、前記第2材料は、中間層117上には、相対的によく蒸着されるが、第1材料を含む補助層118上には、相対的によく蒸着されない。したがって、第1材料を含む補助層118が透過領域200に対応して配置されることで、第2材料を含む第2電極130は、透過領域200には実質的に提供されず、表示領域100にのみ対応して配置される。
【0066】
図2及び3から分かるように、第2電極130が配置されてはならない領域に対して補助層118を配置し、第2電極130が配置されねばならない領域に対しては補助層118を配置しない。それにより、第2材料を蒸着するときには、オープンマスクを用いて全画素の表示領域100及び透過領域200にいずれも前記第2材料を蒸着しても、前記金属は露出された中間層117の表面にのみ実質的に蒸着され、補助層118の表面には実質的に蒸着されないので、第2電極130がパターニングされる効果が得られる。
【0067】
透過領域200の透過率を高めるため、第2電極130が透過領域200に実質的に配置されてはならない。表示領域100にのみ配置された第2電極130を形成するため、ファインメタルマスクを使用する場合、蒸着温度が高いので、長期間使用時、ファインメタルマスクが変形する。これにより、シャドー現象などの問題が起こるなどの工程的に非常に不安定な要素を生じる。しかし、本発明の実施例による表示装置1は、前述したように自動的に第2電極130のパターニング効果が得られるため、工程上、有利でもある。
【0068】
また、透過領域200には、第2電極130が実質的に配置されないので、透過領域200の透過率が向上する。すなわち、前記第2電極は、表示領域100にのみ対応して配置され、透過領域200には、第2電極130が存在しておらず、透過領域200の透過率が向上する。
【0069】
一実施例において、補助層118は、第1領域及び第2領域を含む。前記第2領域は、前記第1領域と第1基板10との間に介在される。すなわち、第1基板10からディスプレイ部20に向かう方向に沿って、前記第2領域及び前記第1領域が順次に配置される。
【0070】
前記第1領域での前記第1材料の濃度と、前記第2領域での前記第1材料の濃度と互いに異なる。具体的には、前記第1領域での前記第1材料の濃度が、前記第2領域での前記第1材料の濃度よりもさらに高い。さらに具体的には、前記第1領域は、前記第1材料の最大濃度位置を含む。
【0071】
他の実施例において、補助層118は、第3領域をさらに含む。前記第3領域は、前記第2領域と第1基板10との間に設けられる。すなわち、第1基板10からディスプレイ部20に向かう方向に沿って、前記第3領域、前記第2領域及び前記第1領域が順次に配置される。
【0072】
前記第2領域での前記第1材料の濃度と前記第3領域での前記第1材料の濃度とが互いに異なる。具体的には、前記第2領域での前記第1材料の濃度が、前記第1領域での前記第1材料の濃度、及び前記第3領域での前記第1材料の濃度それぞれよりさらに低い。さらに具体的に、前記第1材料の濃度は、補助層118の一面から前記一面に対向する他面に沿って漸進的に低くなっていて、再び漸進的に高くなるが、それに限定されるものではない。
【0073】
第1材料を提供して第1層を形成した後、前記第1層上に第3材料を提供して第2層を形成することで、補助層118が形成される。補助層118が形成された直後には、前記第1層及び前記第2層の界面が存在してもよい。しかし、経時的に前記第1材料が前記第1層から前記第2層の方向に拡散されるので、前記第1層と前記第2層との界面が消える、または、見え難くなる。最終的に、補助層118は、前記第1材料及び前記第2材料が均一であるか、不均一に混合された様相を示す。これにより、前述したように、第1材料の濃度プロファイルを示す。
【0074】
一実施例において、ST2-ST1は、30mJ/m以上であり、具体的に、50mJ/m以上でもある。前記範囲を満足すれば、第1材料上に第2材料が実質的に蒸着されない。
【0075】
具体的に、ST1は、0mJ/mより大きく30mJ/m以下である。前記範囲を満足すれば、第1材料上に第2材料が実質的に蒸着されない。具体的に、ST1は、20mJ/m以下でもあるが、それに限定されるものではない。
【0076】
一実施例において、前記第1材料は、有機化合物からなる。具体的に、前記第1材料は、フッ素含有有機化合物からなる。さらに具体的に、前記第1材料は、フッ素含量が相対的に高い有機化合物でもある。
【0077】
例えば、前記第1材料は、20at%以上のフッ素を含む。前記範囲を満足すれば、第1材料上に第2材料が実質的に蒸着されないほどに前記第1材料の表面エネルギーが低くなる。前記第1材料のフッ素含量は、前記第1材料をX線光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy、XPS)を用いて分析することで得られる。具体的に、前記第1材料は、50at%以上のフッ素を含むことができるが、それに限定されるものではない。
【0078】
例えば、前記第1材料は、前述したように、有機化合物からなり、前記第1材料は、フッ素含有シラン化合物、フッ素系高分子化合物またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0079】
前記フッ素含有シラン化合物は、卜リクロロ(1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル)シラン{Trichloro(1H,1H,2H,2H-perfluorodecyl)silane}、卜リクロロ(1H,1H,2H,2H-パーフルオロ-n-オクチル)シラン{Trichloro(1H,1H,2H,2H-perfluoro-n-octyl)silane}、トリエトキシ-1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルシラン(Triethoxy-1H,1H,2H,2H-perfluorodecylsilane)、1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Nonafluorohexyltriethoxysilane)、1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ-n-オクチルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Tridecafluoro-n-octyltriethoxysilane)、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Heptadecafluorodecyltrimethoxysilane)、1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Nonafluorohexyltrimethoxysilane)、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H-パーフルオロ-n-オクチル)シラン{Trimethoxy(1H,1H,2H,2H-perfluoro-n-octyl)silane}、1,1,1-トリフルオロ-3-(トリメトキシシリル)プロパン{1,1,1-Trifluoro-3-(trimethoxysilyl)propane}、(トリエチルシリル)トリフルオロメタン{(Triethylsilyl)trifluoromethane}、トリエトキシ[5,5,6,6,7,7,7-ヘプタフルオロ-4,4-ビス(トリフルオロメチル)ヘプチル]シラン)]}{Triethoxy[5,5,6,6,7,7,7-heptafluoro-4,4-bis(trifluoromethyl]heptyl)silane)、卜リクロロ(3,3,3-トリフルオロプロピル)シラン{Trichloro(3,3,3-trifluoropropyl)silane}、ジメトキシ(メチル)(3,3,3-トリフルオロプロピル)シラン{Dimethoxy(methyl)(3,3,3-trifluoropropyl)silane}、及びジクロロ(メチル)(3,3,3-トリフルオロプロピル)シラン{Dichloro(methyl)(3,3,3-trifluoropropyl)silane}を含むが、それらに限定されるものではない。
【0080】
前記フッ素系高分子化合物は、ポリヘキサフルオロプロピレンオキサイド(poly(hexafluoropropyleneoxide))、ポリテトラフルオロ-co-ヘキサフルオロプロピレン(poly(tetrafluoroethylene-co-hexafluoropropylene)、ポリデカフルオロオクチルアクリレート(poly(decafluorooctyl acrylate))、ポリテトラフルオロ-3-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピルアクリレート(poly(tetrafluoro-3-(heptafluoropropoxy)propyl acrylate)、ポリテトラフルオロ-3-(ヘプタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート(poly(poly(tetrafluoro-3-(heptafluoroethoxy)propyl(poly(tetrafluoro-3-(heptafluoropropoxy)propyl acrylate)、ポリテトラフルオロエチレン(poly(tetrafluoroehtylene))、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン(tetrafluoroethylene hexafluoropropylene vinylidene fluoride)、ポリウンデカフルオロアクリレート(poly(undecafluorohexylacrylate))、ポリノナフルオロペンチルアクリレート(poly(nonafluoropentyl acrylate))、ポリテトラフルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)プロピルアクリレートpoly(tetrafluoro-3-(trifluoromethoxy)propyl acrylate)、ポリペンタフルオロビニルプロピオネート(poly(pentafluorovinyl propionate)、ポリヘプタフルオロブチルアクリレート(poly(heptafluorobutyl acrylate))、ポリトリフルオロビニルアセテート(poly(trifluorovinyl acetate))、ポリ1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート(poly(1,1,1,3,3,3-hexafluoroisopropyl acrylate)、ポリオクタフルオロペンチルアクリレート(poly(octafluoropentyl acrylate))、ポリメチル3,3,3-トリフルオロプロピルシロキサン(poly(methyl3,3,3-trifluoropropyl siloxane)、ポリ2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルメタアクリレート(poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)、ポリペンタフルオロプロピルアクリレート(poly(pentafluoropropyl acrylate)、ポリ2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアクリレート(poly(2,2,3,3,3-pentafluoropropyl acrylate))、ポリ2-ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート(poly(2-heptafluorobutoxy)ethylacrylate)、ポリクロロトリフルオロエチレン(poly(chlorotrifluoroethylene))及びポリ1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルメタアクリレート(poly(1,1,1,3,3,3-hexafluoroisopropyl methaacrylate)を含むが、それらに限定されるものではない。
【0081】
さらに具体的に、前記第1材料の分子量は、1500以下でもよいが、それに限定されるものではない。
【0082】
ST2及びST1の差が大きいほど、第1材料上に第2材料が実質的に蒸着されないようにすることができるが、そのためにST2は30mJ/mより大きくてもよい。または、ST2は、100mJ/m以上でもよいが、それに限定されるものではない。
【0083】
一実施例において、前記第2材料は、無機化合物からなる。具体的に、前記第2材料は、金属含有無機化合物からなる。
【0084】
例えば、前記第2材料は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、インジウム(In)またはそれらの任意の組み合わせを含む。具体的に、前記第2材料は、Mg、Ag、Alまたはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0085】
一実施例において、前記第3材料は、分子量が1500以下であり、前記第3材料は、有機化合物からなる。
【0086】
例えば、前記第3材料は、中間層117に含まれる多様な機能層の形成に使用する有機化合物のうち、選択されるが、それに限定されるものではない。
具体的に、前記第3材料は、正孔輸送層または正孔注入層に一般的に用いられる化合物を含むことができ、例えば、芳香族アミン化合物、伝導性高分子化合物を含む。
【0087】
さらに具体的に、前記第3材料は、M-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、Spiro-TPD、Spiro-NPB、メチル化された-NPB、TCTA(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)triphenylamine(4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン))、PANI/DBSA(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonic acid(ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸))、PEDOT/PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(4-styrenesulfonate)(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート))、PEDOT/PSS/PFI(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリ(4-スチレンスルホネート)/パーフルオロアイオノマー)、PANI/CSA (Polyaniline/Camphor sulfonic acid (ポリアニリン/カンファースルホン酸))、PANI/PSS (Polyaniline/Poly(4-styrenesulfonate)(ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート))及びそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それに限定されるものではない。
【0088】
【0089】
第1画素PX1は、例えば、第1赤色画素Pr、第1緑色画素Pg、及び第1青色画素Pbでもよい。しかし、本発明は、それに制限されず、結合によって白色光を具現することができるならば、如何なる色の組み合わせも可能である。
【0090】
図4は、図2の表示装置の他の実施例による表示装置1Bを概略的に示す断面図である。図5は、図4のディスプレイ部20をさらに詳細に示す断面図である。
【0091】
補助層118は、前述したように透過領域200にのみ配置される。一方、第2電極103は、図2と異なって、表示領域100及び透過領域200にいずれも対応して配置される。
【0092】
第2材料をオープンマスクとして蒸着すれば、図5から分かるように、中間層117上には、表示領域100に対応して第2電極130の第1部分130aが配置され、補助層118上には、透過領域200に対応して第2電極130の第2部分130bが配置される。第1部分130aの厚さTと第2部分130bの厚さTは、下記数式2を満足する。
>T <数式2>
【0093】
前記数式2を満足するので、第2部分130bによる透過率低下を減らすことができる。
【0094】
ここで、Tは、全ての第1部分での第2電極の厚さの平均値を意味し、Tは、全ての第2部分での第2電極の厚さの平均値を意味する。ここで、第2材料がオープンマスクとして蒸着される領域は、全ての第1部分と全ての第2部分との和からなる。
【0095】
但し、前述した内容が、第2電極が透過領域200の一部に固まって(agglomeration)成膜される場合を排除するものではなく、第2電極が透過領域200にアイランド形状に成膜されもする。
【0096】
具体的に、Tは、0nmより大きく1nm以下である。さらに具体的に、Tは、0nmより大きく0.1nm以下である。前記範囲を満足すれば、透過領域200には、実質的に第2電極130が配置されない。
【0097】
各構成要素は、前述した図2及び図3の実施例の対応する構成要素とその機能が同一または類似しているので、これについての具体的な説明は省略する。
【0098】
図6及び図7は、本発明の他の実施例による表示装置2Aを概略的に示す断面図及び平面図である。具体的に、図7は、互いに隣接した第1画素PX1、例えば、第1赤色画素Pr、第1緑色画素Pg、及び第1青色画素Pbを示す平面図であり、図6は、図7のA-A’に係わる断面図である。
【0099】
図2及び3において図示された表示装置1Aと異なって、図6及び7に図示された表示装置2Aにおいて、表示領域100に含まれる回路領域101と発光領域102は、平面上、互いに重畳するように配置される。
【0100】
また、複数の第1画素PX1、例えば、第1赤色画素Pr、第1緑色画素Pg、及び第1青色画素Pbの隣接した透過領域200は、互いに接続されて共通の透過領域200を形成することができる。その場合、図2及び3の実施例よりも、透過領域200の面積が広くなる。これにより、表示装置2Aの透過率を高めることができる。
【0101】
各構成要素は、前述した図2及び図3の実施例の対応する構成要素と、その機能が同一または類似しているので、これについての具体的な説明は省略する。
【0102】
図8は、図6の表示装置の他の実施例による表示装置2Bを概略的に示す断面図である。
【0103】
補助層118は、前述したように透過領域200にのみ配置される。一方、第2電極103は、図6と異なって、表示領域100及び透過領域200にいずれも対応して配置される。
【0104】
第2材料をオープンマスクとして蒸着すれば、中間層117上には、表示領域100に対応して第2電極130の第1部分130aが配置され、補助層118上には、透過領域200に対応して第2電極130の第2部分130bが配置される。第1部分130aの厚さは、第1厚さTで表示され、第2部分130bの厚さは、第2厚さTで表示され、第2厚さTと第1厚さTは、下記数式2を満足し、
>T <数式2>
前記数式2において、
は、前記表示領域の第2電極の厚さであり、
は、前記透過領域の第2電極の厚さである。
【0105】
前記数式2を満足するので、第2部分130bによる透過率の低下を抑制することができる。
【0106】
具体的に、Tは、0nm大きく1nm以下である。さらに具体的に、Tは、0nmより大きく0.1nm以下である。前記範囲を満足すれば、透過領域200には、実質的に第2電極130が配置されない。
【0107】
各構成要素は、前述した図2ないし図4の実施例の対応する構成要素とその機能が同一または類似しているので、これについての具体的な説明は省略する。
【0108】
図9ないし図16は、本発明の一実施例による表示装置1Aの製造方法を断面図である。
【0109】
図9ないし図16を参照すれば、本発明の一実施例による表示装置1Aの製造方法は、第1基板を提供する段階と、前記第1基板上に表示領域と透過領域とを含むディスプレイ部を提供する段階と、を含み、前記ディスプレイ部を提供する段階は、前記表示領域及び前記透過領域上に第1材料を提供し、前記透過領域上にのみ第3材料を提供した後、前記表示領域上の前記第1材料を除去することで、前記透過領域に対応して配置された補助層を提供する段階と、第2電極を提供する段階と、を含み、前記補助層は、第1材料及び第3材料を含み、前記第2電極は、第2材料を含み、第1材料及び第2材料についての説明は、前述したところを参照する。
【0110】
以下、図面を参照して、本発明の一実施例による表示装置1Aの製造方法を具体的に説明する。
【0111】
図9を参照すれば、第1基板10上にバッファ膜11が提供され、バッファ膜11上に薄膜トランジスタTR1を含む画素回路が提供される。
【0112】
第1基板10は、ガラス材、セラミック材、金属材、プラスチック材、または、フレキシブルまたはベンダブル特性を有する物質を含む。
【0113】
バッファ膜11は、第1基板10を介した不純元素の浸透を遮断し、表面を平坦化する機能を行い、シリコン窒化物(SiN)及び/またはシリコン酸化物(SiO)のような無機物によって単層または複数層に形成される。バッファ膜11は省略されてもよい。
【0114】
バッファ膜11上には、表示装置1Aに第1画素PX1の半導体層111が提供される。半導体層111は、多様な物質を含む。例えば、半導体層111は、非晶質シリコンまたは結晶質シリコンのような無機半導体物質を含む。他の例として、半導体層111は、酸化物半導体を含むか、有機半導体物質を含む。
【0115】
半導体層111を覆うように第1絶縁膜12がバッファ膜11上に提供され、第1絶縁膜12上に第1画素PX1のゲート電極112が提供される。
【0116】
第1絶縁膜12は、SiO、SiN、SiON、Al、TiO、Ta、HfO、ZrO、BST、PZTのうち、選択された1つ以上の絶縁膜が単層または複数層で形成される。第1絶縁膜12は、無機絶縁膜でもある。
【0117】
ゲート電極112は、多様な導電性物質で形成する。例えば、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうち、選択された1つ以上の物質で単層または多層に形成される。例えば、ゲート電極112は、Mo/Al/MoまたはTi/Al/Tiの3層で構成される。
ゲート電極112を覆うように第1絶縁膜12上に第2絶縁膜13が提供され、第2絶縁膜13上に第1画素PX1のソース電極113とドレイン電極114とが提供され、それぞれ半導体層111とコンタクトホールを通じて電気的に接続される。
【0118】
第2絶縁膜13は、無機絶縁膜でもある。第2絶縁膜13は、SiO、SiN、SiON、Al、TiO、Ta、HfO、ZrO、BST、PZTのうち、選択された1つ以上の絶縁膜が単層または複数層で形成される。他の実施例において、第2絶縁膜13は、有機絶縁膜でもある。
【0119】
ソース電極113とドレイン電極114は、多様な導電性物質で形成する。例えば、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうち、選択された1つ以上の物質で単層または多層で形成される。例えば、ソース電極113とドレイン電極114は、2層以上で構成される。
薄膜トランジスタTR1の構造は、必ずしも図示されたところに限定されるものではなく、多様な形態の薄膜トランジスタの構造が適用可能であるということは言うまでもない。
【0120】
第1画素PX1の薄膜トランジスタTR1を覆うように第3絶縁膜14が提供される。
【0121】
第3絶縁膜14は、上面が平坦化された単層または複数層の有機絶縁膜で形成される。第3絶縁膜14は、一般汎用ポリマー(PMMA、PS)、フェノール基を有するポリマー誘導体、アクリル系ポリマー、イミド系ポリマー、アリールエーテル系ポリマー、アミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、p-キシレン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー及びそれらのブレンドなどを含む。例えば、第3絶縁膜14は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂などを含む。
【0122】
一般的に、第3絶縁膜14に含まれる化合物の表面エネルギーは、100mJ/m以上である。したがって、補助層118を透過領域200に形成しない状態で、第3絶縁膜14上に直ちに第2材料をオープンマスクを用いて表示領域100及び透過領域200にいずれも蒸着すれば、第3絶縁膜14に含まれる化合物の表面エネルギーと前記第2材料の表面エネルギーとが同一であるか、類似しているので、第2電極130がパターニングされる効果が全く得られない。
【0123】
第3絶縁膜14上には、第1画素PX1の薄膜トランジスタTR1と電気的に接続された発光素子EL1の第1電極116が提供される。第1電極116は、表示領域100に対応して提供される。
【0124】
発光素子EL1が前面発光素子である場合、第1電極116は、反射電極で形成される。反射電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr及びそれらの化合物などを含む反射層と、反射層上に形成された透明または半透明電極層を含む。発光素子EL1が背面発光素子である場合、第1電極116は、ITO、IZO、ZnOまたは、Inなどの透明物質を含み、透明または半透明電極で構成される。
【0125】
図9に図示されたように、バッファ膜11、第1絶縁膜12、第2絶縁膜13及び第3絶縁膜14はそれぞれ表示領域100及び透過領域200をいずれも覆うように提供される。しかし、本発明の実施例は、これに限定されず、バッファ膜11、第1絶縁膜12、第2絶縁膜13及び第3絶縁膜14のうち、少なくとも1つは、透過領域200に対応する位置に開口部(図示せず)を備えることで、透過領域200の外光透過効率をさらに増加させることができる。
【0126】
外光は、透過領域200を透過してユーザに認識される。したがって、透過領域200には、透明な絶縁膜などのみ配置され、透過領域200に配置された膜の境界面で発生する反射を最小化することで、透過領域200の透過率を高めることができる。
【0127】
前記界面反射は、互いに接する膜間の屈折率差が大きいほど大きくなる。一実施例によれば、バッファ膜11、第1絶縁膜12、第2絶縁膜13及び第3絶縁膜14がいずれも実質的に同じ屈折率を有する単一膜でもある。透過領域200に配置されたバッファ膜11、第1絶縁膜12、第2絶縁膜13及び第3絶縁膜14の屈折率をいずれも同一に構成することで、膜間で発生する界面反射を最小化して透過領域200の透過率を高めることができる。
【0128】
図10を参照すれば、第3絶縁膜14上に第1電極116の縁部を覆う第4絶縁膜15が提供される。第4絶縁膜15は、前記無機絶縁膜または有機絶縁膜で単層または複数層で形成される。
【0129】
第4絶縁膜15は、表示装置1Aの表示領域100を覆うように備えられるが、必ずしも表示領域100全体を覆うように備えられるものではなく、少なくとも一部、特に、第1画素PX1の第1電極116の縁部を覆うだけで、十分である。
【0130】
第4絶縁膜15は、第1画素PX1の第1電極116の少なくとも一部を露出する第1開口15aと、透過領域200に対応位置の第2開口15bを備えることができる。第4絶縁膜15が透過領域200には位置しないことで、透過領域200の外光透過効率がさらに増加する。
【0131】
図11を参照すれば、第1基板10の全面(すなわち、第4絶縁膜15、第1画素PX1の第1開口15aを通じて露出された第1電極116、第2開口15bを通じて露出された第3絶縁膜14)に第1材料を含む第1層118aが提供される。
【0132】
一実施例において、前記第1材料は、乾式工程、例えば、オープンマスクを用いて全面に蒸着されることで提供される。
他の実施例において、前記第1材料は湿式工程を用いて全面にコーティングされる。
【0133】
図12を参照すれば、第2開口15bを通じて露出された第1層118a上に第3材料を含む第2層118bが提供される。
【0134】
一実施例において、前記第3材料は、表示装置1Aの透過領域200に対応する開口部M11を有するマスク、例えば、ファインメタルマスク(Fine Metal Mask;FMM)を用いて透過領域200にのみ提供される。具体的に、前記第3材料は、FMMを用いて蒸着される。
【0135】
図13を参照すれば、表示領域100に対応して配置された第1層118aを除去することで、補助層118を形成することができる。
【0136】
一実施例において、前記第1層118aは、全面にプラズマ処理、例えば、プラズマ熱処理を行うことで除去される。第1層118aが除去されることにより、補助層118が完成される。前記第3材料を透過領域200に対応するように蒸着したので、プラズマ処理を行っても、透過領域200は、前記第1材料と前記第3材料が除去されない状態で残る。前記工程を行う間、前記第1材料が前記第1層から前記第2層の方向に拡散されるので、前記第1層と前記第2層との界面が消える。同時に、補助層118の一面、具体的に、第1基板10からさらに遠い面に前記第1材料の濃度が高くなる。これにより、第2層118bを除去する工程なしに、直ちに第2電極を形成しても、第1材料と第2材料の表面エネルギー差によるパターニングが可能である。
【0137】
図14を参照すれば、第1画素PX1の第1開口15aを通じて露出された第1電極116上に中間層117が提供される。
【0138】
中間層117は、光を放出する発光層を備え、その他に正孔注入層(HIL:hole injection layer)、正孔輸送層(HTL:hole transport layer)、電子輸送層(ETL:electron transport layer)及び電子注入層(EIL:electron injection layer)のうち、少なくとも1つの機能層をさらに含む。しかし、本実施例は、それに限定されず、第1電極116上には、多様な機能層がさらに配置される。
【0139】
発光層は、赤色発光層、緑色発光層または青色発光層である。または、発光層は白色光を放出するように赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層が積層された多層構造を有するか、赤色発光物質、緑色発光物質及び青色発光物質を含む単一層構造を有する。
【0140】
一実施例において、中間層117は、表示装置1Aの発光領域102に対応する開口部M21を有するマスク、例えば、FMM(Fine Metal Mask)を使用して発光領域102にのみ提供される。
【0141】
他の実施例において、中間層117のうち、発光層は、表示装置1Aの発光領域102に対応する開口部M21を有するFMM(Fine Metal Mask)を使用して発光領域102にのみ提供され、その他の機能層は、オープンマスクを使用して第1基板10の全面に提供される。
【0142】
本発明の実施例において、表示装置1Aの透過領域200には、少なくとも発光層が提供されない。
【0143】
図15を参照すれば、一実施例において、中間層117上、または中間層117及び補助層118上に第2電極130が提供される。
【0144】
第2電極130は、オープンマスクを用いて前記第2材料を蒸着することで提供される。この際、補助層118の第1材料と第2電極130の第2材料の表面エネルギーが互いに異なって制御されることで、第1材料が提供された透過領域200には、実質的に第2材料が提供されない。すなわち、前記第2材料は、中間層117上にはよく蒸着されるが、第1材料を含む補助層118上には蒸着され難い。したがって、第1材料を含む補助層118が透過領域200に対応して配置されることで、第2材料を含む第2電極130は、透過領域200には実質的に提供されず、表示領域100にのみ対応して配置される。
図16を参照すれば、第1基板10上部にさらに第2基板をアライメントした後、第1基板10と第2基板を結合する。
【0145】
第2基板は、ガラス材、セラミック材、金属材、プラスチック材、またはフレキシブルまたはベンダブル特性を有する物質を含む。
【0146】
第2基板の第1基板10に対向する面には、ブラックマットリックスBMとカラーフィルターCFが配置される。カラーフィルターCFは、表示装置1Aの発光領域102に対応するように配置される。ブラックマットリックスBMは、表示装置1Aの発光領域102と透過領域200とを除いた領域に対応するように配置される。すなわち、表示装置1Aの透過領域200には、ブラックマットリックス(BM)が配置されない。
【0147】
図示されていないが、第2基板を第1基板10に結合する前、第2電極130上部に保護層がさらに配置される。保護層は、無機膜及び/または有機膜の単層または複数層でもある。
【0148】
また、図示されていないが、第2基板の上部には、多様な機能層がさらに備えられる。例えば、機能層は、第2基板の上面での反射を最小化する反射防止層、ユーザの手痕(例えば、指紋痕)のような汚染を防止する汚染防止層でもある。
【0149】
他の実施例において、上述した第2基板の代わりに、薄膜封止層が第1基板10上部に配置される。薄膜封止層は、少なくとも1つの無機物からなる無機封止層及び少なくとも1つの有機物からなる有機封止層を含む。一部実施例において、薄膜封止層は、第1無機封止層/有機封止層/第2無機封止層が積層された構造で備えられる。
【0150】
補助層118が形成された後、第2電極130が形成されるだけで、工程上の多様な変形が可能である。
【0151】
表示装置1は、携帯電話、ビデオフォン、スマートフォン(smart phone)、スマートパッド、スマートウォッチ、タブレットPC、ノート型パソコン、コンピュータモニタ、テレビ、デジタル放送用端末機、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、ヘッドマウントディスプレイ装置(head mounted display、HMD)、車両用ナビゲーションのような電子機器1000として具現される。
【0152】
図17は、本発明の一実施例による電子機器の構成を概略的に示すブロック図である。図18A及び図18Bは、本発明の一実施例による電子機器を概略的に示す斜視図である。
【0153】
図17を参照すれば、電子機器1000は、プロセッサ1010、メモリ装置1020、ストレージ装置1030、入出力装置1040、パワーサプライ1050及び表示装置1060を含む。この際、表示装置1060は、図1の表示装置1に相応することができる。電子機器1000は、ビデオカード、サウンドカード、メモリカード、USB装置などと通信するか、または他のシステムと通信することができる多くのポート(port)をさらに含んでもよい。
【0154】
一実施例において、図18Aに図示されたように、電子機器1000は、テレビとして具現される。他の実施例において、図18Bに図示されたように、電子機器1000は、スマートフォンとして具現される。但し、それらは、例示的なものであって、電子機器1000がそれらに限定されるものではない。
次いで、図19を参照して、第1層118aの有無による第2電極130の形成有無を説明する。
【0155】
比較例1で表示されたグラフは、サンプル1の透過率グラフである。サンプル1は、0.5mm厚さのガラス基板である。比較例2で表示されたグラフは、サンプル2の透過率グラフである。サンプル2は、0.5mm厚さのガラス基板上にAgMg(重量比=10:1)を蒸着することで、9nm厚さのAgMg薄膜を形成した基板である。実施例1で表示されたグラフは、サンプル3の透過率グラフである。サンプル3は、0.5mm厚さのガラス基板上に10nm厚さで第1材料を含む第1層を形成した後、9nm厚さのAgMgを蒸着することで製造された基板である。比較例1の透過率グラフに近いほど、第2電極が形成されていないことを意味する。
【0156】
図19を参照すれば、実施例のグラフが比較例2のグラフに比べて比較例1のグラフに顕著に近いことを確認することができる。これにより、補助層を形成することで、第2電極が実質的に形成されていないことを確認することができる。
【0157】
次いで、図20を参照して、第3材料を含む第2層118bの有無による第2電極130の形成有無を説明する。
【0158】
比較例3で表示されたグラフは、サンプル4の透過率グラフである。サンプル4は、0.5mm厚さのガラス基板上に第3材料を含む第2層を152nm厚さで形成した基板である。比較例4で表示されたグラフは、サンプル5の透過率グラフである。サンプル5は、0.5mm厚さのガラス基板上に10nm厚さで第1材料を含む第1層を形成した後、第3材料を含む第2層を152nm厚さで形成した基板である。実施例2に表示されたグラフは、サンプル6の透過率グラフである。サンプル6は、0.5mm厚さのガラス基板上に10nm厚さで第1材料を含む第1層を形成した後、第3材料を含む第2層を152nm厚さで形成し、AgMg(重量比=10:1)を蒸着することで9nm厚さのAgMg薄膜を形成した基板である。比較例4の透過率グラフに近いほど第2電極が形成されていないことを意味する。
【0159】
図20を参照すれば、実施例2のグラフが比較例4のグラフとほぼ類似していることを確認することができる。これにより、第2層を除去する別途の工程なしにも、補助層上に第2電極が実質的に形成されていないことを確認することができる。
【0160】
次いで、図21を参照して、補助層118内での第1材料の分布を説明する。
【0161】
(a)は、サンプル4のXPS結果であり、(b)は、サンプル6のXPS結果である。(a)と(b)とを対比すれば、フッ素の濃度が補助層118の一面、具体的に有機基板からさらに遠い一面側で高いことを確認することができる。前記フッ素は、第1材料から起因したものである。(b)から、ガラス基板上に、まず第1材料として第1層118aを形成し、次いで、第3材料として第2層118bを形成したが、第1材料が拡散されてガラス基板からさらに遠い補助層118の一面に第1材料の濃度が高くなったことが予想できる。第1材料が補助層118の表面に十分に高濃度で存在するので、第2電極がパターニングされていることを確認することができる。
【0162】
このように、本発明は、図面に図示された実施例に基づいて説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、多様な変更及び実施例の変更が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0163】
1 表示装置
10 第1基板
11 バッファ膜
12 第1絶縁膜
13 第2絶縁膜
14 第3絶縁膜
15 第4絶縁膜
20 ディスプレイ部
1A 表示装置
61 第1外光
62 第2外光
100 表示領域
101 回路領域
102 発光領域
111 半導体層
112 ゲート電極
113 ソース電極
114 ドレイン電極
116 第1電極
117 中間層
118 補助層
130 第2電極
200 透過領域
TR1 薄膜トランジスタ
PX1 第1画素
EL1 発光素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21