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7586680表示装置、ウェアラブル装置、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】表示装置、ウェアラブル装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4363 20110101AFI20241112BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20241112BHJP
【FI】
H04N21/4363
H04N21/442
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020168375
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060728
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】藺月 誠一
(72)【発明者】
【氏名】田中 英伸
(72)【発明者】
【氏名】山本 美智雄
(72)【発明者】
【氏名】大西 啓之
(72)【発明者】
【氏名】大西 直
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 貴徳
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-133579(JP,A)
【文献】特開2003-051993(JP,A)
【文献】特開2008-167208(JP,A)
【文献】特開2010-011015(JP,A)
【文献】特開2010-176307(JP,A)
【文献】特開2013-093691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0239069(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル装置から、指向性を有する信号を受信する信号受信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、
前記ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、自装置の消費電力を制御し、
前記信号受信部は、前記ウェアラブル装置から、指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を受信し、
前記制御部は、前記複数の信号のうち、前記信号受信部が受信した信号の数に応じて、自装置の消費電力を制御する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記信号受信部が前記信号を第1の所定の期間受信していない場合、自装置の消費電力を下げるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記信号受信部が前記信号を第1の所定の期間受信していない場合、画像出力を停止する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示装置はさらに、音声を出力するスピーカを備え、
前記制御部は、
自装置のスピーカから出力される音声を制御し、
前記第1の所定の期間の経過後、さらに第2の所定の期間、前記信号受信部が前記信号を受信していない場合、前記スピーカからの音声出力を停止する
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記指向性を有する信号は、前記表示装置を操作するための信号とは異なる信号であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記指向性を有する信号は、
当該信号が送信された日時を示す情報、および
当該信号が送信される間隔を示す情報
の少なくとも何れかが含まれている
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
表示装置と接続を行うウェアラブル装置であって、
前記表示装置は、
当該ウェアラブル装置から、指向性を有する信号を受信する信号受信部と、
表示装置制御部と、を備え、
前記表示装置制御部は、
当該ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、
当該ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、自装置の消費電力を制御し、
前記信号受信部は、当該ウェアラブル装置から、指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を受信し、
前記表示装置制御部は、前記複数の信号のうち、前記信号受信部が受信した信号の数に応じて、自装置の消費電力を制御し、
前記ウェアラブル装置は、
指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を送信する信号送信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
表示装置とペアリングを使った接続を行い、
前記表示装置との前記接続が確立した場合、前記信号送信部を介して前記信号を送信する
ことを特徴とするウェアラブル装置。
【請求項8】
ウェアラブル装置と表示装置とを含むシステムであって、
ウェアラブル装置は、
指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を送信する信号送信部と、
ウェアラブル装置制御部と、を備え、
前記ウェアラブル装置制御部は、
前記表示装置とペアリングを使った接続を行い、
前記表示装置との前記接続が確立した場合、前記信号送信部を介して前記信号を送信し、
前記表示装置は、
前記ウェアラブル装置から、前記信号を受信する信号受信部と、
表示装置制御部と、を備え、
前記表示装置制御部は、
前記ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、
前記ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、前記表示装置の消費電力を制御し、
前記信号受信部は、前記ウェアラブル装置から、指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を受信し、
前記表示装置制御部は、前記複数の信号のうち、前記信号受信部が受信した信号の数に応じて、自装置の消費電力を制御する
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
ウェアラブル装置から、指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を受信する信号受信部を備える表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、前記ウェアラブル装置との前記接続が確立した場合、前記ウェアラブル装置から指向性を有する信号を受信したか否かに応じて、前記表示装置の消費電力を制御し、前記複数の信号のうち、前記信号受信部が受信した信号の数に応じて、自装置の消費電力を制御する制御部
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
表示装置と接続を行うウェアラブル装置であって、
前記表示装置は、
当該ウェアラブル装置から、指向性を有する信号を受信する信号受信部と、
表示装置制御部と、を備え、
前記表示装置制御部は、
当該ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、
当該ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、自装置の消費電力を制御し、
前記信号受信部は、当該ウェアラブル装置から、指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を受信し、
前記表示装置制御部は、前記複数の信号のうち、前記信号受信部が受信した信号の数に応じて、自装置の消費電力を制御し、
指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を送信する信号送信部を備える当該ウェアラブル装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
表示装置とペアリングを使った接続を行い、前記表示装置との前記接続が確立した場合、指向性を有する信号を送信する制御部
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は信号を受信する表示装置、信号を送信するウェアラブル装置、および当該表示装置と当該ウェアラブル装置とを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの状態に応じて、節電効果のある省エネルギーモード(以下、「省エネモード」と称する)に移行する画像装置が開示されている。例えば、特許文献1には、視聴者を撮像した映像を処理することによって、視聴者の瞼が閉じているかいないかおよび視聴者の顔を検出し、検出した結果に応じて出力を停止または待機状態とするテレビジョン受像機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-11015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術では、視聴者を撮像するカメラの搭載、および当該カメラによって撮像された映像の処理に関するプロセスのソフトウェアへの組み込みが必要となる。そのため、上述のような従来技術では、ハードウェアおよびソフトウェアの両面において複雑化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、ユーザの状態に応じた省エネモードへの適切な移行を簡易な構成によって実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、ウェアラブル装置から、指向性を有する信号を受信する信号受信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、前記ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、自装置の消費電力を制御する。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るウェアラブル装置は、指向性を有する信号を送信する信号送信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、表示装置とペアリングを使った接続を行い、前記表示装置との前記接続が確立した場合、前記信号送信部を介して前記信号を送信する。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るシステムは、ウェアラブル装置と表示装置とを含むシステムであって、ウェアラブル装置は、指向性を有する信号を送信する信号送信部と、ウェアラブル装置制御部と、を備え、前記ウェアラブル装置制御部は、前記表示装置とペアリングを使った接続を行い、前記表示装置との前記接続が確立した場合、前記信号送信部を介して前記信号を送信し、前記表示装置は、前記ウェアラブル装置から、前記信号を受信する信号受信部と、表示装置制御部と、を備え、前記表示装置制御部は、前記ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、前記ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、前記表示装置の消費電力を制御する。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、前記ウェアラブル装置との前記接続が確立した場合、前記ウェアラブル装置から指向性を有する信号を受信したか否かに応じて、前記表示装置の消費電力を制御する制御部としてコンピュータを機能させる。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、ウェアラブル装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、表示装置とペアリングを使った接続を行い、前記表示装置との前記接続が確立した場合、指向性を有する信号を送信する制御部としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、ユーザの状態に応じた省エネモードへの適切な移行を簡易な構成によって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る通信システムを構成するネックスピーカおよびテレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係るネックスピーカの正面図である。
図3】本発明の実施形態1に係るネックスピーカの右側面図である。
図4】本発明の実施形態1に係るネックスピーカが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態1に係るTVが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態1に係るTVが実行するペアリング処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態2に係るTVが段階的に省エネモードに移行する処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態4に係る通信システムを構成するヘッドホンおよびTVの構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態4に係るヘッドホンの正面図である。
図10】本発明の実施形態4に係るTVが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0014】
(通信システム100)
図1は、本実施形態に係る通信システム100(システム)を構成するネックスピーカ1(ウェアラブル装置)およびテレビジョン受像機3(以下、「TV」と称する)(表示装置)の構成を示すブロック図である。通信システム100では、ネックスピーカ1およびテレビジョン受像機3は、ペアリングを使った接続を確立することにより、ネットワーク200を介して無線通信を行う。
【0015】
ペアリングとは、接続される2つの機器のそれぞれが、接続先の機器の設定情報を登録することである。ペアリングを使った接続の例として、Bluetooth(登録商標)を使った接続が挙げられる。なお、以下の説明では、ネックスピーカ1がTV3にペアリングを要求する構成であるが、TV3がネックスピーカ1にペアリングを要求する構成であってもよい。
【0016】
ネックスピーカ1は、TV3とのペアリングを使った接続を確立した場合、IR(Infrared Radiation)信号を送信する。TV3は、ネックスピーカ1から送信されたIR信号を受信したか否かに応じて、TV3(自装置)の消費電力を制御する。なお、ネックスピーカ1が送信し、TV3が受信する信号は、指向性を有する信号であればよく、IR信号に限定されない。
【0017】
(ネックスピーカ1の構成)
図1に示すように、ネックスピーカ1は、ネックスピーカ制御部10(制御部、ウェアラブル装置制御部)、ネックスピーカ通信部20、ネックスピーカIR信号送信部21(信号送信部)、およびネックスピーカ記憶部25を含んで構成される。ネックスピーカ1は、ユーザが体に装着して使用するウェアラブル装置である。ネックスピーカ1は、ネットワーク200を介してTV3から音声信号を受信し、当該音声信号が示す音声をスピーカ(不図示)から出力する。
【0018】
ネックスピーカ制御部10は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)など)が、メモリ(例えばRAM(random access memory)やROM(read only memory)など)に記憶されているプログラムを実行することによって、ネックスピーカ1の各構成要素を制御する。また、ネックスピーカ制御部10は、ネックスピーカペアリング部11、コンテンツ要求部12、および信号管理部13としても機能する。
【0019】
ネックスピーカペアリング部11は、接続先の機器であるTV3とペアリングを行う。コンテンツ要求部12は、ペアリングによって登録されたTV3の設定情報を使ってTV3に接続し、音声信号の出力を要求する。信号管理部13は、後述するネックスピーカIR信号送信部21を制御し、ネックスピーカ1が送信するIR信号を管理する。
【0020】
ネックスピーカ通信部20は、ネットワーク200を介した無線通信をするための通信モジュールである。
【0021】
ネックスピーカIR信号送信部21は、IR信号を送信するモジュールである。
【0022】
ネックスピーカ記憶部25は、例えばペアリングをするための設定情報といったデータを記憶するメモリである。ネックスピーカ記憶部25は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM(登録商標)、HDD、フラッシュメモリなどで実現される。
【0023】
(ネックスピーカ1の外観)
ユーザに装着されたネックスピーカ1の外観を、図2および図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るネックスピーカ1の正面図である。図3は、本実施形態に係るネックスピーカ1の右側面図である。
【0024】
図2および図3に示すように、ネックスピーカ1は、ユーザが首に装着して使用するウェアラブル装置である。ネックスピーカ1は、端部にネックスピーカIR信号送信部21を備えている。図3に示すように、ネックスピーカ1は、ユーザによって装着されている場合、ユーザの正面方向にIR信号を送信する。すなわち、ネックスピーカ1は、ユーザがTV3を視聴している場合、TV3に向けてIR信号を送信する。
【0025】
(TV3の構成)
図1に示すように、TV3は、TV制御部30(制御部、表示装置制御部)、TV通信部40、IR信号受信部41(信号受信部)、表示部42、スピーカ43、およびTV記憶部45を含んで構成される。
【0026】
TV制御部30は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPUなど)が、メモリ(例えばRAMやROMなど)に記憶されているプログラムを実行することによって、TV3の各構成要素を制御する。また、TV制御部30は、TVペアリング部31、接続管理部32、判定部33、画像処理部34、音声処理部35、および電力制御部36としても機能する。
【0027】
TVペアリング部31は、接続先の機器であるネックスピーカ1とペアリングを行う。接続管理部32は、TV通信部40を介してネックスピーカ1と接続し、音声を示す音声信号を出力する。判定部33は、IR信号を受信しているか否か、および最後にIR信号を受信してから一定の期間が経過したか否か(すなわち、一定の期間、IR信号を受信していないか否か)を判定する。画像処理部34は、表示部42を制御し、表示部42に画像を出力させる。音声処理部35は、スピーカ43を制御し、スピーカ43から出力される音声を制御する。
【0028】
電力制御部36は、画像処理部34および音声処理部35の少なくとも何れかを制御することによって、TV3の消費電力を制御する。電力制御部36が画像処理部34および音声処理部35に対して、特別な指示を出していないモード、換言すると、TV3が通常通り画像および音声を出力しているモードを、「通常モード」と称する。電力制御部36が画像処理部34および音声処理部35の少なくとも何れかに対して、出力を停止する指示、または出力を低下させる指示(例えば、バックライトの明るさを下げる、音量を下げる、など)を出しているモードを、「省エネモード」と称する。すなわち、「省エネモード」とは、節電効果が出るようにTV3の消費電力を下げたモードである。
【0029】
TV通信部40は、ネットワーク200を介した無線通信をするための通信モジュールである。
【0030】
IR信号受信部41は、IR信号を受信するためのモジュールである。
【0031】
表示部42は、画像処理部34から出力された画像信号が示す画像を表示する装置である。表示部42の例として、液晶パネルおよび有機ELパネルが挙げられる。
【0032】
スピーカ43は、音声処理部35から出力された音声信号が示す音を出力する。
【0033】
TV記憶部45は、例えばペアリングをするための設定情報といったデータを記憶するメモリである。TV記憶部45は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM、HDD、フラッシュメモリなどで実現される。
【0034】
(ネックスピーカ1が実行する処理)
図4は、本実施形態に係るネックスピーカ1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。ネックスピーカ1が実行する処理について、図4を用いて説明する。
【0035】
ネックスピーカ1のネックスピーカペアリング部11は、ネックスピーカ通信部20を介して、TV3にペアリングを要求する(ステップS102)。具体的には、ネックスピーカペアリング部11は、ネックスピーカ記憶部25に格納されている情報であって、ネックスピーカ1の設定情報をTV3に送信すると共に、TV3に対してペアリングを要求する。
【0036】
次に、ネックスピーカペアリング部11は、TV3とペアリングを行う(ステップS104)。ペアリング処理の詳細については、参照する図面を替えて後述する。
【0037】
TV3とペアリングが完了した場合、コンテンツ要求部12はTV3の設定情報を使って、ネックスピーカ通信部20を介してTV3と接続する(ステップS106)。なお、コンテンツ要求部12は、TV3との接続が完了した場合、TV3に対して音声信号を送信するよう要求することによって、TV3から音声信号を受信する。
【0038】
TV3との接続が完了した場合、信号管理部13は、ネックスピーカIR信号送信部21を介して、所定の間隔(例えば、1秒間隔、5秒間隔など)でIR信号を送信する(ステップS108)。
【0039】
(TV3が実行する処理)
図5は、本実施形態に係るTV3が実行する処理の流れを示すフローチャートである。TV3が実行する処理について、図5を用いて説明する。
【0040】
TV3のTVペアリング部31は、TV通信部40を介して、ネックスピーカ1からペアリング要求を受信する(ステップS202)。具体的には、TVペアリング部31は、ネックスピーカ1から設定情報を受信すると共に、ネックスピーカ1からペアリングの要求を受け付ける。
【0041】
次に、TVペアリング部31は、ネックスピーカ1とペアリングを行う(ステップS204)。ペアリング処理の詳細については、参照する図面を替えて後述する。また、TVペアリング部31は、TV通信部40を介して、TV記憶部45に格納されている情報であって、TV3の設定情報をネックスピーカ1に送信する。
【0042】
ペアリングが完了した場合、接続管理部32はネックスピーカ1の設定情報を使って、TV通信部40を介してネックスピーカ1と接続する(ステップS206)。なお、ネックスピーカ1との接続が完了し、かつ、ネックスピーカ1から音声信号を送信するよう要求があった場合、接続管理部32は、音声処理部35から音声信号を取得し、TV通信部40を介して当該音声信号をネックスピーカ1に送信する。
【0043】
ネックスピーカ1との接続が完了した場合、判定部33は、IR信号受信部41を介してIR信号を受信したか否かを判定する(ステップS208)。
【0044】
ステップS208において、IR信号を受信していると判定された場合(ステップ208:YES)、判定部33は再びステップS208の処理を実行する。
【0045】
一方、ステップS208において、IR信号を受信していないと判定された場合(ステップS208:NO)、判定部33は、最後にIR信号を受信してから一定の期間(例えば、30秒、1分など)(第1の所定の期間)が経過したか否かを判定する(ステップS210)。
【0046】
ステップS210において、最後にIR信号を受信してから一定の期間が経過していないと判定された場合(ステップS210:NO)、判定部33は再びステップS208の処理を実行する。
【0047】
一方、ステップS210において、最後にIR信号を受信してから一定の期間が経過していると判定された場合(ステップS210:YES)、電力制御部36は、省エネモードに移行する(ステップS212)。すなわちTV3は、IR信号を受信したか否かに応じて、TV3の消費電力を制御する。さらに具体的には、TV3は、所定の期間IR信号を受信していない場合、TV3の消費電力を下げるように制御する。
【0048】
判定部33は再び、IR信号受信部41を介してIR信号を受信したか否かを判定する(ステップS214)。
【0049】
ステップS214において、判定部33がIR信号を受信したと判定した場合(ステップS214:YES)、電力制御部36は、通常モードに移行する(ステップS216)。すなわち、TV3は、省エネモードに移行した後、IR信号を受信した場合(すなわち、ユーザがTV3を視聴していると判断した場合)、省エネモードから通常モードに移行する。ステップS216の処理が終わると、判定部33はステップS208の処理に戻る。
【0050】
一方、ステップS214において、IR信号を受信していないと判定された場合(ステップS214:NO)、図5に示す処理を終了する。
【0051】
(ペアリング処理)
TV3におけるペアリング処理(上述したステップS204)の詳細について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係るTV3が実行するペアリング処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下ではTV3が実行するペアリング処理について説明するが、ネックスピーカ1のペアリング処理(ステップS102)も同様である。
【0052】
上述したように、ステップS202において、TVペアリング部31はネックスピーカ1から設定情報を受信すると共に、ネックスピーカ1からペアリングの要求を受け付けると、TVペアリング部31は、ネックスピーカ1は登録済みか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、TVペアリング部31は、受信した設定情報がTV記憶部45に格納されているか否を判定する。
【0053】
ステップS302において、ネックスピーカ1は登録済みであると判定された場合(ステップS302:YES)、既にペアリングされているので、図6の処理はステップS206に進む。
【0054】
一方、ステップS302において、ネックスピーカ1は登録済みではないと判定された場合(ステップS302:NO)、TVペアリング部31はネックスピーカ1を登録する。具体的には、TVペアリング部31は、受信した設定情報をTV記憶部45に格納する。ステップS304の処理が終了すると、図6の処理はステップS206に進む。なお、ステップS302において、TVペアリング部31は、ネックスピーカ1を登録するか否かをユーザに確認し、登録の指示があった場合、ネックスピーカ1を登録する処理であってもよい。
【0055】
このように、本実施形態に係る通信システム100では、TV3は、ネックスピーカ1とペアリングを使った接続を行う。ネックスピーカ1は、TV3とのペアリングを使った接続が確立した場合、指向性を有するIR信号を送信する。TV3は、ネックスピーカ1との接続が確立した場合、IR信号をネックスピーカ1から受信したか否かに応じて、TV3の消費電力を制御する(省エネモードに移行する、または通常モードに移行する)。
【0056】
TV3において、IR信号を受信するIR信号受信部41は、リモートコントローラからTV3に対する操作を受け付けるためにも使用される。すなわち、TV3は、新たにハードウェアを追加することなく、リモートコントローラからIR信号を受信するためのIR信号受信部41を使って、ネックスピーカ1からのIR信号を受信することができる。そして、TV3は、ネックスピーカ1から一定の期間、IR信号を受信していない場合、ネックスピーカ1を装着したユーザがTV3を視聴していないと判断し、省エネモードに移行する。そのため、通信システム100では、ユーザの状態に応じた省エネモードへの移行を簡易な構成によって実現することができる。
【0057】
また、通信システム100では、TV3は、ネックスピーカ1とのペアリングを使った接続が確立した場合に、IR信号を受信したか否かに応じてTV3の消費電力を制御する。すなわちTV3は、ネックスピーカ1とのペアリングを使った接続が確立していない場合、換言すると、ユーザがネックスピーカ1を使用していない場合、IR信号を受信したか否かに応じたTV3の消費電力の制御を行わない。そのため、通信システム100では、ユーザがネックスピーカ1を使用しない状態においてTV3を視聴している場合、TV3が誤って省エネモードに移行することを防止することができる。
【0058】
なお、通信システム100では、IR信号を送信する機器はネックスピーカに限定されず、ユーザが装着した場合に、ユーザの正面方向に指向性を有する信号を送信するウェアラブル装置であればよい。通信システム100におけるウェアラブル装置の他の例として、メガネ型デバイス(例えば、3Dメガネ)およびピンマイクが挙げられる。
【0059】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0060】
電力制御部36が省エネモードに移行する場合に、段階的に移行する態様について、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係るTV3が段階的に省エネモードに移行する処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートにおける処理は、上述したステップS210およびステップS212の処理の詳細な処理であり、ステップS210およびステップS212の前後の処理の説明については上述した処理と同じであるため、説明を省略する。
【0061】
まず、判定部33は、最後にIR信号を受信してから一定の期間(第1の所定の期間)が経過したか否かを判定する(ステップS402)。
【0062】
ステップS402において、最後にIR信号を受信してから一定の期間が経過していないと判定された場合(ステップS402:NO)、判定部33は、再びステップS402の処理を実行する。
【0063】
一方、ステップS402において、最後にIR信号を受信してから一定の期間が経過したと判定された場合(ステップS402:YES)、電力制御部36は、画像処理部34に対して、画像出力を停止するよう指示する。画像処理部34は、画像出力を停止する(ステップS404)。
【0064】
次に、判定部33は、最後にIR信号を受信してから、さらに一定の期間(第2の所定の期間)が経過したか否かを判定する(ステップS406)。すなわち、判定部33は、一定の期間が経過後、さらに一定の期間、IR信号を受信していないか否かを判定する。なお、ステップS402における一定の期間と、ステップS406における一定の期間は、異なる長さであってもよいし、同じ長さであってもよい。
【0065】
ステップS406において、最後にIR信号を受信してから、さらに一定の期間が経過していないと判定された場合(ステップS406:NO)、判定部33は再びステップS406の処理を実行する。
【0066】
ステップS406において、最後にIR信号を受信してから、さらに一定の期間が経過したと判定された場合(ステップS406:YES)、電力制御部36は、音声処理部35に対して、音声出力を停止するよう指示する。音声処理部35は、スピーカ43からの音声出力を停止する(ステップS408)。
【0067】
このように、本実施形態に係るTV3は、IR信号を一定の期間受信できなかった場合、まず、画像出力を停止する。次に、TV3は、さらにIR信号を一定の期間受信できなかった場合、画像出力に加えて音声出力を停止する。TV3がIR信号を一定の期間受信できなかった場合、ユーザはTV3の画像を見ていないが、音声は聞いている可能性がある。そのためTV3は、IR信号を一定の期間受信できなかった場合に、まず画像出力のみを停止することにより、画像を見ていないが音声は聞いているユーザに対して適切に省エネモードに移行することができる。TV3がさらにIR信号を一定の期間受信できなかった場合、ユーザはTV3の音声も聞いていない可能性がある。そのためTV3は、さらにIR信号を一定の期間受信できなかった場合は画像出力に加えて音声出力も停止することにより、TV3を視聴していないユーザに対して適切に省エネモードに移行することができる。すなわち、TV3は、ユーザの状態に応じた省エネモードへの移行を適切に行うことができる。
【0068】
また、どのように省エネモードに移行するのかは、ユーザが選択できるようにしてもよい。例えば、(1)映像出力を先に停止させる、または(2)映像出力および音声出力の両方を一度に停止させる、のいずれかを、ユーザ自身が設定する構成であってもよい。
【0069】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0070】
上述したように、IR信号受信部41は、リモートコントローラからTV3に対する操作を受け付けるためにも使用される。そのため、ネックスピーカ1が送信するIR信号は、リモートコントローラが送信するIR信号とは異なる信号である。より具体的には、ネックスピーカ1が送信するIR信号は、IR信号受信部41およびTV制御部30が認識可能な仕様(IR信号のパルスの振幅、ON/OFFパターン、および波長など)を満たし、かつ、リモートコントローラから送信されるいかなるIR信号とも重複しないIR信号である。
【0071】
この構成により、本実施形態に係るTV3は、受信したIR信号がリモートコントローラから送信されたIR信号であるか、ネックスピーカ1から送信されたIR信号であるかを、認識することができる。そのためネックスピーカ1は、IR信号によるTV3の誤動作を防止することができる。
【0072】
さらに、ネックスピーカ1が送信するIR信号には、時間に関する情報が含まれていてもよい。例えば、ネックスピーカ1が送信するIR信号には、(1)ネックスピーカ1からIR信号が送信された日時を示す日時情報、および(2)ネックスピーカ1からIR信号が送信される間隔を示す情報、の少なくとも何れかが含まれていてもよい。
【0073】
ネックスピーカ1が送信するIR信号に、ネックスピーカ1がIR信号を送信した日時を示す日時情報が含まれている場合、判定部33は、連続して受信した2つのIR信号のそれぞれに含まれている日時情報を参照することにより、ネックスピーカ1がIR信号を送信する間隔を判断することができる。そのため、判定部33は、判定に用いる「一定の期間」を、適切に設定することができる。
【0074】
また、ネックスピーカ1が送信するIR信号に、ネックスピーカ1からIR信号を送信する間隔を示す情報が含まれている場合も、判定部33は、判定に用いる「一定の期間」を、適切に設定することができる。
【0075】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0076】
本実施形態では、上述した実施形態におけるネックスピーカ1に替えて、ヘッドホン5(ウェアラブル装置)とTV3とを含む通信システム101(システム)について、図8および図9を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る通信システム101を構成するヘッドホン5およびTV3の構成を示すブロック図である。
【0077】
(ヘッドホン5)
図8に示すように、ヘッドホン5は、ヘッドホン制御部50(制御部、ウェアラブル装置制御部)、ヘッドホン通信部60、ヘッドホンIR信号送信部61(信号送信部)、およびヘッドホン記憶部65を含んで構成される。ヘッドホン5は、ネックスピーカ1と同様、ユーザが体に装着して使用するウェアラブル装置である。ヘッドホン5は、ペアリングを使った接続を介してTV3から音声信号を受信し、当該音声信号が示す音声をスピーカ(不図示)から出力する。
【0078】
ヘッドホン制御部50は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPUなど)が、メモリ(例えばRAMやROMなど)に記憶されているプログラムを実行することによって、ヘッドホン5の各構成要素を制御する。また、ヘッドホン制御部50は、ヘッドホンペアリング部51、コンテンツ要求部52、および信号管理部53としても機能する。ヘッドホンペアリング部51およびコンテンツ要求部52は、それぞれネックスピーカペアリング部11およびコンテンツ要求部12と同じ機能を有する。信号管理部53は、後述するヘッドホンIR信号送信部61を制御し、ヘッドホン5が送信するIR信号を管理する。
【0079】
ヘッドホン通信部60およびヘッドホン記憶部65は、それぞれネックスピーカ通信部20およびネックスピーカ記憶部25と同じ機能を有する。
【0080】
ヘッドホンIR信号送信部61は、IR信号を送信するモジュールである。図8に示すように、ヘッドホンIR信号送信部61は、第1送信部61aおよび第2送信部61bを含んで構成される。第1送信部61aおよび第2送信部61bは、信号管理部53によって制御され、それぞれから異なる仕様のIR信号が、異なるタイミングで送信される。例えば、信号管理部53は、第1送信部61aから右側を示す情報を含むIR信号を送信し、第2送信部61bから左側を示す情報を含むIR信号を送信する構成が挙げられる。
【0081】
(ヘッドホン5の外観)
ユーザに装着されたヘッドホン5の外観を、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態に係るヘッドホン5の正面図である。
【0082】
図9に示すように、ヘッドホン5は、ユーザが頭部に装着して使用するウェアラブル装置である。ヘッドホン5は、両端部のそれぞれに第1送信部61aおよび第2送信部61bを備えている。第1送信部61aおよび第2送信部61bはそれぞれ、ユーザの正面方向にIR信号を送信する。
【0083】
そのため、ユーザがTV3を視聴している場合、TV3は第1送信部61aおよび第2送信部61bの両方から送信されるIR信号を受信する。一方、ユーザが顔だけをTV3の方向とは異なる方向に向けた場合、TV3は第1送信部61aおよび第2送信部61bから送信されるIR信号のうち、少なくとも何れかのIR信号が受信できなくなる。さらに、ユーザがTV3から離れた場合、TV3は第1送信部61aおよび第2送信部61bから送信される両方のIR信号を受信できなくなる。すなわち、ヘッドホン5が第1送信部61aおよび第2送信部61bを備えることにより、ユーザが向いている方向(ユーザが右を向いているのか、または左を向いている)といった、ユーザの詳細な状態をTV3は判断することができる。
【0084】
(TV3が実行する処理)
図10は、本実施形態に係るTV3が実行する処理の流れを示すフローチャートである。TV3が実行する処理について、図10を用いて説明する。なお、ヘッドホン5が実行する処理は、図4に記載したステップS102~S108における「ネックスピーカ」を「ヘッドホン」に置き換えたものである。また、ステップS108の処理は、TV3との接続が完了した場合、信号管理部53は、第1送信部61aおよび第2送信部61bを介して、所定の間隔でIR信号を送信する、である。
【0085】
ステップS502~ステップS506は、上述したステップS202~S206における「ネックスピーカ」を「ヘッドホン」に置き換えたものであり、詳細な説明は省略する。
【0086】
ステップS506においてヘッドホン5との接続が完了した場合、TV3の判定部33は、IR信号受信部41を介して、第1送信部61aおよび第2送信部61bから送信されるIR信号を両方とも受信したか否かを判定する(ステップS508)。
【0087】
ステップS508において、両方とも受信したと判定された場合(ステップS508:YES)、判定部33は再びステップS508を実行する。
【0088】
一方、ステップS508において、何れか一方のみのIR信号を受信した、またはIR信号を両方とも受信していないと判定された場合(ステップS508:NO)、判定部33は、何れか一方のみのIR信号を受信したか否かを判定する(ステップS510)。
【0089】
ステップS510において、何れか一方のみのIR信号を受信したと判定された場合(ステップS510:YES)、電力制御部36は画像処理部34に対して、バックライトの明るさを下げるよう、指示する。画像処理部34は、表示部42のバックライトの明るさを下げる(ステップS512)。
【0090】
一方、ステップS510において、IR信号を両方とも受信していないと判定された場合(ステップS510:NO)、電力制御部36は画像処理部34に対して、画像出力を停止するよう指示する。画像処理部34は、画像出力を停止する(ステップS514)。
【0091】
ステップS512およびステップS514の処理が完了すると、判定部33は再び、IR信号受信部41を介してIR信号を両方とも受信したか否かを判定する(ステップS516)。
【0092】
ステップS516において、IR信号を両方とも受信したと判定された場合(ステップS516:YES)、電力制御部36は通常モードに移行する(ステップS518)。
【0093】
一方、ステップS516において、何れか一方のみのIR信号を受信した、またはIR信号を両方とも受信していないと判定された場合(ステップS516:NO)、図10に示す処理を終了する。
【0094】
なお、ステップS510において、何れか一方のみのIR信号を受信したと判定された場合(ステップS510:YES)、ステップS512において画像処理部34は画像出力を停止する構成であってもよい。この場合、ステップS510において、IR信号を両方とも受信していないと判定された場合(ステップS510:NO)、ステップS514において音声処理部35は音声出力を停止する構成であってもよい。
【0095】
また、ステップS512およびステップS514における処理をユーザが選択できるようにする構成であってもよい。この構成により、上述した実施形態2の構成も加えることにより、ユーザの選択肢を増やすことができる。
【0096】
このように、本実施形態に係る通信システム101では、TV3は、ヘッドホン5とペアリングを使った接続を行う。ヘッドホン5は、TV3とのペアリングを使った接続が確立した場合、指向性を有するIR信号を、左右2箇所から送信する。TV3は、IR信号をヘッドホン5から受信したか否かに応じて、TV3の消費電力を制御する。具体的には、TV3がIR信号を一方のみからしか受信していない場合、ユーザはTV3の近くにはいるが、TV3から顔を背けていると判断し、TV3は画像出力の停止はせずに、バックライトの明るさを下げる。TV3がIR信号を両方とも受信していない場合、ユーザはTV3の近くにいないとと判断し、TV3は画像出力を停止する。そのため、通信システム100では、ユーザの状態に応じた省エネモードへの移行を簡易な構成によって実現することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、IR信号を送信するモジュールが、2つ(第1送信部61aおよび第2送信部61b)の場合について説明したが、IR信号を送信するモジュールの数は2つに限定されず、複数あればよい。この場合、ヘッドホン5は、複数のIR信号であって、それぞれが互いに異なるIR信号を送信する。TV3は、当該複数のIR信号のうち、IR信号受信部41が受信したIR信号の数に応じて、TV3の消費電力を制御する。
【0098】
また、本実施形態において、ステップS512およびステップS514の処理の前に、判定部33は「最後にIR信号を両方から受信してから一定の期間が経過したか」を実行してもよい。すなわち、本実施形態と実施形態1と組み合わせてもよい。また、本実施形態において、ステップS512およびステップS514の処理(すなわち、省エネモードに移行する処理)は、段階的に実行されてもよい。すなわち、本実施形態と実施形態2とを組み合わせてもよい。
【0099】
〔ソフトウェアによる実現例〕
ネックスピーカ1、TV3、およびヘッドホン5の制御ブロック(特にネックスピーカ制御部10、TV制御部30、およびヘッドホン制御部50)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0100】
後者の場合、ネックスピーカ1、TV3、およびヘッドホン5は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0101】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置(TV3)は、ウェアラブル装置(ネックスピーカ1、ヘッドホン5)から、指向性を有する信号(IR信号)を受信する信号受信部(IR信号受信部41)と、制御部(TV制御部30)と、を備え、前記制御部は、前記ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、前記ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、自装置の消費電力を制御する。
【0102】
上記の構成によれば、表示装置は、ペアリングを使った接続を確立したウェアラブル装置から、指向性を有する信号を受信したか否かに応じて、消費電力を制御する。表示装置が受信する指向性を有する信号は、リモートコントローラから表示装置に対する操作を受け付けるためにも使用される。すなわち、表示装置は、新たなハードウェアを追加する必要はない。表示装置は、指向性を有する信号を受信した場合、ウェアラブル装置を使用しているユーザが表示装置を見ていると判断し、指向性を有する信号を受信しない場合、ウェアラブル装置を使用しているユーザが表示装置を見ていないと判断する。表示装置は、ユーザが表示装置を見ていないと判断した場合、消費電力を下げる省エネモードに移行するように制御する。そのため、表示装置は、ユーザの状態の応じた省エネモードへの適切な移行を簡易な構成によって実現することができる。
【0103】
本発明の態様2における表示装置の制御部は、上記態様1において、前記信号受信部が前記信号を第1の所定の期間受信していない場合、自装置の消費電力を下げるように制御してもよい。
【0104】
上記の構成によれば、表示装置は、第1の所定の期間、信号を受信していない場合、ユーザが表示装置を見ていないと判断し、省エネモードに移行する。そのため、表示装置は、ユーザの状態に応じて省エネモードへ適切に移行することができる。
【0105】
本発明の態様3における表示装置の制御部は、上記態様2において、前記信号受信部が前記信号を第1の所定の期間受信していない場合、画像出力を停止してもよい。
【0106】
上記の構成によれば、表示装置は、第1の所定の期間、信号を受信していない場合、ユーザが表示装置を見ていないと判断し、画像出力を停止する。そのため、表示装置は、ユーザの状態に応じて省エネモードへ適切に移行することができる。
【0107】
本発明の態様4に係る表示装置は、上記態様3において、音声を出力するスピーカ(43)を備え、前記制御部は、自装置のスピーカから出力される音声を制御し、前記第1の所定の期間の経過後、さらに第2の所定の期間、前記信号受信部が前記信号を受信していない場合、前記スピーカからの音声出力を停止してもよい。
【0108】
上記の構成によれば、表示装置は、第1の所定の期間、信号を受信していない場合は画像出力のみを停止する。表示装置は、さらに第2の所定の期間、信号を受信していない場合は音声出力も停止する。そのため、表示装置は、ユーザの状態に応じて省エネモードへ適切に移行することができる。
【0109】
本発明の態様5に係る表示装置において、上記態様1~4の何れかにおける前記指向性を有する信号は、前記表示装置を操作するための信号とは異なる信号であってもよい。
【0110】
上記の構成によれば、表示装置は、表示装置を操作するための信号(リモートコントローラから送信される信号)とは異なる信号を参照し、省エネモードに移行する。そのため、表示装置は、誤動作を防止することができる。
【0111】
本発明の態様6に係る表示装置において、上記態様1~5の何れかにおける前記指向性を有する信号は、当該信号が送信された日時を示す情報、および当該信号が送信される間隔を示す情報の少なくとも何れかが含まれていてもよい。
【0112】
上記の構成によれば、表示装置は、受信する信号に含まれる情報を参照することによって、ユーザの状態に応じた省エネモードに適切に移行することができる。
【0113】
本発明の態様7に係る表示装置において、上記態様1~6の何れかにおける前記信号受信部は、前記ウェアラブル装置(ヘッドホン5)から、指向性を有する複数の信号であって、それぞれが互いに異なる信号を受信し、前記制御部は、前記複数の信号のうち、前記信号受信部が受信した信号の数に応じて、自装置の消費電力を制御してもよい。
【0114】
上記の構成によれば、表示装置は、複数の信号のうち、何れを受信したかによって、ユーザの詳細な状態を判断することができる。そのため、表示装置は、ユーザの状態に応じた省エネモードに適切に移行することができる。
【0115】
本発明の態様8に係るウェアラブル装置(ネックスピーカ1、ヘッドホン5)は、指向性を有する信号を送信する信号送信部(ネックスピーカIR信号送信部21、ヘッドホンIR信号送信部61)と、制御部(ネックスピーカ制御部10、ヘッドホン制御部50)と、を備え、前記制御部は、表示装置とペアリングを使った接続を行い、前記表示装置との前記接続が確立した場合、前記信号送信部を介して前記信号を送信する。
【0116】
上記の構成によれば、ウェアラブル装置は、表示装置とのペアリングを使った接続が確立した場合、指向性を有する信号を送信する。表示装置は、リモートコントローラから表示装置に対する操作を受け付けるためにも使用される信号を、ウェアラブル装置からも受信する。ウェアラブル装置は、ウェアラブル装置を装着するユーザが表示装置を見ている場合は、表示装置に対して指向性を有する信号を送信し、ユーザが表示装置を見ていない場合には、表示装置に対して指向性を有する信号を送信しない。そのため、ウェアラブル装置は、表示装置がユーザの状態に応じて省エネモードへ適切に移行することを、簡易な構成によって実現することができる。
【0117】
本発明の態様9に係るシステム(通信システム100、通信システム101)は、ウェアラブル装置(ネックスピーカ1、ヘッドホン5)と表示装置(TV3)とを含むシステムであって、ウェアラブル装置は、指向性を有する信号を送信する信号送信部(ネックスピーカIR信号送信部21、ヘッドホンIR信号送信部61)と、ウェアラブル装置制御部(ネックスピーカ制御部10、ヘッドホン制御部50)と、を備え、前記ウェアラブル装置制御部は、前記表示装置とペアリングを使った接続を行い、前記表示装置との前記接続が確立した場合、前記信号送信部を介して前記信号を送信し、前記表示装置は、前記ウェアラブル装置から、前記信号を受信する信号受信部(IR信号受信部41)と、表示装置制御部(TV制御部30)と、を備え、前記表示装置制御部は、前記ウェアラブル装置とペアリングを使った接続を行い、前記ウェアラブル装置との前記接続を確立した場合、前記信号受信部が前記信号を受信したか否かに応じて、前記表示装置の消費電力を制御する。
【0118】
上記の構成によれば、上記態様1および態様8と同様の効果を奏する。
【0119】
本発明の各態様に係る表示装置およびウェアラブル装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示装置およびウェアラブル装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記表示装置およびウェアラブル装置をコンピュータにて実現させる表示装置およびウェアラブル装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0120】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0121】
1 ネックスピーカ(ウェアラブル装置)
3 テレビジョン受像機(TV、表示装置)
5 ヘッドホン(ウェアラブル装置)
10 ネックスピーカ制御部(制御部、ウェアラブル装置制御部)
21 ネックスピーカIR信号送信部(信号送信部)
30 TV制御部(制御部、表示装置制御部)
41 IR信号受信部(信号受信部)
43 スピーカ
50 ヘッドホン制御部(制御部、ウェアラブル装置制御部)
61 ヘッドホンIR信号送信部(信号送信部)
100、101 通信システム(システム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10