IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社合同資源の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ジイミノピロール化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/44 20060101AFI20241112BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20241112BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20241112BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
C07D209/44
C07D471/04 104H
C07D471/04 104Z
C07D487/04 138
C07D487/04 140
C07D495/04 103
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020182459
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072811
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】392000888
【氏名又は名称】株式会社合同資源
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】宮本 充彦
(72)【発明者】
【氏名】小松 弘人
(72)【発明者】
【氏名】山田 紳一郎
(72)【発明者】
【氏名】實川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】田上 紘一
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇広
(72)【発明者】
【氏名】東郷 秀雄
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-330729(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0043108(US,A1)
【文献】SATO,R. et al.,Elemental sulfur-catalyzed synthesis of N,N'-disubstituted 1,3-diiminoisoindolines from phthalonitri,Chemistry Letters,1984年,No.8,pp.1423-1426,DOI 10.1246/cl.1984.1423
【文献】IQBAL,Z. et al.,Anomerically glycosylated zinc(II) naphthalocyanines,Tetrahedron Letters,2009年,Vol.50, No.40,pp.5681-5685,DOI 10.1016/j.tetlet.2009.07.127
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化学式(1)に基づいて、芳香族3-ピロリン化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N-ヨードコハク酸イミド(NIS)、1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン(DIH)の何れかからなるヨウ素化剤と、アンモニアとを混合することにより、ジイミノピロール化合物を製造すること
を特徴とするジイミノピロール化合物の製造方法。
【化1】
・・・・・・・(1)
ここで、A環は、芳香族基である。
【請求項2】
化学式(1)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する芳香族基であることを特徴とする請求項1記載のジイミノピロール化合物の製造方法。
【請求項3】
化学式(1)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する6員環芳香族基、ヘテロ原子を有する5員環芳香族基、ヘテロ原子を有する2環性芳香族基の何れかであることを特徴とする請求項2記載のジイミノピロール化合物の製造方法。
【請求項4】
化学式(1)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を含まない芳香族基であることを特徴とする請求項1記載のジイミノピロール化合物の製造方法。
【請求項5】
以下の化学式(2)に基づいて、o-ビスハロゲノメチレン芳香族化合物からなる前駆体と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N-ヨードコハク酸イミド(NIS)、1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン(DIH)の何れかからなるヨウ素化剤と、アンモニアとを混合することにより、ジイミノピロール化合物を製造すること
を特徴とするジイミノピロール化合物の製造方法。
【化2】
・・・・・・・(2)
ここで、A環は、芳香族基であり、Xは、ハロゲン(I、Br、Cl)である。
【請求項6】
化学式(2)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する芳香族基であることを特徴とする請求項5記載のジイミノピロール化合物の製造方法。
【請求項7】
化学式(2)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する6員環芳香族基、ヘテロ原子を有する5員環芳香族基、ヘテロ原子を有する2環性芳香族基の何れかであることを特徴とする請求項6記載のジイミノピロール化合物の製造方法。
【請求項8】
化学式(2)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を含まない芳香族基であることを特徴とする請求項5記載のジイミノピロール化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジイミノピロール化合物の製造方法に関し、特に日本国内において量産可能な資源であるヨウ素を積極的に活用することで、製造容易性を向上させ、ひいては製造コストを低減させる上で好適なジイミノピロール化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ジイミノピロール化合物は有機顔料として広く普及しているフタロシアニン系色素の原料となる化合物である。フタロシアニン顔料は青色から緑色の色相で、非常に鮮明で着色力が大きく、光、熱、温度等に対して安定で堅牢性に優れている。しかもこのフタロシアニン顔料は、比較的低コストで生産できることから理想に近い顔料とされ、印刷インキ、塗料、プラスチック、文具、捺染など広い分野で用いられるようになった。
【0003】
ジイミノピロール化合物は工業的にはフタロニトリル、又は無水フタル酸を原料として製造される。しかしながら、これら原料の製造法は毒性の強いシアン化合物や強い酸化剤を用いる必要があり、環境への負荷が大きく、安全性に問題がある。このため、これら原料を経由しないジイミノピロール化合物の安全な製造法が望まれていたが、当該技術は、従来において特段提案されていなかった。
【0004】
なお、このフタロニトリルを原料とするジイミノピロール化合物の一種であるジイミノイソインドリン化合物の製造方法では、下記の(3)式に示すように硫黄の存在下でアンモニアを反応させる方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【化3】
・・・・・・・・・・・・・・(3)
【0006】
また、フタル酸無水物誘導体を原料とする製造方法では、下記(4)式に示されるように、モリブデン酸触媒の存在下で、尿素および硝酸アンモニウムとともに60~160℃で反応させ、冷却後、苛性アルカリを加えることでジイミノイソインドリン化合物を製造する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【化4】
・・・・・・・・・・・・・・(4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平7-330729号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】Chem. Lett. 1984, 1423-1426.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した非特許文献1の開示技術によれば、使用される原料のフタロニトリルが高価なため、製造コストが上がってしまう場合があった。また、上述した特許文献1の開示技術によれば、ジイミノイソインドリン化合物の製造には重金属触媒(モリブデン酸触媒)を必要とするため、環境に負荷のかかる製法であった。
【0011】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ジイミノピロール化合物の製造方法に関し、環境にやさしいヨウ素、アンモニアを用いることで、製造容易性を向上させ、ひいては製造コストを低減させる上で好適なジイミノピロール化合物の製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上述した課題を解決するために、芳香族3-ピロリン化合物に対して、安価で量産可能なヨウ素化剤と、アンモニアとを混合することにより、ジイミノピロール化合物を製造することができることを新たに見出した。
【0013】
第1発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、以下の化学式(1)に基づいて、芳香族3-ピロリン化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N-ヨードコハク酸イミド(NIS)、1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン(DIH)の何れかからなるヨウ素化剤と、アンモニアとを混合することにより、ジイミノピロール化合物を製造することを特徴とする。
【0014】
【化1】
・・・・・・・(1)
ここで、A環は、芳香族基である。
【0015】
第2発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、第1発明において、化学式(1)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する芳香族基であることを特徴とする。
【0016】
第3発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、第2発明において、化学式(1)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する6員環芳香族基、ヘテロ原子を有する5員環芳香族基、ヘテロ原子を有する2環性芳香族基の何れかであることを特徴とする。
【0017】
第4発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、第1発明において、化学式(1)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を含まない芳香族基であることを特徴とする。
【0018】
第5発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、以下の化学式(2)に基づいて、o-ビスハロゲノメチレン芳香族化合物からなる前駆体と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N-ヨードコハク酸イミド(NIS)、1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン(DIH)の何れかからなるヨウ素化剤と、アンモニアとを混合することにより、ジイミノピロール化合物を製造することを特徴とする。
【0019】
【化2】
・・・・・・(2)
ここで、A環は、芳香族基であり、Xは、ハロゲン(I、Br、Cl)である。
【0020】
第6発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、第5発明において、化学式(2)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する芳香族基であることを特徴とする。
【0021】
第7発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、第6発明において、化学式(2)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を有する6員環芳香族基、ヘテロ原子を有する5員環芳香族基、ヘテロ原子を有する2環性芳香族基の何れかであることを特徴とする。
【0022】
第8発明に係るジイミノピロール化合物の製造方法は、第5発明において、化学式(2)に基づいてジイミノピロール化合物を製造する上で、A環は、ヘテロ原子を含まない芳香族基であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
上述した構成からなる本発明によれば、容易に入手できる芳香族3-ピロリン化合物を出発原料とし、環境にやさしいヨウ素化剤とアンモニアで処理することにより、ジイミノピロール化合物を製造することができ、製造容易性を向上させ、ひいては製造コストを低減させることが可能となる。
【0024】
また、上述した構成からなる本発明によれば、強酸化剤等を用いない温和な条件下での製法であり、不安定なヘテロ原子を有するジイミノピロール化合物を合成でき、種々の機能を持つと期待される高機能な複素環型フタロシアニンへの変換が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係るジイミノピロール化合物の製造方法について詳細に説明する。
【0026】
本発明を適用したジイミノピロール化合物の製造方法は、溶媒中で、以下の化学式(1)に基づいて芳香族3-ピロリン化合物と、ヨウ素化剤と、アンモニアとを混合する。
【0027】
【化1】
・・・・・・・・・・(1)
【0028】
ここで、A環は、1)芳香族基、2)ヘテロ原子を有する芳香族基、3)ヘテロ原子を有する6員環芳香族基、4)ヘテロ原子を有する5員環芳香族基、5)ヘテロ原子を有する2環性芳香族基、6)ヘテロ原子を含まない芳香族基、の何れかである。
【0029】
ここで1)芳香族基は、芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基であり、具体的にはフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、ビナフチリル基、アズレニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ベンゾフリル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、ベンゾチアゾリル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、フェナジニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基等である。
【0030】
この芳香族基は置換されていてもよく、この場合の置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数である。置換されていてもよい芳香族基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数であり、置換してもよい基としてはハロゲン原子、置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、カルボキシル基、直鎖又は分岐状の炭素数1~12のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基などが挙げられる。
【0031】
2)ヘテロ原子を有する芳香族基は、3)~5)の全てに加え、カルバゾリル基(3環性)、フェナントリジニル基(3環性)、フェナジニル基(3環性)、フェノキサジニル基(3環性)、フェノチアジニル基(3環性)が含まれる。ヘテロ原子を有する芳香族基は、3)~5)の構成に限定されるものでは無く、ヘテロ原子を有するのであればいかなる芳香族基も含まれる。ヘテロ原子を有する芳香族基のヘテロ原子とは、窒素、酸素、硫黄等である。
【0032】
3)ヘテロ原子を有する6員環芳香族基は、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等である。
【0033】
4)ヘテロ原子を有する5員環芳香族基は、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基等である。
【0034】
5)ヘテロ原子を有する2環性芳香族基は、ベンゾフリル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、ベンゾチアゾリル基等である。
【0035】
6)ヘテロ原子を含まない芳香族基は、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、ビナフチリル基、アズレニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等である。
【0036】
ヨウ素化剤は、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N-ヨードコハク酸イミド(NIS)、1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン(DIH)等である。
【0037】
反応溶媒は、無溶媒、もしくはヨウ素化剤によるヨウ素化反応を阻害しない溶媒であればいかなるものであってもよい。反応溶媒は、好ましくは、一般的なヨウ素化反応で用いられる溶媒であり、例えば、ジクロロエタンやクロロホルムなどのハロゲン系溶媒や、テトラヒドロフランやジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼンなどの炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、水などのプロトン性極性溶媒、アセトニトリルやアセトンなどの非プロトン性極性溶媒等である。
【0038】
本発明を適用したジイミノピロール化合物の製造方法における合成条件としては、芳香族3-ピロリン化合物に対して、ヨウ素化剤と、アンモニアとを混合する。ヨウ素化剤は、出発原料の芳香族3-ピロリン化合物に対し、約1~10当量を混合する。このヨウ素化剤は、出発原料の芳香族3-ピロリン化合物に対し、約4~6当量を混合することが望ましい。アンモニアは、アンモニア水、アンモニアガス、アンモニアを有機溶媒により溶解した液体等からなる。アンモニアは、出発原料の芳香族3-ピロリン化合物に対し、約1~200当量を混合する。このアンモニアは、出発原料の芳香族3-ピロリン化合物に対し、約20~60当量を混合することが望ましい。
【0039】
反応温度は、通常、溶媒の沸点以下の温度であり、好適には0℃~100℃であり、更に好適には室温~60℃である。反応時間は、通常、15分~24時間である。
【0040】
なお、本発明は、以下の(2)式に示すような芳香族3-ピロリン化合物の前駆体と、ヨウ素化剤と、アンモニアとを混合するようにしてもよい。この前駆体としては、o-ビスハロゲノメチレン芳香族化合物からなる。
【0041】
【化2】
・・・・・・・(2)
【0042】
ここでA環は、式(1)と同様であり、Xは、ハロゲン(I、Br、Cl)である。
【0043】
(2)式の合成条件としては、前駆体に対して、ヨウ素化剤と、アンモニアとを混合する。ヨウ素化剤は、出発原料の前駆体に対し、約1~10当量を混合する。このヨウ素化剤は出発原料の前駆体に対し、約4~6当量を混合することが望ましい。アンモニアは、出発原料の前駆体に対し、約1~200当量を混合する。このアンモニアは、出発原料の前駆体に対し、約20~60当量を混合することが望ましい。
【実施例
【0044】
芳香族3-ピロリン化合物(0.5mmol)を有機溶媒中(2mL)に加えた。次に、氷冷下28%アンモニア水(1mL)とヨウ素化剤(5equiv.)を添加し、室温で4時間撹拌した。反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、ブタノール(10mL)で3回分液抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、ジイミノピロール化合物を得た。それぞれの収率は以下の表1の通りである。
【0045】
【表1】
【0046】
各芳香族3-ピロリン化合物(0.5mmol)をジクロロメタン(2mL)中に加えた。次に、氷冷下28%アンモニア水(1mL)とヨウ素(5equiv.)を添加し、室温で4時間撹拌した。反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、ブタノール(10mL)で3回分液抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、ジイミノピロール化合物を得た。それぞれの収率は以下の表2の通りである。
【0047】
【表2】
【0048】
また、実施例10、13の各生成物の1H NMRの測定結果を以下に示す。実施例10の生成物1,3-Diimino-4-fluoro-1H-isoindol:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ=7.36(t, 1H), 7.57-7.64(m, 1H), 7.74(d, 1H), 8.73(br s, 3H)実施例13の生成物Pyrrolo[3,4-c]pyrazole-4,6-diimine:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ= 7.84(s, 1H)
【0049】
o-ビスハロゲノメチレン芳香族化合物(0.5mmol)とヨウ素(5equiv.)を28%アンモニア水(1mL)中に加え、所定の温度で4時間撹拌した。反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、ブタノール(10mL)で3回分液抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、ジイミノピロール化合物を得た。それぞれの収率は以下の表3の通りである。
【0050】
【表3】