(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】制御システムおよび制御装置
(51)【国際特許分類】
G09B 27/00 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
G09B27/00 B
(21)【出願番号】P 2020199585
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】595086410
【氏名又は名称】コニカミノルタプラネタリウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】駒場 健一
(72)【発明者】
【氏名】石牧 伸啓
(72)【発明者】
【氏名】土屋 誠
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 理永
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/100878(WO,A1)
【文献】特開2002-278445(JP,A)
【文献】特開2000-310999(JP,A)
【文献】特開2018-173653(JP,A)
【文献】特開2006-173879(JP,A)
【文献】特開2004-301895(JP,A)
【文献】特開平05-040498(JP,A)
【文献】国際公開第2020/021861(WO,A1)
【文献】特開2019-164327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 27/00-G09B 27/08
G10L 13/00-G10L 99/00
H04R 3/00-H04R 3/14
G06F 3/00-G06F 3/18
YouTube
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声認識機能を有する複数の端末と、
投映機を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
第1の端末から前記投映機に対する第1のコマンドを受信し、
第2の端末から前記投映機に対する第2のコマンドを受信し、
前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドを記憶部に一時的に格納し、
前記記憶部に格納された前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、前記第1のコマンドの受信タイミングが前記第2のコマンドの受信タイミングよりも早いとき、前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、制御システム。
【請求項2】
前記端末は、
複数のコマンドと、前記複数のコマンドの各々に紐付けられたキーワードとを含むコマンドテーブルを格納しており、
音声情報を取得し、
前記音声認識機能により、前記音声情報から第1のテキスト情報を生成し、
前記第1のテキスト情報を検索ワードとして、前記コマンドテーブルを検索し、
前記コマンドテーブルに含まれる第1のキーワードに紐付けられた前記第1のコマンドを選択し、
前記第1のコマンドを前記制御装置に送信し、
前記第1のコマンドは、前記第1のテキスト情報の前記第1のキーワードに対する認識精度の情報を含み、
前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させることは、前記第1のコマンドの前記認識精度が閾値以上である場合に、前記第1のコマンドに紐付く動作を前記投映機に実行させることを含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドの各々の前記認識精度が前記閾値未満である場合に、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドであるとき、前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる処理は、前記第1のコマンドの受信タイミングと、前記第2のコマンドの受信タイミングとの差が予め定められた時間以内である場合に実行される、請求項1~3のいずれかに記載の制御システム。
【請求項5】
前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドは、音量情報を含んでおり、
前記制御装置は、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、前記第1のコマンドの受信タイミングと、前記第2のコマンドの受信タイミングとが等しいとき、前記音量情報の値が大きい方のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項1~4のいずれかに記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、前記第1のコマンドの受信タイミングと、前記第2のコマンドの受信タイミングとが等しいとき、過去に前記第1の端末から前記第2の端末より多くのコマンドを受信していたことに基づいて、前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項1~5のいずれかに記載の制御システム。
【請求項7】
前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる処理は、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが前記投映機の特定のコマンドである場合に実行され、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが前記特定のコマンドでない場合には実行されない、請求項1~6のいずれかに記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、複数の前記端末から、一定回数以上、同一のコマンドを受信した場合、最も早いタイミングで受信したコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項1~7のいずれかに記載の制御システム。
【請求項9】
通信部と、
投映機に対する複数のコマンドと、前記複数のコマンドの各々に紐付けられたキーワードとを含むコマンドテーブルを格納した
2次記憶部と、
制御部と
、
前記制御部が参照するデータを一時的に格納する1次記憶部とを備え、
前記通信部は、
第1の端末から前記投映機の第1の音声情報を受信し、
第2の端末から前記投映機の第2の音声情報を受信し、
前記制御部は、
音声認識機能により、
前記1次記憶部に格納された前記第1の音声情報
および前記第2の音声情報
の各々から、第1のテキスト情報および第2のテキスト情報
の各々を取得し、
前記第1のテキスト情報を検索ワードとして、前記コマンドテーブルを検索して、第1のコマンドを取得し、
前記第2のテキスト情報を検索ワードとして、前記コマンドテーブルを検索して、第2のコマンドを取得し、
前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、前記第1の音声情報の受信タイミングが前記第2の音声情報の受信タイミングよりも早いとき、前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、制御装置。
【請求項10】
前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させることは、前記第1の音声情報の前記コマンドテーブルに含まれるキーワードに対する認識精度が閾値以上である場合に、前記第1のコマンドに紐付く動作を前記投映機に実行させることを含む、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第1の音声情報および前記第2の音声情報の各々の前記認識精度が前記閾値未満である場合に、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドであるとき、前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる処理は、前記第1の音声情報の受信タイミングと、前記第2の音声情報の受信タイミングとの差が予め定められた時間以内である場合に実行される、請求項9~11のいずれかに記載の制御装置。
【請求項13】
前記第1の音声情報および前記第2の音声情報は、音量情報を含んでおり、
前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、前記第1の音声情報の受信タイミングと、前記第2の音声情報の受信タイミングとが等しいとき、前記音量情報の値が大きい方の音声情報から得られたコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項9~12のいずれかに記載の制御装置。
【請求項14】
前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、前記第1の音声情報の受信タイミングと、前記第2の音声情報の受信タイミングとが等しいとき、過去に前記第1の端末から前記第2の端末より多くの音声情報を受信していたことに基づいて、前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項9~13のいずれかに記載の制御装置。
【請求項15】
前記第1のコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる処理は、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが特定のコマンドである場合に実行され、前記第1のコマンドおよび前記第2のコマンドが前記特定のコマンドでない場合には実行されない、請求項9~14のいずれかに記載の制御装置。
【請求項16】
複数の端末から、一定回数以上、同一の音声情報を受信した場合、最も早いタイミングで受信した音声情報から得られたコマンドに紐付く動作のみを前記投映機に実行させる、請求項9~15のいずれかに記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投映機の制御に関し、より特定的には、投映機に対するコマンドの実行の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
プラネタリウムは、投映機により、ドーム状の曲面スクリーンに星座や星の運動を映し出す。通常、解説員は、投映機により投映される星座等の解説を行いながら、プラネタリウムの操作を行うことにより、投映シーンを進めていく。
【0003】
プラネタリウムの操作方法として、コンソール機器やタブレット等の端末を用いた音声入力による操作がある。解説員は、投映機に実行させたいコマンドに対応するワードを端末に対して発話することで、投映機を操作することができる。
【0004】
プラネタリウムの音声操作に関し、例えば、特開平11-296073号公報(特許文献1)は、「プラネタリウム劇場の操作システムにおいて、音声による操作命令を認識・実行する手段及び音声による操作誘導を行う手段備える」システムを開示している([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によると、ドームの反響等により同一の音声を複数回検出したことにより、同一のコマンドを複数回投映機に実行させてしまう可能性がある。その場合、投映機は、解説員が意図しない動作を行なう可能性がある。したがって、投映機が解説員の意図しない動作を行なうことを抑制するための技術が必要とされている。
【0007】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、投映機が解説員の意図しない動作を行なうことを抑制するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従う制御システムは、音声認識機能を有する複数の端末と、投映機を制御する制御装置とを備える。制御装置は、第1の端末から投映機に対する第1のコマンドを受信し、第2の端末から投映機に対する第2のコマンドを受信し、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、第1のコマンドの受信タイミングが第2のコマンドの受信タイミングよりも早いとき、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0009】
ある局面に従うと、端末は、複数のコマンドと、複数のコマンドの各々に紐付けられたキーワードとを含むコマンドテーブルを格納しており、音声情報を取得し、音声認識機能により、音声情報から第1のテキスト情報を生成し、第1のテキスト情報を検索ワードとして、コマンドテーブルを検索し、コマンドテーブルに含まれる第1のキーワードに紐付けられた第1のコマンドを選択し、第1のコマンドを制御装置に送信する。第1のコマンドは、第1のテキスト情報の第1のキーワードに対する認識精度の情報を含む。第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させることは、第1のコマンドの認識精度が閾値以上である場合に、第1のコマンドに紐付く動作を投映機に実行させることを含む。
【0010】
ある局面に従うと、制御装置は、第1のコマンドおよび第2のコマンドの各々の認識精度が閾値未満である場合に、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドであるとき、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0011】
ある局面に従うと、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる処理は、第1のコマンドの受信タイミングと、第2のコマンドの受信タイミングとの差が予め定められた時間以内である場合に実行される。
【0012】
ある局面に従うと、第1のコマンドおよび第2のコマンドは、音量情報を含む。制御装置は、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、第1のコマンドの受信タイミングと、第2のコマンドの受信タイミングとが等しいとき、音量情報の値が大きい方のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0013】
ある局面に従うと、制御装置は、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、第1のコマンドの受信タイミングと、第2のコマンドの受信タイミングとが等しいとき、過去に第1の端末から第2の端末より多くのコマンドを受信していたことに基づいて、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0014】
ある局面に従うと、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる処理は、第1のコマンドおよび第2のコマンドが投映機の特定のコマンドである場合に実行され、第1のコマンドおよび第2のコマンドが特定のコマンドでない場合には実行されない。
【0015】
ある局面に従うと、制御装置は、複数の端末から、一定回数以上、同一のコマンドを受信した場合、最も早いタイミングで受信したコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0016】
他の実施の形態に従うと、制御装置が提供される。この制御装置は、通信部と、投映機に対する複数のコマンドと、複数のコマンドの各々に紐付けられたキーワードとを含むコマンドテーブルを格納したメモリと、制御部とを備える。通信部は、第1の端末から投映機の第1の音声情報を受信し、第2の端末から投映機の第2の音声情報を受信する。制御部は、音声認識機能により、第1の音声情報から第1のテキスト情報を、第2の音声情報から第2のテキスト情報を取得し、第1のテキスト情報を検索ワードとして、コマンドテーブルを検索して、第1のコマンドを取得し、第2のテキスト情報を検索ワードとして、コマンドテーブルを検索して、第2のコマンドを取得し、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、第1の音声情報の受信タイミングが第2の音声情報の受信タイミングよりも早いとき、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0017】
ある局面に従うと、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させることは、第1の音声情報のコマンドテーブルに含まれるキーワードに対する認識精度が閾値以上である場合に、第1のコマンドに紐付く動作を投映機に実行させることを含む。
【0018】
ある局面に従うと、制御装置は、第1の音声情報および第2の音声情報の各々の認識精度が閾値未満である場合に、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドであるとき、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0019】
ある局面に従うと、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる処理は、第1の音声情報の受信タイミングと、第2の音声情報の受信タイミングとの差が予め定められた時間以内である場合に実行される。
【0020】
ある局面に従うと、第1の音声情報および第2の音声情報は、音量情報を含む。制御装置は、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、第1の音声情報の受信タイミングと、第2の音声情報の受信タイミングとが等しいとき、音量情報の値が大きい方の音声情報から得られたコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0021】
ある局面に従うと、制御装置は、第1のコマンドおよび第2のコマンドが同一のコマンドである場合に、第1の音声情報の受信タイミングと、第2の音声情報の受信タイミングとが等しいとき、過去に第1の端末から第2の端末より多くの音声情報を受信していたことに基づいて、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【0022】
ある局面に従うと、第1のコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる処理は、第1のコマンドおよび第2のコマンドが特定のコマンドである場合に実行され、第1のコマンドおよび第2のコマンドが特定のコマンドでない場合には実行されない。
【0023】
ある局面に従うと、制御装置は、複数の端末から、一定回数以上、同一の音声情報を受信した場合、最も早いタイミングで受信した音声情報から得られたコマンドに紐付く動作のみを投映機に実行させる。
【発明の効果】
【0024】
ある実施の形態に従うと、投映機が解説員の意図しない動作を行なうことを抑制することが可能である。
【0025】
この開示内容の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ある実施の形態に従うプラネタリウムシステム10の構成の一例を示す図である。
【
図2】端末101および制御装置100の機能ブロックの第1の例を示す図である。
【
図3】端末101および制御装置100の機能ブロックの第2の例を示す図である。
【
図4】端末101および制御装置100として使用され得る装置400のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】プラネタリウムのドーム内での反響の典型例を示す図である。
【
図6】制御装置100によるコマンドの実行手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0028】
図1は、本実施の形態に従うプラネタリウムシステム10の構成の一例を示す図である。本実施の形態に従うプラネタリウムシステム10は、複数の端末101から音声によって操作可能である。
【0029】
図1を参照して、本実施の形態に従うプラネタリウムシステム10について説明する。プラネタリウムシステム10は、制御装置100と、端末101と、光学式プラネタリウム投映機106と、外部機器130と、デジタル式プラネタリウム投映機115の制御装置113と、デジタル式プラネタリウム投映機115とを備える。光学式プラネタリウム投映機106およびデジタル式プラネタリウム投映機115を総称して「投映機」と呼ぶこともある。
【0030】
光学式プラネタリウム投映機106は、機器制御部107と、モーター制御ユニット108と、モーター109と、LED(Light Emitting Diode)制御ユニット110と、LED111とを備える。デジタル式プラネタリウム投映機の制御装置113は、デジタル式制御部114を備える。デジタル式プラネタリウム投映機115は、投映制御部116と、投映部117とを備える。
【0031】
なお、プラネタリウムシステム10は、外部機器130を必ずしも備えなくてもよい。また、プラネタリウムシステム10は、光学式プラネタリウム投映機106と、デジタル式プラネタリウム投映機115の制御装置113及びデジタル式プラネタリウム投映機115とを選択的に備えてもよいし、両方を備えてもよい。
【0032】
端末101は、マイク及びアンプ(図示せず)を介して、解説員の音声情報を取得する。また、端末101は、取得した音声情報のテキストへの変換及びコマンドの検索を実行し、コマンドを制御装置100に送信する。ここでのコマンドとは、投映機に対するコマンドである。制御装置100は、コマンドに紐付けられた動作を投映機に実行させることができる。
【0033】
ある局面において、端末101は、直接、音声情報を制御装置100に送信してもよい。他の局面において、端末101は、タブレット、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、または、その他の任意の装置であってもよい。また、他の局面において、端末101は、無線通信または有線通信によって制御装置100と通信し得る。
【0034】
制御装置100は、端末101から取得したコマンドを各投映機に送信することで、各投映機にコマンドに紐付けられた動作を実行させる。また、制御装置100は、複数の端末101と通信し得る。制御装置100は、複数の端末101から、一定時間内に(予め定められた時間間隔で)同一のコマンドを受信した場合、先に受信したコマンドのみを選択して、当該選択されたコマンドに紐付く動作を投映機に実行させる。
【0035】
一例として、制御装置100は、一定時間内に、端末101AからコマンドAを受信し、端末101BからコマンドBを受信したとする。コマンドA,Bが同一のコマンドであり、コマンドAの受信タイミング(タイムスタンプ)が、コマンドBの受信タイミングよりも早い場合、制御装置100は、コマンドAを選択する。そして、制御装置100は、コマンドAに紐付けられた動作を投映機に実行させる。当該処理により、制御装置100は、例えば、プラネタリウムのドームの反響等により、解説員の音声を端末101A,101Bの両方が取得した場合に、同一コマンドの重複実行を抑制することができる。
【0036】
ある局面において、制御装置100は、端末101から音声情報を直接取得してもよい。その場合、制御装置100は、取得した音声情報のテキストへの変換及びコマンドの検索を実行する。また、制御装置100は、複数の端末101から、一定時間内に(予め定められた時間間隔で)に複数の音声情報を受信した場合に、各音声情報の解析結果が同一のコマンドを示すとき、先に受信した音声情報から得られたコマンドのみを選択して、当該選択されたコマンドに紐付く動作を投映機に実行させる。
【0037】
一例として、制御装置100は、一定時間内に、端末101Aから音声情報Aを受信し、端末101Bから音声情報Bを受信したとする。制御装置100は、音声解析により、音声情報A,Bからテキスト情報A,Bをそれぞれ取得する。制御装置100は、テキスト情報A,Bを検索ワードとして、コマンドおよびコマンドに紐付けられたキーワードを含むコマンドDB(Database)(図示せず)を検索して、コマンドA,Bをそれぞれ取得する。制御装置100は、コマンドA,Bが同一のコマンドであり、かつ、音声情報Aの受信タイミングが音声情報Bの受信タイミングよりも早い場合、制御装置100は、コマンドAを選択する。そして、制御装置100は、コマンドAに紐付けられた動作を投映機に実行させる。
【0038】
光学式プラネタリウム投映機106は、ドーム状の曲面スクリーンに星座絵等を投映する。機器制御部107は、光学式プラネタリウム投映機106に接続される各種機器を制御する。また、機器制御部107は、光学式プラネタリウム投映機106に備え付けられているモーター制御ユニット108及びLED制御ユニット110も制御する。機器制御部107は、制御装置100からコマンドを受信して当該コマンドに基づいて、当該コマンドに紐付けられた動作を光学式プラネタリウム投映機106に接続される各種機器、モーター制御ユニット108及びLED制御ユニット110に実行させる。
【0039】
モーター制御ユニット108は、光学式プラネタリウム投映機106を稼働させるためのモーター109を駆動する。LED制御ユニット110は、映像を投映するLED111を点灯する。外部機器130は、光学式プラネタリウム投映機106に接続されて使用される。ある局面において、リフター、誘導灯、アロマ発生器、オーディオプレイヤー及びプロジェクター等が、外部機器130として使用されてもよい。他の局面において、外部機器130は、デジタル式プラネタリウム投映機115の制御装置113に接続されて使用されてもよい。
【0040】
デジタル式プラネタリウム投映機制御装置113は、デジタル式プラネタリウム投映機115を制御する。デジタル式制御部114は、投映機制御部103からコマンドを受信する。また、デジタル式制御部114は、受信したコマンドに基づいて、デジタル式プラネタリウム投映機115に制御信号を送信して、デジタル式プラネタリウム投映機115を操作する。
【0041】
デジタル式プラネタリウム投映機115は、光学式プラネタリウム投映機106と異なり、LEDおよびレンズの代わりに、プロジェクターを使用する。投映制御部116は、デジタル式制御部114から受信した制御信号に基づいて、投映部117を制御する。投映部117は、星座絵をスクリーンに投映する。
【0042】
図2は、端末101および制御装置100の機能ブロックの第1の例を示す図である。
図2を参照して、端末101および制御装置100の機能について説明する。ある局面において、
図2に示す各構成は、ソフトウェアとして実現されてもよく、その場合、例えば
図4に示すハードウェア上で実行され得る。
【0043】
端末101は、操作部201と、音声入力部202と、音声解析エンジン203と、コマンド検索部204と、コマンドDB205と、検索結果表示部206と、コマンド入力部207と、コマンド送信部208とを備える。
【0044】
操作部201は、解説者からの音声入力機能のオン/オフの切り替え等を受け付ける。ある局面において、操作部201は、ボタン、タッチパネル、またはその他の任意の入力デバイスにより実現され得る。
【0045】
音声入力部202は、解説者からの音声入力を受け付ける。音声入力部202は、取得した音声情報を音声解析エンジン203に出力する。ある局面において、音声入力部202は、端末101のマイクおよびアンプにより実現され得る。他の局面において、音声入力部202は、音声情報と共に、マイクの入力レベル等の音量情報を出力してもよい。
【0046】
音声解析エンジン203は、取得した音声情報からテキストデータを生成する。一例として、解説者が「オリオン座を表示して」と発話したとする。この場合、音声解析エンジン203は、取得した音声情報を解析して、「オリオン座を表示して」というテキスト情報を生成する。音声解析エンジン203は、テキスト情報をコマンド検索部204に出力する。
【0047】
音声解析エンジン203は、音声情報を完全に認識できなかった場合でも認識できた音声情報のみをテキスト情報に置き換えることができる。一例として、音声解析エンジン203は、「オリオン座を表示して」という発話の一部のみを認識して、「オリオン座」というテキスト情報を出力することもある。
【0048】
コマンド検索部204は、取得したテキスト情報を検索ワードとして、コマンドDB205を検索する。コマンドDB205は、投映機に対する各種コマンドと、各コマンドに紐付けられたキーワードとを格納する。コマンドDB205は、検索ワードとキーワードとを比較して、検索ワードとの一致度(以降、検索ワードおよびキーワードの一致度を「認識精度」と呼ぶ)が高いキーワードを選択する。
【0049】
ある局面において、コマンドDB205は、認識精度が予め定められた閾値以上(例えば、80%以上)のキーワードを全て選択してもよい。例えば、コマンドDB205に、「オリオン座」というキーワードが登録されていた場合に、音声認識で「オリオン」というテキスト情報が得られたとする。この場合、検索ワード「オリオン」およびキーワード「オリオン座」の認識精度は、80%(5文字中4文字一致)になる。認識精度が予め定められた閾値以上であれば、コマンドDB205は、キーワード「オリオン座」に紐付けられたコマンドをコマンド検索部204に検索結果として返す。他の局面において、コマンドDB205は、認識精度が予め定められた閾値以上となるキーワードが複数ある場合は、これら複数のキーワードを全て選択してもよい。また他の局面において、コマンドDB205は、予め定められた閾値未満のキーワードも選択してもよい。
【0050】
コマンドDB205は、選択されたキーワードに紐付けられたコマンドを検索結果としてコマンド検索部204に返す。その際、コマンドDB205は、コマンドと共に、認識精度も返信してもよい。これ以降、コマンドと共に返信される認識精度を「コマンドの認識精度」と呼ぶ。コマンド検索部204は、取得したコマンドをコマンド入力部207に出力する。
【0051】
コマンド入力部207は、ディスプレイ等にコマンドを全て表示する。そして、コマンド入力部207は、解説者からコマンドを選択する入力を受け付ける。コマンド入力部207は、解説者によって選択されたコマンドをコマンド送信部208に出力する。
【0052】
コマンド送信部208は、取得したコマンドを制御装置100のコマンド受信部209に送信する。ある局面において、コマンド送信部208は、コマンドと共に、音量情報、端末101のID(Identifier)、コマンド検索時の認識精度、または、これらの任意の組み合わせ等をコマンド受信部209に送信し得る。また、他の局面において、コマンド送信部208は、複数のコマンドを送信する場合、各コマンドに音量情報、コマンド検索時の認識精度を関連付けて送信してもよい。また、他の局面において、コマンドはこれらの情報を含んでいてもよい。
【0053】
制御装置100は、コマンド受信部209と、コマンド選択部210と、機器制御部211とを備える。コマンド受信部209は、端末101からコマンドを受信する。コマンド受信部209は、受信したコマンドと、受信時のタイムスタンプ等のコマンドを受信したタイミングを示す情報とをコマンド選択部に出力する。ある局面において、コマンド受信部209は、コマンドと共に、音量情報、端末101のID、コマンド検索時の認識精度、または、これらの任意の組み合わせ等を受信してもよい。
【0054】
コマンド選択部210は、予め定められた時間間隔内で、同一のコマンドを複数回取得した場合、取得した複数のコマンドの中から実行するコマンドを選択する。コマンドの選択は例えば、以下に示すいずれかの方法またはこれらの方法の組み合わせによって実現され得る。コマンド選択部210は、選択したコマンドを機器制御部211に送信する。
【0055】
(第1のコマンドの選択方法)
ある局面において、コマンド選択部210は、最もタイムスタンプの早いコマンドを選択し得る。一例として、制御装置100が、予め定められた一定時間内に、端末101AからコマンドAを受信し、端末101BからコマンドBを受信したとする。コマンドA,Bが同一のコマンドであり、コマンドAの受信タイミング(タイムスタンプ)が、コマンドBの受信タイミングよりも早い場合、制御装置100は、コマンドAを選択する。なお、制御装置100が
図3に示す構成である場合(制御装置100が音声情報を受信する場合)、コマンド選択部210は、制御装置100が複数の音声情報を受信し、各音声情報から同じコマンドが得られたとき、最も早いタイムスタンプの音声情報から得られたコマンドを選択する。
【0056】
例えば、解説者が一度だけ発話したにもかかわらず、ドームの反響等により複数の端末101が解説者の発話を検出する可能性がある。そのため、コマンド選択部210は、予め定められた時間間隔内で、同一のコマンドを複数回取得した場合は、最もタイムスタンプの早いコマンドのみを選択することで、同一コマンドの重複実行を抑制し得る。
【0057】
(第2のコマンドの選択方法)
他の局面において、コマンド選択部210は、コマンドの認識精度が閾値以上であるコマンドの中から最も早いタイムスタンプのコマンドを選択し得る。例えば、制御装置100が、複数の端末101から同一のコマンドA,B,C,Dを予め定められた時間間隔内に受信したとする。受信したタイムスタンプは、コマンドA,B,C,Dの順であるとする。そして、コマンドA,Cの認識精度は閾値未満であり、コマンドB,Dの認識精度が閾値以上であるとする。この場合、コマンド選択部210は、コマンドの認識精度が閾値以上であるコマンドB,Dの中から最も早いタイムスタンプのコマンドBを選択し得る。
【0058】
解説員の発話が不明瞭、または雑音がある場合、端末101の音声認識の精度は低下する可能性がある。そのため、コマンド選択部210は、認識精度の低いコマンドの実行を抑制することで、意図しないコマンドの実行を抑制し得る。
【0059】
(第3のコマンドの選択方法)
他の局面において、制御装置100が同一のコマンドを複数の端末101から同時に受信した場合、コマンド選択部210は、音量情報に基づいて、実行するコマンドを選択してもよい。例えば、制御装置100は、端末101AからコマンドAを、端末101BからコマンドBを同時に受信した場合に、コマンドA,Bが同一コマンドであったとする。この場合、コマンド選択部210は、コマンドAに紐付けられた音量情報の値が、コマンドBに紐付けられた音量情報の値よりも大きい場合、コマンドAを選択し得る。なお、制御装置100が
図3に示す構成である場合(制御装置100が音声情報を受信する場合)、コマンド選択部210は、音声情報に紐付けられた音量情報に基づいて、実行するコマンドを選択してもよい。
【0060】
コマンドAの音量情報が大きいということは、コマンドAは、メインの解説者の使用する端末101から送信されたコマンドである可能性が高い。そこで、コマンド選択部210は、制御装置100が同一コマンドを同時に受信した場合、音量情報の値の大きいコマンドを優先して選択し得る。
【0061】
(第4のコマンドの選択方法)
他の局面において、制御装置100が同一のコマンドを複数の端末101から同時に受信した場合、コマンド選択部210は、各端末101がコマンドを送信した頻度に基づいて、実行するコマンドを選択してもよい。例えば、制御装置100は、端末101AからコマンドAを、端末101BからコマンドBを同時に受信した場合に、コマンドA,Bが同一コマンドであったとする。この場合、コマンド選択部210は、過去に端末101Aから受信したコマンドの総数が、過去に端末101Bから受信したコマンドの総数よりも多い場合、コマンドAを選択し得る。なお、制御装置100が
図3に示す構成である場合(制御装置100が音声情報を受信する場合)、コマンド選択部210は、各端末101が音声情報を送信した頻度に基づいて、実行するコマンドを選択してもよい。
【0062】
端末101Aから受信したコマンドの総数が多いということは、端末101Aは、メインの解説者が使用している可能性が高い。そのため、コマンド選択部210は、制御装置100が同一コマンドを同時に受信した場合、各端末101がコマンドを送信した頻度に基づいて、コマンドを選択し得る。
【0063】
(第5のコマンドの選択方法)
他の局面において、制御装置100が、コマンドの認識精度が閾値未満である同一コマンドを複数の端末101から受信した場合、コマンド選択部210は、当該コマンドを実行するコマンドとして選択し得る。
【0064】
例えば、制御装置100が、端末101AからコマンドAを受信し、端末101BからコマンドBを受信したとする。コマンドA,Bは同一コマンドであり、いずれの認識精度も閾値未満であるとする。また、コマンドAのタイムスタンプは、コマンドBのタイムスタンプよりも早いとする。この場合、コマンド選択部210は、コマンドAを選択し得る。
【0065】
第5のコマンドの選択方法は、第2のコマンドの選択方法の変形例であるとも言える。第2のコマンドの選択方法は、受信したコマンドAの認識精度が閾値以上(例えば、80%以上)である場合、コマンドAのタイムスタンプが最も早ければ、コマンドAを実行する。これに対して、第5のコマンドの選択方法は、受信したコマンドAの認識精度が閾値未満(例えば、80%未満)の場合、他の端末101からもコマンドAと同一のコマンドを受信した場合にのみコマンドAを実行する点で異なる。なお、制御装置100が
図3に示す構成である場合(制御装置100が音声情報を受信する場合)、コマンド選択部210は、制御装置100が受信した複数の音声情報から、認識精度が閾値未満の同一コマンドが複数回得られたとき、最も早いタイムスタンプの音声情報から得られたコマンドを実行するコマンドとして選択し得る。
【0066】
あるコマンドの認識精度が閾値未満であったとしても、制御装置100が複数の端末101から同一コマンドを受信したということは、当該コマンドは音声認識により正しく選択されたコマンドである可能性が高い。そのため、コマンド選択部210は、制御装置100が、コマンドの閾値が認識精度未満である同一コマンドを複数の端末101から受信した場合、複数の同一コマンドの中で最も早いタイムスタンプのコマンドを実行するコマンドとして選択し得る。
【0067】
(第6のコマンドの選択方法)
他の局面において、制御装置100が、同一のコマンドを大量に受信した場合、コマンド選択部210は、制御装置100が受信した複数のコマンドの中で最もタイムスタンプの早いコマンドのみを実行する。なお、制御装置100が
図3に示す構成である場合(制御装置100が音声情報を受信する場合)、コマンド選択部210は、制御装置100が受信した複数の音声情報の中で最もタイムスタンプの早い音声情報から得られたコマンドのみを実行する。
【0068】
例えば、端末101が、ドーム内の子供達の声を大量に拾った結果、同一のコマンドを何度も制御装置100に送信することが考えられる。そのため、コマンド選択部210は、大量に受信した同一コマンドの中で最もタイムスタンプの早いコマンドのみを選択することで、同一コマンドの重複実行を抑制し得る。
【0069】
(第7のコマンドの選択方法)
他の局面において、コマンド選択部210は、取得したコマンドが特定のコマンドである場合にのみ、第1~第6のコマンドの選択方法またはこれらの組み合わせの処理を実行し得る。例えば、コマンド選択部210は、投映機の運動処理(天体の位置の移動処理等)のコマンドを取得したときに、第1~第6のコマンドの選択方法またはこれらの組み合わせの処理を実行し、投映機の調光処理(ライトの輝度の調節等)のコマンドを取得したときに、第1~第6のコマンドの選択方法またはこれらの組み合わせの処理を実行しなくてもよい。なお、制御装置100が
図3に示す構成である場合(制御装置100が音声情報を受信する場合)、コマンド選択部210は、受信した音声情報から得られたコマンドが特定のコマンドである場合にのみ、第1~第6のコマンドの選択方法またはこれらの組み合わせの処理を実行し得る。
【0070】
調光処理は、例えば投映機のライトの輝度等を指定する処理であるが、この様な処理は繰り返し実行されても問題は発生しない。しかし、運動処理が意図しない回数繰り返されると、天体の表示位置がずれる等の問題が発生し得る。そのため、コマンド選択部210は、必要な場合にのみ選択処理を実行し、不要な場合は選択処理を実行しないことで、同一コマンドの重複実行を抑制しつつ、処理時間を短縮し得る。
【0071】
機器制御部211は、取得したコマンドを各投影機または各投影機の制御機器に送信する。ある局面において、機器制御部211は、コマンドに紐付けられた動作を各投影機に実行させるために制御信号を各投影機または各投影機の制御機器に送信してもよい。ある局面において、機器制御部211は、機器制御部107および制御装置113にコマンドを送信してもよい。他の局面において、機器制御部107および制御装置113が、機器制御部211の機能を備えていてもよい。
【0072】
図3は、端末101および制御装置100の機能ブロックの第2の例を示す図である。
図3を参照して、端末101および制御装置100の機能について説明する。ある局面において、
図3に示す各構成は、ソフトウェアとして、例えば
図4に示すハードウェアにより実行されてもよい。
図3に示す構成は、制御装置100が音声認識機能を備える点で、
図2に示す構成と異なる。
【0073】
端末101は、音声認識機能を備えず、直接音声情報を制御装置100に送信する。そのため、端末101は、音声解析エンジン203、コマンド検索部204、およびコマンドDB205、検索結果表示部206、コマンド入力部207およびコマンド送信部208に代えて、音声送信部303を備える。音声送信部303は、音声入力部202から取得した音声情報を制御装置100の音声受信部304に送信する。ある局面において、音声送信部303は、音声情報と共に、音量情報および端末101のIDを音声受信部304に送信してもよい。他の局面において、音声情報はこれらの情報を含んでいてもよい。
【0074】
制御装置100は、音声認識機能を備える。そのため、制御装置100は、コマンド受信部209に代えて、音声受信部304、音声解析エンジン203、コマンド検索部204およびコマンドDB205を備える。音声受信部304は、受信した音声情報を音声解析エンジン203に出力する。音声解析エンジン203、コマンド検索部204、およびコマンドDB205の動作は、
図2に示した内容と同じである。コマンド検索部204は、検索結果であるコマンドをコマンド選択部210に出力する。コマンド選択部210は、各音声情報のタイムスタンプを各コマンドのタイムスタンプとして使用する。
【0075】
図4は、端末101および制御装置100として使用され得る装置400のハードウェア構成の一例を示す図である。ある局面において、装置400は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレットまたはその他の任意の情報処理装置であってもよい。例えば、制御装置100は、PCである装置400により実現され、端末101は、タブレットである装置400により実現され得る。
【0076】
装置400は、CPU(Central Processing Unit)401と、1次記憶装置402と、2次記憶装置403と、外部機器インターフェイス404と、入力インターフェイス405と、出力インターフェイス406と、通信インターフェイス407とを備える。
【0077】
CPU401は、1次記憶装置402に格納されたプログラムやデータを処理する。1次記憶装置402は、CPU401によって実行されるプログラム及び参照されるデータを格納する。ある局面において、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が1次記憶装置402して用いられてもよい。
【0078】
2次記憶装置403は、プログラムやデータ等を長期間記憶する。一般的に2次記憶装置403は、1次記憶装置402よりも低速であるため、CPU401で直接使用するデータは、1次記憶装置402に配置され、それ以外のデータは、2次記憶装置403に配置される。ある局面において、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置が2次記憶装置403として用いられてもよい。
【0079】
外部機器インターフェイス404は、制御装置100に補助デバイスを接続する場合等に使用される。一般的にUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスが、外部機器インターフェイス404として使用されることが多い。
【0080】
入力インターフェイス405は、キーボードやマウス等を接続するために使用される。USBインターフェイスが、入力インターフェイス405として使用されることもある。ある局面において、入力インターフェイス405は、タッチパネル408、マイク409、キーボード410、マウス411または他の任意の入力機器に接続されていてもよい。
【0081】
出力インターフェイス406は、ディスプレイ等の出力デバイスを接続するために使用される。ある局面において、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Visual Interface)が出力インターフェイス406として用いられてもよい。ある局面において、出力インターフェイス406は、スピーカー412、ディスプレイ413または他の任意の出力機器に接続されていてもよい。
【0082】
通信インターフェイス407は、外部の通信機器と通信するために使用される。ある局面において、LAN(Local Area Network)ポートや、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)の送受信装置等が、出力インターフェイス406として使用されてもよい。
【0083】
図5は、プラネタリウムのドーム内での反響の典型例を示す図である。
図5に示す例では、ドーム500内で、二つの端末101A,101Bが使用されている。ドーム500は音を反響しやすいため、例えば、端末101Bを持つ解説員の声が反響して、端末101Aに届く場合がある。また、端末101A,101Bが観客の声を拾ってしまい、予期せぬコマンドを制御装置100に送信することもあり得る。本実施の形態に従うプラネタリウムシステム10は、
図2および
図3で説明した構成により、このようなドーム500による音の反響に起因する予期せぬコマンドの実行を抑制し得る。
【0084】
図6は、制御装置100によるコマンドの実行手順の一例を示す図である。ある局面において、CPU401は、
図6の処理を行うためのプログラムを2次記憶装置403から1次記憶装置402に読み込んで、当該プログラムを実行してもよい。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
【0085】
ステップS605において、CPU401は、端末101からコマンドを取得する。ある局面において、CPU401は、コマンドと共に、音量情報、端末101のID、認識精度およびこれらの組み合わせ情報を受信してもよい。他の局面において、制御装置100が
図3に示す構成を備える場合、CPU401は、端末101から音声情報を受信してもよい。その場合、CPU401は、ステップS610の処理の前に、音声認識処理およびコマンドの検索処理を実行する。
【0086】
ステップS607において、CPU401は、受信したコマンドが特定のコマンド(運動処理等)か否かを判定する。CPU401は、受信したコマンドが特定のコマンドであると判定した場合(ステップS607にてYES)、制御をステップS610に移す。そうでない場合(ステップS607にてNO)、CPU401は、制御をステップS620に移す。ステップS607の処理は、
図2を参照して説明した第7のコマンドの選択方法に対応する。
【0087】
ステップS610において、CPU401は、コマンドの認識精度が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。CPU401は、コマンドの認識精度が予め定められた閾値以上であると判定した場合(ステップS610にてYES)、制御をステップS615に移す。そうでない場合(ステップS610にてNO)、CPU401は、制御をステップS660に移す。
【0088】
ステップS615において、CPU401は、最も早いタイムスタンプのコマンドがあるか否かを判定する。例えば、ある一定の時間間隔内で、制御装置100がコマンドA,Bを受信した場合に、コマンドAのタイムスタンプがコマンドBのタイムスタンプより早い場合、コマンドAが最も早いタイムスタンプのコマンドになる。コマンドAのタイムスタンプがコマンドBのタイムスタンプと等しい場合、最も早いタイムスタンプのコマンドは存在しない。
【0089】
CPU401は、最も早いタイムスタンプのコマンドがあると判定した場合(ステップS615にてYES)、制御をステップS617に移す。そうでない場合(ステップS615にてNO)、CPU401は、制御をステップS625に移す。
【0090】
ステップS617において、CPU401は、最も早いタイムスタンプのコマンドを実行するコマンドとして選択する。ステップS610~S617の処理は、
図2を参照して説明した第1、第2および第6のコマンドの選択方法に対応する。
【0091】
ステップS620において、CPU401は、コマンドに紐付く動作を投映機または外部機器130に実行させる。ある局面において、制御装置100は、通信インターフェイス407を介して、投映機または外部機器130の制御機器にコマンドを送信してもよい。または、制御装置100は、通信インターフェイス407を介して、投映機または外部機器130の制御機器に、コマンドに紐付けられた動作を実行させるための制御信号を送信してもよい。
【0092】
ステップS625において、CPU401は、閾値(予め定められた音量)以上の発話があるか否かを判定する。CPU401は、コマンドと共に受信した音量情報に基づいて、コマンドに対応する発話の音量が閾値以上であったか否かを判定し得る。ある局面において、閾値以上の発話があるとは、閾値以上の値の音量情報に関連付けられたコマンドを受信したことを意味する。他の局面において、制御装置100が音声認識機能を備える場合、閾値以上の発話があるとは、制御装置100が閾値以上の音量の音声情報を受信したことを意味する。
【0093】
CPU401は、閾値以上の発話があると判定した場合(ステップS625にてYES)、制御をステップS630に移す。そうでない場合(ステップS625にてNO)、CPU401は、制御をステップS645に移す。
【0094】
ステップS630において、CPU401は、一定時間内に、一定量の同じ発話があるか否かを判定する。ある局面において、制御装置100が端末101AからコマンドAを受信し、端末101BからコマンドBを受信し、コマンドA,Bが同一コマンドであった場合、CPU401は、同じ発話があると判定し得る。なぜならば、端末101A,101Bが、同一のコマンドを選択したということは、端末101A,101Bが同一または近い内容の音声情報を取得したことを意味するためである。他の局面において、制御装置100が音声認識機能を備える場合、CPU401は、制御装置100が受信した各音声情報から得られるテキスト情報に基づいて、同じ発話があるか否かを判定してもよい。
【0095】
CPU401は、一定時間内に、一定量の同じ発話があると判定した場合(ステップS630にてYES)、制御をステップS635に移す。そうでない場合(ステップS630にてNO)、CPU401は、制御をステップS640に移す。
【0096】
ステップS635において、CPU401は、受信した複数のコマンドの中から、ランダムで実行するコマンドを選択する。ステップS640において、CPU401は、受信した複数のコマンドの中から、最大声量のコマンドを選択する。最大声量のコマンドとは、コマンドに関連付けられた音量情報の値が最大のコマンドである。ステップS625~S640までの処理は、
図2を参照して説明した第3のコマンドの選択方法に対応する。
【0097】
ステップS645において、CPU401は、使用頻度の高い端末101があるか否かを判定する。ある局面において、CPU401は、端末101のIDおよび過去の通信履歴に基づいて、最も多くのコマンドを送信した端末101または一定数以上のコマンドを送信した端末101を判定し得る。
【0098】
CPU401は、使用頻度の高い端末101があると判定した場合(ステップS645にてYES)、制御をステップS650に移す。そうでない場合(ステップS645にてNO)、CPU401は、制御をステップS655に移す。
【0099】
ステップS650において、CPU401は、使用頻度の高い端末101から受信したコマンドを実行するコマンドとして選択する。ステップS655において、CPU401は、受信した複数のコマンドの中から、ランダムで実行するコマンドを選択する。ステップS645~S655までの処理は、
図2を参照して説明した第4のコマンドの選択方法に対応する。
【0100】
ステップS660において、CPU401は、一定量以上の同じ発話が検知されたか否かを判定する。ある局面において、制御装置100が端末101AからコマンドAを受信し、端末101BからコマンドBを受信し、コマンドA,Bが同一コマンドであった場合、CPU401は、同じ発話があると判定し得る。他の局面において、制御装置100が音声認識機能を備える場合、CPU401は、制御装置100が受信した各音声情報から得られるテキスト情報に基づいて、同じ発話があるか否かを判定してもよい。
【0101】
CPU401は、一定時間内に、一定量以上の同じ発話があると判定した場合(ステップS660にてYES)、制御をステップS665に移す。そうでない場合(ステップS660にてNO)、CPU401は、処理を終了する。
【0102】
ステップS665において、CPU401は、複数の同じコマンド(複数の同じ発話)の中から、最も早いタイムスタンプのコマンドを実行するコマンドとして選択する。ステップS660およびS655の処理は、
図2を参照して説明した第5のコマンドの選択方法に対応する。
【0103】
以上説明した通り、本実施の形態に従うプラネタリウムシステム10は、一定時間内に同一のコマンドを受け付けた場合、最もタイムスタンプの早いコマンドのみを選択して、当該コマンドを実行する。こうすることで、プラネタリウムシステム10は、ドームの反響等に起因する同一コマンドの重複実行を抑制し得る。なお、本実施の形態に開示された内容の適用対象は、プラネタリウムシステムに限られない。ある局面において、本実施の形態に開示された内容は、映画館、アミューズメント施設等で使用される任意の機器に対しても適用可能である。
【0104】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された開示内容は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0105】
10 プラネタリウムシステム、100,113 制御装置、101 端末、103 機制御部、106 光学式プラネタリウム投映機、107,211 機器制御部、108 モーター制御ユニット、109 モーター、110 制御ユニット、114 デジタル式制御部、115 デジタル式プラネタリウム投映機、116 投映制御部、117 投映部、130 外部機器、201 操作部、202 音声入力部、203 音声解析エンジン、204 コマンド検索部、205 コマンドDB、206 検索結果表示部、207 コマンド入力部、208 コマンド送信部、209 コマンド受信部、210 コマンド選択部、303 音声送信部、304 音声受信部、400 装置、401 CPU、402 1次記憶装置、403 2次記憶装置、404 外部機器インターフェイス、405 入力インターフェイス、406 出力インターフェイス、407 通信インターフェイス、408 タッチパネル、409 マイク、410 キーボード、411 マウス、412 スピーカー、413 ディスプレイ、500 ドーム。