(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】固体撮像装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241112BHJP
H04N 25/62 20230101ALI20241112BHJP
H04N 25/76 20230101ALI20241112BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
H04N25/62
H04N25/76
(21)【出願番号】P 2020562980
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(86)【国際出願番号】 JP2019047020
(87)【国際公開番号】W WO2020137370
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2018244508
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萬田 周治
(72)【発明者】
【氏名】奥山 敦
(72)【発明者】
【氏名】平野 智之
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103541(JP,A)
【文献】特開2013-098446(JP,A)
【文献】国際公開第2018/008614(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/136486(WO,A1)
【文献】特表2016-534557(JP,A)
【文献】特開2018-148039(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183477(WO,A1)
【文献】特開2015-095468(JP,A)
【文献】特開2015-046477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/62
H04N 25/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光面と、
前記受光面と対向配置された複数の画素と
を備え
各前記画素は、
前記受光面を介して入射した光を光電変換する光電変換部と、
前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部と、
前記光電変換部に達する垂直ゲート電極を有し、前記光電変換部から前記電荷保持部に電荷を転送する転送トランジスタと、
前記光電変換部と前記電荷保持部との間の層内に配置され、前記垂直ゲート電極が貫通する開口部を有し、前記開口部以外の箇所で、前記受光面を介して入射した光の、前記電荷保持部への入射を遮る遮光部と、
前記開口部のうち前記電荷保持部寄りの端縁と前記垂直ゲート電極との間隙を介した、前記転送トランジスタへの電荷の転送を遮る遮電荷部と
を有し、
前記遮電荷部は
、前記遮光部の表面に沿って配置されるとともに前記間隙を塞ぐ絶縁膜によって構成されており、
前記絶縁膜は、前記転送トランジスタとは別体の膜である
固体撮像装置。
【請求項2】
前記絶縁膜は、前記遮光部と前記垂直ゲート電極とを絶縁分離する
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記遮光部および前記垂直ゲート電極は、ともに、前記絶縁膜に接して形成されている
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記絶縁膜は、シリコン酸化物からなる単層膜、またはシリコン酸化膜を含む多層膜によって構成されている
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記垂直ゲート電極は、前記受光面を介して入射した光の、前記電荷保持部への入射を遮る壁部を有する
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
各前記遮光部と連結され、各前記画素を電気的かつ光学的に分離する分離部を更に備えた
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記受光面と、前記転送トランジスタの形成面とを有し、各前記画素が形成された半導体基板を更に備え、
前記分離部は、前記受光面から前記形成面まで延在して形成されている
請求項6に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
入射光に応じた画素信号を出力する固体撮像装置と、
前記画素信号を処理する信号処理回路と
を備え、
前記固体撮像装置は、
受光面と、
前記受光面と対向配置された複数の画素と
を有し
各前記画素は、
前記受光面を介して入射した光を光電変換する光電変換部と、
前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部と、
前記光電変換部に達する垂直ゲート電極を有し、前記光電変換部から前記電荷保持部に電荷を転送する転送トランジスタと、
前記光電変換部と前記電荷保持部との間の層内に配置され、前記垂直ゲート電極が貫通する開口部を有し、前記開口部以外の箇所で、前記受光面を介して入射した光の、前記電荷保持部への入射を遮る遮光部と、
前記開口部のうち前記電荷保持部寄りの端縁と前記垂直ゲート電極との間隙を介した、前記転送トランジスタへの電荷の転送を遮る遮電荷部と
を有し、
前記遮電荷部は
、前記遮光部の表面に沿って配置されるとともに前記間隙を塞ぐ絶縁膜によって構成されており、
前記絶縁膜は、前記転送トランジスタとは別体の膜である
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体撮像装置において、受光面からの光が、光電変換部に蓄積された電荷が転送される電荷保持部に侵入するのを妨げるために、光電変換部と電荷保持部との間に遮光部を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、上述の固体撮像装置の分野では、電荷保持部への光入射に起因するノイズを低減することが望まれている。従って、電荷保持部への光入射に起因するノイズを低減することの可能な固体撮像装置およびそれを備えた電子機器を提供することが望ましい。
【0005】
本開示の一実施の形態に係る固体撮像装置は、受光面と、受光面と対向配置された複数の画素とを備えている。各画素は、受光面を介して入射した光を光電変換する光電変換部と、光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部と、光電変換部に達する垂直ゲート電極を有し、光電変換部から電荷保持部に電荷を転送する転送トランジスタとを有している。各画素は、さらに、遮光部と、遮電荷部とを有している。遮光部は、光電変換部と電荷保持部との間の層内に配置されている。遮光部は、垂直ゲート電極が貫通する開口部を有し、受光面を介して入射した光の、電荷保持部への入射を開口部以外の箇所で遮る。遮電荷部は、開口部のうち電荷保持部寄りの端縁と垂直ゲート電極との間隙を介した、転送トランジスタへの電荷の転送を遮る。遮電荷部は、遮光部の表面に沿って配置されるとともに上記間隙を塞ぐ絶縁膜によって構成されている。絶縁膜は、転送トランジスタとは別体の膜である。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る電子機器は、入射光に応じた画素信号を出力する固体撮像装置と、画素信号を処理する信号処理回路とを備えている。電子機器に設けられた固体撮像装置は、上記の固体撮像装置と同一の構成を有している。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る固体撮像装置および電子機器では、遮光部の開口部のうち電荷保持部寄りの端縁と垂直ゲート電極との間を介した、転送トランジスタへの電荷の転送が遮電荷部によって遮られる。これにより、遮光部の開口部に遮電荷部が設けられていない場合と比べて、電荷保持部への光入射を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る固体撮像装置の概略構成の一例を表す図である。
【
図2】
図1のセンサ画素の回路構成の一例を表す図である。
【
図3】
図1のセンサ画素の断面構成の一例を表す図である。
【
図4】
図1のセンサ画素の概略構成の一例を斜視的に表す図である。
【
図5】
図4のSec1における平面構成の一例を表す図である。
【
図6】
図4のSec2における平面構成の一例を表す図である。
【
図7】
図4のSec3における平面構成の一例を表す図である。
【
図8A】
図1の固体撮像装置の製造方法の一例を表す図である。
【
図9】比較例に係る固体撮像装置のセンサ画素の断面構成の一例を表す図である。
【
図10】
図9のセンサ画素の概略構成の一例を斜視的に表す図である。
【
図11】
図4のセンサ画素の概略構成の一変形例を斜視的に表す図である。
【
図12】
図4のセンサ画素の概略構成の一変形例を斜視的に表す図である。
【
図13】上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を備えた撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
【
図14】
図13の撮像システムにおける撮像手順の一例を表す図である。
【
図15】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図16】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図17】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図18】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(固体撮像装置)…
図1~
図10
2.変形例(固体撮像装置)…
図11,
図12
3.適用例
上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を
撮像システムに適用した例…
図13、
図14
4.応用例
応用例1…上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を
移動体に応用した例…
図15、
図16
応用例2…上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を
手術システムに応用した例…
図17、
図18
【0010】
<1.実施の形態>
[構成]
本開示の一実施の形態に係る固体撮像装置1について説明する。固体撮像装置1は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等からな
るグローバルシャッタ方式の裏面照射型のイメージセンサである。固体撮像装置1は、被写体からの光を受光して光電変換し、画像信号を生成することで画像を撮像する。固体撮像装置1は、入射光に応じた画素信号を出力する。
【0011】
グローバルシャッタ方式とは、基本的には全画素同時に露光を開始し、全画素同時に露光を終了するグローバル露光を行う方式である。ここで、全画素とは、画像に現れる部分の画素の全てということであり、ダミー画素等は除外される。また、時間差や画像の歪みが問題にならない程度に十分小さければ、全画素同時ではなく、複数行(例えば、数十行)単位でグローバル露光を行いながら、グローバル露光を行う領域を移動する方式もグローバルシャッタ方式に含まれる。また、画像に表れる部分の画素の全てでなく、所定領域の画素に対してグローバル露光を行う方式もグローバルシャッタ方式に含まれる。
【0012】
裏面照射型のイメージセンサとは、被写体からの光が入射する受光面と、各画素を駆動させるトランジスタ等の配線が設けられた配線層との間に、被写体からの光を受光し、電気信号に変換するフォトダイオード等の光電変換部が設けられている構成のイメージセンサである。なお、本開示は、CMOSイメージセンサへの適用に限られるものではない。
【0013】
図1は、本開示の一実施の形態に係る固体撮像装置1の概略構成の一例を表す。固体撮像装置1は、光電変換を行う複数のセンサ画素11が行列状に配置された画素アレイ部10を備えている。センサ画素11は、本開示の「画素」の一具体例に相当する。
図2は、センサ画素11および読み出し回路12(後述)の回路構成の一例を表す。
図3は、センサ画素11および読み出し回路12の断面構成の一例を表す。固体撮像装置1は、例えば、2つの基板(第1基板30、第2基板40)を貼り合わせて構成されている。
【0014】
第1基板30は、半導体基板31に複数のセンサ画素11を有している。複数のセンサ画素11は、半導体基板31の裏面(受光面31A)と対向する位置に行列状に設けられている。第1基板30は、さらに、半導体基板31に複数の読み出し回路12を有している。なお、
図3には、読み出し回路12は記載されていない。各読み出し回路12は、センサ画素11から出力された電荷に基づく画素信号を出力する。複数の読み出し回路12は、例えば、4つのセンサ画素11ごとに1つずつ設けられている。このとき、4つのセンサ画素11は、1つの読み出し回路12を共有している。ここで、「共有」とは、4つのセンサ画素11の出力が共通の読み出し回路12に入力されることを指している。読み出し回路12は、例えば、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、増幅トランジスタAMPとを有している。
【0015】
第1基板30は、行方向に延在する複数の画素駆動線と、列方向に延在する複数のデータ出力線VSLとを有している。画素駆動線は、センサ画素11に蓄積された電荷の出力を制御する制御信号が印加される配線である。データ出力線VSLは、各読み出し回路12から出力された画素信号をロジック回路20に出力する配線である。
【0016】
第2基板40は、半導体基板41上に、画素信号を処理するロジック回路20を有している。ロジック回路20は、例えば、垂直駆動回路21、カラム信号処理回路22、水平駆動回路23およびシステム制御回路24を有している。ロジック回路20は、センサ画素11ごとの出力電圧を外部に出力する。
【0017】
垂直駆動回路21は、例えば、複数のセンサ画素11を所定の単位画素行ごとに順に選択する。「所定の単位画素行」とは、同一アドレスで画素選択可能な画素行を指している。例えば、複数のセンサ画素11が1つの読み出し回路12を共有する場合、読み出し回路12を共有する複数のセンサ画素11のレイアウトが2画素行×n画素列(nは1以上の整数)となっているときには、「所定の単位画素行」は、2画素行を指している。同様に、読み出し回路12を共有する複数のセンサ画素11のレイアウトが4画素行×n画素列(nは1以上の整数)となっているときには、「所定の単位画素行」は、4画素行を指している。
【0018】
カラム信号処理回路22は、例えば、垂直駆動回路21によって選択された行の各センサ画素11から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)処理を施す。カラム信号処理回路22は、例えば、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各センサ画素11の受光量に応じた画素データを保持する。カラム信号処理回路22は、例えば、データ出力線VSLごとにカラム信号処理部を有している。カラム信号処理部は、例えば、シングルスロープA/D変換器を含んでいる。シングルスロープA/D変換器は、例えば、比較器およびカウンタ回路を含んで構成されている。水平駆動回路23は、例えば、カラム信号処理回路22に保持されている画素データを順次、外部に出力する。システム制御回路24は、例えば、ロジック回路20内の各ブロック(垂直駆動回路21、カラム信号処理回路22および水平駆動回路23)の駆動を制御する。
【0019】
各センサ画素11は、互いに共通の構成要素を有している。各センサ画素11は、例えば、フォトダイオードPDと、第1転送トランジスタTRXと、第2転送トランジスタTRMと、電荷保持部MEMと、第3転送トランジスタTRGと、フローティングディフュージョンFDと、排出トランジスタOFGとを有している。第1転送トランジスタTRX、第2転送トランジスタTRM、第3転送トランジスタTRGおよび排出トランジスタOFGは、例えば、NMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。フォト
ダイオードPDは、本開示の「光電変換部」の一具体例に相当する。第1転送トランジスタTRXは、本開示の「転送トランジスタ」の一具体例に相当する。
【0020】
フォトダイオードPDは、受光面31Aを介して入射した光Lを光電変換する。フォトダイオードPDは、光電変換を行って受光量に応じた電荷を発生する。フォトダイオードPDは、例えば、半導体基板31内に設けられたN型半導体領域32AおよびN型半導体領域32Bを有している。N型半導体領域32AがN型半導体領域32Bよりも受光面31A寄りに形成されている。受光面31Aに入射した光は、N型半導体領域32Aにおいて光電変換されて電荷が生成されたのち、その電荷がN型半導体領域32Bに蓄積される。なお、N型半導体領域32AとN型半導体領域32Bとの境界は必ずしも明確ではなく、例えばN型半導体領域32AからN型半導体領域32Bへ向かうにつれて徐々にN型の不純物濃度が高くなっていればよい。フォトダイオードPDのカソードが第1転送トランジスタTRXのソースに電気的に接続されており、フォトダイオードPDのアノードが基準電位線(例えばグラウンドGND)に電気的に接続されている。
【0021】
第1転送トランジスタTRXは、フォトダイオードPDと第2転送トランジスタTRMとの間に接続されており、ゲート電極(垂直ゲート電極VG)に印加される制御信号に応じて、フォトダイオードPDに蓄積されている電荷を第2転送トランジスタTRMに転送する。第1転送トランジスタTRXは、フォトダイオードPDから電荷保持部MEMに電荷を転送する。第1転送トランジスタTRXは、垂直ゲート電極VGを有している。第1転送トランジスタTRXのドレインが第2転送トランジスタTRMのソースに電気的に接続されており、第1転送トランジスタTRXのゲートは画素駆動線に接続されている。
【0022】
第2転送トランジスタTRMは、第1転送トランジスタTRXと第3転送トランジスタTRGとの間に接続されており、ゲート電極に印加される制御信号に応じて、電荷保持部MEMのポテンシャルを制御する。例えば、第2転送トランジスタTRMがオンしたとき、電荷保持部MEMのポテンシャルが深くなり、第2転送トランジスタTRMがオフしたとき、電荷保持部MEMのポテンシャルが浅くなる。そして、例えば、第1転送トランジスタTRXおよび第2転送トランジスタTRMがオンすると、フォトダイオードPDに蓄積されている電荷が、第1転送トランジスタTRXおよび第2転送トランジスタTRMを介して、電荷保持部MEMに転送される。第2転送トランジスタTRMのドレインが第3転送トランジスタTRGのソースに電気的に接続されており、第2転送トランジスタTRMのゲートは画素駆動線に接続されている。
【0023】
電荷保持部MEMは、グローバルシャッタ機能を実現するために、フォトダイオードPDに蓄積された電荷を一時的に保持する領域である。電荷保持部MEMは、フォトダイオードPDから転送された電荷を保持する。
【0024】
第3転送トランジスタTRGは、第2転送トランジスタTRMとフローティングディフュージョンFDとの間に接続されており、ゲート電極に印加される制御信号に応じて、電荷保持部MEMに保持されている電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。例えば、第2転送トランジスタTRMがオフし、第3転送トランジスタTRGがオンすると、電荷保持部MEMに保持されている電荷が、第2転送トランジスタTRMおよび第3転送トランジスタTRGを介して、フローティングディフュージョンFDに転送される。第3転送トランジスタTRGのドレインがフローティングディフュージョンFDに電気的に接続されており、第3転送トランジスタTRGのゲートは画素駆動線に接続されている。
【0025】
フローティングディフュージョンFDは、第3転送トランジスタTRGを介してフォトダイオードPDから出力された電荷を一時的に保持する浮遊拡散領域である。フローティングディフュージョンFDには、例えば、リセットトランジスタRSTが接続されるとともに、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELを介して垂直信号線VSLが接続されている。
【0026】
排出トランジスタOFGでは、ドレインが電源線VDDに接続され、ソースが第1転送トランジスタTRXと第2転送トランジスタTRMの間に接続されている。排出トランジスタOFGは、ゲート電極に印加される制御信号に応じて、フォトダイオードPDを初期化(リセット)する。例えば、第1転送トランジスタTRXおよび排出トランジスタOFGがオンすると、フォトダイオードPDの電位が電源線VDDの電位レベルにリセットされる。すなわち、フォトダイオードPDの初期化が行われる。また、排出トランジスタOFGは、例えば、第1転送トランジスタTRXと電源線VDDの間にオーバーフローパスを形成し、フォトダイオードPDから溢れた電荷を電源線VDDに排出する。
【0027】
リセットトランジスタRSTでは、ドレインが電源線VDDに接続され、ソースがフローティングディフュージョンFDに接続されている。リセットトランジスタRSTは、ゲート電極に印加される制御信号に応じて、電荷保持部MEMからフローティングディフュージョンFDまでの各領域を初期化(リセット)する。例えば、第3転送トランジスタTRGおよびリセットトランジスタRSTがオンすると、電荷保持部MEMおよびフローティングディフュージョンFDの電位が電源線VDDの電位レベルにリセットされる。すなわち、電荷保持部MEMおよびフローティングディフュージョンFDの初期化が行われる。
【0028】
増幅トランジスタAMPは、ゲート電極がフローティングディフュージョンFDに接続され、ドレインが電源線VDDに接続されており、フォトダイオードPDでの光電変換によって得られる電荷を読み出すソースフォロワ回路の入力部となる。すなわち、増幅トランジスタAMPは、ソースが選択トランジスタSELを介して垂直信号線VSLに接続されることにより、垂直信号線VSLの一端に接続される定電流源とソースフォロワ回路を構成する。
【0029】
選択トランジスタSELは、増幅トランジスタAMPのソースと垂直信号線VSLとの間に接続されており、選択トランジスタSELのゲート電極には、選択信号として制御信号が供給される。選択トランジスタSELは、制御信号がオンすると導通状態となり、選択トランジスタSELに連結されたセンサ画素11が選択状態となる。センサ画素11が選択状態になると、増幅トランジスタAMPから出力される画素信号が垂直信号線VSLを介してカラム信号処理回路22に読み出される。
【0030】
次に、
図3~
図7を参照して、センサ画素11の構成について詳細に説明する。
図4は、センサ画素11の概略構成の一例を斜視的に表したものである。
図5は、
図4のSec1における平面構成の一例を表したものである。
図6は、
図4のSec2における平面構成の一例を表したものである。
図7は、
図4のSec3における平面構成の一例を表したものである。なお、
図5では、
図4のSec1における平面構成に、読み出し回路12に含まれる各種トランジスタ(リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL)のレイアウトや、後述の金属埋め込み部34A,36Aのレイアウトが重ね合わされている。さらに、
図5では、読み出し回路12を共有する4つのフローティングディフュージョンFDが共通の引出電極13に電気的に接続されている場合が例示されている。また、
図6では、
図4のSec2における平面構成に、後述の金属埋め込み部34A,36Bのレイアウトが重ね合わされている。
【0031】
第1基板30は、半導体基板31上に絶縁層32を積層して構成されている。つまり、絶縁層32は、半導体基板31の上面に接して形成されている。半導体基板31の上面には、第1転送トランジスタTRX、第2転送トランジスタTRM、電荷保持部MEM、第3転送トランジスタTRG、フローティングディフュージョンFDおよび排出トランジスタOFGが形成されている。半導体基板31の上面近傍には、電荷保持部MEMが形成されている。従って、半導体基板31の上面は、第1転送トランジスタTRXなどの形成面31Bとなっている。
【0032】
絶縁層32内には、第1転送トランジスタTRX、第2転送トランジスタTRM、第3転送トランジスタTRGおよび排出トランジスタOFGのゲート電極や、これらのゲート電極に接続された配線などが設けられている。第1転送トランジスタTRX、第2転送トランジスタTRM、第3転送トランジスタTRGおよび排出トランジスタOFGのゲート電極や、これらのゲート電極に接続された配線は、例えば、金属材料によって形成されている。第1転送トランジスタTRXのゲート電極(垂直ゲート電極VG)は、ポリシリコンによって形成されていてもよい。
【0033】
半導体基板31,41は、例えば、シリコン基板で構成されている。半導体基板31は、例えば、シリコン(111)基板で構成されている。シリコン(111)基板とは、(111)の結晶方位を有する単結晶シリコン基板である。半導体基板31は、上面(形成面31B)の一部およびその近傍に、N型半導体領域32Bを有しており、N型半導体領域32Bよりも深い領域にN型半導体領域32Aを有している。半導体基板31は、さらに、フローティングディフュージョンFDおよび電荷保持部MEMを有している。第1転送トランジスタTRXのゲート電極(垂直ゲート電極VG)は、半導体基板31の上面(形成面31B)から、半導体基板31の厚さ方向(法線方向)に延在して形成されている。第1転送トランジスタTRXのゲート電極(垂直ゲート電極VG)は、形成面31Bから、N型半導体領域32A(フォトダイオードPD)に達する深さまで延在している。第1転送トランジスタTRXのゲート電極(垂直ゲート電極VG)は、例えば、半導体基板31の厚さ方向(法線方向)に延在する棒状の形状となっている。
【0034】
第1基板30は、例えば、さらに、半導体基板31の裏面(受光面31A)に接する固定電荷膜38を有している。固定電荷膜38は、半導体基板31の受光面31A側の界面準位に起因する暗電流の発生を抑制するため、負の固定電荷を有している。固定電荷膜38は、例えば、負の固定電荷を有する絶縁膜によって形成されている。そのような絶縁膜の材料としては、例えば、酸化ハフニウム、酸化ジルコン、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化タンタルが挙げられる。固定電荷膜38が誘起する電界により、半導体基板31の受光面31A側の界面にホール蓄積層が形成される。このホール蓄積層によって、界面からの電子の発生が抑制される。第1基板30は、例えば、さらに、カラーフィルタ39を有している。カラーフィルタ39は、半導体基板31の受光面31A側に設けられている。カラーフィルタ39は、例えば、固定電荷膜38に接して設けられており、固定電荷膜38を介してセンサ画素11と対向する位置に設けられている。
【0035】
各センサ画素11は、半導体基板31の裏面(受光面31A)側に受光レンズ50を有している。つまり、固体撮像装置1は、センサ画素11ごとに1つずつ設けられた複数の受光レンズ50を備えている。複数の受光レンズ50は、フォトダイオードPDごとに1つずつ設けられており、フォトダイオードPDと対向する位置に配置されている。つまり、固体撮像装置1は、裏面照射型の撮像装置である。受光レンズ50は、例えば、カラーフィルタ39に接して設けられており、カラーフィルタ39および固定電荷膜38を介してセンサ画素11と対向する位置に設けられている。
【0036】
第1基板30は、互いに隣接する2つのセンサ画素11を電気的かつ光学的に分離する素子分離部34,36を有している。素子分離部34,36は、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)に延在して形成されている。素子分離部34,36は、半導体基板31内において、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)に積層されている。つまり、素子分離部34,36は、互いに連結されている。素子分離部34,36からなる構造体は、受光面31Aから形成面31Bまで延在して形成されている。つまり、素子分離部34,36からなる構造体は、半導体基板31および半導体層33を貫通している。
【0037】
素子分離部34は、センサ画素11(特にフォトダイオードPD)を水平面内方向において取り囲むように形成されており、さらに、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)に延在して形成されている。素子分離部34は、互いに隣接する2つのフォトダイオードPDの間に形成されている。素子分離部34は、例えば、金属埋め込み部34AおよびP型半導体部34Bによって構成されている。
【0038】
金属埋め込み部34AおよびP型半導体部34Bは、ともに、センサ画素11(特にフォトダイオードPD)を水平面内方向において取り囲むとともに、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)に延在している。P型半導体部34Bは、金属埋め込み部34Aの側面に接して形成されており、金属埋め込み部34AとフォトダイオードPDとの間に形成されている。金属埋め込み部34Aは、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)を用いて形成されている。金属埋め込み部34Aは、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成されている。P型半導体部34Bは、導電型がP型の半導体によって形成されている。
【0039】
素子分離部36は、センサ画素11(特に、第1転送トランジスタTRX、第2転送トランジスタTRM、電荷保持部MEM、第3転送トランジスタTRG、フローティングディフュージョンFDおよび排出トランジスタOFG)を水平面内方向において取り囲むように形成されており、さらに、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)に延在して形成されている。素子分離部36は、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)において素子分離部34と対向する位置に設けられている。素子分離部36は、例えば、金属埋め込み部36Aおよび絶縁膜36Bによって構成されている。
【0040】
金属埋め込み部36Aおよび絶縁膜36Bは、ともに、センサ画素11(特に、第1転送トランジスタTRX、第2転送トランジスタTRM、電荷保持部MEM、第3転送トランジスタTRG、フローティングディフュージョンFDおよび排出トランジスタOFG)を水平面内方向において取り囲むとともに、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)に延在している。絶縁膜36Bは、金属埋め込み部36Aの側面に接して形成されており、金属埋め込み部36Aとセンサ画素11との間に形成されている。金属埋め込み部36Aは、例えば、CVDを用いて形成されている。金属埋め込み部36Aは、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成されている。絶縁膜36Bは、例えば、半導体基板31を熱酸化することにより形成された酸化膜であり、例えば、酸化シリコンによって形成されている。
【0041】
素子分離部34の上部と素子分離部36の下部とが半導体基板31の法線方向(厚さ方向)において互いに連結されている。素子分離部34および素子分離部36からなる複合体が、本開示の「分離部」の一具体例に相当する。素子分離部34および素子分離部36からなる複合体は、各センサ画素11を電気的かつ光学的に分離する。素子分離部34および素子分離部36からなる複合体は、受光面31Aから形成面31Bまで延在して形成されている。つまり、素子分離部34および素子分離部36からなる複合体は、半導体基板31を貫通している。
【0042】
第1基板30は、さらに、フォトダイオードPDと電荷保持部MEMとの間の層内に延在して形成された遮光部37を有している。遮光部37は、受光面31Aを介して入射した光の、電荷保持部MEMへの入射を遮る。遮光部37は、例えば、金属埋め込み部37Aおよび絶縁膜37Bによって構成されている。絶縁膜37Bは、金属埋め込み部37Aの上面、下面および側面に接して形成されており、金属埋め込み部37Aを覆うように形成されている。
【0043】
金属埋め込み部37Aは、例えば、CVDを用いて形成されている。金属埋め込み部37Aは、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成されている。絶縁膜37Bは、例えば、半導体基板31を熱酸化することにより形成された酸化膜であり、例えば、酸化シリコンによって形成されている。絶縁膜37Bは、SiO2膜(シリコン酸化膜)を含む多層膜によって構成されていてもよい。絶縁膜37Bは、例えば、SiO2膜(シリコン酸化膜)、SCF膜およびSiO2膜(シリコン酸化膜)からなる積層構造となっていてもよい。SCF膜は、例えば、酸化ハフニウム、酸化ジルコン、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化タンタルなどによって構成されている。絶縁膜37Bは、SiO2(シリコン酸化物)からなる単層膜となっていてもよい。金属埋め込み部37Aが、本開示の「遮光部」の一具体例に相当する。絶縁膜37Bが、本開示の「遮電荷部」の一具体例に相当する。
【0044】
金属埋め込み部37Aは、素子分離部34の金属埋め込み部34Aの上部に接して形成されている。金属埋め込み部37Aは、半導体基板31の裏面(受光面31A)を介して入射した光の、電荷保持部MEMへの入射を遮る。金属埋め込み部37Aは、フォトダイオードPDと電荷保持部MEMとの間の層内に配置されている。金属埋め込み部37Aは、半導体基板31の法線方向(厚さ方向)に延在するシート状の金属層である。金属埋め込み部37Aは、素子分離部34の金属埋め込み部34Aの上部と、素子分離部36の金属埋め込み部36Aの下部とに接して形成されている。絶縁膜37Bは、素子分離部36の絶縁膜36Bに接して形成されている。つまり、素子分離部34,36は、遮光部37と連結されている。
【0045】
金属埋め込み部37Aは、垂直ゲート電極VGが貫通する開口37Hを有している。つまり、金属埋め込み部37Aは、開口37H以外の箇所で、半導体基板31の裏面(受光面31A)を介して入射した光の、電荷保持部MEMへの入射を遮る。開口37Hには、半導体基板31の一部(半導体部31C)が存在しており、この半導体部31Cが、第1転送トランジスタTRXへ電荷を転送する転送路として機能する。絶縁膜37Bは、金属埋め込み部37Aを覆っており、金属埋め込み部37Aと、垂直ゲート電極VGとを絶縁分離する。金属埋め込み部37Aおよび垂直ゲート電極VGは、ともに、絶縁膜37Bに接して形成されている。絶縁膜37Bは、開口37Hのうち電荷保持部MEM寄りの端縁と垂直ゲート電極VGとの間を介した、第1転送トランジスタTRXへの電荷の転送を遮る。従って、開口37Hのうち電荷保持部MEM寄りの端縁(つまり、金属埋め込み部37Aの端縁のうち、電荷保持部MEM寄りの端縁)と、垂直ゲート電極VGとの間には、第1転送トランジスタTRXへ電荷を転送する転送路が存在していない。言い換えると、開口37Hのうち電荷保持部MEM寄りの端縁(つまり、金属埋め込み部37Aの端縁のうち、電荷保持部MEM寄りの端縁)と、垂直ゲート電極VGとの間には、受光面31Aを介して入射した光が電荷保持部MEMに侵入する経路が存在しないか、または、ほとんど存在しない。なお、開口37Hのうち電荷保持部MEMから遠く離れた端縁(つまり、金属埋め込み部37Aの端縁のうち、電荷保持部MEMから遠く離れた端縁)と、垂直ゲート電極VGとの間には、第1転送トランジスタTRXへ電荷を転送する転送路が存在している。
【0046】
[製造方法]
次に、固体撮像装置1の製造方法について説明する。
図8A~
図8Lは、固体撮像装置1の製造過程の一例を表したものである。
【0047】
まず、フォトダイオードPD、P型半導体部34B、フローティングディフュージョンFD、電荷保持部MEMなどが形成された半導体基板31を用意する(
図8A)。次に、半導体基板31の上面(形成面31B)に、形成面31Bを選択的に覆うハードマスク110を形成する(
図8A)。ハードマスク110は、素子分離部36を形成する予定の位置に開口H1を有しており、例えば、SiN(窒化珪素)やSiO
2(酸化珪素)などの絶縁材料からなる。
【0048】
次に、ハードマスク110を利用したドライエッチングにより、半導体基板31を構成するSi(111)のうち開口H1において露出した部分を掘り下げることで、素子分離部36を形成する予定の位置にトレンチH2を形成する(
図8B)。このときのトレンチH2の深さが、後に形成される素子分離部36の深さ方向の寸法に対応する。なお、後述の半導体基板31に対するウェットエッチングの実施の際、<111>方向にも僅かにエッチング処理が進行するので、それを考慮してトレンチH2の深さを調節するとよい。
【0049】
次に、トレンチH2の側面を覆うようにサイドウォール33sを形成する(
図8C)。サイドウォール33sを形成する際には、例えばSiNやSiO
2などからなる絶縁膜をトレンチH2の内面、すなわちトレンチH2の側面および底面を覆うように形成したのち、ドライエッチバックにより、トレンチH2の底面を覆う絶縁膜のみを除去する。このとき、半導体基板31の上面(形成面31B)を選択的に覆うハードマスク110をドライエッチバックにより除去せずに残存させるため、サイドウォール33sの構成材料はハードマスク110の構成材料と異なるものを用いるとよい。
【0050】
次に、トレンチH2の底面をさらに掘り下げるように、半導体基板31を構成するSi(111)をドライエッチバックにより一部除去する(
図8D)。その際、例えば遮光部37の厚さに対応する深さ分だけ、トレンチH2の底面をさらに掘り下げる。この場合も、後述の半導体基板31に対するウェットエッチングの実施の際、<111>方向にも僅かにエッチング処理が進行するので、それを考慮してトレンチH2の底面からの掘り下げ深さを調節するとよい。
【0051】
次に、トレンチH2に所定のアルカリ水溶液を注入し、ウェットエッチングを行うことで、半導体基板31を構成するSi(111)を一部除去する(
図8E)。アルカリ水溶液としては、無機溶液であればKOH,NaOH,またはCsOHなどが適用可能であり、有機溶液であればEDP(エチレンジアミンピロカテコール水溶液),N
2H
4(ヒドラジン),NH
4OH(水酸化アンモニウム),またはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などが適用可能である。
【0052】
ここでは、Si(111)の面方位に応じてエッチングレートが異なる性質を利用した結晶異方性エッチングを行う。具体的には、Si(111)基板においては、<111>方向のエッチングレートに対して<110>方向のエッチングレートが十分に高くなる。したがって、本実施の形態では、半導体基板31の上面(形成面31B)と平行な所定の方向(第1方向)へのエッチングが進行する一方、半導体基板31の上面(形成面31B)と平行な方向であって、かつ、第1方向と直交する第2方向や、半導体基板31の上面(形成面31B)と直交する第3方向にはほとんどエッチングが進行しないこととなる。その結果、Si(111)基板である半導体基板31の内部に、結晶面31D,31E,31Fによって囲まれた、トレンチH2と連通する空洞部51が形成される(
図8E)。このとき、半導体基板31のうち、空洞部51と同一の層内に、半導体部31Cが形成される。
【0053】
空洞部51を形成した後、ハードマスク110およびサイドウォール33sを、例えばウェットエッチングにより除去する。なお、等方性のドライエッチングによりハードマスク110およびサイドウォール33sの除去を行うことが可能な場合もある。ウェットエッチングでは、ハードマスク110等がSiO2からなる場合には、例えばDHF(希フッ酸)やBHF(バッファードフッ酸)などのHF(フッ酸)が含有される薬液を用い、ハードマスク110等がSiNからなる場合には、ホットりん酸(hot phosphoricacid)やHFが含有される薬液を用いるとよい。なお、ハードマスク110およびサイドウォール33sの除去を行わなくともよい。
【0054】
次に、トレンチH2の側面および空洞部51の内面と、半導体基板31の上面(形成面31B)とを覆うように絶縁膜37Bを形成し、さらに、トレンチH2および空洞部51を埋めるように埋め込み部35を形成する(
図8F)。なお、空洞部51を隙間なく充填するためには、空洞部51の厚さ(形成面31Bと直交する方向の寸法)よりもトレンチH2の幅(形成面31Bと平行な方向の寸法)が広いことが望ましい。また、埋め込み部35として、この段階において金属材料を用いた場合には、その後の高温を伴う処理を行うことが困難となる。そこで、SiO
2やSiN、あるいはポリシリコンなどの比較的耐熱性に優れる材料からなる埋め込み部35で、一時的にトレンチH2および空洞部51を埋めておき、後の高温を伴う工程が終了してから、例えば読み出し回路12の形成工程が終了してから、所定の金属材料に置換するようにするとよい。
【0055】
次に、半導体基板31に、半導体部31Cを貫通するトレンチH3を形成する(
図8G)。このとき、トレンチH3の側面に絶縁膜37Bが露出するように、トレンチH3を形成する。さらに、トレンチH3の底面がN型半導体領域32A(フォトダイオードPD)に達する深さにまでトレンチH3を形成する。
図8Gに示したように、トレンチH3の側面に絶縁膜37Bが突出していてもかまわない。
【0056】
次に、トレンチH3を埋め込むように、垂直ゲート電極VGを形成する(
図8H)。このとき、垂直ゲート電極VGは、金属材料によって形成されていてもよいし、ポリシリコンによって形成されていてもよい。次に、第1転送トランジスタTRX、第2転送トランジスタTRM、第3転送トランジスタTRGおよび排出トランジスタOFGを形成するとともに、これらを埋め込む絶縁層32を形成する(
図8I)。
【0057】
次に、例えば、ドライエッチングを用いて、半導体基板31の受光面31A側から、P型半導体部34BにトレンチH4を形成する(
図8J)。このとき、トレンチH4の底面が、埋め込み部35に達する深さまでトレンチH4を形成する。続いて、所定の薬液を用いたウェットエッチングにより、埋め込み部35を除去する。その結果、埋め込み部35が除去された位置に、積層面内方向に広がり、トレンチH4と繋がる空洞部53が形成される(
図8K)。このときの薬液としては、例えば、フッ酸が用いられる。ここで、絶縁膜37Bはエッチングされずに残るので、垂直ゲート電極VGと空洞部53との間には、絶縁膜37Bが残る。
【0058】
次に、例えば、CVDにより、トレンチH4および空洞部53を埋め込むように金属埋め込み部34A,36A,37Aを形成する(
図8L)。その後、CMPによる表面研磨により、表面を平坦化する。続いて、半導体基板31の受光面31Aに第2基板40を貼り合わせるとともに、受光レンズ50を受光面31Aに貼り合わせる。このようにして、本実施の形態に係る固体撮像装置1が製造される。
【0059】
[効果]
次に、比較例と対比しつつ、本実施の形態に係る固体撮像装置1の効果について説明する。
【0060】
図9は、比較例に係る固体撮像装置100の画素の断面構成の一例を表したものである。
図10は、固体撮像装置100の画素の概略構成の一例を斜視的に表したものである。固体撮像装置100は、上記特許文献1に記載の固体撮像装置であり、固体撮像装置1において、遮光部37の代わりに遮光部370が設けられた構成となっている。
【0061】
遮光部370は、第1基板30の面内方向に延在する金属層370Aと、金属層370Aの上面、下面および側面を多く絶縁膜370Bとにより構成されている。半導体基板31のうち、遮光部370の開口370H内に設けられた部分(半導体部310C)が、固体撮像装置1における半導体部31Cと同様、電荷の転送路となっている。半導体部310Cは、半導体部31Cとは異なり、金属層370Aを形成する前にメサ状に形成される。このように、固体撮像装置100では、電荷の転送路が形成された後に、メサ状の半導体部310Cの周囲に金属層370Aが形成され、その後、メサ状の半導体部310Cを貫通する垂直ゲート電極VGが形成される。そのため、金属層370Aと垂直ゲート電極VGとの間には、電荷の転送路が大きく形成されている。しかし、そのような構成となっているために、受光面31Aを介して入射した光Lが、半導体部310Cを介して、電荷保持部に侵入し易くなっている。その結果、電荷保持部への光入射に起因するノイズが発生してしまう。
【0062】
一方、本実施の形態では、金属埋め込み部37Aの、電荷保持部MEM寄りの端縁と垂直ゲート電極VGとの間に、絶縁膜37Bが設けられている。これにより、金属埋め込み部37Aの、電荷保持部MEM寄りの端縁と垂直ゲート電極VGとの間を介した、転送トランジスタへの電荷の転送が絶縁膜37Bによって遮られる。その結果、金属埋め込み部37Aの開口37Hに絶縁膜37Bが設けられていない場合と比べて、電荷保持部MEMへの光入射を低減することができる。従って、電荷保持部MEMへの光入射に起因するノイズを低減することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、絶縁膜37Bは、金属埋め込み部37Aと垂直ゲート電極VGとを絶縁分離する。これにより、絶縁膜37Bによって、金属埋め込み部37Aと垂直ゲート電極VGとを絶縁分離しつつ、電荷保持部MEMへの光入射を低減することができる。
【0064】
また、本実施の形態では、金属埋め込み部37Aおよび垂直ゲート電極VGは、ともに、絶縁膜37Bに接して形成されている。これにより、絶縁膜37Bによって、金属埋め込み部37Aと垂直ゲート電極VGとを絶縁分離しつつ、電荷保持部MEMへの光入射を低減することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、絶縁膜37Bは、シリコン酸化物からなる単層膜、またはシリコン酸化膜を含む多層膜によって構成されている。これにより、絶縁膜37Bによって、金属埋め込み部37Aと垂直ゲート電極VGとを絶縁分離しつつ、電荷保持部MEMへの光入射を低減することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、各センサ画素11を電気的かつ光学的に分離する金属埋め込み部34A,36Aが、金属埋め込み部37Aと連結されている。これにより、金属埋め込み部34A,36Aが、金属埋め込み部37Aから離れて形成されている場合と比べて、電荷保持部MEMへの光入射を低減することができる。従って、電荷保持部MEMへの光入射に起因するノイズを低減することができる。
【0067】
また、本実施の形態では、金属埋め込み部34A,36Aからなる複合体が、受光面31Aから形成面31Bまで延在して形成されている。これにより、金属埋め込み部34A,36Aからなる複合体が、受光面31Aと形成面31Bとの間の層内の一部にだけ形成されている場合と比べて、電荷保持部MEMへの光入射を低減することができる。従って、電荷保持部MEMへの光入射に起因するノイズを低減することができる。
【0068】
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態に係る固体撮像装置1の変形例について説明する。
【0069】
上記実施の形態では、垂直ゲート電極VGは、棒状となっていた。しかし、上記実施の形態において、垂直ゲート電極VGが、例えば、
図11に示したように、受光面31Aを介して入射した光の、電荷保持部MEMへの入射を遮る壁部VGa,Vgbを有していてもよい。壁部VGaおよび壁部VGbは、金属埋め込み部37Aの開口37Hのうち、電荷保持部MEM寄りの端部に沿って配置されている。このようにした場合には、壁部VGa,Vgbで、受光面31Aを介して入射した光の、電荷保持部MEMへの入射を遮ることができるので、電荷保持部MEMへの光入射に起因するノイズを低減することができる。
【0070】
また、上記実施の形態において、垂直ゲート電極VGが、例えば、
図12に示したように、受光面31Aを介して入射した光の、電荷保持部MEMへの入射を遮る壁部VGaを有していてもよい。壁部VGaは、金属埋め込み部37Aの開口37Hのうち、電荷保持部MEM寄りの端部に沿って配置されている。このようにした場合にも、壁部VGaで、受光面31Aを介して入射した光の、電荷保持部MEMへの入射を遮ることができるので、電荷保持部MEMへの光入射に起因するノイズを低減することができる。
【0071】
<3.適用例>
図13は、上記実施の形態およびその変形例に係る固体撮像装置1を備えた撮像システム2の概略構成の一例を表したものである。撮像システム2は、本開示の「電子機器」の一具体例に相当する。
【0072】
撮像システム2は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。撮像システム2は、例えば、上記実施の形態およびその変形例に係る固体撮像装置1、光学系141、シャッタ装置142、制御回路143、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147、操作部148および電源部149を備えている。撮像システム2において、上記実施の形態およびその変形例に係る固体撮像装置1、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147、操作部148および電源部149は、バスライン150を介して相互に接続されている。
【0073】
光学系141は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を固体撮像装置1に導き、固体撮像装置1の受光面に結像させる。シャッタ装置142は、光学系141および固体撮像装置1の間に配置され、制御回路143の制御に従って、固体撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御する。固体撮像装置1は、光学系141およびシャッタ装置142を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。固体撮像装置1に蓄積された信号電荷は、画素信号(画像データ)として、制御回路143から供給される駆動信号(タイミング信号)に従ってDSP回路144に転送される。つまり、固体撮像装置1は、光学系141およびシャッタ装置142を介して入射された像光(入射光)を受光し、受光した像光(入射光)に応じた画素信号をDSP回路144に出力する。制御回路143は、固体撮像装置1の転送動作、および、シャッタ装置142のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、固体撮像装置1およびシャッタ装置142を駆動する。
【0074】
DSP回路144は、固体撮像装置1から出力される画素信号(画像データ)を処理する信号処理回路である。フレームメモリ145は、DSP回路144により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。表示部146は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、固体撮像装置1で撮像された動画又は静止画を表示する。記憶部147は、固体撮像装置1で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部148は、ユーザによる操作に従い、撮像システム2が有する各種の機能についての操作指令を発する。電源部149は、固体撮像装置1、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147および操作部148の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0075】
次に、撮像システム2における撮像手順について説明する。
【0076】
図14は、撮像システム2における撮像動作のフローチャートの一例を表す。ユーザは、操作部148を操作することにより撮像開始を指示する(ステップS101)。すると、操作部148は、撮像指令を制御回路143に送信する(ステップS102)。制御回路143は、撮像指令を受信すると、シャッタ装置142および固体撮像装置1の制御を開始する。固体撮像装置1(具体的にはシステム制御回路32d)は、制御回路143による制御によって、所定の撮像方式での撮像を実行する(ステップS103)。シャッタ装置142は、制御回路143による制御によって、固体撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0077】
固体撮像装置1は、撮像により得られた画像データをDSP回路144に出力する。ここで、画像データとは、フローティングディフュージョンFDに一時的に保持された電荷に基づいて生成された画素信号の全画素分のデータである。DSP回路144は、固体撮像装置1から入力された画像データに基づいて所定の信号処理(例えばノイズ低減処理など)を行う(ステップS104)。DSP回路144は、所定の信号処理がなされた画像データをフレームメモリ145に保持させ、フレームメモリ145は、画像データを記憶部147に記憶させる(ステップS105)。このようにして、撮像システム2における撮像が行われる。
【0078】
本適用例では、上記実施の形態およびその変形例に係る固体撮像装置1が撮像システム2に適用される。これにより、固体撮像装置1を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な撮像システム2を提供することができる。
【0079】
<4.応用例>
[応用例1]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0080】
図15は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0081】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図29に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0082】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0083】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0084】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0085】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であってもよいし、赤外線等の非可視光であってもよい。
【0086】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0087】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0088】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0089】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0090】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図15の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0091】
図16は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0092】
図16では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0093】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0094】
なお、
図16には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0095】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0096】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0097】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0098】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0099】
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上記実施の形態およびその変形例に係る固体撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部12031小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な移動体制御システムを提供することができる。
【0100】
[応用例2]
図17は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0101】
図17では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0102】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0103】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0104】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0105】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0106】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0107】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0108】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0109】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0110】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0111】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0112】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0113】
図18は、
図17に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0114】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0115】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0116】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0117】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0118】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0119】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0120】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0121】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0122】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0123】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0124】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0125】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0126】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0127】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0128】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0129】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0130】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部11402を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な内視鏡11100を提供することができる。
【0131】
以上、実施の形態およびその変形例、適用例ならびに応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0132】
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
受光面と、
前記受光面と対向配置された複数の画素と
を備え
各前記画素は、
前記受光面を介して入射した光を光電変換する光電変換部と、
前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部と、
前記光電変換部に達する垂直ゲート電極を有し、前記光電変換部から前記電荷保持部に電荷を転送する転送トランジスタと、
前記光電変換部と前記電荷保持部との間の層内に配置され、前記垂直ゲート電極が貫通する開口部を有し、前記開口部以外の箇所で、前記受光面を介して入射した光の、前記電荷保持部への入射を遮る遮光部と、
前記開口部のうち前記電荷保持部寄りの端縁と前記垂直ゲート電極との間を介した、前記転送トランジスタへの電荷の転送を遮る遮電荷部と
を有する
固体撮像装置。
(2)
前記遮電荷部は、前記遮光部と前記垂直ゲート電極とを絶縁分離する
(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記遮光部および前記垂直ゲート電極は、ともに、前記遮電荷部に接して形成されている
(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記遮電荷部は、シリコン酸化物からなる単層膜、またはシリコン酸化膜を含む多層膜によって構成されている
(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(5)
前記垂直ゲート電極は、前記受光面を介して入射した光の、前記電荷保持部への入射を遮る壁部を有する
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(6)
各前記遮光部と連結され、各前記画素を電気的かつ光学的に分離する分離部を更に備えた
(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(7)
前記受光面と、前記転送トランジスタの形成面とを有し、各前記画素が形成された半導体基板を更に備え、
前記分離部は、前記受光面から前記形成面まで延在して形成されている
(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
入射光に応じた画素信号を出力する固体撮像装置と、
前記画素信号を処理する信号処理回路と
を備え、
前記固体撮像装置は、
受光面と、
前記受光面と対向配置された複数の画素と
を有し
各前記画素は、
前記受光面を介して入射した光を光電変換する光電変換部と、
前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部と、
前記光電変換部に達する垂直ゲート電極を有し、前記光電変換部から前記電荷保持部に電荷を転送する転送トランジスタと、
前記光電変換部と前記電荷保持部との間の層内に配置され、前記垂直ゲート電極が貫通する開口部を有し、前記開口部以外の箇所で、前記受光面を介して入射した光の、前記電荷保持部への入射を遮る遮光部と、
前記開口部のうち前記電荷保持部寄りの端縁と前記垂直ゲート電極との間を介した、前記転送トランジスタへの電荷の転送を遮る遮電荷部と
を有する
電子機器。
【0133】
本開示の一実施の形態に係る固体撮像装置および電子機器によれば、遮光部の開口部に遮電荷部が設けられていない場合と比べて、電荷保持部への光入射を低減することができるようにしたので、電荷保持部への光入射に起因するノイズを低減することができる。なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【0134】
本出願は、日本国特許庁において2018年12月27日に出願された日本特許出願番号第2018-244508号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0135】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。