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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】重量選別機
(51)【国際特許分類】
   G01G 7/04 20060101AFI20241112BHJP
   G01G 11/00 20060101ALI20241112BHJP
   G01G 23/16 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G01G7/04
G01G11/00 H
G01G11/00 D
G01G23/16 Z
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021023077
(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公開番号】P2021135294
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】10 2020 104 645.6
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517166125
【氏名又は名称】ミネベア インテック アーヘン ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ライナース
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-117763(JP,A)
【文献】特開2008-116393(JP,A)
【文献】特開2014-197001(JP,A)
【文献】実開平1-180735(JP,U)
【文献】実開平5-12421(JP,U)
【文献】登録実用新案第3202430(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 11/00-11/20、
1/00-9/00、
21/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品(2)の重さを計る重量選別器(1)であって、
前記重量選別器(1)は、少なくとも1つの計量領域(4)とロードセル(8)とを備え、
前記ロードセル(8)は、接地体(10)と力導入領域(9)とを有しており、
前記力導入領域(9)は、前記接地体(10)に少なくとも1つの平行四辺形ガイドを介して結合されており、前記力導入領域(9)に少なくとも2つのレバー(17)から成るレバー装置(16)が結合されており、
前記少なくとも2つのレバー(17)は、支持ジョイント(18)により前記接地体(10)に支持されていて、連結ロッドおよび荷重ジョイントを介して互いに結合されており、
前記レバー装置(16)の最後のレバー(19)に補償コイル(20)が配置されており、前記ロードセル(8)は、前記計量領域(4)に力導入領域(9)を介して結合されており、
前記計量領域(4)の上流側に、前記計量領域(4)上に搬送される製品(2)を検知する検出装置(7)が配置されていて、
評価装置が、製品(2)の検出に基づいて、規定された予荷重に対応する電流を前記ロードセルの前記補償コイル(20)に供給する
ことを特徴とする重量選別器(1)。
【請求項2】
前記補償コイル(20)は、規定された予荷重を形成するために、前記レバー装置(16)をゼロ位置から変位させることを特徴とする請求項1記載の重量選別器(1)。
【請求項3】
前記評価装置は、目標重量の予め規定された値よりも小さい予荷重に対応する電流を前記補償コイル(20)に供給することを特徴とする請求項1または2記載の重量選別器(1)。
【請求項4】
前記レバー装置(16)の前記最後のレバー(19)に第2のコイル(24)が配置されており、該第2のコイル(24)に、前記予荷重に対応する力に対応する電流が供給され、前記補償コイル(20)に、前記レバー装置(16)をゼロ位置に保持する電流が供給されることを特徴とする請求項1または3記載の重量選別器(1)。
【請求項5】
前記補償コイル(20)および前記第2のコイル(24)は、逆方向に作用することを特徴とする請求項4記載の重量選別器(1)。
【請求項6】
前記補償コイル(20)および前記第2のコイル(24)は、上下に重なり合って配置されていることを特徴とする請求項4または5記載の重量選別器(1)。
【請求項7】
重量選別器(1)のロードセル(8)に予荷重を加える方法であって、
前記重量選別器(1)は、少なくとも1つの計量領域(4)とロードセル(8)とを備え、
前記ロードセル(8)は、接地体(10)と力導入領域(9)とを有しており、
前記力導入領域(9)は、前記接地体(10)に少なくとも1つの平行四辺形ガイドを介して結合されており、前記力導入領域(9)に少なくとも2つのレバー(17)から成るレバー装置(16)が結合されており、
前記少なくとも2つのレバー(17)は、支持ジョイント(18)により前記接地体(10)に支持されていて、連結ロッドおよび荷重ジョイントを介して互いに結合されており、
前記レバー装置(16)の最後のレバー(19)に補償コイル(20)が配置されており、前記ロードセル(8)は、前記計量領域(4)に力導入領域(9)を介して結合されており、
前記計量領域(4)の上流側に、前記計量領域(4)上に搬送される製品(2)を検知して、評価装置に信号を送信する検出装置(7)が配置されていて、
前記評価装置は、前記検出装置(7)の信号に基づいて、規定された予荷重に対応する規定された電流を前記補償コイル(20)に供給することを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記予荷重を形成する電流を、前記製品(2)が前記計量領域(4)上に少なくとも部分的に載置されるや否や減少させることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記評価装置は、2つの製品(2)の間の時間および/または間隔を前記検出装置(7)により求めることを特徴とする請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記最後のレバー(19)に第2のコイル(24)が配置されていて、
前記第2のコイル(24)に、前記予荷重に対応する力を作用させる電流を供給し、前記補償コイル(20)は、前記レバー装置(16)をゼロ位置で保持し、
前記製品(2)が前記計量領域(4)上に少なくとも部分的に載置された場合に、前記第2のコイル(24)への電流供給を停止する、かつ/または前記第2のコイル(24)の電流を、前記第2のコイル(24)が測定結果に影響を与えない程度にまで減じる
ことを特徴とする請求項7から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記ロードセル(8)のコールドスタート時に、前記補償コイル(20)および/または前記第2のコイル(24)は、温度ドリフトを補償することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
コールドスタート時に、前記補償コイル(20)および/または前記第2のコイル(24)を、規定された時間の間、最大出力で運転することを特徴とする請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
前記評価装置は、前記製品(2)の重量が閾値を上回るまたは下回るや否や、前記製品(2)の計量を終了し、前記製品(2)を製品流れから取り除く信号を排出ユニットに伝達することを特徴とする請求項7から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記評価装置は、重さを計るべき製品(2)に依存して自動的に前記閾値を調節することを特徴とする請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
製品の重さを量る重量選別器及び方法であって、重量選別器は、少なくとも1つの計量領域およびロードセルを有しおり、ロードセルは、計量領域に力導入領域を介して結合されている。
【0002】
背景技術
先行技術に基づいて、多数の動的な重量選別器(checkweigher:チェックウェイア)が知られている。この計量装置は、搬送装置を有しており、搬送装置は、1つまたは複数のロードセル上に組み付けられた一体的または複数部分から成る搬送ベルトであることが多い。重さを計るべき製品は、供給ベルトから、重量選別機の計量ベルトもしくは計量領域へと送られ、導出ベルトへと引き続き搬送される。重量選別機の計量ベルト上において製品の重さが計られ、その際、製品は計量ベルト上を規定の搬送速度において送られる。したがって、製品の計量は、定置の計量器におけるような静止状態ではなく、製品が重量選別機の計量ベルト上を移動している間に行われる。したがって、重量選別機により製品の計量は、動的な計量(dynamische Verwiegung)とも呼ばれる。
【0003】
この計量時に製品の高い処理量を達成するために、ロードセルの整定時間は、制限要因となる。なぜならば、ロードセルは、計量ベルト上への製品の乗入れ時に急激に変位するからである。したがって、製品が計量ベルト上を走行している時間の大部分は、ロードセルの整定のために必要とされる。ロードセルが比較的安定的な値を出力するようになってようやく、製品の重量を確実に求めることができる。
【0004】
独国特許出願公開第10322504号明細書は、中間値形成によってできるだけ正確な製品の重量値を出力するために、フィルタ装置を有している重量選別器を開示している。
【0005】
さらに、独国特許出願公開第3334489号明細書は、装置の運転を中断することなしにロードセルを時々検定するために、計量ベルトを重量選別器の作業中に上昇させ、既知の力をロードセルの力導入領域に作用させる装置が設けられていることによって、継続する運転中に検定することができる重量選別器を開示している。
【0006】
先行技術における欠点は、ロードセルの整定時間に影響を与えることができず、したがって、処理量を増大することが不可能であるか、または処理量の増大時に測定の精度が減じられてしまうことにある。
【0007】
概要
したがって、本発明の課題は、先行技術で知られている欠点を排除するか、少なくとも減じて、特に、重量検出の精度が同一のままであるか、または高められた状態で、製品のより高い処理量を可能にする、重量選別器を提供することである。
【0008】
この課題は、冒頭で述べた形式の重量選別器において、計量領域の上流側に、検出装置が配置されていて、検出装置が、計量領域上に搬送される製品を検知し、評価装置が、製品の検出に基づいて、規定された予荷重に対応する電流をロードセルの補償コイルに供給することにより達成される。特に、重さを計るべき製品に予荷重を動的に適合させることができる。なぜならば、予荷重に対応してコイルに通電することができ、ロードセルに予荷重を加えることができる、またはロードセルを変位された位置にもたらすことができるからである。したがって、補償コイルは、規定された予荷重を形成するためにレバー装置をゼロ位置から変位させる。これにより、ロードセルの整定時間が著しく減じられる。なぜならば、ロードセルの変位が、予荷重と、製品の実際の重量との差異によってのみ生じるからである。したがって、信号フィルタを、より良好にこの差測定に適合させることができる。
【0009】
重量選別器は、運動する製品の重さを連続的に計るための重量選別器であっても、たとえばロボットにより製品が置かれる定置の計量器であってもよい。
【0010】
ロードセルは、接地体および力導入領域を有している。力導入領域は、接地体に少なくとも1つの平行四辺形ガイドを介して結合されており、力導入領域にレバー装置が結合されている。レバー装置は、少なくとも2つのレバーから成っており、少なくとも2つのレバーは、支持ジョイントにより接地体上に支持されていて、連結ロッドおよび荷重ジョイントを介して互いに結合されている。特に第2のレバーまたは最後のレバーは、端部に補償コイルが配置されている補償レバーである。力導入領域に荷重が加えられると、力導入領域には接地部に対して相対的に力が加えられる。レバー装置に作用する力に基づいて、補償レバーの最小の変位が生じ、この変位が、力補償部により、特に補償コイルおよび磁石により再び補償される。
【0011】
ゼロ位置は、ロードセルがスイッチオンされ、補償コイルに電流が供給されるや否や最後のレバーが占める、最後のレバーの位置である。換言すると、ゼロ位置は、力補償部もしくは力補償コイルおよび磁石が最後のレバーを好適には水平位置に保持する、最後のレバーの位置である。このためには、ロードセル内に位置センサが配置されている。この位置センサは、光源、受光器および特に光学スリットを含んでいる。光学スリットは、好適には最後のレバー上に配置されている。受光器の信号に基づいて、最後のレバーが変位された位置に位置していて、対応してコイルに強く通電する必要があるか、または最後のレバーがゼロ位置に位置しているかが測定される。
【0012】
別の1つの構成では、評価装置は、予荷重に対応する電流を補償コイルに供給する、またはこれにより目標重量の予め規定された値よりも小さい予荷重をシミュレーションする。特に、補償コイルのためのコイル電流は、これによりシミュレーションされた予荷重が少なくとも1%、好適には少なくとも3%、特に好適には少なくとも5%だけ目標重量より小さいように、評価装置により制御される。これにより、予荷重を下回った場合にコイル電流は小さくなるので、製品が予荷重より小さい場合には、正確な重量を求めることなしに、製品を直接に排出することができる。
【0013】
別の1つの構成では、レバー装置の最後のレバーに第2のコイルが配置されており、第2のコイルに、予荷重に対応する力に対応する電流が供給され、補償コイルにレバー装置をゼロ位置に保持する電流が供給される。このためには、補償コイルと第2のコイルとが逆方向に作用する。この場合、計量領域上への製品の少なくとも部分的な、特に完全な載置もしくは乗入れ時に、レバー装置は、最小限にしか変位させられないことが特に有利である。これにより、整定時間が著しく減じられる。さらに、計量領域上への製品の載置時もしくは乗入れ時に評価装置によって、第2のコイルが、急激にスイッチオフされるのではなく、予荷重を加えることが完全に非作動にされるまで、たとえば製品長さに応じて緩慢に予荷重が低下するように、第2のコイルを制御することができる。これにより、整定時間がさらに減じられ、処理量を著しく高めることができる。
【0014】
別の1つの構成では、補償コイルと第2のコイルとが上下に重なり合って配置されている。補償コイルと第2のコイルとは、レバー装置の最後のレバーに結合されている。好適には、補償コイルと第2のコイルとが、重なり合って配置されていてもよい。補償コイルは、第2のコイルとは別の巻き方向を有している。
【0015】
別の1つの構成では、重量選別器の計量システムに予荷重を加えることは、計量領域の上流側に検出装置が配置されていて、検出装置が、特に供給ベルトから計量領域に搬送される製品を検知して、評価装置に信号を送信し、評価装置が、検出装置信号に基づいて、規定された予荷重に対応する規定された電流を補償コイルに供給することにより、行われる。特に、予荷重を形成するための電流は、製品が少なくとも部分的に計量領域上に載置されるか、もしくは乗り入れるや否や減じられる。このためには、評価装置が、たとえば、2つの製品の間の時間および/または間隔を検出装置により求めることができる。求められた時間および/または求められた間隔に基づいて、評価ユニットは、たとえばロードセルの少なくとも1つのコイル、すなわち補償コイルおよび/または第二のコイルを制御することにより、予荷重を適切に制御することができる。
【0016】
別の1つの構成では、計量領域上への製品の少なくとも部分的な載置もしくは乗入れ時に、第2のコイルを停止させるか、または予荷重を形成するための電流が減じられ、これにより製品の重量を求めることができる。このためには、評価ユニットにおいて、第2のコイルへの給電を停止するか、または評価ユニットが規定された時間にわたって第2のコイルを制御するための電流を、第2のコイルがもはや影響を及ぼさなくなるまで下げるように、第2のコイルへの給電が制御される。次いで、製品の実際の重量が求められる。
【0017】
別の1つの構成では、ロードセルのコールドスタート時に、補償コイルおよび/または第2のコイルが、温度ドリフトを補償することができる。コールドスタートとは、ロードセルが非作動であるか、給電部から分離されていて、ロードセルのコイルもしくは全ての電気的な構成部材ならびに機械的な構成部材が冷えているか、通常運転中よりも低い温度を有していて、ロードセルの設置空間の周辺温度の比較的低い温度に対応することを意味している。ロードセルへの電圧供給が開始されるや否や、ロードセルの全ての構成部材は、構成部材の運転温度が生じるまで暖められる。このウォームアップ時間中に、ゼロ点移動ならびロードセルの低い感度が生じてしまう。したがって、ウォームアップ時間を短縮するために、ロードセルのコイルを、比較的高い出力で運転すると有利である。このためには、たとえば評価ユニットが、ロードセルの電圧供給の開始時に、コイルを、ロードセルの通常の運転中よりも高い規定された出力で運転することができる。特に、コールドスタート時には、補償コイルおよび/または第2のコイルを、規定された時間の間かつ/またはロードセルの内部において規定された温度が達成されるまで、その最大出力で運転させる。このためには、好適には、ロードセル内に温度センサが配置されていて、温度センサは、ロードセル内の温度を監視する。ロードセルがその運転温度を有するや否や、コイルにはその通常の運転電流が供給される。
【0018】
1つの別の構成では、評価装置は、製品の重量が閾値を上回るまたは下回るや否や、製品の重さを計ることを終了し、評価装置は、製品を製品流から取り除く信号を排出ユニットに伝達する。この場合、重量を正確に求めることは必要ない。製品は、下側の閾値が下回られるまたは上側の閾値が上回られるや否や、取り除かれる。たとえば、下側の閾値は、目標重量値の97%であり、好適には目標重量値の95%であり、特に好適には目標重量値の90%である。上側の閾値は、たとえば目標重量値の103%であり、好適には目標重量値の105%であり、特に好適には目標重量値の110%であってよい。さらに、評価装置は、重さを計るべき製品に依存して閾値を自動的に調節することができる。好適には、重量選別器は、このために別の検出装置を有していてよく、この検出装置は、たとえば形状または製品特徴部、特にバーコードまたはQRコードを検知し、評価ユニットは、目標重量値に割り当てられた上側の閾値および下側の閾値を自動的に調節する。
【0019】
別の有利な態様は、図面に関連した好適な実施例の以下の説明に基づいて明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】重量選別器の概略図である。
図2】ロードセルの断面図である。
図3ロードセルの横断面である。
【0021】
実施例の詳細な説明
図1は、重量選別器1の概略図を示している。重量選別器1では、製品2の計量は、移動状態において行われる。この重量選別器1では、製品2は、供給ベルト3から、重量選別器1の計量領域4上へとガイドされ、次いで導出ベルト5へと引き続き搬送される。本実施の形態では、計量領域4は、計量ベルト4である。計量領域4上において製品2の重量が求められる。付加的に、供給ベルト3または計量領域4の上流側に、製品を検知する検出装置7が配置されている。好適には、検出装置7は、ライトバリアである。さらに、重量選別器1、特に導出ベルト5には、プッシャまたは分岐器)が配置されていてよい。この分岐器は、製品2が目標重量値を規定された値だけ下回るまたは上回った場合、製品2を製品流れから導出することができる。付加的には、重量選別器1は、ディスプレイ6を有しており、このディスプレイ6を介して、製品2の重量を表示することができるか、または重量選別器1における調節を実施することができる。
【0022】
図2は、ロードセル8の横断面を示している。ロードセル8は、力導入領域9と、接地体10と、上側の平行四辺形リンク11ならびに下側の平行四辺形リンク12とを含んでいる。上側の平行四辺形リンク11と下側の平行四辺形リンク12とは、前側のジョイント箇所13と後側のジョイント箇所14とを有している。接地体10は、突き出した領域15を有している。この突き出した領域15は、接地体10から力導入領域9の方向に延びていて、したがってレバー装置16内に突入している。接地体10の突き出した領域15には、レバー装置16の少なくとも1つのレバー17が第1の支持ジョイント18を介して支持されている。レバー装置16は、本実施の形態では3つのレバー17を有している。最後のレバー19または補償レバー19に、補償コイル20が配置されている。この補償コイル20は、コイル支持体21を介して最後のレバー19に結合されている。さらに、過負荷ストッパ22が接地体10に配置されており、この過負荷ストッパ22は、最後のレバー19の最大の変位を制限する。補償コイル20の下には、磁石ポット23が配置されている。この磁石ポット23は、接地体10内に配置されていて、接地体内に取り付けられている。さらに、力導入領域9は、計量領域4に結合されており、接地体10は、好適には重量選別器1のフレームまたは支持構造体に取り付けられている。
【0023】
重量選別器1の運転時には、製品2は、供給ベルト3から計量領域4へと送られる。供給ベルト3には検出装置7が配置されている。検出装置は、通過する製品2を検出し、重量選別器1の評価ユニットに信号を送信する。検出装置7の信号に基づいて、評価ユニットは、たとえば、別のセンサ、特にロータリエンコーダにより検出することができる既知の送り速度および計量領域4と検出装置7との距離に基づいて、製品2が計量領域4上に乗り入れる時点を計算する。次いで、ロードセル8に予荷重を加えるために、ロードセル8の補償コイル20に規定された予荷重に対応する電流を供給すべきであるという信号が評価ユニットからロードセル8に送られる。補償コイル20に対応する電流が供給されるや否や、レバー装置16がゼロ位置から変位させられる。製品2が少なくとも部分的に、好適には完全に計量領域4上に載置されるや否や、予荷重を形成するための電流は、この電流が計量結果にもはや影響を及ぼさないように減じられる。次いで製品2の重量をロードセル8により求めることができる。
【0024】
図3は、図2に示したロードセル8の横断面を示している。ロードセル8は、力導入領域9と、接地体10と、上側の平行四辺形リンク11と、下側の平行四辺形リンク12とを備えている。上側の平行四辺形リンク11と下側の平行四辺形リンク12とは、前側のジョイント箇所13と後側のジョイント箇所14とを有している。接地体10は、突き出した領域15を有している。この突き出した領域15は、接地体10から力導入領域9の方向に延びていて、したがってレバー装置16内に突入している。接地体10の突き出した領域15には、レバー装置16の少なくとも1つのレバー17が第1の支持ジョイント18を介して支持されている。レバー装置16は、本実施の形態においては3つのレバー17を有している。最後のレバー19または補償レバー19に、補償コイル20が配置されている。この補償コイル20は、コイル支持体21を介して最後のレバー19に結合されている。付加的に、最後のレバー19に、第2のコイル24が配置されている。第2のコイル24は、補償コイル20の下に配置されている。好適には、第2のコイルも、補償コイルと同一のコイル支持体21内において係合されており、詳細には同一のコイル支持体21に結合されている。代替的には、第2のコイル24は、補償コイル20の上に巻かれていてもよく、第2のコイル24の巻き方向は、好適には補償コイル20の巻き方向とは逆方向である。したがって、補償コイル20と、第2のコイル24とは、反対方向に作用する。好適には、補償コイル20は、ロードセル8の下面に向かう方向もしくは重力方向または最後のレバー19の変位方向とは反対方向に作用し、第2のコイル24は、ロードセル8の上面に向かう方向もしくは重力方向とは反対方向または最後のレバー19の変位方向の方向に作用する。
【0025】
第2のコイル24は,ロードセル8の予荷重コイルとして働く。第2のコイルには、予荷重に対応する力に対応する電流が供給され、補償コイル20には、レバー装置16をゼロ位置に保持する電流が加えられる。レバー装置16のゼロ位置は、図2および図3において確認することができる。これにより、レバー装置16は、計量領域上への製品2の乗入れ時に最小限しか変位させられない。さらに、第2のコイル24は、計量領域4上への製品2の乗入れ時に評価装置によって、第2のコイル24が急激にスイッチオフされるのではなく、第2のコイル24に対する電流が完全に停止されるまたは第2のコイル24が測定結果に影響を与えなくなるまで、第2のコイル24への通電に基づいて最後のレバー19に作用している予荷重が製品長さに応じて緩慢に低下させられるまたは減じられるように、制御することができる。したがって、第2のコイル24への給電は、評価装置が予め規定された時間にわたって、第2のコイル24が影響力を及ぼさなくなるまで、第2のコイル24を制御するための電流を下げるように制御される。次いで、製品の実際の重量が求められる。代替的には、計量領域4上への製品2の少なくとも部分的な載置もしくは乗入れ時に、第2のコイル24に供給するための電流を、製品2の重量を求めるために急激に停止することができる。このためには、評価ユニット内で第2のコイル24のための給電が停止されるまたは。
【0026】
さらに、過負荷ストッパ22が接地体10に配置されている。過負荷ストッパは、最後のレバー19の最大の変位を制限する。補償コイル20の下には、磁石ポット23が配置されている。この磁石ポット23は、接地体10内に配置されていて、接地体10に取り付けられている。さらに、力導入領域9は、計量領域4に結合されていて、接地体10は好適には重量選別器1のフレームまたは支持構造体に取り付けられている。
【0027】
ロードセル8に予荷重を加えることの他に、補償コイル20および第2のコイル24は、ロードセル8のコールドスタート時にも、ロードセルをより迅速に運転温度にもたらすか、もしくはロードセルのウォームアップ時間を短縮することができる。このためには、温度ドリフトが、補償コイル20および/または第2のコイル24により補償される。このためには、ロードセル8の補償コイル20および/または第2のコイル24は、より高い出力で運転される。このためには、たとえば評価ユニットが、ロードセル8への電圧供給のスイッチオン時に、補償コイル20および/または第2のコイル24を、ロードセル8の通常の運転時よりも高い規定された出力で運転することができる。特にコールドスタート時に補償コイル20および/または第2のコイル24は、最大の出力で運転させられる。これにより、ロードセル8の全ての構成部材は、より迅速に暖まり、ウォームアップ時間を著しく短縮することができる。このためには、好適には、ロードセル8内に、ロードセル8の温度を監視する温度センサが配置されている。ロードセル8が、その運転温度を有するや否や、補償コイル20および/または第2のコイル24には通常の運転電流が供給される。
【符号の説明】
【0028】
1 重量選別器
2 製品
3 供給ベルト
4 計量領域/計量ベルト
5 導出ベルト
6 ディスプレイ
7 検出装置
8 ロードセル
9 力導入領域
10 接地体
11 上側の平行四辺形リンク
12 下側の平行四辺形リンク
13 前側のジョイント箇所
14 後側のジョイント箇所
15 突き出した領域
16 レバー装置
17 レバー
18 支持ジョイント
19 最後のレバー、補償レバー
20 補償コイル
21 コイル支持体
22 過負荷ストッパ
23 磁石ポット
24 第2のコイル
図1
図2
図3