(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】プラグ排出機構を備えたホールカッターとその手法
(51)【国際特許分類】
B23B 51/04 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B23B51/04 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021079394
(22)【出願日】2021-05-08
【審査請求日】2023-05-12
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】521198262
【氏名又は名称】キム ケートリー
【氏名又は名称原語表記】Kym Keightlley
【住所又は居所原語表記】5 Vicenzo Street, Fairview park Adelaide, South Australia 5126 (AU)
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【氏名又は名称】千種 美也子
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】キム ケートリー
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/239336(WO,A1)
【文献】特表2017-533108(JP,A)
【文献】特開平09-207014(JP,A)
【文献】特開平08-336713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B51/00-51/14
B23B35/00-49/06
B23B31/00-33/00
B25F 1/00- 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から構成されるホール
カッティング用工具(ホールカッターともいう):
1)第1の中央のボアを備えたホールソー、
2)アーバー本体を備えたアーバーであって、このアーバーの本体は中央の軸に沿って第2の中央のボアを構成
し、及び、このアーバーは、一端がロータリー式掘削装置に結合しており、他端が第1の切断位置
(第1の位置若しくは第1の掘削位置若しくは掘削位置ともいう)でホールソーと接続し、第2の位置
(第2の位置若しくは第2の排出位置若しくは排出位置ともいう)でホールソーから取り外されるように構成される、
3)排出ショルダーを備えたパイロットガイド
(パイロットピンともいう)であって、このパイロットガイドがアーバーの第2の中央のボア内に滑ることができるように設置され、ホールソーの第1の中央のボアが受けとめることがで
き、また、このパイロットガイドは第1の掘削位置と第2の排出位置の間を動くことができるように構成される、
4)第2の中央のボアでパイロットガイドを回転しないように固定するとともに、中央の軸に沿って縦方向に動くことを防ぐための固定装置であって、それをアーバーが備えている、
及び、第1の掘削位置では、
該固定装置がパイロットガイドと結合し、第2の排出位置では
該固定装置がパイロットガイドから外れて、パイロットガイド第1の掘削位置と第2の排出位置の間を動くことを可能にする、
5)パイロットガイドが第2の排出位置にある時、ホールソーが第2の排出位置から第1の掘削位置に移動することにより、排出ショルダーが第1の中央のボアで廃棄物と接することになり、ホールソーから破棄物を排出する
、工具。
【請求項2】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
前記固定装置がさらに以下を特徴として具備する
工具:
a)ホールソーに取り付けられたアダプタ
であって、このアダプタには開口部があ
る;
b)回転が可能な状態でアーバーに取り付けられたリング部材であっ
て、このリング部材は取り外しが可能な状態でアーバーに取り付けられる
;
c)リング部材と結合し、そのリング部材が回転できるように構成されるアーバーヘッド
;及び
d)アーバーヘッド内に設置されたロッキングタング
であって、
該ロッキングタングは第1、第2、第3の位置で作動
可能である、
ここで、第1の位置
(第1の掘削位置若しくは掘削位置ともいう)では、ロッキングタングはパイロットガイドと結合して、
第1の掘削位置
のパイロットガイドが並進運動
及び回転運動をすることを防止し、
及び、
第2の位置
(第2の排出位置若しくは排出位置ともいう)では、ロッキングタングはパイロットガイドから外れて、
第1の位置である掘削位置と
第2の位置である排出位置の間でパイロットガイドが
並進運動をすることができ、及び、ここで、
第3の位置では、ロッキングタングがパイロットガイドと結合し、排出位置のパイロットガイドの並進運動を防止する
、工具。
【請求項3】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、パイロットガイドは、
以下を含む:
あ)刃部
;及び
い)刃部から伸びるシャンク部(柄の部分
ともいう)で
あって、
ここで、該シャンク部
は、第1の掘削位置にある場合にはアーバーのボア内に
配置され、排出位置にある場合には少なくともシャンク部の一部がアーバーのボアから外側に飛び出
している、工具。
【請求項4】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、リング部材
は、第一の角度位置と第二の角度位置
の間で回転するように構成され、
及び、ここで、第一の角度位置の場合は、アーバーヘッド
がアダプタと結合し、ホールソーとアーバーを結合させ、
及び、第二の角度位置の場合は、
中央の軸に沿ってホールソーの並進運動を可能なように、アーバーヘッドが
アダプタから分離される、工具。
【請求項5】
請求項3
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、穴を開ける際に、リング部材が第1の角度位置にとどまり、アダプタと結合するとともに、アーバーとホールソーを結合させ
る、工具。
【請求項6】
請求項3
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、リング部材が第2の角度位置にあり、ロッキングタングが第2の位置にある時、ホールソーとパイロットガイドが中央の軸に沿って同時にアーバーから離れるように構成されている
、工具。
【請求項7】
請求項5
に記載のホールカッティング用工具であって、ここで、パイロット
ガイド(パイロットピンともいう)が第2の排出位置で固定され、ロッキングタングが第3の位置にある時に、ホールソーがアーバーに向かって、
中央の軸に沿って、パイロットガイドの上に移動することでホールソーに詰まった破棄物を排出するように構成される
、工具。
【請求項8】
請求項6
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、パイロットガイドが以下から構成される:
シャンク部(柄の部分)
;及び
シャンク部(柄の部分)から伸びる刃部
であって、刃部の直径よりも大きい直径をもつショルダーを含み、
ここで、このショルダーが、ホールソーがアーバーに向かってシャンク部の上に移動する時に、破棄物に接する
、工具。
【請求項9】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、掘削中にパイロットガイドが第1の掘削位置で固定され、ロッキングタングが第1の位置で作動する
、工具。
【請求項10】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、ロッキングタングが第2の位置で作動する際に、パイロットガイドが中央の軸に沿ってアーバーから外れて第2の排出位置に移動するように構成される
、工具。
【請求項11】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、ロッキングタングが第3の位置で作動した際に、パイロットガイドが第2の排出位置でロックされるように構成される
、工具。
【請求項12】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、パイロットガイド、アーバーのボア、アダプタの中央を貫通しているボアが、中心の軸で位置があっている
(中心の軸で同軸上に整合されている、ともいう)
、工具。
【請求項13】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、 パイロットガイドが以下から構成される
:
(A)刃部
;及び
(B)刃部から伸びるシャンク部(柄の部分)であり、刃部に近い一端には戻り止めを備えており、刃部から遠い他端にはロックのための溝を備えている、
ここで、固定装置の一部を構成するロッキングタングが掘削位置では戻り止めと結合し、排出位置ではロックのための溝と結合する
、工具。
【請求項14】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、アダプタが少なくとも一つのスプリングピンを備えて
おり、このスプリングピンはアーバーヘッドの穴の中に取り外しが可能な状態で取り付けられ、アダプタとアーバーヘッドを結合させる
、工具。
【請求項15】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、パイロットガイドが穴を開けるように構成されたパイロットドリルから構成される
、工具。
【請求項16】
請求項1
に記載のホールカッティング用工具であって、
ここで、第1の位置と第2の位置の間でロッキングタングを作動させるための押しボタンを
さらに具備する、工具。
【請求項17】
ホールカッティング用工具の使用に関する手法で
あって、
該手法は、以下から構成される:
(1)アーバーのボア内のパイロットガイドを中央の軸に沿って滑らせることが可能な状態で
受け止めることであって、このパイロットガイドは中央の軸に沿って、第1の掘削位置と第2の排出位置の間を移動するように構成される
;
(2)ホールソーを取り外しが可能な状態でアーバーに結合
させることであって、このホールソーは中央の軸に沿ってパイロットガイド上に移動するように構成される
;
(3)中心の軸に沿って、パイロットガイドとホールソーをアーバーとは反対方向へ動かす
;
(4)ロッキングタングを稼働させて第1の位置から第2の位置に移動させ、第1の位置では、ロッキングタングはパイロットガイドと結合して、掘削位置のパイロットガイドが並進運動をすることを防止し、第2の位置では、ロッキングタングはパイロットガイドから外れて、掘削位置と排出位置の間でパイロットガイドが移動できるようにする
;(5)ロッキングタングを作動させて第3の位置に移動させる
ことであって、この第3の位置では、ロッキングタングがパイロットガイドと結合し、排出位置のパイロットガイドの並進運動をすることを防止する
;
(6)パイロットガイドが排出位置にあり、ロッキングタングが第3の位置にある場合に、ホールソーを中心軸に沿ってアーバーに向かってパイロットガイドの上に移動させ、プラグをホールソーから排出する
、手法。
【請求項18】
請求項17
に記載の手法で
あって、回転が可能な状態でリング部材をアーバーに取り付ける
ことであって、このリング部材は、第一の角度位置と第二の角度位置で回転するように構成され
、ここで、第一の角度位置の場合は、アーバーヘッドがホールソーとアーバーを結合させ、第二の角度位置の場合は、アーバーヘッドがホールソーとアーバーを分離させて、中央の軸に沿ってホールソーが動くようにすること
、をさらに特徴として具備する
、手法。
【請求項19】
請求項17
に記載の手法で
あって、ホールソーをアダプタに結合させることをさらに特徴として具備
し、このアダプタは取り外しが可能な状態でホールソーをリング部に取り付けることができるように構成されている
、手法。
【請求項20】
請求項17
に記載の手法で
あって、ホールソーからプラグを取り外した後、パイロットガイドをアーバーに向かって掘削位置に移動させることをさらに特徴として具備する
、手法。
【請求項21】
請求項17
に記載の手法で
あって、 掘削中のパイロットガイドの並進運動および回転運動を防止するために、ロッキングタングを第1の位置に作動させることを、さらに特徴として具備する
、手法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は一般的にはホールカッターに関するものである。具体的にはアーバー、ホ
ールカッター、およびそのホールカッターからプラグを容易に排出する手法に関するもの
である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ホールカッターは、様々な素材に丸い穴を開けるために使用される。例えばドアにドアの
ロックを取り付けたり、配電盤へケーブルを取り付けたり、グラウンドピットにコンジッ
トを取り付ける際に使用される。通常ホールカッターは、開放端に歯のついたリング状の
ホールソー、ホールソーの他端に取り付けられたアーバー、アーバー内に設置されるパイ
ロットガイドから構成される。このアーバーはボール盤のチャックに取り付けられ、パイ
ロットガイドが穴を開けて切断処理を開始する。つまりホールソーにアンカーやパイロッ
トガイドを提供するものである。別の方法としては、別のドリルであらかじめ穴を開けて
おき、次に穴あけ箇所なしで硬いパイロットドリルを使う方法がある。このパイロットド
リルを穴に入れて、ホールソーをガイドすることになる。これは、コンクリート、磁器、
セラミックなどの硬い材料で一般的に見られる。
【0003】
廃棄物は穴を開ける際に生成されるもので、頻繁にホールソー内にとどまることがある。
この廃棄物は一般的はコア、スラグ、プラグなどと呼ばれ、ホールカッターの中で詰まり
やすいものである。厚みのある素材を切断すると、プラグを取り除く時に問題が起こりや
すい。
【0004】
米国特許第5,435,672号は、 ねじ山のついたシャンク部(柄部)を備えた細長いアーバー
について公開している。ここではホールソーが第1の掘削位置から第2の排出位置に移動し
てプラグを排出する。しかしながら、プラグの排出中にホールソーがドリルチャックに向
かって戻るためには、さらにアーバーに長さが必要になる。しかし、アーバーをさらに長
くすれば、食器棚、配電盤、グラウンドピットなどの狭い作業エリアでの作業の妨げにな
る。また、製造コストが増え、ホールカッター全体のコストが増えることになる。さらに
、アーバー をさらに長くすることにより、アーバー が回転ブレを起こす可能性があるた
め、円状の穴を開けるためには望ましくない。
【発明の概要】
【0005】
このホールカッターは第1の中央のボアをもつホールソーと、アーバー本体を備えたアー
バーを備えている。このアーバーは中央の軸に沿って第2の中央のボアを構成する。この
アーバーは、一端がロータリー式掘削装置に結合しており、他端が第1の切断位置でホー
ルソーと接続し、第2の位置でホールソーから取り外されるように構成される。このホー
ルカッターは排出ショルダーを備えたパイロットガイドを備えている。このパイロットガ
イドはアーバーの第2の中央のボア内に滑ることができるように設置され、ホールソーの
第1の中央のボアが受けとめることができる。またこのパイロットガイドは第1の掘削位置
と第2の排出位置の間を動くことができるように構成される。
【0006】
さらに、第2の中央のボアでパイロットガイドをしっかりと固定するとともに、アーバーは中央の軸に沿って縦方向に動くことを防ぐための固定装置を備えている。第1の掘削位置では、固定装置がパイロットガイドと結合し、第2の排出位置では固定装置がパイロットガイドから外れて、パイロットガイド第1の掘削位置と第2の排出位置の間を動くことを可能にする。パイロットガイドが第2の排出位置にある時、ホールソーが第2の排出位置から第1の掘削位置に移動することにより、排出ショルダーが第1の中央のボアで廃棄物と接することになり、ホールソーから破棄物を排出する。
この固定装置は、さらに以下を特徴として具備する:
a)ホールソーに取り付けられたアダプタであって、このアダプタには開口部がある;
b)回転が可能な状態でアーバーに取り付けられたリング部材であって、このリング部材は取り外しが可能な状態でアーバーに取り付けられる;
c)リング部材と結合し、そのリング部材が回転できるように構成されるアーバーヘッド;及び
d)アーバーヘッド内に設置されたロッキングタングであって、該ロッキングタングは第1、第2、第3の位置で作動可能である、
ここで、第1の位置(第1の掘削位置若しくは掘削位置ともいう)では、ロッキングタングはパイロットガイドと結合して、第1の掘削位置のパイロットガイドが並進運動及び回転運動をすることを防止し、及び、
第2の位置(第2の排出位置若しくは排出位置ともいう)では、ロッキングタングはパイロットガイドから外れて、第1の位置である掘削位置と第2の位置である排出位置の間でパイロットガイドが並進運動をすることができ、及び、ここで、
第3の位置では、ロッキングタングがパイロットガイドと結合し、排出位置のパイロットガイドの並進運動を防止する。
【0007】
ここで開示する本発明の別の態様として、ホールカッターの操作手法を提供する。この手
法は、アーバーのボア内のパイロットガイドを中央の軸に沿って滑らせることが可能な状
態で受け止めることを含む。このパイロットガイドは中央の軸に沿って、第1の掘削位置
と第2の排出位置の間を移動するように構成される。この手法はホールソーを取り外しが
可能な状態でアーバーに結合させることを含む。このホールソーは中央の軸に沿ってパイ
ロットガイド上に移動するように構成される。この手法はまた、中心軸に沿って、パイロ
ットガイドとホールソーをアーバーと反対の方向へ動かすことを含む。この手法は、ロッ
キングタングを稼働させて第1の位置から第2の位置に移動させることを含む。第1の位置
では、ロッキングタングはパイロットガイドと結合して、掘削位置のパイロットガイドが
並進運動をすることを防止し、第2の位置では、ロッキングタングはパイロットガイドか
ら外れて、掘削位置と排出位置の間でパイロットガイドが移動できるようにする。この手
法はロッキングタングを作動させて第3の位置に移動させるものを含む。この第3の位置で
は、ロッキングタングがパイロットガイドと結合し、排出位置のパイロットガイドの並進
運動をすることを防止する。この手法は、パイロットガイドが排出位置にあり、ロッキン
グタングが第3の位置にあるとき、ホールソーをアーバーに向かって、パイロットガイド
と中心軸に沿って並進させ、ホールソーからプラグを排出することを含む。
ここで紹介する例示を目的とした(非限定の)態様や特徴は、添付の図面と合わせて以下
の実施形態を検討すれば、当業者であれば理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ここで開示する本発明の実施形態(およびその代替例や派生形)をより良く理解するため
に、以下の図と実施形態に関する詳細を参照していただきたい。
【
図1】本発明の例示的な実施形態におけるホールカッターの概略図である
【
図2】本発明の例示的な実施形態におけるアーバーから取り外したパイロットガイドを有するホールカッターの分解図である。
【
図3A】本発明の例示的な実施形態におけるアーバーを有するホールカッターの断面図である。
【
図3B】本発明の例示的な実施形態におけるねじ付きノーズを備えたアーバーを有するホールカッターの概略図である。
【
図4A】発明の例示的な実施形態におけるホールカッターの概略図である。ここではホールカッターにパイロットガイドが備えられており、パイロットガイドは第2の排出位置にある。
【
図4B】
図4Aを A-A’の線で切断したホールカッターの断面図である。
【
図5A】本発明の例示的な実施形態におけるホールカッターの概略図である。ここではホールソーが第1の排出位置にあり、パイロットガイドが第2の排出位置にある。
【
図5B】
図5AをB-B’の線で切断したホールカッターの断面図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態における、ホールカッターからプラグを排出する手法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
次に、具体的な実施形態の詳細や特徴について、図を参照しながら解説する。図の全体を
通して、対応する番号や類似の番号は、同様の部分や対応する部分を示したものである。
また、ここで説明する様々な要素については、同種のものが複数存在する場合でも、集合
的に、もしくは個別的なものとして触れる。もっとも、ここでの参照や説明は単なる例示
である。仮にある要素を単数形で言及しているとしても、またその逆に複数形で言及して
いるとしても、添付の特許請求の範囲に明示的に記載のない限り、要素の数に限定を加え
るものではないことをご理解いただきたい。
【0010】
本発明は、延長のアーバーを必要とせずに、プラグを排出する機能を備えたホールカッタ
ーに関するものである。本発明では、ホールカッターはパイロットガイドの並進運動を可
能にする中空のアーバーと、プラグの排出を促進するホールソーを含むものである。その
ため、延長したアーバーは不要になる。
【0011】
図1は、ホールカッター 100 の概略図を示したものである。本発明の一態様では、ホール
カッター 100は、食器棚、配電盤、ドアパネル、板金、プラスチックパネルなどの製品10
4に穴を開けるために電動工具 102に装着することができる。電動工具 102は、例えば電
気的、空気圧的、油圧的に作動してホールカッター 100 を駆動させるものが含まれる。
ある実施形態では、電動工具 102は回転式のボール盤である。電動工具 102から電力を受
け取ると、ホールカッター 100は、作業中の製品 104からその素材を切断することにより
、作業中の製品 104に穴を開けるように構成される。この切断された素材は、ホールカッ
ター 100 の中に詰まることがあり、廃棄物150と見なすことができる。この「廃棄物150
」という言葉は、プラグ150とも呼ぶ。
【0012】
このホールカッター 100は、電動工具102のチャック 108 内に部分的に収まるように構成
されたアーバー 106 を含む。このアーバー 106は、中央の軸X-Xにそって、第2の中央の
ボア 112(
図3A参照)を形成する。アーバーの本体 110 は、駆動部分114と駆動部分 114
とは反対にあるシャフト部 116を含む。駆動部分114は、電動工具102のチャック108内に
挿入して、電動工具102の回転が伝わるように構成される。駆動部分114は、電動工具102
のチャック 108に収まるように、六角形、長方形、三角形、先細り、正方形などの任意の
横断面が含まれる。 様々な実施形態において、駆動部分114は、バックル(サイドリリー
スバックル)、クランプ、ねじ、ねじ山などの取り付け手段を含み、これにより電動工具
からホールカッターを簡単に取り外せるようにしている。シャフト部 116は、中心軸X-X
に沿って、駆動部分114から伸びている。シャフト部 116は、環状の横断面を有する。駆
動部分114とシャフト部 116は共に中心軸X-Xに沿って第2の中央のボア 112を形成する。
【0013】
図2は、ホールカッター100の分解図である。このホールカッター100はまた 駆動部分114
とは逆方向にシャフト部 116から延びるアーバーヘッド 118を含む。ここで、アーバーヘ
ッド 118 は、アーバー 106の一端として考えることができ、駆動部分114はアーバー 106
の他端として考えることができることに留意をいただきたい。ある実施形態では、 アー
バーヘッド 118 は、貫通穴136を含み、リング部材 124がアーバー 106のシャフト部 116
上に回転できる状態で設置される。アーバーヘッド 118 は、角度的に互いに離れた駆動
ピン 132 を含む。駆動ピン 132 はアパーチャ 120 から放射状に反対側に離れている。
アーバーヘッド 118 は、リング部材 124 と結合して、リング部材が回転できるようにす
るためのアーバーヘッドの後部126を含む。ある実施形態では、リング部材 124 は第1の
角度位置と第2の角度位置の間で、アンカーボディ 110 上で回転するように構成される
。さらに、このアンカーボディ 130は、押しボタンの機構134を受け止めるように構成さ
れる。
【0014】
このホールカッター100は、ホールソー 140 と、ホールソー 140 と結合するアダプタ 14
2 を含む。ホールソー 140は、第1の掘削位置(
図3A参照)と第1の排出位置(
図4A参照)
の間を移動できるように構成される。第1の掘削位置では、ホールソー 140は、アダプタ1
42を通じてアーバー 106 のアーバーヘッド 118と結合するように構成され、第2の排出位
置では、ホールソー 140は、ホールソー 140から外れるように構成される。
【0015】
このホールソー140は、第一の中央のボア141により形成されるカップ本体144 を含む。こ
の カップ本体144 は、第1の開放端 148上に形成される切削面 146を含む。この切削面 1
46は、アーバー 106 が電動工具102から電力を受け取った際に、作業中の製品 104 から
プラグ 150 を切り出すことにより、作業中の製品 104 に穴を開けるように構成される。
ある実施形態では、この切削面 146には、カッティング用の複数の歯152を含む。ある実
施形態では、この切削面 146は、その面に研磨剤を使用するものもある。
【0016】
図3Aは、ホールカッター 100の断面図を示している。
図2および3Aでは、リング部材 124
は、角度的に互いに離れ、アパーチャ120から放射状に間隔を開けて設置される複数の第1
のロッキングショルダー 138を含む。第1の角度位置では、 第1のロッキングショルダー
138 は、部分的にアーバーヘッド 118の穴 136 上に設置される。第2の角度位置では、第
1のロッキングショルダー 138 は、アーバーヘッド 118の穴 136 から離れて設置される
。ある実施形態では、リング部材 124は、第1の角度位置でバイアスすることも可能であ
る。 リング部材 124は、オペレーターが手動で第2の角度位置にすることが可能である
。
【0017】
アダプタ142 は、ホールソー140のカップ本体 144 の第二の開放端 154 に取り付けられ
る。アダプタ142 は、ホールソー140をアーバーヘッド 118に結合するように構成される
。 アダプタ142 は、ディスク部材 156 とそのディスク部材 156 から延びる複数の延長
ピン 158 を含む。このディスク部材 156 は、同箇所を通る開口部 160を形成する。延長
ピン158は、ホールソー140の反対側のディスク部材 156 から伸びている。 延長ピン 158
は角度的に互いに離れるように設置される。この延長ピン 158はまた、開口部160からも
放射状にに離れている。延長ピン 158は、アーバーヘッド118内の穴 136 により受け止め
られるように構成される。 延長ピン 158はアーバーヘッド118のリング部材 124 の第1の
ロッキングショルダー 138と結合するように構成され、これによりアダプタ 142とアーバ
ーヘッド118を結合し、掘削操作中にホールソー140とアーバー 106を結合させる。
【0018】
このホールカッター 100は、掘削作業中に作業中の製品104と結合するように構成された
パイロットガイド162を含む。 パイロットガイド162は、ホールソー 140が作業中の製品1
04に穴を開けるためのアンカーサポートを提供する。ある実施形態では、パイロットガイ
ド162は、ホールソー 140が作業中の製品104に任意の大きさの穴を開ける前に、小さな穴
を開けるためのパイロットドリルを含むものもある。別の実施形態では、パイロットガイ
ド162は、作業中の製品104にあらかじめ形成した穴と結合する尖った一端を有する管状の
本体 187を有するものもある。
【0019】
パイロットガイド162は、刃部 164および刃部 164から延びるシャンク部 166からなる。
刃部 164は複数の刃168を含み、作業中の製品104を切るように構成される。刃部 164の直
径は「D1」である。シャンク部 166は、排出ショルダー 170を含む。 排出ショルダー 1
70 は、刃部 164の直径「D1」よりも大きい直径「D2」を有する。このシャンク部 166は
、 第1の端部172に隣接する刃部 164と、その 刃部 164から遠位にある 第2の端部174 を
含む。このシャンク部 166は第1の端部172 にある戻り止め 176と、第2の端部174にある
固定用の溝 178 を含む。
【0020】
このパイロットガイド162は、アーバー 106の第2の中央のボア 112内で部分的に受け止め
られるように構成される。またこのパイロットガイド162は、 第1の掘削位置(
図3A参照
)と第2の排出位置(
図4A参照)の間を移動できるように構成される。第1の掘削位置では
、パイロットガイド162のシャンク部 166 が、第2の中央のボア 112内に設置され、第2の
排出位置ではパイロットガイド162のシャンク部166 の少なくとも一部がアーバー106の第
2の中央のボア 112 から外側に飛び出す。ある実施形態においては、第2の排出位置では
、パイロットガイド162とホールソー140の両方が中心軸X-Xにそってアーバー106から離れ
て設置されるものもある。ある実施形態においては、ホールソー140の第1の排出位置はパ
イロットガイド162の第2の排出位置に対応している。そのため、ホールソー140の第1の排
出位置は、第2の排出位置と呼ばれることもある。
【0021】
図2では、ホールカッター 100はアーバーヘッド 118内に設置されたロッキングタング 18
0を含む。ロッキングタング 180は、第1、第2、第3の位置で作動する。第1の掘削位置
にあるとき、 ロッキングタング 180がパイロットガイド162と結合し、パイロットガイド
162が第1の掘削位置で、中心軸 X-X に沿って回転運動や並進運動することを防止する。
第2の位置では、ロッキングタング 180がパイロットガイド162から外れて、掘削位置と排
出位置の間でパイロットガイド162が移動できるようにする。第3の位置では、ロッキング
タング180がパイロットガイド162と結合し、第2の排出位置のパイロットガイドの並進運
動をすることを防止する。
【0022】
図3A では、パイロットガイド 162は第1の掘削位置に設置されている。 第1の掘削位置で
は、パイロットガイド 162、アーバー 106の第2の中央のボア 112、アダプタ 142の開口
160 が中心軸X-Xに沿って同軸に整列している。 パイロットガイド 162の刃部 164は、ア
ダプタ 142の開口部160 が受け止める。 パイロットガイド 162のシャンク部 166は、 ア
ーバー 106の第2の中央のボア 112内に設置される。ホールソーを使用する場合、パイロ
ットガイド 162の刃部 164は、ホールソー 140からの所定の長さだけ第2の中央のボア 11
2から延びる。この所定の長さは、作業中の製品104の厚みよりも小さくても構わない。あ
る実施形態では、パイロットガイド 162は、ロッキングタング180により、第1の掘削位置
で固定される。具体的には、ロッキングタング 180が第1の掘削位置にあるとき、 ロッキ
ングタング 180がパイロットガイド162の戻り止め 176と結合し、パイロットガイド162が
第1の掘削位置で、中心軸 X-X に沿って回転運動や並進運動することを防止する。
【0023】
さらに、リング部材 124 は、ホールソー 140のアダプタ 142 と結合するように、第1の
角度位置にバイアスされる。具体的には、第1の角度位置では、アダプタ 142 の延長ピン
158を、アーバー 106のアーバーヘッド 118の穴 136が受け止める。 ピンの保持部材132
内部で、延長ピン 158はリング部材 124 の第1のロッキングショルダー 138と結合してア
ダプタ 142に取り付けられ、それによりアーバー 106とホールソー 140を結合する。
【0024】
掘削作業中は、アーバー 106は電気工具 102 から電力を供給され、アダプタ142を通じて
それをホールソー 140へ送る。アーバー 106はさらにロッキングタング180を通じて電力
をパイロットガイド 162 へ送る。アダプタ142とパイロットガイド 162が回転すると、ホ
ールソー 140は作業中の製品104からプラグ 150を削り出す。このプラグ 150はホールソ
ー 140の第1の開放端 148内に溜まって、まとめられる。
【0025】
図3Bは、本発明のさらなる実施形態として、アーバーヘッド 118から伸びたねじ山付きの
ノーズ 181 を備えたアーバー 106を使用したものを示している。ホールソー 140のエン
ドキャップ 183にねじ 182 が備えられている。エンドキャップ 183のねじ182は、ねじ山
付きのノーズ 181に固定され、アーバーヘッド 118のショルダー 184 にしっかりと固定
されているホールソーに取り付けられる。グラブねじ 185を締めることで、パイロットガ
イド 162がアーバーヘッド 118にしっかりと固定される。排出ショルダー 170の直径はは
、刃部 164の直径「D1」よりも大きい「D2」であり、ホールソースレッド 182の内径より
も大きい。 ホールソー 140は穴を開けた後にねじを緩めることができる。 ホールソー 1
40がアーバー 106 から外れて、ホールソーのエンドキャップ 183 がパイロットガイド 1
62 の排出ショルダー 170 と接するまで、矢印 Bの方向へ動くようになる。グラブねじ 1
85 を緩めてパイロットガイド 162を解放することができる。ホールソー 140がさらに矢
印Bの方向へ動くと、ホールソーのエンドキャップ 183 がパイロットガイド 162 の排出
ショルダー 170 と接する。この排出ショルダー 170は 固定用の溝 178 とグラブねじが
整列するまで、第2の中央のボア 112の内側からパイロットガイドを引っ張っている。こ
れで グラブねじ 185 を締めて、パイロットガイド162に再度固定することができるよう
になる。またホールソー 140は矢印Aにむかって、 アーバー 106 の方向へ移動すること
ができるようになる。ここで、パイロットガイドが固定されることで、ホールソー 140
がアーバー 106 の方向へ移動し、それにより排出ショルダー 170 がホールソーシリンダ
186に残っているプラグ 150 と接してそれを排出しても安定していることをご理解いただ
きたい。その後グラブねじを緩めることができる。
【0026】
図4Aは、ホールカッター100の概略図であり、ここではパイロットガイド162が第2の排出
位置にある。
図4Bは、
図4Aを A-A’の線で切断したホールカッター100の断面図である。
図4Aおよび4Bでは、パイロットガイド162が滑り、アーバー106の第2の中央のボア 112が
それを受け止めている。パイロットガイド162は第2の中央のボア 112内で、中心軸X-Xに
そって、第1の掘削位置から第2の排出位置へ移動するように構成される。ある実施形態で
は、パイロットガイド162は、アーバー 106 とは反対変更の第2の排出方向へ向かって、
「R」の方向へ動くように構成される。第2の排出位置にある場合には、パイロットガイ
ド162のシャンク部166 の少なくとも一部がアーバー106の第2の中央のボア 112 から外側
に飛び出す。ある実施形態では、シャンク部166 の第2の端部 174は、アーバー106の第2
の中央のボア 112内に設置され、シャンク部166 の第1の端部 172がアーバー106の第2の
中央のボア 112の外側に設置されるものもある。
【0027】
パイロットガイド162をアーバー106の第2の中央のボア 112内で動かすために、ロッキン
グタング 180を第1の位置から第2の位置へ作動させることも可能である。第2の位置では
、ロッキングタング180がパイロットガイド162の戻り止め 176から外れることで、パイロ
ットガイド162が「R」の方向へ進むことが可能になる。ある実施形態では、押しボタンの
装置を使用して、ロッキングタングを第1の位置から第2の位置へ作動させるものもある。
【0028】
さらに、
図4Bで示すように、パイロットガイド162が第2の排出位置にあるとき、ロッキン
グタング 180が第2の位置から第3の位置へ作動することも可能である。ある実施形態では
、ロッキングタング 180がバネ部材のバイアス力により第2の位置から第3の位置へ作動す
るように構成されるものもある。 ロッキングタング 180は、第3の位置にあるときは、パ
イロットガイド162の固定用の溝と結合し、パイロットガイド162が第1の掘削位置で、中
心軸 X-X に沿って動くことを防止する。
【0029】
図5Aは、ホールカッター 100 の概略図である。ここではホールソー 140が第1の排出位置
にあり、パイロットガイド162が第2の排出位置にある。
図5Bは、
図5Aを B-B’の線で切断
したホールカッター 100 の断面図である。
図5Aおよび5Bでは、パイロットガイド162が第
2の排出位置で固定され、ロッキングタング 180 が第3の位置にあるとき、ホールソー 14
0は中心軸 X-X に沿ってアーバー106の方向に進み、「L」に向かってパイロットガイド16
2上に設置されるように構成されている。 ある実施形態では、ホールソー 140は「R」と
は反対の「L」の方向に進むように構成される。ホールソー 140は「L」に向かってアーバ
ー106の方向に進み、アーバーヘッド118と結合する。ホールソー 130が「L」に向かって
アーバー106の方向に進む間、パイロットガイド162の排出ショルダー170がプラグと接し
、ホールソー 140からプラグ 150 を排出する。一方、パイロットガイドは第2の排出位置
に固定される。ある実施形態では、次の掘削操作用に、ホールソー 140がアーバーヘッド
118に固定されるものもある。
【0030】
産業上の利用可能性
上記で述べたように、プラグ 150は掘削作業中に作業中の製品 104 から切り出されると
、ホールソー 140 内で一つに集められる。本開示のアーバー106は、パイロットガイド16
2とホールソー140をアーバー106とは反対方向に同時に動かすことにより、ホールソー140
からプラグ150を排出することを可能にするものである。さらにアーバーは、第1の排出位
置でホールソー140をアーバーの方向へ移動させる一方で、パイロットガイド162を第2の
排出位置に固定し、ホールソー140からプラグ150を排出することを可能にする。
図6 は、ホールカッター100の操作に関する手法 600 のフローチャートを示したものであ
る。手法 600は
図1から
図5Bで説明している。 ある実施形態では、ステップ 604の手法 6
00 は、アーバー106の第2の中央のボア 112 で、中心軸X-Xにそって、パイロットガイド1
62を受け止める。パイロットガイド162は掘削位置と排出位置の間を動くように構成され
る。ある実施形態では、掘削位置は第1の掘削位置と呼ばれ、排出位置は第2の排出位置と
呼ばれる。
ステップ 606では、手法 600 は、ホールソー 140をアーバー106に取り外し可能な状態で
結合することを含む。ホールソー 140 はパイロットガイド162に沿って、「R」の方向へ
中心軸X-Xにそって動くように構成される。 ある実施形態では、ホールソー 140 はアダ
プタ142を通じてアーバー106上のアーバーヘッド 118 と結合する。 アーバーヘッド 118
のリング部材 124は、ホールソー140がアーバー106に取り付けられる第一の角度位置と、
ホールソー140がアーバー106から外れる第二の角度位置で動作するように構成される。
ステップ 608では、手法 600 は、ホールソー 140 とパイロットガイド162が中心軸 X-X
にそってアーバー 106 から離れるように動くことを含む。ホールソー 140 とパイロット
ガイド162は、アーバー 106 から離れるように「R」の方向へ同時に動くように構成され
る。具体的にはパイロットガイド162が第1の掘削位置から第2の排出位置へ移動するよう
に構成する一方で、ホールソー 140 は第1の掘削位置から第1の排出位置へ移動するよう
に構成される。
ステップ 610では、手法 600 は、ロッキングタング180を第1の位置から第2の位置へ作動
させて、パイロットガイド162が第1の掘削位置から第2の排出位置へ移動できるようにす
る。第1の位置では、ロッキングタング180はパイロットガイド162と結合し、パイロット
ガイド162の第1の掘削位置での並進や回転運動を防ぐ。第2の位置では、ロッキングタン
グ180はパイロットガイド162から外れて、パイロットガイド162が第1の掘削位置と第2の
排出位置の間で並進運動ができるようにする。
ステップ 612では、手法 600 は、第2の位置から第3の位置へ作動するロッキングタング1
80を含む。第3の位置では、ロッキングタング180はパイロットガイド162と結合し、パイ
ロットガイド162を第2の排出位置で固定する。
ステップ614では、手法 600 は、パイロットガイド162が第2の排出位置に固定され、ロ
ッキングタング180が第2の位置にあり、プラグ 150 をホールソー 140から排出するとき
、ホールソー 140 が中心軸 X-Xにそってアーバー 106 の方向へ動くことを含む。ある実
施形態では、パイロットガイド162は排出ショルダー 170 を含む。この排出ショルダー 1
70 は、ホールソー 140が「 L」の方向に向かってアーバー 106 まで動く際に、プラグ 1
50と隣接するように構成される。 具体的には、パイロットガイド162が第2の排出位置に
あるとき、ホールソー 140は第1の掘削位置から第2の排出位置へ動き、その後第1の掘削
位置へ戻ることにより、排出ショルダー 170 が第1の中央のボア141で廃棄物 150と隣接
し、ホールソー 140から廃棄物 150を排出する。
実施形態によっては、手法600はロッキングタング180を第3の位置から第2の位置に移動さ
せて、パイロットガイド162を第1の掘削位置に戻すという別の作動ステップを含むものも
ある。 パイロットガイド162はアーバー 106の中央の第2のボア 112内で、「L」の方向に
第1の掘削位置まで滑るように構成される。その後ロッキングタング 180が第2の位置から
第1の位置へ作動することにより、掘削操作中にそれ以上パイロットガイド162が動くこと
を防ぐ。
本明細書で使用される表現および用語は、単に実施形態についての説明を目的としたもの
であり、限定する意図はないことに留意をいただきたい。本明細書における「a」や「a
n」や「the」は(訳者注*原文の単数複数および定冠詞についての記載)、数を制限する
ことを意図したものではなく、言及したものが少なくとも一つ存在することを意味するも
のである。また、本明細書における「含む」、「備える」、「もつ」、「有する」といっ
た用語は、「構成する」「含む」という意味と同様であり、包括的なものであることをご
理解いただきたい。
本発明の開示の様々な側面について上記の実施形態とともに説明を行なったが、当業者で
あれば本発明の精神や範囲から逸脱しない範囲で、本開示の手法の修正形や派生などの実
施形態を発想しうることは明らかである。そうした実施形態も特許請求の範囲および本開
示またはこれと同等のものと考えられるものの範囲内にあると考えるべきである。