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特許7586887改善された燃焼挙動を有するポリウレタン発泡体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】改善された燃焼挙動を有するポリウレタン発泡体
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/08 20060101AFI20241112BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20241112BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20241112BHJP
   C08K 5/521 20060101ALI20241112BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20241112BHJP
   C08K 5/092 20060101ALI20241112BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20241112BHJP
【FI】
C08G18/08 038
C08G18/00 J
C08L75/04
C08K5/521
C08K3/22
C08K5/092
C08G101:00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022501241
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020041400
(87)【国際公開番号】W WO2021011306
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】102019000011577
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】レン、ダカイ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトゥチェリ、ルイージ
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ、ウェイチュン
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア-メイティン、エディ アイ.
(72)【発明者】
【氏名】チャン、イーチュン
(72)【発明者】
【氏名】ハリス、ウィリアム ジェイ.
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-532098(JP,A)
【文献】特開平11-140150(JP,A)
【文献】特開2020-172603(JP,A)
【文献】特開2016-169314(JP,A)
【文献】特開2010-163472(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204345(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C08L 75/04
C08K 5/00-5/521
C08K 3/22
C08G 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンベースの発泡体を形成するためのイソシアネート反応性組成物であって、
イソシアネート反応性部分および芳香族部分を有するイソシアネート反応性化合物であって、前記芳香族部分が、前記イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、前記イソシアネート反応性化合物の5重量パーセント(重量%)~80重量%である、イソシアネート反応性化合物と、
ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリン、および
遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属を含む、燃焼調整剤組成物と、
を含み、前記遷移金属の前記重量%および前記リンの重量%が、各々、前記イソシアネート反応性化合物、前記ハロゲン不含難燃性化合物および前記遷移金属化合物の総重量に基づくものであり、前記遷移金属化合物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)銅二ナトリウム塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、イソシアネート反応性組成物。
【請求項2】
前記燃焼調整剤組成物が、0.05:1~5:1の前記遷移金属対リンのモル比を有する、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項3】
前記ハロゲン不含難燃性化合物が、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項4】
前記遷移金属化合物が、10nm~10μmの中央値粒子直径を有する、請求項1~のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項5】
ポリウレタンベースの発泡体を形成するための反応混合物であって、
イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物と、
イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、前記イソシアネート反応性化合物の5重量パーセント(重量%)~80重量%を構成するイソシアネート反応性部分および芳香族部分を有する、前記イソシアネート反応性化合物と、
ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリンおよび遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属であって、リンおよび前記遷移金属の重量%値が、前記イソシアネート反応性化合物、前記ハロゲン不含難燃性化合物および前記遷移金属化合物の総重量に基づくものであり、前記遷移金属化合物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)銅二ナトリウム塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、リンおよび遷移金属と、
任意選択で、触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせと、
を含む、反応混合物。
【請求項6】
前記反応混合物が、1.2:1~7:1の前記イソシアネート部分対前記イソシアネート反応性部分のモル比を有する、請求項に記載の反応混合物。
【請求項7】
請求項またはに記載の反応混合物を用いて形成された、ポリウレタンベースの発泡体。
【請求項8】
ポリウレタンベースの発泡体を生産するための反応混合物を調製するためのプロセスであって、
イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物を提供することと、
請求項1~のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物を提供することと、
任意選択で、触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせを提供することと、
前記イソシアネート化合物、前記イソシアネート反応性組成物および前記任意選択の触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせを混合して前記反応混合物を形成することであって、前記反応混合物が、1.2:1~7:1の前記イソシアネート部分対前記イソシアネート反応性部分のモル比を有する、形成することと、
を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ポリウレタンベースの発泡体、およびより具体的には、改善された燃焼挙動を有するポリウレタンベースの発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン硬質(PUR)発泡体は、高性能断熱材料として1960年代から建設において使用されてきた。ヨーロッパおよび米国における継続的な技術開発は、ポリイソシアヌレート硬質(PIR)発泡体と呼ばれる次の製品世代をもたらした。PURおよびPIRはどちらも、2つの反応物、イソシアネート(例えば、メチルジフェニルジイソシアネート、MDI)およびポリオールから製造されたポリウレタンベースの発泡体である。PURについて、イソシアネートおよびポリオールは当量と比較してほぼバランスの取れた比で実装される一方で、イソシアネートはPIRの生産中に過剰に使用される。イソシアネートは部分的にそれ自体と反応し、結果として得られるPIRは、リング状のイソシアヌレート構造を有する高度に架橋された合成材料である。高度な結合およびリング構造は、硬質PIR発泡体の高い熱安定性を保証する。PIRはまた、優れた寸法安定性を有する。
【0003】
PIR発泡体はまた、固有の炭化挙動のために火災挙動に対する非常に優れた反応を特徴とし、同様に、イソシアヌレート化学構造の卓越した熱安定性に関連する。炭形成をさらに促進するために、リンベースの難燃剤を追加することは、一般的である。断熱金属パネルまたは断熱ボードなどの建築製品が火に曝されると、断熱PIRコアは、下にある材料を保護するのに役立つ密着した炭を急速に形成する。そのことは、熱放出および煙に関して実際に寄与するのは火に曝された利用可能な可燃性断熱材料の限られた部分のみであるということになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可燃性熱硬化性材料の火災挙動は、複雑な問題である。一例として、ハロゲン化難燃剤は、熱放出を低減するのに非常に効果的であるが、煙不透明度を悪化させ得る。Dow特許公開US2014/0206786A1は、トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート(TCPP)などの従来のハロゲン化難燃剤と比較した際の煙抑制添加剤としてのトリエチルホスフェート(TEP)の使用を記載する。さらに、周知であるように、燃焼流出物の組成は(材料自体よりもさらに)、火災条件、特に温度、形状、および酸素の利用可能性を含む換気に強く依存する。上記のように、ポリイソシアヌレートの固有の炭化挙動が、燃焼するポリマーの量を限定および/または遅延させる(したがって、熱および煙の放出を限定および/または遅延させる)場合でも、燃焼/燃焼挙動をさらに改変し、したがって、煙不透明度および煙毒物を可能な限り多く低減することが、さらに望ましい。
【0005】
本開示は、熱分解事象(例えば、火災)中のシアン化水素(HCN)および一酸化炭素(CO)の排出に関して改善された燃焼挙動を有するポリウレタンベースの発泡体を提供する。ポリウレタンベースの発泡体は、イソシアネート化合物およびイソシアネート反応性組成物の両方を含む反応混合物で形成される。ポリウレタンベースの発泡体のイソシアネート反応性組成物は、他のものに加えて、一緒になってポリウレタンベースの発泡体の熱分解中にHCNおよびCOの両方の顕著な低減をもたらすのに役立つ、ハロゲン不含難燃性化合物からのリンならびに遷移金属化合物からの遷移金属を含む。
【0006】
本開示の実施形態について、ポリウレタンベースの発泡体を形成するためのイソシアネート反応性組成物は、イソシアネート反応性化合物および燃焼調整剤組成物を含む。イソシアネート反応性化合物は、イソシアネート反応性部分および芳香族部分を有し、芳香族部分は、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の5重量パーセント(重量%)~80重量%である。燃焼調整剤組成物は、ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリンと、遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属の両方を含み、遷移金属の重量%およびリンの重量%は、各々、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく)。これらの所与の重量%値について、燃焼調整剤組成物は、0.05:1~5:1の遷移金属対リン(モル遷移金属:モルリン)のモル比を有し得る。
【0007】
本明細書で提供される実施形態について、ハロゲン不含難燃性化合物は、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。本明細書で提供される実施形態について、遷移金属化合物は、オキシド、カルボキシレート、塩、配位化合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得、遷移金属は、銅、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好ましくは、遷移金属化合物は、酸化銅(I)、酸化銅(II)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)銅二ナトリウム塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。様々な実施形態について、遷移金属化合物は、好ましくは、10nm~10μmの中央値粒子直径の(D50)を有する。本明細書で提供される実施形態について、イソシアネート反応性化合物のイソシアネート反応性部分は、ヒドロキシル部分であり得、イソシアネート反応性化合物は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルカーボネートポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。様々な実施形態について、本明細書で提供されるイソシアネート反応性組成物はまた、触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0008】
ポリウレタン系発泡体を形成するための反応混合物は、本明細書で提供されるように、イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物と、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の5重量%~80重量%を構成するイソシアネート部分および芳香族部分を有するイソシアネート反応性化合物と、との両方を含む。本明細書の実施形態について、反応混合物は、1.2:1~7:1のイソシアネート部分対イソシアネート反応性部分のモル比を有し得る。例えば、イソシアネート反応性組成物のイソシアネート反応性部分はヒドロキシル部分であり、反応混合物は1.2:1~7:1のイソシアネート部分対ヒドロキシル部分のモル比を有する。反応混合物はまた、ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリンおよび遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属を含み、リンおよび遷移金属の重量%値は、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく。反応混合物は、ポリウレタンベースの発泡体を形成するための触媒、界面活性剤および発泡剤をさらに任意選択で含み得る。本明細書で考察されるように、ポリウレタンベースの発泡体は、反応混合物を用いて形成される。
【0009】
本開示はまた、ポリウレタンベースの発泡体を生産するための反応混合物を調製するためのプロセスを提供する。プロセスは、イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物を提供することと、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の5重量%~80重量%を構成するイソシアネート反応性部分および芳香族部分を有するイソシアネート反応性化合物を提供することと、ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリンおよび遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属を提供することであって、リンおよび遷移金属の重量%値は、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく、提供することと、必要に応じて、触媒、界面活性剤および発泡剤を提供することと、イソシアネート化合物、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物、遷移金属化合物、反応混合物を形成するための任意選択の触媒、界面活性剤および発泡剤を混合することと、を含み得る。様々な実施形態について、反応混合物は、1.2:1~7:1のイソシアネート部分対イソシアネート反応性部分のモル比を有し得る。反応混合物を形成するための混合はまた、反応混合物中の0.05:1~5:1の遷移金属対リンのモル比(モル遷移金属:モルリン)を提供することを含み得る。プロセスの追加の実施形態は、遷移金属化合物から遷移金属を提供する際に、遷移金属化合物を液体担体と混合することをさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、熱分解事象(例えば、火災)中のシアン化水素(HCN)および一酸化炭素(CO)の排出に関して改善された燃焼挙動を有するポリウレタンベースの発泡体を提供する。ポリウレタンベースの発泡体は、イソシアネート化合物およびイソシアネート反応性組成物の両方を含む反応混合物で形成される。本開示の実施形態について、ポリウレタンベースの発泡体を形成するためのイソシアネート反応性組成物は、本明細書で提供されるようなイソシアネート反応性部分および芳香族部分を有するイソシアネート反応性化合物を含む。イソシアネート反応性組成物はまた、他のものに加えて、一緒になってポリウレタンベースの発泡体の熱分解中にHCNおよびCOの両方の顕著な低減をもたらすのに役立つ、ハロゲン不含難燃性化合物からのリンならびに遷移金属化合物からの遷移金属を含む。
【0011】
様々な実施形態について、イソシアネート反応性化合物のイソシアネート反応性部分は、ヒドロキシル部分であり、イソシアネート反応性化合物は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルカーボネート、ポリエーテルカーボネートポリオールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。様々な実施形態について、イソシアネート反応性化合物は、2つ以上のヒドロキシル部分を含むことができ、活性水素原子は、イソシアネート化合物のイソシアネート基(-N=C=O)の炭素原子と反応性である。イソシアネート反応性化合物は、100g/mol~2,000g/molの数平均分子量を有し得る。他の数平均分子量値もまた、可能であり得る。例えば、イソシアネート反応性化合物は、100、200、300、350または400g/molの低い値~500、750、1,000、1,500または2,000g/molの上限値の数平均分子量を有し得る。本明細書で報告される数平均分子量値は、末端基分析、ゲル透過クロマトグラフィー、および当技術分野で既知である他の方法によって決定される。
【0012】
イソシアネート反応性化合物はまた、芳香族部分を含む。様々な実施形態について、芳香族部分は、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の5重量パーセント(重量%)~80重量%である。好ましくは、芳香族部分は、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の8重量%~50重量%を構成する。より好ましくは、芳香族部分は、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の10重量%~40重量%を構成する。本明細書で使用される場合、「芳香族部分」は、イソシアネート反応性化合物に共有結合している炭素原子の平面不飽和環の形態の少なくとも1つの環状に共役した分子部分である。炭素原子の平面不飽和環は、少なくとも6個の炭素原子を有し得る。例示するために、C1214の分子式および254.2グラム/モルの式量を有するイソシアネート反応性化合物ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート、かつ76.1グラム/モルの対応する式量を有するCの分子式に対応する芳香族含有量を有し、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの芳香族部分は29.9重量パーセント(重量%)であることになる。
【0013】
いくつかの実施形態では、ポリエーテルポリオールは、分子当たり2個または3個などの少なくとも2個のヒドロキシル基を有するものを含み得、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリンなどのオキシラン/環状エーテルの重合によって、それ自体で、BFの存在下のいずれかで、または、水、アンモニア、アルコール、もしくはアミンなどの反応性水素原子を有する出発成分へのこれらのオキシランの化学的付加のプロセスによって、任意選択で混合物(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物など)として、または連続して、調製され得る。好適な出発成分の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール-(1,3)もしくは-(1,2)、グリセロール、トリメチロールプロパン、4,4’-ジヒドロキシ-ジフェニルプロパン、ノボラック、アニリン、エタノールアミン、o-トルエンアミンまたはエチレンジアミンを含む。スクロースベースのポリエーテルポリオールもまた、使用され得る。多くの場合では、主たる量の一級OH基(ポリエーテル中に存在するOH基の100重量%まで)を含有するポリエーテルを使用することが、好ましい。
【0014】
いくつかの実施形態について、ポリエステルポリオールは、分子当たり少なくとも1.8~3つのヒドロキシル基(平均数)を有するものを含み得る。そのようなポリエステルポリオールの例は、二価アルコールおよび/または三価アルコールなどの多価と、二塩基性および/または三塩基性などの、多塩基カルボン酸との反応生成物として形成されるものを含み得る。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物もしくは対応する低級アルコールのポリカルボン酸エステルまたはそれらの混合物が、遊離ポリカルボン酸とのそれらの混合物と同様に使用され得る。ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式であり得、それらは、例えば、ハロゲン原子によって置換され得、かつ/または不飽和であり得る。好適な例示的なポリカルボン酸、無水物、および低級アルコールのポリカルボン酸エステルは、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、任意選択で単量体の脂肪酸、ジメチルテレフタレートおよびテレフタル酸-ビス-グリコールエステルと混合される、二量体および三量体の脂肪酸を含むが、これらに限定されない。他の好適なポリエステルポリオールの例は、通商指定子STEPANPOL PS-2352(酸価、最大0.6~1.0mg KOH/g、ヒドロキシル価230~250mg KOH/g、官能価2.0、Stepan Company)の下で提供されるものなどの、修飾された芳香族ポリエステルポリオールを含む。
【0015】
例示的な好適な多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール-(1,2)および-(1,3)、ブチレングリコール-(1,4)および-(2,3)、ヘキサンジオール-(1,6)、オクタンジオール-(1,8)、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール(1,4-ビス-ヒドロキシ-メチルシクロヘキサンおよび他のアイソマー)、2-メチル-1,3-プロパン-ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール-(1,2,6)、ブタントリオール-(1,2,4)、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトールおよびソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコールならびにポリブチレングリコールを含むが、これらに限定されない。ポリエステルはまた、ある割合のカルボキシル末端基を含有し得る。ε-カプロラクトンなどのラクトン、またはコ-ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸のポリエステルもまた、使用され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、ポリエステルポリオールは、芳香族ポリエステルポリオールである。芳香族ポリエステルポリオールの例は、芳香族多塩基酸および脂肪族多価アルコールの反応生成物から形成されたものを含む。他の例は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フタル酸無水物、トリメリット酸、またはトリメリット酸無水物のうちの少なくとも1つを含む多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはグリセロールのうちの少なくとも1つを含む脂肪族多価アルコールとの反応から形成された反応生成物を含む。追加の例では、芳香族ポリエステルポリオールは、テレフタル酸の多塩基酸、ならびにジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、および/またはグリセロールを含む脂肪族多価アルコールから形成された反応生成物である。様々な実施形態について、芳香族ポリエステルポリオールは、ポリエステルポリオールの総重量に基づいて8、10、12、または14重量%(重量%)の低い値および18、20、30、または40重量%の高い値からの芳香族含有量を有し、提供される低い値および高い値の任意の組み合わせが、可能である(例えば、芳香族ポリエステルポリオールの芳香族含有量は、8重量%~40重量%である)。いくつかの実施形態では、芳香族ポリエステルポリオールは、最低1.8、1.9、または2.0かつ最高2.4の平均ヒドロキシル官能価を有する。提供される低い値および高い値の任意の組み合わせが可能である場合(例えば、平均ヒドロキシル官能価は、1.8~3.0である)、2.7、または3.0。いくつかの実施形態について、芳香族ポリエステルポリオールは、最低300、350、400、または425かつ最高525、550、600、または800の数平均分子量を有し、提供される低い値および高い値の任意の組み合わせが、可能である(例えば、芳香族ポリエステルポリオールの数平均分子量は300~800である)。
【0017】
そのようなポリオール成分はまた、プロパンジオール-(1,3)、ブタンジオール-(1,4)および/もしくはヘキサンジオール-(1,6)などのジオールの反応生成物などのポリカーボネートポリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールを、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート、ジメチルカーボネートなどのジ脂肪族カーボネートもしくはホスゲンとともに、またはオキシランおよび二酸化炭素の反応から含み得る
【0018】
好適なイソシアネート反応性化合物の他の例は、少なくとも75のヒドロキシル当量を有するプロピレンオキシドを用いて形成されたそれらのポリマーまたはコポリマーを含む。プロピレンオキシドは、1,3-プロピレンオキシドであってもよいが、より一般的には1,2-プロピレンオキシドである。コポリマーの場合、コモノマーは、例えばエチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,2-ヘキサンオキシドなどの他の共重合可能なアルキレンオキシドである。コポリマーは、25重量%以上、50重量%以上、かつ好ましくは75重量%以上の重合プロピレンオキシドを含有し得る。イソシアネート反応性化合物はまた、重合アルキレンオキシドの総重量に基づいて100%のプロピレンオキシドを用いて形成されたそれらのポリマーを含み得る。コポリマーは、好ましくは重合エチレンオキシドを75重量%以下、特に50重量%以下含有する。プロピレンオキシドのポリマーまたはコポリマーは、少なくとも2.0の公称官能価を有するはずである。公称官能価は、好ましくは2.5~8、より好ましくは2.5~7または2.5~6である。プロピレンオキシドのポリマーまたはコポリマーのヒドロキシル当量は、少なくとも100、好ましくは少なくとも150、より好ましくは150~1,000、いくつかの実施形態では150~750である。イソシアネート反応性化合物は、ブレンドで形成され得、ポリオールブレンドは、ジオールおよびトリオールのブレンドを含み得る。ジオールは、300~8,000グラム/モルの平均分子量(Mw)を有し、トリオールは、500~6,500グラム/モルの平均分子量(Mw)を有する。
【0019】
様々な実施形態では、芳香族部分を有しない好適なイソシアネート反応性化合物は、芳香族部分を有する好適なイソシアネート反応性化合物とのブレンドとして形成され得る。非芳香族イソシアネート反応性化合物および芳香族含有イソシアネート反応性化合物のブレンドであるイソシアネート反応性化合物では、芳香族部分を含有するイソシアネート反応性化合物は、5重量パーセント(重量%)~80重量%の芳香族含有量を有する。好ましくは、芳香族部分は、芳香族部分を含有するイソシアネート反応性化合物の8重量%~50重量%を構成する。より好ましくは、芳香族部分は、芳香族部分を含有するイソシアネート反応性化合物の10重量%~40重量%を構成する。
【0020】
様々な実施形態では、イソシアネート反応性化合物は、10mg KOH/g~700mg KOH/gのヒドロキシル価を有し得る。さらに別の実施形態では、イソシアネート反応性化合物は、100mg KOH/g~500mg KOH/g、または150mg KOH/g~400mg KOH/g、または190mg KOH/g~350mg KOH/gのヒドロキシル価を有する。本明細書で使用される場合、ヒドロキシル価は、1グラムのポリオールまたは他のヒドロキシル化合物中のヒドロキシル含有量に等しい水酸化カリウムのミリグラム数である。ポリオールはまた、2~2.7または2~2.5などの1.8~3の数平均イソシアネート反応性基官能価を有し得る。
【0021】
様々な実施形態について、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールはまた、親水性構造または疎水性構造を提供するために、当技術分野で既知のように、エチレンオキシド(EO)および/またはプロピレンオキシド(PO)を使用してキャップを外すか、またはキャップすることができる。
【0022】
本開示では、本開示のイソシアネート反応性組成物を形成する際に、ポリオール成分以外の他のイソシアネート反応性組成物を使用することができる。これにより、イソシアネート反応性組成物の二成分系が可能になり、本明細書で提供されるようなポリオールの代わりに、またはポリオールに加えて、アミンを硬化剤として使用することができる。このようなイソシアネート反応性組成物は、第1のアミノ基に対してオルト位に少なくとも1つのアルキル置換基、および第2のアミノ基に対してオルト位に2つのアルキル置換基を含有するもの、またはそれらの混合物などの、芳香族ジアミンを含み得る。いくつかの実施形態では、アルキル置換基のうちの少なくとも2つは、少なくとも2つの炭素原子を含有する。特定の実施形態では、イソシアネートに対するジアミンの反応性は、例えば、メチレン-ビス-クロロアニリン(MOCA)の場合と同様に、ハロゲン、エステル、エーテルまたはジスルフィド基などの電子吸引性置換基によって低減されていない。特定の実施形態では、そのようなジアミンは、イソシアネートと反応する他の官能基を含有しない。特定の実施形態では、前述のアルキル置換基は、最大20個の炭素原子を有することができ、直鎖型長鎖または分岐型長鎖であり得る。
【0023】
ポリウレタンベースの発泡体を形成するためのイソシアネート反応性組成物はまた、燃焼調整剤組成物を含む。様々な実施形態について、燃焼調整剤組成物は、ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリンおよび遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属を含み、リンおよび遷移金属の重量%は、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく。好ましくは、燃焼調整剤組成物は、ハロゲン不含難燃性化合物からの0.3重量%~5.0重量%のリンであって、ハロゲン不含難燃性化合物からのリンの重量%が、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく、リンと、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づいて、遷移金属化合物からの0.1重量%~5.0重量%の遷移金属と、を含む。より好ましくは、燃焼調整剤組成物は、ハロゲン不含難燃性化合物からの1.0重量%~3.0重量%のリンであって、ハロゲン不含難燃性化合物からのリンの重量%が、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく、リンと、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づいて、遷移金属化合物からの0.3重量%~2.0重量%の遷移金属と、を含む。所与の重量パーセント値について、燃焼調整剤組成物は、0.05:1~5:1の遷移金属対リン(モル遷移金属:モルリン)のモル比を有する。好ましくは、遷移金属対リン(モル遷移金属:モルリン)のモル比は、0.10:1~3:1である。より好ましくは、遷移金属対リン(モル遷移金属:モルリン)のモル比は、0.15:1~1:1である。
【0024】
本明細書で提供される実施形態について、ハロゲン不含難燃性化合物は、ホスフェート、ポリホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ビホスフィネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。ホスフェートの例は、トリアルキルホスフェート、トリアリールホスフェート、ホスフェートエステルおよびレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)を含む。本明細書で使用される場合、トリアルキルホスフェートは、2~12個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルキル基を有する。トリアルキルホスフェートの他の2つのアルキル基は、独立して、1~8個の炭素原子を含有する第1のアルキル基と同じか、または異なっていてもよく、線状または分岐型アルキル基、環状アルキル基、アルコキシエチル、ヒドロキシルアルキル、ヒドロキシルアルコキシアルキル基、および線状または分岐型アルキレン基を含む。トリアルキルホスフェートの他の2つのアルキル基の例は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、n-プロピル、イソプロピルを含む。n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ブトキシエチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、シクロヘキシル、プロピレン、2-メチルプロピレン、ネオペンチレン、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたはヒドロキシブチル。異なるトリアルキルホスフェートのブレンドもまた、使用され得る。トリアルキルホスフェートの3つのアルキル基は、同じであり得る。トリアルキルホスフェートは、望ましくはトリエチルホスフェート(TEP)である。
【0025】
ホスホネートの例は、ジエチル(ヒドロキシメチル)ホスホネート、ジメチルメチルホスホネートおよびジエチルエチルホスホネートを含む。ホスフィネートの例は、アルミニウムメチルエチルホスフィネート、アルミニウムジエチルホスフィネート、亜鉛メチルエチルホスフィネート、および亜鉛ジエチルホスフィネートなどの有機ホスフィネートの金属塩を含む。追加のハロゲン不含難燃性化合物の例は、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、アンモニウムポリホスフェートおよびそれらの組み合わせを含む。
【0026】
本明細書で提供される実施形態について、遷移金属化合物は、オキシド、カルボキシレート、塩、配位化合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、遷移金属は、銅、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。遷移金属化合物の例は、酸化銅(I)、酸化銅(II)、酢酸銅(II)、酢酸銅(I)、酪酸銅、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)銅二ナトリウム塩、ジ-μ-ヒドロキソビス[(N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]塩化物、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、マンガン(II)2-エチルヘキサノエート、ジシクロペンタジエニル鉄(フェロセン)およびそれらの組み合わせを含む。好ましくは、遷移金属化合物は、酸化銅(I)、酸化銅(II)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)銅二ナトリウム塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。本開示の遷移金属化合物は、イソシアネートおよびイソシアネート反応性組成物の反応にほとんどまたは全く影響を及ぼさない。遷移金属化合物は、好ましくは、遷移金属化合物を有しない同じポリウレタン発泡体配合物と比較して、ポリウレタン発泡体中のイソシアヌレート濃度を40%以上低減しない。より好ましくは、遷移金属化合物は、遷移金属化合物を有しない同じポリウレタン発泡体配合物と比較して、ポリウレタン発泡体中のイソシアヌレート濃度を30%以上低減しない。最も好ましくは、遷移金属化合物は、遷移金属化合物を有しない同じポリウレタン発泡体配合物と比較して、ポリウレタン発泡体中のイソシアヌレート濃度を20%以上低減しない。
【0027】
以下の実施例のセクションで考察されるように、所与のサイズ範囲の遷移金属化合物を有するポリウレタンベースの発泡体の熱分解からのHCN生成の驚くべき低減がある。好ましくは、本開示のポリウレタンベースの発泡体を形成するのに使用される遷移金属化合物は、1nm~100μmの中央値粒子直径(D50)を有する。好ましくは、本開示のポリウレタンベースの発泡体を形成するのに使用される遷移金属化合物は、10nm~10μmの中央値粒子直径(D50)を有する。本開示のポリウレタンベースの発泡体を形成するのに使用される遷移金属化合物の中央値粒子直径の他の好ましい値は、5nm~50μmおよび10nm~20μmを含む。
【0028】
様々な実施形態について、イソシアネート反応性組成物は、70:1~1:1のハロゲン不含難燃性化合物からのイソシアネート反応性部分のモル対リンのモルのモル比を有する。好ましくは、ハロゲン不含難燃性化合物からのイソシアネート反応性部分のモル対リンのモルのモル比は、35:1~2:1である。最も好ましくは、ハロゲン不含難燃性化合物からのイソシアネート反応性部分のモル対リンのモルのモル比は、10:1~3:1である。
【0029】
本明細書で提供される実施形態について、イソシアネート反応性組成物は、触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせをさらに含み得る。当技術分野で既知の他の成分の使用もまた、ポリウレタンベースの発泡体を形成するための、本明細書で提供されるような反応混合物中のイソシアネート化合物とのイソシアネート反応性組成物の使用を増進および/または促進するためのイソシアネート反応性組成物に含まれ得る。
【0030】
水は、必要に応じて、反応を進めるために反応混合物に含まれ得、化学発泡剤として使用され得る。反応混合物中に存在する水の量は、イソシアネート反応性組成物の総重量に基づいて、0~5重量%の範囲であり得る。
【0031】
触媒は、反応混合物の総重量に基づいて0.1~3.0重量%の触媒で、反応混合物を提供するのに十分な量でイソシアネート反応性組成物中に存在し得る。触媒は、有機三級アミン、三級ホスフィン、酢酸カリウム、ウレタンベースの触媒および組み合わせからなる群から選択され得る。触媒はまた、当技術分野で既知であるように、有機スズ化合物を含み得る。
【0032】
様々な実施形態について、触媒は、発泡触媒、ゲル化触媒、三量体化触媒、またはそれらの組み合わせであり得る。本明細書で使用されるとき、発泡触媒およびゲル化触媒は、発泡触媒の場合は尿素(ブロー)反応、またはゲル化触媒の場合はウレタン(ゲル)反応のいずれかを有利にする傾向によって区別され得る。三量体化触媒は、組成物中のイソシアヌレート反応を増進するために利用され得る。
【0033】
発泡触媒、例えば、発泡反応を有利にする傾向があり得る触媒の例は、短鎖三級アミンまたは酸素を含有する三級アミンを含むが、これらに限定されない。アミンベースの触媒は、立体障害でない場合がある。例えば、発泡触媒は、特に、ビス-(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレン-トリアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’-テトラ-メチルエチレンジアミン、およびそれらの組み合わせを含む。市販の発泡触媒の例は、他の市販の発泡触媒の中でも特に、EvonikからのPOLYCAT(商標)5である。
【0034】
ゲル化触媒、例えば、ゲル化反応を有利にする傾向があり得る触媒の例は、有機金属化合物、環式三級アミンおよび/または長鎖アミン、例えば、いくつかの窒素原子を含有するもの、ならびにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。有機金属化合物は、有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えば、スズ(II)ジアセテート、スズ(II)ジオクタノエート、スズ(II)ジエチルヘキサノエート、およびスズ(II)ジラウレート、ならびに有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエートおよびジオクチルスズジアセテートなどの有機スズ化合物を含む。有機カルボン酸のビスマス塩はまた、例えば、ビスマスオクタノエートなどのゲル化触媒としても利用され得る。環式三級アミンおよび/または長鎖アミンは、ジメチルベンジルアミン、トリエチレンジアミン、およびそれらの組み合わせ。、およびそれらの組み合わせを含む。市販のゲル化触媒の例は、他の市販のゲル化触媒の中でも特に、EvonikからのPOLYCAT(商標)8およびDABCO(商標)T-12である。
【0035】
三量体化触媒の例は、特に、N,N,N′,N′′,N′′-ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、N,N’,N’‘-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、N,N-ジメチルシクロ-ヘキシルアミン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)-s-ヘキサヒドロトリアジン、[2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール]、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシドおよびカリウムイソプロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、ならびに10~20個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、ならびにそれらの組み合わせを含む。いくつかの市販の三量体化触媒は、他の市販の三量体化触媒の中でも、DABCO(商標)TMR-2、TMR-7、DABCO(商標)K 2097、DABCO(商標)K15、POLYCAT(商標)41、およびPOLYCAT(商標)46を含み、各々は、Evonikからのものである。
【0036】
様々な実施形態について、発泡剤は、反応混合物の総重量に基づいて1.0~15重量%の発泡剤で、反応混合物を提供するのに十分な量でイソシアネート反応性組成物中に存在し得る。発泡剤は、当技術分野で既知のように、水、揮発性有機物質、溶解した不活性ガスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。発泡剤の例は、ブタン、イソブタン、2,3-ジメチルブタン、n-およびi-ペンタン異性体、ヘキサン異性体、ヘプタン異性体、ならびにシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンを含むシクロアルカンなどの炭化水素;HCFC-142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン)、HCFC-141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)、HCFC-22(クロロジフルオロ-メタン)、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタ-フルオロブタン)、HFC 227ea(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)、HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン)、HFC-143(1,1,2-トリフルオロエタン)、HFC 143A(1,1,1-トリフルオロエタン)、HFC-152(1,1-ジフルオロエタン)、HFC-227ea(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)、HFC-236ca(1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン)、HFC 236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロエタン)、HFC 245ca(1,1,2,2,3-ペンタフルオロペンタン)、HFC 356mff(1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン)、HFC 365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)などのヒドロフルロカーボン(hydroflurocarbon);シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンなどのヒドロフルオロオレフィン;ギ酸および水などの化学発泡剤を含む。発泡剤はまた、酢酸エチルなどの他の揮発性有機物質;メタノール;エタノール;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチリデン、塩化ビニリデン、モノフルオロトリクロロメタン、クロロジフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタンなどのハロゲン置換アルカン;ブタン;ヘキサン;ヘプタン;窒素などのガスと同様にジエチルエーテル;空気;および二酸化炭素を含む。
【0037】
様々な実施形態について、界面活性剤は、反応混合物の総重量に基づいて0.1~10重量%の界面活性剤で、反応混合物を提供するのに十分な量でイソシアネート反応性組成物中に存在し得る。好適な界面活性剤の例は、シリコーンベースの界面活性剤および有機ベースの界面活性剤を含む。いくつかの代表的な材料は、一般に、米国特許第2,834,748号、同第2,917,480号、および同第2,846,458号に開示されるものなどの、ポリシロキサンポリオキシルアルキレンブロックコポリマーであり、これらの開示は、それらの全体の参照により本明細書に組み込まれる。また、米国特許第5,600,019号に記載されるように、ポリオキシエチレン-ポリオキシブチレンブロックコポリマーを含有する有機界面活性剤も含まれ、その開示は、その全体の参照により本明細書に組み込まれる。他の界面活性剤は、長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、長鎖アリル酸硫酸エステルの三級アミンまたはアルカノールアミン塩、アルキルスルホン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸およびそれらの組み合わせを含む。
【0038】
反応混合物は、水、触媒、発泡剤、界面活性剤およびそれらの組み合わせに加えて、他の添加剤とともに充填剤をさらに含み得る。イソシアネート反応性組成物中に存在するそのような他の添加剤の総量は、反応混合物の総重量に基づいて0.01~3.0重量%の他の添加剤(例えば、充填剤)で、反応混合物を提供するのに十分であり得る。ポリウレタン発泡体に対する他の添加剤の使用もまた、知られており、本開示で使用され得る。
【0039】
本開示のポリウレタンベースの発泡体を形成するための反応混合物は、本明細書で提供されるように、イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物と、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の5重量%~80重量%を構成するイソシアネート部分および芳香族部分を有するイソシアネート反応性化合物と、を含む。本明細書の実施形態について、反応混合物は、1.2:1~7:1のイソシアネート部分対イソシアネート反応性部分のモル比を有し得る。好ましくは、イソシアネート部分対イソシアネート反応性部分のモル比は、1.5:1~5:1である。より好ましくは、イソシアネート部分対イソシアネート反応性部分のモル比は、2:1~4:1である。好ましくは、イソシアネート反応性化合物のイソシアネート反応性部分はヒドロキシル部分であり、反応混合物は、1.2:1~7:1、好ましくは1.5:1~5:1、より好ましくは2:1~4:1のイソシアネート部分対ヒドロキシル部分とのモル比を有する。
【0040】
反応混合物はまた、ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリンおよび遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属を含み、リンおよび遷移金属の重量%値は、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく。様々な実施形態について、ハロゲン不含難燃性化合物および/または遷移金属化合物は、イソシアネート化合物および/またはイソシアネート反応性化合物のいずれかとの混合物中に含まれ得、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の両方が本開示のイソシアネート反応性化合物とともに含まれる際、この混合物は、本開示のイソシアネート反応性組成物を提供できる。反応混合物は、さらに任意選択で、ポリウレタンベースの発泡体を形成するための、各々が本明細書で提供されるような、触媒、界面活性剤および発泡剤を含む。本明細書で考察されるように、ポリウレタンベースの発泡体は、反応混合物を用いて形成される。
【0041】
様々な実施形態について、イソシアネート化合物は、150g/mol~750g/molの数平均分子量を有する。他の数平均分子量値もまた、可能であり得る。例えば、イソシアネート反応性化合物は、150、200、250または300g/モルの低い値~350、400、450、500または750g/モルの上限値の数平均分子量を有し得る。いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物が、ゲル化または固化をもたらさない条件下でモル過剰のポリイソシアネート化合物または重合体のイソシアネート化合物とのイソシアネート反応性化合物の反応から生じるイソシアネートプレポリマーである場合、イソシアネートプレポリマーは、750g/molより高い数平均分子量を有し得、プレポリマーを調製する際に使用された各成分の数平均分子量およびそれらの相対質量から計算され得る。本明細書で報告される数平均分子量値は、末端基分析、ゲル透過クロマトグラフィー、および当技術分野で既知である他の方法によって決定される。イソシアネート化合物は、当技術分野で既知であるように、単量体および/または重合体であり得る。加えて、イソシアネート化合物は、80~400のイソシアネート当量を有し得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、重合体のイソシアネート化合物は、分子当たり2つ以上の-NCO基を含有する。様々な実施形態について、重合体のイソシアネート化合物は、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、ポリイソシアネート、イソシアネートプレポリマーおよびそれらの組み合わせから選択される。様々な実施形態について、重合体のイソシアネート化合物は、150g/mol~500g/molの数平均分子量を有する。加えて、高分子イソシアネート化合物は、80~150、好ましくは100~145、およびより好ましくは110~140のイソシアネート当量を有し得る。
【0043】
本開示の重合体のイソシアネート化合物の例は、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、MDIを含有するポリメチレンポリフェニルイソシアネート、重合体のMDI(PMDI)、1,6ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI(H12 MDI)、メトキシフェニル-2,4-ジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルオキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’,4“-トリフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルエン-2,4,6-トリイソシアネートおよび4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネート、メチレンビシクロヘキシルイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)ならびにそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。好適なイソシアネートはまた、他の芳香族および/または脂肪族多官能性イソシアネートを含み得る。芳香族ジイソシアネートは、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、4,4’-ジフェニルジメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジ-およびテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、ならびにそれらの組み合わせなどの、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、もしくはジフェニル部分、またはそれらの組み合わせを含有するものを含む。好適な脂肪族重合体のイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリマー、イソホロンジイソシアネートのトリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、水素化重合体のメチレンジフェニルジイソシアネート、水素化メチレンジフェニルジイソシアネート、水素化MDI、テトラメチルキシロールジイソシアネート(TMXDI)、1-メチル-2,4-ジイソシアナト-シクロヘキサン、1,6-ジイソシアネート-2,2,4-トリメチルヘキサン、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン、テトラメトキシブタン1,4-ジイソシアネート、ブタン1,4-ジイソシアネート、ヘキサン1,6-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、およびそれらの組み合わせを含む。他の重合体のイソシアネート化合物の例は、水素化キシレンジイソシアネート(HXDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート(DDDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)およびノルボルナンジイソシアネート(NDI)などの、天然における追加の脂肪族、脂環式、多環式または芳香族を含む。上記のイソシアネートと同様に、特に、ウレトジオン、イソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトンイミン、アロファネートまたはビウレット構造、およびそれらの組み合わせを含む一部修飾ポリイソシアネートを利用してもよい。
【0044】
特定の実施形態では、イソシアネートは、Brookfield DVE粘度計を使用して測定される際に、25℃で5~10,000mPa・sの粘度を有する。他の粘度値もまた、可能であり得る。例えば、イソシアネート化合物は、5、10、30、60または150mPasの低い値~500、2500、5000または10,000mPasの上限値の、Brookfield DVE粘度計を使用して測定される25℃での粘度値を有し得る。
【0045】
本明細書で提供される実施形態について、反応混合物は、任意選択で、本明細書で考察されるように、触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせを含み、これらの成分は、本明細書で考察されるイソシアネート反応性組成物に提供され得る。反応混合物はまた、ポリウレタンベースの発泡体を形成するために、本明細書で提供されるように、反応混合物を増進および/または促進するための当技術分野で既知の他の成分を含み得る。触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせは、イソシアネート反応性組成物および/またはイソシアネート化合物の任意の組み合わせで存在して、反応混合物について本明細書で提供されるそれらのそれぞれの重量%値に到達できることが、理解される。このことは、反応混合物の成分の使用を増進および/または促進するための当技術分野で既知の他の成分を有する反応混合物についての場合にも当てはまる。
【0046】
本開示はまた、ポリウレタンベースの発泡体を生産するための反応混合物を調製するためのプロセスを提供する。このプロセスは、本明細書で考察されるように、イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物を提供することを含み得る。プロセスはさらに、イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、イソシアネート反応性化合物の5重量%~80重量%を構成するイソシアネート反応性部分および芳香族部分を有するイソシアネート反応性化合物を提供することを含む。プロセスはまた、本明細書で考察されるハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリン、および本明細書で考察される遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属を提供することを含み、リンおよび遷移金属の重量%値は、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく。これらの所与の重量%値について、イソシアネート反応性組成物およびイソシアネート化合物を混合して反応混合物を形成することは、反応混合物中の0.05:1~5:1の遷移金属対リン(モル遷移金属:モルリン)のモル比を提供することを含み得る。プロセスは、任意選択で、触媒、界面活性剤および発泡剤を提供することをさらに含む。次いで、プロセスは、イソシアネート化合物、イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物;遷移金属化合物;ならびに任意選択の触媒、界面活性剤および発泡剤を混合して、反応混合物を形成することを含む。様々な実施形態について、反応混合物は、1.2:1~7:1のイソシアネート部分対イソシアネート反応性部分のモル比を有し得る。
【0047】
プロセスの追加の実施形態は、遷移金属化合物から遷移金属を提供する際に、遷移金属化合物を担体と混合することをさらに含む。本明細書で使用される場合、担体は、典型的には、遷移金属化合物からの遷移金属を提供することを促進するためのスラリーまたは溶液を形成するための固体粉末である、遷移金属化合物と混合するために使用される、液体である(例えば、イソシアネート反応性組成物への混合)。ポリウレタン発泡体を調製するための反応混合物に使用される液体成分のうちのいずれかは、それがイソシアネート反応性であるかどうかに関係なく、遷移金属化合物を分散させるために使用され得る。そのような担体液体の例は、ポリオール、触媒、界面活性剤、難燃性添加剤、液体発泡剤、レオロジー調整剤、液体染料などを含むが、これらに限定されない。遷移金属化合物が、ポリウレタン発泡体を作製するためのイソシアネート化合物に直接分散されることさえできることもまた、当業者に既知である。様々な実施形態について、ポリウレタンベースの発泡体を生産するための反応混合物を調製するためのプロセス中に、本明細書で考察されるように、ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリン(イソシアネート反応性化合物、ハロゲン不含難燃性化合物および遷移金属化合物の総重量に基づく重量%のリン)を、イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物と混合することもまた、可能である。
【0048】
以前に考察されたように、反応混合物のための触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせは、任意選択で、本明細書で考察されるように、イソシアネート反応性組成物に提供され得る。本明細書で提供される他の成分を、反応混合物を形成する際にイソシアネート反応性組成物およびイソシアネート化合物と混合することもまた、可能である。触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせは、イソシアネート反応性組成物および/またはイソシアネート化合物の任意の組み合わせで存在して、反応混合物について本明細書で提供されるそれらのそれぞれの重量%値に到達できることが、理解される。このことは、反応混合物中のイソシアネート化合物とのイソシアネート反応性組成物の使用を増進および/または促進するための当技術分野で既知の他の成分を有する反応混合物についての場合にも当てはまる。
【0049】
ポリウレタンベースの発泡体を生産するための反応混合物を調製するためのプロセスは、当技術分野における任意の既知のプロセス技術を通じて達成され得る。一般に、ポリウレタン発泡体は、一般に不連続パネルプロセス(DCP)および連続ラミネーションと呼ばれるプロセスを含む、不連続または連続プロセスによって生産され得、起泡反応およびその後の硬化は、型内またはコンベヤー上で実行される。本明細書で提供されるプロセスは、15℃~80℃の温度で実施され得る。プロセスのための混合圧力は、80kPa~25,000kPaの値を含み得る。混合は、当技術分野で既知である混合装置を使用して実施され得る。結果として得られる発泡体の密度は、10kg/m以上、好ましくは15kg/m以上、より好ましくは25kg/m以上、最も好ましくは35kg/m以上、かつ同時に、典型的には、200kg/m以下、好ましくは100kg/m以下、より好ましくは70kg/m以下、さらに最も好ましくは50kg/m以下であり得る。
【0050】
本開示のポリウレタンベースの発泡体は、ASTM E662「Test Method for Specific Optical Density of Smoke Generated by Solid Materials」に従って決定される、低い煙生成および高い熱安定性を提供する。最大特定光学密度(Max Ds)のより低い値は、より少ない煙生成を意味する。質量損失%のより低い値は、より大きい熱安定性を意味する。Max Dsは、400以下、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、およびさらに最も好ましくは50以下であり得る。質量損失%は、50%以下、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、およびさらに最も好ましくは35%以下であり得る。
【0051】
本開示のポリウレタンベースの発泡体は、建物断熱などの用途において低い熱伝導率を有し得る。硬質発泡体の熱伝導率は、Kファクターで表される。Kファクターは、断熱特性の測定値である。調製された発泡体のKファクターは、30.0mW/m・K以下、好ましくは27.0mW/m・K以下、より好ましくは24.0mW/m・K以下、さらに最も好ましくは22.0mW/m・K以下であり得る。熱伝導率(Kファクター)を、75°Fの平均温度でASTM C-518-17を使用して測定した。
【0052】
本開示によって生産されたポリウレタンベースの発泡体の用途は、業界で既知のものである。例えば、ポリウレタンベースの発泡体は、建物の壁および屋根において、ガレージのドアにおいて、輸送用トラックおよび鉄道車両において、かつ冷蔵施設において使用される断熱のために使用され得る。本明細書に開示されるポリウレタンベースの発泡体は、これらの用途に望ましい特性の組み合わせを有し得る。例えば、本明細書に開示されるポリウレタンベースの発泡体は、望ましい低い熱伝導率、煙密度、熱安定性、および低減されたHCNおよびCO排出を伴う改善された燃焼特性を有利に提供し得る。
【0053】
ここで、本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳細に記載する。
【実施例
【0054】
実施例において、例えば、以下を含む、材料の様々な用語および呼称を使用した。
【0055】
材料
実施例および/または比較例において用いられる材料は、以下を含む。
【0056】
ポリオールAは、Dow Incからの、220mg KOH/gのヒドロキシル価、2の官能価、および14.8重量%の芳香族部分の総含有量を有する、ポリエステルポリオール(テレフタル酸、ポリエチレングリコール、およびジエチレングリコールからの芳香族ポリエステルポリオール)である。
【0057】
ポリオールBは、Dow Incからの、315mg KOH/gのヒドロキシル価、2.4の官能価、および17.4重量%の芳香族部分の総含有量を有する、ポリエステルポリオール(テレフタル酸、ポリエチレングリコール、グリセロール、およびジエチレングリコールからの芳香族ポリエステルポリオール)である。
【0058】
トリエチルホスフェート(TEP)は、LANXESSからの難燃剤である。
【0059】
Fyrolflex(商標)レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)は、ICL
Industrial Productsからの難燃剤である。
【0060】
ジエチル(ヒドロキシメチル)ホスホネート(DEHMP)は、Tokyo Chemical
Industry Co.,Ltd.からの難燃剤である。
【0061】
POLYCAT(商標)5は、Evonik Industries AGからの触媒である。
【0062】
POLYCAT(商標)46は、Evonik Industries AGからの触媒である。
【0063】
界面活性剤は、Evonik Industries AGからのシリコーン硬質発泡体界面活性剤である。
【0064】
水は、25℃で10MΩ×cm(百万オーム)の比抵抗を有する脱イオン水である。
【0065】
シクロペンタン(c-ペンタン)は、Sigma-Aldrichからの発泡剤である。
【0066】
PAPI(商標)580Nは、Dow Inc.からの30.8%のメチレンジフェニル
ジイソシアネート(MDI)を含有するポリメチレンポリフェニルイソシアネートである。
【0067】
Flukaからのエチレンジアミン四酢酸銅二ナトリウム塩(CuEDTA)。
【0068】
Sigma-Aldrichからの銅(II)2-エチルヘキサノエート(CuEH)。
【0069】
酸化銅(I)(CuO)、粉末、サイズ≦7μm、Sigma-Aldrichからの97%。
【0070】
酸化銅(II)(CuO)、粉末、サイズ≦10μm、Sigma-Aldrichからの98%。
【0071】
酸化銅(II)(CuO)、粉末、サイズ10nm、US Research Nanomaterials,Inc.からの98%。
【0072】
酸化銅(II)(CuO)、粉末、サイズ40nm、US Research Nanomaterials,Inc.からの98%。
【0073】
Flukaからのジシクロペンタジエニル鉄(フェロセン)。
【0074】
実施例(Ex)および比較例(C Ex)のためのポリウレタンベースの発泡体の調製
反応混合物中で次の成分を使用して、実施例(Ex.)1~17および比較例(C Ex.)A~Fのためのポリウレタンベースの発泡体を形成する。各成分の量を、ポリウレタンベースの発泡体を形成するために使用される反応混合物の総重量に基づいて、重量部(PBW)で挙げる。「遷移金属化合物」の量は表1に見られ、一方で、各実施例および比較例についての「遷移金属化合物」の組成を表2~5に示す。
【表1】
【0075】
以下のようにポリウレタンベースの発泡体を調製する。各実施例および比較例について、表1に提供されるシクロペンタンおよび遷移金属化合物を除くイソシアネート反応性組成物の成分を、プラスチックビーカー中で2000rpmで、ロータリーミキサーを用いて1分間(min)混合する。以下の遷移金属化合物の使用を除いて、各実施例および比較例のための遷移金属化合物を、イソシアネート反応性組成物と2000rpmでさらに1分間直接混合する。CuEHについて、最初にCuEHをTEPに溶解し、イソシアネート反応性組成物の残りの成分と混合する。次いで、各実施例および比較例のためのシクロペンタンを、イソシアネート反応性組成物と直接混合する。次に、イソシアネート反応性組成物およびイソシアネートを、ビーカー中で再び3000rpmで4秒間(s)混合する。混合後、直ちにビーカーの内容物を60℃に予熱した型(300ミリメートル(mm)×200mm×50mm)に注ぐ。60℃で20分間硬化させた後、ポリウレタンベースの発泡体を、型から取り外す。成形されたポリウレタンベースの発泡体のコア密度は、約40kg/mであった。
【0076】
煙ガスの組成の分析
方法1-熱分解/GC
FID検出器を有するAgilent 6890 GCに取り付けられたFrontier Labs 2020D熱分解装置を使用して、熱分解試験を実施する。およそ200~250μgの試料を、Frontierラボのシリカ裏打ちされたステンレス鋼カップ中で秤量する。600℃の空気条件下で2分間、続いてヘリウム条件下でさらに2分間、分析のためにオーブン中に試料カップを落とすことによって、シングルショットモードによって熱分解を実施する。試料から排出された揮発性生成物を、マイクロ-クライオトラッピング装置(MCT)を使用して、分離カラムのヘッドで捕捉する。ガードカラムとしてHP-1(10m×0.53mm×2.65um)を有するAgilentからの10m×0.32mm ID×5μm PoraBond Qカラムを使用して、分離を達成する。バックフラッシュの目的でバックインレット圧力を使用する(PoraBond QおよびHP-1カラムへのヘッド圧力ティーとしてバックインレットを使用する0.5m×0.53mmガードカラム)。HCNを、バックFID検出器で検出した。HCN濃度比較のための試料重量によってHCNの正規化されたピーク面積を使用する。遷移金属含有試料の相対HCN含有量を、その正規化されたHCNピーク面積を、遷移金属を有しない比較対照例について正規化されたHCNピーク面積で割った比として定義する。
【0077】
GC条件:フロントインジェクションポート:300℃;1:1でのスプリットインジェクター;傾斜圧力:4.9psiを1.5分間、次いで50psi/minで3.1psiに保持する;バックインジェクションポート:4psi;GCオーブン:40℃で3分間、30℃/minで240℃に保持;FID:250℃、H2流量:40mL/min、空気流量:450mL/min、補給ガス(N2):30mL/min、50Hz。
【0078】
方法2-NBS/FTIR
ISO 5659:1994,Plastics-Smoke Generation-Part 2:Determination of Optical Density by a Single Chamber Testに従うNBS Smoke Chamber試験プロトコルを実施する。試料を、20分の試験期間の間、火炎暴露モードの50kW/mの照射量に曝す。フーリエ変換赤外(FTIR)分光計を使用して、燃焼の生成物を分析する。毒性測定のためのガスサンプリングを、曝露の開始時に始め、試験期間の終了まで継続する。最大の検出された濃度を百万分率で、かつ検体の質量損失%を(初期質量-最終質量)/公称質量*100%として報告する。検体の公称質量は、3”×3”×1”の寸法を有する発泡体検体の総質量である。遷移金属含有試料の相対HCN含有量またはCO含有量を、遷移金属を有しない比較対照例についての最大HCNまたは最大CO濃度によって正規化された最大HCNまたは最大CO濃度の比として定義する。
【0079】
NBS煙密度および質量損失%測定
ASTM E-662 Standard Test Method for Specific Optical Density of Smoke Generated by Solid Materialsに従うNBS煙密度測定を実施する。試料を、10分の試験期間の間、火炎暴露モードの25kW/mでの照射量に曝す。平均最大特定光学密度(Ds,max)および(初期質量-最終質量)/公称質量*100%としての検体の質量損失%を報告する。検体の公称質量は、3”×3”×1”の寸法を有する発泡体検体の総質量である。
【0080】
相対イソシアヌレート含有量測定
減衰全反射フーリエ変換赤外分光法(ATR-FTIR)を、SMART iTXシングルバウンスダイヤモンドATRを用いるNicolet iS50 FT-IR機器で実施する。16回のスキャンを、4cm-1の解像度で4000~600cm-1のスペクトル範囲で取得する。成形されたポリウレタンベースの発泡体試料の中心から長方形の断面(10mm×60mm)を切り取る。断面に対する3回の試験を、特徴的なピークに対する3つの測定値を平均して実施する。相対イソシアヌレート含有量を、遷移金属を有しない比較対照例についてのこのピーク高さ比によって正規化されたイソシアヌレート基特徴的ピーク高さ(約1409cm-1)およびフェニル基特徴ピーク高さ(約1595cm-1)の比として定義する。
【0081】
結果
表2は、ポリウレタンベースの発泡体の優れた煙密度および熱安定性(Max Ds≦45、質量損失値≦35%、および相対イソシアヌレート含有量≧0.60)を維持する一方で熱分解/GCからのHCN生成の顕著な低減(相対HCN濃度<0.70)を示す。
【表2】
【0082】
表3および表4に見られるように、熱分解/GCからのHCN生成の顕著な低減、優れた煙密度、およびイソシアヌレート含有量は、異なるリン化合物で達成される。
【表3】
【表4】
【0083】
表5に見られるように、熱分解/GCからのHCN生成の顕著な低減は、異なるタイプの遷移金属化合物の添加で達成され得る。
【表5】
【0084】
表6に示されるように、熱分解/GCからのHCN生成の顕著な低減は、異なるサイズの遷移金属添加剤添加することにより達成され得る。
【表6】
【0085】
高い熱流束曝露(50kw/m)条件下でのNBS/FTIR試験において見られるように(表7)、すべての濃度でのCuOを有するポリウレタンベースの発泡体について観察されたHCNおよびCOの顕著な低減が存在した。驚くべきことに、より高い炭収率を伴うより大きな効率的HCNおよびCO低減が、0.25重量%の銅濃度で達成された。イソシアネート反応性組成物に可溶である銅化合物CuEHを使用し、HCN放出は対照(比較例A)よりも高かった。
【表7】


本出願の発明の例として、以下のものが挙げられる。
[1] ポリウレタンベースの発泡体を形成するためのイソシアネート反応性組成物であって、
イソシアネート反応性部分および芳香族部分を有するイソシアネート反応性化合物であって、前記芳香族部分が、前記イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、前記イソシアネート反応性化合物の5重量パーセント(重量%)~80重量%である、イソシアネート反応性化合物と、
ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリン、および
遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属を含む、燃焼調整剤組成物と、を含み、前記遷移金属の前記重量%および前記リンの重量%が、各々、前記イソシアネート反応性化合物、前記ハロゲン不含難燃性化合物および前記遷移金属化合物の総重量に基づく、イソシアネート反応性組成物。
[2] 前記燃焼調整剤組成物が、0.05:1~5:1の前記遷移金属対リンのモル比を有する、上記[1]に記載のイソシアネート反応性組成物。
[3] 前記ハロゲン不含難燃性化合物が、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記[1]に記載のイソシアネート反応性組成物。
[4] 前記遷移金属化合物が、オキシド、カルボキシレート、塩、配位化合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記遷移金属が、銅、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記[1]に記載のイソシアネート反応性組成物。
[5] 前記遷移金属化合物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)銅二ナトリウム塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記[1]に記載のイソシアネート反応性組成物。
[6] 前記遷移金属化合物が、10nm~10μmの中央値粒子直径を有する、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
[7] ポリウレタンベースの発泡体を形成するための反応混合物であって、
イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物と、
イソシアネート反応性化合物の総重量に基づいて、前記イソシアネート反応性化合物の5重量パーセント(重量%)~80重量%を構成するイソシアネート反応性部分および芳香族部分を有する、前記イソシアネート反応性化合物と、
ハロゲン不含難燃性化合物からの0.1重量%~7.0重量%のリンおよび遷移金属化合物からの0.05重量%~14.0重量%の遷移金属であって、リンおよび前記遷移金属の重量%値が、前記イソシアネート反応性化合物、前記ハロゲン不含難燃性化合物および前記遷移金属化合物の総重量に基づく、リンおよび遷移金属と、
任意選択で、触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせと、を含む、反応混合物。
[8] 前記反応混合物が、1.2:1~7:1の前記イソシアネート部分対前記イソシアネート反応性部分のモル比を有する、上記[7]に記載の反応混合物。
[9] 上記[7]または[8]に記載の反応混合物を用いて形成された、ポリウレタンベースの発泡体。
[10] ポリウレタンベースの発泡体を生産するための反応混合物を調製するためのプロセスであって、
イソシアネート部分を有するイソシアネート化合物を提供することと、
上記[1]~[6]のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物を提供することと、
任意選択で、触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせを提供することと、
前記イソシアネート化合物、前記イソシアネート反応性組成物および前記任意選択の触媒、界面活性剤、発泡剤またはそれらの組み合わせを混合して前記反応混合物を形成することであって、前記反応混合物が、1.2:1~7:1の前記イソシアネート部分対前記イソシアネート反応性部分のモル比を有する、形成することと、を含む、プロセス。