(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】複数要素ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20241112BHJP
【FI】
A63B53/04 A
(21)【出願番号】P 2022504293
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(86)【国際出願番号】 US2020043483
(87)【国際公開番号】W WO2021016555
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-07-21
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アール. ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム. ヘンリクソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー エス. ポープ
(72)【発明者】
【氏名】クレイソン シー. スパックマン
(72)【発明者】
【氏名】コリー エス. ベーコン
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0176001(US,A1)
【文献】特開2008-194454(JP,A)
【文献】特開2006-102053(JP,A)
【文献】特表2011-511664(JP,A)
【文献】特開2011-206244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディを備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記ボディは、打撃フェースと、リア端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、後縁と、を備えており、
前記ボディはさらに、
前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルをさらに有するリア延長部と、を備え、前記ウェイトチャネルが前記ゴルフクラブヘッドの前記リア端の中央に位置する、第1の構成要素と、
前記リア端の少なくとも一部を備える第2の構成要素と、を備えており、
前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、
X軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端から前記トウ端まで、且つ、前記ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地面に平行な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、
Y軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記クラウンから前記ソールまで、且つ、前記X軸に垂直な方向に、前記打撃フェースの中心を通って延びており、
Z軸が、前記打撃フェースから前記ゴルフクラブヘッドのリア端まで、且つ、前記X軸及び前記Y軸に垂直な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、
前記打撃フェースにほぼ平行であって前記打撃フェース中心に接するロフト面が、前記接地面に対してロフト角を形成し、
XY平面が、前記X軸と前記Y軸を通って延びており、
YZ平面が、前記Y軸と前記Z軸を通って延びており、
前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、
前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、
前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、
前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、第1の構成要素クラウン部と第1の構成要素ソール部を備えており、
前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部から前記リア端に向かって延びており、
前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合されて、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、
前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部はさらに、前記リア延長部のトウ側にあるトウ延長部と、前記リア延長部のヒール側にあるヒール延長部と、を備えており、
前記トウ延長部は、トウ延長部リア壁を有しており、前記ヒール延長部は、ヒール延長部リア壁を有しており、
前記第1の構成要素
の質量は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の85%から96%で
あり、
前記ウェイトチャネルは、前記ボディの前記リア端と前記ソールにおいて露出しており、
前記ウェイトチャネルは、3つの位置のうちの1つにおいて可動ウェイトを受容するように構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記リア延長部は、前記ウェイトチャネルを
前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部に接続するトウ側壁とヒール側壁を備えている、請求項
1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記リア延長部
の前記トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側壁角度を形成し、
前記リア延長部
の前記ヒール側壁と前記ヒール延長部
リア壁は、ヒール側壁角度を形成する、請求項
2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記トウ側壁角度と前記ヒール側壁角度は、角度の合計が180度になるように補角である、請求項
3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記リア延長部
の前記トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側交点で結合されており、前記リア延長部
の前記ヒール側壁と前記ヒール延長部
リア壁は、ヒール側交点で結合されており、
交点平面は、前記トウ側交点と前記ヒール側交点と一致し、前記XY平面と平行に延びている、請求項
4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ウェイトチャネルが、3つのねじ穴を有する取り付け壁をさらに備えており、
前記3つのねじ穴が、トウ側ねじ穴と、中央ねじ穴と、ヒール側ねじ穴と、を備えており、
前記中央ねじ穴が、前記取り付け壁の長さの中央点に位置する、請求項
1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記ウェイトチャネルが、3つの穴を有する取り付け壁をさらに備えており、
前記3つの穴が、トウ側穴と、中央穴と、ヒール側穴と、を備えており、
前記中央穴が、前記取り付け壁の長さの中央点に位置しており、
前記リア延長部は、リア延長部前方中間点と
前記取り付け壁の
前記中央穴の中心との間に延在するリア延長軸を備えており、
前記リア延長部前方中間点は、前記トウ側交点と前記ヒール側交点との間の半分の位置にある、請求項
5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記リア延長軸は、前記交点平面に対して垂直である、請求項
7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記リア延長軸は、前記交点平面に対して垂直ではない、請求項
7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
トウ側軸角度は、前記リア延長軸のトウ側において、前記ゴルフクラブヘッドのソールから見て測定される前記交点平面と前記リア延長軸との間の角度を有しており、
ヒール側軸角度は、前記リア延長軸のヒール側において、前記ゴルフクラブヘッドのソールから見て測定される前記交点平面と前記リア延長軸との間の角度を有しており、
前記トウ側軸角度と前記ヒール側軸角度は、180度となる補角である、請求項
7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記リア延長部は、前記ヒール端よりも前記ゴルフクラブヘッドの前記トウ端に近い
前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部に取り付けられており、
前記トウ側軸角度は90度よりも大きく、前記ヒール側軸角度は90度よりも小さい、請求項
10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記リア延長部は、前記トウ端よりも前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端に近い
前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部に取り付けられており、
前記ヒール側軸角度は90度よりも大きく、前記トウ側軸角度は90度よりも小さい、請求項
10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記リア延長部は、
前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部の後方周囲の後方において、ヒールからソール方向に測定されるリア延長部幅を備えており、
前記リア延長部幅は、前記ソールの全幅の25%から85%の範囲である、請求項1~
12のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記ウェイトチャネルに隣接する前記リア延長部幅は、1インチから2.5インチの範囲とすることができる、請求項
13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
トウ側交点とヒール側交点との間の前記リア延長部幅は、1インチから5インチの範囲とすることができる、請求項
13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
可動ウェイトが、ねじ付き締結具によって固定される、請求項
1~15のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記ウェイトチャネルがソール壁をさらに備えており、
前記取り付け壁が前記ソールに対してほぼ垂直に配向されている、請求項
6又は7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
ボディを備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記ボディは、打撃フェースと、リア端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、後縁部と、を備えており、
前記ボディはさらに、
前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルをさらに有するリア延長部と、を備えている、第1の構成要素と、
前記リア端の少なくとも一部を備える第2の構成要素と、を備えており、
前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、
X軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端から前記トウ端まで、且つ、前記
ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地面に平行な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、
Y軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記クラウンから前記ソールまで、且つ、前記X軸に垂直な方向に、前記打撃フェースの中心を通って延びており、
Z軸が、前記打撃フェースから前記ゴルフクラブヘッドのリア端まで、且つ、前記X軸及び前記Y軸に垂直な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、
前記打撃フェースにほぼ平行であって前記打撃フェース中心に接するロフト面が、前記接地面に対してロフト角を形成し、
XY平面が、前記X軸と前記Y軸を通って延びており、
YZ平面が、前記Y軸と前記Z軸を通って延びており、
前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、
前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、
前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、
前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、第1の構成要素クラウン部と第1の構成要素ソール部を備えており、
前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部から前記リア端に向かって延びており、
前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合されて、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、
前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部はさらに、前記リア延長部のトウ側にあるトウ延長部と、前記リア延長部のヒール側にあるヒール延長部と、を備えており、
前記トウ延長部は、トウ延長部リア壁を有しており、前記ヒール延長部は、ヒール延長部リア壁を有しており、
前記リア延長部は、幅と長さを有しており、
前記リア延長部は、前記ウェイトチャネルを
前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部に接続するトウ側壁とヒール側壁を備えており、
前記リア延長部
の前記トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側壁角度を形成し、
前記リア延長部
の前記ヒール側壁と前記ヒール延長部
リア壁は、ヒール側壁角度を形成し、
前記リア延長部
の前記トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側交点で結合されており、前記リア延長部
の前記ヒール側壁と前記ヒール延長部
リア壁は、ヒール側交点で結合されており、
交点平面は、前記トウ側交点と前記ヒール側交点と一致し、前記XY平面と平行に延びて
おり、
前記ウェイトチャネルは、前記ボディの前記リア端と前記ソールにおいて露出しており、
前記ウェイトチャネルは、3つの位置のうちの1つにおいて可動ウェイトを受容するように構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年7月24日に出願された米国仮出願第62/878,263号の利益を主張し、その内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概してゴルフ道具に関し、より詳細には、複数要素ゴルフクラブヘッド、および複数要素ゴルフクラブヘッドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
概して、クラブヘッド質量は、構造質量と裁量質量の総量である。一定の全スイング重量を有する理想的なクラブ設計において、構造質量が最小化され(弾力性を犠牲にすることなく)、これにより、クラブ性能をカスタマイズし、最大化するために、任意の配置のための十分な裁量質量を設計者に提供するであろう。構造質量とは、一般に、繰り返されるインパクトに耐える構造的な弾性をクラブヘッドに提供するために必要な材料の質量を指す。構造質量は設計依存性が高く、特定の質量分布に対して設計者がコントロールできる量は比較的少ない。逆に、裁量質量は、クラブの性能および/または寛容性をカスタマイズするためだけにクラブヘッド設計に追加され得る任意の追加の質量(最小構造要件を超える)である。当技術分野では、クラブヘッド慣性モーメント(MOI)および下部/後部重心(CG)を最大にするための裁量重量を最大にするための手段を提供し、ゴルフボール飛行操作のためのオプションを提供するために、すべての金属ゴルフクラブヘッドに対する代替の設計が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】組み立てられたゴルフクラブヘッドの背面図を示す。
【0005】
【
図1B】組み立てられたゴルフクラブヘッドの底面図を示す。
【0006】
【
図1C】組み立てられたゴルフクラブヘッドの正面斜視図を示す。
【0007】
【
図1D】ロフト面、接地面、およびZ軸を有するゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【0008】
【
図1E】X軸、Y軸、およびホーゼル軸を有する組み立てられたゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
【0009】
【
図1F】ゴルフクラブヘッドの組み立て図と分解図を示す。
【0010】
【
図2】ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の後部外観を示す図である。
【0011】
【
図3】ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の正面内側図を示す。
【0012】
【
図4】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の正面上面図を示す。
【0013】
【
図5】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の上面図を示す。
【0014】
【
図6】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の背面図であって、接地面に平行なストライクフェース中心を通る中間平面を示す。
【0015】
【
図7】基準線XIIに沿った
図6の第1のゴルフクラブの構成要素の断面を示す。
【0016】
【
図8】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素の底面図を示す。
【0017】
【
図9】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部のリア延長部の質量部の底面図を示す。
【0018】
【
図10】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部のリア延長部の質量部の拡大背面図を示す。
【0019】
【
図11】ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部のリア延長部の質量部の断面図を示す。
【0020】
【
図12】着脱可能ウェイトリセスと埋め込みウェイトリセスとを備えた、ゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のソール部リア延長部質量部を示す。
【0021】
【
図13】ねじ付き締結具を備えた、着脱可能ウェイトの上面図を示す。
【0022】
【
図14】ねじ付き締結具を備えた、着脱可能ウェイトの側面斜視図を示す。
【0023】
【
図15】鋳造支持バーを示すゴルフクラブヘッドの第1の構成要素を示す。
【0024】
【
図16A】
図12の埋め込みウェイトリセスに嵌合するための埋め込みウェイトの側面図を示す。
【0025】
【0026】
【
図17】第2の実施形態によるゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
【0027】
【
図18】
図17のクラブヘッドの第1の構成要素の斜視図を示す。
【0028】
【0029】
【
図20】トウ側の位置に可動ウェイトを備えた、
図18の第1の構成要素のソール図を示す。
【0030】
【
図21】ヒール側の位置に可動ウェイトを備えた、
図18の第1の構成要素のソール図を示す。
【0031】
【
図22】一実施形態による、真っ直ぐなリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
【0032】
【
図23】一実施形態による、真っ直ぐなリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
【0033】
【
図24】一実施形態による、真っ直ぐなリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
【0034】
【
図25】一実施形態による、角度の付いたリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
【0035】
【
図26】一実施形態による、角度の付いたリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
【0036】
【
図27】一実施形態による、幅が変化するリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
【0037】
【
図28】一実施形態による、幅が変化するリア部のソール延長部を有するゴルフクラブヘッドのソール図を示す。
【0038】
【
図29】一実施形態による、ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の正面図を示す。
【0039】
【
図30】一実施形態による、ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
2つの主要な構成要素を含む中空ゴルフクラブヘッドを本明細書に記載する。第1の構成要素は金属である。第2の構成要素は非金属である。金属製の第1の構成要素は、打撃部分と、ソール延長部と、を含む。非金属の第2の構成要素は、クラウンのリア部を含み、ソールの一部も含むように包み込む。第1の構成要素は、ゴルフクラブヘッドの荷重支持領域または構造領域を含み、ゴルフクラブヘッドの質量の大部分も含む。第1の構成要素は、後方に延びるソール部を含み、ゴルフクラブ質量の大部分は、延長部の最も後方の部分にあり、第1の部分は、上から見たときに「T」字形を形成する。この構成は、重心(CG)の位置および慣性モーメント(MOI)を改善するために再分配することができる裁量質量を提供する。改良されたCGおよびMOIは、伝統的な全ての金属ゴルフクラブヘッドと比較して、より正確なボール飛行を提供する。本明細書で論じるゴルフクラブヘッドは、ドライバータイプのゴルフクラブヘッド、フェアウェイタイプのゴルフクラブヘッド、またはハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドを含むことができる。
【0041】
第1の構成要素のより高密な「T」形状のソールは、より低密な包み込まれたクラウンの第2の構成要素に結合され、クラウンの質量を減少させ、ゴルフクラブヘッドの重心(CG)をより低くシフトさせることによって質量特性を最適化することができる。第2の構成要素から節約された重量は、CGをさらに最適化し、MOIを増加させるために、ゴルフクラブヘッドの他の位置に再分配することができる。ゴルフクラブヘッドのCGは、第1の構成要素および第2の構成要素を含むゴルフクラブヘッドの後方に向かって下方に移動することができ、第2の構成要素は、一定の密度を有する第1の材料のみを含む代替のゴルフクラブヘッドと比較して、第1の材料の密度よりも低い第2の密度を有する第2の材料を含む。
【0042】
「1つの(A)」、「1つの(an)」、「前記」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは複数」は、項目のうちの少なくとも1つが存在することを示すために互換的に使用され、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数のそのような項目が存在し得る。添付の特許請求の範囲を含む、本明細書におけるパラメータ(例えば、量または条件)のすべての数値は、「約」が実際に数値の前に現れるか否かにかかわらず、すべての場合において、「約」という用語によって修正されるものと理解されるべきである。「約」は、記載された数値が、ある程度の不正確さを許容することを示す(値の正確さへのある程度のアプローチで、値の近くで、または値に合理的に近い;ほぼ)。「約」によって提供される不正確さが、この通常の意味で当技術分野で理解されない場合、本明細書で使用される「約」は、そのようなパラメータを測定し使用する通常の方法から少なくとも生じ得る変動を示す。また、範囲の開示には、全ての値と、さらに範囲全体の中の分割された範囲が含まれる。範囲内の各値および範囲の端点は、本明細書において、すべて別個の実施形態として開示される。用語「備える」、「備えている」、「含む」、および「有する」は、包括的であり、したがって、記載された項目の存在を特定するが、他の項目の存在を排除しない。本明細書で使用されるように、用語「または」は、列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意の組合せおよびすべての組合せを含む。第1、第2、第3等の用語を用いて様々な項目を互いに区別する場合、これらの名称は単に便宜上のものであり、項目を限定するものではない。
【0043】
もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などは、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列順序を説明するために使用されるわけではなく、そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書で説明される実施形態は本明細書で図示されるまたは別の方法で説明されるシーケンス以外のシーケンスで動作することができることを理解されたい。さらに、用語「含む」、「有する」、およびその任意の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置が必ずしもそれらの要素に限定されず、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置に記述的にリストされていない他の要素を含むように、非排他的な包含物を包むように意図されている。
【0044】
もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「の上」、「の下」等は、説明目的で使用され、必ずしも永久的な相対位置を記述するためのものではない。そのように使用された用語は、本明細書に記載される製造装置、製造方法、および/または製造物品の実施形態が、例えば、例示されているかまたは別様に本明細書に記載されているもの以外の配向で操作可能であるように、適切な状況において置き換え可能であると理解すべきである。
【0045】
他の特徴および態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるような、または図面に示されるような、構成要素の詳細または構成および配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態をサポートすることができ、様々な方法で実施または実行することができる。特定の実施形態の説明は、本開示の精神および範囲内にあるすべての修正、均等物、および代替物を網羅することから本開示を限定することを意図していないことを理解されたい。また、本明細書で使用される語法および用語は、説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
I)ゴルフクラブヘッドの第1実施形態
【0046】
第1の構成要素および第2の構成要素の2つの構成要素を含むゴルフクラブヘッド(100)の実施形態を本明細書に記載する。ゴルフクラブヘッドは、打撃フェース(170)と、打撃フェースリターン(177)と、ホーゼル(140)と、クラウン(110)と、ソール(120)と、ヒール端(160)と、トウ端(150)と、リア端(180)の最後部における後縁(130)と、ホーゼル(140)と、ソール部のホーゼルアダプタ取付リセス(195)と、を形成する。
【0047】
ゴルフクラブヘッド(100)はさらに、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)に接するロフト平面(198)を画定する。クラウン(110)近くの打撃フェースの周囲部の上端とソール(120)近くの打撃フェースの周囲部の下端との間のロフト面に平行なフェース高さを測定することができる。これらの実施形態では、打撃フェースの周囲部は、打撃フェース(170)の外縁に沿って配置することができ、ここで、曲率は、打撃フェース(170)の膨らみおよび/またはロールからずれる。
【0048】
図1Dおよび
図1Eを参照すると、打撃フェース中心(175)は、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)に原点を有する座標系、X軸、Y軸、およびZ軸を有する座標系をさらに規定する。X軸(190)は、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)を通って、ゴルフクラブヘッド(100)のヒール端(160)からトウ端(150)の方向に延び、クラブヘッド(100)がアドレスの位置にあるときに接地面(105)に平行である。Y軸(192)は、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)を通って、ゴルフクラブヘッド(100)のクラウン(110)からソール(120)に向かう方向に延び、X軸(190)に垂直である。Z軸(196)は、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)を通って、ゴルフクラブヘッド(100)の打撃フェース(170)からリア端(180)に向かう方向に延び、X軸(190)およびY軸(192)に垂直である。
【0049】
座標系は、X軸(190)およびY軸(192)を通って延びるXY平面と、X軸(190)およびZ軸(196)を通って延びるXZ平面と、Y軸(192)およびZ軸(196)を通って延びるYZ平面とを規定する。ここで、XY平面、XZ平面、およびYZ平面は、すべて互いに垂直であり、打撃フェース(170)の打撃フェース中心(175)における座標系の原点で交差する。XY平面は、ホーゼル軸に平行に延び、ロフト平面からのゴルフクラブヘッド(100)のロフト角度に対応する角度で位置決めされる。さらにX軸(190)は、XY平面に垂直な方向から見てホーゼル軸(199)に対して60度の角度で位置決めされている。
A)第1の構成要素
【0050】
図1A~
図1Fおよび
図4~
図8に示すように、第1の構成要素(300)は、クラウン(400)の一部を形成するリターン部(177)を有する打撃フェース(170)と、ホーゼル(140)と、ヒール端(160)の一部と、トウ端(150)の一部と、後縁(130)の一部と、リセス状リップ(450)(結合延長面とも呼ばれる)と、ソール(120)の一部と、を含むことができる。打撃フェースリターン部(177)は、打撃フェース(170)に対してほぼ垂直に配置され、打撃フェース(170)とは別の周囲から延びるリア延長部を備える。打撃フェースリターン部(177)は、ヒール端からトウ端方向に後方プロファイルを形成する。他の実施形態では、第1の構成要素(300)の後方プロファイルは、ヒール端(160)からトウ端(150)に向かって、直線状のプロファイル、正の放物線状のプロファイル、ベル形状のプロファイル、または打撃フェース(170)に対する任意の他のプロファイルで延びることができる。
図2及び
図3に示すように、第2の構成要素(200)は、クラウン(110)、ソール(120)、後縁(130)、及びリア切欠き(240)の少なくとも一部を含むことができる。
【0051】
第1の構成要素(300)は、第1の密度を有する第1の材料を含む。第1の材料は、金属材料を含む。第2の構成要素(200)は、第2の密度を含む第2の材料を含む。第2の構成要素(200)は、第2の構成要素質量を含む。
【0052】
第1の構成要素(300)の第1の材料密度は、第2の構成要素(200)の第2の材料密度よりも大きい。第1の構成要素(300)の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の質量の85%~96%の範囲であり得る。例えば、ゴルフクラブヘッドの質量の第1の構成要素百分率は、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、または96%であってもよい。第2の構成要素(200)の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の質量の4%から15%の範囲であり得る。第1の構成要素(300)は、リア延長部(500)の最後方位置に質量部(510)を有するソール部リア延長部(500)を含む。質量部(510)は、中空複数要素ゴルフクラブヘッド(100)の質量の20%~35%を構成することができる。ゴルフクラブヘッドの質量の大部分をゴルフクラブヘッドの最後方位置に配置することは、機能的に望ましい質量特性を提供する。例えば、質量部(510)の最後方位置は、ゴルフクラブヘッドのCGを下げることができ、これにより、打ち上げ特性が改善される。
【0053】
第1の構成要素(300)は、単一の部品として一体的に形成されてもよく、したがって、第1の構成要素は、単一の材料を含む。あるいは、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素(300)の残りの部分とは異なる材料(すなわち、第3の材料)を含む、別個に形成された打撃フェースインサートを備えてもよい。
【0054】
第1の金属構成要素(300)は、第1の構成要素(300)の周りを包む非金属の第2の構成要素(200)に結合されて、中空ゴルフクラブヘッド(100)を形成する。第2の構成要素の後縁(230)は、第2の構成要素クラウン部(205)と第2の構成要素ソール部(212,214)とを、それらが第1の構成要素(300)の周りを包むように接続する。
【0055】
図1Fを参照すると、ゴルフクラブヘッド(100)は、一緒に結合されて中空ゴルフクラブヘッドを形成するように構成された第1の構成要素(300)および第2の構成要素(200)を含む。ここで、第1の構成要素はT字形であり、金属材料を含む。第1の構成要素(300)のソールは、ソール延長部の最後端に質量部材を有するリアソール延長部を有する。この構成は、組み立てられたゴルフクラブヘッドのCGを、低下させるとともに、CGを組み立てられたゴルフクラブヘッドの後方に向かって移動させる。
【0056】
図1Eおよび
図4を参照すると、第1の構成要素(300)は、ホーゼル軸(199)を画定するホーゼル穴(145)と、打撃フェース中心(175)と、打撃フェースクラウン部(420)と、打撃フェースリターンクラウン部幅(405)を有する打撃フェースリターンクラウン部(400)と、第1の構成要素後縁(440)と、を備える。いくつかの実施形態は、第1の構成要素のクラウン部タービュレータトウ部(432)および第1の構成要素のクラウン部タービュレータヒール部(434)を有する第1の構成要素クラウン部タービュレータ(430)をさらに備えることができる。
【0057】
第1の構成要素は、第2の構成要素の一部と重なり、一緒になってゴルフクラブヘッドを形成するように構成されたリセス状リップ(結合延長面とも呼ばれる)を含むことができる。第1の構成要素(300)は、第1の構成要素クラウン部リップ(455)と第1の構成要素タブ(457)とを有する第1の構成要素周囲縁部(462)に接する第1の構成要素リップ(450)を含むことができる。第1の構成要素タブ(457)、および第2の構成要素内の整合溝は、組立中に第1の構成要素(300)を第2の構成要素(200)に整列させ、また、第1の構成要素(300)と第2の構成要素(200)との間の横方向の移動を防止するための機械的支持を加える。
【0058】
第1の構成要素リップは、第2の構成要素の重なり合うリップと、2つの構成要素を互いに固定する任意の接着剤との合計厚さに適合するように、ゴルフクラブヘッドの外面から窪んでいる。
図5を参照すると、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素リップリセス状オフセット(459)と、第1の構成要素ソール部リップ(460)と、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)と、質量部内部前方端部(502)を有する第1の構成要素ソール部リア延長質量部(510)と、1つまたは複数の質量部内部リブ(520)と、ねじ付き締結具受容ボス(542)および着脱可能ウェイトリセス内部前方端部(544)を有する着脱可能ウェイトリセス(540)とを備える。
図1Fも参照すると、第1の構成要素リップ(455)は、第1の構成要素(300)が第2の構成要素(200)に結合されてゴルフクラブ(100)を形成するときに、第2の構成要素(200)の一部によって覆われるように構成される。第1の構成要素(300)は、好ましくは、第1の構成要素と第2の構成要素との重なり合う表面の間に配置された接着剤を用いて、第2の構成要素(200)に結合されてもよい。
【0059】
図7を参照すると、第1の構成要素のリップは幅(730)を有し、これは0.125インチから0.275インチの範囲とすることができる。例えば、第1の構成要素のリップ幅(730)は、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.022インチ、0.225インチ、0.250インチ、または0.275インチとすることができる。
【0060】
第1の構成要素リセス状オフセット(459)は、第1の構成要素(300)の外面からゴルフクラブヘッドの内部に向かう、リップ(455)のオフセット距離である。リセス状オフセット(459)は、ゴルフクラブヘッド(100)の内部に向かって0.060インチから0.160インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、リセス状オフセット(459)は、0.060インチから0.150インチ、0.060インチから0.140インチ、0.080インチから0.160インチ、0.090インチから0.150インチ、または0.090インチから0.160インチの範囲とすることができる。例えば、リセス状オフセット(459)は、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、または0.160インチとすることができる。
【0061】
第1の構成要素リップ(450)は、厚さを含むことができる。第1の構成要素リップ(450)の厚さは、0.007インチから0.030インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素リップ(450)の厚さは、約0.007インチから0.009インチ、0.009インチから0.011インチ、0.011インチから0.013インチ、0.013インチから0.015インチ、0.015インチから0.017インチ、0.017インチから0.019インチ、0.019インチから0.021インチ、0.021インチから0.023インチ、0.023インチから0.025インチ、0.025インチから0.027インチ、または0.027インチから0.030インチとすることができる。
【0062】
さらに
図5を参照すると、第1の構成要素は、ソールにリア延長部を有し、これにより、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量の大部分を、組み立てられたゴルフクラブのソールまで低下させ、そして後方に向かって移動させることができる。リア延長部(500)は、打撃フェースリターンから延び、打撃フェースリターンと一体であり、インパクト応力がソールの後部までずっと伝播することを可能にし、ゴルフクラブヘッドにおけるインパクト応力の分布のバランスをとるのに役立つ。
【0063】
さらに
図5を参照すると、第1の構成要素リップ(450)は、第1の構成要素クラウン部リップ(455)と、第1の構成要素ソール部リップ(460)と、を含む。第1の構成要素リップ(450)は、他の部分を有してもよい。
【0064】
図6を参照すると、接地面(105)に平行で打撃フェース中心(175)と交差する平面(610)は、
図7に示す第1の構成要素(300)の下部の図を画定する。
図7及び
図8を参照すると、リア延長部(500)は、打撃フェースリターンソール部(810)の後方周囲からゴルフクラブヘッド(100)のリア端(180)に向かって延びている。
【0065】
図7を参照すると、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素ソール部ヒール延長部(710)と、第1の構成要素ソール部トウ延長部(720)と、第1の構成要素リップ幅(730)を有する第1の構成要素リップ(460)と、第1の構成要素後縁部(740)と、垂直リップ(750)と質量部後縁シェルフ(760)を有する第1の構成要素ソール部リア延長質量部(510)と、を備える。
【0066】
リア延長部(510)は、延長部の最も後方の位置において、より大きな質量を有する。質量を最も後方の位置に配置することは、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性に大きく影響するように、リアソール部延長位置の操作を可能にする。
図8を参照すると、第1の構成要素(300)は、第1の構成要素ソール部リア延長部長さ(505)と第1の構成要素ソール部リア延長幅(507)を有する第1の構成要素ソール部リア延長部(500)を含む。第1の構成要素(300)は、打撃フェースリターンソール部幅(815)を有する打撃フェースリターンソール部(810)と、第1の構成要素ソール部トウ延長部長さ(825)を有する第1の構成要素ソール部分トウ延長部(820)と、第1の構成要素ソール部ヒール延長部長さ(835)を有する第1の構成要素ソール部ヒール延長部(830)と、を含む。リア延長部長さ(505)は、打撃フェースリターン部(810)の後方周囲から、リア端(180)に向かって測定される。リターンソール部の幅(815)は、ロフト面(198)から後方に向けて、第1の構成要素周囲端(462)のソール部分である、打撃フェースリターン部の後方周囲まで測定される。リア延長部の長さ(505)とリターンソール部の幅(815)は共に、ロフト平面(198)からソール(120)に沿ってリア端(180)まで測定されたゴルフクラブヘッド(100)のソール全長を構成する。リア延長部の幅(507)は、リア延長部(500)の幅である。リア延長部の幅(507)は、第1の構成要素周囲端(462)のソール部分である打撃フェースリターンソール部(810)の後方周囲のヒールからトウ方向に測定される。リア延長部の幅(507)は、ゴルフクラブ(100)のソール(120)の全幅よりも小さい。リア延長部の幅(507)は、ソール(120)の全幅の25%から85%の範囲とすることができる。リア延長部の幅(507)は、ソール(120)の全幅の25%から85%の範囲とすることができる。
【0067】
リア延長部の幅(507)は、ソール(120)の全幅の25%から85%の範囲とすることができる。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、トウ延長部(720)に対してトウ方向角度(850)を形成し、ヒール延長部(710)に対してヒール方向角度(855)を形成する。第1の構成要素(300)は、複数の着脱可能ウェイトリセスタブ(546)を有する着脱可能ウェイトリセス(540)をさらに備える。
【0068】
図5、7、および8を参照すると、打撃フェースリターン(177)は、打撃フェース(170)に対して基本的に垂直に、打撃フェース周囲から後方に延在する。打撃フェース(170)及び打撃フェースリターン(177)は、組み立てられたゴルフクラブヘッドの前方部分を構成する。打撃フェースリターン(177)は、打撃フェースリターンクラウン部幅(405)を有する打撃フェースリターンクラウン部(400)と、打撃フェースリターンソール部幅(815)を有する打撃フェースリターンソール部(810)と、を含む。打撃フェースリターンクラウン部(400)は、クラウン(110)のヒール端(160)からクラウン(110)のトウ端(150)までのクラウン(110)上にプロファイルを形成する後方周囲を備える。打撃フェース(170)からリア端(180)に向かって測定される打撃フェースリターンクラウン部分幅は、変化してもよい。打撃フェースリターンクラウン部の最大幅(405)は、トウ端(150)とヒール端(160)において小さく、トウ端(150)とヒール端(160)との間の中間領域において大きくてもよい。打撃リターンクラウン部の幅(405)は、少なくとも0.8インチ、少なくとも1.0インチ、少なくとも1.2インチ、または少なくとも1.4インチとすることができる。いくつかの実施態様において、打撃フェースリターンクラウン部の最大幅(405)は、1.0インチから1.5インチの範囲であり得る。例えば、打撃フェースリターンクラウン部の最大幅(405)は、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、または1.5インチであってもよい。第2の構成要素のクラウン部の幅(405)は、米国特許出願第11/693,490、現在は米国特許第7,601,078号に記載されているようなクラウン部と同様とすることができる。
【0069】
リアソール延長部の位置を操作することは、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性を操作する手段を提供する。
図4、
図5、
図7、および
図8を参照すると、第1の構成要素のソール部は、打撃フェース付近の中心から、第1の構成要素のソール部のトウ端延長部(720)を形成するトウ端に向かって、第1の構成要素のソール部のヒール端延長部(710)を形成するヒール端に向かって、および第1の構成要素のソール部のリア延長部(500)を形成するリア端に向かって延びることができる。第1の構成要素ソール部トウ延長部(720)、第1の構成要素ソール部ヒール延長部(710)、および第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、「T」字形プロファイルを形成することができる。いくつかの実施形態では、トウ延長部は、YZ平面からトウ端部(150)に向かって1.50インチから2.00インチの範囲の第1の構成要素ソール部トウ端部延長部長さ(825)を有することができる。例えば、第1の構成要素ソール部トウ延長部(720)は、トウ端部(150)に向かって1.50インチ、1.60インチ、1.70インチ、1.80インチ、1.90インチ、または2.00インチの第1の構成要素ソール部トウ端延長部長さ(825)を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素ソール部ヒール端延長部(710)は、YZ平面からヒール端(160)に向かって0.90インチから1.40インチの範囲の第1の構成要素ソール部ヒール延長部長さ(835)を有することができる。例えば、第1の構成要素ソール部ヒール端延長部(710)は、0.90インチ、1.10インチ、1.20インチ、1.30インチ、または1.40インチ延びることができる。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェースリターン部(177)から測定して2.30インチから2.90インチとすることができる。例えば、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェースリターン部(177)から、2.30インチ、2.40インチ、2.50インチ、2.60インチ、2.70インチ、2.80インチ、又は2.90インチの距離だけ延びることができる。
【0070】
ゴルフクラブヘッド(100)のトウ端(150)またはヒール端(160)の近くに第1の構成要素ソール部リア延長部をシフトさせることは、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性を操作し、ボール飛行を変更する1つの手段を提供する。第1の構成要素(300)を製造するとき、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)をゴルフクラブ(100)のトウ端(150)またはヒール端(160)に向かって移動させると、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性が変化する。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)を第1の構成要素ソール部トウ端延長部(825)を減少させることによってトウ端部(150)に向かって移動させた場合、ゴルフクラブヘッド(100)の重心もトウ端(150)に向かって移動することになる。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)をゴルフクラブヘッド(100)のヒール端(160)に向かって移動させた場合、ゴルフクラブヘッド(100)の重心もヒール端(160)に向かって移動する。
【0071】
第1の構成要素(300)のリターン部分は、リターン部分の外面と内面との間に延在する厚さを含むことができる。第1の構成要素の厚さは、0.015インチから0.040インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、第1の構成要素の厚さは、0.010インチから0.040インチ、0.010インチから0.020インチ、0.015インチから0.025インチ、0.020インチから0.030インチ、0.025インチから0.035インチ、0.030インチから0.040インチ、0.040インチから0.10インチ、または0.10インチから0.25インチの範囲とすることができる。例えば、第1の構成要素の厚さは、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、または0.040インチとすることができる。第1の構成要素の厚さは、打撃フェース(170)、第1の構成要素クラウン部(420)、第1の構成要素ソール部(310)、第1の構成要素ソール部ヒール延長部(710)、第1の構成要素ソール部トウ延長部(720)、および第1の構成要素ソール部リア延長質量部(510)でさらに変化することができる。
【0072】
第1の構成要素(300)は、ゴルフクラブヘッド(100)の全表面積のうちの27インチ2から41インチ2の範囲の表面積を含む。いくつかの実施形態では、第1の構成要素(300)の表面積は、25インチ2から43インチ2、25インチ2から28インチ2、28インチ2から31インチ2、31インチ2から34インチ2、34インチ2から37インチ2、37インチ2から40インチ2、または40インチ2から43インチ2の範囲とすることができる。例えば、25インチ2、27インチ2、29インチ2、31インチ2、33インチ2、35インチ2、37インチ2、39インチ2、41インチ2、43インチ2などである。
【0073】
第1の構成要素(300)は、鋼、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、他の金属、または金属合金などの材料を含むことができる。いくつかの実施態様において、第1の構成要素(300)は、Ti-8Al-1Mo-1V合金を含むことができる。ゴルフクラブヘッド(100)がドライバー型クラブヘッドである多くの実施形態では、第1の構成要素(300)はチタン材料を含むことができる。ゴルフクラブヘッド(100)がフェアウェイウッド型クラブヘッドである多くの実施形態では、第1の構成要素(300)は、鋼材料を含むことができる。
【0074】
多くの実施形態では、第1の構成要素(300)を鋳造することができる。他の実施形態において、第1の構成要素(300)は、鍛造、プレス、圧延、押し出し、機械加工、電鋳、3-D印刷、または任意の適切な形成技術であり得る。
図15を参照すると、第1の構成要素(300)が鋳造される実施形態では、第1の構成要素(300)は、1つまたは複数のヒール端鋳造支持バー(1510)と、1つまたは複数のトウ端鋳造支持バー(1512)と、を含む複数の鋳造支持バーをさらに備えることができる。
1)第1の構成要素リアソール延長部
【0075】
上述したように、第1の構成要素は、打撃フェース及び打撃フェースリターンを含む。ゴルフクラブヘッドのこれらの部分は、ゴルフクラブがボールを打つとき、インパクト力を受けて配分する。リア延長部(500)は、第1の構成要素の残りの部分と一体に形成され、打撃フェースリターン部(810)のソール部から延びる。さらに、リア延長部(500)の質量は、打撃フェースの中心を外したインパクトによって引き起こされるトルク力に抵抗する。多くの実施形態では、第1の構成要素ソール部トウ端延長部(720)および第1の構成要素ソール部ヒール端延長部(710)は、打撃フェース(170)に対して平行にすることができ、前部から後部まで一定の幅を備える。他の実施形態では、トウ端延長部(720)およびヒール端延長部(710)は、トウ端(150)およびヒール端(160)に向かって幅を増加および/または減少させることができ、様々な幅を含む。いくつかの実施形態では、第1の構成要素ソール部トウ端延長部(720)およびヒール端延長部(710)は、1.0インチから1.5インチの範囲の幅を含むことができる。例えば、トウ端延長部(720)およびヒール端延長部(710)は、1.00インチ、1.10インチ、1.20インチ、1.30インチ、1.40インチ、または1.50インチとすることができる。
【0076】
多くの実施形態では、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェースリターンソール部(810)のリア境界からリア端(180)に向かって、幅が増加し、幅が減少し、および/または一艇の幅(507)を含むことができる。いくつかの実施形態では、リア延長部(500)は、1.0インチから3.5インチの範囲の幅(507)を含むことができる。例えば、リア延長部は、1.0インチ、1.25インチ、1.50インチ、1.75インチ、2.00インチ、2.25インチ、2.50インチ、2.75インチ、3.0インチ、3.25インチ、または3.50インチとすることができる。いくつかの実施形態では、リア延長部(500)は、前後方向に変化する幅を備える。具体的には、リア延長部(500)は、前方から後方への方向に増加する幅を含むことができる。これらの実施形態では、リア延長部(500)の幅は、打撃フェースリターンソール部(810)に隣接する最小値、クラブヘッドの後部に隣接する最大値を有する。クラブヘッドの後部に向かってリア延長部(500)の幅を広げると、リア延長部(500)が重量またはウェイトシステムを支持することができる。リア延長部(500)の幅を変化させ、その結果、最小幅が打撃フェースリターンソール部(810)に隣接するようにし、フェースリターン部に隣接する質量を減少させ、この節約された重量をクラブヘッドの周囲に再配分することを可能にする。他の実施形態では、リア延長部(500)は、前後方向に減少する幅を含むことができる。クラブヘッドの後部に向かってリア延長部の幅を狭くすることにより、リア延長部(500)に取り付けられた重量またはウェイトシステムのための追加の構造的支持を提供することができる。
【0077】
図2に示すようないくつかの実施形態では、第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、打撃フェース(170)に対して垂直方向に延在し、トウ端(150)とヒール端(160)との間の中心に位置することができる。他の実施形態では、リア延長部(500)は、トウ端(150)により近い位置で、またはヒール端部(160)により近い位置で延びることができる。リア延長部(500)は、ヒール端(160)に向かって0.05インチから1.0インチだけオフセットすることができる。例えば、リア延長部(500)は、ヒール端(160)に向かって0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、または1.0インチだけオフセットすることができる。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)は、トウ端部(150)に向かって0.05インチから1.0インチだけオフセットすることができる。例えば、リア延長部(500)は、トウ端部(160)に向かって0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、又は1.0インチだけオフセットすることができる。
【0078】
第1の構成要素ソール部リア延長部(500)がトウ端(150)に向かってオフセットされている場合、ゴルフクラブヘッド(100)の重心はトウ部(150)に向かって0.150インチまでオフセットされ得る。例えば、重心は、トウ端(150)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、又は0.150インチだけオフセットされ得る。第1の構成要素ソール部リア延長部(500)がヒール端(160)に向かってオフセットされている場合、ゴルフクラブヘッド(100)の重心は、0.150インチまでヒール端(160)に向かってオフセットされ得る。例えば、重心は、ヒール端(160)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、または0.150インチだけオフセットされ得る。
【0079】
ゴルフクラブヘッドの質量特性を操作する別の手段は、第1の構成要素打撃フェースに対してリアソール延長部の角度を変えることである。第1の構成要素ソール部リア延長部トウ方向角度(850)および第1の構成要素ソール部リア延長部ヒール方向角度(855)は、補角である(すなわち、2つの角度は、180度まで加算される)。一実施形態では、トウ方向角度(850)およびヒール方向角度(855)は、それぞれ90度であり、したがって、リア延長部(500)は、本質的に、打撃フェース(170)に対して垂直である。別の実施形態では、トウ方向角度(850)およびヒール方向角度(855)は、2つの角度が補角であり続ける限り、それぞれ、45度から135度の間で変化し得る。例えば、トウ方向角度(850)は100度にでき、一方、ヒール方向角度(855)は補助的な80度になる。この例では、質量部(510)は、ゴルフクラブヘッド(100)のヒール端(180)に向かって角度的にオフセットされている。トウ方向角度(850)およびヒール方向角度(855)の他の組み合わせは、110度と70度、120度と60度、130度と50度、または135度と45度であってもよい。ゴルフクラブヘッドの重心は、リア質量部(510)の位置に向かってオフセットされるであろう。例えば、重心は、ヒール端(160)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、または0.150インチだけオフセットされ得る。同様に、トウ方向の角度は減少し、ヒール方向の角度は増加する。例えば、トウ方向角度(850)とヒール方向角度の組み合わせは、80度と100度、70度と110度、60度と120度、50度と130度、または45度と135度であってもよい。例えば、重心は、トウ端(160)に向かって0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、または0.150インチだけオフセットされてもよい。この角度オフセットは、ボール飛行特性に影響を与えるために、リア質量を後方でヒール方向部分または後方でトウ方向部分の方により多く配置することによってクラブヘッド重心をその方向に位置させることが望ましい場合がある。異なる実施形態における他の角度オフセットは、第1の構成要素ソール部リア延長トウ方向角度(850)および第1の構成要素ソール部リア延長ヒール方向角(855)を異なるように組み合わせることにより、異なるクラブヘッド重心位置および異なるボール飛行特性を生成することができる。
2)第1の構成要素のリアソール延長部の質量
【0080】
上述のように、第1の構成要素は、組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量の大部分を含む。リア延長部(500)は、ゴルフクラブの質量の一部がクラブヘッドの後部に向かってクラブヘッドのソール内に離れて配置されることを可能にする。リア延長部(500)は、ゴルフクラブヘッドの後部に質量部を含み、そこでの質量がゴルフクラブヘッドのCGおよびMOIにさらに影響を及ぼすことを可能にする。第1の構成要素のソール部リア延長部質量部(510)は、単独で、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の20%から35%を含むことができる。この質量をリア延長部(500)の最後部に配置することは、第1の構成要素(300)の製造中にゴルフクラブヘッド(100)の質量特性を制御するための重要な態様である。
【0081】
図9を参照すると、第1の構成要素のソール部リア延長部質量部(510)は、ねじ付き受容部(545)と、1つまたは複数のウェイトリセスタブ(546)と、ヒール側外部境界(910)とトウ側外部境界(915)と前方外部境界(918)とを有する質量部(510)と、を備える。
【0082】
図10を参照すると、質量部(510)は、内部リブ幅(523)を有する複数の内部リブ(520)をさらに備える。複数の内部リブ(520)は、2つのリブ、3つのリブ、4つのリブ、5つのリブ、または5つ以上のリブを含むことができる。複数の内部リブ(520)は、リア延長部質量部の着脱可能ウェイトリセス(540)の内面と噛み合うか、またはそれに取り付けられる。内部リブ(520)は、質量部(510)における望ましくない振動を低減することができ、このことは、ゴルフクラブヘッド(100)の質量の大部分がゴルフクラブヘッドの後部まで配置されるので望ましい。質量部(510)は、垂直リップ高さ(1150)を有する垂直リップ(750)と、シェルフ長さ(1048)とシェルフ高さ(1044)とシェルフ幅(1046)とを有する質量部後縁シェルフ(1042)と、をさらに備える。シェルフ長さ(1048)は、リア延長部の幅(507)とほぼ同じであり、質量部(510)の幅が変化するにつれて変化する。
【0083】
シェルフ(1042)は、第1および第2の構成要素が結合されて組み立てられたゴルフクラブヘッドを形成するときに、第2の構成要素の一部のための合わせ面を提供する。質量部(510)は、内部前方境界(1050)と、垂直リップ長さ(1052)と、をさらに含む。
【0084】
図8を参照すると、リア部の質量体(510)の図は、YZ平面(800)によって二分される。
図11を参照すると、質量部(510)は、内部長さ(1110)と、質量部の最大高さ(1112)と、垂直リップ高さ(1150)と、をさらに含む。内部リブは、リブ高さ(1120)と、リブ長さ(1122)と、をさらに備える。
【0085】
内部リブ幅(523)は、0.025インチから0.100インチの範囲とすることができる。例えば、内部リブ幅(523)は、0.025インチ、0.050インチ、0.075インチ、または0.100インチであってもよい。内部リブ高さ(1120)は、着脱可能ウェイトリセス深さ(1216)の25%から100%の範囲である。内部リブ長さ(1122)は、0.100インチから1.500インチの範囲とすることができる。例えば、内部リブ長さ(1122)は、0.100インチ、0.200インチ、0.300インチ、0.400インチ、0.500インチ、0.600インチ、0.700インチ、0.800インチ、0.900インチ、1.000インチ、1.100インチ、1.200インチ、1.300インチ、1.400インチ、または1.500インチであってもよい。
【0086】
質量部(510)は、質量部垂直リップ(750)のほぼ上部に沿って位置する質量部の最大高さ(1112)を有する。質量部分(510)は、ヒール側外部境界(910)とトウ側外部境界(915)と前方外部境界(918)に近づくにつれて、厚さが減少する。質量部の最大高さ(1112)は、質量部(510)の最大厚さを含む。質量部分(510)の最大厚さは、0.40インチから0.70インチの範囲とすることができる。例えば、質量部(510)の最大厚さは、0.40インチ、0.50インチ、0.60インチ、または0.70インチであってもよい。
3)第1の構成要素の着脱可能ウェイトと埋め込みウェイト
【0087】
組み立てられたゴルフクラブヘッドの質量特性のさらなるコントロールを可能にするために、着脱可能ウェイトリセスと着脱可能ウェイトが設けられ、着脱可能ウェイトの質量は、組み立てられた時点でゴルフクラブヘッドの質量特性を微調整することができる。着脱可能ウェイトリセス(540)は、複数の着脱可能ウェイトリセスタブをさらに備える。複数の着脱可能ウェイトリセスタブは、2つのタブ、3つのタブ、4つのタブ、5つのタブ、または5つ以上のタブであってもよい。
【0088】
図12を参照すると、ゴルフクラブヘッドの最後部に配置される質量をさらに増加させることが望ましい。質量部(510)は、埋め込みウェイトリセス(1220)をさらに備える。したがって、埋め込みウェイトリセス(1220)、および第1の構成要素(300)の第1の材料の第1の密度よりも高い密度を有する埋め込みウェイト材料を含む埋め込みウェイト(1600)(埋め込みウェイトリセス(1220)に受容されるように構成される)を提供することができる。
【0089】
図13を参照すると、着脱可能ウェイト(1300)は、鋼、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、他の金属、金属合金、複合ポリマー材料、またはそれらの任意の組み合わせなどの材料を含むことができる。多くの実施形態では、ソールウェイトはタングステンとすることができる。着脱可能ウェイト(1300)は、質量を有する。
【0090】
着脱可能ウェイト(1300)の質量は、1.0グラムから20.0グラムの範囲とすることができる。例えば、着脱可能ウェイト(1300)質量は、1.0グラム、1.5グラム、2.0グラム、3.0グラム、4.0グラム、5.0グラム、6.0グラム、7.0グラム、8.0グラム、9.0グラム、10.0グラム、11.0グラム、12.0グラム、13.0グラム、14.0グラム、15.0グラム、16.0グラム、17.0グラム、18.0グラム、19.0グラム、または20.0グラムであってもよい。
【0091】
図8および
図13を参照すると、着脱可能ウェイト(1300)は、着脱可能ウェイトリセス(540)内に受け入れられるように構成されている。着脱可能ウェイト(1300)は、着脱可能ウェイト(1300)のほぼ中央に貫通孔をさらに備える。貫通孔は、着脱可能ウェイトねじ付き締結具(1320)を受け入れるように構成され、ねじ付き締結具(1320)がねじ付き受容ボス(544)内に螺合可能に受け入れられて、着脱可能ウェイト(1300)を着脱可能ウェイトリセス(540)内に固定することを可能にする。
【0092】
図14を参照すると、着脱可能ウェイト(1300)は、厚さ(1430)と、複数の着脱可能ウェイトオフセット(1434)と、複数の着脱可能ウェイト側溝(1438)と、をさらに含む。複数の着脱可能ウェイトオフセット(1434)は、2つのオフセット、3つのオフセット、4つのオフセット、5つのオフセット、または5つより多いオフセットであってもよい。複数の着脱可能ウェイト側溝(1438)は、2つの溝、3つの溝、4つの溝、5つの溝、または5つ以上の溝であってもよい。オフセット(1434)は、着脱可能ウェイト(1300)が着脱可能ウェイトリセス(540)内に受け入れられたときに、着脱可能ウェイトリセス(540)の壁から、着脱可能ウェイト(1300)をわずかにオフセットさせるように構成される。着脱可能ウェイト側溝(1438)は、着脱可能ウェイト(1300)が着脱可能ウェイトリセス(540)内に受け入れられたときに、着脱可能ウェイトリセスタブを受け入れるように構成される。
【0093】
図16Aおよび16Bを参照すると、埋め込みウェイト(1600)は質量を有する。埋め込みウェイト(1600)の質量は、1.0グラムから20.0グラムの範囲とすることができる。例えば、埋め込みウェイト(1600)質量は、1.0g、2.0g、3.0g、4.0g、5.0g、6.0g、7.0g、8.0g、9.0g、10.0g、11.0g、12.0g、13.0g、14.0g、15.0g、16.0g、17.0g、18.0g、19.0g、または20.0gであってもよい。
【0094】
埋め込みウェイト(1600)は、タングステン材料、タングステン合金材料、タングステン粒子が埋め込まれたポリマーマトリックス、または第1の材料密度より大きい密度を有する任意の他の適切な材料を含む。埋め込みウェイト(1600)は、埋め込みウェイトリセス(1220)内に嵌合し、埋め込みウェイトリセス内に恒久的に固定されるように構成される。埋め込みウェイト(1600)は、接着剤を使用して、スウェッジングまたは他の圧入方法によって、または適切な機械的取り付け手段を使用することによって、恒久的に固定されてもよい。
B)第2の構成要素
【0095】
ゴルフクラブヘッド(100)は、共に結合されて中空ゴルフクラブヘッド(100)を形成するように構成された、第1の構成要素(300)および非金属の軽量の第2の構成要素(200)を備える。
図1F及び
図2を参照すると、第2の構成要素(200)は、第2の構成要素クラウン部(205)と、第2の構成要素ソール部ヒール部(214)と、第2の構成要素ソール部トウ部分(212)と、第2の構成要素周囲端部(220)と、第2の構成要素ソール部リア切欠き幅(242)及び第2の構成要素ソール部リア切欠き高さ(244)を有する第2の構成要素ソール部リア切欠き(240)と、第2の構成要素ソール部後縁(230)と、を含む。いくつかの実施形態では、図示されていないが、第2の構成要素は、クラウンの一部分のみを含むことができる。これらの実施形態では、ソール部リア切欠き(240)は、クラウン(205)を囲むことができる。
【0096】
図1~4に図示されるように、第2の構成要素クラウン部(205)は、後縁(130)の上を包み、第1の構成要素と相補的なソールの一部を一体的に形成する。第2の構成要素(200)によって形成された第2の構成要素のヒール及びトウソール部(214)(212)は、第1の構成要素の、トウ端延長部とリア端延長部との間に配置された三角形状、及びリア端延長部とヒール端延長部との間に配置された三角形状を含むことができる。他の実施形態では、第2の構成要素(200)によって形成されるソール部は、第1の構成要素(100)のソール部と相補的な、円形、正方形、楕円形、任意の他の多角形、または少なくとも1つの曲面を有する形状を含むことができる。第2の構成要素(200)は、さらなる接合を必要とせずに完全に一緒に形成された単一のモノリシック部品を含んでもよい。例えば、第2の構成要素(200)は、単一の材料を含む単一のモノリシック部品を射出成形することによって形成することができる。
【0097】
あるいは、第2の構成要素(200)は、接着剤、音波溶接、融着、または複数の別々に形成された部分を形成する際に使用される材料に適切な他の恒久的な接合方法によってその後恒久的に接合される、複数の別々に形成された部分を備えてもよい。例えば、第2の構成要素のクラウン部(205)、トウ部(212)、およびヒール部(214)は、同じまたは異なる材料から別々に形成されてもよい。次に、第2の構成要素部分を接着接合して、完全な第2の構成要素(200)を形成することができる。後に接合される別個の部分のこのような形成は、双方向炭素繊維プリプレグ材料などの材料を使用する場合に有利であり得る。双方向炭素繊維プリプレグは、特定の小さな曲率に容易に適用することができず、所望の第2の構成要素(200)形状に到達するために単一のピースとして容易に形成することができない。このような材料を使用すると、別個のソール部(212)および(214)を形成する必要が生じ、これらのソール部は、後に接着剤または他の方法によって第2の構成要素(200)の残りの部分に接合される。
【0098】
ゴルフクラブヘッド(100)の第2の構成要素は、厚さを含むことができる。第2の構成要素の厚さは、0.045インチから0.500インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第2の構成要素の厚さは、0.045インチから0.055インチ、0.050インチから0.060インチ、0.055インチから0.065インチ、0.060インチから0.070インチ、0.065インチから0.075インチ、0.070インチから0.080インチ、0.075インチから0.085インチ、0.080インチから0.090インチ、0.085インチから0.095インチ、0.090インチから0.100インチ、0.100インチから0.200インチ、0.200インチから0.300インチ、0.300インチから0.400インチ、または 0.400インチから0.500インチの範囲とすることができる。例えば、第2の構成要素の厚さは、0.008インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、又は0.065インチとすることができる。第2の構成要素の厚さは、クラウン、ソール、ヒール端、トウ端、および後縁からさらに変化させることができる。例えば、一実施形態では、第2の構成要素の厚さは、第2の構成要素のクラウン、ソール、ヒール端、トウ端、及び後縁にわたって異なる場合がある。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、内部リブをさらに含む。第2の構成要素の内部リブの厚さは、第2の構成要素の残りの部分と同じであってもよく、または第2の構成要素(200)の他の部分よりも0.010インチまで厚くてもよい。
【0099】
図3の実施形態のようないくつかの実施形態では、第2の構成要素(200)は、1つまたは複数のクラウン部薄肉セクション(255)および1つまたは複数のソール部薄肉セクション(257)を有する複数の第2の構成要素薄肉セクション(250)をさらに備える。第2の構成要素(200)は、1つまたは複数のクラウン部内部リブ(262)および1つまたは複数のソール部内部リブ(264)を有する複数の第2の構成要素内部リブ(260)をさらに備える。複数の内部リブ(260)は、2つのリブ、3つのリブ、4つのリブ、5つのリブ、または5つ以上のリブであってもよい。クラウン部(262)及びソール部(264)の内部リブは、第2の構成要素薄肉セクション(250)の間にある。クラウン部(262)及びソール部(264)の内部リブは、第2の構成要素(200)の最大厚さを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の構成要素の内部リブ(260)は、米国特許出願第15/076,511号(現在、米国特許第9,700,768号)に記載されているリブと同様とすることができる。第2の構成要素の内部リブ(260)は、ゴルフクラブヘッド(100)への応力を低減し、インパクト中の音を改善することができる。
【0100】
複数の第2構成要素薄肉セクション(250)は、厚さを備える。複数の第2の構成要素薄肉セクション(250)の厚さは、0.008インチから0.035インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、薄肉セクション(250)の厚さは、0.008インチから0.015インチ、0.010インチから0.020インチ、0.015インチから0.025インチ、0.020インチから0.030インチ、または0.025インチから0.035インチの範囲とすることができる。例えば、薄肉セクション(250)の厚さは、0.008インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、または0.035インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、内部リブおよび薄肉セクションを欠いている。
【0101】
第2の構成要素は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の質量百分率を含む。第2の構成要素の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の4%から15%の範囲であってもよく、または約10グラムから25グラムであってもよい。他の実施形態では、第2の構成要素の質量百分率は、4%から15%の範囲であり得る。例えば、第2の構成要素の質量百分率は、ゴルフクラブヘッド(100)の全質量の4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または15%であってもよい。
【0102】
第2の構成要素は、17インチ2から25インチ2の範囲の外面面積を含む。いくつかの実施形態では、第2の構成要素の表面積は、15インチ2から27インチ2、15インチ2から18インチ2、18インチ2から21インチ2、21インチ2から25インチ2までの範囲であり得る。例えば、第2の構成要素の表面積は、15インチ2、17インチ2、19インチ2、21インチ2、23インチ2、25インチ2とすることができる。
1)第2の構成要素材料
【0103】
第2の構成要素(200)は、第1の構成要素の材料よりも密度の低い材料を含む。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、ポリマー樹脂および強化繊維から形成された複合体を含むことができる。ポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含むことができる。より具体的には、熱可塑性樹脂を有する実施形態では、樹脂は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)または熱可塑性エラストマー(TPE)を含むことができる。例えば、樹脂は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、PA6またはPA66などのポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート、エンジニアリングポリウレタン、および/または他の同様の材料を含むことができる。強化繊維は、炭素繊維(またはチョップド炭素繊維)、ガラス繊維(またはチョップドガラス繊維)、グラファイト繊維(またはチョップドグラファイト繊維)、または任意の他の適切な充填材料を含むことができる。他の実施形態では、第2の構成要素複合材料は、加重用のビーズ(例えば、ガラスビーズ、金属ビーズ)または粉末(例えば、タングステン粉末)を含むことができる。他の実施形態では、複合材料は、強度、耐久性、および/または重量を加える任意の補強充填剤を含むことができる。
【0104】
ポリマー樹脂は、好ましくは、設計に重量節約の利益を提供しながら、典型的な使用に耐えるのに十分に高い材料強度および/または強度/重量比特性を有する1つ以上のポリマーを組み込むべきである。具体的には、ゴルフクラブヘッドの総重量に実質的に寄与せずに、打撃フェースとゴルフボールとの間のインパクト中に与えられる応力に効率的に耐えることが、設計および材料にとって重要である。一般に、ポリマーは、約60MPa(ニート)を超える降伏点引張強度を特徴とすることができる。ポリマー樹脂が強化繊維と組み合わされる場合、得られる複合材料は、約110MPaを超える、約180MPaを超える、約220MPaを超える、約260MPaを超える、約280MPaを超える、または約290MPaを超える降伏引張強度を有することができる。いくつかの実施形態では、適切な複合材料は、約60MPa~約350MPaの降伏点引張強度を有してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、強化繊維は、複数の分散不連続繊維(すなわち、「チョップド繊維」)を含む。いくつかの実施形態では、強化繊維は、約3mmから14mmの設計繊維長を有する不連続「長繊維」を含む。例えば、いくつかの実施形態では、繊維長は、成形プロセスの前に約12.7mm(0.5インチ)である。別の実施形態では、強化繊維は、約0.01mmから3mmの設計繊維長を有する不連続「短繊維」を含む。いずれの場合(短繊維または長繊維)においても、所与の長さは、予め混合された長さであり、成形プロセス中の破損のために、いくつかの繊維は、実際には、最終構成要素において記載された範囲よりも短くなり得ることに留意されたい。いくつかの構成では、不連続な細断繊維は、約10を超える、またはより好ましくは約50を超える、約1500未満のアスペクト比(例えば、繊維の長さ/直径)によって特徴付けられてもよい。使用される不連続チョップド繊維のタイプにかかわらず、特定の構成では、複合材料は、約0.01mmから約14mmの繊維長を有してもよい。
【0106】
複合材料は、約40重量%から約90重量%、または約55重量%から約70重量%のポリマー樹脂含有量を有してもよい。第2の構成要素の複合材料は、約10重量%から約60重量%の繊維含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、複合材料は、約20重量%から約50重量%、30重量%から40重量%の繊維含有量を有する。いくつかの実施形態では、複合材料は、約10重量%から約15重量%、約15重量%から約20重量%、約20重量%から約25重量%、約25重量%から約30重量%、約30重量%から約35重量%、約35重量%から約40重量%、約40重量%から約45重量%、約45重量%から約50重量%、約50重量%から約55重量%、または約55重量%から約60重量%の繊維含有量を有する。
【0107】
第2の構成要素を形成する複合材料の密度は、約1.15g/ccから約2.02g/ccの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、複合材料密度は、約1.30g/ccから約1.40g/cc、または約1.40g/ccから約1.45g/ccの範囲である。複合材料は、約210℃から約280℃の融点を有することができる。いくつかの実施形態では、複合材料は、約250℃から約270℃の融点を有することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、複合材料は、長繊維強化TPUを含む。長繊維TPUは、約40重量%の長炭素繊維を含むことができる。長繊維TPUは、短炭素繊維化合物の弾性率よりも大きい高い弾性率を示すことができる。長繊維TPUは、高温に耐えることができ、高温環境で使用および/または保管されるゴルフクラブヘッドでの使用に適したものにする。長繊維TPUは、さらに高い靭性を示し、従来の金属部品の代替品としての役割を果たすことができる。いくつかの実施態様において、長繊維TPUは、約26,000MPaから約30,000MPa、または約27,000MPaから約29,000MPaの間の引張弾性率を含む。いくつかの実施態様において、長繊維TPUは、約21,000MPaから約26,000MPa、または約22,000MPaから25,000MPaの間の曲げ弾性率を含む。長繊維TPU材料は、約0.5%から約2.5%の引張伸び(破断点)を示すことができる。いくつかの実施形態では、複合TPU材料の引張伸びは、約1.0%から約2.0%、約1.2%から約1.4%、約1.4%から約1.6%、約1.6%から約1.8%、約1.8%から約2.0%とすることができる。
【0109】
強度および重量は、複合材料について考慮される2つの主要な特性であるが、適切な複合材料はまた、二次的な利点を示し得る。例えば、PPSおよびPEEKは、本設計の強度および重量要件を満たす2つの例示的な熱可塑性ポリマーである。しかしながら、多くの他のポリマーとは異なり、PPSまたはPEEKの使用は、それらの独特の音響特性のためにさらに有利である。具体的には、多くの状況において、PPS及びPEEKは、インパクトを受けたときに、一般的に金属的に鳴る音響応答を発する。したがって、PPSまたはPEEKポリマーを使用することによって、本設計は、インパクト時の望ましい金属クラブヘッド音を損なうことはなく、ポリマーの強度/重量の利点を活用することができる。
【0110】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド(100)の第2の構成要素(200)は、射出成形することができる。第2の構成要素(200)は、ポリマー樹脂と強化繊維の両方を含む1つの複合材料から射出成形することができる。強化繊維は、第2の構成要素を成形する前に樹脂内に埋め込むことができる。樹脂および繊維の両方を含む複合材料は、ペレット形態で提供することができる。ペレットは、溶融され、空の金型に注入されて、第2の構成要素を形成することができる。他の実施形態では、第2の構成要素は、押出成形、射出ブロー成形、3-D印刷、または任意の他の適切な成形手段とすることができる。
【0111】
射出成形を使用する実施形態では、複合材料から第2の構成要素を形成するために使用される型の温度は、理想的には、約60℃から90℃の間に保持され得る。例えば、型の温度は、約75℃であってもよい。代替実施形態では、第2の構成要素(200)は、繊維強化コンポジット(FRC)材料を含むことができる。FRC材料は、一般に、ポリマーのより大きな部分を横切って延在する一方向または多方向繊維布の1つまたは複数の層を含む。充填熱可塑性(FT)材料に使用することができる強化繊維とは異なり、FRCに使用される繊維の最大寸法は、FT材料に使用されるものよりも実質的に大きく/長くすることができ、ポリマーとは別個の連続布として提供することができるように十分なサイズおよび特性を有することができる。熱可塑性ポリマーで形成される場合、ポリマーが溶融したときに自由に流動可能であっても、含まれる連続繊維は一般に流動性ではない。
【0112】
FRC材料は、一般に、繊維を所望の位置に配置し、次いで、剛性を提供するのに十分な量のポリマー材料を繊維材料に含浸させることによって形成される。このようにして、FT材料は、約45体積%を超える、またはより好ましくは約55体積%を超える樹脂含有量を有することができるが、FRC材料は、望ましくは、約45体積%未満、またはより好ましくは約35体積%未満の樹脂含有量を有する。FRC材料は、伝統的に、ポリマーマトリックスとして二液性熱硬化性エポキシを使用するが、マトリックスとして熱可塑性ポリマーを使用することも可能である。多くの場合、FRC材料は、最終製造の前に予め調製され、このような中間材料は、しばしばプリプレグと呼ばれる。熱硬化性ポリマーが使用される場合、プリプレグは、中間形態で部分的に硬化され、プリプレグが最終形状に形成されると、最終硬化が起こる。熱可塑性ポリマーが使用される場合、プリプレグは、冷却された熱可塑性マトリックスを含み得、これは、続いて、加熱され、そして最終形状に成形され得る。
【0113】
第2の構成要素(200)は、ポリマーマトリックス中に埋め込まれた織られたガラスまたは炭素繊維強化層を含む、成形繊維強化複合材料から実質的に形成されてもよい。このような実施形態では、ポリマーマトリックスは、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはPA6またはPA66などのポリアミドなどの熱可塑性材料であることが好ましい。他の実施形態では、第2の構成要素(200)は、代わりに、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリアミドなどの熱可塑性材料全体に埋め込まれたガラスビーズまたは不連続ガラス、炭素、またはアラミドポリマー繊維充填材を含む充填熱可塑性材料から形成されてもよい。さらに他の実施形態では、第2の構成要素(200)は、充填熱可塑性材料と成形繊維強化複合材料との両方を含む混合材料構造を有することができる。
【0114】
第2の構成要素(200)は、繊維強化熱可塑性複合弾性層(図示せず)と成形熱可塑性構造層(図示せず)の両方を含む混合材料構造を有することができる。いくつかの好ましい実施形態では、成形熱可塑性構造層は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはPA6もしくはPA66などのポリアミドなどの熱可塑性材料全体に埋め込まれたガラスビーズまたは不連続ガラス、炭素、またはアラミドポリマー繊維フィラーを含む充填熱可塑性材料から形成されてもよい。次いで、弾性層は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはPA6もしくはPA66などのポリアミドを含む熱可塑性ポリマーマトリックス中に埋め込まれた織ガラス、炭素繊維、またはアラミドポリマー繊維強化層を含むことができる。特定の一実施形態では、第2の構成要素(200)弾性層は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)に埋め込まれた織られた炭素繊維織物を含むことができ、第2の構成要素(200)構造層は、充填されたポリフェニレンサルファイド(PPS)ポリマーを含むことができる。
【0115】
代替実施形態では、第2の構成要素(200)は、1つまたは複数の内部交差接続部材(図示せず)を有することができる。交差接続部材は、付加的な構造剛性又は音響制御を提供することができる。内部交差接続部材は、第2の構成要素(200)の内部の非隣接部分を接続する部材を含むことができる。例えば、交差接続部材は、第2の構成要素クラウン部分(205)の内面を第2の構成要素ソール部ヒール部(214)又は第2の構成要素ソール部トウ部(212)の一方に接続することができる。内部交差接続部材は、第2の構成要素(200)の最前端の内面から第2の構成要素後縁部(230)の内面まで完全に延在する長さを含んでもよく、又は内部交差接続部材は、第2の構成要素(200)の最前端の内面から第2の構成要素後縁部(230)の内面まで完全に延在しない長さを含んでもよい。内部交差接続部材は、厚さを備える。内部交差接続部材の厚さは、0.01インチから0.25インチまでの範囲とすることができる。例えば、内部交差接続部材の厚さは、0.01インチ、0.05インチ、0.10インチ、0.15インチ、0.20インチ、又は0.25インチとすることができる。
I)第2実施形態のゴルフクラブヘッド
【0116】
図17に示す第2の実施形態のゴルフクラブヘッド(2100)は、ウェイトチャネルを有する第1の構成要素(2300)と、第1の構成要素(2300)上に接合する第2の構成要素(2200)と、を備える。ゴルフクラブヘッド(2100)の第1の構成要素(2300)は、ウェイトシステムを除いて、ゴルフクラブヘッド(100)の第1の構成要素(300)と同様であり得る。ゴルフクラブヘッド(2100)の第2の構成要素(2200)は、上述のゴルフクラブヘッド(100)の第2の構成要素と同様とすることができる。ゴルフクラブヘッド(2100)は、打撃フェース(2170)と、打撃フェースリターン(2177)と、ホーゼル(2140)と、クラウン(2110)と、ソール(2120)と、ヒール端(2160)と、トウ端(2150)と、リア端(2180)の最後部にある後縁(2130)と、ホーゼル(2140)と、ソール部ホーゼルアダプタ取付リセス(2195)と、を形成する。
【0117】
図18に示すように、第1の構成要素(2300)は、リア延長部(2500)を含むことができる。リア延長部(2500)は、ソール(2120)の一部を含むことができる。リア延長部(2500)は、ウェイトチャネル(2540)を備える。ウェイトチャネル(2540)は、クラブヘッド(2300)のリア端(2180)およびソール(2120)で露出している。
【0118】
ウェイトチャネル(2540)は、3つの位置のうちの1つにおいて可動ウェイト(2350)を受容するように構成される。ウェイト(2350)は、ねじ付き締結具(2320)によってウェイトチャネル(2540)に固定することができる。ウェイト(2350)は、トウ側位置、中央位置、またはヒール側位置に配置することができる。ウェイトチャネル(2540)は、取り付け壁(2542)およびソール壁(2550)を備える。取り付け壁(2542)は、ソール(2120)に対してほぼ垂直に配向することができる。ソール壁(2550)は、メインソール(2120)にほぼ平行に配向することができるが、取り付け壁(2542)の高さに等しい距離だけ内側に入ることができる。可動ウェイト(2350)は、細長い、台形の形状、または任意の他の適切なウェイトを備えることができる。可動ウエイト(2350)は、内側壁および接続壁を備えることができる。可動ウエイト(2350)は、内側壁および接続壁を備えることができる。内側壁は、ウェイトチャネル(2540)のソール壁(2550)と同一平面にある。接続壁は、ウェイト(2350)が3つの位置のうちの1つに取り付けられるとき、取り付け壁(2542)と同一平面にある。
【0119】
ウェイトチャネル(2540)の取り付け壁(2542)は、3つのウェイト位置に対応する3つのねじ穴を備える。取付け壁(2542)は、トウ側ねじ穴(2544)と、中央ねじ穴(2546)と、ヒール側ねじ穴(2548)と、を含む。可動ウェイト(2350)は、ウェイト(2350)の接続壁をチャネル(2540)の取り付け壁(2542)と面一に配置し、締結具(2320)をトウ側ねじ穴(2544)に固定することによって、トウ側位置に位置決めされる。可動ウェイト(2350)は、ウェイト(2350)の接続壁をチャネル(2540)の取り付け壁(2542)と面一に配置し、締結具(2320)を中央ねじ穴(2546)内に固定することによって、中央位置に位置決めされる。可動ウェイト(2350)は、ウェイト(2350)の接続壁をチャネル(2540)の取り付け壁(2542)と面一に配置し、締結具(2320)をヒール側ねじ穴(2548)内に固定することによって、ヒール側位置に位置決めされる。
【0120】
図19のソール図に例示されているように、可動ウェイト(2350)が中央位置に配置されると、ゴルフクラブ(2100)は、ドローまたはフェードバイアスを与えないように構成される。
図20に図示されるように、ウェイト(2350)がトウ側位置に配置されると、ウェイト(2350)はクラブヘッドにフェードバイアスを与える。
図21に図示されるように、ウェイト(2350)がヒール側位置に配置されるとき、ウェイト(2350)は、クラブヘッドにドローバイアスを与える。
【0121】
第1の構成要素(2300)は、ソール部リア延長部(2500)と、打撃フェースリターンクラウン部(2400)と、打撃フェースリターンソール部(2810)と、を含む。打撃フェースリターンソール部(2810)は、ヒール延長部(2830)及びトウ延長部(2820)を含む。ヒール延長部(2830)は、リア壁(2832)を含む。トウ延長部(2820)は、リア壁(2822)を含む。
【0122】
第1の構成要素リア延長部(2500)は、ウェイトチャネル(2540)を打撃フェースソールリターン(2810)に接続するトウ側壁(2522)およびヒール側壁(2532)を備える。リア延長部トウ側壁(2522)およびトウ延長部リア壁(2822)は、トウ側壁角度(2850)を形成することができる。トウ側壁角度(2850)は、45度から180度の範囲とすることができる。リア延長部ヒール側壁 (2532)およびヒール延長部リア壁(2832)は、ヒール側壁角度(2855)を形成することができる。ヒール側壁角度(2855)は、45度から180度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、トウ側壁角度(2850)は、ヒール側壁角度(2855)にほぼ等しい。他の実施形態では、トウ側壁角度(2850)とヒール側壁角度(2855)は異なる。いくつかの実施形態では、トウ側壁角度(2850)およびヒール側壁角度(2855)は、補角(それらの合計は、ほぼ180度に等しい)である。これらの実施形態では、トウ延長部リア壁(2822)およびヒール延長部リア壁(2832)は、ほぼ同じ平面内に位置する(トウリア壁(2822)およびヒールリア壁(2832)は、ソールから見てほぼ平行である)。例えば、トウ側壁角度(2850)は鋭角とすることができ、一方、ヒール側壁角度(2855)は補角とすることができる。
【0123】
図19および
図22を参照すると、いくつかの実施形態は、鈍角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を備える。
図23を参照すると、いくつかの実施形態は、約90°のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を備える。
図24を参照すると、いくつかの実施形態は、鋭角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を備える。鈍角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を有する実施形態は、応力をソール(2120)内の後方に滑らかに分散させることができる。鈍角は、ソール(2120)の強度を増大させ、ソールリア延長部(2500)を支持することができる。しかしながら、鋭角を有する実施形態は、鈍角または90度の角度を有する実施形態よりも小さい質量を有する第1の構成要素を含むことができる。したがって、鋭角のトウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)を有する実施形態は、高いMOIなどの改善されたウェイト特性を可能にすることができる。
【0124】
ウェイトチャネル(2540)は、
図19~21の実施形態に示すように、リアソール延長部(2500)の主要部分を越えて外側に扇形に広がることができる。これらの実施形態では、ウェイトチャネル(2540)がトウ方向およびヒール方向に延在するところでは、リア延長部トウ側壁(2522)およびヒール側壁(2532)はそれぞれ、ウェイトチャネル(2540)に隣接して屈曲部を有する。
図22に示すような他の実施形態では、リア延長部トウ側壁(2522)及びヒール側壁(2532)は真っ直ぐであってもよい。いくつかの実施態様において、リア延長トウ側壁(2522)は、リア延長ヒール側壁(2532)と平行であり得る。いくつかの実施形態では、リア延長トウ側壁(2522)は、リア延長ヒール側壁(2532)に対して非平行であり得る。
【0125】
リア延長部(2500)は、打撃フェースリターン(2810)の異なる位置に取り付けることができる。取り付け点のこの移動は、リア延長部(2500)が打撃フェースリターン(2810)に対してどのように角度付けられるかに影響を及ぼし得る。リア延長軸(2504)は、リア延長部(2500)の中心に近似している。リア延長軸(2504)は、リア延長部の前方中間点(2502)とウェイトチャネル(2540)の中央ねじ穴(2546)との間に延在する。リア延長軸(2504)は、YZ平面と一致して、整列されてもよい。リア延長軸(2504)は、YZ平面と角度を形成してもよく、したがって、YZ平面と整合しない。リア延長軸(2504)は、YZ平面からオフセットされ、YZ平面に平行であってもよい。前方中間点(2502)は、トウ側交点(2824)とヒール側交点(2834)との間の中間に位置する。トウ側交点(2824)は、トウ延長リア壁(2822)が、リア延長トウ側壁(2522)と交差し、接続する点である。同様に、ヒール側交点(2834)は、ヒール延長リア壁(2832)がリア延長ヒール側壁(2532)と交差し、接続する点である。トウ側およびヒール側の交点(2824および2834)は、打撃フェースリターンソール部(2810)の後端に沿った任意の場所に位置され得る。いくつかの実施態様において、トウ/ヒール延長リア壁(2822/2832)とリア延長ソール/ヒール側壁(2522/2532)との間の接続部は、それぞれ、充填、傾斜、または面取りされる。
【0126】
ウェイトチャネル(2540)は、リア延長軸(2504)に対して中央に置かれてもよい。ウェイトチャネル(2540)は、YZ平面に対して中央に置かれてもよい。ウェイトチャネルは、リア延長軸(2504)およびYZ平面の両方に対して同時に中央に置かれてもよい。リア延長軸(2504)がYZ平面と一致しない場合でも、ウェイトチャネルは、リア延長軸(2504)およびYZ平面の両方に対して中央に置かれてもよい。このような場合、リア延長軸(2504)は、ウェイトチャネル(2504)の取り付け壁(2542)の中点またはほぼ中点で、YZ平面と交差する。ウェイトチャネルは、ゴルフクラブヘッド(2100)のリア端(2180)に対して中央に置かれてもよい。
【0127】
トウ側交点とヒール側交点は、打撃フェースから後方に離れた位置にある。トウ側交点とヒール側交点とは、打撃フェースの後方に同じ距離を置いて配置されてもよい。トウ側交点とヒール側交点とは、打球フェースの後方の距離が異なっていてもよい。トウ側交点は、ヒール側交点よりも後方に向かって位置していてもよい。ヒール側交点は、トウ側交点よりも後方に向かって位置していてもよい。トウ側交点およびヒール側交点の打撃フェースの後方の距離は、0.1インチから2.0インチの範囲とすることができる。トウ側交点およびヒール側交点の打撃フェースの後方距離は、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、1.5インチ、1.6インチ、1.7インチ、1.8インチ、1.9インチ、2.0インチとすることができる。
【0128】
第1の構成要素(2300)のソールリア延長部(2500)は、交点平面(2840)に対して角度を付けることができる。
図19および22~28に図示されるように、交点平面(2840)は、XY平面に対して平行に延在することができる。交点平面(2840)は、XY平面に対して角度を形成するように延在してもよい。交点平面(2840)は、トウ側交点(2824)およびヒール側交点(2834)と一致する。
図19~
図24のようないくつかの実施形態では、リア延長部(2500)は、直線的に後方へ延在し、その結果、交点平面(2840)およびリア延長軸(2504)は、ソールから見ると、ほぼ90度の角度を形成する。
図25~28のものなどのいくつかの実施形態では、交点平面(2840)およびリア延長軸(2504)は、90度でない角度で交差する。
【0129】
トウ側軸角度(2860)は、交点平面(2840)からリア延長軸(2504)のトウ側にあるリア延長軸(2504)まで(ソール図において)測定される。ヒール側軸角度(2865)は、交差平面(2840)からリア延長軸(2504)のヒール側にある延長軸(2504)まで(ソール図において)測定される。トウ側軸角度(2860)とヒール側軸角度(2865)は、補角(180度に加算)である。
【0130】
図25を参照すると、いくつかの実施形態では、リア延長部は、クラブヘッド(2100)のヒール端(2160)よりもクラブヘッド(2100)のトウ端(2150)に近い打撃フェースリターンソール部(2810)に取り付けられる。これらの実施形態では、トウ側軸角度(2860)は90度より大きく、ヒール側軸角度(2865)は90度より小さい。ウェイトチャネル(2540)は、ゴルフクラブヘッド(2100)のリア端(2180)の中央に位置したままである。第1の構成要素のリア延長部(2500)の位置のために、第2の構成要素(2200)は、ソール(2120)のヒール側のより大きな部分を占めることができる。より具体的には、第2の構成要素のヒールソール部(2214)は、第2の構成要素のトウソール部(2212)よりも大きくすることができる。
【0131】
図26を参照すると、いくつかの実施形態では、リア延長部は、クラブヘッド(2100)のトウ端(2150)よりもクラブヘッド(2100)のヒール端(2160)に近い打撃フェースリターンソール部(2810)に取り付けられる。この実施形態では、トウ側軸角度(2860)は90度より大きく、ヒール側軸角度(2865)は90度より小さい。ウェイトチャネル(2540)は、ゴルフクラブヘッド(2100)のリア端(2180)の中央に位置したままである。第1の構成要素(2300)のリア延長部(2500)の位置のために、第2の構成要素(2200)は、ソール(2120)のトウ側のより大きな部分を占めることができる。より具体的には、第2の構成要素のトウソール部(2212)は、第2の構成要素のヒールソール部(2214)よりも大きくすることができる。リア延長部の結合位置によって、ゴルフクラブヘッド(2100)のウェイト特性および打ち上げ特性が変更される可能性がある。
【0132】
図27および
図28を参照すると、いくつかの実施形態では、リア延長部は、様々な幅を有することができる。これらの実施形態では、トウ側壁角度(2850)およびヒール側壁角度(2855)は、補角でなくてもよい(合計で180度でなくてもよい)。いくつかの実施形態では、トウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)の両方が鋭角であってもよく、第1の構成要素の重量を低減し、クラブヘッドにおけるより大きな周辺重量を可能にする。他の実施形態では、トウ側壁角度およびヒール側壁角度(2850および2855)の両方が鈍角であってもよく、ソールの耐久性を高め、ゴルフクラブヘッド(2100)の製造アセンブリを単純化する。
【0133】
リア延長幅(2507)は、打撃フェースリターンソール部(2810)の後方周囲の後方でヒールからトウ方向に測定される。リア延長幅(2507)は、ゴルフクラブ(2100)のソール(2120)の全幅未満である。リア延長幅(2507)は、ソール(2120)の全幅の25%から85%の範囲とすることができる。リア延長幅(2507)は、ソール(2120)の全幅の25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または85%であってもよい。ウェイトチャネル(2540)に隣接するリア延長部の幅は、1インチから2.5インチの範囲とすることができる。トウ側交点(2824)とヒール側交点(2834)の間のリア延長幅(2507)は、1インチから5インチの範囲とすることができる。リア延長幅(2507)は、
図27及び28に示すように、ウェイトチャネル(2540)に隣接して大きくすることができ、又は
図18~22に示すように、打撃フェースリターン部(2810)に隣接して大きくすることができる。
【0134】
図29および
図30に示すように、第2の構成要素は、クラウン部(2205)と、後縁部(2230)と、ソールトウ部(2212)と、ソールヒール部(2214)と、を含むことができる。クラウン部(2205)は、ソールトウ部(2212)とソールヒール部(2214)とを接続する。後縁部(2230)は、クラウン部(2205)をソールトウ部とヒール部(2212および2214)に接続する。クラウン部(2205)、ソールトウ部(2212)およびソールヒール部(2214)は、第2の構成要素(2200)のソール側におけるリア切欠き(2240)を画定する。
図29に示すようないくつかの実施形態では、リア切欠き2240は、ソールのみに切り込まれる。
図30に示すようないつくかの他の実施形態では、リア切欠き2240は、ソール部およびクラウン部(2205)の両方に切り込まれる。ソールおよびクラウン部(2205)の両方に切り込む実施形態は、クラブヘッド(2100)のリア端(2180)において、第1の構成要素(2300)のウェイトチャネル(2540)のためのより多くの空間を可能にする。
【0135】
第2の構成要素のソールトウ部(2212)およびソールヒール部(2214)は、
図22~28に示すように、第1の構成要素(2300)の寸法に対応するように寸法決めすることができる。例えば、第2の構成要素のソールトウ部(2212)は、
図22~
図24の実施形態のように、リア延長部(2500)が中央に配置されるとき、ソールヒール部(2214)とほぼ同じサイズであってもよい。リア後方延長軸(2504)が交差平面(2840)に対して角度が付けられている実施形態では、ソールトウ部(2212)は、
図25および
図26の実施形態に示すように、ソールヒール部分(2214)よりも小さくても大きくてもよい。
【0136】
第2の構成要素(2200)は、第1のゴルフクラブヘッド(100)の実施形態について上述したのと同様の方法で第1の構成要素(2300)に固定することができる。第1の構成要素(2300)および第2の構成要素(2200)の材料も、第1のゴルフクラブヘッド(100)の実施形態について上述したものと同様とすることができる。
II)製造方法
【0137】
ゴルフクラブヘッド(100)を製造する第1の実施形態の方法は、第1の構成要素(300)を形成するステップと、第2の構成要素(200)を形成するステップと、第1の構成要素リップ(450)に接着剤を塗布するステップと、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に位置合わせするステップと、第2の構成要素(200)がリップ(450)を覆うように第1の構成要素(300)に第2の構成要素(200)を合致させるステップと、接着剤を硬化させ、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に恒久的に固定して中空のゴルフクラブヘッド(100)を形成するステップと、を備えている。
【0138】
図15を参照すると、上述したように、第1の構成要素(300)は、1つまたは複数のヒール端鋳造支持バー(1510)と1つまたは複数のトウ端鋳造支持バー(1512)とを含む複数の鋳造支持バーをさらに含むことができる。鋳造支持バーは、鋳造後金属が冷却するときに、第1の構成要素(300)の鋳造部分を安定化する。鋳造支持バーによって提供される安定化は、鋳造後に部品が冷却される間に、鋳造部品の前部が第1の構成要素ソール部リア延長部(500)に向かって折り畳まれるか、またはそこから離れることを防止する。鋳造支持バーは、鋳造された第1の構成要素(300)から取り外され、完成したゴルフクラブヘッド(100)には存在しない。
【0139】
ゴルフクラブヘッド(100)を製造する代替方法は、第1の構成要素(300)を鋳造するステップと、第1の構成要素(300)のワックス模型を成形するステップと、ワックス支持バーをワックス模型に加えるステップと、改質ワックス模型をインベストするステップと、インベストメントを鋳造するステップと、金属鋳造支持バー(1510,1512)をトリミングするステップと、第1の構成要素(300)を形成するステップと、第2の構成要素(200)を形成するステップと、第1の構成要素(300)に接着剤を塗布するステップと、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に位置合わせするステップと、第2の構成要素(200)がリップ(450)を覆うように第1の構成要素(300)に第2の構成要素(200)を合致させるステップと、接着剤を硬化させ、第2の構成要素(200)を第1の構成要素(300)に恒久的に固定して中空のゴルフクラブヘッド(100)を形成するステップと、を備えている。支持バーをワックス模型に追加する場合、支持バーの取り付け点は、第1の構成要素(300)の外面のマーリングまたは歪みを回避するために、第1の構成要素(300)ワックス模型の内面である。支持バーを追加する利点は、第1の構成要素の鋳造が鋳造後の冷却段階にある間に歪みに対して支持されることである。
【0140】
第1の構成要素(300)は、第1の構成要素リップ(450)で第2の構成要素(200)に結合されて、ゴルフクラブヘッド(100)のボディを形成することができる。クラウン部リップ(455)とソール部リップ(460)と質量部垂直リップ(750)を含む第1の構成要素リップ(450)は、第1の構成要素(300)が第2の構成要素(200)に結合されてゴルフクラブヘッド(100)のボディを形成するとき、第2の構成要素(200)によって完全に覆われる。第2の構成要素ソール部リア切欠部(240)は、後縁(230)における周囲端部(220)の一部を備える。第1の構成要素(300)が第1の構成要素リップ(450)で第2の構成要素(200)に結合されるとき(ゴルフクラブヘッド(100)のボディを形成するために)、後縁(230)の周囲端部(220)の一部は、質量部後縁シェルフ(1042)に沿って接合される。
【0141】
第1の構成要素(300)は、接着剤によって第2の構成要素(200)に結合することができる。多くの実施形態では、接着剤、エポキシ、エポキシガスケット、テープ(例えば、VHBテープ)、または任意の他の接着材料などの接着剤を、第2の構成要素(200)と第1の構成要素リップ(450)との接合部に配置することができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素リップ(450および455)上の第1の構成要素タブ(457)は、第2の構成要素(200)に当接し、第1の構成要素リップ(450および455)と第2の構成要素(200)との間に隙間を残すことができる。この隙間は、接着剤を収容することができる。隙間は、第1の構成要素タブ(457)が均一な高さを有するため、均一な高さまたは厚さを有することができる。この隙間の均一な高さは、第1の構成要素と第2の構成要素との間に均一な結合を作り出すことができる。他の実施形態では、第2の構成要素(200)は、締結具、クリップ、圧入、または任意の他の適切な取り付け手段(図示せず)によって、第1の構成要素(300)に結合され得る。他の実施形態では、第1の構成要素(300)は、適切な機械的取り付け手段と共に接着剤によって第2の構成要素(200)に結合されてもよい。他の実施形態では、第1の構成要素(300)は、第2の構成要素(200)材料を加熱して第1の構成要素(300)材料に接着させるために、レーザ溶接を使用して第2の構成要素(200)に結合されてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態では、第1の構成要素が第2の構成要素に結合してゴルフクラブヘッド100を形成するとき、第1の構成要素(300)の表面は、第2の構成要素(200)の表面からオフセットされない。第1の構成要素(300)が第2の構成要素(200)に結合されてゴルフクラブヘッド(100)を形成するとき、第1の構成要素の公称外面は、結合部の接合部において第2の構成要素の公称外面の上または下にオフセットされない(すなわち、第1の構成要素(300)および第2の構成要素(200)の外面は同一平面である)。ゴルフクラブヘッド(100)を製造する第2の方法は、(1)第1の構成要素(300)を形成するステップと、(2)第2の構成要素(200)を用意するステップと、(3)第1の構成要素(300)を第2の構成要素(200)に固定するステップと、(4)クラブヘッドを研磨して仕上げるステップと、を含む。第1のステップは、未完成の第1の構成要素を鋳造すること、未完成の第1の構成要素の望ましくない部分をレーザ切断すること、任意でフェースプレートを第1の構成要素に溶接して完成された第1の構成要素を形成すること、を含むことができる。
【0143】
第1のステップで第1の構成要素(300)を形成することは、第1の構成要素の未完成バージョンを鋳造することから開始することができる。薄肉領域の大部分は、第2の構成要素が後に取り付けられるおおよその場所に位置することができる。薄肉領域の端部の周りの周囲セクションは最終的に第1の構成要素のリップを形成する。薄肉領域が鋳造プロセス中に第1の構成要素がその所望の形状を保持するのを助けるので、未完成の第1の構成要素は薄肉領域を用いて鋳造される。薄肉領域を用いずに第1の構成要素を鋳造することは、一部の反りまたは他の鋳造品質問題をもたらす可能性がある。従って、後に除去される薄肉領域を用いた鋳造は、第1の構成要素がその所望の形状を維持することを保証し、第2の構成要素がステップ3の間にその上に正しく適合するようにする。
【0144】
未完成の第1の構成要素が、それが鋳造された型から除去された後、レ-ザが、薄肉領域の不要な部分を切り出すために使用され、第2の構成要素のリップを形成する周囲セクションのみを残す。リップは、必要に応じて研削または研磨することができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの打撃フェースは、第1の構成要素の一部として一体的に鋳造される。他の実施形態では、第1の構成要素は、打撃フェースなし(第1の構成要素の前部に開口部または空隙を有する)で鋳造することができる。これらの実施形態では、金属材料からフェースプレートを鋳造または鍛造することによって、フェースプレートが別個に提供される。フェースプレートは、従来通りに溶接、レ-ザ溶接、またはスウェッジ(スワッギング)して、第1の構成要素の前部開口部に入れることができる。
【0145】
第2のステップは、第2の構成要素を射出成形することを含むことができる。(典型的にはペレット形態の)複合材料を提供し、複合材料を溶融し、溶融した複合材料を型に射出して未完成の第2の構成要素を形成し、スプルース(spruce)を切断し、ゲート領域を研磨して第2の構成要素を仕上げる。上述したように、複合材料は、ポリマー樹脂及び強化繊維を含むことができる。複合材料は、樹脂および繊維の両方を含むペレットで提供することができる。複合ペレットは溶融され、型に射出されて未完成の第2の構成要素を形成する。
【0146】
第3のステップは、接着剤(2液型エポキシなど)を第1の構成要素リップに塗布するステップと、第2の構成要素(200)を第1の構成要素リップ(450)の上に位置合わせして配置するステップと、接着剤を乾燥させるステップと、を含むことができる。リップ(450)および(455)上の1つ又は複数の第1の構成要素タブ(457)は、第1の構成要素リップ(450)と第2の構成要素との間に隙間を提供することができる。この隙間は、接着剤を収容することができる。隙間は、第1の構成要素タブ(457)が均一な高さを有するため、均一な高さまたは厚さを有することができる。隙間のこの均一な高さは、第1の構成要素(300)と第2の構成要素(200)との間に均一な結合を作り出すことができる。
【0147】
この第2の方法のいくつかの実施形態では、官能化結合フィルムまたは層を接着剤の代わりに使用することができる。官能化結合フィルムは、第1の構成要素リップ(450,455)の形状および側面に対応する1つ以上のストリップ領域で提供され得る。官能化結合フィルムは、第1および第2の側を含む。フィルムは、第1の側で第1の構成要素の材料と、第2の側で第2の構成要素の材料と結合するように構成することができる。接着フィルムは、必要な温度および圧力条件下に設定された時間置かれたときに、第1および第2の構成要素を一緒に接着することができる。
【0148】
接着剤が第1の構成要素リップ(450,455)に塗布された後、第2の構成要素(200)は、第1の構成要素リップ(450,455)の上に配置または摺動され得る。第2の構成要素(200)は、第2の構成要素(200)の外縁が第1の構成要素(300)の残りの部分と接触するまで、第1の構成要素リップ(450,455)の上を摺動することができる。
図5に図示されているように、第1の構成要素リップは、リセス状オフセット(459)を備えており、このリセス状オフセットは、クラブヘッドが組み立てられたときに第2の構成要素(200)が充填する。第3のステップは、接着剤を乾燥させ、第1の構成要素(200)を第2の構成要素(300)に結合させることをさらに含むことができる。
【0149】
第4のステップは、クラブヘッドの研磨、クリーニング、コーティング、および/または塗装を含むことができる。いくつかの実施形態では、第4のステップは、ウェイトリセス(540)内に着脱可能ウェイトを配置することと、締結具を使用してウェイトを固定することと、をさらに含むことができる。
III)T字形設計機能
【0150】
上述のように、本明細書に記載の中空ゴルフクラブヘッド(100)の実施形態は、2つの主要な構成要素を含むことができる。金属製の第1の構成要素(300)は、打撃部と、「T」字形を形成するソール延長部(500)と、を含む。非金属の第2の構成要素(200)は、クラウン(110)の後部を含み、ソール(120)の一部も含むように第1の構成要素の周りを包む。第1の構成要素(300)のより高密な「T」字形のソールは、より低密でクラウンを包み込む第2の構成要素(200)に結合され、クラウンの質量を減少させ、ゴルフクラブヘッドの重心(CG)をより低くシフトさせることによって質量特性を最適化することができる。第2の構成要素(200)から節約された重量は、ゴルフクラブヘッド(100)の他の位置に再分配されて、CGをさらに最適化し、MOIを増加させ、ショット軌道の形状を操作することができる。
【0151】
ゴルフクラブヘッド(100)のCGは、第1の構成要素(300)および第2の構成要素(200)を含むゴルフクラブヘッド(100)の後部に向かって下方に移動することができ、第2の構成要素(200)は、一定の密度を有する第1の材料のみを含む代替のゴルフクラブヘッドと比較して、第1の材料密度よりも低い第2の密度を有する第2の材料を含む。
実施例
【0152】
本出願の比較例クラブヘッドおよび実施例クラブヘッドを表1で比較する。比較例クラブは、完全に金属であるが、実施例クラブヘッドと同様の総質量および総体積を有する。実施例クラブヘッドは、本出願のゴルフクラブヘッドの実施形態である。
【表1】
【0153】
比較例クラブヘッドおよび実施例クラブヘッドは、約445cm3の同体積を有する。全体的に金属材料で構成された比較例クラブは、接地面(105)上のCGの高さである0.895インチのCGyを有する。実施例ゴルフクラブヘッドは、0.887インチのCGyを有する。CGyの値を小さくすることが望ましい。実施例ゴルフクラブヘッドのCGyは、比較例クラブのそれよりも0.008インチ低い。
【0154】
上述したように、CGzは、ロフト面(198)に垂直な方向に、打撃フェース中心(175)からゴルフクラブヘッドのリア端に向かって位置する距離として測定される。より大きなCGzは、ゴルフクラブのさらに後方に配置され、ボール飛行制御に有利である。比較例クラブのCGzは1.913インチである。実施例ゴルフクラブヘッドは、1.986インチのCGzを有する。実施例ゴルフクラブヘッドのCGzは、比較例クラブのCGzよりも0.073インチ後方にある。
【0155】
CGの位置は、ボールの打ち上げ特性(例えば、ボール軌跡、ボールスピン、およびボール速度)、慣性モーメント(MOI)、および性能特性(例えば、スイング速度、インパクト中のスクエア)を決定するのに役立つ。高いMOIは、スイング中のゴルフクラブヘッドの回転を防止し、ボールとのインパクト中に打撃フェースをスクエアにするのに役立つ。スクエアな打撃フェースでボールをインパクトすることは、打撃フェースがスクエアでないときにボールをスライス又はフックすることと比較して、真っ直ぐなボール経路及び最適な高さ/軌道を確保するのに役立つ。また、CGが低いほど、ボールの速度とスピンが向上するため、距離を追加し、着地時にボールが後方に転がるのを防ぐことができる。
【0156】
実施例ゴルフクラブヘッドのMOIは比較例ゴルフクラブのMOIより大きい。IXXおよびIYYのMOI値はそれぞれ、X軸(190)およびY軸(192)の周りのMOI値である。高いMOIは、スイング中のゴルフクラブヘッドの回転を防止するのに役立ち、ボールとのインパクト中に打撃フェースをスクエアにするのに役立つので、より大きなMOIが望ましい。比較例クラブのIXX値は584.45であり、IYY値は834.30である。実施例ゴルフクラブヘッドのIXX値は652.71であり、IYY値は875.94である。実施例ゴルフクラブヘッドは、比較例クラブよりも、IXXが11.7%も改善され、IYYが5.0%改善されている。
【0157】
実施例ゴルフクラブヘッドによって打たれたゴルフボールのボール飛行は、改善されたCGy値およびCGz値を有し、改善されたIXX値およびIYY値に直接的につながる。改善されたCG値は、インパクトでのより低いボールスピンを導き、ボール飛行のためのより長いキャリーを導く。
【0158】
代替の実施形態では、埋め込み高密度のウェイトが、実施例ゴルフクラブヘッドに追加された。ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドは、CGyが0.890インチであり、CGzが2.013インチである。ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドのCGyは、比較例ゴルフクラブヘッドのCGyより0.005インチ小さいが、ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドのCGzは、比較例ゴルフクラブヘッドのCGzより0.100インチ大きい。ウェイトを有する実施例ゴルフクラブヘッドは、IXX値が678.31であり、IYY値が901.78である。これらのMOI値は共に、比較例ゴルフクラブヘッドのIXXおよびIYYよりもそれぞれ16%および8.1%大きい。
【0159】
1つ以上のクレームされた要素の置換は、再構成を構成し、修理を構成しない。更に、効果、他の利点、及び問題に対する解決策が特定の実施形態に関して記載されてきた。しかしながら、利点、他の有利な点及び問題に対する解決、並びに、任意の利点、有利な点または解決を発生させまたは明らかとさせる任意の1つまたは複数の要素は、このような利点、有利な点、解決または要素がこのような請求の範囲に明示的に述べられていない限り、請求の範囲の任意またはすべての要素の重大な、必須の、または、本質的な特徴若しくは要素を構成するものではない。
【0160】
ゴルフに対する規則は、時々変更される(全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)等のゴルフ標準組織及び/または管理機関によって、新しい規則が適用されることがあり、または、古いルールが撤廃若しくは変更されることがある)ため、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、任意の特定時におけるゴルフのルールに適合しまたは適合しないことがある。したがって、本明細書に記載される方法、装置、および/または製品に関連するゴルフ用具は、適合または不適合のゴルフ用具として広告され、販売のために提供され、および/または販売されてもよい。本明細書に記載される方法、装置、および/または製品は、この点に関して限定されない。
【0161】
業界内の習慣、全米ゴルフ協会(USGA)またはR&Aなどのゴルフ団体によって設定された規則、および命名規則は、本出願の範囲から逸脱することなく、用語のこの説明を強化することができる。
【0162】
上記の例は、中空体ゴルフクラブに関連して記載され得るが、本明細書に記載される装置、方法、および製品は、アイアン型ゴルフクラブ、ウェッジ型ゴルフクラブ、またはパター型ゴルフクラブなどの他のタイプのゴルフクラブに適用可能であり得る。あるいは、本明細書に記載の装置、方法、および製品は、ホッケースティック、テニスラケット、釣り用ポール、スキーポールなどの他のタイプのスポーツ用具に適用可能であってもよい。
【0163】
更に、本明細書に記載の実施形態及び限定事項は、実施形態及び/または限定事項が、(1)請求の範囲に明示的に主張されていない、及び、(2)均等論の下で、請求の範囲における表現要素及び/または限定事項と等価または潜在的に等価である場合、公開主義の下で公衆に提供するものではない。
【0164】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の項に記載される。
【0165】
項目1. ボディを備えるゴルフクラブヘッドであって、前記ボディは、打撃フェースと、リア端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、後縁部と、を備えており、前記ボディはさらに、前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルをさらに有するリア延長部と、を有している第1の構成要素と、前記リア端の少なくとも一部を備える第2の構成要素と、を備えており、前記ウェイトチャネルが前記ゴルフクラブヘッドの前記リア端の中央に位置しており、前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、X軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端から前記トウ端まで、且つ、前記クラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地面に平行な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、Y軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記クラウンから前記ソールまで、且つ、前記X軸に垂直な方向に、前記打撃フェースの中心を通って延びており、Z軸が、前記打撃フェースから前記ゴルフクラブヘッドのリア端まで、且つ、前記X軸及び前記Y軸に垂直な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、前記打撃フェースにほぼ平行であって前記打撃フェース中心に接するロフト面が、前記接地面に対してロフト角を形成し、XY平面が、前記X軸と前記Y軸を通って延びており、YZ平面が、前記Y軸と前記Z軸を通って延びており、前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、第1の構成要素クラウン部と第1の構成要素ソール部を備えており、前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部から前記リア端に向かって延びており、前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合されて、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部はさらに、前記リア延長部のトウ側にあるトウ延長部と、前記リア延長部のヒール側にあるヒール延長部と、を備えており、前記トウ延長部は、トウ延長部リア壁を有しており、前記ヒール延長部は、ヒール延長部リア壁を有しており、前記第1の構成要素質量は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の85%から96%である、ゴルフクラブヘッド。
【0166】
項目2. 前記ウェイトチャネルは、前記ボディの前記リア端と前記ソールにおいて露出している、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0167】
項目3. 前記ウェイトチャネルは、3つの位置のうちの1つにおいて可動ウェイトを受容するように構成されている、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0168】
項目4. 前記リア延長部は、前記ウェイトチャネルを打撃フェースソールリターンに接続するトウ側壁とヒール側壁を備えている、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0169】
項目5. 前記リア延長部トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側壁角度を形成し、前記リア延長部ヒール側壁と前記ヒール延長部は、ヒール側壁角度を形成する、項目4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0170】
項目6. 前記トウ側壁角度と前記ヒール側壁角度は、角度の合計が180度になるように補角である、項目5に記載のゴルフクラブヘッド。
【0171】
項目7. 前記リア延長部トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側交点で結合されており、前記リア延長部ヒール側壁と前記ヒール延長部は、ヒール側交点で結合されており、交点平面は、前記トウ側交点と前記ヒール側交点と一致し、前記XY平面と平行に延びている、項目4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0172】
項目8. 前記ウェイトチャネルが、3つのねじ穴を有する取り付け壁をさらに備えており、前記3つのねじ穴が、トウ側ねじ穴と、中央ねじ穴と、ヒール側ねじ穴と、を備えており、前記中央ねじ穴が、前記取り付け壁の長さの中央に位置する、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0173】
項目9. 前記リア延長部は、リア延長部前方中間点と取り付け壁中央穴の中心との間に延在するリア延長軸を備えており、前記リア延長部前方中間点は、前記トウ側交点と前記ヒール側交点との間の半分の位置にある、項目7に記載のゴルフクラブヘッド。
【0174】
項目10. 前記リア延長軸は、前記交点平面に対して垂直である、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0175】
項目11. 前記リア延長軸は、前記交点平面に対して垂直ではない、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0176】
項目12. トウ側軸角度は、前記リア延長軸のトウ側において、前記ゴルフクラブヘッドのソールから見て測定される前記交点平面と前記リア延長軸との間の角度を有しており、ヒール側軸角度は、前記リア延長軸のヒール側において、前記ゴルフクラブヘッドのソールから見て測定される前記交点平面と前記リア延長軸との間の角度を有しており、前記トウ側軸角度と前記ヒール側軸角度は、180度となる補角である、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0177】
項目13. 前記リア延長部は、前記ヒール端よりも前記ゴルフクラブヘッドの前記トウ端に近い前記打撃フェースリターンソール部に取り付けられており、前記トウ側軸角度は90度よりも大きく、前記ヒール側軸角度は90度よりも小さい、項目12に記載のゴルフクラブヘッド。
【0178】
項目14. 前記リア延長部は、前記トウ端よりも前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端に近い前記打撃フェースリターンソール部に取り付けられており、前記ヒール側軸角度は90度よりも大きく、前記トウ側軸角度は90度よりも小さい、項目12に記載のゴルフクラブヘッド。
【0179】
項目15. 前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンソール部の後方周囲の後方において、ヒールからソール方向に測定されるリア延長部幅を備えており、前記リア延長部幅は、前記ソールの全幅の25%から85%の範囲である、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0180】
項目16. 前記ウェイトチャネルに隣接する前記リア延長部幅は、1インチから2.5インチの範囲とすることができる、項目15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0181】
項目17. トウ側交点とヒール側交点との間の前記リア延長部幅は、1インチから5インチの範囲とすることができる、項目15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0182】
項目18. 可動ウェイトが、ねじ付き締結具によって固定される、項目3に記載のゴルフクラブヘッド。
【0183】
項目19. 前記ウェイトチャネルがソール壁をさらに備えており、前記取り付け壁が前記ソールに対してほぼ垂直に配向されている、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0184】
項目20. ボディを備えるゴルフクラブヘッドであって、前記ボディは、打撃フェースと、リア端と、トウ端と、ヒール端と、クラウンと、ソールと、後縁部と、を備えており、前記ボディはさらに、前記打撃フェースと、打撃フェースリターンと、ウェイトチャネルをさらに有するリア延長部と、を備えている、第1の構成要素と、前記リア端の少なくとも一部を備える第2の構成要素と、を備えており、前記打撃フェースは、打撃フェース中心を有しており、X軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端から前記トウ端まで、且つ、前記クラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地面に平行な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、Y軸が、前記ゴルフクラブヘッドの前記クラウンから前記ソールまで、且つ、前記X軸に垂直な方向に、前記打撃フェースの中心を通って延びており、Z軸が、前記打撃フェースから前記ゴルフクラブヘッドのリア端まで、且つ、前記X軸及び前記Y軸に垂直な方向に、前記打撃フェース中心を通って延びており、
前記打撃フェースにほぼ平行であって前記打撃フェース中心に接するロフト面が、前記接地面に対してロフト角を形成し、XY平面が、前記X軸と前記Y軸を通って延びており、YZ平面が、前記Y軸と前記Z軸を通って延びており、前記第1の構成要素は、第1の密度を有する第1の材料を備えており、前記第2の構成要素は、第2の密度を有する第2の材料を備えており、前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きく、前記第1の構成要素の前記打撃フェースリターンは、前記打撃フェースから後方に延在し、第1の構成要素クラウン部と第1の構成要素ソール部を備えており、前記リア延長部は、前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部から前記リア端に向かって延びており、前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素に結合されて、前記ゴルフクラブヘッドの囲まれた中空内部を形成するように構成されており、前記打撃フェースリターンの前記第1の構成要素ソール部はさらに、前記リア延長部のトウ側のトウ延長部と、前記リア延長部のヒール側のヒール延長部と、を備えており、前記トウ延長部は、トウ延長部リア壁を有しており、前記ヒール延長部は、ヒール延長部リア壁を有しており、前記リア延長部は、幅と長さを有しており、前記リア延長部は、前記ウェイトチャネルを打撃フェースソールリターンに接続するトウ側壁とヒール側壁を備えており、前記リア延長部トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側壁角度を形成し、前記リア延長部ヒール側壁と前記ヒール延長部は、ヒール側壁角度を形成し、前記リア延長部トウ側壁と前記トウ延長部リア壁は、トウ側交点で結合されており、前記リア延長部ヒール側壁と前記ヒール延長部は、ヒール側交点で結合されており、交点平面は、前記トウ側交点と前記ヒール側交点と一致し、前記XY平面と平行に延びている、ゴルフクラブヘッド。