IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インスパイア・メディカル・システムズ・インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】呼吸検出
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/113 20060101AFI20241112BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20241112BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A61B5/113
A61B5/08
A61N1/36
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022504648
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 US2020043500
(87)【国際公開番号】W WO2021016562
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】62/878,570
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510302135
【氏名又は名称】インスパイア・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Inspire Medical Systems,Inc.
【住所又は居所原語表記】5500 Wayzata Boulevard, Suite 1600 Golden Valley MN 55416 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ディーケン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ロンドニ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ネスビット,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ソープ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,ダレル
(72)【発明者】
【氏名】バーザル,ケビン
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-511250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0060215(US,A1)
【文献】特開2005-066323(JP,A)
【文献】特表2019-513491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/08-5/097
A61B 5/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
加速度信号を感知する移植可能な加速度センサであって、前記加速度センサは、患者の胸壁の第1の部分に固定可能であって、感知された加速度信号に基づいて、呼吸によって引き起こされる胸壁の第1の部分の回転運動を感知することによって呼吸情報を判定するための、移植可能な加速度センサを備え
前記判定された呼吸情報が、判定された呼吸波形形態を含むと共に、
前記呼吸波形形態の前記判定が、前記呼吸波形形態内における、吸気位相の識別を含み、
前記呼吸波形形態の前記判定が、感知された前記加速度信号に基づく、及び、
履歴吸気位相情報および/または履歴呼吸数情報と、
直前の呼気アクティブ位相情報と、
直前の呼気後休止位相情報と、のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、前記吸気位相のオンセットの予測を含む、デバイス。
【請求項2】
前記加速度センサが、地球重力ベクトルに対する前記回転運動を感知するように構成され、かつ位置決め可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記加速度センサが、治療期間内における第1の睡眠身体位置の間に、前記感知を介して前記第1の睡眠身体位置を判定することなく、前記感知を実施するように構成されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記加速度センサが、3つの直交軸で独立して前記回転運動を感知するように構成されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記加速度センサが、n個の直交配置された単軸加速度感知要素と、
制御部分であって、
呼吸中に、どのそれぞれの加速度感知要素がAC信号成分に対する値の最大範囲を呈するかを識別することと、
前記AC信号成分の値の前記最大範囲を呈すると判定された前記識別された加速度感知要素を使用して、前記感知された回転運動を介して、呼吸情報の前記判定を実施することと、を行うための、制御部分と、を備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
記呼吸波形形態の前記判定が、加速度信号のAC成分の絶対的な大きさを用いることなく、行われる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記回転運動を感知することを介した前記呼吸情報の前記判定が、前記呼吸波形の前記吸気位相の正の傾きまたは負の傾きに関係なく、前記吸気位相の前記識別を行うことを含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記呼吸波形形態の前記判定は、
前記識別された吸気位相と関連付けられた確信度の判定を含むこと、
前記加速度信号と関連付けられた確信度の判定を含むこと、特に、前記呼吸波形形態の前記判定は、前記加速度センサの3つの直交測定軸の各それぞれの信号成分に対する前記確信度の判定を含むこと、
のうち少なくとも1つである、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記判定された呼吸波形形態に基づいて、呼吸関連神経に電気刺激を送達する電極を備えると共に、
任意に、前記電極が、カフ電極を含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記神経が、上気道開存性関連神経および横隔神経のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記呼吸波形形態の第1の部分に対して電気刺激の前記送達を同期させるための制御部分を備えると共に、
任意に、前記第1の部分が、前記吸気位相を含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記センサが不適切な信号を取得すると、履歴呼吸情報を含む記憶された呼吸情報を、
前記患者の呼吸サイクル情報と、
複数の患者の呼吸サイクル情報と、のうちの少なくとも1つに対して置換するための制御部分を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記センサが不適切な信号を取得すると、
前記患者の平均呼吸数よりも実質的に速い第1の呼吸数と、
前記患者の平均呼吸数よりも実質的に遅い第2の呼吸数と、のうちの少なくとも1つを含む呼吸サイクル情報を含む記憶された呼吸情報を置換することを含む、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
人口のかなりの部分が、様々な形態の睡眠呼吸障害(SDB)に悩まされている。一部の患者では、外部呼吸療法デバイスおよび/または単なる外科的介入は、睡眠呼吸障害挙動を治療することができない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】加速度センサを介して呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。
図2】胸壁における加速度センサを介して呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。
図3】フィルタ処理された感知された加速度信号を概略的に表すグラフを含む図である。
図4A】各々、加速度センサを介して呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。
図4B】各々、加速度センサを介して呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。
図5】例示的な加速度感知要素を概略的に表す図である。
図6A】角度付き支持体に対する患者による呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。
図6B】各々、重力ベクトルに対して特定の角度で延在する感知要素を含む例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す図である。
図6C】各々、重力ベクトルに対して特定の角度で延在する感知要素を含む例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す図である。
図7】直立支持体に対する患者による呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。
図8】加速度センサの異なる感知要素が患者の身体に対して配向される、例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す正面図を含む図である。
図9】加速度センサの異なる感知要素が患者の身体に対して配向される、例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す側面図を含む図である。
図10A】加速度センサを備える移植可能な医療デバイスを含む、例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す正面図を含む図である。
図10B】加速度センサを配置する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10C】基準角度配向に関連して感知要素を識別する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10D】基準角度配向を判定する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10E】感知を実装する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10F】識別された感知要素を介して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10G】角度配向の範囲内で感知する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10H】どの感知要素が基準角度配向を呈するかを識別する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10I】最大範囲の角度配向に関連する識別された感知要素を使用して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10J】AC信号成分の値の最大範囲に関連して感知要素を識別する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10K】AC信号成分の値の最大範囲に関連する識別された感知要素を使用して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表す図である。
図10L】呼吸中にAC信号成分を感知する例示的な方法を概略的に表す図である。
図11】患者の胸部の側面図を含む図であり、呼吸中の胸部の回転運動を感知することに基づいて呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表す。
図12】重力ベクトルに対する加速度センサの回転時の異なる角度配向を概略的に表す側面図を含む図である。
図13】各々、互いに対して異なる構成で配置された2つの離間された加速度センサを含む、移植可能な医療デバイスを概略的に表す側面図を含む図である。
図14】各々、互いに対して異なる構成で配置された2つの離間された加速度センサを含む、移植可能な医療デバイスを概略的に表す側面図を含む図である。
図15A】各々、互いに対して異なる構成で配置された2つの離間された加速度センサを含む、移植可能な医療デバイスを概略的に表す側面図を含む図である。
図15B】2つの離間された加速度計のそれぞれの感知要素の角度配向のオフセットを概略的に表す図である。
図16】各々、互いに対して異なる構成で配置された2つの離間された加速度センサを含む、移植可能な医療デバイスを概略的に表す側面図を含む図である。
図17】各々、互いに対して異なる構成で配置された2つの離間された加速度センサを含む、移植可能な医療デバイスを概略的に表す側面図を含む図である。
図18A】呼吸を感知するために移植可能な医療デバイス内の1つの加速度計、および呼吸感知領域から離間されたもう1つの加速度計を含む、2つの離間された加速度計を使用してノイズを検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す図である。
図18B】加速度計を備えるリードを含む例示的な移植可能なパルス発生器を概略的に表す上面図を含む図である。
図19】各々、患者の胸部の側面図を含む図であり、胸部の側部に装着されたセンサを介して、胸部の回転運動を感知することに基づいて呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表す。
図20】各々、患者の胸部の側面図を含む図であり、胸部の側部に装着されたセンサを介して、胸部の回転運動を感知することに基づいて呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表す。
図21】患者の胸部の側方部分上のセンサを介して呼吸を感知する例示的な方法を概略的に表す正面図を含む図である。
図22】患者の胸部の側部の回転に関連する感知要素の回転を感知することを介して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表す図である。
図23A】各々、患者の胸部内に移植された、加速度計を含む、医療デバイスを含む例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す正面図を含む図である。
図23B】各々、患者の胸部内に移植された、加速度計を含む、医療デバイスを含む例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す正面図を含む図である。
図23C】呼吸情報を判定するために患者の胸部内に移植された微小刺激装置および加速度計を含む、例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す正面図を含む図である。
図24A】感知された加速度信号を介して呼吸情報を判定するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表すブロック図である。
図24B】例示的な確信度部分を概略的に表すブロック図である。
図24C】例示的な特徴抽出部分を概略的に表すブロック図である。
図24D】例示的な吸気位相予測機能を概略的に表すブロック図である。
図24E】例示的なノイズモデルパラメータを概略的に表すブロック図である。
図24F】例示的なケアエンジンを概略的に表すブロック図である。
図25A】各々、例示的な制御部分を概略的に表すブロック図である。
図25B】各々、例示的な制御部分を概略的に表すブロック図である。
図26】例示的なユーザインターフェースを概略的に表すブロック図である。
図27】移植可能なデバイスと患者の外部の異なるデバイスとの間の例示的な通信構成を概略的に表すブロック図である。
図28A】呼吸のための身体部分の回転を感知することに関連して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図28B】患者の胸壁の回転を感知することに関して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図29】地球重力ベクトルに関する回転を感知する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図30】各々、特定の直交軸に関する回転運動を感知する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図31】各々、特定の直交軸に関する回転運動を感知する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図32】第1の身体位置に対する呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図33】並進運動を別個に識別することなく、呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図34】移植配向較正なしで呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図35】ピッチ、ヨー、およびロールに関する呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図36】移植場所を選択する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図37A】心臓、筋肉、および/またはノイズに関する情報を除外しながら、呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図37B】ノイズを減算することを介して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図38】地球重力ベクトルに対する傾斜を測定することを介して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図39】身体位置を判定することなく、呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図40】患者が異なる身体位置にある間の呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図41】各々、呼吸形態を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図42】各々、呼吸形態を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図43】各々、信頼性情報に関連して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図44】各々、信頼性情報に関連して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図45】各々、閾値に関連して呼吸位相情報を抽出する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図46】身体位置に関連して呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図47】腹部の回転運動を感知することに基づいて呼吸情報を判定する例示的な方法を概略的に表すブロック図である。
図48】腹壁における加速度センサを介して呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。
図49】腹壁における加速度センサの複数の感知要素を介して呼吸を検出するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、正面図を含む図である。
図50】腹部内の横隔神経を刺激するために腹部に移植され、かつ加速度センサを含む、医療デバイスを介して、睡眠呼吸障害を治療するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、正面図を含む図である。
図51】腹部内の横隔神経を刺激するために胸部領域内に移植された医療デバイス、および腹部内に移植された加速度センサを介して、睡眠呼吸障害を治療するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、正面図を含む図である。
図52】頭頸部領域内の横隔神経を刺激するために胸部領域内に移植された、加速度センサを含む医療デバイスを介して、睡眠呼吸障害を治療するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、正面図を含む図である。
図53】頭頸部領域内の横隔神経を刺激するために頭頸部領域内に移植された微小刺激装置を介して睡眠呼吸障害を治療するための例示的な方法および/または例示的なデバイスを概略的に表す、正面図を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下の詳細な説明では、本開示の一部を形成する添付の図面が参照され、本開示が実施され得る特定の例を例示することによって示される。他の例が利用され得、本開示の範囲から逸脱せずに構造的または論理的な変更が行われ得る。それゆえに、以下の詳細な説明は、限定的な意味でとられるべきではない。本明細書に説明される様々な例の特徴が、特に別途明記されない限り、部分的または全体的に、互いに組み合わされ得ることを理解されたい。
【0004】
本開示の少なくともいくつかの例は、呼吸情報を検出することを対象とする。いくつかのそのような例では、呼吸の検出は、少なくとも部分的に、呼吸によって引き起こされた呼吸のための身体部分における回転運動を感知することに基づき得る。いくつかの例では、呼吸のための身体部分は、胸部(例えば、胸壁)、腹部(例えば、腹壁)、および/または呼吸を示す回転運動を呈する他の身体部分を含み得る。
【0005】
少なくともこれらの例、および追加の例は、少なくとも図1図52と関連して説明される。
【0006】
図1は、例示的な方法100および/またはセンサ104Aを含む例示的なデバイスを概略的に表す、側面図を含む図である。図1に示されるように、例示的なセンサ104Aは、患者の身体の胸壁102A内に慢性的に皮下に移植される。呼吸中、胸壁102Aは、吸気および呼気中に胸壁102Aの少なくともいくつかが移動(例えば、上昇および下降)するときに回転運動(B2)を呈することになり、吸気は、胸郭の拡張に対応し、呼気は、胸郭の収縮に対応する。この呼吸中の胸郭の拡張および収縮の間、胸壁102Aの少なくともいくつかの部分は、回転挙動を停止、結果的に、そのような回転運動(方向矢印B1を介して表されるように)を経験するセンサ104A上で感知され得、結果的に、以下にさらに説明されるように呼吸情報を提供する。以下にさらに説明されるように、胸壁102Aの感知された部分の回転運動は、必ずしも、または厳密には、単一の平面内の回転運動に限定されないことが理解されるであろう。
【0007】
いくつかの例では、センサ104Aは、少なくとも図23A図23Bと関連して以下にさらに説明されるように、より大きいデバイスの一部分を含み得る。
【0008】
図1にさらに示されるように、センサ104Aは、地球重力場(矢印G)、すなわち、重力ベクトルに対する胸壁102の少なくとも一部分の回転運動(方向矢印B2を介して表されるような)を感知し得る。少なくともいくつかの例を図示するための例示的な単純化のために、図1は、患者の身体が概して水平な睡眠位置にあったかのように、胸壁102Aを図示する。少なくともいくつかの例示的なデバイスおよび/または例示的な方法は、略水平な睡眠位置が仰臥位、伏臥位、または横向きになる(すなわち、側臥位)位置であるかどうかにかかわらず、呼吸情報を検出する際に有効であることが理解されるであろう。さらに、少なくともいくつかの例示的な方法および/または例示的なデバイスはまた、患者が、少なくとも図6A図7と関連して以下に説明されるリクライニング位置などで、垂直な直立位置で椅子に座るなどの、略水平位置以外の位置にいる場合およびそのようなときに、呼吸情報を検出する際に有効である。
【0009】
さらに、少なくとも図39と関連して以下に説明されるように、回転運動(患者の胸壁の一部分における)の加速度ベースの感知を介して呼吸情報を判定することは、患者の身体位置を判定すること(例えば、感知を介して)を含まないか、またはそれに依存しない。したがって、そのような呼吸情報は、いくつかの異なる睡眠身体位置のいずれか1つにおいて判定され得るが、一方、そのような判定は、回転運動の感知が実施されている時点で特定の睡眠身体位置を判定することなく実施され得る。
【0010】
しかしながら、いくつかのそのような例では、呼吸情報を判定する時点で起こる特定の睡眠身体位置(呼吸中の胸壁の一部分の回転運動の加速度ベースの感知を介した)は、いくつかの事例では、判定された呼吸情報および/または他の一般的な患者生理学的情報を増強するためのパラメータとして判定および使用され得る。
【0011】
いくつかの例では、移植可能な加速度センサ(複数可)を固設することは、呼吸のための身体部分に対してセンサ(複数可)を機械的に連結することを含む。いくつかの例では、移植された加速度センサ(複数可)を固設することは、呼吸のための身体部分の筋肉層の上部に組織に対する加速度センサを固設することを含むが、一方、いくつかの例では、センサは、呼吸のための身体部分の筋肉層に直接固設され得る。いくつかの例では、加速度センサは、筋肉層上に加速度センサを固設することなく、呼吸のための身体部分内に皮下に固設され得る。いくつかの例では、呼吸のための身体部分は、胸部を含み得る。いくつかのそのような例では、呼吸のための身体部分は、限定されるものではないが、胸壁の一部分などの、胸部の一部分を含み得る。いくつかの事例では、胸壁の一部分は、胸郭の一部分に対応し得る。いくつかの例では、筋肉層に対してまたは皮下にセンサ(複数可)を固設するそのような態様はまた、腹部などの他の呼吸のための身体部分にセンサを固設することに適用可能であり、少なくとも図47~52と関連してより完全に説明されるように、呼吸中に腹部における回転運動を感知するために腹部に対してセンサを物理的に(例えば、機械的に)連結する。
【0012】
図2は、例示的な方法および/または例示的なセンサ104Aを概略的に表す、側面図を含む図120である。図2に示されるように、いくつかの例では、センサ104Aは、呼吸によって引き起こされる感知要素122Aの回転運動時に傾斜角度(Ω)を測定するように配置される、感知要素122Aを備え得る。図2に表されるように、呼吸中に胸壁102Aの少なくとも一部分の回転運動時、感知要素122Aは、第1の角度配向YR1(実線で示される)と第2の角度配向YR2(破線で示される)との間で回転して移動し得る。いくつかのそのような例では、感知要素122Aの第1の角度配向YR1(実線で示される)は、呼吸サイクルのピーク満了(例えば、収縮した胸郭)に対応し得、感知要素122Aの第2の角度配向YR2(破線で示される)は、呼吸サイクルのピーク吸気(例えば、拡張した胸郭)に対応し得る。
【0013】
少なくとも図2を参照すると、感知要素122Aは、破線で図示されるように、胸壁102Aの少なくとも一部分と共に移動することが理解されるであろう。したがって、感知要素122Aは、胸壁102Aに対して移動せず、むしろ、感知要素122Aは、呼吸中、胸壁102Aの少なくとも一部分(感知要素122A)を含むセンサ104Aが移植されている)の回転運動と共に(例えば、それと同期して)回転して移動する。
【0014】
いくつかの例では、感知要素122Aは、加速度計を含み、加速度計は、いくつかの例では単軸加速度計を含み得るか、またはいくつかの例では複数軸加速度計を含み得る。加速度計を介して、感知要素122Aは、回転の瞬間的な変化ではなく、重力(例えば、地球重力ベクトルG)に対するセンサ104Aの絶対回転(したがって、胸壁102Aの一部分の回転)を判定し得る。
【0015】
いくつかの例では、要素122Aは、呼吸によって引き起こされる胸壁102の少なくとも一部分の運動と関連付けられた、上記の傾斜角度(Ω)の(少なくとも)値、および値の変化を測定する単一軸加速度計を含み得る。
【0016】
いくつかの例では、感知要素122Aは、加速度計およびジャイロスコープを含み得る。
【0017】
図3は、図2の感知要素122Aなどのセンサを介して感知されるフィルタ処理された加速度信号142を概略的に表すグラフ140を含む図である。図3に示されるように、信号142は、呼吸中にいくつかの呼吸サイクルを通して呈される呼吸波形に対応する。各呼吸サイクル143は、吸気位相(T)、呼気アクティブ位相(TEA)、および呼気後休止位相(TEP)を含む。図3の例示的な呼吸波形は、通常の呼吸中の少なくともいくつかの患者の典型的な呼吸波形を表すが、必ずしも全ての時間において全ての患者に対するものではないことが理解されるであろう。
【0018】
図3を念頭に置いて、さらに図2を参照すると、感知要素122Aの第1の角度配向YR1(実線で示される)は、概して、ピーク満了146(例えば、呼気アクティブ位相(TEA)の終了)に対応し得、感知要素122Aの第2の角度配向YR2(破線で示される)は、吸気位相(TI)のピーク148、すなわち、満了のオンセット時またはその直前の吸気の終了に対応し得ることに留意されたい。
【0019】
さらに図2を参照すると、呼吸中などの、方向矢印B2および破線102Bの胸壁の図示によって表されるように、感知要素122Aは、破線122Bに示される位置または配向YR2に対して、胸壁102Aと共に傾斜角度(Ω)だけ回転する。吸気の終了、およびその後の呼気時、胸壁102は、感知要素122Aが位置YR2(破線で示される)から位置YR1(実線で示される)に戻る傾斜角(Ω)の変化を感知することになるように、実線で示される位置(例えば、呼気の終了)に戻るように回転することになる。
【0020】
連続呼吸サイクルを通して傾斜角(Ω)を感知する際に、感知要素122Aは、呼吸位相(TI)、呼気アクティブ位相(TEA)、および呼気後休止位相(TEP)の持続時間、大きさなどの情報、ならびに/または図3に表されるようにおよび/もしくは以下にさらに説明されるように他の情報(例えば、呼吸数など)を含み得る、呼吸波形全体を取得する。これを念頭に置いて、いくつかの例では、取得された呼吸波形(例えば、呼吸形態)はまた、吸気位相、呼気アクティブ位相、および呼気後休止位相を含む呼吸期間を含む。一態様では、呼吸期間は、呼吸サイクルの持続時間に対応し、この持続時間は、吸気位相の持続時間、呼気アクティブ位相の持続時間、および呼気後休止位相の持続時間の合計を含む。
【0021】
いくつかの例では、識別された呼吸形態は、吸気位相の開始、すなわち、吸気のオンセットを識別する(呼吸波形形態内で)ことを含む。いくつかの例では、吸気位相のこの開始はまた、呼気から吸気への移行に少なくとも部分的に対応し得る。いくつかの例では、識別された呼吸波形形態内の吸気位相の開始を識別する方法は、吸気位相の終了(例えば、オフセット)を識別することなく、識別(吸気位相の開始の)を実施することをさらに含み、これは、各移行がノイズに起因して誤った識別の対象となる呼吸サイクルによる1つよりも多い位相移行(例えば、吸気から呼気への、または呼気から吸気への)の識別とは対照的に、ノイズの存在下における識別(吸気位相の開始の)の精度を向上させ得る。いくつかのそのような例では、吸気位相の終了(例えば、オフセット)は、呼気アクティブ位相の開始(例えば、オンセット)に対応する。
【0022】
いくつかの例では、呼吸波形形態を識別することは、吸気の終了後に短い間隔で予測可能におこり、かつ呼吸検出および関連パラメータの態様で使用され得る、呼吸ピーク圧力を識別する(呼吸波形形態内で)ことを含み得る。一態様では、この構成は、吸気の終了後の間隔と関連付けられた圧力信号の比較的高い数学的導関数の識別の容易さに起因するノイズの存在下における識別(吸気から呼気への遷移、吸気の終了などの)の精度を向上させ得る。
【0023】
いくつかの例では、呼吸波形形態の識別は、呼吸検出および関連パラメータのいくつかの態様で使用され得る、呼気の終了を識別すること(呼吸波形形態内で)を含み得る。
【0024】
いくつかの例では、呼吸波形内の特徴(例えば、吸気位相の開始、呼気の終了など)のそのような識別、予測などの少なくともいくつかの態様は、限定されるものではないが、吸気位相(例えば、図24Aの2352)、吸気位相予測(例えば、図24Dの2360)などの、少なくとも図24A図24Fおよび/または本開示全体を通して様々な例と関連して以下に説明されるものと実質的に同一の特徴および属性のうちの少なくともいくつかを介して実装され得る。
【0025】
さらに図2を参照すると、感知要素122Aの第2の角度配向YR2が固定位置ではなく、むしろ呼吸中のピーク吸気148(図3)などの、胸壁102Aの一部分の回転運動の範囲の一端(例えば、第2の端)における一時的な位置に対応することが理解されるであろう。回転運動の範囲のこの第2の端(およびしたがって、第2の角度配向YR2)は、患者が正常の/弛緩された呼吸、強制呼吸(より強力な吸気など)、および/または呼吸障害を呈しているか否か応じて変動し得る。さらに、この回転運動の範囲の第2の端は、弛緩された呼吸中であっても、呼吸から呼吸までいくつかの変動を呈する場合がある。
【0026】
同様に、図2に示される感知要素122Aの第1の角度配向YR1は、固定位置を含まず、むしろ、第1の角度配向YR1は、呼吸中のピーク呼気146(図3)などの、胸壁102Aの一部の回転運動の範囲の反対側の他端(例えば、第1の端)における一時的な位置に対応する。回転運動の範囲のこの第1の端(およびしたがって、第1の角度配向YR1)は、患者が正常の/弛緩された呼吸、強制呼吸(より強力な呼気など)、および/または呼吸障害を呈しているか否か応じて変動し得る。さらに、この回転運動の範囲の第1の端は、正常な/弛緩された呼吸中であっても、呼吸から呼吸までいくつかの変動を呈する場合がある。
【0027】
それぞれの第2の角度配向YR2および/または第1の角度配向YR1の正確な回転位置にいくつかの変動が存在し得るが、第1の角度配向YR1と第2の角度配向YR2との間には一貫して有意差が存在することになり、それによって、患者の呼吸の間の第1および第2の角度配向YR1およびYR2の間の回転運動の全範囲を通してセンサが移動する際、呼吸形態(例えば、図3に示される)を判定され得ることが理解されるであろう。さらに、感知要素122Aの回転運動の範囲の端における、第1の角度配向YR1の、および第2の角度配向YR2の特定の回転位置の変動は、吸気および/または呼気の振幅の変動、呼吸数の変動などの、呼吸の変動に関する貴重な情報をもたらし得る。いくつかの例では、2つの配向YR1、YR2間の角度運動の範囲の端は、センサからの加速度信号のAC信号成分の値の範囲の端に対応し得る。
【0028】
いくつかの例では、第1の角度配向YR1は、少なくとも第1の角度配向YR1が、限定されるものではないが、略水平な睡眠位置などの、少なくともいくつかの睡眠身体位置について、重力ベクトルGに略垂直であることに最も近い配向に対応し得る限り、基準角度配向と呼ばれ得る。
【0029】
さらに図2を参照すると、この例示的な実施態様では、一般的に、センサ104Aは、患者が略水平位置にあるときなどの、感知要素122Aの測定軸の第1の角度配向YR1(すなわち、基準配向)を、患者の身体の少なくとも胸部領域の上下(S---I)配向に対して略平行、かつ地球重力場Gに対して略垂直であるようにさせる様式で移植され得る。この例では、感知要素122Aの測定軸はまた、患者の身体の胸部領域102Aの少なくとも一部分の前後方向(A---P)配向に略垂直な配向を有すると理解され得る。
【0030】
図2の例では、Y軸方向を有する感知要素122Aの回転運動は、患者の身体の前後方向(A-P)および上下方向(S-I)によって画定される平面P1の近くまたはその内側で概ね起こる。この回転運動は、患者が睡眠している治療期間などの呼吸中の胸郭の回転運動を主に示す。追加の例は、胸郭の回転運動が呼吸、およびしたがって呼吸形態をさらに示す、追加の/他の態様を以下に説明する。
【0031】
解剖学的構造における患者間の変動に起因して、および/またはセンサ104が実際に胸壁102Aに沿って移植される特定の場所に起因して、感知要素122Aは、胸壁(または患者全体)の上下配向に対して正確に平行ではなく、かつ患者の身体の前後配向(および略水平位置に横になっているときの重力ベクトルG)に対して正確に垂直ではない配向に延在し得ることが理解されるであろう。
【0032】
それにもかかわらず、いくつかの例示的な実施態様では、少なくともいくつかの患者身体位置(例えば、略水平な睡眠位置)に対する重力ベクトル(G)に対して略垂直であることに可能な限り近い配向を有するように感知要素122Aの測定軸(Y)を配置することによって、加速度感知要素122AのAC信号成分の感度が最大化され(および最小化されたDC信号成分の絶対値)、結果的に、患者による呼吸によって引き起こされる、および呼吸中の感知要素122Aの傾斜角度(Ω)の変化を測定することの有効性を増加させ得る。一態様では、加速度感知要素122AのAC信号成分は、加速度感知要素122Aの出力信号の時変動部分として理解され得る。
【0033】
特に、感知要素122Aを胸壁102A内に配置して、地球重力場Gに対して略垂直であるように合理的に実用的な限り近づけることによって(少なくとも患者が主要な睡眠位置にあるときに)、感知された傾斜角度は、加速度信号の測定されたAC成分の最大値および加速度信号の測定されたDC成分の最小絶対値に対応することになる。別の言い方をすると、加速度感知要素122Aの測定軸が、最大値(例えば、地球重力ベクトルに対して平行なときなどの1g)を別様に測定する配向に対して略垂直(または合理的に実用的な限り)であるとき、DC成分の絶対値は、無視可能であるか、または最小になる。この状況では、胸壁の一部分が呼吸によって引き起こされる回転運動を呈するため、加速感知要素(の測定軸)の配向が変化する(例えば、傾斜角度)際の大きさの、および/または顕著に測定可能な変化を反映する、加速度信号のAC成分の値の変化がより顕著になる。
【0034】
センサ104(例えば、感知要素122A)が実際に移植される特定の配向に基づいて、一旦、センサ104が移植された後の患者の変動する位置に基づいて、および/または以下にさらに説明される他の因子に基づいて、胸壁102Aにおける感知要素122Aの測定軸は、呼吸中に感知を実施する時点で地球重力場Gに垂直ではない場合があり、したがって、加速度信号のAC成分の感度は、最大値ではない場合があることが理解されるであろう。それにもかかわらず、少なくともいくつかの例示的な方法(および/またはデバイス)は、感知された信号が加速度信号の測定されたAC成分の十分に高い感度を提供するという条件で、所望の呼吸情報を取得するために感知(例えば、感知要素122Aの傾斜角度の)を実施し得る。いくつかのそのような例では、方法および/またはデバイスは、測定されたAC信号の十分に高い感度が存在するかどうか、および/またはそのようなときを判定され得る大きさ基準を用い得る。例えば、いくつかの非限定的な例では、十分に高い感度は、呼吸を判定するために適切な信号対ノイズ比を有する測定されたAC信号に対応する。
【0035】
いくつかのそのような例では、感知要素122Aの出力加速度信号は、加速度計測定軸(すなわち、Yの配向)および略水平方向(重力ベクトルGに対して略垂直である)との間の角度の正弦に対応する。
【0036】
患者間の解剖学的構造の変動のため、いくつかの例示的な方法/デバイスでは、AC信号成分の絶対的な大きさは、呼吸情報を判定するために使用されない。むしろ、第1の角度配向(YR1)と第2の角度配向(YR2)との間のAC信号成分の値の大きさの差を使用することによって、例示的な方法/デバイスは、呼吸波形、形態などを判定し得る。
【0037】
いくつかの例では、デバイスおよびセンサが特定の患者内に移植される特定の角度に応じて、および/または患者が配置される特定の睡眠位置に応じて、感知された呼吸波形から識別された吸気は、正の傾斜を有してもよく、または負の傾斜を有してもよい。正の傾きがデフォルトまたは一次モードと見なされ得るいくつかのそのような例では、負の傾きは、反転信号または呼吸波形信号の反転を呈するとみなされ得る。したがって、いくつかの例では、例示的なデバイス/方法は、信号反転が発生し得るときなどの、信号を感知する間に呈される呼吸波形の吸気位相の特定の傾きを考慮するために、図24Fの傾き反転パラメータ2594などの成分を含み得る。いくつかのそのような例では、吸気位相の正の傾きまたは負の傾きは、吸気位相の傾きの極性と呼ばれる場合がある。吸気位相の特定の傾きを考慮する際に、呼吸サイクルの他の位相の傾きが同様に考慮されることになることが理解されるであろう。
【0038】
呼吸波形信号の吸気位相の傾きに関するこれらの特徴を念頭に置いて、本開示の例示的な方法および/またはデバイスのうちの少なくともいくつかは、患者が空間内でどのように移動している可能性があるかに関わらず、例えば、空間内のセンサ回転の方向に関わらず、または重力に対する患者(センサを含む)の回転に関わらず、呼吸情報を正確にキャプチャおよび判定し得る。したがって、例示的な方法および/またはデバイスは、呼吸情報の正確で信頼できる判定を生成し得る。
【0039】
したがって、少なくともいくつかの例示的な方法は、共通の睡眠位置(例えば、略水平)などの、少なくともいくつかの身体位置について、重力ベクトルGに対して略垂直であることに最も近い感知要素122Aの配向(例えば、YR1)を確立することによって、感知された加速度信号のAC成分の感度を最大化する様式でセンサ104A(感知要素122Aを含む)を移植することを含む。いくつかの状況では、センサ104A(感知要素122Aを含む)は、感知された加速度信号のAC成分の感度が最大化されないが、胸壁の第1の部分(または以下に説明されるように他の生理学的場所)における感知された回転運動に基づいて、効果的かつ確実に呼吸情報を判定するのに十分である位置に移植され得る。いくつかのそのような例では、感知された加速度信号のAC成分の十分な感度は、適切な信号対ノイズ比を有することを含み得る。
【0040】
さらに、デバイス(加速度センサ(複数可)を含む)が、理想的な基準配向(例えば、上下)と平行でない様々な特定の配向(例えば、角度)で移植され得るという観察にさらに関連して、いくつかの例では、例示的な方法/デバイスは、理想的な基準配向(例えば、上下)と実際の移植配向との間の任意の差に対して測定された傾斜角度信号(例えば、加速度センサの)を較正することなく、呼吸情報(例えば、胸壁の一部分の回転運動の加速度ベースの感知などを使用して)を判定することが理解されるであろう(図34の5400で以下に示される)。しかしながら、いくつかの例では、そのような較正が実施され得る、および/またはそのような差異は、感知された情報を使用する際に考慮され得る。
【0041】
他の箇所に記載されたように、少なくともいくつかの例では、回転運動(胸壁の一部分の)の加速度感知に基づいて呼吸情報を判定することは、理想的な移植配向を有するセンサに依存しない、実際の移植配向を知ることに依存しない、および/または理想的な移植配向と実際の移植配向との間の差異を考慮することに依存しない。
【0042】
いくつかの以下の例示的な実施態様では、センサは、複数の感知要素を含み、その結果、例示的な方法は、複数の感知要素のうちのどれが、重力ベクトルに略垂直であることに最も近い、したがって、呼吸情報を感知する際に最も高い感度および有効性を提供し得る配向を有するかを判定することを含み得る。いくつかのそのような例では、複数の感知要素は、互いに直交して配向され得るか、または互いに対して他の角度(例えば、45度)で配向され得る。
【0043】
少なくとも図2をさらに参照すると、いくつかの例では、「略垂直」という用語は、重力ベクトルGに対して正確に垂直な角度(例えば90度)からわずかに変動する重力ベクトルGに対する幾らかの角度(例えば、85、86、87、88、89、91、92、93、94、95度)にある第1の角度配向YR1を含み得る。さらに、上記および/または以下にさらに説明されるように、第1および第2の方向(YR1、YR2)の間の傾斜角度(Ω)の変化によって呼吸を測定する有効性は、重力ベクトルGに対して正確に垂直である第1の角度配向YR1に厳密に依存しない。
【0044】
しかしながら、少なくとも図15図16と関連して以下にさらに説明されるように、第1の角度配向YR1は、感知要素(例えば、122A)の第1の角度配向YR1が、重力ベクトルGに対して約135度(すなわち、患者の身体の前後(A-P)配向に対して135度であるように位置決めされた例示的な実施態様におけるなどの、重力ベクトル(G)に対して略垂直ではない角度であり得る。いくつかのそのような例では、感知要素122Aの第2の角度配向YR2は、依然として、第1の角度配向YR1に対して角度(Ω)で延在し、角度(Ω)は、既に説明されたように、正常な呼吸、強制呼吸、および/または呼吸障害で起こる患者の呼吸の変動に従って変動することが理解される。以下にさらに説明されるように、135度以外の角度で第1の配向TR1を確立することが、同様に企図される。
【0045】
少なくとも図37A図37B図24Eのノイズモデルパラメータ2470、および/または図24Fのノイズパラメータ2596と関連して以下にさらに説明されるように、例示的なデバイス(複数可)および/または例示的な方法(複数可)は、残りの感知されたまたは測定された加速度信号が胸壁102の少なくとも一部分の移動を主に表すものであるように、全身の動き、測定ノイズ、筋肉ノイズ、心臓ノイズ、他のノイズの測定値を除外する(例えば、フィルタ処理する)様式で、そのような測定値を実施し得る。いくつかのそのような例では、測定された加速度信号は、胸壁102の運動のみを表す。特に、いくつかのそのような例では、測定された加速度信号は、センサ104(図1のB1)によって感知される、呼吸によって引き起こされる、および/または呼吸中に起こるときの胸壁102の少なくとも一部分の回転運動に対応する。
【0046】
図4A図4B図5は、互いに対して直交して配置された3つの感知要素122A(Y)、162(Z)、164(X)を含み得る例示的な方法および/または例示的なセンサ204を概略的に表す図である。いくつかの例では、センサ204(少なくとも感知要素122Aを含む)は、単に1つの感知要素122A(Y)が存在する少なくとも図1図3と関連して既に説明されたセンサ104Aと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含む。しかしながら、図4A図4Bに示されるように、感知要素122A(Y)に加えて、いくつかの例では、センサ204はまた、感知要素122Aに対して垂直である配向Z(Z軸)を有する加速度感知要素162を含み得る。移植されると、このZ軸配向は、胸壁102Aの上下(S-I)方向に対して略垂直であり、胸壁102Aの前後(A-P)配向に対して略平行である。
【0047】
一方、図4Bに示されるように、感知要素122A(Y)を含むことに加えて、いくつかの例では、センサ204はまた、感知要素122Aに対して略垂直である配向X(X軸)を有する加速度感知要素164を含み得る。移植されると、このX軸方向は、胸壁102Aの上下(S-I)配向に対して略垂直であり、胸壁102Aの前後(A-P)配向に対して略垂直である。いくつかのそのような例では、感知要素164は、感知要素164の傾斜角度の変化(方向矢印B4を介して表される)に従って、前後配向(A-P)および内外配向(L-M)によって画定された平面内の胸壁102Aの回転運動(方向矢印B5によって表される)を感知し得る。それぞれの感知要素162(Z)、164(X)の各々は、胸壁102Aの回転運動の追加の感知を提供して、さらなる呼吸情報を提供し得る。
【0048】
さらに図4A図4B、および図5を参照すると、いくつかの例では、センサ204は、全ての3つの感知要素122A(Y)、162(Z)、および164(X)を含み得る。
【0049】
図5図250に概略的に表されるように、センサ204の3つの感知要素162、122A、164の各々からの感知された加速度信号情報は、複合回転変化情報(252)を提供するために組み合わせられ得る。いくつかの例では、複合回転変化情報252は、呼吸によって引き起こされる全体的な回転運動を表す(例えば、少なくとも2つの直交軸に従って)仮想ベクトルと呼ばれる場合がある。いくつかのそのような例では、複合回転変化情報252は、重力に関して多次元加速度ベクトル(例えば、仮想ベクトル)のAC成分を感知することに対応する。
【0050】
いくつかの例では、3つの直交配置された感知要素のうちの少なくとも2つが、n個の単軸感知要素によって生成される多次元加速度ベクトルのAC成分に少なくとも基づいて、複合回転運動およびしたがって呼吸情報の判定を実施するために使用され得る。
【0051】
図5と関連付けられたいくつかのそのような例では、複合回転変化(252)に対応する仮想ベクトルは、物理的感知要素122A(Y)、感知要素162(Z)、または感知要素164(X)の任意の単一のベクトルよりも高い呼吸に対する感度を呈し得る。いくつかのそのような例では、仮想ベクトル(252)は、複数の感知要素の信号を組み合わせることによって、単一の感知要素122A(Y)または単一の感知要素162(Z)または単一の感知要素164(X)などの任意の単一の物理ベクトルよりも高い信号対ノイズ比(例えば、信号品質)を呈し得る。
【0052】
いくつかのそのような例では、仮想ベクトル(例えば、252)は、胸壁の非生理学的動きを効果的に除外する。そのような非生理学的動きの少なくともいくつかの例は、患者が乗っている車両(例えば、車、航空機など)の動き、ハンモックで揺れている患者の動きなどを含み得る。したがって、そのような例示的な方法および/またはデバイスにおいて仮想ベクトルを介して呼吸情報を判定することは、患者の非生理学的動きに対して一般的に非感受性である呼吸情報を生成し得る。
【0053】
いくつかの例では、呼吸検出は、図56Cの3つの直交配置された感知要素322A、5062、5064の中からのベクトルのうちの2つの合計に基づき得る。いくつかの例では、呼吸検出は、図56Cの全ての3つの直交配置された感知要素322A、5062、5064からの信号の合計に基づき得る。
【0054】
いくつかの例では、呼吸検出は、3つのベクトル(例えば、322A、5062、5064)の各々を独立して見ることによって、または3つのベクトルの中から判定され得る。
【0055】
いくつかの例では、方法および/またはデバイスは、呼吸情報を判定する際にしようするための感知要素122A、162、または164のうちの1つから仮想ベクトル(例えば、252)または物理ベクトルを選択するために制御部分4000(図25A)を用い得る。いくつかのそのような例では、方法および/またはデバイスは、判定された呼吸情報の堅牢性を評価し、仮想ベクトル(例えば、図5の252)および物理ベクトル(例えば、122A/Y、162/Z、164/X)のうちのいずれか1つの中から動作を自動的に変換して、呼吸情報を判定する際に最も堅牢で正確な信号源を一貫して使用し得る。
【0056】
少なくとも図4A図4B図5の例と関連して、いくつかの例では、仮想ベクトルおよび/または物理ベクトルの信号対ノイズ比は、少なくともノイズモデルパラメータ2470(図24E)、方法5550(図37A)、および/または方法5555(図37B)と関連して以下に説明されるものなどの、ノイズを除外することを介して強化され得る。
【0057】
いくつかの例では、感知要素162(Z軸)によって回転運動(加速度センシングを介した胸壁の一部分の)の上記に説明された測定は、ピッチパラメータに例えられ得、感知要素122A(Y軸)によって回転運動を測定することは、ヨーパラメータに例えられ得、感知要素164(X軸)によって回転運動を測定することは、ロールパラメータに例えられ得る。患者間の解剖学的構造、特定の移植配向、および/または特定の移植場所(例えば、胸部の前部対側部)における変動のため、ピッチパラメータ、ヨーパラメータ、および/もしくはロールパラメータは、ピッチパラメータが患者の身体の前後配向および上下配向によって画定された第1の平面内の胸壁の一部分の回転運動に対応し得る、そのようなそれぞれのパラメータの理想的な定義に大まかな、または概略的な対応を有し得る。同様に、ヨーパラメータは、患者の身体の前後配向および内外配向によって画定された第2の平面における胸壁の一部分の回転運動に大まかにまたは概して対応し得る。同様に、ロールパラメータは、大まかに、または概して、患者の身体の内外配向および上下配向によって画定される第3の平面内の胸壁の一部分の回転運動に対応し得る。
【0058】
患者の身体位置が一次的な睡眠位置(例えば、略水平)に対応する例では、次いで、呼吸中の回転運動(B3)感知要素162(Z軸)からのAC信号成分の変化の大きさは、無視することができることになり、呼吸中の感知要素164(X軸)の回転(矢印B4)からのAC信号成分の変化の大きさは、少なくとも、呼吸中の感知要素122A(Y軸)のAC信号成分の変化の大きさと比較して比較的小さい場合がある(図1図3と関連して説明されたように)。
【0059】
しかしながら、いくつかの例では、患者の身体位置は、図7に示されるように、支持体273(例えば、通常の椅子、航空機の椅子など)に対して直立して座っているか、または図6Aに示されるように、略水平(例えば、床)に対して角度(λ)である支持体263(例えば、リクライニングチェア、リクライニングベッドなど)に対して部分的にリクライニングされた位置(例えば、胴体が水平から45度である)にあるなどの、二次的または代替的な睡眠位置に対応し得る。図6Aの部分的にリクライニングされた位置などのいくつかのそのような例では、少なくともそれぞれの感知要素162(Z軸)は、呼吸中に感知要素122A(Y軸)のAC信号成分の感知された変化の代わりに、および/またはそれに加えて、呼吸中にAC信号成分の変化の顕著な大きさをもたらし得る。この例では、感知要素122Aは、重力ベクトルGに対して45度である(および典型的には主要な睡眠位置である略水平面に対して45度である)第1の角度配向(ピーク満了に対する図2のYR1のような)を含み得る。感知要素122Aの第1の配向(例えば、YR1)は、重力ベクトルGに対して45度(図6Bのσ)の第1の配向において、図2のように重力ベクトルGに対して略垂直ではない場合があるが、加速度感知要素122Aは、依然として、呼吸情報を判定することを可能にするために、呼吸中に第1および第2の配向(例えば、YR1およびYR2)の間の感知要素122Aの傾斜角度(例えば、図2のΩ)の変化における有意な測定値を生成するようにAC信号成分において十分な感度を呈する。
【0060】
この例では、感知要素162は、重力ベクトルGに対して135度の角度(図6CのΘ)(および典型的には主要な睡眠位置である略水平面に対して45度である)で延在する第1の配向(図2のYR1のような)を含み得る。感知要素162は、重力ベクトルGに対して135度(図6Cのθ)の第1の配向において、重力ベクトルGに対して略垂直ではない場合があるが(図2の例では感知要素122Aであったように)、加速度感知要素162は、呼吸情報を判定することを可能にするために、呼吸中に、その第1の配向(ピーク呼気)と第2の配向(ピーク吸気)との間の感知要素162の傾斜角度(図2のΩのように)の変化の有意な測定値を生成するようにAC信号成分において十分な感度を呈する。
【0061】
図5に示されるものと同様の様式で、少なくとも複数の感知要素(例えば、図6A図6Cにおける162/Z軸および122A/Y軸)からの感知された回転運動は、患者が部分的に傾斜した位置にいる間に呼吸波形の感知を生成するために、センサ204の感知された回転運動の複合値をもたらすように組み合わせられ得る。
【0062】
いくつかの例では、感知要素164(X軸)はまた、図5に示されるものと同様に、回転感知情報が組み合わせられた状態で、呼吸情報の判定が行われ得る、さらなる感知を提供するために、感知要素122A、162に加えて(および図6A図6Cの感知要素122A、162について説明されたものと同様の様式で)使用され得ることがさらに理解されるであろう。これを念頭に置いて、かつ少なくとも図6A図6Cおよび図7の例をさらに参照すると、3軸加速度計(3軸が直交配置されている)を用いることは、3軸のうちの少なくとも1つが、呼吸を確実に判定するのに十分な大きさの出力信号を有することになることを確実にすることになることが理解されるであろう(例えば、様々な例で説明されるように、呼吸中の胸壁の一部分の回転運動と対応して、センサの回転運動に基づいて)。
【0063】
いくつかの例では、図6Aの傾斜の特定の角度λは、45度以外の角度であってもよく、いくつかの事例では、支持体263(例えば、調節可能なベッド、椅子)のタイプおよび様式に応じて、経時的に可変であってもよいことが理解されるであろう。いくつかのそのような例では、呼吸情報の判定は、特定の時点で特定の角度λについての重力ベクトルGに対して略垂直であることに最も近い配向(複数可)を有する特定のそれぞれの感知要素(複数可)(例えば、122A(Y軸)、162(Z軸)、164(X軸))に基づき得る。
【0064】
さらに、図6A図7のこの例示的な配置では、患者が、略水平位置(例えば、図2)などの、別の睡眠位置に移動する場合および/またはそのとき、いくつかの例では、感知要素122A(または感知要素164)は、呼吸を検出するための唯一のまたは主要な信号源になり得る。
【0065】
したがって、互いに直交関係にある複数の単軸加速度感知要素の例示的な配置は、単一の治療期間内の異なる睡眠位置間で、または複数の異なる治療期間の間で、患者が移動することに応答して適応性を可能にする呼吸の堅牢な感知を提供し得る。
【0066】
既に記載されたように、図7は、患者が垂直支持体273に対してそれらの胴体によって支持体276上に座っていた場合などの、略垂直な直立位置における患者の身体の少なくとも胸壁102Aを概略的に表す。この例示的な配置において、センサ204の加速度感知要素162(Z軸)および164(X軸)の両方は、重力ベクトルGに対して略垂直である(または略垂直であることに合理的に近い)第1の配向を有し得るが、一方、センサ204の加速度感知要素122A(Y軸)は、重力ベクトルGに対して略平行である概略的な配向を有する。したがって、図2図6Cに関して提示される実質的に同様の理由のために、感知要素162(Z軸)、164(X軸)の一方または両方は、呼吸情報判定が実施され得る最も敏感な感知要素を提供し得る。特に、治療期間内の呼吸中の患者の胸壁104Aの回転運動の際に、第1の配向(例えば、図2のYR1のような)と第2の配向(例えば、図2のYR2のような)との間のZ軸感知要素162の回転運動は、呼吸波形(呼吸位相タイミング/詳細を含む)が図3に示されるように判定され得るAC信号成分の値の範囲として感知され得る。さらに、X軸感知要素164の回転運動は、同様の情報を提供し得、呼吸情報を判定するために使用され得る。呼吸情報は、Z軸感知要素162のみから、X軸感知要素164のみから、またはZ軸感知要素162およびX軸感知要素164の両方を介して感知される情報の組み合わせから判定され得る。Y軸感知要素122Aは、概して、無視できるか、または最小限の呼吸情報を生成することが予想されるが(重力ベクトルGに対して平行であるため)、いくつかの例では、Y軸感知要素122Aから感知された情報は、感知要素162、164を介して感知される回転情報と組み合わせられ得る。
【0067】
図8は、例示的なセンサ404および/または関連する例示的な方法の異なる測定軸を概略的に表す正面図を含む図400である。いくつかの例では、センサ404は、図1図7と関連して既に説明されたように、センサ、感知要素、および関連する例示的な方法と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。図8に示されるように、センサ404は、頸部124および頭部402の下の胴体407の胸部領域406の壁内に移植される。センサ404は、複数の感知要素122A(Y軸方向)、162(Z軸方向)、164(X軸方向)を含み、これらは、3つの別個の単軸加速度計などのように独立し得るか、またはこれらの感知要素は、3軸加速度計などの、単一の配置に組み合わせられ得る。図9は、感知要素122A、162の配向を強調する、図8のセンサ404を概略的に表す側面図を含む図550である。
【0068】
図10Aは、加速度計ベースのセンサ404を備える移植可能なデバイス602を概略的に表す等角図を含む図600であり、センサ404は、図1図9と関連して既に説明されたように、センサ、感知要素、および関連する例示的な方法と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。図1図9に説明されたセンサ(および感知要素)が、デバイス602上にあるか、またはその中にあるように実装され得ることが理解されるであろう。いくつかの例では、センサ404は、デバイス602の密封されたハウジング(例えば、缶)内に封入される。しかしながら、少なくとも図20と関連してさらに以下に説明されるように、センサ404は、ハウジング上に位置するか、またはリード上のハウジング605から延在するかにかかわらず、デバイス602のハウジング605の外部にあり得る。
【0069】
さらに図10Aを参照すると、いくつかの例では、デバイス602は、限定されるものではないが、呼吸情報などの、生理学的現象を感知するためにセンサ404を動作させるための回路および電力要素を含む、移植可能なデバイスを含み得る。いくつかの例では、回路および電源は、少なくとも図24A図24Fと関連して以下にさらに説明されるように、制御部分4000および/または関連部分、要素、機能、パラメータ、エンジンの中に、またはその一部として実装され得る。他の属性の中でも、制御部分を介して、デバイス602は、生理学的現象、患者状態(例えば、呼吸の健康、心臓の健康など)をモニタリングおよび/または診断するために使用され得、1つのそのような患者状態は、睡眠呼吸障害(SDB)を含む。いくつかの例では、デバイス602は、睡眠呼吸障害および/または他の患者の健康状態を治療するために、呼吸検出と関連して神経刺激を実装し得る、移植可能なパルス発生器(IPG)を含み得る。いくつかのそのような例では、デバイス602はまた、胸壁の一部分の感知された回転運動の代わりに、またはそれに加えて、感知された並進運動が取得されるか否かにかかわらず、様々な生理学的現象、患者状態などを感知、モニタリング、診断することなどを行うために、胸壁および/または関連身体組織の並進運動を感知し得る。
【0070】
いくつかの例では、センサ404は、デバイス602(例えばIPG)の外面(例えばケース)605上に装着または別様に形成され得るか、またはセンサ404は、デバイス602(例えば、IPG)の内部内、すなわち、ケース内に封入され得る。
【0071】
図1図10Aの例を念頭に置いて、いくつかの例では、呼吸情報を判定するために使用されることになるセンサ信号は、限定されるものではないが、3軸加速度計の個々の軸などの複数の感知要素の中から選択され得ることが理解されるであろう。したがって、少なくとも図10B~10Lと関連して説明される少なくともいくつかの例示的な方法および/またはデバイスは、そのような選択をさらに説明する。
【0072】
したがって、図10Bの800に示されるように、呼吸情報を判定するためのいくつかの例示的な方法および/またはデバイスは、直交配置されたn個の単軸加速度感知要素の数として加速度センサを配置することを含み得る。図10Cの805に示されるように、いくつかの例では、方法は、感知を介して、n個の単軸加速度感知要素のうちのどれが、呼吸中に、重力ベクトルに略垂直であることに最も近い基準角度配向を呈するかを識別することを含む。いくつかのそのような例では、図10Dの810に示されるように、方法は、各n軸加速度感知要素の基準角度配向を、重力ベクトルに対する各それぞれのn軸加速度感知要素の測定軸の傾斜角度として判定することを含む。
【0073】
図10A図10Dと関連付けられたいくつかの例では、図10Eの820に示されるように、方法は、それぞれの加速度感知要素のDC信号成分を除外しながら(または少なくとも最小限にしながら)、それぞれの加速度感知要素のAC信号成分を感知することを介して感知を実装することを含む。
【0074】
図10Cの少なくとも805における例示的な方法を参照すると、例示的な方法は、図10Fの830に示されるように、識別された感知要素を使用して、感知された回転運動を介して、呼吸情報の判定を実施することを含み得る。いくつかのそのような例では、方法は、感知された回転運動を介して判定を実施することが、加速度感知要素のうちの少なくとも2つを使用することを含む。
【0075】
図10B図10Fに既に説明されるようにいくつかのそのような例では、1つの例示的な方法は、図10Gの835に示されるように、識別された感知要素の角度配向の範囲内で識別された感知要素のAC信号成分を感知することを含み、配向の範囲の第1の端が、ピーク満了に対応し、配向の範囲の反対側の第2の端が、ピーク吸気に対応する。いくつかの例では、配向の前記範囲の第1の端が、基準角度配向に対応する。
【0076】
図10Hの840に示されるように、呼吸情報を判定するいくつかの例では、方法は、(1)n個の単軸加速度感知要素のうちのどれが、重力ベクトルに対して約45度~約135度の範囲内で、呼吸中に、基準角度配向を呈するかを識別することと、(2)各それぞれの識別された加速度感知要素に対して、重力ベクトルに対する角度配向の範囲を感知することであって、配向の範囲の第1の端が、ピーク満了に対応し、配向の範囲の反対側の第2の端が、ピーク吸気に対応する、感知することと、(3)識別された加速度感知要素のうちのどれが、最大範囲の角度配向を呈するかを判定することと、を含む。いくつかの例では、方法840は、図10Iの845に示されるように、最大範囲の角度配向を呈すると判定された識別された加速度感知要素を使用して、感知された回転運動を介して、呼吸情報の判定を実施することをさらに含む。
【0077】
840におけるなどのいくつかのそのような例では、方法は、感知された回転運動を介して判定を実施することが、識別された加速度感知要素のうちの全てを使用することを含み得る。少なくとも方法800(図10B)および図10C図10Iの関連付けられた態様のいくつかの例では、変数nは、3に等しい。
【0078】
図10Bの800に示される例示的な方法をさらに参照すると、いくつかの例では、図10Jの860に示されるように、いくつかの例示的な方法は、呼吸中に、n個の単軸加速度感知要素のうちのどれがAC信号成分に対する値の最大範囲を呈するかを識別することを含む。いくつかのそのような例では、図10Kの870に示されるように、方法は、AC信号成分の値の最大範囲を呈すると判定された識別された加速度感知要素を使用して、感知された回転運動を介して、呼吸情報の判定を実施することを含む。
【0079】
少なくとも図10Jおよび/または図10Kにおける例示的な方法に関して、例示的な方法は、図10Dの810に既に示されたものと同様の様式で、重力ベクトルに対する各それぞれのn軸加速度感知要素の測定軸の傾斜角度として、各n軸加速度感知要素に対する感知信号を判定することを含み得る。
【0080】
少なくとも図10Jおよび/または図10Kの例示的な方法に関して、1つの例示的な方法(図10Lの880に示される)は、呼吸中に識別された感知要素のAC信号成分を感知することを介して呼吸情報を判定することをさらに含み得、感知されたAC信号成分の値の範囲の第1の端は、ピーク満了に対応し、感知されたAC信号成分の値の範囲の反対側の第2の端は、ピーク吸気に対応する。
【0081】
図11は、例示的なデバイス602が移植される、および/または例示的な方法が実施される、患者の胸部の側面図を概略的に表す図1000である。図11に示されるように、デバイス602は、胸部1001の患者の胸壁1005の一部分1002aに対して連結されるように慢性的に皮下に移植されている。示される特定の例では、胸壁部分1002Aは、胸郭/胸部1001の前方部分に対応する。一方、胸郭の上にあり、デバイス602が挿入され得る非骨構造(例えば、筋膜、筋肉など)は、例示的な単純さおよび明確さのために、図11から省略されている。
【0082】
いくつかの例では、デバイス602は、図10のデバイス602と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを備え得、センサ404は、図1図10Aと関連して説明される感知要素と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを備え得る。
【0083】
図11に示されるように、呼吸中、胸壁部分1002A(実線で示される)は、吸気時に胸郭が拡張するにつれて破線1002Bに示される位置に上昇し、次いで、胸壁部分1002Aは、呼気の間に胸郭が収縮するにつれて実線で示される位置に下がり、サイクルは、各呼吸でそれ自体を繰り返す。図11にさらに示されるように、胸郭が収縮された状態(例えば、ピーク満了)にあるとき、センサ404は、図2図3に示されるものと同様の様式で第1の配向(実線インジケータYR1によって表されるように)にある。胸郭が拡張状態(例えば、ピーク吸気)にあるとき、センサ404Bは、図2図3に示されるものと同様の様式で、第2の配向(破線インジケータYR2によって表されるように)にある。一態様では、胸壁のいくつかの下位に位置する部分(例えば、1002Bに示される位置まで拡張する1002A)は、顕著な運動を呈するが、一方、他のより上位に位置する胸壁部分1008は、胸壁がセンサ404によって感知され、かつ患者の呼吸挙動を表す回転運動を呈するように、比較的静止したままであり得る。したがって、呼吸中の胸壁部分1002Aのそのような回転運動中に傾斜角度(Ω)を測定するためにセンサ404を用いることによって、好適な呼吸情報信号が取得され得る。
【0084】
デバイス602(およびセンサ404)は、厳密には、図11に図示される胸壁の場所に移植される(上下配向に沿って)ことに限定されないが、十分な範囲の胸壁の回転運動(吸気と呼気との間)がセンサ404を介して検出可能であることを条件として、胸壁の上方端1008により近づき得ることが理解されるであろう。同様に、いくつかの例では、デバイス602(およびセンサ404)は、胸壁の下方端1006により近づき得る。
【0085】
さらに、実線で示されるデバイス602は、図11内で略水平配向に図示されるが、この表現は、デバイス602の移植をそのような配向に限定しないことが理解されるであろう。加えて、既に記載されたように、呼吸情報を検出するためのデバイス602(センサ404を含む)の有効性は、正確に水平方向を有することに限定されず、むしろ、既に説明されたように、センサ404の傾斜角度(図2のΩ)の角度配向(例えば、YR1~YR2、およびその逆)の変化によって果たされ得る。
【0086】
図12は、少なくとも図1図11と一致する様式で展開されるデバイス602(センサ404を含む)を概略的に表す図である。とりわけ、図12は、少なくともいくつかの例では、デバイス602、およびしたがってセンサ404)が、患者の胸部(および身体)の上下配向(S-I)に対して略平行ではない配向YR1を有するように移植され得ることを示す。むしろ、少なくともいくつかの例では、図12に示される配向YR1は、デバイス602(およびセンサ404)が移植される胸壁の部分の本来の角度から結果的に生じ得る。それにもかかわらず、患者が略水平である(例えば、仰臥位、伏臥位、横向きになる)少なくとも主要な睡眠位置に関して、例示的な方法および/またはデバイスは、呼吸情報を取得する主要な機構が、第1の角度配向YR1(例えば、ピーク呼気)と第2の角度配向YR2(例えば、ピーク吸気)との間の回転運動の範囲を通じて、測定された傾斜角度(Ω)と関連付けられたAC信号成分の値の変化を観察することに基づいているため、呼吸情報を検出するのに有効なままである。したがって、信号を測定する時点の第1の角度配向YR1が、センサ404(例えば、図2の感知要素122A)の傾斜角度(例えば、図2のΩ)の変化に実質的に敏感であるAC信号成分を取得するのに十分な重力ベクトルG(少なくとも図1図11と関連して広く説明されているように)に対して適切な角度で延在することを条件として、呼吸情報の好適な判定が行われ得る。
【0087】
図13は、例示的な移植可能なデバイス1802および/または例示的な方法を概略的に表す側面図を含む図1800である。いくつかの例では、例示的なデバイス1802(および/または例示的な方法)は、第1の感知要素1822A(少なくとも図2の122Aのような)に加えて、デバイス1802内に第2の感知要素1822Bをさらに備えることを除いて、図1図12と関連して既に説明されたように、センサ(例えば、404)、感知要素(例えば、122A)、デバイス(例えば、602)および関連する例示的な方法と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。2つの感知要素1822Aおよび1822Bは、デバイス602内で距離D4だけ離間される。いくつかの例では、複数の感知要素1822A、1822Bは、冗長性のためにおよび/またはより堅牢な感知を提供するために複数の呼吸情報源を提供する。
【0088】
いくつかのそのような例では、各センサ1822A、1822Bは、わずかに異なる回転運動を経験し得、この異なる信号は、呼吸情報をより良好に判定するために、呼吸中に起こるなどの角度運動に対する感度を高める一方で、非呼吸筋運動に起因して起こるなどの並進運動に対する感度を低下させるために使用され得る。例えば、いくつかの例では、2つの別個の加速度計(例えば、1822A、1822B)が同じ軸に沿って整列されるため(少なくともいくつかの例では)、2つの出力信号は、デバイスの真正のジャイロスコープ信号または回転信号(重力ベクトルの相対射影とは対照的に)の推定のために互いに減算され得る。いくつかの例では、2つの低ゲイン信号(各加速度計からの1つ)は、より大きい信号の大きさのために一緒に加算され得る、センサノイズの低減のために平均化され得る、および/または共通モード排除のために減算され得る。
【0089】
図14は、例示的な移植可能なデバイス1852Aおよび/または例示的な方法を概略的に表す側面図を含む図1850である。いくつかの例では、例示的なデバイス1852A(および/または例示的な方法)は、距離D5だけ離間される2つの離間された直交配置された多軸加速度計センサ1862A、1862Bをさらに備えることを除いて、図1図12と関連して既に説明されたように、センサ(例えば、404)、感知要素(例えば、122A)、デバイス(例えば、602)および関連する例示的な方法と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。いくつかの例では、各センサ1862A、1862Bは、3軸加速度センサを備え、各加速度センサは、デバイス1852A内で同じ配向を有し、例えば、加速度センサ1862AのY軸感知要素は、加速度センサ1862BのY軸感知要素に対して略平行である。いくつかの例では、それぞれの加速度センサ1862A、1862Bは、同じ平面(P1)内にあり、すなわち、加速度センサ1862AのY軸感知要素は、加速度センサ1862BのY軸感知要素と同じ平面(P1)内に延在する。いくつかの例では、2つの離間された3軸加速度センサを提供するこの配置は、より少ない電力を消費しながら、ジャイロスコープの機能に関する少なくともいくつかの情報を提供し得る。さらに、2つの別個の独立した3軸加速度計を有することによって、配置は、より堅牢な信号キャプチャを提供し得る。
【0090】
しかしながら、図14にさらに示されるように、いくつかの例では、それぞれの加速度センサ1862A、1862Bは、デバイス1852A内の異なる平面(P1およびP2)内に延在し、すなわち、加速度センサ1862Aの少なくとも1つの軸感知要素(例えば、Y)は、加速度センサ1862Bの対応する軸感知要素(例えば、Y)が延在する第2の平面(P2)とは異なる第1の平面(P1)内に延在する。いくつかの例では、この配置は、信号の忠実性を強化し得る。いくつかの例では、1つの加速度センサ1862Aの別の軸感知要素(例えば、X)はまた、第2の加速度センサ1862Bの対応する軸感知要素(例えば、X)とは異なる平面内に延在し得ることが理解されるであろう。
【0091】
図15Aは、例示的な移植可能なデバイス1872および/または例示的な方法を概略的に表す側面図を含む図1870である。いくつかの例では、例示的なデバイス1872(および/または例示的な方法)は、距離D5だけ離間され、かつデバイス1872内で異なる配向を有する、2つの離間された直交配置された多軸加速度計1864A、1874をさらに備えることを除いて、図1図14と関連して既に説明されたように、センサ(例えば、404)、感知要素(例えば、122A)、デバイス(例えば、602)および関連する例示的な方法と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。いくつかの例では、各センサ1864、1874は、3軸加速度計を備え、加速度センサ1874の1つの軸感知要素(例えば、Y)が、加速度センサ1864Aの対応するY軸感知要素に対して略平行ではなく、むしろセンサ1874のY軸感知要素が、センサ1864AのY軸感知要素に対してある角度(β)で延在するなどの、各加速度センサは、デバイス1872内で異なる配向を有する。いくつかの例では、この角度は、約45度を含み得る。
【0092】
いくつかの例では、この角度(β)(これによって、第2の加速度センサ1874の配向が第1の加速度センサ1864Aに対してオフセットされる)は、約-70度~約70度の範囲内、および/または傾斜角度(例えば、図2図11のΩ)の変化に対する感知要素(複数可)(例えば、Y軸感知要素など)のAC信号成分の感度が、呼吸中に患者の呼吸情報(呼吸形態を含む)を確実にキャプチャするのに十分に正確なままである、および/または確実にキャプチャする大きさの範囲内に収まり得る。
【0093】
いくつかの例では、この例示的な配置は、少なくとも、特定の移植角度(例えば、胸部の上下配向に対するデバイスおよびセンサの角度)および/または感知の時点の特定の患者の身体位置に関係なく、第1の加速度計1864Aの3つの感知軸のうちの少なくとも1つ、および第2の加速度計1874の3つの感知軸のうちの少なくとも1つが、第1の角度方向(例えば、図2のYR1)と第2の角度方向(例えば、図2のYR2)との間の少なくとも1つの感知軸の傾斜角度(図2のΩ)の変化を確実に、かつ正確に測定することを可能にするために、加速度信号のAC信号成分の十分に高い感度を有する配向で延在することになるため、より堅牢な呼吸情報の感知を提供する。
【0094】
図15Bに示されるように、第2の3軸加速度計1874は、2つの軸(例えば、Y、ZもしくはY、X)または3つの軸(例えば、Y、X、およびZ)に対してオフセットされるなどの、1つよりも多い軸(例えば、Y)に対して、デバイス1852内の第1の3軸加速度計1864Aの固設された位置に対してオフセット角度(β)でデバイス602内に固設され得ることがさらに理解されるであろう。
【0095】
例えば、図15Bは、センサ1874のそれぞれの軸(Z2、Y2、X2)(実線で示される)をセンサ1864Aのそれぞれの軸(Z1、Y1、X1)(破線で示される)に対して並べて、センサ1874のそれぞれの軸(Z2、Y2、X2)の各々が、センサ1864Aのそれぞれの軸(Z1、Y1、X1)からオフセットされ得る角度(φ1、φ2、φ3)を概略的に表す図1879である。いくつかの例では、角度φ1、φ2、φ3は、全て、同じ値(例えば、45度、50度、60度など)を有するが、一方、いくつかの例では、角度(例えば、φ1)のいくつかは、別の角度(例えば、φ2)の値(例えば、60度)とは異なる値(例えば、40度)を有し得る。
【0096】
図16は、例示的な移植可能なデバイス1801および/または例示的な方法を概略的に表す側面図を含む図1880である。いくつかの例では、例示的なデバイス1878(および/または例示的な方法)は、距離D5だけ離間され(図14図15Aのように)、かつデバイス1878内で異なる配向を有する、2つの離間された直交配置された多軸加速度計1882、1884をさらに備えることを除いて、図1図15Bと関連して既に説明されたように、センサ(例えば、404)、感知要素(例えば、122A)、デバイス(例えば、602)および関連する例示的な方法と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。いくつかの例では、各感知要素1882、1884は、単軸加速度計を備え、各加速度計は、デバイス1882内で異なる配向を有し、例えば、加速度感知要素1882(例えば、Y)は、加速度感知要素1884(例えば、Y)に対して略平行ではないが、感知要素1884は、センサ1882の感知要素に対してある角度(β)で延在している。2つの3軸加速度センサ(図15)の代わりに2つの単軸加速度センサを備えること以外に、デバイス1882は、図15A図15Bのデバイス1872と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。
【0097】
図16のデバイス1878の例と同様の様式で、いくつかの例では、図17に示される移植可能なデバイス1886は、オフセット角度(π)が患者の胸部の内外配向(L-M)に延在するx軸に対して実装される、2つの単軸加速度感知要素(1887、1888)を提供するために、同じタイプの例示的な配置を備え得る。
【0098】
図18Aは、患者の身体1892内に移植される2つの別個の加速度センサ1895A、1895Bを含む例示的な方法1891(および/またはデバイス)を概略的に表す上面図を含む図である。いくつかの例では、第1および第2の加速度センサ1895Aおよび1895Bの両方は、少なくとも図1図17などと関連して説明される加速度センサと実質的に同じ特徴のうちの少なくともいくつかを含む。いくつかの例では、それぞれのセンサ1895A、1895Bは、第1の加速度センサ1895Aが患者の呼吸(R)を容易に感知する患者の身体6302の領域1869内に第1の加速度センサ1895Aが位置決めされるが、一方、第2の加速度センサ1895Bが、患者の呼吸挙動(R)を容易に感知しない領域1897内で患者の身体1892内に移植されるように、距離D10だけ離間される。ただし、距離D10は、それぞれの第1および第2の加速度センサ1895Aおよび1895Bの両方が実質的に同じである実質的に同じノイズ(N)を経験する様式で、それらの両方が患者の身体1892内に位置決めされる距離に対応する。
【0099】
この配置を考慮すると、第2の加速度センサ6364Bを介して感知された第2の信号(呼吸情報なしでノイズを感知する)は、患者の身体の両方の領域6310、6313に共通するノイズNなしで、感知された呼吸情報を表す有効な信号を生成するために、第1の加速度センサ6364B(呼吸およびノイズの両方を感知する)を介して感知された第1の信号から減算され得る。
【0100】
いくつかのそのような例では、図18Aと関連して説明される感知配置は、図24Eのノイズモデルパラメータ2470、図24Fのノイズモデル2596、図37Aの例示的な方法5520、および/または図37Bの例示的な方法555に従って、ノイズを減算または他の中和する1つの例示的な実装を含み得る。このようにして、呼吸情報のより正確な、かつ効果的な検出が得られ得る。
【0101】
図18Bは、例示的な移植可能なデバイス1902を概略的に表す上面図を含む図1900である。いくつかの例では、デバイス1902は、移植デバイス1902のハウジング1905の外部における加速度計ベースのセンサ404の配置を含むことを除いて、図1図18Aと関連して既に説明されたものと実質的に同じ感知要素(例えば、122A)、デバイス(例えば、602)、および関連する例示的な方法のうちの少なくともいくつかを含み得る。いくつかのそのような例では、センサ404は、センサ(例えば、404と実質的に同じ特徴および属性に関して、フィードスルー部分1903を介して、移植可能なデバイス1902に連結される(例えば、電気的または機械的に)リード1910の一部分を含み得る。いくつかの例では、リード1910(センサ404を含む)は、ハウジング1905の縁1909から距離D2だけ延在し得、D2は、ハウジング1905のほぼ最大寸法(例えば、D1)以下である。この例示的な構成を介して、センサ404(例えば、加速度計および/またはその他)は、デバイス1902のハウジング1905から外部に位置し得、それでも依然として、リード1910(センサ404を含む)およびデバイス1902の両方が、胸部領域内のポケット(限定されるものではないが)などの、(例えば、同じ)皮下ポケット内に移植され得るように、ハウジング1905に十分に近接し得る。
【0102】
しかしながら、いくつかの例では、リード1910は、距離D2よりも長く、デバイス1902が移植される皮下ポケットを越えてリード1910(およびセンサ404)が延在するように、トンネリングを介して皮下に配置されてもよい。
【0103】
図19図22と関連して説明されるように、いくつかの例では、移植可能なデバイス1502は、患者の胸郭の側部部分に移植され、呼吸情報を検出するための例示的な方法で使用され得る。いくつかの例では、例示的なデバイス1502および/または例示的な方法は、少なくともデバイス1502が図19に示されるように患者の胸郭1509の側部部分1503上に移植されることを除いて、図1図18Bと関連して既に説明されたように、センサ(例えば、404)、感知要素(例えば、122A)、デバイス(例えば、602)および関連する例示的な方法と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。とりわけ、患者の胸郭1509の側部部分1503上におけるデバイス1502の配置は、呼吸中の胸郭のバケットハンドルタイプの回転運動を感知することを強化し得(図20図22の方向矢印BHを介して表されているように)、これは、胸郭の内外配向(L-M)に主要な配向を有する加速度感知要素611を介して測定可能な傾斜角度の有意な変化を結果的にもたらし得る。いくつかの例では、そのような例示的な配置は、x軸配向加速度感知要素が胸郭の内外配向(L-M)に対して略平行に整列された測定軸を有し、かつ患者の身体が完全に垂直な直立位置(図7)または部分的に垂直な直立位置(図6A)にある、図6A図6Cおよび図7などの例示的な方法において特に有用であり得る。
【0104】
図20は、患者の胸郭1509の側部部分1503(例えば、側方部分)上に装着された例示的なデバイス1502(図19図20)を概略的に表す側面図を含む図である。図21に示されるように、呼吸中の例示的な肋骨1661A、1663A(実線で示される)は、方向矢印BHを介して表されるように、第1の位置(例えば、ピーク呼気)から、ピーク吸気に対応する第2の位置1661B、1663B(破線で示される)に回転して移動する。図20にさらに示されるように、例示的な肋骨1661A、1663Aは、胸郭1509の前部の胸骨1652(例えば、胸部)と、胸郭1509の後部または背部の脊椎1654との間に湾曲した様式で延在する。既に記載されたように、いくつかの睡眠位置では、特定の移植場所は、呼吸形態を含む呼吸情報の感知を強化するために、加速度感知要素の少なくともいくつか(例えば、内外(L-M)配向に沿って)を位置決めし得る。
【0105】
患者の呼吸サイクルが呼気に追従される吸気のサイクルを繰り返すため、肋骨がピーク吸気におけるそれらの位置(破線1661B、1663B)から、ピーク呼気に対応する実線1661A、1663Aに示される位置まで戻ることになることが理解されるであろう。
【0106】
図21は、呼吸中の胸郭1509の側部部分1503に沿って移植された図19図20の例示的なデバイス1502を概略的に表し、かつ呼吸中の胸郭1509の側部部分1503に沿ったバケットハンドルタイプの動き(矢印BH)による、回転運動の配向を例示する、正面図を含む図1680である。いくつかの例では、上述のように、かつ図21に示されるように、デバイス1502のセンサ404の少なくともX軸加速度感知要素611は、胸郭1509の側部部分1503の回転運動のそのようなバケットハンドルタイプ(BH)に対して略垂直に延在し得る。
【0107】
図21にさらに示されるように、患者が部分的な直立位置(図6)で睡眠しているか、または完全な直立位置(図7)で睡眠し得る状況では、x軸加速度感知要素164(図19図21の側部装着デバイス1502の)は、呼吸中の感知要素の傾斜角度を測定する際にAC信号成分に対して最高の感度を呈する感知要素(3軸加速度計の、または複数の加速度計の)であり得る。いくつかのそのような例示的な配置では、図22図1690に示されるように、x軸加速度感知要素611は、呼吸中の動きの範囲を通る傾斜角度(ε)を感知するために、ピーク呼気に対応する第1の配向XR1(実線で164Aとして示される)と、ピーク吸気に対応する第2の配向XR2(破線で164Bとして示される)との間で移動し得、感知された信号は、患者の呼吸形態に比例し、かつそれを表す。
【0108】
図19図22をさらに参照すると、いくつかの例では、例示的なデバイスの移植場所(例えば、図11の602、図19図21の1502)は、胸郭の正面「角」などの、胸部の前部/上部および胸部の側部上に位置する混成場所を含み得る。いくつかのそのような例示的な配置では、この「角」移植場所は、図19図22のようにバケットハンドルタイプの回転運動(胸郭の側部)と、図1図18Bのように胸部の正面の上昇下降タイプの回転運動との両方のうちのいくつかをキャプチャし得る。
【0109】
いくつかの例示的な実施態様では、そのような回転運動感知(呼吸情報を判定するための)は、胸部の前部または上部部分(例えば、図11)および胸部の側方部分(例えば、図19図22)の両方で感知要素(複数可)を介して実施され得ることが理解されるであろう。いくつかのそのような例では、両方の感知場所からの回転感知情報は、より堅牢および/または正確な呼吸判定を提供するために組み合わせられ得る。しかしながら、いくつかの例示的な方法および/またはデバイスは、どの感知場所が所与の時点で最も堅牢なおよび/または有用な呼吸情報を生成するかに基づいて感知場所のうちの単に1つからの感知された回転運動(呼吸によって引き起こされる)を使用し得、任意の特定の時点で使用されている(呼吸情報を判定するために)特定の感知場所(例えば、上部/前部部分または側方部分)は、変動し得る。
【0110】
図23Aは、患者の身体2100内に移植された例示的なデバイス2111(および/または例示的な方法)の正面図を含む図である。いくつかの例では、デバイス2111は、センサ2135を含むデバイス2133を有する移植可能なパルス発生器(IPG)などの(限定されるものではないが)、移植可能なデバイス2133を含み得る。いくつかの例では、センサ2135は、少なくとも図1図22と関連して既に説明されたものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを有するセンサ(例えば、104A、122A、162、164、204、404など)を含み得る。そのような例示的な感知配置を介して、デバイス2133は、限定されるものではないが、治療期間中に睡眠身体位置にあるときなどの、呼吸中の患者の胸壁の回転運動を感知することを介して呼吸情報を判定し得る。
【0111】
図23Aにさらに示されるように、デバイス2111は、慢性皮下移植(例えば、トンネリングを介して)のためのリード本体2118を含み、かつ神経(例えば、舌下神経2105および/または横隔神経2106)に隣接する位置まで延在する、リード2117を備える。リード2117は、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、マルチタイプの睡眠時無呼吸のような睡眠呼吸障害などの、生理学的状態を治療するために神経を刺激するために神経(例えば、2105、2106)と係合するための刺激電極を備え得る。デバイス2133は、センサ2135および刺激電極2112の両方の制御および動作を支援するための回路、電力要素などを備え得る。いくつかの例では、そのような制御、動作などは、少なくとも部分的に、少なくとも図24A図27と関連して以下に説明されるものなどの制御部分(および関連機能、部分、要素、エンジン、パラメータなど)を介して、実装され得る。
【0112】
本開示の様々な例に関して、いくつかの例では、刺激電極2112を介して上気道開存性神経2105(例えば、舌下神経)に刺激を送達することは、閉塞性睡眠時無呼吸を予防および/または治療するために上気道(2108)の開口を引き起こすか、または維持し得る上気道開存性関連筋肉の収縮を引き起こすものである。同様に、そのような電気刺激は、刺激電極2112を介して横隔神経2106に適用されて、少なくとも中枢睡眠時無呼吸症を予防または治療することの一部として横隔膜の収縮を引き起こし得る。いくつかの例示的な方法は、限定されるものではないが、両方のタイプの睡眠時無呼吸が少なくとも幾らかの時間において存在し得るマルチタイプの睡眠時無呼吸の事例などの、閉塞性睡眠時無呼吸および中枢性睡眠時無呼吸の両方を治療することを含み得ることがさらに理解されるであろう。いくつかのそのような事例では、別個の刺激リード2117が提供されてもよく、または単一の刺激リード2117が提供されるが、分岐された遠位部分を有し、各別個の遠位部分が、舌下神経2105および横隔神経2106のうちのそれぞれ1つに延在してもよい。
【0113】
いくつかのそのような例では、電気刺激によって引き起こされる舌下神経の収縮および/または横隔神経の収縮は、そのような筋肉の閾値下刺激(例えば、わずかなトーン)とは対照的である閾値上刺激を含む。一態様では、閾値上強度レベルは、神経興奮閾値よりも大きい刺激エネルギーに対応し、それにより、閾値上刺激は、より高度の(例えば、最大、その他の)上気道クリアランス(すなわち、開存性)および睡眠時無呼吸療法の有効性を提供し得る。
【0114】
いくつかの例では、刺激エネルギーの標的強度レベルは、患者の不快感閾値(そのような刺激に応答するなどの)を意図的に確立することに関係なく、選択、判定、実装されることなどが行われる。別の言い方をすると、少なくともいくつかの例では、刺激の標的強度レベルは、不快感閾値に従って(またはそれに対して)標的強度レベルを調整または増加させようとすることなく、睡眠呼吸障害(SDB)を低減する所望の有効な治療効果を提供するために実装され得る。
【0115】
いくつかの例では、治療期間(刺激が少なくとも一部の時間に適用され得る期間)は、患者が治療デバイスをオンにすることから始まり、患者がデバイスをオフにすることで終了する期間を含み得る。いくつかの例では、治療期間は、選択可能な所定の開始時間(例えば、午後10時)および選択可能な所定の停止時間(例えば、午前6時)を含み得る。いくつかの例では、治療期間は、睡眠の自動検出された開始から、自動検出された覚醒から睡眠までの時間との間の期間を含み得る。これを念頭に置いて、治療期間は、上気道開存性関連神経および/または中枢性睡眠時無呼吸関連神経の刺激が患者によって一般的に知覚されないように、かつ刺激が、睡眠呼吸障害挙動(例えば、中枢性または閉塞性睡眠時無呼吸)が起こると予想されることになる患者挙動(例えば、睡眠)と一致するように、患者が睡眠している期間に対応する。
【0116】
いくつかの例では、治療期間の開始または終了は、感知された睡眠状態情報に基づいて自動的に実装され得、結果的に、睡眠段階情報を含み得る。
【0117】
患者が眠りに落ちる前に刺激を有効化することを回避するために、いくつかの例では、刺激は、患者によって開始されたタイマーの満了後に有効化されるか(遠隔制御による療法を可能にするように)、または睡眠段階検出を介して自動的に有効化され得る。患者が覚醒した後に刺激を継続することを回避するために、刺激は、遠隔制御を使用して患者によって、または睡眠段階検出を介して自動的に無効化され得る。したがって、少なくともいくつかの例では、これらの期間は、治療期間の外側にあるとみなされ得るか、または治療期間のそれぞれの起動部分および徐々に終了する部分とみなされ得る。
【0118】
いくつかの例では、上気道開存性関連神経の刺激は、開ループ刺激を介して実施され得る。いくつかの例では、開ループ刺激は、刺激に対するいかなる種類の感知フィードバックも使用せずに、刺激を実施することを指し得る。
【0119】
いくつかの例では、開ループ刺激は、刺激のタイミング(例えば、同期化)が呼吸情報(例えば、呼吸サイクル)に関連して別様に判定されることになる感知フィードバックを使用せずに実施される刺激を指し得る。しかしながら、いくつかのそのような例では、いくつかの感知フィードバックは、一般に、患者が睡眠時無呼吸挙動の重症度に基づいて刺激を受けるべきか否かを判定するために利用され得る。
【0120】
逆に、いくつかの例では、かつ少なくとも数例に関連して既に説明されたように、上気道開存性関連神経の刺激は、閉ループ刺激を介して実施され得る。いくつかの例では、閉ループ刺激は、刺激のパラメータおよび/または刺激の効果に関する感知フィードバックに少なくとも部分的に基づいて刺激を実施することを指し得る。
【0121】
いくつかの例では、閉ループ刺激は、限定されるものではないが、吸気位相、呼気アクティブ位相などを含む、呼吸サイクルの様々な特徴のオンセット、オフセット、持続時間、大きさ、形態などを含み得る、限定されるものではないが、呼吸サイクル情報などの、呼吸情報に対して刺激のタイミング(例えば、同期化)が判定される、感知フィードバックの使用を介して実施される刺激を指し得るいくつかの例では、呼吸情報は、呼吸量および/または呼吸数を追跡することを排除する(すなわち、追跡しない)。いくつかの例では、そのような同期化に基づく刺激は、治療期間全体を通して、または実質的に治療期間全体を通して、送達され得る。いくつかの例では、そのような刺激は、治療期間の一部分の間のみ送達され得る。
【0122】
「同期化」のいくつかの例では、吸気位相に対する刺激の同期化は、吸気前期間および/または吸気後期間に及び得る。例えば、いくつかのそのような例では、同期の開始は、吸気位相のオンセットの直前である各呼吸サイクルの点で起こり得る。いくつかの例では、この点は、吸気位相のオンセットの前の約200ミリ秒、または300ミリ秒であり得る。
【0123】
刺激が吸気位相の少なくとも一部分と同期化しているいくつかの例では、上気道筋肉は、中枢神経系によって制御される呼吸駆動が吸気(吸入)を開始するときに、それらが開放されていることを確保するために、刺激を介して収縮される。いくつかのそのような例では、吸気位相中に起こる刺激と組み合わせて、上記の吸気前刺激の例示的な実施態様は、呼吸器系内の吸気の負圧が患者の身体の横隔膜を介して適用される前に、上気道が開放されることを確保するのを助ける。一態様では、この例示的な配置は、上気道の収縮または崩壊の機会を最小限に抑え得、これは、吸気の全力が起こる前に上気道の流れが制限され過ぎた場合に別途起こり得る。
【0124】
いくつかのそのような例では、上気道開存性関連神経の刺激は、呼気周期の少なくとも一部分と共に起こるように同期化され得る。
【0125】
少なくとも図1図22と関連して既に説明された睡眠時無呼吸を治療する方法に少なくとも関して、少なくともいくつかのそのような方法は、呼吸サイクルの一部分に対してそのような刺激を同期化させることなく、上気道開存性関連の第1の神経への刺激の送達を実施することを含み得る。いくつかの事例では、そのような方法は、既に説明された開ループ刺激と呼ばれる場合がある。
【0126】
いくつかの例では、「同期化することなく」という用語は、呼吸サイクルのタイミングとは無関係に刺激を実施することを指し得る。いくつかの例では、「同期化することなく」という用語は、呼吸情報を認識しながらも、必ずしも呼吸サイクルの特定の部分に対する刺激の開始をトリガすることなく、または刺激を呼吸サイクルの特定の部分(例えば、吸気位相)と一致させることなく、刺激を実施することを指し得る。
【0127】
いくつかの例では、この文脈では、「同期化することなく」という用語は、睡眠呼吸障害挙動(例えば、閉塞性睡眠時無呼吸事象)の検出時に刺激を実施するが、必ずしも呼吸サイクルの特定の部分に対する刺激の開始をトリガしない、または刺激を吸気位相と一致させないことを指し得る。少なくともいくつかのそのような例は、Wagnerらの、2018年5月3日にUS2018/0117316として公開されたSTIMULATION FOR TREATING SLEEP DISORDERED BREATHINGに説明され得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0128】
いくつかの例では、開ループ刺激は、呼吸情報(例えば、吸気位相、呼気位相など)のタイミングに関係なく連続的に実施され得るが、そのような例示的な方法および/またはシステムは、診断データのために、および/または連続的な刺激が調整されるべきか否か(およびどの程度まで)を判定するために、呼吸情報を依然として含み得る。例えば、そのような呼吸感知を介して、睡眠呼吸障害(SDB)事象の数が多過ぎる(例えば、上昇したAHI)ため、連続刺激の強度(例えば、振幅、周波数、パルス幅など)が増加されるべきであること、またはSDB事象が相対的に低いため、連続刺激の強度が減少され得るが、治療刺激を依然として提供することが判定され得る。そのような呼吸感知を介して、診断目的で使用される、ならびに/または睡眠呼吸障害を治療するための刺激の強度への調整、刺激の開始、および/もしくは刺激の終了を判定するために使用され得る、他のSDB関連情報が判定され得ることが理解されるであろう。そのような「連続的」刺激は、選択可能なデューティサイクル、刺激パルスの列、電極の異なる組み合わせの選択的アクティブ化などを介して実装され得ることがさらに理解されるであろう。
【0129】
開ループ刺激または閉ループ刺激のいくつかの例では、いくつかの感知フィードバックは、一般に、患者が睡眠時無呼吸挙動の重症度に基づいて刺激を受けるべきか否かを判定するために利用され得る。言い換えると、一定数の睡眠時無呼吸事象が起こっていることを感知すると、デバイスは、刺激を実装し得る。
【0130】
そのようなデバイス、ならびに呼吸努力および流量制限と関連付けられた様々な特徴およびパターンを認識および検出するための方法のいくつかの非限定的な例は、限定されるものではないが:Christophersonらの2015年1月20日発行のUS8,938,299、SYSTEM FOR TREATING SLEEP DISORDERED BREATHING、ChristophersonらのRESPIRATORY EFFORT DETECTION METHOD AND APPARATUSと題された米国特許第5,944,680号、およびTestermanのMETHOD AND APPARATUS FOR TREATING OBSTRUCTIVE SLEEP APNEAと題された米国特許第5,522,862号である。
【0131】
さらに、いくつかの例では、閉塞性睡眠時無呼吸を治療するために、様々な刺激方法が適用され得、限定されるものではないが:Niらの2020年10月3日にU.S.10,583,297として発行されたSYSTEM FOR SELECTING A STIMULATION PROTOCOL BASED ON SENSED RESPIRATORY EFFORT、Christophersonらの2015年1月20日に発行されたUS8938299、SYSTEM FOR TREATING SLEEP DISORDERED BREATHING、およびWagnerらの2018年5月3日にUS2018/0117316として公開されたSTIMULATION FOR TREATING SLEEP DISORDERED BREATHINGを含み、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0132】
いくつかの例では、図23Aに示される例示的な刺激要素(複数可)2112は、Bondeらの2102年12月25日に発行されたU.S.8,340,785、SELF EXPANDING ELECTRODE CUFF、Bondeらの2016年1月5日に発行されたU.S.9,227,053、SELF EXPANDING ELECTRODE CUFF、Johnsonらの2015年1月13日に発行されたU.S.8,934,992、NERVE CUFF、およびRondoniらの2019年2月14日に公開され、2019年8月14日に米国特許出願第16/485,954号として出願されたWO2019/032890、CUFF ELECTRODEに説明されるものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、いくつかの例では、刺激要素の1つの例示的な実施態様を含み得る刺激リード2117は、Christophersonらの米国特許第6,572,543号に説明される刺激リードと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
いくつかの例では、刺激電極2112は、経静脈的、経皮的などで送達され得る。いくつかのそのような例では、経静脈アプローチは、Niらの2018年2月13日にU.S.9,889,299として発行されたTransvenous Method of Treating Sleep Apneaに説明されるものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得、これは、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかのそのような例では、経皮的アプローチは、Christophersonらの2016年11月8日にU.S.9,486,628として発行されたPercutaneous Access For Systems and Methods Of Treating Sleep Apneaに説明されるものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0134】
図23Bの図に示されるように、いくつかの例では、デバイス2111(図23A)は、加速度センサ2135(図23A)を介して感知される呼吸情報を補完するために、限定されるものではないが、経胸郭バイオインピーダンス、圧力感知などを介してさらなる呼吸情報などの、追加の生理学的情報を感知するために追加のセンサ2120、2130などと共に実装され得る。いくつかの例では、センサ2120、2130の一方または両方は、センサ電極を含み得る。いくつかの例では、刺激電極2112はまた、いくつかの例では、感知電極として作用し得る。いくつかの例では、デバイス2133のハウジングの少なくとも一部分はまた、感知電極(例えば、2120、2130、および/または2112)と協働して機能して、バイオインピーダンス、ECGなどを感知するための少なくともいくつかの感知配置を実装するために、センサまたは少なくとも導電性部分(例えば、電極)を含み得る。
【0135】
図23Cは、微小刺激装置2260として実装されたIMD2133を除いて、図23Aまたは図23Bの治療デバイス(および/または例示的な方法)2811と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含む、例示的な治療デバイス2255を概略的に表す図である。いくつかの例では、微小刺激装置2260は、図23Cに示されるように、頭頸部領域2103に、または胸部領域2101に、慢性的に(例えば、経皮的に、皮下的に、経静脈的になど)移植され得る。いくつかの例では、治療デバイス2255の一部として、微小刺激装置2260は、刺激電極2112と有線または無線通信し得る。いくつかの例では、治療デバイス2255の一部として、微小刺激装置2260はまた、センサ2135を組み込むか、または微小刺激装置2260の本体とは別個に位置するセンサ2135と無線もしくは有線通信し得る。上記の例で記載されたように、センサ2135は、加速度センサおよび/または他のタイプのセンサを含み得る。感知および/または刺激に無線通信が用いられるとき、微小刺激装置2260は、感知および/または刺激の目的のために、リードレスの移植可能な医療デバイスと呼ばれ得る。いくつかの例では、微小刺激装置2260は、標的神経2105に近接していてもよい。
【0136】
いくつかの例では、微小刺激装置2260(および関連付けられた要素)および/または治療デバイス2255は、WO2017/087681として2017年5月26日に公開され、2018年5月8日に米国特許出願第15/774,471号として出願された、Rondoniらの、MICROSTIMULATION SLEEP DISORDERED BREATHING(SDB)THERAPY DEVICEに説明および例示されているものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得、これらの両方は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0137】
さらに、図24Fをさらに参照すると、いくつかの例では、上述の心電図(ECG)、ならびに心弾動図感知(BCG)2535、心理心電図感知(SCG)2536、および/または加速心電図感知(ACG)2538が、ケアエンジン2500の少なくとも感知部分2510と関連して記載されるように、様々なものを通して説明される加速度ベースの傾斜角度(呼吸中の胸郭の回転運動に基づく)の感知と組み合わせて用いられ得る。一態様では、ECG、SCG、BCG、および/もしくはACG感知が、呼吸性洞性不整脈(RSA)の感知を実施するために使用され得、これによって、呼吸検出が実施され得る。いくつかのそのような例では、感知されたRSAは、呼吸サイクルの吸気位相、呼気アクティブ位相、および/もしくは呼気後休止位相を識別するために使用され得る、ならびに/またはそれぞれの位相を互いに区別するために使用され得る。いくつかのそのような例では、そのような識別および/またはそのような区別は、R-R間隔を識別することを介して実施されて、感知されたRSAを判定し得、R-R間隔は、吸気中により短く、R-R間隔は、呼気中により速い。
【0138】
図24Aは、例示的な方法2300を概略的に表すブロック図である。いくつかの例では、方法2300は、図1図23Bと関連して既に説明されたデバイス、センサ、感知要素などのうちの少なくともいくつかを介して実装され得る。いくつかの例では、例示的な方法2300は、図25Aの制御部分4000、図25Bの制御部分4020、図26のユーザインターフェース4040、図24Fのケアエンジン2500内に、および/またはそれらを介して少なくとも部分的に実装され得る。いくつかのそのような例では、例示的な方法は、図24Fのケアエンジン2500の感知部分2510および/または呼吸部分2580の一部として(および/またはそれらを介して)実装され得る。
【0139】
図24Aの2310に示されるように、例示的な方法2300は、呼吸情報を検出するために、胸部領域などの位置で患者の身体内に移植されたセンサ(複数可)からの加速度信号(複数可)を感知することを含む。いくつかの例では、単一の感知要素(例えば、図2の122A)のみが、単一の感知された加速度信号のみを提供するために使用され得るか、またはいくつかの例では、複数の感知要素が、別個の複数の感知された加速度信号を提供するために使用され得る。複数の感知要素は、互いに分離して独立し得るか、または3軸加速度計などの単一のデバイスの一部として共配置され得る。
【0140】
2314にさらに示されるように、フィルタ処理は、各対応する加速度信号(例えば、X軸、Y軸、Z軸)について、それぞれの別個の傾斜角度信号(2321X、232Y、2321Z)を生成するために、感知信号(複数可)に別個に適用される。1つの単軸感知要素のみが用いられる場合、2320において1つの傾斜角度信号のみが存在することが理解されるであろう。様々な例を通して既に説明されたように、傾斜角度信号は、患者の呼吸の生理学的現象を表し、傾斜角度信号の値および/または形状は、患者の呼吸に伴って呼吸サイクルの異なる位相(例えば、吸気位相、呼気アクティブ位相、呼気後休止位相)を通して変動する。いくつかの例は、多軸(X、Y、Z)についての傾斜角度信号を追跡することを含み得るが、いくつかの例示的な方法は、重力ベクトルに対して略垂直であることに最も近い軸に焦点を当て得ることがさらに留意されるであろう。
【0141】
いくつかの例では、各対応する加速度信号(例えば、X軸、Y軸、Z軸)について、それぞれの別個の傾斜角度信号(2321X、2321Y、2321Z)を生成するために上記に説明されたようにフィルタ処理(2314における)を適用することに加えて、フィルタ処理は、関心対象の呼吸特徴に対する信号対ノイズ比を増加させるために、信号からノイズを減算すること(例えば、フィルタ処理すること、除外すること)をさらに含み得る。いくつかの例では、そのようなノイズフィルタ処理は、図24Eのノイズモデルパラメータ2470と関連して以下に説明されるように実装され得る。いくつかの例では、そのようなノイズフィルタ処理は、図24Aの例示的な方法(および/または配置)内の他のやり方および/または他の時間に適用され得ることが理解されるであろう。
【0142】
図24Aの2340にさらに示されるように、方法2300は、信号毎のベース(2341X、2341Y、2341Z)で特徴抽出を実施して、呼吸(および/または呼吸検出、患者の健康などに関連する他の特徴)を示す各傾斜角度信号(2321X、2321Y、2321Z)内で特徴を識別することを含む。2350に示されるように、いくつかの例では、方法は、吸気位相2352、呼気アクティブ位相2354、および呼気後休止位相2356の特徴を含む(限定されるものではないが)、少なくとも呼吸位相情報を識別する。各特徴(例えば、位相2352、2354、2356)は、各それぞれの特徴の開始(すなわち、オンセット)、終了(すなわち、オフセット)、持続時間、大きさ、および/または「開始および終了」の両方を含み得ることが理解されるであろう。いくつかの事例では、特定の特徴は、基準を含む位相(例えば、吸気)の開始などの基準または同様の用語として呼ばれる場合がある。
【0143】
2330に示されるように、確信度は、X軸確信度2331X、Y軸確信度2331Y、およびZ軸確信度2331Zなどの特徴抽出要素(2341X、2341Y、2341Z)の各々に適用され得る。確信度を適用する少なくともいくつかの態様は、少なくとも図24Bと関連して以下に説明される。
【0144】
いくつかの例では、呼吸位相情報の特徴抽出(2341X、2341Y、2341Z)を各傾斜角度信号に対して実施すると、結果的に抽出された特徴信号は、2345において組み合わせられて(例えば、一緒に融合されて)、吸気位相2352、呼気アクティブ位相2354、および呼気後休止位相2354を含む呼吸位相情報(2350)を含む複合の感知された呼吸信号を生成(すなわち、判定)する。いくつかの例では、異なる抽出された特徴信号は、確信度(例えば、2331X、2331Y、2331Z)に従って、それぞれの特徴の平均、それぞれの特徴の中央値、または重み付け(線形または非線形)として組み合わせられ得る(例えば、融合され得る)。確信度(複数可)の少なくともいくつかの態様は、少なくとも図24Bと関連して以下に説明される。いくつかのそのような例では、複合の感知された呼吸信号は、少なくとも図5図24Fの複合パラメータ2533と関連して、および本開示の様々な例を通して、既に説明されたように、仮想ベクトルに対応し得る。
【0145】
図24Aにさらに示されるように、判定された呼吸位相(2352、2354、2354)から、追加の呼吸パラメータ2360が判定され得る。例えば、(全体的な)呼気位相は、呼気アクティブ位相(2354)および呼気後休止位相(2356)の合計または組み合わせを含み得る。加えて、呼吸期間は、アクティブ位相および休止位相2354、2356の両方を含む、呼吸位相2352の持続時間および(全体的な)呼気位相の持続時間の合計から判定され得る。一方、呼吸数(RR)は、1/呼吸期間として算出され得る。追加のパラメータは、吸気位相持続時間(図3のT)を呼気位相持続時間(図3のTEA+TEP)で除算したものなどの、算出されたI/E比を含み得る。
【0146】
いくつかの例では、所与の身体位置または姿勢を仮定し、軸(例えば、X、Y、Z)に沿った並進運動を除外すると、いくつかの追加のパラメータは、抽出された特徴(2350における呼吸位相情報を含む)から判定され得、そのような追加のパラメータは、加速度に比例する周期的容量の近似値、時間に関する加速度信号の導関数に比例する呼吸流量の近似値、および/または算出された容量および算出された呼吸数(上記に説明される)の乗算の結果に比例する毎分換気量の近似値を含む。
【0147】
いくつかの例では、特徴抽出に関する判定(図24Aの2340)は、以下のパラメータをさらに含み得る。例えば、特徴抽出のいくつかの例では、「n」が1以上である、以前の「n」の正のピーク値および以前の「n」の負のピーク値の平均を含む、信号中点が判定され得る。特徴抽出のいくつかの例では、信号中点が交差されるサンプルを含む信号中点交差が判定され得る。いくつかの例では、信号中点交差は、ヒステリシス閾値が、固定された閾値、最近の「n」ピーク対ピーク値の一部、信号平方根(RMS)値の一部、および/または線形減衰または指数関数的減衰を伴う動的閾値によって判定される、ヒステリシスを伴い得る。特徴抽出のいくつかの例では、以前の信号中点交差から現在の信号中点交差までの全ての点の積分(例えば、合計)を含む、ピーク中点面積が判定され得る。
【0148】
いくつかの例では、呼気アクティブ位相(図24Aの2354)の判定は、少なくとも部分的に:(1)「n」の最近のピーク中点面積の平均値を上回るピーク中点面積に続く検出されたピークであって、呼気休止後位相2356が比較的大きいピーク中点面積を生じさせ、信号反転に感受性のないやり方で呼吸位相の判定を可能にする、検出されたピーク、(2)閾値を上回る導関数(現在のサンプル-以前のサンプル)の絶対値、および/または(3)時間閾値に対する閾値を上回る信号の導関数の絶対値に基づく。
【0149】
いくつかの例では、呼気後休止位相(図24Aの2354)の判定は、少なくとも部分的に:(1)呼気アクティブ位相2354として検出される以前の位相、(2)閾値を下回る信号の導関数の絶対値、および/または(3)時間閾値に対する閾値を下回る信号の導関数の絶対値に基づく。
【0150】
いくつかの例では、吸気位相の判定(図24Aの2352)は、少なくとも部分的に:(1)呼気後休止位相として検出される以前の位相、(2)閾値を上回る信号の導関数の絶対値、および/または(3)時間閾値に対する閾値を上回る信号の導関数の絶対値に基づく。
【0151】
さらに図24Aを参照すると、呼吸情報を判定する(呼吸中の胸郭の回転運動を検出するために加速度信号を感知することを介して)いくつかの例では、例示的な方法2300は、感知された加速度信号2310を使用する代わりに、2390で示されるようにデフォルト呼吸位相値を利用し得る。例えば、感知された加速度信号品質が悪い(すなわち、不十分である)場合、患者の現在の呼吸位相は、現在感知された加速度信号または最近感知された加速度信号から既知ではない場合がある。いくつかの例では、デフォルト呼吸位相値(2390)は、感知された加速度信号品質が適切であるときに抽出された特徴(2341X、2341Y、2341Z)が使用されることを確保するために低い値を有し得る、確信レベルまたは確信度2391を割り当てられる。したがって、検出された加速度信号が信号の信号対ノイズ比によって判定される際に十分な品質であるとき、方法2300は、2390において、デフォルト呼吸位相値を無視し得る。信号対ノイズ比は、典型的な信号形態との比較、典型的な信号周波数含量との比較、または他の手段によって判定され得る。
【0152】
図24Aのデフォルト呼吸位相値部分2390をさらに参照すると、いくつかの例では、デフォルト呼吸位相値(2390)は、以下のうちの少なくとも1つを使用して判定され得る:(1)ヒト集団全体の平均呼吸位相時間値、(2)患者の履歴または最近の平均/中央値呼吸位相および/または位相時間値、ならびに(3)相当数の連続刺激「オフ」時間が吸気と整列し得る機会を減少させるために、より長い呼吸数またはより短い呼吸数を意図的に適用すること。
【0153】
したがって、デフォルト呼吸位相値を介して、いくつかの例示的な方法は、センサが不十分な信号を取得すると、患者の呼吸サイクル情報、および複数の患者の呼吸サイクル情報のうちの少なくとも1つに対して、履歴呼吸情報を含む記憶された呼吸情報を置換することを含み得る。いくつかのそのような例では、患者の呼吸サイクル情報は、呼吸期間を含み、例示的な方法は、患者の呼吸サイクル情報の呼吸期間にランダムな時間値を加算することによって修正された呼吸期間を作成することと、修正された呼吸期間を使用して記憶された呼吸情報の置換を実装することと、を含む。いくつかの例では、ランダム時間値は、約0~約1秒を含み得る。いくつかの例では、ランダム時間値は、他の期間を含み得る。いくつかの例では、ランダム時間値を追加することは、上記と同様の結果(デフォルト呼吸位相値に関して)を引き起こし得、これによって、例示的な方法は、より長い呼吸数またはより短い呼吸数を意図的に適用して、相当数の連続刺激「オフ」時間が吸気と整列し得る機会を減少させ得る。
【0154】
いくつかの例では、この方法は、センサが不十分な信号を取得すると、患者の平均呼吸数よりも実質的に速い第1の呼吸数、および患者の平均呼吸数よりも実質的に遅い第2の呼吸数のうちの少なくとも1つを含む呼吸サイクル情報を含む、記憶された呼吸情報を置換することを含み得る。いくつかのそのような例では、実質的により速い、および/または実質的により遅いという用語、5パーセントの差、10パーセントの差などの程度の差に対応し得る。
【0155】
図24Bは、例示的な方法2300において、および/または図25Aの制御部分4000の一部として(またはそれを介して)2330において採用され得る、例示的な確信度部分2400を概略的に表すブロック図である。確信度部分2400における因子(例えば、異なる組み合わせまたは単一の因子)の全てまたは単にいくつかが、図24Aの方法2300において2330で適用され得ることが理解されるであろう。いくつかの例では、確信度は、正確性の推定された確率として実装され得る。
【0156】
図24Bに示されるように、いくつかの例では、確信度部分2400は、信号対ノイズ比パラメータ2412、閾値パラメータ2414、および最近の履歴パラメータ2416を含む第1の因子部分2410を含む。したがって、いくつかの例では、信号対ノイズ比情報(パラメータ2412)を介して、確信レベルは、各抽出された特徴に対して(図24Aの2340において)および/または各傾斜角度信号に対して(図24Aの2320において)判定され得る。いくつかの例では、2414において、方法2300は、値(例えば、特徴の値、傾斜信号の値など)が閾値を超える量を含む確信性を含む。別の言い方をすると、特定の軸(例えば、図2のY軸)に対するなどの傾斜信号の値が閾値を顕著な量だけ超える場合、方法は、呼吸位相情報(図24Aの2350)の判定が、存在する場合、他軸(例えば、XまたはZ)傾斜信号(存在する場合)と比較して、Y軸傾斜信号(図24Aの2321Y)に主に依存し得るように、高い値の確信度をY軸特徴抽出(図24Aの2341Y)に適用し得る。いくつかの例では、確信度は、抽出された特徴の現在値と「n」の最近抽出された特徴の平均値との差に従って、最近の履歴パラメータ2416によって適用され得る。
【0157】
いくつかの例では、第1の因子部分2410の確信性パラメータの各々は、ルックアップテーブル、乗算係数(例えば、1.5、2×など)に応じて定量的に適用され得る。
【0158】
いくつかの例では、確信度部分2400は、特定の抽出された特徴(2341X、2341Y、2341Z)の値における確信性が、感知時の姿勢(2422)、心拍数(2424)、および/または睡眠段階(2426)に基づいて増加または減少され得る第2の因子部分2420を含み得る。図24Bの第3の因子部分2430にさらに示されるように、第2の因子部分2420のそのような確信度は、患者の選好(例えばフィードバック)2432、臨床医入力2434、および/または睡眠研究情報などの他の情報などの、特定の患者ベースの因子に従って重み付けおよび/または較正され得る。第2の確信度部分2420の一部を含み得るさらなるパラメータは、感知された体温、時刻などを含み得る。
【0159】
いくつかの例では、確信度部分2400のそれぞれの第1、第2、および第3の部分の様々なパラメータなどは、異なる組み合わせで一緒に使用される、および/または図24Bに示されるものとは異なるグループ化(またはグループ化なし)で編成され得る。
【0160】
図24Cは、図24Aの方法2300の2340における特徴抽出の実施態様の一部として作用し得る、機能、設定などを含み得る、例示的な特徴抽出部分2450を概略的に表すブロック図である。図24Cの2450におけるパラメータ2452を介して示されるように、いくつかの例では、閾値因子は、吸気位相2352(例えば、吸入閾値)、呼気アクティブ位相2354(例えば、呼気閾値)、および/または呼気後休止位相2356(例えば、呼気閾値)の特徴抽出を実施する際に使用される閾値を調整するためにユーザまたは臨床医によって適用され得る。図24Cの2450におけるパラメータ2454を介して示されるように、いくつかの例では、感度因子は、吸気位相2352(例えば、吸入感度)、呼気アクティブ位相2354(例えば、呼気感度)、および/または呼気後休止位相2356(例えば、呼気感度)の特徴抽出を実施する際に使用される閾値を調整するためにユーザまたは臨床医によって適用され得る。いくつかの例では、感度因子は、呼気アクティブ位相2354のピーク中点計算において使用する、閾値を調整するための反転関数を含み得る。
【0161】
いくつかの例では、呼吸位相情報(2390)の判定において、例示的な方法2300はまた、図24Dの2460に示されるように、吸気位相を予測すること(例えば、図24Aの2352)を含み得る。吸気位相の予測は、吸気位相2352の開始と同期化される、措置(例えば、刺激の開始など)を実装する可能性を高めるために使用され得る。別の言い方をすると、図24Dの2460で吸気位相2352を予測することは、吸気位相の開始の検出が見逃され得る機会を減少させ得る。さらに、いくつかの例示的な方法および/または例示的なデバイスでは、神経(例えば、舌下神経)の電気刺激は、一旦、実際の吸気位相が開始されると、上気道が上気道に圧力が適用される前に開放されることを確保するために、吸気の開始前に開始され得る。加えて、実際の吸気位相の前に電気刺激を開始することはまた、吸気位相の予測が誤っている可能性がある場合、または不十分な信号対ノイズ比を経験し得る場合、幾分の保証を提供し得る。いくつかのそのような例では、例示的な方法および/またはデバイスは、吸気位相のオンセット前に所定の期間刺激を開始し得る。いくつかの例では、所定の期間は、呼気後休止位相の平均持続時間による、以前の呼気後休止位相の持続時間によるなどの、呼気後休止の持続時間未満の持続時間を有する。いくつかの例では、所定の期間は、絶対的な時間量(例えば、開始0.5秒)を含み得、いくつかの例では、所定の期間は、以前の呼吸期間の10%などの相対的な時間量を含み得る。同期化に関する他の例と関連して述べられるように、いくつかの例では、所定の期間は、約200ミリ秒、または300ミリ秒とすることができる。
【0162】
いくつかの例では、図24Dの吸気位相予測機能(2460)は:(1)直近の(例えば、直前の)呼吸サイクルの呼気アクティブ位相2354、(2)直近の(例えば、直前の)呼吸サイクルの呼気後休止位相2356、ならびに/または(3)1つ以上の以前の呼吸サイクルの吸気位相、および/もしくは1つ以上の以前の呼吸サイクルの呼吸数に基づいて、タイミングを介して吸気位相の開始を予測することを含み得る。いくつかの例では、タイミング(以前の呼吸サイクルの吸気位相および/または呼吸数の)を判定する際に、方法は、それぞれの吸気位相または呼吸数の平均値、中央値、線形外挿、および/または非線形外挿を利用し得る。
【0163】
図24Dの吸気位相予測2460をさらに参照すると、いくつかの例では、タイミング(以前の呼吸サイクルの吸気位相および/または呼吸数の)を判定することで、以前の呼吸サイクルからの値の使用はまた、特徴抽出の精度を高め得る(図24Aの2340)。例えば、タイミングピーク検出の精度は、ピークの前後のデータを使用することによって高められ得る。別の事例では、以前の呼吸サイクルからの値を使用することは、例示的な方法が、特定の呼吸サイクル、患者の四肢運動、ベッドパートナーの運動などの間にノイズの多い信号の影響を受け難くし得る。
【0164】
いくつかの例では、方法は、図24Eの少なくともノイズモデルパラメータ2470と関連して示されるノイズモデルに従って、感知された信号からノイズを除去することによって、感知された加速度信号(胸壁の一部分における回転運動の)から呼吸を判定する精度を向上させ得る。
【0165】
いくつかのそのような例では、方法は、患者の呼吸関連挙動(および/または心臓関連挙動など)以外の状態、現象などによって引き起こされる、および/またはそれらと関連付けられる、かつ患者の呼吸に関して関心対象の信号に対してノイズとみなされる、感知された信号内の特質(例えば、信号形態、周波数含量など)を識別することからノイズモデルを構築することを含む。単に1つの例では、1つのノイズ源(ノイズモデルの少なくとも一部を形成し得る)は、患者のために感知された信号によってピックアップされ得る、同じベッドで睡眠している別の人物(すなわち、パートナー)からの運動、挙動などを含み得る。いくつかの事例では、そのような動きは、非患者生理学的動きと呼ばれる場合がある。ノイズモデルの少なくとも一部を形成する他のノイズ源は、限定されるものではないが、患者が車、航空機、宇宙船などで移動しているときなどの、患者が存在する車両の動きなどの、追加の/他の非患者生理学的動きを含み得る。ノイズとみなされ得る(およびノイズモデルの少なくとも一部を形成する)他のタイプの非患者生理学的動きは、ハンモック、スイングなどの患者支持表面の運動を含み得る。ノイズモデルの少なくとも一部を形成し得る別のタイプのノイズは、風に起因する非常に高い建物内における動き、患者の動きが、感知された加速度信号に影響し得、本開示の例では回転感知のタイプによる呼吸情報の正確な判定を妨げるように、振動または運動を経験する場所などの、患者の物理的位置を含み得る。
【0166】
これらの非患者特質からノイズモデルを構築すること、および患者の感知された加速度信号からノイズモデルを減算することによって、より正確な感知された呼吸信号が判定され得る。いくつかの事例では、減算は、ノイズをフィルタ処理することによって、および/またはそのようなノイズを含むセンサ要素信号を除外することによって実施され得る。
【0167】
いくつかの例では、そのようなノイズは、正式なノイズモデルの使用なしで、感知された加速度信号(胸壁などの呼吸のための身体部分の回転運動の)からフィルタ処理または除外され得る。
【0168】
いくつかの例では、関心対象の信号(呼吸情報)の信号対ノイズ比を増加させ得る、ノイズモデルの使用の特徴および属性のうちの少なくともいくつかは、図24Aに示されるように、方法2300において少なくとも部分的にフィルタ処理2314内で、またはそれを介して実装され得る。
【0169】
いくつかの例では、吸気位相の予測(例えば、図24Dの2460)はまた、吸気位相の記憶された基準形態に対する以前の呼吸サイクルの吸気位相の相互参照(例えば、類似性)に従って実施され得る。
【0170】
図24Fは、例示的なケアエンジン2500を概略的に表すブロック図である。いくつかの例では、ケアエンジン2500は、限定されるものではないが、命令4011および/または情報4012の少なくとも一部を含むなどの、少なくとも図25Aと関連して以下に説明されるように、制御部分4000の一部を形成し得る。いくつかの例では、ケアエンジン2500は、図1図23Bと関連して既に説明されたように、および/または図25A図46と関連して以下に説明されるように、本開示の様々な例示的なデバイスおよび/または例示的な方法のうちの少なくともいくつかを実装するために使用され得る。いくつかの例では、ケアエンジン2500(図24F)および/または制御部分4000(図25A)は、パルス発生器(例えば、図23A図23Bの2133)の一部を形成し得る、および/またはそれと通信し得る。
【0171】
図24に示されるように、いくつかの例では、ケアエンジン2500は、感知部分2510、呼吸部分2580、睡眠呼吸障害(SDB)パラメータ部分2600、および/または刺激部分2900を含む。
【0172】
一態様では、少なくとも図24のケアエンジン2500の感知部分2510は、少なくとも図1図24Dと関連して既に説明されたように、情報の感知を指示する、ならびに/またはセンサ、感知要素、感知形態などのうちの1つ以上を介して取得された感知された情報を受信、追跡、および/もしくは評価し、ケアエンジン2500は、以下でさらに説明されるように、他の措置、機能などの中でも、睡眠覚醒状態を判定するためにそのような情報を用いる。
【0173】
いくつかの例では、感知部分2510は、ECG感知を指示し、感知されたECG情報などを取得して、図1図24Dおよび図25A図46の例による感知を介して判定された呼吸情報と一緒に使用され得る心臓情報および/またはいくつかの呼吸情報を取得するために、ECGパラメータ2520を含み得る。いくつかの例では、ECG情報は、少なくとも図23Bと関連して既に説明されたように、感知電極(例えば、2112、2120、2130など)の少なくともいくつかを介して感知される。
【0174】
いくつかの例では、感知部分2510は、加速度計部分2530を備え得る。いくつかの例では、加速度計部分2530は、少なくとも呼吸情報および/または他の情報(心臓、姿勢など)を取得するために、加速度ベースの感知を指示し、加速度信号情報を取得/受信する。いくつかの例では、そのような加速度感知は、Diekenらの2019年5月30日にU.S.2019-0160282として公開されたACCELEROMETER-BASED SENSING FOR SLEEP DISORDERED BREATHING(SDB)CAREに説明されるものと実質的に同じ特徴および属性の少なくともいくつかに従って実装され得、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0175】
いくつかの例では、加速度センシングは、本開示の例を通して広範囲に説明されるように、患者の胸壁の回転運動を示し、結果的に呼吸情報を提供する、加速度ランチ要素の傾斜角度の変化などの、傾斜情報(図24Fのパラメータ2532)を判定および/または受信するために使用され得る。他の箇所に記載されるように、回転運動の感知(呼吸情報を判定するための)は、胸部(例えば、胸壁)のみに限定されず、限定されるものではないが、腹部(例えば、腹壁)などの、他のまたは追加の呼吸のための身体部分を含み得る。
【0176】
図24Fの複合パラメータ2533を介して表されるように、いくつかの例では、3つの加速度感知要素(例えば、122A/Y、162/Z、164/X)のうちの少なくとも2つからの回転運動情報は、少なくとも図5と関連して既に説明されたものなどの、複合回転運動情報(252)を生成するために組み合わせられ得る。いくつかの事例では、組み合わせられた加速感知信号からの回転運動情報は、仮想ベクトル、例えば、仮想回転運動ベクトルと呼ばれる場合がある。そのような例を介して、3つの直交配置された感知要素のうちの少なくとも2つが、直交配置された単軸感知要素によって生成される多次元加速度ベクトルのAC成分に少なくとも基づいて、呼吸情報の判定を実施するために使用され得る。
【0177】
いくつかの例では、図24Fの感知部分2510は、姿勢に関する、受信された感知された情報などを感知することを指示するための姿勢パラメータ2547を含み得、これはまた、患者の身体位置、活動などの感知を含み得る。他の用途の中でも、1つの例示的な実装では、姿勢情報は、図24Bの確信度部分2400において、および/または図24Aの例示的な方法の2330における確信度の適用において、姿勢パラメータ2422を支援し得る。
【0178】
この感知された姿勢情報は、いくつかの事例では、呼吸情報を示し得る。しかしながら、いくつかの例示的な方法および/またはデバイスでは、感知部分2510を介して、呼吸情報は、姿勢情報または身体位置情報を使用せずに判定され得る。代わりに、呼吸情報は、本開示の例を通して説明されるように、感知要素が呼吸中の胸部の回転運動と同期して移動するときに1つ以上の加速度感知要素の傾斜角度の値の変化を感知することによって判定され得る。この回転運動の感知は、患者の姿勢を判定することには依存しないか、または関与しない。
【0179】
それにもかかわらず、本明細書の他の箇所に説明されているように、いくつかの例では、姿勢は、呼吸情報を判定するときに、数個のパラメータのうちの1つとして考慮され得る。例えば、直立姿勢を感知することは、典型的には、立っているか、または歩いていることなどの覚醒状態と関連付けられる。しかしながら、他の箇所で記載されたように、人は、直立座位(図7)にあり、かつ依然として睡眠状態にある場合がある(例えば、椅子で睡眠している)。逆に、仰臥位または側臥位(すなわち、側部に対して横になる)姿勢を感知することは、典型的には、睡眠身体位置または姿勢を考慮される。しかしながら、患者は、眠らずに、そのような位置にいるかもしれない。したがって、姿勢は、治療期間中に睡眠身体位置にあるときに呼吸情報を判定するために使用される単なる1つのパラメータであり得る。さらに、姿勢を感知することは、静止姿勢を感知することに限定されず、姿勢(または身体位置)の単純な変化を感知することに及び得、これは、少なくとも、姿勢の特定の変化(例えば、仰臥位から直立への)が、ほとんどの場合、覚醒状態を示す可能性が高いため、睡眠状態/睡眠段階を示し得る。同様に、姿勢および/または身体位置のより複雑または頻繁な変化は、覚醒状態をさらに示し得るが、一方、単一安定姿勢を長期間維持することは、睡眠状態を示し得る。
【0180】
感知情報の他のタイプおよび/またはやり方の中でも、図24Fの加速度計部分2530を介して、本明細書に説明される加速度センサ(複数可)(および/または他の加速度計)は、心弾動図(BCG)感知2534、心理心電図(SCG)感知2536、および/または加速心電図(ACG)感知2538を感知または取得するために用いられ得る。この感知された情報は、心拍数および/または心拍数変動を含むそのような感知された情報を用いて、少なくとも部分的に呼吸情報を判定または確認するために使用され得る。他の実施態様の中でも、そのような心拍数および/または心拍数変動情報は、図24Bの確信度部分2400および/または図24Aの確信性部分2330における心拍数パラメータ2424を実装することの一部として使用され得る。
【0181】
いくつかの例では、感知部分2510は、患者の経胸腔インピーダンスまたは他のバイオインピーダンスに関する情報の感知、および/または受信された感知された情報を指示し得る、インピーダンス感知パラメータ2550を含み得る。いくつかの例では、インピーダンスセンサ2550は、図23Bの電極2120、2130、2112、デバイス2133の表面などの、患者の身体の一部分にわたって互いに離間された複数の感知要素(例えば、電極)を使用し得る。いくつかのそのような例では、感知要素のうちの1つは、移植可能なパルス発生器(IPG)または他の移植可能な感知モニタの外面(例えば、ケース)に装着されるか、またはその一部を形成し得、他の感知要素(例えば、図23Bの電極2120、2130)は、IPGまたは感知モニタの感知要素から離れた距離に位置し得る。少なくともいくつかのそのような例では、インピーダンス感知配置は、感知電極間(存在するとき、IPGのケースを含む)の身体の全ての動き/変化(例えば、呼吸努力、心臓の動きなど)を統合する。インピーダンス測定回路のいくつかの例示的な実装は、駆動ノードにおける電極から組織へのアクセスインピーダンスを制御するために、別個の駆動および測定電極を含むことになる。
【0182】
いくつかの例では、感知部分2510は、限定されるものではないが、呼吸循環情報などの呼吸情報を感知する圧力感知パラメータ2552を含み得る。いくつかのそのような例では、呼吸圧センサは、Niらの2011年6月23日公開のUS2011/0152706のMETHOD AND APPARATUS FOR SENSING RESPIRATORY PRESSURE IN AN IMPLANTABLE STIMULATION SYSTEMに説明されるものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの例では、圧力センサ2552は、呼吸情報を感知するために、呼吸器官または呼吸器官を支持する組織と直接的または間接的に連続して位置し得る。いくつかの例では、図23Bのセンサ2120、2130などのうちの1つは、圧力センサを含み得る。
【0183】
いくつかの例では、感知部分2510は、限定されるものではないが、心臓情報(心音を含む)、呼吸情報、いびきなどの、感知された音響情報の感知を指示する、および/またはそれを受信するために、音響感知パラメータ2554を含み得る。
【0184】
いくつかの例では、ケアエンジン2500(図24F)の感知部分2510は、感知部分2510を介して感知された、既に説明された上記の情報以外の、感知された情報の感知を指示するために、および/またはそれを受信、追跡、評価などを行うために、他のパラメータ2548を含む。
【0185】
いくつかの例では、感知部分2510内の1つの感知形態は、感知部分2510内の別の感知形態を介して実装され得る。
【0186】
いくつかの例では、ケアエンジン2500の感知部分2510は、感知された生理学的情報の履歴が維持される履歴パラメータ2562を含み得、これは、最近感知された生理学的情報をより古い感知された生理学的情報と比較するために、比較パラメータ2564を介して使用され得る。
【0187】
図24Fに示されるように、いくつかの例では、ケアエンジン2500は、呼吸部分2580を含み得る。少なくともいくつかの例では、一般的に、呼吸部分2580は、位相情報、呼吸信号内の一般的なパターンおよび/または特定の基準を含む、呼吸形態の感知、ならびに/またはそれを受信、追跡、および/もしくは評価することを含む、呼吸情報を判定することを指示し得る。いくつかの例では、呼吸部分2580は、図24Fの感知部分2510と協働して、または感知部分2510の一部として動作し得、これは、具体的には、患者の胸部の回転運動を感知するために加速度信号情報を取得または感知することを含む(とりわけ)。したがって、いくつかの例では、呼吸部分2580は、胸壁の回転運動に関する感知された加速度信号から呼吸形態(位相情報を含む)を判定するために、特徴抽出部分2581を含む。いくつかの例では、特徴抽出部分2581は、図24A図24Dにおいて既に説明された例のような特徴および属性のうちの少なくともいくつかを介して実装され得る。これを念頭に置いて、図24Fにさらに示されるように、呼吸部分2580を介して判定、モニタリング、受信されることなどが行われたそのような呼吸形態の少なくともいくつかの態様は、吸気位相形態(パラメータ2582)、呼気アクティブ位相形態(パラメータ2583)、および/または呼気後休止位相形態(パラメータ2584)を含み得る。いくつかの例では、それぞれの吸気形態パラメータ2582、呼気アクティブ形態パラメータ2584、および/または呼気後休止形態は、患者の呼吸サイクルのそれぞれの吸気および/または呼気位相の振幅、持続時間、ピーク(2586)、発症(2588)、および/またはオフセット(2590)を含み得る。これを念頭に置いて、いくつかの例では、呼吸形態を判定することは、呼吸形態内で、吸気位相、呼気アクティブ位相、および呼気後休止位相を含む、呼吸期間を識別することを含む。したがって、呼吸期間は、呼吸サイクルの持続時間に対応し、この持続時間は、吸気位相の持続時間、呼気アクティブ位相の持続時間、および呼気後休止位相の持続時間の合計を含む。いくつかの例では、検出された呼吸形態は、吸気から呼気への移行および/または呼気から吸気への移行などの移行形態(2592)を含み得る。
【0188】
いくつかの例では、検出された呼吸形態は、吸気位相の開始、すなわち、吸気のオンセットの検出(呼吸波形形態内で)を含む。いくつかの例では、吸気位相のこの開始はまた、呼気から吸気への移行に対応し得る。いくつかの例では、検出された呼吸波形形態内の吸気位相の開始を検出する方法は、吸気位相の終了(例えば、オフセット)を識別することなく、検出を実施することをさらに含み、これは、各移行がノイズに起因して誤った識別の対象となり得る呼吸サイクルによる1つよりも多い位相移行(例えば、吸気から呼気への、または呼気から吸気への)の識別とは対照的に、ノイズの存在下における識別(吸気位相の開始の)の精度を向上させ得る。いくつかの例では、吸気位相の終了(例えば、オフセット)は、呼気アクティブ位相の開始(例えば、オンセット)に対応する。
【0189】
いくつかの例では、呼吸部分2580は、吸気の終了後に短い間隔で予測可能におこり、かつ呼吸検出および関連パラメータの態様で使用され得る、呼吸ピーク圧力を識別し得る(呼吸波形形態内で)。一態様では、この構成は、吸気の終了後の間隔と関連付けられた圧力信号の比較的高い数学的導関数の識別の容易さに起因するノイズの存在下における識別(吸気から呼気への遷移、吸気の終了などの)の精度を向上させ得る。
【0190】
いくつかの例では、呼吸部分2580は、呼吸検出および関連パラメータのいくつかの態様で使用され得る、呼気の終了を識別する(呼吸波形形態内で)。
【0191】
いくつかの例では、図24Fにさらに示されるように、呼吸部分2580は、特定の呼吸位相情報(例えば、吸気、呼気アクティブ、呼気後休止)を判定するために、フィルタ処理され、感知された加速度信号の異なる態様に選択可能な確信度(例えば、レベル)を適用するために確信性パラメータ2585を含み得る。いくつかの例では、確信性パラメータ2585は、少なくとも部分的に、図24Bの確信度部分2400を介して、および/または図24Aの2330におけるように、実装され得る。
【0192】
いくつかの例では、図24Fにさらに示されるように、呼吸部分2580は、感知された信号品質が悪いときに、感知された加速度信号の代わりにデフォルト呼吸位相情報を使用するためにデフォルトパラメータ2586を含み得る。いくつかの例では、デフォルトパラメータ2586は、少なくとも部分的に、図24Aのデフォルト呼吸位相部分2390を介して実装され得る。
【0193】
いくつかの例では、図24Fにさらに示されるように、呼吸部分2580は、呼吸情報が空間内および/または重力ベクトルに対する(少なくともいくつかの例では)の患者の回転に関係なく確実に判定され得るように、本開示の様々な例で既に説明されたように、信号がデフォルトの正の傾きに対して反転され得るか否かにかかわらず、判定された呼吸情報の位相(例えば、吸気など)の追跡を強化するために傾斜反転パラメータ2594を含み得る。この点に関して、呼吸情報の判定および/または使用は、信号がどの極性を呈するかに依存せず、むしろ少なくとも部分的に、それぞれの位相の形態(例えば、吸気、呼気アクティブ、呼気後休止)に依存することが留意されるであろう。
【0194】
いくつかの例では、図24Fに示されるように、呼吸部分2580は、ノイズパラメータ2596を含み得、これによって、ノイズは、回転運動情報の信号対ノイズ比を増加させるために、加速度信号からフィルタ処理されるか、または抽出される。いくつかのそのような例では、ノイズパラメータ2596は、限定されるものではないが、図24Eの例示的なノイズモデルパラメータ2470などのノイズモデルの使用を介して実装され得る。いくつかのそのような例では、ノイズパラメータ2596は、少なくとも図24Aおよび図24Cと関連して既に説明されたように、特徴抽出の少なくともいくつかの態様と関連して実装され得る。
【0195】
図24Fにさらに示されるように、いくつかの例では、ケアエンジン2500は、睡眠呼吸障害(SDB)ケアと特に関連付けられたパラメータの感知を指示する、および/またはそれを受信、追跡、評価することなどを行うためにSDBパラメータ部分2800を含む。例えば、いくつかの例では、SDBパラメータ部分2800は、患者の睡眠呼吸障害挙動に特に関連して患者の睡眠の質を感知および/または追跡するために睡眠の質部分2810を含み得る。したがって、いくつかの例では、睡眠品質部分2810は、睡眠呼吸障害(SDB)事象によって引き起こされた覚醒を感知および/または追跡するために覚醒パラメータ2812を含み、そのような覚醒の数、頻度、持続時間が睡眠の質(またはその欠如)を示す。
【0196】
いくつかの例では、睡眠品質部分2810は、治療期間中またはより長い期間にわたって、患者の様々な睡眠状態(睡眠段階を含む)の発生を感知および/または追跡するために状態パラメータ2814を含む。
【0197】
いくつかの例では、SDBパラメータ部分2800は、患者の睡眠の質を示し得る、無呼吸低呼吸指数(AHI)情報を感知および/または追跡するためにAHIパラメータ2830を含む。いくつかの例では、AHI情報は、本開示の様々な例に説明されるように実装され得る、様々な感知タイプ、形態などのうちの1つ以上などの感知要素を介して取得される。
【0198】
図24Fにさらに示されるように、いくつかの例では、ケアエンジン2500は、睡眠呼吸障害(SDB)挙動を治療するために、限定されるものではないが、上気道開存性神経(例えば、舌下神経)および/または横隔神経などの、標的組織の刺激を制御するために刺激部分2900を備える。いくつかの例では、刺激部分2900は、送達された刺激が感知された患者の生理学的情報に応答して、および/またはそれに基づいて、閉ループ様式で刺激療法を送達するために閉ループパラメータ2910を備える。
【0199】
いくつかの例では、閉ループパラメータ2910は、呼吸情報に従って刺激の特定のタイミングを制御するために感知された情報を使用して実装され得、刺激パルスは、患者の呼吸サイクル(複数可)の特定の部分(例えば、呼吸位相)によってトリガされるか、またはそれらと同期される。いくつかのそのような例では、かつ既に説明されたように、この呼吸情報は、少なくとも図1図24Fと関連して既に説明されたように、センサ、感知要素、デバイス、感知部分(例えば、2510)を介して判定され得る。
【0200】
感知された生理学的情報が少なくとも呼吸位相情報を判定することを可能にするいくつかの例では、閉ループパラメータ2910は、(少なくとも)判定された呼吸位相情報(2390)に基づいて刺激療法を開始、維持、休止、調整、および/または終了するように実装され得る。
【0201】
いくつかの例では、刺激は、吸気位相(図24Aの2352)のオンセットの前に開始され、刺激は、吸気位相の終了時に正確に停止されるか、または吸気位相の終了直後に停止される。
【0202】
図24Fにさらに示されるように、いくつかの例では、刺激部分2900は、感知された生理学的情報のフィードバックループなしで刺激療法が適用される開ループパラメータ2915を含む。いくつかのそのような例では、開ループモードでは、刺激療法は、患者の睡眠の質、睡眠状態、呼吸位相、AHIなどに関して感知された情報なしで(例えば、それとは無関係に)、治療期間中に適用される。いくつかのそのような例では、開ループモードでは、刺激療法は、患者の呼吸サイクル情報の特定の知識なしで(すなわち、それとは無関係に)治療期間中に適用される。
【0203】
しかしながら、いくつかのそのような例では、いくつかの感知フィードバックは、一般に、患者が睡眠時無呼吸挙動の重症度に基づいて刺激を受けるべきか否かを判定するために利用され得る。
【0204】
図24Fにさらに示されるように、いくつかの例では、刺激部分2900は、自動滴定パラメータ2920を含み、これによって、刺激療法の強度は、治療期間内に、より大きい強度(例えば、より大きい振幅、より多い頻度、および/もしくはより大きいパルス幅)、またはより小さい強度であるように自動的に滴定(すなわち、調整)され得る。
【0205】
いくつかのそのような例では、および既に説明されたように、そのような自動滴定は、いくつかの例では、感知された生理学的情報を介して取得され得る、睡眠の質に基づいて実装され得る。そのような例は、感知された呼吸情報への刺激の同期化と共に用いられ得るか(すなわち、閉ループ刺激)、または感知された呼吸情報への刺激の同期化なしで用いられ得る(すなわち、開ループ刺激)ことが理解されるであろう。
【0206】
いくつかの例では、自動滴定パラメータ2920の少なくともいくつかの態様は、Christophersonらの2015年1月20日に発行されたUS8,938,299、SYSTEM FOR TREATING SLEEP DISORDERED BREATHINGと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る、および/またはそれらを介して実装され得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0207】
いくつかの例では、図25Aにさらに示されるように、ケアエンジン2500の刺激部分2900は、「オフ期間」機能2930を含み得、これによって、ユーザまたは臨床医は、刺激がオフのままになる時間を調整し得、これは、以前の「オン期間」のパーセンテージとして表現され得る。いくつかの例では、刺激のための「オフ期間」は、呼気アクティブ位相2354(図24A)と一致する。しかしながら、いくつかの例では、一旦、ユーザまたは臨床医によって有効化されると、「オフ期間」(すなわち、刺激なし)設定は、検出された位相(例えば、図24Aの2352、2354、2356)に関係なく実装される。
【0208】
いくつかの例では、図25Aにさらに示されるように、ケアエンジン2500の刺激部分2900は、所与の刺激サイクルに対する刺激の「オン期間」に対する最大時間を調整するために患者または臨床医によって使用され得る、「最大刺激」機能2930を含み得、「オン期間」に対する最大時間の後、「オフ期間」が発生する。「オン期間」は、選択可能な所定の期間、延長され得る。いくつかの例では、刺激のための「オン期間」は、吸気位相2352(図24A)と一致する。いくつかのそのような例では、一旦、ユーザまたは臨床医によって有効化されると、刺激の「オン期間」は、検出された位相(例えば、図24Aの2352、2354、2356)に関係なく実装される。
【0209】
図25Aは、例示的な制御部分4000を模式的に表すブロック図である。いくつかの例では、制御部分4000は、図1図24および図25B図52と関連して本開示の例を通して説明されるように、センサ、感知要素、呼吸判定要素、刺激要素、電力/制御要素(例えば、パルス発生器)、要素、デバイス、ユーザインターフェース、命令、情報、エンジン、要素、機能、措置、ならびに/または方法の一部を形成する、それらを実装する、および/または一般的に管理する、制御部分の1つの例示的な実施態様を提供する。
【0210】
いくつかの例では、制御部分4000は、コントローラ4002およびメモリ4010を含む。一般的に、制御部分4000のコントローラ4002は、少なくとも1つのプロセッサ4004および関連付けられたメモリを備える。コントローラ4002は、本開示の例を通して説明されるように、センサ、感知要素、呼吸判定要素、刺激要素、電力/制御要素(例えば、パルス発生器)、デバイス、ユーザインターフェース、命令、情報、エンジン、要素、機能、措置、ならびに/または方法のうちの少なくともいくつかの動作を指示するために制御信号を生成するようにメモリ4010と電気的に連結可能であり、かつそれと通信可能である。いくつかの例では、これらの生成された制御信号は、限定されるものではないが、メモリ4010内に記憶された命令4011および/または情報4012を用いて、患者の呼吸情報を少なくとも判定することを含む。呼吸情報のそのような判定は、閉塞性睡眠時無呼吸、低呼吸、および/または中枢性睡眠時無呼吸などの、睡眠呼吸障害の治療の指示および管理の一部を含み得る。いくつかの事例では、コントローラ4002または制御部分4000は、上記に識別された措置、機能などを実施するようにプログラムされていると言及される場合があり、そのため、コントローラ4002、制御部分4000、および任意の関連付けられたプロセッサは、専用コンピュータ、制御部分、コントローラ、またはプロセッサであると言及される場合がある。いくつかの例では、記憶された命令4011の少なくともいくつかは、ケアエンジン、感知エンジン、呼吸判定エンジン、モニタリングエンジン、および/または治療エンジンとして実装されるか、またはそのように呼ばれ得る。いくつかの例では、記憶された命令4011および/または情報4012のうちの少なくともいくつかは、ケアエンジン、感知エンジン、呼吸判定エンジン、モニタリングエンジン、および/または治療エンジンのうちの少なくとも一部を形成し得る、および/またはそのように呼ばれ得る。
【0211】
ユーザインターフェース(例えば、図26のユーザインターフェース4040)を介して、および/または機械可読命令を介して、受信されたコマンドに応答して、またはそれに基づいて、コントローラ4002は、本開示の少なくともいくつかの例に従って上記に説明されたように、制御信号を生成する。いくつかの例では、コントローラ4002は、汎用コンピューティングデバイスで具現化され、一方、いくつかの例では、コントローラ4002は、本開示の例を通して説明されるように、センサ、感知要素、呼吸判定要素、刺激要素、電力/制御要素(例えば、パルス発生器)、デバイス、ユーザインターフェース、命令、情報、エンジン、要素、機能、措置、および/または方法などのうちの少なくともいくつかに組み込まれるか、またはそれらと関連付けられる。
【0212】
本出願の目的のために、コントローラ4002を参照する際、「プロセッサ」という用語は、メモリに含まれる機械可読命令を実行する、現在開発された、または将来開発されるプロセッサ(または処理リソース)を意味する。いくつかの例では、制御部分4000のメモリ4010を介して提供されたものなどの機械可読命令の実行は、プロセッサに、本開示の少なくともいくつかの例で一般的に説明されている(またはそれと一致する)、感知、モニタリング、呼吸情報を判定すること、刺激、治療などを実装するように、コントローラ4002を動作させることなどの、上記で識別された措置を実施させる。機械可読命令は、メモリ4010によって表されるように、読み出し専用メモリ(ROM)、マスストレージデバイス、またはいくつかの他の永続ストレージ(例えば、非一時的有形媒体または不揮発性有形媒体)内のそれらの記憶された場所からのプロセッサによる実行のために、ランダムアクセスメモリ(RAM)に読み込まれ得る。いくつかの例では、機械可読命令は、一連の命令、プロセッサ実行可能機械学習モデルなどを含み得る。いくつかの例では、メモリ4010は、コントローラ4002のプロセスによって実行可能な機械可読命令の不揮発性ストレージを提供するコンピュータ可読有形媒体を含む。いくつかの例では、コンピュータ可読有形媒体は、コンピュータプログラム製品と呼ばれる場合もあり、それの少なくとも一部分を含み得る。他の例では、ハードワイヤード回路は、説明される機能を実装するために、機械可読命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用され得る。例えば、コントローラ4002は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの一部として具現化され得る。少なくともいくつかの例では、コントローラ4002は、ハードウェア回路および機械可読命令の任意の特定の組み合わせに限定されず、コントローラ3002によって実行される機械可読命令の任意の特定のソースにも限定されない。
【0213】
いくつかの例では、制御部分4000は、スタンドアロンデバイス内に、またはそれによって完全に実装され得る。
【0214】
いくつかの例では、制御部分4000は、センサ、感知要素、呼吸判定要素、モニタリングデバイス、刺激デバイス、無呼吸治療デバイス(またはその一部分)などのうちの1つに部分的に実装されてもよく、無呼吸治療デバイス(またはその一部分)とは別個で独立しているが、無呼吸治療デバイス(またはその一部分)と通信しているコンピューティングリソースに部分的に実装されてもよい。例えば、いくつかの例では、制御部分4000は、クラウドおよび/または他のネットワーク経路を介してアクセス可能なサーバを介して実装され得る。いくつかの例では、制御部分4000は、サーバ、無呼吸治療デバイス(またはその一部分)、および/またはユーザインターフェースの間などの、複数のデバイスまたはリソースの間で分散または配分され得る。
【0215】
いくつかの例では、制御部分4000は、図26に示されるように、ユーザインターフェース4040を含む、および/またはそれと通信している。
【0216】
図25Bは、本開示の1つの例による、制御部分4000(図25A)が実装され得る制御部分4020の少なくともいくつかの例示的な配置を概略的に例示する図である。いくつかの例では、制御部分4020は、本開示を通して既に説明されたようにパルス発生器(例えば、電力/制御要素)と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを有する、IPGアセンブリ4025内またはそれによって完全に実装される。いくつかの例では、制御部分4020は、患者制御4032および/または医師制御4034などの、患者の体外の遠隔制御4034(例えば、プログラマ)内に、またはそれによって完全に実装される。いくつかの例では、制御部分4000は、IPGアセンブリ4025に部分的に実装され、遠隔制御4030(患者制御4032および医師制御4034のうちの少なくとも1つ)に部分的に実装される。
【0217】
図26は、本開示の1つの例による、ユーザインターフェース4040を概略的に表すブロック図である。いくつかの例では、ユーザインターフェース4040は、患者の外部のデバイスの一部を形成する、および/またはそれを介してアクセス可能であり、それによって、療法システムは、少なくとも部分的に制御および/またはモニタリングされ得る。ユーザインターフェース4040をホストする外部デバイスは、患者遠隔(例えば、図25Bの4032)、医師遠隔(例えば、図25Bの4034)、および/または臨床医ポータルであり得る。いくつかの例では、ユーザインターフェース4040は、図1図52と関連して説明されるように、センサ、感知要素、呼吸判定要素、刺激要素、電力/制御要素(例えば、パルス発生器)、デバイス、ユーザインターフェース、命令、情報、エンジン、要素、機能、措置、ならびに/または方法などのうちの少なくともいくつかの同時表示、起動、および/または動作を提供するユーザインターフェースまたは他のディスプレイを含む。いくつかの例では、ユーザインターフェース4040の少なくともいくつかの部分または態様は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して提供され、ディスプレイ4044および入力4042を含み得る。
【0218】
図27は、移植可能なデバイス(IMD)4310(例えば、移植可能なデバイス606、移植可能なパルス発生器2133、移植可能な感知モニタなど)が患者の外側の外部デバイスと無線通信し得るいくつかの例示的な実施態様を概略的に表すブロック図4300である。図27に示されるように、いくつかの例では、IMD4310は、モバイルデバイス4320上の患者アプリ4330、患者遠隔制御4340、臨床医プログラマ4350、および患者管理ツール4336のうちの少なくとも1つと通信し得る。患者管理ツール4336は、クラウドベースのポータル4362、患者アプリ4330、および/または患者遠隔制御4340を介して実装され得る。他のタイプのデータの中でも、これらの通信配置は、IMD4310が、呼吸判定情報を通信、表示、管理などを行うことを可能にすると共に、必要とされる場合、例示的なデバイスおよび方法の様々な要素、部分などに対する調整を可能にする。
【0219】
図28A図46は、様々な例示的な方法を概略的に表す一連のブロック図および/またはフロー図である。いくつかの例では、図28A図46の様々な方法は、図1図27と関連して既に説明されたように、センサ、感知要素、呼吸判定要素、刺激要素、電力/制御要素(例えば、パルス発生器)、デバイス、ユーザインターフェース、命令、情報、エンジン、要素、機能、措置、ならびに/または方法のうちの少なくともいくつかを介して実装され得る。いくつかの例では、図28~46における様々な方法は、図1~27と関連して既に説明されたもの以外の要素を介して実装され得る。
【0220】
いくつかの例では、図28A図46における例示的な方法のうちの1つ以上は、様々な組み合わせで一緒に用いられ得る。いくつかの例では、図28図46の例示的な方法のうちの1つ以上は、図1図27と関連して既に説明された例示的な方法およびデバイスの一部として、および/またはそれらと一緒に使用され得る。
【0221】
図28Aの5000に示されるように、いくつかの例示的な方法は、患者の呼吸のための身体部分の第1の部分に加速度センサを移植して固設することと、加速度センサを介して、呼吸によって引き起こされる呼吸のための身体部分の第1の部分における回転運動を感知することを介して呼吸情報を判定することと、を含む。いくつかの例では、呼吸のための身体部分は、少なくとも図1図46と関連して説明されるものなどの、限定されるものではないが、胸壁などの、胸部(例えば、胸郭)を含み得る。いくつかの例では、呼吸のための身体部分は、少なくとも図47図52と関連して、かつ本開示の例を通して説明されるものなどの、限定されるものではないが、腹壁などの、腹部を含み得る。呼吸のための身体部分は、必ずしも胸部および/または腹部に限定されないが、いくつかの例では、呼吸によって引き起こされる回転運動を呈し、かつ限定されるものではないが、呼吸形態などの呼吸情報の感知が取得され得る、患者の任意の他の身体部分を含み得ることが理解されるであろう。
【0222】
図28Bの5020に示されるように、いくつかの例示的な方法は、患者の胸壁の第1の部分に加速度センサを移植して固設することと、加速度センサを介して、呼吸によって引き起こされる胸壁の第1の部分における回転運動を感知することを介して呼吸情報を判定することと、を含む。
【0223】
図29の5100に示されるように、いくつかの例示的な方法は、地球重力場(例えば、重力ベクトルG)に対する回転運動を感知することを含む。
【0224】
図30の5150に示されるように、いくつかの例示的な方法は、3つの独立直交軸のうちの少なくとも1つに従って回転運動を感知することを含む。
【0225】
図31の5200に示されるように、いくつかの例示的な方法は、3つの独立直交軸の少なくとも2つからの感知された回転運動を組み合わせることを含む。そのような組み合わせを介して、例示的な方法は、呼吸情報を判定するための複合回転情報(例えば、図5)を生成し得る。いくつかの例では、そのような組み合わせはまた、n個の単軸感知要素によって生成される多次元加速度ベクトルのAC成分に少なくとも基づいて、複合回転運動およびしたがって呼吸情報の判定を実施するために、既に説明された例示的な方法によって実装され得る。
【0226】
図32の5250に示されるように、いくつかの例示的な方法は、少なくとも1つの呼吸期間中の少なくとも1つの測定軸の、治療期間中の第1の身体位置に対する、第1の信号の値の変化を追跡することを含む。
【0227】
図33の5300に示されるように、いくつかの例示的な方法は、胸壁の並進運動に関する測定情報をセンサから別個に識別することなく、呼吸情報を判定することを含む。この配置を介して、いくつかの例示的な方法/デバイスでは、角度配向の最大範囲(またはAC信号成分の値の最大範囲)に従って加速度感知(胸壁の一部分における回転運動の)によって呼吸情報を判定することは、呼吸情報を判定する際に並進の動きを直接考慮することなく、実施され得る。いくつかの例では、回転運動(胸壁の一部分の)に対応するAC信号成分の大きさは、並進運動(胸壁の一部分の)に対応するAC信号成分の大きさよりも実質的に大きくなり得る。いくつかの例では、少なくともこの文脈では、「実質的により大きい」という用語は、50パーセントより大きい、100パーセントより大きい、150パーセントより大きいなどの差を含む。いくつかの例では、少なくともこの文脈では、「実質的により大きい」という用語は、少なくとも1桁の大きさの差を含む。したがって、少なくともいくつかのそのような例では、いくつかの並進運動が感知されても、感知された回転運動が、呼吸中の胸壁の一部分の回転運動中の加速度センサの傾斜角度を測定するときにAC信号成分を支配する。
【0228】
図34の5400に示されるように、いくつかの例示的な方法は、理想的な基準配向と実際の移植配向との間の差に関する測定された傾斜角度を較正することなく、回転運動を感知することを含む。
【0229】
図35の5450に示されるように、いくつかの例示的な方法は、ピッチパラメータ、ヨーパラメータ、およびロールパラメータのうちの少なくとも1つとして回転運動を識別することを含む。
【0230】
図36の5500に示されるように、いくつかの例示的な方法は、呼吸中の感知された回転運動の大きさを最大化するために移植場所を選択することを含む。いくつかの例では、移植場所、移植配向などは、感知された回転運動が最大の取得可能な値ではない場合がある場合および/またはそのようなときでも、呼吸情報(例えば、呼吸形態)を正確に、および/または確実に判定するために、呼吸中に感知された回転運動の十分に高い程度を確保するように選択され得る。
【0231】
図37Aの5550に示されるように、いくつかの例示的な方法は、心臓ノイズ、筋肉ノイズ、および測定ノイズのうちの少なくとも1つを除外しながら、感知された回転運動を介して、呼吸情報を判定することを含む。特に、感知された加速度信号は、心臓ノイズ、測定ノイズ、および筋肉ノイズを拒否しながら、低周波数呼吸信号情報を回復するためにフィルタ処理される。このフィルタ処理は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタなどの線形フィルタを用いてもよく、および/または中央値フィルタおよびカルマンフィルタなどの非線形フィルタを用いてもよい。
【0232】
図37Bの5555に示されるように、いくつかの例示的な方法は、ノイズモデルを構築すること、およびノイズモデルを感知された加速度信号から減算することを介して、感知された呼吸情報の信号対ノイズ比を増加させることを含む。いくつかの例では、ノイズモデルは、図24Eの2470で既に説明されたノイズモデルと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得、図24Aの例示的な方法(および/または配置)2300における呼吸情報の判定を強化する一部として使用され得る(いくつかの例では)。既に説明されたように、いくつかの例では、ノイズモデルは、呼吸情報を判定することとは無関係であるが、感知された加速度信号の大きさおよび/または配向に別様に影響を与え得る、様々なタイプの活動、位置、環境などによって引き起こされる、患者の感知された加速度信号内の特質(例えば、形態、周波数含量など)を識別することを介して構築され得る。一旦、構築されると、ノイズモデルは、感知された加速度信号から減算され得、それによって、感知された加速度信号(複数可)内の呼吸特徴(例えば、形態)の信号対ノイズ比を増加させる。
【0233】
図38の5600に示されるように、いくつかの例示的な方法は、地球重力ベクトルに対して略垂直に整列された第1の測定軸の傾斜角度を測定することとして、少なくとも1つの加速度信号を測定することを含む。
【0234】
図39の5650に示されるように、いくつかの例示的な方法は、回転運動の感知中に(例えば、その時点で)起こる身体位置を判定することなく、回転運動の加速度感知を実施することを含む。
【0235】
図40の5700に示されるように、いくつかの例示的な方法は、回転運動の感知の時点で各それぞれの異なる睡眠身体位置を判定することなく、数個の異なる睡眠身体位置の各々の間に、回転運動(胸壁の一部分の)の感知を実施することを含む。
【0236】
図41の5750に示されるように、いくつかの例示的な方法は、それぞれの判定された値の範囲の経時的なプロファイルに基づいて、呼吸位相情報を含む呼吸形態を判定することを含む。
【0237】
図42の5800に示されるように、いくつかの例示的な方法は、感知された回転運動から、吸気位相、呼気アクティブ位相、および呼気後休止位相を含む呼吸形態を判定することを含む。
【0238】
図43の5850に示されるように、いくつかの例示的な方法は、判定された吸気位相、呼気アクティブ位相、および呼気後休止位相の確信度を識別することを含む。
【0239】
図44の5900に示されるように、いくつかの例示的な方法は、姿勢情報、心拍数情報、および/または睡眠状態情報を含む追加の基準に基づいて確信度をさらに判定することを含む。
【0240】
図45の5950に示されるように、いくつかの例示的な方法は、選択可能な吸気閾値、選択可能な呼気アクティブ位相閾値、および/または選択可能な呼気停止位相閾値を適用することを介して、それぞれの吸気位相、呼気アクティブ位相、および呼気後休止位相の抽出を実装することを含む。
【0241】
図46の6000に示されるように、いくつかの例示的な方法は、加速度センサを少なくとも2つの直交軸を含むように配置することを含み、その各々が、患者の第1の身体位置に応じて、感知された回転運動から呼吸情報の少なくとも一部分を生成する。
【0242】
少なくとも図47図52と関連して説明される例は、限定されるものではないが、腹部などの、胸部以外の呼吸のための身体部分における感知を介して呼吸情報を判定することに対処する。いくつかの例では、呼吸情報のそのような判定は、胸部の代わりに腹部の文脈に適用されることを除いて、図1図46と関連して既に説明されたものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを用い得る。
【0243】
これを念頭に置いて、いくつかの例では、胸部領域および腹部領域の両方における感知が、呼吸情報を判定するおよび/または睡眠呼吸障害を治療するために実施され得ることがさらに理解される。腹部における感知および胸部における感知は、同時に、交互に、または中枢性睡眠時無呼吸が存在するか否か、閉塞性睡眠時無呼吸が存在するか否か、もしくはマルチタイプの睡眠時無呼吸(例えば、中枢性および閉塞性睡眠時無呼吸の両方の態様)が存在するか否かなどの、遭遇する特定の生理学的状態に応じて、実施され得る。
【0244】
図47の7000に示されるように、いくつかの例示的な方法は、患者の腹部の第1の部分に加速度センサを移植して固設することと、加速度センサを介して、呼吸によって引き起こされる腹部の第1の部分における回転運動を感知することを介して呼吸情報を判定することと、を含む。いくつかのそのような例では、腹部は、前方腹壁、側方腹壁、および後方腹壁、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る腹壁を含む。いくつかのそのような例では、加速度感知に加えて、図24Fの少なくとも感知部分2510と関連して既に説明された感知の形態の少なくともいくつかが、呼吸情報を判定するために使用され得る。
【0245】
図48は、例示的な方法および/または例示的なセンサ104Aを概略的に表す、側面図を含む図7120である。図48に示されるように、いくつかの例では、センサ104Aは、呼吸によって引き起こされる感知要素122Aの回転運動時に傾斜角度(Ω)を測定するように配置される、感知要素122Aを備え得る。いくつかの例では、図48の方法および/または例示的なセンサ104Aは、呼吸情報を示す腹部における回転運動を感知するために腹部に移植して固設されることを除いて、少なくとも図2と関連して既に説明された例示的な方法および/または例示的なセンサ104Aと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。
【0246】
センサ104Aは、腹壁の筋肉層(複数可)の上部またはそれに固設され得るが、一方、いくつかの例では、センサ104Aは、腹壁の筋肉層(複数可)の上部に固設されることなく、または腹壁の筋肉層(複数可)に固設することなく、皮下に固設され得る。いくつかのそのような例では、センサ104Aは、腹部の非骨解剖学的構造に固設され得る。
【0247】
図48に表されるように、呼吸中に腹壁7102Aの少なくとも一部分の回転運動時、感知要素122Aは、第1の角度配向YR1(実線で示される)と第2の角度配向YR2(破線で示される)との間で回転して移動し得る。いくつかのそのような例では、感知要素122Aの第1の角度配向YR1(実線で示される)は、呼吸サイクルのピーク満了(例えば、崩壊した状態の腹壁)に対応し得、感知要素122Aの第2の角度配向YR2(破線で示される)は、呼吸サイクルのピーク吸気(例えば、拡張した状態の腹壁)に対応し得る。少なくとも図1図3と関連して既に説明されたものと同様の様式で、感知要素122Aが角度配向の範囲(少なくとも第1の角度配向YR1と第2の角度配向YR2との間)を通って移動することと、それぞれの第1および第2の角度配向YR1、YR2が、概して、範囲の端を表し、固定された位置ではないことと、が理解されるであろう。
【0248】
少なくとも図48を参照すると、感知要素122Aは、破線で図示されるように、腹壁102Aの少なくとも一部分と共に移動することが理解されるであろう。したがって、感知要素122Aは、腹壁102Aに対して移動せず、むしろ、感知要素122Aは、呼吸中、腹壁7102Aの少なくとも一部分(感知要素122A)を含むセンサ104Aが移植されている)の回転運動と共に(例えば、それと同期して)回転して移動する。図48の破線7410に表されるように、センサ404は、少なくとも図1図46と関連して既に説明されたように、特徴および属性のうちの少なくともいくつかを有する、感知要素122A(Y軸)、感知要素162(Z軸)、および/または感知要素164(X軸)を含み得る。
【0249】
図47図48に説明される例示的な方法および/または例示的なデバイスは、図47図48の方法および/またはデバイスが、呼吸によって引き起こされる胸部の回転運動を介してではなく、呼吸によって引き起こされる腹部の回転運動を介して呼吸情報を感知するように適用されることを除いて、少なくとも部分的に、図1図46と関連して説明される様々な例のうちのいずれか1つまたは全てに従って実装され得ることがさらに更に理解されるであろう。したがって、いくつかの例では、感知要素122Aは、加速度計を含み、加速度計は、いくつかの例では単軸加速度計を含み得るか、またはいくつかの例では複数軸加速度計を含み得る。加速度計を介して、感知要素122Aは、回転の瞬間的な変化ではなく、重力(例えば、地球重力ベクトルG)に対するセンサ104Aの絶対回転(したがって、腹壁7102Aの一部分の回転)を判定し得る。いくつかの例では、要素122Aは、呼吸によって引き起こされる腹壁102の少なくとも一部分の運動と関連付けられた、上記の傾斜角度(Ω)の(少なくとも)値、および値の変化を測定する単一軸加速度計を含み得る。感知要素122Aの使用は、少なくとも図3図46と関連して説明されるように、呼吸情報を感知および判定する(回転運動を感知することを介してなど)、実質的に同一の特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得ることが理解されるであろう。
【0250】
いくつかの例では、図49に示されるように、センサ404(図8など)は、少なくとも図1図46と関連して既に説明されてものと同様の様式で(胸部の代わりに腹部であることを除いて)呼吸情報を判定するように腹部における回転運動を感知するために腹部409内に移植され得る。
【0251】
いくつかの例では、腹部409で感知される呼吸情報は、閉塞性睡眠時無呼吸を治療するために上気道開存性関連神経(例えば、舌下神経)などの呼吸関連神経を刺激するために、中枢性睡眠時無呼吸を治療するために横隔神経を刺激するために、またはマルチタイプの睡眠時無呼吸を治療するために両方のそのような神経を刺激するために、例示的な方法で使用され得る。
【0252】
したがって、図50に示されるように、いくつかの例では、加速度センサ(例えば、図49の404)は、腹部409内に皮下に移植された移植可能なパルス発生器(IPG)2133(図23A図23B)によって支援されるか、それと別様に関連付けられ得る。センサ404は、少なくとも図23A図23Bと関連して既に説明されたように、加速度計2135として実装され得る。したがって、加速度計2135を介して、例示的な方法および/またはデバイスは、呼吸情報を判定し得る。いくつかの例示的な方法および/またはデバイスでは、刺激電極2112は、腹部409内に移植可能であり、腹部場所などの、横隔神経2106を刺激するために、横隔神経に対していくつかの様式で連結されるように、IPG2133によって支援される。刺激電極2112は、カフ電極、パドル電極、経静脈送達可能な電極などとすることができる。いくつかのそのような例では、刺激電極(複数可)は、上気道開存性関連神経を刺激するために刺激電極が提供されないように、例示的な方法/デバイスの単独の刺激要素を含み得る。図50と関連するそのような加速度感知および/または刺激のための例示的な方法および/またはデバイスは、少なくとも図1図46と関連して既に説明されたものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。加速度センサが、呼吸情報を判定するために腹部領域内に移植されるいくつかの例では、他の感知形態が、同様に腹部領域内に移植され得る、ならびに/または少なくとも図1図46と関連して既に説明されたように、頭頸部領域内および/もしくは胸腔領域(例えば、胸部領域)内などの、他の場所に移植され得る。例えば、いくつかの例示的な方法および/またはデバイスは、胸腔領域406内に腹部移植された加速度センサ(呼吸情報を少なくとも部分的に判定するために)および心臓関連センサ(例えば、インピーダンス、ECGなど)を用い得る。
【0253】
図51に示されるように、いくつかの例では、加速度センサ(例えば、加速度計2135または単一の加速度感知要素)は、腹部領域409内に移植され得、刺激電極2112は、横隔神経2106に連結されて横隔神経を刺激するように移植され得る。この例は、IPG2133が、加速度計2135および刺激電極2112を支持するためにIPG2133から延在する単一のリード7710を伴って胸部領域などの胸郭領域内に移植されていることを除いて、図50と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。
【0254】
図52に示されるように、いくつかの例では、加速度センサ(例えば、加速度計2135)は、胸郭(例えば、胸部領域)内に移植され得、刺激電極2112は、患者の身体の頭頸部領域124または胸郭領域内の横隔神経216に対して連結され得る。
【0255】
いくつかの例では、パルス発生器2133および横隔神経2106を刺激するための関連付けられた刺激電極2112の両方は、パルス発生器2133および刺激電極2112が一緒に微小刺激装置の形態をとるときなどに、頭頸部領域内に位置し得る。いくつかのそのような例では、1つの刺激電極は、上気道開存性関連神経(例えば、舌下神経)を刺激するために頭頸部領域内に移植され得、別の別個の刺激電極は、横隔神経を刺激するために頭頸部領域内に移植され得る。いくつかのそのような例では、両方の神経は、マルチタイプの睡眠時無呼吸を治療する方法において刺激され得る(必ずしも同時にではないが)。
【0256】
図53に示されるように、いくつかの例示的なデバイス7900(および/または例示的な方法)では、パルス発生器2833および横隔神経2106を刺激するための関連付けられた刺激電極2812の両方は、パルス発生器2833および刺激電極2812が一緒に微小刺激装置7910の形態をとるときなどに、頭頸部領域内に位置し得る。いくつかのそのような例では、1つの刺激電極2812Aは、上気道開存性関連神経2105(例えば、舌下神経)を刺激するために頭頸部領域内に移植され得、別の別個の刺激電極2812Bは、横隔神経2106を刺激するために頭頸部領域内に移植され得る。いくつかのそのような例では、両方の神経は、マルチタイプの睡眠時無呼吸を治療する方法において刺激され得る(必ずしも同時にではないが)。いくつかの例では、図53の微小刺激装置7910は、少なくとも図23Cと関連して既に説明された微小刺激装置2260と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくともいくつかを含み得る。
【0257】
特定の例が本明細書に例示および説明されてきたが、様々な代替的および/または等価の実施態様が、本開示の範囲から逸脱することなく、示され、説明される特定の例に対して置換されてもよい。本出願は、本明細書で論じられる特定の例の任意の応用例または変形例を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図10I
図10J
図10K
図10L
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図25A
図25B
図26
図27
図28A
図28B
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37A
図37B
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53