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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】吸入器物品用ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20241112BHJP
   A24F 42/20 20200101ALI20241112BHJP
   A24F 42/60 20200101ALI20241112BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A24F42/20
A24F42/60
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022521017
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 IB2020059994
(87)【国際公開番号】W WO2021079345
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】19205471.6
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】カンピテッリ ジェンナーロ
(72)【発明者】
【氏名】モフセニ ファーハン
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/130158(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/186372(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/064119(WO,A1)
【文献】特表2019-536454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
A24F 42/20
A24F 42/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器物品用ホルダーであって、
吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、
前記ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブであって、かつ前記ハウジングの長軸方向軸に沿って前記ハウジング空洞内で移動可能である、スリーブであって、前記スリーブが、
スリーブ空洞と、
第一の開放端および第二の反対側の端とを備え、前記第一の開放端が吸入器物品を受容するように構成されていて、
前記スリーブの前記第二の反対側の端が、
前記スリーブ空洞の中に延び、かつ前記スリーブ空洞と流体連通する中央通路を有する管状要素であって、前記スリーブの内表面に面する外径を有する外表面を備え、吸入器物品の遠位端を受容するように構成された前記スリーブ空洞を有する環状陥凹部を形成する、管状要素、
および少なくとも一つの空気吸込み口を備える、スリーブと、を備え
前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記中央通路に対して接線方向である方向に延びて、空気が前記スリーブ空洞に入ることを可能にし、かつ前記スリーブ空洞に入る前記空気中に旋回気流パターンを誘発する、ホルダー。
【請求項2】
前記管状要素が少なくとも二つの空気吸込み口を備え、前記少なくとも二つの空気吸込み口が、前記中央通路に対して接線方向である方向に延びて、空気が前記スリーブ空洞に入ることを可能にし、かつ前記スリーブ空洞に入る前記空気中に旋回気流パターンを誘発する、請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記環状陥凹部が、かつ吸入器物品の遠位端を保持するよう構成される、請求項1~2のいずれかに記載のホルダー。
【請求項4】
前記管状要素が前記ハウジングの前記長軸方向軸と同軸である、請求項1~3のいずれかに記載のホルダー。
【請求項5】
前記管状要素が、前記スリーブ空洞内に受容された吸入器物品の遠位端の中に延びるように構成されている、請求項1~4のいずれかに記載のホルダー。
【請求項6】
ハウジングの内表面に固定された、かつそこから延びる貫通要素をさらに備え、前記貫通要素が前記スリーブの前記第二の反対側の端を通して、かつ前記ハウジングの長軸方向軸に沿って前記スリーブ空洞の中に延びるように構成されている、請求項1~5のいずれかに記載のホルダー。
【請求項7】
前記スリーブを前記貫通要素から離れて付勢するように構成されたばね要素をさらに備える、請求項6に記載のホルダー。
【請求項8】
前記吸入空気の実質的にすべてが、前記中央通路に対して接線方向である方向で前記管状要素に入る、請求項1~7のいずれかに記載のホルダー。
【請求項9】
前記スリーブが、前記スリーブの長軸方向の長さに沿って延びる細長いスロットを備え、かつ前記ハウジングが、前記ハウジング空洞の内表面から延びるピンをさらに備え、前記ピンが前記細長いスロットと嵌合するように構成されている、請求項1~8のいずれかに記載の吸入器物品用ホルダー。
【請求項10】
前記スリーブが、前記スリーブを通る少なくとも一つの空気開口を備える第一の空気吸込み口ゾーンを画定し、前記第一の空気吸込み口ゾーンが前記スリーブの前記第一の開放端に近接し、前記第一の空気吸込み口ゾーンが、前記スリーブと前記ハウジングとの間に形成された気流チャネルに空気が流れることを可能にするように構成されていて、かつ前記スリーブが、前記第一の空気吸込み口ゾーンから下流の第二の空気吸込み口ゾーンを備え、前記第二の空気吸込み口ゾーンが、前記スリーブ空洞に空気が入ることを可能にするように構成された前記スリーブの前記第二の反対側の端を備える、請求項1~9のいずれかに記載のホルダー。
【請求項11】
吸入器システムであって、
吸入器長軸方向軸に沿ってマウスピース端から遠位端に延びる本体、および前記吸入器物品本体内に配置されたカプセルを備える吸入器物品と、
請求項1~10のいずれかに記載の吸入器物品用ホルダーであって、前記スリーブが、前記スリーブ空洞内に受容された前記吸入器物品を保持する、ホルダーと、を備える吸入器システム。
【請求項12】
前記カプセルがカプセル空洞内に保持されていて、かつ前記スリーブの前記第二の反対側の端によって形成された旋回吸入気流を受容するように構成されていて、前記カプセル空洞が、フィルター要素によって下流で境界付けられていて、かつ開放管状要素によって上流で境界付けられている、請求項11に記載の吸入器システム。
【請求項13】
前記吸入器物品の開放管状要素が、前記スリーブ管状要素の前記第二の反対側の端と嵌合する、請求項12に記載の吸入器システム。
【請求項14】
前記吸入器物品の前記マウスピース端が、前記吸入器システムのマウスピースを形成する、請求項11~13のいずれか一項に記載の吸入器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸入器物品用ホルダーと、ホルダーおよび吸入器物品を含む吸入器システムとに関する。ホルダーは、旋回吸入気流を発生し、かつ消費中に旋回気流を吸入器物品に送るように構成されている。
【背景技術】
【0002】
乾燥粉末吸入器は、従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内である吸入量または気流量で乾燥粉末粒子を肺に提供するために常に完全に適切であるわけではない。乾燥粉末吸入器は、操作するのに複雑である場合があり、または可動部品を伴う場合がある。乾燥粉末吸入器は多くの場合、一回の呼吸で乾燥粉末用量またはカプセル装填量の全体を提供しようとする。
【0003】
特に吸入器システムの吸入器物品に関して、複雑な部品を最少化する吸入器システムを提供することが望ましいことになる。消費中に粒子のカプセルを効率的に枯渇させる吸入器システムを提供することが望ましいことになる。吸入器物品の中に旋回吸入気流を誘発する吸入器物品用ホルダーを提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸入器物品を起動し、かつ消費中に吸入器物品を保持する吸入器物品用ホルダーを提供することが望ましいことになる。吸入器物品を起動することができる吸入器物品用の薄型で再使用可能なホルダーを含む吸入器システムを提供することが望ましいことになる。従来の喫煙方法での吸入量または気流量以内の吸入量または気流量でニコチン粒子を肺に提供するニコチン粉末吸入器を提供することが望ましいことになる。また、従来の紙巻たばこに類似する形態を有する吸入器物品を用いてニコチン粉末を送達することも望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は吸入器物品用ホルダーを対象とする。ホルダーは、消費中に吸入器物品への旋回吸入気流を誘発するように構成されている。ホルダーおよび吸入器物品は吸入器システムを形成してもよく、本開示はこのシステムも対象とする。
【0006】
本発明の態様によると、吸入器物品用ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を備え、またハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を備える。スリーブの第二の反対側の端は、空気がスリーブ空洞に入ることを可能にするように構成されている。スリーブの第二の反対側の端は、スリーブ空洞に入る空気中に旋回を誘発するように構成されている。
【0007】
本発明の態様によると、吸入器物品用ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を含み、ハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を含む。第一の開放端は吸入器物品を受容するように構成されていて、スリーブの第二の反対側の端は、スリーブ空洞と流体連通する中央通路と、少なくとも一つの空気吸込み口とを有する管状要素を含む。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びて、空気がスリーブ空洞に入ることと、スリーブ空洞に入る空気中に旋回気流パターンを誘発することとを可能にする。
【0008】
有利なことに、再使用可能なホルダーの中に旋回発生構造を組み込むことは、吸入器物品の構造を単純化し、吸入器システムの複雑さを低減する場合がある。旋回吸入気流を受容する吸入器物品は、製造がより簡単であり、また旋回吸入気流を誘発または形成するための構造を含む必要がある吸入器物品よりも単純な構造を有する場合がある。より単純な吸入器物品はまた、より少ない環境負荷を呈する場合がある。
【0009】
スリーブの第二の反対側の端は、スリーブ空洞と流体連通する中央通路を有する管状要素を備えてもよい。第二の反対側の端は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口を含んでもよい。中央通路に入る空気は、スリーブの外側の空気であってもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びてもよい。管状要素は、中央通路に対して接線方向で延びる少なくとも二つの空気吸込み口を備えてもよい。管状要素は、中央通路に対して接線方向で延びる少なくとも三つの空気吸込み口を備えてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、スリーブの横断方向で延びることが好ましい。スリーブの横断方向は、スリーブによって画定された長軸方向に対して直交する、または直角を成す方向である。スリーブは円筒状であることが好ましい。これらの接線方向空気吸込み口は吸入気流と協働して、管状部材の中央通路の中に、旋回するまたは旋回される気流パターンを形成または誘発する。ホルダーのスリーブおよび管状要素内に吸入器物品が受容されると、この旋回するまたは旋回される気流パターンは、吸入器物品全体を通して、かつ吸入器物品のマウスピースの外に送られる。
【0010】
有利なことに、管状要素の中への接線方向の吸入気流は、中央通路内で回転気流または旋回気流を誘発する。この回転気流または旋回気流は、ホルダーのスリーブ内に受容された吸入器物品のカプセル空洞の中に提供され、または送られてもよい。回転気流または旋回気流は、カプセル空洞内に包含されたカプセルが回転して、粒子を消費者への回転気流または旋回気流中に放出するように誘発する。
【0011】
中央通路を画定する管状要素はスリーブ空洞の中に延びてもよく、また吸入器物品の遠位端を受容するように構成されたスリーブ空洞を有する環状陥凹部を形成してもよい。中央通路を画定する管状要素はスリーブ空洞の中に延びてもよく、また吸入器物品の遠位端を保持するように構成されたスリーブ空洞を有する環状陥凹部を形成する。中央通路を画定する管状要素は、スリーブ空洞内に受容された吸入器物品の遠位端の中に延びるように構成されてもよい。実質的にすべての吸入空気は、中央通路に対して接線方向である方向で管状要素に入る。
【0012】
有利なことに、受容された吸入器物品と嵌合するスリーブの第二の反対側の端上に特徴を提供することは、旋回誘発スリーブから、スリーブ内に受容された吸入器物品への確実な気流接続を改善する場合がある。また、締まり嵌めは、吸入器物品がスリーブまたは関連付けられたホルダーから外れないように、スリーブ内に受容された吸入器物品の安全な係合を提供する場合がある。
【0013】
ホルダーは、ハウジングの内表面に固定された、かつハウジングの内表面から延びる貫通要素をさらに含んでもよい。貫通要素は、スリーブの第二の反対側の端を通して、ハウジングの長軸方向軸に沿ってスリーブ空洞の中に延びるように構成されている。
【0014】
ホルダーは、スリーブを貫通要素から離れて付勢するように構成されたばね要素をさらに含んでもよい。スリーブは、スリーブの長軸方向の長さに沿って延びる細長いスロットを含んでもよい。ハウジングは、ハウジング空洞の内表面から延びるピンをさらに含んでもよい。ピンは、細長いスロットと嵌合するように構成されてもよい。
【0015】
スリーブは、スリーブを通る少なくとも一つの空気開口を有する第一の空気吸込み口ゾーンを画定してもよい。第一の空気吸込み口ゾーンは、スリーブの第一の開放端に近接する。第一の空気吸込み口ゾーンは、スリーブとハウジングの間に形成された気流チャネルに空気が流れることを可能にするように構成されてもよい。スリーブは、第一の空気吸込み口ゾーンから下流の第二の空気吸込み口ゾーンを含む。第二の空気吸込み口ゾーンは、空気がスリーブ空洞に入ることを可能にするように構成されたスリーブの第二の反対側の端を含む。
【0016】
本発明の別の態様によると、吸入器システムは、本明細書に記載の通りの吸入器物品用ホルダーと、吸入器物品とを備える。ホルダーのスリーブは、スリーブ空洞内に受容された吸入器物品を保持する。吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に、吸入器の長軸方向軸に沿って延びる本体を備える。カプセルは吸入器物品本体内に配置されている。
【0017】
有利なことに、回転気流または旋回気流を誘発する再使用可能なホルダーは、関連する消耗品吸入器物品の複雑さを低減する。これは、これらの吸入器システムの全体的な製造のコストを低減し、かつカプセルの枯渇の信頼性または効率を改善する場合がある。
【0018】
カプセルはカプセル空洞内に保持されていて、またスリーブの第二の反対側の端によって形成された旋回吸入気流を受容するように構成されている。カプセル空洞は、フィルター要素によって下流で境界付けられていて、かつ開放管状要素によって上流で境界付けられている。
【0019】
吸入器物品の開放管状要素は、スリーブ管状要素の第二の反対側の端と嵌合する。吸入器物品のマウスピース端は、吸入器システムのマウスピースを形成してもよい。
【0020】
有利なことに、回転気流または旋回気流をホルダーからカプセル空洞に受容し、および送り、吸入器物品内のカプセルの回転を誘発する開放遠位端を吸入器物品が有する吸入器システムは、吸入器システムの全体的な製造コストを低減する場合あり、また消費中のカプセルの確実な枯渇を改善する場合がある。交換可能な消耗品吸入器物品は、消費された吸入器物品が未使用の吸入器物品と交換されるたびに、清浄なマウスピースを提供する。
【0021】
有利なことに、吸入器システムは、可動部品を最少化する吸入器システムを提供する。有利なことに、吸入器システムは、ホルダー内に受容された吸入器物品に回転気流または旋回気流を誘発する別個のホルダーを利用する。これは、ホルダーが再使用可能であること、および吸入器物品が単回使用後に使い捨て可能であることを可能にする場合がある。有利なことに、吸入器システムは、ニコチン粒子を従来の喫煙方法の吸入量または気流量内の吸入量または気流量で、肺に効率的に提供する。吸入器は、従来の紙巻たばこに類似する形態を有する吸入器物品を用いて、ニコチン粉末を送達する。本明細書に記載の吸入器システムは、従来の喫煙方法の吸入量または気流量内の吸入量または気流量で乾燥粉末を肺に提供してもよい。消費者は、カプセル空洞内に包含されたカプセル内に含有された乾燥粉末の部分量を各「吸煙」が送達する、複数の吸入もしくは「吸煙」を行ってもよい。この吸入器物品は、従来の紙巻たばこに類似する形態を有してもよく、従来の喫煙を模倣してもよい。この吸入器物品は製造するのが単純で、かつ消費者が使用するのに好都合である場合がある。
【0022】
吸入器物品のカプセル空洞を通した気流管理は、吸入中および消費中にその中に包含されたカプセルを回転させる場合がある。カプセルは、ニコチンを含有する粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含有してもよい。貫通されたカプセルの回転は、貫通されたカプセルから、吸入器物品を通して移動する吸入空気の中に放出されたニコチン粒子を懸濁およびエアロゾル化してもよい。風味粒子は、ニコチン粒子よりも大きくてもよく、またユーザーの肺へのニコチン粒子の搬送を補助してもよく、その一方で風味粒子はユーザーの口または口腔に優先的に留まる。ニコチン粒子および随意の風味粒子は従来の喫煙方法の吸入量または気流量内の吸入量または気流量で、吸入器物品を用いて送達されてもよい。
【0023】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、およびこれに類するものなど)を指す。
【0024】
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性もしくは芳香特性を変化させる、また変化させるように意図されている、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を指す。
【0025】
「上流」および「下流」という用語は、吸入気流がホルダーの本体、吸入器物品、および吸入器システムを通して引き出される際の吸入気流の方向に関して記述されるホルダー、吸入器物品、および吸入器システムの要素の相対的な位置を指す。
【0026】
「近位」および「遠位」という用語は、ホルダー、吸入器物品、またはシステムの構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。本発明によると、ホルダーまたはホルダーを形成する要素(スリーブなど)は、使用時に吸入器物品を受容する近位端と、閉鎖端であってもよい、またはホルダーの近位端に近い端を有する反対側の遠位端とを有する。本発明によると、吸入器物品は近位端を有する。使用時、ニコチン粒子は、ユーザーへの送達のために吸入器物品の近位端を出る。吸入器物品は、近位端の反対側の遠位端を有する。吸入器物品の近位端はまた、口側端と呼ばれる場合がある。
【0027】
本明細書に記載の吸入器物品用ホルダーは、カプセルを貫通することによって吸入器物品を起動するためのカプセルを包含する、かつ吸入器物品内のカプセルの確実な起動を(ホルダーの貫通要素でカプセルを穿孔することによって)提供する、かつカプセル内部に含有された粒子を放出し、物品が粒子を消費者に送達することを可能にする、吸入器物品と組み合わされてもよい。ホルダーは吸入器物品と別個であるが、消費者は吸入器物品内で放出される粒子を消費しながら、吸入器物品とホルダーの両方を利用してもよい。複数のこれらの吸入器物品は、ホルダーと組み合わせられて、システムまたはキットを形成してもよい。単一のホルダーは、各吸入器物品内に包含されたカプセルを起動(穿孔または貫通)し、確実な起動または随意に、各吸入器物品について吸入器物品の起動の視覚的表示(マーキング)を提供するために、10個以上、または25個以上、または50個以上、または100個以上の吸入器物品で利用されてもよい。
【0028】
吸入器物品用ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を備え、またハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を備える。スリーブの第二の反対側の端は、空気がスリーブ空洞に入ることを可能にするように構成されている。スリーブの第二の反対側の端は、スリーブ空洞に入る空気中に旋回を誘発するように構成されている。
【0029】
吸入器システムは、本明細書に記載の通りの吸入器物品と、吸入器物品用ホルダーとを備える。ホルダーのスリーブは、スリーブ空洞内に受容された吸入器物品を保持する。吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に、吸入器の長軸方向軸に沿って延びる本体を備える。カプセルは吸入器物品本体内に配置されている。
【0030】
方法は、本明細書に記載の通り、吸入器物品を吸入器物品用ホルダーのスリーブの中に挿入することを含む。吸入器物品は本体(本体はマウスピース端から遠位端に、吸入器長軸方向軸に沿って延びる)と、本体の長さと、吸入器物品本体内に配置されたカプセルとを含む。次いで、貫通要素がカプセルを貫通するまで、吸入器物品およびスリーブを貫通要素に向かって移動させる。次いで、ホルダーのスリーブの第二の反対側の端の中に空気を引き出し、旋回吸入気流を形成する。この旋回吸入気流は次いで、吸入器物品の中に送られ、その一方で吸入器物品は吸入器物品用ホルダー内に配置されている。消費された吸入器物品は次いで、ホルダーから取り外されて処分されてもよい。次いで、未使用の吸入器物品がホルダーの中に挿入されてもよく、方法は繰り返されてもよい。
【0031】
吸入器物品は、旋回吸入気流を吸入器物品の遠位端の中に直接受容するように構成されている。旋回吸入気流は次いで、カプセル空洞の中に下流に続き、カプセル空洞内に受容されたカプセルの回転を誘発する。起動されたカプセルは次いで、粒子の用量を下流に旋回吸入気流の中に、マウスピースを通して消費者に放出する。吸入器物品の遠位端または最上流端は、開放管状要素の開放中央通路を画定する開放開口を含む。それ故に、旋回吸入気流は吸入器物品から上流に作り出され、また旋回吸入気流は吸入器物品の遠位端または最上流端に入る。
【0032】
吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に、吸入器の長軸方向軸に沿って延びる本体を備える。カプセル空洞は、フィルター要素によって下流で境界付けられた、かつ中央通路を画定する開放管状要素によって上流で境界付けられた本体内に画定されている。中央通路は、本体の遠位端からカプセル空洞に延びる開放空気吸込み口開口を形成する。カプセルはカプセル空洞内に配置されていて、中央通路はカプセルよりも小さい直径を有する。それ故に、カプセルは中央通路を通過しない場合があり、カプセル空洞内に保持されている。
【0033】
吸入器物品用ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を備え、またハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を備える。スリーブの第二の反対側の端は、空気がスリーブ空洞に入ることを可能にするように構成されている。スリーブの第二の反対側の端は、スリーブ空洞に入る空気中に旋回を誘発するように構成されている。
【0034】
スリーブの第二の反対側の端は、旋回吸入気流または回転吸入気流を発生するように構成されている旋回発生要素を画定する。この旋回吸入気流または回転吸入気流は、カプセルを回転させ、かつカプセル内に含有された乾燥粉末を放出するために、吸入器物品の中に送られてもよい。
【0035】
スリーブの第二の反対側の端は、スリーブ空洞と流体連通する中央通路を有する管状要素を含む。スリーブの第二の反対側の端は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口を有する。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる。
【0036】
スリーブの第二の反対側の端は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする少なくとも二つの空気吸込み口を有してもよい。少なくとも二つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる。スリーブの第二の反対側の端は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする二つの空気吸込み口を有してもよい。二つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる。
【0037】
スリーブの第二の反対側の端は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする少なくとも三つの空気吸込み口を有してもよい。少なくとも三つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる。スリーブの第二の反対側の端は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする三つの空気吸込み口を有してもよい。三つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる。
【0038】
スリーブの第二の反対側の端は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする四つの空気吸込み口を有してもよい。四つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる。
【0039】
管状要素はハウジングの長軸方向軸と同軸であってもよい。管状要素はスリーブ空洞と同軸であってもよい。管状要素は、ハウジングの長軸方向軸とスリーブ空洞の両方と同軸であってもよい。
【0040】
中央通路を有する管状要素は、スリーブ空洞の直径の約30%~約70%の範囲内の直径を有してもよい。中央通路を有する管状要素は、スリーブ空洞の直径の約40%~約60%の範囲内の直径を有してもよい。
【0041】
中央通路を有する管状要素はスリーブ空洞の中に延びてもよく、また吸入器物品の遠位端を受容するように構成されたスリーブ空洞を有する環状陥凹部を形成してもよい。中央通路を有する管状要素は、スリーブ空洞の中に延びてもよく、また吸入器物品の遠位端を保持するように構成されたスリーブ空洞を有する環状陥凹部を形成してもよい。
【0042】
中央通路を有する管状要素は、スリーブ空洞内に受容された吸入器物品の遠位端の中に延びてもよい。環状陥凹部は、締まり嵌めを有する吸入器物品の遠位端を保持するように構成されてもよい。
【0043】
中央通路を有する管状要素の少なくとも一部分は、スリーブ内に受容された吸入器物品から上流に位置する。中央通路を有する管状要素は、受容された吸入器物品の長軸方向軸と同軸であることが好ましい。
【0044】
中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路を画定する吸入器物品遠位端開放管状要素と嵌合するようにサイズ設定されてもよい。中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路を画定する吸入器物品遠位端開放管状要素に当接してもよい。中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路を画定する吸入器物品遠位端開放管状要素と相互係止してもよい。中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路を画定する吸入器物品の遠位端管状要素内に篏合してもよい。スリーブ管状要素中央通路は、約3mm~約5mmの範囲内、または約4mmの内径を有してもよい。
【0045】
中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる少なくとも一つの空気吸込み口を含んでもよい。管状要素は、中央通路に対して接線方向で延びる少なくとも二つの空気吸込み口を含んでもよい。管状要素は、中央通路に対して接線方向で延びる少なくとも三つの空気吸込み口を含んでもよい。
【0046】
一つ以上の空気吸込み口は、スリーブの反対側の第二の端を形成する側壁を通して延びてもよい。一つ以上の空気吸込み口は、スリーブまたはハウジングの長軸方向軸に対して直交する方向に延びてもよい。一つ以上の空気吸込み口は、中央通路を有する管状要素の長軸方向軸に対して直交する方向に延びてもよい。
【0047】
中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる一つの空気吸込み口を含んでもよい。中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる二つの空気吸込み口を含んでもよい。中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる三つの空気吸込み口を含んでもよい。中央通路を有するスリーブ管状要素は、中央通路に対して接線方向の方向で延びる四つの空気吸込み口を含んでもよい。
【0048】
少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路の内径または周辺を画定する管状要素の内径で中央通路に入ることが好ましい。少なくとも二つの空気吸込み口は、中央通路の内径または周辺を画定する管状要素の内径で中央通路に入ることが好ましい。少なくとも三つの空気吸込み口は、中央通路の内径または周辺を画定する管状要素の内径で中央通路に入ることが好ましい。四つの空気吸込み口は、中央通路の内径または周辺を画定する管状要素の内径で中央通路に入ることが好ましい。
【0049】
二つ以上の空気吸込み口は、中央通路の周囲の周りで他の入口から均等に離隔していることが好ましい。
【0050】
中央通路に対して接線方向で延びる少なくとも一つの空気吸込み口は、スリーブの遠位端を画定する端表面に近接する中央通路に入る。「中央通路に対して接線方向の方向で延びる一つの空気吸込み口」という表現は、一点にて中央通路の縁または境界と接触するが、それと交差しない仮想線の方向に従う、空気吸込み口の任意の部分を指す場合がある。端表面は、実質的に閉鎖された端表面を形成し、貫通要素のみが端表面を通って延びることを可能にする。端表面は、スリーブの長軸方向軸に対して直交して延びる。端表面は、吸入空気がスリーブの遠位端を通して外に流れるのを防止する。端表面は、吸入空気をスリーブ空洞に向かって方向付ける。
【0051】
中央通路に対して接線方向の方向で延びる少なくとも一つの空気吸込み口は、端表面にて中央通路を有する管状要素に入ることが好ましい。改善されたカプセルの枯渇は、接線方向の空気吸込み口が中央通路の端表面の近くに位置する時に生じる。
【0052】
管状要素は、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブを有する分解できない(すなわち、スリーブと一体化された)単一の構造物であってもよい。管状要素は、スリーブの第二の反対側の端の一部分を形成してもよい。管状要素およびスリーブは、射出成形プロセスを用いて形成されてもよい。管状要素およびスリーブは、射出成形プロセスを用いて同時に形成されてもよい。
【0053】
中央通路を有する管状要素は、スリーブ空洞の中に延びてもよく、または突出してもよい。中央通路を有するこの管状要素は、スリーブの内表面に面する外径を有する外表面を有してもよい。スリーブの内表面はスリーブ空洞を画定する。
【0054】
中央通路を有する管状要素は、約2mm~約10mm、または約3mm~約7mm、または約4mm~約6mmの範囲内の距離、または約5mmの距離でスリーブ空洞の中に延びてもよい。これらのおよび他の実施形態において、中央通路を有する管状要素は、約4mm~約6.5mm、または約5mm~約6mm、または約5mm~約5.5mmの範囲内の外径、または好ましくは約5.25mmの外径を有してもよい。中央通路を有する管状要素の少なくとも一部分は、受容された吸入器物品の中に挿入されてもよい。好ましくは、中央通路を有する管状要素の少なくとも50%は、受容された吸入器物品の中に挿入されてもよい。
【0055】
スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素は、吸入器物品の遠位端を受容するように構成されたスリーブ空洞を有する環状陥凹部を形成してもよい。スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素は、吸入器物品の遠位端によって受容されるように構成されたスリーブ空洞を有する環状突出部を形成してもよい。スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素は、吸入器物品の遠位端を受容するように構成されたスリーブ空洞内に、環状陥凹部と環状突出部の両方を形成してもよい。
【0056】
吸入器物品の遠位端は、スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素によって形成された環状陥凹部と嵌合するように構成されてもよい。吸入器物品の遠位端は、スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素によって形成された環状突出部と嵌合するように構成されてもよい。吸入器物品の遠位端は、スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素によって形成された環状陥凹部および環状突出部と嵌合するように構成されてもよい。中央通路を有する管状要素は、スリーブ空洞内に受容された吸入器物品の遠位端の中に延びるように構成されてもよい。
【0057】
スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素によって形成された環状突出部は、受容された吸入器物品遠位端開放管状要素の中に嵌合してもよく、またはこれの中に摺動してもよい。スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素によって形成された環状突出部は、吸入器物品遠位端開放管状要素内で嵌合してもよい。スリーブ空洞の中に延びる中央通路を有する管状要素によって形成された環状突出部は、吸入器物品遠位端開放管状要素内で締まり嵌めを形成してもよい。それ故に、中央通路を有するスリーブ管状要素の中央通路は、中央通路を有する吸入器物品遠位端開放管状要素の中に篏合してもよい。
【0058】
吸入器物品用ホルダーは、吸入器物品内のカプセルを貫通または起動するように構成された貫通要素を含んでもよい。貫通要素はハウジングの内表面に固定され、かつハウジングの内表面から延びてもよい。貫通要素は、スリーブの第二の反対側の表面の端表面を通して、かつハウジングの長軸方向軸に沿ってスリーブ空洞の中に延びるように構成されてもよい。
【0059】
貫通要素は、スリーブの端表面内の開口を通して延びてもよい。貫通要素は、スリーブの端表面内の再密封可能な要素を通して延びてもよい。再密封可能な要素は、貫通要素が再密封可能な要素内にない時、スリーブの端表面にて気密密封またはバリアを形成してもよい。貫通要素は、スリーブの端表面内の開口を通して延び、かつ開口を通る気流を実質的に遮断してもよい。
【0060】
貫通要素は、端表面を通過し、カプセル空洞内のカプセルを穿孔してもよい。再密封可能な要素は、貫通開口内に存在する場合、貫通要素が再密封可能な要素から引き抜かれた後に、またはこれから取り出された後に、再密封可能である場合がある。再密封可能な要素または膜はセプタムまたはセプタム様の要素を含んでもよい。再密封可能な要素または膜は、ゴム、シリコーン、ポリマーで共積層化された金属箔、もしくはラテックスおよびこれに類するものなどの弾性材料、または高密度セルロースアセテートトウなどのセルロースアセテートトウで形成されてもよい。
【0061】
貫通要素は、ハウジング内表面に固定されてもよく、またハウジング内表面からハウジング空洞の中に、貫通要素の長軸方向軸に沿って貫通要素の長さに延びてもよい。貫通要素は、ハウジングの開放近位端から、陥凹した距離だけ陥凹してもよい。
【0062】
吸入器物品の遠位端または最上流端は、スリーブの第二の反対側の端に接触してもよく、またスリーブを貫通要素に向かって進めるように強いてもよい。スリーブは貫通要素と同軸であってもよい。スリーブは、貫通要素が吸入器物品内のカプセルを確実に起動するように、吸入器物品を整列させてもよい。スリーブまたはホルダーはまた、貫通要素のたわみを防止または軽減するために、貫通要素を機械的に保持し、かつ貫通要素を支持してもよい。
【0063】
スリーブは、スリーブを通る少なくとも一つの空気開口を備える第一の空気吸込み口ゾーンを画定してもよい。第一の空気吸込み口ゾーンは、二個以上、三個以上、四個以上、または約1~約10個の空気開口、または約3~約9個の空気開口を含んでもよい。第一の空気吸込み口ゾーンは、スリーブの第一の開放端に近接する。第一の空気吸込み口ゾーンは、スリーブとハウジングの間に形成された気流チャネルに空気が流れることを可能にするように構成されている。
【0064】
スリーブは、第一の空気吸込み口ゾーンから下流の第二の空気吸込み口ゾーンを備えてもよい。第二の空気吸込み口ゾーンは、空気がスリーブ空洞に入ることを可能にするように構成されたスリーブの第二の反対側の端を備える。第二の空気吸込み口ゾーンは、旋回吸入気流を形成するために、管状要素中央通路の接線にて、スリーブの第二の反対側の端の中への、一個の、二個以上の、三個以上の、または四個以上の空気開口、直接吸込み口、または吸入空気を含んでもよい。
【0065】
ホルダーは、ハウジングの開放近位端に固定された保持リング要素を含んでもよい。保持リング要素は、スリーブを吸入器物品空洞内に保持する。保持リングは、ホルダーの吸入器物品空洞内のスリーブの移動を停止または保持するのに十分な厚さを有する。
【0066】
ホルダーは、ハウジングの開放近位端に向かって、または貫通要素から離れて、弛緩(または未変形)状態と圧縮(または変形)状態との間でスリーブを付勢するように構成されたばね要素を含んでもよい。ばね要素は、ホルダーのハウジング空洞内に包含されてもよく、また移動可能なスリーブおよび吸入器物品が貫通要素に向かって移動するにつれて圧縮されてもよい。ばね要素は、スリーブとハウジングの閉鎖端との間に位置してもよく、スリーブとハウジングの閉鎖端とに接触する。ばね要素は貫通要素の周りに配置されてもよい。ばね要素は貫通要素と同軸であってもよい。ばね要素は円錐ばねであってもよい。
【0067】
ばね要素は、ホルダーの遠位端または閉鎖端に固定されてもよい。ばね要素は、スリーブの第二の反対側の端に固定されてもよい。ばね要素は、ホルダーの閉鎖端とスリーブの第二の反対側の端との両方に固定されてもよい。ばね要素は円錐ばねであってもよい。円錐ばねは有利なことに、より柔軟な設計およびより小さい全体的な圧縮厚さを提供しうるように、薄型設計またはよりスリムな設計を提供してもよい。円錐ばねを提供することはまた有利なことに、円筒ばねと比較して、圧縮された時にばねが座屈する可能性を低減する場合がある。
【0068】
貫通要素が吸入器物品を起動すると、ばね要素は吸入器物品が貫通要素から外れるように、かつ貫通要素から離れるように、吸入器物品を付勢する。ばね要素は貫通要素の周りに配置されてもよい。ばね要素は貫通要素と同軸であってもよい。貫通要素は、ばね要素が弛緩位置にある時、ばね要素を越えて延びてもよい。貫通要素は、ばね要素が圧縮位置にある時、ばね要素を越えて延びてもよい。貫通要素は、ばね要素が弛緩位置と圧縮位置の両方にある時、ばね要素を越えて延びてもよい。貫通要素は、スリーブがばね要素を圧縮する時、ばね要素を越えて延びてもよい。
【0069】
スリーブは、スリーブの長軸方向の長さに沿って延びる細長いスロットを含んでもよい。スリーブが細長いスロットを備える場合、ハウジングは、ハウジング空洞の内表面から延びる整列ピンをさらに備えてもよい。整列ピンは、細長いスロットと嵌合するように構成されてもよい。有利なことに、細長いスロットおよび整列ピンは、弛緩位置と圧縮位置の間の確実な移動経路を提供する。
【0070】
ホルダーは、吸入器物品空洞の中に延びるマーキング要素を含んでもよい。マーキング要素は、吸入器物品の表面をマーキングするように構成されてもよい。マーキング要素は、ホルダーまたは吸入器物品の長軸方向軸に対して直交して延びてもよい。マーキング要素は、吸入器物品の外表面を機械的にマーキングするように構成されてもよい。例えば、マーキング要素は、吸入器物品の外表面を引っ掻く、切断する、擦る、刻む、折り曲げる、または屈曲するように構成されてもよい。マーキング要素は、吸入器物品空洞内に受容された時、吸入器外表面を引っ掻くように構成された鋭利な端を有してもよい。マーキング要素は、吸入器物品空洞内に受容された時、吸入器の外表面に色を塗布してもよい。マーキング要素は、吸入器物品内に配置されたカプセルを貫通要素が貫通する時、吸入器外表面をマーキングしてもよい。それ故に、吸入器物品が起動されていて、ユーザーによって消費されている場合があることを示す。これはまた有利なことに、以前に既に起動済みの吸入器物品をユーザーが再使用しようとすることを防止する場合がある。
【0071】
マーキング要素は、ホルダーまたは吸入器物品の長軸方向軸に対して直交して延びてもよい。マーキング要素は、マーキング要素が吸入器の外表面に接触したという視覚的表示を提供するように構成された剛直な材料から形成されてもよい。マーキング要素はホルダーハウジングに固定されてもよい。マーキング要素は上述の通り、整列ピンを形成してもよい。
【0072】
マーキング要素は、ホルダーの厚さの少なくとも一部分を通して延びてもよい。マーキング要素はスリーブを通して延びてもよい。マーキング要素は、吸入器物品空洞の中に、およびスリーブの中に延びてもよい。吸入器物品が吸入器物品空洞内に受容されている時にマーキング要素が吸入器外表面に接触するように、マーキング要素は少なくともスリーブを越えてマーキング距離を延びてもよい。マーキング要素は、スリーブの細長いスロットと整列され、かつ嵌合してもよい。
【0073】
貫通要素をハウジングの中に陥凹させることは、貫通要素内に受容されることが意図されていない表面に貫通要素が接触することから保護する。貫通要素をハウジングの中に陥凹させることはまた、貫通要素内に受容されることが意図されていない表面によって貫通要素が損傷または修正されることから保護する場合がある。
【0074】
貫通要素は、開放近位端から任意の適切な陥凹された距離だけ陥凹されてもよい。例えば、貫通要素は、ハウジング長さの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%の陥凹した距離だけ、開放近位端から陥凹されてもよい。貫通要素は、ハウジング長さの約5%~約50%、または約10%~約40%、または約15%~約40%、または約20%~約40%の範囲内の陥凹した距離だけ、開放近位端から陥凹されてもよい。
【0075】
貫通要素長さは、ハウジング長さと比較して任意の適切な長さであってもよい。例えば、貫通要素長さは、ハウジング長さの約25%~約60%、または約30%~約50%であってもよい。貫通要素の遠位端は、ハウジングの遠位端に隣接する遠位端に、またはハウジングの遠位端に固定されてもよい。貫通要素全長は、ハウジング長さ内で同一の広がりを有してもよい。
【0076】
ハウジング内表面は、開放近位端の直径および遠位端の直径を有する。遠位端の直径は開放近位端の直径よりも小さくてもよい。ハウジング内表面の直径は、開放近位端の直径から遠位端の直径にテーパー状に減少してもよい。ハウジング内表面の直径は、任意の適切な量だけテーパー状に減少してもよい。例えば、ハウジング内表面の直径は、近位端でのハウジング内径の約3%~約13%、または約5%~約10%の範囲内でテーパー状に減少してもよい。
【0077】
貫通要素は剛直な材料で形成されている。剛直な材料は、吸入器物品内に包含されたカプセルを貫通、穿孔、または起動するのに十分に剛直である。貫通要素は金属で形成されてもよい。貫通要素は、例えば316ステンレス鋼などのステンレス鋼で形成されてもよい。貫通要素は高分子材料で形成されてもよい。貫通要素は繊維強化高分子材料で形成されてもよい。
【0078】
ハウジングは任意の剛直な材料で形成されてもよい。ハウジングは高分子材料で形成されてもよい。ハウジングを形成するために有用な高分子材料としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン、PBTポリエステル、PETポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンエーテルケトン(polyethereetherketone)、または液晶ポリマーが挙げられる。
【0079】
吸入器物品は、吸入器物品外表面とホルダーハウジング外表面とが同心であるように、ホルダーの中に受容されてもよい。貫通要素の長軸方向軸は、吸入器物品がホルダー内に受容されている時、ハウジング長軸方向軸および吸入器長軸方向軸と同軸であってもよい。ハウジング長さの少なくとも約50%または少なくとも約75%は、吸入器物品がホルダー内に受容されている時、吸入器長さと同一の広がりを有してもよい。
【0080】
ホルダーは挿入成形技法によって形成されてもよい。貫通要素は、例えば成形によって最初に形成されてもよく、その後ハウジングは、貫通要素に結合する貫通要素の周りに成形されてもよい。貫通要素は金属貫通要素であってもよく、ハウジングは金属貫通要素の周りに成形されて、金属貫通要素をハウジングに固定してもよい。金属貫通要素は、貫通要素の遠位端の表面積を増大するために、かつハウジング成形材料内の固定を改善するために、貫通要素の遠位端にて突出部または陥凹部を含んでもよい。
【0081】
上述のホルダーに関連付けられた吸入器物品は、吸入器物品の遠位端の中に直接、旋回吸入気流を受容するように構成されている。旋回吸入気流は、カプセル空洞の中に下流に続き、カプセル空洞内に受容された(または位置する)カプセルの回転を誘発する。起動されたカプセルは、粒子の用量を下流の旋回吸入気流の中に、マウスピースを通して消費者に放出する。吸入器物品の遠位端または最上流端は、開放中央通路を画定する開放管状要素を含む。それ故に、旋回吸入気流は吸入器物品から上流に作り出され、また旋回吸入気流は吸入器物品の遠位端または最上流端に入り、カプセル空洞の中に送られて、カプセル空洞内に位置するカプセルを回転またはスピンさせる。
【0082】
吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に、吸入器の長軸方向軸に沿って延びる本体を備える。カプセル空洞は、フィルター要素によって下流で境界付けられた、かつ中央通路を画定する開放管状要素によって上流で境界付けられた本体内に画定されている。中央通路は、本体の遠位端からカプセル空洞に延びる開放空気吸込み口開口を形成する。カプセルはカプセル空洞内に配置されていて、中央通路はカプセルよりも小さい直径を有する。
【0083】
吸入器本体は、サイズおよび形状が喫煙物品または紙巻たばこに似ていてもよい。吸入器本体は、吸入器物品の長軸方向軸に沿って延びる細長い本体を有してもよい。吸入器本体は、細長い本体の長さに沿って実質的に均一な外径を有してもよい。吸入器本体は、細長い本体の長さに沿って均一であってもよい円形断面を有してもよい。吸入器本体は約6mm~約10mm、または約7mm~約10mm、または約7mm~約9mm、または約7mm~約8mmの範囲内の外径、または約7.2mmの外径を有してもよい。吸入器本体は(長軸方向軸に沿って)約40mm~約80mm、または約40mm~約70mm、または約40mm~約50mmの範囲内の長さ、または45mmの長さを有してもよい。
【0084】
吸入器物品は、開放中央通路を画定する開放管状要素によって画定された開放遠位端または最上流端を有する。開放中央通路は、カプセル空洞から吸入器物品の開放遠位端または最上流端に延びる円筒状の開放開口を画定する。開放中央通路を画定する開放管状要素は約3mm~約12mm、または約3mm~約7mm、または約4mm~約6mmの範囲内の長さ、または約5mmの長さを有してもよい。
【0085】
中央通路は、カプセル空洞から吸入器物品の開放遠位端または最上流端に延びる、均一な内径または開放直径を有してもよい。中央通路は、本体遠位端の直径の少なくとも約50%、または少なくとも約70%、または少なくとも約75%である内径を有してもよい。中央通路は約3mm~約6.5mm、または約4mm~約6mm、または約5mm~約6mmの範囲内の、または約5.5mmの均一な内径または開放直径を有してもよい。
【0086】
開放中央通路を画定する開放管状要素は、セルロース材料から形成されてもよい。開放中央通路を画定する開放管状要素は、セルロースアセテート材料から形成されてもよい。開放管状要素は生分解性材料で形成されていることが好ましい。開放中央通路を画定する開放管状要素は、約0.5mm~約1.5mm、または約0.5mm~約1mmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0087】
カプセル空洞の下流に位置するフィルター要素は、カプセル空洞から吸入器物品のマウスピース端に延びてもよい。フィルター要素は約10mm~約30mm、好ましくは約15mm~約25mm、より好ましくは約20mm~約22mmの範囲内の長さを有してもよい。
【0088】
カプセル空洞は吸入器物品の開放管状要素によって画定されてもよい。開放管状要素は、吸入器物品の遠位端を形成する管状要素とフィルター要素の間に結合されてもよく、かつこれらと当接して整列されてもよい。これらの要素はラッパーを用いて結合されてもよい。カプセル空洞を画定する開放管状要素は、厚紙またはボール紙などの生分解性材料で形成されてもよい。
【0089】
カプセル空洞は約6mm~約7mm、または約6.5mm~約6.7mmの範囲内の内径を有してもよい。カプセル空洞は約15mm~約30mm、または約20mm~約25mmの範囲内の横方向長さを有してもよい。
【0090】
カプセル空洞は吸入器物品の開放管状要素によって画定されてもよい。開放管状要素は、吸入器物品の遠位端を形成する管状要素とフィルター要素の間に結合されてもよく、かつこれらと当接して整列されてもよい。これらの要素はラッパーを用いて結合されてもよい。カプセル空洞を画定する開放管状要素は、厚紙またはボール紙などの生分解性材料で形成されてもよい。
【0091】
カプセル空洞は約6mm~約7mm、または約6.5mm~約6.7mmの範囲内の内径を有してもよい。カプセル空洞は約15mm~約30mm、または約20mm~約25mmの範囲内の横方向長さを有してもよい。
【0092】
カプセル空洞は、カプセル(例えば、カプセルは長円形状または円形断面を有してもよい)を包含するように構成された円筒状の空間を画定してもよい。カプセル空洞はカプセル空洞の長さに沿って、実質的に均一な、または均一な直径を有してもよい。カプセル空洞は、固定された空洞長さを有してもよい。カプセル空洞は、長軸方向軸に対して直交する空洞内径を有し、またカプセルはカプセル外径を有する。カプセル空洞は、長円形カプセルを包含するようにサイズ設定されてもよい。カプセル空洞はカプセル空洞長さに沿って、実質的に円筒状の、または円筒状の断面を有してもよい。カプセル空洞は均一な内径を有してもよい。カプセルは、カプセル空洞の内径の約80%~約95%の外径を有してもよい。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルの起動中または貫通中に、カプセルの制限された移動を促進する場合がある。
【0093】
カプセル空洞は開放管状要素によって画定されてもよい。開放管状要素は、吸入器物品の遠位端を形成する開放管状要素とフィルター要素の間に結合されてもよく、かつこれらと当接して整列されてもよい。これらの要素はラッパーを用いて結合されてもよい。カプセル空洞を画定する開放管状要素は、厚紙またはボール紙などの生分解性材料で形成されてもよい。
【0094】
カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルがカプセル空洞内で安定性を有して回転するのを促進する場合がある。カプセルの長軸方向軸は、吸入中に吸入器本体の長軸方向軸と同軸で安定性を有して回転する場合がある。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルがカプセル空洞内で何らかの振動を有して回転するのを促進する場合がある。
【0095】
安定な回転とは、吸入器本体の長軸方向軸がカプセルの回転軸と実質的に平行または同軸であることを指す。安定な回転とは、回転するカプセルの前進の欠如を指す場合がある。吸入器本体の長軸方向軸は、カプセルの回転の軸と実質的に同一の広がりを持つことが好ましい。カプセルの安定な回転は、消費者による二回以上、または五回以上、または十回以上の「吸煙」または吸入にわたって、カプセルからのニコチン粒子の一部分の均一な同伴を提供する場合がある。
【0096】
カプセルは消費前に、吸入器物品内に密封されていてもよい。吸入器物品は、密封されたまたは気密の容器または袋の中に包含されていてもよい。吸入器物品は、吸入器物品の一つ以上の空気吸込み口チャネル、または空気出口、もしくはマウスピースを覆うための、一つ以上の剥離可能または取り外し可能な密封層を含んでもよい。
【0097】
カプセルは、空気が吸入器物品を通して流れる時、その長軸方向軸または中心軸を中心として回転してもよい。カプセルは気密材料で形成されてもよく、この気密材料は、吸入器と別個であってもよい、または吸入器と組み合わされてもよい貫通要素によって、貫通または穿孔されてもよい。カプセルは金属材料または高分子材料で形成されてもよく、この材料は汚染物質をカプセルに入れないように機能するが、カプセルの中のニコチン粒子の消費前に貫通要素によって貫通または穿孔される場合がある。カプセルは高分子材料で形成されてもよい。高分子材料はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であってもよい。カプセルはサイズ1~サイズ4のカプセル、またはサイズ3のカプセルであってもよい。
【0098】
本明細書に記載の通り、別個のホルダーは、カプセル空洞内に受容されたカプセルを通る単一の開口を形成する。
【0099】
カプセルは医薬的に活性な粒子を含有する。医薬的に活性な粒子は、ニコチン(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含んでもよい。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意に風味粒子を含有してもよい。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。カプセルは、約5~50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10~30回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。各吸入または「吸煙」は、約0.1mg~約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2mg~約2mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1mgのニコチン粒子をユーザーの肺に送達してもよい。
【0100】
ニコチン粒子は、採用される特定の処方に基づいて任意の有用な濃度のニコチンを有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量%~最高約30重量%のニコチン、または約2重量%~約25重量%のニコチン、または約3重量%~約20重量%のニコチン、または約4重量%~約15重量%のニコチン、または約5重量%~約13重量%のニコチンを有してもよい。好ましくは、各吸入もしくは「吸煙」で、約50~約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達されてもよい。
【0101】
カプセルは、少なくとも約5mgのニコチン粒子、または少なくとも約10mgのニコチン粒子を保持または含有してもよい。カプセルは約900mg未満のニコチン粒子、または約300mg未満のニコチン粒子、または150mg未満のニコチン粒子を保持または含有してもよい。カプセルは、約5mg~約300mgのニコチン粒子、または約10mg~約200mgのニコチン粒子を保持または含有してもよい。
【0102】
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドされたまたは組み合わせられた時、ユーザーに送達される各吸入もしくは「吸煙」に所望の風味を提供する量の風味粒子が存在してもよい。
【0103】
ニコチン粒子は、ユーザーの肺の中に優先的に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含んでもよい。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末系を形成してもよい。
【0104】
カプセルは、少なくとも約5mgの乾燥粉末(粉末系とも呼ばれる)または少なくとも約10mgの乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約900mg未満の乾燥粉末、または約300mg未満の乾燥粉末、または約150mg未満の乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約5mg~約300mgの乾燥粉末、または約10mg~約200mgの乾燥粉末、または約25mg~約100mgの乾燥粉末を保持または含有してもよい。
【0105】
乾燥粉末または粉末系は、約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲内の粒子サイズのニコチン粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系を有してもよい。
【0106】
ニコチンを含む粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約2.5マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0107】
風味を含む粒子は、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0108】
乾燥粉末は、約60マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約40マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約25マイクロメートルの範囲内の平均粒子径を有してもよい。平均粒子径は質量あたりの平均粒子径を指し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定することが好ましい。
【0109】
粉末系中またはニコチン粒子中のニコチンは、医薬品として許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であってもよい。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物としては、例えばピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと結合して塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選ばれてもよい。
【0110】
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。好ましくは、アミノ酸はL-ロイシンなどのロイシンであってもよい。ニコチンを含む粒子にL-ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減する場合があり、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記載の粉末系は自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、各粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。
【0111】
好ましくは、ニコチンは表面修飾されたニコチン塩であってもよく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合粒子を含む。好ましい被覆材料または複合材料はL-ロイシンであってもよい。一つの特に有用なニコチン粒子は、L-ロイシンを有する重酒石酸ニコチンであってもよい。
【0112】
粉末系は風味粒子の集団を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔の中に吸入送達するために任意の有用なサイズ分布を有してもよい。
【0113】
粉末系は、約20マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、約50マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。
【0114】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減するための化合物を含んでもよい。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減し、それ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する場合がある。それ故に、本明細書に記載の粉末系は、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。好ましくは、粉末系は自由流動であってもよい。
【0115】
乾燥粉末吸入用の従来の処方は、吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには活性粒子が小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末系は担体粒子を含んでもよい。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズを有してもよいラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであってもよい。担体粒子は処方中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用されてもよい。
【0116】
本明細書に記載のニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末系は、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または気流量に類似する吸入量または気流量でニコチンが吸入され、かつユーザーの肺に送達されることを可能にする場合がある。
【0117】
ニコチン粒子および風味は、単一のカプセル内で組み合わせられてもよい。上述の通り、ニコチン粒子および風味は各々、低減された接着力を有してもよく、組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズが実質的に変化しない場合、この接着力は安定な粒子処方をもたらす。別の方法として、粉末系は、単一のカプセル内に含有されたニコチン粒子と、第二のカプセル内に含有された風味粒子とを含む。
【0118】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子に気付くように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられてもよい。ニコチン粒子および風味粒子は、粉末系の総重量の少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%、または100重量%を形成することが好ましい。
【0119】
吸入器および吸入器システムは、従来の乾燥粉末吸入器と比較して、より複雑ではなく、また単純化された気流経路を有する。有利なことに、吸入器本体内のカプセルの回転は、ニコチン粒子または粉末系をエアロゾル化し、また自由流動粉末の維持を補助する場合がある。それ故に、吸入器物品は、上述のニコチン粒子を肺の中に深く送達するために、従来の吸入器によって典型的に利用される高い吸入量を必要としない場合がある。
【0120】
吸入器物品は、約5L/分未満、または約3L/分未満、または約2L/分、または約1.6L/分未満の流量を使用してもよい。好ましくは、流量は、約1L/分~約3L/分、または約1.5L/分~約2.5L/分の範囲内であってもよい。好ましくは、吸入量または流量は、カナダ保健省(Health Canada)の喫煙方法の吸入量または流量に類似してもよく、すなわち約1.6L/分であってもよい。
【0121】
吸入器システムは、従来の紙巻たばこの喫煙または電子たばこのベイピングのように、消費者によって使用されてもよい。こうした喫煙またはベイピングは二つの工程によって特徴付けられてもよく、第一の工程中に、消費者が所望するニコチンの全量を含有する少容量が口腔の中に引き出され、後に続く第二の工程中に、所望の量のニコチンを含むエアロゾルを含むこの少容量が新鮮な空気によってさらに希釈され、肺の中により深く引き出される。両方の工程は消費者によって制御される。消費者は第一の吸入工程中に、吸入されるニコチンの量を決定してもよい。消費者は第二の工程中に、第一の量を希釈して肺の中により深く引き出される量を決定して、気道の上皮表面に送達される活性剤の濃度を最大化してもよい。この喫煙のメカニズムは、「吸煙-吸入-吐出」と呼ばれることがある。
【0122】
本明細書で使用されるすべての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0123】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0124】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で採用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0125】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0126】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0127】
ここで、図を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0128】
図1図1は、例示的な吸入器システムの斜視図である。
図2図2は、図1の例示的な吸入器システムの断面概略図である。
図3図3は、例示的な吸入器物品の断面概略図である。
図4図4は、図2に図示されたスリーブ内に受容された例示的な吸入器物品の断面概略図である。
図5図5は、例示的なスリーブの断面概略図である。
図6図6は、別の例示的なスリーブの断面概略図である。
図7図7は、1個~4個の接線方向空気吸込み口を有する例示的な渦トンネルの断面概略図である。
図8図8は、1個~4個の接線方向空気吸込み口を有する例示的な渦トンネルの断面概略図である。
図9図9は、1個~4個の接線方向空気吸込み口を有する例示的な渦トンネルの断面概略図である。
図10図10は、1個~4個の接線方向空気吸込み口を有する例示的な渦トンネルの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0129】
概略図は必ずしも実寸に比例していなく、また図示の目的で提示されていて、限定するものではない。図面は本開示に記載の一つ以上の態様を図示する。しかし、当然のことながら、図面に図示されていない他の態様も本開示の範囲および趣旨の中に収まる。
【0130】
図1は、例示的な吸入器システム100の斜視図である。図2は、図1の例示的な吸入器システム100の断面概略図である。図3は、例示的な吸入器物品150の断面概略図である。図4は、図2に図示されたスリーブ120内に受容された例示的な吸入器物品150の断面概略図である。
【0131】
吸入器システム100は、吸入器物品150および別個のホルダー110を含む。吸入器物品150は、吸入器物品150内に配置されたカプセル160を起動または貫通するために、ホルダー110内に受容されてもよい。吸入器物品150は消費者による使用中に、ホルダー110内に留まる。ホルダー110は、受容された吸入器物品150に入る旋回吸入気流を形成または誘発するように構成されている。
【0132】
吸入器システム100は、吸入器物品150およびホルダー110を含む。吸入器物品150は、マウスピース端154から遠位端156に、吸入器長軸方向軸LAに沿って延びる本体151と、吸入器物品本体151内に配置されたカプセル160とを含む。ホルダー110は、スリーブ空洞122内に受容された吸入器物品150を保持する移動可能なスリーブ120を含む。
【0133】
吸入器物品150用のホルダー110は、吸入器物品150を受容するためのハウジング空洞112を備えるハウジング111と、ハウジング空洞112内に吸入器物品150を保持するように構成されたスリーブ120とを含む。スリーブ120はスリーブ空洞122を画定し、ハウジング111の長軸方向軸LAに沿ってハウジング空洞112内で移動可能である。スリーブ120は第一の開放端124および第二の反対側の端126を備える。スリーブ120の第二の反対側の端126は、空気がスリーブ空洞122に入ることを可能にするように構成されている。スリーブ120の第二の反対側の端126は、スリーブ空洞122に入る空気中に旋回を形成または誘発するように構成されている。
【0134】
ホルダー110は、ハウジング内表面109に固定された、かつハウジング内表面109から延びる貫通要素101を含んでもよい。貫通要素101は、スリーブ120の第二の反対側の端126を通して、かつハウジング111の長軸方向軸に沿ってスリーブ空洞122の中に延びるように構成されてもよい。ホルダー110は、スリーブ120を貫通要素101から離れて付勢するように構成されたばね要素102を含んでもよい。
【0135】
スリーブ120は、スリーブ120の長軸方向の長さに沿って延びる細長いスロット128(図5を参照)を含んでもよい。ハウジング111は、ハウジング空洞112の内表面109から延びるピン127をさらに備えてもよい。ピン127は、細長いスロット128と嵌合するように構成されてもよい。
【0136】
吸入器物品150は、マウスピース端154から遠位端156に、吸入器長軸方向軸LAに沿って延びる本体151を備える。カプセル空洞155は本体151内に配置されていて、フィルター要素157によって下流で境界付けられていて、かつ中央通路152を画定する開放管状要素153によって上流で境界付けられている。中央通路152は、本体の遠位端156からカプセル空洞155に延びる開放空気吸込み口開口を形成する。カプセル160はカプセル空洞155内に配置されている。中央通路152は、カプセル160よりも小さい直径を有する。
【0137】
図4および図5を参照して図示されている通り、吸入器物品150の開口管状要素153の中央通路152は、スリーブ管状要素130の中央通路132と整列、嵌合する。
【0138】
吸入空気吸込み口138は、スリーブ管状要素130の接線にてスリーブ管状要素130に入り、受容された吸入器物品150の開放管状要素153の中央通路152への旋回吸入気流を形成する。旋回吸入気流は、カプセルの回転を誘発するために、かつ粒子を吸入気流の中に放出するために、カプセル空洞に対して下流の、受容された吸入器物品150の開放管状要素153の中央通路152に沿って流れる。
【0139】
スリーブ120は、スリーブ120を通る少なくとも一つの空気開口129を備える第一の空気吸込み口ゾーン170を画定する。第一の空気吸込み口ゾーン170は、スリーブ120の第一の開放端124に近接している。第一の空気吸込み口ゾーン170は、スリーブ120とハウジング111の間に形成された気流チャネルに空気が流れることを可能にするように構成されている。スリーブは、第一の空気吸込み口ゾーン170から下流に、第二の空気吸込み口ゾーン180を備える。スリーブ120の第二の反対側の端126を備える第二の空気吸込み口ゾーン180は、空気がスリーブ空洞122に入ることを可能にするように構成されている。第二の空気吸込み口ゾーン180は、スリーブ120を通して、および中央通路132を有するスリーブ管状要素130の中に至る、少なくとも一つの空気開口または空気吸込み口138を備える。
【0140】
図6は、別の例示的なスリーブ120の断面概略図である。スリーブ120の第二の反対側の端126は、中央通路132と、端表面136と、開放端134とを画定するスリーブ管状要素130を備える。中央通路132はスリーブ空洞122と流体連通している。スリーブ管状要素130の開放端132は、スリーブ空洞122の中に延びてもよい。スリーブ管状要素130は、空気が中央通路132の中に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口138を含む。少なくとも一つの空気吸込み口138は、中央通路132に対して接線方向である方向で延びる。
【0141】
吸入器物品150の遠位端156は、スリーブ管状要素130上に摺動してもよい。吸入空気吸込み口138は、中央通路132の接線にてスリーブ管状要素130に入り、受容された吸入器物品150の開放管状要素153の中央通路152への旋回吸入気流を形成する。旋回吸入気流は、カプセルの回転を誘発するために、かつ粒子を吸入気流の中に放出するために、カプセル空洞に対して下流の、受容された吸入器物品150の開放管状要素153の中央通路152に沿って流れる。
【0142】
スリーブ管状要素130は、スリーブ空洞122の中に延びてもよく、吸入器物品150の遠位端156を受容するように構成されたスリーブ空洞122を有する環状陥凹部131を形成する。スリーブ管状要素130によって形成された突起部は、吸入器物品150の開放管状要素153の中に摺動する。スリーブ管状要素130はここで、スリーブ空洞122内に受容された吸入器物品150の遠位端156の中に延びるように構成されている。
【0143】
スリーブ管状要素130は、スリーブ空洞122の中に約5mm延びてもよく、また約5.5mmの外径および約4mmの内径を有してもよい。受容された吸入器物品150の開放管状要素153の中央通路152は、スリーブ管状要素130と環状陥凹部131との締まり嵌めを提供するために、約5.5mmの内径を有してもよい。
【0144】
図7図10は、1個~4個の接線方向空気吸込み口138を有する中央通路132を有する例示的なスリーブ管状要素130の断面概略図である。スリーブ管状要素130の内径は約4mmであってもよい。図7は、約1.45mmの直径を有する単一の接線方向空気吸込み口138を例示する。図8は、二つの接線方向空気吸込み口138を例示し、各々が相互から180度にてスリーブ管状要素130に入る約1mmの直径を有する。図9は、三つの接線方向空気吸込み口138を例示し、各々が相互から120度にてスリーブ管状要素130に入る約0.85mmの直径を有する。図10は、四つの接線方向空気吸込み口138を例示し、各々が相互から90度にてスリーブ管状要素130に入る約0.6mmの直径を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10