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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】電気髭トリマー
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/06 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B26B19/06 F
B26B19/06 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022544642
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 IB2021050562
(87)【国際公開番号】W WO2021149034
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】20153389.0
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラインホルト アイヒホルン
(72)【発明者】
【氏名】アロイス コープル
(72)【発明者】
【氏名】ヤナ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】マーティン フュルグラーベ
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-519017(JP,A)
【文献】実開昭51-028293(JP,U)
【文献】実開昭50-030989(JP,U)
【文献】特表2017-512109(JP,A)
【文献】特表2009-518157(JP,A)
【文献】米国特許第01567110(US,A)
【文献】特表2016-536033(JP,A)
【文献】特表2023-511151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00 - 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが少なくとも1列の切断歯を有し、互いに対して移動可能な、一対の櫛状切断要素(4、5)を備える電気かみそり及び/又はトリマー用の切断装置システムであって、前記切断要素(4)の一方が、他方の切断要素(5)の歯先端(9)上に張り出す、厚肉化された及び/又は丸められた歯先端部(8)を有し、前記張り出した歯先端部(8)は、球状又は滴状又は真珠状の厚肉部(13)と、前記厚肉部(13)を主歯部(6m)に結合し、前記主歯部(6m)の皮膚接触面(12)から離れるように屈曲又は湾曲した屈曲又は湾曲部(6b)と、を含む2段階の丸め部を設けられ、前記屈曲又は湾曲歯部(6b)が、400μmより小さい湾曲半径(R)を有し、及び/又は前記厚肉部(13)が、300~550μmの範囲の直径(2r)を有し、前記厚肉部(13)が前記皮膚接触面(12)から離れるように突出していることを特徴とする、切断装置システム。
【請求項2】
前記屈曲又は湾曲歯部(6b)が、200~400μm又は250~350μmの範囲の湾曲半径(R)を有すること、及び/又は
前記他方の切断要素(5)の前記歯先端を超える前記張り出した歯先端部(8)の突出長さを画定する張り出し長さ(o)が、400~800μm又は400~600μmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項3】
前記屈曲又は湾曲歯部(6b)が、10度~100度又は15度~90度の範囲の屈曲角度αにわたって延在することを特徴とする、請求項1又は2に記載の切断装置システム。
【請求項4】
前記張り出した歯先端部(8)のうちの少なくともいくつかが、
-350~550μmの範囲の、前記皮膚接触面(12)に垂直な方向で測定された高さ(h)と、
-350~550μmの範囲の直径(2r)を有する、球状又は滴状又は真珠状の厚肉部(11)と、を有すること、及び/又は
前記張り出した歯先端部(8)のうちのいくつかが、
-250~450μmの範囲の、前記皮膚接触面(12)に垂直な方向で測定された高さ(h)と、
-200~450μmの範囲の直径を有する、球状又は滴状又は真珠状の厚肉部(13)と、を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項5】
前記切断歯(6)が、丸められた及び/又は面取りされた縁部(6R)を有する皮膚接触面を有し、前記歯(6)の前記皮膚接触面の前記縁部の丸め部及び/又は面取りの程度又はレベルが、長手方向歯軸(6L)に沿って変化することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項6】
前記歯(6)の前記皮膚接触面の前記縁部の前記丸め部及び/又は面取りの程度又はレベルが、前記歯(6)の根部に向かって段階的に又は連続的に増加していることを特徴とする、請求項5に記載の切断装置システム。
【請求項7】
前記切断歯(6、7)が、切断動作を提供する主歯部(6m)において、250~550μmの範囲の歯幅(wt)と、50~150μmの範囲の厚さ(t)とを有し、前記歯幅(wt)及び/又は前記厚さ(t)が、前記歯(6、7)の半分の長さにおいて測定されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項8】
前記切断歯(6)が、200~500μmの範囲の間隙幅(wg)を有する隣接する切断歯間の間隙を画定し、前記間隙幅が、前記歯(6)の長さの中央において測定されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項9】
前記張り出した、丸められた歯先端部(8)が、内側コアを囲む外側シェルを含む複合厚肉部(13)を含み、前記シェルと前記コアが異なる材料から作製されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項10】
前記シェルが金属から作製され、前記コアが非金属充填材料から作製されていることを特徴とする、請求項9に記載の切断装置システム。
【請求項11】
前記外側シェルが、その3つの側面で前記内側コアを囲み、前記内側コアが、隣接する歯(6、7)に面する2つの対向側で覆われておらず、前記2つの対向側から視認可能であることを特徴とする、請求項9又は10に記載の切断装置システム。
【請求項12】
外側シェルが湾曲部を有し、前記湾曲部が100度超又は150度超湾曲しており、特にU字状であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項13】
外側シェルが3つの開放側面を有し、第1及び第2の開放側面が互いに対向し、隣接する歯(6、7)に面しており、第3の開放側面が前記他方の切断要素(5)の前記歯先端(9)に面していることを特徴とする、請求項1~10、又は12のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項14】
内側コアが、外側シェルの壁厚の50%~250%又は75%~125%の範囲の直径又は厚さを有することを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項により構成されている、切断装置システムを備えることを特徴とする、電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の切断装置システムを製造する方法であって、
-複数の切断歯(6、7)を含む各切断要素(4、5)に歯付き切断縁部を形成することと、
-少なくともいくつかの前記切断歯(6、7)の歯先端部(8)に厚肉部(13)を形成することと、
を含み、
前記切断歯(6、7)が、その前記歯先端部(8)において、前記厚肉部(13)が前記歯先端部(8)に形成される前に、前記歯付き切断縁部に平行な屈曲軸を中心に屈曲していることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数日分のあご髭の無精髭などの、体毛を切断することに関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1列の切断歯を有し、かつ互いに対して移動可能である一対の櫛状切断要素を備える、電気かみそり及び/又はトリマー用の切断装置システムに関し、当該切断要素の一方は、切断要素の他方の歯先端に突出する、厚肉化された及び/又は丸められた歯先端部を有する。本発明はまた、そのような切断装置システム、並びにそのような切断装置システムを備えた電気かみそり及び/又はトリマーを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気かみそり及びトリマーは、様々な機構を利用して、毛髪切断機能を提供する。一部の電気かみそりは、剪断フォイル内の穿孔に入る毛髪を切断するために、剪断フォイルに対して移動可能な下方切断装置と協働する穿孔剪断フォイルを含む。かかる剪断フォイルタイプのかみそりは、多くの場合、日常的に使用されて、短いあご髭の無精髭が皮膚表面のすぐ上で切断される、清浄な髭剃りを提供する。
【0003】
他方で、互いに対して往復運動又は回転する複数の櫛状又は熊手状の切断歯を備えた一対の協働する櫛状の切断要素を含む他の切断装置システムは、長いあご髭の無精髭や、例えば、皮膚に対して非常に小さい角度で、又は非常に弾力性のある皮膚から成長することに起因して切断することが困難な問題の毛髪を切断するために使用されることが多い。かかる櫛状又は熊手状切断要素の歯は、通常、駆動運動のタイプに応じて、互いに実質的に平行に、又は実質的に径方向に突起し、切断歯間の間隙に入る毛髪を切断することができ、切断又は剪断は、協働要素の切断歯が、指状切断歯の間の間隙を閉鎖し、互いに通過するときに、はさみ状の方法で達成される。
【0004】
より長い毛髪のためのかかる切断装置システムは、電気かみそり又はトリマーに一体化されてもよく、それと同時に、前述の剪断フォイル切断装置を備え得る。例えば、櫛状切断要素は、例えば、一対の剪断フォイル切断装置の間に配置されてもよく、又は別個の伸長可能な長髪切断装置に配置されてもよい。一方、そのような櫛状切断要素のみで提供される電気かみそり又はトリマー又はスタイリング装置も存在する。
【0005】
例えば、欧州特許第2425938(B1)号は、剪断フォイル切断装置間に一体化された一対の長い毛髪トリマーを有するかみそりを示す。更に、欧州特許第2747958(B1)号は、かみそりヘッドの両側に配置された2列の協働する切断歯を有する毛髪トリマーを開示し、上部櫛状切断要素の切断歯が、下部切断要素の歯先端上に張り出した、丸められ厚肉化された歯先端を備え、これにより、突出する歯先端が皮膚に突き刺さること、及び皮膚を刺激することを防止する。同様の切断装置システムが、米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号に示されており、このような切断装置システムでは、下部櫛状切断要素は、固定され、上部櫛状切断要素は、移動可能である。
【0006】
更に、CN206287174Uは、それぞれが2列の突出切断歯を備えた一対の協働する櫛状切断要素を有するあご髭トリマーを開示し、皮膚接触面を画定する上部切断要素は、下部切断要素の歯上に張り出した、厚肉化され丸められた歯先端部を備えた切断歯を有する。当該厚肉化され丸められた歯先端部は、皮膚接触面から離れるように湾曲しており、皮膚を実際に切断歯の主部に直接接触させて、皮膚表面に近いあご髭の無精髭を切断するように皮膚接触面に向かって突出していない。
【0007】
このようなあご髭の無精髭用トリマーは、非常に異なり、多岐にわたる機能的な要件及び性能問題、例えば、密着性、徹底性、切断場所の良好な視認性、効率、及び心地よい肌触り、良好な人間工学並びに取り扱いに対処する必要がある。密着性は、残りの無精髭が短い又は非常に短いことを意味するのに対し、徹底性は、特に首のような問題箇所において、剃りきれない毛髪がより少ないことを意味する。効率は、所望のトリミング結果を達成するために十分な、より少なく、より速いストロークを意味する。心地よい肌触りは、個々のユーザに依存するが、多くの場合、切り傷又は擦傷の形態の刺激が少なく、皮膚上へのより良好な滑りを含む。切断場所の視認性は、例えば1mmの長さの局所的な精度で除毛を達成するための輪郭のスタイリング又はエッジングの場合に特に重要である。
【0008】
そのような様々な性能問題を同時に満たすことは、非常に困難である。例えば、欧州特許第2747958(B1)号に示されるような厚肉化された端部を有する丸められた歯先端部は、皮膚刺激を防止し得るが、よりアグレッシブで密着した髭剃りを可能にするものではない。一方、米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号に示されるように、上部駆動櫛に比較的鋭い歯先端を有する切断装置システムは、密着性を達成し得るが、皮膚の刺激を引き起こすことなく、皮膚表面に実質的に垂直な突出歯で輪郭を切断するために使用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許第2425938(B1)号
【文献】欧州特許第2747958(B1)号
【文献】米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号
【文献】CN206287174U
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の根底にある目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを回避する、かつ/又は既存の解決方法を更に発展させる、改善された切断装置システムを提供することである。本発明の根底にあるより具体的な目的は、輪郭のエッジングの良好な制御を含み、同時に皮膚刺激を回避しつつ、長い無精髭や毛髪を密着し徹底的に切断することである。本発明の根底にある別の目的は、切断要素間の低摩擦、切断歯の低温、並びに低エネルギー消費及びそれゆえの長いエネルギー貯蔵寿命を犠牲にすることなく、毛髪を抜くこと及び引くことを回避するために協働する切断歯の確実かつ清浄な切断動作である。
【0011】
一態様によれば、切断動作の密着性及び徹底性は、球状又は滴状又は真珠状の厚肉部と、当該厚肉部を主歯部に結合し、主歯部の皮膚接触面から離れるように屈曲又は湾曲した屈曲又は湾曲歯部とを含む、張り出した歯先端部の2段階の丸めによって、皮膚刺激を回避する心地よい肌触りと組み合わせることができる。凹状の又は平坦化された凹部が、歯の皮膚接触側で、当該厚肉部と屈曲又は湾曲歯部との間の移行部に形成される。最も外側の先端部に実質的に球状又は滴状の厚肉部を提供することに加えて、皮膚接触面から離れるように歯を屈曲させることにより、より小さなサイズの厚肉部及び/又は丸みのある輪郭を使用する場合でも、皮膚の穿刺及び皮膚の刺激が確実に防止され、にもかかわらず、切断動作の密着性及び徹底性を可能にする。より具体的には、実質的に球状の厚肉部は、最も外側の先端部を形成することができ、上記厚肉部に隣接するより内側に位置付けられた先端部は、主歯部の皮膚表面から離れるように屈曲させ得る。当該内側に位置付けられた先端部は、歯先端の一部であるが、厚肉部の一部ではなく、切断歯の内側部又は主部と同等又は同じ厚さを有する実質的に平坦な板状の構成を有し得る。ここでの及び以下の文脈において「屈曲」という用語は、先端に近い歯の輪郭が湾曲していることを意味し、必ずしも必須ではなく任意選択的に、湾曲又は屈曲形状を作り出すために先端領域を屈曲させるプロセスも指してもよい。
【0012】
別の態様によれば、張り出す、丸められた歯先端部は、内側コアを囲む外側シェルを含む複合厚肉部を含み得、当該外側シェル及び当該内側コアは、異なる材料から作製される。特に、当該外側シェルは、金属から作製されてもよく、一方、内側コアは、損耗に対する高い耐性を有する軽量の剛性歯先端構造を達成するように、非金属又はポリマー材料から作製されてもよい。
【0013】
これら及び他の利点は、図面及び可能な例に言及する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1a】互いに対して往復運動する一対の協働する櫛状切断要素を有する切断システムを含む電気あご髭トリマーの斜視図であって、部分図(a)は、電気あご髭トリマーの前側を示し、部分図(b)は、あご上で働くあご髭トリマーを示す。
図1b】互いに対して往復運動する一対の協働する櫛状切断要素を有する切断システムを含む電気あご髭トリマーの斜視図であって、部分図(a)は、電気あご髭トリマーの前側を示し、部分図(b)は、あご上で働くあご髭トリマーを示す。
図2】協働する櫛状切断要素及び当該切断要素を駆動するための駆動システムを示す、あご髭トリマーの断面図である。
図3】一対の協働する櫛状切断要素と、切断要素を互いに対して支持するための支持構造体と、を含む切断装置システムの斜視図である。
図4a】剃毛される皮膚と接触している切断装置システムの断面図であり、切断装置ヘッドの対向側における非対称列の協働する切断歯を示し、これらの切断歯は、互いに異なって成形されて、剃毛される皮膚に沿って切断装置システムを移動させるときに異なる皮膚接触及び皮膚波を達成し、部分拡大図a及びbは、2列の切断歯の歯先端の異なる構成を示す。
図4b】剃毛される皮膚と接触している切断装置システムの断面図であり、切断装置ヘッドの対向側における非対称列の協働する切断歯を示し、これらの切断歯は、互いに異なって成形されて、剃毛される皮膚に沿って切断装置システムを移動させるときに異なる皮膚接触及び皮膚波を達成し、部分拡大図a及びbは、2列の切断歯の歯先端の異なる構成を示す。
図4c】剃毛される皮膚と接触している切断装置システムの断面図であり、切断装置ヘッドの対向側における非対称列の協働する切断歯を示し、これらの切断歯は、互いに異なって成形されて、剃毛される皮膚に沿って切断装置システムを移動させるときに異なる皮膚接触及び皮膚波を達成し、部分拡大図a及びbは、2列の切断歯の歯先端の異なる構成を示す。
図5a】丸められ厚肉化された歯先端を有する上部切断要素の歯の側面図及び上面図であり、図(a)は丸め及び厚肉部の側面図であり、図(b)は、間に間隙を有する一対の歯の上面図である。
図5b】丸められ厚肉化された歯先端を有する上部切断要素の歯の側面図及び上面図であり、図(a)は丸め及び厚肉部の側面図であり、図(b)は、間に間隙を有する一対の歯の上面図である。
図6図4aと同様の切断装置システムの断面図であり、切断装置ヘッドの両側における両方の列の協働する歯の歯先端は、皮膚接触面から離れるように屈曲させられ、皮膚接触面の反対側にのみ突出している。
図7a】異なる使用オプションによって剃毛されるべき皮膚と歯先端との係合の断面図であり、図(a)は、フォークモードでの密着切断のために滑らかに構成された歯先端を示し、図(c)は、フォークモードで使用される徹底的な切断のためにアグレッシブに構成された歯先端を示し、図(d)は、熊手モードでのアグレッシブに構成された歯先端を示す。
図7b】異なる使用オプションによって剃毛されるべき皮膚と歯先端との係合の断面図であり、図(a)は、フォークモードでの密着切断のために滑らかに構成された歯先端を示し、図(c)は、フォークモードで使用される徹底的な切断のためにアグレッシブに構成された歯先端を示し、図(d)は、熊手モードでのアグレッシブに構成された歯先端を示す。
図7c】異なる使用オプションによって剃毛されるべき皮膚と歯先端との係合の断面図であり、図(a)は、フォークモードでの密着切断のために滑らかに構成された歯先端を示し、図(c)は、フォークモードで使用される徹底的な切断のためにアグレッシブに構成された歯先端を示し、図(d)は、熊手モードでのアグレッシブに構成された歯先端を示す。
図7d】異なる使用オプションによって剃毛されるべき皮膚と歯先端との係合の断面図であり、図(a)は、フォークモードでの密着切断のために滑らかに構成された歯先端を示し、図(c)は、フォークモードで使用される徹底的な切断のためにアグレッシブに構成された歯先端を示し、図(d)は、熊手モードでのアグレッシブに構成された歯先端を示す。
図8a】異なる組立/分解図で協働する切断要素を含む切断装置システムを示し、図(a)は、組み立てられた切断システムの斜視図であり、図(b)は、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するための支持要素と上部切断要素との間のスペーサを示す切断装置システムの分解図であり、図(c)は、スペーサが支持要素に取り付けられた状態の切断システムの部分分解図であり、図(d)は、スペーサと組み立てられた挟持された切断要素を示す部分分解図であり、図(e)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の部分斜視図であり、図(f)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の上面図であり、図(g)は、歯長手方向軸に沿って変化する歯の断面を示すために、部分図8fに示すように、歯の異なる長手部分で取られた歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りの2つの断面図である。
図8b】異なる組立/分解図で協働する切断要素を含む切断装置システムを示し、図(a)は、組み立てられた切断システムの斜視図であり、図(b)は、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するための支持要素と上部切断要素との間のスペーサを示す切断装置システムの分解図であり、図(c)は、スペーサが支持要素に取り付けられた状態の切断システムの部分分解図であり、図(d)は、スペーサと組み立てられた挟持された切断要素を示す部分分解図であり、図(e)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の部分斜視図であり、図(f)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の上面図であり、図(g)は、歯長手方向軸に沿って変化する歯の断面を示すために、部分図8fに示すように、歯の異なる長手部分で取られた歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りの2つの断面図である。
図8c】異なる組立/分解図で協働する切断要素を含む切断装置システムを示し、図(a)は、組み立てられた切断システムの斜視図であり、図(b)は、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するための支持要素と上部切断要素との間のスペーサを示す切断装置システムの分解図であり、図(c)は、スペーサが支持要素に取り付けられた状態の切断システムの部分分解図であり、図(d)は、スペーサと組み立てられた挟持された切断要素を示す部分分解図であり、図(e)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の部分斜視図であり、図(f)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の上面図であり、図(g)は、歯長手方向軸に沿って変化する歯の断面を示すために、部分図8fに示すように、歯の異なる長手部分で取られた歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りの2つの断面図である。
図8d】異なる組立/分解図で協働する切断要素を含む切断装置システムを示し、図(a)は、組み立てられた切断システムの斜視図であり、図(b)は、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するための支持要素と上部切断要素との間のスペーサを示す切断装置システムの分解図であり、図(c)は、スペーサが支持要素に取り付けられた状態の切断システムの部分分解図であり、図(d)は、スペーサと組み立てられた挟持された切断要素を示す部分分解図であり、図(e)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の部分斜視図であり、図(f)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の上面図であり、図(g)は、歯長手方向軸に沿って変化する歯の断面を示すために、部分図8fに示すように、歯の異なる長手部分で取られた歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りの2つの断面図である。
図8e】異なる組立/分解図で協働する切断要素を含む切断装置システムを示し、図(a)は、組み立てられた切断システムの斜視図であり、図(b)は、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するための支持要素と上部切断要素との間のスペーサを示す切断装置システムの分解図であり、図(c)は、スペーサが支持要素に取り付けられた状態の切断システムの部分分解図であり、図(d)は、スペーサと組み立てられた挟持された切断要素を示す部分分解図であり、図(e)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の部分斜視図であり、図(f)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の上面図であり、図(g)は、歯長手方向軸に沿って変化する歯の断面を示すために、部分図8fに示すように、歯の異なる長手部分で取られた歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りの2つの断面図である。
図8f】異なる組立/分解図で協働する切断要素を含む切断装置システムを示し、図(a)は、組み立てられた切断システムの斜視図であり、図(b)は、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するための支持要素と上部切断要素との間のスペーサを示す切断装置システムの分解図であり、図(c)は、スペーサが支持要素に取り付けられた状態の切断システムの部分分解図であり、図(d)は、スペーサと組み立てられた挟持された切断要素を示す部分分解図であり、図(e)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の部分斜視図であり、図(f)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の上面図であり、図(g)は、歯長手方向軸に沿って変化する歯の断面を示すために、部分図8fに示すように、歯の異なる長手部分で取られた歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りの2つの断面図である。
図8g】異なる組立/分解図で協働する切断要素を含む切断装置システムを示し、図(a)は、組み立てられた切断システムの斜視図であり、図(b)は、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するための支持要素と上部切断要素との間のスペーサを示す切断装置システムの分解図であり、図(c)は、スペーサが支持要素に取り付けられた状態の切断システムの部分分解図であり、図(d)は、スペーサと組み立てられた挟持された切断要素を示す部分分解図であり、図(e)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の部分斜視図であり、図(f)は、丸められた及び/又は面取りした縁部を有する歯の皮膚接触面の上面図であり、図(g)は、歯長手方向軸に沿って変化する歯の断面を示すために、部分図8fに示すように、歯の異なる長手部分で取られた歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りの2つの断面図である。
図9a】挟持された切断要素の切断歯上に張り出した、上部切断要素の丸められ厚肉化された歯先端を示し、挟持された切断要素を上部切断要素に密接に保持する支持要素を示す、協働する切断歯の部分斜視図であり、当該支持要素は、波状又は歯状の縁部輪郭を有する。
図9b】挟持された切断要素の切断歯上に張り出した、上部切断要素の丸められ厚肉化された歯先端を示し、挟持された切断要素を上部切断要素に密接に保持する支持要素を示す、協働する切断歯の部分斜視図であり、当該支持要素は、波状又は歯状の縁部輪郭を有する。
図9c】挟持された切断要素の切断歯上に張り出した、上部切断要素の丸められ厚肉化された歯先端を示し、挟持された切断要素を上部切断要素に密接に保持する支持要素を示す、協働する切断歯の部分斜視図であり、当該支持要素は、波状又は歯状の縁部輪郭を有する。
図10a】挟持された切断要素よりもわずかに厚い、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するためのスペーサを含む支持構造体の断面図である。
図10b】挟持された切断要素よりもわずかに厚い、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するためのスペーサを含む支持構造体の断面図である。
図10c】挟持された切断要素よりもわずかに厚い、挟持された切断要素を受け入れる間隙を画定するためのスペーサを含む支持構造体の断面図である。
図11a】協働する歯間の間隙を最小限に抑えるために、挟持された切断要素を上部切断要素に向けて付勢するばね装置を含む代替の支持構造体の断面図である。
図11b】協働する歯間の間隙を最小限に抑えるために、挟持された切断要素を上部切断要素に向けて付勢するばね装置を含む代替の支持構造体の断面図である。
図12a】各列で異なって構成された協働する歯を有する切断装置システムの皮膚接触面の上面図であり、部分図(a)は、協働する歯の列の中央部のよりアグレッシブに構成された歯と、列の反対側の端部のあまりアグレッシブに構成されていない歯とを有して、端部に向かって増加する皮膚接触圧を補償する例を示し、部分図(b)は、列の端部のよりアグレッシブに構成された歯と、列の中央部であまりアグレッシブに構成されていない歯とを有して、中央部に向かって増加する皮膚圧を補償する別の例を示す。
図12b】各列で異なって構成された協働する歯を有する切断装置システムの皮膚接触面の上面図であり、部分図(a)は、協働する歯の列の中央部のよりアグレッシブに構成された歯と、列の反対側の端部のあまりアグレッシブに構成されていない歯とを有して、端部に向かって増加する皮膚接触圧を補償する例を示し、部分図(b)は、列の端部のよりアグレッシブに構成された歯と、列の中央部であまりアグレッシブに構成されていない歯とを有して、中央部に向かって増加する皮膚圧を補償する別の例を示す。
図13】歯の列に沿って変化する歯の構成と皮膚接触圧との関係を示し、部分図aは、ユーザの皮膚と係合する協働する歯の列の歯先端の正面図であり、部分図bは、歯の列の異なる部分に接触する皮膚の異なる部分について、皮膚接触圧及びそれに反応する歯への圧力を示し、部分図cは、歯の列の中心からその側端に向かって増加する皮膚接触圧を示す。
図14a図13のaと同様の歯列に沿って変化する皮膚接触圧及び歯構成であり、皮膚接触圧が歯列の中心から側端部に向かって増加する、実質的に平坦な又は面状の皮膚接触面を有する切断装置システムを示す。
図14b図13のaと同様の歯列に沿って変化する皮膚接触圧及び歯構成であり、皮膚接触圧が歯列の側端部に向かって減少する、凸状の皮膚接触面を有する切断装置システムを示す。
図15a】外側層によって囲まれた充填材を有する複合歯先端を有する歯の斜視図である。
図15b】外側層によって囲まれた充填材を有する複合歯先端を有する歯の斜視図である。
図15c】外側層によって囲まれた充填材を有する複合歯先端を有する歯の斜視図である。
図16a】複合歯先端を有する歯、及びその歯に対して往復動して協働する歯の斜視図である。
図16b】複合歯先端を有する歯、及びその歯に対して往復動して協働する歯の斜視図である。
図16c】複合歯先端を有する歯、及びその歯に対して往復動して協働する歯の斜視図である。
図17a図17aは、2列の短髪切断領域図17aを含む切断システムの分解図であり、図17bは、図17aの部分的に組み立てられた切断システムを示し、図17cは、図17aの組み立てられた切断システムを示す。
図17b図17aは、2列の短髪切断領域図17aを含む切断システムの分解図であり、図17bは、図17aの部分的に組み立てられた切断システムを示し、図17cは、図17aの組み立てられた切断システムを示す。
図17c図17aは、2列の短髪切断領域図17aを含む切断システムの分解図であり、図17bは、図17aの部分的に組み立てられた切断システムを示し、図17cは、図17aの組み立てられた切断システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
切断動作の密着性及び徹底性と皮膚刺激に対する良好な保護とを組み合わせるために、張り出した歯先端部は、球状又は滴状又は真珠状の厚肉部と、当該厚肉部を対応する歯の主部に結合し、当該主歯部の皮膚接触面から離れるように屈曲又は湾曲した屈曲又は湾曲部とを含む、2段階の丸めを設けられ得、球状又は真珠状の厚肉部と当該屈曲又は湾曲部との間の移行部にわずかな凹部が形成され得る。厚肉部、及び厚肉部が取り付けられている隣接する歯部の湾曲又は屈曲構成の丸めを含むそのような二重丸め構成は、切断動作の密着性及び徹底性と、皮膚刺激を回避する心地よい肌触りとを組み合わせ得る。より具体的には、最も外側の先端部における実質的に球状の、したがって丸い厚肉部を設けることに加えて、皮膚接触面から離れるように歯を屈曲させることは、厚肉部がより小さい輪郭である場合でも皮膚穿刺及び皮膚刺激を確実に防止する一方で、密着性及び徹底性を達成するのに役立つ。
【0016】
当該2段階の丸め及び/又は湾曲は、2つの丸めの間に凹部、より具体的には、球状又は真珠状の厚肉部と隣接する湾曲部との間の凹部を含み得る。歯の端部の皮膚接触面への接線を考慮すると、当該接線は、一方で球状又は真珠状の厚肉部と接触し、他方で凸状湾曲部と接触し、当該凹部が、想像上の接線の当該2つの接触点の間で当該接線に対する間隙を形成する。言い換えれば、厚肉部と屈曲又は湾曲部との間の移行部は、歯の皮膚接触面上にいくらかの弛み及び/又は窪み及び/又は平坦部を含む。当該厚肉部と屈曲又は湾曲部が、基本的に凸状の皮膚接触面を形成する一方、当該厚肉部と湾曲部との間の移行部は、平坦な又は凹状の皮膚接触面を形成する。
【0017】
より具体的には、実質的に球状の厚肉部は、最も外側の先端部を形成し得、隣接する内側に位置付けられた先端部は、主歯部の皮膚接触面から離れるように湾曲させ得る。当該内側に位置付けられた先端部は、歯先端の一部であるが、厚肉部の一部ではなく、切断歯の内側部又は主部と同等又は同じ厚さを有する実質的に平坦な板状の構成を有し得る。
【0018】
他方の協働する歯が間隙を閉鎖し通過することにより切断動作を提供する切断歯の当該内側部又は主部は、歯本体の長手方向縁部によって形成される少なくとも実質的に平行な切断縁部を備えた実質的に細長の板状構造を有してもよい。そのような平行六面体の歯主部の先端では、実質的に球状の厚肉部が取り付けられて、歯の先端を形成し得る。
【0019】
特に、2段階の丸めは、切断装置システムが熊手モード及びフォークモードで使用されるときに、優れた切断性能を提供する。フォークモードで使用される場合、すなわち、歯の主歯部が皮膚に実質的に平行である、及び/又は皮膚に接する、及び/又は皮膚に接触することは、皮膚表面に沿って切断装置システムを摺動させるときに発生する皮膚波を小さく保つのに役立つ。皮膚接触面から離れるように厚肉部に隣接する歯先端を屈曲させることにより、厚肉部と皮膚との間の摩擦を低減することができる。一方、熊手モードで切断装置システムを使用する場合、すなわち、切断歯の長手方向軸を皮膚に実質的に垂直に位置付ける場合、実質的に球状の厚肉部は、皮膚表面に沿って一対の切断要素を案内し、実質的に柔らかい切断手順を達成する。
【0020】
球状の厚肉部を歯の主部に結合する屈曲した歯部は、400μmよりも小さい湾曲半径又は曲げ半径を有するように構成され得る。より具体的には、当該屈曲歯部の曲げ半径は、200~400μm又は250~350μmの範囲であり得る。
【0021】
厚肉部は、300~550μm又は350~500μmの範囲の直径を有し得る。
【0022】
一方でよりアグレッシブでより密着性の高い切断動作と、他方でさほど激しくなく、より心地よい肌触りとの間での選択をユーザに与えるために、切断装置システムは、歯の厚肉化された及び/又は丸められた歯先端部の形状及び/又はサイズ及び/又は位置付けの点から互いに異なる2つの別個の列の協働する歯を提供する。よって、第1の列の協働する切断歯の使用は、よりアグレッシブでより密着性の高い切断動作を提供し得る一方、第2の列の切断歯の使用は、さほど激しくなく、より心地よい肌触りを提供し得る。歯先端の構成、特に湾曲及び厚肉部の構成は、切断性能に大きな影響を及ぼし得、ユーザが密着性、徹底性、柔らかい肌触り、及び効率のいずれかを選択することができる。アグレッシブ性が異なって構成された歯先端を有する少なくとも2列の協働する歯により、切断装置システムの汎用性が大幅に向上する。
【0023】
より具体的には、協働する歯の列は、歯の主部に対する厚肉部の位置、並びにそのサイズ及び形状によって少なくとも部分的に画定される歯先端の高さに関して互いに異なり得る。一方の列では、厚肉部は、皮膚接触面の反対側にのみ突出することができ、これは、例えば、先端厚肉部が取り付けられている歯部を皮膚接触面から離れるように屈曲又は湾曲させる、及び/又は厚肉部を歯の主部に偏心して、具体的には皮膚接触面からわずかにずらして取り付けることによってことによって達成され得る。一方、協働する歯の第2の列では、歯先端における厚肉部は、歯の両側に、すなわち、皮膚接触面及びそれと反対側に突出し得る。
【0024】
より一般的には、切断歯列の非対称設計は、一方の列の切断歯の張り出した歯先端部が、他方の列の切断歯の張り出した歯先端部よりも、更に、切断歯の主部の皮膚接触面から、接触対象の皮膚に向かって突出することによって達成され得る。追加的に又は代替的に、当該他方の列の切断歯の張り出した歯先端部は、当該一方の列の切断歯の張り出した歯先端部よりも、更に、切断歯の主部の皮膚接触面から遠くに位置付けられ得る。
【0025】
下部櫛状切断要素又は下方切断装置の歯先端の穿孔に対する一種の保護を達成するために、上部切断要素は、下部切断要素の歯先端上に張り出し、下部切断要素の歯が位置付けられる平面に向かって突出する歯先端を有し、それにより、上部切断要素の厚肉化された歯先端が、下部切断要素の歯先端が皮膚を穿刺するのを防止する一種の障壁を形成し得る。より具体的には、上部切断要素の張り出した歯先端部は、当該張り出した歯先端部が、他方の切断要素の歯先端が位置付けられる当該平面内及び/又はそれを超えて延在するように厚肉化され得る、及び/又は湾曲され得る。したがって、他方の切断要素の当該歯先端は、突出する歯の長手方向軸に実質的に平行な方向で切断要素の歯の先端を見たとき、他方の切断要素の張り出した歯先端部の後ろに隠されている。
【0026】
当該非対称列の協働する歯は、張り出す、厚肉化した及び/又は湾曲した歯先端を有する歯の高さが異なり得る。歯の高さは、歯の主部の皮膚接触面に対して実質的に垂直に、及び/又は歯の長手方向軸に対して垂直に測定され得、先端の厚肉部の輪郭及び歯の主部の上部及び/又は下部輪郭を含み得る。厚肉部が皮膚接触面から離れるように突出する、及び/又は歯が当該皮膚接触面から離れるように湾曲すると、高さは、厚肉部の最下点から皮膚接触面を画定する歯の主部の上面まで及び得る。
【0027】
そのような高さは、列毎に異なり得る。より具体的には、一方の列では、張り出した歯先端部を有する切断歯の高さは、300~600μm又は350~550μmの範囲であり得るが、他方の列の高さは、200~500μm又は250~450μmの範囲であり得る。
【0028】
より一般的には、200~550μmの高さは、切断システムが皮膚に平行に適用されるとき、すなわち、歯の主部の皮膚接触面が皮膚に接触する、又は剃毛される皮膚に平行であるときに、貫通のリスクを排除し得る。
【0029】
前述の厚さは、球状、又は滴状若しくは真珠状などの球体と少なくとも同様の形状であり得、直径、滴状又は真珠状の場合の最小直径は、250~600μm又は300~550μm又は350~450μmの範囲であり得る。
【0030】
協働する歯の非対称構成の列を提供するために、一方の列の張り出した歯先端部の厚さが、350~550μmの範囲の直径を有し得る一方、他方の列の歯先端の厚さは、250~450μmの範囲の直径を有し得る。
【0031】
剃毛される皮膚に対して実質的に垂直に延在する協働する歯を備えた熊手のように切断装置システムが使用されるとき、切断要素を往復又は回転させることなく、厚肉化された及び/又は丸められた歯先端部を十分に長く張り出させて、他方の切断要素の往復又は回転する歯が皮膚に接触し刺激するのを防止することが有用であり得る。他方の切断要素の歯先端を越える張り出した歯先端部の突出長さを画定するそのような張り出し長さは、400~800μm又は400~600μmの範囲であり得る。
【0032】
密着した切断を可能にするために、歯は、かなり薄い厚さを有し得る、及び/又は歯の厚さは、隣接する切断歯の対間の間隙に合わせて調整され得る。通常、剃毛される皮膚は、切断装置システムが剃毛される皮膚に押し付けられたときに隆起する。より具体的には、皮膚は、歯本体と接触して皮膚を押し下げる又は凹ませる切断歯間の間隙内へ隆起し得る。皮膚のそのような隆起作用により、切断動作を提供する歯の主部において、50~150又は30~180μmの範囲の歯の厚さを有することが有利であり得る。追加的に又は代替的に、隣接する切断歯との間の間隙の幅は、150~550又は200~500μmの範囲の間隙幅を有し得る。追加的に又は代替的に、歯は、200~600μm又は250~550μmの範囲の幅を有し得る。
【0033】
異なるアグレッシブ性を有する歯の列が、切断装置ヘッドの両側に位置付けられてもよく、及び/又は切断装置ヘッドを対向方向に移動させるときに、対向方向を覗きこんでいてもよい、すなわち、歯が歯間の間隙に入るように対向方向に向かって開放されてもよい。
【0034】
より具体的には、切断装置システムは、切断デバイスの細長いハンドルの長手方向軸に対して鋭角で傾斜している皮膚接触面を画定することができ、それにより、皮膚接触面の一方の側はハンドルの前側に向かって下方に傾斜する一方、皮膚接触面の反対側は、ハンドルの後側に向かって傾斜する。ハンドルの当該前側は、例えば、駆動ユニットをオン及びオフに切り換えるための動作ボタンを含み得、及び/又はハンドルを把持する親指に適合された表面輪郭又は部分を含み得る。切断装置システムの当該皮膚接触面は、ハンドルの一端に取り付けられた一種の単一勾配屋根を形成し得る。しかしながら、皮膚接触面は、平坦又は平面状である必要はなく、上記皮膚接触面が凸状及び/又は凹状であるとき、皮膚接触面に接する平面は、ハンドルの長手方向軸に対して前述の傾斜を有し得る。よりアグレッシブな構成を有する歯の列は、当該単一勾配の屋根の下側、すなわち、ハンドルの前側に向かって下方に傾斜する皮膚接触面の側に配置され得る一方、あまりアグレッシブでない構成の歯の列は、反対側、すなわち、ハンドルの後側に向かって上昇する単一勾配の屋根の上側に配置され得る。通常、皮膚接触面がハンドルの前側に向かって下方に傾斜するように傾斜している場合、下方傾斜側の皮膚接触圧は、上昇側の皮膚接触圧よりも低い。低皮膚接触圧は歯構成のアグレッシブ性を高めることによってある程度補償されているため、皮膚接触圧が低い下方傾斜側のよりアグレッシブな歯は、皮膚の刺激を伴わずに、効率的な毛髪切断を達成し、困難な毛髪を捕捉し得る。一方、皮膚接触面の反対側の上昇側のあまりアグレッシブでない歯は、高皮膚接触圧を補償し、皮膚の刺激を回避することができる。
【0035】
別の態様によれば、歯のアグレッシブ性は、同じ列の協働する切断歯の間でも変化し得る。より具体的には、列の中央部の切断歯は、異なるレベルのアグレッシブ性を提供するように、歯先端の形状及び/又はサイズ及び/又は位置の点から当該列の端部の切断歯とは異なり得る。より具体的には、比較的高い皮膚接触圧の部分では、歯は低いアグレッシブ性を提供するように構成され得るが、比較的低い皮膚接触圧を有する部分に配置される歯は、より高いレベルのアグレッシブ性を提供するように構成され得る。
【0036】
皮膚接触圧は、切断装置システムの皮膚接触面の輪郭に起因して変化し得る。例えば、切断装置システムの皮膚接触面が実質的に平坦である、及び/又は実質的に平面状である及び/又はわずかに凹状である場合、皮膚接触圧は皮膚接触面の側端部に向かって増加し得る。当該側端部は、互いに対する切断歯の往復運動方向での端部を意味する。そのような変動する皮膚接触圧にもかかわらず均一な切断を達成するために、低い皮膚接触圧を有する中央部に位置付けられた歯は、丸められた歯先端部のより小さい直径及び/又は皮膚接触面からのより小さい湾曲によって達成され得る、より高いアグレッシブ性を有するように構成され得る。一方、より高い皮膚接触圧を有する端部に位置付けられた歯は、丸められた歯先端部のより大きい直径及び/又は皮膚接触面からのより大きい湾曲によって達成され得る、低減されたアグレッシブ性を提供するように構成され得る。
【0037】
別の態様によれば、切断装置システムの皮膚接触面は、互いに対する協働する歯の往復運動の方向に平行で、かつ皮膚接触面に垂直な断面平面で見たときに凸状の輪郭を有し得る。言い換えれば、切断装置システムの皮膚接触面は、下方に傾斜し得る、又は歯が往復運動する側端部に向かって皮膚から離れるように湾曲し得る。皮膚接触面のそのような凸状の輪郭により、皮膚接触圧は、切断装置システムの中央部から端部に向かって減少し得る。そのような様々な皮膚接触圧を補償するために、側端部の歯は、アグレッシブ性が上昇するように構成され得る一方、中央部の歯は、アグレッシブ性が低下するように構成され得る。
【0038】
列内の3群又は4群又は5群の歯は、前述の異なる構成及び異なるアグレッシブ性を有するのに十分であり得る。一方、列の歯の構成は、列の歯の中央から端部まで段階的に又は連続的に変更し得る、又は当該構成の変化は、歯の列の中心に関して実質的に対称的な歯構成の分布を提供し得る。より具体的には、歯のアグレッシブ性は、列の中心から両端部に向かって段階的に又は連続的に変化し得る。
【0039】
別の種類の非対称輪郭が、各歯又は少なくとも一群の歯の皮膚接触面の側縁部に設けられ得る。より具体的には、指形状を有し得る歯は、丸められた及び/又は面取りされた縁部を有し得る皮膚接触面を有し、丸め及び/又は面取りの程度又はレベルは、歯の長手方向軸に沿って変化し得る。
【0040】
より具体的には、皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りは、中央部及び/又は歯先端に近い突出歯の部分の丸め及び/又は面取りよりも歯の基部又は根部でより顕著である、及び/又はより大きくなり得る。通常、皮膚接触圧は歯の基部又は根部に向かって減少するため、歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りが増加すると、皮膚接触圧が低下するにもかかわらず、皮膚が歯間の間隙内へ十分に隆起することが可能になる。したがって、切断歯の全長にわたって、効率的な毛髪切断及び密着性を達成することができる。
【0041】
歯の皮膚接触面の縁部の当該丸め及び/又は面取りはまた、歯の列の長さに沿って変化し得るため、列の中央部における歯の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りは、歯列の端部における歯の皮膚接触面の丸め及び/又は面取りとは異なり得る。特に、丸め及び/又は面取りは、皮膚接触圧が低い列の部分でより大きくなり得る及び/又はより顕著であり得る一方、丸め及び/又は面取りは、皮膚接触圧がより高い部分でより小さくなり得る。
【0042】
軽量ではあるが摩損に対して耐性のある剛性の歯先端構造を達成するために、歯先端は、内側コアを囲む外側シェルを含む複合厚肉部を有してもよく、当該シェル及びコアは、異なる材料から作製される。
【0043】
切断装置システムは、内側コアを囲む外側シェルを含み得る複合厚肉部を含み得る当該丸められた張り出した歯先端部を備えてもよく、当該シェル及び当該コアは、異なる材料から作製される。
【0044】
当該シェルは、金属から作製することができ、当該コアは、非金属材料から作製することができる。
【0045】
当該外側シェルは、内側コアの3つの側面で当該内側コアを囲むことができ、当該内側コアは、隣接する歯に面する2つの対向側面を覆われておらず、対向側面から視認可能である。
【0046】
当該シェルは板状であり、100度超又は150度超湾曲させることができ、特にU字状であり得る。
【0047】
当該シェルは、3つの開放側面を有し、第1及び第2の開放側面が、互いに対向し、隣接する歯及び第3の開放側面は、他方の切断要素の歯先端に面し得る。
【0048】
内側コアは、外側シェルの壁厚の50%~250%又は75%~125%の範囲の直径又は厚さを有し得る。
【0049】
別の態様によれば、櫛状切断要素は、厚肉部が歯先端に形成される前に、歯の列に平行な軸を中心に歯を屈曲させることによって製造され得る。
【0050】
櫛状切断要素は、異なる加工技術を使用することによって製造され得る。より具体的には、歯を含む歯付き切断縁部及びそれらの間の間隙は、エッジング及び/又は電気化学機械加工及び/又はパルス電気化学機械加工によって形成され得る。追加的に又は代替的に、歯及び/又は歯間の間隙は、電子研磨又は電解研磨によって切断要素本体から材料を除去し、微小の山と谷を平坦化することによって表面仕上げを改善することで形成され得る。切断要素は、電解質の浴に浸漬され得、電源の端子に結合されて切断要素に電流を流し、表面上の金属を電解質中で酸化及び溶解させることができる。更に、追加的に又は代替的に、打ち抜き加工及び/又は研削を用いて、切断要素を形成し得る。
【0051】
追加的に又は代替的に、歯先端における実質的に球状の厚肉部は、レーザ溶融によって形成され得る。追加的に又は代替的に、打ち抜き加工及び/又はエンボス加工及び/又は射出成形及び/又は浸漬及び/又はコーティングを使用して、当該厚肉部を形成することができる。
【0052】
基本的に、協働する切断要素の各々が、駆動されてもよい。しかしながら、容易な駆動システムを安全かつ柔らかい切断動作と組み合わせるために、皮膚接触面及び/又は張り出した歯先端部を有する上部又は外側切断要素が、起立していてもよく、及び/又は往復運動していなくてもよく、並びに回転していなくともよい一方で、挟持された切断要素であり得る下部又は内側切断要素は、往復運動又は回転振動してもよい。
【0053】
図1から分かるように、切断装置システム3は、かみそり及び/又はトリマー1のハンドル100に取り付けられ得る切断装置ヘッド2の一部であり得る。より具体的には、かみそり及び/又はトリマー1は、制御ユニット、電気駆動モータ又は磁気駆動モータ、及びモータの駆動動作を切断装置ヘッド2の切断装置システムに伝達するための駆動トレーンなどの電子構成部品及び/又は電気構成部品を収容する細長いハンドル100を含んでもよく、切断装置ヘッド2は、細長いハンドル100の一端に位置決めされてもよい。切断装置ヘッドは、可動切断要素の移動方向で平行な軸に沿って旋回するように支持80、18され得る、図1を参照されたい。図1bから分かるように、皮膚は、切断歯の列が設けられたトリマーの2つの長手方向縁部78、79の片側78にのみ隆起77する。したがって、皮膚圧は、皮膚の隆起を伴わない他方の側79よりも皮膚の隆起77に近い縁部78で高くなり得る。
【0054】
一対の協働する切断要素4及び5を含む切断装置システム3は、図1に示される実施例の場合のように、切断装置ヘッド2の唯一の切断装置システムであってもよい。他方で、切断装置システム3は、剪断フォイル切断装置などの他の切断装置システムを有するかみそりヘッド2に組み込まれてもよく、例えば、少なくとも1列の協働する切断歯6、7を有する切断装置システム3は、一対の剪断フォイル切断装置の間に位置決めされてもよく、又は代替的に、かかる剪断フォイル切断装置の前方に位置決めされてもよい。
【0055】
図1に示されるように、切断装置システム3は、歯間の間隙を閉鎖し、互いに通過することによって切断動作をもたらすように直線経路に沿って互いに対して往復運動することができる、切断歯6及び7の細長い列を含んでもよい。他方で、切断装置システム3はまた、円に沿って位置合わせされ、及び/又は径方向に配置された切断歯6及び7を含んでもよい。このような回転切断要素4及び5は、実質的に径方向に突起する切断歯6及び7を有してもよく、切断要素4及び5は、互いに対して回転するように、及び/又は互いに対して回転振動するように駆動されてもよい。切断動作は、基本的に、径方向に延在する歯としての往復運動する切断要素と同様であり、回転及び/又は回転振動するとき、隣接する歯の間の間隙を周期的に閉鎖並びに再開放し、はさみのように互いの上を通過する。
【0056】
図2に示されるように、駆動システムは、モータを含んでもよく、モータのシャフトは、駆動体18のチャネル状の輪郭の間に受容される偏心駆動ピンを回転させることができ、この偏心駆動ピンは、切断要素4のうちの1つに接続され、回転する偏心駆動ピンと当該駆動体18の輪郭との係合に起因する往復運動をもたらす。
【0057】
図3図8、及び図10によって示されるように、協働する切断要素4及び5は、基本的に、少なくともほぼ板状構成を有し得、切断要素4及び5はそれぞれ、図8b及び図10aを参照すると、板状切断要素4及び5の対向する長手方向側面に配置され得る2列の切断歯6及び7を含む。切断要素4及び5は、切断要素の平坦な側部が互いに上に横になるように支持され、及び位置決めされる。より具体的には、切断要素4及び5の切断歯6及び7は、はさみの刃のように、互いに背中合わせに接する。
【0058】
切断要素4及び5を互いに対して当該位置に支持しつつも、互いに対する歯の往復運動又は回転運動を依然として可能にするように、切断要素5は、他方の切断要素4と、上部又は外側切断要素4に堅固に結合され得るフレーム状又は板状の支持要素17を含み得る支持構造体14との間に挟持されて、それらの間に間隙16を画定し、挟持された切断要素5が間隙16内に受け入れられる(図10cも参照)。切断空隙25a、25bは、隣接するスペーサ15のより大きな厚さと比較して、挟持された(内側又は第2の又は移動された)切断要素の厚さが薄いために提供され得る。1つのオプションとして、他方の(第1の)切断要素4は固定されており、モータによって駆動されない。
【0059】
短髪切断開口部75a、75bの列78a、78bは、切断要素の主要領域内に追加的に設けられなくてもよく、又は1つ若しくはいくつかが設けられてもよい。支持板17には、無精髭排出路74が設けられ得る。
【0060】
図8b、図8c、及び図8dから分かるように、スペーサ15は、当該間隙16の幅又は厚さを正確に画定するように、支持要素17と上部切断要素4との間に収容される。当該スペーサ15は、支持要素17と切断要素4との間の距離を正確に調整するように板状であり得る。
【0061】
より具体的には、当該スペーサ15は、一方で、間隙16がリング状である及び/又は当該スペーサ15を囲む、他方で、切断要素4と支持要素17との間の距離が、当該スペーサ15の中央位置により全ての側で制御されるように、間隙16の中心に配置され得る。
【0062】
挟持された切断要素5は、主に切断要素5の一方の側から他方の側まで進む貫通孔として形成され得、かつ当該スペーサ15が受け入れられ得る凹部19を含んでもよい。輪郭、特に、当該凹部19の内周輪郭及び/又は縁部は、切断要素5が往復運動時にスペーサ15に沿って案内されるように、スペーサ15の外側輪郭に適合され得る。より具体的には、スペーサ15の幅は、切断要素5がスペーサ15の長手方向側縁部に沿って摺動することができるように、凹部19の幅に実質的に対応し得る。細長いスペーサ15の長手方向軸は、切断要素5の往復軸と同軸である、図8dを参照。
【0063】
板状であり得る又は平面内に延在するフレームとして形成され得る支持要素17は、図8bに示されるように支持されるように切断要素5と基本的に同等のサイズ及び輪郭を有し、支持要素17は、2列10及び11の切断歯7に沿った線又はストリップに沿って切断要素5を支持する実質的に矩形の板形状を有してもよい一方、支持要素17は、切断要素5の歯7の少なくとも一部を支持するサイズ及び輪郭及び/又は構成を有してもよい。あるいは、支持要素17は、少なくとも歯7の根部まで延在し得る。
【0064】
図9a及び図9bから分かるように、歯7の列に沿って延在する支持要素17の縁部は、それ自体が、間に突出部及び間隙を有する波状又は歯付き構成を有し得る。突出部20は、歯7を支持することができる位置で当該歯7の先端に向かって延在する。突出部20の間の間隙を含む支持要素17の縁部の歯付き構成により、切断装置システムが熊手として使用される場合でも、毛髪は協働する歯間の間隙に適切に入ることができる。にもかかわらず、突出部20は、撓みに対抗する歯7のより良好な支持を提供する。
【0065】
支持要素17は、それらの間の間隙16が正確に所望の厚さを有するように、切断要素4から所定の距離に堅固に保持される。これは、前述のスペーサ15によって達成され、その厚さは、間隙16の厚さを正確に画定する。
【0066】
望ましくない摩擦及び熱の発生を回避しつつ、歯6及び7を互いに十分に近接させて、確実な毛髪の切断を達成するために、当該スペーサ15は、挟持された切断要素5の厚さよりわずかに大きい厚さを有し得、スペーサ15の厚さが切断要素5の厚さを超える量は、通常の毛髪の直径よりも小さい。例えば、スペーサ15の幅は、20μm~40μmの範囲の量で、挟持された切断要素5の厚さよりも大きくてもよい。
【0067】
支持要素17、スペーサ15、及び切断要素4は、例えば、切断要素4の変更を可能にするスナップ嵌め輪郭によって互いに堅固に結合され得る。あるいは、溶接又は接着などの解放可能な締結も可能である。
【0068】
例えば、切断要素4は、例えば、軟らかな皮膚との係合のために丸められた及び/又は面取りされた輪郭を有する側方保護要素を形成することができる端部21によって、対向端で支持要素17に堅固に固定され得る。端部でのそのような固定は、スペーサ15を介した固定に加えて、又はその代わりに提供され得る。
【0069】
図11a及び11bから分かるように、支持構造体14はまた、協働する歯6と7との間の間隙を回避するように切断要素5を切断要素4上に付勢することができるばね装置22を含み得る。そのようなばね装置21は、切断要素5を切断要素4上に押圧するように、支持構造体14と下部又は下方切断要素5との間に設けられ得る。
【0070】
図4、5、及び6から分かるように、外側切断要素4の歯6は、協働する切断要素5の切断歯7と重なり合っており、そのような重なり合う歯6の歯先端8は、実質的に球状の厚肉部13を備えていてもよく、そのような厚肉部13を示す図9を参照されたい。
【0071】
歯6の最も外側の歯先端を形成するそのような厚肉部13に加えて、切断要素4の当該歯6は、当該厚肉部13を歯の切断部を形成する主歯部6mに結合する屈曲部6bを備えてもよく、このような主歯部6mは、櫛状の突出対の歯間の間隙を開閉させ、互いの上を通過させるという点で、突出歯間の空間に入る毛の剪断を達成するために、他方の切断要素5の歯7と協働する刃を形成する。
【0072】
そのような屈曲部6bは、切断要素4の切断歯6の皮膚接触面12から離れるように湾曲し、そのような屈曲部6bの屈曲半径Rは、例えば、200~400μmの範囲であり得る。曲げ軸は、往復軸に平行に、及び/又は協働する歯6、7が配置される列10、11の長手方向延長部と平行に延在し得る。
【0073】
図5aから分かるように、厚肉部13が屈曲部6mから更に突出し、異なる湾曲半径r(厚肉部が球状である場合の球体半径)を有し得るため、湾曲部6bと厚肉部13との間の移行部はわずかな窪み又は凹状部を形成し得る。
【0074】
当該屈曲部6bは、10度~45度又は15度~30度又は10度~90度又は15度~180度の範囲の屈曲角度αにわたって延在し得る、図5aを参照。
【0075】
歯先端8における実質的に球状の厚肉部13は、300~550μm又は350~500μmの範囲の直径を有し得る。
【0076】
皮膚接触面12に垂直な方向で測定された厚肉部13の輪郭全体及び歯主部6mを含む高さhは、切断システムが図4及び図6に示されるように皮膚に平行に適用されるとき、貫通のリスクを排除するために300~550μmの範囲であり得る。例えば、球又は滴の形態の歯6の端部における膨張部は、図7b及び7dに示されるように、垂直適用時の危険を排除する。前述の最大400μmの曲げ半径Rでの屈曲部6bの追加の屈曲は、毛髪の捕捉に対して許容可能な影響で最適な誘導感覚を与える。
【0077】
図5aに示されるように、他方の切断要素5の歯7を越える張り出した歯6の突出長さを画定する張り出し長さoは、400~800μm又は400~600μmの範囲であり得る。図7b及び図7dに示されるように、切断装置システムが熊手のように使用されるとき、そのような張り出し長さoは、切断要素5の往復する歯7が皮膚に接触して刺激するのを防ぐのに役立つ。
【0078】
密着した切断を可能にするために、歯は、かなり薄い厚さtを有し得る、及び/又は歯6及び7の厚さtは、隣接する切断歯6及び7の対間の間隙22に合わせて調整され得る。前述の皮膚の隆起作用により、歯6の主部6mにおいて、50~150μm又は30~180μmの範囲の歯の厚さtを有することが有利であり得る。他方の切断要素5の歯7は、同じ厚さtを有し得る。
【0079】
隣接する切断歯6及び7の各対間の間隙22は、150~550μm又は200~500μmの範囲の間隙幅gを有し得る。
【0080】
歯6及び/又は歯7の幅twは、200~600μm又は250~550μmの範囲であり得る。図5bに示されるように、歯6及び7の幅gは、歯の長手方向軸に沿って実質的に一定であり得る。にもかかわらず、歯6及び7をわずかにV字形の構成にすることが可能であり、幅twは先端に向かって減少し得る。そのような場合、前述の幅範囲は、長手方向延長部の中央で測定される幅twに適用される。
【0081】
図8e、8f、及び8gから分かるように、指状歯6の皮膚接触面は、丸められた及び/又は面取りされた縁部6rを有し、そのような丸め及び/又は面取りは、より顕著であり得る、又は指状歯6の根部に向かって増加し得る。
【0082】
より具体的には、皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りは、中央部及び/又は歯先端に近い突出歯6の部分の丸め及び/又は面取りよりも歯6の基部又は根部でより顕著である、及び/又はより大きくなり得る。当該丸め及び/又は面取りは、歯6の基部に向かって連続的及び/又は滑らかに増加し得る。通常、皮膚接触圧は歯6の基部又は根部に向かって減少するため、歯6の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りが増加すると、皮膚接触圧が低下するにもかかわらず、皮膚が歯6間の間隙内へ十分に隆起することが可能になる。したがって、効率的な毛髪切断及び密着性を、切断歯6の全長にわたって達成することができる。
【0083】
歯6の皮膚接触面の縁部の当該丸め及び/又は面取りはまた、歯6の列の長さに沿って変化し得るため、列の中央部における歯6の皮膚接触面の縁部の丸め及び/又は面取りは、歯6の列の端部における歯6の皮膚接触面の丸め及び/又は面取りとは異なり得る。特に、丸め及び/又は面取りは、皮膚接触圧が低い列の部分でより大きくなり得る及び/又はより顕著であり得る一方、丸め及び/又は面取りは、皮膚接触圧がより高い部分でより小さくなり得る。
【0084】
一方でよりアグレッシブでより密着性の高い切断動作と、他方でさほど激しくなくより心地よい肌触りとの間での選択をユーザに与えるために、切断装置システムは、歯6の厚肉化された及び/又は丸められた歯先端部8の形状及び/又はサイズ及び/又は位置付けの点から互いに異なる2つの別個の列10、11の協働する歯6を提供する。よって、第1の列10の協働する切断歯6の使用は、よりアグレッシブでより密着性の高い切断動作を提供し得る一方、第2の列11の切断歯6の使用は、さほど激しくなくより心地よい肌触りを提供し得る。歯先端8の構成、特に湾曲及び厚肉部の構成は、切断性能に大きな影響を及ぼし得、ユーザが密着性、徹底性、柔らかい肌触り、及び効率のいずれかを選択することができる。
【0085】
より具体的には、列10、11の協働する歯6は、歯6の主部に対する厚肉部の位置、並びにそのサイズ及び形状によって少なくとも部分的に画定される歯先端8の高さに関して互いに異なり得る。一方の列10では、厚肉部は、皮膚接触面の反対側にのみ突出することができ、これは、例えば、先端厚肉部が取り付けられている歯部を皮膚接触面から離れるように屈曲又は湾曲させる、及び/又は厚肉部を歯6の主部に偏心して、具体的には皮膚接触面からわずかにずらして取り付けることによってことによって達成され得る。一方、協働する歯6の第2の列11では、歯先端8における厚肉部は、歯6の両側に、すなわち、皮膚接触面及びそれと反対側に突出し得る。
【0086】
当該協働する歯6の当該非対称列10、11は、張り出す、厚肉化された及び/又は湾曲した歯先端8を有する歯6の高さが異なり得る。歯6の高さは、歯6の主部の皮膚接触面に対して実質的に垂直に、及び/又は歯6の長手方向軸に対して垂直に測定され得、先端の厚肉部の輪郭及び歯6の主部の上部及び/又は下部輪郭を含み得る。厚肉部が皮膚接触面から離れるように突出する、及び/又は歯6が当該皮膚接触面から離れるように湾曲すると、高さは、厚肉部の最下点から皮膚接触面を画定する歯の主部の上面まで及び得る。
【0087】
そのような高さは、列毎に異なり得る。より具体的には、一方の列10では、張り出した歯先端部8を有する切断歯6の高さは、300~600μm又は350~550μmの範囲であり得るが、他方の列11の高さは、200~500μm又は250~450μmの範囲であり得る。
【0088】
図1から分かるように、異なるアグレッシブ性を有する歯6、7の列10、11が、切断装置ヘッド2の両側に位置付けられてもよく、及び/又は切断装置ヘッド2を対向方向に移動させるときに、対向方向を覗きこんでいてもよい、すなわち、歯6が歯間の間隙に入るように対向方向に向かって開放されてもよい。
【0089】
より具体的には、切断装置システムは、切断デバイスの細長いハンドル100の長手方向軸に対して鋭角で傾斜している皮膚接触面を画定することができ、それにより、皮膚接触面の一方の側はハンドル100の前側に向かって下方に傾斜する一方、皮膚接触面の反対側は、ハンドル100の後側に向かって上昇する又は上方に傾斜する。ハンドル100の当該前側は、例えば、駆動ユニットをオン及びオフに切り換えるための動作ボタンを含み得、及び/又はハンドル100を把持する親指に適合された表面輪郭又は部分を含み得る。切断装置システムの当該皮膚接触面は、ハンドル100の一端に取り付けられた一種の単一勾配屋根を形成し得る、図1を参照。しかしながら、皮膚接触面は、平坦又は平面状である必要はなく、当該皮膚接触面が凸状及び/又は凹状であるとき、皮膚接触面に接する平面は、ハンドル100の長手方向軸に対して前述の傾斜を有し得る。
【0090】
よりアグレッシブな構成を有する歯6の列11は、当該単一勾配の屋根の下側、すなわち、ハンドル100の前側に向かって下方に傾斜する皮膚接触面の側に配置され得る一方、あまりアグレッシブでない構成の歯6の列は、反対側、すなわち、ハンドル100の後側に向かって上昇する単一勾配の屋根の上側に配置され得る。通常、皮膚接触面がハンドル100の前側に向かって下方に傾斜するように傾斜している場合、下方傾斜側の皮膚接触圧は、上昇側の皮膚接触圧よりも低い。低皮膚接触圧は歯構成のアグレッシブ性を高めることによってある程度補償されているため、皮膚接触圧が低い下方傾斜側のよりアグレッシブな歯6は、皮膚の刺激を伴わずに、効率的な毛髪切断を達成し、困難な毛髪を捕捉し得る。一方、皮膚接触面の反対側の上昇側のあまりアグレッシブでない歯6は、高皮膚接触圧を補償し、皮膚の刺激を回避することができる。
【0091】
図12、13、及び14から分かるように、歯6のアグレッシブ性は、同じ列の協働する切断歯6内でも変化し得る。より具体的には、列の中央部の切断歯6は、異なるレベルのアグレッシブ性を提供するように、歯先端の形状及び/又はサイズ及び/又は位置の点から、当該列の端部の切断歯6とは異なり得る。より具体的には、比較的高い皮膚接触圧の部分では、歯6は低いアグレッシブ性を提供するように構成され得るが、比較的低い皮膚接触圧を有する部分に配置される歯6は、より高いレベルのアグレッシブ性を提供するように構成され得る。図13は、皮膚83と切断システム85上に加わる、両方の相互作用による力/圧力を示す。皮膚内の中央側82と側方側81に例示的な矩形が示されている。側方側での切断歯6上のより高い皮膚圧は、側方側のより丸い、L字形、又はより厚肉化された歯先端6bと釣り合わせることができる。他方、第1の切断要素の中央側は、本実施例では、皮膚圧が小さいため、歯先端6aが皮膚に向かって方向付けられた歯先端に厚肉部を有して成形される。皮膚上の歯先端のアグレッシブ性に影響を与える他の設計オプションも同様に採用することができる。
【0092】
皮膚接触圧は、切断装置システムの皮膚接触面の輪郭に起因して変化し得る。例えば、切断装置システムの皮膚接触面が実質的に平坦である、及び/又は実質的に平面状である及び/又はわずかに凹状である場合、図14aから分かるように、皮膚接触圧は皮膚接触面の側端部に向かって増加し得る。当該側端部は、互いに対する切断歯6の往復運動方向での端部を意味する。皮膚に沿った切断装置ヘッド2又は切断装置システムの通常の動きを考慮すると、当該側端部は、櫛状切断装置の右端部及び左端部である。そのような変動する皮膚接触圧にもかかわらず均一な切断を達成するために、低い皮膚接触圧を有する中央部に位置付けられた歯6は、丸められた歯先端部のより小さい直径及び/又は皮膚接触面からのより小さい湾曲によって達成され得る、より高いアグレッシブ性を有するように構成され得る。一方、より高い皮膚接触圧を有する端部に位置付けられた歯6は、丸められた歯先端部のより大きい直径及び/又は皮膚接触面からのより大きい湾曲によって達成され得る、低減されたアグレッシブ性を提供するように構成され得る。
【0093】
図14bから分かるように、切断装置システムの皮膚接触面は、互いに対する協働する歯6の往復運動の方向に平行で、かつ皮膚接触面に垂直な断面平面で見たときに凸状の輪郭を有し得る。言い換えれば、切断装置システムの皮膚接触面は、下方に傾斜し得る、又は歯6が往復運動する側端部に向かって皮膚から離れるように湾曲し得る。皮膚接触面のそのような凸状の輪郭により、皮膚接触圧は、切断装置システムの中央部から端部に向かって減少し得る。そのような様々な皮膚接触圧を補償するために、図14bから分かるように、側端部の歯6は、アグレッシブ性が上昇するように構成され得る一方、中央部の歯6は、アグレッシブ性が低下するように構成され得る。矢印付きの点線86は、切断システムの皮膚側の頂点又は高さに向かう皮膚圧の増加の方向を示す。矢印付きの実線87は、第1の切断要素の歯先端6の「アグレッシブ性」の増加の方向を示す。本実施例で分かるように、互いにアグレッシブ性の異なる歯先端6を設計することは、より薄い先端若しくはより直線的なI状の歯、又は皮膚に向かって突出する歯先端の厚肉部若しくは丸めによって実現される。図14bの凸状切断装置システムには、側部に向かうアグレッシブな歯先端6aが設けられる。この場合、あまりアグレッシブでない歯先端6bが、第1の切断要素4の凸状の皮膚側の頂点又は最高点に設けられる。このようなあまりアグレッシブでない歯先端6bは、この実施例では、皮膚側から離れるように屈曲するように設計されており、例えば、横断面にL字形状を作り出す、及び/又は先端に厚肉部又はより大きな丸めを提供することによってそのような歯先端6bの皮膚接触面を増加させる。
【0094】
前述の異なる構成及び異なるアグレッシブ性を有する列に3つ又は4つ又は5つのグループの歯6を有するのに十分であり得る。一方、歯6の列の構成は、歯6の列の中央から端部まで段階的に又は連続的に変更し得る、又は当該構成の変化は、歯6の列の中心に関して実質的に対称的な歯構成の分布を提供し得る。より具体的には、歯のアグレッシブ性は、図14bから分かるように、列の中心から両端部に向かって段階的に又は連続的に変化し得る。
【0095】
図15及び図16から分かるように、歯6又は歯6の少なくともいくつかは、異なる材料層及び/又は異なる材料を含む複合歯先端を有し得る。より具体的には、充填材又は内側層は、外側層によって囲まれ得る。
【0096】
図15から分かるように、指状歯6は、薄板状の金属シートから形成されてもよく、及び/又は実質的に板状の歯本体を含んでもよく、指状歯の外側又は突出する端部は、90度超又は100度超又は120度超屈曲され得る、及び/又は指状歯の屈曲又は湾曲した端部が歯先端の外側層を形成する、実質的にU字状の端部を形成し得る。そのような外側層は内側層又は充填層を囲み、U字状の端部の対向脚部間の実質的に空間全体を満たすことができ、図15を参照されたい。そのような充填材層は、屈曲端部によって囲まれた空間を充填するためのポリマー材料又は発泡体材料又は任意の他の適切なマトリックス材料であり得る。歯先端6のU字状にもかかわらず、可動切断要素の歯先端5は、可動歯5の下側で覆われない。他の全ての実施形態について、可動歯5は、固定歯が長手方向軸に沿って断面にI字形状を有する場合に皮膚に面する側でのみ、又は/更にL字型又はU字形の第1の切断歯によって提供される(移動方向に垂直な方向で)最も外側の可動歯5の歯先端側において、固定歯によって覆われている。
【0097】
図15及び図16に示される第1の切断歯先端の断面は基本的に、歯先端におけるU字形6c及び空間の充填6dにより、縁部にわずかな丸めを伴う矩形又は正方形である。第1の切断歯6は、その長手方向の歯延長部に沿って断面を、部分6fの正方形又は矩形とは異なる他の断面まで低減させることができる。
【0098】
図17a~図17cは、板状切断システムの長手方向側面に、2列の協働する長髪切断歯6、7と、第1の切断要素の主中央部における短髪切断開口部75a、及び第2の可動切断要素5の主中央部における短髪切断開口部75bの追加の2つの別個の列を備えた切断システムの配置を示す。上記の一方の列は、横方向及び長手方向の両方にいくつかの隣接する開口部75aを備え得る。2列の細長い短髪切断開口部は、開口部を有さない細長い領域によって分離され得る。開口部を有さないこの中央領域を垂直下方には、細長いスペーサ15が、可動切断要素内の対応するスリット19内に配置され埋め込まれている。当該図示された2列の短髪切断開口部76a、76b、及び77a、77bの別個の提供は、互いに平行であり、かつ切断歯も開口部もない第1の切断要素の領域の下に位置する第2の切断要素の移動方向に平行である3つの細長いスペーサ15を必要とする。ここでは、3対のそのような細長いスペーサ15が提供される。
【0099】
上記の実施形態は、好ましくは少なくとも1つの中央スペーサ15を必要とする切断要素の中央領域に短毛切断開口部を備えていない切断システムと、少なくとも2つの細長いスペーサを(短髪切断開口部の左側と右側に)必要とする切断要素の長手方向側面に、櫛状切断要素6、7と平行な細長い1列の短髪切断要素を備えた切断システムと、を示しており、図17a~cの実施形態は、移動方向に平行に配置された少なくとも3つの細長いスペーサ15を必要とする別個の2列の短毛切断要素を開示している。これらの実施形態の上に記載された他の全ての特徴は、それらの全ての変形に適用され得ることを理解されたい。
【0100】
上述の全ての実施形態及び図面は、支持構造体と固定切断要素が固定櫛の歯を介して結合されていない平板状構成における両方の切断要素を示している。したがって、支持構造体に面する側の可動切断要素の歯の先端は、支持構造体又は非可動切断要素から覆われていない。これにより、切断された毛の良好な脱落が可能になり、全ての要素間の狭い間隙での毛詰まりが回避される。固定切断要素と支持構造体は、垂直方向にスペーサのみを介して、及び任意選択で側方の歯自由側を介して結合される。
【0101】
代替的に、上記の実施形態は、可動櫛の歯の上面及び下面の両方を包囲する固定櫛状歯を有するように修正することができ、それにより、固定櫛の支持構造体又は下面が、歯先端を介して皮膚側の固定櫛と結合される。この場合、スペーサと固定櫛、及び皮膚側と反対側でのスペーサと支持構造体又は固定櫛の垂直固定は、歯先端結合も提供されるために、それらの部品間の唯一の結合ではない。この代替の設計は、毛髪の目詰まり又は毛髪による摩耗が(これを避けるために他の解決策が提供されない限り)起こり得るという潜在的な欠点を有するものの、固定歯先端が毛髪切断中により安定したままであるという利点を有する。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図8g
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図10c
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14a
図14b
図15a
図15b
図15c
図16a
図16b
図16c
図17a
図17b
図17c