(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20241112BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20241112BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B102:32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023036530
(22)【出願日】2023-03-09
(62)【分割の表示】P 2022000078の分割
【原出願日】2017-12-06
【審査請求日】2023-04-06
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500014161
【氏名又は名称】テイラー メイド ゴルフ カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール エム デンコフスキ
(72)【発明者】
【氏名】ブレット エイチ ウォール
(72)【発明者】
【氏名】スコット テイラー
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-128580(JP,A)
【文献】特許第3719924(JP,B2)
【文献】特開2003-245381(JP,A)
【文献】特表2007-527259(JP,A)
【文献】特許第5980714(JP,B2)
【文献】米国特許第5290036(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0028240(US,A1)
【文献】特開2003-260153(JP,A)
【文献】特許第3594330(JP,B2)
【文献】特開2011-224365(JP,A)
【文献】特開2016-198508(JP,A)
【文献】特許第5980194(JP,B2)
【文献】国際公開第2015/127111(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00 - 53/14
A63B 102/32
A63B 60/00 - 60/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空洞体のゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドのヒール部分、
前記ゴルフクラブヘッドのソール部分の後方部分、トウ部分、後壁及びホーゼルを含む本体と、
トップ部分と、
前記本体に溶接されるストライクプレートであって、
前記ゴルフクラブヘッドのストライクフェースと、前記ゴルフクラブヘッドの前記ソール部分の
前方部分と、前記ストライクフェースと前記ソール部分の
前記前方部分との間の
ソールラップ部分とを含み、
前記ストライクプレート、前記ヒール部分、前記ソール部分、前記トウ部分、前記トップ部分、そして前記後壁が、前記ゴルフクラブヘッドの内部キャビティを閉じており、
前記ソール部分の
前記前方部分は、前記内部キャビティの一部を画定する内面を有し、
前記ストライクプレートは変化した厚みを有し、
前記ソール部分の
前記後方部分は、内部面に窪みを構成しており、
前記内部キャビティ内の非金属材料と、
前記ソール部分の
前記後方部分の前記窪みに配置されたタングステンの重み要素と、
前記ゴルフクラブヘッドに形成されたポートであり、前記内部キャビティ
に前記非金属材料を
前記ポートから注入できるように構成されており、
前記
ポートを閉じるために前記
ポートに取り付けられるプラグと、
キャリブレーションプレートのベース値に対して、
前記内部キャビティ内が充填されていないときの第1COR降下値と、
前記内部キャビティ内が少なくとも部分的に非金属材料で充填されているときの第2COR降下値と、
を示し、
前記第2COR降下値と前記第1COR降下値との間の差であるCOR変化値との関係において、
前記COR変化値は、0~-0.1である、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記非金属材料は、前記ポートを介して前記内部キャビティ内に最初に配置されている。
【請求項3】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記非金属材料は、最初に前記ポートを介して前記内部キャビティ内に注入されるものであり粘性の材料である。
【請求項4】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ストライクプレートは、第1の材料からなり、
前記本体は、前記第1の材料とは異なる第2の材料からなるものである。
【請求項5】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記後壁は、前記ソール部分の前記
後方部分から前記内部キャビティに突出するソールバーを構成し、前記ソールバーは、前記ゴルフクラブヘッドの後方で低い位置であり、そして前記ストライクプレートに比べて相対的に大きい厚みを持ち、
前記後壁は、さらに前方ソールバー突出部を構成し、この前方ソールバー突出部は前記ソールバーの前から前記ストライクプレートに向かって突出しており、
前記ソール部分の前記
後方部分は、前記ソールバーから突出した前記前方ソールバー突出部を包み込んでおり、
前記非金属材料は前記前方ソールバー突出部の下側面に接触し、かつ前記ソール部分の前記
後方部分の内側面に接触しており、
前記ソール部分の前記
後方部分の厚みは、前記ストライクプレートの中央部分の厚みより小さく、そして、
少なくとも前記ソール部分の前記
後方部分の一部は、前記ソール部分の前記
前方部分に沿って溶接されている。
【請求項6】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記後壁は、前記ソール部分の前記
後方部分から前記内部キャビティに突出するソールバーを構成し、前記ソールバーは、前記ゴルフクラブヘッドの後方で低い位置であり、そして前記ストライクプレートに比べて相対的に大きい厚みを持ち、
前記後壁は、さらに前方ソールバー突出部を構成し、この前方ソールバー突出部は前記ソールバーの前から前記ストライクプレートに向かって突出しており、そして、
前記非金属材料は、前記前方ソールバー突出部と前記ストライクプレートの前記後壁に接触する
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
請求項6のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記非金属材料は、前記後壁の中央に接触する
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ストライクプレートの一部は前記ソール部
分の
前記前方部分よりもさらにトウ部分の方へ延びている
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
請求項8のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記本体はさらに前記トップ部分の第1の部分を構成し、
前記ストライクプレートは、さらに前記トップ部分の第2の部分を構成し、
そして、
前記トップ部分の前記第2の部分は、前記ストライクフェースから前記トップ部分の前記第1の部分への移り変わりを確定している
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
請求項9のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記窪みは、後壁と対向する横壁を備え、そして前記タングステンの重み要素は、少なくとも部分的に前記窪みで囲まれている
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記窪みは、後壁と対向する横壁を備え、そして前記タングステンの重み要素は、少な
くとも部分的に前記窪みで囲まれている
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記本体は鋳造であり前記ストライクプレートは鍛造である
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ストライクプレートは、肉厚の部分を構成し、
前記非金属材料は、前記ストライクプレートの内部側の面に一体化した部分を備える
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
請求項1のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記非金属材料は、前記ストライクプレートの内部側の面に一体化した部分を備え、
前記非金属材料の前記部分の前記ストライクプレートの内部側の面に一体化した部分は、円形である
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
中空洞体のアイアンタイプのゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドのヒール部分、
前記ゴルフクラブヘッドのソール部分の後方部分、トウ部分、トップ部分、
後壁及びホーゼルを含む本体と、を備え、
前記本体にストライクプレートが溶接されており、
前記ストライクプレートは、前記ゴルフクラブヘッドのストライクフェースと、前記ゴルフクラブヘッドの前記ソール部分の
前方部分と、前記ストライクフェースと前記ソール部分との間の
ソールラップ部分を備え、
前記ストライクプレート、前記ヒール部分、前記ソール部分、前記トウ部分、前記トップ部分、そして前記後壁が、前記ゴルフクラブヘッドの内部キャビティを閉じており、
前記ソール部分の
前記前方部分は、前記内部キャビティの一部を画定する内面を有し、
前記ストライクプレートは変化した厚みを有し、
前記内部キャビティの中の非金属材料と、
前記ゴルフクラブヘッドに形成され、前記内部キャビティ
が前記非金属材料を受入れるほうに構成されたポートと、
前記ポートを塞ぐように前記ポートに取り付けられたプラグと、
キャリブレーションプレートのベース値に対して、
前記内部キャビティ内が充填されていないときの第1COR降下値と、
前記非金属材料で少なくとも部分的に前記内部キャビティ内が充填されたときの第2COR
降下値と、
を示し、
前記第2COR降下値と前記第1COR降下値との間の差であるCOR変化値との関係において、
前記COR変化値は、0~-0.1であり、
前記後壁は、前記ソール部分の
前記後方部分から前記内部キャビティ内に突出したソールバーを備え、前記ソールバーは、前記ゴルフクラブヘッドの後方で低い位置であり、そして前記ストライクプレートに比べて相対的に大きい厚みを持ち、
前記非金属材料は、前記ソールバーを越えて延在している
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
請求項15のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ソール部分の
前記前方部分の厚みは、前記ストライクプレートの中央部分の厚みよりも少ない
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
請求項15のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記非金属材料は、最初に前記ポートを介して前記内部キャビティ内に注入されるものであり粘性の材料である
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
請求項15のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ストライクプレートの一部は前記ソール
部分の
前記前方部分よりもさらにトウ部分の方へ延びている
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
請求項15のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記内部キャビティ内にタングステンの重み要素を備える
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
請求項15のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記内部キャビティは、前記ストライクフェースに対して垂直な方向へ厚みを形成し、
前記内部キャビティの厚みは、前記トップ部分から前記ソール部分へ延在する方向へ変化し、
前記内部キャビティは第1の位置で厚くなり、
前記ストライクプレートは第2の位置で厚くなり、そして、
前記ストライクフェースに対して垂直な線が、前記第1の位置と前記第2の位置を通過している
、ゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
請求項15のゴルフクラブヘッドにおいて、
前記内部キャビティは、前記ストライクフェースに対して垂直な方向へ厚みを形成し、
前記内部キャビティの厚みは、前記トップ部分から前記ソール部分へ延在する方向へ変化し、
前記内部キャビティの厚みは、前記トップ部分から前記ソール部分に延長する方向の第1の位置で増加しており、
前記内部キャビティの厚みは、前記トップ部分から前記ソール部分に延長する方向の前記第1の位置から離れるに従い、減少しており、
前記ストライクプレートは第2の位置で最も厚く、そして
前記ストライクフェースに対して垂直な線が、前記第1の位置と前記第2の位置を通過している
、ゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【関連技術の相互参照】
【0001】
本出願は、2012年6月8日出願の米国特許仮出願第61/657675号の優先権
を主張する2013年3月14日出願の米国特許第9044653号を参照するものであ
り、これらはいずれも、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。本出願は、2
009年4月23日出願の米国特許仮出願第61/214487号の優先権を主張する2
010年4月19日出願の米国特許第8353785号も参照しており、これらはいずれ
も、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。本出願は、2002年9月3日出
願の米国特許第6811496号も参照しており、これはその全体が参照によって本明細
書に組み込まれる。本出願は、2011年5月19日出願の米国特許出願第13/111
715号も参照しており、これはその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。本出
願は、2014年12月31日出願の米国特許仮出願第62/099012号および20
14年12月31日出願の米国特許仮出願第62/098707号の優先権を主張する2
015年12月28日出願の米国特許出願第14/981330号を更に参照するもので
あり、これらは全て、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、ゴルフクラブに関するものであり、より具体的には、ゴルフクラブ
ヘッドの本体に個別に取り付けられるストライクプレートを有するゴルフクラブヘッドに
関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフ用具の性能は、革新的なクラブおよびクラブデザインの発展により、向上し続け
ている。ゴルファーのバッグにおける全てのクラブが重要である一方で、スクラッチゴル
ファーおよび初心者ゴルファーは、多くの一般的に遭遇するプレイ状況において、アイア
ン、メタルウッド、ハイブリッド、およびドライバーの性能および感触に頼っている。
【0004】
ゴルフクラブヘッドの製造技術における進歩により、複雑な形状を有するゴルフクラブ
ヘッドの製造が容易になった。例えば、ストライクプレートおよび本体を個別に形成し、
取り付けることで、一体成形であり、完全に一体化させる製造技術では達成することが不
可能である複雑な形状を有するゴルフクラブヘッドを製造することができる。更に、個別
に形成され、取り付けられるストライクプレートを有するゴルフクラブヘッドにより、異
なる材料および/または製造技術から製造されたストライクプレートおよび本体の使用を
容易化することができる。一般的に、ストライクプレートは、ストライクプレートの外周
縁全体の周囲を連続的に延在する周溶接を利用して本体に溶接される。
【0005】
ストライクプレートを本体に溶接することで、複雑な形状、異なる材料、および異なる
製造技術を有するゴルフクラブヘッドを製造する能力を向上させる一方で、溶接によりゴ
ルフクラブヘッドに脆弱性ももたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の主題は、当技術分野の現状に応じて、特に、現在利用可能な技術によって完全に解決されていないゴルフクラブおよび関連するゴルフクラブヘッドの短所に応じて開発
されたものである。従って、本出願の主題は、従来技術における上述した短所の少なくと
も一部を克服するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを提供するために開発された。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に、本体およびストライクプレートを含むゴルフクラブヘッドを記載する。本
体は、ヒール部分、ソール部分、トウ部分、およびトップ部分を含む。ストライクプレートは、外周縁およびストライクフェースの少なくとも一部を含む。更に、ストライクプレートは、ストライクプレートの外周縁と本体との間の周溶接を介して本体に溶接する。ス
トライクプレートの外周縁は、周溶接を介して本体に溶接されている少なくとも1つの溶
接部分と、本体に溶接されていない少なくとも1つの非溶接部分と、を含む。この段落の
先行する主題は、本開示の実施例1を特徴付ける。
【0008】
ストライクプレートは、本体のヒール部分、ソール部分、トウ部分、およびトップ部分
の間に配置する。この段落の先行する主題は、本開示の実施例2を特徴付ける。ここで、
実施例2は、上述した実施例1に記載の主題も含むものとする。
【0009】
外周縁の少なくとも1つの溶接部分の全長と、ストライクプレートの外周縁の総周長の
比率は、0.40~0.94である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例3を特
徴付ける。ここで、実施例3は、上述した実施例1~2のいずれか1つに記載の主題も含
むものとする。
【0010】
外周縁の少なくとも1つの溶接部分の全長と、ストライクプレートの外周縁の総周長の
比率は、0.45~0.80である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例4を特
徴付ける。ここで、実施例4は、上述した実施例3に記載の主題も含むものとする。
【0011】
ストライクプレートは、ストライクフェースに対して角度が付けられているソールラッ
プ部分(sole wrap portion)を含む。外周縁の少なくとも1つの非溶接部分は、ストラ
イクプレートのソールラップ部分に沿って延在する。この段落の先行する主題は、本開示
の実施例5を特徴付ける。ここで、実施例5は、上述した実施例1~4のいずれか1つに
記載の主題も含むものとする。
【0012】
本体のソール部分は、スロット縁を含む。ストライクプレートの外周縁の少なくとも1
つの非溶接部分は、スロット縁から離間している。ゴルフクラブヘッドは、本体のソール
部分のスロット縁と、ストライクプレートの外周縁の少なくとも1つの非溶接部分との間
に画定されるソールスロットを含む。この段落の先行する主題は、本開示の実施例6を特
徴付ける。ここで、実施例6は、上述した実施例5に記載の主題も含むものとする。
【0013】
ゴルフクラブヘッドは、ソールスロット内に配置される充填材料を更に含む。
【0014】
この段落の先行する主題は、本開示の実施例7を特徴付ける。ここで、実施例7は、上
述した実施例6に記載の主題も含むものとする。
【0015】
ストライクプレートの外周縁の少なくとも1つの非溶接部分は、本体から離間している
。ゴルフクラブヘッドは、ストライクプレートの外周縁の少なくとも1つの非溶接部分と
本体との間に画定される間隙を含む。この段落の先行する主題は、本開示の実施例8を特
徴付ける。ここで、実施例8は、上述した実施例1~7のいずれか1つに記載の主題も含
むものとする。
【0016】
ストライクプレートの外周縁は、複数の溶接部分および複数の非溶接部分を更に含む。
複数の溶接部分は、複数の非溶接部分によって互いに離間している。この段落の先行する
主題は、本開示の実施例9を特徴付ける。ここで、実施例9は、上述した実施例1~8の
いずれか1つに記載の主題も含むものとする。
【0017】
ストライクプレートの外周縁の複数の溶接部分は、いずれも同一の長さを有する。この
段落の先行する主題は、本開示の実施例10を特徴付ける。ここで、実施例10は、上述
した実施例9に記載の主題も含むものとする。
【0018】
ストライクプレートの外周縁の複数の溶接部分は、いずれも異なる長さを有する。この
段落の先行する主題は、本開示の実施例11を特徴付ける。ここで、実施例11は、上述
した実施例9に記載の主題も含むものとする。
【0019】
複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のヒール部分に直接隣接
し、複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のトウ部分に直接隣接
し、複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のトップ部分に直接隣
接し、かつ、複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のソール部分
に直接隣接する、うちの少なくとも2つが当てはまる。この段落の先行する主題は、本開
示の実施例12を特徴付ける。ここで、実施例12は、上述した実施例9~11のいずれ
か1つに記載の主題も含むものとする。
【0020】
複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のヒール部分に直接隣接
し、複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のトウ部分に直接隣接
し、複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のトップ部分に直接隣
接し、かつ、複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のソール部分
に直接隣接する、うちの少なくとも3つが当てはまる。この段落の先行する主題は、本開
示の実施例13を特徴付ける。ここで、実施例13は、上述した実施例12に記載の主題
も含むものとする。
【0021】
複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のヒール部分に直接隣接
している。複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のトウ部分に直
接隣接している。複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体のトップ
部分に直接隣接している。複数の非溶接部分のうち少なくとも1つの非溶接部分は、本体
のソール部分に直接隣接している。この段落の先行する主題は、本開示の実施例14を特
徴付ける。ここで、実施例14は、上述した実施例13に記載の主題も含むものとする。
【0022】
本体は、第1材料から製造する。ストライクプレートは、第2材料から製造する。第1
材料は、第2材料とは異なる。この段落の先行する主題は、本開示の実施例15を特徴付
ける。ここで、実施例15は、上述した実施例1~14のいずれか1つに記載の主題も含
むものとする。
【0023】
本体は、プレートインタフェースを更に含む。ストライクプレートは、プレートインタ
フェースと着座係合する。本体のプレートインタフェースとストライクプレートとの間を
周溶接する。この段落の先行する主題は、本開示の実施例16を特徴付ける。ここで、実
施例16は、上述した実施例1~15のいずれか1つに記載の主題も含むものとする。
【0024】
ゴルフクラブヘッドは、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドである。この段落の先行
する主題は、本開示の実施例17を特徴付ける。ここで、実施例17は、上述した実施例
1~16のいずれか1つに記載の主題も含むものとする。
【0025】
ゴルフクラブヘッドは、メタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドである。この段落の
先行する主題は、本開示の実施例18を特徴付ける。ここで、実施例18は、上述した実
施例1~16のいずれか1つに記載の主題も含むものとする。
【0026】
本明細書には、ゴルフクラブヘッド、シャフト、およびグリップを含むゴルフクラブも
開示する。ゴルフクラブヘッドは、本体およびストライクプレートを含む。本体は、ヒー
ル部分、ソール部分、トウ部分、トップ部分、およびヒール部分から延在するホーゼルを
含む。ストライクプレートは、外周縁およびストライクフェースの少なくとも一部を含む。ストライクプレートの外周縁は、周溶接によって本体に溶接する。周溶接は始点および
終点を有しており、終点は始点とは異なる。シャフトは、ゴルフクラブヘッドのホーゼル
に係合し、かつそこから延在している。グリップは、ゴルフクラブヘッドの位置とは反対
のシャフト上の位置でシャフトに固定する。この段落の先行する主題は、本開示の実施例
19を特徴付ける。
【0027】
更に、本明細書には、本体およびストライクプレートを含むゴルフクラブヘッドを開示
する。本体は、ヒール部分、ソール部分、トウ部分、およびトップ部分を含む。ストライ
クプレートは、外周縁およびストライクフェースの少なくとも一部を含む。更に、ストラ
イクプレートは、ストライクプレートの外周縁と本体との間の周溶接によって本体に溶接
する。ストライクプレートの外周縁の総周長に対する周溶接の溶接長さの合計の比率は1
未満である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例20を特徴付ける。
【0028】
本明細書には、本体を含むゴルフクラブヘッドを記載する。本体は、ヒール部分、ソー
ル部分、トウ部分、およびトップ部分、並びに充填材料、および内部キャビティを含む。
内部キャビティは、充填材料を収容するように構成する。内部キャビティが充填されてい
ないとき、第1COR降下値とする。内部キャビティが充填されているとき、第2COR
降下値とする。COR変化値は、第2COR降下値と第1COR降下値との間の相違であ
る。COR変化値は、0~-0.1である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例
21を特徴付ける。
【0029】
COR変化値は0~-0.05である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例2
2を特徴付ける。ここで、実施例22は、上述した実施例21に記載の主題も含むものと
する。
【0030】
第1COR降下値は0~-0.05である。この段落の先行する主題は、本開示の実施
例23を特徴付ける。ここで、実施例23は、上述した実施例22に記載の主題も含むも
のとする。
【0031】
第2COR降下値は0~-0.05である。この段落の先行する主題は、本開示の実施
例24を特徴付ける。ここで、実施例24は、上述した実施例23に記載の主題も含むも
のとする。
【0032】
充填材料は、二液型ポリウレタンフォームである。この段落の先行する主題は、本開示
の実施例25を特徴付ける。ここで、実施例25は、上述した実施例21~24のいずれ
か1つに記載の主題も含むものとする。
【0033】
充填材料は、熱硬化性である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例26を特徴
付ける。ここで、実施例26は、上述した実施例21~24のいずれか1つに記載の主題
も含むものとする。
【0034】
充填材料は、メチレンジフェニルジイソシアネートである。この段落の先行する主題は
、本開示の実施例27を特徴付ける。ここで、実施例27は、上述した実施例21~24
のいずれか1つに記載の主題も含むものとする。
【0035】
充填材料は、硬化後に可撓性を有する。この段落の先行する主題は、本開示の実施例2
8を特徴付ける。ここで、実施例28は、上述した実施例21~24のいずれか1つに記
載の主題も含むものとする。
【0036】
ストライクプレートの外周縁は、複数の溶接部分および複数の非溶接部分を更に含む。
複数の溶接部分は、複数の非溶接部分によって互いに離間している。この段落の先行する
主題は、本開示の実施例29を特徴付ける。ここで、実施例29は、上述した実施例21
に記載の主題も含むものとする。
【0037】
本明細書には、本体を有する少なくとも1つのゴルフクラブヘッドを含むゴルフクラブ
セットを更に記載する。本体は、ヒール部分、ソール部分、トウ部分、およびトップ部分
、並びに充填材料、および内部キャビティを含む。内部キャビティは、充填材料を収容す
るように構成する。内部キャビティが充填されていないとき、第1COR降下値である。
内部キャビティが充填されているとき、第2COR降下値である。COR変化値は、第2
COR降下値と第1COR降下値との間の差である。COR変化値は、0~-0.1であ
る。この段落の先行する主題は、本開示の実施例30を特徴付ける。
【0038】
ゴルフクラブセット内の少なくとも2つのゴルフクラブヘッドのCOR変化値は、0~
-0.1である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例31を特徴付ける。ここで
、実施例31は、上述した実施例30に記載の主題も含むものとする。
【0039】
少なくとも2つのゴルフクラブヘッドのCOR変化値の平均は、0~-0.1である。
この段落の先行する主題は、本開示の実施例32を特徴付ける。ここで、実施例32は、
上述した実施例30~31のいずれか1つに記載の主題も含むものとする。
【0040】
少なくとも2つのゴルフクラブヘッドにおける第1COR降下値は、0~-0.05で
ある。この段落の先行する主題は、本開示の実施例33を特徴付ける。ここで、実施例3
3は、上述した実施例32に記載の主題も含むものとする。
【0041】
少なくとも2つのゴルフクラブヘッドにおける第2COR降下値は、0~-0.05で
ある。この段落の先行する主題は、本開示の実施例34を特徴付ける。ここで、実施例3
4は、上述した実施例33に記載の主題も含むものとする。
【0042】
更に、本明細書には、本体を含むゴルフクラブヘッドを記載する。本体は、ヒール部分
、ソール部分、トウ部分、およびトップ部分、並びに少なくとも1つの充填材料、少なく
とも1つのポート、および内部キャビティを更に含む。内部キャビティは、少なくとも1
つのポートを介して少なくとも1つの充填材料を収容するよう構成する。内部キャビティ
が充填されていないとき、第1COR降下値である。内部キャビティが充填されていると
き、第2COR降下値である。COR変化値は、第2COR降下値と第1COR降下値と
の間の差である。COR変化値は、-0.1超である。この段落の先行する主題は、本開
示の実施例35を特徴付ける。
【0043】
プラグにより、ポートを少なくとも部分的に被覆する。この段落の先行する主題は、本
開示の実施例36を特徴付ける。ここで、実施例36は、上述した実施例35に記載の主
題も含むものとする。
【0044】
COR変化値は、-0.05超である。この段落の先行する主題は、本開示の実施例3
7を特徴付ける。ここで、実施例37は、上述した実施例35~36のいずれか1つに記
載の主題も含むものとする。
【0045】
第1COR降下値は、0~-0.05である。この段落の先行する主題は、本開示の実
施例38を特徴付ける。ここで、実施例38は、上述した実施例37に記載の主題も含む
ものとする。
【0046】
第2COR降下値は、0~-0.05である。この段落の先行する主題は、本開示の実
施例39を特徴付ける。ここで、実施例39は、上述した実施例38に記載の主題も含む
ものとする。
【0047】
少なくとも1つの充填材料は、熱硬化性である。この段落の先行する主題は、本開示の
実施例40を特徴付ける。ここで、実施例40は、上述した実施例39に記載の主題も含
むものとする。
【0048】
本開示の主題の記述される特徴、構造、利点、および/または特性は、1つ以上の実施
形態および/または実装形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
以下の説明では、本開示の主題の実施形態の十分な理解が得られるように、多数の具体的
詳細が示されている。本開示の主題は、特定の実施形態または実装形態の特定の特徴、詳
細、構成要素、材料、および/または方法のうちの1つ以上がなくても実施され得ること
を当業者は理解するであろう。場合によっては、ある実施形態および/または実装形態に
おいては、全ての実施形態または実装形態に存在するとは限らない追加的な特徴および利
点が認められる場合もある。更に、場合によっては、本開示の主題の各側面を不明瞭にす
ることのないように、周知の構造、材料、または動作は詳細に図示されず、あるいは記載
されない。本開示の主題の特徴および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲か
らより完全に明白になり、または、以下に記載される主題の実施によって知ることができ
る。
【0049】
本主題の利点がより容易に理解されるように、添付の図面に示されている具体的な実施
形態を参照して、上記で簡単に説明した本主題を更に詳細に説明する。これらの図面は本
主題の典型的な実施形態を図示しているにすぎず、従って、本主題の範囲を限定するもの
とみなすべきではないことを理解した上で、図面を使用して、本主題を更に具体的に、詳
細に記述し、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本開示の1つ以上の実施例による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの頂部からの斜視図である。
【
図2】本開示の1つ以上の実施例による、
図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図3】本開示の1つ以上の実施例による、充填材料をソールスロットから除去した、
図1のゴルフクラブヘッドの底部からの斜視図である。
【
図4】本開示の1つ以上の実施例による、ソールスロットに充填材料を含む、
図1のゴルフクラブヘッドの底部からの斜視図である。
【
図5】本開示の1つ以上の実施例による、
図1のゴルフクラブヘッドの頂部からの分解斜視図である。
【
図6】本開示の1つ以上の実施例による、ストライクプレートを除去した、
図1のゴルフクラブヘッドの正面からの斜視図である。
【
図7】本開示の1つ以上の実施例による、ストライクプレートを除去した、
図1のゴルフクラブヘッドの底面図である。
【
図8】本開示の1つ以上の実施例による、
図1のゴルフクラブヘッドにおけるストライクプレートの正面からの斜視図である。
【
図9】本開示の1つ以上の実施例による、
図1のゴルフクラブヘッドにおけるストライクプレートの背面からの斜視図である。
【
図10】本開示の1つ以上の実施例による、
図2の線10-10に沿った、
図1のゴルフクラブヘッドのヒール側からの断面斜視図である。
【
図11】本開示の1つ以上の実施例による、
図2の線10-10に沿った、
図1のゴルフクラブヘッドのヒール側からの断面側立面図である。
【
図12】本開示の1つ以上の実施例による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図13】本開示の1つ以上の実施例による、
図12のゴルフクラブヘッドの正面からの分解斜視図である。
【
図14】本開示の1つ以上の実施例による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図15】本開示の1つ以上の実施例による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図16】先行技術による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図17】本開示の1つ以上の実施例による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図18】本開示の1つ以上の実施例による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図19】本開示の1つ以上の実施例による、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図20】本開示の1つ以上の実施例による、メタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドの側立面図である。
【
図21】本開示の1つ以上の実施例による、ゴルフクラブヘッドの中央平面に沿った、
図19のゴルフクラブヘッドの断面側立面図である。
【
図22】本開示の1つ以上の実施例による、中空キャビティを有するアイアンタイプのゴルフクラブヘッドの断面側立面図である。
【
図23】本開示の1つ以上の実施例による、ゴルフクラブの製造方法の概略的なフローチャートである。
【
図24】本開示の1つ以上の実施例による、ゴルフクラブヘッドからの分解斜視図である。
【
図25】本開示の1つ以上の実施例による、
図24に示されるゴルフクラブヘッドの中央面を通じた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下に、アイアンタイプのゴルフクラブおよびメタルウッドタイプのゴルフクラブにお
けるゴルフクラブヘッドの実施形態を記載するが、記載された原理、方法および設計は、
全体的または部分的に、ユーティリティゴルフクラブ(ハイブリッドゴルフクラブとも称
される)、ドライバータイプのゴルフクラブ、パタータイプのゴルフクラブ等に適用可能
である。
【0052】
本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの多様な実施形態は、周溶接を利用して、ストラ
イクプレートをゴルフクラブヘッドの本体に固定する。ストライクプレートおよび本体を
(例えば鋳造することによって)一体構造として一体的に形成するのとは対照的に、スト
ライクプレートをゴルフクラブヘッドの本体に溶接することにより、ストライクプレート
を異なる材料から製造し、または、本体とは異なる製造プロセスによって製造することが
できる。更に、ストライクプレートを本体に溶接することにより、ゴルフクラブヘッドを
独特かつ複雑な形状および構成を有するように製造する能力が促進される。しかしながら
、ストライクプレートおよび本体を併せて溶接することで、溶接部における熱影響部およ
び応力集中の発生等の結果も誘発させ、これにより、最終的に、ゴルフクラブヘッドおよ
びゴルフクラブヘッドのストライクフェースの強度を弱める。本明細書に記載のゴルフク
ラブヘッドの周溶接は、本体に溶接されていないストライクプレートの外周縁の部分を設
けることによって、連続的に、または360度に亘ってストライクプレートを本体に溶接
したゴルフクラブヘッドと比較して、ゴルフクラブヘッドの強度を増加させる。更に、ス
トライクプレートの外周縁の非溶接部分を設けることで、ゴルフクラブヘッドのストライ
クフェースにおける屈曲性も促進し、これにより寛容性および感触を向上させる。
【0053】
発見された、ストライクプレートの外周縁に非溶接部分を設けることによる利点は、外
周縁における非溶接部分の使用を思いとどまらせるであろう、非溶接部分における潜在的
な否定的な結果よりも勝っている。例えば、ストライクプレートの外周縁における非溶接
部分は、非溶接部分が錆びる可能性、および、外周縁の非溶接部分と溶接部分との交差点
の応力集中を増加させ得る。別の例として、ゴルフクラブヘッドにめっきをするのによく
使用されるクロムめっきに亀裂が入り、または非溶接部分にファントムラインが生じ得る
。ストライクプレートの非溶接部分の導入による潜在的な短所にも関わらず、本開示の発
明者らによって発見されたように、非溶接部分を使用することにより非溶接部分に沿った
応力集中を減少させ、ストライクフェースの屈曲を促進させる能力により、ストライクプ
レートの外周縁に非溶接部分を使用することが推奨される。
【0054】
図1および
図2を参照すると、ゴルフクラブヘッド100の一実施形態は、本体102
と、本体102に溶接されるストライクプレート104と、を含む。本体102は、トウ
部分114、ヒール部分112、トップ部分116(例えば、アイアンタイプのゴルフク
ラブヘッドにおいてはトップライン部分、並びに、ドライバータイプ、ハイブリッドタイ
プ、およびメタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドにおいてはクラウン部分)、および
ソール部分118(例えば、ボトム部分)を有する。本体102は、ヒール部分112か
ら延在するホーゼル108を付加的に含む。ホーゼル108は、ゴルフフクラブ101の
シャフトおよびグリップ110を受容し、係合するように構成する。シャフトはホーゼル
108から延在し、グリップはシャフトに、ゴルフクラブヘッド100の位置とは反対の
シャフト上の位置にて固定される。ストライクプレート104は、通常のゴルフスイング
中に、ゴルフボールに衝撃を与えるように設計されたストライクフェース106の少なく
とも一部を含む。いくつかの実装形態では、ストライクプレート104は、ストライクフ
ェース106全体を含む。一般的に、ストライクプレート104は、ゴルフクラブヘッド
100の本体102に溶接されるゴルフクラブヘッド100の任意のピースとして画定さ
れ、ストライクフェースの少なくとも一部を含む。
【0055】
一般的に、ゴルフクラブヘッド100のような多くのアイアンタイプのゴルフクラブヘ
ッドにおいて、ストライクフェース106は、ゴルフクラブ100がアドレスをとってお
り、ゴルフクラブヘッド100のロフトを画定しているとき、グラウンドプレーンに対し
て角度を付けられた平面を有する。換言すると、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの
ストライクフェース106は、一般的に、屈曲面を含まない。従って、アイアンタイプの
ゴルフクラブヘッド100のストライクプレート104のストライクフェース106は、
外方に対面する平面を有するストライクフェース106の一部として画定される。換言す
ると、ストライクプレート104は、ストライクプレート104のソールラップ部分12
2の外面のような屈曲面を含むことができるが、ストライクフェース106は、このよう
な屈曲面を含まない。対照的に、メタルウッド、ドライバー、またはハイブリッドゴルフ
クラブのストライクフェースは、ほぼ直立した軸線の周囲を屈曲する屈曲面を有する。ソ
ールラップ部分122が、ほぼ水平な軸線の周囲を包囲している故、メタルウッド、ドラ
イバー、およびハイブリッドゴルフクラブヘッドのストライクプレートのストライクフェ
ースは、水平の軸線とは対照的に、直立した軸線を中心に屈曲し、外方に対面する屈曲面
を有するストライクフェース106の一部として画定される。
【0056】
ストライクプレート104をストライクフェース106に形成し、ストライクフェース
106により打撃を加えると、ゴルフボールの所望の飛行特徴(例えば、バックスピン)
を促進する溝107を更に含む。
【0057】
図5を参照すると、ストライクプレート104は、本体102とは別個に形成されてお
り、かつ、本体102に別個に取り付けられている。本体102およびストライクプレー
ト104は、同一タイプのプロセスまたは異なるタイプのプロセスを利用して形成するこ
とができる。図示する実施形態では、本体102は、第1製造プロセスを利用して一体化
したモノリシック構造を有するように形成されており、ストライクプレート104は、第
2製造プロセスを利用して、別個の一体化したモノリシック構造を有するように形成され
ている。しかしながら、別の実施形態では、本体102およびストライクプレート104
の一方または両方が、各ピースが同一または異なる材料から製造されている多ピース構造
を有している。更に、本体102は、ストライクプレート104と同一の材料またはスト
ライクプレート104とは異なる材料から形成することができる。本体102は第1材料
から製造されており、ストライクプレート104は第2材料から製造されている。本体1
02およびストライクプレート104を別個に形成および取り付け、かつ、本体102お
よびストライクプレート104を同一または異なる材料から製造することにより、製造プ
ロセスおよび使用する材料のタイプに柔軟性を持たせることができ、広範囲の性能、審美
的および経済的な結果を達成するゴルフクラブヘッド100の製造能力を促進させる。
【0058】
いくつかの実装形態では、第1製造プロセスは、第2製造プロセスと同一タイプのプロ
セスである。例えば、一実装形態では、第1および第2製造プロセスの両者は鋳造プロセ
スである。別の実施例として、一実装形態では、第1および第2製造プロセスの両者は鍛
造プロセスである。更に別の実施例によれば、一実装形態では、第1および第2製造プロ
セスの両者は機械加工プロセスである。
【0059】
しかしながら、いくつかの他の実装形態では、第1製造プロセスは第2製造プロセスと
は異なるタイプのプロセスである。いくつかの実施例では、第1製造プロセスは、鋳造プ
ロセス、機械加工プロセス、および鍛造プロセスのうち1つのプロセスであり、また、第
2製造プロセスは鋳造プロセス、機械加工プロセス、および鍛造プロセスのうち別のプロ
セスである。特定の一実施例では、第1製造プロセスは鋳造プロセスであり、第2製造プ
ロセスは鍛造プロセスである。第1製造プロセスおよび/または第2製造プロセスは、そ
の全体が本明細書に組み込まれる特許文献1に記載のような、革新的な一連のダイおよび
熱処理を利用するホットプレス鍛造のようなプロセスであってもよい。
【0060】
第1および第2製造プロセスが同一であろうと異なろうと、本体102の第1材料は、
ストライクプレート104の第2材料と同一でも異なってもよい。第1材料が第2材料と
は異なる組成を有する場合、第1材料は、第2材料とは異なる。従って、鋼のような同族
であるが、異なる炭素構成要素のような異なる組成特性を有する材料は、異なる材料と見
なされる。一実施例では、第1および第2製造プロセスは異なるが、第1および第2材料
は同一である。対照的に、別の実施例によれば、第1および第2製造プロセスは同一であ
るが、第1および第2材料は異なる。更に別の実施例によれば、第1および第2製造プロ
セスは異なるが、第1および第2材料は異なる。いくつかの実装形態では、第1および第
2材料は異なるが、鋼のような類似する材料の同族である。例えば、第1材料を8620
炭素鋼とし、第2材料を1025炭素鋼とすることができる。第2材料と同族内にある第
1材料は、本体102とストライクプレート104との間の溶接の質を向上させる。
【0061】
ストライクプレート104は、マルエージング鋼、マルエージングステンレス鋼、また
は析出硬化ステンレス鋼から製造することができる。一般的に、マルエージング鋼は、強
度が高く、頑丈であり、かつ展性を有する。低炭素である場合、マルエージング鋼は、そ
の強度を炭素以外の金属間物質の析出から得る。原理合金元素は、ニッケル(15%~3
0%近く)である。これらの鋼に金属間析出物を生成する他の合金元素には、コバルト、
モリブデン、およびチタンを含む。一実施形態では、マルエージング鋼はニッケルを18
%含む。マルエージングステンレス鋼は、マルエージング鋼ほどニッケルを含まないが、
錆予防のために多量のクロムを含む。ニッケルの含有量が減少したにも関わらず、クロム
により堅牢性を増大させることで、鋼を適切に熱処理すると、マルテンサイト変態するこ
とができる。別の実施形態では、マルエージングステンレス鋼C455をストライクプレ
ート104として利用する。別の実施形態では、ストライクプレート104は、17-4、15-5、または17-7等の析出硬化ステンレス鋼である。
【0062】
ゴルフクラブヘッド100の本体102は、一実装形態では、17-4鋼から製造され
る。しかしながら、別の材料、例えば炭素鋼(例えば、1020、1030、8620、
または1040炭素鋼)、クロム-モリブデン鋼(例えば、4140クロム-モリブデン
鋼)、ニッケル-クロム-モリブデン鋼(例えば、8620ニッケル-クロム-モリブデ
ン鋼)、オーステナイトステンレス鋼(例えば、304、N50、またはN60ステンレ
ス鋼(例えば、410ステンレス鋼)を使用することができる。
【0063】
上述されているものに加え、記載される部品の構成要素を形成するのに使用することが
できる金属および合金のいくつかの例として、限定するわけではないが、チタン合金(例
えば、3-2.5、6-4、SP700、15-3-3-3、10-2-3、または他の
アルファ/ニアアルファ、アルファ-ベータ、およびベータ/ニアベータチタン合金)、
アルミニウム/アルミニウム合金(例えば、3000シリーズ合金、5000シリーズ合
金、6061-T6のような6000シリーズ合金、7075のような7000シリーズ
合金)、マグネシウム合金、銅合金、およびニッケル合金が挙げられる。
【0064】
更に別の実施形態では、ゴルフクラブヘッド100の本体102および/またはストラ
イクプレート104は、繊維強化高分子複合材料から製造されており、均質である必要は
ない。複合材料および複合材料を含むゴルフクラブの構成要素の例は、2011年5月1
9日出願の特許文献2に記載されており、これはその全体が参照によって本明細書に組み
込まれる。
【0065】
ストライクプレート104は、周溶接120を介して本体102に溶接される。周溶接
120は、ストライクプレート104の外周全体よりも少なく周囲に延在している故、周
方向に断続的であり、ストライクプレート104の外周の少なくとも一部は、本体102
に溶接されていない。換言すると、周溶接120は、ストライクプレート104の外周縁
133の一部のみの周囲に延在している。従って、ストライクプレート104の外周縁1
33の360度未満だけ本体102に溶接されている。周溶接120は、始点とは異なる
終点を有する故、断続的な溶接であると見なすことができる。
【0066】
本体102に溶接されていないストライクプレート104の外周の部分により、本体1
02に対するストライクプレート104の柔軟性の向上を促進する。
図3に示すように、
ストライクフェース106を画定するストライクプレート104の外周の全部分は、周溶
接120を介して本体102に溶接される。更に、本体102に溶接されていないストラ
イクプレート104の外周の部分は、ソールラップ部分122に沿って配置される。より
具体的には、ストライクプレート104のソールラップ部分122に沿って画定されるス
トライクプレート104の外周縁133または周囲は、本体102に溶接されていない。
図3に示す実施形態では、ストライクプレート104の外周縁133が本体102に溶接
されていないだけでなく、ストライクプレート104の外周縁133は、ストライクプレ
ート104の外周縁133と本体102との間に間隙が画定されるよう、本体102から
離間している。この間隙は、ゴルフクラブヘッド100のソールスロット126を画定す
る。一般的に、ソールスロット126は、ゴルフクラブヘッド100のソールに形成され
る溝またはチャネルである。ソールスロット126は、ストライクフェース106にほぼ
平行な長手方向に延在しており、長さLSS(例えば、
図3参照)を有する。
図1~
図1
1に示すように、いくつかの実装形態では、ソールスロット126は、貫通スロットまた
はソールスロット126のソール部分側で開口し、ソールスロット126の内部キャビテ
ィ側または内側で開口しているスロットである。しかしながら、別の実装形態では、ソー
ルスロット126は、貫通スロットではなく、ソールスロット126の内部キャビティ側
または内側では閉口している。
【0067】
ソールスロット126は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2013
年3月14日出願の特許文献1に記載の多様な可撓性境界構造(FBS)のいずれかであ
ることができる。付加的に、または代替的に、ゴルフクラブヘッド100は、ゴルフクラ
ブヘッド100上の任意の多様な他の位置に、1つ以上の別のFBSを含むことができる。
【0068】
いくつかの実装形態では、ソールスロット126は、充填材料128で充填されている
(例えば、
図4および
図11参照)。充填材料128は、いくつかの実装形態では、熱可
塑性材料、熱硬化性材料等の非金属から製造される。別の実装形態では、ソールスロット
126は、充填材料128で充填されておらず、ソールスロット126内に開口した、空
の空間を維持している。
【0069】
一実施形態によれば、充填材料128は、最初のうちは、ソールスロット126内に注
入または挿入される粘性材料とする。スロット、チャネル、または他の可撓性境界構造の
中へ設置される充填材料としての使用に適した材料の例には、限定するわけではないが、
粘弾性エラストマー類、無機充填材料を含んでいるかまたは含んでいないビニルコポリマ
ー類、硫酸バリウムのような鉱物充填材料を含んでいるかまたは含んでいないポリビニル
アセテート、アクリル類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリアミ
ド類、ポリブタジエン類、ポリスチレン類、ポリイソプレン類、ポリエチレン類、ポリオ
レフィン類、スチレン/イソプレンブロックコポリマー類、水素添加スチレン系熱可塑性
エラストマー類、金属化ポリエステル類、金属化アクリル類、エポキシ類、エポキシとグ
ラファイトの複合材、天然ゴムおよび合成ゴム、圧電セラミックス、熱硬化性ゴムおよび
熱可塑性ゴム、発泡性ポリマー類、イオノマー類、低密度繊維ガラス、ビチューメン、シ
リコン、およびそれらの混合物が挙げられる。金属化ポリエステル類および金属化アクリ
ル類は、金属としてアルミニウムを含むことができる。市販されている材料には、弾性ポ
リマー材料である、例えば、3M社のScotchweld(商標)(例えば、DP-105(商標))並
びにScotchdamp(商標)、Solbothane, Inc.社のSolbothane(商標)、Soundcoat Compan
y Inc.社のDYAD(商標)およびGP(商標)、Dynamat Control of North America, Inc.社
のDynamat(商標)、Pole Star Maritime Group, LLC社のNoViFlex(商標)Sylomer(商
標)、Dow Chemical Company社のIsoplast(商標)、Pique Technologies, Inc.社のLege
tolex(商標)、および株式会社クラレのハイブラー(商標)等が挙げられる。いくつか
の実施形態では、固体充填材料が、スロット、チャネル、または他の可撓性境界構造の中
へ押し嵌めされるかまたは接着結合されていてもよい。他の実施形態では、充填材料料を、スロットまたはチャネルの中へ、流し込み、注入、またはそれ以外のやり方で挿入し、
その場で硬化させ、十分な硬さまたは弾性のある外側面を形成させてもよい。更に他の実
施形態では、充填材料料を、スロットまたはチャネルの中へ設置し、金属、合金、金属系、複合材、硬質プラスチック、弾性エラストマー、または他の適した材料で形成されてい
る弾性キャップまたは他の構造を用いて、その場にシールさせてもよい。
【0070】
図5および
図6を参照すると、本体102は、周溶接120を介して本体102に溶接
されるストライクプレート104の外周縁133の一部を着座係合にて受容するように構
成する。より具体的には、本体102は、本体102のトウ部分114、ヒール部分11
2、トップ部分116、およびソール部分118の間で画定されるプレート開口部176
を含む。一般的にプレート開口部176は、ストライクプレート104を受容し、ストラ
イクプレート104を本体102に固定するのを助ける。プレート開口部176は、本体
102の正面側から本体102の後面側に延在している。本体102は、付加的に、プレ
ート開口部176の周囲の少なくとも一部に沿って本体102に形成されるプレートイン
タフェース132を含む。一般的に、プレートインタフェース132は、ストライクプレ
ート104を本体102に対して支持し、ストライクプレート104と本体102との間
の周溶接120の形成を促進させることによって、ストライクプレート104の本体10
2への取り付けを促す。従って、プレートインタフェース132は、ストライクプレート
104に溶接される、プレート開口部176の周囲の少なくとも一部に沿って形成される
。
図5および
図6に図示される実施形態では、ストライクプレート104が本体102の
ソール部分118にて本体102に溶接されていない故、プレートインタフェース132
は、本体102のソール部分118におけるプレート開口部176の周囲に沿って延在し
ていない。しかしながら、
図5および
図6に図示される実施形態では、周溶接120がス
トライクプレート104と本体102との間に、ヒール部分112、トウ部分114、お
よびトップ部分116に沿って連続的に形成されている故、プレートインタフェース13
2は、ヒール部分112、トウ部分114、およびトップ部分116において、プレート
開口部176の周囲の一部に沿って形成され、かつ連続的に延在している。他の実施形態
によれば、
図12、
図13、および
図16~
図18に示されるように、周溶接が、ヒール
部分112、トウ部分114、およびトップ部分116のうち1つ以上のうちの1つ以上
の部分に沿って延在していない故、図示しないが、プレートインタフェースは、プレート
開口部の周囲の対応する部分に沿って存在しなくてもよい。
【0071】
再度、
図5および
図6を参照すると、プレートインタフェース132は、リム136お
よびレッジ138を含む。リム136は、本体102の内部に対面する表面を画定し、レ
ッジ138は、本体102の正面に対面する表面を画定する。リム136は、レッジ13
8に対して横断している。
【0072】
リム136は、ストライクプレート104の外周縁133に実質的に密着させ、または
ストライクプレート104の外周縁133から少し離れるよう寸法決めする。プレートイ
ンタフェース132のリム136と、ストライクプレート104の外周縁133との間の
嵌合により、本体102のリム136およびストライクプレート104の外周縁133の
周溶接120による突合せ溶接を容易化する。換言すると、周溶接120は、プレートイ
ンタフェース132のリム136とストライクプレート104の外周縁133との間に配
置され、それらを溶接する。
図6に示すように、リム136を、プレートインタフェース
132を超えて、例えば本体102のソール部分118に沿って延在させて、ソールラッ
プ部分122に配置される外周縁133の溶接部分134の溶接を容易化してもよい。
【0073】
周溶接120は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、特許文献3に開示
されるような多様な溶接技術のいずれかを利用して形成する。更に、周溶接120の特徴
およびタイプ(例えば、溶接ビード、溝溶接、表面溶接、タック溶接、プラグ溶接、スロ
ット溶接、摩擦溶接、および抵抗溶接)は、特許文献3に記載のものと同一または類似し
ていてもよい。例えば、一実装形態では、周溶接120は、タングステン不活性ガス(T
IG)または金属不活性ガス(MIG)溶接技術のうち1つ以上を利用して形成される。
別の実装形態では、周溶接120は、レーザ溶接技術またはプラズマ溶接技術のうち1つ
以上を利用して形成される。
【0074】
レッジ138は、ストライクプレート104の後面に隣接して、ストライクプレート1
04を本体102の定位置に支持している。更に、ストライクプレート104に対して隣
接しているレッジ138により、ストライクプレート104から本体102へのボール打
撃荷重の移動が容易になる。
【0075】
更に
図5および
図6を参照すると、
図10および
図11と同様に、本体102は、ソー
ル部分118に連結されており、そこから後方に延在する後部129を更に含む。後部1
29は、ヒール部分112およびトウ部分114の下部にも連結し、そこから外方に延在
している。後部129は、ソールバー131を含み、このソールバー131はゴルフクラ
ブヘッド100の下部の、後部に配置されている。ソールバー131は、ストライクプレートおよびゴルフクラブヘッド100の他の部分に対して、比較的大きな厚みを有しており、それによって、ゴルフクラブヘッド100の質量の大部分を占め、かつゴルフクラブ
ヘッド100の重心を比較的下方かつ後方にシフトさせる。後部129は、ソールバー1
31の前方に突出する下棚130および上棚140も含む。下棚130および上棚140
は、後部129の下棚130と上棚140とのそれぞれの間に間隙が画定されるように、
ストライクプレート104の後方に離間している。下棚130と上棚140との間に、ト
ップ部分116まで上方に延在する内部キャビティ142の一部が画定される。図示され
る実装形態では、内部キャビティ142は、ソールスロット126に開口している。プレ
ート開口部176は、本体102の後部に部分的に開口している。
【0076】
図7を参照すると、スロット縁144は、本体102のソール部分118に形成される。スロット縁144は細長く、ソール部分118に沿って長手方向に、ストライクフェース106にほぼ平行な方向に延在している。スロット縁144は、プレート開口部176
に開口しているか、またはプレート開口部176に対面している。しかしながら、図示す
るように、いくつかの実装形態では、スロット縁144の対向端部は、実質的に、ボタン
フック形状を有することで、スロット縁144の対向端部がプレート開口部176から離
れるように面するようにする。
【0077】
図8および
図9を参照すると、ストライクプレート104は、ストライクフェース10
6に対向する背面154を有する。ストライクフェース104は、背面154から突出す
る逆円錐152を含む。一般的に、逆円錐152は、ストライクフェース106上の理想
的な打撃位置に整列している。逆円錐152は、ゴルフクラブヘッド100により大きな
スウィートスポットをもたらし、これにより、容易にミスヒットによる距離の喪失を減少
させることができる。外周縁133は、ストライクプレート104の最外周に沿って延在
し、ストライクプレート104の最外周を画定している。ストライクプレート104の外
周縁133は、少なくとも1つの溶接部分134および少なくとも1つの非溶接部分15
0を含む。
図8および
図9の図示した実施形態では、ストライクプレート104の溶接部
分134は、非溶接部分150の一端から、ソールラップ部分122に沿って、ストライ
クフェース106の周囲を、非溶接部分の他端に沿って延在する連続的な端縁である。非
溶接部分150は、ソールラップ部分122の全長に沿って延在し、溶接部分134の方
向にほぼ垂直な方向に対面している。
【0078】
次に、
図10および
図11を参照すると、ソールラップ部分122は、本体102のソ
ール部分118の周囲を効率的に包囲して、ゴルフクラブヘッド100の底部を画定して
いる。従って、ソールラップ部分122は、ストライクフェース106に対して角度を付
けられている。
図10および
図11の図示した実施形態では、ソールラップ部分122は、後部129の下棚130の周囲も効率的に包囲している。ストライクプレート104の
外周縁133の非溶接部分150は、本体102のスロット縁144に対面している。一
実装形態では、非溶接部分150は、スロット縁144に平行であり、長さLNWを有す
る(例えば、
図3参照)。外周縁133の非溶接部分150とスロット縁144との間の
間隙は、ゴルフクラブヘッド100のソールスロット126を画定している。従って、非
溶接部分150は、ソールスロット126の前方スロット壁を画定し、スロット縁144
は、ソールスロット126の後方スロット壁を画定している。ストライクプレート104
の外周縁133の非溶接部分とスロット縁144との間は、溶接されていない。対照的に、ストライクプレート104の外周縁133の溶接部分134と、本体102のリム13
6との間は、溶接されている。
【0079】
図10に示すように、第1ポイント94(ゴルフクラブヘッド100がグラウンドプレ
ーン96上の適切なアドレス位置にあるときに、ストライクフェース106がグラウンド
プレーン96上で突出するポイント)と、第2ポイント98(ゴルフクラブヘッド100
がグラウンドプレーン96上の適切なアドレス位置にあるとき、ソールスロット126を
二等分する平面がグラウンドプレーン96上で突出するポイント)との間の距離D1は、
いくつかの実装形態では約3.5mm~約8mm、他の実施形態では約4mm~約7mm
である。
【0080】
ソールスロット126を効率的にプラグし、破片(例えば、水、草、汚れ等)が内部キ
ャビティ142に進入しないように、充填材料128をスロット126内に配置する。充
填材料128は、クラブヘッドによりゴルフボールを打った際に生じる振動を減衰させる
ことによる、クラブヘッドの音および感触に対する所望の変更を含む、他の所望の性能目
標の達成も支援する。充填材料128は、本体102またはストライクプレート104の
いずれかと融合していない故、充填材料128は溶接部と見なされない。更に、充填材料
128は本体102またはストライクプレート104のいずれよりも極めて脆弱である故
、充填材料128は溶接部と見なされない。更に、充填材料128は非金属である故、溶
接部とは見なされない。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、ゴルフクラブヘッド100のストライクプレート104
の外周縁133の総周長は、約185mm~約220mmまたは約209mm~約214
mmである。いくつかの実施形態では、本体102のヒール部分112の高さは、約25
mm~約27mmである。ある実施形態では、本体102のトウ部分114の高さは、約
50mm~約52mmである。更にいくつかの実施形態では、本体102のソール部分1
18の長さは、約58mm~約64mmである。いくつかの実施形態によれば、本体10
2の全長は、約53mm~約65mmである。ある実施形態では、ゴルフクラブヘッド1
00のヒールにおけるソール部分118の幅は、約10mm~約12mmである。
【0082】
次に、
図12~
図15を参照すると、ゴルフクラブヘッド200、ゴルフクラブヘッド
300、およびゴルフクラブヘッド400の各実施形態が示されている。
図12~
図15
の各ゴルフクラブヘッドは、
図1~
図11のゴルフクラブヘッドに類似しており、同様の
参照番号は同様の特徴を指している。より具体的には、ゴルフクラブヘッド100の特徴
に類似する
図12~
図15のゴルフクラブヘッドの特徴は、同一の参照番号であるが、ゴ
ルフクラブヘッド100の100-シリーズのフォーマットではなく、異なるシリーズ(
例えば、200-シリーズ、300-シリーズ、400-シリーズ等)のフォーマットを
有している。従って、特記しない限り、上述したゴルフクラブヘッド100の特徴の構造
、機能、および利点を含む記載は、
図12~
図15の各ゴルフクラブヘッドの類似する特
徴に適用可能である。
【0083】
図1~
図11のゴルフクラブヘッドと同様に、ゴルフクラブヘッド200、ゴルフクラ
ブヘッド300、およびゴルフクラブヘッド400は、いずれも、ストライクプレートの
非溶接部分によって部分的に画定される少なくとも1つのスロットを含む。しかしながら、
図1~
図11のゴルフクラブヘッド100とは異なり、各ゴルフクラブヘッド200、
ゴルフクラブヘッド300、およびゴルフクラブヘッド400の少なくとも1つのスロッ
トは、ソールスロット(例えば、ゴルフクラブヘッドのソール部分に形成されるスロット
)ではない。むしろ、ゴルフクラブヘッド200、ゴルフクラブヘッド300、およびゴ
ルフクラブヘッド400のスロットは、フェーススロット(ゴルフクラブヘッドのストラ
イクフェースに形成されるか、またはゴルフクラブヘッドのストライクフェースに直接隣
接するスロット)である。更に、図示しないが、下記の多様な図示した実施形態のフェー
ススロットはいずれも充填材料を充填することができる。
【0084】
例えば、
図12および
図13を参照すると、ゴルフクラブヘッド200は、本体202
のトウ部分214にフェーススロット260と、本体202のヒール部分212にフェー
ススロット262と、を含む。各フェーススロット260,262は、ストライクプレー
ト204の外周縁233の各非溶接部分250と、本体202の各スロット縁244との
間に画定される。ストライクプレート104の外周縁233の残部は、周溶接220を介
して本体202に溶接されている溶接部分である。図示するように、一実施例では、スト
ライクプレート204の外周縁233の非溶接部分250および本体202のスロット縁
244は、それぞれ、外周縁233および本体202のそれぞれに形成される溝を画定する。非溶接部分250およびスロット縁244の対向する溝は、併せてフェーススロット
260,262のそれぞれを画定している。
【0085】
ゴルフクラブヘッド100とは異なり、周溶接120のような単一の溶接部分とは対照
的に、周溶接220は2つの別個の溶接部分から形成される。換言すると、ストライクプ
レート204の外周縁233は、非溶接部分250によって互いに分離した2つの溶接部
分を含む。周溶接220の溶接部分は、本体202のトップ部分216と本体202のソール部分218との、それぞれに隣接して配置される。ゴルフクラブヘッド200のヒー
ル部分212およびトウ部分214におけるフェーススロット260,262は、いずれ
も、ヒール区画およびトウ区画のそれぞれのオフセンターヒットにおけるゴルフクラブヘ
ッド200の可撓性および撓みを促進させ、これにより、ゴルフクラブヘッド200の性
能を改善する。
【0086】
別の実施例として、
図14を参照すると、ゴルフクラブヘッド300は、本体302の
トウ部分314にフェーススロット360と、本体302のヒール部分312にフェース
スロット362と、本体302のトップ部分316にフェーススロット364と、を含む。各フェーススロット360,362,364は、ストライクプレート304の外周縁333の各非溶接部分350と、本体302の各スロット縁344との間に画定される。ストライクプレート304の外周縁333の残部は、周溶接320を介して本体302に溶接される溶接部分である。ゴルフクラブヘッド200とは異なり、周溶接320は、周溶接220のような2つの溶接部分とは対照的に、3つの別個の溶接部分から形成される。換言すると、ストライクプレート304の外周縁333は、非溶接部分350によって互いに分離した3つの溶接部分を含む。周溶接320の溶接部分は、それぞれ、本体202のソール部分318に隣接し、トウ部分314およびトップ部分316の交差点に隣接し、かつヒール部分312およびトップ部分316の交差点に隣接して配置される。ゴルフクラブヘッド300のヒール部分212、トウ部分314、およびトップ部分316のそれぞれにおけるフェーススロット360,362,364は、いずれも、ヒール区画、トウ区画、および高いオフセンターヒットにおけるゴルフクラブヘッド200の可撓性および撓みを促進させることにより、ゴルフクラブヘッド200の性能を改善する。
【0087】
別の実施例によれば、
図15を参照すると、ゴルフクラブヘッド400は、本体202
のソール部分418にフェーススロット466を含む。フェーススロット266は、スト
ライクプレート404の外周縁433の非溶接部分450と、本体402のスロット縁4
44との間に画定される。ストライクプレート404の外周縁433の残部は、周溶接4
20を介して本体402に溶接される溶接部分である。ゴルフクラブヘッド400のソー
ル部分418におけるフェーススロット466は、低いオフセンターヒットにおけるゴル
フクラブ400の可撓性および撓みを促進させ、ゴルフクラブヘッド400の性能を改善
する。
【0088】
一般的に、ゴルフクラブヘッドの多様な実施形態における各フェーススロットは、ゴル
フクラブヘッドのフェース(例えばストライクフェースに隣接するフェース)の一部に形
成される溝またはチャネルである。フェーススロットは、縦方向に細長く、それぞれ長さ
LFSを有する。図示した実施形態では、本開示のソールスロットおよびフェーススロッ
トはほぼ直線的であるが、他の実施形態では、ソールスロットおよびフェーススロットは、曲線的または非直線的であってもよい。
図12~
図15に示すように、いくつかの実装形態では、フェーススロットは貫通スロットまたはフェーススロットのストライクフェース側で開口し、かつフェーススロットの内部キャビティ側または裏側で開口しているスロットである。しかしながら、別の実装形態では、フェーススロットは貫通スロットではなく、フェーススロットの内部キャビティ側または裏側で閉口している。
【0089】
図12~
図15は、複数の異なる構成のフェーススロットを有するゴルフクラブヘッド
を示しているが、本開示の本質から逸脱することなく、ゴルフクラブヘッドは他の構成の
フェーススロットを有することができる。例えば、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブ
ヘッドのヒール部分、トウ部分、トップ部分、およびソール部分のそれぞれに1つずつの、4つの別個のフェーススロットを有することができる。更に、
図12~
図15に示すゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドの各ヒール部分、トウ部分、トップ部分、およびソール部分につき1つのフェーススロットを示しているが、他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドのヒール部分、トウ部分、トップ部分、およびソール部分のうち1つ以上に、2つ以上のフェーススロットを含む。
【0090】
図16~
図19を参照すると、より太く、より濃い線で溶接輪郭の配置を強調した、多
様なゴルフクラブヘッドが示されている。各ゴルフクラブヘッドは、本体に溶接されるス
トライクプレートを含む。更に、ゴルフクラブヘッド500B~Dは、ゴルフクラブヘッ
ド100に類似しており、同様の数字は同様の特徴を指している。より具体的には、ゴル
フクラブヘッド100の特徴に類似している
図17~
図19のゴルフクラブヘッドの特徴
は同一の参照番号であるが、ゴルフクラブヘッド100の100-シリーズのフォーマットとは異なるシリーズ(例えば、500-シリーズ)のフォーマットを有する。従って、
特記しない限り、上述したゴルフクラブヘッド100の特徴の構造、機能、および利点を
含む記載は、
図17~
図19の各ゴルフクラブヘッドの類似する特徴に適用可能である。
【0091】
代表的な従来型のゴルフクラブヘッド500Aを
図16に示す。ゴルフクラブヘッド5
00Aは、連続的な溶接520Aまたはストライクプレート504Aの外周縁を360度
に亘って延在する溶接を有する。対照的に、
図17に示すゴルフクラブヘッド500Bは、周溶接520Bまたはストライクプレート504Bの外周縁533Bの周囲を360度
に亘り延在しない溶接を有する。より具体的には、周溶接520Bは、ストライクプレート504Bの外周縁533Bの一部(例えば、トップ部分516Bに隣接する部分および
ソール部分518Bに隣接する部分)のみを中心に延在している。従って、外周縁533
Bは、それぞれがトップ部分516Bおよびソール部分518Bのそれぞれに隣接する2つの溶接部分534Bを含む。ストライクプレート504Bの外周縁533Bの残部は、
本体502Bのヒール部分512Bおよびトウ部分514Bに、それぞれ隣接して配置される非溶接部分550Bである。
【0092】
図17に示すゴルフクラブヘッド500Bのように、
図18のゴルフクラブヘッド50
0Cは、周溶接520Cまたはストライクプレート504Cの外周縁533Cの周囲を3
60度に亘り延在しない溶接を有する。しかしながら、ゴルフクラブヘッド500Bとは
異なり、ゴルフクラブヘッド500Cの周溶接520Cは、本体502Cのヒール部分5
12C、トウ部分514C,トップ部分516C、およびソール部分518Cのそれぞれ
に複数の溶接部分を含む。従って、外周縁533Cは、本体502Cのヒール部分512
C、トウ部分514C、トップ部分516C、およびソール部分518Cのそれぞれに隣
接する少なくとも2つの溶接部分534Cを含む。ストライクプレート504Cの外周縁
533Cの残部は、少なくとも2つの非溶接部分550Cが、本体502Cのヒール部分
512C、トウ部分514C、トップ部分516C、およびソール部分518Cのそれぞれに隣接して配置される非溶接部分550Cである。周溶接520Cは、ストライクプレート504Cの周囲にステッチパターンを有すると説明することができる。
【0093】
図17のゴルフクラブヘッド500Bと同様に、
図18に示すゴルフクラブヘッド50
0Dは、周溶接520Dまたはストライクプレート504Dの外周縁533Dの周囲を3
60度に亘り延在しない溶接を有する。しかしながら、周溶接520Dは、ストライクプ
レート504Dの外周縁533Dが、外周縁533Dの4つのそれぞれの角部にそれぞれ
配置される4つの溶接部分534Bを含むように構成されている。ストライクプレート5
04Dの外周縁533Dの残部は、本体502Dのヒール部分512D、トウ部分514
D、トップ部分516D、およびソール部分518Dのそれぞれに隣接して配置される非
溶接部分550Dである。
【0094】
ゴルフクラブヘッド500B~500Dは、
図12~
図15の各ゴルフクラブヘッド2
00,300,400のようなフェーススロットを有しないように示されているが、
図1
7~
図19のゴルフクラブヘッド500B~500Dのストライクプレートの外周縁における任意の1つ以上の溶接部分において、ゴルフクラブヘッドは、対応する非溶接部分の
1つによって部分的に画定されるフェーススロットを含むことができる。
【0095】
図1~
図11および
図17~
図19のゴルフクラブヘッド100を参照するが、本開示
のゴルフクラブヘッドの全ての実施形態に適用可能であるように、ストライクプレート1
04の外周縁133は、総周長を有する。外周縁133の総周長は、周方向に外周縁13
3に沿った、始点と、始点と同位置の終点との間の距離として画定される。同様に、周溶
接120は、溶接長さの合計を有する。複数の溶接セグメントまたは区画を有する周溶接
120においては、周溶接120の溶接長さの合計は、溶接セグメントの個々の溶接長さ
の合計として画定される。更に、溶接セグメントの個々の長さは、溶接セグメントによって画定される外周縁133の溶接部分134の個々の長さLWと同一である。従って、周
溶接120の溶接長さの合計は、ストライクプレート104の外周縁133の溶接部分1
34の全長と同一である。複数の溶接部分134を有する外周縁133において、溶接部
分134の全長は、溶接部分150の個々の長さLWの合計として画定される。それに応
じて、外周縁133の非溶接部分150の全長は、外周縁133の総周長と外周縁133
の溶接部分134の全長との間の差と同一である。複数の非溶接部分150を有する外周
縁133において、非溶接部分150の全長は、非溶接部分150の個々の長さLNWの
合計として画定される。
【0096】
上記に基づいて、外周縁133の溶接部分134の全長の、ストライクプレート104
の総周長に対する比率は、1未満である。いくつかの実装形態では、外周縁133の溶接
部分134の全長の、ストライクプレート104の総周長に対する比率は、約0.40~
約0.94である。更にある実装形態では、外周縁133の溶接部分134の全長の、ス
トライクプレート104の総周長に対する比率は、約0.45~約0.80である。更な
る実装形態によれば、外周縁133の溶接部分134の全長の、ストライクプレート10
4の総周長に対する比率は、約0.70~約0.75である。
【0097】
図17を参照すると、例えば、いくつかの実施形態では、外周縁533Bの各溶接部分
534Bの長さLWは、外周縁533Bの各非溶接部分550Bの長さLNWよりも長い
。しかしながら、他の実施形態では、
図19に示すように、例えば、外周縁533Dの各
溶接部分534Dの長さLWは、外周縁533Dの各非溶接部分550Dの長さLNWよ
りも短い。
図19にも示すように、例えば、ある実施形態では、外周縁533Dの溶接部
分534Dのうち少なくとも2つ(例えば、いくつかの実装形態においては全て)は、異
なる長さを有する。しかしながら、他の実施形態では、
図18に示すように、例えば、外
周縁533Cの溶接部分534Cのうち少なくとも2つは、同一の長さを有する。いくつ
かの実装形態によれば、外周縁533Cの全ての溶接部分534Cが、同一の長さを有す
る。
【0098】
次に、
図20および
図21を参照すると、ゴルフクラブヘッド600の別の実施形態が
示されている。ゴルフクラブヘッド600は、ゴルフクラブヘッド100に類似しており
、同様の数字は同様の特徴を指している。より具体的には、ゴルフクラブヘッド100の
特徴に類似している
図20および
図21のゴルフクラブヘッド600の特徴は同一の参照
番号であるが、ゴルフクラブヘッド100の100-シリーズのフォーマットとは異なる
シリーズ(例えば、600-シリーズ)のフォーマットを有する。従って、特記しない限
り、上述したゴルフクラブヘッド100の特徴の構造、機能、および利点を含む記載は、
図20および
図21のゴルフクラブヘッド100の類似する特徴に適用可能である。
【0099】
アイアンタイプのゴルフクラブヘッドであるゴルフクラブヘッド100とは対照的に、
ゴルフクラブヘッド600は、メタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドまたはドライバータイプのゴルフクラブヘッドである。従って、ゴルフクラブヘッド600の本体602
およびストライクプレート604は、内部キャビティ142よりも極めて大きい内部キャ
ビティ642を画定している。例えば、内部キャビティ642は、一実装形態では、約1
20cm2~200cm2のゴルフクラブヘッド600の変位量を容易化する。しかしながら、いくつかの実装形態では、ゴルフクラブヘッド60は、約110cm3~約600
cm3のヘッド体積を有するように構成することができる。より具体的な実装形態では、
ヘッド体積は、約250cm3~約500cm3である。更により具体的な実装形態では
、ヘッド体積は、約300cm3~約500cm3、約300cm3~約360cm3、
約300cm3~約420cm3、または約420cm3~約500cm3である。ゴル
フクラブヘッド600は、約300cm3~約460cm3の体積かつ約145g~約2
45gの合計質量を有する。あるいは、ゴルフクラブヘッドは、約100cm3~約25
0cm3の体積かつ約145g~約260gの合計質量を有する。ゴルフクラブヘッド6
00がハイブリッドゴルフクラブヘッドとして構成されているいくつかの実装形態では、
ゴルフクラブヘッド600は、約60cm3~約150cm3の体積かつ約145g~約
280gの合計質量を有することができる。
【0100】
ストライクプレート604の外周縁633は、本体602に溶接されている溶接部分6
34と、本体602に溶接されていない非溶接部分650とを有する。むしろ、非溶接部
分650は、本体602のスロット縁644に対面しており、かつそこから離間してゴル
フクラブヘッド600のソールスロット626を画定している。
図20に示すように、ソールスロット626は、非金属製の充填材料628で充填することができる。
【0101】
図示した実施形態は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドおよびメタルウッドタイプ
のゴルフクラブヘッドを示すが、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドおよびメタルウッ
ドタイプのゴルフクラブヘッドに関連する特徴、機能、および利点は、ハイブリッドタイ
プのゴルフクラブヘッド、ドライバータイプのゴルフクラブヘッド、およびパタータイプ
のゴルフクラブヘッドにも適用可能である。
【0102】
上述したように、外周縁633の溶接部分634の全長の、ストライクプレート604
の総周長に対する比率は、1未満である。いくつかの実装形態では、外周縁633の溶接
部分634の全長の、ストライクプレート604の総周長に対する比率は、約0.40~
約0.94である。更にある実装形態では、外周縁633の溶接部分634の全長の、ス
トライクプレート604の総周長に対する比率は、約0.45~約0.80である。一実
装形態によれば、外周縁633の溶接部分634の全長の、ストライクプレート604の
総周長に対する比率は、約0.625である。更なる実装形態によれば、外周縁633の
溶接部分634の全長の、ストライクプレート604の総周長に対する比率は、約0.7
0~約0.75である。
【0103】
ソールスロットを有するゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態によれば、ソールス
ロットの長さLSSは、約50mm~約65mmである。一実装形態では、ソールスロッ
トの長さLSSは、約50mm~約60mmである。別の実装形態では、ソールスロット
の長さLSSは、約55mm~約65mmである。
【0104】
ゴルフクラブヘッドのヒールにフェーススロットを有するゴルフクラブヘッドのいくつ
かの実施形態では、ヒールにおけるフェーススロットの長さLFSは、約16mm~約1
9mmである。ゴルフクラブヘッドのトウにフェーススロットを有するゴルフクラブヘッ
ドのいくつかの実施形態では、トウにおけるフェーススロットの長さLFSは、約33m
m~約40mmである。ある実装形態では、トウにおけるフェーススロットの長さLFS
は、約33mm~約37mmである。
【0105】
次に、
図22を参照すると、ゴルフクラブヘッド800の一実施形態が示されている。
図22のゴルフクラブヘッド800は、
図1~
図11のゴルフクラブヘッド100に類似
しており、同様の数字は同様の特徴を指している。より具体的には、ゴルフクラブヘッド
100の特徴に類似している
図22のゴルフクラブヘッド800の特徴は同一の参照番号
であるが、ゴルフクラブヘッド100の100-シリーズのフォーマットとは異なるシリーズ(例えば、800-シリーズ)のフォーマットを有する。従って、特記しない限り、
上述したゴルフクラブヘッド100の特徴の構造、機能、および利点を含む記載は、
図2
2のゴルフクラブヘッド800の類似する特徴に適用可能である。
【0106】
上述し、かつ
図22に示したように、ゴルフクラブヘッド800の一実施形態は、本体
802と、本体802に溶接することができるストライクプレート804と、を含む。本
体802は、トウ部分、ヒール部分、トップ部分816(例えば、アイアンタイプのゴル
フクラブヘッドにおいてはトップライン部分、並びに、ドライバータイプ、ハイブリッド
タイプ、およびメタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドにおいてはクラウン部分)、およびソール部分818(例えば、ボトム部分)を有する。本体802は、ヒール部分から
延在するホーゼルを付加的に含む。ホーゼルは、ゴルフクラブのシャフトおよびグリップ
を受容し、係合するように構成する。本体は、上述したように、ソール部分に形成される
スロット縁844と、ソール部分に形成されるソールスロット826と、を更に含むこと
ができる。ストライクプレート804は、通常のゴルフスイング中に、ゴルフボールに衝
撃を与えるように設計されたストライクフェース806の少なくとも一部を含む。いくつ
かの実装形態では、ストライクプレート804は、ストライクフェース806全体を含む。一般的に、ストライクプレート804は、ストライクフェースの少なくとも一部を含むゴルフクラブヘッド800の任意のピースとして画定される。
【0107】
本体802は、周溶接820を介して本体802に溶接されるストライクプレート80
4の外周縁833の一部を受容するように構成する。より具体的には、本体802は、本
体802のトウ部分814、ヒール部分812、トップ部分816、およびソール部分8
18の間に画定されるプレート開口部876を含む。上述したように、ストライクプレート804の外周縁833は、少なくとも1つの溶接部分834および少なくとも1つの非
溶接部分850を含むことができる。
【0108】
プレートインタフェース832のリム836と、ストライクプレート804の外周縁8
33との間の嵌合により、本体802のリム836およびストライクプレート804の外
周縁833の周溶接820による突合せ溶接を容易化する。上述したように、ストライク
プレート804は、本体802のソール部分818の周囲を効率的に包囲して、ゴルフク
ラブヘッド800の底部を画定するソールラップ部分822を含むことができる。付加的
または代替的に、ソールラップ部分822は、後部829の下棚830の周囲を効率的に
包囲することができる。
【0109】
上述し、かつ
図22に示したように、後部829は、ソールバー831を含み、このソールバー831はゴルフクラブヘッド800の下部の、後部に配置されている。ソールバー831は、ストライクプレートおよびゴルフクラブヘッド800の他の部分に対して、
比較的大きな厚みを有しており、それによって、ゴルフクラブヘッド800の質量の大部
分を占め、かつゴルフクラブヘッド800の重心(CG)を比較的下方かつ後方にシフト
させている。後部829は、ソールバー831の前方に突出する下棚830および上棚8
40も含む。下棚830および上棚840は、後部829の下棚830と上棚840との
それぞれの間に間隙が画定されるように、ストライクプレート804の後方に離間している。下棚830と上棚840との間に、トップ部分816まで上方に延在する内部キャビ
ティ842の一部が画定されている。図示される実装形態では、内部キャビティ842は、ソールスロット826に開口している。プレート開口部876は、本体802の後部に
部分的に開口している。
【0110】
キャビティバックタイプまたはマッスルバックタイプのゴルフクラブヘッドを描写する
図1~
図11のゴルフクラブヘッド100とは対照的に、
図22のゴルフクラブヘッドは
、中空キャビティタイプのゴルフクラブヘッドである。より具体的には、ゴルフクラブヘ
ッド100のストライクプレート104の内部キャビティ142および背面154が包囲
されておらず、むしろゴルフクラブヘッド100の後部に対して開口している一方、ゴル
フクラブヘッド800のストライクプレート804の内部キャビティ842および背面8
54は、ゴルフクラブヘッド800の後部を包囲するか、またはゴルフクラブヘッド80
0の後部に対して閉口している。ゴルフクラブヘッド800の後部829は、内部キャビ
ティ842の後方側を包囲する後壁877を更に含む。中空の内部キャビティ842を有
するゴルフクラブヘッド800は、ストライクプレート804のストライクフェース80
6上のオフセンターヒットにおける許容範囲が増加する等、いくつかの利点をもたらす。
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド800の体積は、約10cm
3~約120
cm
3である。例えば、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド800は、約20
cm
3~約110cm
3、例えば約30cm
3~約100cm3、例えば約40cm
3~
約90cm
3、例えば約50cm
3~80cm
3、例えば約60cm3~80cm
3の体
積を有する。更に、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド800は、約15mm
~約100mmの全体の深さを有する。例えば、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブ
ヘッド800は、約20mm~約90mm、例えば約30mm~約80mm、例えば約4
0mm~約70mmの全体の深さを有する。
【0111】
キャビティバック、マッスルバック、および中空キャビティのアイアンタイプのゴルフ
クラブヘッドの他の例は、本明細書に参照によって組み込まれる、2015年12月28
日出願の特許文献4に記載されている。
【0112】
いくつかの実装形態では、ゴルフクラブヘッド800は、内部キャビティ842内に少
なくとも部分的に配置されるタングステン896のような重み付け要素を含む。更
に、本開示のゴルフクラブヘッドの本体は、重み付け要素、カートリッジ、および/また
はインサートもしくは重心位置、振動制御あるいは振動減衰、または音響制御あるいは音
響減衰のために使用されるような被装着体等の多様な特徴を含むことができる。例えば、
特許文献5は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれているが、質量変更ピン(
mass altering pins)またはカートリッジ重み付け要素(cartridge weighting elements
)の取り付けについて開示している。
【0113】
一実施形態では、
図24のゴルフクラブは、部分的または全体的に充填材料901で充
填された内部キャビティ942を有する。
【0114】
いくつかの実装形態では、充填材料901は、熱可塑性材料、熱硬化性材料等の非金属
から製造されている。別の実装形態では、内部キャビティ842は、充填材料901で充
填されておらず、クラブヘッド内に開口した、空のキャビティを維持している。
【0115】
一実施形態によれば、充填材料901は、最初のうちは、クラブヘッドのトウ部分上に
配置される注入口907を通じてクラブヘッド内に注入または挿入される粘性材料である
。注入口907は、トップライン、ソール、ヒール、またはトウを含むクラブヘッド90
0上の何処にでも配置することができる。クラブヘッド内に配置される充填材料901と
しての使用に適した材料の例には、限定するわけではないが、粘弾性エラストマー類、無
機充填材料を含んでいるかまたは含んでいないビニルコポリマー類、硫酸バリウムのよう
な鉱物充填材料を含んでいるかまたは含んでいないポリビニルアセテート、アクリル類、
ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリアミド類、ポリブタジエン類、
ポリスチレン類、ポリイソプレン類、ポリエチレン類、ポリオレフィン類、スチレン/イ
ソプレンブロックコポリマー類、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー類、金属化ポ
リエステル類、金属化アクリル類、エポキシ類、エポキシとグラファイトの複合材、天然
ゴムおよび合成ゴム、圧電セラミックス、熱硬化性ゴムおよび熱可塑性ゴム、発泡性ポリ
マー類、イオノマー類、低密度繊維ガラス、ビチューメン、シリコン、およびそれらの混
合物が挙げられる。金属化ポリエステル類および金属化アクリル類は、金属としてアルミ
ニウムを含むことができる。市販されている材料には、弾性ポリマー材料である、例えば
、3M社のScotchweld(商標)(例えば、DP-105(商標))並びにScotchdamp(商標)、
Solbothane, Inc.社のSolbothane(商標)、Soundcoat Company Inc.社のDYAD(商標)お
よびGP(商標)、Dynamat Control of North America, Inc.社のDynamat(商標)、Pole
Star Maritime Group, LLC社のNoViFlex(商標)Sylomer(商標)、Dow Chemical Compan
y社のIsoplast(商標)、Pique Technologies, Inc.社のLegetolex(商標)、および株式
会社クラレのハイブラー(商標)等が挙げられる。更に他の実施形態では、充填材料料9
01を、クラブヘッド900の中へ設置し、プラグ905または金属、合金、金属系、複
合材、硬質プラスチック、弾性エラストマー、または他の適した材料で形成されている弾
性キャップまたは他の構造を用いて、その場にシールさせてもよい。一実施形態では、プ
ラグ905は、鋼、アルミニウム、チタニウム、または金属合金から製造可能な金属プラ
グである。一実施形態では、プラグ905は、赤色、緑色、青色、灰色、白色、オレンジ
色、紫色、黒色、透明色、黄色、またはメタリック色に着色された陽極酸化アルミニウム
プラグである。一実施形態では、プラグ905は、クラブヘッド体900に配置される主
要な色調とは異なる色調または対称的な色調である。
【0116】
いくつかの実施形態では、充填材料は、ストライクプレート904の多様なフェースの
厚みを収容する僅かな窪みまたは凹部903を含む。換言すると、充填材料901に配置
される窪みまたは凹部903は、ストライクプレート904の肉厚部と噛み合わせられる
か、またはストライクプレート904の肉厚部に打ち込まれる。一実施形態では、ストラ
イクプレート904の肉厚部は、ストライクプレート904の中心に配置されている。
【0117】
一実施形態では、ゴルフクラブヘッド900は、重り996の配置を可能にする窪み9
09を含む。一旦、重り996が窪み909内に配置され、ストライクプレート904が
取り付けられると、ポート907を通じて充填材料901が注入され、プラグ905でシールされる。
【0118】
一実施形態では、充填材料901は、その全体が本明細書に参照によって組み込まれる
「the Procedure for Measuring the Velocity Ratio of a Club Head for Conformance
to Rule 4-1e, Appendix II Revision 2 February 8, 1999」に記載の全米ゴルフ協会(
USGA)のルールに従って測定すると、反発係数(本明細書では「COR」)に僅かに
影響する。
【0119】
以下の表1は、充填されている状態および充填されていない状態の両者における、
図2
4に示す複数の構成のクラブヘッドのキャリブレーションプレートに対するCORの変化
例を提供するものである。キャリブレーションプレートの寸法および重量は、「the Proc
edure for Measuring the Velocity Ratio of a Club Head for Conformance to Rule 4-
1e」のセクション4.0に記載されている。
【0120】
異なるキャリブレーションプレート間の僅かな変動を考慮して、以下に記載の値は、キ
ャリブレーションプレートのベース値に対するCOR変化に関して記載している。例えば
、キャリブレーションプレートが0.831のCOR値を有する場合、非充填状態のヘッ
ドにおける実施例1は、0.831未満の-0.019のCOR値を有しており、これは
実施例1(非充填)に0.812のCOR値を付与する。キャリブレーションプレートに
対する所与のヘッドに対するCORにおける変化は、正確かつ再現性が高い。
【0121】
【0122】
表1は、充填材料901をゴルフクラブヘッド900のキャビティ942内に導入する
前、キャリブレーションプレートに対する非充填CORの降下(または第1COR降下値
)は、0~-0.05、0~-0.03、-0.00001~-0.03、-0.000
01~-0.025、-0.00001~-0.02、-0.00001~-0.015、-0.00001~-0.01、-0.00001~-0.005であることを示して
いる。
【0123】
一実施形態では、アイアンのセットの中の複数の非充填CORゴルフクラブヘッドにおけるキャリブレーションプレートに対する平均COR降下または損失は、0~-0.05、0~-0.03、-0.00001~-0.03、-0.00001~-0.025、
-0.00001~-0.02、-0.00001~-0.015、または-0.000
01~-0.01である。
【0124】
表1は、充填材料901をゴルフクラブヘッド900のキャビティ942内に導入した
後、キャリブレーションプレートに対する充填COR降下(または第2COR降下値)が、キャリブレーションプレートに対する非充填COR降下よりも大きいことを更に示して
いる。換言すると、充填CORゴルフクラブヘッドへの充填材料901の追加は、非充填
CORヘッドのリバウンドボール速度に対して、フェースからリバウンドした後のボール
の速度(Vout-速度出力(Velocity Out))を僅かに低下させる。
【0125】
表1に示すいくつかの実施形態では、充填CORゴルフクラブヘッドにおけるキャリブ
レーションプレートに対するCOR降下または損失は、0~-0.05、0~-0.03、-0.00001~-0.03、-0.00001~-0.025、-0.00001
~-0.02、-0.00001~-0.015、-0.00001~-0.01、また
は-0.00001~-0.005である。
【0126】
一実施形態では、アイアンのセットの中の複数の充填CORゴルフクラブヘッドにおけ
るキャリブレーションプレートに対する平均COR降下または損失は、0~-0.05、
0~-0.03、-0.00001~-0.03、-0.00001~-0.025、-
0.00001~-0.02、-0.00001~-0.015、-0.00001~-
0.01、または-0.00001~-0.005である。
【0127】
しかしながら、他の構成および充填材料と比較した場合に、充填CORヘッドにおける
COR損失または降下の総量は、最小化される。表1の最後の縦の段は、非充填と充填ゴ
ルフクラブヘッドとの間におけるCOR変化を示しており、これは、充填CORの段から
非充填CORを引くことによって計算される。充填および非充填クラブヘッドの間のCO
Rにおける変化(COR変化値)は、0~-0.1、0~-0.05、0~-0.04、
0~-0.03、0~-0.025、0~-0.02、0~-0.015、0~-0.0
1、0~-0.009、0~-0.008、0~-0.007、0~-0.006、0~
-0.005、0~-0.004、0~-0.003、または0~-0.002である。
注目すべきことに、一クラブヘッドは、充填および非充填ゴルフクラブヘッドの間のCO
Rにおける変化をゼロとすることを達成することができた。換言すると、充填および非充
填クラブヘッドの状態において、COR変化がなかった。いくつかの実施形態では、CO
R変化値は、-0.1よりも大きく、-0.05よりも大きく、-0.04よりも大きく
、-0.03よりも大きく、-0.02よりも大きく、-0.01よりも大きく、-0.
009よりも大きく、-0.008よりも大きく、-0.007よりも大きく、-0.0
06よりも大きく、-0.005よりも大きく、-0.004よりも大きく、または-0
.003よりも大きかった。
【0128】
いくつかの実施形態では、アイアンゴルフクラブセットの中の少なくとも1本、2本、
3本、または4本のアイアンゴルフクラブは、充填および非充填状態の間のCORにおい
て、0~-0.1、0~-0.05、0~-0.04、0~-0.03、0~-0.02、0~-0.01、0~-0.009、0~-0.008、0~-0.007、0~-0.06、0~-0.005、0~-0.004、0~-0.003、または0~-0.0
02に変化する。
【0129】
更に別の実施形態では、セットのうち少なくとも一対または二対のアイアンゴルフクラ
ブは、充填および非充填状態の間でCORが0~-0.1、0~-0.05、0~-0.
04、0~-0.03、0~-0.02、0~-0.01、0~-0.009、0~-0
.008、0~-0.007、0~-0.006、0~-0.005、0~-0.004
、0~-0.003、および0~-0.002の間で変化する。
【0130】
別の実施形態では、セットの中の複数のアイアンゴルフクラブの、充填および非充填状
態の間のCORの変化における平均は、0~-0.1、0~-0.05、0~-0.04
、0~-0.03、0~-0.02、0~-0.01、0~-0.009、0~-0.0
08、0~-0.007、0~-0.006、0~-0.005、0~-0.004、0
~-0.003、および0~-0.002である。
【0131】
図25は、
図24に示すゴルフクラブヘッドの中央面に沿った断面図を示している。充
填材料901は、ソールスロット926の上に配置されるキャビティ942を充填する。
窪みまたは凹部903は、ストライクプレート904の肉厚部に係合している。
【0132】
いくつかの実施形態では、充填材料901は、熱硬化性を有し、硬化後には可撓性を有
する二液型ポリウレタンフォームである。一実施形態では、二液型ポリウレタンフォーム
は、任意のメチレンジフェニルジイソシアネート(一種のポリウレタンプレポリマー)ま
たは可撓性または剛性を有するシリコンベースのポリウレタンフォームである。
【0133】
次に、
図23を参照すると、一実施形態によれば、例えば本明細書に記載のゴルフクラ
ブヘッドのようなゴルフクラブの製造方法700は、ストライクプレートの外周縁を本体
に、ストライクプレートが本体のヒール部分、ソール部分、トウ部分、およびトップ部分
の間に配置されるように、周方向に断続的に溶接するステップ(702)を含む。更に、
方法700は、ストライクプレートの外周縁と本体との間の間隙を充填材料で充填するス
テップを含む(704)。
【0134】
本明細書全体で言及される「一実施形態」、「ある実施形態」、または同様の文言は、
実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本書を通じて記載されている「一実施形態では
」「ある実施形態では」または同様の文言は、全て同一の実施形態を意味してもよいが、
必ずしもそうでなくてもよい。同様に、「実装態様」という語は、本開示の1つ以上の実
施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性を有する1つの実装態様を意
味するが、1つの実装態様が1つ以上の実施形態に関連付けらないということを表す明示
的な相互関係がない限り、実装態様は、1つ以上の実施形態に関連付けられてもよい。
【0135】
本明細書に記載の概略フローチャートは一般的に、論理フローチャートとして記載され
ている。従って、記載の順序および名付けられたステップは、提示される方法の一実施形
態を示す。示される方法の1つ以上のステップもしくはそれらの部分の機能、論理、また
は効果と均等である他のステップおよび方法が、想起され得る。更に、用いられている形
式およびシンボルが、本方法の論理的ステップを説明するために提供されており、本方法
の範囲を限定するものではないことは、理解されよう。フローチャートにおいて様々なタ
イプの矢印および線が用いられ得るが、これらに対応する方法の範囲を限定するものでは
ないことは理解されよう。実際、いくつかの矢印またはその他のコネクタは、本方法の論
理的フローのみを示すために用いられ得る。例えば、矢印は、記載の方法の列挙されたス
テップの間の、不特定の長さの待機時間またはモニタリング時間を示し得る。更に、具体
的な方法が発生する順序は、図示されている対応するステップの順序に厳密に従うことも
あるが、従わないこともある。
【0136】
上述の記載において、「上」「下」「上方」「下方」「水平」「垂直」「左」「右」「上部」「下部」などの特定の表現が用いられていることがある。これらの語は、必要に応じ、相関関係を取り扱う際に説明に何らかの明確性をもたらすために用いられている。しかしながら、これらの語には絶対的な関係、位置、および/または向きを含意させる意図はない。例えば、ある物体に関して、単純にこの物体の上下を逆にすることで「上方の」表面が「下方の」表面となり得る。それでもなお、これは同じ物体である。更に、「含む」「備える」「有する」などの語およびこれらの変化形は、そうでない旨の明示的な記載がない限り、「~を含むがそれらに限定されない」ことを意味する。列挙されたアイテムは、別途明示的な記載のない限り、それらアイテムのうちの任意のものまたは全てが互いを排除するおよび/または互いを含むものであることを含意しない。「1つの(a)」「1つの(an)」および「(the)」などの語は、そうでない旨の明示的な記載がない限り、「1つ以上の」という意味も表す。更に、「複数」の語は「少なくとも2つ」と定義され得る。いくつかの実施形態における「約」とは、所定の値の+/-5%以内を意味するよう定義され得る。
【0137】
更に、本明細書において、1つの要素が他の要素に「連結される」とは、直接的な連結
および間接的な連結を含み得る。直接的連結とは、1つの要素が別の要素と連結し、且つ
何らかの形で接触していることと定義され得る。間接的連結とは、互いに直接接触しておらず、連結された要素間に1つ以上の追加の要素を有する、2つの要素間の連結と定義さ
れ得る。更に、1つの要素を他の要素に固定することとは、本書で使用される場合、直接
的な固定および間接的な固定を含み得る。更に、「隣接」とは、本明細書で使用される場
合、必ずしも接触を意味しない。例えば、ある要素は、別の要素と接触せずに、その要素の近隣にあることができる。
【0138】
本明細書で使用されるように、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少な
くとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つ以上の種々の組み合わせが
使用可能であり、かつ、列挙されたアイテムのうち1つだけあればよいということを意味
する。アイテムとは、特定の物体、物品、またはカテゴリのことであり得る。即ち、「~
のうちの少なくとも1つ」は、アイテムの任意の組み合わせ、あるいはいくつかのアイテ
ムが列挙された中から使用され得ることを意味するが、列挙されたアイテムの全てが必要
なわけではない。例えば、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なく
とも1つ」は、例えば、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、「アイテムB」
、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、または「アイテムBとアイテムC」を意味
し得る。いくつかの場合には、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少
なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、「2個のアイテムAと1個のアイ
テムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、または他の
何らかの好適な組み合わせを意味し得る。
【0139】
別途提示されない限り、「第1」「第2」などの用語は、本明細書では単に符号として
使用され、それらの用語が表すアイテムに順序的、位置的、または序列的な要件を課すことは意図していない。更に、例えば「第2」のアイテムに言及することによって、例えば
「第1」のもしくはより小さい数のアイテム、および/または、「第3」のもしくはより
大きい数のアイテムの存在が、必要とされることまたは除外されることはない。
【0140】
本明細書で使用される場合、特定の機能を実行するように「構成される」システム、装
置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、更なる修正後に特定の機能を
実行する潜在力を単に有するのではなく、変更を行うことなく実際に特定の機能を実行する能力がある。換言すると、特定の機能を実行するように「構成される」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、特定の機能を実行する目的で具
体的に選択、形成、実施、利用、プログラム、および/または設計される。本明細書で使
用される場合、「~するように構成される」とは、システム、装置、構造、物品、要素、
構成要素、またはハードウェアが更なる修正なしに特定の機能を実行することを可能にす
る、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアの現存する特性
を意味する。本開示のために、特定の機能を実行するように「構成される」ものとして説
明されるシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、更にまたはあるいは、その機能を実行するように「適合される」および/または「動作可能な」
ものとして説明される場合がある。
【0141】
本主題はその精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施す
ることができる。説明した実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的でない
と解釈すべきである。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に属する全ての変更は
その範囲内に包含されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0142】
【文献】米国特許第9044653号明細書
【文献】米国特許出願第13/111715号明細書
【文献】米国特許第8353785号明細書
【文献】米国特許出願第14/981330号明細書
【文献】米国特許第6811496号明細書