(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/02 20060101AFI20241112BHJP
H01H 45/02 20060101ALI20241112BHJP
H01H 9/04 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H01H50/02 E
H01H45/02 F
H01H9/04 G
(21)【出願番号】P 2023067511
(22)【出願日】2023-04-18
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】202220909856.0
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210412654.X
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220909170.1
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220910258.5
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210412655.4
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウェングアン ダイ
(72)【発明者】
【氏名】メン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオシェン ホン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン カンペール
(72)【発明者】
【氏名】ソンシェン チェン
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-151070(JP,A)
【文献】特開2017-117678(JP,A)
【文献】特開平10-040791(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0069450(US,A1)
【文献】特開2003-100189(JP,A)
【文献】特開2002-042625(JP,A)
【文献】特開2016-072023(JP,A)
【文献】中国実用新案第202067730(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 - 9/28
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 59/00
H01H 89/00 - 89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁カバーと、第1のヨーク板と、接点アセンブリと、駆動アセンブリと、圧力逃しバルブアセンブリとを備えるリレーであって、
前記第1のヨーク板は、前記絶縁カバーに接続され、前記絶縁カバーと接触チャンバを構成し、前記第1のヨーク板は、圧力逃がし孔を有し、前記圧力逃がし孔は、厚さ方向に沿って前記第1のヨーク板の反対側の2つの側面を貫通し、前記圧力逃がし孔は、前記接触チャンバに連通し、
前記接点アセンブリは、一対の固定接点引出端と、可動接触子とを備え、前記固定接点引出端は、前記絶縁カバーに設けられ、前記固定接点引出端の一端は、前記接触チャンバの内部に進入し、前記可動接触子は、前記接触チャンバ内に位置し、
前記駆動アセンブリは、前記可動接触子に接続され、前記可動接触子の移動を駆動して、前記可動接触子の両端と一対の前記固定接点引出端との接触又は離間をそれぞれ実現し、
前記圧力逃しバルブアセンブリは、前記第1のヨーク板に設けられ
、前記接触チャンバ内のガス圧が閾値以上である場合に突き破られて前記圧力逃がし孔を開放することを特徴とする、
リレー。
【請求項2】
前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記第1のヨーク板に一体に形成され、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記第1のヨーク板は、
第1の側面と
、前記第1の側面とは反対側に設けられた第2の側面
と、を有し、前記バルブプレートは、
第1の側面と
、前記第1の側面とは反対側に設けられた第2の側面
と、を有し、
前記第1のヨーク板の第1の側面は、前記絶縁カバーに接続され、前記バルブプレートの第1の側面は、前記圧力逃がし孔の孔壁に接続され、前記バルブプレートの第2の側面は、前記第1のヨーク板の第2の側面と面一
となることを特徴とする、
請求項2に記載のリレー。
【請求項4】
前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記第1のヨーク板と別体に設けられ、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載のリレー。
【請求項5】
前記第1のヨーク板は、第1の側面を有し、前記第1のヨーク板の第1の側面は、前記絶縁カバーに接続され、前記第1の側面にシンクが設けられ、前記シンクは、前記圧力逃がし孔に連通し、
前記バルブプレートは、第1の側面を有し、前記バルブプレートは、前記シンク内に設けられ、前記バルブプレートの第1の側面は、前記第1のヨーク板の第1の側面と面一
となることを特徴とする、
請求項4に記載のリレー。
【請求項6】
前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、移行部品を備え、前記バルブプレートは、前記移行部品を介して前記第1のヨーク板に接続されることを特徴とする、請求項4に記載のリレー。
【請求項7】
前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、保護カバーを備え、前記保護カバーは、前記第1のヨーク板に接続され、前記バルブプレートの表面にカバーして設けられ、前記保護カバーは、通気孔を有することを特徴とする、請求項
2~6のうちのいずれか1項に記載のリレー。
【請求項8】
前記駆動アセンブリと前記第1のヨーク板との間にガス抜き通路がさらに設けられ、前記ガス抜き通路は、前記圧力逃がし孔に連通することを特徴とする
、請求項1に記載のリレー。
【請求項9】
前記駆動アセンブリは、電磁石ユニットと、プッシュロッドユニットとをさらに備え、
前記電磁石ユニットは、前記第1のヨーク板の前記絶縁カバーから離れる側に設けられ、前記電磁石ユニットと前記第1のヨーク板とは、前記ガス抜き通路を形成し、
前記プッシュロッドユニットは、前記電磁石ユニットに駆動接続されることを特徴とする、
請求項8に記載のリレー。
【請求項10】
前記電磁石ユニットは、コイルボビンと、コイルとを備え、
前記コイルボビンは、中空筒状をなし、前記第1のヨーク板と前記ガス抜き通路を形成し、
前記コイルは、前記コイルボビンを取り囲むことを特徴とする、
請求項9に記載のリレー。
【請求項11】
前記ガス抜き通路は、前記第1のヨーク板及び/又は前記コイルボビンに設けられていることを特徴とする、請求項10に記載のリレー。
【請求項12】
前記リレーは、さらに、金属カバーを備え、前記金属カバーは、前記第1のヨーク板に接続され、前記第1のヨーク板と駆動チャンバを構成し、前記第1のヨーク板は、貫通孔を有し、前記接触チャンバは、前記貫通孔を介して前記駆動チャンバに連通し、
前記金属カバーは、前記コイルボビン内に穿設され、前記プッシュロッドユニットは、前記駆動チャンバに移動可能に設けられ、前記貫通孔を通過して前記可動接触子に接続されることを特徴とする、
請求項10に記載のリレー。
【請求項13】
前記電磁石ユニットは、さらに、固定鉄心と、可動鉄心と、第1の弾性部品とを備え
、
前記固定鉄心は、前記金属カバー内に固定されて設けられ、前記固定鉄心の一部は、前記貫通孔に進入し、前記固定鉄心は、第1の穿孔を有し、前記第1の穿孔は、前記貫通孔の位置に対応して設けられ、前記プッシュロッドユニットがそれに穿設されるために使用され、
前記可動鉄心は、前記金属カバー内に移動可能に設けられ、前記固定鉄心に対向して設けられ、前記可動鉄心は、前記プッシュロッドユニットに接続され、前記コイルが通電する時に、前記固定鉄心により吸引されるために使用され、
前記第1の弾性部品は、前記固定鉄心と前記可動鉄心との間に設けられ、前記コイルの電源が切られているとき、前記可動鉄心をリセットさせるために使用されることを特徴とする、
請求項12に記載のリレー。
【請求項14】
前記ガス抜き通路の気流方向は、前記圧力逃がし孔の軸線に垂直
となることを特徴とする、請求項8に記載のリレー。
【請求項15】
前記リレーは、ハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、中空チャンバを有し、前記中空チャンバは、前記ハウジングの外部に連通し、
前記絶縁カバーと前記第1のヨーク板と前記駆動アセンブリと前記圧力逃しバルブアセンブリとは、いずれも前記中空チャンバ内に位置することを特徴とする、
請求項1に記載のリレー。
【請求項16】
前記ハウジングは、第1のケースと、第2のケースとを備え、
前記第2のケースは、前記第1のケースに着脱可能に接続され、前記第1のケース及び/又は前記第2のケースにガス抜き構造が設けられ、前記ガス抜き構造は、前記中空チャンバに連通することを特徴とする、
請求項15に記載のリレー。
【請求項17】
前記ガス抜き構造は、スリットを備え、前記スリットは、前記第1のケースと前記第2のケースとの間に形成されていることを特徴とする、請求項16に記載のリレー。
【請求項18】
前記ガス抜き構造は、ガス抜き孔及び/又はガス抜きカバー及び/又はガス抜きグリルを備えることを特徴とする、請求項16に記載のリレー。
【請求項19】
前記絶縁カバーは、セラミックカバーと、接続部品とを備え、
前記固定接点引出端は、前記セラミックカバーに設けられ、
前記接続部品の一端は、前記セラミックカバーの開口縁に接続され、他端は、前記第1のヨーク板に接続されていることを特徴とする、
請求項1に記載のリレー。
【請求項20】
前記圧力逃しバルブアセンブリの構造強度は、前記接触チャンバの構造強度よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のリレー。
【請求項21】
前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用され、
前記バルブプレートの材料は、セラミックであり、
前記バルブプレートの厚さは、前記セラミックカバーの厚さよりも小さいことを特徴とする、
請求項19に記載のリレー。
【請求項22】
前記圧力逃しバルブアセンブリの材料及び/又は構造は、前記接触チャンバの材料及び/又は構造と違うことを特徴とする、請求項1に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレー技術分野に関し、具体的に、圧力逃しバルブアセンブリを有するリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー自動車の航続距離の要求が絶えず向上するにつれて、高圧直流リレーに対する要求もますます高くなり、例えば、正常な情況の下で、高圧直流リレーの熱損失が小さいことが要求され、電池パックが短絡する時また電池容量が大きいため、リレーの短絡抵抗電流、電圧が大きいことが要求されている。短絡負荷が大きいと、高圧直流リレー接触子は短絡電流により電動反発力が発生して接触子が弾かれて離れ、さらに接点アークが発生し、負荷短絡の電流及び電圧が共に高いため、接触子間の瞬間の激しいアーク燃焼を引き起こす。
【0003】
また、接触子の接触抵抗の信頼性を保証する必要があるため、多くの高圧直流リレーの接触子システムは、接触子密封キャビティによって密封されており、接触子密封キャビティ内部には、一定の圧力の水素ガス又は窒素ガスなどのガスを充填して消弧を補助する。
【0004】
しかし、関連技術におけるリレー動作中に、接触子システムが大電流短絡の瞬間、又は過負荷遮断の瞬間に、接触子密封キャビティが爆発しやすい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例は、関連技術に存在する爆発しやすい問題を解決するために、安全性を改善することができるリレーを提供する。
【0006】
本発明の実施例のリレーは、絶縁カバーと、第1のヨーク板と、接点アセンブリと、駆動アセンブリと、圧力逃しバルブアセンブリとを備える。第1のヨーク板は、前記絶縁カバーに接続され、前記絶縁カバーと接触チャンバを構成し、前記第1のヨーク板は、圧力逃がし孔を有し、前記圧力逃がし孔は、厚さ方向に沿って前記第1のヨーク板の反対側の2つの側面を貫通し、前記圧力逃がし孔は、前記接触チャンバに連通し、接点アセンブリは、一対の固定接点引出端及び可動接触子を備え、前記固定接点引出端は、前記絶縁カバーに設けられ、前記固定接点引出端の一端は、前記接触チャンバの内部に進入し、前記可動接触子は、接触チャンバ内に位置し、駆動アセンブリは、前記可動接触子に接続され、前記可動接触子の移動を駆動して、前記可動接触子の両端と一対の前記固定接点引出端との接触又は離間をそれぞれ実現するするために使用され、圧力逃しバルブアセンブリは、前記第1のヨーク板に設けられ、前記接触チャンバ内のガス圧が閾値よりも小さい場合に前記圧力逃がし孔を閉鎖し、前記接触チャンバ内のガス圧が閾値以上である場合に突き破られて前記圧力逃がし孔を開放する。
【0007】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記第1のヨーク板に一体に形成され、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0008】
本発明のいくつかの実施例により、前記第1のヨーク板は、反対側に設けられた第1の側面と第2の側面を有し、前記バルブプレートは、反対側に設けられた第1の側面と第2の側面を有し、前記第1のヨーク板の第1の側面は、前記絶縁カバーに接続され、前記バルブプレートの第1の側面は、前記圧力逃がし孔の孔壁に接続され、前記バルブプレートの第2の側面は、前記第1のヨーク板の第2の側面と面一する。
【0009】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記第1のヨーク板と別体に設けられ、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0010】
本発明のいくつかの実施例により、前記第1のヨーク板は、第1の側面を有し、前記第1の側面は、前記絶縁カバーに接続され、前記第1の側面にシンクが設けられ、前記シンクは、前記圧力逃がし孔に連通し、
前記バルブプレートは、第1の側面を有し、前記バルブプレートは、前記シンク内に設けられ、前記バルブプレートの第1の側面は、前記第1の側面と面一する。
【0011】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、移行部品を備え、前記バルブプレートは、前記移行部品を介して前記第1のヨーク板に接続される。
【0012】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、保護カバーを備え、前記保護カバーは、前記第1のヨーク板に接続され、前記バルブプレートの表面にカバーして設けられ、前記保護カバーは、通気孔を有する。
【0013】
本発明のいくつかの実施例により、前記駆動アセンブリと前記第1のヨーク板との間にガス抜き通路がさらに設けられ、前記ガス抜き通路は、前記圧力逃がし孔に連通する。
【0014】
本発明のいくつかの実施例により、前記駆動アセンブリは、電磁石ユニットと、プッシュロッドユニットとを備え、
電磁石ユニットは、前記第1のヨーク板の前記絶縁カバーから離れる側に設けられ、前記電磁石ユニットと前記第1のヨーク板とは、前記ガス抜き通路を形成し、
プッシュロッドユニットは、前記電磁石ユニットに駆動接続される。
【0015】
本発明のいくつかの実施例により、前記電磁石ユニットは、コイルボビンと、コイルとを備え、
前記コイルボビンは、中空筒状をなし、前記第1のヨーク板と前記ガス抜き通路を形成し、
コイルは、前記コイルボビンを取り囲む。
【0016】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き通路は、前記第1のヨーク板及び/又は前記コイルボビンに設けられている。
【0017】
本発明のいくつかの実施例により、前記リレーは、さらに、金属カバーを備え、前記金属カバーは、前記第1のヨーク板に接続され、前記第1のヨーク板と駆動チャンバを構成し、前記第1のヨーク板は、貫通孔を有し、前記接触チャンバは、前記貫通孔を介して前記駆動チャンバに連通し、
前記金属カバーは、前記コイルボビン内に穿設され、前記プッシュロッドユニットは、前記駆動チャンバに移動可能に設けられ、前記貫通孔を通過して前記可動接触子に接続される。
【0018】
本発明のいくつかの実施例により、前記電磁石ユニットは、さらに、固定鉄心と、可動鉄心と、第1の弾性部品とを備え、
固定鉄心は、前記金属カバー内に固定されて設けられ、前記固定鉄心の一部が前記貫通孔に進入し、前記固定鉄心は、第1の穿孔を有し、前記第1の穿孔は、前記貫通孔の位置に対応して設けられ、前記プッシュロッドユニットがそれに穿設されるために使用され、
前記可動鉄心は、前記金属カバー内に移動可能に設けられ、前記固定鉄心に対向して設けられ、前記可動鉄心は、前記プッシュロッドユニットに接続され、前記コイルが通電する時に、前記固定鉄心により吸引されるために使用され、
第1の弾性部品は、前記固定鉄心と前記可動鉄心との間に設けられ、前記コイルの電源が切られているとき、前記可動鉄心をリセットさせるために使用される。
【0019】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き通路の気流方向は、前記圧力逃がし孔の軸線に垂直する。
【0020】
本発明のいくつかの実施例により、前記リレーは、ハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、中空チャンバを有し、前記中空チャンバは、前記ハウジングの外部に連通し、
前記絶縁カバーと前記第1のヨーク板と前記駆動アセンブリと前記圧力逃しバルブアセンブリとは、いずれも前記中空チャンバ内に位置する。
【0021】
本発明のいくつかの実施例により、前記ハウジングは、第1のケースと、第2のケースとを備え、
第2のケースは、前記第1のケースに着脱可能に接続され、前記第1のケース及び/又は前記第2のケースにガス抜き構造が設けられ、前記ガス抜き構造は、前記中空チャンバに連通する。
【0022】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、スリットを備え、前記スリットは、前記第1のケースと前記第2のケースとの間に形成される。
【0023】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、ガス抜き孔及び/又はガス抜きカバー及び/又はガス抜きグリルを備える。
【0024】
本発明のいくつかの実施例により、前記絶縁カバーは、セラミックカバーと、接続部品とを備え、
前記固定接点引出端は、前記セラミックカバーに設けられ、
前記接続部品の一端は、前記セラミックカバーの開口縁に接続され、他端は、前記第1のヨーク板に接続される。
【0025】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリの構造強度は、前記接触チャンバの構造強度よりも小さい。
【0026】
上記発明のうちの1つの実施例は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有する。
【0027】
本発明の実施例のリレーは、第1のヨーク板に圧力逃しバルブアセンブリを設け、超圧力ガスを逃がすために使用し、さらに、接点アセンブリが短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーは接触チャンバ内部の高温によるガスの急激な膨張によって密封チャンバの爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0028】
また、第1のヨーク板は、平板形状であるため、圧力逃しバルブアセンブリは第1のヨーク板により容易に成形される。さらに、圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の加工プロセスが簡単であるため、第1のヨーク板と圧力逃しバルブアセンブリの接続のシール性を容易に制御でき、圧力逃しバルブアセンブリの設置により接触チャンバのシール性が破壊される問題を回避できる。
【0029】
また、本発明の実施例のリレーのハウジングは、非密封構造として設計され、放出ガスをタイムリーに排出するとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染をもたらすことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
【
図4】本発明の実施例におけるリレーの分解の模式図である
【
図5】本発明の第1の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図6】本発明の第2の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図7】本発明の第3の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図8】本発明の第4の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図9】本発明の第5の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図10】本発明の第6の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の分解の模式図である
【
図11】
図10の圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の組立て後の断面図である。
【
図12】本発明の第7の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図13】本発明の第8の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図14】本発明の第9の実施例圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図15】本発明の第10の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図16】本発明の第11の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図17】本発明の第12の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図18】本発明の第13の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。
【
図19】本発明の実施例におけるガス抜き通路が第1のヨーク板に設けられている模式図である。
【
図20】本発明におけるハウジングの第1の実施例の分解の模式図である。
【
図21】本発明におけるハウジングの第2の実施例の分解の模式図である。
【
図22】本発明におけるハウジングの第3の実施例の分解の模式図である。
【
図23】本発明におけるハウジングの第4の実施例の分解の模式図である。
【
図24】本発明におけるハウジングの第5の実施例の分解の模式図である。
【
図25】本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
【
図27】本発明の実施例におけるリレーの分解の模式図である
【
図28】本発明の第1の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図29】本発明の第2の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図30】本発明の第3の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図31】本発明の第4の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図32】本発明の第5の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図33】本発明の第6の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の斜視図である。
【
図34】本発明の第7の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の斜視図である。
【
図35】本発明の第8の実施例における絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図37】本発明の第9の実施例の絶縁カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図38】本発明における金属カバーとバルブプレートの組立て後の第1の実施例の断面図である。
【
図39】本発明における金属カバーとバルブプレートの組立て後の第2の実施例の断面図である。
【
図40】本発明における金属カバーとバルブプレートの組立て後の第3の実施例の断面図である。
【
図41】本発明における金属カバーとバルブプレートの組立て後の第4の実施例の断面図である。
【
図42】本発明における金属カバーとバルブプレートの組立て後の第5の実施例の断面図である。
【
図43】本発明における金属カバーとバルブプレートの組立て後の第6の実施例の断面図である。
【
図44】本発明における金属カバーとバルブプレートの組立て後の第7の実施例の断面図である。
【
図45】本発明の実施例における保護カバーが容器壁に取り付けられた断面図である。
【
図46】本発明におけるハウジングの第1の実施例の分解の模式図である。
【
図47】本発明におけるハウジングの第2の実施例の分解の模式図である。
【
図48】本発明におけるハウジングの第3の実施例の分解の模式図である。
【
図49】本発明におけるハウジングの第4の実施例の分解の模式図である。
【
図50】本発明におけるハウジングの第5の実施例の分解の模式図である。
【
図51】本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
【
図53】本発明の第1の実施例における接続部品とバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図55】本発明の第2の実施例における接続部品とバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図56】本発明の実施例における保護カバーが接続部品に取り付けられた断面図である。
【
図57】本発明におけるハウジングの第1の実施例の分解の模式図である。
【
図58】本発明におけるハウジングの第2の実施例の分解の模式図である。
【
図59】本発明におけるハウジングの第3の実施例の分解の模式図である。
【
図60】本発明におけるハウジングの第4の実施例の分解の模式図である。
【
図61】本発明におけるハウジングの第5の実施例の分解の模式図である。
【
図62】本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
【
図64】本発明の第1の実施例における金属カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図65】本発明の第2の実施例における金属カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図66】本発明の第3の実施例における金属カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図67】本発明の第4の実施例における金属カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図68】本発明の第5の実施例における金属カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図69】本発明の第6の実施例における金属カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図70】本発明の第7の実施例における金属カバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図71】本発明の実施例における保護カバーが金属カバーに取り付けられた断面図である。
【
図72】本発明におけるハウジングの第1の実施例の分解の模式図である。
【
図73】本発明におけるハウジングの第2の実施例の分解の模式図である。
【
図74】本発明におけるハウジングの第3の実施例の分解の模式図である。
【
図75】本発明におけるハウジングの第4の実施例の分解の模式図である。
【
図76】本発明におけるハウジングの第5の実施例の分解の模式図である。
【
図77】本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
【
図79】本発明の実施例におけるリレーの分解の模式図である
【
図80】本発明の第1の実施例におけるセラミックカバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図81】本発明の第2の実施例におけるセラミックカバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図82】本発明の第3の実施例におけるセラミックカバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図83】本発明の第4の実施例におけるセラミックカバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図84】本発明の第5の実施例におけるセラミックカバーとバルブプレートの組立て後の断面図である。
【
図85】本発明の第6の実施例におけるセラミックカバーとバルブプレートの組立て後の斜視図である。
【
図86】本発明の第7の実施例におけるセラミックカバーとバルブプレートの組立て後の斜視図である。
【
図87】本発明の実施例における保護カバーがセラミックカバーに取り付けられた断面図である。
【
図88】本発明におけるハウジングの第1の実施例の分解の模式図である。
【
図89】本発明におけるハウジングの第2の実施例の分解の模式図である。
【
図90】本発明におけるハウジングの第3の実施例の分解の模式図である。
【
図91】本発明におけるハウジングの第4の実施例の分解の模式図である。
【
図92】本発明におけるハウジングの第5の実施例の分解の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、図を参照して、例示的な実施形態についてより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は様々な形態で実施することができ、本明細書で説明する実施形態に限定されると理解されるべきではない。逆に、これらの実施形態は、本発明が包括的かつ完全であり、例示的な実施形態の構想を当業者に全面的に伝達するように提供される。図中の同一の符号は同一又は類似の構造を表すので、詳細な説明は省略する。
【0032】
背景技術で述べたように、関連技術のリレーの接触子システムは、大電流短絡の瞬間、又は過負荷遮断の瞬間、接触子密封キャビティは爆発しやすく、安全上の危険性がある。本発明者らは、研究の中で、接触子密封キャビティ内部の接触子が急激にアーク燃焼することにより、密封キャビティ内部に瞬間的に高温が発生し、それによって接触子密封キャビティ内の気圧が瞬間的に急激に上昇し、このとき接触子密封キャビティ内の気圧強度が接触子密封キャビティの構成部品の強度又は接続箇所の強度よりも大きいと、リレーの接触子密封キャビティは爆発しやすいことを発見した。
【0033】
図1~
図4示すように、
図1は、本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
図2は、
図1のA-Aの断面図である。
図3は、
図1のB-Bの断面図である。
図4は、本発明の実施例におけるリレーの分解の模式図である。
【0034】
本発明の実施例におけるリレーは、ハウジング1と、絶縁カバー21と、第1のヨーク板22と、接点アセンブリ3と、駆動アセンブリ4と、圧力逃しバルブアセンブリ5とを備える。ハウジング1は、中空チャンバ14を有し、中空チャンバ14は、ハウジング1の外部に連通する。絶縁カバー21は、中空チャンバ14内に設けられる。第1のヨーク板22は、絶縁カバー21に接続され、絶縁カバー21と接触チャンバ27を構成する。第1のヨーク板22は、圧力逃がし孔221を有し、圧力逃がし孔221は、厚さ方向に沿って第1のヨーク板22の反対側の2つの側面を貫通し、接触チャンバ27は、圧力逃がし孔221を介して中空チャンバ14に連通する。接点アセンブリ3は、固定接点引出端31及び可動接触子32を含み、固定接点引出端31は、絶縁カバー21に設けられ、且つ、固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27の内部に進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出する。駆動アセンブリ4は、中空チャンバ14内に設けられ、且つ、可動接触子32と連動し、可動接触子32の移動を駆動して、可動接触子32の両端と固定接点引出端31の接触又は離間をそれぞれ実現するために使用される。圧力逃しバルブアセンブリ5は、第1のヨーク板22に設けられ、接触チャンバ27内のガス圧がある閾値よりも小さい場合に圧力逃がし孔221を閉鎖し、接触チャンバ27内のガス圧がある閾値以上である場合に突き破られて圧力逃がし孔221を開放するために使用される。なお、圧力逃しバルブアセンブリ5は、圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、接触チャンバ27のシール性を保持し、リレーの正常動作を保証する。勿論、他の実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5は、圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、接触チャンバ27は絶対的に密封されておらず、リレーが正常に動作することを保証すればよい。
【0035】
本発明の実施例のリレーでは、第1のヨーク板22に圧力逃がしバルブアセンブリ5を設置することにより、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。接点アセンブリ3が正常動作状態にあり、接触チャンバ27内のガス圧力の強度は閾値未満であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は接触チャンバ27内の気圧圧力によって突き破られず、依然として圧力逃がし孔221を閉鎖した状態を維持し、接触チャンバ27がシールを維持できるようになる。接点アセンブリ3が異常動作状態にある場合、接触チャンバ27内のガス圧力の強度は閾値以上であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は接触チャンバ27内のガス圧力によって突き破られ、接触チャンバ27は圧力逃がし孔221を介してハウジング1の中空チャンバ14に連通し、さらに、接触チャンバ27内のガス圧力は、圧力逃がし孔221を介して中空チャンバ14に放出し、最終的にはハウジング1の外部に放出することができる。すなわち、異常動作状態において、接触チャンバ27内のガス圧力の強度が徐々に上昇する過程で、ガス圧力が先に圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破り、さらに、急激に上昇したガス圧力が圧力逃がし孔221を通って放出され、接触チャンバ27内部の気圧が上昇し続けることがなく、接触チャンバ27の構造強度に達することがなく、接触チャンバ27の爆発を回避する。正常動作状態では、接触チャンバ27内のガス圧は圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破ることはなく、圧力逃しバルブアセンブリ5は、依然として、圧力逃がし孔221を密封する役割を果たすことができる。
【0036】
また、圧力逃しバルブアセンブリ5は、第1のヨーク板22に設けられ、接触チャンバ27のチャンバ壁は第1のヨーク板22を含むため、圧力逃しバルブアセンブリ5は、接触チャンバ27内部のガスの衝撃を直接受けることができる。接点アセンブリ3が異常動作状態にある場合、発生した高温ガスは、圧力逃しバルブアセンブリ5を直接突き破ることができ、さらに、接触チャンバ27内のガスを速やかに圧力逃がし孔221から放出することができる。
【0037】
なお、「正常動作状態」という用語は、リレーの電流が定格動作状態にあることを意味し、「異常動作状態」という用語は、接点アセンブリ3が大電流短絡の瞬間にあること、又は過負荷遮断などの瞬間を意味する。また、「閾値」という用語は、リレーが正常動作状態にある時の接触チャンバ27内のガス圧力の強度よりもわずかに大きい圧力強度を表す。リレーの型番によっては閾値も調整に適しているが、接触チャンバ27の構造強度より大きいことはできない。
【0038】
つまり、リレーが正常に動作している場合、接触チャンバ内の圧力はこの閾値に達せず、圧力逃しバルブアセンブリ5が突き破られない。リレーが異常動作状態にある場合、接触チャンバ内の圧力はこの閾値以上であり、圧力逃しバルブアセンブリ5はガスによって突き破られる。
【0039】
一実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、接触チャンバ27の構造強度よりも小さい。このように、リレーが異常動作状態にあり、接触チャンバ内のガス圧が徐々に上昇する過程で、圧力逃しバルブアセンブリ5が接触チャンバ27より先にガスによって突き破られる。
【0040】
なお、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度が接触チャンバ27の構造強度よりも小さい設計は、両者の材料の違い及び/又は構造の違いによって行うことができる。例えば、圧力逃しバルブアセンブリ5と接触チャンバ27のチャンバ壁の材料とが同じである場合、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さを薄く設計することができ、且つ、接触チャンバ27のチャンバ壁より小さくすることができ、このように、温度が徐々に上昇したガスが圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5と接触チャンバ27のチャンバ壁の厚さが同じ場合、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミック製を採用することができるが、接触チャンバ27は金属製を採用することができ、同様に、圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。又は、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さは薄く、セラミック製であり、接触チャンバ27のチャンバ壁は厚く、金属製である。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度を接触チャンバ27の構造強度よりも小さくするために他の適切な方法を採用することもでき、ここでは列挙しない。
【0041】
なお、本発明の実施例における用語「含む」及び「有する」及びそれらの任意の変形は、排他的ではない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、記載されたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、記載されていないステップ又はユニットも含むか、又は、任意選択で、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はアセンブリも含む。
【0042】
なお、本発明の実施例に係るリレーは、ハウジング1を含まず、絶縁カバー21、第1のヨーク板22、接点アセンブリ3、駆動アセンブリ4、及び圧力逃しバルブアセンブリ5を組み立てた後、電池パック、電気制御ボックスなどのアプリケーション製品に直接取り付けてもよい。
【0043】
次に、
図2~
図4を参照する。本実施例では、接点アセンブリ3は、それぞれ電流の流入と電流の流出としての2つの固定接点引出端31と、1つの可動接触子32とを含む。可動接触子32は、直線片状であってもよく、可動接触子32の長手方向に沿って、駆動アセンブリ4の作用によって、駆動アセンブリ32の両端が2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触することができ、負荷のオンを実現することができる。固定接点引出端31の底部を固定接点とし、可動接触子32の長手方向の両端を可動接点とすることができる。可動接触子32の両端の可動接点は、可動接触子32の他の部分よりも突出してもよく、他の部分と面一であってもよい。
【0044】
なお、固定接点は、固定接点引出端31の底部に一体又は別体に設けられてもよく、可動接点は、可動接触子32の延在する長手方向の両端に一体又は別体に設けられてもよい。
【0045】
2つの固定接点引出端31は、絶縁カバー21に設けられ、例えば、絶縁カバー21の頂部に設けられている。そして、各固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27の内部に進入し、他端はハウジング1の外表面から露出している。固定接点引出端31の接触チャンバ27内部に進入した一端は、可動接触子32と接触するために用いられる。
【0046】
リレーは、また、接点アセンブリ3のアークを消弧するためにハウジング1の中空チャンバ14内に設置された消弧ユニット7を備える。
【0047】
この実施例では、消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71を含む。消弧磁石71は、永久磁石であってもよく、各消弧磁石71は、略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石71は、絶縁カバー21の両側にそれぞれ設けられ、可動接触子32の長手方向に沿って対向して設けられている。
【0048】
2つの消弧磁石71は、
図2に示すように、絶縁カバー21の左右両側にそれぞれ位置している。本実施例では、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性は逆である。すなわち、絶縁カバー21の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極であり、絶縁カバー21の右側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極である。
【0049】
勿論、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性も同極に設計することができ、例えば、絶縁カバー21の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極で右面はN極、絶縁カバー21の右側に位置する消弧磁石71の左面はN極で右面はS極である。
【0050】
このように、対向して設けられた消弧磁石71を2つ設けることにより、接点アセンブリ3の周囲に磁界を形成することができる。そのため、固定接点引出端31と可動接触子32との間に発生するアークは、磁場の作用により、いずれも互いに離れる方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0051】
消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71の位置に対応して配置された2つのヨーククリップ72をさらに含む。そして、2つのヨーククリップ72は、絶縁カバー21と2つの消弧磁石71とを取り囲んでいる。ヨーククリップ72が消弧磁石71を取り囲む設計により、消弧磁石71による磁場が外部へ拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避できる。ヨーククリップ72は、軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。
【0052】
リレーは、金属カバー23をさらに備え、金属カバー23は、第1のヨーク板22に接続され、第1のヨーク板22と駆動チャンバ24を構成する。駆動チャンバ24は、固定鉄心413及び可動鉄心414を収容するために使用され、以下は説明する。第1のヨーク板22は、貫通孔222を有し、接触チャンバ27は、貫通孔222を介して駆動チャンバ24に連通し、さらに、接触チャンバ27と駆動チャンバ24とは、密封されたチャンバを共通に形成する。
【0053】
絶縁カバー21は、第1のヨーク板22の一側に接続され、圧力逃がし孔221と貫通孔222とが第1のヨーク板22の正投影範囲内に位置し、すなわち、絶縁カバー21は、圧力逃がし孔221と貫通孔222とを共にカバーして、圧力逃がし孔221と貫通孔222とのいずれも、絶縁カバー21と第1のヨーク板22とで囲まれた接触チャンバ27に連通するようにしている。
【0054】
金属カバー23は、第1のヨーク板22の他側に接続され、即ち、絶縁カバー21と金属カバー23とは、第1のヨーク板22の厚さ方向に沿って反対側の2つの側面にそれぞれ設けられている。さらに、貫通孔222が金属カバー23の第1のヨーク板22への正投影範囲内に位置し、これにより、貫通孔222を駆動チャンバ24に連通させる。
【0055】
接触チャンバ27が駆動チャンバ24を貫通孔222を介して連通するため、接触チャンバ27内のガスが貫通孔222を介して駆動チャンバ24内に伝送されることができる。
【0056】
絶縁カバー21は、セラミックカバー211と、接続部品212とを含むことができ、2つの固定接点引出端31がセラミックカバー211に設けられている。セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22に接続されている。具体的には、接続部品212は、鉄ニッケル合金などの環状構造の金属部品であってもよく、接続部品212の一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックカバー211の開口縁に接続されていてもよい。接続部品212の他端は、第1のヨーク板22に接続されており、同様に、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってもよい。セラミックカバー211と第1のヨーク板22との間には接続部品212が設けられており、セラミックカバー211と第1のヨーク板22との接続を容易にすることができる。
【0057】
駆動アセンブリ4は、電磁石ユニット41とプッシュロッドユニット42とを含み、電磁石ユニット41は、第1のヨーク板22の絶縁カバー21から離れる側に配置される。プッシュロッドユニット42は、電磁石ユニット41に駆動接続され、プッシュロッドユニット42は、駆動チャンバ24に移動可能に設けられ、貫通孔222を通過して可動接触子32に接続されている。
【0058】
電磁石ユニット41が通電すると、プッシュロッドユニット42を駆動して移動させることができ、さらに、可動接触子32を移動させて、固定接点引出端31との接触又は離間を行うことができる。
【0059】
電磁石ユニット41は、コイルボビン411と、コイル412と、固定鉄心413と、可動鉄心414とを備える。コイルボビン411は、中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー23は、コイルボビン411内に穿設されている。コイル412は、コイルボビン411を取り囲む。固定鉄心413は、金属カバー23内に固設されており、固定鉄心413の一部は、貫通孔222に進入している。固定鉄心413は、プッシュロッドユニット42が穿設されるための貫通孔222の位置に対応して設けられた第1の穿孔4131を有する。可動鉄心414は、金属カバー23内に移動可能に設けられ、固定鉄心413と対向して設けられ、可動鉄心414は、プッシュロッドユニット42に接続され、コイル412に通電すると固定鉄心413に吸引されるために使用される。可動鉄心414とプッシュロッドユニット42とは、ネジ接続、カシメ、溶接、又は他の方法で接続することができる。
【0060】
本実施例では、コイルボビン411は、樹脂材料で構成され、第1のフランジ部4111、中空円筒部4112及び第2のフランジ部4113を備え、第1のフランジ部4111と第2のフランジ部4113とは、中空円筒部4112の両端に設けられている。コイル412は、中空円筒部4112の外周を取り囲む。金属カバー23は、中空円筒部4112に穿設される。
【0061】
電磁石ユニット41は、第1の弾性部品415をさらに備え、第1の弾性部品415は、金属カバー23の内部に位置し、固定鉄心413と可動鉄心414との間に配置され、コイル412の電源が遮断されたときに可動鉄心414をリセットさせるために使用される。第1の弾性部品415は、スプリングであってもよく、プッシュロッドユニット42の外部にスリーブされていてもよい。
【0062】
図2~
図4を参照し、リレーは、第2のヨーク板25及び一対の第3のヨーク板26をさらに備える。第2のヨーク板25と第1のヨーク板22とは、対向して設けられ、さらに、コイルボビン411は、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25との間に設けられ、即ち、第1のヨーク板22は、コイルボビン411の第1のフランジ部4111に接続され、第2のヨーク板25は、コイルボビン411の第2のフランジ部4113に接続されている。
【0063】
一対の第3のヨーク板26は、第2のヨーク板25の可動接触子32の長手方向に沿う両端にそれぞれ設けられ、第1のヨーク板22の方向に延び、第1のヨーク板22の可動接触子32の長手方向に沿う両端に接続されている。
【0064】
このように、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、コイル412を取り囲む。
【0065】
なお、第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、例えば、折り曲げ成形により一体構造とすることができる。第1のヨーク板22と一体成形された第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26は、別体構造であってもよい。
【0066】
リレーは、また、軟磁性材料からなる導磁ブッシュ416を含む。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。導磁ブッシュ416は、コイルボビン411の中空円筒部4112の下端の内周面と金属カバー23の外周面との間に形成された空隙に設け、このように、第1のヨーク板22、第2のヨーク板25、一対の第3のヨーク板26、固定鉄心413、可動鉄心414、及び導磁ブッシュ416が共に磁路を形成する。
【0067】
図2及び
図4に示すように、プッシュロッドユニット42は、U字型のブラケット421、ベース422、固定シート427、プッシュロッド423、第2の弾性部品424、第1の導磁体425及び第2の導磁体426を備える。第1の導磁体425は、U字型のブラケット421に固定接続され、第1の導磁体425は、U字型のブラケット421の頂部の内壁面に設けられている。第2の導磁体426は、可動接触子32に固定接続されている。ベース422と固定シート427とプッシュロッド423の上部は、一体射出成形により成形することができる。
【0068】
U字型のブラケット421の底部は固定シート427に固定接続され、U字型のブラケット421とベース422はフレーム構造に囲まれ、可動接触子32、第1の導磁体425及び第2の導磁体426は、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に取り付けられている。さらに、第2の弾性部品424も、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に設けられ、第2の弾性部品424の一端がベース422に当接し、他端が可動接触子32に当接し、第2の弾性部品424は、可動接触子32と第2の導磁体426がベース422から離れて第1の導磁体425に近づく傾向があるように弾性力を与えることができる。プッシュロッド423は、第1のヨーク板22の貫通孔222と固定鉄心413の第1の穿孔4131に穿設され、さらに、プッシュロッド423の一端は、ベース422に固定接続され、プッシュロッド423の他端は可動鉄心414に固定接続されている。
【0069】
第2の弾性部品424はスプリングであってもよい。第1の導磁体425、第2の導磁体426は、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などの軟磁性材料を用いて作製することができる。
【0070】
プッシュロッド423が上向きに移動していないとき、第2の弾性部品424の作用を受けて、可動接触子32の頂面が第1の導磁体425に当接する。コイル412が通電してプッシュロッド423が上方に移動するように駆動されると、可動接触子32の両端は、2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触する。その後、プッシュロッド423は上に移動し続け、第1の導磁体425もプッシュロッド423に従って上に移動し続けたが、可動接触子32は2つの固定接点引出端31に既に接触しているため、可動接触子32は上に移動し続けることができず、接点のオーバトラベルを実現した。第2の弾性部品は、接点圧力を提供し、第1の導磁体425の底面と可動接触子32の頂面との間に一定の隙間を形成させ、それによって第1の導磁体425と第2の導磁体426との間に磁気隙間を存在させる。
【0071】
図5に示すように、
図5は、本発明の第1の実施例における圧力逃しバルブアセンブリ5と第1のヨーク板22の断面図である。圧力逃しバルブアセンブリ5は、バルブプレート51を備え、バルブプレート51は、第1のヨーク板22の圧力逃がし孔221に一体に設けられ、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。
【0072】
具体的には、バルブプレート51の構造強度は、接触チャンバ27の構造強度よりも小さい。接点アセンブリ3が異常動作状態にあるとき、圧力が急激に上昇したガスは、先にバルブプレート51を突き破って、接触チャンバ27の圧力逃がし孔221から排出され、接触チャンバ27内のガス圧力が上昇し続けず、接触チャンバ27を保護する。
【0073】
第1のヨーク板22は、反対側に設けられた第1の側面223と第2の側面224を有し、バルブプレート51は、反対側に設けられた第1の側面511と第2の側面512を有する。第1の側面223は、絶縁カバー21に接続され、バルブプレート51の第1の側面511は、圧力逃がし孔221の孔壁に接続され、第2の側面512は、第2の側面224と面一する。
【0074】
勿論、第1のヨーク板22とバルブプレート51の両側表面との位置関係は、バルブプレート51の第1の側面511が第1のヨーク板22の第1の側面223と面一であり、第2の側面512が圧力逃がし孔221の孔壁を接続し、又は、第1の側面511と第1の側面223とは一定距離、かつ第2の側面512と第2の側面224とは一定距離を隔てている。すなわち、バルブプレート51の両側面は、いずれも第1のヨーク板22の両側面に面一していない。
【0075】
図6に示すように、
図6は、本発明の第2の実施例における圧力逃しバルブアセンブリ5と第1のヨーク板の断面図を示す。第2の実施例と第1の実施例と同じである点は、説明を省略するが、相違点として、圧力逃しバルブアセンブリ5がバルブプレート51を含み、バルブプレート51が第1のヨーク板22とは別体に設けられ、第1のヨーク板22に設けられた圧力逃がし孔221は、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。
【0076】
なお、バルブプレート51は、金属材料又は非金属材料で作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維等を含むが、これらに限定されない。
【0077】
なお、バルブプレート51は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などの方法で第1のヨーク板22に接続できる。
【0078】
図6を参照し、第1のヨーク板22は、第1の側面223を有し、第1の側面223は、絶縁カバー21に接続され、第1の側面223にシンク225が設けられ、シンク225は、圧力逃がし孔221に連通する。バルブプレート51は、第1の側面511を有し、バルブプレート51は、シンク225内に設けられ、且つ、第1の側面511は、第1の側面223と面一する。勿論、第1の側面511は、第1の側面223と面一しなくてもよい。
【0079】
図7に示すように、
図7は、本発明の第3の実施例における圧力逃しバルブアセンブリ5と第1のヨーク板22の断面図である。第3の実施例と第2の実施例との同じである点が省略するが、相違点として、第1のヨーク板22は、複数の圧力逃がし孔221を有し、従って、リレーは、複数のバルブプレート51を備え、複数のバルブプレート51は、複数の圧力逃がし孔221に対応して設けられている。ここで、「複数」という用語は、特に限定されない限り、2つ以上を意味する。
【0080】
図8に示すように、
図8は、本発明の第4の実施例における圧力逃しバルブアセンブリ5と第1のヨーク板22の断面図である。第4の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、圧力逃しバルブアセンブリ5は、移行部品52さらにを備え、バルブプレート51は、移行部品52を介して第1のヨーク板22に接続されている。
【0081】
本実施例では、移行部品52はシート体であってもよい。移行部品52はシンク225内に設けられ、移行部品52は、厚さ方向に開設した第2の穿孔521を有し、第2の穿孔521は圧力逃がし孔221に連通している。バルブプレート51は、移行部品52に接続され、第2の穿孔521を覆っている。正常動作状態では、バルブプレート51は第2の穿孔521と圧力逃がし孔221を閉鎖し、接触チャンバ27の密封状態を維持する。異常動作状態では、バルブプレート51がガスによって突き破られ、接触チャンバ27が第2の穿孔521、圧力逃がし孔221を介して外部と連通する。
【0082】
なお、バルブプレート51と移行部品52との間、移行部品52と第1のヨーク板22との間は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによって接続できる。
【0083】
図9に示すように、
図9は、本発明の第5の実施例における圧力逃しバルブアセンブリ5と第1のヨーク板22の断面図である。第5の実施例と第4の実施例と同じである点が省略するが、相違点は、第5の実施例における移行部品52の形状である。
【0084】
具体的には、第5の実施例における移行部品52は、略筒状をなしている。移行部品52の一端には、径方向に沿って外向きに突出するフランジ522が設けられ、移行部品52の一端はフランジ522を介して第1のヨーク板22に接続され、移行部品52の他端はバルブプレート51に接続されている。移行部品52の空洞は、第1のヨーク板22の圧力逃がし孔221に対応して設けら、バルブプレート51が移行部品52の空洞を覆う。
【0085】
移行部品52は、バルブプレート51が第1のヨーク板22の表面から突出するような高さを有する。
【0086】
図10及び
図11に示すように、
図10は、本発明の第6の実施例における圧力逃しバルブアセンブリ5と第1のヨーク板22の分解の模式図であり、
図11は、
図10の圧力逃しバルブアセンブリ5と第1のヨーク板22の組立て後の断面図である。第6の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、
圧力逃しバルブアセンブリ5は、保護カバー53をさらに備え、保護カバー53は、第1のヨーク板22に接続され、バルブプレート51の上にカバーして設けられている。保護カバー53は、通気孔531を有し、接触チャンバ27内のガスは、通気孔531を介してバルブプレート51に作用することができる。
【0087】
本実施例では、保護カバー53を増設することにより、異常動作状態においてガスがバルブプレート51を突き破ることを影響しないとともに、第1のヨーク板22を輸送又は取り付けている間にバルブプレート51を保護し、バルブプレート51が外物に突き破られることを回避することができる。
【0088】
なお、保護カバー53は、金属材料又は非金属材料から作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維、プラスチック等を含むが、これらに限定されない。
【0089】
保護カバー53は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着、係止などの方法で第1のヨーク板22に接続されることができる。
【0090】
図12に示すように、
図12は、本発明の第7の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。第7の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、
第1のヨーク板22のシンク225は、第2の側面224の一側に設けられ、移行部品52は、シンク225内に設けられ、第1のヨーク板22に接続される。バルブプレート51は、移行部品52に接続される。
【0091】
移行部品52は、略筒状、例えば円筒状を呈している。移行部品52の一端には径方向に沿って外向きに突出するフランジ522が設けられ、移行部品52の一端は、フランジ522を介してバルブプレート51に接続され、移行部品52の他端は、第1のヨーク板22に接続されている。
【0092】
バルブプレート51は、シンク225内に収容されてもよく、バルブプレート51の移行部品52から離れる側の面がシンク225内に設けられていてもよいし、第1のヨーク板22の第2の側面224と面一であってもよいし、第1のヨーク板22の第2の側面224から突出してもよい。
【0093】
図13に示すように、
図13は、本発明の第8の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。第8の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点は、移行部品52の形状である。
【0094】
具体的に、移行部品52の一端は、フランジ522を介して第1のヨーク板22に接続され、他端は、バルブプレート51に接続される。
【0095】
図14に示すように、
図14は、本発明の第9の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。第9の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点は、移行部品52の形状である。
【0096】
具体的には、移行部品52は、フランジを有しないストレート構造である。ストレート構造である移行部品52の両端は、それぞれ第1のヨーク板22及びバルブプレート51に接続されている。
【0097】
なお、バルブプレート51と第1のヨーク板22とが別体に設けられた場合、バルブプレート51は、第1のヨーク板22の絶縁カバー21に接続される第1の側面223に設けてもよいし、第1のヨーク板の金属カバー23に接続される第2の側面224に設けてもよい。バルブプレート51が第1のヨーク板22の第1の側面223に設けられる場合、第1のヨーク板22はバルブプレート51に支持力を与えることができ、バルブプレート51を第1のヨーク板22に押圧するためにバルブプレート51の第1の側面511に接触チャンバ内のガス圧を作用させることができる。バルブプレート51が第1のヨーク板22の第2の側面224に設けられている場合、第1のヨーク板22はバルブプレート51に支持力を与えることができないため、バルブプレート51と第1のヨーク板22との接続方法に対してより高い要求がなされる。
【0098】
図15に示すように、
図15は、本発明の第10の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。第10の実施例と上記の第5の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、
シンク225の深さは、深く、これにより、バルブプレート51が移行部品52を介して第1のヨーク板22に接続された後、バルブプレート51の第1の側面511が第1のヨーク板22の第1の側面223よりも低くなる。すなわち、バルブプレート51及び移行部品52は、シンク225内に完全に収容されている。
【0099】
図16に示すように、
図16は、本発明の第11の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。第11の実施例と第10の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、
移行部品52の一端は、フランジ522を介してバルブプレート51に接続され、他端は、第1のヨーク板22に接続されている。
【0100】
図17に示すように、
図17は、本発明の第12の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。第12の実施例と第11の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、
移行部品52は、フランジを設けずにストレー構造をなしている。ストレー構造の移行部品52の両端には、第1のヨーク板22とバルブプレート51とがそれぞれ接続されている。
【0101】
勿論、上記第7~第12の実施例では、バルブプレート51は、移行部品52を介さずに、第1のヨーク板22に直接接続されてもよいことは理解される。
【0102】
図18に示すように、
図18は、本発明の第13の実施例における圧力逃しバルブアセンブリと第1のヨーク板の断面図である。第13の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51の両側面は平面ではなく、例えば波形、曲線状などであってもよい。
【0103】
バルブプレート51は、移行部品52を介して第1のヨーク板22に接続されてもよいし、第1のヨーク板22に直接接続されてもよい。
【0104】
図3及び
図19に示すように、
図3は、本発明の実施例におけるガス抜き通路6がコイルボビン411に設けられた模式図であり、
図19は、本発明の実施例におけるガス抜き通路6が第1のヨーク板22に設けられた模式図である。駆動アセンブリ4と第1のヨーク板22との間にガス抜き通路6がさらに設け、ガス抜き通路6は、圧力逃がし孔221に連通し、また、中空チャンバ14に連通する。
【0105】
ガス抜き通路6は、ガス排出を加速する役割を果たすことができ、異常動作状態では、接触チャンバ27内のガスは、圧力逃がし孔221とガス抜き通路6を速やかに通過して排出することができ、これにより、接触チャンバ27内の気圧をできるだけ短時間で低下させ、爆発を回避することができる。
【0106】
一実施形態では、ガス抜き通路6の気流方向は、圧力逃がし孔221の軸線に垂直である。このようにして、圧力逃がし孔221から排出されたガスは、ガス抜き通路6の内壁面に直接射出され、ガスの気圧が徐々に低下し、気圧が大きくなりすぎてハウジング1が破損するのを回避することができる。
【0107】
ガス抜き通路6は、第1のヨーク板22とコイルボビン411との間に形成されている。具体的に、ガス抜き通路6は、第1のヨーク板22と第1のフランジ部4111の間に形成されている。
【0108】
なお、ガス抜き通路6は、第1のヨーク板22及び/又はコイルボビン411に設けられても良い。例えば、
図19に示すように、ガス抜き通路6は、第1のヨーク板22のコイルボビン411に向かう側に設けられ、又は、
図3及び
図4に示すように、ガス抜き通路6は、第1のフランジ部4111の第1のヨーク板22に向かう側に設けられ、又は、ガス抜き通路6は、第1のヨーク板22のコイルボビン411に向かう側、及び第1のフランジ部4111の第1のヨーク板22に向かう側に設けられている。
【0109】
図20に示すように、
図20は、本発明におけるハウジング1の第1の実施例の分解の模式図である。本発明の実施例におけるハウジング1は、第1のケース11と第2のケース12を備え、第2のケース12は、第1のケース11に着脱可能に接続され、第1のケース11及び/又は第2のケース12にガス抜き構造13が設けられており、ガス抜き構造13は、中空チャンバ14に連通する。
【0110】
ガス抜き構造13を設けることで、本発明の実施例におけるハウジング1が非密封構造であり、ガスは、接触チャンバ27の内部から圧力逃がし孔221を介して排出した後にハウジング1の中空チャンバ14に入り、さらに、ガス抜き構造13を介してハウジング1の外部に排出する。
【0111】
また、本発明の実施例のハウジング1は、接触チャンバ27内で発生したガス噴出物が放出瞬間にリレーの外部に直接排出されるのを阻止し、リレー付近の他の電子部品の汚染を回避することもできる。ここで、ガス噴出物は、接点アセンブリ3の金属材料がアーク高温アブレーション、揮発により発生する。
【0112】
図20を参照し、ガス抜き構造13は、スリット131を備え、スリット131は、第1のケース11と第2のケース12との間に形成されている。ガスは、第1のケース11と第2のケース12との間のスリット131を介してリレーから排出することができる。
【0113】
本実施例では、スリット131は、ハウジング1の底部に位置する。
【0114】
図21に示すように、
図21は、本発明におけるハウジング1の第2の実施例の分解の模式図である。第2の実施例のハウジング1と第1の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点は、スリット131がハウジング1の高さ方向の中央領域に位置することである。
【0115】
図22に示すように、
図22は、本発明におけるハウジング1の第3の実施例の分解の模式図である。第3の実施例のハウジング1と第2の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜き孔132を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜き孔132は、第2のケース12に形成されている。ガスは、スリット131及びガス抜き孔132を介してリレーから排出することができる。勿論、ガス抜き孔132は、第1のケース11に設けられてよい。
【0116】
図23に示すように、
図23は、本発明におけるハウジング1の第4の実施例の分解の模式図である。第4の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きカバー133を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きカバー133は、第1のケース11に設けられ、ガス抜きカバー133の開口は、下に向かう。このように、ガスは、スリット131及びガス抜きカバー133を介してリレーから排出することができるとともに、ガス抜きカバー133から排出したガスは、下方に向かって噴出しており、このリレー付近の他の電子デバイスに影響を与えることはない。
【0117】
勿論、ガス抜きカバー133は、第2のケース12に設けられても良く、又は、第1のケース11と第2のケース12のいずれも、ガス抜きカバー133が設けられている。
【0118】
図24に示すように、
図24は、本発明におけるハウジング1の第5の実施例の分解の模式図である。第5の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きグリル134を含み、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きグリル134は、第1のケース11に設けられている。勿論、ガス抜きグリル134は、第2のケース12に設けられてもよく、又は、第1のケース11と第2のケース12とのいずれもガス抜きグリル134が設けられている。
【0119】
ガスは、スリット131及びガス抜きグリル134を介してリレーから排出することができる。ガスがガス抜きグリル134を通過すると、ガス抜きグリル134はガスの流れをより緩やかにすることができ、排出されたガスがリレー付近の他の電子部品に影響を与えることを回避することができる。
【0120】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは例を挙げて説明しない。
【0121】
以上のように、本発明の実施形態に係るリレーの利点と有益な効果は、少なくとも以下を含む。
【0122】
本発明の実施例のリレーは、第1のヨーク板22に圧力逃しバルブアセンブリ5を設置することで、超圧力ガスを逃がすことによって、さらに、接点アセンブリが短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーは接触チャンバ27内部の高温によりガスの急激な膨張による密封チャンバの爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0123】
また、本発明の実施例のリレーのハウジング1は、放出ガスをタイムリーに排出することができるとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染を与えることを回避することができる非密封構造として設計されている。
【0124】
なお、
図25-50を参照し、本発明の実施例は、関連技術に存在する爆発しやすい問題を解決するために、安全性を改善することができる密封接点ユニット及び電気素子を提供する。
【0125】
本発明の実施例における密封接点ユニットは、密封容器と、接点アセンブリと、圧力逃しバルブアセンブリとを備える。前記密封容器は、密封チャンバと圧力逃がし孔を有し、前記圧力逃がし孔は、前記密封容器の容器壁を貫通し、前記密封チャンバに連通し、接点アセンブリは、固定接触部品と可動接触部品を含み、前記可動接触部品は、前記密封チャンバ内に設けられ、移動して前記固定接触部品との接触又は離間を行うことができ、これにより、前記固定接触部品と前記可動接触部品とは、電流のオン/オフを実現し、圧力逃しバルブアセンブリは、前記密封容器の容器壁に設けられ、前記密封容器内のガス圧がある閾値より小さい場合に前記圧力逃がし孔を閉鎖し、前記密封容器内のガス圧がある閾値以上である場合、突き破られて前記圧力逃がし孔を開放するために使用される。
【0126】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記容器壁に一体に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0127】
本発明のいくつかの実施例により、前記容器壁は、内壁面と外壁面を有し、前記バルブプレートは、反対側に設けられた第1の側面と第2の側面を有し、
前記バルブプレートの第1の側面は、前記圧力逃がし孔の孔壁に接続され、前記バルブプレートの第2の側面は、前記外壁面と面一する。
【0128】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記容器壁と別体に設けられ、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0129】
本発明のいくつかの実施例により、前記容器壁は、内壁面と外壁面を有し、前記バルブプレートは、前記内壁面及び/又は前記外壁面に設けられている。
【0130】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、移行部品を備え、前記バルブプレートは、前記移行部品を介して前記容器壁に接続されている。
【0131】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、保護カバーを備え、前記保護カバーは、前記容器壁に接続され、前記バルブプレートの外表面にカバーして設けられ、前記保護カバーは、通気孔を有する。
【0132】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリの構造強度は、前記密封容器の構造強度よりも小さい。
【0133】
本発明の実施例における電気素子は、上記の密封接点ユニットを備える。
【0134】
本発明のいくつかの実施例により、前記電気素子は、さらに、ハウジングを備え、前記ハウジングは、中空チャンバを有し、
前記密封接点ユニットの密封容器と圧力逃しバルブアセンブリのいずれも、前記中空チャンバ内に位置する。
【0135】
本発明のいくつかの実施例により、前記ハウジングは、第1のケースと第2のケースを備え、
第2のケースは、前記第1のケースに着脱可能に接続され、前記第1のケース及び/又は前記第2のケースにガス抜き構造が設けられ、前記ガス抜き構造は、前記中空チャンバに連通する。
【0136】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、スリットを備え、前記スリットは、前記第1のケースと前記第2のケースとの間に形成される。
【0137】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、ガス抜き孔及び/又はガス抜きカバー及び/又はガス抜きグリルを備える。
【0138】
本発明のいくつかの実施例により、前記中空チャンバは、前記ハウジングの外部に連通する。
【0139】
本発明のいくつかの実施例により、前記電気素子は、リレーである。
【0140】
本発明のいくつかの実施例により、前記密封接点ユニットの密封容器は、第1のヨーク板と、絶縁カバーと、金属カバーとを備え、
第1のヨーク板は、反対側に設けられた第1の側面と第2の側面、及び貫通孔を備え、前記貫通孔は、前記第1の側面と前記第2の側面を貫通し、
絶縁カバーは、前記第1の側面に接続され、前記貫通孔を被覆し、
金属カバーは、前記第2の側面に接続され、前記貫通孔を被覆し、
ここで、前記絶縁カバー及び/又は前記金属カバーに前記圧力逃がし孔が設けられている。
【0141】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、前記絶縁カバーに設けられ、前記絶縁カバーは、セラミックカバーと接続部品を備え、
前記固定接触部品は、前記セラミックカバーに設けられ、
前記接続部品の一端は、前記セラミックカバーの開口縁に接続され、他端は、前記第1の側面に接続され、
ここで、前記セラミックカバー及び/又は前記接続部品に前記圧力逃がし孔が設けられている。
【0142】
本発明のいくつかの実施例により、前記セラミックカバーは、頂壁と、第1の側壁とを備え、
前記固定接触部品は、前記頂壁に設けられ、
前記第1の側壁の一端は、前記頂壁の縁に接続され、他端は、前記第1のヨーク板の方向に延在し、前記接続部品に接続され、
ここで、前記頂壁及び/又は前記第1の側壁に前記圧力逃がし孔が設けられている。
【0143】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、前記金属カバーに設けられ、前記金属カバーは、底壁と、第2の側壁とを備え、
前記第2の側壁の一端は、前記底壁の縁に接続され、他端は、前記第1のヨーク板の方向に延在し、前記第2の側面に接続され、
前記底壁に前記圧力逃がし孔が設けられている。
【0144】
上記発明のうちの1つの実施例は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有する。
【0145】
本発明の実施例における密封接点ユニットは、密封容器に圧力逃しバルブアセンブリを設けることで、超圧力ガスを逃がすために使用し、さらに、接点アセンブリが短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、密封接点ユニットはチャンバ内部の高温によるガスの急激な膨張によってチャンバの爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0146】
また、本発明の実施例における電気素子のハウジングは、非密封構造として設計され、放出ガスをタイムリーに排出するとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染をもたらすことを回避することができる。
【0147】
背景技術で述べたように、関連技術のリレーの接触子システムは、大電流短絡の瞬間、又は過負荷遮断の瞬間、接触子密封キャビティは爆発しやすく、安全上の危険性がある。本発明者らは、研究の中で、接触子密封キャビティ内部の接触子が急激にアーク燃焼することにより、密封キャビティ内部に瞬間的に高温が発生し、それによって接触子密封キャビティ内の気圧が瞬間的に急激に上昇し、このとき接触子密封キャビティ内の気圧強度が接触子密封キャビティの構成部品の強度又は接続箇所の強度よりも大きいと、リレーの接触子密封キャビティは爆発しやすいことを発見した。
【0148】
本発明の実施例における密封接点ユニットは、密封容器、接点アセンブリ及び圧力逃しバルブアセンブリを備える。密封容器は、密封チャンバと圧力逃がし孔とを備え、圧力逃がし孔は、密封容器の容器壁を貫通し、密封チャンバに連通し、接点アセンブリは、固定接触部品と可動接触部品とを備え、可動接触部品は、密封チャンバ内に設けられ、移動して固定接触部品との接触又は離間を行うように構成され、これにより、固定接触部品と可動接触部品とは、電流のオンオフを実現し、圧力逃しバルブアセンブリは、密封容器の容器壁に設けられ、密封容器内のガス圧がある閾値よりも小さい場合に圧力逃がし孔を閉鎖し、密封容器内のガス圧がある閾値以上である場合に突き破られて圧力逃がし孔を解放するために使用される。
【0149】
なお、本発明の密封接点ユニットは、接点の接触又は離間を実現できる電気素子に適用することができ、電気素子は、例えば、リレー、接触器、真空消弧室などを含むがこれらに限定されない。説明の便宜上、以下では電気素子をリレーとして例を挙げて説明するが、これを限りとすべきではない。
【0150】
図25及び
図26に示すように、
図25は、本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
図26は、
図25のC-Cの断面図である。本発明の実施例におけるリレーは、ハウジング1と、密封容器2と、接点アセンブリ3と、駆動アセンブリ4と、圧力逃しバルブアセンブリ5とを備える。ハウジング1は、中空チャンバ14を有し、中空チャンバ14は、ハウジング1の外部に連通する。密封容器2は、中空チャンバ14内に設けられ、密封容器2は、密封チャンバと圧力逃がし孔221を備え、圧力逃がし孔221は、密封容器2の容器壁を貫通し、中空チャンバ14及び密封チャンバに連通する。接点アセンブリ3は、固定接触部品31と可動接触部品32とを備え、固定接触部品31は、容器壁に設けられ、固定接触部品31の一端は、密封チャンバに進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出する。可動接触部品32は、密封チャンバ内に設けられる。駆動アセンブリ4は、中空チャンバ14内に設けられ、可動接触部品32に接続され、可動接触部品32の移動を駆動することで、可動接触部品32の両端と固定接触部品31との接触又は離間を実現するために使用される。圧力逃しバルブアセンブリ5は、密封容器2の容器壁に設けられ、密封チャンバ内のガス圧がある閾値よりも小さい場合に圧力逃がし孔221を閉鎖し、密封チャンバ内のガス圧がある閾値以上である場合に突き破られて圧力逃がし孔221を開放する。圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、密封容器2の構造強度よりも小さく、正常動作状態では、密封チャンバ内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも小さく、異常動作状態では、密封チャンバ内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも大きい。なお、圧力逃しバルブアセンブリ5が圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、密封チャンバの密封性を維持し、リレーの正常動作を保証する。
【0151】
本発明の実施例のリレーでは、密封容器2の容器壁に圧力逃がしバルブアセンブリ5を設置することにより、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放する。接点アセンブリ3が正常動作状態にあり、密封チャンバ内のガス圧力の強度は閾値未満であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は密封チャンバ内の気圧圧力によって突き破られず、依然として圧力逃がし孔221を閉鎖した状態を維持し、密封チャンバが密封を維持できるようになる。接点アセンブリ3が異常動作状態にある場合、密封チャンバ内のガス圧力の強度は閾値以上であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は密封チャンバ内のガス圧力によって突き破られ、密封チャンバは圧力逃がし孔221を介してハウジング1の中空チャンバ14に連通し、さらに、密封チャンバ内のガス圧力は、圧力逃がし孔221を介して中空チャンバ14に放出し、最終的にはハウジング1の外部に放出することができる。すなわち、異常動作状態において、密封チャンバ内のガス圧力の強度が徐々に上昇する過程で、ガス圧力が先に圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破り、さらに、急激に上昇したガス圧力が圧力逃がし孔221を介して放出され、密封チャンバ内部の気圧が上昇し続けることがなく、密封チャンバの構造強度に達することがなく、密封チャンバの爆発を回避する。正常動作状態では、密封チャンバ内のガス圧は圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破ることはなく、圧力逃しバルブアセンブリ5は、依然として、圧力逃がし孔221を密封する役割を果たすことができる。
【0152】
なお、「正常動作状態」という用語は、リレーの電流が定格動作状態にあることを意味し、「異常動作状態」という用語は、接点アセンブリ3が大電流短絡の瞬間にあること、又は過負荷遮断などの瞬間を意味する。また、「閾値」という用語は、リレーが正常動作状態にある時の密封容器2内のガス圧力の強度よりもわずかに大きい圧力強度を表す。リレーの型番によっては閾値も調整に適しているが、密封容器2の構造強度より大きいことはできない。
【0153】
つまり、リレーが正常に動作している場合、密封容器2内の圧力はこの閾値に達せず、圧力逃しバルブアセンブリ5が突き破られない。リレーが異常動作状態にある場合、密封容器2内の圧力はこの閾値以上であり、圧力逃しバルブアセンブリ5はガスによって突き破られる。
【0154】
一実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、密封容器2の構造強度よりも小さい。このように、リレーが異常動作状態にあり、密封容器2内のガス圧が徐々に上昇する過程で、圧力逃しバルブアセンブリ5が密封容器2より先にガスによって突き破られる。
【0155】
なお、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度が密封容器2の構造強度よりも小さい設計は、両者の材料の違い及び/又は構造の違いによって行うことができる。例えば、圧力逃しバルブアセンブリ5と密封容器2の容器壁の材料とが同じである場合、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さを薄く設計することができ、且つ、密封容器2の容器壁より小さくすることができ、このように、温度が徐々に上昇したガスが圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5と密封容器2の容器壁の厚さが同じ場合、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミック製を採用することができるが、密封容器2は金属製を採用することができ、同様に、圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。又は、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さは薄く、セラミック製であり、密封容器2のチャンバ壁は厚く、金属製である。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度を密封容器2の構造強度よりも小さくするために他の適切な方法を採用することもでき、ここでは列挙しない。
【0156】
なお、本発明の実施例における用語「含む」及び「有する」及びそれらの任意の変形は、排他的ではない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、記載されたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、記載されていないステップ又はユニットも含むか、又は任意選択で、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はアセンブリも含む。
【0157】
なお、本発明の実施例に係るリレーは、ハウジング1を含まず、密封容器2、接点アセンブリ3、駆動アセンブリ4、及び圧力逃しバルブアセンブリ5を組み立てた後、電池パック、電気制御ボックスなどのアプリケーション製品に直接取り付けてもよい。
【0158】
次に、
図25~
図26を参照し、接点アセンブリ3は、それぞれ電流の流入と電流の流出としての固定接触部品31と、可動接触部品32とを含む。可動接触部品32は、直線片状であってもよく、可動接触部品32の長手方向に沿って、駆動アセンブリ4の作用によって、可動接触部品32の両端が2つの固定接触部品31にそれぞれ接触することができ、これにより、固定接触部品31と可動接触部品32とは、電流のオンを実現することができる。固定接触部品31は、可動接触部品32と離間する時、両者の電流をオフする。固定接触部品31の底部を固定接点とし、可動接触部品32は、その長手方向の両端を可動接点とすることができる。可動接触部品32の両端の可動接点は、可動接触部品32の他の部分よりも突出してもよく、他の部分と面一であってもよい。
【0159】
なお、固定接点は、固定接触部品31の底部に一体又は別体に設けられてもよく、可動接点は、可動接触部品32の延在する長手方向の両端に一体又は別体に設けられてもよい。
【0160】
2つの固定接触部品31は、密封容器2に設けられ、例えば、密封容器2の頂部に設けられている。そして、各固定接触部品31の一端は、密封チャンバの内部に進入し、他端はハウジング1の外表面から露出している。固定接触部品31の密封チャンバ内部に進入した一端は、可動接触部品32と接触するために用いられる。
【0161】
リレーは、また、接点アセンブリ3のアークを消弧するためにハウジング1の中空チャンバ14内に設置された消弧ユニット7を備える。
【0162】
この実施例では、消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71を含む。消弧磁石71は、永久磁石であってもよく、各消弧磁石71は、略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石71は、密封容器2の両側にそれぞれ設けられ、可動接触部品32の長手方向に沿って対向して設けられている。
【0163】
2つの消弧磁石71は、
図26に示すように、密封容器2の左右両側にそれぞれ位置している。本実施例では、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性は逆である。すなわち、密封容器2の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極であり、密封容器2の右側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極である。
【0164】
勿論、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性も同極に設計することができ、例えば絶縁カバー21の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極で右面はN極、絶縁カバー21の右側に位置する消弧磁石71の左面はN極で右面はS極である。
【0165】
このように、対向して設けられた消弧磁石71を2つ設けることにより、接点アセンブリ3の周囲に磁界を形成することができる。そのため、固定接触部品31と可動接触部品32との間に発生するアークは、どの方向を向いても、磁場の作用により、いずれも互いに離れる方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0166】
消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71の位置に対応して配置された2つのヨーククリップ72をさらに含む。そして、2つのヨーククリップ72は、密封容器2と2つの消弧磁石71とを取り囲んでいる。ヨーククリップ72が消弧磁石71を取り囲む設計により、消弧磁石71による磁場が外部へ拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避できる。ヨーククリップ72は、軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。
【0167】
密封容器2は、第1のヨーク板22と、絶縁カバー21と、金属カバー23とを備え、第1のヨーク板22は、中空チャンバ14内に設けられ、反対側に設けられた第1の側面223と第2の側面224、及び貫通孔222とを備え、貫通孔222は、第1の側面223及び第2の側面224を貫通する。
【0168】
絶縁カバー21は、第1の側面223に接続され、貫通孔222を被覆する。絶縁カバー21と第1のヨーク板22とは、接触チャンバ27を構成し、接触チャンバ27は、貫通孔222に連通し、接触チャンバ27は、固定接触部品31及び可動接触部品32を収容するために使用される。
【0169】
金属カバー23は、第2の側面224に接続され、貫通孔222を被覆する。金属カバー23と第1のヨーク板22とは、駆動チャンバ24を構成し、駆動チャンバ24は、貫通孔222に連通し、駆動チャンバ24は、固定鉄心413及び可動鉄心414を収容するために使用される、以下で説明する。接触チャンバ27と駆動チャンバ24とは、貫通孔222を介して連通し、さらに、接触チャンバ27は、駆動チャンバ24と該密封チャンバを共同に形成する。
【0170】
ここで、圧力逃しバルブアセンブリ5は、絶縁カバー21に設けられてもよく、金属カバー23に設けられてもよく、又は、絶縁カバー21と金属カバー23のいずれも、圧力逃しバルブアセンブリ5が設けられている。
【0171】
絶縁カバー21は、セラミックカバー211と、接続部品212とを含むことができ、2つの固定接触部品31がセラミックカバー211に設けられている。セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22に接続されている。具体的には、接続部品212は、環状構造であってもよく、接続部品212の一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックカバー211の開口縁に接続されていてもよい。接続部品212の他端は、第1のヨーク板22の第1の側面223に接続されており、同様に、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってもよい。セラミックカバー211と第1のヨーク板22との間には接続部品212が設けられており、セラミックカバー211と第1のヨーク板22との接続を容易にすることができる。
【0172】
図26を参照し、駆動アセンブリ4は、電磁石ユニット41とプッシュロッドユニット42とを含み、電磁石ユニット41は、第1のヨーク板22の絶縁カバー21から離れる側に配置される。プッシュロッドユニット42は、電磁石ユニット41に駆動接続され、プッシュロッドユニット42は、駆動チャンバ24に移動可能に設けられ、貫通孔222を通過して可動接触部品32に接続されている。
【0173】
電磁石ユニット41が通電すると、プッシュロッドユニット42を駆動して移動させることができ、さらに、可動接触部品32を移動させて、固定接触部品31との接触又は離間を行うことができる。
【0174】
電磁石ユニット41は、コイルボビン411と、コイル412と、固定鉄心413と、可動鉄心414とを備える。コイルボビン411は、中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー23は、コイルボビン411内に穿設されている。コイル412は、コイルボビン411を取り囲む。固定鉄心413は、金属カバー23内に固設されており、固定鉄心413の一部は、貫通孔222に進入している。固定鉄心413は、プッシュロッドユニット42が穿設されるための貫通孔222の位置に対応して設けられた第1の穿孔4131を有する。可動鉄心414は、金属カバー23内に移動可能に設けられ、固定鉄心413と対向して設けられ、可動鉄心414は、プッシュロッドユニット42に接続され、コイル412が通電すると固定鉄心413に吸引されるために使用される。可動鉄心414とプッシュロッドユニット42とは、ネジ接続、カシメ、溶接、又は他の方法で接続することができる。
【0175】
本実施例では、コイルボビン411は、樹脂材料で構成され、第1のフランジ部4111、中空円筒部4112及び第2のフランジ部4113を備え、第1のフランジ部4111と第2のフランジ部4113とは、中空円筒部4112の両端に設けられている。コイル412は、中空円筒部4112の外周を取り囲む。金属カバー23は、中空円筒部4112に穿設される。
【0176】
電磁石ユニット41は、第1の弾性部品415をさらに備え、第1の弾性部品415は、金属カバー23の内部に位置し、固定鉄心413と可動鉄心414との間に配置され、コイル412の電源が遮断されたときに可動鉄心414をリセットさせるために使用される。第1の弾性部品415は、スプリングであってもよく、プッシュロッドユニット42の外部にスリーブされていてもよい。
【0177】
リレーは、第2のヨーク板25及び一対の第3のヨーク板26をさらに備える。第2のヨーク板25と第1のヨーク板22とは、対向して設けられ、さらに、コイルボビン411は、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25との間に設けられ、即ち、第1のヨーク板22は、コイルボビン411の第1のフランジ部4111に接続され、第2のヨーク板25は、コイルボビン411の第2のフランジ部4113に接続されている。
【0178】
一対の第3のヨーク板26は、第2のヨーク板25の可動接触部品32の長手方向に沿う両端にそれぞれ設けられ、第1のヨーク板22の方向に延び、第1のヨーク板22の可動接触部品32の長手方向に沿う両端に接続されている。
【0179】
このように、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、コイル412を取り囲む。
【0180】
なお、第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、例えば、折り曲げ成形により一体構造とすることができる。第1のヨーク板22と一体成形された第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26は、別体構造であってもよい。
【0181】
リレーは、また、軟磁性材料からなる導磁ブッシュ416を含む。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。導磁ブッシュ416は、コイルボビン411の中空円筒部4112の下端の内周面と金属カバー23の外周面との間に形成された空隙に設け、このように、第1のヨーク板22、第2のヨーク板25、一対の第3のヨーク板26、固定鉄心413、可動鉄心414、及び導磁ブッシュ416が共に磁路を形成する。
【0182】
図2、
図4に示すように、プッシュロッドユニット42は、U字型のブラケット421、ベース422、固定シート427、プッシュロッド423、第2の弾性部品424、第1の導磁体425及び第2の導磁体426を備える。第1の導磁体425は、U字型のブラケット421に固定接続され、第1の導磁体425は、U字型のブラケット421の内側面に設けられている。第2の導磁体426は、可動接触部品32に固定接続されている。ベース422と固定シート427とプッシュロッド423の上部は、一体射出成形により成形することができる。
【0183】
U字型のブラケット421の底部は固定シート427に固定接続され、U字型のブラケット421とベース422はフレーム構造に囲まれ、可動接触部品32、第1の導磁体425及び第2の導磁体426は、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に取り付けられている。さらに、第2の弾性部品424も、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に設けられ、第2の弾性部品424の一端がベース422に当接し、他端が可動接触部品32に当接し、第2の弾性部品424は、可動接触部品32と第2の導磁体426がベース422から離れて第1の導磁体425に近づく傾向があるように弾性力を与えることができる。プッシュロッド423は、第1のヨーク板22の貫通孔222と固定鉄心413の第1の穿孔4131に穿設され、さらに、プッシュロッド423の一端は、ベース422に固定接続され、プッシュロッド423の他端は、可動鉄心414に固定接続されている。
【0184】
なお、第2の弾性部品424はスプリングであってもよい。第1の導磁体425、第2の導磁体426は、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などの軟磁性材料を用いて作製することができる。
【0185】
プッシュロッド423が上向きに移動していないとき、第2の弾性部品424の作用を受けて、可動接触部品32の頂面が第1の導磁体425に当接する。コイル412が通電してプッシュロッド423が上方に移動するように駆動されると、可動接触部品32の両端は、2つの固定接触部品31にそれぞれ接触する。その後、プッシュロッド423は上に移動し続け、第1の導磁体425もプッシュロッド423に従って上に移動し続けたが、可動接触部品32は2つの固定接触部品31に既に接触しているため、可動接触部品32は上に移動し続けることができず、接点のオーバトラベルを実現した。第2の弾性部品424からの弾性力により、第1の導磁体425の底面と可動接触部品32の頂面との間に一定の隙間を形成し、それによって第1の導磁体425と第2の導磁体426との間に磁気隙間を存在させる。
【0186】
図27に示すように、
図27は、本発明の実施例におけるリレーの分解の模式図であり、本実施例では、圧力逃しバルブアセンブリ5は、絶縁カバー21に設けられている。具体的に、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミックカバー211に設けられている。
【0187】
一実施例では、圧力逃しバルブアセンブリ5は、バルブプレート51を備え、バルブプレート51は、密封容器2と別体に設けられ、容器壁に設けられ、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。具体的に、バルブプレート51は、セラミックカバー211に設けられている。
【0188】
バルブプレート51の構造強度は、密封容器2の構造強度よりも小さい。接点アセンブリ3が異常動作状態にあるとき、圧力が急激に上昇したガスは、先にバルブプレート51を突き破って、密封チャンバの圧力逃がし孔221から排出され、密封チャンバ内のガス圧力が上昇し続けず、密封チャンバを保護する。
【0189】
なお、バルブプレート51は、金属材料又は非金属材料で作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維等を含むが、これらに限定されない。
【0190】
図28に示すように、
図28は、本発明の第1の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の断面図である。本実施例では、絶縁カバー21は、セラミックカバー211と、接続部品212とを備え、セラミックカバー211は、頂壁2111と、第1の側壁2112とを備え、固定接触部品31は、頂壁2111に設けられ、圧力逃がし孔221は、頂壁2111に設けられている。第1の側壁2112の一端は、頂壁2111の縁に接続され、他端は、第1のヨーク板22の方向に延在し、接続部品212に接続されている。バルブプレート51は、頂壁2111に設けられ、圧力逃がし孔221を被覆する。
【0191】
なお、バルブプレート51は、セラミックカバー211の内壁面に設けられてもよく、セラミックカバー211の外壁面に設けられてもよい。
【0192】
なお、バルブプレート51は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックカバー211の第1の側壁2112に接続されることができる。
【0193】
セラミックカバー211にバルブプレート51を設置する利点は、セラミックが高強度、高硬度の特徴を持っているため、バルブプレート51に安定した信頼性のあるベースを提供することに相当し、これにより、バルブプレート51がセラミックカバー211の変形によって容易に歪むことがなく、バルブプレート51の早期失効を回避することである。
【0194】
図29に示すように、
図29は、本発明の第2の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の断面図である。第2の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、圧力逃しバルブアセンブリ5は、移行部品52をさらに備え、バルブプレート51は、移行部品52を介してセラミックカバー211に接続されている。
【0195】
本実施例では、移行部品52はシート体であってもよい。
【0196】
移行部品52は、厚さ方向に開設した第2の穿孔521を有し、第2の穿孔521は圧力逃がし孔221に連通している。バルブプレート51は、移行部品52に接続され、第2の穿孔521を覆っている。正常動作状態では、バルブプレート51は第2の穿孔521と圧力逃がし孔221を閉鎖し、接触チャンバ27の密封状態を維持する。異常動作状態では、バルブプレート51がガスによって突き破られ、接触チャンバ27が第2の穿孔521、圧力逃がし孔221を介して外部と連通する。
【0197】
なお、バルブプレート51と移行部品52との間、移行部品52とセラミックカバー211との間は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによって接続できる。
【0198】
本実施例では、バルブプレート51と移行部品52とは、いずれもセラミックカバー211の外壁面に設けられている。勿論、他の実施形態では、バルブプレート51と移行部品52とは、セラミックカバー211の内壁面に設けられてもよい。
【0199】
図30~
図32に示すように、
図30は、本発明の第3の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の断面図である。
図31は、本発明の第4の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の断面図である。
図32は、本発明の第5の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の断面図である。
【0200】
第3~第5の実施例と第2の実施例と同じである点が省略するが、相違点は、移行部品52の形状である。
【0201】
具体的に、第3の実施例における移行部品52は、略筒状、例えば円筒状を呈している。移行部品52の一端には径方向に沿って外向きに突出するフランジ522が設けられ、移行部品52の一端は、フランジ522を介してセラミックカバー211に接続され、移行部品52の他端は、バルブプレート51に接続されている。
【0202】
第4の実施例における移行部品52は、略円筒状を呈し、ここで、移行部品52の一端は、フランジ522を介してバルブプレート51に接続され、他端は、セラミックカバー211に接続されている。
【0203】
第5の実施例における移行部品52は、フランジを有しないストレート構造である。ストレート構造である移行部品52の両端は、それぞれセラミックカバー211及びバルブプレート51に接続されている。
【0204】
図33及び
図34に示すように、
図33は、本発明の第6の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の斜視図である。
図34は、本発明の第7の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の斜視図である。第6及び第7の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミックカバー211の第1の側壁2112に設けられている。
【0205】
本実施例では、セラミックカバー211の第1の側壁2112は、略直方体構造を形成している。ここで、圧力逃しバルブアセンブリ5は、直方体構造の長辺(
図33)に設けてもよいし、直方体構造の幅広辺(
図34)に設けてもよい。
【0206】
図35及び
図36に示すように、
図35は、本発明の第8の実施例における絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の断面図である。
図36は、
図35のB箇所の一部の拡大図である。第8の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点は、圧力逃しバルブアセンブリ5が接続部品212に設けられていることである。
【0207】
具体的に、接続部品212に前記圧力逃がし孔221が設けられている。圧力逃しバルブアセンブリ5は、バルブプレート51を備え、バルブプレート51は、接続部品212の圧力逃がし孔221に一体に設けられ、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。
【0208】
図37に示すように、
図37は、本発明の第9の実施例の絶縁カバー21とバルブプレート51の組立て後の断面図である。第9の実施例と第8の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、接続部品212に別体に設けられ、圧力逃がし孔221を被覆する。
【0209】
なお、バルブプレート51は、接続部品212に直接接続され、又は、移行部品52を介して接続部品212に接続されてもよい。バルブプレート51は、接続部品212の内壁面に設けられてもよく、接続部品212の外壁面に設けられてもよい。
【0210】
以下、
図38~
図44を参照し、圧力逃しバルブアセンブリ5が金属カバー23に設けられる異なる方式を説明する。
【0211】
図38に示すように、
図38は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組立て後の第1の実施例の断面図である。金属カバー23は、底壁231と、第2の側壁232とを備え、第2の側壁232の一端は、底壁231の縁に接続され、他端は、第1のヨーク板22の方向に延在し、第1のヨーク板22の第2の側面224に接続されている。圧力逃しバルブアセンブリ5は、底壁231に設けられている。
【0212】
具体的に、金属カバー23の底壁231に圧力逃がし孔221が設けられている。圧力逃しバルブアセンブリ5は、バルブプレート51を備え、バルブプレート51は、底壁231に接続され、圧力逃がし孔221を被覆する。バルブプレート51が突き破られてない場合(即ち正常動作状態)、バルブプレート51は、密封の役割を果たす。バルブプレート51が突き破られた場合(即ち異常動作状態)、駆動チャンバ24内のガスは、圧力逃がし孔221を介して放出することができる。
【0213】
バルブプレート51の構造強度は、密封容器の構造強度よりも小さい。接点アセンブリ3が異常動作状態にあるとき、圧力が急激に上昇したガスは、先にバルブプレート51を突き破って、密封チャンバの圧力逃がし孔221から排出され、接触チャンバ27内のガス圧力が上昇し続けず、密封チャンバを保護する。
【0214】
なお、バルブプレート51は、金属材料又は非金属材料で作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維等を含むが、これらに限定されない。
【0215】
図38を参照し、バルブプレート51は、底壁231の内壁面に接続され、圧力逃がし孔221を被覆する。バルブプレート51は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などの方法で底壁231の内壁面に接続できる。
【0216】
図39に示すように、
図39は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第2の実施例の断面図である。第2の実施例と第1の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、底壁231の外壁面に接続され、圧力逃がし孔221を被覆する。
【0217】
図40に示すように、
図40は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第3の実施例の断面図である。第3の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、移行部品52を介して底壁231の内壁面に接続されている。
【0218】
具体的に、移行部品52は、略筒状、例えば円筒状を呈している。移行部品52の一端には径方向に沿って外向きに突出するフランジ522が設けられ、移行部品52の一端は、フランジ522を介して底壁231の内壁面に接続され、移行部品52の他端は、バルブプレート51に接続されている。
【0219】
勿論、移行部品52の一端は、フランジ522を介してバルブプレート51に接続され、他端は、底壁231の内壁面に接続されてもよい。又は、移行部品52は、フランジが設けずストレート構造を成す。ストレート構造の移行部品52の両端は、底壁231とバルブプレート51とにそれぞれ接続されている。
【0220】
なお、バルブプレート51と移行部品52の間と、移行部品52と底壁231の間のいずれも、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などの方法で接続できる。
【0221】
図41に示すように、
図41は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第4の実施例の断面図である。第4の実施例と第3の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、移行部品52を介して底壁231の外壁面に接続されている。
【0222】
図42に示すように、
図42は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第5の実施例の断面図である。第5の実施例と第3の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、移行部品52が片体を成し、移行部品52は、第2の穿孔521を有し、第2の穿孔521は、圧力逃がし孔221に対応して設けられる。
【0223】
図43に示すように、
図43は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第6の実施例の断面図である。第6の実施例と第5の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、移行部品52を介して底壁231の外壁面に接続されている。
【0224】
なお、バルブプレート51は、金属カバー23の底壁231と別体に設けられる場合、バルブプレート51は、底壁231の内壁面に設けられてもよく、底壁231の外壁面に設けられてもよい。バルブプレート51が底壁231の内壁面に設けられた場合、底壁231がバルブプレート51に対して支持力を与え、バルブプレート51を底壁231に押圧するためにバルブプレート51の第1の側面511に密封容器2内のガス圧を作用させることができる。バルブプレート51が底壁231の外壁面に設けられている場合、底壁23はバルブプレート51に支持力を与えることができないため、バルブプレート51と底壁231との接続方法に対してより高い要求がなされる。
【0225】
図44に示すように、
図44は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第7の実施例の断面図である。第7の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、底壁231に一体に設けられ、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。
【0226】
具体的に、底壁231は、内壁面と外壁面を備え、バルブプレート51は、反対側に設けられた第1の側面511と第2の側面512を有する。第1の側面511は、圧力逃がし孔221の孔壁に接続され、第2の側面512は、外壁面と面一する。
【0227】
勿論、底壁231とバルブプレート21両側表面との位置関係は、バルブプレート51の第1の側面511が底壁231の内壁面に面一し、第2の側面512が圧力逃がし孔221の孔壁に接続され、又は、第1の側面511と底壁231の内壁面とは、一定距離を隔て、第2の側面512と底壁231の外壁面とは、一定距離を隔てている。つまり、バルブプレート51の2つの側面のいずれも、底壁231の内外壁面に面一していない。
【0228】
図45に示すように、
図45は、本発明の実施例における保護カバー53が容器壁に取り付けられたの断面図である。圧力逃しバルブアセンブリ5は、保護カバー53をさらに備え、保護カバー53は、密封容器2の容器壁に接続され、バルブプレート51の外表面にカバーして設けられる。保護カバー53は、通気孔531を有し、ガスは、通気孔531を介してバルブプレート51に作用することができる。
【0229】
なお、保護カバー53は、セラミックカバー211、接続部品212又は金属カバー23に接続されてもよい。さらに、保護カバー53は、密封容器2の外壁面282に設けられてもよい。
【0230】
本実施例では、保護カバー53を増設することにより、異常動作状態においてガスがバルブプレート51を突き破ることを影響しないとともに、密封容器2を輸送又は取り付けている間にバルブプレート51を保護し、バルブプレート51が外物に突き破られることを回避することができる。
【0231】
なお、保護カバー53は、金属材料又は非金属材料から作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維、プラスチック等を含むが、これらに限定されない。
【0232】
保護カバー53は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着、係止などの方法で密封容器2に接続されることができる
図46に示すように所示、
図46は、本発明におけるハウジング1の第1の実施例の分解の模式図である。本発明の実施例におけるハウジング1は、第1のケース11と第2のケース12とを備え、第2のケース12は、第1のケース11に着脱可能に接続され、第1のケース11及び/又は第2のケース12にガス抜き構造13が設けられており、ガス抜き構造13は、中空チャンバ14に連通する。
【0233】
ガス抜き構造13を設けることで、本発明の実施例におけるハウジング1が非密封構造であり、ガスは、接触チャンバ27の内部から圧力逃がし孔221を介して排出した後にハウジング1の中空チャンバ14に入り、さらに、ガス抜き構造13を介してハウジング1の外部に排出する。
【0234】
また、本発明の実施例のハウジング1は、接触チャンバ27内で発生したガス噴出物が放出瞬間にリレーの外部に直接排出されるのを阻止し、リレー付近の他の電子部品の汚染を回避することもできる。ここで、ガス噴出物は、接点アセンブリ3の金属材料がアーク高温アブレーション、揮発により発生する。
【0235】
図46を参照し、ガス抜き構造13は、スリット131を備え、スリット131は、第1のケース11と第2のケース12との間に形成されている。ガスは、第1のケース11と第2のケース12との間のスリット131を介してリレーから排出することができる。
【0236】
本実施例では、スリット131は、ハウジング1の底部に位置する。
【0237】
図47に示すように、
図47は、本発明におけるハウジング1の第2の実施例の分解の模式図である。第2の実施例のハウジング1と第1の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点は、スリット131がハウジング1の高さ方向の中央領域に位置することである。
【0238】
図48に示すように、
図48は、本発明におけるハウジング1の第3の実施例の分解の模式図である。第3の実施例のハウジング1と第2の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜き孔132を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜き孔132は、第2のケース12に形成されている。ガスは、スリット131及びガス抜き孔132を介してリレーから排出することができる。勿論、ガス抜き孔132は、第1のケース11に設けられてよい。
【0239】
図49に示すように、
図49は、本発明におけるハウジング1の第4の実施例の分解の模式図である。第4の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きカバー133を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きカバー133は、第1のケース11に設けられ、ガス抜きカバー133の開口は、下に向かう。このように、ガスは、スリット131及びガス抜きカバー133を介してリレーから排出することができるとともに、ガス抜きカバー133から排出したガスは、下方に向かって噴出しており、このリレー付近の他の電子デバイスに影響を与えることはない。
【0240】
勿論、ガス抜きカバー133は、第2のケース12に設けられても良く、又は、第1のケース11と第2のケース12のいずれも、ガス抜きカバー133が設けられている。
【0241】
図50に示すように、
図50は、本発明におけるハウジング1の第5の実施例の分解の模式図である。第5の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きグリル134を含み、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きグリル134は、第1のケース11に設けられている。勿論、ガス抜きグリル134は、第2のケース12に設けられてもよく、又は、第1のケース11と第2のケース12とのいずれもガス抜きグリル134が設けられている。
【0242】
ガスは、スリット131及びガス抜きグリル134を介してリレーから排出することができる。ガスがガス抜きグリル134を通過すると、ガス抜きグリル134は、ガスの流れをより緩やかにすることができ、排出されたガスがリレー付近の他の電子部品に影響を与えることを回避することができる。
【0243】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは例を挙げて説明しない。
【0244】
以上のように、本発明の実施形態に係るリレーの利点と有益な効果は、少なくとも以下を含む。
【0245】
本発明の実施例のリレーは、密封容器2に圧力逃しバルブアセンブリ5を設置することで、超圧力ガスを逃がすことによって、さらに、接点アセンブリ3が短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーはチャンバ内部の高温によりガスの急激な膨張によるチャンバ体の爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0246】
また、本発明の実施例のリレーのハウジング1は、放出ガスをタイムリーに排出することができるとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染を与えることを回避することができる非密封構造として設計されている。
【0247】
なお、
図51-61を参照し、本発明の実施例は、関連技術に存在する爆発しやすい問題を解決するために、安全性を改善することができるリレーを提供する。
【0248】
本発明の実施例におけるリレーは、接触容器と、接点アセンブリと、圧力逃しバルブアセンブリとを備える。接触容器は、セラミックカバーと、接続部品と、第1のヨーク板とを備え、前記セラミックカバーは、前記接続部品を介して前記第1のヨーク板に接続され、前記セラミックカバーと、前記接続部品と、前記第1のヨーク板とは、接触チャンバを構成し、前記接続部品は、圧力逃がし孔を有し、前記圧力逃がし孔は、前記接触チャンバに連通し、接点アセンブリは、一対の固定接点引出端と可動接触子を備え、前記固定接点引出端は、前記セラミックカバーに設けられ、前記固定接点引出端の一端は、前記接触チャンバに進入し、前記可動接触子は、前記接触チャンバ内に設けられ、駆動されることにより一対の前記固定接点引出端との接触又は離間を行うために使用され、圧力逃しバルブアセンブリは、前記接続部品に設けられ、前記接触チャンバ内のガス圧が閾値よりも小さい場合に前記圧力逃がし孔を閉鎖し、前記接触チャンバ内のガス圧が閾値以上である場合に突き破られて前記圧力逃がし孔を開放する。
【0249】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記接続部品に一体に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0250】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記接続部品と別体に設けられ、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0251】
本発明のいくつかの実施例により、前記接続部品は、内壁面と外壁面とを有し、前記バルブプレートは、前記内壁面及び/又は前記外壁面に設けられている。
【0252】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、移行部品を備え、前記バルブプレートは、前記移行部品を介して前記接続部品に接続されている。
【0253】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、保護カバーを備え、前記保護カバーは、前記接続部品に接続され、前記バルブプレートの外表面にカバーして設けられ、前記保護カバーは、通気孔を有する。
【0254】
本発明のいくつかの実施例により、前記リレーは、ハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、中空チャンバを有し、
前記接触容器と前記圧力逃しバルブアセンブリとは、前記中空チャンバに設けられている。
【0255】
本発明のいくつかの実施例により、前記ハウジングは、第1のケースと、第2のケースとを備え、
第2のケースは、前記第1のケースに着脱可能に接続され、前記第1のケース及び/又は前記第2のケースにガス抜き構造が設けられ、前記ガス抜き構造は、前記中空チャンバに連通する。
【0256】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、スリットを備え、前記スリットは、前記第1のケースと前記第2のケースとの間に形成される。
【0257】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、ガス抜き孔及び/又はガス抜きカバー及び/又はガス抜きグリルを備える。
【0258】
本発明のいくつかの実施例により、前記中空チャンバは、前記ハウジングの外部に連通し。
【0259】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリ的構造強度小于前記接触容器的構造強度。
【0260】
上記発明のうちの1つの実施例は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有する。
【0261】
本発明の実施例のリレーは、接続部品に圧力逃しバルブアセンブリを設けることで、超圧力ガスを逃がすために使用し、さらに、接点アセンブリが短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーは接触チャンバ内部の高温によるガスの急激な膨張によって密封チャンバの爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0262】
また、本発明の実施例のリレーのハウジングは、放出ガスをタイムリーに排出することができるとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染を与えることを回避することができる非密封構造として設計されている。
【0263】
背景技術で述べたように、関連技術のリレーの接触子システムは、大電流短絡の瞬間、又は過負荷遮断の瞬間、接触子密封キャビティは爆発しやすく、安全上の危険性がある。本発明者らは、研究の中で、接触子密封キャビティ内部の接触子が急激にアーク燃焼することにより、密封キャビティ内部に瞬間的に高温が発生し、それによって接触子密封キャビティ内の気圧が瞬間的に急激に上昇し、このとき接触子密封キャビティ内の気圧強度が接触子密封キャビティの構成部品の強度又は接続箇所の強度よりも大きいと、リレーの接触子密封キャビティは爆発しやすいことを発見した。
【0264】
図51及び
図52に示すように、
図51は、本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
図52は、
図51のD-Dの断面図である。本発明の実施例におけるリレーは、ハウジング1と、接触容器2と、接点アセンブリ3と、駆動アセンブリ4と、圧力逃しバルブアセンブリ5とを備える。ハウジング1は、中空チャンバ14を有し、中空チャンバ14は、ハウジング1の外部に連通する。接触容器2は、中空チャンバ14内に設けられ、接触容器2は、セラミックカバー211と、接続部品212と、第1のヨーク板22とを備え、セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22に接続され、セラミックカバー211と接続部品212と第1のヨーク板22とは、接触チャンバ27を構成する。接続部品212は、圧力逃がし孔221を有し、圧力逃がし孔221は、接触チャンバ27と、中空チャンバ14とにそれぞれ連通する。接点アセンブリ3は、一対の固定接点引出端31及び可動接触子32を備え、固定接点引出端31は、セラミックカバー211に設けられ、固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27に進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出する。可動接触子32は、接触チャンバ27内に設けられ、駆動により一対の固定接点引出端31との接触又は離間をそれぞれ行うために使用される。駆動アセンブリ4は、中空チャンバ14内に設けられ、可動接触子32に接続され、可動接触子32の移動を駆動して、可動接触子32の両端と一対の固定接点引出端31との接触又は離間をそれぞれ実現する。圧力逃しバルブアセンブリ5は、接続部品212に設けられ、接触チャンバ27内のガス圧がある閾値よりも小さい場合に圧力逃がし孔221を閉鎖し、接触チャンバ27内のガス圧がある閾値以上である場合に突き破られて圧力逃がし孔221を開放するために使用される。圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、接触容器2の構造強度よりも小さく、正常動作状態では、接触チャンバ2内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも小さく、異常動作状態では、接触チャンバ27内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも大きい。なお、圧力逃しバルブアセンブリ5が圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、接触チャンバ27の密封性を維持し、リレーの正常動作を保証する。勿論、他の実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5は、圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、接触チャンバ27は絶対的に密封されておらず、リレーが正常に動作することを保証すればよい。
【0265】
本発明の実施例のリレーでは、接続部品212に圧力逃がしバルブアセンブリ5を設置することにより、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放する。接点アセンブリ3が正常動作状態にあり、接触チャンバ27内のガス圧力の強度は閾値未満であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は接触チャンバ27内の気圧圧力によって突き破られず、依然として圧力逃がし孔221を閉鎖した状態を維持し、リレーが正常に動作する。接点アセンブリ3が異常動作状態にある場合、接触チャンバ27内のガス圧力の強度は閾値以上であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は接触チャンバ27内のガス圧力によって突き破られ、接触チャンバ27は圧力逃がし孔221を介してハウジング1の中空チャンバ14に連通し、さらに、接触チャンバ27内のガス圧力は、圧力逃がし孔221を介して中空チャンバ14に放出し、最終的にはハウジング1の外部に放出することができる。すなわち、異常動作状態において、接触チャンバ27内のガス圧力の強度が徐々に上昇する過程で、ガス圧力が先に圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破り、さらに、急激に上昇したガス圧力が圧力逃がし孔221を通って放出され、接触チャンバ27内部の気圧が上昇し続けることがなく、接触容器2の構造強度に達することがなく、接触容器2の爆発を回避する。正常動作状態では、接触チャンバ27内のガス圧は圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破ることはなく、圧力逃しバルブアセンブリ5は、依然として、圧力逃がし孔221を密封する役割を果たすことができる。
【0266】
なお、「正常動作状態」という用語は、リレーの電流が定格動作状態にあることを意味し、「異常動作状態」という用語は、接点アセンブリ3が大電流短絡の瞬間にあること、又は過負荷遮断などの瞬間を意味する。また、「閾値」という用語は、リレーが正常動作状態にある時の接触容器2内のガス圧力の強度よりもわずかに大きい圧力強度を表す。リレーの型番によっては閾値も調整に適しているが、接触容器2の構造強度より大きいことはできない。
【0267】
つまり、リレーが正常に動作している場合、接触容器2内のガス圧力はこの閾値に達せず、圧力逃しバルブアセンブリ5が突き破られない。リレーが異常動作状態にある場合、接触容器2内のガス圧力はこの閾値以上であり、圧力逃しバルブアセンブリ5はガスによって突き破られる。
【0268】
一実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、接触容器2の構造強度よりも小さい。このように、リレーが異常動作状態にあり、接触容器2内のガス圧が徐々に上昇する過程で、圧力逃しバルブアセンブリ5が接触容器2より先にガスによって突き破られる。
【0269】
なお、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度が接触容器2の構造強度よりも小さい設計は、両者の材料の違い及び/又は構造の違いによって行うことができる。例えば、圧力逃しバルブアセンブリ5と接触容器2の容器壁の材料とが同じである場合、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さを薄く設計することができ、且つ、接触容器2の容器壁より小さくすることができ、このように、温度が徐々に上昇したガスが圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5と接触容器2の容器壁の厚さが同じ場合、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミック製を採用することができるが、接触容器2は金属製を採用することができ、同様に、圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。又は、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さは薄く、セラミック製であり、接触容器2のチャンバ壁は厚く、金属製である。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度を接触容器2の構造強度よりも小さくするために他の適切な方法を採用することもでき、ここでは列挙しない。
【0270】
なお、本発明の実施例における用語「含む」及び「有する」及びそれらの任意の変形は、排他的ではない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、記載されたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、記載されていないステップ又はユニットも含むか、又は任意選択で、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はアセンブリも含む。
【0271】
なお、本発明の実施例に係るリレーは、ハウジング1を含まず、接触容器2、接点アセンブリ3、駆動アセンブリ4、及び圧力逃しバルブアセンブリ5を組み立てた後、電池パック、電気制御ボックスなどのアプリケーション製品に直接取り付けてもよい。
【0272】
次に、
図51~
図52を参照し、接点アセンブリ3は、それぞれ電流の流入と電流の流出としての2つの固定接点引出端31と、1つの可動接触子32とを含む。可動接触子32は、直線片状であってもよく、可動接触子32の長手方向に沿って、駆動アセンブリ4の作用によって、駆動アセンブリ32の両端が2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触することができ、負荷のオンを実現することができる。固定接点引出端31の底部を固定接点とし、可動接触子32の長手方向の両端を可動接点とすることができる。可動接触子32の両端の可動接点は、可動接触子32の他の部分よりも突出してもよく、他の部分と面一であってもよい。
【0273】
なお、固定接点は、固定接点引出端31の底部に一体又は別体に設けられてもよく、可動接点は、可動接触子32の延在する長手方向の両端に一体又は別体に設けられてもよい。
【0274】
2つの固定接点引出端31は、セラミックカバー211に設けられ、例えば、セラミックカバー211の頂部に設けられている。そして、各固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27の内部に進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出している。固定接点引出端31の接触チャンバ27内部に進入した一端は、可動接触子32と接触するために用いられる。
【0275】
リレーは、また、接点アセンブリ3のアークを消弧するためにハウジング1の中空チャンバ14内に設置された消弧ユニット7を備える。
【0276】
この実施例では、消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71を含む。消弧磁石71は、永久磁石であってもよく、各消弧磁石71は、略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石71は、接触容器2の両側にそれぞれ設けられ、可動接触子32の長手方向に沿って対向して設けられている。
【0277】
2つの消弧磁石71は、
図52に示すように、セラミックカバー211の左右両側にそれぞれ位置している。本実施例では、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性は逆である。すなわち、セラミックカバー211の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極であり、セラミックカバー211の右側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極である。
【0278】
勿論、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性も同極に設計することができ、例えば、セラミックカバー211の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極で右面はN極、セラミックカバー211の右側に位置する消弧磁石71の左面はN極で右面はS極である。
【0279】
このように、対向して設けられた消弧磁石71を2つ設けることにより、接点アセンブリ3の周囲に磁界を形成することができる。そのため、固定接点引出端31と可動接触子32との間に発生するアークは、磁場の作用により、いずれも互いに離れる方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0280】
消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71の位置に対応して配置された2つのヨーククリップ72をさらに含む。そして、2つのヨーククリップ72は、セラミックカバー211と2つの消弧磁石71とを取り囲んでいる。ヨーククリップ72が消弧磁石71を取り囲む設計により、消弧磁石71による磁場が外部へ拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避できる。ヨーククリップ72は、軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。
【0281】
第1のヨーク板22は、中空チャンバ14内に設けられ、反対側に設けられた第1の側面223及び第2の側面224と、貫通孔222とを備え、貫通孔222は、第1の側面223及び第2の側面224を貫通する。
【0282】
セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22の第1の側面223に接続され、貫通孔222を被覆する。セラミックカバー211と、接続部品212と、第1のヨーク板22とは、該接触チャンバ27として共に囲み、接触チャンバ27は、貫通孔222を貫通し、接触チャンバ27は、固定接点引出端31及び可動接触子32を収容するために使用される。
【0283】
金属カバー23は、第1のヨーク板22の第2の側面224に接続され、貫通孔222を被覆する。金属カバー23と第1のヨーク板22とは、駆動チャンバ24を構成し、駆動チャンバ24は、貫通孔222に連通し、駆動チャンバ24は、固定鉄心413及び可動鉄心414を収容するために使用され、以下で説明する。接触チャンバ27と駆動チャンバ24とは、貫通孔222を介して連通する。本実施例では、接触チャンバ27は、駆動チャンバ24に連通して密封チャンバを形成する。
【0284】
セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22に接続されている。具体的には、接続部品212は、環状構造であっても良く、接続部品212の一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックカバー211の開口縁に接続されていてもよい。接続部品212の他端は、第1のヨーク板22の第1の側面223に接続されており、同様に、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってもよい。セラミックカバー211と第1のヨーク板22との間には接続部品212が設けられており、セラミックカバー211と第1のヨーク板22との接続を容易にすることができる。
【0285】
図52を参照し、駆動アセンブリ4は、電磁石ユニット41とプッシュロッドユニット42とを含み、電磁石ユニット41は、第1のヨーク板22のセラミックカバー211から離れる側に配置される。プッシュロッドユニット42は、電磁石ユニット41に駆動接続され、プッシュロッドユニット42は、駆動チャンバ24に移動可能に設けられ、貫通孔222を通過して可動接触子32に接続されている。
【0286】
電磁石ユニット41が通電すると、プッシュロッドユニット42を駆動して移動させることができ、さらに、可動接触子32を移動させて、固定接点引出端31との接触又は離間を行うことができる。
【0287】
電磁石ユニット41は、コイルボビン411と、コイル412と、固定鉄心413と、可動鉄心414とを備える。コイルボビン411は、中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー23は、コイルボビン411内に穿設されている。コイルは、コイルボビン411を取り囲む。固定鉄心413は、金属カバー23内に固設されており、固定鉄心413の一部は、貫通孔222に進入している。固定鉄心413は、プッシュロッドユニット42が穿設されるための貫通孔222の位置に対応して設けられた第1の穿孔4131を有する。可動鉄心414は、金属カバー23内に移動可能に設けられ、固定鉄心413と対向して設けられ、可動鉄心414は、プッシュロッドユニット42に接続され、コイル412が通電すると固定鉄心413に吸引されるために使用される。可動鉄心414とプッシュロッドユニット42とは、ネジ接続、カシメ、溶接、又は他の方法で接続することができる。
【0288】
本実施例では、コイルボビン411は、樹脂材料で構成され、第1のフランジ部4111、中空円筒部4112及び第2のフランジ部4113を備え、第1のフランジ部4111と第2のフランジ部4113とは、中空円筒部4112の両端にそれぞれ設けられている。コイル412は、中空円筒部4112の外周を取り囲む。金属カバー23は、中空円筒部4112に穿設される。
【0289】
電磁石ユニット41は、第1の弾性部品415をさらに備え、第1の弾性部品415は、金属カバー23の内部に位置し、固定鉄心413と可動鉄心414との間に配置され、コイル412の電源が遮断されたときに可動鉄心414をリセットさせるために使用される。第1の弾性部品415は、スプリングであってもよく、プッシュロッドユニット42の外部にスリーブされていてもよい。
【0290】
リレーは、第2のヨーク板25及び一対の第3のヨーク板26をさらに備える。第2のヨーク板25と第1のヨーク板22とは、対向して設けられ、さらに、コイルボビン411は、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25との間に設けられ、即ち、第1のヨーク板22は、コイルボビン411の第1のフランジ部4111に接続され、第2のヨーク板25は、コイルボビン411の第2のフランジ部4113に接続されている。
【0291】
一対の第3のヨーク板26は、第2のヨーク板25の可動接触子32の長手方向に沿う両端にそれぞれ設けられ、第1のヨーク板22の方向に延び、第1のヨーク板22の可動接触子32の長手方向に沿う両端に接続されている。
【0292】
このように、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、コイル412を取り囲む。
【0293】
なお、第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、例えば、折り曲げ成形により一体構造とすることができる。第1のヨーク板22と一体成形された第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26は、別体構造であってもよい。
【0294】
リレーは、また、軟磁性材料からなる導磁ブッシュ416を含む。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。導磁ブッシュ416は、コイルボビン411の中空円筒部4112の下端の内周面と金属カバー23の外周面との間に形成された空隙に設け、このように、第1のヨーク板22、第2のヨーク板25、一対の第3のヨーク板26、固定鉄心413、可動鉄心414、及び導磁ブッシュ416が共に磁路を形成する。
【0295】
プッシュロッドユニット42は、U字型のブラケット421、ベース422、固定シート、プッシュロッド423、第2の弾性部品424、第1の導磁体425及び第2の導磁体426を備える。第1の導磁体425は、U字型のブラケット421に固定接続され、第1の導磁体425は、U字型のブラケット421の内側面に設けられている。第2の導磁体426は、可動接触子32に固定接続されている。ベース422と固定シート427とプッシュロッド423の上部は、一体射出成形により成形することができる。
【0296】
U字型のブラケット421の底部は固定シート427に固定接続され、U字型のブラケット421とベース422は、フレーム構造として囲まれ、可動接触子32、第1の導磁体425及び第2の導磁体426は、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に取り付けられている。さらに、第2の弾性部品424も、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に設けられ、第2の弾性部品424の一端がベース422に当接し、他端が可動接触子32に当接し、第2の弾性部品424は、可動接触子32と第2の導磁体426がベース422から離れて第1の導磁体425に近づく傾向があるように弾性力を与えることができる。プッシュロッド423は、第1のヨーク板22の貫通孔222と固定鉄心413の第1の穿孔4131に穿設され、さらに、プッシュロッド423の一端は、ベース422に固定接続され、プッシュロッド423の他端は、可動鉄心414に固定接続されている。
【0297】
なお、第2の弾性部品424はスプリングであってもよい。第1の導磁体425、第2の導磁体426は、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などの軟磁性材料を用いて作製することができる。
【0298】
プッシュロッド423が上向きに移動していないとき、第2の弾性部品424の作用を受けて、可動接触子32の頂面が第1の導磁体425に当接する。コイル412が通電してプッシュロッド423が上方に移動するように駆動されると、可動接触子32の両端は、2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触する。その後、プッシュロッド423は上に移動し続け、第1の導磁体425もプッシュロッド423に従って上に移動し続けたが、可動接触子32は2つの固定接点引出端31に既に接触しているため、可動接触子32は上に移動し続けることができず、接点のオーバトラベルを実現した。第2の弾性部品からの弾性力により、第1の導磁体425の底面と可動接触子32の頂面との間に一定の隙間を形成させ、それによって第1の導磁体425と第2の導磁体426との間に磁気隙間を存在させる。
【0299】
図53及び
図54に示すように、
図53は、本発明の第1の実施例における接続部品とバルブプレートの組立て後の断面図である。
図54は、
図53のC箇所の一部の拡大図である。セラミックカバー211は、頂壁2111と側壁2112とを備え、固定接点引出端31は、頂壁2111に設けられている。側壁2112は、頂壁2111の縁を囲んで設けられ、第1のヨーク板22の方向に延在し、接続部品212に接続されている。接続部品212は、第1のヨーク板22に接続されている。接続部品212に前記圧力逃がし孔221が設けられている。圧力逃しバルブアセンブリ5は、バルブプレート51を備え、バルブプレート51は、接続部品212の圧力逃がし孔221に一体に設けられてもよく、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。
【0300】
なお、バルブプレート51の側面は、接続部品212の内壁面又は外壁面と面一してもよい。勿論、バルブプレート51の反対側の2つの側面は、いずれも接続部品212の内壁面及び外壁面に面一してなくてもよい。バルブプレート51と接続部品212とが一体構造である場合、バルブプレート51と接続部品212とは同じ材料で作成される。
【0301】
図55に示すように、
図55は、本発明の第2の実施例における接続部品とバルブプレートの組立て後の断面図である。第2の実施例と第1の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、接続部品212と別体で設けられ、圧力逃がし孔221を被覆する。
【0302】
なお、バルブプレート51は、接続部品212に直接接続されてもよく、又は、移行部品を介して接続部品212に接続されてもよい。バルブプレート51は、接続部品212の内壁面に設けられてもよく、接続部品212の外壁面に設けられてもよい。
【0303】
なお、バルブプレート51は、金属材料又は非金属材料で作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維等を含むが、これらに限定されない。
【0304】
図56に示すように、
図56は、本発明の実施例における保護カバー53が接続部品に取り付けられた断面図である。圧力逃しバルブアセンブリ5は、保護カバー53をさらに備え、保護カバー53は、接続部品212に接続され、バルブプレート51の外表面にカバーして設けられる。保護カバー53は、通気孔531を有し、ガスは、通気孔531を介してバルブプレート51に作用することができる。
【0305】
なお、保護カバー53は、接続部品212の外壁面に設けられてもよい。
【0306】
本実施例では、保護カバー53を増設することにより、異常動作状態においてガスがバルブプレート51を突き破ることを影響しないとともに、接続部品212を輸送又は取り付けている間にバルブプレート51を保護し、バルブプレート51が外物に突き破られることを回避することができる。
【0307】
なお、保護カバー53は、金属材料又は非金属材料から作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維、プラスチック等を含むが、これらに限定されない。
【0308】
保護カバー53は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着、係止などの方法で接続部品212に接続されることができる。
【0309】
図57に示すように、
図57は、本発明におけるハウジング1の第1の実施例の分解の模式図である。本発明の実施例におけるハウジング1は、第1のケース11と第2のケース12とを備え、第2のケース12は、第1のケース11に着脱可能に接続され、第1のケース11及び/又は第2のケース12にガス抜き構造13が設けられ、ガス抜き構造13は、中空チャンバ14に連通する。
【0310】
ガス抜き構造13を設けることで、本発明の実施例におけるハウジング1が非密封構造であり、ガスは、接触チャンバ27の内部から圧力逃がし孔221を介して排出した後にハウジング1の中空チャンバ14に入り、さらに、ガス抜き構造13を介してハウジング1の外部に排出する。
【0311】
また、本発明の実施例のハウジング1は、接触チャンバ27内で発生したガス噴出物が放出瞬間にリレーの外部に直接排出されるのを阻止し、リレー付近の他の電子部品の汚染を回避することもできる。ここで、ガス噴出物は、接点アセンブリ3の金属材料がアーク高温アブレーション、揮発により発生する。
【0312】
図57を参照し、ガス抜き構造13は、スリット131を備え、スリット131は、第1のケース11と第2のケース12との間に形成されている。ガスは、第1のケース11と第2のケース12との間のスリット131を介してリレーから排出することができる。
【0313】
本実施例では、スリット131は、ハウジング1の底部に位置する。
【0314】
図58に示すように、
図58は、本発明におけるハウジング1の第2の実施例の分解の模式図である。第2の実施例のハウジング1と第1の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点は、スリット131がハウジング1の高さ方向の中央領域に位置することである。
【0315】
図59に示すように、
図59は本発明におけるハウジング1の第3の実施例の分解の模式図である。第3の実施例のハウジング1と第2の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜き孔132を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜き孔132は、第2のケース12に形成されている。ガスは、スリット131及びガス抜き孔132を介してリレーから排出することができる。勿論、ガス抜き孔132は、第1のケース11に設けられてよい。
【0316】
図60に示すように、
図60は、本発明におけるハウジング1の第4の実施例の分解の模式図である。第4の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きカバー133を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きカバー133は、第1のケース11に設けられ、ガス抜きカバー133の開口は、下に向かう。このように、ガスは、スリット131及びガス抜きカバー133を介してリレーから排出することができるとともに、ガス抜きカバー133から排出したガスは、下方に向かって噴出しており、このリレー付近の他の電子デバイスに影響を与えることはない。
【0317】
勿論、ガス抜きカバー133は、第2のケース12に設けられても良く、又は、第1のケース11と第2のケース12のいずれもガス抜きカバー133が設けられている。
【0318】
図61に示すように、
図61は、本発明におけるハウジング1の第5の実施例の分解の模式図である。第5の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きグリル134を含み、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きグリル134は、第1のケース11に設けられている。勿論、ガス抜きグリル134は、第2のケース12に設けられてもよく、又は、第1のケース11と第2のケース12とのいずれもガス抜きグリル134が設けられている。
【0319】
ガスは、スリット131及びガス抜きグリル134を介してリレーから排出することができる。ガスがガス抜きグリル134を通過すると、ガス抜きグリル134はガスの流れをより緩やかにすることができ、排出されたガスがリレー付近の他の電子部品に影響を与えることを回避することができる。
【0320】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは例を挙げて説明しない。
【0321】
以上のように、本発明の実施形態に係るリレーの利点と有益な効果は、少なくとも以下を含む。
【0322】
本発明の実施例のリレーは、接続部品212に圧力逃しバルブアセンブリ5を設置することで、超圧力ガスを逃がすことによって、さらに、接点アセンブリ3が短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーは接触チャンバ27内部の高温によりガスの急激な膨張による密封チャンバの爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0323】
また、本発明の実施例のリレーのハウジング1は、放出ガスをタイムリーに排出することができるとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染を与えることを回避することができる非密封構造として設計されている。
【0324】
なお、
図62-76を参照し、本発明の実施例は、関連技術に存在する爆発しやすい問題を解決するために、安全性を改善することができるリレーを提供する。
【0325】
本発明の実施例におけるリレーは、容器と、接点アセンブリと、駆動アセンブリと、圧力逃しバルブアセンブリとを備える。容器は、絶縁カバーと、第1のヨーク板と、金属カバーとを備え、前記絶縁カバーと前記第1のヨーク板とは、接続されて接触チャンバを形成し、前記金属カバーと前記第1のヨーク板とは、接続されて駆動チャンバを形成し、前記第1のヨーク板は、貫通孔を有し、前記接触チャンバは、前記貫通孔を介して前記駆動チャンバに連通し、前記金属カバーは、圧力逃がし孔を有し、前記圧力逃がし孔は、前記駆動チャンバに連通し、接点アセンブリは、一対の固定接点引出端と可動接触子とを備え、前記固定接点引出端は、前記絶縁カバーに設けられ、前記固定接点引出端の一端は、前記接触チャンバに進入し、前記可動接触子は、前記接触チャンバ内に設けられ、駆動されることにより一対の前記固定接点引出端との接触又は離間をそれぞれ行うために使用され、前記駆動アセンブリは、プッシュロッドユニットを備え、前記プッシュロッドユニットは、前記貫通孔に可動に穿設され、前記プッシュロッドユニットの一端は、前記接触チャンバ内に進入し、前記可動接触子に接続され、他端は、前記駆動チャンバ内に進入し、圧力逃しバルブアセンブリは、前記金属カバーに設けられ、前記容器内のガス圧がある閾値よりも小さい場合に前記圧力逃がし孔を閉鎖し、前記容器内のガス圧がある閾値以上である場合に突き破られて前記圧力逃がし孔を開放するために使用される。
【0326】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記金属カバーに一体に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0327】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記金属カバーと別体に設けられ、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0328】
本発明のいくつかの実施例により、前記金属カバーは、内壁面と外壁面とを有し、前記バルブプレートは、前記内壁面及び/又は前記外壁面に設けられている。
【0329】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、移行部品を備え、前記バルブプレートは、前記移行部品を介して前記金属カバーに接続されている。
【0330】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、保護カバーを備え、前記保護カバーは、前記金属カバーに接続され、前記バルブプレートの外表面にカバーして設けられ、前記保護カバーは、通気孔を有する。
【0331】
本発明のいくつかの実施例により、前記金属カバーは、底壁と、側壁とを備え、
底壁に前記圧力逃がし孔が設けれており、
前記側壁は、前記底壁の縁を取り囲み、前記第1のヨーク板の方向に延在し、前記第1のヨーク板に接続されている。
【0332】
本発明のいくつかの実施例により、前記駆動アセンブリは、さらに、電磁石ユニットを備え、
電磁石ユニットは、前記第1のヨーク板の前記絶縁カバーから離れる側に設けられ、前記プッシュロッドユニットは、前記電磁石ユニットと駆動に接続されている。
【0333】
本発明のいくつかの実施例により、前記電磁石ユニットは、コイルボビンと、コイルと、固定鉄心と、可動鉄心と、第1の弾性部品とを備え、
前記コイルボビンは、中空筒状をなし、前記金属カバーは、前記コイルボビンに穿設され、
コイルは、前記コイルボビンを取り囲み、
固定鉄心は、前記金属カバー内に固定されて設けられ、前記固定鉄心の一部が前記貫通孔に進入し、前記固定鉄心は、第1の穿孔を有し、前記第1の穿孔は、前記貫通孔の位置に対応して設けられ、前記プッシュロッドユニットがそれに穿設されるために使用され、
前記可動鉄心は、前記金属カバー内に移動可能に設けられ、前記固定鉄心に対向して設けられ、前記可動鉄心は、前記プッシュロッドユニットに接続され、前記コイルが通電する時に、前記固定鉄心により吸引されるために使用され、
第1の弾性部品は、前記固定鉄心と前記可動鉄心との間に設けられ、前記コイルの電源が切られているとき、前記可動鉄心をリセットさせるために使用される。
【0334】
本発明のいくつかの実施例により、前記リレーは、ハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、中空チャンバを有し、
前記容器と前記駆動アセンブリと前記圧力逃しバルブアセンブリとは、前記中空チャンバ内に設けられている。
【0335】
本発明のいくつかの実施例により、前記ハウジングは、第1のケースと、第2のケースとを備え
第2のケースは、前記第1のケースに着脱可能に接続され、前記第1のケース及び/又は前記第2のケースにガス抜き構造が設けられ、前記ガス抜き構造は、前記中空チャンバに連通する。
【0336】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、スリットを備え、前記スリットは、前記第1のケースと前記第2のケースとの間に形成される。
【0337】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、ガス抜き孔及び/又はガス抜きカバー及び/又はガス抜きグリルを備える。
【0338】
本発明のいくつかの実施例により、前記中空チャンバは、前記ハウジングの外部に連通し。
【0339】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリの構造強度は、前記容器の構造強度よりも小さい。
【0340】
本発明のいくつかの実施例により、前記絶縁カバーは、セラミックカバーと、接続部品とを備え、
前記固定接点引出端は、前記セラミックカバーに設けられ、
前記接続部品の一端は、前記セラミックカバーの開口縁に接続され、他端は、前記第1のヨーク板に接続される。
【0341】
上記発明のうちの1つの実施例は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有する。
【0342】
本発明の実施例のリレーは、第1のヨーク板に圧力逃しバルブアセンブリを設けることで、超圧力ガスを逃がすために使用し、さらに、接点アセンブリが短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーはチャンバ内部の高温によるガスの急激な膨張によって密封チャンバの爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0343】
また、本発明の実施例のリレーのハウジングは、非密封構造として設計され、放出ガスをタイムリーに排出するとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染をもたらすことを回避することができる。
【0344】
背景技術で述べたように、関連技術のリレーの接触子システムは、大電流短絡の瞬間、又は過負荷遮断の瞬間、接触子密封キャビティは爆発しやすく、安全上の危険性がある。本発明者らは、研究の中で、接触子密封キャビティ内部の接触子が急激にアーク燃焼することにより、密封キャビティ内部に瞬間的に高温が発生し、それによって接触子密封キャビティ内の気圧が瞬間的に急激に上昇し、このとき接触子密封キャビティ内の気圧強度が接触子密封キャビティの構成部品の強度又は接続箇所の強度よりも大きいと、リレーの接触子密封キャビティは爆発しやすいことを発見した。
【0345】
図62及び
図63に示すように、
図62は、本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
図63は、
図62のE-Eの断面図である。本発明の実施例におけるリレーは、ハウジング1と、容器2と、接点アセンブリ3と、駆動アセンブリ4と、圧力逃しバルブアセンブリ5とを備える。ハウジング1は、中空チャンバ14を有し、中空チャンバ14は、ハウジング1の外部に連通する。容器2は、中空チャンバ14内に設けられ、容器2は、絶縁カバー21と、第1のヨーク板22と、金属カバー23と備え、絶縁カバー21と第1のヨーク板22とは、接続されて接触チャンバ27を形成し、金属カバー23と第1のヨーク板22とは、接続されて駆動チャンバ24を形成する。第1のヨーク板22は、貫通孔222を有し、接触チャンバ27は、貫通孔222を介して駆動チャンバ24に連通する。金属カバー23具は、圧力逃がし孔221を有し、圧力逃がし孔221は、金属カバー23のカバー壁を貫通し、駆動チャンバ24と中空チャンバ14とに連通する。接点アセンブリ3は、一対の固定接点引出端31と可動接触子32を備え、固定接点引出端31は、絶縁カバー21に設けられ、固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27に進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出する。可動接触子32は、接触チャンバ27内に設けられている。駆動アセンブリ4は、中空チャンバ14内に設けられ、駆動アセンブリ4は、プッシュロッドユニット42を有し、プッシュロッドユニット42は、貫通孔222に可動に穿設され、プッシュロッドユニット42の一端は、接触チャンバ27内に進入し、可動接触子32に接続され、他端は、駆動チャンバ24内に進入している。圧力逃しバルブアセンブリ5は、金属カバー23に設けられ、容器2内のガス圧がある閾値よりも小さい場合に圧力逃がし孔221を閉鎖し、容器2内のガス圧がある閾値以上である場合に突き破られて圧力逃がし孔221を開放するために使用される。圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、容器2の構造強度よりも小さく、正常動作状態では、容器2内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも小さく、異常動作状態では、容器2内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも大きい。なお、圧力逃しバルブアセンブリ5が圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、容器2の密封性を維持し、リレーの正常動作を保証する。勿論、他の実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5が圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、容器2は絶対的に密封されておらず、リレーが正常に動作することを保証すればよい。
【0346】
本発明の実施例のリレーでは、金属カバー23に圧力逃がしバルブアセンブリ5を設置することにより、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放する。接点アセンブリ3が正常動作状態にあり、容器2内のガス圧力の強度は閾値未満であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は容器2内の気圧圧力によって突き破られず、依然として圧力逃がし孔221を閉鎖した状態を維持し、リレーが正常に動作することを保証する。接点アセンブリ3が異常動作状態にある場合、容器2内のガス圧力の強度は閾値以上であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は容器2内のガス圧力によって突き破られ、容器2は圧力逃がし孔221を介してハウジング1の中空チャンバ14に連通し、さらに、容器2内のガス圧力は、圧力逃がし孔221を介して中空チャンバ14に放出し、最終的にはハウジング1の外部に放出することができる。すなわち、異常動作状態において、容器2内のガス圧力の強度が徐々に上昇する過程で、ガス圧力が先に圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破り、さらに、急激に上昇したガス圧力が圧力逃がし孔221を通って放出され、容器2内部の気圧が上昇し続けることがなく、容器2の構造強度に達することがなく、容器2の爆発を回避する。正常動作状態では、容器2内のガス圧は圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破ることはなく、圧力逃しバルブアセンブリ5は、依然として、圧力逃がし孔221を密封する役割を果たすことができる。
【0347】
なお、「正常動作状態」という用語は、リレーの電流が定格動作状態にあることを意味し、「異常動作状態」という用語は、接点アセンブリ3が大電流短絡の瞬間にあること、又は過負荷遮断などの瞬間を意味する。また、「閾値」という用語は、リレーが正常動作状態にある時の容器2内のガス圧力の強度よりもわずかに大きい圧力強度を表す。リレーの型番によっては閾値も調整に適しているが、容器2の構造強度より大きいことはできない。
【0348】
つまり、リレーが正常に動作している場合、容器2内のガス圧力はこの閾値に達しず、圧力逃しバルブアセンブリ5が突き破られない。リレーが異常動作状態にある場合、容器2内のガス圧力はこの閾値以上であり、圧力逃しバルブアセンブリ5はガスによって突き破られる。
【0349】
一実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、容器2の構造強度よりも小さい。このように、リレーが異常動作状態にあり、容器2内のガス圧が徐々に上昇する過程で、圧力逃しバルブアセンブリ5が容器2より先にガスによって突き破られる。
【0350】
なお、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度が容器2の構造強度よりも小さい設計は、両者の材料の違い及び/又は構造の違いによって行うことができる。例えば、圧力逃しバルブアセンブリ5と容器2の容器壁の材料とが同じである場合、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さを薄く設計することができ、且つ、容器2の容器壁より小さくすることができ、このように、温度が徐々に上昇したガスが圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5と容器2の容器壁の厚さが同じ場合、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミック製を採用することができるが、容器2は金属製を採用することができ、同様に、圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。又は、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さは薄く、セラミック製であり、容器2のチャンバ壁は厚く、金属製である。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度を接触容器2の構造強度よりも小さくするために他の適切な方法を採用することもでき、ここでは列挙しない。
【0351】
本実施例では、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さは、金属カバー23の壁の厚さよりも小さくてもよい。又は、圧力逃しバルブアセンブリ5はセラミック製、金属カバー23は金属製であってもよい。
【0352】
なお、本発明の実施例における用語「含む」及び「有する」及びそれらの任意の変形は、排他的ではない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、記載されたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、記載されていないステップ又はユニットも含むか、又は任意選択で、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はアセンブリも含む。
【0353】
なお、本発明の実施例に係るリレーは、ハウジング1を含まず、容器2、接点アセンブリ3、駆動アセンブリ4、及び圧力逃しバルブアセンブリ5を組み立てた後、電池パック、電気制御ボックスなどのアプリケーション製品に直接取り付けてもよい。
【0354】
次に、
図62及び
図63を参照し、接点アセンブリ3は、それぞれ電流の流入と電流の流出としての2つの固定接点引出端31と、1つの可動接触子32とを含む。可動接触子32は、直線片状であってもよく、可動接触子32の長手方向に沿って、駆動アセンブリ4の作用によって、駆動アセンブリ32の両端が2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触することができ、負荷のオンを実現することができる。固定接点引出端31の底部を固定接点とし、可動接触子32の長手方向の両端を可動接点とすることができる。可動接触子32の両端の可動接点は、可動接触子32の他の部分よりも突出してもよく、他の部分と面一であってもよい。
【0355】
なお、固定接点は、固定接点引出端31の底部に一体又は別体に設けられてもよく、可動接点は、可動接触子32の延在する長手方向の両端に一体又は別体に設けられてもよい。
【0356】
2つの固定接点引出端31は、絶縁カバー21に設けられ、例えば、絶縁カバー21の頂部に設けられている。そして、各固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27の内部に進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出している。固定接点引出端31の接触チャンバ27内部に進入した一端は、可動接触子32と接触するために用いられる。
【0357】
リレーは、また、接点アセンブリ3のアークを消弧するためにハウジング1の中空チャンバ14内に設置された消弧ユニット7を備える。
【0358】
この実施例では、消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71を含む。消弧磁石71は、永久磁石であってもよく、各消弧磁石71は、略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石71は、絶縁カバー21の両側にそれぞれ設けられ、可動接触子32の長手方向に沿って対向して設けられている。
【0359】
2つの消弧磁石71は、
図63に示すように、絶縁カバー21の左右両側にそれぞれ位置している。本実施例では、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性は逆である。すなわち、絶縁カバー21の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極であり、絶縁カバー21の右側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極である。
【0360】
勿論、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性も同極に設計することができ、例えば、絶縁カバー21の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極で右面はN極、絶縁カバー21の右側に位置する消弧磁石71の左面はN極で右面はS極である。
【0361】
このように、対向して設けられた消弧磁石71を2つ設けることにより、接点アセンブリ3の周囲に磁界を形成することができる。そのため、固定接点引出端31と可動接触子32との間に発生するアークは、磁場の作用により、いずれも互いに離れる方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0362】
消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71の位置に対応して配置された2つのヨーククリップ72をさらに含む。そして、2つのヨーククリップ72は、絶縁カバー21と2つの消弧磁石71とを取り囲んでいる。ヨーククリップ72が消弧磁石71を取り囲む設計により、消弧磁石71による磁場が外部へ拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避できる。ヨーククリップ72は、軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。
【0363】
容器2は、第1のヨーク板22と、絶縁カバー21と、金属カバー23とを備え、第1のヨーク板22は、中空チャンバ14内に設けられ、反対側に設けられた第1の側面223と、第2の側面224と、貫通孔222とを備え、貫通孔222は、第1の側面223及び第2の側面224を貫通する。
【0364】
絶縁カバー21は、第1の側面223に接続され、貫通孔222を被覆する。絶縁カバー21と第1のヨーク板22とは、接触チャンバ27を構成し、接触チャンバ27は、貫通孔222に連通し、接触チャンバ27は、固定接点引出端31及び可動接触子32を収容するために使用される。
【0365】
金属カバー23は、第2の側面224に接続され、貫通孔222を被覆する。金属カバー23と第1のヨーク板22とは、該駆動チャンバ24を構成し、駆動チャンバ24は、貫通孔222に連通し、駆動チャンバ24は、固定鉄心413及び可動鉄心414を収容するために使用される、以下で説明する。接触チャンバ27と駆動チャンバ24とは、貫通孔222を介して連通する。本実施例では、接触チャンバ27は、駆動チャンバ24と連通して密封チャンバを形成する。
【0366】
絶縁カバー21は、セラミックカバー211と、接続部品212とを含むことができ、2つの固定接点引出端31がセラミックカバー211に設けられている。セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22に接続されている。具体的には、接続部品212は、環状構造であってもよく、接続部品212の一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックカバー211の開口縁に接続されていてもよい。接続部品212の他端は、第1のヨーク板22の第1の側面223に接続されており、同様に、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってもよい。セラミックカバー211と第1のヨーク板22との間には接続部品212が設けられており、セラミックカバー211と第1のヨーク板22との接続を容易にすることができる。
【0367】
図63を参照し、駆動アセンブリ4は、電磁石ユニット41とプッシュロッドユニット42とを含み、電磁石ユニット41は、第1のヨーク板22の絶縁カバー21から離れる側に配置される。プッシュロッドユニット42は、電磁石ユニット41に駆動接続され、プッシュロッドユニット42は、駆動チャンバ24に移動可能に設けられ、貫通孔222を通過して可動接触子32に接続されている。
【0368】
電磁石ユニット41が通電すると、プッシュロッドユニット42を駆動して移動させることができ、さらに、可動接触子32を移動させて、固定接点引出端31との接触又は離間を行うことができる。
【0369】
電磁石ユニット41は、コイルボビン411と、コイル412と、固定鉄心413と、可動鉄心414とを備える。コイルボビン411は、中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー23は、コイルボビン411内に穿設されている。コイル412は、コイルボビン411を取り囲む。固定鉄心413は、金属カバー23内に固設されており、固定鉄心413の一部は、貫通孔222に進入している。固定鉄心413は、プッシュロッドユニット42が穿設されるための貫通孔222の位置に対応して設けられた第1の穿孔4131を有する。可動鉄心414は、金属カバー23内に移動可能に設けられ、固定鉄心413と対向して設けられ、可動鉄心414は、プッシュロッドユニット42に接続され、コイル412が通電すると固定鉄心413に吸引されるために使用される。可動鉄心414とプッシュロッドユニット42とは、ネジ接続、カシメ、溶接、又は他の方法で接続することができる。
【0370】
本実施例では、コイルボビン411は、樹脂材料で構成され、第1のフランジ部4111、中空円筒部4112及び第2のフランジ部4113を備え、第1のフランジ部4111と第2のフランジ部4113とは、中空円筒部4112の両端に設けられている。コイル412は、中空円筒部4112の外周を取り囲む。金属カバー23は、中空円筒部4112に穿設される。
【0371】
電磁石ユニット41は、第1の弾性部品415をさらに備え、第1の弾性部品415は、金属カバー23の内部に位置し、固定鉄心413と可動鉄心414との間に配置され、コイル412の電源が遮断されたときに可動鉄心414をリセットさせるために使用される。第1の弾性部品415は、スプリングであってもよく、プッシュロッドユニット42の外部にスリーブされていてもよい。
【0372】
リレーは、第2のヨーク板25及び一対の第3のヨーク板26をさらに備える。第2のヨーク板25と第1のヨーク板22とは、対向して設けられ、さらに、コイルボビン411は、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25との間に設けられ、即ち、第1のヨーク板22は、コイルボビン411の第1のフランジ部4111に接続され、第2のヨーク板25は、コイルボビン411の第2のフランジ部4113に接続されている。
【0373】
一対の第3のヨーク板26は、第2のヨーク板25の可動接触子32の長手方向に沿う両端にそれぞれ設けられ、第1のヨーク板22の方向に延び、第1のヨーク板22の可動接触子32の長手方向に沿う両端に接続されている。
【0374】
このように、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、コイル412を取り囲む。
【0375】
なお、第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、例えば、折り曲げ成形により一体構造とすることができる。第1のヨーク板22と一体成形された第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26は、別体構造であってもよい。
【0376】
リレーは、また、軟磁性材料からなる導磁ブッシュ416を含む。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。導磁ブッシュ416は、コイルボビン411の中空円筒部4112の下端の内周面と金属カバー23の外周面との間に形成された空隙に設け、このように、第1のヨーク板22、第2のヨーク板25、一対の第3のヨーク板26、固定鉄心413、可動鉄心414、及び導磁ブッシュ416が共に磁路を形成する。
【0377】
プッシュロッドユニット42は、U字型のブラケット421、ベース422、固定シート、プッシュロッド423、第2の弾性部品424、第1の導磁体425及び第2の導磁体426を備える。第1の導磁体425は、U字型のブラケット421に固定接続され、第1の導磁体425は、U字型のブラケット421の内側面に設けられている。第2の導磁体426は、可動接触子32に固定接続されている。ベース422と固定シート427とプッシュロッド423の上部は、一体射出成形により成形することができる。
【0378】
U字型のブラケット421の底部は固定シートに固定接続され、U字型のブラケット421とベース422はフレーム構造に囲まれ、可動接触子32、第1の導磁体425及び第2の導磁体426は、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に取り付けられている。さらに、第2の弾性部品424も、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に設けられ、第2の弾性部品424の一端がベース422に当接し、他端が可動接触子32に当接し、第2の弾性部品424は、可動接触子32と第2の導磁体426がベース422から離れて第1の導磁体425に近づく傾向があるように弾性力を与えることができる。プッシュロッド423は、第1のヨーク板22の貫通孔222と固定鉄心413の第1の穿孔4131に穿設され、さらに、プッシュロッド423の一端は、ベース422に固定接続され、プッシュロッド423の他端は、可動鉄心414に固定接続されている。
【0379】
なお、第2の弾性部品424はスプリングであってもよい。第1の導磁体425、第2の導磁体426は、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などの軟磁性材料を用いて作製することができる。
【0380】
プッシュロッド423が上向きに移動していないとき、第2の弾性部品424の作用を受けて、可動接触子32の頂面が第1の導磁体425に当接する。コイル412が通電してプッシュロッド423が上方に移動するように駆動されると、可動接触子32の両端は、2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触する。その後、プッシュロッド423は上に移動し続け、第1の導磁体425もプッシュロッド423に従って上に移動し続けたが、可動接触子32は2つの固定接点引出端31に既に接触しているため、可動接触子32は上に移動し続けることができず、接点のオーバトラベルを実現した。第2の弾性部品424からの弾性力により、第1の導磁体425の底面と可動接触子32の頂面との間に一定の隙間を形成し、それによって第1の導磁体425と第2の導磁体426との間に磁気隙間を存在させる。
【0381】
以下、
図64~
図70を参照して、圧力逃しバルブアセンブリ5が金属カバー23に設けられた異なる実施例を説明する。
【0382】
図64に示すように、
図64は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組立て後の第1の実施例の断面図である。金属カバー23は、底壁231と、側壁232とを備え、側壁232の一端は、底壁231の縁に接続され、他端は、第1のヨーク板22の方向に延在し、第1のヨーク板22の第2の側面224に接続されている。圧力逃しバルブアセンブリ5は、底壁231に設けられている。
【0383】
具体的に、金属カバー23の底壁231に圧力逃がし孔221が設けられている。圧力逃しバルブアセンブリ5は、バルブプレート51を備え、バルブプレート51は、金属カバー23と別体に設けられ、金属カバー23の底壁231に接続され、圧力逃がし孔221を被覆する。バルブプレート51が突き破られてない場合(即ち正常動作状態)、バルブプレート51は、圧力逃がし孔221を閉鎖し、シール役割を果たす。バルブプレート51が突き破られた場合(即ち異常動作状態)、駆動チャンバ24内のガスは、圧力逃がし孔221を介して放出することができる。
【0384】
バルブプレート51の構造強度は、容器2の構造強度よりも小さい。接点アセンブリ3が異常動作状態にあるとき、圧力が急激に上昇したガスは、先にバルブプレート51を突き破って、金属カバー23の圧力逃がし孔221から排出され、容器2内のガス圧力が上昇し続けず、容器2を保護する。
【0385】
一例として、バルブプレート51の構造強度は、金属カバー23の構造強度よりも小さい。
【0386】
なお、バルブプレート51は、金属材料又は非金属材料で作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維等を含むが、これらに限定されない。
【0387】
図64を参照し、バルブプレート51は、底壁231の内壁面に接続され、圧力逃がし孔221を被覆する。バルブプレート51は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などの方法で底壁231の内壁面に接続できる。
【0388】
図65に示すように、
図65は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第2の実施例の断面図である。第2の実施例と第1の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、底壁231の外壁面に接続され、圧力逃がし孔221を被覆する。
【0389】
なお、底壁231の内壁面と外壁面のいずれも、該バルブプレート51が設けられてもよい。
【0390】
図66に示すように、
図66は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第3の実施例の断面図である。第3の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、移行部品52を介して底壁231の内壁面に接続されている。
【0391】
具体的に、移行部品52は、略筒状、例えば円筒状を呈している。移行部品52の一端には径方向に沿って外向きに突出するフランジ522が設けられ、移行部品52の一端は、フランジ522を介して底壁231の内壁面に接続され、移行部品52の他端は、バルブプレート51に接続されている。
【0392】
勿論、移行部品52の一端は、フランジ522を介してバルブプレート51に接続され、他端は、底壁231の内壁面に接続されてもよい。又は、移行部品52は、フランジが設けずストレート構造を成す。ストレート構造の移行部品52の両端は、底壁231とバルブプレート51とにそれぞれ接続されている。
【0393】
なお、バルブプレート51と移行部品52の間と、移行部品52と底壁231の間のいずれも、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などの方法で接続できる。
【0394】
図67に示すように、
図67は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第4の実施例の断面図である。第4の実施例と第3の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、移行部品52を介して底壁231の外壁面に接続されている。
【0395】
図68に示すように、
図68は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第5の実施例の断面図である。第5の実施例と第3の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、移行部品52が片体を成し、移行部品52は、第2の穿孔521を有し、第2の穿孔521は、圧力逃がし孔221に対応して設けられる。
【0396】
図69に示すように、
図69は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第6の実施例の断面図である。第6の実施例と第5の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、移行部品52を介して底壁231の外壁面に接続されている。
【0397】
なお、バルブプレート51は、金属カバー23の底壁231と別体に設けられる場合、バルブプレート51は、底壁231の内壁面に設けられてもよく、底壁231の外壁面に設けられてもよい。バルブプレート51が底壁231の内壁面に設けられた場合、底壁231がバルブプレート51に対して支持力を与え、バルブプレート51を底壁231に押圧するためにバルブプレート51の第1の側面511に容器2内のガス圧を作用させることができる。バルブプレート51が底壁231の外壁面に設けられている場合、底壁23はバルブプレート51に支持力を与えることができないため、バルブプレート51と底壁231との接続方法に対してより高い要求がなされる。
【0398】
図70に示すように、
図70は、本発明における金属カバー23とバルブプレート51の組み立てた第7の実施例の断面図である。第7の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、バルブプレート51は、底壁231に一体に設けられ、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。
【0399】
具体的に、底壁231は、内壁面と外壁面を備え、バルブプレート51は、反対側に設けられた第1の側面511と第2の側面512を有する。第1の側面511は、圧力逃がし孔221の孔壁に接続され、第2の側面512は、底壁231の外壁面と面一する。
【0400】
なお、底壁231とバルブプレート21の両側の表面との位置関係は、バルブプレート51の第1の側面511が底壁231の内壁面に面一し、第2の側面512が圧力逃がし孔221の孔壁に接続され、又は、第1の側面511と底壁231の内壁面とは、一定距離を隔て、第2の側面512と底壁231の外壁面とは、一定距離を隔てている。つまり、バルブプレート51の2つの側面のいずれも、底壁231の内外壁面に面一していない。
【0401】
図71に示すように、
図71は、本発明の実施例における保護カバー53が金属カバーに取り付けられた断面図である。圧力逃しバルブアセンブリ5は、保護カバー53をさらに備え、保護カバー53は、金属カバー23に接続され、バルブプレート51の外表面にカバーして設けられる。保護カバー53は、通気孔531を有し、ガスは、通気孔531を介してバルブプレート51に作用することができる。
【0402】
なお、保護カバー53は、金属カバー23の外壁面に設けられてもよい。
【0403】
本実施例では、保護カバー53を増設することにより、異常動作状態においてガスがバルブプレート51を突き破ることを影響しないとともに、金属カバー23を輸送又は取り付けている間にバルブプレート51を保護し、バルブプレート51が外物に突き破られることを回避することができる。
【0404】
なお、保護カバー53は、金属材料又は非金属材料から作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維、プラスチック等を含むが、これらに限定されない。
【0405】
保護カバー53は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着、係止などの方法で金属カバー23に接続されることができる
図72に示すように所示、
図72は、本発明におけるハウジング1の第1の実施例の分解の模式図である。本発明の実施例におけるハウジング1は、第1のケース11と第2のケース12とを備え、第2のケース12は、第1のケース11に着脱可能に接続され、第1のケース11及び/又は第2のケース12にガス抜き構造13が設けられており、ガス抜き構造13は、中空チャンバ14に連通する。
【0406】
ガス抜き構造13を設けることで、本発明の実施例におけるハウジング1が非密封構造であり、ガスは、接触チャンバ27の内部から圧力逃がし孔221を介して排出した後にハウジング1の中空チャンバ14に入り、さらに、ガス抜き構造13を介してハウジング1の外部に排出する。
【0407】
また、本発明の実施例のハウジング1は、接触チャンバ27内で発生したガス噴出物が放出瞬間にリレーの外部に直接排出されるのを阻止し、リレー付近の他の電子部品の汚染を回避することもできる。ここで、ガス噴出物は、接点アセンブリ3の金属材料がアーク高温アブレーション、揮発により発生する。
【0408】
図72を参照し、ガス抜き構造13は、スリット131を備え、スリット131は、第1のケース11と第2のケース12との間に形成されている。ガスは、第1のケース11と第2のケース12との間のスリット131を介してリレーから排出することができる。
【0409】
本実施例では、スリット131は、ハウジング1の底部に位置する。
【0410】
図73に示すように、
図73は、本発明におけるハウジング1の第2の実施例の分解の模式図である。第2の実施例のハウジング1と第1の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点は、スリット131がハウジング1の高さ方向の中央領域に位置することである。
【0411】
図74に示すように、
図74は、本発明におけるハウジング1の第3の実施例の分解の模式図である。第3の実施例のハウジング1と第2の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜き孔132を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜き孔132は、第2のケース12に形成されている。ガスは、スリット131及びガス抜き孔132を介してリレーから排出することができる。勿論、ガス抜き孔132は、第1のケース11に設けられてよい。
【0412】
図75に示すように、
図75は、本発明におけるハウジング1の第4の実施例の分解の模式図である。第4の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きカバー133を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きカバー133は、第1のケース11に設けられ、ガス抜きカバー133の開口は、下に向かう。このように、ガスは、スリット131及びガス抜きカバー133を介してリレーから排出することができるとともに、ガス抜きカバー133から排出したガスは、下方に向かって噴出しており、このリレー付近の他の電子デバイスに影響を与えることはない。
【0413】
勿論、ガス抜きカバー133は、第2のケース12に設けられても良く、又は、第1のケース11と第2のケース12のいずれも、ガス抜きカバー133が設けられている。
【0414】
図76に示すように、
図76は、本発明におけるハウジング1の第5の実施例の分解の模式図である。第5の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きグリル134を含み、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きグリル134は、第1のケース11に設けられている。勿論、ガス抜きグリル134は、第2のケース12に設けられてもよく、又は、第1のケース11と第2のケース12とのいずれもガス抜きグリル134が設けられている。
【0415】
ガスは、スリット131及びガス抜きグリル134を介してリレーから排出することができる。ガスがガス抜きグリル134を通過すると、ガス抜きグリル134は、ガスの流れをより緩やかにすることができ、排出されたガスがリレー付近の他の電子部品に影響を与えることを回避することができる。
【0416】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは例を挙げて説明しない。
【0417】
以上のように、本発明の実施形態に係るリレーの利点と有益な効果は、少なくとも以下を含む。
【0418】
本発明の実施例のリレーは、金属カバー23に圧力逃しバルブアセンブリ5を設置することで、超圧力ガスを逃がすことによって、さらに、接点アセンブリ3が短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーはチャンバ内部の高温によりガスの急激な膨張によるチャンバ体の爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0419】
また、本発明の実施例のリレーのハウジング1は、放出ガスをタイムリーに排出することができるとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染を与えることを回避することができる非密封構造として設計されている。
【0420】
なお、
図77~92を参照し、本発明の実施例は、関連技術に存在する爆発しやすい問題を解決するために、安全性を改善することができるリレーを提供する。
【0421】
本発明の実施例におけるリレーは、接触容器と、接点アセンブリと、圧力逃しバルブアセンブリとを備える。接触容器は、セラミックカバーと、第1のヨーク板とを備え、前記セラミックカバーと前記第1のヨーク板とは、接触チャンバを構成し、前記セラミックカバーは、圧力逃がし孔を有し、前記圧力逃がし孔は、前記接触チャンバに連通し、接点アセンブリは、一対の固定接点引出端と、可動接触子とを備え、前記固定接点引出端は、前記セラミックカバーに設けられ、前記固定接点引出端の一端は、前記接触チャンバに進入し、前記可動接触子は、前記接触チャンバ内に設けられ、駆動されることにより一対の前記固定接点引出端との接触又は離間をそれぞれ行うために使用され、圧力逃しバルブアセンブリは、前記セラミックカバーに設けられ、前記接触チャンバ内のガス圧が閾値よりも小さい場合に前記圧力逃がし孔を閉鎖し、前記接触チャンバ内のガス圧が閾値以上である場合に突き破られて前記圧力逃がし孔を開放する。
【0422】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記セラミックカバーに一体に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0423】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、バルブプレートを備え、前記バルブプレートは、前記セラミックカバーと別体に設けられ、前記圧力逃がし孔に設けられ、前記圧力逃がし孔を閉鎖又は開放するために使用される。
【0424】
本発明のいくつかの実施例により、前記セラミックカバーは、内壁面と外壁面とを有し、前記バルブプレートは、前記内壁面及び/又は前記外壁面に設けられている。
【0425】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、移行部品を備え、前記バルブプレートは、前記移行部品を介して前記セラミックカバーに接続されている。
【0426】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリは、さらに、保護カバーを備え、前記保護カバーは、前記セラミックカバーに接続され、前記バルブプレートの外表面にカバーして設けられ、前記保護カバーは、通気孔を有する。
【0427】
本発明のいくつかの実施例により、前記セラミックカバーは、頂壁と、側壁とを備え、
前記固定接点引出端は、前記頂壁に設けられ、
前記側壁は、前記頂壁の縁を囲んで設けられ、前記第1のヨーク板の方向に延在し、前記第1のヨーク板に接続され、
ここで、前記頂壁及び/又は前記側壁に前記圧力逃がし孔が設けられている。
【0428】
本発明のいくつかの実施例により、前記リレーは、ハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、中空チャンバを有し、
前記接触容器と前記圧力逃しバルブアセンブリとは、前記中空チャンバに設けられている。
【0429】
本発明のいくつかの実施例により、前記ハウジングは、第1のケースと、第2のケースとを備え
第2のケースは、前記第1のケースに着脱可能に接続され、前記第1のケース及び/又は前記第2のケースにガス抜き構造が設けられ、前記ガス抜き構造は、前記中空チャンバに連通する。
【0430】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、スリットを備え、前記スリットは、前記第1のケースと前記第2のケースとの間に形成される。
【0431】
本発明のいくつかの実施例により、前記ガス抜き構造は、ガス抜き孔及び/又はガス抜きカバー及び/又はガス抜きグリルを備える。
【0432】
本発明のいくつかの実施例により、前記中空チャンバは、前記ハウジングの外部に連通し。
【0433】
本発明のいくつかの実施例により、前記圧力逃しバルブアセンブリの構造強度は、前記接触容器の構造強度よりも小さい。
【0434】
本発明のいくつかの実施例により、前記接触容器は、さらに、接続部品を備え、前記セラミックカバーは、前記接続部品を介して前記第1のヨーク板に接続されている。
【0435】
上記発明のうちの1つの実施例は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有する。
【0436】
本発明の実施例のリレーは、セラミックカバーに圧力逃しバルブアセンブリを設けることで、超圧力ガスを逃がすために使用し、さらに、接点アセンブリが短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーは接触チャンバ内部の高温によるガスの急激な膨張によって密封チャンバの爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。また、セラミックカバーにバルブプレートを設置する利点は、セラミックが高強度、高硬度の特徴を持っているため、圧力逃しバルブアセンブリに安定した信頼性のあるベースを提供することに相当し、これにより、圧力逃しバルブアセンブリがセラミックカバーの変形によって容易に歪むことがなく、圧力逃しバルブアセンブリの早期失効を回避することである。
【0437】
また、本発明の実施例のリレーのハウジングは、放出ガスをタイムリーに排出することができるとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染を与えることを回避することができる非密封構造として設計されている。
【0438】
背景技術で述べたように、関連技術のリレーの接触子システムは、大電流短絡の瞬間、又は過負荷遮断の瞬間、接触子密封キャビティは爆発しやすく、安全上の危険性がある。本発明者らは、研究の中で、接触子密封キャビティ内部の接触子が急激にアーク燃焼することにより、密封キャビティ内部に瞬間的に高温が発生し、それによって接触子密封キャビティ内の気圧が瞬間的に急激に上昇し、このとき接触子密封キャビティ内の気圧強度が接触子密封キャビティの構成部品の強度又は接続箇所の強度よりも大きいと、リレーの接触子密封キャビティは爆発しやすいことを発見した。
【0439】
図77及び
図78に示すように、
図77は、本発明の実施例におけるリレーの上面図である。
図78は、
図77のF-Fの断面図である。本発明の実施例におけるリレーは、ハウジング1と、接触容器2と、接点アセンブリ3と、駆動アセンブリ4と、圧力逃しバルブアセンブリ5とを備える。ハウジング1は、中空チャンバ14を有し、中空チャンバ14は、ハウジング1の外部に連通する。接触容器2は、中空チャンバ14内に設けられ、接触容器2は、セラミックカバー211と、第1のヨーク板22とを備え、セラミックカバー211と第1のヨーク板22とは、接触チャンバ27を構成する。セラミックカバー211は、圧力逃がし孔221を有し、圧力逃がし孔221は、該接触チャンバ27と、中空チャンバ14とに連通する。接点アセンブリ3は、一対の固定接点引出端31及び可動接触子32を備え、固定接点引出端31は、セラミックカバー211に設けられ、固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27に進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出する。可動接触子32は、接触チャンバ27内に設けられ、駆動により一対の固定接点引出端31との接触又は離間をそれぞれ行う。駆動アセンブリ4は、中空チャンバ14内に設けられ、可動接触子32に接続され、可動接触子32の移動を駆動して、可動接触子32の両端と一対の固定接点引出端31との接触又は離間をそれぞれ実現する。圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミックカバー211に設けられ、接触チャンバ27内のガス圧がある閾値よりも小さい場合に圧力逃がし孔221を閉鎖し、接触チャンバ27内のガス圧がある閾値以上である場合に突き破られて圧力逃がし孔221を開放するために使用される。圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、接触容器2の構造強度よりも小さく、正常動作状態では、接触チャンバ2内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも小さく、異常動作状態では、接触チャンバ27内のガス圧の強度の最大値が圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度よりも大きい。なお、一実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5が圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、接触チャンバ27の密封性を維持し、リレーの正常動作を保証する。勿論、他の実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5が圧力逃がし孔221を閉鎖する場合、接触チャンバ27は絶対的に密封されておらず、リレーが正常に動作することを保証すればよい。
【0440】
本発明の実施例のリレーでは、セラミックカバー21に圧力逃がしバルブアセンブリ5を設置することにより、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放する。接点アセンブリ3が正常動作状態にあり、接触チャンバ27内のガス圧力の強度は閾値未満であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は接触チャンバ27内の気圧圧力によって突き破られず、依然として圧力逃がし孔221を閉鎖した状態を維持し、リレーが正常に動作する。接点アセンブリ3が異常動作状態にある場合、接触チャンバ27内のガス圧力の強度は閾値以上であり、これにより、圧力逃しバルブアセンブリ5は接触チャンバ27内のガス圧力によって突き破られ、接触チャンバは圧力逃がし孔221を介してハウジング1の中空チャンバ14に連通し、さらに、接触チャンバ内のガス圧力は、圧力逃がし孔221を介して中空チャンバ14に放出し、最終的にはハウジング1の外部に放出することができる。すなわち、異常動作状態において、接触チャンバ27内のガス圧力の強度が徐々に上昇する過程で、ガス圧力が先に圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破り、さらに、急激に上昇したガス圧力が圧力逃がし孔221を通過して放出され、接触チャンバ27内部の気圧が上昇し続けることがなく、接触容器2の構造強度に達することがなく、接触容器2の爆発を回避する。正常動作状態では、接触チャンバ27内のガス圧は圧力逃しバルブアセンブリ5を突き破ることはなく、圧力逃しバルブアセンブリ5は、依然として、圧力逃がし孔221を密封する役割を果たすことができる。
【0441】
なお、「正常動作状態」という用語は、リレーの電流が定格動作状態にあることを意味し、「異常動作状態」という用語は、接点アセンブリ3が大電流短絡の瞬間にあること、又は過負荷遮断などの瞬間を意味する。また、「閾値」という用語は、リレーが正常動作状態にある時の接触容器2内のガス圧力の強度よりもわずかに大きい圧力強度を表す。リレーの型番によっては閾値も調整に適しているが、接触容器2の構造強度より大きいことはできない。
【0442】
つまり、リレーが正常に動作している場合、接触容器2内のガス圧力はこの閾値に達せず、圧力逃しバルブアセンブリ5が突き破られない。リレーが異常動作状態にある場合、接触容器2内のガス圧力はこの閾値以上であり、圧力逃しバルブアセンブリ5はガスによって突き破られる。
【0443】
一実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度は、接触容器2の構造強度よりも小さい。このように、リレーが異常動作状態にあり、接触容器2内のガス圧が徐々に上昇する過程で、圧力逃しバルブアセンブリ5が接触容器2より先にガスによって突き破られる。
【0444】
なお、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度が接触容器2の構造強度よりも小さい設計は、両者の材料の違い及び/又は構造の違いによって行うことができる。例えば、圧力逃しバルブアセンブリ5と接触容器2の容器壁の材料とが同じである場合、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さを薄く設計することができ、且つ、接触容器2の容器壁より小さくすることができ、このように、温度が徐々に上昇したガスが圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5と接触容器2の容器壁の厚さが同じ場合、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミック製を採用することができるが、接触容器2は金属製を採用することができ、同様に、圧力逃しバルブアセンブリ5を先に突き破る。又は、圧力逃しバルブアセンブリ5の厚さは薄く、セラミック製であり、接触容器2のチャンバ壁は厚く、金属製である。勿論、圧力逃しバルブアセンブリ5の構造強度を接触容器2の構造強度よりも小さくするために他の適切な方法を採用することもでき、ここでは列挙しない。
【0445】
なお、本発明の実施例における用語「含む」及び「有する」及びそれらの任意の変形は、排他的ではない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、記載されたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、記載されていないステップ又はユニットも含むか、又は任意選択で、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はアセンブリも含む。
【0446】
なお、本発明の実施例に係るリレーは、ハウジング1を含まず、接触容器2、接点アセンブリ3、駆動アセンブリ4、及び圧力逃しバルブアセンブリ5を組み立てた後、電池パック、電気制御ボックスなどのアプリケーション製品に直接取り付けてもよい。
【0447】
次に、
図77~
図78を参照し、接点アセンブリ3は、それぞれ電流の流入と電流の流出としての2つの固定接点引出端31と、1つの可動接触子32とを含む。可動接触子32は、直線片状であってもよく、可動接触子32の長手方向に沿って、駆動アセンブリ4の作用によって、駆動アセンブリ32の両端が2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触することができ、負荷のオンを実現することができる。固定接点引出端31の底部を固定接点とし、可動接触子32の長手方向の両端を可動接点とすることができる。可動接触子32の両端の可動接点は、可動接触子32の他の部分よりも突出してもよく、他の部分と面一であってもよい。
【0448】
なお、固定接点は、固定接点引出端31の底部に一体又は別体に設けられてもよく、可動接点は、可動接触子32の延在する長手方向の両端に一体又は別体に設けられてもよい。
【0449】
2つの固定接点引出端31は、セラミックカバー211に設けられ、例えば、セラミックカバー211の頂部に設けられている。そして、各固定接点引出端31の一端は、接触チャンバ27の内部に進入し、他端は、ハウジング1の外表面から露出している。固定接点引出端31の接触チャンバ27内部に進入した一端は、可動接触子32と接触するために用いられる。
【0450】
リレーは、また、接点アセンブリ3のアークを消弧するためにハウジング1の中空チャンバ14内に設置された消弧ユニット7を備える。
【0451】
この実施例では、消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71を含む。消弧磁石71は、永久磁石であってもよく、各消弧磁石71は、略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石71は、接触容器2の両側にそれぞれ設けられ、可動接触子32の長手方向に沿って対向して設けられている。
【0452】
2つの消弧磁石71は、
図78に示すように、セラミックカバー211の左右両側にそれぞれ位置している。本実施例では、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性は逆である。すなわち、接触容器2の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極であり、接触容器2の右側に位置する消弧磁石71の左面はS極であり、右面はN極である。
【0453】
勿論、2つの消弧磁石71が互いに対向する面の極性も同極に設計することができ、例えば、セラミックカバー211の左側に位置する消弧磁石71の左面はS極で右面はN極、セラミックカバー211の右側に位置する消弧磁石71の左面はN極で右面はS極である。
【0454】
このように、対向して設けられた消弧磁石71を2つ設けることにより、接点アセンブリ3の周囲に磁界を形成することができる。そのため、固定接点引出端31と可動接触子32との間に発生するアークは、磁場の作用により、いずれも互いに離れる方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0455】
消弧ユニット7は、2つの消弧磁石71の位置に対応して配置された2つのヨーククリップ72をさらに含む。そして、2つのヨーククリップ72は、接触容器2と2つの消弧磁石71とを取り囲んでいる。ヨーククリップ72が消弧磁石71を取り囲む設計により、消弧磁石71による磁場が外部へ拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避できる。ヨーククリップ72は、軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。
【0456】
接触容器2は、第1のヨーク板22と、セラミックカバー211と、接続部品212とを備える。第1のヨーク板22は、中空チャンバ14内に設けられ、反対側に設けられた第1の側面223及び第2の側面224と、貫通孔222とを備え、貫通孔222は、第1の側面223及び第2の側面224を貫通する。
【0457】
セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22の第1の側面223に接続され、貫通孔222を被覆する。セラミックカバー211と、接続部品212と、第1のヨーク板22とは、該接触チャンバ27として共に囲み、接触チャンバ27は、貫通孔222を貫通し、接触チャンバ27は、一部の固定接点引出端31及び可動接触子32を収容するために使用される。
【0458】
リレーは、金属カバー23をさらに備え、金属カバー23は、第1のヨーク板22の第2の側面224に接続され、貫通孔222を被覆している。金属カバー23と第1のヨーク板22とは、駆動チャンバ24を構成し、駆動チャンバ24は、貫通孔222に連通し、駆動チャンバ24は、固定鉄心413及び可動鉄心414を収容するために使用され、以下で説明する。接触チャンバ27は、駆動チャンバ24と貫通孔222を介して連通する。本実施例では、接触チャンバ27と駆動チャンバ24とは、連通して密封チャンバを形成する。
【0459】
セラミックカバー211は、接続部品212を介して第1のヨーク板22に接続されている。具体的には、接続部品212は、環状構造であってもよく、接続部品212の一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックカバー211の開口縁に接続されていてもよい。接続部品212の他端は、第1のヨーク板22の第1の側面223に接続されており、同様に、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってもよい。セラミックカバー211と第1のヨーク板22との間には接続部品212が設けられており、セラミックカバー211と第1のヨーク板22との接続を容易にすることができる。
【0460】
図78を参照し、駆動アセンブリ4は、電磁石ユニット41とプッシュロッドユニット42とを含み、電磁石ユニット41は、第1のヨーク板22のセラミックカバー211から離れる側に配置される。プッシュロッドユニット42は、電磁石ユニット41に駆動接続され、プッシュロッドユニット42は、駆動チャンバ24に移動可能に設けられ、貫通孔222を通過して可動接触子32に接続されている。
【0461】
電磁石ユニット41が通電すると、プッシュロッドユニット42を駆動して移動させることができ、さらに、可動接触子32を移動させて、固定接点引出端31との接触又は離間を行うことができる。
【0462】
電磁石ユニット41は、コイルボビン411と、コイル412と、固定鉄心413と、可動鉄心414とを備える。コイルボビン411は、中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー23は、コイルボビン411内に穿設されている。コイルは、コイルボビン411を取り囲む。固定鉄心413は、金属カバー23内に固設されており、固定鉄心413の一部は、貫通孔222に進入している。固定鉄心413は、プッシュロッドユニット42が穿設されるための貫通孔222の位置に対応して設けられた第1の穿孔4131を有する。可動鉄心414は、金属カバー23内に移動可能に設けられ、固定鉄心413と対向して設けられ、可動鉄心414は、プッシュロッドユニット42に接続され、コイル412が通電すると固定鉄心413に吸引されるために使用される。可動鉄心414とプッシュロッドユニット42とは、ネジ接続、カシメ、溶接、又は他の方法で接続することができる。
【0463】
本実施例では、コイルボビン411は、樹脂材料で構成され、第1のフランジ部4111、中空円筒部4112及び第2のフランジ部4113を備え、第1のフランジ部4111と第2のフランジ部4113とは、中空円筒部4112の両端に設けられている。コイル412は、中空円筒部4112の外周を取り囲む。金属カバー23は、中空円筒部4112に穿設される。
【0464】
電磁石ユニット41は、第1の弾性部品415をさらに備え、第1の弾性部品415は、金属カバー23の内部に位置し、固定鉄心413と可動鉄心414との間に配置され、コイル412の電源が遮断されたときに可動鉄心414をリセットさせるために使用される。第1の弾性部品415は、スプリングであってもよく、プッシュロッドユニット42の外部にスリーブされていてもよい。
【0465】
リレーは、第2のヨーク板25及び一対の第3のヨーク板26をさらに備える。第2のヨーク板25と第1のヨーク板22とは、対向して設けられ、さらに、コイルボビン411は、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25との間に設けられ、即ち、第1のヨーク板22は、コイルボビン411の第1のフランジ部4111に接続され、第2のヨーク板25は、コイルボビン411の第2のフランジ部4113に接続されている。
【0466】
一対の第3のヨーク板26は、第2のヨーク板25の可動接触子32の長手方向に沿う両端にそれぞれ設けられ、第1のヨーク板22の方向に延び、第1のヨーク板22の可動接触子32の長手方向に沿う両端に接続されている。
【0467】
このように、第1のヨーク板22と第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、コイル412を取り囲む。
【0468】
なお、第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26とは、例えば、折り曲げ成形により一体構造とすることができる。第1のヨーク板22と一体成形された第2のヨーク板25と一対の第3のヨーク板26は、別体構造であってもよい。
【0469】
リレーは、また、軟磁性材料からなる導磁ブッシュ416を含む。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金等を含むが、これらに限定されない。導磁ブッシュ416は、コイルボビン411の中空円筒部4112の下端の内周面と金属カバー23の外周面との間に形成された空隙に設け、このように、第1のヨーク板22、第2のヨーク板25、一対の第3のヨーク板26、固定鉄心413、可動鉄心414、及び導磁ブッシュ416が共に磁路を形成する。
【0470】
プッシュロッドユニット42は、U字型のブラケット421、ベース422、固定シート427、プッシュロッド423、第2の弾性部品424、第1の導磁体425及び第2の導磁体426を備える。第1の導磁体425は、U字型のブラケット421に固定接続され、第1の導磁体425は、U字型のブラケット421の内側面に設けられている。第2の導磁体426は、可動接触子32に固定接続されている。ベース422と固定シートとプッシュロッド423の上部は、一体射出成形により成形することができる。
【0471】
U字型のブラケット421の底部は固定シート427に固定接続され、U字型のブラケット421とベース422はフレーム構造に囲まれ、可動接触子32、第1の導磁体425及び第2の導磁体426は、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に取り付けられている。さらに、第2の弾性部品424も、U字型のブラケット421とベース422とで囲まれたフレーム構造内に設けられ、第2の弾性部品424の一端がベース422に当接し、他端が可動接触子32に当接し、第2の弾性部品424は、可動接触子32と第2の導磁体426がベース422から離れて第1の導磁体425に近づく傾向があるように弾性力を与えることができる。プッシュロッド423は、第1のヨーク板22の貫通孔222と固定鉄心413の第1の第1の穿孔4131に穿設され、さらに、プッシュロッド423の一端は、ベース422に固定接続され、プッシュロッド423の他端は、可動鉄心414に固定接続されている。
【0472】
なお、第2の弾性部品424は、スプリングであってもよい。第1の導磁体425、第2の導磁体426は、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などの軟磁性材料を用いて作製することができる。
【0473】
プッシュロッド423が上向きに移動していないとき、第2の弾性部品424の作用を受けて、可動接触子32の頂面が第1の導磁体425に当接する。コイル412が通電してプッシュロッド423が上方に移動するように駆動されると、可動接触子32の両端は、2つの固定接点引出端31にそれぞれ接触する。その後、プッシュロッド423は上に移動し続け、第1の導磁体425もプッシュロッド423に従って上に移動し続けたが、可動接触子32は2つの固定接点引出端31に既に接触しているため、可動接触子32は上に移動し続けることができず、接点のオーバトラベルを実現した。第2の弾性部品424からの弾性力により、第1の導磁体425の底面と可動接触子32の頂面との間に一定の隙間を形成し、それによって第1の導磁体425と第2の導磁体426との間に磁気隙間を存在させる。
【0474】
図79に示すように、
図79は、本発明の実施例におけるリレーの分解の模式図である。本実施例では、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミックカバー211に設けられている。
【0475】
一実施形態では、圧力逃しバルブアセンブリ5は、バルブプレート51を備え、バルブプレート51は、セラミックカバー211と別体に設けられ、圧力逃がし孔221を閉鎖又は開放するために使用される。
【0476】
バルブプレート51の構造強度は、接触容器2の構造強度よりも小さい。接点アセンブリ3が異常動作状態にあるとき、圧力が急激に上昇したガスは、先にバルブプレート51を突き破って、セラミックカバー211の圧力逃がし孔221から排出され、接触容器2内のガス圧力が上昇し続けず、接触容器2を保護する。
【0477】
なお、バルブプレート51は、金属材料又は非金属材料で作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維等を含むが、これらに限定されない。
【0478】
勿論、バルブプレート51は、セラミックカバー211に一体に設けられ、圧力逃がし孔221を閉塞又は開放するために用いられてもよい。バルブプレート51とセラミックカバー211とが一体構造の場合、バルブプレート51とセラミックカバー211は、いずれもセラミック材料で作られる。
【0479】
図80に示すように、
図80は、本発明の第1の実施例におけるセラミックカバー211とバルブプレート51の組立て後の断面図である。本実施例では、セラミックカバー211は、頂壁2111と、側壁2112とを備え、固定接点引出端31は、頂壁2111に設けられ、圧力逃がし孔221は、頂壁2111に設けられている。側壁2112は、頂壁2111の縁を囲んで設けられ、第1のヨーク板22の方向に延在し、接続部品212に接続されている。バルブプレート51は、頂壁2111に設けられ、圧力逃がし孔221を被覆する。
【0480】
なお、バルブプレート51は、セラミックカバー211の内壁面に設けられてもよく、セラミックカバー211の外壁面に設けられてもよい。
【0481】
なお、バルブプレート51は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックカバー211の頂壁2111に接続されることができる。
【0482】
図81に示すように、
図81は、本発明の第2の実施例におけるセラミックカバー211とバルブプレート51の組立て後の断面図である。第2の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、圧力逃しバルブアセンブリ5は、移行部品52をさらに備え、バルブプレート51は、移行部品52を介してセラミックカバー211に接続されている。
【0483】
本実施例では、移行部品52は、片体であってもよい。
【0484】
移行部品52は、厚さ方向に開設された第2の穿孔521を有し、第2の穿孔521は、圧力逃がし孔221に連通する。バルブプレート51は、移行部品52に接続され、第2の穿孔521を被覆する。正常動作状態では、バルブプレート51は、第2の穿孔521と圧力逃がし孔221を閉鎖し、接触チャンバ27の密封状態を維持する。異常動作状態では、バルブプレート51は、ガスに突き破られ、接触チャンバ27が第2の穿孔521、圧力逃がし孔221を介して外部に連通する。
【0485】
なお、バルブプレート51と移行部品52の間、移行部品52とセラミックカバー211の間は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などの方法で接続できる。
【0486】
本実施例では、バルブプレート51と移行部品52のいずれも、セラミックカバー211の外壁面に設けられている。勿論、他の実施形態では、バルブプレート51と移行部品52とは、セラミックカバー211の内壁面に設けられてもよい。
【0487】
図82~
図84に示すように、
図82は、本発明の第3の実施例におけるセラミックカバー211とバルブプレート51の組立て後の断面図である。
図83は、本発明の第4の実施例におけるセラミックカバー211とバルブプレート51の組立て後の断面図である。
図84は、本発明の第5の実施例におけるセラミックカバー211とバルブプレート51の組立て後の断面図である。
【0488】
第3~第5の実施例と第2の実施例と同じである点が省略するが、相違点は、移行部品52の形状である。
【0489】
具体的に、
図82に示すように、第3の実施例における移行部品52は、略筒状、例えば円筒状を呈している。移行部品52の一端には径方向に沿って外向きに突出するフランジ522が設けられ、移行部品52の一端は、フランジ522を介してセラミックカバー211に接続され、移行部品52の他端は、バルブプレート51に接続されている。
【0490】
図83に示すように、第4の実施例における移行部品52は、略円筒状を呈し、ここで、移行部品52の一端は、フランジ522を介してバルブプレート51に接続され、他端は、セラミックカバー211に接続されている。
【0491】
図84に示すように、第5の実施例における移行部品52は、フランジを有しないストレート構造である。ストレート構造である移行部品52の両端は、それぞれセラミックカバー211及びバルブプレート51に接続されている。
【0492】
図85及び
図86に示すように、
図85は、本発明の第6の実施例におけるセラミックカバー211とバルブプレート51の組立て後の斜視図である。
図86は、本発明の第7の実施例におけるセラミックカバー211とバルブプレート51の組立て後の斜視図である。第6及び第7の実施例と上記の実施例と同じである点が省略するが、相違点として、圧力逃しバルブアセンブリ5は、セラミックカバー211の側壁2112に設けられている。
【0493】
本実施例では、セラミックカバー211の第1の側壁2112は、略直方体構造を形成している。ここで、圧力逃しバルブアセンブリ5は、直方体構造の長辺(
図85)に設けてもよいし、直方体構造の幅広辺(
図86)に設けてもよい。
【0494】
図87に示すように、
図87は、本発明の実施例における保護カバー53がセラミックカバーに取り付けられた断面図である。圧力逃しバルブアセンブリ5は、保護カバー53をさらに備え、保護カバー53は、セラミックカバー211に接続され、バルブプレート51の外表面にカバーして設けられている。保護カバー53は、通気孔531を有し、ガスは、通気孔531を介してバルブプレート51に作用することができる。
【0495】
なお、保護カバー53は、セラミックカバー211の外壁面に設けられてもよい。
【0496】
本実施例では、保護カバー53を増設することにより、異常動作状態においてガスがバルブプレート51を突き破ることを影響しないとともに、セラミックカバー211を輸送又は取り付けている間にバルブプレート51を保護し、バルブプレート51が外物に突き破られることを回避することができる。
【0497】
なお、保護カバー53は、金属材料又は非金属材料から作られてもよい。金属材料としては、鉄ニッケル及びその合金材料、銅及びその合金、アルミニウム及びその合金等を含むが、これらに限定されない。非金属材料としては、セラミック、ガラス、炭素繊維、プラスチック等を含むが、これらに限定されない。
【0498】
保護カバー53は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着、係止などの方法でセラミックカバー211に接続されることができる
図88に示すように、
図88は、本発明におけるハウジング1の第1の実施例の分解の模式図である。本発明の実施例におけるハウジング1は、第1のケース11と、第2のケース12とを備え、第2のケース12は、第1のケース11に着脱可能に接続され、第1のケース11及び/又は第2のケース12にガス抜き構造13が設けられ、ガス抜き構造13は、中空チャンバ14に連通する。
【0499】
ガス抜き構造13を設けることで、本発明の実施例におけるハウジング1が非密封構造であり、ガスは、接触チャンバ27の内部から圧力逃がし孔221を介して排出した後にハウジング1の中空チャンバ14に入り、さらに、ガス抜き構造13を介してハウジング1の外部に排出する。
【0500】
また、本発明の実施例のハウジング1は、接触チャンバ27内で発生したガス噴出物が放出瞬間にリレーの外部に直接排出されるのを阻止し、リレー付近の他の電子部品の汚染を回避することもできる。ここで、ガス噴出物は、接点アセンブリ3の金属材料がアーク高温アブレーション、揮発により発生する。
【0501】
図88を参照し、ガス抜き構造13は、スリット131を備え、スリット131は、第1のケース11と第2のケース12との間に形成されている。ガスは、第1のケース11と第2のケース12との間のスリット131を介してリレーから排出することができる。
【0502】
本実施例では、スリット131は、ハウジング1の底部に位置する。
【0503】
図89に示すように、
図89は、本発明におけるハウジング1の第2の実施例の分解の模式図である。第2の実施例のハウジング1と第1の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点は、スリット131がハウジング1の高さ方向の中央領域に位置することである。
【0504】
図90に示すように、
図90は、本発明におけるハウジング1の第3の実施例の分解の模式図である。第3の実施例のハウジング1と第2の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜き孔132を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜き孔132は、第2のケース12に形成されている。ガスは、スリット131及びガス抜き孔132を介してリレーから排出することができる。勿論、ガス抜き孔132は、第1のケース11に設けられてよい。
【0505】
図91に示すように、
図91は、本発明におけるハウジング1の第4の実施例の分解の模式図である。第4の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きカバー133を備え、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きカバー133は、第1のケース11に設けられ、ガス抜きカバー133の開口は、下に向かう。このように、ガスは、スリット131及びガス抜きカバー133を介してリレーから排出することができるとともに、ガス抜きカバー133から排出したガスは、下方に向かって噴出しており、このリレー付近の他の電子デバイスに影響を与えることはない。
【0506】
勿論、ガス抜きカバー133は、第2のケース12に設けられても良く、又は、第1のケース11と第2のケース12のいずれも、ガス抜きカバー133が設けられている。
【0507】
図92に示すように、
図92は、本発明におけるハウジング1の第5の実施例の分解の模式図である。第5の実施例のハウジング1と上記の実施例のハウジング1と同じである点が省略するが、相違点として、ガス抜き構造13は、スリット131とガス抜きグリル134を含み、スリット131は、ハウジング1の高さ方向の中央領域に形成され、ガス抜きグリル134は、第1のケース11に設けられている。勿論、ガス抜きグリル134は、第2のケース12に設けられてもよく、又は、第1のケース11と第2のケース12とのいずれも、ガス抜きグリル134が設けられている。
【0508】
ガスは、スリット131及びガス抜きグリル134を介してリレーから排出することができる。ガスがガス抜きグリル134を通過すると、ガス抜きグリル134は、ガスの流れをより緩やかにすることができ、排出されたガスがリレー付近の他の電子部品に影響を与えることを回避することができる。
【0509】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは例を挙げて説明しない。
【0510】
以上のように、本発明の実施形態に係るリレーの利点と有益な効果は、少なくとも以下を含む。
【0511】
本発明の実施例のリレーは、セラミックカバー211に圧力逃しバルブアセンブリ5を設置することで、超圧力ガスを逃がすことによって、さらに、接点アセンブリ3が短絡、過負荷遮断などの異常な状況下で、リレーはチャンバ内部の高温によりガスの急激な膨張によるチャンバ体の爆発解体が発生しないことを確保し、製品の信頼性を高めた。
【0512】
また、本発明の実施例のリレーのハウジング1は、放出ガスをタイムリーに排出することができるとともに、放出物が他の電子デバイスに汚染を与えることを回避することができる非密封構造として設計されている。
【0513】
発明の実施形態では、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」は説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するために理解されなく、「取り付け」、「接続」、「接する」、「固定」などの用語は広義に理解されなければならない。例えば、「接続」は固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体に接続してもよい。「接続」は、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。本発明の実施形態における上記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0514】
本発明の実施形態の説明において、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などが示す方位又は位置関係は、図に示す方位又は位置関係に基づくものであり、単に、本発明の実施形態の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであって、指す装置又はユニットが特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示す又は暗示するのではなく、発明の実施形態に対する制限とは理解できない。
【0515】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「特定の実施例」などの説明は、その実施形態又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特徴が発明の実施形態の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方法で結合することができる。
【0516】
以上は発明の実施例の好適な実施例にすぎず、発明の実施例を限定するためには使用されず、当業者にとっては、発明の実施例は種々の変更及び変更が可能である。発明の実施例の精神と原則の中で、行ったいかなる修正、等価置換、改良などは、発明の実施例の保護範囲に含まれるべきである。