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特許7586986キャリア・アグリゲーションを使用する不連続受信モードにおける動作
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】キャリア・アグリゲーションを使用する不連続受信モードにおける動作
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20241112BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20241112BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W72/0457 110
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023133985
(22)【出願日】2023-08-21
(62)【分割の表示】P 2021132306の分割
【原出願日】2010-06-17
(65)【公開番号】P2023154090
(43)【公開日】2023-10-18
【審査請求日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】61/218,172
(32)【優先日】2009-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/233,641
(32)【優先日】2009-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール マリニエール
(72)【発明者】
【氏名】ステファン イー.テリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ルイ ゴヴロー
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/078962(WO,A1)
【文献】Ericsson,Carrier aggregation in LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#53b R1-082468,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_53b/Docs/R1-082468.zip>,2008年07月04日,1-6頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信装置(WTRU)であって、
送受信機と、
前記送受信機に動作可能に接続されたプロセッサと、を備え、
前記送受信機および前記プロセッサは、第1の非アクティブタイマ、前記第1の非アクティブタイマとは異なる第2の非アクティブタイマ、前記第1の非アクティブタイマと関連付けられた第1の複数のコンポーネントキャリア、および前記第2の非アクティブタイマと関連付けられた第2の複数のコンポーネントキャリアを示す情報を受信するように構成され、
前記送受信機および前記プロセッサは、前記第2の非アクティブタイマに基づいて、少なくとも1つの第2のコンポーネントキャリアに対して物理ダウンリンク制御チャネル送信(PDCCH送信)を監視し、前記第1の非アクティブタイマに基づいて、少なくとも1つの第1のコンポーネントキャリアに対してPDCCH送信を監視するように構成され、前記第1の複数のコンポーネントキャリアに対する不連続受信(DRX)アクティブ時間は、前記第1の非アクティブタイマが動いている間の時間を含み、前記第2の複数のコンポーネントキャリアに対するDRXアクティブ時間は、前記第2の非アクティブタイマが動いている間の時間を含む
ことを特徴とするWTRU。
【請求項2】
前記受信された情報は、上位層シグナリングによって受信されることを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記送受信機および前記プロセッサは、前記監視されたPDCCH送信の1つにおいて物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)割り当てを受信し、前記監視されたPDCCH送信の前記1つに対して遅延した時間にPDSCH送信を受信するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
前記送受信機および前記プロセッサは、前記PDSCHの受信の後の予め定められた時間間隔においてハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックを送信するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のWTRU。
【請求項5】
前記PDSCH割り当ては、前記監視されたPDCCH送信の前記1つが受信されたコンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントキャリアに対するものであることを特徴とする請求項3に記載のWTRU。
【請求項6】
前記第2の非アクティブタイマは、前記第1の非アクティブタイマとは独立して適用されることを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項7】
前記第2の非アクティブタイマは、前記第1の非アクティブタイマとは同期していないことを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項8】
前記第2の非アクティブタイマに対する開始および停止のトリガは、前記第1の非アクティブタイマのトリガとは独立していることを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項9】
無線送受信装置(WTRU)によって実施される方法であって、
第1の非アクティブタイマ、前記第1の非アクティブタイマとは異なる第2の非アクティブタイマ、前記第1の非アクティブタイマと関連付けられた第1の複数のコンポーネントキャリア、および前記第2の非アクティブタイマと関連付けられた第2の複数のコンポーネントキャリアを示す情報を受信するステップと、
前記第2の非アクティブタイマに基づいて、少なくとも1つの第2のコンポーネントキャリアに対して物理ダウンリンク制御チャネル送信(PDCCH送信)を監視し、前記第1の非アクティブタイマに基づいて、少なくとも1つの第1のコンポーネントキャリアに対してPDCCH送信を監視するステップであって、前記第1の複数のコンポーネントキャリアに対する不連続受信(DRX)アクティブ時間は、前記第1の非アクティブタイマが動いている間の時間を含み、前記第2の複数のコンポーネントキャリアに対するDRXアクティブ時間は、前記第2の非アクティブタイマが動いている間の時間を含む、ステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記受信された情報は、上位層シグナリングによって受信されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記監視されたPDCCH送信の1つにおいて物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)割り当てを受信し、前記監視されたPDCCH送信の前記1つに対して遅延した時間にPDSCH送信を受信するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記PDSCHの受信の後の予め定められた時間間隔においてハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックを送信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記PDSCH割り当ては、前記監視されたPDCCH送信の前記1つが受信されたコンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントキャリアに対するものであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の非アクティブタイマは、前記第1の非アクティブタイマとは独立して適用されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の非アクティブタイマは、前記第1の非アクティブタイマとは同期していないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の非アクティブタイマに対する開始および停止のトリガは、前記第1の非アクティブタイマのトリガとは独立していることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
Release8:リリース8(R8)のLong Term Evolution(LTE)システムにおける不連続受信(Discontinuous Reception:DRX)動作は、媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)仕様により定義される。この機能性は、ダウンリンク(DownLink:DL)割り付け(assignment)および/またはアップリンク(UpLink:UL)許可(grant)(すなわち共有チャンネル動的配分)より成る制御情報を、ネットワーク(すなわち発展型ノードB(evolved Node-B:eNB))が物理ダウンリンク制御チャンネル(Physical DL Control CHannel:PDCCH)を使用して何時(すなわち何れのサブフレームにおいて)無線送受信装置(Wireless Transmit/Receive Unit:WTRU)に送出することができるかを定義する一連の規則から成る。WTRUによってPDCCH上にて受信したeNBのDL割り付けおよび/またはUL許可により、DLおよびULの共有されたチャンネル送信機会のあることがWTRUに伝えられる。WTRUがこの制御情報のためにPDCCHを監視する間の時間期間は、「アクティブ時間」と呼ばれる。WTRUは、PDCCHおよび他のDL物理チャンネルを監視する必要がないという条件で、その受信機回路をオフにし、その結果バッテリーを節約することができる。
【0003】
LTE準拠の無線アクセス・システムの達成可能なスループットをさらに向上させ、および通信可能範囲をさらに拡大させるために、そしてDLおよびUL方向においてそれぞれ1Gbpsおよび500MbpsというInternational Mobile Telecommunication(IMT)の高度化(advanced)要件を満足させるために、3GPP標準化機構において現在LTEーAdvance(LTEーAd)を検討中である。LTE-Aのために提案された1つの改良がキャリア・アグリゲーション(carrier aggregation)であり、そしてDLおよびULの送信帯域幅がR8 LTEにおける20MHzを上回ること(例えば40~100MHz)を可能とするための柔軟な帯域幅配置(arrangement)を支援するものである。
【0004】
キャリア・アグリゲーションを支援するために、所与のコンポーネント・キャリヤ(Component Carrier:CC)に関するDL割り付けを伝達する(PDCCH上の)制御情報を、データを含むものとは異なるDL CC上(例えば、物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical DL Shared CHannel:PDSCH)にて送信することが提案されている。そのような配置により、制御チャンネルの構成が柔軟になり、その結果容量を最大化するためにシステム事業者にとって有利になる可能性がある。例えば、1つのCCからすべてのPDCCHを送信することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
R8においては、対応するDL割り付けを含むPDCCHが無線フレームのサブフレーム(すなわち送信時間間隔(Transmission Timing Interval:TTI))において送信されたすぐ後に、同一サブフレームにおいて送信されるPDSCHデータに基づき時間関係が確立される。PDSCHデータおよび対応するPDCCH DL割り付けが異なったCC上にて送信されるシナリオに対して、この時間関係を維持することは有益であるであろう。しかしながらこのシナリオは、DL受信の可能性のために2つのCC(PDCCHを含むものとPDSCHを含むもの)を監視しなければならないため、より高いバッテリー消費を必要とする可能性がある。したがってバッテリー消費を最小にするために、効率的なDRX方法を定義する必要がある。
【0006】
一方、対応するDL割り付けを含むPDCCHと同一のサブフレームにおいてPDSCHデータが送信されない場合、PDSCHのためにCCを監視する必要があるか否かがあらかじめ分るので、より高いバッテリー効率を達成することができる。しかし、この時間関係を壊すことで、解決すべき問題が発生してしまう。PDCCH DL割り付けおよびPDSCH受信の間に遅延が発生することになると、WTRUがある期間の間にわたってPDSCHを如何に見出すかを判定するために新しい手順を定義することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
キャリア・アグリゲーションを採用するDRX(Discontinuous Reception:不連続受信)モードにおいてWTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信装置)を動作させるための方法および装置が説明される。1つのシナリオにおいては、セル固有アクティブ時間の間、特定のサービングセルのDL(DownLink:ダウンリンク) CC(Component Carrier:コンポーネント・キャリヤ)上にてPDSCH(Physical DL Shared CHannel:物理ダウンリンク共有チャンネル)が受信され、これによりDL CCがUL(UpLink:アップリンク)CCに関連付けられる。そしてそのセル固有アクティブ時間の間、特定のサービングセルに対するDL割り付け、およびUL CCに対するUL許可のためにPDCCH(Physical DL Control CHannel:物理ダウンリンク制御チャンネル)が監視される。別のシナリオにおいては、PDCCH受信のためにCCの第1のサブセットが構成され、そしてPDCCH受信のためにCCの第2のサブセットは構成されない。第1のサブセットにおけるCCのうちの少なくとも1つのPDCCHアクティブ時間に基づき、第2のサブセットにおける少なくとも1つのCCにDRXが適用される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面に関連して例として与えられた以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
図1】WTRUおよびeNBを含む無線通信システムを示す図である。
図2】複数のCCの隣接帯域内キャリア・アグリゲーションの一例を示す図である。
図3】WTRUおよびeNBを含む無線通信システムを示す図である。
図4図3の無線通信システムをさらに詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降参照される場合、用語「無線送受信装置(Wireless Transmit/Receive Unit:WTRU)」は、限定的ではなく、ユーザー機器(User Equipment:UE)、移動体端末、固定型または移動体の加入者装置、ページャー、携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)、コンピューター、または無線環境において動作する能力のある他の如何なる種別のデバイスをも含むものとする。
【0010】
以降参照される場合、用語「eノードB(evolved Node-B:eNB)」は、限定的ではなく、基地局(base station)、サイト制御装置、アクセス・ポイント(Access Point:AP)、または無線環境において動作する能力のある他の如何なる種別のインタフェイス・デバイスをも含む。
【0011】
以降参照される場合、用語「DL CC」は、限定的ではなく、「サービング(serving)セル」、「プライマリ・サービングセル(Primary serving cell:Pcell)」、または「セカンダリ・サービングセル(Secondary serving cell:Scell)」のDLを含むことができる。
【0012】
以降参照される場合、用語「UL CC」は、限定的ではなく、「サービング(serving)セル」、「プライマリ・サービングセル(Primary serving cell:Pcell)」、または「セカンダリ・サービングセル(Secondary serving cell:Scell)」のULを含むことができる。
【0013】
図1は、PDSCH115、PUSCH120、PDCCH125、および物理アップリンク制御チャンネル(Physical UL Control CHannel:PUCCH)130を介して通信する、WTRU105およびeNB110を含む無線通信システム100を示す図である。WTRU105は、アンテナ135、受信機140、処理装置145、およびお送信機150を備える。処理装置145は、複数のDRX非アクティブ・タイマ155および複数のオン期間タイマ160を有する。eNB110は、アンテナ165、受信機170、処理装置175、および送信機180を備える。処理装置175は、複数のDRX非アクティブ・タイマ185および複数のオン期間タイマ190を有する。
【0014】
図2は、それぞれ20MHzの帯域において動作する複数のCCの隣接帯域内キャリア・アグリゲーションの一例を示す図である。
【0015】
各キャリアに準拠して定められたアクティブ時間
キャリア・アグリゲーションを採用するDRXモードにおける動作の方法は、CC毎アクティブ時間の概念に基づく。この方法においては、WTRUがDL CC上に位置するPDCCHを監視するとき、「PDCCHアクティブ時間」が実装され、そしてWTRUがDL CC上に位置するPDSCHを監視するとき「PDSCHアクティブ時間」が実装されるように、DRX動作が拡張される。WTRUは、PDCCH中の少なくとも1つのサーチ・スペース(すなわち、WTRUに対してPDCCHシグナリングが存在する固有のリソース・ブロックおよびシンボル)を使用して、異なるCCに対する割り付け、および/または許可を監視する。
【0016】
「サービングセル(serving cell)」は、UL CCに関連付けることができるDL CCを有する。「セル固有(cell-specific)アクティブ時間」は、PDSCH受信のために構成されたDL CCを含む、それぞれのサービングセルに対して定義される。セル固有アクティブ時間の間にWTRUは、このサービングセルに対する無線フレームの同一サブフレーム(すなわちTTI)において受信する可能な割り付けのために、関係するサービングセルのPDSCHを受信(またはバッファ)し、このサービングセルに固有の少なくとも1つのサーチ・スペースにおいて、関係するサービングセルに対する割り付け、および関係するサービングセルに関連付けられるように構成されたUL CC(リソース)(そのようなUL CCが存在しているなら)に対する許可のために、少なくとも1つのサービングセルのPDCCHを監視する。WTRUがその関係するサービングセルへの割り付けのためにPDCCHを監視するサービングセルは、その関係するサービングセルと同一である場合もあり、同一でない場合もある。
【0017】
個々のDL CCは、PDCCHおよび/またはPDSCH送信を受信するように構成することができる。各々のアクティブなDL CCに対するDRXは、PDCCHアクティブ時間、PDSCHアクティブ時間、または両方の組み合わせに基づくことができる。DRXは各々のDL CCに独立して適用することができ、必要であれば同期を強いることが可能ではあるが、CCの間でDRXを同期させるという要件はない。
【0018】
PDCCHアクティブ時間は、WTRUがPDCCHを受信するように構成された各々のDL CCに対して定義される。PDCCHアクティブ時間は、DL CCのPDCCHから割り付けることができる各々のDL CCのPDSCHアクティブ時間を含むことができる。スケジュールすることができる各々のDL CCは、PDSCHアクティブ時間を有する。あるいはまたPDCCHアクティブ時間は、PUSCHアクティブ時間を含むことができ、この時間は、各々のDL CCからのUL CC PUSCH動作に関する制御情報が、UL許可およびハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request:HARQ)フィードバックの受信のためにDL CCを使用する時間である。このようなUL CCは、以降「固定された(anchored)UL CC」と呼ぶ。
【0019】
PUSCHアクティブ時間は、WTRUがPUSCHを送信するように構成された各々のUL CCに対して定められる。PUSCHアクティブ時間は、以下を含むことができる。すなわち、
a)固定されたUL CCのPUCCH上にて送出されたスケジューリング要求が処理中である時間;
b)処理中であるHARQ再送のためのUL許可を発生させることができ、および固定されたUL CCのUL-SCHに対して対応するHARQバッファ中にデータがある時間;
c)CC固有のDRX非アクティブ・タイマまたは他のCC DRX非アクティブ・タイマが固定されたUL CCに対してランしている時間;
d)オプションとして、CC固有のオン期間タイマが固定されたUL CCに対してランしている時間(UL CCに対してはそのようなタイマを定義する必要がない場合があることに注意されたい);
e)オプションとして(PDSCHアクティブ時間中に未だ含まれていない場合)、明示的に伝えられたプリアンブルに対するランダム・アクセス応答の受信に成功した後に、WTRUのセル無線ネットワーク一時識別子(Cell Radio Network Temporary Identifier:C-RNTI)にアドレス指定された新規送信を表すPDCCHが、受信されていない時間;
f)オプションとして(PDSCHアクティブ時間中に未だ含まれていない場合)、MACコンテンション解決(contention resolution)タイマがランしている時間;である。
【0020】
「PDSCHアクティブ時間」は、WTRUがPDSCHを受信するように構成された各々のUL CCに対して定義される。PDSCHアクティブ時間は、以下を含むことができる。すなわち、
1)CC固有のオン期間タイマ、DRX非アクティブ・タイマ、他のCC DRX非アクティブ・タイマ、DRX再送信タイマ、またはMACコンテンション解決タイマがランしている時間;
2)明示的に伝えられたプリアンブルに対するランダム・アクセス応答の受信に成功した後に、WTRUのセル無線ネットワーク一時識別子(Cell Radio Network Temporary Identifier:C-RNTI)にアドレス指定された新規送信を表すPDCCH(同一のまたは異なったCC上での)を、受信していない時間;および
3)オプションとして、この同一のDL CCのPDCCHアクティブ時間;である。
【0021】
DRX動作に対しては、「セル固有アクティブ時間」が、PUCCH上にて送出された
スケジューリング要求(Scheduling Request:SR)が処理中である時間を含む場合がある。セル固有アクティブ時間は、プライマリ・サービングセルに関係する場合がある。
【0022】
DRX動作に対しては、セル固有ティブ時間は、処理中であるHARQ再送のためのUL許可が発生することができ、関連付けられたUL CC(そのようなUL CCが構成されている場合)のUL-SCHに対して対応するHARQバッファ中にデータがある間の時間を含むことができる。
【0023】
DRX動作に対しては、セル固有アクティブ時間は、WTRUによって選択されなかったプリアンブルに対するランダム・アクセス応答の受信に成功した後に、WTRUのC-RNTIにアドレス指定された新規送信を表すPDCCHが受信されていない時間を含むことができる。この時間は、プリアンブルを送信した(例えばプライマリ・サービングセルに関連付けられた)UL CCに関係するセル固有アクティブ時間として含めることができる。
【0024】
DRX動作に対して、セル固有アクティブ時間は、関係するサービングセルに適用可能なオン期間タイマが進行中の時間、関係するサービングセルに適用可能なDRX非アクティブ・タイマが進行中の時間、関係するサービングセルに適用可能なDRX再送信タイマが進行中の時間、またはMACコンテンション解決タイマが進行中の時間を含むことができる。この時間は、プライマリ・サービングセルに関係するセル固有アクティブ時間として含めることができる。
【0025】
固有のDRX非アクティブ・タイマおよびオン期間タイマについては、以下の定義が適用されなければならない:すなわち、
1)DL CCに対するDRX非アクティブ・タイマ:このタイマがトリガーされた後に、このCCに対するDL割り付けを提供する他の少なくとも1つのDL CCのPDCCHと並んで、このCCのPDSCHを監視することができる時間であって、その時間の間の連続したサブフレームの数で規定;
2)UL CCに対するDRX非アクティブ・タイマ:このタイマがトリガーされた後に、このCCに対してUL許可を提供する少なくとも1つのDL CCのPDCCHを監視することができる時間であって、その時間の間の連続したサブフレームの数で規定;
3)サービングセルに対するDRX非アクティブ・タイマ:このタイマがトリガーされた後に、このサービングセルのセル固有アクティブ時間がその間延長されるべき時間であって、その時間の間の連続したサブフレームの数で規定;
4)他のCC DRX非アクティブ・タイマ:別のCCまたはサービングセルに対する(新規送信のための)DL割り付けまたはUL許可によってのみこのタイマ(が定義される場合)をトリガーすることができるが、この場合を除いて上述したDRX非アクティブ・タイマのいずれかと同一の定義;
5)DL CCに対するオン期間タイマ:このCCに対するDL割り付けを提供するDL CCのPDCCHと並んで、このCCのPDSCHをDRXサイクルの始めに監視することができる時間であって、その時間の間の連続したサブフレームの数で規定;
6)UL CCに対するオン期間タイマ:このCCに対するDL許可を提供する少なくとも1つのDL CCのPDCCHをDRXサイクルの始めに監視することができる時間であって、その時間の間の連続したサブフレームの数で規定;および
7)サービングセルに対するオン期間タイマ:このサービングセルのセル固有アクティブ時間がDRXサイクルの始めから存在するべき時間であって、その時間の間の連続したサブフレームの最小の数で規定;である。
【0026】
上述の別のタイマを始動させ、および停止させるための規則は各キャリアに準拠して実装される。したがって、構成パラメータ、短DRXサイクル、長DRXサイクル、DRX開始オフセットおよびオン期間タイマに対する持続時間、DRX非アクティブ・タイマ、DRX再送信タイマおよびDRX短サイクル・タイマを、各キャリア(または各サービングセル)に準拠して定めることができる。また、これらのタイマのいくつかを、CCまたはサービングセルの間で共有する(または同一である)ことも可能である(例えば、オン期間タイマを一連のCCのために共有することができる)。しかし、UL CCに対してはオン期間タイマを定義する必要がない場合がある。この場合には、関連付けられたパラメータおよびタイマ(短DRXサイクル、長DRXサイクル、DRX開始オフセット、DRX短サイクル・タイマ)もまた定義されない場合があり、そしてUL CCおよびUL HARQ処理に対して、それぞれDRX再送信タイマおよびHARQ往復遅延時間(Round Trip Time:RTT)タイマを定義する必要がない場合がある。
【0027】
加えて、以下の方法のうちの1つまたは組み合わせで、CC固有DRX非アクティブ・タイマを扱うことができる。以下で使用される用語「トリガー(trigger)」は、最初に始動することを意味し、またはその後の再始動も意味することを留意のこと。
【0028】
CC固有DRX非アクティブ・タイマは、新規送信がこのCCのPDSCH上にて受信された場合にDL CCに対して、および新規送信がこのCCのPUSCHに対して許可された場合にUL CCに対してトリガーされる。
【0029】
CC固有DRX非アクティブ・タイマまたは他のCC DRX非アクティブ・タイマは、新規送信が別のDL(またはUL) CCのPDSCH上で受信(またはPUSCHに対して許可)された場合にDLまたはUL CCに対してトリガーされる。この特性(property)を有するDLまたはUL CCのサブセットは、上位層により予め伝えることができる。
【0030】
CC固有DRX非アクティブ・タイマまたは他のCC DRX非アクティブ・タイマは、許可およびHARQフィードバックをこのUL CCのために供給する同一のDL CC上のPDCCHから示される何れのCCに対しても、UL CC、DL割り付け、またはUL許可に対して(何れの送信に対しても、あるいは新規送信に対してのみ)トリガーされる。
【0031】
CC固有DRX非アクティブ・タイマまたは他のCC DRX非アクティブ・タイマは、DL割り付けをこのUL CCに対して供給する同一のDL CC上のPDCCHから示される何れのCCに対しても、DL CC、DL割り付け、またはUL許可に対して(何れの送信に対しても、あるいは新規送信に対してのみ)トリガーされる。
【0032】
PDCCHに対して同一のDL CCを使用するCCの集合毎に、単一のDRX非アクティブ・タイマまたは単一の他のCC DRX非アクティブ・タイマを(それぞれ)実装することは可能である。
【0033】
CC固有DRX非アクティブ・タイマは、(ULのみ、DLのみ、またはULおよびDLの両方の)CCに対して、何れかのCCに対するDL割り付けまたはUL許可(何れの送信に対しても、あるいは新規送信に対してのみ)が何れかのDL CC上のPDCCHから示された場合に、トリガーされる。すべてのCCに対して、単一のDRX非アクティブ・タイマまたは単一の他のCC DRX非アクティブ・タイマを(それぞれ)実装することは可能である。この特性を有するDLまたはUL CCのサブセットは、上位層により伝えることができる。
【0034】
他のCC DRX非アクティブ・タイマは、許可およびHARQフィードバックをこのUL CCのために供給する同一のDL CC上のPDCCHから示される何れの他のCCに対しても、UL CC、DL割り付け、またはUL許可に対して(何れの送信に対しても、あるいは新規送信に対してのみ)トリガーされる。この特性を有するDLまたはUL CCのサブセットは、上位層により伝えることができる。
【0035】
他のCC DRX非アクティブ・タイマは、DL割り付けをこのCCのために供給する同一のDL CC上のPDCCHから示される何れの他のCCに対しても、DL CC、DL割り付け、またはUL許可に対して(何れの送信に対しても、あるいは新規送信に対してのみ)トリガーされる。PDCCHのために同一のDL CCを使用するCCの集合毎に、単一のDRX非アクティブ・タイマまたは単一の他のCC DRX非アクティブ・タイマを実施(それぞれ)することは可能である。この特性を有するDLまたはUL CCのサブセットは、上位層により伝えることができる。
【0036】
他のCC DRX非アクティブ・タイマは、CC(ULのみ、DLのみ、またはULおよびDLの両方の)に対して、他の何れかのCCのためのDL割り付けまたはUL許可(何れの送信に対しても、あるいは新規送信に対してのみ)が何れかのDL CC上のPDCCHから示された場合にトリガーされる。
【0037】
CC固有DRX非アクティブ・タイマまたは他のCC DRX非アクティブ・タイマは、DLまたはUL CCに対して、新規送信が別のDL(またはUL) CCのPDSCH上にて受信(またはPUSCHに対して許可)された場合に、当該の他のCCに対するオン期間タイマが進行中であるという追加的条件によりトリガーされる。この特性を有するDLまたはUL CCのサブセットは、上位層により予め伝えることができる。
【0038】
他のCC DRX非アクティブ・タイマは、CC(ULのみ、DLのみ、またはULおよびDLの両方の)に対して、他の何れかのCCのためのDL割り付けまたはUL許可(何れの送信に対しても、あるいは新規送信に対してのみ)が何れかのDL CC上のPDCCHから示された場合に、当該のDL CCに対するオン期間タイマが進行中であるという追加的条件によりトリガーされる。この特性を有するDL CCのサブセットは、上位層により予め伝えることができる。
【0039】
サービングセル固有DRX非アクティブ・タイマは、PDSCH上にて新規送信が受信された場合、または新規送信がこのサービングセルに対するPUSCHに対して許可された場合にトリガーされる。
【0040】
サービングセル固有DRX非アクティブ・タイマは、PDSCH上で新規送信が受信された場合、または新規送信が別のサービングセルに対するPUSCHに対して許可された場合にトリガーされる。この特性を有するサービングセルのサブセットは、上位層により構成することができる。
【0041】
他のCC DRX非アクティブ・タイマは、PDSCH上にて新規送信が受信された、または新規送信が別のサービングセルに対するPUSCHに対して許可された場合に、トリガーされる。この特性を有するサービングセルのサブセットは、上位層により構成することができる。
【0042】
すべてのCCに対して、単一のDRX非アクティブ・タイマまたは単一の他のCC DRX非アクティブ・タイマを(それぞれ)実装することが可能である。
【0043】
DRX非アクティブ・タイマまたは他のCC DRX非アクティブ・タイマの始動または再開を含む、上述の何れの場合においても、トリガーとなるイベント、およびDRX非アクティブ・タイマまたは他のCC DRX非アクティブ・タイマの実際の始動または再始動の間で数サブフレーム分の遅延が必要な場合がある。このため、関係するCC上での受信をアクティブにするための「起動」時間が認められる。
【0044】
それらが構成されている各々のDLおよび/またはUL CCに関するトラフィックの要件に対して、DRXタイマ(サイクル、オン期間、非アクティブ、再送信)を最適化することができる。PDCCHを伝達しない各々個別のULまたはDL CCは、必要な受信期間(PDSCHまたはPUSCHのアクティブ時間)がPDCCHを伝達する関連付けられたCCで組み合わされた一連の受信期間(PDCCHアクティブ時間)のサブセットに含まれるように、構成することができる。
【0045】
その上、チャンネル品質表示子(Channel Quality Indicator:CQI)/プリコーディング・マトリックス表示子(Precoding Matrix Index:PMI)/ランク表示子(Rank Indicator:RI)およびサウンディング基準信号(Sounding Reference Symbol:SRS)の送信に関して以下の規則を適用することができ、それにより、このCCがPDSCHアクティブ時間中にない場合、または対応するサービングセルがセル固有アクティブ時間中にない場合には、CCのDL-SCHに関係するCQI/PMI/RIは報告されず、このCCがPUSCHアクティブ時間中にない場合、または対応するサービングセルがセル固有アクティブ時間中にない場合には、UL CCのUL-SCHに関係するSRSは報告されない。
【0046】
PDCCHを有する各キャリアに準拠して定義されたアクティブ時間
あるいはまたPDCCHアクティブ時間が単に、PDCCHを持つべく構成されたそれぞれのDL CCに対して定義される場合がある。短DRXサイクル、長DRXサイクル、およびDRX始動オフセット・パラメータ、ならびにオン期間タイマ、DRX非アクティブ・タイマ、DRX再送信タイマ、およびDRX短サイクル・タイマが、PDCCH受信のために構成されたDL CCに対してのみ定義される。これらのタイマを始動させ、および停止させるための規則は、PDCCH受信のために構成されたそれぞれのDL CCに対して独立なPDCCHアクティブ時間があることを除いては、以前から知られている従来の規則と同様であることができる。さらに加えて、ここでこのDL CCから許可およびHARQフィードバックを受信しているUL CCにおけるそれらのUL送信に対してのみ、PDCCH受信に対して構成されたそれぞれのDL CCに対して、UL送信に関係する従来のトリガー規則を適用することができる。
【0047】
PDCCHを伝達する特定のCCから割り付けられたPDSCH送信を含むことができるPDCCHのない他のDL CCは、PDCCHを伝達するこのCCのPDCCHアクティブ時間により定義された同一のDRXを適用することができる。この解決法により、PDCCHのない各々のDL CCについて、および各々のUL CCについてDRXタイマを維持する必要はなくなるが、DRXタイマを各々のCCに対して最適化する可能性はなくなる。
【0048】
PDCCHを持たないCCに対してDL割り付けを提供することができるPDCCHを受信するように構成されたCCがいくつかある場合においては、このPDCCHを持たないCCに対するDRXは、PDCCHを有し、このCCのためにPDSCH割り付けを提供することができるCC群のPDCCHアクティブ時間の合計である。あるいはまた、所与のCCのためのDL割り付けを提供することができるPDCCHを受信するように構成されたいくつかのCCからの1つの「主(primary)」CCのPDCCHアクティブ時間を、このCCに対するPDSCHアクティブ時間を定義するために、選択することができる。
【0049】
PDCCHを有する各キャリアについて定義されたアクティブ時間および遅延DL SCH受信
PDSCH送信は現時点で、この送信のPDCCH割り付けに対して遅延されていない。したがって、1つのCC(CC#x)上のPDCCHが、別のCC(CC#y)に対してPDSCHを配分することができる場合には、このCC(CC#y)上の割り付けがない場合にさえ、1つのCC(CC#x)上のPDCCHを完全に受信する前に、その他方のCC(CC#y)上のPDSCHおよび共通参照シンボルの受信を開始することができるため、その他方のCC(CC#y)上の受信を可能にすることができる。別のCC上で対応するPDCCH割り付けを受信した場合にのみ、PDSCHのみ受信するCCが起動するように構成することができるようにするため、PDSCH送信を、PDSCH CC受信およびPDCCH処理時間のアクティブ化を可能にさせるようPDCCHに対比して遅延させることができる。
【0050】
あるいはまた、その上のPDCCH割り付けが受信されたCCと異なったCC上のPDSCHの送信が起動された場合には、PDSCH送信はPDCCH割り付けからkサブフレームだけ遅延させることができる。その上、何れのDL CCがR10 WTRUに対して割り当てられるかに拘わらず、すべてのPDSCH送信をPDCCH割り付けに対比して遅延させることができる。
【0051】
これらのアプローチの何れかにより、構成されたPDCCHを有さないCC上のDRXは、既存のDRXタイマ(例えばDRXサイクル、オン期間、非アクティブ、再送信タイマ)によって定義されたDRXアクティブ時間を必要としなくなる。WTRUは、他のCC上のPDCCHアクティブ時間の間は、PDCCHを有さないCC上で常に受信する必要はない。
【0052】
このWTRUのために他のCC上で受信したPDCCH割り付けにより、PDCCHを有さないCC上のDRXを統御することができる。受信は、PDCCH割り付けを受信している場合にのみ可能になる。
【0053】
PDSCH送信がkサブフレームだけ遅延されるため、UL HARQフィードバックもまた、kサブフレームだけ遅延される。PDCCH割り付けに対比して、HARQフィードバックはk+4サブフレームにて受信することになる。このことにより、遅延されたPDSCHによる割り付けおよびCC間のフィードバック、ならびにPDCCHおよびPDSCHが同一CC上にある場合の遅延されないPDSCHおよびフィードバックの間の、フィードバック衝突をもたらす可能性がある。遅延PDSCH、およびさらに同一CCの場合のフィードバック、またはUL CCよりDL CCが多い場合に使用される同一のメカニズムによる集約フィードバックを含むいくつかの可能な解決法が存在する。
【0054】
遅延されたPDSCH送信のため、追加のDL HARQ処理が必要となる。現在は、8サブフレームのHARQ処理RTTがある。kサブフレームの遅延されたPDSCHによって、kサブフレームだけDL HARQ RTTを増加させることができる。連続したPDSCH送信を可能とするために、追加のHARQ処理を必要とする場合がある。
【0055】
DL HARQ RTTおよびDL HARQ処理の数を増加させる1つの方策としては、PDCCHおよび/またはPDSCH処理時間を短縮することが考えられる。例えば、k=2でPDCCH処理が2サブフレームに削減され、CCの間の受信PDSCH受信を2サブフレームに削減可能であるなら、既存のHARQ RTTおよびHARQ処理の数を維持することができる。
【0056】
別の考慮すべき事柄は、WTRUの間の時間領域におけるULフィードバック衝突である。遅延のないR8 WTRUは、遅延があるリリース10 WTRUの後kサブフレームにスケジュールされる。この衝突に対しては、UL CCをさらに遅延したフィードバックに割り付けるか、または割り付けないかの何れかを含むいくつかの解決法を考慮することができる。所与のUL CC上にて構成されたすべてのWTRUは、さらに遅延したフィードバックを有するか、または有さないかの何れかであろう。あるいはまた、高性能のeNBスケジューラは、さらに遅延したフィードバックと、さらに遅延していないフィードバックとの間の切り換え点を最小にすることができる。フィードバックの間で切り換え待ち時間が発生すると、スケジューラは、スケジューリング・ギャップを実行し、フィードバック衝突を回避することができる。
【0057】
あるいはまた、PDCCH配分のないCC(CC#y)のサブフレーム時間境界は、もう一方のCC(CC#x)上でのPDCCH受信が(最大シンボル#3まで)完了し、処理された後に、PDSCHおよび共通参照シンボルの受信を開始することができるように、時間的に変化することができる。例えば、PDCCHを持つCCのシンボル#8と同一にてPDCCH配分のないCCのシンボル#0を送信することができる。これにより、WTRUが4つのシンボルまたはサブフレーム4/14において、PDCCHを処理することが可能となる。このアプローチにより、UL HARQフィードバックを送出するためのPDSCH処理時間に関する要件は、R8に比し大きな影響を与えるものではなくなる(すなわち、処理時間はサブフレームの5/14のみだけ削減することができる)。
【0058】
再び図1を参照すると、WTRU105中の処理装置145は、少なくとも1つのDRX非アクティブ・タイマ155、および少なくとも1つのオン期間タイマ160を備える。WTRU105は、キャリア・アグリゲーションを採用するDRXモードにおいて動作し、アクティブ時間の間に、PDCCH受信の構成のないCCについて、DL送信を受信するか、またはUL送信を送信し、DL割り付けまたはUL許可を含む共有チャンネル動的配分のためにPDSCHを監視し、PDSCHアクティブ時間またはPUSCHアクティブ時間に基づきCCにDRXを適用する。
【0059】
あるいはまた、WTRU105中の処理装置145は、キャリア・アグリゲーションを採用するDRXモードにおいて動作し、アクティブ時間の間に、CCの第1のサブセットがPDCCH受信のために構成され、かつCCの第2のサブセットがPDCCH受信のために構成されていない複数のCC上にて、DL送信を受信するかまたはUL送信を送信し、第1のサブセットにおける少なくとも1つのCCのPDCCHアクティブ時間に基づき第2のサブセットにおける少なくとも1つのCCにDRXを適用する。
【0060】
図3は、Evolved-Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)205を含むLTE無線通信システム/アクセス・ネットワーク200を示す図である。E-UTRAN205はいくつかのeNB220を含む。WTRU210は、eNB220と通信状態にある。eNB220は、X2インタフェイスを使用して互いにインタフェイスする。eNBs220の各々は、Slインタフェイスを通して移動体管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)/サービングゲートウェイ(Serving GateWay:S-GW)230とインタフェイスする。図3において、1つのWTRU210および3つのeNB220を示すが、無線通信システム・アクセス・ネットワーク200には、無線および有線の装置の何れの組み合わせをも含むことができることは、至極自明である。
【0061】
図4は、WTRU210、eNB220およびMME/S-GW230を含むLTE無線通信システム300の例示のためのブロック図である。図4に示すように、WTRU210、eNB220、およびMME/S-GW230は、上述したようにキャリア毎のアクティブ時間に基づきDRXを実行するように構成される。
【0062】
一般的なWTRUが通常備えるコンポーネントに加えて、WTRU210は、オプションとしてメモリ322に結合した処理装置316、少なくとも1つの送受信機314、オプションのバッテリー320およびアンテナ318を備える。処理装置316は、上述したようにキャリア毎のアクティブ時間に基づきDRXを実行するように構成される。送受信機314は、処理装置316およびアンテナ318と通信状態にあり、無線通信の送信および受信を容易にする。バッテリー320は、WTRU210において使用する場合、送受信機314および処理装置316に電源を供給する。
【0063】
WTRU210は、DRX動作を実行するように構成される。送受信機314は、PDCCHの受信のためにDL CCを監視するように構成され、処理装置316は、WTRU210がPDCCHを受信するように構成された、各々のDL CCについてPDCCHアクティブ時間を判定するように構成される。送受信機314はまた、PDSCHの受信のためにDL CCを監視するように構成することができ、処理装置316は、WTRU210がPDSCHを受信するように構成される各々のDL CCについて、PDSCHアクティブ時間を判定するように構成される。
【0064】
一般的なeNBが通常備えるコンポーネントに加えて、eNB220は、オプションとしてメモリ315に結合された処理装置317、送受信機319、およびアンテナ321を備える。処理装置317は、上述したようにキャリア毎のアクティブ時間に基づきDRXの方法を実行するように構成される。送受信機319は、処理装置317およびアンテナ321と通信状態にあり、無線通信の送信および受信を容易にする。eNB220は、オプションとして結合されたメモリ334を持つ処理装置333を備える、MME/S-GW230に接続される。
【0065】
実施形態
1.
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信装置)により実施され、キャリア・アグリゲーションを採用するDRX(Discontinuous Reception:不連続受信)モードにおいて動作する方法であって:
セル固有アクティブ時間の間に、特定のサービングセルのDL CC(Component Carrier:コンポーネント・キャリヤ)上にてPDSCH(Physical DL Shared CHannel:物理ダウンリンク共有チャンネル)を受信するステップと、
前記セル固有アクティブ時間の間に、前記特定のサービングセルに対するDL割り付けのためのPDCCH(Physical DL Control CHannel:物理ダウンリンク制御チャンネル)を監視するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【0066】
2.
前記DL CCが、UL(UpLink:アップリンク) CCに関連付けられ、そして前記PDCCHがまた、前記UL CCに対するUL許可のために監視されることを特徴とする実施形態1記載の方法。
【0067】
3.
前記PDCCHが、前記特定のサービングセルに固有な少なくとも1つのサーチ・スペースにおいて監視されることを特徴とする実施形態1又は2記載の方法。
【0068】
4.
前記PDCCHが、前記特定のサービングセルと異なるサービングセルのDL CC上に位置することを特徴とする実施形態1ないし3のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
5.
前記特定のサービングセルの前記DL CCが、PDCCH受信のために構成されないことを特徴とする実施形態1ないし4のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
6.
前記PDCCHが、前記特定のサービングセルのDL CC上に位置することを特徴とする実施形態1ないし5のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
7.
前記特定のサービングセルに対して前記WTRUにおいてDRX非アクティブ・タイマを設定するステップをさらに具備することを特徴とする実施形態1ないし6のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
8.
前記特定のサービングセルに対する前記DRX非アクティブ・タイマが、前記DRX非アクティブ・タイマがトリガーされた後、前記特定のサービングセルのセル固有アクティブ時間が延長される間、連続したサブフレームの数を指定することを特徴とする実施形態7記載の方法。
【0073】
9.
前記特定のサービングセルに対して前記WTRUにおいてオン期間タイマを設定するステップをさらに具備することを特徴とする実施形態1ないし8のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
10.
前記特定のサービングセルに対する前記オン期間タイマが、DRXサイクルの前記開始から、前記サービングセルのセル固有アクティブ時間が存在する間、連続したサブフレームの最小数を指定することを特徴とする実施形態9記載の方法。
【0075】
11.
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信装置)により実施され、キャリア・アグリゲーションを採用するDRX(Discontinuous Reception:不連続受信)モードにおいて動作する方法であって:
アクティブ時間の間に、複数のCC(Component Carrier:コンポーネント・キャリヤ)上にて、DL(DownLink:ダウンリンク)送信を受信するステップまたはUL(UpLink:アップリンク)送信を送信するステップであって、前記CCの第1のサブセットが、PDCCH(Physical DL Control CHannel:物理ダウンリンク制御チャンネル)受信のために構成され、そして前記CCの第2のサブセットが、PDCCH受信のためには構成されないことと、
前記第1のサブセットにおける前記CCの少なくとも1つのPDCCHアクティブ時間に基づき前記第2のサブセットにおける少なくとも1つのCCにDRXを適用するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【0076】
12.
前記第2のサブセットにおける前記少なくとも1つのCCへのDRXの前記適用が:
DL CC、UL CC、またはサービングセルのうちの1つに対して前記WTRUにおいてDRX非アクティブ・タイマを設定するステップ
を具備することを特徴とする実施形態11記載の方法。
【0077】
13.
前記DL CCに対する前記DRX非アクティブ・タイマが、前記DRX非アクティブ・タイマがトリガーされた後に、前記DL CCに対する前記PDSCHおよび前記DL CCに対するDL割り付けを供給する少なくとも1つの他のCCのPDCCHがその間監視されるべき連続したサブフレームの数を指定することを特徴とする実施形態12記載の方法。
【0078】
14.
前記UL CCに対する前記DRX非アクティブ・タイマが、前記DRX非アクティブ・タイマがトリガーされた後、前記UL CCに対してUL許可を供給する少なくとも1つの他のCCの前記PDCCHが監視される間、連続したサブフレームの数を指定することを特徴とする実施形態12記載の方法。
【0079】
15.
前記サービングセルに対する前記DRX非アクティブ・タイマが、前記DRX非アクティブ・タイマがトリガーされた後に、前記サービングセルのセル固有アクティブ時間が延長される間、連続したサブフレームの数を指定することを特徴とする実施形態12記載の方法。
【0080】
16.
前記第2のサブセットにおける前記少なくとも1つのCCへのDRXの前記適用が:
異なるCCまたはサービングセルに対するDL割り付けまたはUL許可によってトリガーされる前記WTRUにおいてDRX非アクティブ・タイマを設定するステップ
を具備することを特徴とする実施形態11記載の方法。
【0081】
17.
前記第2のサブセットにおける前記少なくとも1つのCCへのDRXの前記適用が:
DL CC、UL CC、またはサービングセルのうちの1つに対して前記WTRUにおいてオン期間タイマを設定するステップ
を具備することを特徴とする実施形態11記載の方法。
【0082】
18.
前記DL CCに対する前記オン期間タイマが、前記DRXサイクルの開始にて、前記DL CCに対する前記PDSCHおよび前記DL CCに対するDL割り付けを供給する少なくとも1つの他のCCのPDCCHが監視される間、連続したサブフレームの数を指定することを特徴とする実施形態17記載の方法。
【0083】
19.
前記UL CCに対する前記オン期間タイマが、前記DRXサイクルの開始にて、前記UL CCに対するUL許可を供給する少なくとも1つの他のCCの前記PDCCHが監視される間、連続したサブフレームの数を指定することを特徴とする実施形態17記載の方法。
【0084】
20.
前記サービングセルに対する前記オン期間タイマが、DRXサイクルの前記開始から、前記サービングセルのセル固有アクティブ時間がその間存在するべき連続したサブフレームの最小数を指定することを特徴とする実施形態17記載の方法。
【0085】
21.
無線送受信装置(WTRU)であって、
送信機と、
受信機と、
少なくとも1つのDRX(Discontinuous Reception:不連続受信)非アクティブ・タイマおよび少なくとも1つのオン期間タイマを具備するプロセッサとを具え、当該WTRUは、キャリア・アグリゲーションを採用するDRXモードにおいて動作し、セル固有アクティブ時間の間、特定のサービングセルのDL CC(Component Carrier:コンポーネント・キャリヤ)上でPDSCH(Physical DL(DownLink) Shared CHannel:物理ダウンリンク共有チャンネル)を受信し、前記DL CCがUL(UpLink:アップリンク) CCに関連付けられ、前記セル固有アクティブ時間の間、前記特定のサービングセルに対するDL割り付けおよび前記ULに対するUL許可のために、PDCCH(Physical DL Control CHannel:物理ダウンリンク制御チャンネル)を監視することを特徴とするWTRU。
【0086】
22.
無線送受信装置(WTRU)であって、
送信機と、
受信機と、
少なくとも1つのDRX(Discontinuous Reception:不連続受信)非アクティブ・タイマおよび少なくとも1つのオン期間タイマを有するプロセッサとを具え、当該WTRUは、キャリア・アグリゲーションを採用するDRXモードにおいて動作し、アクティブ時間の間、前記CCの第1のサブセットがPDCCH(Physical DL Control CHannel:物理ダウンリンク制御チャンネル)受信のために構成されおよび前記CCの第2のサブセットがPDCCH受信のために構成されない、複数のCC(Component Carrier:コンポーネント・キャリヤ)上で、DL(DownLink:ダウンリンク)送信を受信するかまたはUL(UpLink:アップリンク)送信を送信し、前記第1のサブセットにおける少なくとも1つのCCのPDCCHアクティブ時間に基づき前記第2のサブセットにおける少なくとも1つのCCにDRXを適用することを特徴とするWTRU。
【0087】
特徴および要素は特定の組み合わせで上述したが、各々の特徴または要素は、他の特徴および要素なしで単独で、または他の特徴および要素のあるなしに拘わらず様々な組み合わせで使用することができる。ここに提供される方法またはフロー図は、汎用目的のコンピューターまたは処理装置による実行のための、コンピューターにて読み取り可能な記憶装置媒体に組み込まれたコンピューター・プログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにて実施することができる。コンピューターにて読み取り可能な記憶装置媒体の例としては、リード・オンリー・メモリ(Read Only Memory:ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory:RAM)、レジスター、キャッシュ・メモリ、半導体メモリ・デバイス、内蔵ハード・ディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、磁気-光学媒体、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disk:DVD)などの光学媒体が含まれる。
【0088】
適当な処理装置の例としては、汎用目的処理装置、専用目的処理装置、従来の処理装置、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processor:DSP)、複数のマイクロ処理装置、DSPコアに関連付けられた1つまたは複数のマイクロ処理装置、制御装置、マイクロ制御装置、特定用途向けIC(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、Field Programmable Gate Array(FPGA)回路、他の何れかの種別の集積回路(Integrated Circuit:IC)、および/または状態マシンが含まれる。
【0089】
WTRU、UE、端末、基地局(base station)、無線ネットワーク制御装置(Radio Network Controller:RNC)、または任意のホスト・コンピューターにおいて使用するための無線周波数送受信機を実施するために、ソフトウェアに関連付けられた処理装置を使用することができる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにて実施され、カメラ、ビデオ・カメラ・モジュール、テレビ電話、スピーカーフォン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンズフリー受話器、キーボード、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュール、FM(Frequency Modulated:周波数変調された)無線装置、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示)表示装置、OLED(Organic Light-Emitting Diode:有機発光ダイオード)表示装置、デジタル音楽プレーヤー、メディア・プレーヤー、テレビゲーム・プレーヤー・モジュール、インターネット・ブラウザー、および/または任意のWLAN(Wireless Local Access Network:無線LAN)モジュールもしくはUWB(Ultra Wide Band:超広帯域)モジュールなどのモジュールと連動して使用することができる。
図1
図2
図3
図4