(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】油剤霧化装置
(51)【国際特許分類】
B05B 17/06 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B05B17/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023163969
(22)【出願日】2023-09-26
【審査請求日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】202310682163.1
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523367716
【氏名又は名称】広東奥迪威伝感科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AUDIOWELL ELECTRONICS (GUANGDONG) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.4,Block 3,Yinping Road, Shatou Street,Panyu District, Guangzhou, Guangdong, China
(73)【特許権者】
【識別番号】523367727
【氏名又は名称】広州奥迪威伝感応用科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU AUDIOWELL SENSING APPLICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.4,Block 3,Yinping Road, Shatou Street,Panyu District, Guangzhou, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】鄭恒瑞
(72)【発明者】
【氏名】梁偉培
(72)【発明者】
【氏名】許▲ ヂゥオ▼聡
(72)【発明者】
【氏名】彭波
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第218308861(CN,U)
【文献】特開2020-182879(JP,A)
【文献】特表2011-504118(JP,A)
【文献】特開2016-043286(JP,A)
【文献】特開昭61-068060(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115068654(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油剤霧化装置であって、
ボトル本体と、ケーシングと、導油綿と、超音波霧化シートとを含み、
前記ボトル本体の内部には、油剤室を備え、前記ボトル本体には、前記油剤室に連通する開口が設けられ、前記ケーシングは、前記ボトル本体に取り外し可能に接続され、前記ケーシングは、前記開口を覆って封止し、前記ケーシングの内部には、霧化室を備え、前記ケーシングには、前記霧化室に連通する霧化出口が設けられ、前記超音波霧化シートは、前記霧化室内に設けられ、前記超音波霧化シートは、霧化平面を有し、前記導油綿の一端は、前記霧化平面に密着し、前記霧化平面の中心を取り囲んで設置され、前記導油綿の他端は、前記ケーシングを貫通して前記油剤室内まで延在
し、
前記導油綿は、互に接続される第1の導油綿及び第2の導油綿を含み、前記第1の導油綿は、前記霧化平面に密着して設置され、前記第2の導油綿は、前記ケーシングを貫通して設けられるとともに前記油剤室内まで延在し、ここで、前記第1の導油綿は、耐高温材料であり、前記第2の導油綿は、内部が中空とされる、
ことを特徴とする油剤霧化装置。
【請求項2】
前記霧化平面は、半径がRmmの円形を呈し、前記導油綿の前記霧化平面への投影と前記霧化平面の中心との最大距離は、Lmmであり、前記導油綿の前記霧化平面への投影と前記霧化平面の中心との最小距離は、Gmmであり、ここで、0.3mm≦G/R≦L/R≦0.9mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の油剤霧化装置。
【請求項3】
前記導油綿の前記霧化平面への投影における、前記霧化平面の中心を取り囲む弧に対する円心角は、N°であり、ここで、180≦N≦360である、ことを特徴とする請求項1に記載の油剤霧化装置。
【請求項4】
前記超音波霧化シートの霧化温度は、T℃であり、ここで、80≦T≦160である、ことを特徴とする請求項1に記載の油剤霧化装置。
【請求項5】
前記導油綿は、前記霧化平面の波の節の位置に敷設される、ことを特徴とする請求項1に記載の油剤霧化装置。
【請求項6】
前記ボトル本体の開口は、上向きであり、前記ケーシングは、上から下へ前記開口を覆って封止するとともに前記ボトル本体に螺合接続され、前記ケーシングの底部には、前記霧化室と前記油剤室とを連通する通気孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の油剤霧化装置。
【請求項7】
前記ケーシング内に風室がさらに設けられ、前記ケーシングに吸気口が設けられ、前記吸気口は、前記風室に連通し、前記霧化室は、前記風室を介して前記霧化出口に連通し、前記霧化平面は、前記風室に向かって設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の油剤霧化装置。
【請求項8】
前記風室は、横断面において壁が円形を呈する、ことを特徴とする請求項
7に記載の油剤霧化装置。
【請求項9】
前記霧化出口は、前記ケーシングの最上部に設けられ、前記吸気口は、前記ケーシングの側壁に設けられ、前記吸気口と前記霧化出口は、それぞれ前記ケーシングの左側と右側に設けられる、ことを特徴とする請求項
8に記載の油剤霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化装置の技術分野に関し、特に油剤霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油剤を霧化する製品は、通常、微細孔霧化(micropore atomization)、圧縮ポンプ霧化、水で薄めたアロマオイルの霧化などの手段が採用されている。微細孔霧化は、霧化シートを油剤と直接接触させ、微細孔霧化シートの振動と押出しによって油剤を噴霧化し、圧縮ポンプ霧化は、圧縮空気を利用し、高速の空気流によって油剤を破砕させ、香り拡散、霧化の効果を達成し、水で薄めたアロマオイルの霧化は、油剤液体を水にたらし又は溶解し、超音波により水を霧化させ、それにより水に溶解した油剤粒子を空気中に拡散する。
【0003】
しかし、微細孔霧化は、液漏れ、寿命が短く、粘度の高い油剤を霧化できないなどの問題があり、圧縮ポンプを使用する場合は、粘度の高い油剤を霧化することができるが、取り付け構造が複雑で、体積が大きく、作動ノイズが大きいなどの問題があり、水で薄めたアロマオイルの霧化は、油剤が汚染される可能性が存在する。
【0004】
従って、従来の油剤霧化装置に関しては、さらなる向上や改善を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決する油剤霧化装置を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、油剤霧化装置を提供し、それは、ボトル本体と、ケーシングと、導油綿と、超音波霧化シートとを含み、
前記ボトル本体の内部には、油剤室を備え、前記ボトル本体には、前記油剤室に連通する開口が設けられ、前記ケーシングは、前記ボトル本体に取り外し可能に接続され、前記ケーシングは、前記開口を覆って封止し、前記ケーシングの内部には、霧化室を備え、前記ケーシングには、前記霧化室に連通する霧化出口が設けられ、前記超音波霧化シートは、前記霧化室内に設けられ、前記超音波霧化シートは、霧化平面を有し、前記導油綿の一端は、前記霧化平面に密着し、前記霧化平面の中心を取り囲んで設置され、前記導油綿の他端は、前記ケーシングを貫通して前記油剤室内まで延在する。
【0007】
好ましくは、前記霧化平面は、半径がRmmの円形を呈し、前記導油綿の前記霧化平面への投影と前記霧化平面の中心との最大距離は、Lmmであり、前記導油綿の前記霧化平面への投影と前記霧化平面の中心との最小距離は、Gmmであり、ここで、0.3≦G/R≦L/R≦0.9を満たす。
【0008】
好ましくは、前記導油綿の前記霧化平面への投影における、前記霧化平面の中心を取り囲む弧に対する円心角は、N°であり、ここで、180≦N≦360を満たす。
【0009】
好ましくは、前記超音波霧化シートの霧化温度は、T℃であり、ここで、80≦T≦160を満たす。
【0010】
好ましくは、前記導油綿は、互に接続される第1の導油綿及び第2の導油綿を含み、前記第1の導油綿は、前記霧化平面に密着して設置され、前記第2の導油綿は、前記ケーシングを貫通して設けられるとともに前記油剤室内まで延在し、前記第1の導油綿は、耐高温材料である。
【0011】
好ましくは、前記第2の導油綿は、内部が中空とされる。
【0012】
好ましくは、前記ボトル本体の開口は、上向きであり、前記ケーシングは、上から下へ前記開口を覆って封止するとともに前記ボトル本体に螺合接続され、前記ケーシングの底部に前記霧化室と前記油剤室とを連通する通気孔が設けられる。
【0013】
好ましくは、前記ケーシング内に風室がさらに設けられ、前記ケーシングに吸気口が設けられ、前記吸気口は、前記風室に連通し、前記霧化室は、前記風室を介して前記霧化出口に連通し、前記霧化平面は、前記風室に向かって設置される。
【0014】
好ましくは、前記風室は、横断面において壁が円形を呈する。
【0015】
好ましくは、前記霧化出口は、前記ケーシングの最上部に設けられ、前記吸気口は、前記ケーシングの側壁に設けられ、前記吸気口と前記霧化出口は、それぞれ前記ケーシングの左側と右側に設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例の油剤霧化装置は、従来技術に比べて、その有益な効果が以下のとおりである。
【0017】
本発明の実施例の油剤霧化装置では、超音波霧化シートを用いて油剤を直接霧化させることによって、従来技術における液漏れ及びノイズの問題を効果的に解決することができ、また、導油綿を利用して油を導くことによって、油剤が超音波霧化シートに直接接触することを回避することができ、油剤が超音波霧化シートの霧化平面上に平らに敷かれ、それにより霧化効果を高め、霧化効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例の油剤霧化装置の構造概略図である。
【
図2】本発明の一実施例の油剤霧化装置の別の構造概略図である。
【
図3】本発明の他の実施例の油剤霧化装置における霧化平面及び導油綿の平面構造概略図である。
【
図4】本発明の他の実施例の油剤霧化装置における霧化平面及び導油綿の平面構造概略図である。
【
図5】本発明の他の実施例の油剤霧化装置における霧化平面及び導油綿の平面構造概略図である。
【
図6】本発明の他の実施例の油剤霧化装置における霧化平面及び導油綿の平面構造概略図である。
【
図7】本発明の他の実施例の油剤霧化装置の構造概略図である。
【
図8】本発明の他の実施例の油剤霧化装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面と実施例を組み合わせてさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0020】
本発明の説明において、本発明において使用される「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が指す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明の容易化、簡略化のためのものであり、かかる装置や要素が特定の方位を有しなければならないこと、特定の方位で構成され、動作されなければならないことを明示したり暗示したりするのではないので、本発明に対する限定と解されることができないと理解されたい。
【0021】
本発明の説明において、本発明において用いられる「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体になっていてもよく、機械的接続であってもよく、溶接接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介する間接的接続であってもよく、特に限定されない限り、2つの要素内部の接続又は2つの要素の相互作用関係であってもよいことを理解すべきである。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
本発明では、さまざまな情報を記述するために「第1」、「第2」などの用語が使用されるが、これらの情報はこれらの用語に限定されるべきではなく、これらの用語は、同じタイプの情報を互いに区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の範囲を逸脱しない場合、「第1」の情報を「第2」の情報と呼ぶこともでき、同様に、「第2」の情報を「第1」情報と呼ぶこともできる。
【0023】
図1及び
図2に示すように、本発明の好適な実施例の油剤霧化装置は、ボトル本体1、ケーシング2、導油綿3及び超音波霧化シート4を含み、
前記ボトル本体1の内部には、油剤室11を備え、前記ボトル本体1に前記油剤室11に連通する開口12が設けられ、前記ケーシング2は、前記ボトル本体1に取り外し可能に接続され、前記ケーシング2は、前記開口12を覆って封止し、前記ケーシング2の内部には、霧化室21を備え、前記ケーシング2には、前記霧化室21に連通する霧化出口22が設けられ、前記超音波霧化シート4は、前記霧化室21内に設けられ、前記超音波霧化シート4は、霧化平面41を有し、前記導油綿3の一端は、前記霧化平面41に密着し、かつ、前記導油綿3の一端は、前記霧化平面41の幾何中心となる中心を取り囲んで設置され、前記導油綿3の他端は、前記ケーシング2を貫通して前記油剤室11内まで延在する。
【0024】
本実施形態では、超音波霧化シート4を使用して油剤を直接霧化させ、また、油剤霧化製品において油剤を超音波霧化シート4に直接接触させることによって給油が不均一となることに起因して霧化効率、霧化効果が低くなることを回避するために、油路として導油綿3を利用し、油剤室11内の油剤を霧化平面41に接触させるように導き、それにより、霧化効果を高め、霧化効率を向上させ、使用中の液漏れ及びノイズなどの問題を効果的に解決することができる。
図1、
図7、
図8に示すように、超音波霧化シート4の配置方式は、逆式(概略
図1)、縦式(概略
図7)、横式(概略
図8)などの任意の方式であってもよく、前記逆式とは、霧化シートの油剤に接触する面を下向きにするものを意味し、前記横式とは、霧化シートの油剤に接触する面を上向きにするものを意味し、異なる配置方式によって異なる製品の使用シーンに適することができ、製品の多様性を豊かにすることができる。
【0025】
図5及び
図6に示すように、本願のいくつかの改善案では、前記導油綿3の前記霧化平面41への投影における、前記霧化平面41の中心を取り囲む弧に対する円心角は、N°であり、180≦N≦360を満たす。導油綿3の一端は、半分を取り囲む又は全周を取り囲むなどのように超音波霧化シート4の霧化平面41に密着することができ、導油綿3の他端は、油剤室11における液状油剤に接触し、油路としてボトル本体1における液状油剤を超音波霧化シート4に導入し、油剤が超音波霧化シート4に直接接触することを回避する。
【0026】
図3及び
図4に示すように、本願のいくつかの改善案では、前記霧化平面41は、半径がRmmの円形を呈し、前記導油綿3の前記霧化平面41への投影と前記霧化平面41の中心との最大距離は、Lmmであり、前記霧化平面41の中心との最小距離は、Gmmであり、ここで、0.3≦G/R≦L/R≦0.9を満たす。油路で油を導く方式を用い、導油綿3の霧化平面41への投影面積、すなわち導油綿3と霧化平面41との接触面積を限定することによって、油剤を霧化平面41上により均一に平らに敷くことができ、それにより、霧化効果を高め、霧化効率を向上させる。
【0027】
本願のいくつかの改善案では、前記導油綿3の一端は、前記超音波霧化シート4の波の節(node)の位置に設けられてもよく、導油綿3が超音波霧化シート4の波の節の位置に設けられることにより、導油綿3による超音波霧化シートに対する振動干渉を減少させ、超音波霧化シート4の振幅を最適にし、また、導油綿3が超音波霧化シート4の波の節の位置に配置されることで、導油綿の焦げを防止することもできる。
【0028】
本願のいくつかの改善案では、前記超音波霧化シート4の霧化温度は、T℃であり、80≦T≦160を満たす。試験により、油剤の粘度が温度の上昇に伴って低下し、低粘度の油剤は、超音波霧化シート4により霧化されやすいことが証明され、表1は、水性油剤の異なる温度での粘度変化である。
【0029】
【0030】
上記の表から分かるように、温度が高いほど、油剤の粘度が低くなり、本願の一実施例では、油剤を急速に昇温させるように超音波霧化シート4の温度を制御し、それにより、油剤の粘度を低下させる効果を達成する。具体的には、本願では、超音波霧化シート4の昇温速度を制御することにより、短時間で超音波霧化シート4の温度を上昇させ、超音波霧化シート4の高温で油路を介して輸送された油剤を急速に加熱することができ、これにより、油剤の温度を上昇させ、油剤の粘度を低下させ、超音波霧化シート4による油剤の霧化の難易度を低下させることができる。また、油剤の温度が上昇すると、油剤分子の活性を強化し、油剤分子の作用力及び表面張力を低下させることができ、それにより油剤の霧化が加速され、霧化開始の遅延時間を削減し、ユーザー体験を向上させる。
【0031】
本願のいくつかの改善案では、前記導油綿3は、互に接続される第1の導油綿31及び第2の導油綿32を含み、前記第1の導油綿31は、前記霧化平面41に密着して設置され、前記第2の導油綿32は、前記ケーシング2を貫通して設けられるとともに前記油剤室11内まで延在し、ここで、前記第1の導油綿31は、耐高温材料である。高温で油剤を霧化するため、使用、霧化の時間の増加に伴い、超音波霧化シート4に密着した端の第1の導油綿31は、超音波霧化シート4の作業時の高温により焦がされ、霧化効率、霧化効果が低くなってしまう。従って、耐高温材料を利用して第1の導油綿を作製することにより、超音波霧化シート4の高温による油路の破壊を防止することができ、その結果、超音波霧化シート4の表面に長期にわたって安定的に給油することができる。具体的には、第1の導油綿31としては、ガラス繊維導油綿、多孔質セラミック導油材料又は他の耐高温導油材料を選択することができる。
【0032】
第2の導油綿32は、急速導油が可能な材料を用い、油剤を第1の導油綿31に急速に輸送することができ、それにより給油の安定を保証することができる。具体的には、第2の導油綿32としては、純綿素材を選択することができる。
【0033】
本願のいくつかの改善案では、導油綿3は、多孔質セラミックなどの他の媒体を中間媒体として超音波霧化シートと接触させて油剤輸送を実現することができ、具体的には、本願では、多孔質セラミックを中間媒体として用いる場合、多孔質セラミック自体が高い耐高温性を有するため、超音波霧化シート4の高温によって導油綿3が焦がされることを防止することができ、それにより導油綿3の選択難易度を低下させる。
【0034】
本願のいくつかの改善案では、前記ボトル本体1の開口12は、上向きであり、前記ケーシング2は、上から下へ前記開口12を覆って封止するとともに前記ボトル本体1に螺合接続され、前記ケーシング2の底部には、前記霧化室21と前記油剤室11とを連通する通気孔23が設けられる。油剤がボトル本体1内において第2の導油綿32を介して上方へケーシング2まで輸送される時、油剤室11内の液体が減少して負圧現象が生じ、その結果、油剤室11の内部気圧は、外部の大気圧よりも低くなり、油を連続的に導くことができなくなってしまう。従って、ケーシング2の底部構造において油剤室11内に連通する通気孔23が設けられることにより、油剤室11内の気圧とボトル本体1の外部の大気圧とのバランスをとることができ、油を連続的に導く効果を達成する。また、長期間霧化のため、霧化室21の底部に油が溜まる現象が発生し、溜まった油は、通気孔23により油剤室11内に戻ることができ、油剤の再利用を実現する。
【0035】
本願の他のいくつかの改善案では、前記第2の導油綿32の内部は、中空とされ、第2の導油綿32の内部を中空にすることによって、第2の導油綿32の内部で空気交換を行うことができ、油剤室11内の気圧とボトル本体1の外部の大気圧とのバランスをとり、油を連続的に導く効果を達成する。
【0036】
本願のいくつかの改善案では、前記ケーシング2内に風室24がさらに設けられ、前記ケーシング2には、前記風室24に連通する吸気口25が設けられ、前記霧化室21は、前記風室24を介して前記霧化出口22に連通し、前記霧化平面41は、前記風室24に向かって設置される。空気は、吸気口25から入り込み、風室24において油剤ミストと混合して霧化出口22から吹き出すことで、霧化シートでのミストの脈動によるミスト噴出効果の不良を低減することができる。
【0037】
本願のいくつかの改善案では、前記風室24は、横断面において壁が円形を呈し、風室24内に気流を阻害、反発するなど気流の流れに影響を与える構造が形成されることを回避することができる。具体的には、風室24は、円弧状空洞であってもよい。
【0038】
本願のいくつかの改善案では、前記霧化出口22は、前記ケーシング2の最上部に設けられ、前記吸気口25は、前記ケーシング2の側壁に設けられ、かつ、前記吸気口25と前記霧化出口22は、それぞれ前記ケーシング2の左側と右側に設けられる。これにより、吸気口と霧化出口22との間に対流が形成され、空気が吸気口25から入った後、風室24内において回って油剤ミストと十分に混合して吹き出すのを容易にする。
【0039】
以上より、本発明の実施例は、超音波霧化シート4を使用して油剤を直接霧化させる油剤霧化装置を提供し、油剤霧化製品において油剤を超音波霧化シート4に直接接触させ、給油が不均一となることに起因して霧化効率、霧化効果が低くなることを回避するために、導油綿3を油路として用い、油剤室11内の油剤を霧化平面41に接触させるように導き、それにより霧化効果を高め、霧化効率を向上させ、使用中の液漏れ及びノイズなどの問題を効果的に解決することができ、負圧により油路供給に影響を与える状況が生じない。
【0040】
上記は本発明の好適な実施形態にすぎず、なお、当業者にとっては、本発明の技術原理を逸脱することなく、いくつかの改善及び置換を行うことができ、これらの改善及び置換も本発明の保護範囲と見なすべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 ボトル本体
11 油剤室
12 開口
2 ケーシング
21 霧化室
22 霧化出口
23 通気孔
24 風室
25 吸気口
3 導油綿
31 第1の導油綿
32 第2の導油綿
4 超音波霧化シート
41 霧化平面。
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、霧化装置の技術分野に関し、液漏れ及びノイズの問題を効果的に解決する油剤霧化装置を提供する。
【解決手段】本発明の油剤霧化装置は、ボトル本体1と、ケーシング2と、導油綿3と、超音波霧化シート4とを含み、前記ボトル本体の内部には、油剤室11を備え、前記ボトル本体には、前記油剤室に連通する開口12が設けられ、前記ケーシングは、前記ボトル本体に取り外し可能に接続され、前記ケーシングは、前記開口を覆って封止し、前記ケーシングの内部には、霧化室21を備え、前記ケーシングには、前記霧化室に連通する霧化出口22が設けられ、前記超音波霧化シートは、前記霧化室内に設けられ、前記超音波霧化シートは、霧化平面を有し、前記導油綿の一端は、前記霧化平面に密着し、前記霧化平面の中心を取り囲んで設置され、前記導油綿の他端は、前記ケーシングを貫通して前記油剤室内まで延在する。
【選択図】
図1