(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】情報処理端末および画像処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20241112BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20241112BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241112BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20241112BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G06T19/00 600
H04N5/74 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/00 510V
G09G5/02 B
G09G5/37 300
(21)【出願番号】P 2023215565
(22)【出願日】2023-12-21
(62)【分割の表示】P 2022154897の分割
【原出願日】2018-02-01
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川前 治
(72)【発明者】
【氏名】奥 万寿男
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162333(JP,A)
【文献】特開2017-058531(JP,A)
【文献】特開2009-032156(JP,A)
【文献】特開2009-134479(JP,A)
【文献】特開2005-184624(JP,A)
【文献】特開2007-310882(JP,A)
【文献】国際公開第2016/125359(WO,A1)
【文献】特開2007-116306(JP,A)
【文献】特開2011-175201(JP,A)
【文献】特開2013-064827(JP,A)
【文献】特開2013-219457(JP,A)
【文献】特開2004-152099(JP,A)
【文献】特開2004-120698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
H04N 5/74
H04N 9/31
G09G 5/00
G06Q 30/00-50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から送信される物品に係る情報である画像データを受信する携帯情報端末であって、
画像を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、
選択された物品から前記画像データを取得して、取得した前記画像データから生成した情報画像を、物品または物品と共に目視できる領域に投射するプロジェクタに出力する画像処理制御部と、
を備え、
前記画像処理制御部は、
前記表示部に表示される前記カメラが撮影した前記画像から選択された前記物品の形態を検出して、検出した前記物品の形態に対応した前記画像データが送信されるように、選択された前記物品の通信機能部に要求する、携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1記載の携帯情報端末において、
前記カメラが有するレンズ面は、前記プロジェクタが有する投射レンズ面と同一面に設けられる、携帯情報端末。
【請求項3】
請求項1記載の携帯情報端末において、
前記画像処理制御部は、前記カメラから出力される距離データから検出した平坦部を投射領域として設定し、設定した前記投射領域に、前記画像データから生成した前記情報画像を投射するように前記プロジェクタを制御する、携帯情報端末。
【請求項4】
請求項3記載の携帯情報端末において、
前記画像処理制御部は、前記投射領域の背景色を検出して、前記投射領域に投射される前記情報画像と検出した前記背景色とのコントラストが強まるように前記画像データを補正する、携帯情報端末。
【請求項5】
請求項3記載の携帯情報端末において、
前記画像処理制御部は、前記投射領域の形状を検出して、検出した前記投射領域の形状に合わせて投射される前記情報画像の形状を補正する、携帯情報端末。
【請求項6】
請求項1記載の携帯情報端末において、
前記カメラおよび前記プロジェクタの動作を制御する動作制御部を有し、
前記動作制御部は、前記カメラが撮影状態にあると判定した際に前記プロジェクタによる前記情報画像の投射を停止させる、携帯情報端末。
【請求項7】
請求項1記載の携帯情報端末において、
通信網に接続する通信部を有し、
前記画像処理制御部は、前記通信部を通じて、前記通信網に接続されるサーバに対して認識した前記物品に係る前記画像データを要求して取得する、携帯情報端末。
【請求項8】
画像を撮影するカメラと、選択された物品から画像データを取得して、取得した前記画像データから生成した情報画像を、物品または物品と共に目視できる領域に投射するプロジェクタに出力する画像処理制御部と、を備える携帯情報端末による画像処理方法であって、
前記カメラが、画像を撮影するステップと、
前記画像処理制御部が、前記カメラによって撮影された前記画像から選択された前記物品の形態を検出して、検出した前記物品の形態に対応した前記画像データが送信されるように、選択された前記物品の通信機能部に要求するステップと、
を有する、画像処理方法。
【請求項9】
請求項8記載の画像処理方法において、
前記情報画像を投射するステップは、
前記カメラから出力される距離データから平坦部を検出するステップと、
検出した平坦部を投射領域として決定して、決定した前記投射領域に前記情報画像を投射するように前記プロジェクタを制御するステップと、
を有する、画像処理方法。
【請求項10】
請求項8記載の画像処理方法において、
前記情報画像を投射するステップは、
前記カメラから出力される距離データから平坦部を検出するステップと、
検出した平坦部を投射領域として決定して、決定した前記投射領域の背景色を検出するステップと、
前記投射領域に投射される前記情報画像と検出した前記背景色とのコントラストが強まるように前記画像データを補正するステップと、
を有する、画像処理方法。
【請求項11】
請求項8記載の画像処理方法において、
前記情報画像を投射するステップは、
前記カメラから出力される距離データから平坦部を検出するステップと、
検出した平坦部を投射領域として決定して、決定した前記投射領域の形状を検出するステップと、
検出した前記投射領域の形状に合わせて投射される前記情報画像の形状を補正するステップと、
を有する、画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末および画像処理方法に関し、特に、展示あるいは陳列されている物品などの理解促進に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、AR(Augmented Reality:拡張現実)を利用したサービスの提案がされている。ARは、ARトリガと呼ばれる2次元画像をデジタルカメラあるいはスマートフォンに内蔵されるカメラなどにて撮影して、ARトリガで紐付けしている情報の画像をカメラ撮影画像にリアルタイムに合成表示させる。
【0003】
ARを利用したサービスを提供する技術として、例えば合成表示されるAR画像を画像共有データベースに蓄積させて、サービス提供サーバを介してAR画像を提供することにより、ユーザ以外の他ユーザにもAR画像の観閲を可能とするものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように特許文献1の技術では、合成表示されるAR画像を画像共有データベースに蓄積させるためにAR画像を複数のユーザ間においてリアルタイムに共有することができない。
【0006】
複数のユーザによりAR画像を共有するためには、各々のユーザに該AR画像を表示する端末装置がそれぞれ必要となる。すなわち、AR画像を表示する端末装置をユーザ数分用意しなければならず、ユーザ数が多い場合には、AR画像の共有が困難である。
【0007】
本発明の目的は、AR画像を表示する端末装置を不要としながら複数の被説明者に対してリアルタイムに物品に係る情報を提示することができる技術を提供することにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
すなわち、代表的なものは、外部から送信される物品に係る情報である画像データを受信する携帯情報端末であって、画像を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、選択された物品から前記画像データを取得して、取得した前記画像データから生成した情報画像を、物品または物品と共に目視できる領域に投射するプロジェクタに出力する画像処理制御部と、を備え、前記画像処理制御部は、前記表示部に表示される前記カメラが撮影した前記画像から選択された前記物品の形態を検出して、検出した前記物品の形態に対応した前記画像データが送信されるように、選択された前記物品の通信機能部に要求する、携帯情報端末である。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
(1)複数の被説明者に対してリアルタイムに物品に係る情報を提示することができる。
【0013】
(2)上記(1)により、利用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1による画像表示装置における構成の一例を示す説明図である。
【
図2】
図1の画像表示装置の利用の一例を示す説明図である。
【
図3】
図1の画像表示装置が有する画像処理プロセッサの処理例を示す説明図である。
【
図4】
図1の画像表示装置による商品との通信シーケンスの一例を示す説明図である。
【
図5】
図3の平坦部検出における検出例を示す説明図である。
【
図6】
図3の投射画像データ補正における処理の一例を示す説明図である。
【
図7】
図1の画像表示装置のディスプレイに表示されるカメラ撮影画像の一例を示す説明図である。
【
図8】
図1の画像表示装置による商品情報における表示の一例を示す説明図である。
【
図9】
図1の画像表示装置による画像表示の他の例を示す説明図である。
【
図11】
図1の画像表示装置による動き検出、カメラ撮影状態、およびプロジェクタ投射状態の関係を示す説明図である。
【
図12】実施の形態2による画像表示装置における構成の一例を示す説明図である。
【
図13】実施の形態3による画像表示装置における構成の一例を示す説明図である。
【
図14】実施の形態4による画像表示装置を用いた画像表示システムおける構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
(実施の形態1)
以下、実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
〈画像表示装置の構成例〉
図1は、本実施の形態1による画像表示装置1における構成の一例を示す説明図である。
【0018】
画像表示装置1は、
図1に示すように携帯情報端末2およびプロジェクタ3を有する。携帯情報端末2は、モバイル通信インタフェース201、無線LANインタフェース202、CPU(Central Processing Unit)203、RAM(Random Access Memory)204、フラッシュROM(Read Only Memory)205、カメラ206、カメラ207、画像処理プロセッサ208、センサ209、ビデオプロセッサ210、グラフィックプロセッサ211、ディスプレイ212、音声通話用のマイク/スピーカ213、外部インタフェース214、外部端子215、ビーコン送受信部216などを有する。上記した各機能ブロックは、共通バス217により相互に接続されている。
【0019】
画像表示部であるプロジェクタ3は、外部端子215を介し、携帯情報端末2に接続されている。プロジェクタ3の投射口である投射レンズ面は、カメラ206およびカメラ207がそれぞれ有するレンズ面とおおよそ同じ方向を向くように設置されている。また、設置の調整を行う機構を採用してもよい。
【0020】
説明者は、画像表示装置1を手に持ち、カメラ206,207のレンズ面を被写体である物品(以下、商品という)に向けて撮影を行う。カメラ部であるカメラ206,207は、例えばステレオカメラである。ステレオカメラは、2つのカメラの視差を利用して、被写体を撮影するのに加えて、被写体とカメラ間の距離を測距する。
【0021】
この他に、カメラ206,207のいずれか一方のカメラを被写体を撮影するカメラとして用いて、他方のカメラをTOF(Time Of Flight)やSP(Structured Patter)などの方式によって被写体との距離を測距する専用のカメラとしてもよい。
【0022】
画像処理プロセッサ208は、カメラ206,207の撮影画像および距離データの処理を行う。CPU203、無線LANインタフェース202、および画像処理プロセッサ208などによって画像処理制御部が構成されている。
【0023】
また、センサ209は、例えばジャイロセンサなどであり、カメラ206,207の撮影時における手振れなどを検知して、撮影時の手振れ補正を行い、安定した被写体の撮影を可能とさせる。
【0024】
モバイル通信インタフェース201は、3G(Generation)あるいは4Gと称されるモバイル通信機能を担い、無線LANインタフェース202は、Wi-fi(登録商標)などに代表される無線LAN(Local Area Network)機能を担う。無線LANインタフェース202には、無線LANだけでなく、Bluetooth(登録商標)などに例示される通信機能を含んでもよい。
【0025】
モバイル通信インタフェース201および無線LANインタフェース202は、周囲の通信環境に応じて相補的に動作する。例えば屋内では無線LANインタフェース202が選択され、屋外ではモバイル通信インタフェース201が選択される。
【0026】
被写体である商品についても、画像表示装置1との通信を行う
図2に示す通信機能部300を備えている。この通信機能部300は、通信機能の他に該商品に係る情報である画像データあるいは後述する個体情報などのデータなどを格納する図示しない格納部などを有している。以下、画像表示装置1は、商品に備えられる通信機能部300を通じて通信可能な商品を選択して、選択した商品と通信を行い、該商品に係る情報を得る。
【0027】
CPU203は、フラッシュROM205に格納されているアプリケーションやOS(オペレーティングシステム)などのプログラムを実行する。実行に当たっては、フラッシュROM205のプログラムは、揮発性半導体メモリであるRAM204に展開される。
【0028】
フラッシュROM205は、データを書き換えすることができる不揮発性半導体メモリであり、プログラムのほか、商品に係る情報、および商品に係る情報の画像のデータなどを保持する。これらデータについてもRAM204に展開される。
【0029】
また、CPU203が実行するプログラムは、アプリケーションやOSに加えて、共通バス217に繋がる画像処理プロセッサ208、ビデオプロセッサ210、およびグラフィックプロセッサ211などの制御プログラムなどを含む。
【0030】
上述した商品に係る情報、すなわち画像データは、CPU203、ビデオプロセッサ210、およびグラフィックプロセッサ211にて処理され、プロジェクタ3によって投射可能な画像である情報画像に変換される。
【0031】
商品に係る情報がMPEG(Moving Picture Experts Group)やJPEG(Joint Photographic Experts Group)などの圧縮された画像データである場合には、ビデオプロセッサ210により復号が行われる。ハイパーテキストなどのデータである場合には、グラフィックプロセッサ211が画像データに変換する。得られた画像データは、外部インタフェース214および外部端子215を介してプロジェクタ3に送出される。
【0032】
ディスプレイ212は、例えばタッチパネルを有しており、カメラ206,207の撮影画像、あるいはアプリケーションの実行画面を表示する。また、必要に応じてユーザの入力操作を促して、画像表示装置1でのインタラクティブ操作を可能とさせる。
【0033】
ビーコン送受信部216は、商品に向けてビーコン信号を送信するとともに、商品から送信されるビーコン信号を受信する。ビーコン信号は、画像表示装置1の周辺にある商品の存在を検知する際に用いられる。
【0034】
〈画像表示装置の利用例〉
図2は、
図1の画像表示装置1の利用の一例を示す説明図である。
【0035】
この
図2では、画像表示装置1がスマートフォンからなる例を示したものであり、スマートフォンには、プロジェクタ3が内蔵されている。また、
図2では、商品としてスーツケース6を説明する例を示している。
【0036】
図2において、商品であるスーツケース6を説明する説明者4は、画像表示装置1を保持して、カメラ206,207のレンズ面をスーツケース6に向けて撮影する。撮影画像は、ディスプレイ212に表示される。そして、ディスプレイ212の表示画面上にて、説明者4は、説明する商品を選択する。商品の選択は、例えば説明者が説明するスーツケース6の画像をタッチすることなどによって行われる。
【0037】
説明する商品であるスーツケース6が選択されると、画像表示装置1とスーツケース6が有する通信機能部300とが通信信号21a,21bを用いてそれぞれ通信を行う。これにより、画像表示装置1は、選択したスーツケース6から該スーツケース6に係る情報を得る。
【0038】
さらに、画像表示装置1は、通信から得るスーツケース6に係る情報である画像データを情報画像に変換して、スーツケース6に対して投射することによりて、情報画面である投射画面30を被説明者5a,5b,5cに提示する。
【0039】
これにより、被説明者5a,5b,5cは、スーツケース6と投射画面30とを同時に見ながら説明者4が行う説明を受けることができる。このように、複数の被説明者によって商品の情報を観閲する際に、個々の被説明者5a,5b,5cが商品の情報を閲覧するAR(Augmented Reality)ヘッドマウントディスプレイや表示装置などの端末装置をそれぞれ用意しなくてもよいので、装置コストを低減しながら、利用者の利便性を向上させることができる。
【0040】
〈画像処理プロセッサの処理例〉
図3は、
図1の画像表示装置1が有する画像処理プロセッサ208の処理例を示す説明図である。この
図3では、画像処理プロセッサ208による処理の一例としたが、以下に示す処理は、画像処理プロセッサ208とCPU203とによって行うものであってもよい。
【0041】
画像処理プロセッサ208は、第1の処理、第2の処理、および第3の処理をそれぞれ実行する。第1の処理は、商品認識および商品決定操作受信を行う処理である。第2の処理は、距離データ受信、平坦部検出、および投射領域決定を行う処理である。第3の処理は、投射画像データ受信、投射画像データ補正、および投射画像データ送出を行う。
【0042】
第1の処理において、商品認識では、カメラ206,207の撮影画像を画像処理して商品を認識する(ステップS101)。商品認識に関しては、予めビーコン送受信部216によるビーコン通信を用いて、近くにある商品の存在を検知する。
【0043】
ビーコン送受信部216は、特定の商品に向けて発信するものでないので、画像表示装置1の周辺にビーコン信号に応答する商品が複数ある場合には、複数の商品が検知される。あるいはカメラ206,207の撮影画像から物体の画像認識を行い、その結果に基づいて、商品を判別するようにしてもよい。ビーコン通信によって予め商品の存在が絞り込まれているため、画像認識の計算負荷が軽減される。
【0044】
検知された商品は、ディスプレイ212に選択候補として提示する。この場合、ディスプレイ212に表示されるカメラ206,207の撮影画像において、選択候補の商品、すなわち検出した商品を識別マークである枠などによって囲む表示などを行うことによって、説明者4に選択候補であることを認識させる。
【0045】
説明者4は、カメラ206,207の撮影画像の表示画面で、商品の画像をタッチするなどの操作を行い、説明の対象とする商品を決定する。商品決定操作受信では、画像処理プロセッサ208が説明の対象とする商品を決定した際の決定指示を受信する(ステップS102)。
【0046】
第2の処理において、距離データ受信では、カメラ206,207から距離データを受信する(ステップS103)。距離データは、例えばカメラ206,207の撮影画像の画素単位に付随するものである。平坦部検出では、該距離データを用いて、距離の変動偏差が予め設定される基準値以内の領域を平坦部として判定する(ステップS104)。
【0047】
投射領域決定では、平坦部として判定された領域から、投射領域を決定する(ステップS105)。投射領域は、ひとつの平坦部を選択してもよいが、複数の平坦部の組み合わせとして選択してもよい。
【0048】
第3の処理において、投射画像データ受信では、ビデオプロセッサ210およびグラフィックプロセッサ211にて得る商品に係る情報の画像データを選択したスーツケース6、すなわちステップS102の処理にて決定した商品から受信する(ステップS106)。
【0049】
投射画像データ補正は、
図2に示したように商品であるスーツケース6に投射画面30を投射する際に投射領域の背景色、投射領域の形状などを考慮して、投射画像データの色合い変更あるいは形状変換などを行う(ステップS107)。これにより、投射画面が見やすくなるように修正される。
【0050】
投射画像データ送出では、投射画像データ補正の処理にて修正された投射画像データを
図1の外部インタフェース214などを介してプロジェクタ3に送出する(ステップS108)。
【0051】
なお、
図3では、上述した第1の処理、第2の処理、および第3の処理をそれぞれ順番に処理する例を示したが、これらの処理の順番は、これに限定されるものではない。例えば第1の処理と第2の処理、第2処理と第3の処理、第1の処理と第3の処理、あるいは第1の処理~第3の処理までを並列に処理するようにしてもよい。
【0052】
〈画像表示装置と商品との通信例〉
図4は、
図1の画像表示装置1による商品との通信シーケンスの一例を示す説明図である。
【0053】
まず、画像表示装置1は、説明する商品を検出するためにビーコン送受信部216からビーコン信号を送信する(ステップS201)。このビーコン信号は、上述したように特定の商品に向けて発信するものでない。
【0054】
よって、ビーコン信号を受信した画像表示装置1の周辺にある複数の商品が該ビーコン信号を受信したことを示すビーコン応答を返す(ステップS202)。このビーコン応答には、例えば商品を特定する商品コードあるいは型番などの個体情報が含まれている。
【0055】
また、ステップS202の処理であるビーコン応答は、ビーコン信号に替えて、例えば無線LANインタフェース202などによるブロードキャスト通信などを用いてもよい。
【0056】
画像表示装置1において、画像処理プロセッサ208は、周辺にある商品からの応答を確認して、商品を説明する商品を決定する(ステップS203)。ステップS203の処理では、説明者4が
図3の商品決定操作受信(ステップS102)において選択した商品を説明する商品として決定する。
【0057】
商品が決定された際、画像処理プロセッサ208は、画像認識処理によって決定した商品の個体情報を取得する。この場合、例えばフラッシュROM205などに各商品の特徴点および該特徴点に紐付いた個体情報などを示すテーブルが格納されている。画像処理プロセッサ208は、このテーブルに基づいて、決定された商品の個体情報を取得する。
【0058】
続いて、CPU203は、取得した個体情報に合致する商品に対してデータリクエストを送信する(ステップS204)。この場合、ビーコン応答に含まれる個体情報を検索し、商品の決定の際に取得した個体情報と一致する商品を検索する。
【0059】
そして、ビーコン応答に含まれる個体情報と取得した個体情報とが一致する商品に対してデータリクエストを送信する。このデータリクエストは、例えば無線LANインタフェース202などによって送信される。
【0060】
商品6は、画像表示装置1からのデータリクエストに応えて、商品に係る情報のデータを送信する(ステップS205)。画像処理装置1は、無線LANインタフェース202を介して商品に係る情報のデータを受信する。
【0061】
〈平坦部検出の検出例〉
図5は、
図3の平坦部検出における検出例を示す説明図である。
【0062】
カメラ206,207の撮影画像は2次元の画像であり、対応する距離データも2次元のデータであるが、
図5では、説明を簡単にするために1次元にて示している。
図5(a)および
図5(b)において、横軸は、画素の位置を示したものであり、縦軸は距離の大きさを示したものである。また、
図5(a)の実線841aおよび
図5(b)の実線841bは、距離データをそれぞれプロットしたものである。
【0063】
図5(a)の場合には、実線841aに示すように、画素位置が位置X1~位置X2の範囲もおいて距離の偏差がδに収まっている平坦部が検出できる。また、
図5(b)の場合には、実線841bに示すように画素位置が位置X3~位置X4の範囲において、距離が単調に増加しているものの、傾斜分を控除した偏差がδに収まっている傾斜付き平坦部が検出できる。傾斜つき平坦部においても、投射領域として選択することができる。
【0064】
〈投射画像データ補正の処理例〉
図6は、
図3の投射画像データ補正における処理の一例を示す説明図である。
【0065】
この
図6では、投射画像データ補正として、色明度補正、形状補正、および奥行き補正の3つの補正を行う例を示している。
【0066】
色明度補正は、背景色検出および文字色補正を実行する。形状補正は、投射領域形状検出および画像データ形状補正を実行する。奥行き補正は、投射領域奥行き検出および画像データ奥行き補正を実行する。
【0067】
まず、背景色検出において、カメラ206,207の撮影画像の投射領域の背景色を検出する(ステップS301)。そして、文字色補正にて、投射画像データに含まれる文字などの色補正および明度補正を行う(ステップS302)。これにより、背景とのコントラストを強めて投射画像の視認性を改善する。
【0068】
続いて、投射領域形状検出にて、投射領域が例えば台形である場合、曲面である場合、あるいは分離されて構成されている場合などの投射領域の形状を検出する(ステップS303)。
【0069】
その後、画像データ形状補正において、検出された投射領域の形状に合わせて、投射画像データの形状補正を行い、投射画像を投射領域の範囲に収める(ステップS304)。
【0070】
そして、投射領域奥行き検出にて、投射領域の奥行き形状を検出する(ステップS305)。この処理は、例えば距離データに傾斜があるような場合などに実行される。
【0071】
続いて、画像データ奥行き補正にて、検出された奥行き形状に対する画像補正を行う(ステップS306)。この補正は、例えば投射領域の奥の方ほど文字を大きくするなどの補正である。これにより、表示される文字の歪みなどを低減することができる。
【0072】
〈カメラ撮影画像の表示例〉
図7は、
図1の画像表示装置1のディスプレイ212に表示されるカメラ撮影画像の一例を示す説明図である。
【0073】
図7(a)は、説明者が説明する商品がスーツケース6であり、該スーツケース6の外観が撮影された場合の例を示している。
図7(b)は、
図7(a)の商品であるスーツケース6の蓋が開かれた状態にて撮影された場合の例を示している。
【0074】
図7(a)および
図7(b)において、ディスプレイ212には、商品であるスーツケース6の撮影画像に商品ポインタ62が表示されている。説明者4は、例えばディスプレイ212に表示される商品ポインタ62をタッチすることにより、商品ポインタ62直下にあるスーツケース6が選択される。
【0075】
図7(a)および
図7(b)に示したように、スーツケース6が閉じられている状態あるいはスーツケース6の蓋が開けられている状態など、たとえ同じ商品であっても状態が異なる場合がある。
【0076】
このように、画像表示装置1は、商品の様々な状態に応じて最適な情報を選択して提供することができる。
【0077】
〈商品情報の表示例〉
図8は、
図1の画像表示装置1による商品情報における表示の一例を示す説明図である。
【0078】
図8(a)は、
図7(a)のカメラ206,207の撮影画像に対する情報の投射例を示している。すなわちスーツケース6を閉じた状態の外観に情報画像、すなわち該スーツケース6に係る情報の画像31aを投射している例を示している。
【0079】
図8(b)は、
図7(b)のカメラ206,207の撮影画像に対する情報の投射例を示している。すなわちスーツケース6の蓋を開いた状態にて、開いた蓋の内側に情報画像、すなわち該スーツケース6に係る情報の画像31bを投射している例を示している。
【0080】
図8(a)および
図8(b)に示すように、商品の状態に応じて情報となる画像31a,31bの内容が異なるように表示される。言い換えれば、同じ商品であっても、その状態によって、商品に係る情報の内容が異なるように表示される。
【0081】
スーツケース6の状態が
図8(a)であることを画像処理プロセッサ208が認識すると、CPU203は、
図8(a)の状態に応じた画像データを送信するようにデータリクエストする。
【0082】
また、スーツケース6が
図8(b)であることを画像処理プロセッサ208が認識すると、CPU203は、
図8(b)の状態に応じた画像データを送信するようにデータリクエストする。
【0083】
あるいは、すべての状態の画像データを一括にて、該スーツケース6から予め取得しておき、スーツケース6の状態に応じた画像データをCPU203が取り出してプロジェクタ3に出力するようにしてもよい。この場合も、スーツケース6の状態は、カメラ206,207によって撮影された画像によって画像処理プロセッサ208が認識する。
【0084】
これにより、被説明者は、より商品の特徴を把握しやすくなる。
【0085】
〈商品情報の表示の他の例1〉
図9は、
図1の画像表示装置1による画像表示の他の例を示す説明図である。
【0086】
この
図9は、洋服の販売に画像表示装置1を適用した例を示したものである。
【0087】
まず、
図9の右側に示す商品である洋服を着ているモデル64を画像表示装置1によって撮影する。ここで、モデル64は、マネキンなどであってもよい。この撮影画像の一部を切り出し、さらにその一部である顔の部分を被説明者の顔33に置き換えて、
図9の左側に示すようにプロジェクタ3により情報画像である投射画像32を投射する。
【0088】
被説明者の顔画像33は、例えばモデル64をカメラ撮像する前に撮影する。撮影画像は、例えば画像表示装置1のフラッシュROM205あるいはRAM204などに格納される。そして、格納された顔画像33をモデル64のカメラ撮影画像と合成する。これにより、商品の実体とARのようなバーチャル画像を比較することができるという利点がある。
【0089】
〈商品情報の表示の他の例2〉
図10は、
図9の他の例を示す説明図である。
【0090】
この
図10は、家屋の部屋66の説明に画像表示装置1を適用し例を示したものである。
図10(a)は、部屋66に設けられた窓67から差し込む光を網掛けにて示す情報画像である投射画像34a,34bとして表示する例を示している。
【0091】
例えば不動産業者による物件の案内において、部屋66内部における1日の日照の動きを投射画像として高速で表示して、被説明者に提示することによりタイムラプス表示が可能となる。この場合、日照の動きのデータは、予めフラッシュROM205などに格納されており、フラッシュROM205などに格納された日照の動きのデータに基づいて、CPU203およびグラフィックプロセッサ211などが日照の1日の動きを高速で表示する投射画像を生成してプロジェクタ3によって投射される。
【0092】
図10(b)は、部屋66に設置されたエアコン68の風向きおよび風量を情報画像である矢印35a,35b,35cとして投射画像する例を示している。矢印35a,35b,35cの向きは、風向きを示しており、矢印35a,35b,35cの大きさは、風量を示している。例えば表示される矢印が大きくなるほど、風量が多くなるものとする。
【0093】
この場合、画像表示装置1は、例えばエアコン68を制御するリモートコントローラに適用する。エアコン68を多数の被説明者で共有している場合などにおいて、エアコン68の風の様子をわかりやすく伝えることができ、被説明者全員が納得する状態にエアコン68の風向きや風量などを制御することができる。
【0094】
なお、エアコンの制御に関する応用は、業務用途以外にも民生用途にも適用可能である。家庭用エアコンの場合でも、
図10(b)は適用可能であり、例えば家庭用エアコンのリモートコントローラに適用することができる。
【0095】
さらに、民生用途としては、冷蔵庫などにも適用可能である。冷蔵庫に収納されている食品リストを商品に係る情報として提供するようにして、該情報の画像を冷蔵庫の壁面に投射して、家族間で共有する。
【0096】
この場合、投射される情報から食品を選択して、料理や調理方法の情報サイトにリンクするようにしておけば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0097】
続いて、カメラ206,207およびプロジェクタ3の切り替え技術について説明する。
【0098】
〈カメラおよびプロジェクタの同期動作例〉
図11は、
図1の画像表示装置1による動き検出、カメラ撮影状態、およびプロジェクタ投射状態の関係を示す説明図である。
【0099】
図11において、上方から下方にかけては、動き検出、カメラ撮影、およびプロジェクタ投影をそれぞれ示しており、横軸は、時刻を示している。動き検出は、センサ209による携帯情報端末2の動きの検出結果であり、「有」が動き検出したことを示し、「無」が動きを検出していないことを示している。
【0100】
カメラ撮影は、カメラ206,207による撮影状態を示したものであり、「ON」は撮影状態、すなわちカメラ206,207が起動している状態であることを示しており、「OFF」は、撮影状態でないこと、すなわちカメラ206,207が起動していない状態であることを示している。
【0101】
プロジェクタ投影は、プロジェクタ3の投射状態であり、「ON」はプロジェクタ3による投射が行われている状態であることを示しており、「OFF」は、プロジェクタ3による投射が行われていない状態であることを示している。
【0102】
カメラ206,207およびプロジェクタ3は、同期動作をする。
図11に示す縦の点線の間隔は、映画像の1フレーム、もしくは数フレームであり(以下、画像フレームと記す)、カメラ206,207とプロジェクタ3とは、画像フレームを基準単位として動作のON/OFFが切り替えられる。
【0103】
図11において、カメラ206,207によるカメラ撮影が開始された状態において、左側の時刻t0を経由して、時刻t1と時刻t2との間まで、センサ209が動きを検出している。この動きは、前述したようにジャイロセンサであるセンサ209が携帯情報端末2の動きを検出する。
【0104】
センサ209が動きを検出した状態、すなわち
図11の動き検出が有の状態では、例えば説明者4が携帯情報端末2を動かして、被写体の商品などを捉えようとしている期間である。そして、被写体の商品を捉えてカメラ206,207による撮影時には、携帯情報端末2の動きが止まり、カメラ206,207による撮影が実行される。
【0105】
このとき、プロジェクタ投射は、非実行、すなわちOFFとなる。プロジェクタ投射では、プロジェクタ3から強い光が投射されるので、カメラ撮影の支障となることがある。
【0106】
よって、カメラ撮影期間、すなわちセンサ209が動きを検出してから被写体の商品を捉えて撮影されるまでの期間においては、プロジェクタ3をOFFさせることにより、カメラ撮影を良好に行うことができる。
【0107】
時刻t1と時刻t2との間において、動き検出状態が無に遷移すると、カメラ206,207は、時刻t2から時刻t3の画像フレーム期間にてカメラ撮影を実行して、該期間のカメラ撮影画像を携帯情報端末2に保存する。そして、
図3の商品認識(ステップS101)および商品決定操作受信(ステップS102)を実行して、商品に係る情報の画像データを準備する。
【0108】
時刻t3に移行すると、プロジェクタ投射がONとなり、商品に係る情報の画像データを投射するプロジェクタ投射期間となる。この時、カメラ撮影はOFFである。カメラ撮影期間およびプロジェクタ投射期間は、例えばCPU203が判定してカメラ206,207およびプロジェクタ3の動作を制御する。
【0109】
時刻t4~t5に示すように、動き検出が無の状態の任意の画像フレームにて、カメラ撮影をON、プロジェクタ投射をOFFに切り替えることができる。例えば説明者4の操作により、商品を切り替える場合である。
【0110】
時刻t6から再び動き検出が有の状態に遷移すると、動き検出の遷移に連動して、カメラ撮影がON、プロジェクタ投射がOFFに切り替えられる。このように、ジャイロセンサなどのセンサ209の動き検出を用いることによって、説明者4が携帯情報端末2を動かして被写体の商品を捉えようとしている期間の自動的な検出を容易にすることができる。
【0111】
以上により、説明者が説明対象とする商品の上もしくは商品の近傍に商品に係る情報の画像を投射し、商品に係る情報を被説明者にリアルタイムに提示することができる。商品情報を提示する際には、被説明者がそれぞれ端末装置などを所持していなくてもよく、利便性を向上することができる。
【0112】
また、商品に係る情報の画像を、商品の上、もしくは商品の近傍に投射して、商品の実体と関連する情報を同時に複数の被説明者が見ることができるので、商品特徴の理解を促進することができる。さらに、説明者は別の商品の説明を行うときに、対象の商品を選択し、投影領域を変更することが可能になる。
【0113】
(実施の形態2)
〈画像表示装置1の構成例〉
図12は、本実施の形態2による画像表示装置1における構成の一例を示す説明図である。
【0114】
前記実施の形態1では、
図1に示すように画像表示装置1が携帯情報端末2とプロジェクタ3とが一体となった構成であったが、本実施の形態1においては、
図12に示すように、携帯情報端末2とプロジェクタ3とが分離された構成となっている。
【0115】
分離した構成の携帯情報端末2およびプロジェクタ3は、例えばネットワーク接続されている。ネットワークは、例えば無線LANなどの無線ネットワークであり、アクセスポイント7を介してそれぞれ無線接続される。
【0116】
このように、プロジェクタ3を携帯情報端末2から分離して設けることにより、プロジェクタ3の選択の自由度が高くなり、例えばより高輝度なプロジェクタなどを選択することが可能になる。
【0117】
以上により、前記実施の形態1の効果に加えて、明るい環境下などであっても、視認性に優れた投射画像を提供することができる。
【0118】
(実施の形態3)
〈画像表示装置1の構成例〉
図13は、本実施の形態3による画像表示装置1における構成の一例を示す説明図である。
【0119】
画像表示装置1は、
図13に示すように、携帯情報端末2、プロジェクタ3、およびカメラ8,8a,8bを有しており、これらは、個々に分離された構成からなる。携帯情報端末2、プロジェクタ3、およびカメラ8,8a,8bは、例えばアクセスポイント7を介して無線LANなどの無線ネットワークによって無線接続されている。カメラ8,8a,8bは、例えばネットワークカメラなどである。あるいはカメラ8,8a,8bは、PTZ(Pan Tilt Zoom)制御が可能なPTZカメラなどであってもよい。
【0120】
図12は、カメラ8,8a,8bがPTZカメラである例を示しており、これらカメラ8,8a,8bによって商品などが撮影される。携帯情報端末2は、前記実施の形態1の
図3にて示した処理シーケンスによって商品などと対応付けを行う。
【0121】
PTZカメラなどは、建物などの固定物に取り付けられているので、手ぶれなどの影響を受けることなく、安定したカメラ撮像を行うことができるなる。また、PTZカメラは、商品のカメラ撮影での位置、アングル、および大きさを自由度高く変えることができる。さらに、分離されているプロジェクタ3を安定した場所などに設置するようにすれば、投射画面の安定化を図ることができる。
【0122】
以上により、前記第2の実施形態の効果に加えて、より安定したカメラ撮影画像を得ることができる。
【0123】
(実施の形態4)
〈画像表示システムの構成例〉
図14は、本実施の形態4による画像表示装置1を用いた画像表示システム50における構成の一例を示す説明図である。
【0124】
画像表示システム50は、
図14に示すように、例えば画像表示装置1、アクセスポイント7、およびサーバ9によって構成されている。画像表示装置1は、前記実施の形態1の
図1と同様であるので、説明は省略する。
【0125】
アクセスポイント7は、画像表示装置1がWAN(Wide Area Network)10を介してサーバ9にアクセスするために設けられる。アクセスポイント7と画像表示装置1とは、例えば無線LANなどによって接続される。
【0126】
商品決定におけるプロセスは、前記実施の形態1の
図3および
図4に示したものと同じであるが、画像表示装置1は、
図4のステップS203の処理における商品決定処理の後にサーバ9に対してデータリクエストを送信する。データリクエストを受けたサーバ9は、リクエストされた商品に係る情報を画像表示装置1に送信する。これによって、画像表示装置1は、説明する商品などに係る情報を得ることができる。
【0127】
商品に係る情報は、商品の状態、すなわち上述したように
図8のスーツケース6の場合には蓋が開かれた状態や蓋が閉じられた状態などによって異なるが、商品などの状態が多岐に渡る場合には、それに伴い、商品にかかる情報量も多くなることが考えられる。その場合、商品との通信によって該商品の情報を取得するには、商品との通信負荷が重くなりすぎることがある。
【0128】
一方、
図14に示した画像表示システム50の場合には、商品に係る情報がサーバ9に蓄えられており、該サーバ9から画像表示装置1に情報を送出するので、上述した問題は解消される。
【0129】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0130】
例えば実施の形態1~4では、携帯情報端末2が有するディスプレイ212にカメラ撮影画像を、プロジェクタ3の投射画面に商品などに係る情報の画像データをそれぞれ映し出す場合を説明したが、プロジェクタ3の投射画面にカメラ撮影画像と商品に係る情報の画像データを時間的に切り替えて映し出すことも可能である。
【0131】
また、説明者が被説明者に対して商品の説明をする例を示したが、画像表示装置1を使用する目的はこれに限定されるものではなく、任意の製品に関する情報を、それ自体もしくはその近辺に表示する場合であれば、同様の使い方が可能である。
【0132】
また、携帯情報端末2の機能などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路にて設計するなどによりハードウェア実装してもよい。また、マイクロプロセッサユニット、CPUなどがそれぞれの機能などを実現する動作プログラムを解釈して実行するソフトウェア実装であってもよい。ソフトウェアの実装範囲を限定するものでなく、ハードウェアとソフトウェアとを併用してもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 画像表示装置
2 携帯情報端末
3 プロジェクタ
7 アクセスポイント
8 カメラ
8a カメラ
8b カメラ
9 サーバ
50 画像表示システム
62 商品ポインタ
201 モバイル通信インタフェース
202 無線LANインタフェース
203 CPU
204 RAM
205 フラッシュROM
206 カメラ
207 カメラ
208 画像処理プロセッサ
209 センサ
210 ビデオプロセッサ
211 グラフィックプロセッサ
212 ディスプレイ
213 マイク/スピーカ
214 外部インタフェース
215 外部端子
216 ビーコン送受信部
217 共通バス