(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】基板、パッケージ、電子部品および発光装置。
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20241112BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20241112BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20241112BHJP
H01S 5/02315 20210101ALI20241112BHJP
【FI】
H01L23/12 J
H01L23/12 Q
H01L33/62
H01L33/64
H01S5/02315
(21)【出願番号】P 2023517466
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 JP2022018247
(87)【国際公開番号】W WO2022230731
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2021074366
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 善友
(72)【発明者】
【氏名】山中 祐二
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/030486(WO,A1)
【文献】特開2005-191135(JP,A)
【文献】特開2005-035864(JP,A)
【文献】特開2012-080085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 33/62
H01L 33/64
H01S 5/02315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子が搭載される第1面、前記第1面の反対側に位置する第2面および前記第1面と前記第2面とを接続する第1側面を有する第1基板と、
前記第1基板を支持する第3面および前記第3面の反対側に位置する第4面を有し、前記第1基板よりも大きい第2基板と、
前記第1面と、前記第2面とを導通し、かつ前記第1基板の前記第1側面において前記第1面から前記第2面にかけて露出している、第1ビア導体と、を有し、
前記第1ビア導体の、前記第1面と平行な断面の断面積は、前記第1面から前記第2面に向かうにつれて大きくなっている
、基板。
【請求項2】
素子が搭載される第1面、前記第1面の反対側に位置する第2面および前記第1面と前記第2面とを接続する第1側面を有する第1基板と、
前記第1基板を支持する第3面および前記第3面の反対側に位置する第4面を有し、前記第1基板よりも大きい第2基板と、
前記第1面と、前記第2面とを導通し、かつ前記第1基板の前記第1側面において前記第1面から前記第2面にかけて露出している、第1ビア導体と、を有し、
前記第1ビア導体の、前記第1面と平行な断面の断面積は、前記第1面から前記第2面に向かうにつれて大きくなっており、
前記第1基板の前記第1側面は傾斜しており、当該第1側面と、前記第3面とがなす角は鈍角である
、基板。
【請求項3】
素子が搭載される第1面、前記第1面の反対側に位置する第2面および前記第1面と前記第2面とを接続する第1側面を有する第1基板と、
前記第1基板を支持する第3面および前記第3面の反対側に位置する第4面を有し、前記第1基板よりも大きい第2基板と、
前記第1面と、前記第2面とを導通し、かつ前記第1基板の前記第1側面において前記第1面から前記第2面にかけて露出している、第1ビア導体と、を有し、
前記第1基板は矩形形状を有しており、
前記第1面の対向する辺のそれぞれの中央に、前記第1ビア導体が位置する
、基板。
【請求項4】
素子が搭載される第1面、前記第1面の反対側に位置する第2面および前記第1面と前記第2面とを接続する第1側面を有する第1基板と、
前記第1基板を支持する第3面および前記第3面の反対側に位置する第4面を有し、前記第1基板よりも大きい第2基板と、
前記第1面と、前記第2面とを導通し、かつ前記第1基板の前記第1側面において前記第1面から前記第2面にかけて露出している、第1ビア導体と、を有し、
前記第1基板は矩形形状を有しており、
前記第1面の対向する隅部のそれぞれに、前記第1ビア導体が位置する
、基板。
【請求項5】
素子が搭載される第1面、前記第1面の反対側に位置する第2面および前記第1面と前記第2面とを接続する第1側面を有する第1基板と、
前記第1基板を支持する第3面および前記第3面の反対側に位置する第4面を有し、前記第1基板よりも大きい第2基板と、
前記第1面と、前記第2面とを導通し、かつ前記第1基板の前記第1側面において前記第1面から前記第2面にかけて露出している、第1ビア導体と、を有し、
平面視において、前記第1ビア導体の外縁と前記第1面が有する辺との交点における前記第1ビア導体の外縁の接線と、前記第1面が有する辺と、がなす角度は、90°±20°である
、基板。
【請求項6】
素子が搭載される第1面、前記第1面の反対側に位置する第2面および前記第1面と前記第2面とを接続する第1側面を有する第1基板と、
前記第1基板を支持する第3面および前記第3面の反対側に位置する第4面を有し、前記第1基板よりも大きい第2基板と、
前記第1面と、前記第2面とを導通し、かつ前記第1基板の前記第1側面において前記第1面から前記第2面にかけて露出している、第1ビア導体と、を有し、
少なくとも1つの前記第1ビア導体は、平面視において前記素子が搭載される領域と重なる部分を有している
、基板。
【請求項7】
前記第2基板は、前記第3面と、前記第4面とを導通する第2ビア導体を有しており、
少なくとも1つの前記第1ビア導体は、平面視において前記第2ビア導体と重なる部分を有している、請求項1から
6のいずれか1項に記載の基板。
【請求項8】
請求項1から
6のいずれか1項に記載の基板と、蓋体とを備える、パッケージ。
【請求項9】
請求項1から
6のいずれか1項に記載の基
板と、
前記
基板に搭載された素子とを備える、電子部品。
【請求項10】
請求項8に記載のパッケージと、
前記パッケージに搭載された素子とを備える、電子部品。
【請求項11】
請求項1から
6のいずれか1項に記載の基
板と、
前記
基板に搭載された素子とを備え、前記素子が発光素子である、発光装置。
【請求項12】
請求項8に記載のパッケージと、
前記パッケージに搭載された素子とを備え、前記素子が発光素子である、発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板、パッケージ、電子部品および発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、素子の種類または用途により、当該素子の搭載位置を高くするために、凸部を有する基板の凸部表面に素子が搭載される場合がある。例えば、特許文献1に記載の発光モジュールは、サブマウント(凸部)に搭載された半導体レーザと、レンズ部品とを実装したキャリア(基板)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国公開特許公報「特開2013-80900号」
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様に係る基板は、素子が搭載される第1面、前記第1面の反対側に位置する第2面および前記第1面と前記第2面とを接続する第1側面を有する第1基板と、前記第1基板を支持する第3面および前記第3面の反対側に位置する第4面を有し、前記第1基板よりも大きい第2基板と、前記第1面と、前記第2面とを導通し、かつ前記第1基板の前記第1側面において前記第1面から前記第2面にかけて露出している、第1ビア導体と、を有する。
【0005】
本開示の一態様に係るパッケージは、上記基板と、蓋体とを備える。
【0006】
本開示の一態様に係る電子部品は、上記基板または上記パッケージと、上記基板または上記パッケージに搭載された素子とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る発光装置は、上記基板または上記パッケージと、上記基板または上記パッケージに搭載された素子とを備え、前記素子が発光素子である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係る基板の斜視図である。
【
図2】上記基板の上面図、断面図、側面図および下面図である。
【
図5】
図4に示す角度θを変化させたときの、第1ビア導体の外縁および第1面が有する辺を模式的に示す平面概略図である。
【
図6】変形例としての基板の上面図、断面図、側面図および下面図である。
【
図7】変形例としての基板の上面図、断面図、側面図および下面図である。
【
図8】変形例としての基板の上面図、断面図、側面図および下面図である。
【
図11】本開示の実施形態に係る基板を備える電子部品の分解斜視図である。
【
図12】上記電子部品の上面図、断面図および側面図である。
【
図13】蓋体の内側面と第1ビア導体とを接合材によって接合した例示的な発光装置の断面図である。
【
図14】他の例示的なパッケージの分解斜視図である。
【
図15】他の例示的なパッケージの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本開示の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の基板1の斜視図である。
図2は、基板1の上面図、断面図、側面図および下面図である。
図2において、符号201に示される図は、基板1の上面図であり、符号202に示される図は、符号201に示される図におけるI-I線矢視断面図である。また、
図2において、符号203に示される図は、基板1をX軸負方向から見たときの側面図であり、符号204に示される図は、基板1をY軸正方向から見たときの側面図である。また、
図2における符号205に示される図は、基板1の下面図である。
図3は、基板1の分解斜視図である。
図4は基板1が備える第1基板11の上面図である。
【0011】
添付の図面において、基板1は、仮想のXYZ空間におけるX-Y平面上に位置しているものとする。本明細書において、上方向とは、仮想のZ軸の正方向のことをいう。以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に基板1等が使用される際の上下を限定するものではない。また、基板1の厚み方向とは、Z軸の方向のことをいう。
【0012】
基板1は、素子を搭載するための基板であり、当該素子を支持するための支持体として機能する。基板1は、放熱性が要求される素子および/または導体抵抗の低減が要求される素子を搭載するために用いられ得る。より具体的には、基板1は、例えば、LED(light emitting diode)、LD(Laser diode)等の発光素子、PD(photo diode)などの受光素子、CCD(charge coupled device)型もしくはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)型などの撮像素子、または加速度センサなどのセンサ素子などの素子を搭載するために用いられ得る。
【0013】
(基板1の構成)
図1~
図3に示すように、基板1は、第1基板11と、第1基板11を支持し、第1基板11よりも大きい第2基板12とを備える。具体的には、Z軸方向からの平面視において、第2基板12は第1基板11よりも大きさが大きい。そのため、第2基板12の第3面12A(上面)は、一部が第1基板11によって覆われており、その周囲の部分の少なくとも一部が露出している。第1基板11は、例えば、矩形形状を有しており、素子が搭載される領域(以下、素子搭載領域13という)を有する第1面11Aと、第1面11Aの反対側に位置する第2面11Bとを有する。第2基板12は、第1基板11を支持する第3面12Aおよび第3面12Aの反対側に位置する第4面12Bを有する。第1基板11および第2基板12は、例えば、矩形形状を有している。第1基板11および第2基板12の形状は、矩形形状に限定されず、円形状、多角形形状であってもよい。
【0014】
素子搭載領域13は、第1面11Aにおいて、素子が搭載される領域であって、添付の各図面において破線で示した領域である。図面では素子搭載領域13の形状は方形であるがこれに限られるものではなく、搭載される素子の形状に対応する形状であってよい。
【0015】
第1基板11および第2基板12は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミックス焼結体等のセラミックスを用いることができる。第1基板11および第2基板12は、例えば酸化アルミニウム質焼結体である場合であれば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤等を添加混合して泥漿物を作製する。この泥漿物を、従来周知のドクターブレード法またはカレンダーロール法等を採用してシート状に成形することによってセラミックグリーンシートを作製する。次に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、セラミックグリーンシートを必要に応じて複数枚積層して生成形体を形成し、この生成形体を高温(約1600℃)で焼成することによって第1基板11および第2基板12が作製され得る。
【0016】
基板1の表面および内部には、配線導体14が設けられている。例えば、
図1~
図3に示す例において、基板1は、配線導体14として、接続パッド141、第1ビア導体142、配線層143、第2ビア導体144および端子電極145を含む。
【0017】
基板1の上面(第1面11A)には素子と接続するための接続パッド141が設けられている。また、基板1の下面(第4面12B)には、外部電気回路と接続するための端子電極145が設けられている。端子電極145は、基板1の下面に限定されず、下面から側面にかけて、あるいは側面に設けられていてもよい。これら接続パッド141と端子電極145とは、基板1の表面および内部に設けられた、第1ビア導体142、配線層143および第2ビア導体144によって電気的に接続されている。
【0018】
接続パッド141および端子電極145は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルもしくはコバルト等の金属、またはこれらの金属を含む合金を導体材料として主に含むものである。接続パッド141および端子電極145は、導体材料のメタライズ層またはめっき層等の金属層として基板1の表面に形成される。また、配線層143は、導体材料のメタライズによって基板1の内部に形成される。第1基板11と第2基板12とは大きさが異なるため、第1基板11と、第2基板12との間に配置される配線層143は、第2基板12の表面に露出していてもよい。
【0019】
接続パッド141、配線層143および端子電極145は、例えば、タングステンのメタライズ層である場合には、タングステンの粉末を有機溶剤および有機バインダと混合して作製した金属ペーストを、基板1となるセラミックグリーンシートの所定位置にスクリーン印刷法等の方法で印刷して焼成する方法で形成することができる。また、このうち、接続パッド141、配線層143および端子電極145となるメタライズ層の露出表面には、電解めっき法または無電解めっき法等を用いてニッケルまたは金等のめっき層がさらに被着されていてもよい。
【0020】
第1ビア導体142は、第1面11A側と第2面11B側とを導通し、かつ第1基板11の側面において第1面11Aから第2面11Bにかけて露出しているビア導体である。第1ビア導体142は、第1面11A上の導体と第2面11B上の導体とを導通する。具体的には、第1面11A上の接続パッド141と第2面上の配線導体(配線層143)とを導通する。第2ビア導体144は、第3面12A側と第4面12B側とを導通するビア導体である。第2ビア導体144は、第3面12A上の導体と第4面12B上の導体とを導通する。具体的には、第3面12A上の配線層143と第4面12B上の端子電極145とを導通する。
【0021】
ビア導体という用語は、第1ビア導体142および第2ビア導体144の総称として用いられ得る。すなわち、ビア導体は、第1基板11または第2基板12を貫通する導体である。ビア導体は、接続パッド141、配線層143および端子電極145となる金属ペーストの印刷に先駆けて、セラミックグリーンシートの所定の位置に形成されてもよい。例えば、まず、第1基板11または第2基板12用のセラミックグリーンシートに金型またはパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工等の加工方法によってビア導体用の貫通孔を形成する。その後、この貫通孔に、ビア導体用のメタライズペーストを上記印刷手段によって充填しておき、第1基板11または第2基板12用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。メタライズペーストは、上述の金属粉末に適当な溶剤およびバインダを加えて混練することによって、適度な粘度に調整して作製される。第1基板11または第2基板12用との接合強度を高めるために、ガラス粉末、セラミック粉末を含んでいても構わない。第1ビア導体142の態様を除いたビア導体は、Z軸方向からの平面視において、例えば円形状を有している。すなわち、例えば、本実施形態の第2基板12では、第2ビア導体144は、円柱状である。しかしながら、ビア導体の形状は円柱状に限定されず、例えば楕円形状、多角形状、または角柱状であってもよい。
【0022】
図1~
図3に示す例では、第1基板11が有するビア導体が全て第1ビア導体142であるが、第1基板11は、第1基板11の側面に露出していないビア導体を有していてもよい。
【0023】
第1ビア導体142は、Z軸方向からの平面視において、例えば半円形状を有している。すなわち、第1ビア導体142は、例えば、半円柱状であり得る。第1ビア導体142の平面視における形状は半円形状に限定されず、半楕円形状または矩形形状を有していてもよい。第1ビア導体142の平面視における形状が半円形状または半楕円形状のような角を有さない形状である場合、第1基板11に当該角を起点とするクラックが発生する可能性を低減できる。また、第1基板11が有する複数の第1ビア導体142の大きさは、それぞれ異なっていてもよい。
【0024】
第1ビア導体142は、例えば、以下のように形成することができる。すなわち、(i)第1基板11となるセラミックグリーンシートにおいて、第1基板11における第1ビア導体142の配置に基づいてビア導体を形成する。(ii)第1基板11の形状と対応する金型を用いて、ビア導体の少なくとも一部が第1基板11の側面に露出するよう打ち抜き加工する。例えば、上記(i)において円柱状のビア導体を形成し、上記(ii)において打ち抜き加工することにより半円柱状の第1ビア導体142を形成することができる。第1ビア導体142の露出表面には、電解めっき法または無電解めっき法等を用いてニッケルまたは金等のめっき層がさらに被着されていてもよい。
【0025】
上記(ii)の工程は、第1基板11となるセラミックグリーンシートの下方に、第2基板12となるセラミックグリーンシートを、第1基板11と第2基板12とが所定の位置関係となるよう位置合わせして配置した後で行われてもよい。この場合、第1基板11の第2面11Bとなる部分に、樹脂および溶媒等を添加混合して得られる適切なバインダを塗布しておき、第1基板11となる部分を打ち抜きつつ第2基板12の第3面12Aとなる部分へ押し付けて接着してもよい。これにより、第1基板11となるセラミックグリーンシートを上方から金型を用いて打ち抜き加工することで、第1基板11となる部分の打ち抜き加工と、第1基板11となる部分と第2基板12となる部分の積層工程とを同時に行うことができる。打ち抜き加工と積層工程とを同時に行うことにより、第1基板11を第2基板12に搭載する際の位置の精度を高めることができる。
【0026】
基板1が、上述のような素子を搭載する場合、基板1は、基板1が有する配線における導体抵抗が小さいことおよび放熱性が高いことが求められる。本実施形態に係る基板1は、素子に接続される接続パッド141と、端子電極145とが、接続ワイヤなどと比較して広い断面積を有するビア導体によって接続されているため、低い導体抵抗を実現することができる。また、素子に近い第1基板11が有するビア導体が、第1基板11の側面に露出しているため、放熱性に優れる。
【0027】
また、第1基板11は、第2基板12よりも小さいため、平面視において、第1基板11の水平方向の断面において、第1基板11の面積に対して配線導体14が占める面積が相対的に大きくなる。そのため、ビア導体が第1基板の内部に形成されている場合、ビア導体の位置によっては当該ビア導体と、第1基板11の側面との距離が十分に確保できない場合がある。ビア導体の外縁と、第1基板11の側面との距離が十分に確保できていない箇所では、第1基板11にクラックが発生する可能性がある。しかしながら、本実施形態の第1ビア導体142は、第1面11Aから第2面11Bにかけて露出しているため、このようなクラックが発生する可能性を低減することができる。また、第1基板に上記素子以外の半導体素子またはコンデンサなどを搭載するために他の貫通導体を設ける必要がある場合であっても、クラックが発生する可能性を低減しつつ、配線レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0028】
さらに、
図2に示されるように、第1ビア導体142は、平面視において第2ビア導体144と重なる部分を有している。当該構成を有することにより、素子の搭載される第1面11Aから実装基板に接続される第4面12Bにかけて、直線的で断面積の大きい、熱および電流の伝導経路が形成されるため、放熱性および導体抵抗の低減の効果をさらに向上させることができる。
図2に示されるように、基板1は、第2ビア導体144の横断面積が第1ビア導体142の横断面積よりも大きい。このような構成を有することにより、第1面11Aから第4面12Bへの伝熱経路がX-Y平面方向へも拡がるため、熱がX-Y平面方向へ拡散しながら第4面12Bへ伝熱する。よって、放熱性をより向上させることができる。
【0029】
(第1ビア導体142の配置)
ここで、第1ビア導体142の第1基板11における配置について説明する。
図4は、第1基板11の上面図である。
図5は、
図4に示す角度θを変化させたときの、第1ビア導体142の外縁および第1面11Aが有する辺を模式的に示す平面概略図である。
【0030】
図4に示すように、第1基板11は、第1面11Aの対向する辺のそれぞれの中央に第1ビア導体142を有していてもよい。当該構成により、第1ビア導体142と、第1ビア導体142が位置しない辺との距離Lが大きくなるため、使用時に発生する熱に起因する熱応力などの応力によって第1基板11にクラックが発生する可能性が低減される。距離Lは、第1ビア導体142の外縁と、第1ビア導体142が位置しない辺に直交する延長線とが交わる最短距離として規定され得る。また、基板1の製造において、第1基板11となるセラミックグリーンシートを打ち抜く際においても、第1基板11の外縁と、第1ビア導体142の外縁との距離が大きくなるため、第1基板11にクラックが発生し難い。
【0031】
ここで、第1基板11の平面視において、第1ビア導体142の平面視における形状が半円形状または半楕円形状の場合の、第1ビア導体142の外縁と第1面11Aが有する辺との交点に注目する。当該交点において、第1ビア導体142の外縁の接線と、第1面11Aが有する辺と、がなす角度を、角度θとする。第1基板11において、角度θは、70°以上110°以下(90°±20°)であってよい。角度θが70°以上110°以下であることにより、第1ビア導体142の導体断面が小さくならず、第1ビア導体142と第1基板11の側面とに挟まれた薄い部分(薄肉部)が第1基板11に形成され難くなる。そのため、低い導体抵抗を有するとともに、薄肉部での第1基板11の欠けなどが発生する可能性が低減され、接続信頼性の高い基板を実現できる。 (変形例1)
図6は、基板1の変形例である基板1Pの上面図、断面図、側面図および下面図である。
図6において、符号601に示される図は、基板1Pの上面図であり、符号602に示される図は、符号601に示される図におけるII-II線矢視断面図である。また、
図6において、符号603に示される図は、基板1PをX軸負方向から見たときの側面図であり、符号604に示される図は、基板1PをY軸正方向から見たときの側面図である。また、
図6における符号605に示される図は、基板1Pの下面図である。
【0032】
変形例1に係る第1基板11Pは、第1ビア導体142Pを有している。第1ビア導体142Pの第1面11Aと平行な断面の断面積は、第1面11Aから第2面11Bに向かうにつれて大きくなっている。当該断面積は、第1面11Aから第2面11Bに向かうにつれて段階的に大きくなっていてもよいし、第1面11Aから第2面11Bに向かうにつれて漸増していてもよい。当該断面積が第1面11Aから第2面11Bに向かうにつれて漸増している場合、第1基板11Pと第1ビア導体142Pとの間に応力の集中しやすい角がないため、接続信頼性が向上する。
【0033】
第1ビア導体142Pが上記構成を有することにより、素子からの熱が平面方向にも拡散しながら第2基板側に伝熱するため、放熱性が向上する。また、第2基板12P上の配線層143との接続面積が増え、接続信頼性が向上する。さらに、導通断面積が大きくなることで、第1ビア導体142と比較して、導体抵抗をさらに低減することができる。
【0034】
また、基板1Pの第2基板12Pは、第2ビア導体144Pを有している。第2ビア導体144Pの第3面12Aと平行な断面の断面積は、第3面から第4面に向かうにつれて大きくなっている。当該構成により、第2基板12における放熱性の効果および導体抵抗の低減効果がさらに向上する。
【0035】
(変形例2)
図7は、基板1の変形例である基板1Qの上面図、断面図、側面図および下面図である。
図7において、符号701に示される図は、基板1Qの上面図であり、符号702に示される図は、符号701に示される図におけるIII-III線矢視断面図である。また、
図7において、符号703に示される図は、基板1QをX軸正方向から見たときの側面図であり、符号704に示される図は、基板1QをY軸正方向から見たときの側面図である。また、
図7における符号705に示される図は、基板1Qの下面図である。
【0036】
変形例2に係る第1基板11Qの側面は傾斜しており、当該側面と、第3面12Aとがなす角θPは鈍角である。第1ビア導体142Qの第1基板11Qの側面に露出する面は、第1基板11Qの側面と面一であり、第1ビア導体142Qの露出面も傾斜していてよい。露出面と第3面12Aとがなす角度は、側面と第3面12Aとがなす角θPと同じであってよい。角θPは、特に限定されないが、例えば95°~110°であってよい。角θPが95°~110°の範囲内であると、第1ビア導体142Qの長さ方向の全体が、第1基板11Qの側面に露出しやすい構成となり、放熱性が向上しやすい。第1基板11Qの傾斜面は、例えば、第1基板11Qとなるセラミックグリーンシートを打ち抜き加工する工程において、金型にクリアランスを設けることにより形成することができる。より具体的には、第1基板11Qの打ち抜き開始面側に設置される打ち抜き用金型(雄型)と、打ち抜き終了面側に設置される支持用金型(雌型)の径(一辺の長さ)を、支持用金型の方が大きくなるように設定することにより、傾斜面を形成することができる。第1基板11Qの傾斜角度(角θP)は、雄型と雌型とのクリアランスの大きさを変更することにより、調節することができる。
【0037】
基板1Qは、第1基板11Qの側面と、第3面12Aとがなす角θPが鈍角であるため、当該角を起点としたクラックが発生する可能性を低減することができる。これにより配線が断線される可能性が低減され、信頼性が向上する。角θPが鈍角である基板1Qは、角θPが直角である基板と比較して、第1ビア導体142Qの第1基板11Qの側面に露出する面積が大きいため、優れた放熱性を有する。また、第1ビア導体142Qは、導体断面積がさらに増加し、横方向への熱の拡散も増加するため、導体抵抗の低減効果および放熱効果がさらに向上する。
【0038】
(変形例3)
図8は、基板1の変形例である基板1Rの上面図、断面図、側面図および下面図である。
図8において、符号801に示される図は、基板1Rの上面図であり、符号802に示される図は、符号801に示される図におけるIV-IV線矢視断面図である。また、
図8において、符号803に示される図は、基板1RをX軸負方向から見たときの側面図であり、符号804に示される図は、基板1RをY軸正方向から見たときの側面図である。また、
図8における符号805に示される図は、基板1Rの下面図である。
図9は、第1基板11Rの上面拡大図である。
【0039】
変形例3に係る基板1Rは矩形形状を有しており、第1面11Aの対向する隅部のそれぞれに、第1ビア導体142Rを有している。当該構成により、第1ビア導体142Rの外縁間の間隔を大きくすることができるため、第1基板11Rの第1ビア導体142R間の部分にクラックが発生する可能性を低減することができる。当該間隔を確保し得ることで、導体間が短絡する可能性を低減することができる。また、第1ビア導体142Rの径を大きくすることができるため、導体抵抗の低減効果および放熱効果をさらに向上させることができる。
【0040】
ここで、第1ビア導体142Rの外縁と第1面11Aが有する辺との交点に注目する。当該交点における第1ビア導体142Rの外縁の接線と、第1面11Aが有する辺と、がなす2つの角度(角度θ1およびθ2)は、互いに異なっていてもよい。また、角度θ1およびθ2は、それぞれ、70°以上110°以下(90°±20°)であり得る。
【0041】
(変形例4)
図10は、第1基板11の変形例である第1基板11Sの上面図である。
図10に示されるように、第1基板11Sは、大きさの異なる2つの第1ビア導体142S1および第1ビア導体142S2を備えている。また、第1ビア導体142S1は、半楕円形状を有しており、平面視において当該第1ビア導体142S1の一部が素子搭載領域13と重なっている。
【0042】
上記構成により、上述の実施形態および変形例と比較して、平面視における素子搭載領域13との重複領域が大きくなる。これにより、放熱性をさらに向上させることができる。この場合、断面積が大きい第1ビア導体142S1側を接地電位とし、断面積の小さい第1ビア導体142S2側を電源取出し用の電位としてもよい。第1ビア導体142S1側は、例えば、第1基板11Sの下面側に配される導電性接合材(はんだ、ろう材、導電性接着剤など)を介して配線導体に接続されてもよい。一方、第1ビア導体142S2側は、ボンディングワイヤを介して配線導体に接続されてもよい。また、他の形態として、放熱専用として、断面積が大きい第1ビア導体142S1を1つ備え、電気接続用として、断面積の小さい第1ビア導体142S2を2つ備えてもよい。
【0043】
(その他)
上述の実施形態では、第1基板11および第2基板12がそれぞれ1層である例について述べたが、第1基板11および第2基板12は、それぞれ2層以上の絶縁層を積層することによって構成される積層体であってもよい。複数の絶縁層を積層することにより、複雑な配線構造を備えることが容易となる。
【0044】
第1基板11および第2基板12が複数の絶縁層が積層された積層体である場合、ビア導体は、各絶縁層を貫通する導体として定義され得る。また、各絶縁層間には、例えば、内部配線層が設けられていてもよい。この場合、接続パッド141と端子電極145とは、第1ビア導体142、配線層143、内部配線層および第2ビア導体144によって電気的に接続され得る。
【0045】
<電子部品>
本開示に係る電子部品は、本開示に係る基板1と、素子とを備える。以下では、例として、素子が、発光素子2である場合、すなわち電子部品が発光装置5である場合について説明する。
【0046】
図11は、発光装置5の分解斜視図である。
図12は、発光装置5の上面図、断面図および側面図である。
図12において、符号1201に示される図は、発光装置5の上面図である。
図12において符号1202に示される図は、符号1201に示される図におけるV-V線矢視断面図である。また、
図12において符号1203に示される図は、発光装置5をX軸負方向から見たときの側面図である。
【0047】
発光装置5は、基板1と、発光素子2とを備える。また、
図11に示されるように、発光素子2が気密封止を必要とする場合、発光装置5は、蓋体3を備えていてもよい。また、基板1と、蓋体3とを含む構成を、パッケージ4と称する。すなわち、発光装置5は、パッケージ4と、発光素子2とを備える構成であるとも言える。
【0048】
発光装置5は、基板1の下面等に設けられた端子電極145と、外部電気回路とが電気的に接続されることにより、基板1に搭載された発光素子2と外部電気回路とが電気的に接続される。すなわち、発光素子2と、外部電気回路とが、配線導体14を介して互いに電気的に接続される。
【0049】
発光素子2と、接続パッド141とは、ボンディングワイヤなどの接続部材を用いて接続されていてもよいし、発光素子2の下面に設けられる端子を介してはんだ等によりフリップチップ接続されていてもよい。あるいは、これらの接続方法を併用してもよい。
【0050】
発光装置5は、図示していないが、発光素子2以外に、必要に応じて他の半導体素子および/またはコンデンサなどの受動素子を搭載していてもよい。これらは、第1基板11の第1面11Aまたは第2基板12の第3面12Aに搭載され得る。他の半導体素子としては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路が挙げられ得る。半導体素子および/またはコンデンサは、例えば、ボンディングワイヤなどの接続部材によって発光素子2および基板1と電気的に接続されていてもよいし、半田付けによって基板1の配線導体14に接続されていてもよい。
【0051】
図11に示す例において、発光素子2は、蓋体3によって封止されるとともに保護されている。
図11に示す例では、発光装置5は、発光素子2、第1基板11、および第2基板12の上面の配線層143をまとめて覆う箱状(キャップ状)の蓋体3を備えている。
【0052】
蓋体3は、例えば金属、または樹脂等の材質から構成されており、基板1に接合されている。蓋体3は封止接合材を介して接合されてもよい。前記封止接合材としては、例えば樹脂接着剤、ガラス、はんだを含むろう材等が挙げられる。ろう材で蓋体3と基板1とを接合する場合、第1基板11および第2基板12の上面の配線層143を囲むように、第2基板12の上面に接合用金属層6を設けていてもよい。また、蓋体3は、蓋体3が金属である場合には、シーム溶接、レーザ溶接等の溶接で、第2基板12上の接合用金属層6に接合されてもよい。ろう材等を用いた接合の場合はリフロー加熱による全体加熱であるのに対し、シーム溶接またはレーザ溶接による接合の場合には接合部だけの局所加熱とすることができる。また、発光素子2は第1基板11上に搭載されているため、第1基板11の厚み分、および第1基板11の外縁から接合用金属層6の内縁までの距離分の隙間が確保される。これにより、接合時の加熱を受ける接合用金属層6と発光素子2とを大きく離間させることができる。そのため、発光素子2に対する熱の影響を小さくすることができる。接合用金属層6は、例えばめっき膜やメタライズ層などの金属膜で形成されていてもよい。蓋体3が樹脂のような、ろう材の濡れ性(接合性)が低い材料から構成されている場合、蓋体3にも接合用金属層が形成されていてもよい。
【0053】
蓋体3は、上面に光を出射するための窓部31を備える。窓部31は、例えば、蓋体3の所定の位置に形成される開口部310を、光を透過するガラス板311で塞ぐことにより構成されていてもよい。蓋体3は、面発光のLEDまたはVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)のような面発光のLDを搭載するのに用いられ得る。
図11では窓部31は円形状を有しているが、窓部31の形状は円形状に限定されず、矩形または多角形などの形状を有していてもよい。また窓部31の大きさについても適宜変更され得る。開口部310は、発光素子2が光を出射する方向に応じて、蓋体3の上面または側面に設けられ得る。
【0054】
発光装置5において、接合用金属層6を接地電位に接続し、接合用金属層6と金属製等の導電性の蓋体3とを、導電性の接合材によって接合、あるいは溶接してもよい。当該構成により、蓋体3が接地電位となるため、蓋体3の内側に搭載された各素子の磁気シールド効果を得ることができる。
【0055】
また、上記シールド効果は、蓋体3の内側面と第1ビア導体142とを導電性の接合材で接続することによっても得られる。この場合、蓋体3の内側面と第1ビア導体142とを接続する接合材として、はんだ等の金属の接合材を用いてもよい。はんだ等の金属の接合材は、熱伝導性に優れるため、蓋体3が放熱体としての役割を果たすことが可能となり、放熱性も向上する。
【0056】
図13は、蓋体3の内側面と第1ビア導体142とを接合材40によって接合した、発光装置5Aおよび発光装置5Bの断面図である。
図13の符号1301に示す発光装置5Aが備える蓋体3Xは、4つの側壁のうちの1つが、接地電位の第1ビア導体142の近くに位置している。また、
図13の符号1302に示す発光装置5Bが備える蓋体3Yは、側壁の一部が内側に突出している凹部32Yを有している。
図13に示す発光装置5Aおよび5Bのように、蓋体3の、第1ビア導体142と対向する内側面を、第1ビア導体142に近づける構成とすることにより、蓋体3と第1ビア導体142との接続が容易となる。
【0057】
図11に示す例では、基板1および蓋体3が平面視において矩形を有しているが、基板1および蓋体3は、平面視において円形、多角形など他の形状を有していてもよい。また、基板1が複数の素子搭載領域13を有し、蓋体3が複数の窓部31を備える態様であってもよい。
【0058】
発光装置5は、導体抵抗の低減効果および放熱効果を有する基板1または基板1を含むパッケージ4を備えるため、電子部品としての省エネ効果または信頼性を向上させることができる。
【0059】
(変形例5)
図14は、パッケージ4Aの分解斜視図である。パッケージ4Aは、基板1の変形例である基板1Tと、蓋体3の変形例である蓋体3Aとを備える。
【0060】
基板1Tは、第1基板11T上に3つの素子搭載領域13を有しており、例えば、素子として、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光をそれぞれ発する3種類の端面発光LDを搭載する基板として用いられ得る。蓋体3Aは、複数の素子に対応する3つの窓部31を有している。
【0061】
図14では、基板1Tが3つの素子搭載領域13を有している例を示しているが、素子搭載領域13の数はこの例に限定されない。基板1Tが有する素子搭載領域13の数および蓋体3Aが有する窓部31の数は任意に設定され得る。
【0062】
(変形例6)
図15は、パッケージ4Bの分解斜視図である。パッケージ4Bは、基板1の変形例である基板1Uと、蓋体3の変形例である蓋体3Bとを備える。
【0063】
基板1Uは、第1基板11U上に複数の素子搭載領域13を有しており、素子の配列方向に長い矩形形状を有している。基板1Uは、例えば端面発光LDを搭載する基板として用いられ得る。蓋体3Bは、基板1Uの第1基板11Uが備える複数の素子に対して、1つの窓部31を有している。蓋体3Bが有する窓部31は、素子の配列方向に長い矩形を有している。蓋体3Bのように、基板1Uに搭載される素子同士の間隔が小さい場合、蓋体3Bが有する窓部31は、複数の素子に対して1つであってもよい。素子から照射される光の直線性が高く、各素子間に適切なクリアランスが確保されていれば、窓部31が複数の素子に対して1つの矩形形状であっても、隣り合う光同士は干渉しない。
【0064】
〔付記事項〕
以上、本開示に係る発明について、諸図面および実施例に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0065】
1、1P、1Q、1R、1T・・・基板
11、11P、11Q、11R、11S、11T、11U・・・第1基板
11A・・・第1面
11B・・・第2面
12、12P、12Q、12R、12T、12U・・・第2基板
12A・・・第3面
12B・・・第4面
13・・・素子搭載領域
14・・・配線導体
141・・・接続パッド
142、142P、142Q、142R、142S1、142S2・・・第1ビア導体
143・・・配線層
144、144P・・・第2ビア導体
145・・・端子電極
2・・・発光素子(素子)
3、3A、3B・・・蓋体
4、4A、4B・・・パッケージ
5、5A、5B・・・発光装置(電子部品)