(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】加温コンディショナー
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20241112BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20241112BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20241112BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20241112BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20241112BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20241112BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20241112BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241112BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/19
A61K8/41
A61Q5/12
A61K8/34
A61K8/92
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/46
(21)【出願番号】P 2023521692
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 US2021072037
(87)【国際公開番号】W WO2022094553
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-10
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン チャン ショウ リー
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ジー ジャン
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-206221(JP,A)
【文献】特表2004-508314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャンバ及び第2のチャンバを有するパッケージ中に封入された化粧料組成物であって、
(a)
12重量%~20重量%の、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機発熱剤、1%~10%の、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物からなる群から選択される相転移剤、及び、25%~90%の、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、流動パラフィン、鉱油、植物油、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、不活性担体を含む第1の組成物と、
(b)
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、硫酸メチル、硫酸エチル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、硫酸メチル又は硫酸エチルから成る群から選択されるカチオン性界面活性剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される脂肪族アルコール、及び水を含み、
カチオン性界面活性剤及び脂肪族アルコールの総量は、本組成物の重量の3.0重量%~10重量%であり、カチオン性界面活性剤と脂肪族アルコールとの重量比が、1:2~1:4の範囲内である、第2の組成物とを含み、
第1の組成物は第1のチャンバに収容され、第2の組成物は第2のチャンバに収容されており、そして、第1の組成物と第2の組成物は相互に別々に収納されて、前記第1の組成物及び前記第2の組成物は混合して使用されることを特徴とする、化粧料組成物。
【請求項2】
前記第1の組成物と前記第2の組成物との比が35:65~90:10である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記無機発熱剤が硫酸マグネシウムである、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記第2の組成物中の水と前記第1の組成物中の前記無機発熱剤とのモル比が75~0.75である、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
前記化粧料組成物が、チューブインチューブパッケージ又はブリスターパックパッケージから分配される、請求項1に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配時に加温及びヘアコンディショニングを提供する二相化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なヘアコンディショニング製品が消費者向けに市販されている。一般に、ヘアコンディショナーは、毛髪の感触、外観、及び扱い易さを改善するために使用される。毛髪に対するコンディショナーの性能及び結果を最適化するコンディショナーがある一方で、消費者体験に焦点を当てている他のコンディショナーもある。例えば、いくつかのコンディショナーは、熱を発生させ、心地よいユーザ体験を提供する成分を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
消費者の心地よい加温体験と高性能なコンディショニング結果とを組み合わせたヘアコンディショナーが引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
化粧料組成物であって、
(a)水と混合することによって発熱する無機発熱剤を含む第1の組成物と、
(b)モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含むカチオン性界面活性剤系を含む第2の組成物と、含み、
第1の組成物と第2の組成物との比が、約35:65~98:2であり、
第1の組成物と第2の組成物との粘度の差が3.5Pa.s未満であり、
第1の組成物及び第2の組成物は、分配されるまで互いに分離された状態を維持され、
分配されたときに加温効果を有する、化粧料組成物。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】様々なヘアコンディショナーについての温度の最大変化のグラフである。
【
図2】混合物中の第1の組成物のパーセントに対する混合物中の水と硫酸マグネシウムのモル比のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する「特許請求の範囲」で締めくくられているが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0007】
本明細書で、「含む(comprising)」とは、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分が加えられ得ることを意味する。この用語には、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語が包含される。
【0008】
全ての百分率、部及び比率は、特に指示がない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。リストされた成分に関連するこのような重量は全て、活性レベルに基づいており、したがって市販の材料に含まれる可能性のある担体又は副生成物を含まない。
【0009】
本明細書で、「混合物」は、材料の単純な組み合わせと、このような組み合わせから得られることのある任意の化合物と、を含むことを意味する。
【0010】
用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記載のない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0011】
「QS」は、100%とするために十分な量を意味する。
【0012】
実施形態
本発明の化粧料組成物は、第1の組成物及び第2の組成物を含んでもよく、第1の組成物及び第2の組成物は、分配されるまで互いに分離された状態を維持される。第1の組成物は無機発熱剤を含み、第2の組成物は、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含むカチオン性界面活性剤系を含む。分配されるまで分離されたままであるが、第1の組成物及び第2の組成物は分配時に接触させられる。
【0013】
消費者は、ヘアコンディショナーから特定の性能及び効果を期待する。例えば、消費者は、コンディショナーの外観が、適切なレオロジーと共に、濃く、豊かで、均質であることを望む。消費者は更に、使用後の保湿感、柔らかさ、及び静電気制御などの優れた性能を自分のコンディショナーに求めている。このような性能上の利点は、水性担体に混合されたカチオン性界面活性剤系及び高融点脂肪族化合物の使用によってもたらされ得る。いくつかのコンディショナーはまた、使用時に加熱を提供する。このような加熱は、消費者がコンディショナーを使用する際のシャワー又は風呂の水によって引き起こされ得る。この加熱は、水と混合するコンディショナーの特定の成分によって提供されるので、加熱コンディショナーは、典型的には水性製剤ではない。したがって、使用中の加熱体験を消費者に提供することと、最適な性能効果の全てを1つのヘアコンディショニング製品で消費者に提供することとの間にはトレードオフが存在し得る。本発明は、両方の長所を提供することができる多相製品を使用する。
【0014】
第1の組成物
本発明の1つの相は、水と混合することによって熱を発生する無機発熱剤を含む第1の組成物である。加熱反応は水と混合されるまで開始しないので、第1の組成物の担体は無水である。
【0015】
本発明で使用する場合、「無水」とは、組成物が5%以下の水を含有することを意味する。第1の組成物の無水組成物は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下の水を含有し、更により好ましくは実質的に水を含まない。無水組成物は、好ましくは約25℃~約80℃、より好ましくは約30℃~約60℃、更により好ましくは約35℃~約45℃の温度に加温する。この温度は、例えば、発熱剤、発熱剤の量、及び発熱反応を制御することができる追加の薬剤を選択することによって調整することができる。
【0016】
硫酸カルシウムなどの使用され得る無機発熱剤は、一般に、約-19.2kJ mol-1以下のエンタルピー変化を有する。本明細書で有用な無機発熱剤としては、例えば、塩化カルシウム(CaCl2、CaCl2.H2O、CaCl2.2H2O)、塩化マグネシウム(MgCl2、MgCl2.2H2O、MgCl2.4H2O)、塩化アルミニウム(AlCl3、AlCl3.6H2O)、塩化第二鉄(FeCl3、FeCl3.2H2O)、及び塩化亜鉛(ZnCl2)などの塩化物;硫酸マグネシウム(MgSO4、MgSO4.H2O、MgSO4.4H2O)、硫酸亜鉛(ZnSO4.H2O)、硫酸第一鉄(FeSO4、FeSO4.H2O)、及び硫酸カルシウム(CaSO4、CaSO4.1/2H2O、CaSO4.H2O)などの硫酸塩;乾燥ミョウバン;酸化カルシウム(CaO);酸化マグネシウム(MgO);炭酸カリウム(K2CO3)及び炭酸ナトリウム(Na2CO3)などの炭酸塩;臭化マグネシウム(MgBr2)、臭化カルシウム(CaBr2)、及び臭化アルミニウム(AlBr3)などの臭化物;ヨウ化マグネシウム(MgI2、MgI2.6H2O)、ヨウ化カルシウム(CaI2)、ヨウ化アルミニウム(AlI3)などのヨウ化物;ゼオライト;並びにリン酸水素ナトリウム(Na2HPO4)を挙げることができる。いくつかの実施形態は、無水無機塩、例えば、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、酸化カルシウム(CaO)、及びそれらの混合物を、それらの効果的な発熱、毛髪及び/又は皮膚に対する穏やかさ、及び容易な取り扱いの観点から含み得る。いくつかの実施形態は、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)を含み得る。
【0017】
本明細書で有用な無機発熱剤は、ざらつき感を防止する観点から、好ましくは約0.01μm~約200μm、より好ましくは約0.05μm~約30μm、更により好ましくは約0.1μm~約20μmの平均直径を有し得る。
【0018】
無機発熱剤は、第1の組成物の約5重量%~約60重量%、いくつかの実施形態では約8重量%~約50重量%、他の実施形態では約10重量%~約35重量%、約10重量%~約30重量%、約12重量%~約20重量%の濃度で本組成物中に含み得る。
【0019】
相転移剤
本発明の第1の無水化粧料組成物は、不活性担体中に分散された相転移剤を含み得る。本発明の特定の融点を有する相転移剤は、その相を固体から液体に変化させることによって発熱剤からの熱を吸収し、次いで、その相を液体から固体に変化させることによって熱をゆっくりと放出することができると考えられる。したがって、相転移剤は、コーティングされた発熱剤を使用することなく、本組成物が期待するよりも高い温度まで温まるのを防止し、本組成物からの長時間の加温を提供することができると考えられる。
【0020】
本発明の相転移剤は、約30℃~約70℃、好ましくは約30℃~約60℃、より好ましくは約35℃~約50℃の融点を有し得る。この融点は、1種類の材料の融点であり得る。融点は、2種類又はそれ以上の材料が互いに混和性である場合、2種類又はそれ以上の材料の混合物であってもよい。この場合、各材料は必ずしも約30℃~約70℃の融点を有するわけではないが、それらの混合物は約30℃~約70℃の融点を有する。
【0021】
本明細書で有用な相転移剤としては、例えば、アミドアミン;脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物などの脂肪族化合物;固体パラフィンなどの炭化水素;及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な脂肪族化合物は、「高融点脂肪族化合物」という名称で以下に開示される。本明細書で有用なアミドアミンは、「アミドアミン」という名称で以下に開示される。好ましい相転移剤は、コンディショニング効果を提供する観点から、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体及びこれらの混合物などの脂肪族化合物;アミドアミン類;及びこれらの混合物である。セチルアルコール(融点=46~55℃)、ステアリルアルコール(融点=54~61℃)及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールがより好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとの重量比が約10:90~約99:1(融点約48℃~約58℃)であるセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物が更に好ましい。相転移剤として機能するために、これらの材料は不活性担体中に分散されるが溶解されない。不活性担体に完全に溶解した物質は、融点が約30℃~約70℃であっても、本発明の相転移剤として機能することができない。例えば、特開平11-228332号公報には、融点が41~43℃のミリスチン酸ミリスチル5重量%とステアリン酸オクチル担体65重量%とを含有する組成物(実施例9)が開示されているが、ミリスチン酸ミリスチル5重量%はステアリン酸オクチル担体65重量%に完全に溶解しているため、本発明の相転移剤として機能することができない。
【0022】
本発明において、相転移剤を不活性担体中に分散させるためには、不活性担体に不溶な物質を用いるか、あるいは不活性担体中にその飽和点以上の濃度で物質を含有させる。不活性担体に対する溶解度が低い材料を使用することが好ましい。この溶解度は、相転移剤と不活性担体の各組み合わせに依存する。例えば、相転移剤と不活性担体の好ましい組み合わせとしては、相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としてのポリエチレングリコールとの組み合わせ;相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としてのグリセリンとの組み合わせ;相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としての低融点エステル油との組み合わせ;相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としての流動パラフィンとの組み合わせ相転移剤としての固体パラフィンなどの炭化水素と、不活性担体としてのポリエチレングリコールとの組み合わせ、が挙げられる。より好ましいのは、相転移剤としてのセチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールと、不活性担体としてのポリエチレングリコールとの組み合わせ;相転移剤としてのセチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールと、不活性担体としてのグリセリンとの組み合わせ;相転移剤としてのセチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールと、不活性担体としてのペンタエリスリトールエステル油との組み合わせ、である。相変化剤は、好ましくは約0.2重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、更により好ましくは約1重量%~約10重量%の濃度で本組成物中に含まれ得る。
【0023】
ポリオキシアルキレン誘導体
本発明の無水の第1の組成物は、ポリオキシアルキレン誘導体を含み得る。ポリオキシアルキレン誘導体は、不活性担体中の無機発熱剤の分散を助けることができ、したがって、皮膚及び/又は毛髪にザラザラした感触を引き起こす無機発熱剤の凝集を防止することができると考えられる。また、いくつかのポリオキシアルキレン誘導体はぬるぬるする感触を提供することができ、これは無機発熱剤によって引き起こされるザラザラした感触を和らげると考えられる。
【0024】
本明細書で有用なポリオキシアルキレン誘導体は、好ましくは水溶性ポリオキシアルキレン誘導体である。本明細書で有用なポリオキシアルキレン誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルエステル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルエステル、ポリオキシエチレングリセリルエステル、ポリオキシプロピレングリセリルエステル、及びこれらの混合物を挙げることができる。これらの中でも、無機発熱剤の凝集を防止する観点から、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーを用いることが好ましく、ぬるぬるする感触を付与する観点から、ポリオキシエチレングリセリルエステルを用いることが好ましい。
【0025】
ポリオキシアルキレン誘導体が無機発熱剤の凝集を防止する観点から使用される場合、ポリオキシアルキレン誘導体は、好ましくは約0.1重量%~約10重量%、より好ましくは約0.5重量%~約10重量%、更により好ましくは約1重量%~約5重量%の濃度で本組成物中に含まれ得る。ポリアルキレン誘導体を使用する場合、ぬるぬるする感触を提供する観点から、ポリオキシアルキレン誘導体は、好ましくは約10重量%~約90重量%、より好ましくは約15重量%~約85重量%、更により好ましくは約20重量%~約80重量%の濃度で本組成物中に含まれ得る。
【0026】
好ましいポリオキシエチレンアルキルエーテルは、例えば、式RO(CH2CH2O)nHのものであり、式中、nは1~約200、好ましくは約20~約100であり、Rは約8~約22個の炭素原子を有するアルキルである。
【0027】
好ましいポリオキシエチレングリセリルエステルとしては、例えば、以下の(i)及び(ii)が挙げられる。
【0028】
(i)以下の構造を有するPEG-修飾グリセリド:
【0029】
【化1】
式中、R基の1つ以上は、動物油又は植物油、例えば、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸又はリノール酸に由来する飽和又は不飽和脂肪酸部分から選択され、式中、脂肪酸部分は12及び22の炭素長鎖を有し、任意の他のR基は水素であり、x、y、zは独立して0以上であり、x+y+zの平均合計(エトキシ化度)は約10~約45に等しい。好ましくは、PEG修飾グリセリドは、約20以下、より好ましくは約15以下、更に好ましくは約11以下のHLB値を有する。好ましくは、PEG修飾グリセリドは、2~3個の脂肪酸R基を有し、より好ましくは3個の脂肪酸R基を有する(PEG修飾トリグリセリド)。好ましくは、x+y+zの平均合計(エトキシル化度)は約20~30に等しく、より好ましくは平均合計5である。最も好ましいのは、3個のオレイン酸R基を有し、平均エトキシ化度が約25であるPEG置換トリグリセリド(PEG-25グリセリルトリオレエート)である。好ましい市販のPEG修飾トリグリセリドとしては、Tagat TOO、Tegosoft GC、Tagat BL 276(登録商標)(3つともEvonik Industries AG製)及びCrovol A-40、Crovol M-40(Croda Corporation製)が挙げられる。他の好ましい市販のPEG修飾トリグリセリドとしては、Tagat S(登録商標)及びTagat S 2(登録商標)(Evonik Industries AG製)が挙げられる。
【0030】
(ii)以下の構造を有するPEG修飾グリセリル脂肪酸エステル:
【0031】
【化2】
式中、n(エトキシル化度)は約4~約200、好ましくは約5~約150、より好ましくは約20~約120であり、式中、Rは約5~約25個の炭素原子、好ましくは約7~約20個の炭素原子を有する脂肪族ラジカルを含む。グリセリドの適切なポリエチレングリコール誘導体は、硬化ヒマシ油のポリエチレングリコール誘導体であり得る。例えば、PEG-20硬化ヒマシ油、PEG-30硬化ヒマシ油、PEG-40硬化ヒマシ油、PEG-45硬化ヒマシ油、PEG-50硬化ヒマシ油、PEG-54硬化ヒマシ油、PEG-55硬化ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-80硬化ヒマシ油、及びPEG-100硬化ヒマシ油である。本明細書の組成物に使用するのに好ましいのは、PEG-60硬化ヒマシ油である。グリセリドの他の適切なポリエチレングリコール誘導体は、ステアリン酸のポリエチレングリコール誘導体、例えば、PEG-30ステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-50ステアレート、PEG-75ステアレート、PEG-90ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-120ステアレート、及びPEG-150ステアレートであり得る。本明細書の組成物に使用するのに好ましいのは、PEG-100ステアレートである。
【0032】
好ましいポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーとしては、例えば、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンランダムコポリマー及びポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが挙げられる。これらのポリオキシアルキレン誘導体の中で、好ましくは、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンランダムコポリマー及びポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含むポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーが、それらの懸濁効果の観点から、本発明の組成物において使用される。ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーがより好ましく、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの重量比が約5:10~約8:10であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが更により好ましく、8:10の比を有するブロックコポリマーが更により好ましい。
【0033】
本明細書で有用な市販のポリオキシアルキレン誘導体としては、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが挙げられ;CTFA名Poloxamer 338を有し、商品名Pluronic F-108でBASFから入手可能であり、商品名Newpol PE-108で三洋化成工業からも入手可能であり、また、CTFA名Poloxamer 288を有し、商品名Pluronic F-98でBASFから入手可能であり、商品名Newpol PE-98で三洋化成工業からも入手可能である。
【0034】
不活性担体
本発明の無水の第1の組成物は、好ましくは不活性担体を含む。不活性担体は、第1の組成物中に、第1の組成物の約3重量%~約90重量%、いくつかの実施形態では約25重量%~約90重量%、更に他の実施形態では約30重量%~約85重量%、いくつかの実施形態では約10重量%~約70重量%の濃度で含まれる。
【0035】
本明細書で有用な不活性担体は、液体担体であり、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール又はプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、エタノール、ソルビトール、ジグリセリン、ポリグリセロールなどの液状多価アルコール、流動パラフィン、鉱物油、植物油、ペンタエリスリトールテトライソステアレートなどの低融点油、及びこれらの混合物、が挙げられる。ポリエチレングリコールなどの液体多価アルコールも追加の発熱剤として使用することができる。粘度や流動性などの物性の点から、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、流動パラフィン、鉱油、植物油、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物が好ましい。水との混合による発熱能力並びに粘度及び流動性などの物性の点からポリエチレングリコールがより好ましい。
【0036】
本明細書で有用なポリエチレングリコールは、次式を有するものである。
【0037】
H(OCH2CH2)n-OH
式中、nは4~12の平均値を有する。
【0038】
上記ポリエチレングリコールは、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンとしても知られている。特に好ましい本明細書で有用なポリエチレングリコールは、nが約4の平均値を有するPEG-200である。市販の好ましいポリエチレングリコールとしては、例えば、BASFから入手可能な商品名Pluracare E 200を有するPEG-4が挙げられる。
【0039】
反応制御剤
本発明の無水の第1の組成物は、好ましくは、無機発熱剤の発熱反応を制御することができる反応制御剤を含有する。反応制御剤は、反応を遅くするか、又は反応を促進することができる。反応制御剤はまた、第1の組成物が温まる温度を制御することができる。
【0040】
酸は、無機発熱剤の反応を促進するための反応制御剤として使用することができる。本明細書で有用な酸としては、例えば、クエン酸、二リン酸ナトリウム、二リン酸カリウム、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、L-グルタミン酸塩酸塩、酒石酸、及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、本明細書ではクエン酸を用いることが好ましい。いくつかの酸はまた、以下に記載されるようなコンディショニング効果を提供するためにアミドアミンと一緒に使用され得る。この酸は、無機発熱剤と酸とのモル比が、約1:0.1~約1:10、好ましくは約1:0.5~約1:5となるような濃度で含有され得る。吸水性ポリマーは、無機発熱剤の反応を遅くするための反応制御剤として使用することができる。本明細書で有用な吸水性ポリマーとしては、例えば、CTFA名カルボマーを有する架橋アクリル酸ポリマーなどのビニルポリマー、CTFA名アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーを有するアクリル酸/アルキルアクリレートコポリマーなどのカルボン酸/カルボキシレートコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、他のガム、デンプン系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、アクリレートポリマー、約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコール、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらの吸水性ポリマーは、以下に記載する粘度調整剤としても使用することができる。
【0041】
上記吸水性ポリマーの中でも、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマーが好ましく、ヒドロキシエチルセルロースがより好ましい。吸水性ポリマーは、第1の組成物中に、好ましくは約0.2重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、更により好ましくは約1重量%~約10重量%の濃度で含まれ得る。
【0042】
蓄熱材
本発明の無水の第1の組成物は、熱を蓄えることができる蓄熱材を含有し得る。蓄熱材は、加熱を長引かせるために使用することができ、加温速度を遅くするために使用することができ、化粧料組成物が温まる温度を制御することもできる。
【0043】
蓄熱材としては、例えば、シリカゲル、カルボキシメチルセルロースゲル、相転移材、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な相転移材は、約25℃~約80℃の融点を有するものである。本明細書で有用な相転移材としては、例えば、脂肪族アルコール及び脂肪酸などの脂肪族化合物、炭化水素、炭化水素と発泡ポリオレフィンとの混合物、及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な脂肪族化合物は、高融点脂肪族化合物として以下に開示される。
【0044】
蓄熱材は、第1の組成物中に、好ましくは約0.2重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、更により好ましくは約1重量%~約10重量%の濃度で含まれ得る。
【0045】
粘度調整剤
本発明の無水の第1組成物は、粘度調整剤を含有し得る。本明細書で有用な粘度調整剤としては、例えば、CTFA名カルボマーを有する架橋アクリル酸ポリマーなどのビニルポリマー、CTFA名アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーを有するアクリル酸/アルキルアクリレートコポリマーなどのカルボン酸/カルボキシレートコポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、他のガム、デンプン系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、アクリレートポリマー、約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコール、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、及び無水ケイ酸などの無機水溶性材料、並びにそれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載のポリマーは、粘度調整剤としても使用することができる。本明細書に記載されるいくつかのポリアルキレングリコールは、ヘアコンディショニング剤として使用することもできる。
【0046】
粘度調整剤は、好ましくは約0.01重量%~約5重量%、より好ましくは約0.05重量%~約3重量%、更により好ましくは約0.1重量%~約3重量%の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0047】
追加の発熱剤
本発明の無水の第1組成物は、無機発熱剤に加えて、水と混合することによって熱を発生する追加の発熱剤を含有し得る。本明細書で有用なこのような追加の発熱剤としては、例えば、多価アルコールなどの有機発熱剤が挙げられる。
【0048】
本明細書で有用な多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール又はプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、2-プロパノール、エリスリトール、トレイトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、ジグリセリン、ポリグリセロール、ポリグリセロール脂肪酸エステル、及びこれらの混合物が挙げられる。これらは、上述の不活性担体として用いることもできる。
【0049】
このような追加の発熱剤は、第1の組成物中に、好ましくは約2重量%~約85重量%、より好ましくは約5重量%~約85重量%、更により好ましくは約10重量%~約85重量%の濃度で含まれ得る。
【0050】
ヘアコンディショニング組成物
本発明の無水化粧料組成物は、好ましくは無水のヘアケア組成物、より好ましくは無水のヘアコンディショニング組成物である。無水のヘアコンディショニング組成物は、好ましくは、上述の発熱剤、相転移剤、及び不活性担体に加えてヘアコンディショニング剤を含む。本明細書で有用なヘアコンディショニング剤としては、例えば、高融点脂肪族化合物、アミドアミン、酸、カチオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーなどのカチオン性コンディショニング剤、低融点油、シリコーン化合物、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。これらのヘアコンディショニング剤の中で、好ましいのは、高融点脂肪族化合物、アミドアミン、酸及びこれらの混合物である。
【0051】
高融点脂肪族化合物
本発明の組成物は、好ましくは、高融点脂肪族化合物を含み得る。高融点脂肪族化合物は、上述の「相転移剤」として使用することができる。
【0052】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びそれらの混合物からなる群から選択される。本明細書のこのセクションに開示される化合物は、場合によっては2種以上に分類することができ、例えば、いくつかの脂肪アルコール誘導体は脂肪酸誘導体として分類することもできることが当業者によって理解される。しかしながら、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置に依存して、特定の必須炭素原子を有する特定の化合物の融点が25℃未満であり得ることも当業者には理解される。低融点のこのような化合物は、このセクションに含めることを意図していない。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0053】
高融点脂肪族化合物は、本組成物中に、好ましくは約0.1重量%~約30重量%、より好ましくは約0.2重量%~約0.25重量%、更により好ましくは約0.5重量%~約15重量%の濃度で含まれ得る。
【0054】
本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14~約30個の炭素原子、好ましくは約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪アルコールは飽和しており、直鎖又は分枝鎖アルコールであり得る。脂肪族アルコールの非限定的な例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
本明細書で有用な脂肪酸は、約10~約30個の炭素原子、好ましくは約12~約22個の炭素原子、より好ましくは約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪酸は、飽和しており、直鎖又は分枝鎖の酸であり得る。また、本明細書の要件を満たす、二酸、三酸、及び他の多酸も包含される。また本明細書には、これらの脂肪酸の塩も包含される。脂肪酸の非限定例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
本明細書で有用な脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体としては、脂肪族アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル、脂肪族アルコールのエステル、エステル化可能なヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体の非限定例としては、メチルステアリルエーテル;セテス-1~セテス-45などの一連のセテス化合物(これらは、セチルアルコールのエチレングリコールエーテルであり、この数値表示は、エチレングリコール部分の存在数を指す);ステアレス1~10などの一連のステアレス化合物(これらは、ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであり、この数値表示は、エチレングリコール部分の存在数を指す);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであるセテアレス1~セテアレス10、すなわち、主にセチル及びステアリルアルコールを含有する脂肪族アルコールの混合物(この数値表示は、エチレングリコール部分の存在数を指す);直前に記載のセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のC1~C30アルキルエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチルミリステート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
高純度の単一化合物の高融点脂肪族化合物が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールの群から選択される、純粋な脂肪族アルコールの単一化合物が非常に好ましい。「純粋な」とは、本明細書において、化合物が、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の純度を有することを意味する。これらの高純度の単一化合物は、消費者が組成物を洗い流すときに、毛髪からの良好な洗い流し易さをもたらす。
【0058】
本明細書で有用な市販の高融点脂肪族化合物としては、新日本理化(大阪、日本)から入手可能なCONOLシリーズやNOF(東京、日本)から入手可能なNAAシリーズの商品名を有するセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールが挙げられる。
【0059】
アミドアミン
本発明のヘアコンディショニング組成物は、好ましくは、以下の一般式のアミドアミンを含む。
【0060】
R1 CONH(CH2)m N(R2)2
式中、R1はC11~C24脂肪酸の残基であり、R2はC1~C4アルキルであり、mは1~4の整数である。
【0061】
アミドアミンは、本組成物中に、好ましくは約0.05重量%~約10重量%、より好ましくは約0.05重量%~約8重量%、更により好ましくは約0.1重量%~約5重量%の濃度で含まれ得る。
【0062】
本発明において有用な好ましいアミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン(arachidamidoethyldimethylamme)、及びそれらの混合物、より好ましくは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な市販のアミドアミンとしては、Inolexから入手可能な商品名SAPDMAやNikkoから入手可能な商品名アミドアミンMPSを有するステアラミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。
【0063】
酸
本発明のヘアコンディショニング組成物は、好ましくは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、L-グルタミン酸塩酸塩、酒石酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸、好ましくは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸を含む。本明細書に記載の酸は、上記の「反応制御剤」としても使用することができる。酸は、アミドアミンと酸とのモル比が、好ましくは約1:0.3~約1:1、より好ましくは約1:0.5~約1:0.9であるような濃度で含有され得る。
【0064】
本明細書で有用な市販の酸としては、L-グルタミン酸、味の素から入手可能なL-グルタミン酸(化粧品グレード)が挙げられる。
【0065】
カチオン性コンディショニング剤
本発明のヘアコンディショニング組成物は、カチオン性コンディショニング剤を含有し得る。
【0066】
カチオン性コンディショニング剤は、本組成物中に、好ましくは約0.1重量%~約10重量%、より好ましくは約0.25重量%~約8重量%、更により好ましくは約0.5重量%~約3重量%の濃度で含まれ得る。
【0067】
カチオン性コンディショニング剤は、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0068】
カチオン性界面活性剤
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤は、当業者に公知であり、以下に記載される。
【0069】
本明細書において有用なカチオン性界面活性剤は、一般式(I):
【0070】
【化3】
に対応するものであり、式中、R
1、R
2、R
3及びR
4のうちの少なくとも1つは、8~30個の炭素原子の脂肪族基、又は最大で約22個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から選択され、R
1、R
2、R
3及びR
4の残りは、独立して、1~約22個の炭素原子の脂肪族基、又は最大で約22個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から選択され、Xは、ハロゲン、(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩及びアルキルスルホン酸塩ラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約12個以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。R
1、R
2、R
3、及びR
4が独立してCi~約C
22アルキルから選択される場合が好ましい。本発明において有用なカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下のCTFA名称、クオタニウム-8、クオタニウム-14、クオタニウム-18、クオタニウム-18メトサルフェート、クオタニウム-24を有する材料、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0071】
一般式(I)のカチオン性界面活性剤のうち、少なくとも16個の炭素を有する少なくとも1つのアルキル鎖を分子中に含有するものが好ましい。このような好ましいカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、例えば、CrodaからINCROQUAT TMC-80の商品名で、また三洋化成工業からECONOL TM22の商品名で入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド;日光ケミカルズ株式会社から例えばCA-2350の商品名で入手可能なセチルトリメチルアンモニウムクロリド、水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキル(14-18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ(べヘニル/アラキジル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジべヘニルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルプロピレングリコールホスフェートジメチルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロリド、及びN-(ステアロイルコルアミノホルミルメチル)ピリジニウムクロリドが挙げられる。
【0072】
また、置換基のうちの少なくとも1つが、置換基として又はラジカル鎖中の結合として存在する、1つ以上の芳香族、エーテル、エステル、アミド、又はアミノ部分を含有し、R1~R4ラジカルのうちの少なくとも1つが、アルコキシ(好ましくはC1~C3アルコキシ)、ポリオキシアルキレン(好ましくはC1~C3ポリオキシアルキレン)、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の親水性部分を含む、親水性置換カチオン性界面活性剤も好ましい。好ましくは、親水性置換カチオン性コンディショニング界面活性剤は、上記範囲内に位置する2~約10個の非イオン性親水性部分を含有する。好ましい親水性置換カチオン性界面活性剤としては、以下の式(II)~(VIII)のものが挙げられる。
【0073】
【化4】
(式中、nは8~約28であり、x+yは2~約40であり、Z
1は短鎖アルキル、好ましくはC
1~C
3アルキル、より好ましくはメチル、又は(CH
2CH
2O)zHであり、式中x+y+zは最大で60であり、Xは先に定義した塩形成アニオンである)
【0074】
【化5】
(式中、mは1から5であり、R
5、R
6及びR
7のうちの1つ以上は独立してC
1~C
30アルキルであり、残りはCH
2CH
2OHであり、R
8、R
9及びR
10のうちの1つ又は2つは独立してC
1~C
30アルキルであり、残りはCH
2CH
2OHであり、Xは上述の塩形成アニオンである)
【0075】
【化6】
(式中、式(IV)及び式(V)について独立して、Z
2はアルキル、好ましくはC
1~C
3アルキル、より好ましくはメチルであり、Z
3は短鎖ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルであり、p及びqは独立して2~4の整数、好ましくは2~3の整数、より好ましくは2であり、R
11及びR
12は独立して置換又は非置換ヒドロカルビル、好ましくはC
12~C
20アルキル又はアルケニルであり、Xは先に定義した塩形成アニオンである)
【0076】
【化7】
(式中、R
13はヒドロカルビル、好ましくはC
1~C
3アルキル、より好ましくはメチルであり、Z
4及びZ
5は独立して短鎖ヒドロカルビル、好ましくはC
2~C
4アルキル又はアルケニル、より好ましくはエチルであり、aは2~約40、好ましくは約7~約30であり、Xは先に定義した塩形成アニオンである)
【0077】
【化8】
(式中、R
84及びR
85は独立してC
1~C
3アルキル、好ましくはメチルであり、Z
6はC
12~C
22ヒドロカルビル、アルキルカルボキシ又はアルキルアミドであり、Aはタンパク質、好ましくはコラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、絹、大豆タンパク質、小麦タンパク質又はそれらの加水分解形態であり、Xは先に定義した塩形成アニオンである)
【0078】
【化9】
(式中、bは2又は3であり、R
16及びR
17は独立してC
1~C
3ヒドロカルビル、好ましくはメチルであり、Xは先に定義した塩形成アニオンである)。本発明で有用な親水性置換カチオン性界面活性剤の非限定例としては、以下のCTFA名称、quaternium-16、quaternium-26、quaternium-27、quaternium-30、quaternium-33、quaternium-43、quaternium-52、quaternium-53、quaternium-56、quaternium-60、quaternium-61、quaternium-62、quaternium-70、quaternium-71、quaternium-72、quaternium-75、quaternium-76加水分解コラーゲン、quaternium-77、quaternium-78、quaternium-79加水分解コラーゲン、quaternium-79加水分解ケラチン、quaternium-79加水分解乳タンパク質、quaternium-79加水分解絹、quaternium-79加水分解大豆タンパク質、及びquaternium-79加水分解小麦タンパク質、quaternium-80、quaternium-81、quaternium-82、quaternium-83、quaternium-84を有する物質、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0079】
非常に好ましい親水性置換カチオン性界面活性剤としては、ジアルキルアミドエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキルアミドエチルジモニウム塩、ジアルキロイルエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキロイルエチルジモニウム塩、及びこれらの混合物が挙げられ、例えば、商品名TETRANYL CO-40で市販されているKao Chemicals製のものが挙げられる。
【0080】
第2の組成物
本発明の第2の組成物は、油相及び水相を含み得る。
【0081】
油相組成物の詳細
油相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含み得る。油相は、第2の組成物に使用される界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の総量の、好ましくは約50重量%~約100重量%、より好ましくは約60重量%~約100重量%、更により好ましくは約70重量%~約100重量%の界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含む。
【0082】
界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、油相中に、他の成分の有無にかかわらず、油相の好ましくは約35重量%~約100重量%、より好ましくは約50重量%~約100重量%、更により好ましくは約60重量%~約100重量%の濃度で存在する。
【0083】
油相は、水、低級アルキルアルコール、及び/又は多価アルコールなどの水性担体を含有し得る。それらが含まれる場合、油相中の水性担体の濃度は、本発明の効果を提供する観点から、油相の最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%、更により好ましくは最大で約25重量%、更により好ましくは最大で約15重量%である。水性担体の中で、油相中の水の濃度が、油相の好ましくは最大で約40重量%、より好ましくは最大で約25重量%、更により好ましくは最大で約15重量%、更により好ましくは最大で約10重量%であるように、油相中の水の濃度を制御することが更に好ましい。油相は、実質的に水を含まなくてもよい。本発明において、「油相が実質的に水を含まない」とは、油相が水を含まないことを意味する。油相は、成分の不純物以外に水を含まないか、又は、油相が水を含有する場合、かかる水の濃度は非常に低い。本発明において、油相中のこのような水の総濃度は、それが含まれる場合、油相の好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。
【0084】
油相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物及び水性担体以外の成分を含有し得る。このような他の成分は、例えば、水不溶性成分及び/又は感熱性成分、例えば、水不溶性シリコーン、水不溶性香料、水不溶性防腐剤、例えば、パラベン及び非感熱性防腐剤、例えば、ベンジルアルコールである。本発明において、「水不溶性成分」とは、その成分の25℃における水への溶解度が1g/水100g未満(1g/水100を含まない)、好ましくは0.7g/水100g以下、より好ましくは0.5g/水100g以下、更に好ましくは0.3g/水100g以下であることを意味する。それが含まれる場合、油相中のこのような他の成分の濃度は、本発明の効果を提供する観点から、油相の最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%であることが好ましい。
【0085】
水相組成物の詳細
水相は水性担体を含む。水相は、第2の組成物に使用される水性担体の総量の、好ましくは約50重量%~約100重量%、より好ましくは約70重量%~約100重量%、更により好ましくは約90重量%~約100重量%、更により好ましくは約95重量%~約100重量%の水性担体を含む。
【0086】
水性担体は、水相中に、他の成分の有無にかかわらず、水相の約50重量%~約100重量%、より好ましくは約70重量%~約100重量%、更により好ましくは約90重量%~約100重量%、更により好ましくは約95重量%~約100重量%の濃度で存在する。
【0087】
水相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含み得る。それが含まれる場合、水相中の界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の合計濃度は、本発明の利点を提供する観点から、水相の最大で20重量%、より好ましくは最大で約10重量%、更により好ましくは最大で約7重量%であることが好ましい。更により好ましくは、水相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を実質的に含まない。本発明において、「水相が界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を実質的に含まない」とは、水相が界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含まないことを意味するか、又は、水相が界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含有する場合、かかる界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の濃度が非常に低いことを意味する。本発明において、水相中のこのような界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の総濃度は、それらが含まれる場合、水相の好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。
【0088】
水相は、界面活性剤、高融点脂肪族化合物及び水性担体以外の成分を含み得る。そのような他の成分は、例えば、水溶性成分及び/又は感熱性成分、例えば、水溶性pH調整剤、水溶性ポリマー及び水溶性防腐剤、例えば、フェノキシエタノール、Kathon(登録商標)及び安息香酸ナトリウムである。本発明において、「水溶性成分」とは、その成分の25℃における水への溶解度が、少なくとも1g/水100g、好ましくは少なくとも1.2g/水100g、より好ましくは少なくとも1.5g/水100g、更により好ましくは少なくとも2.0g/水100であることを意味する。それが含まれる場合、水相中のそのような他の成分の濃度は、本発明の利点を提供する観点から、水相の最大で約20重量%、より好ましくは最大で約10重量%であることが好ましい。
【0089】
本発明の第2の組成物は、界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含み得る。界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体は、エマルジョンの形態である。
【0090】
カチオン性界面活性剤系
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤系を含み得る。カチオン性界面活性剤系は、本発明の利点を提供する観点から、第2の組成物の約0.5重量%、好ましくは約1重量%、より好ましくは約1.5重量%、更により好ましくは約1.8重量%、更により好ましくは約2.0重量%~約8重量%、好ましくは約5重量%、より好ましくは約4重量%の濃度で本組成物に含めることができる。
【0091】
好ましくは、本発明において、界面活性剤は水不溶性である。本発明において、「水不溶性界面活性剤」とは、25℃における水への溶解度が1g/水100g未満(1g/100水を含まない)、好ましくは0.7g/水100g以下、より好ましくは0.5g/水100g水以下、更に好ましくは0.3g/水100g以下であることを意味する。
【0092】
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤系は、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含み、いくつかの実施形態は、ジアルキルカチオン性界面活性剤を含み得る。モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤とジアルキルカチオン性界面活性剤とのこのような組み合わせは、12~30個の炭素原子を有する1つの長いアルキル鎖を有するモノアルキルカチオン性界面活性剤だけの使用と比較して、迅速なすすぎ感及び/又は毛髪を通して容易に広がる感触を提供すると考えられる。カチオン性界面活性剤系において、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤とジアルキルカチオン性界面活性剤との重量比は、レオロジーの安定性及びコンディショニング効果の観点から、約1:1~約10:1、より好ましくは約1.5:1~約7:1、更により好ましくは約2:1~約5:1であることが好ましい。
【0093】
モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤
本明細書で有用なモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、コンディショニング効果の観点から、好ましくは12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子の1つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なそのようなモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、例えば、式(I):
【0094】
【化10】
を有するものであり、式中、R
71、R
72、R
73及びR
74のうちの1つは、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子の脂肪族基又は最大で約30個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール若しくはアルキルアリール基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、1~約8個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子の脂肪族基、又は、最大約8個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、X
-は、ハライド(例えば、クロリド及びブロミド)、C1~C4アルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、約16個以上の炭素の脂肪族基は、飽和又は不飽和であり得る。好ましくは、R
71、R
72、R
73及びR
74のうちの1つは、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R
71、R
72、R
73及びR
74の残りは、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、CH
2C
6H
5及びそれらの混合物から独立して選択される。
【0095】
これらのうち、より好ましいカチオン性界面活性剤は、より長鎖のアルキル基、すなわち、C18~22アルキル基を有するものである。このようなカチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、硫酸メチル若しくは硫酸エチル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、硫酸メチル又は硫酸エチルが挙げられる。
【0096】
ジアルキルカチオン性界面活性剤
本明細書で有用なジアルキルカチオン性界面活性剤は、例えば、二長アルキル四級化アンモニウム塩などの、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子の2つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なそのようなジアルキル四級化アンモニウム塩は、式(I):
【0097】
【化11】
を有するものであり、式中、R
71、R
72、R
73及びR
74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子、より好ましくは18~22個の炭素原子の脂肪族基、又は最大で約30個の炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、1~約8個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子の脂肪族基、又は、最大約8個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、X
-は、ハライド(例えば、クロリド及びブロミド)、C1~C4アルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、約16個以上の炭素の脂肪族基は、飽和又は不飽和であり得る。好ましくは、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子、より好ましくは18~22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、CH
2C
6H
5、及びこれらの混合物から独立して選択される。
【0098】
このような好ましいジアルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、二水素添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0099】
高融点脂肪族化合物
高融点脂肪族化合物は、本発明の効果を提供する観点から、第2の組成物の約0.5重量%、好ましくは約1.0重量%、より好ましくは約1.5重量%、更により好ましくは約2重量%、更により好ましくは約4重量%~約15重量%、好ましくは約6重量%の濃度で第2の組成物に含めることができる。
【0100】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、エマルジョン、特にゲルマトリックスの安定性という観点から、25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、更により好ましくは50℃以上の融点を有する。好ましくは、このような融点は、より容易な製造及びより容易な乳化という観点から、好ましくは最高約90℃、より好ましくは最高約80℃、更により好ましくは最高約70℃、更により好ましくは最高約65℃である。本発明では、高融点脂肪族化合物は、単一化合物として、又は少なくとも2つの高融点脂肪族化合物のブレンド若しくは混合物として使用することができる。このようなブレンド又は混合物として使用されるとき、上記融点は、ブレンド又は混合物の融点を意味する。
【0101】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書のこのセクションに開示される化合物は、場合によっては2つ以上分類することができ、例えば、いくつかの脂肪アルコール誘導体は脂肪酸誘導体として分類することもできることが当業者によって理解される。しかしながら、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、当業者は、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置に応じて、特定の必須炭素原子を有する特定の化合物が、上記の本発明において好ましい融点未満の融点を有する場合があることを理解している。低融点のこのような化合物は、このセクションに含めることを意図していない。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0102】
様々な高融点脂肪族化合物のうち、脂肪族アルコールが本発明の組成物において使用され得る。本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14~約30個の炭素原子、好ましくは約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪アルコールは飽和しており、直鎖又は分枝鎖アルコールであってもよい。
【0103】
例えば、好ましい脂肪族アルコールとしては、セチルアルコール(約56℃の融点を有する)、ステアリルアルコール(約58~59℃の融点を有する)、ベヘニルアルコール(約71℃の融点を有する)、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、上記の融点を有することが知られている。しかし、これらは多くの場合、供給されるときにより低い融点を有しており、その理由はこのような供給される製品は多くの場合、主なアルキル鎖がセチル、ステアリル又はベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪族アルコールの混合物であるからである。本発明において、より好ましい脂肪族アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物である。
【0104】
本明細書で有用な市販の高融点脂肪族化合物としては、新日本理化(大阪、日本)から入手可能なCONOLシリーズやNOF(東京、日本)から入手可能なNAAシリーズの商品名を有するセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールが挙げられる。
【0105】
ゲルマトリックス
好ましくは、本発明において、第2の組成物のエマルジョンはゲルマトリックスの形態である。ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤系、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含む。ゲルマトリックスは、濡れた毛髪へ塗布したときのぬるぬるする感触、及び乾燥した毛髪の柔らかさや保湿感などの様々なコンディショニング効果を提供するのに適している。
【0106】
好ましくは、特にゲルマトリックスが形成される場合、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の総量は、本発明の利点を提供することを考慮して、本組成物の重量の約1.0重量%から、好ましくは約2.0重量%から、より好ましくは約3.0重量%からであり、展延性及び製品外観を考慮して、本組成物の約15重量%まで、好ましくは約14重量%まで、より好ましくは約13重量%まで、更により好ましくは約10重量%までである。更に、ゲルマトリックスが形成される場合、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、改善された湿潤コンディショニング効果を提供する観点から、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との重量比が、好ましくは約1:1~約1:10、より好ましくは約1:1~約1:4、更により好ましくは約1:2~約1:4の範囲内であるような濃度で含有される。
【0107】
好ましくは、ゲルマトリックスが形成されるとき、本発明の組成物は、ゲルマトリックスの安定性という観点から、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない。本発明において、「組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない」とは、本組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを含まないことを意味するか、又は、本組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを含有する場合、かかるアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの濃度が非常に低いことを意味する。本発明において、このようなアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの全濃度は、含まれる場合には、組成物の好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。最も好ましくは、このようなアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの合計濃度は、組成物の0重量%である。
【0108】
水性担体
本発明の第2の組成物は、水性担体を含み得る。キャリアの濃度及び種類は、他の成分との相溶性及び製品の他の所望の特性に従って選択される。
【0109】
本発明で有用なキャリアとしては、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコールであり、より好ましくは、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0110】
好ましくは、水性担体は、実質的に水である。好ましくは、脱イオン水が使用される。製品の所望の特性に応じて、ミネラルカチオンを含む天然源からの水も使用することができる。一般に、本発明の第2の組成物は、第2の本組成物の約20重量%~約99重量%、好ましくは約30重量%~約95重量%、より好ましくは約80重量%~約90重量%の水を含む。
【0111】
シリコーン化合物
第2の組成物は、シリコーン化合物を含有し得る。シリコーン化合物は、乾いた毛髪に滑らかさ及び柔らかさを与えることができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは第2の組成物の約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約10重量%、更により好ましくは約1重量%~約8重量%の濃度で使用することができる。
【0112】
好ましくは、シリコーン化合物は、本組成物中で約1ミクロン~約50ミクロンの平均粒径を有し得る。
【0113】
本明細書で有用なシリコーン化合物は、単一の化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物のブレンド若しくは混合物として、又は少なくとも1つのシリコーン化合物と少なくとも1つの溶媒とのブレンド若しくは混合物として、25℃において、好ましくは約1,000~約2,000,000mPa・sの粘度を有する。
【0114】
粘度は、1970年7月20日のDow Corning Corporate Test Method CTM 0004に記載のガラスキャピラリ粘度計によって測定することができる。好適なシリコーン流体としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミノ置換シリコーン、四級化シリコーン、及びそれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
【0115】
好ましいポリアルキルシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ジメチコーンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。これらのシリコーン化合物は、例えば、General Electric CompanyからそれらのViscasil(登録商標)及びTSF451シリーズで、及びDow CorningからそれらのDow Corning SH200シリーズで入手可能である。
【0116】
上記のポリアルキルシロキサンは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物の形で入手可能である。かかる混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s~約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである。このような混合物は、好ましくは(i)25℃において約100,000mPa・s~約30,000,000mPa・s、好ましくは約100,000mPa・s~約20,000,000mPa・sの粘度を有する第1のシリコーンと、(ii)25℃において約5mPa・s~約10,000mPa・s、好ましくは約5mPa・s~約5,000mPa・sの粘度を有する第2のシリコーンと、を含む。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、GE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコーンと、200mPa・sの粘度を有するジメチコーンとのブレンド、及びGE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコーンと、シクロペンタシロキサンとのブレンドが挙げられる。
【0117】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、シリコーンゴムが挙げられる。本明細書で使用される場合、「シリコーンゴム」という用語は、25℃で1,000,000センチストーク以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載されるシリコーンゴムが、上に開示されたシリコーン化合物といくらか重複する場合もあり得ることが認識される。この重複は、これらの材料のいずれかを限定することを意図したものではない。「シリコーンゴム」は、典型的には、約200,000超、一般に約200,000~約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。シリコーンゴムは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、Shin-Etsuから入手可能なゴム/シクロメチコーンブレンドが挙げられる。
【0118】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、アミノ置換材料が挙げられる。好ましいアミノシリコーンとしては、例えば、一般式(I):
(R1)aG3-a-Si-(-OSiG2)n-(-OSiGb(R1)2-b)m-O-SiG3-a(R1)a
に適合するものが挙げられ、式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1~C8アルキル、好ましくはメチルであり、aは、0、又は1~3の値を有する整数であり、好ましくは1であり、bは、0、1、又は2であり、好ましくは1であり、nは、0~1,999の数であり、mは、0~1,999の整数であり、nとmとの合計は、1~2,000の数であり、aとmは両方とも0ではなく、R1は、一般式CqH2qLに適合する一価のラジカルであり、式中、qは、2~8の値を有する整数であり、Lは、-N(R2)CH2-CH2-N(R2)2、-N(R2)2、-N(R2)3A-;-N(R2)CH2-CH2-NR2H2A-、の基から選択され、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1~約C20のアルキルラジカルであり、A-は、ハロゲン化物イオンである。
【0119】
非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約1500~約1700、より好ましくは約1600であり、Lは、-N(CH3)2又は-NH2、より好ましくは-NH2である。別の非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約400~約600、より好ましくは約500であり、Lは、-N(CH3)2又は-NH2、より好ましくは-NH2である。シリコーン鎖の一端又は両端が窒素含有基によって終端されているため、このような非常に好ましいアミノシリコーンを、末端アミノシリコーンと呼ぶことができる。
【0120】
上述のアミノシリコーンは、第2の組成物中に組み込む場合、より低い粘度を有する溶媒と混合することができる。このような溶媒としては、例えば、極性又は非極性の揮発性又は不揮発性油が挙げられる。このような油としては、例えば、シリコーン油、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような各種溶媒のうち、非極性、揮発性炭化水素、揮発性環状シリコーン、不揮発性線状シリコーン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましい。本明細書で有用な不揮発性直鎖シリコーンは、25℃において、約1~約20,000センチストークス、好ましくは約20~約10,000センチストークスの粘度を有するものである。好ましい溶媒のうち、アミノシリコーンの粘度を低下させ、乾燥した毛髪の摩擦を低減するなどの改善されたヘアコンディショニング効果を提供するという観点から、非極性で揮発性の炭化水素、特に非極性で揮発性のイソパラフィンが非常に好ましい。かかる混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s~約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである。
【0121】
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物としては、シリコーン主鎖のペンダント基としてアルキルアミノ置換を有するものが挙げられる。非常に好ましいものは、「アモジメチコーン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコーンとしては、例えば、Dow Corningから入手可能なBY16-872が挙げられる。
【0122】
シリコーン化合物は、エマルジョンの形態で本発明の第2の組成物中に更に組みこむことができ、ここで、エマルジョンは、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びそれらの混合物から選択される界面活性剤を用いて又は用いずに、機械的混合によって、又は乳化重合による合成段階で作られる。
【0123】
追加の成分
本発明の第2の組成物は、他の追加の成分を含んでもよく、これらは最終製品の所望の特性に応じて当業者が選択することができ、また第2の組成物を美容上若しくは審美上より受け入れられるようにするのに適しており、又は第2の組成物に更なる使用上の利点を与えるのに適している。このような他の追加成分は、概して、組成物の約0.001重量%~約10重量%、好ましくは最大約5重量%の濃度で個々に用いられる。
【0124】
多種多様な他の追加の成分を本発明の組成物に配合することができる。これには、他のコンディショニング剤(例えば、Hormelから入手可能な商品名Peptein 2000の加水分解コラーゲン、Eisaiから入手可能な商品名Emix-dのビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、Rocheから入手可能なパントテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素);防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素など);pH調節剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム);着色剤(例えば、FD&C又はD&C染料のいずれか);香料、及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等の金属イオン封鎖剤;紫外線・赤外線遮蔽吸収剤(例えば、ベンゾフェノン);及びフケ防止剤(例えば、亜鉛ピリチオン及びピロクトンオラミン)が挙げられる。
【0125】
製造方法
本発明は、パーソナルケア組成物を調製する方法を対象とし、第1の組成物は、米国特許出願公開第20030103930(A1)号に記載されるように調製することができ、第2の組成物は、米国特許出願第13/617,240号に記載されるように調製することができる。
【0126】
本発明の化粧料組成物は、分配されるまで互いに分離された状態を維持される第1の組成物及び第2の組成物を含むという点で多相組成物である。分配されるまで分離された状態を維持されるが、第1の組成物及び第2の組成物は分配時に接触させられる。化粧料組成物が分配され、第1の組成物及び第2の組成物が相互作用するまでは加温効果が生じない可能性がある。多相製品を分配するために、様々な手法を使用することができる。一般的な方法は、マルチチャンバ型のチューブ又はボトルである。本明細書で使用する場合、「第1の組成物と第2の組成物とが互いに分離された状態を維持される」とは、例えば、2つのチャンバを有するパッケージにおいて、第1の組成物が第1のチャンバに収容され、第2の組成物が別個の第2のチャンバに収容されていることを意味する。そのようなパッケージは、例えば、チューブ、ポンプ、ボトル、又は逆さまのボトル、サシェ、又はブリスターパックとして成形することができるが、これらに限定されない。
【0127】
本発明において、第1の組成物と第2の組成物とは、使用前に混合されない。第1の組成物及び第2の組成物は、約35:65~約98:2、より好ましくは約90:10、更により好ましくは約40:60~約60:40の比で混合されることが好ましい。
【0128】
加温コンディショナーは知られているが、現在の無水の加温コンディショナーは、ゲル網又はゲルマトリックスの使用による優れたシリコーン送達などのトップコンディショニング効果を必ずしももたらすことができない。同様に、一部の高性能コンディショナーは、その性能上の効果を犠牲にすることなく加温効果を提供する能力を欠いている。したがって、本発明は、加温効果も提供しながら、高性能コンディショニング効果をもたらすことができる。本発明者らは、本明細書に記載の第1の組成物及び第2の組成物の特定の比及び粘度が、依然として優れたシリコーン付着を提供しながら、既存の加温コンディショナーと比較して相乗的な加温効果を提供し得ることを発見した。
【0129】
無水無機塩を使用する加温コンディショナーは、水と混合されるまで活性化されない。典型的には、このような加温剤を使用するコンディショナーは、加温を開始するのに必要な水を提供するために、例えばシャワーの水を当てにする。本発明は、いくつかのことを発見した。第1に、加温剤の活性化、すなわち加温剤が水と混合することで始まる熱の誘発が、毛髪や頭皮へ塗布する前であっても使用者の手の中で起こり得る場合、有利になる場合がある。これにより、以下に説明するように、優れた加温効果が得られる。しかし、活性化が手の中で起こるためには、活性化のための水は、ただの水のように薄くて流れ易いものではない形態で提供されなければならない。すなわち、加温剤は、本発明の第2の組成物のように、十分に粘性であるが水性の組成物と混合されなければならない。加えて、このより長持ちする混合物は、手から毛髪へとより容易に移動し、熱が頭部上で十分に感じられること、すなわち、迅速かつ容易に洗い流されるものではないことを可能にする。
【0130】
本組成物の加温効果は、第1の組成物又は第2の組成物のいずれか単独の加温効果よりも優れている。第1の組成物が加温剤を含むとしても、第1の組成物単独の使用は、優れたシリコーン付着も提供しない一方で、本発明の多相組成物の加温効果をもたらすこともできない。
【0131】
例えば、
図1は、以下に詳述する最大温度変化試験方法の下でヘアコンディショナーが生じさせる温度の最大変化のグラフである。このグラフは、第1及び第2の組成物、具体的には表2の組成物の混合物である様々なコンディショナーの最大温度変化を示す。表1は、
図1及び
図2のデータである。
図1の右端にx印を有するグラフはまた、表2の100%の第1の組成物であって、無機発熱剤、この場合は15%無水硫酸マグネシウムを含む組成物であるヘアコンディショナーの最大温度変化を示す。驚くべきことに、100%の第1の組成物であるコンディショナーは、最高の最大温度変化をもたらさない。両方の組成物が混合される場合、加温剤(硫酸マグネシウム)の総パーセンテージは減少する。しかし、減少した量の加温剤で、本発明の配合物は、より大きな最大温度変化を有する。
【0132】
100%の第1の組成物であるコンディショナーは、摂氏約13(12.63)度以上の最大温度変化をもたらす一方で、40%、50%、55%、70%、80%、90%、93%、95%、及び98%の第1の組成物であるコンディショナーミックスは、それぞれ、摂氏17.1、17.4、19.5、25.4、29.6、29.1、24.6、20、及び14.6度の最大温度変化をもたらす。
図1のグラフが示すように、無機発熱剤を含む第1の組成物実施例Iの割合が減少しても、発熱剤を含まない第2の組成物とのいくつかの組み合わせは、第1の組成物単独よりも高い最大温度変化を生じさせる。すなわち、混合物全体における発熱剤の重量百分率がより低くても、より大きな加温効果が得られる。第1の組成物中の無機発熱剤の濃度が増加すると、より強い加温が起こり、その後最大温度変化が増加する。
【0133】
より少ない量の硫酸マグネシウムを使用すると、少なくとも加温効果が減少することが予想される。しかしながら、本発明の多相組成物の加温効果は維持され、更にはより高い。本発明者らは、第1の組成物と特定の粘度及び特定の範囲内の比で送達された第2の組成物中の水が、硫酸マグネシウムの発熱反応に対する相乗的ブーストを可能にすると考えている。
【0134】
この相乗効果を実現する際に、本発明者らは、この効果が存在する特定の範囲を探し出した。それは単に加温剤を含む組成物を何らかの他の水性組成物と組み合わせるという問題ではなく、相乗的な加温効果を生じさせる即時とは言わないまでも迅速な混合を達成するために、第1及び第2の組成物の比とそれらのそれぞれの粘度とのバランスをとるという問題になる。粘度は、組成物がどれだけ流動性であるか、ひいては組成物をどれだけ容易に一緒に混合することができるかの尺度である。100s-1の剪断速度での粘度は、この低い剪断速度が消費者による手のひら上での組成物のゆっくりとした混合をシミュレートすることから、選択される。データによって示されるように、特定の比及び粘度の範囲外である製剤は、相乗的な加温効果を生じないが、本明細書に記載される比及び粘度の範囲内の製剤は、予想外の加温効果を示す。本発明において、第1の組成物と第2の組成物との粘度は、好ましくは3.5Pa.s未満、より好ましくは3.1Pa.s未満の差を有し得る。予期せぬ加温効果を示すための粘度の差には上限があると考えられる。この上限を超えると、粘度差が非常に大きいために、不均一な混合を引き起こし、その結果、特定の比で加温効果が遅延するか、低下するか、又は全くなくなる。
【0135】
図2は、混合物中の第1の組成物のパーセントに対する混合物中の水と硫酸マグネシウムとのモル比をプロットしたグラフである。このグラフは、相乗的な加温効果をもたらす水と硫酸マグネシウムとのモル比が約75~約0.75であり得ることを示す。いくつかの実施形態では、第2の組成物中の水と第1の組成物中の無機加熱剤とのモル比は、約75~約0.75であり得、これにより、予想外の加温効果をもたらすことができる。水と無機加熱剤とのモル比がこの範囲外である場合、加温効果が生じない場合がある。有効なモル比は、特定の加熱剤のエンタルピーに依存する可能性があり、加熱剤のエンタルピーに基づいてモル比に上限及び下限が存在し得る。
【0136】
【実施例】
【0137】
以下の実施例では、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらの実施例は、例示目的でのみ提供され、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。適用可能な場合には、成分を、化学名又はCTFA名で特定し、そうでない場合は、以下で定義する。
【0138】
【0139】
成分の定義
*1 BTMS/IPA:80%のベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート及び20%のイソプロピルアルコール
*2 BTAC/IPA:80%のベヘントリモニウムクロリド及び20%のイソプロピルアルコール
*3 CTAC/IPA:50%のセトリモニウムクロリド及び50%のイソプロピルアルコール
*4 シリコーン化合物:Dow Corning製の商品名Xiameter PMX-200を有する、約12,500センチストークの粘度を有するジメチコーン。
【0140】
*5 シリコーン化合物:Momentiveから入手可能で、粘度10,000mPa・sを有し、以下の式(I)を有する:
【0141】
(R1)aG3-a-Si-(-OSiG2)n-(-OSiGb(R1)2-b)m-O-SiG3-a(R1)a (I)
(式中、Gは、メチルであり、aは、整数の1であり、bは、0、1、又は2であり、好ましくは1であり、nは、400~約600の数であり、mは、整数の0であり、R1は、一般式CqH2qLに適合する一価のラジカルであり、式中、qは整数の3であり、Lは-NH2である)。
【0142】
*6 ポリエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー:三洋化成からNewpol-108の商品名で入手可能。
【0143】
*7 ポリプロピレングリコール:三洋化成からNewpol PPG-34 L又はNewpol PPG-2000の商品名で入手可能
*8 メチルビス-(オレイルアミドエチル)2-ヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート:Tetranyl CO-40の商品名でKao Chemicalsから入手可能
*9 ポリエチレングリコール:商品名Pluracare E200でBASFから入手可能
パッケージ
パッケージは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを含むことができ、各チャンバは、それに対する出口を有し、上記無水の第1の組成物は、上記第1のチャンバに貯蔵され、上記水性の第2の組成物は、上記第2のチャンバに貯蔵され、上記組成物は、互いに隔離して貯蔵され、上記それぞれの出口を通過した後に皮膚上で組み合わされるように構成される。これらの組成物を組み合わせると、皮膚の温度を上昇させるのに有効な熱が発生する。
【0144】
パッケージの内容物の一部を放出する際に、各組成物は、それが貯蔵されているチャンバの出口を通過する。出口は隣接していてよく、組成物をパッケージから同時に放出する際に、それらが出口を通過した後に皮膚上で組成物が混合されることができる。
【0145】
水と接触して熱を発生する成分と水とが接触するとすぐに加熱効果が得られるが、組成物を皮膚に擦り込むことによって組成物を混合することが好ましい。一実施形態では、パッケージは、それを通って組み合わされた組成物が皮膚上に分配される分配ノズルを更に含む。水性組成物と無水組成物は、分配ノズル又はそれにつながるチャンバ内で組み合わされ、次いで、皮膚の患部に向けられ得る。
【0146】
一実施形態では、パッケージは、第1及び第2のチャンバに分割された容器を備える。好ましくは、パッケージは、取り外すことができる蓋を備え、第1及び第2の組成物のそれぞれは、指を用いてすくい取る動作によって個々のチャンバから取り出すことができる。製品の降伏応力は、製品を固体様から液体様に変化させる力である。指を用いてチャンバから製品を容易にすくい取る一方で、指上に固体様のままで滴り落ちることがないように、これらの組成物は、制御された降伏応力を有する必要がある。本発明の組成物は、指を用いてチャンバから第1及び第2の組成物を容易にすくい取れ、かつ滴り落ちることがないようにするために、制御された降伏応力を有する。第1の組成物は、好ましくは1.0Paから50Pa、より好ましくは15Paから35Paの降伏応力を有することが好ましい。第2の組成物は、好ましくは0.5Paから5Pa、より好ましくは1.0Paから3.5Paの降伏応力を有することが好ましい。
【0147】
別の実施形態では、パッケージは、無水又は水性組成物を含むチューブと、上記無水又は水性組成物のうちのもう一方を含む内側チューブとを含む。好適には、内側チューブは、パッケージングを形成する外側チューブ内に包含される。好ましくは、パッケージは、上記無水又は水性組成物を放出するために圧搾可能である。圧搾時に上記チューブパッケージから第1及び第2の組成物の両方を一貫して排出するために、これらの組成物の降伏応力が制御される。製品を固体様から液体に変え、製品をチューブから排出するために多くの力が必要とされる場合において、製品の生成物の降伏応力を高くしすぎることはできない。チューブキャップが開いているときに組成物が重力によってチューブから自然に流出する前のところに、降伏応力に下限があると考えられる。第1の組成物は、好ましくは1.0Paから50Pa、より好ましくは15Paから35Paの降伏応力を有することが好ましい。第2の組成物は、好ましくは0.5Paから5Pa、より好ましくは1.0Paから3.5Paの降伏応力を有することが好ましい。
【0148】
試験方法
最大温度変化試験方法
消費者がシャワー中で製品を広げて混合する際に消費者が手のひらで感じる温感の実験室シミュレーション。20mLのプラスチックPEビーカー中で、以下、シャワー中の濡れた手の水をシミュレートするための1gの水道水、必要とされる比に応じた残りの9gの第1及び第2の組成物の混合物である10gを調製する。例えば、第1の組成物と第2の組成物との比が30:70である場合、水道水1gに対して第1の組成物を2.7g、第2の組成物を6.3g添加する。その後、小数点以下1桁の感度を有するデジタル温度計を用いて、1秒間に1回転で混合物を撹拌する。温度(℃)は、最初の1分間は毎秒、続いて1.5分の合計時間まで15秒毎に記録する。各組成比について、0秒における温度からの最大温度変化を記録する。
【0149】
製品降伏応力及び粘度試験法
降伏応力及び粘度試験法を用いて、ゲル様/半固体製品の降伏応力及び粘度を求める。
【0150】
この試験には、(ペルチェ冷却器及び抵抗加熱器の組み合わせを使用する)サンプル温度制御が可能な、制御応力回転式レオメーター(Discovery HR-2、TA Instruments(New Castle,DE,USA)、又は等価物など)を使用する。
【0151】
レオメーターを、40mmの2°アルミニウムコーンプレートツールを備えた平行プレート構成で操作する。レオメーターを25℃に設定する。製品の構造を変化させるような剪断力が働かないように、スパチュラを使用してサンプルジャーから、およそ2mLのサンプルをペルチェプレート上に静かに載せ、サンプルを載せた後に間隙が50μm達した時点で余分に突出したサンプルをトリミングする。次いで、サンプルを25℃で10s-1の剪断速度で60秒間調整し、25℃で300秒間平衡化した後、測定を開始する。レオメーターを用いて試験を開始し、歪速度を0.1s-1~1000s-1まで対数ステップで増加させることによって流れ曲線を生成する。
【0152】
製品降伏応力を得るための流れ曲線の分析は、Caggioniら(2020).Variations of the Hershel-Bulkley exponent reflecting contributions of the viscous continuous phase to the shear rate-dependent stress of soft glassy materials.Journal of Rheology 64,p 413に記載されているように、パイソン(Python)ベースのライブラリを使用して実施する。
【0153】
生成物粘度を得るための流れ曲線の分析は、手による組成物の混合をシミュレートするために100s-1の剪断速度で粘度(Pa.s)を抽出することによって行われる。
【0154】
使用方法
本発明の組成物は、好ましくは毛髪をコンディショニングする方法に使用され、本方法は、
(i)毛髪をシャンプーした後、毛髪をコンディショニングするために有効量のコンディショニング組成物を毛髪に適用する工程と、
(ii)その後、毛髪をすすぐ工程と、を含む。
【0155】
本明細書での有効量は、例えば、毛髪10gあたり約0.1mL~約2mL、好ましくは、毛髪10gあたり約0.2mL~約1.5mLである。
【0156】
本発明の組成物は、改善されたコンディショニング効果、特に、すすぎ後の改善された湿潤コンディショニング効果及び改善された乾燥コンディショニングを提供し、同時にすすぎ前の湿潤コンディショニング効果を維持する。本発明の組成物はまた、消費者に改善された製品外観を提供し得る。したがって、本発明の組成物は少ない使用量で、従来のコンディショナー組成物を大量に使用した効果と同じレベルのコンディショニング効果を提供し得る。本明細書におけるそのような低減された使用量は、例えば、10gの毛髪あたり約0.3mL~約0.7mLである。
【0157】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0158】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は別途限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示若しくは特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるともみなされず、又はそれが単独で若しくは他の任意の参考文献若しくは複数の参考文献と組み合わせて、そのようないかなる発明も教示、示唆若しくは開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0159】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。