(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】レーザ加工機の動作を教示するための教示装置、レーザ加工システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/046 20140101AFI20241112BHJP
【FI】
B23K26/046
(21)【出願番号】P 2023523823
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2021020059
(87)【国際公開番号】W WO2022249352
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】村上 貴視
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-042790(JP,A)
【文献】特開2009-142865(JP,A)
【文献】特開平02-092487(JP,A)
【文献】国際公開第2017/085763(WO,A1)
【文献】特開2020-035404(JP,A)
【文献】特開2001-328085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/046
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示するための教示装置であって、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を
複数受け付けるパラメータ入力受付部と、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得する関係データ取得部と、
前記レーザ加工のための動作プログラムを生成するための指令を受け付ける指令受付部と、
前記指令受付部が前記指令を受け付けたときに、前記関係データに基づいて、前記パラメータ入力受付部が受け付けた
複数の前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に
それぞれ変換する変換部と、
前記変換部によって変換された
複数の前記デフォーカス量が命令文として規定され
た前記動作プログラムを生成するプログラム生成部と、を備える、教示装置。
【請求項2】
前記パラメータ入力受付部が受け付けた前記複数のビームサイズを表示するデータセット表示画像と、前記指令を入力するための動作プログラム生成ボタン画像と、を生成する画像生成部をさらに備え、
前記指令受付部は、前記動作プログラム生成ボタン画像への入力操作を通して前記指令を受け付ける、請求項1に記載の教示装置。
【請求項3】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示するための教示装置であって、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付けるパラメータ入力受付部と、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得する関係データ取得部と、
前記関係データに基づいて、前記パラメータ入力受付部が受け付けた前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記デフォーカス量が命令文として規定された、前記レーザ加工のための動作プログラムを生成するプログラム生成部と、
前記焦点を前記表面から、前記レーザ加工機のレーザ光出射部に近い側へずらすアウトフォーカス、又は、前記焦点を前記表面から、前記レーザ光出射部から遠い側へずらすインフォーカスを選択する入力を受け付ける焦点選択受付部
と、を備え、
前記関係データは、前記アウトフォーカス及び前記インフォーカスの前記デフォーカス量と前記ビームサイズとの前記関係を表すデータを含み、
前記変換部は、前記パラメータ入力受付部が受け付けた前記ビームサイズを、前記焦点選択受付部が受け付けた前記アウトフォーカス又は前記インフォーカスの前記デフォーカス量に変換する
、教示装置。
【請求項4】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示するための教示装置であって、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付けるパラメータ入力受付部と、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得する関係データ取得部と、
前記関係データに基づいて、前記パラメータ入力受付部が受け付けた前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記デフォーカス量が命令文として規定された、前記レーザ加工のための動作プログラムを生成するプログラム生成部と、
前記ビームサイズ又は前記デフォーカス量を選択する入力を受け付けるパラメータ選択受付部
と、を備え、
前記パラメータ入力受付部は、前記パラメータ選択受付部が前記ビームサイズを選択する入力を受け付けたときは該ビームサイズの入力を受け付け可能となる一方、前記パラメータ選択受付部が前記デフォーカス量を選択する入力を受け付けたときは該デフォーカス量の入力を受け付け可能となり、
前記プログラム生成部は、前記パラメータ入力受付部が前記デフォーカス量の入力を受け付けたとき、該デフォーカス量が前記命令文として規定された前記動作プログラムを生成する
、教示装置。
【請求項5】
前記変換部は、前記関係データに基づいて、前記パラメータ入力受付部が受け付けた前記デフォーカス量を、対応する前記ビームサイズに変換し、
前記教示装置は、前記変換部によって変換された前記ビームサイズを表示する画像データを生成する画像生成部をさらに備える、請求項
4に記載の教示装置。
【請求項6】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示するための教示装置であって、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付けるパラメータ入力受付部と、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得する関係データ取得部と、
前記関係データに基づいて、前記パラメータ入力受付部が受け付けた前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記デフォーカス量が命令文として規定された、前記レーザ加工のための動作プログラムを生成するプログラム生成部と、を備え、
前記レーザ加工機は、前記レーザ加工において前記表面に対し前記照射点を移動させ、
前記パラメータ入力受付部は、前記レーザ加工の進捗を示す進捗パラメータと前記ビームサイズとのデータセットの入力を受け付け、
前記プログラム生成部は、前記照射点を、前記進捗パラメータに対応する前記表面上の位置に到達させたときに、前記焦点を前記変換されたデフォーカス量だけずらすための前記命令文を含む前記動作プログラムを生成する
、教示装置。
【請求項7】
前記進捗パラメータは、前記レーザ加工の開始からの経過時間、又は、前記レーザ加工の開始から前記レーザ加工機が前記照射点を移動させた距離を含む、請求項
6に記載の教示装置。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の教示装置と、
前記レーザ加工機と、
前記プログラム生成部が生成した前記動作プログラムに従って前記レーザ加工機を動作させて前記レーザ加工を実行する制御装置と、を備える、レーザ加工システム。
【請求項9】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示する方法であって、
プロセッサが、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を
複数受け付け、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得し、
前記レーザ加工のための動作プログラムを生成するための指令を受け付け、
前記指令を受け付けたときに、前記関係データに基づいて、受け付けた
複数の前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に
それぞれ変換し、
変換された
複数の前記デフォーカス量が命令文として規定され
た前記動作プログラムを生成する、方法。
【請求項10】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示する方法であって、
プロセッサが、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付け、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得し、
前記関係データに基づいて、受け付けた前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に変換し、
変換された前記デフォーカス量が命令文として規定された、前記レーザ加工のための動作プログラムを生成し、
前記焦点を前記表面から、前記レーザ加工機のレーザ光出射部に近い側へずらすアウトフォーカス、又は、前記焦点を前記表面から、前記レーザ光出射部から遠い側へずらすインフォーカスを選択する入力を受け付け、
前記関係データは、前記アウトフォーカス及び前記インフォーカスの前記デフォーカス量と前記ビームサイズとの前記関係を表すデータを含み、
前記プロセッサは、受け付けた前記ビームサイズを、受け付けた前記アウトフォーカス又は前記インフォーカスの前記デフォーカス量に変換する、方法。
【請求項11】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示する方法であって、
プロセッサが、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付け、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得し、
前記関係データに基づいて、受け付けた前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に変換し、
変換された前記デフォーカス量が命令文として規定された、前記レーザ加工のための動作プログラムを生成し、
前記ビームサイズ又は前記デフォーカス量を選択する入力を受け付け、
前記ビームサイズを選択する入力を受け付けたときは該ビームサイズの入力を受け付け可能となる一方、前記デフォーカス量を選択する入力を受け付けたときは該デフォーカス量の入力を受け付け可能となり、
前記デフォーカス量の入力を受け付けたとき、該デフォーカス量が前記命令文として規定された前記動作プログラムを生成する、方法。
【請求項12】
レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示する方法であって、
プロセッサが、
前記表面における前記レーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付け、
前記レーザ光の焦点を前記表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化する前記ビームサイズとの関係を表す関係データを取得し、
前記関係データに基づいて、受け付けた前記ビームサイズを、対応する前記デフォーカス量に変換し、
変換された前記デフォーカス量が命令文として規定された、前記レーザ加工のための動作プログラムを生成し、
前記レーザ加工機は、前記レーザ加工において前記表面に対し前記照射点を移動させ、
前記プロセッサは、
前記レーザ加工の進捗を示す進捗パラメータと前記ビームサイズとのデータセットの入力を受け付け、
前記照射点を、前記進捗パラメータに対応する前記表面上の位置に到達させたときに、前記焦点を前記変換されたデフォーカス量だけずらすための前記命令文を含む前記動作プログラムを生成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ加工機の動作を教示するための教示装置、レーザ加工システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工機の動作を教示するための教示装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ加工機によるレーザ加工中に、レーザ光によるワークへの入熱を調整するために、レーザ加工機が出射するレーザ光の焦点をワークの表面からずらす(デフォーカス)制御を行う場合がある。従来、このようなデフォーカスを実行するレーザ加工機の動作を、より簡単に教示する技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に一態様において、レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示するための教示装置は、表面におけるレーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付けるパラメータ入力受付部と、レーザ光の焦点を表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化するビームサイズとの関係を表す関係データを取得する関係データ取得部と、関係データに基づいて、パラメータ入力受付部が受け付けたビームサイズを、対応するデフォーカス量に変換する変換部と、変換部によって変換されたデフォーカス量が命令文として規定された、レーザ加工のための動作プログラムを生成するプログラム生成部とを備える。
【0006】
本開示の他の態様において、レーザ光をワークの表面に照射して該ワークをレーザ加工するレーザ加工機の動作を教示する方法は、プロセッサが、表面におけるレーザ光の照射点の大きさを表すビームサイズの入力を受け付け、レーザ光の焦点を表面から該レーザ光の光軸方向へずらすデフォーカス量と、該デフォーカス量に応じて変化するビームサイズとの関係を表す関係データを取得し、関係データに基づいて、受け付けたビームサイズを、対応するデフォーカス量に変換し、変換されたデフォーカス量が命令文として規定された、レーザ加工のための動作プログラムを生成する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、オペレータは、レーザ加工時にワークへの入熱を調整するために表面上のビームサイズを任意に指定できるようになる。したがって、入熱を調整するためのレーザ加工機の動作を直感的に教示することが可能となるので、教示に掛かる作業を簡単化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係るレーザ加工システムの図である。
【
図2】
図1に示すレーザ加工システムのブロック図である。
【
図4】焦点をワークの表面から上方へずらすアウトフォーカスを説明するための図である。
【
図5】焦点をワークの表面から下方へずらすインフォーカスを説明するための図である。
【
図6】デフォーカス量とビームサイズ(直径)との関係を示すグラフである。
【
図8】他の実施形態に係るレーザ加工システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の実施形態において、同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。まず、
図1~
図3を参照して、一実施形態に係るレーザ加工システム10について説明する。レーザ加工システム10は、レーザ加工機12、制御装置14、及び教示装置50を備える。
【0010】
レーザ加工機12は、制御装置14からの指令の下、ワークWの表面Sにレーザ光LBを照射し、該レーザ光LBによってワークWをレーザ加工(レーザ溶接、レーザ切断等)する。具体的には、レーザ加工機12は、レーザ発振器16、レーザ照射装置18、及び移動機構20を備える。
【0011】
レーザ発振器16は、固体レーザ発振器(例えば、YAGレーザ発振器、又はファイバレーザ発振器)、又は、ガスレーザ発振器(例えば、炭酸ガスレーザ発振器)等であって、制御装置14からの指令に応じて、光共振によって内部でレーザ光LBを生成し、導光部材22を通してレーザ光LBをレーザ照射装置18に供給する。導光部材22は、例えば、光ファイバ、中空又は透光材からなる導光路、反射鏡、及び光学レンズの少なくとも1つを有し、レーザ光LBをレーザ照射装置18へ導光する。
【0012】
レーザ照射装置18は、レーザスキャナ(ガルバノスキャナ)、又はレーザ加工ヘッド等であって、レーザ発振器16から供給されたレーザ光LBを集光し、ワークWに照射する。
図3に、レーザスキャナとしてのレーザ照射装置18の構成を模式的に示す。
図3に示すレーザ照射装置18は、筐体24、受光部26、ミラー28及び30、ミラー駆動装置32及び34、光学レンズ36、レンズ駆動装置38、及びレーザ光出射部40を有する。
【0013】
筐体24は中空であって、その内部にレーザ光LBの伝搬路を画定する。受光部26は、筐体24に設けられ、導光部材22を伝搬したレーザ光LBを受光する。ミラー28は、軸線A1の周りに回動可能となるように、筐体24の内部に設けられている。ミラー28は、受光部26を通して筐体24の内部に入射したレーザ光LBをミラー30へ向かって反射する。ミラー駆動装置32は、例えばサーボモータであって、制御装置14からの指令に応じて、ミラー28を軸線A1の周りに回動させる。
【0014】
一方、ミラー30は、軸線A2の周りに回動可能となるように、筐体24の内部に設けられている。軸線A2は、軸線A1と略直交してもよい。ミラー30は、ミラー28が反射したレーザ光LBを光学レンズ36へ向かって反射する。ミラー駆動装置34は、例えばサーボモータであって、制御装置14からの指令に応じて、ミラー30を軸線A2の周りに回動させる。一般的に、ミラー28及び30は、ガルバノミラーと称されることがあり、ミラー駆動装置32及び34は、ガルバノモータと称されることがある。
【0015】
光学レンズ36は、フォーカスレンズ等を有し、レーザ光LBを集光する。本実施形態においては、光学レンズ36は、入射するレーザ光LBの光軸Oの方向に移動可能となるように、筐体24の内部に支持されている。レンズ駆動装置38は、圧電素子、超音波振動子、又は超音波モータ等を有し、制御装置14からの指令に応じて、光学レンズ36を光軸Oの方向へ変位させ、これにより、ワークWに照射されるレーザ光LBの焦点FPを、光軸Oの方向へ変位させる。レーザ光出射部40は、光学レンズ36によって集光されたレーザ光LBを、筐体24の外部へ出射する。
【0016】
再度、
図1及び
図2を参照して、移動機構20は、例えばサーボモータを有し、レーザ照射装置18をワークWに対して相対的に移動させる。例えば、移動機構20は、レーザ照射装置18を座標系Cにおける任意の位置へ移動可能な多関節ロボットである。代替的には、移動機構20は、レーザ照射装置18を座標系Cのx-y平面に沿って移動させるとともに、座標系Cのz軸方向に移動させる複数のボールねじ機構を有してもよい。
【0017】
座標系Cは、例えば、作業セルの3次元空間を規定するワールド座標系、移動機構20の動作を制御するための移動機構座標系(例えば、ロボット座標系)、又は、ワークWの座標を規定するワーク座標系等であって、レーザ加工機12の動作を自動制御するための制御座標系である。
【0018】
本実施形態においては、レーザ照射装置18は、レーザ加工中に、出射したレーザ光LBが座標系Cのz軸マイナス方向へ伝搬するように、座標系Cにおいて位置決めされる。なお、以下の説明においては、便宜上、座標系Cのz軸プラス方向を上方として言及することがある。
【0019】
制御装置14は、レーザ加工機12の動作を制御する。具体的には、制御装置14は、プロセッサ(CPU、GPU等)、及びメモリ(ROM、RAM等)を有するコンピュータである。制御装置14は、レーザ発振器16によるレーザ光生成動作を制御する。また、制御装置14は、移動機構20を動作させることで、レーザ照射装置18をワークWに対して移動させる。
【0020】
また、制御装置14は、レーザ照射装置18のミラー駆動装置32及び34を動作させることでミラー28及び30の向きをそれぞれ変化させ、これにより、ワークWに照射されたレーザ光LBの照射点IPを、該ワークWに対して高速移動させることができる。また、制御装置14は、レーザ照射装置18のレンズ駆動装置38を動作させることで光学レンズ36を変位させ、これにより、レーザ光出射部40から出射されたレーザ光LBの焦点FPを、光軸Oの方向へ移動させる。
【0021】
教示装置50は、レーザ加工機12の動作を教示するためのものである。
図2に示すように、教示装置50は、プロセッサ52、メモリ54、及びI/Oインターフェース56を有するコンピュータである。なお、教示装置50は、例えば、デスクトップ型若しくはタブレット型のPC、又は教示ペンダントのような、如何なるタイプのコンピュータであってもよい。
【0022】
プロセッサ52は、CPU又はGPU等を有し、バス58を介してメモリ54及びI/Oインターフェース56に通信可能に接続されている。プロセッサ52は、メモリ54及びI/Oインターフェース56と通信しつつ、後述する教示機能を実現するための演算処理を行う。
【0023】
メモリ54は、RAM又はROM等を有し、プロセッサ52が実行する教示機能のための演算処理で利用される各種のデータ、及び該演算処理の途中で生成される各種データを、一時的又は恒久的に記憶する。I/Oインターフェース56は、例えば、イーサネット(登録商標)ポート、USBポート、光ファイバコネクタ、又はHDMI(登録商標)端子を有し、プロセッサ52からの指令の下、外部機器との間でデータを有線又は無線で通信する。
【0024】
教示装置50には、入力装置60及び表示装置62が設けられている。入力装置60は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等を有し、オペレータからデータ入力を受け付ける。表示装置62は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を有し、各種データを表示する。
【0025】
入力装置60、及び表示装置62は、I/Oインターフェース56に、有線又は無線で通信可能に接続されている。なお、入力装置60及び表示装置62は、教示装置50の筐体とは別体として設けられてもよいし、又は、教示装置50の筐体に一体に組み込まれてもよい。
【0026】
ここで、レーザ加工機12によるレーザ加工中に、レーザ光LBによるワークWへの入熱を調整するために、焦点FPを表面Sから光軸Oの方向(つまり、座標系Cのz軸方向)へずらす(デフォーカス)制御を行う場合がある。以下、
図4及び
図5を参照してレーザ加工中に実行するデフォーカスについて説明する。
【0027】
図4は、焦点FPが表面Sから上方(すなわち、レーザ光出射部40に近い側)に、デフォーカス量DFだけずれている状態を示している。デフォーカス量DFは、焦点FPを表面Sからずらす距離に相当する。なお、本稿では、表面Sに照射されたレーザ光LBの、該表面S上の照射点IPの大きさを、ビームサイズBSとして言及する。このビームサイズBSは、例えば、照射点IPの直径(又は半径)R(単位:[μm])、又は面積E(単位:[μm
2])として表され得る。また、
図4に示すような、焦点FPを表面Sから上方へずらすデフォーカスを、「アウトフォーカス」として言及する。
【0028】
一方、
図5は、焦点FPが表面Sから下方(すなわち、レーザ光出射部40から遠い側)に、デフォーカス量DFだけずれている状態を示している。本稿では、
図5に示すような、焦点FPを表面Sから下方へずらすデフォーカスを、「インフォーカス」として言及する。ビームサイズBSは、デフォーカス量DF(換言すれば、焦点FPの位置)に応じて変化することになる。
【0029】
教示装置50は、デフォーカスを実行しつつワークWをレーザ加工するレーザ加工機12の動作を教示する。以下、教示装置50を用いてレーザ加工機12の動作を教示する方法について、説明する。入力装置60を通してオペレータから教示開始指令を受け付けると、プロセッサ52は、デフォーカス量DFとビームサイズBSとの関係を表す関係データRDを取得する。
【0030】
本実施形態においては、関係データRDとして、以下の表1に示すようなデータテーブルDTが、メモリ54に予め格納されている。
【表1】
【0031】
上述したように、ビームサイズBSは、デフォーカス量DFに応じて変化し、ビームサイズBSとデフォーカス量DFとの間には、レーザ加工機12の光学系(例えば、導光部材22、レーザ照射装置18の受光部26、ミラー28及び30、光学レンズ36、並びにレーザ光出射部40)に固有の関係性がある。データテーブルDTにおいては、デフォーカス量DFとビームサイズBSとが、互いに関連付けられて複数格納されている。
【0032】
なお、表1におけるデフォーカス量DFの正の値(例えば、「50」)は、アウトフォーカスのデフォーカス量DF(つまり、焦点FPを表面Sから上方へずらす距離)を示す一方、デフォーカス量DFの負の値(例えば、「-50」)は、インフォーカスのデフォーカス量DF(つまり、焦点FPを表面Sから下方へずらす距離)を示している。すなわち、表1に示すデータテーブルDTは、アウトフォーカス及びインフォーカスのデフォーカス量DFとビームサイズBSとの関係を表している。また、表1に示すデータテーブルDTには、ビームサイズBSとして、照射点IPの直径Rが格納されている。
【0033】
図6は、データテーブルDTに格納されているデフォーカス量DFとビームサイズBS(直径R)との関係を示すグラフである。
図6に示すグラフにおいては、データテーブルDTに格納されているデフォーカス量DFに対応するビームサイズBSを点でプロットし、2つの点の間を線形補間している。
【0034】
このデータテーブルDTに基づいて、プロセッサ52は、後述するようにオペレータが任意のビームサイズBSを入力したときに、該ビームサイズBSを、対応するデフォーカス量DFに変換することができる。一例として、プロセッサ52は、データテーブルDTを、
図6に示すように線形補間することで、ビームサイズBSからデフォーカス量DFを求める。
【0035】
具体的には、ビームサイズBSとして、データテーブルDTに格納されていない直径Rxの入力を受け付けたとすると、プロセッサ52は、データテーブルDTと、線形補間を表す以下の式(1)とを用いて、該ビームサイズBS(直径Rx)に対応するデフォーカス量DFを求める。
(Rn-Rx)/(Rx-Rn+1)=(|DFn|-|DFx|)/(|DFx|-|DFn+1|) …(1)
【0036】
ここで、Rnは、データテーブルDTに格納されている直径Rのうち、入力された直径Rxよりも大きく、且つ該直径Rxに最も近い値のものを示す。一方、Rn+1は、データテーブルDTに格納されている直径Rのうち、入力された直径Rxよりも小さく、且つ該直径Rxに最も近い値のものを示す。また、DFnは、データテーブルDTに格納されている、直径Rnに対応するデフォーカス量を示し、DFn+1は、データテーブルDTに格納されている、直径Rn+1に対応するデフォーカス量を示す。
【0037】
プロセッサ52は、この式(1)から、入力された直径Rxに対応するデフォーカス量DFxの絶対値(つまり、|DFx|)を求めることができ、その結果、直径Rxに対応するアウトフォーカスのデフォーカス量:+DFx、又は、直径Rxに対応するインフォーカスのデフォーカス量:-DFxを求めることができる。
【0038】
例えば、直径Rx=350[μm]である場合、データテーブルDTより、Rn=400、Rn+1=300、DFn=-50、DFn+1=-30となるので、プロセッサ52は、データテーブルDT及び式(1)から、DFx=±40として求めることができる。このデータテーブルDT及び式(1)は、関係データRDを構成する。
【0039】
なお、プロセッサ52は、データテーブルDTを、
図6に示すグラフの各点間を、非線形補間することで、ビームサイズBSからデフォーカス量DFを求めてもよい。この場合、プロセッサ52は、データテーブルDTと、非線形補間を表す式とを用いて、入力された直径R
xに対応するデフォーカス量DF
xを求めてもよい。
【0040】
他の例として、プロセッサ52は、データテーブルDTから、
図6に示すグラフ(又は、関数:BS=R=f(DF)を生成してもよい。この場合において、プロセッサ52は、入力された直径R
xを、生成したグラフ(又は、関数:R=f(DF))に適用し、対応するデフォーカス量DF
xを求める。
【0041】
データテーブルDT、及びグラフ(又は、関数:R=f(DF))は、関係データRDを構成する。すなわち、この例においては、プロセッサ52は、関係データRDの1つであるデータテーブルDTから、関係データRDの他の1つであるグラフ(又は、関数)を生成している。
【0042】
このように、プロセッサ52は、関係データRD(例えば、データテーブルDT及び式(1))を取得する。したがって、本実施形態においては、プロセッサ52は、関係データRDを取得する関係データ取得部64(
図2)として機能する。プロセッサ52は、関係データRDを取得するとともに、
図7に示す教示画像100を、コンピュータグラフィックス(CG)の画像データとして生成し、表示装置62に表示する。
【0043】
教示画像100は、オペレータの教示作業を補助するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)であって、データセット入力画像102、焦点選択画像104、及びデータセット表示画像106を有する。データセット入力画像102は、進捗パラメータPPとビームサイズBSのデータセットDS1を入力するためのものである。
【0044】
進捗パラメータPPは、レーザ加工の進捗を定量的に表すパラメータであって、例えば、レーザ加工の開始からの経過時間t
e、又は、レーザ加工の開始からレーザ加工機12が照射点IPを表面Sに対して移動させた距離dを含む。
図7は、進捗パラメータPPとして経過時間t
e(単位:[msec])が選択されている例を示している。
【0045】
データセット入力画像102は、進捗パラメータPPを入力可能な進捗パラメータ入力画像108と、ビームサイズBS(直径R、又は面積E)を入力可能なビームサイズ入力画像110とを含む。オペレータは、入力装置60を操作して、進捗パラメータ入力画像108、及びビームサイズ入力画像110に、それぞれ、進捗パラメータPP及びビームサイズBSを入力できるようになっている。なお、
図7は、進捗パラメータ入力画像108に、進捗パラメータPPとして経過時間t
e=80[msec]が入力され、ビームサイズ入力画像110に、ビームサイズBSとして、照射点IPの直径R=350[μm]が入力されている例を示している。
【0046】
プロセッサ52は、I/Oインターフェース56を介して、オペレータが入力装置60を操作して入力した進捗パラメータPP(経過時間t
e)及びビームサイズBSのデータセットDS1を受け付ける。このように、本実施形態においては、プロセッサ52は、進捗パラメータPP及びビームサイズBSの入力を受け付けるパラメータ入力受付部66(
図2)として機能する。
【0047】
焦点選択画像104は、アウトフォーカス又はインフォーカスを選択するためのものであって、アウトフォーカスを選択するためのアウトフォーカスボタン画像112、及びインフォーカスを選択するためのインフォーカスボタン画像114を含む。オペレータが入力装置60を操作してアウトフォーカスボタン画像112を画像上でクリックすると、プロセッサ52は、ビームサイズ入力画像110に入力されているビームサイズBS(具体的には、直径R=350[μm])を、「アウトフォーカス」と関連付けて、レーザ加工条件LCとしてメモリ54に格納する。
【0048】
また、プロセッサ52は、「アウトフォーカス」に関連付けられたビームサイズBSとともに、このときに進捗パラメータ入力画像108に入力されている進捗パラメータPP(図示の例では、経過時間te=80[msec])を、レーザ加工条件LCとしてメモリ54に格納する。
【0049】
一方、オペレータが入力装置60を操作してインフォーカスボタン画像114を画像上でクリックすると、プロセッサ52は、このときにビームサイズ入力画像110に入力されているビームサイズBS(直径R=350[μm])を、「インフォーカス」と関連付けて、レーザ加工条件LCとしてメモリ54に格納する。また、プロセッサ52は、「インフォーカス」に関連付けられたビームサイズBSとともに、このときに進捗パラメータ入力画像108に入力されている進捗パラメータPP(経過時間te=80[msec])を、レーザ加工条件LCとしてメモリ54に格納する。
【0050】
このように、本実施形態においては、プロセッサ52は、焦点選択画像104を通して、アウトフォーカス又はインフォーカスを選択する入力を受け付けている。したがって、プロセッサ52は、アウトフォーカス又はインフォーカスを選択する入力を受け付ける焦点選択受付部68(
図2)として機能する。
【0051】
そして、プロセッサ52は、レーザ加工条件LCに登録した「アウトフォーカス」又は「インフォーカス」としてのビームサイズBSと進捗パラメータPPとのデータセットDS1を、データセット表示画像106に表示する。
図7に示す例では、データセット表示画像106に、「時間」の欄、「ビームサイズ」の欄、及び「焦点」の欄が示されている。
【0052】
この「時間」の欄に、既にレーザ加工条件LCに登録された経過時間te=0[msec]、te=500[msec]、及びte=1000[msec]の情報が表示されている。また、「ビームサイズ」の欄に、レーザ加工条件LCに登録された直径R=400[μm]、R=350[μm]、及びR=220[μm]が表示されている。
【0053】
また、「焦点」の欄に、直径R=400[μm]、及びR=350[μm]に関連付けられている「アウトフォーカス」と、直径R=220[μm]に関連付けられている「インフォーカス」とが表示されている。このように、データセット表示画像106は、進捗パラメータPPとビームサイズBSとのデータセットDS1と、焦点の位置(アウトフォーカス、インフォーカス)とを、リスト形式で表示する。こうして、オペレータは、教示画像100を通して、レーザ加工条件LCに、「アウトフォーカス」又は「インフォーカス」としてのビームサイズBSと進捗パラメータPPとのデータセットDS1を登録することができる。
【0054】
また、オペレータは、レーザ加工条件LCとして、レーザ加工中に照射点IPを表面S上で移動させる移動経路MP、照射点IPを移動させる移動速度V、出力するレーザ光LBのレーザパワーPW、及びパルス周波数f等を登録する。プロセッサ52は、これら移動経路MP、照射点IPを移動させる移動速度V、出力するレーザ光LBのレーザパワーPW、及びパルス周波数f等のパラメータを入力するための教示画像(図示せず)を生成し、該教示画像を通して、これらパラメータの入力を受け付けてもよい。
【0055】
所望のレーザ加工条件LCを登録した後、オペレータは、入力装置60を操作して、動作プログラム生成指令をプロセッサ52に与える。例えば、プロセッサ52は、動作プログラム生成ボタン画像(図示せず)を生成し、表示装置62に表示してもよい。オペレータが入力装置60を操作して動作プログラム生成ボタン画像を画像上でクリックすると、入力装置60からプロセッサ52に動作プログラム生成指令が発信されてもよい。
【0056】
プロセッサ52は、動作プログラム生成指令を受け付けると、レーザ加工のための動作プログラムOPを生成する。具体的には、プロセッサ52は、上述した方法により、関係データRDに基づいて、加工条件LCに登録された各々のビームサイズBS(具体的には、直径R)を、対応するデフォーカス量DFに変換する。
【0057】
例えば、
図7中のデータセット表示画像106に示された経過時間t
e=500[msec]と、「アウトフォーカス」に関連付けられた直径R=350[μm]とのデータセットDS1が加工条件LCに登録されている場合、プロセッサ52は、経過時間t
e=500[msec]での直径R=350を、例えばデータテーブルDT及び式(1)を用いて、アウトフォーカスとしてのデフォーカス量DF=+40に変換する。
【0058】
一方、
図7中のデータセット表示画像106に示された経過時間t
e=1000[msec]と、「インフォーカス」に関連付けられた直径R=220[μm]とのデータセットDS1が加工条件LCに登録されている場合、プロセッサ52は、経過時間t
e=1000[msec]での直径R=220を、表1のデータテーブルDTを用いて、インフォーカスとしてのデフォーカス量DF=-10に変換する。
【0059】
こうして、プロセッサ52は、関係データRDに基づいて、加工条件LCに登録されたビームサイズBS(直径R)を、対応するデフォーカス量DFに変換する。したがって、プロセッサ52は、ビームサイズBSをデフォーカス量DFに変換する変換部70(
図2)として機能する。
【0060】
ビームサイズBSからデフォーカス量DFへの変換とともに、プロセッサ52は、進捗パラメータPPに対応する、照射点IPの表面S上の位置PIPを取得する。この位置PIPは、進捗パラメータPP(例えば経過時間te)において照射点IPを位置決めすべき表面S上の目標位置を示しており、例えば、座標系Cのx-y平面の座標(x,y)として表される。
【0061】
具体的には、進捗パラメータPPとしての経過時間te=500に対応する位置PIPは、経過時間te=500の時点で照射点IPを位置決めすべき表面S上の目標位置となる。ここで、進捗パラメータPP(例えば経過時間te)と、該進捗パラメータPPに対応する位置PIPとは、互いに関連付けられており、プロセッサ52は、進捗パラメータPPから、対応する位置PIPを取得できる。そして、プロセッサ52は、取得した位置PIPと、進捗パラメータPP(経過時間te)を介して該位置PIPに対応する、変換後のデフォーカス量DFとを、命令文CMとして動作プログラムOPに規定する。
【0062】
例えば、経過時間te=500[msec]で、変換後のデフォーカス量DF=+40[mm]である場合、プロセッサ52は、経過時間te=500[msec]での位置PIP_500(座標系Cの座標)と、デフォーカス量DF=+40[mm]とを、命令文CM500として、動作プログラムOPに書き込む。この命令文CM500は、経過時間te=500[msec]で照射点IPを位置PIP_500に到達させたときに、焦点FPを表面Sからデフォーカス量DF=+40(つまり、上方へ距離40[mm])だけずらす動作をレーザ加工機12に実行させることになる。
【0063】
また、プロセッサ52は、レーザ加工条件LCとして登録されている移動経路MP、移動速度V、レーザパワーPW、及びパルス周波数f等を、命令文として動作プログラムOPに規定する。こうして、プロセッサ52は、位置P
IP、変換されたデフォーカス量DF、移動経路MP、移動速度V、レーザパワーPW、及びパルス周波数fといった加工条件LCが命令文として規定された動作プログラムOPを生成し、メモリ54に格納する。したがって、プロセッサ52は、動作プログラムOPを生成するプログラム生成部72(
図2)として機能する。
【0064】
レーザ加工を実行するとき、プロセッサ52は、生成した動作プログラムOPを制御装置14に送信する。制御装置14は、教示装置50が生成した動作プログラムOPに従ってレーザ加工機12を動作させて、レーザ加工を実行する。具体的には、制御装置14のプロセッサは、動作プログラムOPに従って、移動機構20のサーボモータへの指令を生成し、移動機構20の動作によって、レーザ照射装置18をワークWに対して所定の作業位置へ移動させる。
【0065】
また、制御装置14のプロセッサは、動作プログラムOPに従って、レーザ発振器16への指令を生成し、動作プログラムOPに規定されたレーザパワーPW及びパルス周波数fのレーザ光LBを生成し、レーザ照射装置18に供給する。また、制御装置14のプロセッサは、動作プログラムOPに従って、レーザ照射装置18のミラー駆動装置32及び34への指令を生成し、表面Sに照射されたレーザ光LBの照射点IPを、表面Sに対し、動作プログラムOPに規定された位置PIPへ位置決めすべく、移動経路MPに沿って移動速度Vで移動させる。
【0066】
また、制御装置14のプロセッサは、動作プログラムOPに従って、レーザ照射装置18のレンズ駆動装置38への指令を生成し、動作プログラムOPに規定された位置PIPで焦点FPを表面Sから上方(アウトフォーカス)又は下方(インフォーカス)へデフォーカス量DFだけずらすように、レンズ駆動装置38を制御する。
【0067】
例えば、
図7中のデータセット表示画像106に示されているデータセットDS1が加工条件LCとして動作プログラムOPに規定されている場合、制御装置14のプロセッサは、経過時間t
e=0[msec](つまり、レーザ加工開始時)で、焦点FPを表面Sからデフォーカス量DF=+50(表1を参照)だけずらすことで、表面S上の照射点IPのビームサイズBSを、R=400[μm]に制御する。
【0068】
そして、制御装置14のプロセッサは、経過時間te=500[msec]で、上述したように焦点FPを表面Sからデフォーカス量DF=+40だけずらすことで、ビームサイズBSを、R=350[μm]に制御する。このとき、制御装置14のプロセッサは、経過時間teが0~500[msec]の期間で、デフォーカス量DFを+50から+40まで徐々に変化させるように、レンズ駆動装置38を制御してもよい。また、デフォーカス量DFをこのように経時的に徐々に変化させるための命令文が、動作プログラムOPに規定されてもよい。こうして、制御装置14は、動作プログラムOPに従ってレーザ加工機12を動作させて、ワークWに対するレーザ加工を実行する。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る教示装置50においては、パラメータ入力受付部66は、ビームサイズBSの入力を受け付け、関係データ取得部64は、関係データRDを取得し、変換部70は、関係データRDに基づいて、入力を受け付けたビームサイズBSを、対応するデフォーカス量DFに変換し、プログラム生成部72は、変換されたデフォーカス量DFが命令文CMとして規定された動作プログラムOPを生成する。
【0070】
教示装置50によれば、オペレータは、レーザ加工時にワークWへの入熱を調整するために表面S上のビームサイズBSを任意に指定できるようになる。したがって、入熱を調整するためのレーザ加工機12の動作を直感的に教示することが可能となるので、教示に掛かる作業を簡単化できる。
【0071】
また、教示装置50においては、焦点選択受付部68は、アウトフォーカス又はインフォーカスを選択する入力を受け付け、関係データRDは、アウトフォーカス及びインフォーカスのデフォーカス量DFとビームサイズBSとの関係を表すデータ(例えば、表1のデータテーブルDT)を含み、変換部70は、入力を受け付けたビームサイズBSを、焦点選択受付部68が受け付けたアウトフォーカス又はインフォーカスのデフォーカス量DFに変換する。この構成によれば、オペレータは、ビームサイズBSを制御するために、焦点FPをアウトフォーカスとしてずらすのか、インフォーカスとしてずらすのかを、任意に選択できるようになる。これにより、レーザ加工機12の動作を詳細に教示できる。
【0072】
また、教示装置50においては、パラメータ入力受付部66は、進捗パラメータPP(例えば、経過時間te)とビームサイズBSとのデータセットDS1の入力を受け付け、プログラム生成部72は、照射点IPを、進捗パラメータPPに対応する表面S上の位置PIPに到達させたときに、焦点FPを、変換されたデフォーカス量DFだけずらすための命令文CMを含む動作プログラムOPを生成する。この構成によれば、オペレータは、ワークWへの入熱を調整するためのデフォーカスを実行する位置を任意に指定できるので、レーザ加工機12の動作を詳細に教示できる。
【0073】
なお、上述のデータテーブルDTは、例えば、オペレータが手動で作成してもよいし、実機のレーザ加工機12を用いて取得してもよい。具体的には、レーザ加工システム10は、ワークWが設置されるワークテーブル(図示せず)上に配置された光学センサ(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0074】
そして、制御装置14は、レーザ加工機12を動作させて光学センサにレーザ光LBを照射し、光学センサは、照射されたレーザ光LBのビームサイズBSを検出する。そして、制御装置14は、レンズ駆動装置38を動作させて、レーザ光LBの焦点FPをデフォーカス量DFだけ光軸Oの方向へずらしていく。
【0075】
光学センサは、デフォーカス量DFが変化する間、ビームサイズBSを検出する。制御装置14は、デフォーカス量DFの指令値と、光学センサから取得した検出データとに基づいて、表1に示すようなデータテーブルDTを自動で取得できる。なお、教示装置50のプロセッサ52が、制御装置14を介してレーザ加工機12を動作させることで、データテーブルDTを自動で取得することもできる。
【0076】
また、複数のデータテーブルDTn(n=1,2,3,・・・)が、メモリ54に予め格納されてもよい。上述したように、ビームサイズBSとデフォーカス量DFとの関係は、レーザ加工機12の光学系(換言すれば、レーザ加工機12のタイプ)に依存して変化する。例えば、レーザ加工機12のタイプを識別する識別情報ID(製品番号等)とデータテーブルDTnとが、互いに関連付けられてメモリ54に格納されてもよい。
【0077】
この識別情報IDは、照射装置18のタイプを識別するものであってもよいし、又は、レーザ加工機12の光学系(導光部材22、レーザ照射装置18の受光部26、ミラー28及び30、光学レンズ36、及びレーザ光出射部40の少なくとも2つ)の組み合わせを識別するものであってもよい。
【0078】
また、レーザ加工機12、制御装置14、及び教示装置50が互いに接続されてレーザ加工システム10が構築されたときに、プロセッサ52は、制御装置14を介して、識別情報IDをレーザ加工機12(例えば、レーザ照射装置18)から自動で取得してもよい。そして、プロセッサ52は、関係データ取得部64として機能し、メモリ54に格納された複数のデータテーブルDTnの中から、取得した識別情報IDに関連付けられたデータテーブルDTnを選択してもよい。この構成によれば、プロセッサ52は、レーザ加工機12のタイプに応じたデータテーブルDTnを自動で取得できる。
【0079】
代替的には、プロセッサ52は、メモリ54に格納された複数のデータテーブルDTnを選択するための関係データ選択画像を生成し、表示装置62に表示させてもよい。そして、オペレータは、入力装置60を操作して、関係データ選択画像に表示された複数のデータテーブルDTnの中から所望の1つを選択してもよい。この構成によれば、オペレータは、使用するレーザ加工機12(例えば、レーザ照射装置18)に適したデータテーブルDTnを、任意に選択できる。
【0080】
次に、
図8~
図10を参照して、教示装置50の他の機能について説明する。本実施形態においては、上述した複数のデータテーブルDT
nが、レーザ加工機12のタイプTY(又は、識別情報ID)に関連付けられてメモリ54に予め格納されている。入力装置60を通してオペレータから教示開始指令を受け付けると、プロセッサ52は、
図9に示す教示画像120をCGの画像データとして生成し、表示装置62に表示する。
【0081】
教示画像120は、上述のデータセット入力画像102、焦点選択画像104、及びデータセット表示画像106に加えて、パラメータ選択画像122、及びタイプ選択画像124を有する。パラメータ選択画像122は、レーザ加工条件LCのパラメータとしてビームサイズBSを入力するのか、又はデフォーカス量DFを入力するのかを選択可能とするためのものである。
【0082】
オペレータは、入力装置60を操作して、パラメータ選択画像122に表示されている「ビームサイズ」又は「デフォーカス量」の欄を画像上でクリックすることによって、両者のうちの1つを選択できるようになっている。プロセッサ52は、入力装置60を通して、ビームサイズBS又はデフォーカス量DFを選択する入力を受け付ける。
【0083】
したがって、本実施形態においては、プロセッサ52は、ビームサイズBS又はデフォーカス量DFを選択する入力を受け付けるパラメータ選択受付部74(
図8)として機能する。なお、
図9は、入力するパラメータとしてビームサイズBSが選択されたときの教示画像120を示している。
【0084】
タイプ選択画像124は、レーザ加工機12のタイプTY(又は、識別情報ID)を選択するためのものである。具体的には、オペレータが入力装置60を操作してタイプ選択画像124を画像上でクリックすると、レーザ加工機12のタイプTY(例えば、タイプA、タイプB、タイプC・・・)が、例えばプルダウンのリスト形式で、タイプ選択画像124に表示される。
【0085】
オペレータは、タイプ選択画像124にリスト形式で示されたタイプTYを画像上で選択することができるようになっている。プロセッサ52は、入力装置60を通してタイプTYを選択する入力を受け付けると、関係データ取得部64として機能し、受け付けたタイプTYに対応するデータテーブルDTnを、メモリ54から読み出して取得する。
【0086】
例えば、プロセッサ52が、
図9に示すように、パラメータ選択画像122で「ビームサイズ」を選択する入力を受け付け、タイプ選択画像124で「タイプA」を選択する入力を受け付けたとする。この場合、プロセッサ52は、関係データ取得部64として機能して、タイプAに対応するデータテーブルDT
1をメモリ54から取得する。
【0087】
そして、プロセッサ52は、パラメータ入力受付部66として機能して、教示画像120に表示されたデータセット入力画像102及び焦点選択画像104を通して、レーザ加工条件LCとして進捗パラメータPP(経過時間t
e)とビームサイズBSとのデータセットDS1の入力を受け付ける。このように、
図9に示すようにパラメータ選択画像122でビームサイズBSを選択する入力を受け付けたときは、プロセッサ52(パラメータ入力受付部66)は、ビームサイズBSの入力を受け付け可能となる。
【0088】
その後、動作プログラム生成指令を受け付けると、プロセッサ52は、変換部70として機能して、上述の実施形態と同様に、取得したデータテーブルDT1を関係データRDとして用いて、レーザ加工条件LCに登録されたビームサイズBSをデフォーカス量DFに変換し、プログラム生成部72として機能して、位置PIPとデフォーカス量DFとが命令文CMとして規定された動作プログラムOPを生成する。
【0089】
一方、オペレータが、パラメータ選択画像122に表示されている「デフォーカス量」の欄を画像上でクリックすると、プロセッサ52は、
図10に示す教示画像130を生成する。教示画像130は、上述のパラメータ選択画像122及びタイプ選択画像124に加えて、データセット入力画像132、設定ボタン画像134、及びデータセット表示画像136を有する。
【0090】
データセット入力画像132は、進捗パラメータPP(具体的には、経過時間te)とデフォーカス量DFとのデータセットDS2を入力するためのものであって、上述の進捗パラメータ入力画像108と、デフォーカス量(単位[mm])を入力可能なデフォーカス入力画像138とを含む。
【0091】
オペレータは、入力装置60を操作して、進捗パラメータ入力画像108及びデフォーカス入力画像138に、それぞれ、進捗パラメータPP(経過時間t
e)及びデフォーカス量DFを入力できるようになっている。このように、
図10に示すようにパラメータ選択画像122でデフォーカス量DFを選択する入力を受け付けたときは、プロセッサ52(パラメータ入力受付部66)は、デフォーカス量DFの入力を受け付け可能となる。
【0092】
設定ボタン画像134は、データセット入力画像132に入力されたデータセットDS2(経過時間te及びデフォーカス量DF)をレーザ加工条件LCに登録するためのものである。プロセッサ52は、入力装置60を通して設定ボタン画像134を画像上でクリックする入力を受け付けると、進捗パラメータ入力画像108に入力された進捗パラメータPP(経過時間te)と、デフォーカス入力画像138に入力されたデフォーカス量DFとのデータセットDS2を、レーザ加工条件LCとしてメモリ54に格納する。
【0093】
これとともに、プロセッサ52は、変換部70として機能し、タイプ選択画像124に入力されたタイプTY(図示の例では、「タイプA」)に応じて取得したデータテーブルDT1を関係データRDとして用いて、デフォーカス入力画像138に入力されたデフォーカス量DFを、ビームサイズBSに変換する。
【0094】
そして、プロセッサ52は、レーザ加工条件LCに登録した進捗パラメータPPとデフォーカス量DFとのデータセットDS2を、変換したビームサイズBSとともに、データセット表示画像136に表示する。こうして、
図10に示すように、データセット表示画像136に、登録した進捗パラメータPPとデフォーカス量DFとのデータセットDS2とともに、対応するビームサイズBSが表示されることになる。
【0095】
すなわち、本実施形態においては、プロセッサ52は、変換されたビームサイズBSを表示する画像データ(教示画像130の画像データ)を生成する画像生成部76(
図8)として機能する。その後、動作プログラム生成指令を受け付けると、プロセッサ52は、プログラム生成部72として機能して、レーザ加工条件LCに登録されたデフォーカス量DFと位置P
IPとが命令文CMとして規定された動作プログラムOPを生成する。
【0096】
以上のように、本実施形態においては、パラメータ選択受付部74は、ビームサイズBS又はデフォーカス量DFを選択する入力を受け付け、パラメータ入力受付部66は、ビームサイズBSを選択する入力を受け付けたときは該ビームサイズBSの入力を受け付け可能となる(
図9)一方、デフォーカス量DFを選択する入力を受け付けたときは該デフォーカス量DFの入力を受け付け可能となる(
図10)。
【0097】
そして、プログラム生成部72は、デフォーカス量DFの入力を受け付けたとき、該デフォーカス量DFが命令文CMとして規定された動作プログラムOPを生成する。この構成によれば、オペレータは、レーザ加工条件LCとしてビームサイズBSとデフォーカス量DFのいずれを入力するのかを任意に選択可能となるので、レーザ加工機12の動作を、より多様に教示することができる。
【0098】
また、本実施形態においては、変換部70は、関係データRDに基づいて、入力を受け付けたデフォーカス量DFを、対応するビームサイズBSに変換し、画像生成部76は、変換されたビームサイズBSを表示する画像データ(
図10)を生成する。この構成によれば、オペレータは、入力したデフォーカス量DFに対応するビームサイズBSを、直感的に確認できる。
【0099】
なお、上述の実施形態において、プロセッサ52は、進捗パラメータ入力画像108を通して、進捗パラメータPPとして上述の距離dの入力を受け付けるように構成されてもよい。プロセッサ52は、この距離dから、対応する位置PIPを取得できる。また、デフォーカス量DFは、座標系Cのz座標値で表されてもよい。
【0100】
代替的には、プロセッサ52は、レーザ加工条件LCとして、進捗パラメータPPとビームサイズBS(又はデフォーカス量DF)とのデータセットDS1(又はDS2)の代わりに、レーザ加工中の照射点IPの位置PIPの、座標系Cの座標(x,y)と、ビームサイズBS(又はデフォーカス量DF)とのデータセットDS3の入力を受け付けてもよい。
【0101】
また、上述の実施形態においては、制御装置14が、レンズ駆動装置38によって光学レンズ36を光軸Oの方向へ変位させることで焦点FPを光軸Oの方向へ変位させる場合について述べた。しかしながら、これに限らず、例えば、制御装置14は、移動機構20の動作によってレーザ照射装置18を座標系Cのz軸方向へ移動させることで、焦点FPをずらすこともできる。
【0102】
この場合、プログラム生成部72が生成する動作プログラムOPには、移動機構20の動作によって焦点FPをデフォーカス量DFだけずらすための命令文CMが規定される。そして、レーザ加工において、制御装置14は、命令文CMに従って移動機構20(例えば、多関節ロボット)のサーボモータへの指令を生成する。
【0103】
なお、上述の実施形態においては、プロセッサ52が、関係データRDとしてデータテーブルDTを取得する場合について述べた。しかしながら、プロセッサ52は、データテーブルDTを取得することなく、関係データRDとして、ビームサイズBS(例えば直径R)とデフォーカス量DFとの関係を示す関数:BS=f(DF)を取得してもよい。この関数:BS=f(DF)は、レーザ加工機12の光学系の仕様等から、予め定めることができる。
【0104】
なお、
図7、
図9及び
図10に示す教示画像100、120及び130のGUIは一例であって、他の如何なる構成のGUIが採用されてもよい。例えば、
図9に示す教示画像120において、パラメータ選択画像122を省略する一方、
図10に示すデフォーカス入力画像138、及び設定ボタン画像134を追加してもよい。
【0105】
この場合、プロセッサ52は、1つの教示画像120を通して、進捗パラメータPPとビームサイズBSとのデータセットDS1の入力と、進捗パラメータPPとデフォーカス量DFとのデータセットDS2の入力とを、受け付けることができる。この場合において、教示画像120のデータセット表示画像106に、
図10のデータセット表示画像136と同様に、対応するデフォーカス量DFを表示してもよい。
【0106】
また、オペレータが入力装置60を操作して、登録されたデータセットDS1(又はDS2)をデータセット表示画像106(又は136)で選択し、選択されたデータセットDS1(又はDS2)のビームサイズBS(又はデフォーカス量DF)を変更(又は削除)することができるように、教示装置50が構成されてもよい。
【0107】
また、上述の実施形態においては、教示装置50が、制御装置14と別体として設けられる場合について述べた。しかしながら、教示装置50の機能は、制御装置14に組み込むこともできる。この場合、制御装置14のプロセッサが、教示装置50(関係データ取得部64、パラメータ入力受付部66、焦点選択受付部68、変換部70、プログラム生成部72、パラメータ選択受付部74、及び画像生成部76)として機能することになる。
【0108】
また、
図3に、レーザスキャナとしてのレーザ照射装置18を例示したが、レーザ照射装置18は、レーザスキャナに限らず、筐体24、受光部26、光学レンズ36、レンズ駆動装置38、及びレーザ光出射部40のみを有するレーザ加工ヘッドであってもよい。また、移動機構20は、レーザ照射装置18に対してワークWを移動させるように構成されてもよい。以上、実施形態を通じて本開示を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0109】
10 レーザ加工システム10
12 レーザ加工機
14 制御装置
16 レーザ発振器
18 レーザ照射装置
20 移動機構
50 教示装置
52 プロセッサ
64 関係データ取得部
66 パラメータ入力受付部
68 焦点選択受付部
70 変換部
72 プログラム生成部
74 パラメータ選択受付部
76 画像生成部