(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】回転力を伝達するロボットの動力伝達機構およびロボットの駆動装置
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
B25J17/00 E
(21)【出願番号】P 2023543577
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2021031368
(87)【国際公開番号】W WO2023026432
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【氏名又は名称】曽根 太樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 一隆
(72)【発明者】
【氏名】植松 秀俊
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-303561(JP,A)
【文献】特開平08-042582(JP,A)
【文献】実開昭63-086454(JP,U)
【文献】国際公開第2004/078423(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/181374(WO,A1)
【文献】米国特許第03656785(US,A)
【文献】中国特許出願公開第108253030(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回転部材を挿通する穴部を有し、前記第1の回転部材の回転軸に沿って延びる窪み部を内面に有する基材と、
前記窪み部に配置され、周方向に垂直な平面で切断した時の断面形状が略くさび形のリング部材と、
前記第1の回転部材を挿通する穴部を有し、前記リング部材を押圧する先端部を有する押圧フランジと、
前記基材と前記押圧フランジとが互いに近づく向きに、前記基材および前記押圧フランジに力を加えるための締結部材とを備え、
前記基材は、第2の回転部材を固定する取付け部を有し、
前記リング部材は、前記先端部にて回転軸の方向に押圧されて縮径する力が生じて、前記第1の回転部材に固定され、
前記基材および前記押圧フランジは、前記リング部材に対して固定され、
前記第1の回転部材および前記第2の回転部材のうち、一方の回転部材の回転力が前記基材を介して他方の回転部材に伝達され
ており、
前記基材は、前記第2の回転部材に向かって突出して前記取付け部が形成されている突出部を含み、
前記基材は、前記突出部の頂面が前記第2の回転部材に接触して、前記第2の回転部材に固定されている、ロボットの動力伝達機構。
【請求項2】
前記リング部材は、円錐面を有する、請求項1に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項3】
前記締結部材は、ボルトである、請求項1または2に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項4】
前記第1の回転部材は、電動機の出力シャフトである、請求項1から3のいずれか一項に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項5】
前記第1の回転部材は、中空穴を有する円筒状のシャフトである、請求項1から4のいずれか一項に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項6】
前記第1の回転部材は、前記第1の回転部材の回転軸方向の移動を規制する移動規制部を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項7】
前記第1の回転部材または前記第2の回転部材は、減速機の一部分の部材である、請求項1に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項8】
前記第1の回転部材または前記第2の回転部材は、前記減速機の入力部である、請求項7に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項9】
前記減速機は、回転軸方向から見た形状が楕円形のカムを含む波動歯車装置であり、
前記第2の回転部材は、前記カムである、請求項8に記載のロボットの動力伝達機構。
【請求項10】
請求項1に記載のロボットの動力伝達機構と、
前記第1の回転部材を回転させる電動機と、を備える、ロボットの駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転力を伝達するロボットの動力伝達機構およびロボットの駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットは、アーム等の構成部材を駆動することにより、作業ツールの位置および姿勢を変更することができる。ロボットには、構成部材を動かすための電動機を含む駆動装置が配置される。例えば、ロボットが関節部を有する場合には、関節部において構成部材を動かすための駆動装置が配置される場合が有る。駆動装置は、1つの部材から他の部材に回転力を伝達するための動力伝達機構を含む。特に、電動機の出力シャフトから減速機の入力部に回転力を伝達する動力伝達機構が必要である。
【0003】
従来から電動機が出力する回転力を他の部材に伝達する装置が知られている。電動機の出力シャフトに、他の部材を所定の方法にて連結することにより、他の部材に回転力を伝達することができる(例えば、特開平9-57667号公報)。
【0004】
シャフトの回転力を他の部材に伝達するための方法としては、例えば、シャフトの端面に雌ねじを形成して他の部材をボルトにて固定する方法がある。または、シャフトの端部において、他の部材を焼き嵌めにて固定する方法がある。この方法では、他の部材を加熱して膨張した時にシャフトの端部に配置する。そして他の部材を冷却して収縮させることにより、他の部材をシャフトに固定する。また、シャフトに他の部材を連結する場合に、シャフトの回転力を確実に伝達するために、スプライン結合したり、キー結合したりする場合がある。このように、シャフトに他の部材を連結する機構が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
駆動装置の内部には、駆動装置の駆動に伴って性能が低下したり、経年劣化したりする部品が含まれる。このような部品は、劣化したときに交換出来る構造が好ましい。例えば、減速機は、所定の運転期間ごとに交換することが好ましい。
【0007】
駆動装置の動力伝達機構において、シャフトの端面にボルトにて他の部材を固定する場合には、雌ねじを形成するための領域を確保しなければならず、シャフトの径が大きくなる。特に、駆動装置に含まれるシール部材等を交換できるように設計する場合には、シャフトの端部よりも大きな径の部分にシール部材等を配置しなくてはならない。このために、駆動装置がシャフトの径方向に大きくなるという問題がある。または、シャフトの端部と他の部材とを焼き嵌めまたは接着の方法により固定すると、駆動装置を分解して部品を交換することが困難になるという問題がある。
【0008】
シャフトの端部と他の部材とをスプライン結合またはキー結合する機構では、シャフトの端面にボルトにて他の部材を固定する機構よりも、シャフトの径を小さくすることができる。この結果、装置の大型化を抑制することができる。しかしながら、シャフトが筒状の場合(中空シャフト)に、シャフトの厚さが薄いためにスプライン結合またはキー結合を行うことができない場合がある。
【0009】
また、スプライン結合では、回転方向にバックラッシ(がた)が生じる。キー結合においては、ボルトまたはイモネジによりシャフトと他の部材とを固定する方法が一般的である。しかしながら、キー結合においても、回転方向のバックラッシを完全に回避することが難しいという問題がある。
【0010】
更に、スプライン結合では、回転軸の延びる方向において他の部材が移動する。すなわち、スプライン結合では、他の部材の回転軸の延びる方向の移動を阻止することができない。例えば、波動歯車装置では、入力部が回転している期間中に回転軸の方向に荷重が発生する。スプライン結合では、この荷重を受けた際に、回転軸方向(回転軸に平行な一方の方向および一方の方向に反対側の方向)に動かないように規制するのが難しいという問題がある。
【0011】
スプライン結合の部分またはキー結合の部分に、接着剤を配置することにより、シャフトと他の部材とを互いに固定することができる。この結果、回転方向におけるバックラッシおよび回転軸の方向の移動を阻止することができる。しかしながら、結合部分に接着剤を塗布すると、分解して再組立する際に、接着剤を一旦完全に除去する必要があり、修理のために多くの工数を要することになる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様のロボットの動力伝達機構は、第1の回転部材を挿通する穴部を有し、第1の回転部材の回転軸に沿って延びる窪み部を内面に有する基材を備える。動力伝達機構は、窪み部に配置され、周方向に垂直な平面で切断した時の断面形状が略くさび形のリング部材を備える。動力伝達機構は、第1の回転部材を挿通する穴部を有し、リング部材を押圧する先端部を有する押圧フランジを備える。動力伝達機構は、基材と押圧フランジとが互いに近づく向きに、基材および押圧フランジに力を加えるための締結部材を備える。基材は、第2の回転部材を固定する取付け部を有する。リング部材は、先端部にて回転軸の方向に押圧されて縮径する力が生じて、第1の回転部材に固定されている。基材および押圧フランジは、リング部材に対して固定されている。第1の回転部材および第2の回転部材のうち、一方の回転部材の回転力が基材を介して他方の回転部材に伝達される。基材は、第2の回転部材に向かって突出して取付け部が形成されている突出部を含む。基材は、突出部の頂面が第2の回転部材に接触して、第2の回転部材に固定されている。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一態様によれば、小型で分解が容易なロボットの動力伝達機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態におけるロボットの斜視図である。
【
図2】実施の形態における第1の動力伝達機構を含む第1の駆動装置の断面図である。
【
図4】第1の比較例の動力伝達機構の拡大断面図である。
【
図5】第2の比較例の動力伝達機構の概略部分断面図である。
【
図6】実施の形態における他の基材を含む第1の動力伝達機構の拡大断面図である。
【
図7】実施の形態における他の基材の突出部の拡大斜視図である。
【
図8】実施の形態における第2の動力伝達機構を含む第2の駆動装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から
図10を参照して、実施の形態におけるロボットの動力伝達機構および動力伝達機構を備えるロボットの駆動装置について説明する。動力伝達機構は、1つの回転部材から他の回転部材に回転力を伝達する。
【0016】
図1は、本実施の形態におけるロボットの斜視図である。本実施の形態のロボット1は、複数の関節部を含む多関節ロボットである。ロボット1は、回転可能な複数の構成部材を含む。それぞれの構成部材は、駆動軸J1~J6の周りに回転するように形成されている。本実施の形態の動力伝達機構は、ロボットの構成部材を駆動するためにロボットの関節部に配置されている。
【0017】
ロボット1は、設置面に固定されたベース部14と、ベース部14に支持された旋回ベース13とを含む。旋回ベース13は、ベース部14に対して駆動軸J1の周りに回転する。ロボット1は、前腕アーム11および上腕アーム12を含む。上腕アーム12は、旋回ベース13に支持されている。上腕アーム12は、旋回ベース13に対して駆動軸J2の周りに回転する。前腕アーム11は、上腕アーム12に支持されている。前腕アーム11は、上腕アーム12に対して駆動軸J3の周りに回転する。更に、前腕アーム11は、駆動軸J4の周りに回転する。ロボット1は、前腕アーム11に支持されている手首15を含む。手首15は駆動軸J5の周りに回転する。また、手首15は、駆動軸J6の周りに回転するフランジ16を含む。フランジ16には、ロボット1を備えるロボット装置が行う作業に応じて、作業ツールが固定される。
【0018】
本実施の形態のロボット1は、構成部材として、ベース部14、旋回ベース13、上腕アーム12、前腕アーム11、および手首15を備える。本実施の形態のロボットは、6個の駆動軸を有するが、この形態に限られない。任意の機構にて位置および姿勢を変更するロボットを採用することができる。
【0019】
図2に、本実施の形態における第1の駆動装置の断面図を示す。
図1および
図2を参照して、第1の駆動装置2は、駆動軸J4の周りに前腕アーム11を回転するための装置である。駆動装置2は、例えば、矢印131に示す方向が手首15の配置されている方向になるように、前腕アーム11の手首15が配置されている側と反対側の端部に配置される。
【0020】
第1の駆動装置2は、ロータ45aおよびステータ45bを含む電動機45を備える。ロータ45aは、シャフト21に固定されている。シャフト21は、電動機45の出力シャフトとして機能する。シャフト21は細長く延びるように形成されている。本実施の形態のシャフト21は、中空穴を有する円筒状の部材である。シャフト21は、駆動軸J4を回転軸として回転する。
【0021】
シャフト21の回転力は、減速機31を介して、フランジ25に伝達される。フランジ25とフランジ26とはボルト56にて互いに固定されている。フランジ26とフランジ27とはボルト57にて互いに固定されている。フランジ25,26,27は、一体的に回転する。
【0022】
駆動装置2は、電動機45が内部に配置された筐体22を備える。シャフト21は、軸受け51,52により回転するように支持されている。軸受け51は、筐体22にて固定されている。駆動装置2は、電磁ブレーキ46が内部に配置された筐体23と、回転位置検出器としてのエンコーダ47が内部に配置された筐体24とを備える。電磁ブレーキ46は、シャフト21を制動する。エンコーダ47は、電動機45の回転位置を検出する。
【0023】
筐体22、筐体23、および筐体24は、ボルト等の締結部材にて互いに固定されている。また、筐体22と筐体23との間には、軸受け52を固定するための軸受け固定部材28が配置されている。軸受け固定部材28は、ボルト等の締結部材により、筐体23に固定されている。締結部材を取り外すことにより、矢印131と反対側から筐体24,23,22および軸受け固定部材28を取り外すことができる。
【0024】
シャフト21の内側には樹脂にて形成された保護管66が配置されている。保護管66は、シャフト21の内面に沿って円筒状に形成されている。保護管66の内部には、電線、空気管、または光通信ケーブル等の線条体が挿通される。保護管66は、挟持部66aがフランジ26とフランジ27とに挟まれることにより固定されている。保護管66が配置されることにより、ロボット1の関節部の内部に線条体を配置することができる。
【0025】
図3に、本実施の形態における第1の駆動装置の第1の動力伝達機構の拡大断面図を示す。
図2および
図3を参照して、第1の動力伝達機構5は、固定装置32を含む。第1の動力伝達機構5は、電動機45にて出力されたシャフト21の回転力を減速機31に伝達する。
【0026】
第1の駆動装置2の減速機31は、波動歯車装置である。減速機31は、波動発生部31aを有する。波動発生部31aは、ウェーブジェネレータとも称される。波動発生部31aは、回転軸方向から見た形状が楕円形のカムとカムの外周面に配置されたボールベアリングとを含む。ボールベアリングの内輪は楕円形のカムに固定されている。ボールベアリングの外輪は、複数のボールを介して弾性変形するように形成されている。ここでは、波動発生部31aのカムが減速機31の入力部として機能する。減速機31は、弾性変形が可能な弾性筒状部材31bを有する。弾性筒状部材31bは、外歯歯車であり、フレックスプラインとも称される。弾性筒状部材31bは、カムの回転に伴って変形するように形成されている。弾性筒状部材31bは、外周面に形成された歯部31bbを有する。弾性筒状部材31bは、ボルト55により筐体22に固定されている。波動発生部31aが回転するのに対して、弾性筒状部材31bは回転しないように固定されている。
【0027】
減速機31は、環状部材31cを有する。環状部材31cは、内歯歯車であり、サーキュラースプラインとも称される。環状部材31cの内面には、弾性筒状部材31bの歯部31bbに係合する歯部が形成されている。ここで、弾性筒状部材31bの歯数は、環状部材31cの歯数よりも少ない。このために、波動発生部31aが1回転すると、歯部の歯数の差に応じて、環状部材31cが1回転未満の回転数にて回転する。本実施の形態では、環状部材31cが減速機31の出力部として機能する。減速機31は、弾性筒状部材31bの歯数と環状部材31cの歯数の差に応じた減速比にて減速することができる。
【0028】
減速機31の出力部としての環状部材31cは、ボルト39により、フランジ25に固定されている。環状部材31cの回転力は、フランジ25,26を介して、フランジ27に伝達される。フランジ27は、例えば前腕アーム11の筐体に固定されている。フランジ27が筐体22,23,24に対して回転することにより、前腕アーム11が駆動軸J4の周りに回転する。
【0029】
第1の動力伝達機構5は、シャフト21の回転力を減速機31の入力部としての波動発生部31aのカムに伝達する。第1の動力伝達機構5では、シャフト21が第1の回転部材に相当し、減速機31の波動発生部31aのカムが第2の回転部材に相当する。動力伝達機構5の固定装置32は、シャフト21に対して波動発生部31aを固定する。
【0030】
固定装置32は、シャフト21を挿通する穴部を有する基材33を備える。基材33は、シャフト21を取り囲む形状を有する。本実施の形態における基材33は、円筒状に形成されている。基材33は、シャフト21の回転軸に沿って延びる窪み部33aを有する。窪み部33aは、基材33の内面に形成されている。
【0031】
固定装置32は、基材33の窪み部33aに配置されたリング部材35,36を有する。それぞれのリング部材35,36は、周方向に垂直な平面で切断した時の断面形状がくさび形になるように形成されている。ここでの例では、リング部材35,36は、断面形状が三角形になるように形成されている。それぞれのリング部材35,36は、周方向に延びる面が円錐面となるように形成されている。そして、リング部材35の円錐面とリング部材36の円錐面とが互いに接触するように配置されている。
【0032】
固定装置32は、シャフト21を挿通する穴部を有する押圧フランジ34を備える。押圧フランジ34は、シャフト21を取り囲む形状を有する。押圧フランジ34は、周方向に垂直な平面で切断した時の断面形状がL字形になるように形成されている。押圧フランジ34は、リング部材36を押圧する先端部34aを有する。本実施の形態においては、先端部34aは、窪み部33aに対応する形状を有する。先端部34aは、窪み部33aに嵌合するように形成されている。
【0033】
固定装置32は、基材33と押圧フランジ34とが互いに近づく向きに、基材33および押圧フランジ34に力を加えるための締結部材としてのボルト37を備える。ボルト37を締め付けることにより、シャフト21の回転軸に沿う方向に基材33と押圧フランジ34との距離が短くなるように形成されている。リング部材35,36が基材33および先端部34aに接触した後には、ボルト37は、基材33と押圧フランジ34とを互いに近づく向きに付勢する。
【0034】
断面形状において基材33の立設する部分と押圧フランジ34の立設する部分との間には、隙間が形成されている。ボルト37を締め付けることにより、この隙間が小さくなるように基材33と押圧フランジ34とが近づく。押圧フランジ34の先端部34aは、リング部材36を押圧する。ボルト37を締め付けることにより、リング部材35,36は回転軸の方向に沿って押圧される。
【0035】
リング部材35,36の円錐面の作用により、リング部材35,36には径方向に向かう力が作用する。リング部材36には、径方向の内側に向かう力、すなわち縮径する力が作用する。リング部材35には、径方向の外側に向かう力、すなわち拡径する力が作用する。リング部材36はシャフト21をかしめることとなり、このリング部材36に対して、リング部材35および基材33と、押圧フランジ34とが固定される。この結果、基材33および押圧フランジ34は、シャフト21に固定される。
【0036】
図2を参照して、本実施の形態の基材33は、波動発生部31aを固定するための取付け部としてねじ穴33bを有する。波動発生部31aのカムは、締結部材としてのボルト38により基材33に固定されている。このため、波動発生部31aは、固定装置32と共に一体的に回転する。このように、第1の回転部材の回転力は、固定装置32の基材33を介して第2の回転部材に伝達されている。
【0037】
減速された回転力は、環状部材31cに出力される。環状部材31cの側方には、主軸受け41が配置されている。本実施の形態の主軸受け41は、クロスローラ軸受けである。主軸受け41は、内輪41aと外輪41bとを有する。外輪41bは、ボルト55により、弾性筒状部材31bと共に、筐体22に固定されている。外輪41bは、筐体22に対して回転しない部材である。これに対して、内輪41aは、ボルト39により、フランジ25および環状部材31cに固定されている。このために、内輪41a、環状部材31c、フランジ25,26,27、および保護管66が一体的に回転する。
【0038】
シャフト21の外周面には内部の潤滑油が外部に漏れ出ないように、また外部からの異物の侵入を防ぐために、オイルシールの61,62が配置されている。また、主軸受け41の内部の潤滑油が外部に漏れ出ないように、また外部からの異物の侵入を防ぐために、オイルシール63が配置されている。
【0039】
波動歯車装置である減速機31には寿命がある。減速機31を交換するためには、波動発生部31aを矢印131の方向に抜く必要がある。矢印131と反対方向に抜くと、波動発生部31aおよび弾性筒状部材31bの破損に繋がる。
【0040】
駆動装置2を分解する場合には、ボルト57を取り外すことにより、フランジ26からフランジ27を取り外すことができる。また、保護管66の固定が解除されて、矢印131に示す方向に保護管66を取り出すことができる。次に、ボルト56を取り外すことにより、フランジ25からフランジ26を取り外すことができる。次に、ボルト39を取り外すことにより、フランジ25を取り外すことができる。そして、ボルト38を取り外すことにより、波動発生部31aを取り外すことが出来る。
【0041】
次に、ボルト55を取り外すことにより、減速機31および主軸受け41を取り外すことができる。ボルト37を緩めることにより、固定装置32をシャフト21から取り外すことができる。
【0042】
一方で、図示しない締結部材を取り外すことにより、筐体22から筐体23,24を取り外すことができる。そして、矢印131と反対側に向かって、エンコーダ47および電磁ブレーキ46を取り出すことができる。また、図示しない締結部材を取り外すことにより、軸受け固定部材28および軸受け52を取り外すことができる。次に、ロータ45aと共に、シャフト21を矢印131と反対側に引き抜くことができる。そして、軸受け51を取り出すことができる。
【0043】
このように、駆動装置2を分解して、減速機31を交換することができる。更に、軸受け51,52およびオイルシール61,62,63などの交換も可能である。駆動装置2を組み立てるときには、分解する手順と逆の手順にて組み立てることができる。このように、本実施の形態における駆動装置2は、締結部材を外すことにより、容易に分解することができて、部品を交換することができる。
【0044】
図4に、第1の比較例の動力伝達機構の拡大断面図を示す。第1の比較例において、減速機31の波動発生部31aは、ボルト72により、シャフト71に固定されている。すなわち、本実施の形態における基材33および押圧フランジ34を含む固定装置32を介さずに、減速機31が直接的にシャフト71に固定されている。ボルト72は、シャフト71の端面に固定されている。この構造の場合に、ボルト72のねじ穴が必要になるために、シャフト71の外径は大きくなる。このために、オイルシール63および軸受け51等の内径が大きくなってしまう。この結果、駆動装置が大きくなってしまうという問題がある。
【0045】
図5に、第2の比較例の動力伝達機構の概略断面図を示す。第2の比較例の動力伝達機構では、複数のシャフトが同軸状に配置されている。シャフト73がシャフト74に連結されている。シャフト76がシャフト77に連結されている。シャフト73,74は、中空穴を有しない棒状のシャフトである。シャフト76,77は、円筒状のシャフトである。シャフト73のフランジ部にボルト75を配置することにより、シャフト73がシャフト74に固定されている。また、シャフト76のフランジ部に、ボルト78を配置することにより、シャフト76がシャフト77に固定されている。
【0046】
このように、シャフト74の端面またはシャフト77の端面に、ボルト75,78にて他のシャフト73,76を固定する場合には、フランジ部を形成する必要がある。この結果、シャフトが径方向に大きくなってしまうという問題がある。第2の比較例においては、同軸状に複数のシャフトが配置されている。このために、それぞれのシャフトの結合部にフランジを形成すると、装置がかなり大きくなってしまうという問題がある。例えば、ロボットの手首構造として、前腕内に同軸状にシャフトが挿入される場合が有る。しかしながら、手首自体が大型になるために、ボルトにてシャフトの端面に他のシャフトを固定する構造を採用し難い。
【0047】
図2および
図3を参照して、本実施の形態の駆動装置2では、第2の回転部材が固定装置32を介してシャフト21に連結されているために、シャフト21の径を小さくすることができる。または、シャフト21の厚さが大きくなることを抑制することができる。このために、軸受けおよびオイルシールの径が大きくなることを抑制することができる。この結果、駆動装置の大型化を抑制することができる。特に、複数のシャフトが同軸状に配置されている場合にも、径方向に装置が大型になることを抑制することができる。または、シャフトが円筒形状の場合には、シャフトの厚さを薄くすることができるために、内部の中空穴の径を大きくすることができる。
【0048】
このように、本実施の形態の動力伝達機構5は、小型であり、容易に分解することができる。また、動力伝達機構5では、周方向に垂直な平面で切断した時の断面形状が略くさび形のリング部材を含む固定装置にて固定するために、バックラッシなどのがたが生じない。更に、本実施の形態の減速機31では軸方向の力が生じるが、この力を固定装置32にて受けることができる。すなわち、軸方向に減速機31の入力部が移動することを抑制できる。
【0049】
本実施の形態における固定装置32のリング部材35,36は、それぞれが円錐面を有する。この構成を採用することにより、押圧フランジ34の先端部34aにてリング部材36を押圧した時に、円錐面同士が接触する。先端部34aによる回転軸の方向の押圧力を、効率よく径方向の縮径する力に変換することができる。なお、リング部材が接触する面は、円錐面に限られず、周方向に垂直な平面で切断したときの断面形状が曲線状に形成されていても構わない。
【0050】
本実施の形態では、基材33と押圧フランジ34とを互いに近づく向きに移動して、基材33および押圧フランジ34を付勢する締結部材として、ボルト37を採用している。この構成を採用することにより、ボルト軸力の強い力で基材33および押圧フランジ34に対して、互いに近づく向きに力を加えることができる。また、ボルト37を採用することにより、容易に取り外すことができる。
【0051】
本実施の形態における第1の回転部材は、電動機45の出力シャフトである。第1の回転部材は、この形態に限られず、任意の回転する部材を採用することができる。例えば、第1の回転部材は、減速機の一部分であっても構わない。
【0052】
本実施の形態におけるシャフト21は、中空穴を有する円筒状の部材である。このように、円筒状のシャフトの場合に本実施の形態の動力伝達機構を採用することにより、シャフトの厚さを薄くすることができる。または、シャフトの内部の中空穴の径を大きくすることができる。例えば、空気の配管または電線等の線条体を関節部の内部に通す場合がある。本実施の形態の動力伝達機構では、保護管の内部の空間を大きくすることができて、多くの線条体を通すことができる。
【0053】
図2を参照して、本実施の形態のシャフト21は、シャフト21の回転軸の方向の移動を規制する移動規制部としての段差部21aおよび段差部21bを有する。段差部21aおよび段差部21bに軸受け51,52が係合している。軸受け51は、筐体22により固定され、軸受け52は、軸受け固定部材28により固定されている。このように、シャフト21の回転軸の方向の移動を規制する移動規制部を設けることにより、シャフト21の軸方向の移動が抑制される。この結果、シャフト21の周りに配置されている装置が安定して駆動する。例えば、減速機31の波動発生部31aの軸方向の移動を抑制して、安定した減速を行うことができる。または、エンコーダ47は光が通過するスリットを有する円板を備える場合が有る。この場合に、円板はシャフト21に固定されている。移動規制部を形成することにより、エンコーダ47の円板の軸方向の移動を抑制して、精度よく電動機45の回転位置を検出することができる。
【0054】
本実施の形態の固定装置32の基材33と第2の回転部材とは、一体的に形成することができる。例えば、基材33と波動発生部31aの枠体とを一体的に形成することができる。ところが、ボルト37を締め付けることにより、基材33が変形して波動発生部31aにも変形が伝播してしまい、減速機31が正常に作動しなくなる虞が有る。このために、本実施の形態のように、固定装置の基材と第2の回転部材とは別の部材とし、変形が伝播し難い構造にするのが好ましい。
【0055】
図6に、本実施の形態の固定装置の基材の変形例を示す拡大断面図を示す。
図7に、基材のねじ穴が形成されている部分の拡大斜視図を示す。変形例の基材40は、前述の基材33と同様に、窪み部40aおよびねじ穴40bを有する。基材40は、ねじ穴40bが形成されている領域に形成された突出部40cを有する。突出部40cは、基材40の表面から突出する部分である。突出部40cは、ボルト38のねじ穴40bの周りに形成されている。ここでの例では、突出部40cは円錐台の形状を有する。基材40は、突出部40cの頂面が減速機31の波動発生部31aに接触している。
【0056】
基材40と押圧フランジ34とを近づける方向に付勢するボルト37を締め付けると、基材40に変形が生じる場合が有る。基材と波動発生部とが大きな面積にて接触していると、基材の変形量が多く伝播して、波動発生部31aも変形し易くなる虞がある。この結果、減速機の歯部の噛み合いに不良が生じる虞がある。また、異音が生じたり歯部が早期に摩耗したりする。変形例の基材40のように、ボルト38が配置されている周囲部分のみが波動発生部31aに接触して、その他の部分は波動発生部31aに接触しないように、突出部40cを設けることにより、基材40の変形が波動発生部31aに伝播する量を最小に抑制することができる。
【0057】
本実施の形態の第1の動力伝達機構を備える第1の駆動装置は、前腕アームを駆動軸J4の周りに回転する部分に配置されているが、この形態に限られない。他の関節部にも第1の駆動装置と同様の装置を適用することができる。
【0058】
図8に、本実施の形態における第2の動力伝達機構を備える第2の駆動装置の断面図を示す。
図8は、
図1に示すロボット1の手首15の部分の断面図を示している。第2の駆動装置3は、手首15を駆動する。手首15には、駆動軸J5の周りに手首15を回転する機構と、駆動軸J6の周りにフランジ16を回転する機構とが配置されている。本実施の形態における第2の動力伝達機構は、駆動軸J6の周りにフランジ16を回転する機構に適用されている。
【0059】
フランジ16を回転するための電動機から出力される回転力は、ピニオン軸84に伝達される。ピニオン軸84は、回転軸RAの周りに回転する。ここでは、電動機の回転力を伝達するために、例えばハイポイドギヤが採用されている。ピニオン軸84の先端の歯部84aは、リンクギヤ83の歯部83aと係合する。シャフト81は、軸受け101,102により支持されている。シャフト81は、リンクギヤ83と共に駆動軸J5の周りに回転する。シャフト81には、かさ歯車82が一体的に形成されている。かさ歯車82の先端の歯部82aは、フランジ16に固定された歯車89と係合する。かさ歯車82が駆動軸J5の周りに回転することにより、フランジ16は駆動軸J6の周りに回転する。
【0060】
図9に、本実施の形態における第2の動力伝達機構の拡大斜視図を示す。
図8および
図9を参照して、第2の動力伝達機構6は、シャフト81にリンクギヤ83を固定する固定装置92を含む。第2の動力伝達機構6では、シャフト81が第1の回転部材に相当し、リンクギヤ83が第2の回転部材に相当する。第1の回転部材および第2の回転部材は、減速機の一部分の部材である。第2の動力伝達機構6では、第2の回転部材の回転力が第1の回転部材に伝達される。
【0061】
固定装置92は、窪み部93aを有する基材93と、先端部94aを有する押圧フランジ94とを含む。先端部94aは、窪み部93aに嵌合するように形成されている。窪み部93aには、円錐面を有するリング部材95,96が配置されている。また、固定装置92は、基材93と押圧フランジ94とを互いに近づける向きに力を加える締結部材としてボルト97を有する。ボルト97を締め付けることにより、リング部材95,96の作用により、基材93とシャフト81とが互いに固定される。固定装置92の実施例において、基材93の押圧フランジ94側の表面には、押圧フランジ94に向かって端部が突き出している。突き出した端部は、押圧フランジ94に接触している。この構成により、ボルト97の緩み又は疲労折損を回避しつつ、リング部材95の縮径力を確保できる。また、基材93の外径が比較的大きい場合に、外周部の変形を抑制することができる。
【0062】
基材93は、第2の回転部材としてのリンクギヤ83を固定する取付け部としてのねじ穴93bを有する。リンクギヤ83は、ボルト98により基材93に固定されている。リンクギヤ83の回転力は、第2の動力伝達機構6を介してシャフト81に伝達される。シャフト81が回転することにより、かさ歯車82を介してフランジ26に回転力が伝達される。
【0063】
また、手首15には、前腕アーム11に対して手首15を駆動軸J5の周りに回転する機構を有する。この機構では、図示しないピニオン軸により、リンクギヤ104が回転する。リンクギヤ104と介在部材105とは、ボルト106により互いに固定されている。また、介在部材105は、図示しない締結部材により筐体88に固定されている。リンクギヤ104および介在部材105は、軸受け101,102に支持されている。また、リンクギヤ104は、主軸受け103の内輪103aに固定されている。
【0064】
主軸受け103の外輪103bは、ボルト107により筐体86に固定されている。筐体86には、蓋部材として機能する筐体87がボルト等の締結部材にて固定されている。筐体86,87および外輪103bは、前腕アーム11に固定されている。筐体86,87および外輪103bは、駆動軸J5の周りに回転しない部分である。これに対して、リンクギヤ104が回転することにより、リンクギヤ104、介在部材105、および筐体88は、駆動軸J5の周りに一体的に回転する。このように、手首15は、駆動軸J5の周りに回転する。
【0065】
介在部材105と筐体86とが対向する部分には、内部の潤滑油が外部に漏れ出ないように、また外部からの異物の侵入を防ぐために、オイルシール109が配置されている。また、フランジ16と筐体88とが対向する部分にも、同様の目的でオイルシール110が配置されている。
【0066】
第2の動力伝達機構6を含む第2の駆動装置3においても、容易に分解して、内部の部品を交換することができる。例えば、筐体86と筐体87とを固定する締結部材を外すことにより筐体87を筐体86から取り外すことができる。ピニオン軸84およびリンクギヤ104に係合するピニオン軸を引き抜いた後にボルト98を取り外すことにより、リンクギヤ83を基材93から取り外ことができる。また、ボルト97を緩めることにより、固定装置92をシャフト81から取り外すことができる。
【0067】
さらに、ボルト106およびボルト107を取り外すことにより、リンクギヤ104を取り外すことができて、軸受け101および主軸受け103を取り出すことができる。更に、図示しない締結部材を取り外すことにより、介在部材105を筐体88から取り外すことができる。そして、軸受け102を取出すことができる。このように、締結部材を外すことにより第2の駆動装置3を細部まで分解することができる。軸受け101,102およびオイルシール109等の部品を交換することも可能である。
【0068】
第3の比較例としては、固定装置92にてシャフト81とリンクギヤ83とを固定する代わりに、インボリュートスプライン結合にて、シャフトとリンクギヤとを連結することができる。そして、結合部に接着剤を配置することにより、バックラッシ量を低減することができる。しかしながら、この方法では、駆動装置を分解する時に、硬化した接着剤を完全に除去しなくてはならない。このために、分解が困難であったり、分解に時間がかかったりする。これに対して、本実施の形態の第2の動力伝達機構6を採用することにより、容易に駆動装置を分解することができて、部品を取り替えることができる。
【0069】
第2の動力伝達機構のその他の構成、作用および効果については、第1の動力伝達機構と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。第1の動力伝達機構および第2の動力伝達機構を参照して、本実施の形態では、第1の回転部材および第2の回転部材のうち、一方の回転部材の回転力が基材を介して他方の回転部材に伝達される。
【0070】
図10に、本実施の形態における第3の動力伝達機構の拡大図を示す。第3の動力伝達機構7は、第2の動力伝達機構6の変形例である。第3の動力伝達機構7は、基材113および押圧フランジ114を含む固定装置112を備える。基材113の窪み部113aには、リング部材115が配置されている。このように、単一のリング部材が固定装置に配置されていても構わない。第3の動力伝達機構7は、第2の動力伝達機構6のリング部材96が基材93と一体になった構成を有する。第3の動力伝達機構7では、リング部材115に縮径する力が作用する。
【0071】
また、第3の動力伝達機構7においては、基材113と押圧フランジ114とが近づく向きに移動するように付勢する締結部材として、ナット117が配置されている。シャフト81の端部の外周面には、ねじが形成されている。ナット117は、シャフト81に形成されたねじに係合する。ナット117を締め付けることにより、押圧フランジ114と基材113とを互いに近づく向きに押圧することができる。このように、締結部材としてはボルトに限られず、押圧フランジと基材とを互いに近づける向きに力を加える任意の部材を採用することができる。
【0072】
第3の動力伝達機構のその他の構成、作用および効果については、第2の動力伝達機構と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0073】
本実施の形態の動力伝達機構を含む駆動装置は、ロボットの関節部に配置されているが、この形態に限られない。ロボットの任意の部分を駆動する機構に本実施の形態の動力伝達機構を適用することができる。
【0074】
上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの図において、同一または相等する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、請求の範囲に示される実施の形態の変更が含まれている。
【符号の説明】
【0075】
1 ロボット
2,3 駆動装置
5,6,7 動力伝達機構
16 フランジ
21 シャフト
21a,21b 段差部
31 減速機
31a 波動発生部
31c 環状部材
32,92,112 固定装置
33,40,93,113 基材
33a,40a,93a 窪み部
33b,40b ねじ穴
40c 突出部
34,94,114 押圧フランジ
34a,94a,114a 先端部
35,36,95,96,115 リング部材
37,38,97,98 ボルト
117 ナット
45 電動機
81 シャフト
83 リンクギヤ