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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】ブローバイガス処理装置
(51)【国際特許分類】
   F01M 13/00 20060101AFI20241113BHJP
   F01M 13/04 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
F01M13/00 E
F01M13/04 E
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021209983
(22)【出願日】2021-12-23
(65)【公開番号】P2023094477
(43)【公開日】2023-07-05
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐
(72)【発明者】
【氏名】柴田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】高見 雅保
(72)【発明者】
【氏名】河本 拓哉
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-004330(JP,A)
【文献】特開2016-114035(JP,A)
【文献】国際公開第2021/187250(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンに生じるブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置であって、
前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、
前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、
前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、
前記流速上昇操作部に載置されて前記フィルタを支持し、前記流速上昇操作部と前記フィルタとの間の空間として形成され前記オイルを案内するオイル案内隙間領域に向かって前記フィルタの少なくとも一部が変形することを抑えるフィルタ支持部材と、
を備え
前記衝突板と前記フィルタ支持部材とは、互いに嵌まり合うことにより前記フィルタを挟設し、
前記フィルタ支持部材は、前記衝突板と前記フィルタ支持部材との嵌め合いの部分において孔の中心に向かって形成された肉盛部を有することを特徴とするブローバイガス処理装置。
【請求項2】
前記フィルタは、前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に挟設されたことを特徴とする請求項1に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項3】
前記フィルタ支持部材は、前記衝突板に対向する表面から前記衝突板に向かって突出した突起部を有し、
前記フィルタは、前記フィルタの一部が前記突起部と前記衝突板とにより圧縮されることで前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に固定されたことを特徴とする請求項1または2に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項4】
前記衝突板および前記フィルタ支持部材のそれぞれは、樹脂材料により形成されたことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項5】
前記衝突板は、前記フィルタ支持部材に対向する表面とは反対側の表面から前記フィルタ支持部材とは反対側に向かって突出した誤組み立て抑制部を有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項6】
前記流速上昇操作部に締結され、前記衝突板を前記流速上昇操作部に固定する締結部材と、
前記衝突板に固定されるとともに前記締結部材の頭部と前記流速上昇操作部との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項7】
前記フィルタは、前記フィルタの縁部が前記フィルタ支持部材に埋設されることにより前記フィルタ支持部材に支持されたことを特徴とする請求項1に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項8】
エンジンに生じるブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置であって、
前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、
前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、
前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、
前記流速上昇操作部に載置されて前記フィルタを支持し、前記流速上昇操作部と前記フィルタとの間の空間として形成され前記オイルを案内するオイル案内隙間領域に向かって前記フィルタの少なくとも一部が変形することを抑えるフィルタ支持部材と、
を備え
前記衝突板は、前記フィルタ支持部材に対向する表面とは反対側の表面から前記フィルタ支持部材とは反対側に向かって突出した誤組み立て抑制部を有することを特徴とするブローバイガス処理装置。
【請求項9】
前記フィルタは、前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に挟設されたことを特徴とする請求項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項10】
前記フィルタ支持部材は、前記衝突板に対向する表面から前記衝突板に向かって突出した突起部を有し、
前記フィルタは、前記フィルタの一部が前記突起部と前記衝突板とにより圧縮されることで前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に固定されたことを特徴とする請求項8または9に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項11】
前記衝突板および前記フィルタ支持部材のそれぞれは、樹脂材料により形成されたことを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項12】
前記流速上昇操作部に締結され、前記衝突板を前記流速上昇操作部に固定する締結部材と、
前記衝突板に固定されるとともに前記締結部材の頭部と前記流速上昇操作部との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項13】
前記フィルタは、前記フィルタの縁部が前記フィルタ支持部材に埋設されることにより前記フィルタ支持部材に支持されたことを特徴とする請求項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項14】
エンジンに生じるブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置であって、
前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、
前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、
前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、
前記流速上昇操作部に載置されて前記フィルタを支持し、前記流速上昇操作部と前記フィルタとの間の空間として形成され前記オイルを案内するオイル案内隙間領域に向かって前記フィルタの少なくとも一部が変形することを抑えるフィルタ支持部材と、
前記流速上昇操作部に締結され、前記衝突板を前記流速上昇操作部に固定する締結部材と、
前記衝突板に固定されるとともに前記締結部材の頭部と前記流速上昇操作部との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、
を備えたことを特徴とするブローバイガス処理装置。
【請求項15】
前記フィルタは、前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に挟設されたことを特徴とする請求項14に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項16】
前記フィルタ支持部材は、前記衝突板に対向する表面から前記衝突板に向かって突出した突起部を有し、
前記フィルタは、前記フィルタの一部が前記突起部と前記衝突板とにより圧縮されることで前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に固定されたことを特徴とする請求項14または15に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項17】
前記衝突板および前記フィルタ支持部材のそれぞれは、樹脂材料により形成されたことを特徴とする請求項1416のいずれか1項に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項18】
前記フィルタは、前記フィルタの縁部が前記フィルタ支持部材に埋設されることにより前記フィルタ支持部材に支持されたことを特徴とする請求項14に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項19】
エンジンに生じるブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置であって、
前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、
前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、
前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、
前記流速上昇操作部に載置されて前記フィルタを支持し、前記流速上昇操作部と前記フィルタとの間の空間として形成され前記オイルを案内するオイル案内隙間領域に向かって前記フィルタの少なくとも一部が変形することを抑えるフィルタ支持部材と、
を備え
前記フィルタは、前記フィルタの縁部が前記フィルタ支持部材に埋設されることにより前記フィルタ支持部材に支持されたことを特徴とするブローバイガス処理装置。
【請求項20】
前記フィルタは、前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に挟設されたことを特徴とする請求項19に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項21】
前記フィルタ支持部材は、前記衝突板に対向する表面から前記衝突板に向かって突出した突起部を有し、
前記フィルタは、前記フィルタの一部が前記突起部と前記衝突板とにより圧縮されることで前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に固定されたことを特徴とする請求項19または20に記載のブローバイガス処理装置。
【請求項22】
前記衝突板および前記フィルタ支持部材のそれぞれは、樹脂材料により形成されたことを特徴とする請求項1921のいずれか1項に記載のブローバイガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関に搭載されて、ブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置が開示されている。特許文献1に記載されたブローバイガス処理装置は、ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、流速上昇操作部により流速の上がったブローバイガスを通すフィルタと、フィルタを通ったブローバイガスを衝突させてオイルとガスとに分離する衝突板と、を有する。
【0003】
特許文献1に記載されたブローバイガス処理装置において、フィルタは、流速上昇操作部の上面から外側に向かって突出した凸部状の設定部に載置されている。2つの設定部の間には、流速上昇操作部とフィルタとの間の空間としてオイル案内隙間領域が形成されている。オイル案内隙間領域は、衝突板によりブローバイガスから分離されフィルタを通過して落下したオイルをオイル案内溝部へ案内する。
【0004】
このように、特許文献1に記載されたフィルタは、空間としてのオイル案内隙間領域を確保した状態で設定部に載置されている。そのため、フィルタの形状や材料などによっては、フィルタが設定部に載置された状態でフィルタの少なくとも一部がオイル案内隙間領域に向かって変形することがある。そうすると、オイルの分離性能が不安定になることがある。フィルタの少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域に向かって変形することを抑えつつ、流速上昇操作部に対してフィルタを保持する点については、特許文献1に記載されたブローバイガス処理装置に改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6933761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、フィルタの少なくとも一部が空間に向かって変形することを抑えつつフィルタを保持することができるブローバイガス処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、エンジンに生じるブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置であって、前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、前記流速上昇操作部に載置されて前記フィルタを支持し、前記流速上昇操作部と前記フィルタとの間の空間として形成され前記オイルを案内するオイル案内隙間領域に向かって前記フィルタの少なくとも一部が変形することを抑えるフィルタ支持部材と、を備えたことを特徴とする本発明に係るブローバイガス処理装置により解決される。
【0008】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、フィルタ支持部材は、流速上昇操作部に載置されて、流速上昇操作部により流速の上がったブローバイガスを通すフィルタを支持する。また、フィルタ支持部材は、オイル案内隙間領域に向かってフィルタの少なくとも一部が変形することを抑える。ここで、オイル案内隙間領域は、流速上昇操作部とフィルタとの間の空間として形成されており、オイルを案内する。このように、フィルタ支持部材は、流速上昇操作部に載置されてフィルタを支持し、空間としてのオイル案内隙間領域に向かってフィルタの少なくとも一部が変形することを抑える。これにより、本発明に係るブローバイガス処理装置は、フィルタの少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域に向かって変形することを抑えつつ、流速上昇操作部により流速の上がったブローバイガスが流れる位置にフィルタを保持することができる。そのため、本発明に係るブローバイガス処理装置は、安定したオイルの分離性能を実現することができる。
【0009】
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記フィルタは、前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に挟設されたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、フィルタが衝突板とフィルタ支持部材との間に挟設されている。そのため、本発明に係るブローバイガス処理装置は、衝突板とフィルタ支持部材との間においてフィルタをより確実に保持し、フィルタの少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域に向かって変形することを抑えることができる。
【0011】
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記衝突板と前記フィルタ支持部材とは、互いに嵌まり合うことにより前記フィルタを挟設し、前記フィルタ支持部材は、前記衝突板と前記フィルタ支持部材との嵌め合いの部分において孔の中心に向かって形成された肉盛部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、衝突板とフィルタ支持部材とが互いに嵌まり合うことによりフィルタを挟設するため、本発明に係るブローバイガス処理装置は、衝突板とフィルタ支持部材との間においてフィルタをより確実に保持することができる。また、フィルタ支持部材は、衝突板とフィルタ支持部材との嵌め合いの部分において孔の中心に向かって形成された肉盛部を有するため、フィルタ支持部材が載置される流速上昇操作部の部分の面積が比較的狭い場合であっても、フィルタ支持部材は、流速上昇操作部により確実に載置される。そのため、フィルタ支持部材が流速上昇操作部に対して自重や振動などにより移動することを抑えることができる。これにより、本発明に係るブローバイガス処理装置は、流速上昇操作部により流速の上がったブローバイガスが流れる位置にフィルタをより確実に保持することができる。
【0013】
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記フィルタ支持部材は、前記衝突板に対向する表面から前記衝突板に向かって突出した突起部を有し、前記フィルタは、前記フィルタの一部が前記突起部と前記衝突板とにより圧縮されることで前記衝突板と前記フィルタ支持部材との間に固定されたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、フィルタは、フィルタの一部がフィルタ支持部材に設けられた突起部と、衝突板と、により圧縮されることで衝突板とフィルタ支持部材との間に固定される。そのため、本発明に係るブローバイガス処理装置は、衝突板とフィルタ支持部材との間においてフィルタをより確実に固定し保持することができる。
【0015】
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記衝突板および前記フィルタ支持部材のそれぞれは、樹脂材料により形成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、衝突板およびフィルタ支持部材が樹脂材料により形成されているため、衝突板およびフィルタ支持部材が金属材料により形成された場合と比較して熱が伝わりにくいので、衝突板およびフィルタ支持部材に接触したオイルに含まれる水分が低温時において凍結することを抑えることができる。これにより、本発明に係るブローバイガス処理装置は、ブローバイガスが通過する孔などが低温時において塞がることを抑え、低温時であってもブローバイガスをオイルとガスとに分離する動作をより確実に実行することができる。
【0017】
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記衝突板は、前記フィルタ支持部材に対向する表面とは反対側の表面から前記フィルタ支持部材とは反対側に向かって突出した誤組み立て抑制部を有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、衝突板に設けられた誤組み立て抑制部は、フィルタ支持部材に対向する表面とは反対側の表面からフィルタ支持部材とは反対側に向かって突出している。そのため、仮に、衝突板が所定の向きとは異なった向きに組み立てられようとした場合、誤組み立て抑制部は、他の部材と接触等することにより誤組み立てを防止することができる。
【0019】
本発明に係るブローバイガス処理装置は、好ましくは、前記流速上昇操作部に締結され、前記衝突板を前記流速上昇操作部に固定する締結部材と、前記衝突板に固定されるとともに前記締結部材の頭部と前記流速上昇操作部との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、締結部材が流速上昇操作部に締結されることにより、衝突板は、流速上昇操作部に固定される。ここで、変形抑制部材が、衝突板に固定されており、締結部材の頭部と流速上昇操作部との間に配置される。また、変形抑制部材は、フィルタが締結部材の締結により変形することを抑制する。これにより、衝突板が締結部材を用いて流速上昇操作部に固定される場合において、本発明に係るブローバイガス処理装置は、フィルタの変形を抑制することができる。例えば、締結部材のトルクに応じてフィルタの変形量が異なったり、フィルタの形状が不安定になったりすることを抑制することができる。これにより、衝突板が締結部材を用いて流速上昇操作部に固定される場合において、本発明に係るブローバイガス処理装置は、安定したオイルの分離性能を実現することができる。
【0021】
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記フィルタは、前記フィルタの縁部が前記フィルタ支持部材に埋設されることにより前記フィルタ支持部材に支持されたことを特徴とする。
【0022】
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、フィルタは、フィルタの縁部がフィルタ支持部材に埋設されることによりフィルタ支持部材に支持されている。そのため、本発明に係るブローバイガス処理装置は、フィルタ支持部材によりフィルタをより確実に保持し、フィルタの少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域に向かって変形することを抑えることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、フィルタの少なくとも一部が空間に向かって変形することを抑えつつフィルタを保持することができるブローバイガス処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係るブローバイガス処理装置を備えるエンジンを示す断面図である。
図2】本実施形態に係るブローバイガス処理装置の構造例を示す断面図である。
図3】本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す斜視図である。
図4】本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す分解図である。
図5】本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す平面図である。
図6】本実施形態の分離部の第1変形例を表す平面図である。
図7】本実施形態の分離部の第2変形例を表す斜視図である。
図8】本実施形態の分離部の第2変形例を表す分解図である。
図9】本実施形態の分離部の第2変形例を表す平面図である。
図10図9に表した切断面A1-A1における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係るブローバイガス処理装置を備えるエンジンを示す断面図である。
図1に示すエンジン1は、内燃機関であって、例えば産業用ディーゼルエンジンである。エンジン1は、例えばターボチャージャ付きの過給式の高出力な3気筒エンジンや4気筒エンジン等の多気筒エンジンである。エンジン1は、例えば建設機械、農業機械、芝刈り機のような車両等に搭載される。なお、ターボチャージャは、必ずしも設けられていなくともよい。また、気筒の数は、3つおよび4つに限定されるわけではなく、2つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0027】
エンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、ヘッドカバー4と、オイルパン7と、ブローバイガス処理装置100と、を備える。シリンダヘッド3は、シリンダブロック2の上に組付けられている。ヘッドカバー4は、シリンダヘッド3の上に組付けられている。シリンダブロック2は、上部のシリンダ5と、下部のクランクケース6と、を有する。オイルパン7は、クランクケース6の下部に配置されている。ピストン8は、シリンダ5内に配置されている。クランク軸9は、クランクケース6内に配置されている。ピストン8は、コンロッド10を介してクランク軸9に連結されている。
【0028】
図1に示すように、シリンダ5は、動弁カム室11を有する。動弁カム室11には、動弁カム軸12が収容されている。タペット13がタペットガイド孔14に沿って上下動可能になっている。タペット13の下部は、動弁カム軸12に載っている。プッシュロッド15は、挿通孔16に通っている。ロッカーアーム17は、ヘッドカバー4内に配置されている。プッシュロッド15の上端部は、ロッカーアーム17に当接している。
【0029】
ロッカーアーム17は、スプリング18によりプッシュロッド15を押し下げる方向に付勢されている。吸気弁19および排気弁20は、動弁カム軸12が回転することで、プッシュロッド15とロッカーアーム17とを介して伝えられた動力により上下動し、吸気口と排気口とをそれぞれ開閉する。
【0030】
図1に示すように、例えばオイル流出孔21が、タペット13に設けられている。オイル落下孔22が、動弁カム室11からクランクケース6まで設けられている。これにより、挿通孔16と、タペット13の内部と、オイル流出孔21と、動弁カム室11と、オイル落下孔22と、は、オイル戻し経路99を構成している。オイル戻し経路99は、ヘッドカバー4内のオイルを、クランクケース6内を通ってオイルパン7に戻すことができる。シリンダヘッド3の各気筒は、吸気通路30と、排気通路31と、に接続されている。
【0031】
図1に示すように、エンジン1の圧縮行程および燃焼行程の少なくともいずれかにおいて、ブローバイガスBGが発生することがある。ブローバイガスBGは、図1に示すピストン8とシリンダ5との隙間を通ってクランクケース6内に流入するガスであり、未燃焼の燃料成分や燃焼済みのガス成分やオイル等のミストを含んでいる。シリンダ5とピストン8との隙間からクランクケース6に漏れ出したブローバイガスBGは、例えば上述したオイル戻し経路99を通じて、ヘッドカバー4内へ上昇する。すなわち、ブローバイガスBGは、シリンダ5とピストン8との隙間からクランクケース6に漏れ出すと、例えばブローバイガス通過経路としてのオイル戻し経路99のオイル落下孔22と、動弁カム室11と、タペット13のオイル流出孔21と、挿通孔16と、を通じて、ヘッドカバー4内に侵入する。なお、上述したオイル戻し経路99は、ブローバイガス通過経路の一例である。ブローバイガス通過経路は、上述したオイル戻し経路99だけに限定されるわけではない。
【0032】
図1に示すように、ブローバイガス処理装置100が、ヘッドカバー4内に設けられている。ブローバイガス処理装置100は、ブローバイガスBGを、オイルOL(図2参照)と、オイルOLのミストを分離したガス(処理後のガス)G(図2参照)と、に分離する役割を有する。例えばブローバイガスBGに含まれるガスGは、ブローバイガス処理装置100を介して、ヘッドカバー4の外部の吸気系に接続された配管41に送られる。ブローバイガスBGに含まれるガスGは、ブローバイガスBGからオイルOLとオイルOLのミストとを除いた例えば未燃焼ガス成分や燃焼ガス成分である。なお、オイル(潤滑剤成分)OLは、例えばヘッドカバー4とシリンダヘッド3内とオイル戻し経路99とを通じて、オイルパン7に回収される。
【0033】
図1に示す吸気配管50の接続管50Tと配管41とは、ブローバイガス混合継手70により互いに接続されている。新規な吸気ARは、吸気配管50に吸入されると、エアクリーナ52と接続管50Tとを通過して、ブローバイガス混合継手70の主配管71に入る。一方、ブローバイガス処理装置100によりオイルOLがブローバイガスBGから分離された後のガスGは、ブローバイガス処理装置100の出口部40から配管41を通じてブローバイガス混合継手70の副配管72に入る。これにより、新規な吸気ARとガスGとが、ブローバイガス混合継手70において混合されて、吸入空気Bとなる。
【0034】
一方、排気通路31からの排気は、ターボチャージャ60のタービン62に供給されることで、タービン62とブロア61とを高速回転させる。混合された吸入空気Bは、ターボチャージャ60のブロア61へ供給されて圧縮される。圧縮された吸入空気Cは、吸気系の吸気通路30へ過給される。
【0035】
次に、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の構造例を、図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の構造例を示す断面図である。
なお、図2は、図1および図2に表したX-Z平面における断面図である。
【0036】
ここで、図1および図2に示すX方向は、図1に示すエンジン1の前後方向、すなわちクランク軸9の軸方向である。Y方向は、エンジン1の左右方向である。Z方向は、エンジン1の上下方向である。X、Y、Z方向は、互いに直交している。
【0037】
図1および図2に示すように、ブローバイガス処理装置100は、ブリーザ装置あるいはブレザともいい、ヘッドカバー4内に配置されている。図2に示すように、ブローバイガス処理装置100は、ブローバイガスBGを、オイルOLと、ガスGと、に分離して、オイルOLおよびガスGを別々の経路で案内できる。
【0038】
図2に示すブローバイガス処理装置100は、主要構造部101と、出口部40と、を有する。主要構造部101は、ヘッドカバー4内に設けられている。出口部40は、ヘッドカバー4の上方に突出して設けられている。図2に示すように、出口部40は、主要構造部101のX方向である前後方向に関して、例えば略中央の位置CPに配置されている。出口部40は、エンジン1の例えば略中央の位置CPにおいて、主要構造部101から導かれたガスGの圧力を調整し、ガスGだけをエンジン1の吸気系の配管41へ送る。出口部40には、例えば調圧弁(ダイヤフラム)が設けられている。出口部40に設けられた調圧弁は、新規な吸気ARが図1に示すブローバイガス混合継手70および吸気系の配管41を介してエンジン1内に流入することを抑える。
【0039】
まず、ブローバイガス処理装置100の主要構造部101の構造例を、図1および図2を参照して説明する。
図1および図2に示すように、主要構造部101は、ヘッドカバー4内に収容されている。具体的には、ヘッドカバー4は、上面部4Aと、前面部4Bと、後面部4Cと、左右面部4Dと、を有している。主要構造部101は、上面部4Aと、前面部4Bと、後面部4Cと、左右面部4Dと、で囲まれた空間に配置されている。図2に示すように、主要構造部101は、ブローバイガスBGを取り入れて案内し、ブローバイガスBGから、ブローバイガスBGに含まれるオイルOLと、ガスGと、を分離する。そして、主要構造部101は、ブローバイガスBGから分離されたオイルOLおよびガスGがエンジン1の外部に漏れないように、オイルOLおよびガスGを別々の経路で案内する。そのために、ヘッドカバー4は、ヘッドカバー4の内部がヘッドカバー4の外部に対して気密性を保った状態でシリンダヘッド3に保持されている。これにより、ブローバイガスBGと、ブローバイガスBGから分離されたオイルOLおよびガスGと、がエンジン1の外部に漏れることが抑えられている。
【0040】
図2に示すように、主要構造部101は、概略的には、第1ブローバイガス取り入れ部111と、第2ブローバイガス取り入れ部112と、分離部330と、第1オイル案内溝部151と、第2オイル案内溝部152と、第1オイルドレン161と、第2オイルドレン162と、を有する。
【0041】
図2に示すように、主要構造部101は、上述した構成要素を構成するために、仕切り壁部200と、案内壁部203と、案内板295と、を有する。仕切り壁部200は、ヘッドカバー4内においてX-Y平面に、すなわち水平に配置されており、ヘッドカバー4の下部領域4Pと、上部領域4Q、4Rと、を仕切っている。従って、下部領域4Pと、上部領域4Q、4Rと、は、互いに独立した空間になっている。
【0042】
図2に示すように、案内壁部203は、処理後のガスG、すなわちブローバイガスBGからオイルOLのミストを分離した後のガスGだけを出口部40へ確実に案内する。案内壁部203は、仕切り壁部200と、ヘッドカバー4の上面部4Aと、の間に配置されており、上部領域4Qと、上部領域4Rと、を仕切っている。従って、上部領域4Qと、上部領域4Rと、は、互いに独立した空間である。
【0043】
次に、第1ブローバイガス取り入れ部111と第2ブローバイガス取り入れ部112について、図2を参照して説明する。
第1ブローバイガス取り入れ部111と第2ブローバイガス取り入れ部112とは、仕切り壁部200と案内板295とにより形成された孔であり、ブローバイガスBGを取り入れる。仕切り壁部200は、分離部330を中心にして、第1案内下面部231側と第2案内下面部232側とに分かれている。第1ブローバイガス取り入れ部111は、前面部4B寄りの位置(すなわちエンジン1の前側)に設けられて前側からブローバイガスBGを取り入れる。また、第2ブローバイガス取り入れ部112は、後面部4C寄りの位置(すなわちエンジン1の後側)に設けられて後側からブローバイガスBGを取り入れる。図2に示す案内板295は、第1案内下面部231と第2案内下面部232とに対面するようにして仕切り壁部200から離れた部分を有し、X-Y平面に沿って配置されている。
【0044】
図1に示すように、クランクケース6内を上昇してきたブローバイガスBGは、図2に示すヘッドカバー4の下部領域4Pに達すると、第1ブローバイガス取り入れ部111を通って仕切り壁部200の第1案内下面部231と案内板295との間に取り入れられ、分離部330に向かって案内される。あるいは、ブローバイガスBGは、第2ブローバイガス取り入れ部112を通って第2案内下面部232と案内板295との間に取り入れられ、分離部330に向かって案内される。そして、ブローバイガスBGは、図2に表した矢印のように、前後方向であるX方向に関して中央位置RPにある分離部330のインパクタ120に達する。
【0045】
次に、分離部330の構造例を、図2図5を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す斜視図である。
図4は、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す分解図である。
図5は、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す平面図である。
なお、図5は、本実施形態の分離部を下方から眺めたときの平面図である。
【0046】
図2図5に示す分離部330は、インパクタ式セパレータとも言い、インパクタ120と、フィルタ支持部材180と、フィルタ130と、衝突板170と、を有し、エンジン1の前後方向において第1ブローバイガス取り入れ部111と第2ブローバイガス取り入れ部112との間に設けられている。より具体的には、分離部330は、エンジン1の前後方向において第1オイルドレン161と第2オイルドレン162との間の中央部すなわち中央位置RPに設けられている。
【0047】
インパクタ120は、ノズルあるいはオリフィスの機能を有している。図4に表したように、インパクタ120は、絞り孔121を有する。インパクタ120の絞り孔121の軸121Cの方向は、Z方向である鉛直方向あるいは上下方向に沿っている。インパクタ120の絞り孔121は、いわゆる縦型の絞り孔であり、ブローバイガスBGの流速を上方向に沿って上昇させながらフィルタ130へ供給する。インパクタ120は、ブローバイガスBGを絞り孔121に沿って上方に向けて通すことで、ブローバイガスBGの流速を上昇させることができる流速上昇操作部である。つまり、本実施形態のインパクタ120は、本発明の「流速上昇操作部」の一例である。
【0048】
インパクタ120は、仕切り壁部200のX方向に関して中央位置RPに配置されている。これにより、第1ブローバイガス取り入れ部111により取り入れられるブローバイガスBGと、第2ブローバイガス取り入れ部112により取り入れられるブローバイガスBGと、は、均等にインパクタ120へと案内される。インパクタ120は、絞り孔121に流入するブローバイガスBGの流速を高めた上で、ブローバイガスBGをフィルタ130へ導く。なお、絞り孔121の軸121Cの方向は、鉛直方向あるいは上下方向に限定されるわけではなく、Z方向に対して傾斜していてもよい。
【0049】
図3および図4に表したように、インパクタ120の上面122には、インパクタ120の上面122から外側に向かって突出した凸部状の設定部400が設けられている。図3および図4に表したインパクタ120では、2つの設定部400が設けられている。なお、設定部400の数は、特に限定されるわけではない。設定部400は、フィルタ支持部材180、フィルタ130および衝突板170を第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に向かって下方に傾斜させるための部分であり、具体的には、フィルタ支持部材180、フィルタ130および衝突板170を所定の傾斜角度で傾斜させた状態で、着脱可能に固定するための部分である。但し、設定部400は、必ずしも、フィルタ支持部材180、フィルタ130および衝突板170を第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に向かって下方に傾斜させなくともよい。設定部400は、インパクタ120の上面122において円形状に盛り上がるように形成されている。設定部400の位置は、例えば嵌め合いにより衝突板170に固定された変形抑制部材140の孔141の位置に対応している。設定部400は、ブローバイガスBGから分離されたオイルOLを、オイル案内部としての第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152へ導く方向に傾斜して設けられている。
【0050】
本実施形態のフィルタ支持部材180は、樹脂材料により形成されており、インパクタ120に設けられた設定部400の上面403に載置されている。なお、フィルタ支持部材180は、樹脂材料以外の材料により形成されていてもよい。また、フィルタ支持部材180は、フィルタ130を支持している。具体的には、フィルタ支持部材180と衝突板170とは、互いに嵌まり合うことによりフィルタ130を挟設し支持している。つまり、フィルタ130は、フィルタ支持部材180と、衝突板170と、の間に挟設されている。図4に表したように、フィルタ支持部材180は、衝突板170に対向する表面182から衝突板170に向かって突出した突起部181を有する。図4に表したフィルタ支持部材180は、4つの突起部181を有する。なお、突起部181の数は、特に限定されるわけではない。フィルタ130は、フィルタ130の一部が突起部181と衝突板170とにより圧縮されることで衝突板170とフィルタ支持部材180との間に固定されている。
【0051】
図4および図5に表したように、フィルタ支持部材180は、中央部に設けられたガス通過孔183を有する。インパクタ120の絞り孔121を通過し、流速が上方向に沿って上昇したブローバイガスBGは、フィルタ支持部材180のガス通過孔183を通過してフィルタ130に供給される。また、フィルタ支持部材180は、ガス通過孔183の両側に設けられた貫通孔184を有する。貫通孔184の位置は、設定部400の位置に対応している。
【0052】
図5に表したように、フィルタ支持部材180は、貫通孔184の中心に向かって形成された肉盛部185を有する。肉盛部185は、貫通孔184の全周ではなく、貫通孔184の内周の一部に設けられている。図5に表した例では、肉盛部185は、1つの貫通孔184の内周において、互いに対向する位置の2箇所に設けられている。具体的には、一方の肉盛部185は、ガス通過孔183に隣接する位置に設けられている。他方の肉盛部185は、一方の肉盛部185に対向する位置、すなわち一方の肉盛部185からみてガス通過孔183とは反対側の位置に設けられている。
【0053】
前述したように、フィルタ130は、フィルタ支持部材180と、衝突板170と、の間に挟設され、フィルタ支持部材180に支持されている。フィルタ130は、ブローバイガスBGからオイルOLを分離する性能(すなわちオイルOLの分離性能)を向上させるための部材である。フィルタ130としては、例えば不織布フィルタなどが挙げられる。より具体的には、フィルタ130としては、例えばアラミド繊維で形成されたフェルトなどが挙げられる。但し、フィルタ130の形態や材料は、これだけに限定されるわけではない。例えば、フィルタ130は、例えばグラスウールやスチールウール等の材質により形成されていてもよい。
【0054】
フィルタ130の下方には、フィルタ支持部材180を介してインパクタ120が配置されている。具体的には、フィルタ130の下方には、フィルタ支持部材180のガス通過孔183を通してインパクタ120の絞り孔121が配置されている。これにより、インパクタ120の絞り孔121を通過したブローバイガスBGは、フィルタ支持部材180のガス通過孔183を通過してフィルタ130に導かれる。
【0055】
本実施形態の衝突板170は、図4に表したように、樹脂材料により形成されており、フィルタ130の上面に配置されている。なお、衝突板170は、樹脂材料以外の材料により形成されていてもよい。衝突板170は、フィルタ支持部材180の表面182に対向する表面からフィルタ支持部材180に向かって突出した保持部171を有する。保持部171は、例えば嵌め合いにより変形抑制部材140を保持し固定している。言い換えれば、変形抑制部材140は、衝突板170の保持部171に嵌まることにより衝突板170の保持部171に固定されている。なお、衝突板170に対する変形抑制部材140の固定方法は、嵌め合いに限定されるわけではない。衝突板170の保持部171は、フィルタ支持部材180に設けられた貫通孔184に嵌まることにより、フィルタ支持部材180と結合する。これにより、フィルタ支持部材180と衝突板170とは、互いに嵌まり合うことによりフィルタ130を挟設する。
【0056】
変形抑制部材140は、例えば金属により形成されており、衝突板170の保持部171に固定されている。なお、変形抑制部材140は、金属以外の材料により形成されていてもよい。変形抑制部材140は、筒状部材であり、孔141を有する。ここで、本願明細書において「筒状部材」とは、部材の長手方向に対して垂直方向の孔の断面形状が円形の部材だけに限定されるわけではなく、部材の長手方向に対して垂直方向の孔の断面形状が三角形、四角形、五角形および六角形などの多角形の部材を含むものとする。図3では、変形抑制部材140の一例として、断面形状が円形の孔141を有する円筒の部材を挙げている。
【0057】
一方で、図4に表したように、設定部400には、雌ネジ部402が設けられている。雌ネジ部402の軸は、変形抑制部材140の孔141の軸と略同一直線上に存在する。取付用のネジ139の軸部(雄ネジ部)139bは、変形抑制部材140の孔141を通り、設定部400の雌ネジ部402に締結される。本実施形態のネジ139は、本発明の「締結部材」の一例である。これにより、ネジ139は、衝突板170をインパクタ120に固定する。そのため、ネジ139の軸部139bが雌ネジ部402に締結されることにより、フィルタ130は、フィルタ支持部材180と衝突板170との間に挟設された状態でインパクタ120に固定される。
【0058】
このとき、変形抑制部材140は、ネジ139の頭部139aと設定部400の上面403との間に配置され、フィルタ130がネジ139の締結により変形することを抑制する。すなわち、ネジ139の軸部139bが雌ネジ部402に締結された状態において、変形抑制部材140の上端部は、ネジ139の頭部139aと接触している。また、ネジ139の軸部139bが雌ネジ部402に締結された状態において、変形抑制部材140の下端部は、設定部400の上面403に接触している。そのため、変形抑制部材140は、ネジ139の締結によりネジ139の頭部139aから伝わる力を上端部で受け、ネジ139の締結により設定部400の上面403から伝わる力を下端部で受ける。このようにして、変形抑制部材140は、フィルタ130がネジ139の締結により変形することを抑制する。
【0059】
図3および図4に表したように、衝突板170は、誤組み立て抑制部173を有する。誤組み立て抑制部173は、フィルタ支持部材180の表面182に対向する表面とは反対側の表面172からフィルタ支持部材180とは反対側に向かって突出している。衝突板170の表面172から誤組み立て抑制部173の先端までの距離は、インパクタ120の上面122から設定部400の上面403までの距離よりも長い。そのため、仮に、衝突板170が誤って上下反転した状態でインパクタ120に固定されようとした場合には、誤組み立て抑制部173がインパクタ120の上面122に接触する。これにより、誤組み立て抑制部173は、衝突板170の誤組み立てを防止することができる。
【0060】
図3に示すように、2つの設定部400,400の間にはオイル案内隙間領域401が形成されている。オイル案内隙間領域401は、インパクタ120の上面122とフィルタ130の下面との間に形成された空間である。つまり、設定部400は、インパクタ120の上面122とフィルタ130の下面との間の空間としてオイル案内隙間領域401を形成する。図4に表したように、絞り孔121は、オイル案内隙間領域401におけるインパクタ120の部分を貫通するように設けられている。インパクタ120の絞り孔121は、ブローバイガスBGの流速を上方向に沿って上昇させながらフィルタ130へ供給する。
【0061】
次に、本実施形態の分離部330の作用について説明する。
ブローバイガスBGがインパクタ120の絞り孔121に流入して上方向に向けて上昇すると、ブローバイガスBGの流速が上がる。流速の上がったブローバイガスBGは、フィルタ支持部材180のガス通過孔183を通過し、フィルタ130をさらに通過する。これにより、ブローバイガスBGに含まれる異物が除去される。フィルタ130を通過したブローバイガスBGは、衝突板170の下面(表面172とは反対側の面)に衝突する。これにより、ブローバイガスBGは、オイルOLと、ガスGと、に分離される。つまり、衝突板170は、フィルタ130を通ったブローバイガスBGを衝突させてオイルOLとガスGとに分離する。
【0062】
分離部330によりブローバイガスBGから分離されたガスGは、フィルタ130から放出される。図2に関して前述したように、案内壁部203は、仕切り壁部200と、ヘッドカバー4の上面部4Aと、の間に設けられている。そのため、フィルタ130から放出されたオイルOLのミストを含まないガスGは、案内壁部203により案内され上部領域4Qの通路135を通って、出口部40へ導かれる。
【0063】
一方で、分離部330によりブローバイガスBGから分離されたオイルOLは、フィルタ130を通って落ちていき、オイル案内隙間領域401におけるインパクタ120の上面122に落下する。インパクタ120の上面122に落下したオイルOLは、オイル案内隙間領域401におけるインパクタ120の上面122に沿って流れ、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に向かって流れていく。
【0064】
分離部330は、図2に示すX方向の中央位置RPに位置しており、ブローバイガスBGを、エンジン1の前側および後側からX方向の中央部に向かって集合させることができる集合部としての役割を果たす。このように、分離部330は、ヘッドカバー4のX方向に関して中央位置RPにあるので、ヘッドカバー4内において、X方向に関して前側および後側からブローバイガスBGを中央部に集めて、オイルOLと、オイルOLのミストを含まないガスGと、に分離することができる。
【0065】
ここで、前述したように、インパクタ120の上面122と、フィルタ130の下面と、の間には、空間としてのオイル案内隙間領域401が形成されている(図3参照)。そのため、フィルタ130が直接的に設定部400の上面403に載置された場合、フィルタ130の形状や材料などによっては、フィルタ130が設定部400の上面403に載置された状態でフィルタ130の少なくとも一部がオイル案内隙間領域401に向かって変形することがある。あるいは、フィルタ130が設定部400に対して自重や振動などにより移動することがある。そうすると、オイルOLの分離性能が不安定になることがある。
【0066】
これに対して、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100によれば、図3および図4に表したように、フィルタ支持部材180は、インパクタ120の設定部400の上面403に載置されており、インパクタ120により流速の上がったブローバイガスBGを通すフィルタ130を支持する。また、フィルタ支持部材180は、オイル案内隙間領域401に向かってフィルタ130の少なくとも一部が変形することを抑える。これにより、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、フィルタ130の少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域401に向かって変形することを抑えつつ、インパクタ120により流速の上がったブローバイガスBGが流れる位置にフィルタ130を保持することができる。そのため、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、安定したオイルの分離性能を実現することができる。
【0067】
また、フィルタ130は、衝突板170とフィルタ支持部材180との間に挟設されている(図3参照)。そのため、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、衝突板170とフィルタ支持部材180との間においてフィルタ130をより確実に保持し、フィルタ130の少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域401に向かって変形することを抑えることができる。
【0068】
また、衝突板170とフィルタ支持部材180とは、互いに嵌まり合うことによりフィルタ130を挟設する(図4参照)。具体的には、衝突板170の保持部171がフィルタ支持部材180の貫通孔184に嵌まることにより、衝突板170とフィルタ支持部材180とは、互いに嵌まり合う。これにより、フィルタ130が、衝突板170とフィルタ支持部材180との間に挟設される。そのため、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、衝突板170とフィルタ支持部材180との間においてフィルタ130をより確実に保持することができる。
【0069】
また、フィルタ支持部材180は、衝突板170とフィルタ支持部材180との嵌め合いの部分、すなわち衝突板170の保持部171がフィルタ支持部材180の貫通孔184に嵌まる部分において貫通孔184の中心に向かって形成された肉盛部185を有する(図5参照)。そのため、設定部400の上面403の面積が比較的狭い場合であっても、フィルタ支持部材180は、設定部400の上面403により確実に載置される。そのため、フィルタ支持部材180が設定部400に対して自重や振動などにより移動することを抑えることができる。これにより、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、インパクタ120により流速の上がったブローバイガスBGが流れる位置にフィルタ130をより確実に保持することができる。また、肉盛部185がフィルタ支持部材180のガス通過孔183に隣接する位置に設けられている場合には、肉盛部185が設けられていない場合と比較して、フィルタ支持部材180におけるフィルタ130の支持面積が増加する。そのため、フィルタ130のサイズを大きくし、オイルの分離性能を向上させることができる。
【0070】
フィルタ130は、フィルタ130の一部がフィルタ支持部材180に設けられた突起部181と、衝突板170と、により圧縮されることで衝突板170とフィルタ支持部材180との間に固定される(図4参照)。そのため、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、衝突板170とフィルタ支持部材180との間においてフィルタ130をより確実に固定し保持することができる。
【0071】
また、衝突板170およびフィルタ支持部材180のそれぞれは、樹脂材料により形成されている。そのため、衝突板170およびフィルタ支持部材180が金属材料により形成された場合と比較して熱が伝わりにくいので、衝突板170およびフィルタ支持部材180に接触したオイルOLに含まれる水分が低温時において凍結することを抑えることができる。これにより、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、例えば絞り孔121などブローバイガスBGが通過する孔が低温時において塞がることを抑え、低温時であってもブローバイガスBGをオイルOLとガスGとに分離する動作をより確実に実行することができる。
【0072】
また、変形抑制部材140は、ネジ139の頭部139aと設定部400の上面403との間に配置され、フィルタ130がネジ139の締結により変形することを抑制する(図4参照)。これにより、衝突板170がネジ139を用いてインパクタ120に固定される場合において、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、フィルタ130の変形を抑制することができる。例えば、ネジ139の締結トルクに応じてフィルタ130の変形量が異なったり、フィルタ130の形状が不安定になったりすることを抑制することができる。これにより、衝突板170がネジ139を用いてインパクタ120に固定される場合において、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100は、安定したオイルOLの分離性能を実現することができる。
【0073】
次に、本実施形態の分離部の変形例を、図面を参照して説明する。
なお、本変形例の分離部の構成要素が、図3図5に関して前述した分離部330の構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0074】
図6は、本実施形態の分離部の第1変形例を表す平面図である。
なお、図6は、本変形例の分離部を下方から眺めたときの平面図である。
本変形例の分離部330Aは、インパクタ120と、フィルタ支持部材180Aと、フィルタ130と、衝突板170Aと、を有する。インパクタ120およびフィルタ130は、図1図5に関して前述した通りである。
【0075】
本変形例のフィルタ支持部材180Aは、図5に関して前述したような肉盛部185を有していない。そのため、図6に表したように、フィルタ支持部材180Aの貫通孔184Aは、円形の内周を有する。つまり、貫通孔184Aの軸に対して垂直方向の貫通孔184Aの断面形状は、円形である。
【0076】
本変形例の衝突板170Aの保持部171Aは、円筒形状を呈し、フィルタ支持部材180Aの貫通孔184Aに嵌まることによりフィルタ支持部材180Aと結合する。これにより、フィルタ支持部材180Aと衝突板170Aとは、互いに嵌まり合うことによりフィルタ130を挟設する。
【0077】
本変形例の分離部330Aは、このような点において図3図5に関して前述した分離部330とは異なる。分離部330Aのその他の構造は、図3図5に関して前述した分離部330と同様である。
【0078】
本変形例によれば、図3図5に関して前述した分離部330と同様に、フィルタ130は、衝突板170Aとフィルタ支持部材180Aとの間に挟設されている。そのため、本変形例の分離部330Aを備えるブローバイガス処理装置100は、衝突板170Aとフィルタ支持部材180Aとの間においてフィルタ130をより確実に保持し、フィルタ130の少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域401に向かって変形することを抑えることができる。
【0079】
また、貫通孔184Aの軸に対して垂直方向の貫通孔184Aの断面形状が円形であるため、フィルタ支持部材180Aの構造の簡易化を図ることができる。また、衝突板170Aの保持部171Aが円筒形状を呈するため、衝突板170Aの構造の簡易化を図ることができる。さらに、本変形例の分離部330Aにおいて、図3図5に関して前述した分離部330と同様の効果が得られる。
【0080】
図7は、本実施形態の分離部の第2変形例を表す斜視図である。
図8は、本実施形態の分離部の第2変形例を表す分解図である。
図9は、本実施形態の分離部の第2変形例を表す平面図である。
図10は、図9に表した切断面A1-A1における断面図である。
なお、図9は、本変形例の分離部を下方から眺めたときの平面図である。
【0081】
本変形例の分離部330Bは、インパクタ120と、フィルタ支持部材180Bと、フィルタ130と、衝突板170Bと、を有する。インパクタ120およびフィルタ130は、図1図5に関して前述した通りである。
【0082】
本変形例のフィルタ130は、衝突板170Bとフィルタ支持部材180Bとの間に挟設されておらず、フィルタ支持部材180Bに支持されている。すなわち、図8および図10に表したように、フィルタ130の縁部131がフィルタ支持部材180Bに埋設されることにより、フィルタ130は、フィルタ支持部材180Bに支持されている。
【0083】
図8および図9に表したように、本変形例のフィルタ支持部材180Bの貫通孔184Bは、円形の内周を有する。つまり、貫通孔184Bの軸に対して垂直方向の貫通孔184Bの断面形状は、円形である。フィルタ支持部材180Bは、貫通孔184Bからみてガス通過孔183とは反対側に設けられた孔186を有する。図10に表したように、孔186は、例えば貫通孔である。但し、孔186は、必ずしも貫通孔でなくともよい。
【0084】
本変形例の衝突板170Bは、図3図6に関して前述したような保持部171,171Aを有していない。そのため、図3図5に関して前述したような変形抑制部材140は、衝突板170Bには固定されていない。図8に表したように、衝突板170Bは、突起部174を有する。突起部174は、フィルタ支持部材180Bの表面182に対向する表面(すなわち衝突板170Bの表面172とは反対側の面)からフィルタ支持部材180Bに向かって突出している。衝突板170Bの突起部174がフィルタ支持部材180Bの孔186に嵌まることにより、衝突板170Bとフィルタ支持部材180Bとは、互いに結合する。
【0085】
また、衝突板170Bは、孔175を有する。衝突板170Bとフィルタ支持部材180Bとが互いに結合した状態において、衝突板170Bの孔175の位置は、フィルタ支持部材180Bの貫通孔184Bの位置に対応している。言い換えれば、衝突板170Bとフィルタ支持部材180Bとが互いに結合した状態において、衝突板170Bの孔175の軸は、フィルタ支持部材180Bの貫通孔184Bの軸と略同一直線上に存在する。取付用のネジ139の軸部(雄ネジ部)139bは、衝突板170Bの孔175と、フィルタ支持部材180Bの貫通孔184Bと、を通り、設定部400の雌ネジ部402に締結される(図4参照)。なお、説明の便宜上、図7図10では、ネジ139を省略している。これにより、フィルタ130は、フィルタ130の縁部131がフィルタ支持部材180Bに埋設されることによりフィルタ支持部材180Bに支持された状態でインパクタ120に固定される。
【0086】
本変形例の分離部330Bは、このような点において図3図5に関して前述した分離部330とは異なる。分離部330Bのその他の構造は、図3図5に関して前述した分離部330と同様である。
【0087】
本変形例によれば、フィルタ130は、フィルタ130の縁部131がフィルタ支持部材180Bに埋設されることによりフィルタ支持部材180Bに支持されている。そのため、本変形例の分離部330Bを備えるブローバイガス処理装置100は、フィルタ支持部材180Bによりフィルタ130をより確実に保持し、フィルタ130の少なくとも一部が空間としてのオイル案内隙間領域401に向かって変形することを抑えることができる。
【0088】
また、フィルタ130は、衝突板170Bとフィルタ支持部材180Bとの間に挟設されているわけではなく、図8および図10に表したようにフィルタ130の縁部131がフィルタ支持部材180Bに埋設された状態でフィルタ支持部材180Bに支持されている。そのため、衝突板170Bがフィルタ支持部材180Bと結合し、ネジ139の軸部139bが雌ネジ部402に締結された状態において、衝突板170Bは、フィルタ130とは接触しない。そのため、本変形例の分離部330Bは、フィルタ130がネジ139の締結により変形することを抑制することができる。つまり、図3図5に関して前述したような変形抑制部材140が衝突板170Bに固定されていなくとも、ネジ139の締結により生ずるフィルタ130の変形が抑えられる。これにより、分離部330Bの部品点数を低減することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0090】
1:エンジン、 2:シリンダブロック、 3:シリンダヘッド、 4:ヘッドカバー、 4A:上面部、 4B:前面部、 4C:後面部、 4D:左右面部、 4P:下部領域、 4Q:上部領域、 4R:上部領域、 5:シリンダ、 6:クランクケース、 7:オイルパン、 8:ピストン、 9:クランク軸、 10:コンロッド、 11:動弁カム室、 12:動弁カム軸、 13:タペット、 14:タペットガイド孔、 15:プッシュロッド、 16:挿通孔、 17:ロッカーアーム、 18:スプリング、 19:吸気弁、 20:排気弁、 21:オイル流出孔、 22:オイル落下孔、 30:吸気通路、 31:排気通路、 40:出口部、 41:配管、 50:吸気配管、 50T:接続管、 52:エアクリーナ、 60:ターボチャージャ、 61:ブロア、 62:タービン、 70:ブローバイガス混合継手、 71:主配管、 72:副配管、 99:オイル戻し経路、 100:ブローバイガス処理装置、 101:主要構造部、 111:第1ブローバイガス取り入れ部、 112:第2ブローバイガス取り入れ部、 120:インパクタ、 121:絞り孔、 121C:軸、 122:上面、 130:フィルタ、 131:縁部、 135:通路、 139:ネジ、 139a:頭部、 139b:軸部、 140:変形抑制部材、 141:孔、 151:第1オイル案内溝部、 152:第2オイル案内溝部、 161:第1オイルドレン、 162:第2オイルドレン、 170:衝突板、 170A:衝突板、 170B:衝突板、 171:保持部、 171A:保持部、 172:表面、 173:誤組み立て抑制部、 174:突起部、 175:孔、 180:フィルタ支持部材、 180A:フィルタ支持部材、 180B:フィルタ支持部材、 181:突起部、 182:表面、 183:ガス通過孔、 184:貫通孔、 184A:貫通孔、 184B:貫通孔、 185:肉盛部、 186:孔、 200:仕切り壁部、 203:案内壁部、 231:第1案内下面部、 232:第2案内下面部、 295:案内板、 330:分離部、 330A:分離部、 330B:分離部、 400:設定部、 401:オイル案内隙間領域、 402:雌ネジ部、 403:上面、 AR:吸気、 B:吸入空気、 BG:ブローバイガス、 C:吸入空気、 G:ガス、 OL:オイル、 RP:中央位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10