(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置、端末装置、システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20241113BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2024500665
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 JP2023025735
(87)【国際公開番号】W WO2024014479
(87)【国際公開日】2024-01-18
【審査請求日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】P 2022111924
(32)【優先日】2022-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)2022年5月19日にデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社及び野村證券株式会社が運営する上記ウェブサイト「Morning Pitch」にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522279852
【氏名又は名称】Cor-an Holdings株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】稲端 麻美子
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-266988(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161343(WO,A1)
【文献】特開2022-056168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置であって、
第1処理部と、
前記第1処理部が実行する命令を記憶する第1記憶部とを有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を受信することと、
一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含み、
前記第1見込み額を取得することは、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益として算出することと、
前記想定吸収量に対する前記第1推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように前記第1見込み額を算出することとを含む、
情報処理装置。
【請求項2】
前記圃場情報は、栽培する作物の種類に関する作物種類情報と、作付け間隔に関する作付け間隔情報と、収穫の頻度に関する収穫頻度情報との少なくとも1つを含み、
前記吸収量の前記第1推定値を取得することは、
前記圃場情報に含まれる前記地理的範囲情報に基づいて、前記圃場のある地域の気温と、降雨量と、日照時間との少なくとも1つに関連した栽培環境情報を取得することと、
前記圃場情報に含まれる前記地理的範囲情報が示す前記圃場の面積と、前記栽培環境情報と、前記圃場情報に含まれる前記作物種類情報、前記作付け間隔情報及び前記収穫頻度情報の少なくとも1つとに基づいて、前記吸収量の前記第1推定値を取得することとを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1記憶部は、前記圃場の面積と、前記栽培環境情報と、前記作物種類情報、前記作付け間隔情報及び前記収穫頻度情報の少なくとも1つとから前記圃場の前記吸収量を推定するように生成された学習済みモデルを記憶しており、
前記吸収量の前記第1推定値を取得することは、前記圃場情報に含まれる前記地理的範囲情報が示す前記圃場の面積と、前記栽培環境情報と、前記圃場情報に含まれる前記作物種類情報、前記作付け間隔情報及び前記収穫頻度情報の少なくとも1つとを前記学習済みモデルに適用することにより、前記吸収量の前記第1推定値を取得することを含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
それぞれ一の前記圃場が前記プロジェクトへ参加することを申請する複数の応募情報を複数の前記関係者装置から受信することと、
受信した複数の前記応募情報に関わる複数の前記圃場の前記圃場情報に基づいて、当該複数の圃場の総面積と、当該複数の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの総吸収量の推定値との少なくとも一方を取得することと、
前記総面積と前記総吸収量の推定値との少なくとも一方に基づいて、前記プロジェクトの発動条件が満たされたか判定することと、
前記総面積と、前記総吸収量の推定値と、前記発動条件の判定結果との少なくとも1つを、前記関係者装置、及び、前記プロジェクトの運営者によって操作される端末装置である運営者装置の少なくとも一方において表示させることとを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記プロジェクトへ参加するために前記圃場の前記関係者が同意すべき同意事項が含まれた応募用の画面であって、所定の測定手段により前記圃場を測定することへの同意が前記同意事項として含まれた前記応募用の画面を前記関係者装置において表示させること
を含み、
前記応募情報を前記関係者装置から受信することは、前記応募用の画面を表示させた前記関係者装置から前記応募情報を受信することを含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記所定の測定手段による各前記圃場の測定結果に基づいて所定の認証機関に前記カーボン・クレジットの認証の申請を行う前に、前記圃場の前記関係者と前記プロジェクトの運営者との間で取り交わすべき契約事項が含まれた契約用の画面であって、前記カーボン・クレジットの所有権に関する事項と、前記カーボン・クレジットの売却によって得られる収益の分配に関する事項とが前記契約事項として含まれた前記契約用の画面を前記関係者装置において表示させることと、
前記契約用の画面を表示させた前記関係者装置から、前記契約事項に同意したことを示す契約情報を受信することとを含む、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記所定の測定手段による測定結果に基づいて推定された各前記圃場における温室効果ガスの吸収量の第2推定値に基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に各前記圃場へ配分される収益の第2見込み額を取得することと、
一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第2推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第2見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含み、
前記第2見込み額を取得することは、
各前記圃場における温室効果ガスの吸収量の前記第2推定値を足し合わせることにより、前記プロジェクトの全ての前記圃場における温室効果ガスの総吸収量の推定値を算出することと、
前記総吸収量の推定値から、前記カーボン・クレジットの売却額の推定値である第2予想売却額を算出することと、
前記第2予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第2予想収益として算出することと、
前記総吸収量の推定値に対する前記第2推定値の割合と前記第2予想収益に対する前記第2見込み額の割合とが等しくなるように前記第2見込み額を算出することとを含む、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
所定の認証機関により認証された前記カーボン・クレジットに含まれる各前記圃場の温室効果ガスの個別吸収量に関する情報を取得することと、
取得した一の前記圃場の前記個別吸収量に関する情報を当該一の圃場の前記関係者装置において表示させることとを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
認証された前記カーボン・クレジットの取引の状況に関する取引情報を取得することと、
取得した前記取引情報を前記関係者装置において表示させることとを含む、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
認証された前記カーボン・クレジットの売却額に関する売却額情報を取得することと、
取得した各前記圃場の前記個別吸収量に関する情報と、取得した前記売却額情報とに基づいて、各前記圃場に配分される前記収益を算出することと、
算出した各前記圃場の収益を、各前記圃場の前記関係者装置において表示させることとを含む、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1記憶部は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、
それぞれ一の前記プロジェクトに関する情報を含んだ複数のプロジェクト管理情報と、
それぞれ一の前記圃場に関する情報を含んだ複数の圃場管理情報と
を記憶し、
一の前記プロジェクトに関する前記プロジェクト管理情報は、前記プロジェクトの状況に関する状況情報を含み、
一の前記圃場に関する前記圃場管理情報は、
当該一の圃場について前記関係者装置から受信した前記圃場情報と、
当該一の圃場が一の前記プロジェクトに参加した場合において、当該一のプロジェクトを示す参加プロジェクト情報とを含み、
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記プロジェクトの運営者によって操作される端末装置である運営者装置から、一の前記プロジェクトについて前記圃場の募集を開始する指示を受信すると、当該一のプロジェクトが募集中の状況にあることを示す前記状況情報を当該一のプロジェクトの前記プロジェクト管理情報に登録することと、
一の前記プロジェクトについて前記カーボン・クレジットの認証を受けるための作業を開始する指示を前記運営者装置から受信すると、当該一のプロジェクトが発動中の状況にあることを示す前記状況情報を当該一のプロジェクトの前記プロジェクト管理情報に登録することと、
それぞれ一の前記圃場が前記プロジェクトへ参加することを申請する複数の応募情報を複数の前記関係者装置から受信することと、
一の前記圃場に関する前記圃場情報を前記関係者装置から受信した場合に、受信した前記圃場情報を含む前記圃場管理情報を前記記憶装置に格納することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、当該一の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含まないならば、当該一のプロジェクトを示す前記参加プロジェクト情報を当該圃場管理情報に登録することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、当該一の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含んでおり、かつ、当該参加プロジェクト情報に対応する前記プロジェクトの前記プロジェクト管理情報に含まれた前記状況情報が前記募集中の状況又は前記発動中の状況を示すならば、当該一の圃場による応募を不受理とする通知を当該関係者装置へ送信することとを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場に関する前記圃場情報を前記関係者装置から受信した場合に、受信した前記圃場情報の前記地理的範囲情報と地理的範囲が重複している前記地理的範囲情報が含まれた他の前記圃場の前記圃場管理情報を前記記憶装置において検索することと、
当該他の圃場に関する前記圃場管理情報が前記検索により見つかった場合、当該一の圃場と当該他の圃場とが重複関係にあることを示す重複関係情報を前記記憶装置に格納することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、前記重複関係情報により当該一の圃場と前記重複関係にあることが示された他の前記圃場が存在し、かつ、当該他の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含まないならば、当該一のプロジェクトを示す前記参加プロジェクト情報を当該圃場管理情報に登録することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、前記重複関係情報により当該一の圃場と前記重複関係にあることが示された他の前記圃場が存在し、当該他の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含んでおり、かつ、当該参加プロジェクト情報に対応する前記プロジェクトの前記プロジェクト管理情報に含まれた前記状況情報が前記募集中の状況又は前記発動中の状況を示すならば、当該一の圃場による応募を不受理とする通知を当該関係者装置へ送信することとを含む、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
カーボン・クレジットの創出を支援する端末装置であって、
第2処理部と、
前記第2処理部が実行する命令を記憶する第2記憶部とを有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記第2処理部が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を情報処理装置へ送信することと、
前記情報処理装置から、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の推定値であって、送信した前記圃場情報に基づいて取得された前記吸収量の推定値と、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額であって、前記吸収量の推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの売却額の推定値である予想売却額とに基づいて取得された前記第1見込み額との少なくとも一方を含んだ表示情報を受信し、受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することとを含み、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益と呼び、
前記第1見込み額は、前記想定吸収量に対する
前記吸収量の推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように算出された金額である、
端末装置。
【請求項14】
カーボン・クレジットの創出を支援するシステムであって、
情報処理装置と、
それぞれ圃場の関係者によって操作される端末装置である複数の関係者装置とを有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の前記圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
一の前記圃場の前記関係者によって操作される前記関係者装置が、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を前記情報処理装置へ送信し
前記情報処理装置が、一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得し、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得し、
前記情報処理装置が、一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を含んだ表示情報を生成し、生成した前記表示情報を当該一の圃場の前記関係者装置へ送信し、
一の前記圃場の前記関係者装置が、前記情報処理装置から受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示すし、
前記情報処理装置は、前記第1見込み額を取得する処理において、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益として算出し、
前記想定吸収量に対する前記第1推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように前記第1見込み額を算出する、
システム。
【請求項15】
カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置が行う方法であって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記情報処理装置が、一の前記圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を受信することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを有し、
前記第1見込み額を取得することは、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益として算出することと、
前記想定吸収量に対する前記第1推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように前記第1見込み額を算出することとを含む、
方法。
【請求項16】
カーボン・クレジットの創出を支援する端末装置が行う方法であって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記端末装置が、一の前記圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を情報処理装置へ送信することと、
前記端末装置が、前記情報処理装置から、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の推定値であって、送信した前記圃場情報に基づいて取得された前記吸収量の推定値と、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額であって、前記吸収量の推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの売却額の推定値である予想売却額とに基づいて取得された前記第1見込み額との少なくとも一方を含んだ表示情報を受信し、受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することとを含み、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益と呼び、
前記第1見込み額は、前記想定吸収量に対する
前記吸収量の推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように算出された金額である、
方法。
【請求項17】
カーボン・クレジットの創出を支援するシステムが行う方法であって、
前記システムは、
情報処理装置と、
それぞれ一の圃場の関係者によって操作される端末装置である複数の関係者装置と
を有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の前記圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
一の前記圃場の前記関係者によって操作される前記関係者装置が、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を前記情報処理装置へ送信することと
前記情報処理装置が、一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
前記情報処理装置が、一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を含んだ表示情報を生成し、生成した前記表示情報を当該一の圃場の前記関係者装置へ送信することと、
一の前記圃場の前記関係者装置が、前記情報処理装置から受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することとを有し、
前記情報処理装置が前記第1見込み額を取得することは、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益として算出することと、
前記想定吸収量に対する前記第1推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように前記第1見込み額を算出することとを含む、
方法。
【請求項18】
カーボン・クレジットの創出を支援する処理を情報処理装置に行わせる命令を含んだプログラムであって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記情報処理装置が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を受信することと、
一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含み、
前記第1見込み額を取得することは、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益として算出することと、
前記想定吸収量に対する前記第1推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように前記第1見込み額を算出することとを含む、
プログラム。
【請求項19】
カーボン・クレジットの創出を支援する処理を端末装置に行わせる命令を含んだプログラムであって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記端末装置が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を情報処理装置へ送信することと、
前記情報処理装置から、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の推定値であって、送信した前記圃場情報に基づいて取得された前記吸収量の推定値と、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額であって、前記吸収量の推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの売却額の推定値である予想売却額とに基づいて取得された前記第1見込み額との少なくとも一方を含んだ表示情報を受信し、受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することとを含み、
前記予想売却額から所定の経費を引いた金額を前記プロジェクトの第1予想収益と呼び、
前記第1見込み額は、前記想定吸収量に対する
前記吸収量の推定値の割合と前記第1予想収益に対する前記第1見込み額の割合とが等しくなるように算出された金額である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボン・クレジットの創出に関わる処理を行う情報処理装置、端末装置、システム、方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーボン・オフセットは、日常生活や経済活動において避けることができない二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を相殺する行為であり、例えば、温室効果ガスの排出量に見合った温室効果ガスの削減活動(省エネルギー活動、植林活動など)へ投資することにより、排出された温室効果ガスを埋め合わせる行為を含む。カーボン・クレジットは、温室効果ガスの排出削減や吸収を行うプロジェクトについて、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を政府や独立の認証機関が認証することにより、売買可能な排出削減量や吸収量を表すようにした金融商品である。認証されたカーボン・クレジットを購入することにより、自身が排出した温室効果ガスについてカーボン・オフセットを行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
圃場で栽培される作物による温室効果ガス(主に二酸化炭素)の吸収量について、カーボン・クレジットの認証を受けることができる。この場合、圃場の面積や作物の種類、栽培環境などについてのデータを認証機関等に提供し、吸収量の有効性について厳格な審査を受ける必要がある。すなわち、カーボン・クレジットの認証を受けるには、各種のデータの測定、プロジェクトの計画書の作成、認証機関における手続など、費用のかかる様々な手順を踏む必要がある。温室効果ガスの吸収量が小さい小規模の圃場の場合、カーボン・クレジットの認証を受けるために発生する多額のコストと比較して、カーボン・クレジットの売却額が小さいため、売却による利益が見込めない。従って、小規模の圃場についてはカーボン・クレジットの創出が難しいという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小規模の圃場でも売却時の利益を得やすいカーボン・クレジットの創出を支援できる情報処理装置、端末装置、システム、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置であって、第1処理部と、第1処理部が実行する命令を記憶する第1記憶部とを有し、カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、第1処理部が命令に従って行う処理は、一の圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ圃場情報を受信することと、一の圃場について受信した圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、一の圃場について取得した吸収量の第1推定値と、プロジェクトにおける所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、想定吸収量に相当するカーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、一の圃場の関係者装置において、当該一の圃場について取得した吸収量の第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した収益の第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含み、第1見込み額を取得することは、予想売却額から所定の経費を引いた金額をプロジェクトの第1予想収益として算出することと、想定吸収量に対する第1推定値の割合と第1予想収益に対する第1見込み額の割合とが等しくなるように第1見込み額を算出することとを含む、情報処理装置である。
【0006】
本発明の第2の態様は、カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置であって、カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、一の圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ圃場情報を受信する手段と、一の圃場について受信した圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得する手段と、一の圃場について取得した吸収量の第1推定値と、プロジェクトにおける所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、想定吸収量に相当するカーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得する手段と、一の圃場の関係者装置において、当該一の圃場について取得した吸収量の第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した収益の第1見込み額の少なくとも一方を表示させる手段とを有し、第1見込み額を取得する手段は、予想売却額から所定の経費を引いた金額をプロジェクトの第1予想収益として算出し、想定吸収量に対する第1推定値の割合と第1予想収益に対する第1見込み額の割合とが等しくなるように第1見込み額を算出する、情報処理装置である。
【0007】
本発明の第3の態様は、カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置が行う方法であって、カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、情報処理装置が、一の圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ圃場情報を受信することと、情報処理装置が、一の圃場について受信した圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、情報処理装置が、一の圃場について取得した吸収量の第1推定値と、プロジェクトにおける所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、想定吸収量に相当するカーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、情報処理装置が、一の圃場の関係者装置において、当該一の圃場について取得した吸収量の第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した収益の第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを有し、第1見込み額を取得することは、予想売却額から所定の経費を引いた金額をプロジェクトの第1予想収益として算出することと、想定吸収量に対する第1推定値の割合と第1予想収益に対する第1見込み額の割合とが等しくなるように第1見込み額を算出することとを含む、方法である。
【0008】
本発明の第4の態様は、カーボン・クレジットの創出を支援する処理を情報処理装置に行わせる命令を含んだプログラムであって、カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、情報処理装置が命令に従って行う処理は、一の圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ圃場情報を受信することと、一の圃場について受信した圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、一の圃場について取得した吸収量の第1推定値と、プロジェクトにおける所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、想定吸収量に相当するカーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、一の圃場の関係者装置において、当該一の圃場について取得した吸収量の第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した収益の第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含み、第1見込み額を取得することは、予想売却額から所定の経費を引いた金額をプロジェクトの第1予想収益として算出することと、想定吸収量に対する第1推定値の割合と第1予想収益に対する第1見込み額の割合とが等しくなるように第1見込み額を算出することとを含む、プログラムである。
【0009】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小規模の圃場でも売却時の利益を得やすいカーボン・クレジットの創出を支援できる情報処理装置、端末装置、システム、方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2A、
図2B及び
図2Cは、それぞれ関係者情報、プロジェクト管理情報及び圃場管理情報に含まれる情報を説明するための図である。
【
図3】
図3A、
図3B及び
図3Cは、それぞれ重複関係情報、クレジット管理情報及び収益分配管理情報に含まれる情報を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る関係者装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、本実施形態に係るシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る情報処理装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る情報処理装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る情報処理装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図1の例に示すシステムは、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して通信可能な情報処理装置1、関係者装置3、運営者装置4、事業者サーバ5、及び、クレジット登録サーバ8を有する。
情報処理装置1は、本発明の情報処理装置の一例である。
関係者装置3は、本発明の関係者装置の一例である。
運営者装置4は、本発明の運営者装置の一例である。
【0013】
図1に示すシステムでは、複数の圃場で栽培される作物(モリンガなど)により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて、カーボン・クレジットを創出することを支援する処理が行われる。すなわち、プロジェクトへ参加する小規模の圃場を募集する処理、プロジェクトへの応募を検討する圃場の関係者に対してカーボン・クレジットの売却による収益の見込み額を提示する処理、カーボン・クレジットが売却された場合に各圃場へ配分する収益を算出する処理などを行う。
【0014】
[情報処理装置1]
情報処理装置1は、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトを管理する装置である。情報処理装置1は、それぞれ圃場の関係者(所有者、管理者など)により操作される複数の関係者装置3と通信し、プロジェクトに参加する圃場の募集、カーボン・クレジットの売却による収益の見込み額の提示、プロジェクトへの応募の受付、カーボン・クレジットの売却により得られた収益の配分などを行う。例えば情報処理装置1は、通信ネットワーク9に接続された1台若しくは複数台のコンピュータを含んで構成される。
図1の例に示す情報処理装置1は、第1通信部11と、第1記憶部12と、第1処理部13を有する。
【0015】
第1通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(関係者装置3、運営者装置4、事業者サーバ5、クレジット登録サーバ8など)と通信を行う。第1通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LANなどの所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0016】
第1記憶部12は、第1処理部13が実行する命令を含んだ1以上のプログラム121、第1処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、第1処理部13の処理に利用されるデータ、第1処理部13の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。第1記憶部12は、例えば、主記憶装置(RAM、ROMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスクなど)を含んでよい。第1記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。第1記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の通信手段を介して第1処理部13と接続される。
【0017】
第1処理部13は、情報処理装置1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。第1処理部13は、例えば、第1記憶部12に格納された1以上のプログラム121の命令に従って処理を行う1以上のプロセッサ(CPU(central processing unit)、MPU(micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)など)を含む。第1処理部13は、第1記憶部12に記憶される1以上のプログラム121の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。
【0018】
第1処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1つ以上の専用のハードウェア(ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)など)を含んでもよい。この場合、第1処理部13は、本実施形態において説明する全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0019】
プログラム121は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、メモリカード、USBメモリ、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。第1処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラム121の少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置など)やインターフェース装置(USBインターフェースなど)により読み込んで、第1記憶部12に書き込んでもよい。あるいは第1処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から第1通信部11により1以上のプログラム121の少なくとも一部をダウンロードして、第1記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラム121は、後述する本実施形態に係る処理の少なくとも一部を第1処理部13に行わせる命令を含む。
【0020】
[記憶装置2]
記憶装置2は、情報処理装置1の処理において使用される種々の情報を記憶する。情報処理装置1と記憶装置2は、任意の通信路(LAN、専用回線網、インターネットなど)介して通信可能である。例えば記憶装置2は、複数の装置からのアクセスを受け付ける1以上のファイルサーバやデータベースサーバなどに含まれていてもよいし、情報処理装置1のみアクセス可能な1以上の専用の記憶装置でもよい。
図1の例において、記憶装置2は、関係者データベース21と、プロジェクト管理データベース22と、圃場管理データベース23と、重複関係データベース24と、クレジット管理データベース25と、収益分配管理データベース26を記憶する。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0021】
関係者DB21は、複数の関係者(圃場の保有者、管理者など)に対応した複数の圃場管理情報を含む。一の圃場管理情報は、一の関係者に関する情報を含む。一の圃場管理情報は、例えば
図2Aに示すように、以下の情報の少なくとも一部を含む。
・一の関係者を識別する関係者識別情報(関係者ID)
・関係者の氏名又は名称
・関係者の住所
・関係者のEメールアドレス
・関係者の連絡先(電話番号など)
・関係者の所属組織(事業者名など)
【0022】
プロジェクト管理DB22は、複数のプロジェクトに対応した複数のプロジェクト管理情報を含む。一のプロジェクト管理情報は、一のプロジェクトに関する情報を含む。一のプロジェクト管理情報は、例えば
図2Bに示すように、以下の情報の少なくとも一部を含む。
・一のプロジェクトを識別するプロジェクト識別情報(プロジェクトID)
・プロジェクトの募集予定期間
・プロジェクトの募集期間
・プロジェクトで想定される温室効果ガスの吸収量(想定吸収量)
・圃場で栽培される作物の種別
・プロジェクトで想定されるカーボン・クレジットの有効期間(想定クレジット期間)
・プロジェクトの状況に関する情報(状況情報)
・プロジェクトで創出されたカーボン・クレジットの識別情報(クレジットID)
・カーボン・クレジットの取引の状況に関する情報(取引情報)
・カーボン・クレジットの売却額
【0023】
圃場管理DB23は、複数の圃場に対応した複数の圃場管理情報を含む。一の圃場管理情報は、一の圃場に関する情報を含む。一の圃場管理情報は、例えば
図2Cに示すように、以下の情報の少なくとも一部を含む。
・一の圃場を識別する圃場識別情報(圃場ID)
・圃場の関係者を示す関係者ID
・圃場情報
・圃場が参加したプロジェクトに関する情報(参加プロジェクト情報)
・一の重複関係情報を示す重複関係識別情報(重複関係ID)
【0024】
ここで「圃場情報」は、例えば
図2Cに示すように、地理的範囲情報、作物種別情報、作付け間隔情報、収穫頻度情報を含む。
地理的範囲情報は、圃場の地理的な範囲に関する情報であり、例えば圃場の境界線の地理的位置(緯度、経度)などを含む。
作物種別情報は、圃場で栽培される作物の種別に関する情報である。
作付け間隔情報は、圃場で栽培される作物の作付けの間隔に関する情報である。
収穫頻度情報は、圃場で栽培される作物の収穫の頻度に関する情報であり、例えば1年あたりの収穫回数などを含む。
【0025】
「参加プロジェクト情報」は、圃場が参加したプロジェクトに関する情報として、例えば参加したプロジェクトを示すプロジェクトIDと、プロジェクトの運営者による参加の承認の有無を示す承認ステータス情報と、運営者との間における契約の有無を示す契約ステータス情報とを含む。
【0026】
「重複関係情報」は、後述する重複関係DB24に含まれた情報であり、「重複関係ID」は個々の「重複関係情報」に割り当てられた識別情報である。
【0027】
重複関係DB24は、地理的範囲が重複した一群の圃場を示す重複関係情報を含む。重複関係情報は、例えば
図3Aに示すように、個々の重複関係情報を識別するための識別情報(重複関係ID)と、地理的範囲が重複した一群の圃場の圃場IDを含む。
【0028】
クレジット管理DB25は、所定の認証機関によって認証されたカーボン・クレジットに関するクレジット管理情報を含む。一のクレジット管理情報は、一のカーボン・クレジットに関する情報を含む。クレジット管理情報は、例えば
図3Bに示すように、以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々のクレジット管理情報を識別するための識別情報(クレジットID)
・認証されたカーボン・クレジットが示す温室効果ガスの吸収量
・売却済みの吸収量
・カーボン・クレジットの有効期間
【0029】
収益分配管理DB26は、複数のプロジェクトに対応した複数の収益分配管理情報を含む。一の収益分配管理情報は、一のプロジェクトで創出されたカーボン・クレジットの売却による収益のうち一の圃場へ配分される収益に関する情報を含む。一の収益分配管理情報は、例えば
図3Cに示すように、以下の情報の少なくとも一部を含む。
・プロジェクトID
・圃場ID
・カーボン・クレジットに含まれる一の圃場の温室効果ガス吸収量(個別吸収量)
・カーボン・クレジットの売却による収益のうち一の圃場へ配分される金額(配分額)
・一の圃場の関係者に対する収益の支払の状況(支払状況)
【0030】
[関係者装置3]
関係者装置3は、圃場の関係者(所有者、管理者など)によって操作される端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置である。
図1に例示するシステムは、複数の関係者に対応した複数の関係者装置3を有する。
【0031】
図4は、関係者装置3の構成の一例を示す図である。
図4の例において、関係者装置3は、上述した情報処理装置1の第1通信部11、第1記憶部12、第1処理部13と同様な第2通信部31、第2記憶部32、第2処理部33を備えるとともに、入力部34と表示部35を備える。入力部34は、ユーザの指示を第2処理部33に入力する装置であり、例えばタッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置を含む。表示部35は、第2処理部33において生成される映像データに応じた映像を表示する装置であり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタなどの表示装置を含む。
【0032】
関係者装置3は、情報処理装置1にアクセスして、情報処理装置1への圃場情報の提供、カーボン・クレジットの売却により配分される収益の見込み額の表示、プロジェクトへの応募、認証されたカーボン・クレジットに関する情報の表示、確定した収益の配分額の表示などを行う。
【0033】
[運営者装置4]
運営者装置4は、プロジェクトの運営者によって操作される端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置である。運営者装置4は、例えば
図4に示す関係者装置3と同様の構成を有する。運営者装置4は、情報処理装置1にアクセスして、新規のプロジェクトの登録、募集の開始指示、応募情報の確認、プロジェクトへの参加の承認、プロジェクトの開始指示、カーボン・クレジットの情報の登録、カーボン・クレジットの取引状況の登録、カーボン・クレジットの売却額の登録などを行う。
【0034】
[事業者サーバ5]
事業者サーバ5は、認証機関7に対するカーボン・クレジットの認証の申請を代行する認証代行事業者6によって運営される装置である。認証代行事業者6は、例えば、プロジェクトに参加した各圃場での温室効果ガスの吸収量を算出するために必要な各種のデータの測定(衛星等による圃場の地理的範囲の計測など)を行い、その測定データをもとに各圃場の吸収量の推定値(第2推定値)を算出する。また認証代行事業者6は、算出した吸収量の推定値(第2推定値)と、その算出の根拠となる理論を明らかにした申請書面を作成し、認証機関7に提出する。事業者サーバ5は、圃場情報(
図2C)に基づいて各圃場の吸収量を推定するために必要な各種の情報を格納しており、運営者装置4からの要求に応じて、格納したそれらの情報を運営者装置4に提供する。また事業者サーバ5は、認証機関7への認証申請のために取得した測定データや算出した各圃場の吸収量の推定値(第2推定値)を格納しており、運営者装置4からの要求に応じて、格納した測定データや推定値を運営者装置4に提供する。なお事業者サーバ5は、情報処理装置1からの要求に応じて、格納した情報等を情報処理装置1に提供してもよい。
【0035】
[クレジット登録サーバ8]
クレジット登録サーバ8は、認証機関7により認証されたカーボン・クレジットを登録して管理する装置である。運営者装置4や情報処理装置1は、クレジット登録サーバ8にアクセスして、プロジェクトに関わるカーボン・クレジットの情報(温室効果ガスの吸収量、有効期間など)を取得することができる。
【0036】
ここで、上述した構成を有する
図1に示すシステムの動作について説明する。
図5~
図7は、
図1に示すシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0037】
まず運営者装置4は、新規のプロジェクトを情報処理装置1に設定する(ST100)。例えば運営者装置4は、
図2Bに示すようなプロジェクト管理情報を入力し、情報処理装置1に送信する。このとき運営者装置4は、プロジェクト管理情報において未だ内容の決まっていない情報(プロジェクトの募集期間、クレジットID、取引情報、売却額情報など)について未入力とし、プロジェクト管理情報に含めなくてよい。情報処理装置1は、運営者装置4から受信したプロジェクト管理情報をプロジェクト管理DB22に登録する(ST105)。
【0038】
運営者装置4は、プロジェクト管理DB22に登録されたプロジェクトについて、圃場の募集を開始するように情報処理装置1へ指示を送信する(ST110)。情報処理装置1は、運営者装置4により一のプロジェクトについて募集開始の指示を受信すると、当該一のプロジェクトが募集中の状況にあることを示す状況情報を当該一のプロジェクトのプロジェクト管理情報に登録する(ST115)。また情報処理装置1は、当該一のプロジェクトについて圃場の参加を募る募集案内を公開し(ST115)、情報処理装置1にアクセスした関係者装置3において募集案内を表示させる(ST120)。
【0039】
関係者装置3は、プロジェクトの募集案内を閲覧した関係者の操作により、一の圃場について収益の見込み額(第1見込み額)を取得するために必要となる圃場情報(
図2C)を入力し、情報処理装置1に送信する(ST125)。
【0040】
例えば関係者装置3は、表示部35の画面に地図を表示し、ユーザ(関係者)が地図の上で圃場の範囲を指定する所定の操作(圃場の境界をなす多角形の頂点を指定する操作、圃場の境界線をなぞる操作など)を受ける。関係者装置3は、この所定の操作に応じてユーザが指定する地図上の範囲を特定し、特定した地図上の範囲に対応した地理的範囲情報を入力する。
【0041】
また関係者装置3は、文字や音声での対話形式によって情報を入力する手段(チャットボットなど)により、圃場情報(作物種類情報、作付け間隔情報、収穫頻度情報など)を入力してもよい。
【0042】
情報処理装置1は、関係者装置3から送信された一の圃場の圃場情報を受信すると、受信した圃場情報を含む圃場管理情報を圃場管理DB23に登録する(ST130)。圃場情報を受信した場合の情報処理装置1の処理については、後で
図8のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
情報処理装置1は、一の圃場について受信した圃場情報(
図2C)に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の推定値(第1推定値)を取得する(ST135)。
【0044】
例えば情報処理装置1は、圃場情報に含まれる地理的範囲情報に基づいて、圃場のある地域の気温と、降雨量と、日照時間との少なくとも1つに関連した栽培環境情報を取得する。この場合、情報処理装置1は、事業者サーバ5に格納された各地域の気温、降雨量、日照時間などの情報をもとに、栽培環境情報を取得してよい。情報処理装置1は、受信した圃場情報に含まれる地理的範囲情報が示す圃場の面積と、取得した栽培環境情報と、受信した圃場情報に含まれる作物種類情報、作付け間隔情報及び収穫頻度情報の少なくとも1つとに基づいて、温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得する。
【0045】
情報処理装置1は、圃場における温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得するために、所定の機械学習アルゴリズムによって学習された学習済みモデルを用いてよい。この場合、第1記憶部12には、圃場の面積と、栽培環境情報と、作物種類情報、作付け間隔情報及び収穫頻度情報の少なくとも1つとから圃場の温室効果ガスの吸収量を推定するように生成された学習済みモデルが記憶される。情報処理装置1は、受信した圃場情報に含まれる地理的範囲情報が示す圃場の面積と、取得した栽培環境情報と、受信した圃場情報に含まれる作物種類情報、作付け間隔情報及び収穫頻度情報の少なくとも1つとを学習済みモデルに適用することにより、吸収量の第1推定値を取得する。
【0046】
学習済みモデルの生成に用いる機械学習アルゴリズムは任意でよく、例えば線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ニューラルネットワークなどの公知のアルゴリズムを用いてよい。
【0047】
なお情報処理装置1は、圃場における温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得する手段として、上述した学習済みモデル以外の手段(与えられた入力変数を第1推定値に変換する近似関数や理論式など)を用いてもよい。
【0048】
次に情報処理装置1は、一の圃場について取得した吸収量の第1推定値と、プロジェクトにおける所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量(
図2B)と、想定吸収量に相当するカーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の見込み額(第1見込み額)を取得する(ST140)。想定吸収量に相当するカーボン・クレジットの予想売却額は、例えば、カーボン・クレジットの市場における単位吸収量あたりの売却額の平均値や、直近の相場における価格の変動幅などに基づいて設定してもよい。
【0049】
例えば情報処理装置1は、予想売却額から所定の経費(認証代行事業者6に支払う費用など)を引いた金額を全体の収益として計算し、想定吸収量に対する第1推定値の割合と、全体の収益に対する第1見込み額の割合とが等しくなるように第1見込み額を算出する。
【0050】
情報処理装置1は、ステップST135において一の圃場について取得した吸収量の第1推定値と、ステップST140において当該一の圃場について取得した収益の第1見込み額とを含んだ表示情報を生成し、当該一の圃場の関係者装置3へ送信する。関係者装置3は、受信した表示情報に応じて、当該一の圃場における吸収量の第1推定値と、当該一の圃場について配分される収益の第1見込み額を表示部35に表示する(ST145)。
【0051】
このように、本実施形態では、プロジェクトへの参加を検討している圃場の関係者に対して、温室効果ガスの吸収量の第1推定値や、カーボン・クレジットの売却により配分される収益の第1見込み額が表示される。これにより関係者は、プロジェクトへ参加することにより創出されるカーボン・クレジットや、その売却時に配分される収益についての具体的な情報を得ることが可能となり、プロジェクトへの参加を決断し易くなる。従って、小規模の圃場でも売却時の利益を得やすいカーボン・クレジットの創出を効果的に支援できる。
【0052】
関係者装置3は、プロジェクトへの応募を決断した圃場の関係者によって応募用の画面が選択され、その指示が情報処理装置1に送信されると(ST150)、情報処理装置1は、所定の同意事項が含まれた応募用の画面を表示させる表示情報を生成し、関係者装置3に送信する(ST155)。関係者装置3は、情報処理装置1から受信した表示情報に応じて、所定の同意事項が含まれた応募用の画面を表示部35に表示する。この所定の同意事項は、プロジェクトへ参加するために圃場の関係者が同意すべき事項であり、具体的には、所定の測定手段により圃場を測定すること(衛星から撮影した画像により地理的範囲を測定することなど)への同意、秘密保持についての同意などが含まれる。
【0053】
関係者装置3は、所定の同意事項が含まれた応募用の画面において、ユーザ(関係者)の操作により、一の圃場が一のプロジェクトへ参加することを申請する応募情報を入力し、入力した応募情報を情報処理装置1へ送信する(ST165)。応募情報は、例えば、プロジェクトへの参加を申請する圃場の圃場ID、圃場の所有者や管理者であることを証明する書類の情報(不動産登記に関わる書類の情報、土地の所有権や借地権を証明する権利書の情報など)を含む。
【0054】
情報処理装置1は、所定の同意事項が含まれた応募用の画面を表示させた関係者装置3から、プロジェクトへの応募情報を受信する(ST170)。これにより、プロジェクトへの応募に当たって関係者が所定の同意事項に同意していることが明確になるため、同意事項への同意を確認するための手続(契約書面のやり取りなど)を省略することができる。
【0055】
情報処理装置1は、一の圃場が一のプロジェクトへ参加することを申請する応募情報を受信すると、当該一の圃場について他のプロジェクトへの参加状況を確認する処理を行う。この確認処理において当該一の圃場が当該一のプロジェクトへ参加可能と判定された場合、情報処理装置1は、当該一の圃場が当該一のプロジェクトへ参加することを示す参加プロジェクト情報を圃場管理情報(
図2C)に登録する。この情報処理装置1の処理については、後で
図9~
図10のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
一の圃場が一のプロジェクトに参加することを示す参加プロジェクト情報を圃場管理情報(
図2C)に登録した場合、情報処理装置1は、関係者装置3から受信した応募情報を運営者装置4に表示させる(ST175)。プロジェクトの運営者は、運営者装置4に表示される応募情報を確認し、応募情報に係るプロジェクト参加の申請を承認するか否か判断する。すなわち運営者は、応募情報に係る管理者が圃場の所有者や管理者であることを証明する書類の情報を確認し、この書類が正規のものであると判断した場合、応募情報に係るプロジェクト参加の申請を承認する。運営者装置4は、一の圃場が一のプロジェクトに参加することを承認する場合、当該一の圃場の圃場管理情報に含まれる参加プロジェクト情報に対して、運営者により参加の承認が得られたことを示す承認ステータス情報を登録する。
【0057】
情報処理装置1は、募集中のプロジェクトについて、プロジェクトに参加した複数の圃場の総面積、及び/又は、プロジェクトに参加した複数の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの総吸収量の推定値を取得する(ST200)。
【0058】
例えば、情報処理装置1は、募集中の一のプロジェクトに参加することを示す参加プロジェクト情報であって、運営者により参加の承認が得られたことを示す承認ステータス情報が登録された参加プロジェクト情報を含んだ圃場管理情報(
図2C)を圃場管理DB23において抽出する。情報処理装置1は、抽出した各圃場の圃場管理情報の圃場情報に含まれる地理的範囲情報に基づいて、各圃場の面積を算出し、算出した各圃場の面積を足し合わせることにより総面積を算出する。また、情報処理装置1は、同様に抽出した圃場管理情報の圃場情報に基づいて、ステップST135と同様の方法により各圃場の吸収量の第1推定値を取得し、取得した各圃場の第1推定値を足し合わせることにより総吸収量の推定値を算出する。
【0059】
情報処理装置1は、ステップST200において取得した圃場の総面積及び温室効果ガスの総吸収量の推定値の少なくとも一方に基づいて、プロジェクトの発動条件が満たされたか判定する(ST205)。例えば情報処理装置1は、圃場の総面積が所定の目標値(例えば1万ヘクタール)に達している場合にプロジェクトの発動条件が満たされたと判定してもよいし、温室効果ガスの総吸収量の推定値が想定吸収量(
図2B)に達している場合にプロジェクトの発動条件が満たされたと判定してもよい。あるいは情報処理装置1は、圃場の総面積が所定の目標値に達し、かつ、温室効果ガスの総吸収量の推定値が想定吸収量に達している場合にプロジェクトの発動条件が満たされたと判定してもよい。情報処理装置1は、ステップST205の判定結果を運営者装置4に表示させる(ST210)。
【0060】
このように、圃場の総面積や温室効果ガスの総吸収量をプロジェクトの発動条件の目安にすることで、カーボン・クレジットとして認証される温室効果ガスの吸収量を一定程度の大きさにすることが可能となり、カーボン・クレジットの売却額も一定程度の金額にすることが可能になる。従って、小規模の圃場でも売却時の利益を得やすいカーボン・クレジットの創出を効果的に支援できる。
【0061】
なお情報処理装置1は、ステップST205の判定結果を関係者装置3において表示させるようにしてもよい。これにより、圃場の関係者は、参加申請したプロジェクトの進捗状況を把握し易くなる。
【0062】
運営者装置4は、プロジェクト管理DB22に登録された一のプロジェクトについて、カーボン・クレジットの認証を受けるための作業を開始する指示(プロジェクトの発動指示)が関係者により入力されると、情報処理装置1へ当該指示を送信する(ST215)。情報処理装置1は、運営者装置4から一のプロジェクトの発動指示を受信すると、当該一のプロジェクトが発動中の状況にあることを示す状況情報を当該一のプロジェクトのプロジェクト管理情報に登録する(ST220)。また情報処理装置1は、当該一のプロジェクトについて圃場の募集が終了したことを示す告知を関係者装置3において表示させる(ST235)。
【0063】
プロジェクトが発動すると、運営者は、プロジェクトに参加する各圃場の圃場情報を認証代行事業者6に提供し、認証機関7に対するカーボン・クレジットの認証の申請を依頼する。依頼を受けた認証代行事業者6は、プロジェクトに参加する各圃場について、カーボン・クレジットの申請に必要なデータを測定する(衛星による地理的範囲の測定など)。
【0064】
認証代行事業者6においてカーボン・クレジットの申請に必要なデータが測定され、その測定結果に基づいて各圃場における温室効果ガスの吸収量の推定値(第2推定値)が認証代行事業者6により算出されると、それらのデータは事業者サーバ5にアップロードされる。例えば運営者装置4は、事業者サーバ5にアクセスして、認証代行事業者6による各圃場の吸収量の第2推定値を事業者サーバ5から取得し、取得したそれらのデータを情報処理装置1へ送信する(ST230)。あるいは、情報処理装置1が事業者サーバ5に直接アクセスして、認証代行事業者6による各圃場の吸収量の第2推定値を取得してもよい。
【0065】
運営者装置4(若しくは事業者サーバ5)から各圃場の吸収量の第2推定値を受信すると、情報処理装置1は、受信した各圃場の吸収量の第2推定値に基づいて、カーボン・クレジットが売却された場合に各圃場へ配分される収益の見込み額(第2見込み額)を取得する(ST235)。例えば情報処理装置1は、各圃場の吸収量の第2推定値を足し合わせることにより、プロジェクトの全圃場における温室効果ガスの総吸収量の推定値を算出し、総吸収量の推定値からカーボン・クレジットの予想売却額を算出する。この予想売却額は、例えば、カーボン・クレジットの市場における単位吸収量あたりの売却額の平均値や、直近の相場における価格の変動幅などに基づいて算出することができる。情報処理装置1は、予想売却額から所定の経費(認証代行事業者6に支払う費用など)を引いた金額を全体の収益として計算し、総吸収量の推定値に対する第2推定値の割合と、全体の収益に対する第2見込み額の割合とが等しくなるように第2見込み額を算出する。
【0066】
情報処理装置1は、各圃場について吸収量の第2推定値と収益の第2見込み額を取得すると、取得した各圃場の第2推定値及び第2見込み額を各圃場の関係者装置3において表示させる(ST240、ST245)。
【0067】
例えば情報処理装置1は、認証代行事業者6による各圃場の測定結果に基づいて認証機関7にカーボン・クレジットの認証の申請を行う前に、圃場の関係者とプロジェクトの運営者との間で取り交わすべき契約事項が含まれた契約用の画面の表示情報を生成し(ST240)、これを関係者装置3において表示させる(ST245)。情報処理装置1は、この契約用の画面において、吸収量の第2推定値と収益の第2見込み額を表示させてもよい。
【0068】
契約用の画面には、例えば、カーボン・クレジットの所有権に関する事項と、カーボン・クレジットの売却によって得られる収益の分配に関する事項とが契約事項として含まれる。この契約事項において、カーボン・クレジットの所有権は、例えばプロジェクトの運営者に譲渡される。またカーボン・クレジットの売却によって得られる収益は、例えば各圃場の温室効果ガスの吸収量に比例した金額に分割されて各圃場に分配される。
【0069】
関係者装置3は、表示した契約用の画面において、関係者が契約事項に同意したことを示す契約情報を入力し、情報処理装置1へ送信する(ST250)。例えば関係者装置3は、情報処理装置1から提供された契約書データに対して関係者の電子署名を生成し、生成した電子署名と電子証明書とが添付された契約書データを契約情報として情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、関係者装置3から受信した契約情報を記憶装置2に格納する。また情報処理装置1は、受信した契約情報に関わる一の圃場の圃場管理情報(
図2C)を圃場管理DB23において検索し、この圃場管理情報の参加プロジェクト情報に含まれる契約ステータス情報が契約済みを示すように更新する(ST255)。
【0070】
運営者装置4は、契約情報の入力を実施中のプロジェクトについて、各圃場の契約締結状況を情報処理装置1に照会する(ST260)。情報処理装置1は、照会を受けたプロジェクトのプロジェクトIDが含まれた圃場管理情報を圃場管理DB23において抽出し、抽出した圃場管理情報の参加プロジェクト情報に含まれる契約ステータス情報に基づいて、各圃場の契約の有無を確認する(ST205)。情報処理装置1は、各圃場の契約の有無を例えば一覧表にまとめて運営者装置4に表示させる(ST270)。運営者は、この一覧表において契約がなされていない圃場の関係者をピックアップし、契約の締結を促すメッセージ(電子メールなど)を送ることができる。所定の契約実施期間が経過した場合、運営者は、契約済みの圃場のみをプロジェクトの正規の圃場として選別し、選別した圃場について認証機関7への認証申請を行うよう認証代行事業者6へ指示を与える。
【0071】
このように、本実施形態では、認証機関7に対して認証申請を行う前に、プロジェクトに参加する各圃場との間で契約事項を取り交わすために書面をやり取りする必要がなく、関係者装置3から情報処理装置1へ契約情報を送信するだけでよい。そのため、カーボン・クレジットの認証を受けるための作業負担を効果的に軽減できる。また、圃場の吸収量の第2推定値や収益の第2見込み額が関係者装置3に表示されるため、契約の締結を判断する関係者に対して、判断の参考になる具体的な情報を提供できる。
【0072】
認証機関7においてカーボン・クレジットが認証され、カーボン・クレジットの情報がクレジット登録サーバ8に登録されると、運営者装置4は、クレジット登録サーバ8に登録されたカーボン・クレジットの情報を取得し、取得したカーボン・クレジットの情報を情報処理装置1に送信する(ST300)。あるいは、情報処理装置1がクレジット登録サーバ8に直接アクセスして、認証されたカーボン・クレジットの情報を取得してもよい。
【0073】
情報処理装置1は、運営者装置4(若しくはクレジット登録サーバ8)からカーボン・クレジットの情報を受信すると、受信したカーボン・クレジットの情報に基づいてクレジット管理情報(
図3B)を生成し、クレジット管理DB25に登録する(ST305)。
【0074】
また情報処理装置1は、認証されたカーボン・クレジットの情報として、各圃場の温室効果ガスの吸収量(個別吸収量)に関する情報を運営者装置4から取得する。各圃場の個別吸収量は、例えばクレジット登録サーバ8に登録されたものを運営者装置4(若しくはクレジット登録サーバ8)から取得してもよいし、認証機関7への申請書類の情報として事業者サーバ5に登録されたものを運営者装置4(若しくは事業者サーバ5)から取得してもよい。情報処理装置1は、取得した各圃場の個別吸収量の情報を収益分配管理DB26の収益分配管理情報(
図3C)に登録する(ST305)。
【0075】
情報処理装置1は、一のプロジェクトについて認証されたカーボン・クレジットの情報を取得した場合、当該一のプロジェクトのプロジェクト管理情報(
図2B)に含まれる状況情報を、カーボン・クレジットが認証されたことを示すように更新する。また情報処理装置1は、このプロジェクト管理情報にカーボン・クレジットのクレジットID(
図3B)を登録する。
【0076】
情報処理装置1は、認証されたカーボン・クレジットの情報を通知する画面の表示情報を生成し(ST310)、関係者装置3におい表示させる(ST315)。一の圃場の関係者装置3は、この画面において、当該一の圃場の個別吸収量を表示する。これにより、一の圃場の関係者は、プロジェクトにおいて自身に直接関係のある当該一の圃場の個別吸収量を容易に把握することができる。
【0077】
認証されたカーボン・クレジットは、例えばクレジット市場や、個別の事業者に対して売りに出される。運営者装置4は、運営者によって入力されたカーボン・クレジットの取引の状況(売却の経過、売却履歴など)を取引情報として情報処理装置1に送信し(ST320)、情報処理装置1は受信した取引情報をプロジェクト管理情報(
図2B)に登録する(ST325)。情報処理装置1は、この取引情報に基づいて、カーボン・クレジットの取引の状況を通知する画面の表示情報を生成し(ST330)、関係者装置3におい表示させる(ST335)。一の圃場の関係者装置3は、この画面において、当該一の圃場が参加するプロジェクトのカーボン・クレジットの取引状況を表示する。これにより、一の圃場の関係者は、参加したプロジェクトに関わるカーボン・クレジットの取引の状況を容易に把握することができる。
【0078】
運営者装置4は、カーボン・クレジットの一部若しくは全部が売却された場合、運営者によって入力されたカーボン・クレジットの売却額に関する情報(売却額情報)を情報処理装置1に送信する(ST340)。売却額情報は、例えば、カーボン・クレジットが示す温室効果ガスの吸収量のうち売却された分の吸収量と、その売却額を含む。情報処理装置1は、運営者装置4から売却額情報を受信した場合、この売却額情報と、各圃場の個別吸収量とに基づいて、各圃場に配分される収益を算出する(ST345)。
【0079】
例えば情報処理装置1は、売却額情報が示すカーボン・クレジットのクレジット管理情報(
図3B)をクレジット管理DB25において検索し、クレジット管理情報に登録される売却済みの吸収量に対して、売却額情報が示す売却分の吸収量を加算する。また情報処理装置1は、売却額情報が示すカーボン・クレジットに関わるプロジェクト管理情報(
図2B)をプロジェクト管理DB22において検索し、プロジェクト管理情報に登録される売却額に対して、売却額情報が示す売却額を加算する。
【0080】
情報処理装置1は、売却額情報が示す一のプロジェクトに関わる収益配分管理情報(
図3C)を収益分配管理DB26において抽出し、抽出した収益配分管理情報に含まれる各圃場の個別吸収量と、売却額情報に従って更新されたプロジェクト管理情報(
図2B)の売却額とに基づいて、各圃場に配分される収益の金額(配分額)を算出する。
【0081】
例えば情報処理装置1は、売却額情報が示す一のプロジェクトにおける一の圃場の配分額を算出する場合、当該一のプロジェクトに関わるプロジェクト管理情報(
図2B)の売却額から、所定の経費(認証代行事業者6に支払う費用など)を減算することにより、売却で得られた全体の収益を計算する。また情報処理装置1は、当該一のプロジェクトに関わるクレジット管理情報(
図3B)の売却前の吸収量を取得するとともに、当該一のプロジェクト及び当該一の圃場に関わる収益配分管理情報(
図3C)の個別吸収量を取得する。そして情報処理装置1は、売却前の吸収量に対する個別吸収量の割合と、全体の収益に対する配分額の割合とが等しくなるように、当該一の圃場の配分額を算出する。情報処理装置1は、当該一のプロジェクト及び当該一の圃場に関わる収益配分管理情報(
図3C)に登録される配分額に対して、この算出した配分額を加算する。これにより、収益配分管理情報に登録される配分額は、カーボン・クレジットの一部が売却される度に、その売却額に応じて一の圃場に配分される収益を積算した金額になる。
【0082】
情報処理装置1は、一の圃場について算出した収益の配分額を当該一の圃場の関係者装置3において表示させる(ST355、ST360)。すなわち情報処理装置1は、各圃場の関係者装置3において収益の配分額を表示させる。また情報処理装置1は、算出した各圃場の収益の配分額を各圃場の関係者に支払う処理を行う(ST365)。例えば情報処理装置1は、銀行振込などの任意の送金手段を利用して配分額の支払い処理を行う。これにより、プロジェクトに参加した各圃場の関係者は、カーボン・クレジットの売却により得られた収益の配分を受けることができる。
情報処理装置1は、一のプロジェクトにおいて一の圃場に対して収益(配分額)を支払った場合、当該一のプロジェクト及び当該一の圃場に関わる収益配分管理情報(
図3C)の支払状況を更新する。例えば収益配分管理情報(
図3C)の支払状況には、それまでに支払われた収益のトータルの金額(支払金額)が登録されている。情報処理装置1は、ステップST365において支払処理を行った場合、収益配分管理情報に登録されるこの支払金額(支払状況)に対して、支払処理により支払った収益(配分額)を加算する。これにより、収益配分管理情報に登録される支払金額(支払状況)は、カーボン・クレジットの売却による収益(配分額)が支払われる度に、その支払われた収益(配分額)を積算した金額になる。
【0083】
図8は、ステップST130(
図5)において圃場情報を受信した場合における情報処理装置1の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0084】
情報処理装置1は、一の圃場の関係者装置3から圃場情報を受信した場合(ST400)、受信した圃場情報の地理的範囲情報と地理的範囲が重複している地理的範囲情報が含まれた圃場管理情報(
図2C)を圃場管理DB23において検索する(ST405)。検索の結果、地理的範囲が同一であり、かつ、関係者IDも同一である登録済みの同一の圃場が見つかった場合(ST410のYes)、情報処理装置1は、既に登録済みの圃場が存在することを関係者装置3に通知し、新規の圃場の登録を中止する(ST415)。
【0085】
ステップST405の検索の結果、重複している他の圃場が見つからなかった場合(ST420のNo)、情報処理装置1は、ステップST400で受信した圃場情報を含む新規の圃場管理情報を圃場管理DB23に登録する(ST425)。
【0086】
他方、情報処理装置1は、重複している他の圃場が見つかった場合(ST420のYes)、受信した圃場情報に関わる一の圃場と、検索により見つかった他の圃場とが重複関係にあることを示す重複関係情報(
図3A)を重複関係DB24に登録する(ST430)。当該他の圃場の圃場管理情報に重複関係IDが含まれている場合、情報処理装置1は、この重複関係IDの重複関係情報に当該一の圃場の圃場IDを追加する。当該他の圃場の圃場管理情報に重複関係IDが含まれていない場合、情報処理装置1は、当該一の圃場の圃場IDと当該他の圃場の圃場IDとが含まれた重複関係情報(
図3A)を新規に生成し、重複関係DB24に登録する。この場合、情報処理装置1は、新規に生成した重複関係情報の重複関係IDを、当該他の圃場の圃場管理情報に登録する(ST435)。そして情報処理装置1は、当該一の圃場の圃場管理情報を新規に生成し、圃場管理DB23に登録する(ST440)。このとき情報処理装置1は、当該他の圃場の圃場管理情報に重複関係IDが含まれている場合はその重複関係IDを当該一の圃場の圃場管理情報に登録し、当該他の圃場の圃場管理情報に重複関係IDが含まれていない場合は新規に生成した重複関係情報の重複関係IDを当該一の圃場の圃場管理情報に登録する。
【0087】
このように、本実施形態によれば、関係者により提供される圃場情報に基づいて、同一ではないが地理的範囲が重複している一群の圃場を把握することができる。従って関係者は、自身の保有する(若しくは管理する)圃場の中から、地理的範囲の異なる複数の圃場をプロジェクトへの参加用に登録することができる。また、関係者が誤って他人の圃場を登録した場合でも、その状況を的確に把握することが可能となる。
【0088】
図9及び
図10は、ステップST170(
図5)において応募情報を受信した場合における情報処理装置1の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0089】
情報処理装置1は、一の圃場が一のプロジェクトへ参加することを申請する応募情報を関係者装置3から受信した場合(ST500)、当該一の圃場の圃場管理情報(
図2C)が参加プロジェクト情報を含むか(すなわち他のプロジェクトに参加したか)を判定する(ST505)。参加プロジェクト情報を含まない場合(ST505のNo)、情報処理装置1は、後述するステップST530へ移行する。
【0090】
応募情報に関わる一の圃場の圃場管理情報が参加プロジェクト情報を含む場合(ST505のYes)、情報処理装置1は、この参加プロジェクト情報に対応するプロジェクトのプロジェクト管理情報(
図2B)をクレジット管理DB25において検索する。そして情報処理装置1は、このプロジェクト管理情報に含まれる状況情報が募集中の状況又は発動中の状況を示すか判定する(ST510)。状況情報が募集中の状況又は発動中の状況を示す場合(ST510のYes)、情報処理装置1は、受信した応募情報によるプロジェクトへの応募を不受理とする通知を当該一の圃場の関係者装置3へ送信する(ST515)。これにより、1つの圃場が募集中の状況又は発動中の状況にある複数のプロジェクトへ参加することを防止できる。
【0091】
情報処理装置1は、参加プロジェクト情報が示す一のプロジェクトのプロジェクト管理情報に含まれる状況情報が募集中の状況又は発動中の状況を示していない場合(ST510のNo)、当該一のプロジェクトに関わるカーボン・クレジットの有効期間をクレジット管理情報(
図3B)において確認する(ST520)。カーボン・クレジットの有効期間が既に終わっている場合(ST520のNo)、情報処理装置1は、後述するステップST530へ移行する。
【0092】
参加プロジェクト情報のプロジェクトに関わるカーボン・クレジットの有効期間が未だ終わっていない場合(ST520のYes)、情報処理装置1は、このカーボン・クレジットの有効期間と、応募情報に関わるプロジェクトの想定クレジット期間(
図2B)とが重複しているか判定する(ST525)。カーボン・クレジットの有効期間が想定クレジット期間と重複していない場合(ST525のNo)、情報処理装置1は、後述するステップST530へ移行する。カーボン・クレジットの有効期間が想定クレジット期間と重複している場合(ST525のYes)、情報処理装置1は、受信した応募情報によるプロジェクトへの応募を不受理とする通知を関係者装置3へ送信する(ST515)。これにより、1つの圃場がクレジット有効期間の重複する複数のプロジェクトへ参加することを防止できる。
【0093】
情報処理装置1は、ステップST530に移行すると、受信した応募情報に関わる一の圃場の圃場管理情報が重複関係IDを含むか(当該一の圃場と地理的範囲の重複する他の圃場が存在するか)を判定する。当該一の圃場の圃場管理情報が重複関係IDを含まない場合(ST530のNo)、情報処理装置1は、当該一の圃場が応募情報に関わるプロジェクトへ参加することを示す参加プロジェクト情報を当該一の圃場の圃場管理情報に登録する(ST535)。
【0094】
ステップST530において応募情報に関わる一の圃場の圃場管理情報が重複関係IDを含むと判定した場合(ST530のYes)、情報処理装置1は、重複関係IDが示す重複関係情報により特定される他の圃場の圃場管理情報(
図2C)が参加プロジェクト情報を含むか(すなわち他のプロジェクトに参加したか)を判定する(ST605)。参加プロジェクト情報を含まない場合(ST605のNo)、情報処理装置1は、後述するステップST635へ移行する。
【0095】
重複関係情報により特定される他の圃場の圃場管理情報が参加プロジェクト情報を含む場合(ST605のNo)、情報処理装置1は、この参加プロジェクト情報に対応するプロジェクトのプロジェクト管理情報(
図2B)をクレジット管理DB25において検索する。そして情報処理装置1は、このプロジェクト管理情報に含まれる状況情報が募集中の状況又は発動中の状況を示すか判定する(ST610)。状況情報が募集中の状況又は発動中の状況を示す場合(ST610のYes)、情報処理装置1は、受信した応募情報によるプロジェクトへの応募を不受理とする通知を当該一の圃場の関係者装置3へ送信する(ST515)。これにより、地理的範囲の重複している一群の圃場が、募集中の状況又は発動中の状況にある複数のプロジェクトへ参加することを防止できる。
【0096】
情報処理装置1は、参加プロジェクト情報が示す一のプロジェクトのプロジェクト管理情報に含まれる状況情報が募集中の状況又は発動中の状況を示していない場合(ST610のNo)、当該一のプロジェクトに関わるカーボン・クレジットの有効期間をクレジット管理情報(
図3B)において確認する(ST620)。カーボン・クレジットの有効期間が既に終わっている場合(ST620のNo)、情報処理装置1は、後述するステップST635へ移行する。
【0097】
参加プロジェクト情報のプロジェクトに関わるカーボン・クレジットの有効期間が未だ終わっていない場合(ST620のYes)、情報処理装置1は、このカーボン・クレジットの有効期間と、応募情報に関わるプロジェクトの想定クレジット期間(
図2B)とが重複しているか判定する(ST625)。カーボン・クレジットの有効期間が想定クレジット期間と重複していない場合(ST625のNo)、情報処理装置1は、後述するステップST635へ移行する。カーボン・クレジットの有効期間が想定クレジット期間と重複している場合(ST625のYes)、情報処理装置1は、受信した応募情報によるプロジェクトへの応募を不受理とする通知を関係者装置3へ送信する(ST615)。これにより、地理的範囲の重複している一群の圃場がクレジット有効期間の重複する複数のプロジェクトへ参加することを防止できる。
【0098】
情報処理装置1は、ステップST635に移行すると、受信した応募情報に関わる一の圃場が応募情報に関わるプロジェクトへ参加することを示す参加プロジェクト情報を当該一の圃場の圃場管理情報に登録する。
【0099】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、更に種々のバリエーションを含む。当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更や代替を施すことが可能である。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された内容を付記する。
[1]
カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置であって、
第1処理部と、
前記第1処理部が実行する命令を記憶する第1記憶部とを有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を受信することと、
一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含む、
情報処理装置。
[2]
前記圃場情報は、栽培する作物の種類に関する作物種類情報と、作付け間隔に関する作付け間隔情報と、収穫の頻度に関する収穫頻度情報との少なくとも1つを含み、
前記吸収量の前記第1推定値を取得することは、
前記圃場情報に含まれる前記地理的範囲情報に基づいて、前記圃場のある地域の気温と、降雨量と、日照時間との少なくとも1つに関連した栽培環境情報を取得することと、
前記圃場情報に含まれる前記地理的範囲情報が示す前記圃場の面積と、前記栽培環境情報と、前記圃場情報に含まれる前記作物種類情報、前記作付け間隔情報及び前記収穫頻度情報の少なくとも1つとに基づいて、前記吸収量の前記第1推定値を取得することとを含む、
[1]に記載の情報処理装置。
[3]
前記第1記憶部は、前記圃場の面積と、前記栽培環境情報と、前記作物種類情報、前記作付け間隔情報及び前記収穫頻度情報の少なくとも1つとから前記圃場の前記吸収量を推定するように生成された学習済みモデルを記憶しており、
前記吸収量の前記第1推定値を取得することは、前記圃場情報に含まれる前記地理的範囲情報が示す前記圃場の面積と、前記栽培環境情報と、前記圃場情報に含まれる前記作物種類情報、前記作付け間隔情報及び前記収穫頻度情報の少なくとも1つとを前記学習済みモデルに適用することにより、前記吸収量の前記第1推定値を取得することを含む、
[2]に記載の情報処理装置。
[4]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
それぞれ一の前記圃場が前記プロジェクトへ参加することを申請する複数の応募情報を複数の前記関係者装置から受信することと、
受信した複数の前記応募情報に関わる複数の前記圃場の前記圃場情報に基づいて、当該複数の圃場の総面積と、当該複数の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの総吸収量の推定値との少なくとも一方を取得することと、
前記総面積と前記総吸収量の推定値との少なくとも一方に基づいて、前記プロジェクトの発動条件が満たされたか判定することと、
前記総面積と、前記総吸収量の推定値と、前記発動条件の判定結果との少なくとも1つを、前記関係者装置、及び、前記プロジェクトの運営者によって操作される端末装置である運営者装置の少なくとも一方において表示させることとを含む、
[1]に記載の情報処理装置。
[5]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記プロジェクトへ参加するために前記圃場の前記関係者が同意すべき同意事項が含まれた応募用の画面であって、所定の測定手段により前記圃場を測定することへの同意が前記同意事項として含まれた前記応募用の画面を前記関係者装置において表示させること
を含み、
前記応募情報を前記関係者装置から受信することは、前記応募用の画面を表示させた前記関係者装置から前記応募情報を受信することを含む、
[4]に記載の情報処理装置。
[6]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記所定の測定手段による各前記圃場の測定結果に基づいて所定の認証機関に前記カーボン・クレジットの認証の申請を行う前に、前記圃場の前記関係者と前記プロジェクトの運営者との間で取り交わすべき契約事項が含まれた契約用の画面であって、前記カーボン・クレジットの所有権に関する事項と、前記カーボン・クレジットの売却によって得られる収益の分配に関する事項とが前記契約事項として含まれた前記契約用の画面を前記関係者装置において表示させることと、
前記契約用の画面を表示させた前記関係者装置から、前記契約事項に同意したことを示す契約情報を受信することとを含む、
[5]に記載の情報処理装置。
[7]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記所定の測定手段による測定結果に基づいて推定された各前記圃場における温室効果ガスの吸収量の第2推定値に基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に各前記圃場へ配分される収益の第2見込み額を取得することと、
一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第2推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第2見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含む、
[5]に記載の情報処理装置。
[8]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
所定の認証機関により認証された前記カーボン・クレジットに含まれる各前記圃場の温室効果ガスの個別吸収量に関する情報を取得することと、
取得した一の前記圃場の前記個別吸収量に関する情報を当該一の圃場の前記関係者装置において表示させることとを含む、
[1]に記載の情報処理装置。
[9]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
認証された前記カーボン・クレジットの取引の状況に関する取引情報を取得することと、
取得した前記取引情報を前記関係者装置において表示させることとを含む、
[8]に記載の情報処理装置。
[10]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
認証された前記カーボン・クレジットの売却額に関する売却額情報を取得することと、
取得した各前記圃場の前記個別吸収量に関する情報と、取得した前記売却額情報とに基づいて、各前記圃場に配分される前記収益を算出することと、
算出した各前記圃場の収益を、各前記圃場の前記関係者装置において表示させることとを含む、
[8]に記載の情報処理装置。
[11]
前記第1記憶部は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、
それぞれ一の前記プロジェクトに関する情報を含んだ複数のプロジェクト管理情報と、
それぞれ一の前記圃場に関する情報を含んだ複数の圃場管理情報と
を記憶し、
一の前記プロジェクトに関する前記プロジェクト管理情報は、前記プロジェクトの状況に関する状況情報を含み、
一の前記圃場に関する前記圃場管理情報は、
当該一の圃場について前記関係者装置から受信した前記圃場情報と、
当該一の圃場が一の前記プロジェクトに参加した場合において、当該一のプロジェクトを示す参加プロジェクト情報とを含み、
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
前記プロジェクトの運営者によって操作される端末装置である運営者装置から、一の前記プロジェクトについて前記圃場の募集を開始する指示を受信すると、当該一のプロジェクトが募集中の状況にあることを示す前記状況情報を当該一のプロジェクトの前記プロジェクト管理情報に登録することと、
一の前記プロジェクトについて前記カーボン・クレジットの認証を受けるための作業を開始する指示を前記運営者装置から受信すると、当該一のプロジェクトが発動中の状況にあることを示す前記状況情報を当該一のプロジェクトの前記プロジェクト管理情報に登録することと、
それぞれ一の前記圃場が前記プロジェクトへ参加することを申請する複数の応募情報を複数の前記関係者装置から受信することと、
一の前記圃場に関する前記圃場情報を前記関係者装置から受信した場合に、受信した前記圃場情報を含む前記圃場管理情報を前記記憶装置に格納することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、当該一の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含まないならば、当該一のプロジェクトを示す前記参加プロジェクト情報を当該圃場管理情報に登録することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、当該一の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含んでおり、かつ、当該参加プロジェクト情報に対応する前記プロジェクトの前記プロジェクト管理情報に含まれた前記状況情報が前記募集中の状況又は前記発動中の状況を示すならば、当該一の圃場による応募を不受理とする通知を当該関係者装置へ送信することとを含む、
[1]に記載の情報処理装置。
[12]
前記第1処理部が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場に関する前記圃場情報を前記関係者装置から受信した場合に、受信した前記圃場情報の前記地理的範囲情報と地理的範囲が重複している前記地理的範囲情報が含まれた他の前記圃場の前記圃場管理情報を前記記憶装置において検索することと、
当該他の圃場に関する前記圃場管理情報が前記検索により見つかった場合、当該一の圃場と当該他の圃場とが重複関係にあることを示す重複関係情報を前記記憶装置に格納することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、前記重複関係情報により当該一の圃場と前記重複関係にあることが示された他の前記圃場が存在し、かつ、当該他の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含まないならば、当該一のプロジェクトを示す前記参加プロジェクト情報を当該圃場管理情報に登録することと、
一の前記圃場が一の前記プロジェクトへ参加することを申請する前記応募情報を前記関係者装置から受信した場合において、前記重複関係情報により当該一の圃場と前記重複関係にあることが示された他の前記圃場が存在し、当該他の圃場の前記圃場管理情報が前記参加プロジェクト情報を含んでおり、かつ、当該参加プロジェクト情報に対応する前記プロジェクトの前記プロジェクト管理情報に含まれた前記状況情報が前記募集中の状況又は前記発動中の状況を示すならば、当該一の圃場による応募を不受理とする通知を当該関係者装置へ送信することとを含む、
[11]に記載の情報処理装置。
[13]
カーボン・クレジットの創出を支援する端末装置であって、
第2処理部と、
前記第2処理部が実行する命令を記憶する第2記憶部とを有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記第2処理部が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を情報処理装置へ送信することと、
前記情報処理装置から、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の推定値であって、送信した前記圃場情報に基づいて取得された前記吸収量の推定値と、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額であって、前記吸収量の推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの売却額の推定値とに基づいて取得された前記第1見込み額との少なくとも一方を含んだ表示情報を受信し、受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することとを含む、
端末装置。
[14]
カーボン・クレジットの創出を支援するシステムであって、
情報処理装置と、
それぞれ圃場の関係者によって操作される端末装置である複数の関係者装置とを有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の前記圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
一の前記圃場の前記関係者によって操作される前記関係者装置が、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を前記情報処理装置へ送信し
前記情報処理装置が、一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得し、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得し、
前記情報処理装置が、一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を含んだ表示情報を生成し、生成した前記表示情報を当該一の圃場の前記関係者装置へ送信し、
一の前記圃場の前記関係者装置が、前記情報処理装置から受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示する
システム。
[15]
カーボン・クレジットの創出を支援する情報処理装置が行う方法であって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記情報処理装置が、一の前記圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を受信することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示させることと
を有する方法。
[16]
カーボン・クレジットの創出を支援する端末装置が行う方法であって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記端末装置が、一の前記圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を情報処理装置へ送信することと、
前記端末装置が、前記情報処理装置から、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の推定値であって、送信した前記圃場情報に基づいて取得された前記吸収量の推定値と、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額であって、前記吸収量の推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの売却額の推定値とに基づいて取得された前記第1見込み額との少なくとも一方を含んだ表示情報を受信し、受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することとを含む、
方法。
[17]
カーボン・クレジットの創出を支援するシステムが行う方法であって、
前記システムは、
情報処理装置と、
それぞれ一の圃場の関係者によって操作される端末装置である複数の関係者装置と
を有し、
前記カーボン・クレジットは、複数の前記圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
一の前記圃場の前記関係者によって操作される前記関係者装置が、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を前記情報処理装置へ送信することと
前記情報処理装置が、一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
前記情報処理装置が、一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
前記情報処理装置が、一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を含んだ表示情報を生成し、生成した前記表示情報を当該一の圃場の前記関係者装置へ送信することと、
一の前記圃場の前記関係者装置が、前記情報処理装置から受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することと
を有する方法。
[18]
カーボン・クレジットの創出を支援する処理を情報処理装置に行わせる命令を含んだプログラムであって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記情報処理装置が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場の関係者によって操作される端末装置である関係者装置から、当該一の圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を受信することと、
一の前記圃場について受信した前記圃場情報に基づいて、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の第1推定値を取得することと、
一の前記圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの予想売却額とに基づいて、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額を取得することと、
一の前記圃場の前記関係者装置において、当該一の圃場について取得した前記吸収量の前記第1推定値、及び、当該一の圃場について取得した前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示させることとを含む、
プログラム。
[19]
カーボン・クレジットの創出を支援する処理を端末装置に行わせる命令を含んだプログラムであって、
前記カーボン・クレジットは、複数の圃場で栽培される作物により温室効果ガスの吸収を図るプロジェクトに基づいて創出され、
前記端末装置が前記命令に従って行う処理は、
一の前記圃場に関する圃場情報であって、当該一の圃場の地理的範囲に関する地理的範囲情報を含んだ前記圃場情報を入力し、入力した前記圃場情報を情報処理装置へ送信することと、
前記情報処理装置から、当該一の圃場の作物により所定期間内に吸収される温室効果ガスの吸収量の推定値であって、送信した前記圃場情報に基づいて取得された前記吸収量の推定値と、前記カーボン・クレジットが売却された場合に当該一の圃場へ配分される収益の第1見込み額であって、前記吸収量の推定値と、前記プロジェクトにおける前記所定期間内の温室効果ガスの想定吸収量と、前記想定吸収量に相当する前記カーボン・クレジットの売却額の推定値とに基づいて取得された前記第1見込み額との少なくとも一方を含んだ表示情報を受信し、受信した前記表示情報に応じて、前記吸収量の推定値、及び、前記収益の前記第1見込み額の少なくとも一方を表示することとを含む、
プログラム。
【符号の説明】
【0100】
1…情報処理装置、11…第1通信部、12…第1記憶部、121…プログラム、13…第1処理部、2…記憶装置、21…関係者DB、22…プロジェクト管理DB、23…圃場管理DB、24…重複関係DB、25…クレジット管理DB、26…収益分配管理DB、3…関係者装置、31…第2通信部、32…第2記憶部、321…プログラム、33…第2処理部、34…入力部、35…表示部、4…運営者装置、5…事業者サーバ、6…認証代行事業者、7…認証機関、8…クレジット登録サーバ、9…通信ネットワーク