(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】候補者選定システム、候補者選定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241113BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241113BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20241113BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/10
G06Q10/10 310
(21)【出願番号】P 2020069768
(22)【出願日】2020-04-08
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】黒田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】菅原 仁志
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-324156(JP,A)
【文献】特開2014-178833(JP,A)
【文献】特開2018-169734(JP,A)
【文献】特開2012-48425(JP,A)
【文献】特開2009-128918(JP,A)
【文献】特開2011-170705(JP,A)
【文献】特開2018-90392(JP,A)
【文献】特開2013-3991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の症状と、作業を実施する日付と、前記作業を実施する場所と、を含む第1情報を取得する第1情報取得部と、
複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含む第2情報を取得する第2情報取得部と、
前記複数の作業者から、前記機器の症状と
、前記作業を実施する日付
及び前記作業を実施する日付に近い日時と
、を検索条件として
所定の数以上の複数の候補者を検索し、前記作業を実施する場所と、前記作業者が前記作業を実施する日付において存在する予定の場所との間の移動距離に基づいて、前記複数の候補者の優先順位
と作業日と作業時刻とを示す情報を出力する出力部と、を備える、
候補者選定システム。
【請求項2】
前記機器の症状ごとの作業時間を示す第4情報を取得する第4情報取得部をさらに備え、
前記出力部は、前記第4情報にさらに基づいて前記作業を実施可能な前記複数の候補者を選定する、
請求項1に記載の候補者選定システム。
【請求項3】
あらかじめ特定された作業者を示す第5情報を取得する第5情報取得部をさらに備え、
前記出力部は、前記第5情報にさらに基づいて、前記作業を実施可能な前記複数の候補者を選定する、
請求項1または2に記載の候補者選定システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記複数の候補者を選定して、選定された前記複数の候補者を示す第3情報を出力する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の候補者選定システム。
【請求項5】
前記第2情報取得部は、移動経路を含む地図を示す第6情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記第1情報に含まれる前記作業を実施する場所と、前記第2情報に含まれる前記作業者が前記作業を実施する前記日付において存在する予定の場所と、の間の移動距離を前記第6情報に基づいて算出して、算出した前記移動距離に基づいて、前記複数の候補者の優先順位を示す第7情報を出力する、
請求項1に記載の候補者選定システム。
【請求項6】
前記第2情報は、前記複数の作業者が存在する予定の場所と時刻とを関連付けて示す情報を含み、
前記出力部は、前記作業を実施する前に存在する予定の場所と、前記作業を実施する場所と、の間の移動距離と、前記作業を実施する場所と、前記作業を実施した後に存在する予定の場所と、の間の移動距離と、を合計した移動距離に基づいて、前記第7情報を出力する、
請求項5に記載の候補者選定システム。
【請求項7】
前記機器の症状ごとの前記複数の作業者のスキルを示す情報および/または作業者の評価を示す情報である第8情報を取得する第8情報取得部をさらに備え、
前記出力部は、前記第1情報の示す前記機器の症状と、前記第8情報と、に基づいて、前記複数の候補者の優先順位を示す第7情報を出力する、
請求項1に記載の候補者選定システム。
【請求項8】
前記第1情報は、依頼された前記作業を実施する場所を示す情報を含み、
前記第2情報は、前記複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含み、
前記出力部は、前記作業を実施する場所と、前記複数の作業者が前記作業を実施する前記日付において存在する予定の場所と、に基づく前記優先順位と、前記第1情報の示す前記機器の症状と、前記第8情報と、に基づく前記優先順位と、のいずれを優先するかを、あらかじめ設定されたモードに基づいて決定し、決定した優先順位を示す情報を出力する、
請求項7に記載の候補者選定システム。
【請求項9】
コンピュータが、
機器の症状と、作業を実施する日付と、前記作業を実施する場所と、を含む第1情報を取得し、
複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含む第2情報を取得し、
前記複数の作業者から、前記機器の症状と
、前記作業を実施する日付
及び前記作業を実施する日付に近い日時と
、を検索条件として
所定の数以上の複数の候補者を検索し、前記作業を実施する場所と、前記作業者が前記作業を実施する日付において存在する予定の場所との間の移動距離に基づいて、前記複数の候補者の優先順位
と作業日と作業時刻とを示す情報を出力する、
候補者選定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
機器の症状と、作業を実施する日付と、前記作業を実施する場所と、を含む第1情報を取得するステップと、
複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含む第2情報を取得するステップと、
前記複数の作業者から、前記機器の症状と
、前記作業を実施する日付
及び前記作業を実施する日付に近い日時と
、を検索条件として
所定の数以上の複数の候補者を検索し、前記作業を実施する場所と、前記作業者が前記作業を実施する日付において存在する予定の場所との間の移動距離に基づいて、前記複数の候補者の優先順位
と作業日と作業時刻とを示す情報を出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、候補者選定システム、候補者選定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、装置の修理を担当する担当者を選定する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、通信部が複数の携帯端末の各々から受信する業務予定情報に基づいて、複数のサービスマンの各々が予定する保守業務に要する作業予定時間を求め、複数のサービスマンの各々の作業予定時間を比較して、複数のサービスマンの中から保守担当者を選定する担当者選定部を備える電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、決められた日に作業を実施可能な候補者を選定することはできない。
【0005】
本開示は、決められた日に作業を実施可能な候補者を選定することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様による候補者選定システムは、機器の症状と、作業を実施する日付と、を示す第1情報を取得する第1情報取得部と、複数の作業者のスケジュールを示す第2情報を取得する第2情報取得部と、前記複数の作業者から、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記作業を実施可能な候補者を選定して、選定された前記候補者を示す第3情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、決められた日に作業を実施可能な候補者を選定することができる。
【0008】
本開示の第2の態様による候補者選定システムは、前記機器の症状ごとの作業時間を示す第4情報を取得する第4情報取得部をさらに備え、前記出力部は、前記第4情報に基づいて前記作業を実施可能な前記候補者を選定して、選定された前記候補者を示す前記第3情報を出力する。
【0009】
本開示の第2の態様によれば、機器の症状ごとの作業時間に基づいて作業を実施可能な候補者を選定することができる。
【0010】
本開示の第3の態様による候補者選定システムは、あらかじめ特定された作業者を示す第5情報を取得する第5情報取得部をさらに備え、前記出力部は、前記第5情報に基づいて、前記作業を実施可能な候補者を選定して、選定された前記候補者を示す前記第3情報を出力する。
【0011】
本開示の第3の態様によれば、あらかじめ特定された作業者群の中から候補者を選定することができる。
【0012】
本開示の第4の態様による候補者選定システムの前記出力部は、複数の前記候補者を選定して、選定された前記候補者を示す前記第3情報を出力する。
【0013】
本開示の第4の態様によれば、複数の候補者を選定することができる。
【0014】
本開示の第5の態様による候補者選定システムの前記第1情報は、依頼された前記作業を実施する場所を示す情報を含み、前記第2情報は、前記複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含み、前記出力部は、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、選定された前記複数の候補者の優先順位を示す第7情報をさらに出力する。
【0015】
本開示の第5の態様によれば、作業を実施する場所と、複数の作業者が作業を実施する日付において存在する予定の場所と、に基づいて、複数の候補者の優先順位を示す情報を出力することができる。
【0016】
本開示の第6の態様による候補者選定システムの前記第2情報取得部は、移動経路を含む地図を示す第6情報をさらに取得し、前記出力部は、前記第1情報に含まれる前記作業を実施する場所と、前記第2情報に含まれる前記作業者が前記作業を実施する前記日付において存在する予定の場所と、の間の移動距離を前記第6情報に基づいて算出して、算出した前記移動距離に基づいて、前記第7情報を出力する。
【0017】
本開示の第6の態様によれば、作業を実施する日付における作業者の移動距離に基づいて、複数の候補者の優先順位を示す情報を出力することができる。
【0018】
本開示の第7の態様による候補者選定システムの前記第2情報は、前記複数の作業者が存在する予定の場所と時刻とを関連付けて示す情報を含み、前記出力部は、前記作業を実施する前に存在する予定の場所と、前記作業を実施する場所と、の間の移動距離と、前記作業を実施する場所と、前記作業を実施した後に存在する予定の場所と、の間の移動距離と、を合計した移動距離に基づいて、前記第7情報を出力する。
【0019】
本開示の第7の態様によれば、作業を実施する日付における作業の実施前後の、作業者が作業を実施する前に存在する予定の場所と、作業を実施する場所と、の間の移動距離に基づいて、複数の候補者の優先順位を示す情報を出力することができる。
【0020】
本開示の第8の態様による候補者選定システムは、前記機器の症状ごとの前記複数の作業者のスキルを示す情報および/または作業者の評価を示す情報である第8情報を取得する第8情報取得部をさらに備え、前記出力部は、前記第1情報の示す前記機器の症状と、前記第8情報と、に基づいて、前記第7情報を出力する。
【0021】
本開示の第8の態様によれば、作業者のスキルを示す情報および/または作業者の評価を示す情報に基づいて、複数の候補者の優先順位を示す情報を出力することができる。
【0022】
本開示の第9の態様による候補者選定システムの前記第1情報は、依頼された前記作業を実施する場所を示す情報を含み、前記第2情報は、前記複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含み、前記出力部は、前記作業を実施する場所と、前記複数の作業者が前記作業を実施する前記日付において存在する予定の場所と、に基づく前記優先順位と、前記第1情報の示す前記機器の症状と、前記第8情報と、に基づく前記優先順位と、のいずれを優先するかを、あらかじめ設定されたモードに基づいて決定し、決定した優先順位を示す第7情報を出力する。
【0023】
本開示の第9の態様によれば、あらかじめ設定されたモードに基づいて、複数の候補者の優先順位を示す情報を出力することができる。
【0024】
本開示の第10の態様による候補者選定方法は、コンピュータが、機器の症状と、作業を実施する日付と、を示す第1情報を取得し、複数の作業者のスケジュールを示す第2情報を取得し、前記複数の作業者から、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記作業を実施可能な候補者を選定して、選定された前記候補者を示す第3情報を出力する。
【0025】
本開示の第10の態様によれば、決められた日に作業を実施可能な候補者を選定することができる。
【0026】
本開示の第11の態様によるプログラムは、コンピュータに、機器の症状と、作業を実施する日付と、を示す第1情報を取得するステップと、複数の作業者のスケジュールを示す第2情報を取得するステップと、前記複数の作業者から、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記作業を実施可能な候補者を選定して、選定された前記候補者を示す第3情報を出力するステップと、を実行させる。
【0027】
本開示の第11の態様によれば、決められた日に作業を実施可能な候補者を選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】候補者選定システムを含むサービス業務システムの全体を示す概略図である。
【
図2】コンタクトセンター端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】コンタクトセンター端末の機能の一例を示す図である。
【
図4】スケジュール管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】スケジュール管理システムの機能の一例を示す図である。
【
図6】候補者選定システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】候補者選定システムの機能の一例を示す図である。
【
図17】全体処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】特定作業者決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】候補者選出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】優先順位の決定方法の一例を示す図である。
【
図22】候補者の振り分け方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、候補者選定システムを含むサービス業務システムの全体を示す概略図である。
【0031】
サービス業務システム1は、全国に機器を販売する企業において、機器の修理等のサービス業務を管理するシステムである。サービス業務システム1は、候補者選定システム10と、スケジュール管理システム20と、コンタクトセンター端末30と、を備える。候補者選定システム10、スケジュール管理システム20およびコンタクトセンター端末30は、公衆ネットワーク40を介して互いに通信可能に接続されている。
【0032】
また、候補者選定システム10およびスケジュール管理システム20は、例えば同一のデータセンター内に設置され、ローカルエリアネットワーク50を介して互いに接続されている。したがって、候補者選定システム10およびスケジュール管理システム20は、互いに通信する場合には、ローカルエリアネットワーク50を介して通信する。ただし、候補者選定システム10およびスケジュール管理システム20は、別々の場所に設置されていても良く、公衆ネットワーク40を介して互いに通信しても良い。
【0033】
候補者選定システム10は、全国に機器を販売する企業において、機器の修理等の作業を依頼された場合に、作業を実施する候補者を選定するシステムである。
【0034】
コンタクトセンター端末30は、顧客からの電話、電子メール、WEBサイト等による連絡を受け付けるコンタクトセンターに設置され、受付担当者の操作を受けて、顧客から機器の修理等の作業の依頼内容を示す作業依頼情報(第1情報)を入力する端末である。コンタクトセンター端末30は、入力された作業依頼情報を、公衆ネットワーク40を介して候補者選定システム10に送信する。具体的には、作業依頼情報(第1情報)は、機器の症状と、作業を実施する日付と、を示す情報である。機器の症状としては、「運転しない」、「冷えない」、「暖まらない」、「水漏れがする」、「異音がする」、「異臭がする」、「すぐに機器が停止する」、「時々機器が停止する」、「ブレーカーが落ちる」、「リモコン操作できない」などの例を挙げることができる。
【0035】
スケジュール管理システム20は、機器の修理等の作業を行うサービスエンジニア(以下、SEとする)のスケジュールを管理するシステムである。スケジュール管理システム20は、SEの操作する図示しない端末等から、スケジュール情報の登録、変更、削除等を受けて、スケジュール情報を保管する。スケジュール情報(第2情報)は、複数のSE(作業者)のスケジュールを示す情報であって、例えば、機器の修理等の作業の予定や休暇の予定等を示す情報を含む。
【0036】
図2は、コンタクトセンター端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0037】
コンタクトセンター端末30は、それぞれバスBで相互に接続されているタッチパネル301、マイク302、スピーカ303、イメージセンサ304、メモリ305、CPU(Central Processing Unit)306及び通信回路307を含むスマートフォンである。
【0038】
タッチパネル301は、ユーザの操作を受け付ける機能と、画像を表示する機能と、を有する機器である。マイク302は、音を入力して、入力された音を電気信号に変換する音響機器である。スピーカ303は、音を示す電気信号を音に変換して出力する機器である。イメージセンサ304は、画像を電気信号に変換する素子である。メモリ305は、主記憶装置であって、各種データを格納する機器である。CPU306は、演算処理装置であって、各種機器を制御する処理を実行する。通信回路307は、他の装置との通信を制御する回路である。
【0039】
なお、コンタクトセンター端末30は、スマートフォンに限定されず、例えば、PC(Personal Computer)、携帯電話、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等であっても良い。
【0040】
図3は、コンタクトセンター端末の機能の一例を示す図である。
【0041】
コンタクトセンター端末30は、作業依頼情報入力部31と、作業依頼情報出力部32と、候補者情報取得部33と、候補者情報表示部34と、を備える。
【0042】
作業依頼情報入力部31は、受付担当者による作業依頼情報の入力を受け付ける。
【0043】
作業依頼情報出力部32は、入力された作業依頼情報を、候補者選定システム10に出力する。
【0044】
候補者情報取得部33は、候補者選定システム10から候補者情報(第3情報)を取得する。候補者情報は、候補者選定システム10によって選定された候補者を示す情報である。
【0045】
候補者情報表示部34は、候補者情報を表示する。受付担当者は、表示された候補者情報に基づいて、作業の予定を顧客と調整する。
【0046】
図4は、スケジュール管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0047】
スケジュール管理システム20は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置201、出力装置202、ドライブ装置203、補助記憶装置204、メモリ装置205、演算処理装置206及びインタフェース装置207を含むコンピュータである。
【0048】
入力装置201は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置202は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。ドライブ装置203は、記録媒体208へのデータの書き込み、または記録媒体208からのデータの読み出しを実行する装置である。インタフェース装置207は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0049】
補助記憶装置204は、スケジュール管理システム20の有する記憶部を実現するものであり、スケジュール管理システム20にインストールされたプログラムを格納すると共に、スケジュール管理システム20による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置205は、スケジュール管理システム20の起動時に補助記憶装置204からプログラムを読み出して格納する。
【0050】
図5は、スケジュール管理システムの機能の一例を示す図である。
【0051】
スケジュール管理システム20は、記憶部21と、スケジュール情報入力部22と、スケジュール情報出力部23と、を備える。
【0052】
記憶部21は、スケジュール管理システム20の動作に使用される各種の情報を記憶する。具体的には、記憶部21は、スケジュール情報118を記憶する。スケジュール情報118は、SEのスケジュールを示す情報である。
【0053】
スケジュール情報入力部22は、SEの操作する図示しない端末等から、スケジュール情報118の登録、変更、削除等を受け付ける。
【0054】
スケジュール情報出力部23は、コンタクトセンター端末30または候補者選定システム10からの要求に応じて、記憶部21からスケジュール情報118を検索し、検索されたスケジュール情報118を、要求元であるコンタクトセンター端末30または候補者選定システム10に出力する。
【0055】
図6は、候補者選定システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0056】
候補者選定システム10は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置101、出力装置102、ドライブ装置103、補助記憶装置104、メモリ装置105、演算処理装置106及びインタフェース装置107を含むコンピュータである。
【0057】
入力装置101は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置102は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。ドライブ装置103は、記録媒体108へのデータの書き込み、または記録媒体108からのデータの読み出しを実行する装置である。インタフェース装置107は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0058】
情報処理プログラムは、候補者選定システム10を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。情報処理プログラムは、例えば、記録媒体108の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。情報処理プログラムを記録した記録媒体108は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0059】
また、情報処理プログラムは、情報処理プログラムを記録した記録媒体108がドライブ装置103にセットされると、記録媒体108からドライブ装置103を介して補助記憶装置104にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた情報処理プログラムは、インタフェース装置107を介して補助記憶装置104にインストールされる。
【0060】
補助記憶装置104は、候補者選定システム10の有する各記憶部等を実現するものであり、候補者選定システム10にインストールされた情報処理プログラムを格納すると共に、候補者選定システム10による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置105は、候補者選定システム10の起動時に補助記憶装置104から情報処理プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置106はメモリ装置105に格納された情報処理プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。すなわち、後述する各種処理を実現するための情報処理プログラムは、特許請求の範囲に記載されたプログラムの一例である。
【0061】
図7は、候補者選定システムの機能の一例を示す図である。
【0062】
候補者選定システム10は、記憶部11と、作業依頼情報取得部12(第1情報取得部)と、スケジュール情報取得部13(第2情報取得部)と、作業スキル情報取得部14(第8情報取得部)と、作業時間情報取得部15(第4情報取得部)と、作業者特定情報取得部16(第5情報取得部)と、出力部17と、を備える。
【0063】
記憶部11は、候補者選定システム10の動作に使用される各種の情報を記憶する。具体的には、記憶部11は、設定情報111と、作業者情報112と、作業スキル情報113(第8情報)と、作業時間情報114(第4情報)と、顧客情報115と、作業履歴情報116と、を記憶する。
【0064】
作業依頼情報取得部12は、機器の症状と、作業を実施する日付と、を示す作業依頼情報(第1情報)を取得する。なお、作業依頼情報は、依頼された作業を実施する場所を示す情報も含む。作業依頼情報取得部12は、取得した作業依頼情報を記憶部11に格納する。
【0065】
スケジュール情報取得部13は、複数の作業者のスケジュールを示すスケジュール情報(第2情報)を取得する。
【0066】
作業スキル情報取得部14は、機器の症状ごとの複数の作業者のスキルを示す情報(以下、作業スキル情報)(第8情報)を取得する。具体的には、作業スキル情報取得部14は、記憶部11を参照して、作業スキル情報113を取得する。
【0067】
作業時間情報取得部15は、機器の症状ごとの作業時間を示す作業時間情報(第4情報)を取得する。具体的には、作業時間情報取得部15は、記憶部11を参照して、作業時間情報114を取得する。
【0068】
作業者特定情報取得部16は、あらかじめ特定された作業者を示す作業者特定情報(第5情報)を取得する。
【0069】
出力部17は、複数の作業者から、作業依頼情報とスケジュール情報とに基づいて、作業を実施可能な候補者を選定して、選定された候補者を示す候補者情報(第3情報)を出力する。出力部17は、候補者の設定において、作業依頼情報の示す機器の症状、作業時間情報、作業者特定情報などに基づいて、作業を実施可能な候補者を選定する。さらに、出力部17は、作業を実施する場所と、複数の作業者が作業を実施する日付において存在する予定の場所と、に基づいて、選定された複数の候補者の優先順位を示す優先順位情報(第7情報)を出力する。
【0070】
設定情報111は、候補者選定システム10の実行する処理の設定のための情報である。具体的には、設定情報111は、設定マスタ情報と振分マスタ情報とを含む。
【0071】
【0072】
設定マスタ情報111Aは、項目として、「SS-ID」と、「動作モード」と、「休憩有無」と、「休憩時刻」と、を含む。
【0073】
項目「SS-ID」の値は、サービスステーションを識別するための識別子である。サービスステーションは、顧客の住所によって複数の地区に分割された拠点である。以下の他の項目は、サービスステーションごとに設定される。
【0074】
項目「動作モード」の値は、候補者の優先順位を示す情報を出力する処理における優先順位の判断に関連する設定値である。具体的には、項目「動作モード」の値は、「閑散期」か「繁忙期」のいずれかの値である。
【0075】
「閑散期」は、作業の依頼が少ない時期の動作モードを示す値である。「繁忙期」は、反対に、作業の依頼が多い時期の動作モードを示す値である。
【0076】
項目「休憩有無」の値は、SEが決まった時刻に休憩するか否かを示す値である。項目「休憩有無」の値が「取る」の場合は、項目「休憩時刻」の値に示される時間帯においては作業を実施しない前提で、候補者選定システム10は、後述する処理において作業可能な候補者を選出する。
【0077】
【0078】
振分マスタ情報111Bは、設定マスタ情報111Aに含まれる項目「動作モード」の値が「閑散期」である場合に、候補者の優先順位を示す情報を出力する処理における優先順位の判断に関連する情報である。
【0079】
振分マスタ情報111Bは、項目として、「SS-ID」と、「機種分類」と、「4A」と、「3A」と、「2A」と、「1A」と、を含む。
【0080】
項目「SS-ID」の値は、サービスステーションを識別するための識別子である。以下の他の項目は、サービスステーションごとに設定される。
【0081】
項目「機種分類」の値は、作業の対象の機器の機種分類を示す値である。機種分類は、機器の大きさ、規模に基づく分類を示す。例えば、「ビル用マルチエアコン」が最も大きな規模の機種分類であって、次いで、「業務用エアコン」、「家庭用エアコン」、「給湯器」の順に規模が小さくなっている。
【0082】
項目「4A」、「3A」、「2A」および「1A」は、SEの作業スキルである。作業スキルとは、SEの作業の熟練度を示す値である。例えば、「4A」が最も高い熟練度の作業スキルであって、次いで、「3A」、「2A」、「1A」の順に熟練度が低くなっている。そして、項目「4A」、「3A」、「2A」および「1A」のそれぞれの値は、サービスステーションごとに、各熟練度を有するSEが何名所属しているかを示している。
【0083】
【0084】
作業依頼情報117(第1情報)は、作業の依頼内容を示す情報である。具体的には、作業依頼情報117は、項目として、「顧客ID」と、「機種分類」と、「症状ID」と、「希望SE」と、「希望日」と、「希望時刻」と、を含む。
【0085】
項目「顧客ID」の値は、作業を依頼した顧客を識別するための識別子である。
【0086】
項目「機種分類」の値は、依頼された作業の対象の機器の機種分類を示す値である。
【0087】
項目「症状ID」の値は、機器の症状を識別するための識別子である。
【0088】
項目「希望SE」の値は、顧客が希望するSEを識別するための識別子である。顧客から希望されなければ、項目「希望SE」の値は設定されない。
【0089】
項目「希望日」の値は、顧客が希望する作業日を示す値である。なお、コンタクトセンター端末30または候補者選定システム10は、顧客から希望されなければ、例えば、手配が可能な最も近い日付等を、項目「希望日」の値として設定しても良い。
【0090】
項目「希望時刻」の値は、顧客が希望する作業時刻の範囲を示す値である。項目「希望時刻」の値は、範囲の始点と終点を示す時刻によって示される。また、項目「希望時刻」の値は、「午前中」、「午後1」、「午後2」等のように、あらかじめ規定された時刻の範囲を示す区分であっても良い。この場合、記憶部11には、区分と作業時刻の範囲とを対応付ける情報が格納されていれば良い。
【0091】
【0092】
スケジュール情報118(第2情報)は、SEのスケジュールを示す情報である。具体的には、スケジュール情報118は、項目として、「SE-ID」と、「予定日」と、「予定時刻」と、「予定住所」と、を含む。
【0093】
項目「SE-ID」の値は、SEを識別するための識別子である。
【0094】
項目「予定日」の値は、スケジュールに含まれる予定の日付を示す値である。
【0095】
項目「予定時刻」の値は、スケジュールに含まれる予定の時刻の範囲を示す値である。項目「予定時刻」の値は、範囲の始点と終点を示す時刻によって示される。また、項目「予定時刻」の値は、作業依頼情報117の項目「希望時刻」の値と同様に、「午前中」、「午後1」、「午後2」等のように、あらかじめ規定された時刻の範囲を示す区分であっても良い。
【0096】
項目「予定住所」の値は、スケジュールに含まれる予定の住所を示す値である。項目「予定住所」の値は、予定の内容に関わらず、SEが当該予定において存在する場所を示す。また、例えば私的な予定である場合など、予定の場所が登録されていない場合には、スケジュール情報取得部13は、取得したスケジュール情報118に含まれる項目「予定住所」の値に、SEの所属するメイン地区の住所を設定しても良い。
【0097】
項目「SE-ID」、「予定日」および「予定住所」の値は、複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報の一例である。
【0098】
【0099】
作業者情報112は、作業者であるSEが担当する地区についての情報である。作業者情報112は、サービスステーションごとに設定されている情報である。具体的には、作業者情報112は、項目として、「SE-ID」と、「名前」と、「メイン地区」と、「サブ地区」とを含む。
【0100】
項目「SE-ID」の値は、SEを識別するための識別子である。
【0101】
項目「名前」の値は、SEの名前を示す値である。
【0102】
項目「メイン地区」の値は、対象のサービスステーション内において、SEが主担当となっている地区を識別するための識別子である。
【0103】
項目「サブ地区」の値は、対象のサービスステーション内において、SEが従担当となっている地区を識別するための識別子である。なお、SEによっては、従担当の地区が無くても良く、また1つまたは複数の地区の従担当であっても良い。
【0104】
【0105】
作業スキル情報113は、SEの機種分類ごとの作業スキルを示す情報である。具体的には、作業スキル情報113は、項目として、「SE-ID」と、「ビル用マルチエアコン」と、「業務用エアコン」と、「家庭用エアコン」と、「給湯器」と、を含む。
【0106】
項目「SE-ID」の値は、SEを識別するための識別子である。
【0107】
項目「ビル用マルチエアコン」、「業務用エアコン」、「家庭用エアコン」および「給湯器」の値は、それぞれの機種分類の作業スキルを示す値である。上述したように、「4A」が最も高い熟練度の作業スキルであって、次いで、「3A」、「2A」、「1A」の順に熟練度が低くなっている。
【0108】
【0109】
作業時間情報114(第4情報)は、機器の症状ごとの作業時間を示す情報である。具体的には、作業時間情報114は、機種分類、機器の症状およびSEの作業スキルごとに、標準的な作業時間が規定された情報である。作業時間情報114は、項目として、「機種分類」と、「症状ID」と、「作業スキル」と、「作業時間」と、を含む。
【0110】
項目「機種分類」の値は、作業の対象の機器の機種分類を示す値である。
【0111】
項目「症状ID」の値は、機器の症状を識別するための識別子である。記憶部11には、機種分類ごとに発生しやすい症状と、当該症状に対応する症状IDと、を含む情報が格納されていても良い。
【0112】
項目「作業スキル」の値は、それぞれの機種分類の作業スキルを示す値である。
【0113】
項目「作業時間」の値は、それぞれの作業スキルのSEが作業をする場合の標準的な作業時間を示す値である。また、項目「作業時間」の値が「不可」である場合には、そのレコードの作業スキルのSEでは、当該機種分類の当該症状に対応する作業を実施できないことを示している。逆に、項目「作業時間」の値が「不可」以外の場合には、そのレコードの作業スキルのSEで、当該機種分類の当該症状に対応する作業を実施できることを示している。
【0114】
なお、記憶部11は、機種分類ごと、機器の症状ごとに、対応する作業を実施できるか否かを示す情報を、作業時間情報114とは別の情報として記憶していても良い。
【0115】
【0116】
顧客情報115は、顧客ごとに規定された情報である。具体的には、顧客情報115は、項目として、「顧客ID」と、「顧客名」と、「顧客住所」と、「除外SE」と、「希望SE」と、を含む。
【0117】
項目「顧客ID」の値は、顧客を識別するための識別子である。
【0118】
項目「顧客名」の値は、顧客の名称を示す値である。
【0119】
項目「顧客住所」の値は、顧客の住所を示す値である。顧客の住所は、当該顧客から依頼された作業を実施する住所に相当する。
【0120】
項目「除外SE」の値は、当該顧客の作業を担当しないSEを示す値である。項目「除外SE」の値は、各サービスステーション等の担当者によって登録されても良く、顧客からの指名によって登録されても良い。項目「除外SE」の値は、設定されていなくても良く、1つまたは複数設定されていても良い。
【0121】
項目「希望SE」の値は、当該顧客が作業を希望するSEを示す値である。項目「希望SE」の値は、各サービスステーション等の担当者によって登録されても良く、顧客からの指名によって登録されても良い。項目「希望SE」の値は、設定されていなくても良く、1つまたは複数設定されていても良い。
【0122】
【0123】
作業履歴情報116は、顧客からの依頼による作業の履歴を示す情報である。具体的には、作業履歴情報116は、項目として、「顧客ID」と、「機種分類」と、「症状ID」と、「SE-ID」と、「作業日」と、「次回訪問予定」と、を含む。
【0124】
項目「顧客ID」の値は、顧客を識別するための識別子である。
【0125】
項目「機種分類」の値は、作業の対象の機器の機種分類を示す値である。
【0126】
項目「症状ID」の値は、機器の症状を識別するための識別子である。
【0127】
項目「SE-ID」の値は、作業を実施したSEを識別するための識別子である。
【0128】
項目「作業日」の値は、作業を実施した日付を示す値である。
【0129】
次に、候補者選定システム10の動作について、図面を参照して説明する。
【0130】
コンタクトセンターの受付担当者は、顧客からの連絡を受けて、コンタクトセンター端末30を操作して、作業依頼情報を入力する。具体的には、コンタクトセンターの受付担当者は、顧客から、お客様の氏名、住所、電話番号(顧客IDは、これらの情報を含む)、機種分類、機器の症状、エラーコード、対象機器の設置場所、作業の希望日、希望するSEの指名等をヒアリングする。そして、受付担当者は、ヒアリングした情報を作業依頼情報に含める。
【0131】
コンタクトセンター端末30は、受付担当者による操作を受けて、作業の候補者を出力する要求を示す信号を、候補者選定システム10に送信する。
【0132】
候補者選定システム10は、作業の候補者を出力する要求を示す信号を受けると、以下に示す全体処理を開始する。
【0133】
図17は、全体処理の一例を示すフローチャートである。
【0134】
候補者選定システム10が全体処理を開始すると、作業依頼情報取得部12は、作業依頼情報を取得する(ステップS11)。具体的には、作業依頼情報取得部12は、コンタクトセンター端末30から作業依頼情報を受信する。なお、このステップS11は、作業依頼情報(第1情報)を取得ステップの一例である。
【0135】
次に、スケジュール情報取得部13は、スケジュール情報を取得する(ステップS12)。具体的には、スケジュール情報取得部13は、スケジュール管理システム20からスケジュール情報を受信する。なお、このステップS12は、スケジュール情報(第2情報)を取得ステップの一例である。
【0136】
次に、候補者選定システム10は、特定作業者決定処理を実行する(ステップS13)。
【0137】
図18は、特定作業者決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0138】
作業者特定情報取得部16は、希望SEがあるか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、作業者特定情報取得部16は、顧客情報115または作業依頼情報117のいずれかの項目「希望SE」に値が設定されているか否かを判定し、値が設定されていれば希望SEがあると判定する。
【0139】
作業者特定情報取得部16が、希望SEがあると判定すると(ステップS21:Yes)、出力部17は、その希望SEの作業予定日時を決定する(ステップS22)。
【0140】
具体的には、作業スキル情報取得部14は、記憶部11から作業スキル情報113を取得する。また、作業時間情報取得部15は、記憶部11から作業時間情報114を取得する。
【0141】
そして、出力部17は、作業スキル情報113に基づいて、希望SEの作業スキルを示す値を取得して、取得した作業スキルを示す値と、作業時間情報114と、に基づいて、当該作業依頼情報117に含まれる機種分類と症状IDに対応する作業時間を示す値を取得する。
【0142】
出力部17は、希望SEの作業時間を示す値と、ステップS12で取得したスケジュール情報118に基づいて、希望SEの作業予定が入っていない日時を決定する。
【0143】
具体的には、出力部17は、作業依頼情報117の希望日に取得した作業時間の作業予定を入れられる場合は、希望日を作業予定の日とし、作業時刻を決定する。
【0144】
また、出力部17は、希望日に作業予定を入れられない場合には、翌日に作業予定を入れられる場合は、希望日の翌日を作業予定の日とし、希望日の翌日に作業予定を入れられない場合には、さらにその翌日といった処理によって、希望日に近い日付の作業予定の日時を決定する。
【0145】
なお、出力部17は、希望日に作業予定を入れられない場合に、希望日より前の日付を作業予定の日としても良い。
【0146】
そして、出力部17は、希望SEを特定作業者として(ステップS23)、特定作業者決定処理を終了し、全体処理(
図17)の候補者選出処理(ステップS14)に移る。
【0147】
また、作業者特定情報取得部16は、希望SEが無いと判定すると(ステップS21:No)、過去3カ月以内に次回訪問予定のある前回の訪問があるか否かを判定する(ステップS24)。
【0148】
具体的には、作業者特定情報取得部16は、記憶部11から作業履歴情報116を取得して、取得した作業履歴情報116の同一の顧客IDの前回の作業のレコードがある場合であって、さらにそのレコードの項目「作業日」において過去3カ月以内の作業日が記録されている場合に、過去3カ月以内に前回の訪問があると判定する。
【0149】
作業者特定情報取得部16が、過去3カ月以内に前回の訪問があると判定すると(ステップS24:Yes)、出力部17は、前回訪問SEの作業予定日時を決定する(ステップS25)。前回訪問SEとは、過去3カ月以内に前回の訪問がある場合における、前回の訪問において作業を行ったSEである。
【0150】
具体的には、出力部17は、ステップS22における希望SEの作業予定日時の決定と同様の処理によって、前回訪問SEの作業予定日時を決定する。
【0151】
そして、出力部17は、前回訪問SEを特定作業者として(ステップS26)、特定作業者決定処理を終了し、全体処理(
図17)の候補者選出処理(ステップS14)に移る。なお、希望SEおよび前回訪問SEは、候補者をあらかじめ特定する作業者特定情報(第5情報)の一例である。
【0152】
また、作業者特定情報取得部16が、過去3カ月以内に前回の訪問が無いと判定すると(ステップS24:No)、出力部17は、特定作業者なしとして(ステップS27)、特定作業者決定処理を終了し、全体処理(
図17)の候補者選出処理(ステップS14)に移る。
【0153】
図19は、候補者選出処理の一例を示すフローチャートである。
【0154】
出力部17は、除外SEを候補から外す検索条件を生成する(ステップS301)。具体的には、出力部17は、記憶部11から顧客情報115を取得して、作業依頼のあった顧客のレコードの項目「除外SE」の値を取得する。そして、出力部17は、項目「除外SE」の値を検索結果に含まない検索条件を生成する。
【0155】
ここで、検索条件とは、記憶部11に格納された作業者情報112から作業可能なSEを検索する条件である。具体的には、作業スキル情報取得部14は、記憶部11から作業スキル情報113を取得する。また、作業時間情報取得部15は、記憶部11から作業時間情報114を取得する。なお、出力部17は、作業スキル情報113および作業時間情報114に基づいて、作業可能な作業スキルを持つSEのみを検索する検索条件を生成する。
【0156】
次に、出力部17は、検索条件に、顧客の住所に対応したサービスステーション内のメイン地区またはサブ地区とする条件を設定する(ステップS302)。
【0157】
そして、出力部17は、作業可能な作業者(SE)を検索する(ステップS303)。
【0158】
出力部17は、検索条件を希望日に設定する(ステップS304)。なお、出力部17は、前述の全体処理のステップS22と同様に、作業依頼情報117に含まれる機種分類と症状IDに対応する作業時間を示す値を取得する。そして、出力部17は、希望日に作業時間を確保できる作業者を検索する検索条件とする。
【0159】
次に、出力部17は、検索条件に、顧客の住所に対応したサービスステーション内のメイン地区またはサブ地区とする条件を設定する(ステップS305)。
【0160】
そして、出力部17は、作業可能な作業者(SE)を検索する(ステップS306)。具体的には、出力部17は、ステップS303の検索結果を対象として、さらに検索する。
【0161】
出力部17は、検索の結果、検索された候補者が3人以上であるか否かを判定する(ステップS307)。
【0162】
出力部17は、検索された候補者が3人以上であると判定すると(ステップS307:Yes)、候補者選出処理を終了して、全体処理(
図17)の出力処理(ステップS15)に移る。なお、このステップS307においては、顧客の希望日を検索条件に含め、また顧客の住所に対応したサービスステーションをメイン地区とするSEを検索しているため、候補者が3人以上であればその候補者を選出することを意味する。
【0163】
また、候補者が3人以上でない場合には、検索条件を緩い条件にしていくことで、ステップS303で検索された候補者が検索されることになる。
【0164】
具体的に、出力部17は、検索された候補者が3人以上でないと判定すると(ステップS307:No)、検索条件に、顧客の住所に対応したサービスステーション内のメイン地区またはサブ地区とする条件を設定する(ステップS308)。
【0165】
そして、出力部17は、作業可能な作業者(SE)を検索する(ステップS309)。
【0166】
出力部17は、検索の結果、検索された候補者が3人以上であるか否かを判定する(ステップS310)。
【0167】
出力部17は、検索された候補者が3人以上であると判定すると(ステップS310:Yes)、候補者選出処理を終了して、全体処理(
図17)の出力処理(ステップS15)に移る。なお、検索された候補者には、ステップS306で検索された候補者と、ステップS309で検索された候補者を合わせた候補者である。
【0168】
このステップS310においては、顧客の希望日を検索条件に含め、また顧客の住所に対応したサービスステーションをメイン地区(ステップS306の検索)またはサブ地区(ステップS309の検索)とするSEを検索しているため、候補者が3人以上であればその候補者を選出することを意味する。
【0169】
出力部17は、検索された候補者が3人以上でないと判定すると(ステップS310:No)、検索条件の日を1加算して(ステップS311)、ステップS305の処理に戻る。
【0170】
以下、検索条件の日を希望日から1日ずつずらしながら、候補者が3人以上になるまで繰り返し検索する。なお、希望日より前の日を検索するようにしても良い。また、希望日より前の日を検索しない場合には、出力部17は、ステップS303の処理において、希望日より前の日を除外して検索しても良い。あるいは、希望日から何日後までを検索するかをあらかじめ設定できるようにしても良い。
【0171】
図20は、出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0172】
出力部17は、候補者が1人以上または特定作業者が1人以上であるか否かを判定する(ステップS41)。出力部17は、候補者が1人以上または特定作業者が1人以上でない(候補者も特定作業者も存在しない)場合には、「該当者なし」を示すメッセージを出力して(ステップS42)、処理を終了する。
【0173】
この場合、出力結果を見て、コンタクトセンターの受付担当者は、顧客の住所に対応するサービスステーションとは別のサービスステーションに所属するSEを手配するなどの対応を別途行うことができる。
【0174】
出力部17は、候補者が1人以上または特定作業者が1人以上である(候補者か特定作業者が存在する)と判定すると、候補者と特定作業者とを合わせて優先順位を決定する(ステップS43)。
【0175】
図21は、優先順位の決定方法の一例を示す図である。
【0176】
出力部17は、設定マスタ情報111Aの項目「動作モード」の値によって、一部異なる優先順位の決定方法を採用する。具体的には、出力部17は、優先順位の1位を、顧客の希望日時に作業できる候補者または特定作業者とする。次に、出力部17は、優先順位の2位を希望SE、3位を前回訪問SEとする。
【0177】
動作モードが繁忙期の場合には、優先順位の4位を移動距離とする。また、動作モードが閑散期の場合には、優先順位の5位を移動距離とする。
【0178】
具体的には、出力部17は、移動経路を含む地図を示す地図情報(第6情報)を取得して、取得した地図情報に基づいて、作業を実施する場所と、スケジュール情報に含まれるSEが作業を実施する日付において存在する予定の場所と、の間の移動距離を算出して、算出した移動距離が短いSEを優先する。
【0179】
なお、出力部17は、図示しないWEBサービス等を提供するサーバから、地図情報を取得しても良い。また、記憶部11が地図情報を格納していても良い。
【0180】
また、出力部17は、作業を実施する前に存在する予定の場所と、作業を実施する場所と、の間の移動距離と、作業を実施する場所と、作業を実施した後に存在する予定の場所と、の間の移動距離と、を合計した移動距離が短いSEを優先するようにしても良い。
【0181】
動作モードが閑散期の場合には優先順位の4位を振分マスタとする。具体的には、出力部17は、振分マスタ情報111Bに基づいて、優先順位を決定する。
【0182】
図22は、候補者の振り分け方法の一例を示す図である。
【0183】
図22は、
図9に示した振分マスタ情報111Bにおいて、例えば、項目「SS-ID」の値が「T01」に関連付けられたレコードにおいて、「機種分類」の値が「ビル用マルチエアコン」に対して、項目「4A」、「3A」、「2A」、「1A」の値が、それぞれ「4」、「2」、「0」、「0」である場合の振り分け方法を示している。
【0184】
具体的には、出力部17は、作業予定の日ごとに何件の作業依頼をどの作業スキルのSEに振り分けたかを示す情報を記憶部11に格納する。そして、振り分けられた作業と振分マスタ情報111Bの設定とがどれだけ乖離しているかを示す乖離率を算出して、乖離率が高い作業スキルのSEを優先して振り分ける。
【0185】
具体的には、例えば、
図22の第1レコードに示されるように、作業予定の日にまだ作業依頼が振り分けられていない機種分類であった場合には、項目「4A」の乖離数が4-0=4であり、項目「3A」の乖離数が2-0=2となる。そして、出力部17は、乖離数の全体に対する割合を算出する。具体的には、項目「4A」の乖離率は、4/(4+2)=66.7(%)であり、項目「3A」の乖離率は、2/(4+2)=33.3(%)である。
【0186】
そこで、出力部17は、乖離率の最も高い項目「4A」の作業スキルを持つSEを優先する。
【0187】
図21に戻り、動作モードが繁忙期の場合には、優先順位の5位をSE属性とする。また、動作モードが閑散期の場合には、優先順位の6位をSE属性とする。
【0188】
SE属性とは、具体的には、顧客の住所に対応したサービスステーションがメイン地区であるかサブ地区であるかによって、優先順位を決定することを示す。出力部17は、メイン地区のSEを、サブ地区のSEよりも優先する。
【0189】
動作モードが繁忙期の場合には、優先順位の6位を作業スキルとする。
【0190】
この場合、出力部17は、作業スキルの高いSEを優先する。
【0191】
このように、出力部17は、サービスステーションごとに設定された動作モードによって、SEの優先順位を決定することができる。
【0192】
図20に戻り、出力部17は、優先順位の1位から3位までの他に特定作業者が含まれるか否かを判定する(ステップS44)。
【0193】
出力部17は、優先順位の1位から3位までの他に特定作業者が含まれると判定すると(ステップS44:Yes)、優先順位の1位から3位までと、それ以外の特定作業者と、を出力する(ステップS45)。
【0194】
【0195】
候補者情報(第3情報)は、選定された候補者を示す情報である。具体的には、候補者情報は、項目として、「優先順位」と、「SE-ID」と、「作業日」と、「作業時刻」と、「特定作業者」と、を含む。
【0196】
項目「優先順位」の値は、優先順位を示す値である。優先順位を示す値は、優先順位情報(第7情報)の一例である。
【0197】
項目「SE-ID」の値は、作業の候補者のSEを識別するための識別子である。
【0198】
項目「作業日」の値は、作業を実施する予定の日付である。
【0199】
項目「作業時刻」の値は、作業を実施する予定の時刻の範囲を示す値である。
【0200】
項目「特定作業者」の値は、特定作業者であることを示す値である。具体的には、項目「特定作業者」の値は、顧客の指名を受けたSEの場合には「顧客指名」となる。また、前回訪問SEの場合には、「前回作業者」となる。
【0201】
図23に示されるように、出力結果の情報は、項目「優先順位」の値が4のレコードとして、特定作業者を示すレコードを含む。
【0202】
図20に戻り、出力部17は、優先順位の1位から3位までの他に特定作業者が含まれないと判定すると(ステップS44:No)、優先順位の1位から3位までを出力する(ステップS46)。
【0203】
【0204】
図24に示されるように、出力結果の情報は、項目「優先順位」の値が1から3のいずれかのレコードとして、特定作業者を示すレコードを含む。
【0205】
なお、ステップS44およびステップS45は、それぞれ、候補者情報(第3情報)を出力するステップの一例である。
【0206】
候補者選定システム10は、上述した全体処理、特定作業者決定処理、候補者選出処理および出力処理を実行するためのプログラムを読み込んで、これらの処理を実行する。これによって、候補者選定システム10は、作業を実施可能な候補者を選定する方法(候補者選定方法)を実現する。
【0207】
上述した実施形態に係る候補者選定システム10によれば、スケジュール管理システム20からスケジュール情報を取得して、SEのスケジュールに基づいて候補者を選出するため、決められた日に作業を実施可能な候補者を選定することができる。
【0208】
本実施形態に係る候補者選定システム10は、機器の症状と、作業を実施する日付と、を示す作業依頼情報117を取得する作業依頼情報取得部12と、複数の作業者のスケジュールを示すスケジュール情報118を取得するスケジュール情報取得部13と、複数の作業者から、作業依頼情報117とスケジュール情報118とに基づいて、作業を実施可能な候補者を選定して、選定された候補者を示す候補者情報を出力する出力部と、を備える。これによって、決められた日に作業を実施可能な候補者を選定することができる。
【0209】
また、本実施形態に係る候補者選定システム10は、機器の症状ごとの作業時間を示す作業時間情報114に基づいて作業を実施可能な候補者を選定する。これによって、機器の症状ごとの作業時間に基づいて候補者を選定することができる。
【0210】
また、本実施形態に係る候補者選定システム10は、あらかじめ特定された作業者を示す作業者特定情報に基づいて、作業を実施可能な候補者を選定する。これによって、あらかじめ特定された作業者群の中から候補者を選定することができる。
【0211】
また、本実施形態に係る候補者選定システム10の出力部17は、複数の候補者を選定する。これによって、複数の候補者を選定することができるため、例えば、受付担当者が顧客に複数の選択肢を提示して、顧客による選択を受けることができる。
【0212】
また、本実施形態に係る作業依頼情報117は、依頼された作業を実施する場所を示す情報を含み、スケジュール情報118は、複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含み、出力部17は、作業を実施する場所と、複数の作業者が作業を実施する日付において存在する予定の場所と、に基づいて、選定された複数の候補者の優先順位を示す優先順位情報をさらに出力する。これによって、作業を実施する場所を考慮に入れて、優先順位情報を出力することができる。
【0213】
また、本実施形態に係るスケジュール情報取得部13は、移動経路を含む地図を示す地図情報をさらに取得し、出力部17は、作業依頼情報117に含まれる作業を実施する場所と、スケジュール情報118に含まれる作業者が作業を実施する日付において存在する予定の場所と、の間の移動距離を地図情報に基づいて算出して、算出した移動距離に基づいて、優先順位情報を出力する。これによって、作業を実施する日付における作業者の移動距離に基づいて、優先順位情報を出力することができる。
【0214】
また、本実施形態に係るスケジュール情報118は、複数の作業者が存在する予定の場所と時刻とを関連付けて示す情報を含み、出力部17は、作業を実施する前に存在する予定の場所と、作業を実施する場所と、の間の移動距離と、作業を実施する場所と、作業を実施した後に存在する予定の場所と、の間の移動距離と、を合計した移動距離に基づいて、優先順位情報を出力する。これによって、作業を実施する日付における作業の実施前後の移動距離に基づいて、優先順位情報を出力することができる。
【0215】
また、本実施形態に係る候補者選定システム10は、機器の症状ごとの複数の作業者のスキルを示す情報および/または作業者の評価を示す情報である作業スキル情報113を取得する作業スキル情報取得部14をさらに備え、出力部17は、作業依頼情報117の示す機器の症状と、作業スキル情報113と、に基づいて、優先順位情報を出力する。これによって、作業者のスキルを示す情報および/または作業者の評価を示す情報に基づいて、優先順位情報を出力することができる。
【0216】
また、本実施形態に係る作業依頼情報117は、依頼された作業を実施する場所を示す情報を含み、スケジュール情報118は、複数の作業者が存在する予定の場所を日付ごとに示す情報を含み、出力部17は、作業を実施する場所と、複数の作業者が作業を実施する日付において存在する予定の場所と、に基づく優先順位と、作業依頼情報117の示す機器の症状と、作業スキル情報113と、に基づく優先順位と、のいずれを優先するかを、あらかじめ設定されたモードに基づいて決定し、決定した優先順位を示す優先順位情報を出力する。これによって、あらかじめ設定されたモードに基づいて、優先順位情報を出力することができる。
【0217】
(変形例)
上述した実施形態において、作業スキル情報113は、機器の症状ごとの複数の作業者のスキルを示す情報である例を示したが、本発明の範囲はこれに限られない。作業スキル情報113は、作業者の評価を示す情報であっても良い。具体的には、「作業者の評価」とは、第三者による作業者の評価を示す情報である。この評価は、各サービスステーションが設定することができる。また、顧客がSEに対して行うアンケート結果を集約して、評価を示す情報として用いることもできる。
【0218】
すなわち、作業スキル情報113は、複数の作業者の評価スキルを示す情報および/または作業者の評価を示す情報であっても良い。
【0219】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0220】
1 サービス業務システム
10 候補者選定システム
11 記憶部
12 作業依頼情報取得部
13 スケジュール情報取得部
14 作業スキル情報取得部
15 作業時間情報取得部
16 作業者特定情報取得部
17 出力部
20 スケジュール管理システム
30 コンタクトセンター端末
40 公衆ネットワーク
50 ローカルエリアネットワーク