IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

<>
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図1
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図2
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図3
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図4
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図5
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図6
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図7
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図8
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図9
  • 特許-ゲームプログラムおよびゲームシステム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/63 20140101AFI20241113BHJP
   A63F 13/497 20140101ALI20241113BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20241113BHJP
【FI】
A63F13/63
A63F13/497
A63F13/80 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020151054
(22)【出願日】2020-09-09
(65)【公開番号】P2022045452
(43)【公開日】2022-03-22
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特許第5525096(JP,B1)
【文献】特開2017-196338(JP,A)
【文献】特開2020-110303(JP,A)
【文献】特開2020-031789(JP,A)
【文献】特開2006-341086(JP,A)
【文献】特開2015-008985(JP,A)
【文献】ドラゴンクエストライバルズ,SE-MOOK ドラゴンクエストライバルズ 公式ガイド+ビジュアルコレクション,2018年11月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-A63F 13/98
A63F 9/24
YouTube
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、記憶部と、ユーザにより操作入力される操作部と、コンピュータとを有するゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されて対戦ゲームを実現するゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
対戦を開始する前に、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記対戦に使用するためのゲーム媒体の設定を実行する設定手段、
前記対戦中に前記表示部に表示された動画をリプレイするためのリプレイデータを前記対戦ごとに前記記憶部に記録する記録手段、
前記記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、前記操作部に対するユーザの操作に基づき少なくとも1つのリプレイデータを選択する選択手段、および、
前記選択手段により選択された前記リプレイデータに基づき、前記ゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成し、前記記憶部に保存するテンプレート作成手段、として機能させ、
前記設定手段は、対戦を開始する前に、前記テンプレートにより規定された前記ゲーム媒体の設定を含む前記ゲーム媒体の設定を実行可能であり、
前記対戦ゲームは、ユーザが所有するゲーム媒体を用いた対戦ゲームであり、
選択された前記リプレイデータに対応する前記対戦における複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体である非所有媒体が含まれている場合、前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づき、前記非所有媒体と所定の関係にあり且つユーザが所有しているゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成し、
前記所定の関係は、前記非所有媒体とゲーム媒体のそれぞれの所定の種類のパラメータが互いに一致または近い関係にあることであり、
前記所定の種類のパラメータは、職種、属性、ステータス、レアリティの少なくとも1つを含む、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、仮想空間を生成する仮想空間生成手段として更に機能させ、
前記設定手段は、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記ゲーム媒体を前記仮想空間に配置し、
前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づき、前記ゲーム媒体の配置位置を規定したテンプレートを作成する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記対戦ゲームは、ユーザが所有するゲーム媒体としてのカードを用いたカード対戦ゲームであり、
前記設定手段は、対戦を開始する前に、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、所有する複数のゲーム媒体の中から、対戦に使用するための複数のゲーム媒体を選択し、
前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づき、対戦に使用するための複数のゲーム媒体の選択を規定したテンプレートを作成する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
表示部と、記憶部と、ユーザにより操作入力される操作部と、コンピュータとを有するゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されて対戦ゲームを実現するゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
対戦を開始する前に、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記対戦に使用するためのゲーム媒体の設定を実行する設定手段、
前記対戦中に前記表示部に表示された動画をリプレイするためのリプレイデータを前記対戦ごとに前記記憶部に記録する記録手段、
前記記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、前記操作部に対するユーザの操作に基づき少なくとも1つのリプレイデータを選択する選択手段、および、
前記選択手段により選択された前記リプレイデータに基づき、前記ゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成し、前記記憶部に保存するテンプレート作成手段、として機能させ、
前記設定手段は、対戦を開始する前に、前記テンプレートにより規定された前記ゲーム媒体の設定を含む前記ゲーム媒体の設定を実行可能であり、
前記対戦ゲームは、ユーザが所有するゲーム媒体を用いた対戦ゲームであり、
選択された前記リプレイデータに対応する前記対戦における複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体である非所有媒体が含まれている場合、前記テンプレート作成手段は、前記非所有媒体の入手にユーザを誘導する、ゲームプログラム。
【請求項5】
前記リプレイデータは、前記対戦中の前記操作部に対するユーザの操作により生成される操作入力データを含み、
前記テンプレート作成手段は、前記操作入力データに基づき、前記ゲーム媒体の設定に関する情報を取得する、請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
表示部と、記憶部と、ユーザにより操作入力される操作部と、コンピュータとを有するゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されて対戦ゲームを実現するゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
対戦を開始する前に、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記対戦に使用するためのゲーム媒体の設定を実行する設定手段、
前記対戦中に前記表示部に表示された動画をリプレイするためのリプレイデータを前記対戦ごとに前記記憶部に記録する記録手段、
前記記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、前記操作部に対するユーザの操作に基づき少なくとも1つのリプレイデータを選択する選択手段、および、
前記選択手段により選択された前記リプレイデータに基づき、前記ゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成し、前記記憶部に保存するテンプレート作成手段、として機能させ、
前記設定手段は、対戦を開始する前に、前記テンプレートにより規定された前記ゲーム媒体の設定を含む前記ゲーム媒体の設定を実行可能であり、
前記リプレイデータは、動画データであり、
前記テンプレート作成手段は、前記動画データに基づき前記表示部に表示される動画を画像認識することによって、前記ゲーム媒体の設定に関する情報を取得する、ゲームプログラム。
【請求項7】
前記選択手段は、前記記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、前記操作部に対するユーザの操作に基づき複数のリプレイデータを選択し、
前記テンプレート作成手段は、選択された前記複数のリプレイデータから1のテンプレートを作成する、請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
対戦ゲームには、対戦を開始する前に、ユーザが対戦に使用するゲーム媒体の選択や配置などの設定を行うものがある。例えばユーザが自分の村を作ったり他のユーザが作った村を攻撃したりする村づくり系の対戦型戦略ゲームが知られている。この種のゲームでは、他ユーザから自分の村が攻撃を受ける前に、仮想空間としての自分の村に施設やキャラクタなどを配置して、他ユーザからの攻撃に対し効果的に自分の村を防御できるよう準備する。また、デッキの中から使用可能なゲーム媒体としてのカードが選択されるカード対戦ゲームが知られている。この種のゲームでは、ユーザは、対戦が開始される前に、所有する複数のカードの中から、その対戦において使用したい複数のカードを選択してデッキを構築する。
【0003】
このような対戦ゲームには、対戦前のゲーム媒体の選択や配置などの手間を低減すべく、ゲーム媒体の設定を規定したテンプレートをユーザが作成できるものがある。例えば特許文献1には、ユーザがゲーム空間内に様々な施設を配置して街作りを行うゲームにおいて、施設の種類や施設の配置を規定するテンプレートをユーザが作成できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5525096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のテンプレートは、例えば他のユーザのある種類の攻撃に対して所定の効果を発揮するなどといった特定の狙いを持って作成されることが多い。しかしながら、テンプレートを作成する段階では、そのテンプレートがユーザの望むような効果を実際の使用時に発揮するのかユーザにとって判断が難しいため、ユーザは、作成したテンプレートを実際に使用してそのテンプレートが狙いどおりの効果を発揮するものとなっているかを確認するしかなかった。このため、ユーザが所望する効果を発揮するテンプレートを作り上げるまでに多くの時間を要していた。
【0006】
そこで本発明は、ゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成可能なゲームにおいて、ユーザが所望する効果を発揮するテンプレートを作成しやすいゲームを実現するゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、第1の発明は、表示部と、記憶部と、ユーザにより操作入力される操作部と、コンピュータとを有するゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されて対戦ゲームを実現するゲームプログラムであって、前記コンピュータを、対戦を開始する前に、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記対戦に使用するためのゲーム媒体の設定を実行する設定手段、前記対戦中に前記表示部に表示された動画をリプレイするためのリプレイデータを前記対戦ごとに前記記憶部に記録する記録手段、前記記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、前記操作部に対するユーザの操作に基づき少なくとも1つのリプレイデータを選択する選択手段、および、前記選択手段により選択された前記リプレイデータに基づき、前記ゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成するテンプレート作成手段、として機能させ、前記設定手段は、対戦を開始する前に、前記テンプレートにより規定された前記ゲーム媒体の設定を含む前記ゲーム媒体の設定を実行可能である、ゲームプログラムである。
【0008】
第1の発明によれば、ユーザは、リプレイされる対戦を見て、その対戦におけるゲーム媒体の設定の有効性を判断したうえで、そのリプレイデータからゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成できる。このため、ユーザが望む効果を発揮するテンプレートを作成しやすい。
【0009】
また、第1の発明において、前記コンピュータを、仮想空間を生成する仮想空間生成手段として更に機能させ、前記設定手段は、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記ゲーム媒体を前記仮想空間に配置し、前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づき、前記ゲーム媒体の配置位置を規定したテンプレートを作成してもよい。これにより、例えばユーザが自分の村を作ったり他のユーザが作った村を攻撃したりする村づくり系の対戦型戦略ゲームに適用できる。
【0010】
また、第1の発明において、前記対戦ゲームは、ユーザが所有するゲーム媒体としてのカードを用いたカード対戦ゲームであり、前記設定手段は、対戦を開始する前に、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、所有する複数のゲーム媒体の中から、対戦に使用するための複数のゲーム媒体を選択し、前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づき、対戦に使用するための複数のゲーム媒体の選択を規定したテンプレートを作成してもよい。これにより、例えばユーザがカード対戦ゲームにおけるデッキのテンプレートをリプレイデータから作成できる。
【0011】
また、第1の発明において、前記設定手段は、前記対戦に使用するための複数のゲーム媒体の設定を実行し、選択された前記リプレイデータに対応する前記対戦における前記複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体が含まれている場合、前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づくテンプレートの作成を実行しなくてもよい。これにより、リプレイされた対戦に使用された設定を完全にコピーしたテンプレートを作成できるか否かを判断できる。
【0012】
また、第1の発明において、前記設定手段は、前記対戦に使用するための複数のゲーム媒体の設定を実行し、選択された前記リプレイデータに対応する前記対戦における前記複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体が含まれている場合、前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づき、前記複数のゲーム媒体のうちのユーザが所有するゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成してもよい。これにより、リプレイされた対戦に使用された複数のゲーム媒体の全部をユーザが所有していない場合でも、その一部を抽出したテンプレートを作成できる。
【0013】
また、第1の発明において、前記対戦ゲームは、ユーザが所有するゲーム媒体を用いた対戦ゲームであり、選択された前記リプレイデータに対応する前記対戦における前記複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体である非所有媒体が含まれている場合、前記テンプレート作成手段は、選択された前記リプレイデータに基づき、前記非所有媒体と所定の関係にあり且つユーザが所有しているゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成し、前記所定の関係は、前記非所有媒体とゲーム媒体のそれぞれの所定の種類のパラメータが互いに一致または近い関係にあることであり、前記所定の種類のパラメータは、職種、属性、ステータス、レアリティの少なくとも1つを含んでもよい。これにより、リプレイされた対戦に使用された設定に近しい設定を規定したテンプレートの作成を行うことができる。
【0014】
また、第1の発明において、前記対戦ゲームは、ユーザが所有するゲーム媒体を用いた対戦ゲームであり、選択された前記リプレイデータに対応する前記対戦における前記複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体である非所有媒体が含まれている場合、前記テンプレート作成手段は、前記非所有媒体の入手にユーザを誘導してもよい。これにより、リプレイされた対戦に使用された設定と同じ設定を規定したテンプレートの作成を容易に行うことができる。
【0015】
また、第1の発明において、前記リプレイデータは、前記対戦中の前記操作部に対するユーザの操作により生成される操作入力データを含み、前記テンプレート作成手段は、前記操作入力データに基づき、前記ゲーム媒体の設定に関する情報を取得してもよい。これにより、少ないデータ量のリプレイデータからテンプレートを作成できる。
【0016】
あるいは、第1の発明において、前記リプレイデータは、動画データであり、前記テンプレート作成手段は、前記動画データに基づき前記表示部に表示される動画を画像認識することによって、前記ゲーム媒体の設定に関する情報を取得してもよい。これにより、リプレイデータとして動画データを記憶するゲームにおいて、リプレイデータからテンプレートを作成することができる。
【0017】
第1の発明において、前記選択手段は、前記記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、前記操作部に対するユーザの操作に基づき複数のリプレイデータを選択し、前記テンプレート作成手段は、選択された前記複数のリプレイデータから1のテンプレートを作成してもよい。これにより、リプレイされる対戦に使用された設定により近い設定を規定したテンプレートを作成できる。
【0018】
第2の発明は、上記のいずれかのゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステムである。
【0019】
なお、前記ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部は、ゲームシステムが含む装置に内蔵または外付けされる読み書き可能または読み取り可能な記憶装置または記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等を用いることができる。前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムは、前記プログラム記憶部が直接接続される装置において実行されてもよいし、前記プログラム記憶部とネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続された装置においてダウンロードされて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成可能なゲームであって、ユーザが所望する効果を発揮するテンプレートを作成しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係るゲームシステムを示すブロック図である。
図2】第1実施形態で説明されるゲームの対戦画面の一例を示す図である。
図3】第1実施形態で説明されるゲームの設定画面の一例を示す図である。
図4】対戦実行処理の流れを示すフローチャートである。
図5】テンプレート作成処理の流れを示すフローチャートである。
図6】第1実施形態で説明されるゲームのリプレイリスト画面の一例を示す図である。
図7】第1実施形態で説明されるゲームのリプレイ画面の一例を示す図である。
図8】第2実施形態で説明されるゲームの対戦画面の一例である。
図9】リプレイデータを用いたデッキの作成例を説明するための模式図である。
図10】リプレイデータを用いたデッキの作成例を説明するための別の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
[ゲームシステムの概要]
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム1を示すブロック図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置2と複数のゲーム装置3とを備える。サーバ装置2は、ゲームシステム1により実現されるゲームの運営者などにより管理される装置である。複数のゲーム装置3は、それぞれ複数のユーザにより操作入力される装置である。例えば、ゲーム装置3は、多機能携帯電話(スマートフォン)などの携帯端末装置であり、ゲームシステム1では、サーバ装置2とゲーム装置3とがネットワーク4を通じて相互に通信することによって進行されるモバイルゲームを実現する。
【0023】
図2は、第1実施形態で説明されるゲームの対戦画面D1の一例である。本実施の形態で説明されるゲームは、各ユーザが仮想空間Sに自分の要塞B1を作り、他のユーザの要塞B1を攻撃して所定の目標を達成することを目指す対戦型戦略ゲームである。図2の対戦画面D1には、仮想空間Sに配置されたあるユーザの要塞B1を、別のユーザが攻撃する場面が示されている。
【0024】
本ゲームでは、1つの対戦において、互いに対戦する2人のユーザのうちの一方は、攻撃側となり、他方は防衛側となる。具体的には、あるユーザが他のユーザに攻撃を仕掛けることにより対戦が開始され、攻撃を仕掛けたユーザが、自陣の要塞B1を守る防衛側ユーザとなり、他方が、防衛側ユーザの要塞B1を攻撃する攻撃側ユーザとなる。攻撃側ユーザが防衛側ユーザの要塞B1を攻撃して、所定の目標(例えば要塞B1の破壊率が所定値を超える、要塞B1の中心に位置するターゲットオブジェクトを破壊する、など)が達成されたときは攻撃側ユーザの勝ちとなり、目標が達成されなかったときは防衛側ユーザの勝ちとなる。
【0025】
本ゲームでは、各ユーザは、対戦前に予め自分の要塞B1を設定する。各ユーザの要塞B1は、複数のゲーム媒体B2(以下、「防衛用媒体B2」と称する)を含む。例えば、防衛用媒体B2は、建物、塀ブロック、大砲、弓、キャラクタ、罠、アイテムなどの仮想空間Sに配置可能なオブジェクトである。各ユーザは、様々な種類の防衛用媒体B2を所有している。各ユーザが所有する防衛用媒体B2の数や種類は、各ユーザのゲームの進行状況などに応じて異なる。各ユーザは、自分の所有する防衛用媒体B2を仮想空間Sに配置して、要塞B1を作成できる。
【0026】
また、各ユーザは、他のユーザの要塞B1を攻撃するための様々な種類のゲーム媒体C(以下、「攻撃用媒体C」と称する)を所有している。攻撃用媒体Cは、キャラクタ、戦車、戦闘機、アイテムなどの仮想空間Sに配置可能なオブジェクトである。対戦では、攻撃側ユーザが、自分の所有する攻撃用媒体Cを、仮想空間Sにおける所定の配置可能範囲(例えば要塞B1の外側の領域)に自由に配置して、防衛側ユーザの要塞B1を攻撃する。
【0027】
要塞B1は、防衛用媒体B2の配置や種類に応じて、攻撃側ユーザに攻め込まれやすかったり、攻め込まれにくかったりする。すなわち、対戦前に要塞B1をどのように設定するかが、対戦の勝敗を大きく左右する。ユーザは、自陣の要塞B1を他のユーザからの攻撃に対してできるだけ強固なものとすることで、ゲームを有利に進めることができる。
【0028】
[サーバ装置のハードウェア構成]
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成について説明する。
【0029】
サーバ装置2は、各ゲーム装置3(アカウント)のゲームデータを管理する。また、サーバ装置2は、各ゲーム装置3と所定のタイミングで相互に通信し、各ゲーム装置3にてユーザがプレイするゲームを進行させる。
【0030】
サーバ装置2は、制御部20を備える。制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部20には、バス20aを介して記憶部21および通信I/F部22が、それぞれ接続されている。
【0031】
記憶部21は、例えば、大容量記録媒体であるHDD(Hard Disk Drive)、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAM(Random Access Memory)を含む。記憶部21は、ゲームを実現するためのゲームデータを記憶する。ゲームデータには、ゲームプログラムが含まれる。ゲームデータには、ユーザデータ21aおよびリプレイデータ21cが含まれる。ユーザデータ21aおよびリプレイデータ21cについて、詳細は後述する。
【0032】
通信I/F部22は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワーク4に対してサーバ装置2を接続するインタフェースである。サーバ装置2は、通信I/F部22を介して、ゲーム装置3との間で、データの送受信を行う。
【0033】
[ゲーム装置のハードウェア構成]
次に、ゲーム装置3のハードウェア構成について説明する。ゲーム装置3は、ゲームへユーザがログイン中において、常時または所定期間ごとに、サーバ装置2と通信を行う。ゲーム装置3は、ユーザによる操作入力に応じてゲームを進行させる。
【0034】
ゲーム装置3は、制御部30を備える。制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部30には、バス30aを介して、タッチスクリーン31、記憶部32、音響出力部33、および通信I/F部34が、それぞれ接続されている。
【0035】
タッチスクリーン31は、ユーザによるゲームを行うための操作を受け付けるとともに、ゲーム画像を表示する。すなわち、タッチスクリーン31は、ユーザの操作に対応した操作情報を制御部30に入力する入力装置(操作部)として機能するとともに、制御部30の制御に従ってゲームの画像などを表示する表示装置(表示部)としても機能する。
【0036】
記憶部32は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMを含む。記憶部32には、通信ネットワーク4などを介して外部からダウンロードしたゲームデータが記憶されている。ゲームデータには、ゲームプログラムが含まれる。また、ゲームデータには、テンプレートデータ32aが含まれる。テンプレートデータ32aについて、詳細は後述する。
【0037】
音響出力部33は、制御部30の制御に従って、ゲームの進行に応じたゲーム音声を出力する装置である。
【0038】
通信I/F部34は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワーク4に対してゲーム装置3を接続するインタフェースである。ゲーム装置3は、通信I/F部34を介して、他のゲーム装置3との間で、およびサーバ装置2との間で、データの送受信を行う。
【0039】
[サーバ装置の機能的構成]
図1には、サーバ装置2の制御部20の機能的構成が示される。サーバ装置2の制御部20は、記憶部21に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、データ管理手段41、および記録手段42として機能する。
【0040】
データ管理手段41は、ゲーム装置3から受信されるデータや、ゲーム装置3に送信するデータを管理する。データ管理手段41は、ユーザデータ21aおよびリプレイデータ21cなどのサーバ装置2の記憶部21に記憶されたデータを管理する。
【0041】
ユーザデータ21aは、ユーザを識別するためのユーザアカウント(ユーザID)とそれに紐づけられたデータである。ユーザIDに紐づけられたデータには、ユーザが過去に進行させたゲームの進行状態を示すセーブデータが含まれる。例えば、ユーザデータ21aには、ユーザの過去の対戦における勝敗数などを示す対戦履歴に関するデータや、ユーザが所有するゲーム媒体B2,Cに関するデータなどが含まれる。なお、ユーザがゲーム媒体を所有するとは、ユーザがそのゲーム媒体を所有する状態であることを示す情報を、そのユーザのユーザIDに紐づけて記憶することを意味する。
【0042】
例えば、ユーザデータ21aには、設定データ21bが含まれる。設定データ21bは、ユーザが対戦に使用する要塞B1として決定した要塞B1の設定に関するデータである。より詳しくは、設定データ21bは、仮想空間Sのどの位置にどの種類の防衛用媒体B2を配置したかを示すデータであり、防衛用媒体B2の種類と、仮想空間Sにおける防衛用媒体B2を配置した位置とを関連付けて記憶したデータである。
【0043】
リプレイデータ21cは、各ユーザのゲーム装置3の対戦画面D1として表示される動画をリプレイするためのデータである。リプレイデータ21cは、記録手段42により記録される。
【0044】
記録手段42は、対戦中にゲーム装置3のタッチスクリーン31に表示された動画をリプレイするためのリプレイデータ21cを対戦ごとに記憶部21に記録する。本実施形態では、リプレイデータ21cは、動画データ自体を含まない。リプレイデータ21cは、動画をリプレイする直前にリプレイするための動画データを作成することを可能にするデータである。
【0045】
具体的には、リプレイデータ21cは、対戦に使用された防衛側ユーザの要塞B1の設定に関するデータと、対戦中のタッチスクリーン31に対する攻撃側ユーザの操作により生成される操作入力データとを含む。対戦に使用された防衛側ユーザの要塞B1の設定に関するデータとは、防衛用媒体B2の種類と、仮想空間Sにおける防衛用媒体B2を配置した位置とを関連付けて記憶したデータである。対戦中のタッチスクリーン31に対する攻撃側ユーザの操作により生成される操作入力データとは、対戦開始からの経過時間と、攻撃用媒体Cの種類と、仮想空間Sにおける攻撃用媒体Cを配置した位置とを関連付けて記憶したデータである。これらの他、リプレイデータ21cは、各ゲーム媒体の各種パラメータや対戦する各ユーザや対戦に関するパラメータ(例えばスコアや各ユーザの資金など)なども含み得る。
【0046】
[ゲーム装置の機能的構成]
また、図1には、ゲーム装置3の制御部30の機能的構成が示される。ゲーム装置3の制御部30は、記憶部32に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、仮想空間生成手段51、設定手段52、対戦実行手段53、選択手段55、およびテンプレート作成手段54として機能する。
【0047】
仮想空間生成手段51は、仮想空間Sを生成する。仮想空間Sは、三次元の空間でもよいし、二次元の空間でもよい。本ゲームの対戦では、仮想空間Sには、少なくとも1つの要塞B1が配置される。
【0048】
設定手段52は、対戦を開始する前に、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、対戦に使用する1の要塞B1(より詳しくは、他ユーザから攻撃を仕掛けられたときに攻撃対象となる要塞B1)の設定を実行する。
【0049】
図3は、第1実施形態で説明されるゲームの設定画面D2の一例を示す図である。設定画面D2は、対戦に使用する要塞B1の設定を行うためのゲーム画面である。設定手段52は、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、設定画面D2をタッチスクリーン31に表示させる。ユーザは、タッチスクリーン31に表示された設定画面D2を通じて、自陣の要塞B1を設定できる。本例において、設定画面D2は、新規作成ボタンE1、配置変更ボタンE2、テンプレート選択ボタンE3、設定内容表示領域E4を含む。
【0050】
ユーザは、設定画面D2における新規作成ボタンE1、配置変更ボタンE2、テンプレート選択ボタンE3を選択および実行することにより、自陣の要塞B1の設定を行うことができる。
【0051】
設定手段52による要塞B1の設定には、新たに作成した要塞B1を、対戦に使用する要塞B1として設定することが含まれる。例えば、ユーザは、タッチスクリーン31を操作して新規作成ボタンE1を選択および実行することによって、仮想空間Sに防衛用媒体B2を配置して、新たな要塞B1を作ることができる。ユーザが要塞B1を作成するために使用可能な防衛用媒体B2の種類や数は、ユーザが所有する防衛用媒体B2に限られる。設定手段52は、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、新たに作成した要塞B1を、対戦に使用する要塞B1として設定する。
【0052】
設定手段52による要塞B1の設定には、既に対戦に使用するものとして設定中である要塞B1の一部または全部を変更することが含まれる。例えば、ユーザは、タッチスクリーン31を操作して配置変更ボタンE2を選択および実行することによって、現在設定中の要塞B1が含む防衛用媒体B2の一部または全部の配置や種類を変更することができる。設定手段52は、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、配置変更後の要塞B1を、対戦に使用する要塞B1として設定する。
【0053】
本ゲームにおいて、ユーザは、対戦に使用する要塞B1として選択可能な1以上の要塞をテンプレートとして保存しておくことができる。そして、設定手段52による要塞B1の設定には、テンプレートとして保存された要塞B1を、対戦に使用する要塞B1として設定することが含まれる。すなわち、設定手段52は、対戦を開始する前に、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、保存された1以上のテンプレートの中から1のテンプレートを選択し、選択したテンプレートにより規定された要塞B1を、対戦に使用する要塞B1として設定可能である。なお、テンプレートは、テンプレート作成手段54により作成される。テンプレートの作成について詳細は後述する。
【0054】
設定内容表示領域E4には、対戦に使用する要塞B1として設定中の要塞B1の内容が表示される。現在設定中の要塞B1は、他ユーザから攻撃を受ける対象となる要塞である。設定内容表示領域E4は、外観表示欄E5およびゲーム媒体リスト欄E6を含む。外観表示欄E5には、対戦に使用する要塞B1として現在設定中の要塞B1の外観をユーザが視認できるよう、設定中の要塞B1を平面視した模式図が表示される。ゲーム媒体リスト欄E6には、現在設定中の要塞B1が含む防衛用媒体B2のリストが表示される。
【0055】
設定手段52は、対戦に使用する1の要塞B1の設定を実行した後に、その設定に関する設定データ21bを生成し、記憶部32に記憶する。また、設定手段52は、生成した設定データ21bをサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2が設定データ21bを受信すると、データ管理手段41は、受信した設定データ21bをユーザIDに紐づけて記憶部21に記憶する。
【0056】
図1に戻って、対戦実行手段53は、ユーザ同士の対戦を進行させる。具体的には、対戦実行手段53は、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力に基づき、対戦する他のユーザを選択する。対戦が開始すると、対戦実行手段53は、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力に基づき、他のユーザの要塞B1が配置された仮想空間Sに攻撃用媒体Cを配置し、他のユーザの要塞B1を攻撃する。対戦が終了すると、対戦実行手段53は、対戦結果情報を、ゲーム装置3からサーバ装置2に送信する。
【0057】
テンプレート作成手段54は、対戦に使用可能な要塞B1のテンプレートを作成し、テンプレートデータ32aとして記憶部32に保存する。テンプレートデータ32aは、仮想空間Sのどの位置にどの種類の防衛用媒体B2を配置したかを示すデータである。例えば、テンプレートは、設定画面D2の新規作成ボタンE1を実行して新たに作成した要塞B1や、設定画面D2の配置変更ボタンE2を実行して既に作成された要塞の配置を変更することにより得られた要塞B1を、ユーザが後でいつでも対戦に使用する要塞B1として設定できるよう保存される。本ゲームにおいて、テンプレートデータ32aの数、すなわち各ユーザが記憶部32に保存可能なテンプレートの数は、予め定めた上限数に制限されている。テンプレート作成手段54は、テンプレートデータ32aをゲーム装置3の記憶部32に保存しなくてもよく、例えば、サーバ装置2へ送信してサーバ装置2の記憶部21にユーザデータ21aの一部として保存してもよい。
【0058】
本実施形態では、テンプレートは、ユーザが一から作成したものの他、対戦前の防衛用媒体B2の選択や配置などの手間を低減すべく、過去の対戦のリプレイデータ21cから作ることが可能となっている。テンプレート作成手段54と選択手段55とは、リプレイデータ21cからテンプレートを作成するテンプレート作成処理を実行する。
【0059】
[対戦実行処理]
テンプレート作成処理について説明する前に、リプレイデータ21cがサーバ装置2の記憶部21に記録されるまでの処理について、図4を参照して説明する。図4は、対戦相手の選択からリプレイデータ21cが記録されるまでの処理(以下、「対戦実行処理」と称する)の流れを示すフローチャートである。
【0060】
対戦実行処理では、まず対戦する他のユーザ、すなわち対戦相手の選択が行われる。具体的には、対戦実行手段53が、タッチスクリーン31に対するユーザの操作入力に基づき、ゲーム装置3からサーバ装置2にユーザリスト要求を送信する(ステップS101)。サーバ装置2がユーザリスト要求を受信すると、データ管理手段41が、ユーザリスト要求を送信したゲーム装置3にユーザリスト情報を送信する(ステップS201)。ゲーム装置3がユーザリスト情報を受信すると、対戦実行手段53は、受信したユーザリスト情報に基づき、ユーザリストをタッチスクリーン31に表示させる(ステップS102)。
【0061】
ユーザリストは、対戦相手として選択可能な他のユーザのリストである。言い換えれば、ユーザリストは、ユーザが攻撃可能な他ユーザまたはその要塞B1を示すリストである。本ゲームでは、ユーザリストには、他のユーザがゲームへログイン中か否かに関係なく、サーバ装置2に設定データ21bを記憶した他のユーザが全て含まれる。ただし、ユーザリストには、ゲームへログイン中の他のユーザのみが含まれてもよい。
【0062】
ユーザリストの中から1の対戦相手が選択されると、選択された対戦相手との対戦が開始される。すなわち、タッチスクリーン31に対するユーザの操作入力により対戦相手が選択されると、対戦実行手段53は、選択された対戦相手を示すユーザ選択情報を、ゲーム装置3からサーバ装置2に送信する(ステップS103)。サーバ装置2がユーザ選択情報を受信すると、データ管理手段41が、ユーザ選択情報を送信したゲーム装置3に、ユーザ選択情報に対応するユーザの設定データ21bを送信する(ステップS202)。
【0063】
ゲーム装置3が設定データ21bを受信すると、対戦実行手段53は、受信した設定データ21bに基づき、対戦を開始する(ステップS104)。具体的には、仮想空間生成手段51は、受信した設定データ21bに基づき、対戦相手(すなわち、防衛側となる他ユーザ)の要塞B1が配置された仮想空間Sを生成する。そして、対戦実行手段53は、ゲーム装置3に対するユーザ(すなわち、攻撃側ユーザ)の操作入力に基づき、対戦相手の要塞B1が配置された仮想空間Sに攻撃用媒体Cを配置し、対戦相手の要塞B1を攻撃する。このように、本ゲームでは、対戦相手のゲーム装置3がオフラインであるときでも(対戦相手がゲームへ未ログインであるときでも)、設定データ21bがサーバ装置2に記憶されてさえすれば、他ユーザの要塞B1を攻撃することが可能となっている。
【0064】
対戦が終了すると、対戦実行手段53は、対戦結果情報を、ゲーム装置3からサーバ装置2に送信する(ステップS105)。対戦結果情報には、例えば、要塞B1の破壊に成功したか否かを示す情報や、攻撃側ユーザが対戦から得た報酬に関する情報などが含まれる。また、対戦結果情報には、対戦中にタッチスクリーン31に表示された動画をリプレイするためのデータであるリプレイデータ21cが含まれる。
【0065】
サーバ装置2が対戦結果情報を受信すると、データ管理手段41が、対戦結果情報に基づき、記憶部21に記憶されたユーザデータ21a(例えば対戦履歴など)を更新する(ステップS203)。また、記録手段42は、対戦結果情報に含まれるリプレイデータ21cを記憶部21に記録する(ステップS204)。なお、リプレイデータ21cは、対戦終了後にゲーム装置3からサーバ装置2に送られる必要はなく、対戦中に複数回に分けて例えば所定時間ごとにゲーム装置3からサーバ装置2に送られてもよい。
【0066】
[テンプレート作成処理]
次に、リプレイデータ21cからテンプレートを作成するテンプレート作成処理の流れについて、図5を参照して説明する。
【0067】
テンプレート作成処理では、まずサーバ装置2の記憶部21に記録された複数のリプレイデータ21cの中から、リプレイする1のリプレイデータ21cが選択される。具体的には、選択手段55が、タッチスクリーン31に対するユーザの操作入力に基づき、ゲーム装置3からサーバ装置2にリプレイリスト要求を送信する(ステップS111)。サーバ装置2がリプレイリスト要求を受信すると、データ管理手段41が、リプレイリスト要求を送信したゲーム装置3にリプレイリスト情報を送信する(ステップS211)。ゲーム装置3がリプレイリスト情報を受信すると、選択手段55は、受信したリプレイリスト情報に基づき、リプレイリストをタッチスクリーン31に表示させる(ステップS112)。
【0068】
図6は、ゲーム装置3(詳細にはタッチスクリーン31)に表示されるリプレイリスト画面D3の一例を示す図である。リプレイリストは、リプレイ可能な対戦のリストである。言い換えれば、リプレイリストは、リプレイ可能なリプレイデータ21cのリストである。リプレイリストには、自分の過去の対戦だけでなく、他ユーザ同士の対戦も含まれる。リプレイリストには、各対戦において対戦したユーザのレベルなどの情報も含まれる。
【0069】
リプレイリストの中から1の対戦が選択されると、選択された対戦のリプレイが開始される。すなわち、選択手段55は、リプレイリストに含まれる複数の対戦の中から、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、リプレイする1の対戦(すなわちリプレイデータ21c)を選択する。言い換えれば、選択手段55は、サーバ装置2の記憶部21に記録された複数のリプレイデータ21cの中から、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、1のリプレイデータ21cを選択する。
【0070】
1のリプレイデータ21cが選択されると、選択手段55は、選択されたリプレイデータ21cを示すリプレイ選択情報を、ゲーム装置3からサーバ装置2に送信する(ステップS113)。サーバ装置2がリプレイ選択情報を受信すると、データ管理手段41が、リプレイ選択情報を送信したゲーム装置3に、リプレイ選択情報に対応するリプレイデータ21cを送信する(ステップS212)。
【0071】
ゲーム装置3がリプレイデータ21cを受信すると、選択手段55は、受信したリプレイデータ21cに基づき、リプレイデータ21cに対応する対戦のリプレイを開始する(ステップS114)。
【0072】
図7は、ゲーム装置3(詳細にはタッチスクリーン31)に表示されるリプレイ画面D4の一例を示す図である。リプレイ中またはリプレイ後に、ユーザは、リプレイされる対戦に使用された要塞B1の設定をテンプレートとして保存することができる。本例では、リプレイ画面D4に、テンプレート作成ボタンFが含まれる。例えば、ユーザは、タッチスクリーン31を操作してテンプレート作成ボタンFを選択および実行することによって、その対戦における防衛側ユーザの要塞B1のテンプレートを作成できる。
【0073】
具体的には、テンプレート作成手段54は、タッチスクリーン31に対して、テンプレート作成のためのユーザの操作入力があったか否かを判定する(ステップS115)。例えば、テンプレート作成手段54は、リプレイ画面D4中のテンプレート作成ボタンFの選択および実行があったか否かを判定する。なお、リプレイ画面D4ではなく、リプレイリスト画面D3にテンプレート作成ボタンFが含まれてもよい。
【0074】
テンプレート作成のための操作入力があったと判定された場合(ステップS115:YES)、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用された設定(すなわち要塞B1)に含まれる複数の防衛用媒体B2を特定するとともに、特定した複数の防衛用媒体B2の全てをユーザが所有しているか否かを判定する(ステップS116)。
【0075】
特定された複数の防衛用媒体B2の全てをユーザが所有している場合(ステップS116:YES)、テンプレート作成手段54は、特定された全ての防衛用媒体B2の設定を規定したテンプレートを作成する(ステップS117)。すなわち、リプレイされる対戦に使用された要塞B1と同じ設定の要塞B1がテンプレートとして作成される。
【0076】
特定された複数の防衛用媒体B2にユーザが所有していないゲーム媒体B2が含まれている場合(ステップS116:NO)、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用された設定であって、特定された複数の防衛用媒体B2のうち、ユーザが所有する防衛用媒体B2の設定を規定したテンプレートを作成する(ステップS118)。すなわち、リプレイされる対戦に使用された要塞B1と一部だけ同じ設定の要塞B1がテンプレートとして作成される。つまり、リプレイされた対戦に使用された複数の防衛用媒体B2の全部をユーザが所有していない場合でも、対戦に使用された複数の防衛用媒体B2の一部を抽出したテンプレートを作成できる。
【0077】
テンプレート作成手段54は、選択されたリプレイデータ21cから作成したテンプレートを、テンプレートデータ31aとして記憶部32に記憶する(ステップS119)。
【0078】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラムは、タッチスクリーン31(表示部,操作部)と、記憶部21と、サーバ装置2の制御部20およびゲーム装置3の制御部30とを有するゲームシステム1において、サーバ装置2の制御部20およびゲーム装置3の制御部30の少なくとも一方(コンピュータ)に実行されて対戦ゲームを実現するゲームプログラムであって、サーバ装置2の制御部20およびゲーム装置3の制御部30の少なくとも一方を、対戦を開始する前に、タッチスクリーン31(操作部)に対するユーザの操作に基づき、前記対戦に使用するためのゲーム媒体B2の設定を実行する設定手段52、前記対戦中にタッチスクリーン31に表示された動画をリプレイするためのリプレイデータ21cを前記対戦ごとに前記記憶部21に記録する記録手段42、前記記憶部21に記録された複数のリプレイデータ21cの中から、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき1のリプレイデータ21cを選択する選択手段55、および、前記選択手段55により選択された前記リプレイデータ21cに基づき、前記リプレイデータ21cに対応する前記対戦における前記ゲーム媒体B2の設定を規定したテンプレートを作成するテンプレート作成手段54、として機能させ、前記設定手段52は、対戦を開始する前に、前記テンプレートにより規定された前記ゲーム媒体B2の設定を含む前記ゲーム媒体B2の設定を実行可能である、ゲームプログラムである。
【0079】
本実施形態によれば、ユーザは、リプレイされる対戦を見て、その対戦におけるゲーム媒体B2の設定の有効性を判断したうえで、そのリプレイされる対戦におけるゲーム媒体B2の設定を規定したテンプレートを作成できる。このため、ユーザが望む効果を発揮するテンプレートを作成しやすい。
【0080】
また、リプレイデータ21cから必要なときにいつでもテンプレートの作成が可能であるため、使用する予定のないテンプレートをテンプレートデータ32aとして記憶部32に記憶しておく必要がない。このため、テンプレートデータ32aを記憶するための記憶部32の容量を低減することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、リプレイデータ21cは、動画データを含まない。このため、少ないデータ量のリプレイデータ21cからテンプレートを作成できる。
【0082】
(変形例1)
上記第1実施形態では、リプレイデータ21cは、動画データを含んでいなかったが、リプレイデータ21cは、動画データであってもよい。この場合、テンプレート作成手段54は、動画データであるリプレイデータ21cに基づきタッチスクリーン31に表示される動画を画像認識することによって、要塞B1の設定(すなわち、防衛用媒体B2の設定)に関する情報を取得する。具体的には、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用された複数の防衛用媒体B2を、画像認識により特定する。
【0083】
画像認識により、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用された防衛用媒体B2の全てが特定されるとは限らない。すなわち、タッチスクリーン31に表示されなかったり、タッチスクリーン31に表示されたとしても種類等を特定不能に表示されたりした防衛用媒体B2は、テンプレート作成手段54により対戦に使用された防衛用媒体B2として特定されない。対戦に使用された防衛用媒体B2の全てが特定されるとは限らない場合、ステップS116以降の処理が、上記第1実施形態で説明された処理と若干異なる。
【0084】
具体的には、ステップS116では、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用された要塞B1が含む防衛用媒体B2を特定する。そして、テンプレート作成手段54は、特定した防衛用媒体B2の全てをユーザが所有しているか否かだけでなく、要塞B1が含む全ての防衛用媒体B2を特定できたか否かを判定する。そして、要塞B1が含む全ての防衛用媒体B2を特定でき、且つ、対戦に使用されたと特定された要塞B1が含む全ての防衛用媒体B2をユーザが所有している場合に、ステップS117へ移行する。
【0085】
ステップS116で、要塞B1が含む全ての防衛用媒体B2を特定できたことと、対戦に使用されたと特定された要塞B1が含む全ての防衛用媒体B2をユーザが所有していることとの少なくとも一方が満たされなかった場合、ステップS118へ移行する。S118では、テンプレート作成手段54は、リプレイされた対戦に使用されたものとして特定され且つユーザが所有する防衛用媒体B2の配置を規定したテンプレートを作成する。
【0086】
S118で作成されるテンプレートは、リプレイされた対戦に使用されたものとして特定され且つユーザが所有する防衛用媒体B2の配置だけでなく、リプレイされた対戦に使用されず且つユーザが所有する防衛用媒体B2の配置を規定するものであってもよい。この場合、リプレイされた対戦に使用されず且つユーザが所有する防衛用媒体B2の配置は、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき行われてもよいし、あるいは所定の規則またはランダムで、自動的に選択されてもよい。
【0087】
この変形例1によれば、リプレイデータとして動画データをサーバ装置に記憶していたゲームにおいても、リプレイデータからテンプレートを作成することができる。
【0088】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るゲームシステムについて説明する。本実施形態のゲームシステムのハードウェアの構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、制御部20,30の機能的構成について、第1実施形態と重複する説明は省略する。
【0089】
本実施の形態で説明されるゲームは、ゲーム媒体としてのカードを用いたカード対戦ゲームである。図8は、第2実施形態で説明されるゲームの対戦画面D5の一例である。このゲームでは、使用時の効果などが異なる複数の種類のカードG2が登場する。各ユーザは、複数のカードG2を所有している。
【0090】
各ユーザは、対戦の前に、所有する複数のカードG2の中から、ゲームプレイ中に使用したいカードG2を予め定めた数だけ選択してデッキG1を構築する。そして、構築したデッキG1を用いて他のユーザと対戦する。本実施形態では、設定手段52が、対戦を開始する前に、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、対戦に使用する1のデッキG1の設定(すなわち、対戦に使用するカードG2の選択)を実行する。
【0091】
図8に示すように、ユーザが見ている対戦画面D5は、デッキ配置領域H1、手札領域H2、第1提示領域H3および第2提示領域H4が配置される。デッキ配置領域H1には、対戦前に構築したデッキG1が、デッキG1が含むカードG2の表が見えないよう裏返しの状態で配置される。手札領域H2には、デッキG1の中から所定の規則またはランダムで選択された予め定めた数のカードG2が選択され、カードG2の表側をユーザが視認できるよう配置される。
【0092】
ユーザは、対戦中、手札領域H2に配置されたカードG2の中から1以上のカードG2を選択し、第1提示領域H3に提示する。これによりカードG2が使用されたことになる。具体的には、手札領域H2に配置されたカードG2のうち、ユーザが選択したカードG2が第1提示領域H3に配置されると、第1提示領域H3に配置されたカードG2に特有の効果が発動される。手札領域H2のカードG2を使用することによって、つまり、手札領域H2に配置されたカードG2が第1提示領域H3に移動することによって空いた手札領域H2のスペースには、デッキG1から所定の規則またはランダムで選択された新たなカードG2が補充される。
【0093】
また、第2提示領域H4には、対戦相手である他ユーザ(以下、単に「対戦相手」と称する)が使用したカードG3が配置される。すなわち、第2提示領域H4に配置されたカードG3は、ユーザが構築したデッキG1から選択されたカードG2ではなく、対戦相手が構築したデッキから選択されたカードである。
【0094】
ユーザは、対戦画面D5を通じて、そのユーザ自身が構築したデッキG1のカードG2のうち、手札領域H2および第1提示領域H3に配置されたカードG3のみ視認可能である。また、ユーザは、対戦画面D5を通じて、対戦相手の構築したデッキのカードのうち、第2提示領域H4に配置されたカードG3のみ視認可能である。ユーザと対戦相手とが、交互に手札のカードを、それぞれ第1提示領域H3および第2提示領域H4に配置してゲームが進行する。
【0095】
対戦が終了すると、サーバ装置2の記憶部21に、各ユーザのゲーム装置3の対戦画面D5として表示される動画をリプレイするためのリプレイデータ21cが記録手段42によりに記録される。本実施形態では、リプレイデータ21cは、動画データ自体を含まない。リプレイデータ21cは、動画をリプレイする直前にリプレイするための動画データを作成することを可能にするデータである。
【0096】
具体的には、リプレイデータ21cは、ユーザが対戦に使用したデッキG1および対戦相手が対戦に使用したデッキの設定に関するデータと、カードG2の画面上または仮想空間上の位置や向きに関するデータ、デッキ配置領域H1から手札領域H2へ移動するカードG2の種類および移動のタイミングに関するデータ、手札領域H2から第1提示領域H3へ移動するカードG2の種類および移動のタイミングに関するデータ(言い換えれば、対戦中のタッチスクリーン31に対するユーザの操作により生成される操作入力データ)、第2提示領域H4に提示されたカードG3の種類および提示タイミングに関するデータなどを含む。なお、「対戦に使用されたデッキの設定に関するデータ」には、デッキG1を構成する全てのカードG2の種類を示すデータが含まれる。
【0097】
本ゲームにおいて、ユーザは、対戦に使用するデッキG1として選択可能な1以上のデッキG1をテンプレートとして保存しておくことができる。すなわち、テンプレート作成手段54は、デッキG1のテンプレートを作成し、テンプレートデータ32aとして記憶部32に保存する。本実施形態において、テンプレートデータ32aは、デッキG1を構成するカードG2の種類を示すデータである。そして、設定手段52は、対戦を開始する前に、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、保存された1以上のテンプレートの中から1のテンプレートを選択し、選択したテンプレートにより規定されたデッキG1を、対戦に使用するデッキG1として設定可能である。
【0098】
また、第1実施形態で説明されたゲームと同様に、本ゲームにおいても、リプレイデータ21cからテンプレートの作成が可能である。本実施形態におけるテンプレート作成処理も、図5に示した第1実施形態のテンプレート作成処理と同様である。このため、本実施形態におけるテンプレート作成処理については、一部説明を省略する。
【0099】
本実施形態のテンプレート作成処理において、選択手段55は、サーバ装置2の記憶部21に記録された複数のリプレイデータ21cの中から、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、1のリプレイデータ21cを選択する(ステップS111~S113)。そして、データ管理手段41が、選択されたリプレイデータ21cをゲーム装置3に送信し(ステップS212)、ゲーム装置3では、選択手段55は、受信したリプレイデータ21cに基づき、リプレイデータ21cに対応する対戦のリプレイを開始する(ステップS114)。
【0100】
タッチスクリーン31に対して、リプレイデータ21cからテンプレートを作成するためのユーザの操作入力があった場合(ステップS115:YES)、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用されたデッキG1に含まれるカードG2を特定するとともに、特定した複数のカードG2の全てをユーザが所有しているか否かを判定する(ステップS116)。なお、本実施形態では、リプレイデータ21cに、対戦に使用したデッキG1を構成する全てのカードG2の種類を示すデータが含まれるため、テンプレート作成手段54は、デッキG1に含まれる全てのカードG2を特定可能である。
【0101】
対戦に使用されたデッキG1に含まれると特定された複数のカードG2の全てをユーザが所有している場合(ステップS116:YES)、テンプレート作成手段54は、特定された全てのカードG2を含むデッキG1を規定したテンプレートを作成する(ステップS117)。すなわち、リプレイされる対戦に使用されたデッキG1と同じデッキG1がテンプレートとして作成される。
【0102】
対戦に使用されたデッキG1に含まれると特定された複数のカードG2にユーザが所有していないカードG2が含まれている場合(ステップS116:NO)、テンプレート作成手段54は、デッキG1に含まれると特定された複数のカードG2のうち、ユーザが所有するカードG2を含むデッキG1を規定したテンプレートを作成する(ステップS118)。これについて、図9を参照してより詳しく説明する。
【0103】
図9は、リプレイデータを用いたデッキの作成例を説明するための模式図であり、図9(A)は、リプレイされた対戦に使用されたデッキG1であり、図9(B)は、リプレイされた対戦のリプレイデータ21cから作成したデッキG1である。図9(A)に示すデッキG1は、ユーザが所有していないカードG2を含むものとする。
【0104】
以下、リプレイされた対戦に使用されたデッキG1を、デッキG11と表記することとし、リプレイされた対戦に使用されたデッキG11から(つまりリプレイデータ21cから)作成したデッキG1を、デッキG12と表記することとする。また、リプレイされた対戦に使用されたデッキG11に含まれると特定されたカードG2のうち、ユーザが所有しているカードG2を、カードG21と表記することとし、リプレイされた対戦に使用されたデッキG11に含まれると特定されたカードG2のうち、ユーザが所有していないカードG2を、カードG22と表記することとする。
【0105】
デッキG11を構成する複数のカードG2にユーザが所有していないカードG22が含まれている場合には、テンプレート作成手段54は、デッキG1に含まれると特定され且つユーザが所有するカードG21がデッキG12に含まれるように、デッキG12のテンプレートを作成する。
【0106】
本実施形態では、デッキG1のテンプレートは、予め定めた数のカードG2を含むよう作成される。このため、ステップS118では、テンプレート作成手段54は、デッキG11に含まれていたユーザが所有しないカードG22の枚数だけ、ユーザが所有するカードG2の中からカードG2を選択する。選択されたカードG2は、カードG23と表記することとする。そして、図9(B)に示すように、テンプレート作成手段54は、デッキG12がカードG21を含むとともに、カードG22の枚数分の選択したカードG23を含むように、デッキG12のテンプレートを作成する。
【0107】
なお、デッキG12に含まれるユーザが所有するカードG23の選択は、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき行われてもよい。あるいは、デッキG12に含まれるユーザが所有するカードG23の選択は、所定の規則またはランダムで、自動的に選択されてもよい。
【0108】
また、本ゲームにおいて、対戦に使用するデッキG1は、予め定めた数のカードG2を含む必要があるが、デッキG1のテンプレートは、予め定めた数より少ないカードG2を含むよう作成されてもよい。すなわち、そのままでは対戦に使用できない未完成のデッキG1をテンプレートとして保存できてもよい。つまり、テンプレート作成手段54は、カードG21のみを含むデッキG12のテンプレートを作成してもよい。
【0109】
図8に戻って、テンプレート作成手段54は、選択されたリプレイデータ21cから作成したテンプレートを、テンプレートデータ31aとして記憶部32に記憶する(ステップS119)。
【0110】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0111】
(変形例2)
上記第2実施形態では、リプレイデータ21cは、動画データを含んでいなかったが、リプレイデータ21cは、動画データであってもよい。この場合、テンプレート作成手段54は、動画データであるリプレイデータ21cに基づきタッチスクリーン31に表示される動画を画像認識することによって、デッキG1の設定(すなわち、デッキG1に含まれるカードG2の種類)に関する情報を取得する。具体的には、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用されたデッキG1に含まれるカードG2を、画像認識により特定する。
【0112】
カードゲームの対戦では、デッキG1に含まれる全てのカードG2が明らかとならない場合が通常である。例えば、デッキ配置領域H1に50枚のカードG2を含むデッキG1(山札)が配置された状態で対戦が開始し、その後、デッキ配置領域H1から手札領域H2へ合計30枚のカードG2が移動した時点で決着がつき対戦が終了したとする。この場合、デッキ配置領域H1の残りの20枚のカードG2の表は、対戦中、ゲーム画面に一度も表示されない。このようなカードG2は、テンプレート作成手段54の画像認識では、対戦に使用されたデッキG1に含まれるカードG2として特定できない。
【0113】
また、上記の第2実施形態では、リプレイデータ21cに、対戦に使用したデッキG1を構成する全てのカードG2の種類を示すデータが含まれていた。しかし、リプレイデータ21cには、ゲーム画面に表が表示されなかったカードG2についての情報は、リプレイに無関係であるため含まれなくてもよく、この場合にも、対戦に使用したデッキG1を構成する全てのカードG2を特定できない。このようにデッキG1が含むカードG2の一部を特定できなかった場合のステップS118の処理について、図10を参照してより詳しく説明する。
【0114】
図10は、リプレイデータを用いたデッキの作成例を説明するための模式図であり、図10(A)は、リプレイされた対戦に使用されたデッキG1であり、図10(B)は、リプレイされた対戦のリプレイデータ21cから作成したデッキG1である。図10(A)に示すデッキG1は、ユーザが所有していないカードG2と、テンプレート作成手段54がデッキG1に含まれるカードとして特定できなかったカードG2を含むものとする。
【0115】
以下、テンプレート作成手段54により特定されないカードを含む、リプレイされた対戦に使用されたデッキG1を、デッキG13と表記することとし、リプレイされた対戦に使用されたデッキG13から(つまりリプレイデータ21cから)作成したデッキG1を、デッキG14と表記することとする。また、テンプレート作成手段54によりデッキG13に含まれるカードとして特定されないカードG24と表記することとする。また、図10中のカードG21、カードG22は、図9の説明と同様に、それぞれ、リプレイされた対戦に使用されたデッキG11に含まれると特定され且つユーザが所有しているカード、および、リプレイされた対戦に使用されたデッキG11に含まれると特定され且つユーザが所有していないカードである。
【0116】
デッキG1のテンプレートは、予め定めた数のカードG2を含むよう作成されるものとする。図10(A)に示すように、対戦に使用されたデッキG13が、ユーザが所有していないカードG22や、テンプレート作成手段54がデッキG1に含まれるカードとして特定できなかったカードG24を含む場合、テンプレート作成手段54は、カードG22とカードG24との合計の枚数だけ、ユーザが所有するカードG2の中からカードG23を選択する。そして、図10(B)に示すように、テンプレート作成手段54は、デッキG14がカードG21を含むとともに、カードG22とカードG24との合計の枚数分の選択したカードG23を含むように、デッキG14のテンプレートを作成する。
【0117】
なお、デッキG12に含まれるユーザが所有するカードG23の選択は、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき行われてもよい。あるいは、デッキG12に含まれるユーザが所有するカードG23の選択は、所定の規則またはランダムで、自動的に選択されてもよい。また、本例においても、テンプレート作成手段54は、カードG21のみを含むデッキG12のテンプレートを作成してもよい。
【0118】
この変形例2によれば、リプレイデータとして動画データをサーバ装置2に記憶していたゲームにおいても、リプレイデータからテンプレートを作成することができる。
【0119】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態で説明した制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。また、上記実施形態および変形例は、適宜組み合わせ可能である。
【0120】
また、上記実施形態では、ゲーム装置3として携帯端末装置を用いた例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ゲーム装置3として、ゲームセンターなどに提供されるアーケードゲーム筐体や家庭用の据え置き型ゲーム装置、パーソナルコンピュータなどを用いて本発明を実現することもできる。
【0121】
また、ゲーム装置3はタッチスクリーン31を備えなくてもよい。例えば、ゲーム装置3におけるユーザの操作入力を受け付ける操作部は、ボタン等の操作子が設けられたコントローラなどであってもよいし、また、ゲーム装置3におけるゲーム画面が表示される表示部は、単体の液晶ディスプレイであってもよい。
【0122】
本発明のゲームプログラムは、ゲーム装置3およびサーバ装置2の少なくとも一方のコンピュータにより実行されるものであればよい。例えば、本発明のゲームプログラムの一部が、サーバ装置に記憶され、本発明のゲームプログラムの残りは、ゲーム装置にダウンロードされたり、ゲーム装置3に読み込ませるために記録媒体に記録されたりするものであってもよい。
【0123】
例えば上記実施形態では、サーバ装置2の制御部20は、記憶部21に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、データ管理手段41、および記録手段42として機能したが、これら機能部41,42の一部の機能部については機能しなくてもよい、あるいは、ゲーム装置3の制御部30により機能してもよい。また、ゲーム装置3の制御部30は、記憶部32に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、仮想空間生成手段51、設定手段52、対戦実行手段53、選択手段55、およびテンプレート作成手段54として機能したが、これら機能部51~54の一部の機能部については機能しなくてもよい、あるいは、サーバ装置2の制御部20により機能してもよい。
【0124】
本発明は、ゲーム装置3にゲームデータをダウンロードすることなく実現されるオンラインゲームに適用可能である。例えば、本発明は、ウェブブラウザを使ったブラウザゲームや、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上で提供されるソーシャルゲーム、サーバ装置でのゲーム処理結果をゲーム装置3にストリーミング配信するクラウドゲームなどに適用可能である。
【0125】
上記実施形態では、仮想空間にゲーム媒体を配置する対戦型戦略ゲームや、ゲーム媒体としてのカードを用いるカード対戦ゲームが説明されたが、本発明は、これら以外のゲームにも適用可能である。例えば本発明は、対戦格闘ゲームにも適用可能である。この場合、例えば、対戦格闘ゲームにおける対戦に使用するためのゲーム媒体は、ユーザが好みに応じて変更でき且つテンプレートとして保存できるものであればよい。例えば、設定手段52により設定されるゲーム媒体は、キャラクタの顔やコスチュームであってもよいし、キャラクタのスキルや技であってもよいし、キャラクタに対して付け替え可能な武装などであってもよい。
【0126】
上記の第1および第2実施形態の図5に示すフローチャートのステップS118では、リプレイデータから特定され複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体が含まれている場合に、テンプレート作成手段54は、リプレイデータに対応する対戦に使用された設定であって、複数のゲーム媒体のうちのユーザが所有するゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成した。つまり、リプレイされる対戦に使用された要塞B1やデッキG1の一部の設定が同じである要塞B1やデッキG1がテンプレートとして作成されたが、ステップS118では、別の処理が行われてもよい。例えば、リプレイデータ21cから特定された複数の防衛用媒体B2にユーザが所有していないゲーム媒体B2が含まれている場合に、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに基づくテンプレートの作成を実行しなくてもよい。これにより、リプレイされた対戦に使用された設定を完全にコピーしたテンプレートを作成できるか否かを判断できる。
【0127】
あるいは、選択されたリプレイデータ21cに対応する対戦における複数のゲーム媒体に、ユーザが所有していないゲーム媒体である非所有媒体が含まれている場合、テンプレート作成手段54は、選択されたリプレイデータに基づき、前記非所有媒体と所定の関係にあり且つユーザが所有しているゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを作成してもよい。例えば、選択手段により選択されたリプレイデータ21cに対応する対戦における複数のゲーム媒体に、ユーザが所有しているゲーム媒体である所有媒体と、ユーザが所有していないゲーム媒体である非所有媒体とが含まれている場合、テンプレート作成手段54は、選択されたリプレイデータに基づき、前記所有媒体の設定と、前記非所有媒体と所定の関係にあり且つユーザが所有しているゲーム媒体の設定と、を規定したテンプレートを作成してもよい。これにより、リプレイされた対戦に使用された設定に近しい設定を規定したテンプレートの作成を行うことができる。なお、「リプレイデータに対応する対戦における複数のゲーム媒体」とは、リプレイデータに対応する対戦の開始前に設定手段により設定が行われた複数のゲーム媒体のことである。
【0128】
ここで、非所有媒体と所定の関係にあるゲーム媒体とは、例えば、非所有媒体とゲーム媒体のそれぞれの所定の種類のパラメータが互いに一致または近い関係にあることである。例えば、所定の種類のパラメータは、職種、属性、ステータス、レアリティの少なくとも1つである。所定の種類のパラメータが互いに近い関係とは、例えば、非所有媒体とゲーム媒体の各所定の種類のパラメータの差が予め定めた範囲内にあることである。例えば非所有媒体とゲーム媒体とが互いに種類(例えば職種または属性)が同じであり、且つそれらの一方の性能が他方の性能より低い関係にある場合(つまり、一方の媒体が他方の媒体の下位互換である関係にある場合)、非所有媒体とゲーム媒体とは所定の関係にあると言える。リプレイデータから特定された複数のゲーム媒体にユーザが所有していないものがあるために、リプレイされたものと完全に同じ設定を規定したテンプレートの作成はできないが、リプレイされた対戦に使用された設定に近しい設定を規定したテンプレートの作成を行うことができる。例えばユーザがリプレイされた対戦に出てきたカードを全く所有していない場合でも、そのユーザがそれに近しい性能のカードを所有していれば、リプレイされた対戦に使用された設定に近しい設定を規定したテンプレートの作成が行われる。
【0129】
選択されたリプレイデータ21cから特定された複数のゲーム媒体の中に、ユーザが所有していないゲーム媒体である非所有媒体が含まれている場合に、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cから特定された非所有媒体の入手にユーザを誘導してもよい。これにより、リプレイされた対戦に使用された設定と同じ設定を規定したテンプレートの作成を容易に行うことができる。例えば、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cから特定された非所有媒体の入手に関するゲーム要素を表示部に提示してもよい。非所有媒体を入手するためのゲーム要素は、例えば、ユーザが選択および実行することで非所有媒体を入手するためのゲーム画面に遷移できるゲーム画面上のGUIボタンでもよいし、非所有媒体の入手方法を示した文字情報でもよい。なお、非所有媒体の入手へのユーザの誘導を、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cに基づくテンプレートの作成を実行することなく行ってもよいし、あるいは、リプレイデータ21cから特定されたゲーム媒体のみの設定を規定した未完成のテンプレートを作成したうえで行ってもよい。
【0130】
例えば、リプレイデータ21cから特定された非所有媒体が、ユーザに付与するゲーム媒体を抽選するゲーム内の抽選イベント(いわゆるガチャ)によって入手可能なものである場合、テンプレート作成手段54は、抽選イベントを実行するためのゲーム画面に遷移するためのボタンを表示部に表示してもよい。また、例えば、リプレイデータ21cから特定された非所有媒体が、ゲーム運営者に所定の料金を支払うことによって(課金によって)、または、ユーザが所有する所定のゲーム要素(ゲーム内の通貨やアイテムを含む)を消費することによって購入可能なものである場合、テンプレート作成手段54は、非所有媒体を購入するためのゲーム画面に遷移するためのボタンを表示部に表示してもよい。
【0131】
あるいは、テンプレート作成手段54は、非所有媒体を購入するためのゲーム画面に遷移することなく、自動的に非所有媒体を購入してもよい。この場合は、テンプレート作成手段54は、リプレイデータ21cから特定された全てのゲーム媒体の設定を規定したテンプレートを即座に作成できる。また、リプレイされる対戦のために設定されたゲーム媒体の全てが特定されている場合には、リプレイされる対戦のときに使用された設定と完全に同じテンプレートを即座に作成できる。
【0132】
また、リプレイデータに操作部に対するユーザのキー入力データが含まれる場合、リプレイの特定の場面から、ユーザによるプレイの再開を可能にする機能があってもよい。また、リプレイの再生中にユーザの手動操作に切り替える機能があってもよい。
【0133】
上記の第1実施形態では、ゲームへログインしていない他ユーザの要塞B1も攻撃対象となるよう、設定データ21bがサーバ装置2に記憶されていたが、設定データ21bは、サーバ装置2に記憶されていなくてもよい。また、上記の第1実施形態では、テンプレート作成手段54は、要塞B1のテンプレート、すなわち防衛用媒体B2の配置に関するテンプレートを作成したが、テンプレート作成手段54は、攻撃用媒体Cに関するテンプレートを作成してもよい。例えば、対戦の前に予め対戦相手の要塞の攻撃に使用する攻撃用媒体Cを予め定めた数だけ選択する必要があるゲームの場合、攻撃用媒体Cに関するテンプレートは、攻撃用媒体Cの種類と数を規定したものであってもよい。さらに、攻撃用媒体Cに関するテンプレートは、仮想空間にどの種類の攻撃用媒体Cをどのタイミングで配置するかも規定してもよい。
【0134】
上記の第2実施形態では、リプレイデータ21cが、ユーザが対戦に使用したデッキG1の設定に関するデータ、すなわちデッキG1を構成するカードG2の種類を示すデータを含んでいたが、リプレイデータ21cは、デッキG1を構成する全てのカードG2のうち、タッチスクリーン31に表示されなかったカードG2の種類を示すデータを含まなくてもよい。というのも、タッチスクリーン31に表示されなかったカードG2の種類を示すデータがリプレイデータ21cに含まれていなくても、リプレイに支障がないからである。この場合には、テンプレート作成手段54は、変形例2と同様の処理により、リプレイデータ21cに対応する対戦に使用されたデッキG1に含まれる全部のカードG2ではなく、一部のカードG2を特定して、テンプレートを作成する。
【0135】
上記の第1および第2実施形態並びに変形例1,2で説明されたリプレイデータ21cは例示にすぎない。リプレイデータは、過去の対戦をリプレイすることを可能にするデータであればよい。例えば、リプレイデータが、表示部に表示された対戦に関する動画データを含まない場合、リプレイデータは、単位時間ごとの各ゲーム媒体の位置、向き、行動および各種パラメータ、対戦する各ユーザの操作部に対する操作入力、対戦する各ユーザに関するパラメータ(例えばスコアや各ユーザの資金等)、その他考えられる各種パラメータ(天候、士気)のうちの1つ以上を含んでもよい。リプレイデータは、ゲームの種類に応じて異なり得る。例えば第2実施形態で説明されたようなカードゲームの場合、リプレイデータは、予め定めた時間やターンごとの各ゲーム媒体(カード)の位置、向き、移動に関するデータを含んでもよい。
【0136】
上記実施形態では、選択された1のリプレイデータから1のテンプレートを作成することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、選択手段55は、記憶部21に記録された複数のリプレイデータ21cの中から、タッチスクリーン31に対するユーザの操作に基づき、(記憶部21に記録されたリプレイデータの数より少ない数の)複数のリプレイデータ21cを選択してもよく、テンプレート作成手段54は、選択された複数のリプレイデータから1のテンプレートを作成してもよい。これにより、リプレイされる対戦に使用された設定により近い設定を規定したテンプレートを作成できる。
【0137】
例えば、選択手段55は、ユーザの操作に基づき、リプレイされる対戦の前に実行された設定が互いに同じである複数のリプレイデータ21cを選択してもよい。複数本勝負、例えば2本先取を勝利条件とする3本勝負の試合を行うカード対戦ゲームの場合、少なくとも2回の対戦が同じデッキG1を使って行なわれる。同じデッキG1を使った少なくとも2回の対戦にそれぞれリプレイデータが作成される場合、テンプレート作成手段54は、これら同じデッキG1を使った2つのリプレイデータから、それぞれ明らかになったカードを組み合わせて、テンプレートを作成する。これにより、リプレイされる対戦に使用されたデッキG1に含まれるカードG2の中で、特定できるカードG2の数が増え、その結果、リプレイに使用したデッキG1により近いテンプレートを作成できる。
【0138】
また、例えば、選択手段55は、ユーザの操作により選択された他のユーザの対戦をリプレイするための複数のリプレイデータ21cを選択してもよい。例えば、各ユーザは、所有するゲーム媒体についてしか設定できないため、各ユーザは、そのユーザが参加した複数の対戦において互いに同じまたは近しい設定を行なっている可能性が高い。例えばカード対戦ゲームでは、各ユーザは、そのユーザが参加した複数の対戦において互いに同じまたは近しいデッキG1を使用している可能性が高い。この場合、同じユーザの対戦に関する複数のリプレイデータを用いて、テンプレートを作成することにより、そのユーザのデッキG1により近いテンプレートを作成できる。
【0139】
また、選択手段55は、記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、リプレイされる対戦の前に実行された設定が互いに同じまたは近しい設定を行った対戦についての複数のリプレイデータ21cを選択して、ユーザに選択可能に提示してもよい。例えば選択手段55は、記憶部に記録された複数のリプレイデータの中から、複数本先取を勝利条件とする試合に含まれる複数の対戦についての複数のリプレイデータ21cを、ユーザに選択可能に提示してもよいし、ユーザが選択した他のユーザの行った、ユーザが選択した期間内の対戦についての複数のリプレイデータ21cを、ユーザに選択可能に提示してもよい。
【符号の説明】
【0140】
1 :ゲームシステム
2 :サーバ装置
3 :ゲーム装置
20 :制御部
21 :記憶部
30 :制御部
31 :タッチスクリーン
32 :記憶部
41 :データ管理手段
42 :記録手段
51 :仮想空間生成手段
52 :設定手段
53 :対戦実行手段
54 :テンプレート作成手段
55 :選択手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10