(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】宿泊施設用システム、コールセンター端末及びコールセンター端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241113BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20241113BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2020173291
(22)【出願日】2020-10-14
【審査請求日】2023-03-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月5日に、株式会社アルメックスが、博多ホテルズ株式会社に、田中幸一等が発明した本願発明を販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社USEN-ALMEX
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】田中 幸一
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】名和 圭
(72)【発明者】
【氏名】宮田 武志
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 芳紀
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/031027(WO,A1)
【文献】特開2019-175410(JP,A)
【文献】特開2003-229948(JP,A)
【文献】特開2005-157458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿泊施設に設置された受付装置と、受付装置と通信可能なコールセンター端末を備えた宿泊施設用システムであって、
コールセンター端末は、受付装置を使用する宿泊者との通話を行う通話処理と、通話期間中に実行される補助処理と、を実行可能とし、
補助処理は、
通話処理で通信接続された受付装置に対応する宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示し、
予約者リスト中、オペレータによって選択された予約者に対応する予約情報を読み出し、
読み出された予約情報に基づいて形成される予約補助情報を通話対象となっている受付装置に送信可能とし、
補助処理は、読み出された予約情報に対し、オペレータの操作によって編集可能とし、編集された予約情報に基づいて、予約補助情報を形成する
宿泊施設用システム。
【請求項2】
補助処理は、読み出された予約情報に対応する宿泊者の会員登録を行うことが可能である
請求項1に記載の宿泊施設用システム。
【請求項3】
コールセンター端末は、複数の受付装置を通話対象として管理可能とする
請求項1または請求項2に記載の宿泊施設用システム。
【請求項4】
コールセンター端末は、異なる店舗に設置された受付装置を複数管理可能とし、
補助処理は、通話処理で通信接続された受付装置が設置されている宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示する
請求項3に記載の宿泊施設用システム。
【請求項5】
宿泊施設に設置された受付装置と通信可能なコールセンター端末であって、
受付装置を使用する宿泊者との通話を行う通話処理と、通話期間中に実行される補助処理と、を実行可能とし、
補助処理は、
通話処理で通信接続された受付装置に対応する宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示し、
予約者リスト中、オペレータによって選択された予約者に対応する予約情報を読み出し、
読み出された予約情報に基づいて形成される予約補助情報を通話対象となっている受付装置に送信可能とし、
補助処理は、読み出された予約情報に対し、オペレータの操作によって編集可能とし、編集された予約情報に基づいて、予約補助情報を形成する
コールセンター端末。
【請求項6】
宿泊施設に設置された受付装置と通信可能なコールセンター端末で実行可能なコールセンター端末用プログラムであって、
受付装置を使用する宿泊者との通話を行う通話処理と、通話期間中に実行される補助処理と、を実行可能とし、
補助処理は、
通話処理で通信接続された受付装置に対応する宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示し、
予約者リスト中、オペレータによって選択された予約者に対応する予約情報を読み出し、
読み出された予約情報に基づいて形成される予約補助情報を通話対象となっている受付装置に送信可能とし、
補助処理は、読み出された予約情報に対し、オペレータの操作によって編集可能とし、編集された予約情報に基づいて、予約補助情報を形成する
コールセンター端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテル、旅館等、各種の宿泊施設において、宿泊客のチェックインを受け付けるための宿泊施設用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテル、旅館等の各種宿泊施設では、従業員が滞在するためのフロントが設けられ、このフロントにおいて宿泊客に対するチェックイン、チェックアウトが行われている。特許文献1には、記入データ読取手段と、宿泊登録手段と、印字手段と、カード回収手段と、精算手段と、カード錠発行手段とを設け、所定事項を記入したレジストレーションカード記入データ読取手段に挿入するだけで宿泊登録可能かつ精算可能であるとともに当該レジストレーションカードを宿泊者台帳として利用可能として宿泊管理装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、顧客を特定する情報の入力を受け付け、顧客に係る宿泊の情報に関する費用の情報を特定するチェックイン処理部と、チェックイン処理部により特定された費用の支払いを受け付ける精算処理部と、精算処理部により費用の支払いを受け付けると、顧客の宿泊する設備を利用可能とし、顧客の情報が印字されたレジストレーションカードを出力する宿泊環境整備部とを備えたチェックイン装置が開示されている。
【0004】
特許文献1、2に開示されるように、ホテル等の宿泊施設では、従来、フロントにおいて人手を介して行われていたチェックインを、装置によって自動化することが普及しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-240803号公報
【文献】特開2015-26313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように宿泊施設では、装置の自動化が進み、基本、人手を介すことが少なくなる傾向にある。装置の使用に慣れた顧客(宿泊者)であれば、処理も迅速に完了し、宿泊施設の効率化が図られることが予想される。しかしながら、装置の扱いに不慣れな顧客にとっては、その扱いに戸惑う等、時間を要してしまうことが考えられる。また、装置のみによる顧客への接客は、宿泊業におけるホスピタリティにおいては、マイナスとなる面も考えられる。
【0007】
本発明は、このような状況を考慮したものであって、宿泊施設において、チェックイン等、自動で行うことができる受付装置において、操作に不慣れな者に対してもオペレータによる適切な補助を行うこと、そして、オペレータとの通話によるホスピタリティの向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1-1の構成に係る宿泊施設用システムは、
宿泊施設に設置された受付装置と、受付装置と通信可能なコールセンター端末を備えた宿泊施設用システムであって、
コールセンター端末は、受付装置を使用する宿泊者との通話を行う通話処理と、通話期間中に実行される補助処理と、を実行可能とし、
補助処理は、
通話処理で通信接続された受付装置に対応する宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示し、
予約者リスト中、オペレータによって選択された予約者に対応する予約情報を読み出し、
読み出された予約情報に基づいて形成される予約補助情報を通話対象となっている受付装置に送信可能とし、
補助処理は、読み出された予約情報に対し、オペレータの操作によって編集可能とし、編集された予約情報に基づいて、予約補助情報を形成する。
【0010】
さらに第1-3の構成に係る宿泊施設用システムにおいて、
補助処理は、読み出された予約情報に対応する宿泊者の会員登録を行うことが可能である。
【0011】
さらに第1-4の構成に係る宿泊施設用システムにおいて、
コールセンター端末は、複数の受付装置を通話対象として管理可能とする。
【0012】
さらに第1-5の構成に係る宿泊施設用システムにおいて、
コールセンター端末は、異なる店舗に設置された受付装置を複数管理可能とし、
補助処理は、通話処理で通信接続された受付装置が設置されている宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示する。
【0014】
また第1-7の構成に係るコールセンター端末は、
宿泊施設に設置された受付装置と通信可能なコールセンター端末であって、
受付装置を使用する宿泊者との通話を行う通話処理と、通話期間中に実行される補助処理と、を実行可能とし、
補助処理は、
通話処理で通信接続された受付装置に対応する宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示し、
予約者リスト中、オペレータによって選択された予約者に対応する予約情報を読み出し、
読み出された予約情報に基づいて形成される予約補助情報を通話対象となっている受付装置に送信可能とし、
補助処理は、読み出された予約情報に対し、オペレータの操作によって編集可能とし、編集された予約情報に基づいて、予約補助情報を形成する。
【0015】
また第1-8の構成に係るコールセンター端末用プログラムは、
宿泊施設に設置された受付装置と通信可能なコールセンター端末で実行可能なコールセンター端末用プログラムであって、
受付装置を使用する宿泊者との通話を行う通話処理と、通話期間中に実行される補助処理と、を実行可能とし、
補助処理は、
通話処理で通信接続された受付装置に対応する宿泊施設の予約者名を含む予約者リストを表示し、
予約者リスト中、オペレータによって選択された予約者に対応する予約情報を読み出し、
読み出された予約情報に基づいて形成される予約補助情報を通話対象となっている受付装置に送信可能とし、
補助処理は、読み出された予約情報に対し、オペレータの操作によって編集可能とし、編集された予約情報に基づいて、予約補助情報を形成する。
【発明の効果】
【0016】
本実施形態に係る宿泊施設用システムによれば、宿泊施設において、チェックイン等、自動で行うことができる受付装置において、オペレータによる適切な補助を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る宿泊施設用システムの構成を示す図
【
図4】本実施形態に係るコールセンター端末の構成を示す図
【
図5】本実施形態に係る宿泊施設用システムで使用する各種データ構成を示す図
【
図6】本実施形態に係るチェックイン処理を示すフロー図
【
図7】本実施形態に係る予約者登録処理を示すフロー図
【
図10】本実施形態に係るチェックイン方法選択画面を示す図
【
図11】本実施形態に係る宿泊内容確認画面を示す図
【
図13】本実施形態に係るパスポート確認画面を示す図
【
図15】本実施形態に係る宿泊台帳画面(編集中)を示す図
【
図17】本実施形態に係るコールセンター処理を示すフロー図
【
図18】本実施形態に係る顧客補助処理を示すフロー図
【
図21】本実施形態に係る宿泊内容確認画面(通話時)を示す図
【
図26】本実施形態に係る予約リスト画面(情報編集欄表示時)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態に係る宿泊施設用システムの構成を示す図である。本実施形態の宿泊施設用システムは、宿泊客のチェックイン、宿泊代の支払い、チェックアウト等、宿泊に関する各種処理を実行するシステムである。本実施形態の宿泊施設用システムは、複数の宿泊施設を管理可能であって、各宿泊施設(この例では、ホテル)に設置された受付装置1、そして、コールセンターに設置されたコールセンター端末9を有して構成されている。
【0019】
図1に示される宿泊施設用システムでは、2つのホテルA、Bを管理可能であって、ホテルAには、2台の受付装置1a、1b、カメラ5a、管理コンピューター3a、ルーター2aが設けられている。各構成は、LAN4aで通信接続されている。ホテルBについても同様に、2台の受付装置1c、1d、カメラ5b、管理コンピューター3b、ルーター2bが設けられている。各構成は、LAN4bで通信接続されている。
【0020】
コールセンターは、これら2つのホテルA、Bに設置される受付装置1a~1dを管理可能であって、コールセンター端末9a、9b、ルーター7が設けられている。ホテルA、Bに設置されたルーター2a、2b、コールセンターに設けられたルーター7は、インターネットに通信接続されており、ホテルA、B、コールセンター間での通信が可能となっている。
【0021】
なお、本実施形態のコールセンターは、ホテルA、Bと異なる場所に設置されているが、コールセンターの設置場所は任意である。例えば、ホテルA内のLAN4aにコールセンター端末9a、9bを通信接続する形態としてもよい。
【0022】
また、インターネットには、管理サーバ10が接続されており、ホテルA、Bの各種装置(受付装置1a~1d、カメラ5a、5b、管理コンピューター3a、3b)、コールセンターに設置されたコールセンター端末9a、9b等と通信を行うことが可能となっている。
【0023】
ホテルA、Bの構成は、どちらも同様であるため、ここでは、ホテルAについての構成を例にとって説明する。受付装置1a、1bは、宿泊客によって操作される装置であって、ホテル出入口の近傍に位置するロビー内に設置されている。また、管理コンピューター3aは、ホテルのフロント内等に設置され、従業員によって操作される。カメラ5aは、受付装置1a、1bの近傍であって、2台の受付装置1a、1bの様子を撮影可能に配置されている。撮影された映像は、コールセンター端末9a、9bで再生され、コールセンターのスタッフは、受付装置1a、1bの様子をライブ確認することが可能となっている。
【0024】
受付装置1a、1b、管理コンピューター3aは、LAN4aを介して互いに通信可能に接続されている。管理コンピューター3aには、各種情報を表示するためのモニタ、キーボード、マウス等、従業員による入力を受け付けるための入力手段が接続されている。また、レシートを印字するためのレシートプリンタ、カードキーに各種情報を書き込む、そして、読み出すためのカードキーリーダ・ライタも接続されている。ここでカードキーとは、客室を解錠する鍵となるカードであって、客室のドアに配置されたセンサーにカードキーを近づける(非接触タイプ)、あるいは、センサーのスロットにカードキーを差し込む(接触タイプ)ことで解錠を行うことが可能である。
【0025】
図2は、本実施形態に係る受付装置1a~1d(以下、受付装置1と記載する)の外観を示す図であり、
図3は、本実施形態に係る受付装置1の構成を示すブロック図である。受付装置1は宿泊施設のロビー内に配置されており、宿泊客のチェックイン、チェックアウトを行うことが可能である。本実施形態の宿泊施設用システムでは、4種類のチェックインを行うことが可能である。予約時に通知された予約番号を使用する形態、予約した名前を使用する形態、2次元バーコードを使用する形態、フロントで渡されたルームカード(カードキー)を使用する形態である。ルームカードを使用してチェックインを行う形態では、宿泊客は、まずフロントにいる従業員に対して、氏名、滞在期間等を告げ、少なくとも部屋番号の記録されたカードキーを受け取る。なお、このカードキーにはまだ客室の解錠機能は有していない。このカードキーを受付装置1で読み取らせ、客室料金の支払いを終えることで、カードキーに解錠機能が与えられることになる。
【0026】
受付装置1は、タッチパネルモニタ11、カードキー入出口12、スキャナ口13、紙幣入出口18、レシートプリンタ14、クレジットカード入出口15、テンキー16、金銭払出口17、放音孔19a、集音孔19bを備えて構成されている。タッチパネルモニタ11は、操作する宿泊客に対して各種情報を表示する表示部11bと、宿泊客からの操作を受け付けるタッチパネル11aを備えて構成されている。カードキー入出口12は、客室の解錠を行うカードキーを読み取らせる、あるいは、受付装置1内にストックしてあるカードキーを発行する、あるいは、チェックアウト時にカードキーを回収するための開口である。
【0027】
受付装置1は、通常のコンピューターと同様、制御部としてのCPU21a、ROM21b、RAM21cを備えて構成されている。また、ハードディスク22等、各種情報を記憶する記憶部を有している。インターフェイス24には、スキャナ20、カードキーユニット25、クレジットカードユニット26、紙幣入出金部27、硬貨出金部28、テンキー16、レシートプリンタ14が接続されている。これらインターフェイス24に接続された各種機器は、制御部、記憶部と接続され、記憶部に記憶されたプログラムに従って制御される。
【0028】
クレジットカードユニット26は、クレジットカード入出口15の背面に配置されており、宿泊客の所持するクレジットカードの読み取りを行う。紙幣入出金部27は紙幣入出口18の背面に配置されており、宿泊客の支払う紙幣の回収、あるいは、お釣りとしての紙幣の排出を行う。硬貨出金部28は金銭払出口17の裏面に配置されており、宿泊客に対してお釣りとしての硬貨の排出を行う。レシートプリンタ14は、収納するレシート用紙に領収書等、各種印字、並びに、印字したレシート用紙のカットを行うことが可能である。テンキー16は、クレジットカードの暗唱番号等、各種情報を入力することが可能である。
【0029】
タッチパネルモニタ11に表示する画像は、制御部、記憶部の制御の基、画像処理部21dによって表示部11bに表示される。また、受付装置1にはLAN4(4aまたは4b)に接続するための通信部23が設けられ、ネットワークに接続された管理コンピューター3、あるいは、ルーター52を介してインターネットと通信を行うことが可能となっている。また、受付装置1の放音孔19aの背面には、スピーカ29aが設けられており、集音孔19bの背面にはマイクロホン29bが設けられている。スピーカ29a、マイクロホン29bは、音声処理部21eによって制御され、コールセンターのスタッフとの通話を行うことが可能である。
【0030】
図4は、本実施形態に係るコールセンター端末9a、9b(以下、コールセンター端末9と記載する)、及び、その周辺機構の構成を示す図である。コールセンター端末9は、コールセンターのスタッフによって操作される情報処理装置であって、制御部としてのCPU31a、ROM31b、RAM31c、記憶部としてのハードディスク32を備えて構成されている。また、キーボード、マウスと行った各種入力手段41を接続するためのインターフェイス37aを備えている。また、モニタ42に対して映像を形成出力するための画像処理部31dを備えている。また、LAN8に接続するための通信部33が設けられている。また、コールセンター端末9には、音声処理部31eが設けられ、オペレータが装着するヘッドセットに対して音声入出力を行うことが可能となっている。ヘッドセットには、スピーカ、マイクロホンが設けられており、受付装置1と対面する宿泊者と通話を行うことが可能である。
【0031】
以上のような構成のもと、本実施形態に係る宿泊施設用システムでは、宿泊客のチェックイン、もしくは、チェックアウトに関する各種処理を実行することが可能である。次に、本実施形態に係る宿泊施設用システムで実行されるチェックインに関する処理について説明を行う。
【0032】
図6は、本実施形態に係る受付装置1で実行されるチェックイン処理を示すフロー図である。まだ受付を行っていない初期状態の受付装置1には、使用する言語を選択可能な初期画面が表示されている。
図8は、本実施形態に係る初期画面を示す図である。初期画面には、言語選択ボタン112、呼出ボタン111が表示されている。宿泊客は言語選択ボタン112中、使用する言語に対応するボタンを操作することで、使用する言語を決定する。また、呼出ボタン111は、コールセンターのスタッフを呼び出すボタンである。呼出ボタン111は、後で説明する各種画面にも表示され、適宜タイミングで操作することで、コールセンターのスタッフとの通話を行うことが可能となっている。受付装置1とコールセンター間の処理については後で詳しく説明を行う。
【0033】
言語選択ボタン112の操作に基づき、使用する言語の決定が行われると、
図9に示されるメニュー画面が表示される。メニュー画面には、チェックイン選択ボタン113、チェックアウト選択ボタン114が表示されている。また、タッチパネルモニタ11には、呼出ボタン111も表示されている。宿泊客は、チェックインする場合にはチェックイン選択ボタン113を操作し、チェックアウトする場合にはチェックアウト選択ボタン114を操作する。
【0034】
チェックイン処理は、チェックイン選択ボタン113を操作することで開始される。チェックイン処理が開始されると、タッチパネルモニタ11には、チェックイン方法を問うチェックイン方法選択画面が表示される(S101)。
図10は、チェックイン方法選択画面を示す図である。チェックイン方法選択画面には、4つのチェックイン選択ボタン115a~115dが表示されており、宿泊客は4種類のチェックイン方法の内、何れかを選択することが可能となっている。
【0035】
4種類のチェックイン方法としては、(1)予約番号を使用する形態(チェックイン選択ボタン115aを選択)、(2)名前を使用する形態(チェックイン選択ボタン115bを選択)、(3)2次元バーコードを使用する形態(チェックイン選択ボタン115cを選択)、(4)ルームカードを使用する形態(チェックイン選択ボタン115dを選択)がある。宿泊施設の予約を行った場合、予約番号が通知されることがある。予約番号を使用する形態は、通知された予約番号を入力することで予約照会を行う形態である。名前を使用する形態は、予約した宿泊客の名前を入力することで予約照会を実行する形態である。インターネットを使用した宿泊施設の予約では、メール、アプリ等によって、予約に関する情報が2次元バーコード(コード情報)を使用して通知されることがある。2次元バーコードを使用する形態は、ユーザが取得した2次元バーコードを提示して予約照会する形態である。
【0036】
ところで、来店した宿泊客は、直接、受付装置1に立ち寄らず、フロントにいるフロント71いる従業員に対して、氏名、滞在期間等を告げるといった、従来から行われている手法を取ることがある。ルームカードを使用する形態は、このような手法に対応した形態である。この場合、従業員は管理コンピューター3に情報を入力し、当該宿泊客の予約を確認し、管理コンピューター3に接続されたカードキーリーダ・ライタを使用して部屋番号をカードキーに記録させる、そのカードキーを宿泊客に渡して受付装置1での精算を促すことになる。宿泊客は、受付装置1で、ルームカードから照会する形態を選択することで、各種情報(予約番号、名前、2次元バーコード等)を入力する必要なく、カードキーをカードキー入出口12に挿入するだけで、予約に関する情報を照会することが可能となる。
【0037】
ここで、宿泊施設用システムで使用する各種データ構成について説明しておく。
図5は、宿泊施設用システムで使用する各種データ構成である。予約の形態としては、会員登録していない宿泊客によって行われた予約で形成される非会員予約情報と、会員登録している宿泊客によって行われた予約で形成される会員予約情報がある。
図5(A)は、非会員予約情報のデータ構成であって、予約番号、宿泊者情報、宿泊関連情報を含んで構成されている。
【0038】
予約番号は、予約情報(非会員予約情報、会員予約情報の両方)を識別可能な情報である。この予約番号を参照することで、予約情報を特定することが可能である。宿泊者情報は、氏名(漢字)、氏名(カナ)、住所、電話番号等、宿泊者に関連する情報を含んで構成されている。宿泊関連情報は、宿泊に関する情報であって、本実施形態では、店舗ID、チェックイン日、宿泊数、宿泊人数、部屋タイプ、宿泊代金、予約プラン等を含んで構成されている。
【0039】
店舗IDは、チェーン店経営時等、複数の宿泊施設を管理する場合、どの店舗(宿泊施設)を予約しているかを特定する情報である。宿泊代金には、部屋料金の他、朝食代等のオプション料金、そして、支払い済みか否か等の情報も含まれている。そして、予約プラには、朝食の有無、夕食の有無等、各種プランに関する情報が含まれている。
【0040】
図5(B)は、会員予約情報のデータ構成であって、会員を識別可能な会員ID、予約番号、宿泊関連情報が含まれている。宿泊関連情報は、非会員予約情報と同様である。会員IDには、
図5(C)の会員情報が紐付くことになる。会員情報は、会員登録した顧客に関する情報であって、会員ID、氏名(漢字)、氏名(カナ)、性別、職業、年齢、国籍、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス等が含まれている。
【0041】
以上、説明した非会員予約情報、会員予約情報、会員情報は、例えば、管理サーバ10で記憶管理され、受付装置1a、1b、管理コンピューター3a、3b、コールセンター端末9a、9bで参照することが可能となっている。なお、非会員予約情報、会員予約情報、会員情報は、それらを使用する装置(受付装置1a~1d、管理コンピューター3a、3b、コールセンター端末9a、9b)で記憶管理することとしてもよい。
【0042】
図6のチェックイン処理に戻り、チェックイン方法選択画面の表示に基づき、ユーザによりチェックイン方法が選択された場合(S102:Yes)、選択されたチェックイン方法に応じた予約者の照会(特定)、すなわち、管理サーバ10に記憶されるデータベースの検索が行われる(S103)。そして、照会に基づいて、
図5(A)の非会員予約情報、あるいは、
図5(B)の会員予約情報が取得される(S104)。受付装置1は、取得した予約情報に基づいて宿泊内容確認画面を表示する(S105)。なお、後で説明する同室者登録処理等のため、現在手続を行っている順番を示す手続番号Nに1を設定する(S106)。
【0043】
図11は、本実施形態に係る宿泊内容確認画面を示す図である。宿泊内容確認画面には、取得した予約情報(非会員予約情報、あるいは、会員予約情報と会員情報)に基づいて各種情報を表示する宿泊関連表示欄116、取消ボタン117、戻るボタン118a、次へボタン118bが表示されている。宿泊関連表示欄116に表示される内容に間違いないことを確認したユーザ(宿泊客)は、次へボタン118bを操作する(S107:Yes)。一方、宿泊関連表示欄115に実際と異なる内容がある場合、ユーザは取消ボタン117、あるいは、戻るボタン118aを操作して、従業者を呼ぶ、あるいは、操作をやり直す。
【0044】
宿泊関連表示欄116の表示内容が確認された後(S107:Yes)、予約者登録処理(S200)が実行される。予約者登録処理(S200)は、従来の宿帳記入に相当する処理であり、宿泊客について宿泊に必要とされる情報が取得される。特に、外国人宿泊客の場合、パスポートの提示、登録が必須とされるため、外国時宿泊客のパスポートがコピー(スキャン)が行われる。
【0045】
図7は、本実施形態に係る予約者登録処理(S200)のフロー図である。予約者登録処理(S200)が開始されると、まず、国籍選択画面が表示される(S201)。
図12は、本実施形態に係る国籍選択画面を示す図である。国籍選択画面には、日本に居住する宿泊客が選択する国籍選択ボタン119a、日本以外に居住する宿泊客、すなわち、パスポートの提示が必要とされる宿泊客が選択する国籍選択ボタン119bが表示されている。この他、国籍選択画面には、取消ボタン117、戻るボタン118aが表示されている。これら機能は、
図11で説明した宿泊内容確認画面における機能と同様であって、一般的な機能である。以後の各種画面に登場する取消ボタン117、戻るボタン118aについても同様である。
【0046】
国籍選択ボタン119bが選択された場合(S202:No)、すなわち、外国人宿泊客の場合、受付装置1は、ユーザに対し、スキャナ口13内に設置されたスキャナ20上にパスポートを設置するようにタッチパネルモニタ11等に表示(図示せず)して促す。スキャナ20によるパスポートの読み取り(S203)が完了すると、
図13に表示されるパスポート確認画面が表示される(S204)。パスポート確認画面には、パスポート表示欄121、取消ボタン117、戻るボタン118a、次へボタン118b等が表示されている。パスポート表示欄121には、スキャナ20で読み取られたパスポート画像が表示される。ユーザは、パスポート表示欄121に表示されたパスポート画像を確認し、読み取り完了を指示する次へボタン118を操作し、パスポートの読み取りを完了する(S205:Yes)。なお、読み取られたパスポート画像は、そのまま、宿泊台帳情報に登録してもよいし、あるいは、パスポート画像から文字認識を行うことでパスポート番号等、各種パスポート情報を抽出して、パスポート画像とともに、あるいは、抽出したパスポート情報のみを宿泊台帳情報に登録してもよい。
【0047】
パスポートの読み取りが完了する(S205:Yes)、あるいは、国籍選択ボタン119aが操作された場合、S104で取得した予約に関する情報が、会員登録された宿泊客による会員予約情報か、非会員予約情報であるかが判定される。会員予約情報の場合(S206:Yes)、会員情報を取得(S207)の上、会員予約情報と、既に登録してある会員情報を使用して宿泊台帳画面が表示される(S208)。一方、非会員予約情報の場合(S206:No)、非会員予約情報を使用して宿泊台帳画面が表示される(S209)。
【0048】
図14は、本実施形態に係る宿泊台帳画面を示す図である。宿泊台帳画面には、宿泊関連情報表示欄122、編集ボタン123、宿泊者関連情報表示欄124、サイン欄125、取消ボタン117、確定ボタン126等が含まれている。宿泊関連情報表示欄122は、
図5(A)、
図5(B)で説明した情報に含まれる宿泊関連情報に基づいて表示される。また、会員登録されている場合、宿泊者関連情報表示欄124には、
図5(C)の会員情報に含まれる各種情報が表示される。このように会員登録を行っている場合、宿泊者関連情報表示欄124は、登録されている会員情報に基づき、殆どの情報が表示されるため、ユーザは大幅な編集を行う必要がない。
【0049】
サイン欄125は、指あるいはタッチペンを使用して、タッチパネルモニタ11上をなぞり、署名を記入するための欄である。宿泊施設の運用によっては、署名を求めない場合もある。その場合、サイン欄125を設けない形態としてもよい。宿泊台帳画面において編集ボタン123が操作された場合(S209:Yes)、
図15に示す宿泊台帳画面(編集中)に遷移し、編集処理(S215)が実行される。宿泊台帳画面(編集中)には、宿泊者関連情報表示欄124の他、ソフトキーボード127、変換文字選択欄128が表示されている。ユーザは、宿泊者関連情報表示欄124中、編集(新規追加、修正、削除)したい項目を選択し、ソフトキーボード127、変換文字選択欄128を使用して編集を行う。
【0050】
編集後、あるいは、編集しないままの状態で、宿泊者関連情報表示欄124中の確定ボタン126が操作された場合(S211:Yes)、
図16に示す登録確認画面が表示される(S216)。登録確認画面には、登録許可ボタン129a、登録否決ボタン129b、取消ボタン117が表示される。なお、登録確認画面では、登録される会員情報の扱いについて説明した利用規約を表示する、あるいは、利用規約を表示するためのボタンを表示し、利用規約に同意させた上で登録することとしてもよい。登録許可ボタン129aが操作された場合(S213:Yes)には、
図14に示す宿泊台帳画面をキャプチャーした画像(宿泊台帳画像)を登録する(S214)。なお、宿泊台帳画像には、少なくとも宿泊関連情報表示欄122、宿泊者関連情報表示欄124の部分が含まれていればよい。そして、会員情報に関する各種項目も会員情報に登録する(S215)。なお、既に会員情報が登録されている場合には、会員情報を今回、取得した最新のものに上書きする。
【0051】
一方、登録否決ボタン129が操作された場合(S213:No)には、S214と同様、
図14に示す宿泊台帳画面をキャプチャーした画像(宿泊台帳画像)が、管理サーバ10等の記憶手段に登録される(S218)。宿泊台帳情報と、会員情報とは、宿泊者関連情報表示欄124に含まれる情報を有する点で共通するものの、宿泊台帳情報が画像情報であるのに対し、会員情報が、後で取扱可能なテキスト情報である点で異なっている。これは、宿泊台帳情報が、旅館業法で残すことが定められている情報であるのに対し、会員情報は、登録後、宿泊客に対して、ダイレクトメールの送付(郵便、電子メール等)や、インターネット会員への誘導等のプロモーション等に使用される性格上の違いによるものである。したがって、登録否決ボタン129bを操作した場合、当該宿泊客の宿泊台帳情報(画像情報)のみが作成、登録され、プロモーション等には使用されない。
【0052】
以上で予約者登録処理(S200)は、終了し、
図6のチェックイン処理へと戻る。予約者登録処理(S200)が完了すると、予約情報(非会員予約情報、会員予約情報)に含まれる宿泊人数に基づき、同室者の有無が判定される(S108)。すなわち、宿泊人数が1人であれば同室者は無しという判定、宿泊人数が複数であれば同室者は有りという判定となる。同室者有りの場合(S108:Yes)、同室者登録処理(S300)が実行される。同室者登録処理(S300)は、予約者登録処理と同様の処理であって、宿泊台帳画面を使用し、同室者に関する各種情報が登録される。なお、同室者登録処理(S300)においても、同室者の会員登録を行うこととしてもよい。
【0053】
図6のチェックイン処理に戻って、説明を継続する。チェックイン処理では、同室者がいない(S108:No)、あるいは、同室者登録処理(S300)が完了した場合、宿泊費用の支払い処理(S109)を実行する。本実施形態では、紙幣入出金部27、硬貨出金部28を使用した現金による支払い、あるいは、クレジットカードユニット26を使用したクレジットカードによる支払いが可能となっている。宿泊費用の支払いが完了すると、カードキー入出口12から客室の解錠に使用するカードキーが発行される(S110)。カードキーは宿泊人数を上限枚数として発行することが可能である。なお、
図10で説明したルームカードから予約照会を行った場合には、挿入したカードキーに解錠するための情報がカードキーユニット25で書き込まれて排出される。カードキーの発行後、宿泊費用の支払いに対するレシートがレシートプリンタ14で印字される(S111)。
【0054】
以上、本実施形態に係るチェックイン処理について説明した。ところで、受付装置1で行うチェックイン処理は、宿泊施設側のスタッフに手間をかけることなく行うことができるため、宿泊施設の運営効率を向上させることに繋がる。一方、受付装置1を使用する宿泊客には、機械操作に慣れていない等、その扱いに戸惑うことが考えられる。本実施形態では、このような事情を考慮し、ネットワークを介して通信接続されたコールセンターから、オペレータとの通話による補助を行うことが可能となっている。
【0055】
オペレータとの通話は、
図8の初期画面等に設けられた呼出ボタン111を使用して開始される。呼出ボタン111が操作された場合、タッチパネルモニタ11には、
図19に示される呼出中画面が表示される。そして、コールセンター端末9a、9b(以下、コールセンター端末9と記載する)との通話が開始されると、
図20に示される通話開始画面が表示される。通話開始画面には、話し中アイコン130が表示されており、コールセンターと通話中であることが示されている。
【0056】
図17は、コールセンター端末9a、9b(以下、コールセンター端末9と記載する)で実行されるコールセンター処理を示すフロー図である。コールセンター処理の実行時、コールセンター端末9に接続されたモニタ42には、コンソール画面が表示される(S401)。
図22は、本実施形態に係るコンソール画面を示す図である。コンソール画面には、通話対象とする受付装置1a~1d毎に、状態表示欄421a、421b、及び、接続ボタン424aが表示されている。
【0057】
通話対象とする受付装置1a~1dは、コールセンター端末9で予め選択することが可能となっている。
図22のコンソール画面の例では、ホテルAの1号機である(受付装置1a)と、ホテルBの1号機(受付装置1c)が通話対象として選択されている。このように、本実施形態では、コールセンター端末9において、複数の宿泊施設を通話対象とすることが可能となっている。
【0058】
状態表示欄421a、421bには、モニタ表示欄422a、422b、オプション表示欄423aが表示されている。モニタ表示欄422aは、通話対象とする受付装置1のタッチパネルモニタ11に表示される画面がそのまま表示されている。コールセンター端末9を操作するオペレータは、このモニタ表示欄422a、422bを視認することで、受付装置1a、1cの操作状態を確認することが可能となっている。オプション表示欄423a、423bには、受付装置1a、1cについて、故障が生じていないかを示す「状態」、当該受付装置1a、1cの監視を開始してからの時間を示す「監視経過時間」、受付装置1a、1cのチェックイン処理等において、宿泊客が特定された場合、その宿泊者名、部屋番号が表示される「宿泊者名」、「部屋番号」が表示されている。
【0059】
通話対象となっている受付装置1について、受付装置1の呼出ボタン111が操作された場合(S402:Yes)、コンソール画面の表示更新が行われる(S403)。具体的には、呼び出しを行った受付装置1に対応するモニタ表示欄422a、422bには、「通話呼出中」の文字が表示される。
図23は、受付装置1aから通話呼び出しが行われた場合が示されている。
【0060】
コールセンター端末9を扱うオペレータは、この表示を確認し、接続ボタン424aを操作することで、通話する受付装置1(
図23の場合、受付装置1a)との通話を開始する(S405)。
図24には、通話開始後におけるコンソール画面が示されている。モニタ表示欄422aには、「通話中」の文字が表示され、接続ボタン424aは、切断ボタン427に変更表示されている。本実施形態では、同時に複数の受付装置1と通話を行うことができないよう、受付装置1cの接続ボタン424bは消去表示されている。
【0061】
また、本実施形態では、コールセンター端末9において、複数の宿泊施設を通話対象としている。その際、コールセンターのオペレータの操作効率の向上を図るため、通話対象としている受付装置1に対応する宿泊施設の予約情報(非会員予約情報、もしくは、会員予約情報)を読み出し(S406)、読み出した予約情報に基づき予約者リスト画面を表示させることとしている(S407)。
【0062】
図25は、コールセンター端末9に接続されたモニタ42に表示される予約者リスト画面である。なお、
図22~
図24で説明したコンソール画面と、
図25の宿泊者リストは、それぞれをウィンドウ表示することでモニタ42に同時に表示させることとしてもよい。あるいは、切り替えて表示することとしてもよい。
【0063】
予約者リスト画面には、検索指定欄425、予約者表示欄426が設けられている。検索してイランには、宿泊日、宿泊者に関する検索指定欄(宿泊者名、同室者名、会社名、部屋番号No.)、条件変更ボタン425a、日付変更ボタン425b、425c、施設変更ボタン425dが設けられている。
【0064】
宿泊者との通話開始直後、検索指定欄425の宿泊日には、当日(現在の日付)が検索対象として指定される。また、条件変更ボタン425aは、チェックイン済み、未チェックインを選択することが可能であるが、通話開始直後は、未チェックインが指定される。そして、通話開始直後は、施設変更ボタン425dには、現在、通話対象となっている宿泊施設が指定される。
【0065】
予約者表示欄426には、検索指定欄425の条件に基づき、予約者情報中、対象となる宿泊者が表示される。ここでは、宿泊者名(カタカナ)、部屋タイプ、人数、宿泊料金、会社名、到着時刻、泊数、朝食の有無(朝食参加人数)、予約時の備考、会員登録の有無が表示される。ここで、通話開始直後には、当日、宿泊する未チェックインの宿泊者が表示されるため、オペレータは、宿泊者との通話において、例えば、宿泊者名を確認することで、迅速に対象となる宿泊者を選択することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態では、コールセンター端末9a、9bにおいて、複数の宿泊施設を同時に管理することが可能となっているが、通話開始直後には、通話対象となっている宿泊施設の宿泊者が表示対象となるため、他の宿泊施設と混同することなく、迅速に宿泊者を選択することが可能となっている。
【0067】
検索指定欄425は、オペレータの操作により、検索条件を変更することが可能である。例えば、宿泊者が日付を間違えている場合、あるいは、宿泊者が宿泊施設を間違えている場合、あるいは、同室者によって既にチェックイン済みであることが考えられる。このような場合、オペレータは、日付変更ボタン425b、425c、施設変更ボタン425d、条件変更ボタン425aを操作することで、検索条件を変更し、予約者表示欄426に表示される検索対象を変更することが可能である。あるいは、オペレータは、検索指定欄425に設けられ得た検索指定欄(宿泊者名、同室者名、会社名、部屋番号No.)に直接入力することで宿泊者の検索を行うことも可能である。
【0068】
図25の予約者リスト画面に予約者表示欄426に表示された宿泊者おいて、オペレータは宿泊者を選択することが可能である。宿泊者の選択は、マウスのカーソル操作で宿泊者を選択する等、各種操作によって行うことが可能である。宿泊者が選択された場合(S408:Yes)、選択された宿泊者について、予約情報、会員登録している場合には会員情報が読み出され(S409)、顧客補助処理(「補助処理」に相当。)が開始される。
【0069】
図18は、本実施形態に係る顧客補助処理のフロー図である。顧客補助処理が開始されると、
図25に示されるように、予約者リスト画面に重畳して、情報編集欄430が表示される。情報編集欄430には、宿泊関連表示欄431、宿泊者関連表示欄432、同室者登録ボタン431a、会計データ表示欄433、データ送信ボタン434、会員登録ボタン435が表示されている。
【0070】
情報編集欄430には、予約情報、あるいは、予約情報と会員情報に基づいて、宿泊関連表示欄431、宿泊者関連表示欄432が記入された状態で表示される。オペレータは、宿泊者との対話に基づき、編集の必要が無ければ、データ送信ボタン434を操作すること(S502:Yes)で、宿泊関連表示欄431、宿泊者関連表示欄432に表示されている情報を、予約補助情報として、現在、通話対象となっている受付装置1に送信することが可能である(S503)。
【0071】
コールセンター端末9から、予約補助情報を送信した場合、受信側の受付装置1では、受信した予約補助情報に基づく被補助処理を実行する。具体的には、予約補助情報を受信した受付装置1は、
図21に示される宿泊内容確認画面(通話時)に切り替えられる。その際、宿泊内容確認画面には、受信した予約補助情報が反映された状態で表示されており、例えば、宿泊者は、
図10のチェックイン方法選択画面で選択を行うことなく、自分の予約を確認し、速やかにチェックインを行うことが可能である。また、後に表示される宿泊台帳画面についても、オペレータとの通話により、オペレータ側で記入することで、宿泊台帳画面を表示した際には記入済みの状態となり、宿泊者は、ソフトキーボード127の操作を行うことなく、チェックインを行うことが可能となる。
【0072】
また、オペレータは、宿泊関連表示欄431、宿泊者関連表示欄432に表示されている内容を編集することも可能である。例えば、宿泊台帳情報として必要となる宿泊関連表示欄431の宿泊地、行き先地は、宿泊当日、記入して貰う必要があるが、本実施形態では、オペレータとの通話によって、オペレータが記入することが可能となっている。また、宿泊プランについても、当初、朝食無しとなっていたものを、オペレータとの通話で朝食有りに変更することが可能である。このように情報の編集が行われた場合(S504:Yes)、編集された情報は、予約情報(非会員予約情報、会員予約情報、会員情報)に随時、更新される(S506)。
【0073】
このように、通話を行っている宿泊者は、受付装置1の各種操作(ソフトキーボード127の操作等)をなるべく行うことなく、また、オペレータとの通話によって、速やかにチェックインを行うことが可能となっている。なお、オペレータは、宿泊者に代わって全ての操作を行うことができるものではなく、例えば、
図11の宿泊内容確認画面における確認操作(次へボタン118bの操作)、あるいは、
図14のサイン欄125の記入等、宿泊者が行うことができ、オペレータが行うことができない操作が設けられている。オペレータが行うことができない操作については、通話によって補助することが可能である。
【0074】
情報編集欄430において、オペレータは、部屋タイプ、宿泊プランの変更を行うことも可能である。その場合、料金が変更されることが考えられる。会計データ表示欄433には、変更後の料金が反映される。会計データ表示欄には、総請求額、事前支払額、必要支払額が表示される。総請求額は、宿泊者が宿泊のために支払う全ての料金である。事前支払額は、予約時にネット決済等によって事前に支払いを済ませた料金である。必要支払額は、受付装置1の支払処理(
図6のS109)で支払をする料金である。例えば、事前に全ての支払いを済ませておいた場合であっても、部屋タイプ、宿泊プラン等が変更された場合、必要支払額が生じることになる。変更された会計データは、受付装置1に送信される(S503)ため、宿泊者は変更された料金を受付装置1で支払うことが可能となる。
【0075】
本実施形態の受付装置1では、同室者の登録を行うことも可能であった。同室者登録処理(S300)では、同室者に関する各種情報が宿泊台帳情報に登録される。この場合も、ソフトキーボード等を使用した操作が必要となる。本実施形態では、同室者の登録についても、オペレータの操作により行うことが可能である。同室者の登録は、情報編集欄430中、同室者登録ボタン431aが操作されることで開始される。
図26の例では、宿泊人数が3名であるため、2名分の同室者記入欄、及び、同室者登録ボタン431aが設けられている。同室者登録ボタン431aが操作された場合(S507:Yes)、同室者について情報編集欄430が表示され、オペレータは各種入力を行うことが可能である(S508)。また、同室者の情報編集欄430では、同室者についても会員登録を行うことが可能である。
【0076】
本実施形態では、宿泊者の会員登録を行うことも可能である。情報編集欄430には、会員登録していない宿泊者についてのみ会員登録ボタン435が表示される(S509:Yes)。したがって、オペレータは、会員登録を行っていない宿泊者を判別し、会員登録の勧誘を行うことも可能となっている。宿泊者が、会員登録を希望する場合、オペレータは、宿泊者関連表示欄432中、必要な項目を通話で確認しながら記入する。そして、会員登録ボタン435が操作された場合(S510:Yes)、会員登録、すなわち、会員情報の登録が実行される(S511)。
【0077】
S502~S511の処理は、通話が中断されるまで(
図24の切断ボタン427が操作されるまで(S512:Yes))実行される。コンソール画面において、切断ボタン427が操作された場合、通話を終了する(S513)とともに、顧客補助処理(S500)、及び、コールセンター処理は終了する。
【0078】
このように、本実施形態のコールセンター処理では、通話要求のあった宿泊客に対し、通話によるサポートのみならず、予約情報等に基づき形成された予約補助情報を、通話対象となっている受付装置1に送信することで、宿泊者の操作補助を適切に行うことが可能となっている。特に、本実施形態のコールセンター端末9では、異なる宿泊施設に設置された受付装置1を複数台管理することが可能となっており、通話対象となっている受付装置1が設置された宿泊施設の予約情報を読み出すことで、他の宿泊施設と混同することなく、速やかなオペレータによる作業を行うことが可能となっている。
【0079】
以上、本発明に係る発明について、各種実施形態について説明を行ったが、本発明はこれら各種実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの各種実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0080】
1(1a~1d):受付装置 42:モニタ
2a、2b:ルーター 52:ルーター
3(3a、3b):管理コンピューター 111:呼出ボタン
3a、3b:管理コンピューター 112:言語選択ボタン
5a、5b:カメラ 113:チェックイン選択ボタン
7:ルーター 114:チェックアウト選択ボタン
9(9a、9b):コールセンター端末 115:宿泊関連表示欄
10:管理サーバ 115a~115d:チェックイン選択ボタン
11:タッチパネルモニタ 116:宿泊関連表示欄
11a:タッチパネル 117:取消ボタン
11b:表示部 118:ボタン
12:カードキー入出口 118a:ボタン
13:スキャナ口 118b:ボタン
14:レシートプリンタ 119a、119b:国籍選択ボタン
15:クレジットカード入出口 121:パスポート表示欄
16:テンキー 122:宿泊関連情報表示欄
17:金銭払出口 123:編集ボタン
18:紙幣入出口 124:宿泊者関連情報表示欄
19a:放音孔 125:サイン欄
19b:集音孔 126:確定ボタン
20:スキャナ 127:ソフトキーボード
21a:CPU 128:変換文字選択欄
21b:ROM 129:登録否決ボタン
21c:RAM 129a:登録許可ボタン
21d:画像処理部 129b:登録否決ボタン
21e:音声処理部 130:中アイコン
22:ハードディスク 421a、421b:状態表示欄
23:通信部 422a、422b:モニタ表示欄
24:インターフェイス 422b:モニタ表示欄
25:カードキーユニット 423a、423b:オプション表示欄
26:クレジットカードユニット 424a、424b:接続ボタン
27:紙幣入出金部 425:検索指定欄
28:硬貨出金部 425a:条件変更ボタン
29a:スピーカ 425b、425c:日付変更ボタン
29b:マイクロホン 425d:施設変更ボタン
31a:CPU 426:予約者表示欄
31b:ROM 427:切断ボタン
31c:RAM 430:情報編集欄
31d:画像処理部 431:宿泊関連表示欄
31e:音声処理部 431a:同室者登録ボタン
32:ハードディスク 432:宿泊者関連表示欄
33:通信部 433:会計データ表示欄
37a:インターフェイス 434:データ送信ボタン
41:入力手段 435:会員登録ボタン