(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20241113BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241113BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
H04M1/02 C
H05K5/02 L
G06F1/16 312G
G06F1/16 312N
G06F1/16 312L
(21)【出願番号】P 2020175872
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】佐武 優
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-120419(JP,A)
【文献】特開2007-312252(JP,A)
【文献】特開平06-161601(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0235534(US,A1)
【文献】中国実用新案第209692844(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0258626(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02- 1/23
H05K 5/00- 5/06
G06F 1/00
1/16- 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードをそれぞれ挿入可能な複数のカードスロットを備える携帯端末であって、
前記カードスロットに対して挿入可能に位置している前記カードが占めるエリアを挿入エリアとするとき、
前記複数のカードスロットは、それぞれの前記挿入エリアが少なくとも一部共有されるように配置され
、
前記複数のカードスロットの少なくとも一部となる一対のカードスロットは、互いの前記挿入エリアが共有されるように、互いの挿入口が対向して配置され、
前記複数のカードスロットの少なくとも一部であって前記一対のカードスロットと異なる第3のカードスロットは、前記挿入エリアの少なくとも一部が前記一対のカードスロットの前記挿入エリアと共有されるように、前記カードの挿入方向が前記一対のカードスロットの対向方向に直交して配置されることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
カードをそれぞれ挿入可能な複数のカードスロットを備える携帯端末であって、
前記カードスロットに対して挿入可能に位置している前記カードが占めるエリアを挿入エリアとするとき、
前記複数のカードスロットは、それぞれの前記挿入エリアが少なくとも一部共有されるように配置され
、
前記複数のカードスロットは、バッテリが装着される装着部の底面にて前記バッテリの一面に覆われるように配置されて、
前記装着部の底面には、全ての前記挿入エリアを囲う防水用の弾性部が、装着状態の前記バッテリの一面によって環状に押圧されるように配置されることを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
全ての前記挿入エリアを覆うカバーを備え、
前記カバーには、前記複数のカードスロットの挿入口の少なくとも一部にそれぞれ対向する対向部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカードスロットを備える携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末を利用した屋外での音声通話やデータ通信などのニーズが増えており、SIMカードを利用可能な携帯端末が増えている。特に、SDカードとSIMカードとの組み合わせや通話用のSIMカードとデータ通信用のSIMカードとの組み合わせなど、使われ方が多様化する中で、複数のカードを利用するため複数のカードスロットを搭載した携帯端末のニーズが高まっている。
【0003】
このような複数のカードスロットを備える携帯端末として、例えば、下記特許文献1に開示される携帯電話機が知られている。この携帯電話機に設けられるカード用コネクタは、下段に配置する第1のスロットと、第1のスロット上となる上段に配置する第2のスロットとを備えるように構成されており、第1のスロットは、常時挿抜可能なメモリーカードが挿入され、第2のスロットは、携帯電話機ユーザの電話番号などの情報が保存されるSIMカードが挿入されるようになっている。特に、第1のスロットと第2のスロットとは、各々カードの挿抜方向が垂直な関係となることで、2つのICカードを同時に利用可能としつつ、携帯電話機の小型化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のカードスロットを備える携帯端末では、カードスロットに対して挿入可能に位置しているカードが占めるエリア(以下、挿入エリアともいう)をカードスロットごとに用意する必要がある。例えば、上記特許文献1の構成では、第1のスロットと第2のスロットとのそれぞれに挿入エリアを設ける必要があり、このように挿入エリアを設けるために、携帯端末の小型化が困難になる場合がある。特に、防水性が求められる携帯端末では、全ての挿入エリアを含めるように防水構造を設ける必要があるため、防水エリアが広くなるだけでなく、防水構造のために携帯端末の小型化が困難になる場合がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数のカードスロットの配置構成によって携帯端末の小型化を図り得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
カード(C1~C3)をそれぞれ挿入可能な複数のカードスロット(31~33,34a,34b,35a~35d)を備える携帯端末(10)であって、
前記カードスロットに対して挿入可能に位置している前記カードが占めるエリアを挿入エリアとするとき、
前記複数のカードスロットは、それぞれの前記挿入エリアが少なくとも一部共有されるように配置され、
前記複数のカードスロットの少なくとも一部となる一対のカードスロットは、互いの前記挿入エリアが共有されるように、互いの挿入口が対向して配置され、
前記複数のカードスロットの少なくとも一部であって前記一対のカードスロットと異なる第3のカードスロットは、前記挿入エリアの少なくとも一部が前記一対のカードスロットの前記挿入エリアと共有されるように、前記カードの挿入方向が前記一対のカードスロットの対向方向に直交して配置されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、カードスロットに対して挿入可能に位置しているカードが占めるエリアを挿入エリアとするとき、複数のカードスロットは、それぞれの挿入エリアが少なくとも一部共有されるように配置される。このように、それぞれの挿入エリアが少なくとも一部共有されるように複数のカードスロットを配置することで、各挿入エリアが個別に分散する場合と比較して、携帯端末の小型化が容易になるだけでなく、防水すべき範囲が狭くなることから防水構造を簡素化しやすくなり、この点からも携帯端末の小型化を図ることができる。したがって、複数のカードスロットの配置構成によって携帯端末の小型化を図ることができる。
【0009】
請求項1の発明では、複数のカードスロットの少なくとも一部となる一対のカードスロットは、互いの挿入エリアが共有されるように、互いの挿入口が対向して配置される。これにより、一対のカードスロットに関して挿入エリアを最小化できるので、携帯端末のさらなる小型化を図ることができる。
【0010】
請求項1の発明では、複数のカードスロットの少なくとも一部であって上記一対のカードスロットと異なる第3のカードスロットは、挿入エリアの少なくとも一部が上記一対のカードスロットの挿入エリアと共有されるように、カードの挿入方向が一対のカードスロットの対向方向に直交して配置される。これにより、一対のカードスロット及び第3のカードスロットに関して挿入エリアを最小化できるので、3つのカードスロットを備える携帯端末であってもその小型化を容易に図ることができる。
【0011】
請求項3の発明では、全ての挿入エリアを覆うカバーには、複数のカードスロットの挿入口の少なくとも一部にそれぞれ対向する対向部が設けられる。これにより、全ての挿入エリアを覆うようにカバーを取り付けた場合には、各カードスロットの挿入口の少なくとも一部に対して対向部が対向するため、カードスロットに挿入されたカードの飛び出しを防止することができる。
【0012】
請求項2の発明では、複数のカードスロットは、バッテリが装着される装着部の底面にてバッテリの一面に覆われるように配置されて、装着部の底面には、全ての挿入エリアを囲う防水用の弾性部が、装着状態のバッテリの一面によって環状に押圧されるように配置される。これにより、バッテリを装着部に装着することで、そのバッテリの一面によって防水用の弾性部が環状に押圧されるので、全ての挿入エリアを防水対象とする防水構造を容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る携帯端末を示す正面図である。
【
図4】バッテリを外した携帯端末本体の背面図である。
【
図5】
図4のカバー近傍を拡大して示す拡大図である。
【
図6】
図5からカバーを取り除いた状態を示す拡大図である。
【
図7】
図7(A)は、カバーの正面図であり、
図7(B)は、カバーの側面図であり、
図7(C)は、カバーの背面図である。
【
図8】
図1の携帯端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図9】第1実施形態の第1変形例に係る携帯端末の要部であって2つのカードスロットの配置状態を説明する説明図である。
【
図10】第1実施形態の第2変形例に係る携帯端末の要部であって4つのカードスロットの配置状態を説明する説明図である。
【
図11】第1実施形態の第3変形例に係る携帯端末の要部であって3つのカードスロットの配置状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1~
図3に示すように、本実施形態に係る携帯端末10は、バッテリ50をバッテリパックとして携帯端末本体11に装着して構成されるもので、QRコード(登録商標)等の外部の情報を読み取り、バッテリで駆動するタッチパネル式の読取装置として構成される。この携帯端末10は、筐体12によってバッテリ50を除く携帯端末本体11の外郭が構成され、この筐体12内に各種電子部品が収容されている。
【0015】
筐体12の背面側には、バッテリ50を装着するための装着部13が設けられており、この装着部13にバッテリ50が装着されることで、
図1~
図3に示す携帯端末10が構成される。装着部13の下端側(
図3の下側)には、バッテリ50のロック部51がそれぞれ係合する一対の係合部14が形成されており、装着したバッテリ50の裏面によって覆われる装着部13の底面13aの下端側には、バッテリ50の裏面に設けられる接続端子(図示略)に接触する接続端子15(
図4等参照)が配置されている。
【0016】
図4~
図6に示すように、装着部13の底面13aには、カバー40にて閉塞可能なスペースに設けられる開口13bを利用して3つのカードスロット31~33が設けられている。カードスロット31及びカードスロット32は、SIMカード用のカードスロットであって、SIMカードC1を挿入するカードスロット31の挿入口31aとSIMカードC2を挿入するカードスロット32の挿入口32aとが互いに対向するように配置されている。
【0017】
特に、挿入口31aと挿入口32aとの距離が、SIMカードC1,C2の長さよりも僅かに長くなるように配置されることで、カードスロット31に挿入したSIMカードC1に干渉することなくSIMカードC2を挿入口32aから挿入でき、カードスロット32に挿入したSIMカードC2に干渉することなくSIMカードC1を挿入口31aから挿入できるように構成される。すなわち、カードスロットに対して挿入可能に位置しているカードが占める挿入エリアに関して、カードスロット31の挿入エリアとカードスロット32の挿入エリアとが共有される。なお、カードスロット31及びカードスロット32は、「一対のカードスロット」の一例に相当し得る。
【0018】
カードスロット33は、SDカード(例えば、microSDカード)用のカードスロットであって、挿入口33aを介したSDカードC3の挿入方向がカードスロット31,32の対向方向に対して直交するように配置されている。特に、カードスロット33は、挿入エリアの少なくとも一部がカードスロット31,32にて共有される挿入エリアに対してさらに共有されるように、挿入口33aを挿入口31a及び挿入口32aに近づけて配置されている。これにより、
図6にて符号Sにて示すエリアを、各カードスロット31~33にて共有される共有挿入エリアSとして利用することができる。すなわち、共有挿入エリアSは、カードスロット31の挿入エリアとカードスロット32の挿入エリアとカードスロット33の挿入エリアとを含めたエリアとなる。なお、カードスロット33は、「第3のカードスロット」の一例に相当し得る。
【0019】
装着部13の底面13aには、開口13b及び接続端子15を囲うように環状の溝部13cが形成されており、この溝部13c内に、防水用の弾性部16が環状にはめ込まれている。弾性部16は、シリコンゴムなどによって弾性変形可能に構成され、装着状態のバッテリ50の裏面によって環状に押圧されるように形成されている。これにより、バッテリ50の装着時には、弾性部16とバッテリ50の裏面とによって、バッテリ50と装着部13との隙間を介した水等の弾性部16の内方への侵入を防止する防水構造が構築される。なお、
図4等では、説明の便宜上、弾性部16に対してハッチングを付している。
【0020】
カバー40は、弾性部16によって囲われる底面13aのうち共有挿入エリアSを含めた範囲を閉塞するための弾性変形可能な部材である。このカバー40は、
図7(A)~(C)に示すように、略四角板状のカバー本体41と、抜け止め部42と、3つのリブ43a~43cとが一体となるように構成されている。カバー本体41は、抜け止め部42が弾性部16によって囲われる開口13bに設けられたスリット13dを利用して出し入れ可能に組み付けられることで、共有挿入エリアS等を閉塞する状態と共有挿入エリアS等を露出させる状態とを切り替える部材として機能する。
【0021】
各リブ43a~43cは、カバー本体41から略U字状に連結して延出するように形成されている。
図5に示すように、リブ43aは、カバー本体41が挿入エリア等を閉塞した際に、カードスロット31の挿入口31aに対向することで、カードスロット31に挿入されたSIMカードC1の飛び出しを防止するように機能する。同様に、リブ43bは、カードスロット32の挿入口32aに対向することで、カードスロット32に挿入されたSIMカードC2の飛び出しを防止するように機能し、リブ43cは、カードスロット33の挿入口33aに対向することで、カードスロット33に挿入されたSDカードC3の飛び出しを防止するように機能する。なお、リブ43a~43cは、「対向部」の一例に相当し得る。
【0022】
次に、携帯端末10の電気的構成について説明する。
携帯端末本体11は、
図8に示すように、CPU等からなる制御部21、半導体メモリ等からなる記憶部22、カメラとして構成される撮像部23、制御部21によって表示内容が制御されるタッチパネル24、タッチパネル24に対するタッチ操作やキー操作に応じた信号を制御部21に出力する操作部25、外部機器等と通信するための通信部26、接続端子15を介してバッテリ50から電力が供給される電源部27などを備えている。
【0023】
このように構成される携帯端末10では、制御部21は、操作部25に対してなされる所定の操作に応じて、撮像部23にて撮像されたQRコード等を読み取るための処理を実施するように機能する。また、制御部21は、カードスロット33に挿入されたSDカードC3に対するデータの読み出し処理やデータの書き込み処理などを実施するように機能する。また、制御部21は、通信部26とともに、カードスロット31に挿入されたSIMカードC1を利用した通信処理やカードスロット32に挿入されたSIMカードC2を利用した通信処理を実施するように機能する。
【0024】
次に、各カードスロット31~33に対するカードの挿入について説明する。
まず、
図4に示すようにバッテリ50を携帯端末本体11から取り外した後に、カバー40を外すことで、
図6に示すように、各カードスロット31~33のそれぞれの挿入口31a~33aとともに共有挿入エリアSが露出し、各種のカードを挿入可能な状態になる。
【0025】
そして、カードスロット31にSIMカードC1を挿入する場合には、SIMカードC1の挿入側が挿入口31aに向かうようにSIMカードC1を共有挿入エリアS内に位置させてから挿入口31aに押し込むことで、SIMカードC1の挿入が完了する。この状態で、カードスロット32にSIMカードC2を挿入する場合には、SIMカードC2の挿入側が挿入口32aに向かうようにSIMカードC2を共有挿入エリアS内に位置させてから挿入口32aに押し込むことで、SIMカードC2の挿入が完了する。この挿入作業時には、挿入済のSIMカードC1が共有挿入エリアS内のSIMカードC2に干渉することはない。
【0026】
さらに、カードスロット33にSDカードC3を挿入する場合には、SDカードC3の挿入側が挿入口33aに向かうようにSDカードC3を共有挿入エリアS内に位置させてから挿入口33aに押し込むことで、SDカードC3の挿入が完了する。この挿入作業時には、挿入済のSIMカードC1及びSIMカードC2が共有挿入エリアS内のSDカードC3に干渉することはない。
【0027】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末10では、カードスロットに対して挿入可能に位置しているカードが占めるエリアを挿入エリアとするとき、各カードスロット31~33は、それぞれの挿入エリアが少なくとも一部共有されることで共有挿入エリアSを形成するように配置される。
【0028】
このように、それぞれの挿入エリアが少なくとも一部共有されるように各カードスロット31~33を配置することで、各挿入エリアが個別に分散する場合と比較して、携帯端末10の小型化が容易になるだけでなく、防水すべき範囲が狭くなることから防水構造を簡素化しやすくなり、この点からも携帯端末10の小型化を図ることができる。したがって、複数のカードスロットの配置構成によって携帯端末10の小型化を図ることができる。
【0029】
さらに、一対のカードスロットとなるカードスロット31,32は、互いの挿入エリアが共有されるように、互いの挿入口31a,32aが対向して配置される。これにより、カードスロット31,32に関して挿入エリアを最小化できるので、携帯端末10のさらなる小型化を図ることができる。
【0030】
特に、カードスロット31,32と異なるカードスロット33は、挿入エリアの少なくとも一部がカードスロット31,32の挿入エリアと共有されるように、SDカードC3の挿入方向がカードスロット31,32の対向方向に直交して配置される。これにより、カードスロット31,32及びカードスロット33に関して挿入エリアを最小化できるので、3つのカードスロット31~33を備える携帯端末10であってもその小型化を容易に図ることができる。
【0031】
また、共有挿入エリアSを覆うカバー40には、各カードスロット31~33の挿入口31a~33aにそれぞれ対向する対向部としてリブ43a~43cが設けられる。これにより、共有挿入エリアSを覆うようにカバー40を取り付けた場合には、各カードスロット31~33の挿入口31a~33aに対してリブ43a~43cが対向するため、カードスロットに挿入されたカードの飛び出しを防止することができる。なお、リブ43a~43cは、対応する挿入口31a~33aの少なくとも一部に対向するように形成されてもよく、このように形成される場合でも、カードスロットに挿入されたカードの飛び出しを防止することができる。
【0032】
また、各カードスロット31~33は、バッテリ50が装着される装着部13の底面13aにてバッテリ50の裏面(一面)に覆われるように配置されて、装着部13の底面13aには、共有挿入エリアSを囲う防水用の弾性部16が、装着状態のバッテリ50の裏面によって環状に押圧されるように配置される。これにより、バッテリ50を装着部13に装着することで、そのバッテリ50の裏面によって防水用の弾性部16が環状に押圧されるので、共有挿入エリアSを防水対象とする防水構造を容易に構築することができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)装着部13の底面13aには、上述した3つのカードスロット31~33が設けられることに限らず、それぞれの挿入エリアが少なくとも一部共有されることを前提に、2以上のカードスロットが設けられてもよい。例えば、
図9に示す第1実施形態の第1変形例のように、共有挿入エリアSを介して対向する2つのカードスロット34a,34bが設けられてもよい。また、
図10に示す第1実施形態の第2変形例のように、共有挿入エリアSを介して対向する4つのカードスロット35a~35dが設けられてもよい。また、
図11に示す第1実施形態の第3変形例のように、カードスロット33が、上記第1実施形態の構成に対して共有挿入エリアSを介して対象となる位置(端子側の位置)に設けられてもよい。
【0034】
(2)上述した各カードスロット31~33等は、SIMカード用のカードスロット又はSDカード用のカードスロットとして構成されることに限らず、他の機能を有するカードスロットとして構成されてもよい。
【0035】
(3)本発明は、上述したようなタッチパネル式の携帯端末10に適用されることに限らず、例えば、テンキーやファンクションキー等が設けられる携帯端末や無線タグ等を読み書きする非接触通信機能等を有する携帯端末に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10…携帯端末
13…装着部
13a…底面
16…弾性部
31~33,34a,34b,35a~35d…カードスロット
31a~33a…挿入口
40…カバー
43a~43a…リブ(対向部)
50…バッテリ
C1,C2…SIMカード(カード)
C3…SDカード(カード)
S…共有挿入エリア