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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20241113BHJP
   A63F 13/86 20140101ALI20241113BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241113BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20241113BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/86
A63F13/79 500
A63F13/55
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021103146
(22)【出願日】2021-06-22
(62)【分割の表示】P 2020162832の分割
【原出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056338
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】親川 大樹
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-136169(JP,A)
【文献】特開2019-193742(JP,A)
【文献】特開2019-136070(JP,A)
【文献】特開2011-255031(JP,A)
【文献】[CoDモバイル]ケアパッケージ(エアドロップ)の使い方と注意点,CODモバイル攻略wiki(コールオブデューティ) | 神ゲー攻略(WaybackMachine)[online],2020年04月29日,インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20200429234615/https://kamigame.jp/CODモバイル/スコアストリーク/エアドロップ.html>,[2024年6月28日検索]
【文献】[Fallout76]中継タワー~政府から補給を申請できる基地~,トミナミ.com[online],2019年10月12日,インターネット<URL:https://tommytoguchi.com/fallout76-185/>,[2024年7月1日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
第1ユーザにより操作される第1オブジェクトをフィールド上に表示させ、
前記第1ユーザのプレイを視聴する第2ユーザによる操作に基づいて前記フィールド上に投入されるオブジェクトであって、前記オブジェクトに関連付けられる効果を前記第2ユーザに対しては発揮せず、前記第1ユーザに対して発揮する第2オブジェクトを前記フィールド上の所定位置に表示させ、
前記第1オブジェクトが前記所定位置に基づく前記フィールド上の所定範囲に到達した場合に、前記第2オブジェクトに関連付けられる複数種類の効果を含む集合の中から抽選により選択された効果を発揮してゲームを進行させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
複数の前記第1ユーザのうち、前記第2ユーザと互いに承認したフレンド関係にある第1ユーザの端末に前記第2オブジェクトを表示させる表示態様と、前記第2ユーザと前記フレンド関係にない第1ユーザの端末に前記第2オブジェクトを表示させる表示態様と、を異ならせる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第2オブジェクトを、前記フィールド上の、抽選により決定される位置に表示させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサが、第1ユーザにより操作される第1オブジェクトをフィールド上に表示させ、
プロセッサが、前記第1ユーザのプレイを視聴する第2ユーザによる操作に基づいて前記フィールド上に投入されるオブジェクトであって、前記オブジェクトに関連付けられる効果を前記第2ユーザに対しては発揮せず、前記第1ユーザに対して発揮する第2オブジェクトを前記フィールド上の所定位置に表示させ、
プロセッサが、前記第1オブジェクトが前記所定位置に基づく前記フィールド上の所定範囲に到達した場合に、前記第2オブジェクトに関連付けられる複数種類の効果を含む集合の中から抽選により選択された効果を発揮してゲームを進行させる、
情報処理方法。
【請求項5】
第1ユーザにより操作される第1オブジェクトをフィールド上に表示させる機能と、
前記第1ユーザのプレイを視聴する第2ユーザによる操作に基づいて前記フィールド上に投入されるオブジェクトであって、前記オブジェクトに関連付けられる効果を前記第2ユーザに対しては発揮せず、前記第1ユーザに対して発揮する第2オブジェクトを前記フィールド上の所定位置に表示させる機能と、
前記第1オブジェクトが前記所定位置に基づく前記フィールド上の所定範囲に到達した場合に、前記第2オブジェクトに関連付けられる複数種類の効果を含む集合の中から抽選により選択された効果を発揮してゲームを進行させる機能と、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
サーバ装置と端末装置とを備え、
前記サーバ装置は、
第1ユーザの端末装置への入力により操作される第1オブジェクトを、端末装置においてフィールド上に表示させ、
前記第1ユーザのプレイを視聴する第2ユーザの端末装置への入力による操作に基づいて前記フィールド上に投入されるオブジェクトであって、前記オブジェクトに関連付けられる効果を前記第2ユーザに対しては発揮せず、前記第1ユーザに対して発揮する第2オブジェクトを、端末装置において前記フィールド上の所定位置に表示させ、
前記第1オブジェクトが前記所定位置に基づく前記フィールド上の所定範囲に到達した場合に、前記第2オブジェクトに関連付けられる複数種類の効果を含む集合の中から抽選により選択された効果を発揮してゲームを進行させる、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オンラインゲーム等のゲームにおいて、ユーザが実際にゲームをプレイすることなく、他のユーザがプレイするゲーム画面を視聴しながら、声援を送ったり、アイテム等を投入したりすることによって、他のユーザを支援する形で参加することができるゲームが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、視聴者が所定のプレゼント実行操作をすると、視聴者が保有するアイテムの中から選択されたアイテム或いは視聴者が購入したアイテムが、付与先として選択された競技者に付与されること、及び、競技者がそのアイテムを使用すると、アイテムを提供した視聴者へ特典が付与されること、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-1711283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、視聴者がアイテムの付与先となる意中の競技者を予め選択した後、その競技者に対して選択したアイテムを付与することになるため、アイテムを受け取ることができる競技者及びその競技者がアイテムによって得られる効果が事前に決定されてしまい、ゲームの面白味に欠ける。そして、このようにゲームの興趣性が乏しくなると、ゲームに参加するユーザ数が増加しない虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、ゲームの興趣性を高め、多くのユーザにゲーム参加を促すことが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、第1ユーザが被操作オブジェクトをフィールド上で移動させるために行う移動操作に基づく第1情報を取得する第1取得部と、第2ユーザがフィールド上に投入オブジェクトを投入するために行う投入操作に基づく第2情報を取得する第2取得部と、投入操作に基づいて、複数種類の効果を含む集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する抽選部と、第1ユーザの第1端末において、フィールド上の配置位置に投入オブジェクトを表示させる表示制御部と、抽選により選択された投入オブジェクトの効果を発揮してゲームを進行させるゲーム処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ゲームの興趣性が向上し、多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの概略構成図である。
図2】フィールドの一例を示す図である。
図3】ゲーム中に表示される第1画面の一例を示す図である。
図4】ゲーム中に表示される第2画面の一例を示す図である。
図5】ゲーム中に表示される投入オブジェクトの投入演出の一例を示す図である。
図6】ゲーム中に表示される投入オブジェクトの投入演出の一例を示す図である。
図7】ゲーム中に表示される投入オブジェクトの投入演出の一例を示す図である。
図8】ゲーム中に表示される投入オブジェクトの投入演出の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能の説明図である。
図10】第1ユーザのユーザ情報の一例を示す図である。
図11】第2ユーザのユーザ情報の一例を示す図である。
図12】オブジェクトの効果に関する集合情報の一例を示す図である。
図13】投入オブジェクトの投入履歴情報の一例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る第1ユーザ側フローを示す図である。
図15】本発明の一実施形態に係る第2ユーザ側フローを示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る抽選処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0011】
また、本明細書及び図面にて説明される画面の例も一例に過ぎず、画面構成及びデザイン、表示情報の内容、並びにGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びユーザの好み等に応じて自由に設計することができ、また、適宜変更され得る。
【0012】
<本実施形態に係るゲームについて>
図1に示される通信システム(以下、情報処理システムSという。)は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置(以下、サーバ10という。)を含む通信システムであり、ユーザ(単にユーザと表記した場合は第1ユーザ及び第2ユーザの双方を含む。以下同じ。)に対して、ゲームを提供する。
【0013】
ゲームとは、ユーザがゲームプレイ用のユーザ端末(第1端末11、第2端末12)にてゲーム画面を見ながら第1端末11又は第2端末12を操作してプレイするコンテンツであり、本実施形態では、情報処理システムSを利用して提供されるオンラインゲーム(電子ゲーム)である。ユーザが第1端末11又は第2端末12にてゲームプレイ用の操作を行うと、第1端末11又は第2端末12が、ゲーム提供会社のサーバコンピュータ(以下、サーバ10)から配信されるゲーム用のデータを受信する。第1端末11又は第2端末12では、受信したデータに応じた映像及び音声が出力され、プレイヤは、出力される映像及び音声を確認しながら、ゲームを進行させる。第1端末11又は第2端末12は、プレイヤの操作内容を示すデータをサーバ10に向けて送信し、サーバ10は、プレイヤの操作内容に応じたゲーム進行用のデータを送信する。このようなサーバ10と第1端末11又は第2端末12との間のデータ送受信は、プレイヤがゲームのプレイを終えるまで、繰り返し実施される。
【0014】
本実施形態のゲームでは、ユーザによってゲーム内での役割が分かれており、ゲームをプレイするユーザのプレイスタイルが、第1ユーザと第2ユーザとで異なる。すなわち、第1ユーザにとってのプレイとは、第1端末11を操作し、被操作オブジェクトをフィールド上で移動させ、敵キャラクタから逃げたり、敵キャラクタに対して攻撃したりすることである。一方、第2ユーザにとってのプレイ(ドローンプレイ)とは、自身では被操作オブジェクトを操作せず、第2端末12にて、第1ユーザが操作する被操作オブジェクト、すなわち、第1ユーザのプレイを視聴することであり、また、第2端末12を操作し、第1ユーザを支援又は邪魔するためにフィールド上に後述する投入オブジェクトを投入したり、座標となるピンを打ったりすることである。
【0015】
本実施形態のゲームでは、ゲームを一緒にプレイする第1ユーザと第2ユーザのプレイ人数は、特に限定されず任意の数に設定してもよいが、最大プレイ人数又は最小プレイ人数を予め規定しておいてもよい。例えば、ゲームへのエントリーのタイミング等に基づき、第1ユーザ4人と第2ユーザ4人の合計8人の組み合わせが、ゲームプレイ開始前に自動的にマッチングされることとしてもよい。また、本実施形態のゲームは、第1ユーザ同士、又は、第1ユーザと第2ユーザとがチームを組んでプレイすることもできる。例えば、第1ユーザAと第2ユーザCとがAチーム、第1ユーザBと第2ユーザDとがBチームというようにチームを組んでチーム戦でゲームをプレイすることもできる。なお、チーム戦の場合は、同チームの第1ユーザが勝利した場合は、その第2ユーザも勝利となる。
【0016】
また、本実施形態のゲームは、複数のユーザが各々の第1端末11又は第2端末12を操作して共同してプレイすることが可能な共同プレイ対応型のゲーム(所謂、マルチプレイゲーム)である。すなわち、ユーザは、単独プレイ(ソロプレイ)することは勿論、他のユーザと共に共通のエリアを同時にプレイする所謂マルチプレイ(以下、共同プレイという。)も可能である。なお、共同プレイ対応型のゲームには、複数のユーザが協力する協力プレイゲーム、及び、複数のユーザが対戦する対戦ゲームが含まれるが、いずれのタイプであってもよい。
【0017】
なお、ゲームを一緒にプレイするユーザの組み合わせ、チームの構成メンバー、又は共同プレイのメンバー等は特に限定されないが、例えば、あるユーザと交友関係がある他のユーザであって、そのユーザ同士で互いに承認したユーザ(以下、フレンドという。)が一緒にプレイしたり、チームを構成できたりしてもよい。
【0018】
図2に示されるように、本実施形態のゲームでは、第1ユーザがオブジェクト(ゲームオブジェクト)の一種である被操作オブジェクトを操作して、ゲーム内に複数用意されたエリアと呼ばれるゲームの構成単位をプレイする。具体的には、第1ユーザは、被操作オブジェクトを操作して、各エリアに出現する敵キャラクタを討伐する。
【0019】
オブジェクトとは、ゲーム内で登場するキャラクタ(敵キャラクタを含む。)及びアイテム等のゲーム媒体の総称であり、「被操作オブジェクト」とは、それらのオブジェクトのうち、第1ユーザのアバターとして、第1ユーザによってゲームをプレイする際に操作されるキャラクタである。また、被操作オブジェクトには、属性、並びに、レベル、体力(ライフ)、攻撃力、守備力及び移動力(スピード)等の能力を示すパラメータ値が設定されている。これらのパラメータ値は、ユーザのゲーム進行に応じて増減する。例えば、敵キャラクタの攻撃を受けたときには体力が減少し、アイテムを使用したり装備したりすることによって、そのアイテムに設定されたパラメータ値に応じて増減する。
【0020】
被操作オブジェクト及び敵キャラクタ等を構成するキャラクタとしては、人、動物及び植物等の生物、乗物及びロボット等の機械、機械以外の物、ゴースト及びモンスター等の架空のキャラクタ、又はこれらに類するその他のキャラクタ等が挙げられる。
【0021】
アイテムとは、ユーザによってゲーム内で利用されるオブジェクトであり、ユーザを支援したり妨害したりする物資であり、第2ユーザによりフィールド上に投入される投入オブジェクトもアイテムに含まれる。アイテムには、例えば、被操作オブジェクトの体力を回復させたり攻撃力を増加させたりする等、被操作オブジェクトのパラメータ値を変更するものが含まれる。また、ユーザにとって有利な効果(第1効果)を発揮するものだけでなく、被操作オブジェクトの移動力を一時的に減少させる等、ユーザにとって不利になる効果(第2効果)を発揮するものも含まれる。なお、アイテムには、ゲーム内通貨も含まれる。ゲーム内通貨は、ゲーム内で通貨(交換媒体)として利用することができ、他のアイテムやキャラクタと交換したり、投入オブジェクトの投入等のプレイを行う際に消費したりすることができる。
【0022】
投入オブジェクトとは、第2ユーザによって、任意又はランダムに決定されたフィールド上の配置位置に投入されるアイテム等のオブジェクトであって、第1ユーザに対して、何等かの効果(第1効果又は第2効果)を発揮するオブジェクトである。例えば、投入オブジェクトは、被操作オブジェクトが敵キャラクタに包囲されそうな危機的状況のとき等、第1ユーザの状況に応じて、第2ユーザによって投入される。そして、第1ユーザにとっては、その投入オブジェクトの効果が発揮されれば、被操作オブジェクトが窮地を脱する等、ゲームプレイ状況が改善される場合がある。一方、投入オブジェクトには、第1ユーザにとって有利な効果だけでなく、不利な効果が発揮される場合(例えば、敵キャラクタが増加する等)もあるため、第1ユーザの期待感を担保しつつ、緊張感及び失望感を与えることもあり得る等、バラエティに富んだゲーム展開が繰り広げられる。
【0023】
図2に示されるように、ゲームの構成単位であるエリアには、プレイ領域となるフィールドがそれぞれ設定されており、フィールド上には障害物等の背景オブジェクトが配置されている。また、フィールド上には補助オブジェクト(アイテム)が散りばめて配置されており、被操作オブジェクトがそれらの補助オブジェクトに接触すると、被操作オブジェクトの体力を回復する等、被操作オブジェクトに対して何等かの効果を発揮する。そして、フィールド上には敵キャラクタが出現し、第1ユーザが操作する被操作オブジェクトに近付いたり離れたりしながら、被操作オブジェクトに対して攻撃をしたり邪魔をしたりする。本実施形態のゲームでは、エリアごとに内容(クリア条件、難易度、及び、出現する敵キャラクタの種類、強さ若しくは数等)が変わり、例えば、フィールド上に出現する敵キャラクタを全滅すること等がクリア条件として設定されている場合、そのクリア条件を満たすとそのエリアをクリアしたこととなり、次のエリアに進むことができる。
【0024】
図3に示されるように、第1ユーザが操作する第1端末11に表示される第1画面G1には、第1ユーザが操作する自身のアバターである被操作オブジェクトと、その被操作オブジェクトの現在位置の近傍のフィールド(フィールドの一部分)が表示される。また、被操作オブジェクトがフィールド上を移動した場合は、その移動に応じて被操作オブジェクトを含む部分が表示される。このとき、第1画面G1に表示されるフィールドの領域は、被操作オブジェクトの周囲(現在位置の近傍)に限定され、後述する第2画面G2に表示される範囲よりも狭い。そのため、第1ユーザは、第2ユーザに比べて視野が狭く、被操作オブジェクトの近くに存在する敵キャラクタしか視認することができず、第1画面G1外のフィールド上に存在する敵キャラクタ(例えば、移動する先に待ち構える敵キャラクタ)の存在については、視認することができない。なお、本実施形態では、被操作オブジェクトをフィールド上で移動させるために行う移動操作及び敵キャラクタに対する攻撃操作等は、第1端末11の画面(タッチパネル)上を指先で触れて所定の動作をすること等により行うが、これに限定されるわけではない。例えば、画面とは別のコントローラ等により操作することもできる。
【0025】
一方、図4に示されるように、第2ユーザが操作する第2端末12に表示される第2画面G2には、第1ユーザがゲームをプレイしている様子を映したゲームプレイ映像が表示される。このとき、第2画面G2には、フィールドの一部又は全体を俯瞰視点で表示し、フィールド中、第1画面G1に映る部分以外の部分も映すことが可能である。そのため、第2ユーザは、第1画面G1に表示される範囲よりも広い範囲を視認することが可能であり、第1ユーザよりも視覚優位性を有する。第2画面G2に表示させるフィールドの場所及び範囲は、第1ユーザがプレイしているエリアのフィールドの中であれば、第2ユーザが任意に指定することができ、例えば、応援している第1ユーザ(又は同チームの第1ユーザ)が操作する被操作オブジェクトの現在位置の近傍を含む範囲を指定して表示させることができる。第2画面G2に表示されるフィールドの範囲を変更(拡大・縮小)させる際の表示変更操作は、第2端末12の画面(タッチパネル)上に配置されたズームスライダ80を指先で触れて移動させて変更してもよいし、第2端末12の画面上でのピンチイン・ピンチアウトの動作をすることによって変更してもよい。また、画面とは別のコントローラ等により操作してもよい(後述する投入操作も同様。)なお、第2画面G2に表示されるフィールドの範囲は、最大でフィールド全体の1/2、最小で第1画面G1と同等程度とするのがよい。また、エリア遷移は第1ユーザと同じタイミングで行い、第2ユーザが視聴できるのは第1ユーザがプレイするエリアに限定され、第2ユーザが第1ユーザよりも先に次以降のエリアのフィールドを見れるわけではない。
【0026】
第2ユーザは、第2画面G2上で第1ユーザが視認できない情報も得ることができるため、その情報を第1ユーザに共有することもできる。例えば、フィールド上の任意の座標にピンを打ち込むことにより、第1ユーザには見えない敵キャラクタが存在すること、この先のフィールド上には敵キャラクタが多く存在すること、又は、この先のフィールド上には補助オブジェクト(アイテム)が配置されていること等を第1ユーザに知らせることができる。なお、第1画面G1の外にピンが打ち込まれた場合、第1画面G1の外周にピンの存在を示す情報を通知してもよい。また、ピンには打ち込んだ第2ユーザを識別可能な情報(名前等)を表示してもよい。
【0027】
また、第2画面G2には、第2ユーザが投入オブジェクトをフィールド上に投入するための投入操作を受け付ける投入ボタン81,82が配置されている。本実施形態のゲームでは、第2ユーザは、アイテム等のオブジェクトを投入オブジェクトとして、フィールド上の任意の配置位置に投入することができ、その際に、この投入ボタン81,82をタップ等する。本実施形態では、投入オブジェクトの効果(中身)は第2ユーザが任意に選択できるわけではなく第2ユーザが投入ボタン81,82をタップ等したときに、投入オブジェクトの種類、すなわち、投入オブジェクトによって発揮される効果の内容が抽選される。具体的には、当選確率の異なる複数種類のオブジェクトの効果が候補として用意されており、その候補となる複数種類のオブジェクトの効果を含む集合(仮想の抽選箱)の中から一又は所定数のオブジェクトの効果が当選し、その当選したオブジェクトの効果が投入オブジェクトの効果として設定される。なお、母集団となる集合の中には、第1ユーザに有利な効果(第1効果)のみならず、第1ユーザに不利な効果(第2効果)、すなわち、ハズレの役割を果たすオブジェクトの効果も含む。
【0028】
また、この集合の中には、この抽選でしか獲得できない専用のオブジェクト、すなわち、投入オブジェクトとしてでなければ取得することができない希少又は効果が大きいオブジェクトが含まれていてもよい。また、第2ユーザの属性に対応したオブジェクト、すなわち、第2ユーザとフレンド又は同チームの第1ユーザにしか効果が発揮されないオブジェクトの効果が含まれていてもよい。また、集合は、エリアごとに設定し、投入オブジェクトの効果にエリアごとの特徴を反映させてもよい。
【0029】
本実施形態では、集合に含まれる複数種類のオブジェクトの効果には、それぞれ提供可能数が規定されている。そして、投入オブジェクトの効果として当選したオブジェクトの効果は、集合内から削除することによりその提供可能数を減算する。したがって、投入オブジェクトの効果として一度当選したオブジェクトの効果は、所定条件を満たして提供可能数が初期値に戻されない限り、次回以降の抽選で当選しないように、抽選制限をすることになる。そのため、投入オブジェクトが投入される度、すなわち、抽選が繰り返される度、集合内に含まれるオブジェクトの効果の総提供可能数が減少するので、抽選確率、すなわち、各オブジェクトの効果の当選確率が向上する。例えば、集合の中には、投入オブジェクトの効果としてαが4個、βが4個、γが2個(全10個)含まれているものとし、αが投入オブジェクトの効果として抽選された場合、更新後の集合には、αが3個、βが4個、γが2個(全9個)含まれていることになる。そして、次回以降の抽選では、所定条件を満たして提供可能数が初期値に設定されない限り、その9個の集合の中から投入オブジェクトの効果が抽選されることになる。
【0030】
ここで、提供可能数を初期値に戻すための所定条件としては、投入オブジェクトの投入数が集合内に含まれるオブジェクトの効果の総提供可能数に達した場合、すなわち、投入オブジェクトとして全てのオブジェクトの効果が出尽くした場合が含まれる。また、所定の第1ユーザが操作する被操作オブジェクト、又は、複数の第1ユーザが操作する全ての被操作オブジェクトのフィールド中における現在位置が、所定範囲から移動した場合、すなわち、エリアを移動した場合も所定条件に該当し、提供可能数を初期値に戻す。
【0031】
また、本実施形態では、2種類の投入ボタン81,82が用意されており、第2ユーザがいずれの投入ボタン81,82をタップして投入操作を行ったかによって、投入オブジェクトの効果が異なる場合がある。具体的には、投入ボタン81と投入ボタン82をタップ等した場合では、それぞれの投入ボタン81,82に対応する集合の内容、すなわち、包含するオブジェクトの効果の種類、数又は抽選確率等が異なる。例えば、投入ボタン81をタップ等して投入オブジェクトを投入した場合の方が、投入ボタン82をタップ等して投入オブジェクトを投入する場合よりも、第1ユーザにとって有利な効果を発揮する投入オブジェクトが当選する確率がより高くなる。
【0032】
また、投入オブジェクトを投入する際には、第2ユーザは、所定の価値(ゲーム内通貨)を消費することとしてもよい。この場合、投入ボタン81,82によってゲーム内通貨の消費量に差を設けてもよい。例えば、投入ボタン81をタップ等して投入オブジェクトを投入した場合の方が、投入ボタン82をタップ等して投入オブジェクトを投入する場合よりも、ゲーム内通貨の消費量を多くしてもよい。また、投入ボタン81をタップ等して投入オブジェクトを投入した場合はゲーム内通貨を消費するが、投入ボタン82をタップ等して投入オブジェクトを投入する場合はゲーム内通貨を消費しないこととしてもよい。
【0033】
また、上記では、投入オブジェクトの効果を抽選することとし、投入オブジェクトの配置位置は、第2ユーザが任意の位置に投入できることとした。しかし、投入オブジェクトの効果の抽選と併せて又は代えて、投入オブジェクトの配置位置、例えば、複数の被操作オブジェクトのうち、どの被操作オブジェクトの近傍に配置するかについて抽選してもよい(第2抽選)。このとき、投入オブジェクトの効果が未だ発揮されていない第1ユーザに対して投入オブジェクトの効果が発揮されるように、その第1ユーザが操作する被操作オブジェクトのフィールド中における現在位置の近傍の中から、優先的に配置位置を抽選してもよい。
【0034】
なお、本実施形態では、投入オブジェクトの抽選において、それぞれの提供可能数を設定した、所謂ボックスガチャの仕組みを採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、提供可能数を設定することなく、抽選確率を変更せずに投入オブジェクトの抽選を行ってもよい。また、本実施形態では、投入オブジェクトの効果は抽選により決定されることとしたが、必ずしも常時抽選を必須としなくてもよい。例えば、所定のゲーム内通貨を消費した場合等は、抽選によらず、第2プレイヤは予め自身が所持しているオブジェクト(アイテム)の中から任意のオブジェクトを投入オブジェクトとして選択することができる場合があってもよい。この場合は、任意のオブジェクトをドラッグアンドドロップ又は単にタップ等でフィールド上に投入すればよい。
【0035】
ここで、図5図8を参照して、第2ユーザが投入オブジェクトを投入した際に、ゲーム中に表示される投入オブジェクトの投入演出の一例について説明する。この演出画面は、第1ユーザの第1画面G1及び第2ユーザの第2画面G2の双方の画面に表示される。
【0036】
先ず、第2ユーザが、第2画面G2上に表示されている投入ボタン81,82をタップ等すると、第2ユーザが指定した配置位置、例えば、第2画面G2の中心位置に投入オブジェクトが落下する演出がされる(図5)。落下中の投入オブジェクトは、抽選演出(抽選箱の中でルーレットが回っているような演出)の状態で表示され、この時点では、投入オブジェクトの中身(効果)が、第1ユーザ及び第2ユーザ共に判別できない。抽選演出の図柄は、投入オブジェクトとして当選するオブジェクト(抽選箱の中身)を示す図柄を順番に表示するように回転させる。なお、上記のとおり、投入オブジェクトの効果は投入時(第2ユーザが投入ボタン81,82をタップ等した時点)に既に決定されており、上記は演出上の表現とする。
【0037】
投入オブジェクトがフィールドに着地すると、画像及び音等により着地演出を行う(図6)。なお、このままフィールド上に配置されている間は、被操作オブジェクトが近付いてきたとしても、配置位置から所定距離の範囲外の場合(被操作オブジェクトが投入オブジェクトに触れるまで)は抽選演出状態を継続する(図7)。そして、近付いてきた被操作オブジェクトが配置位置から所定距離の範囲内に到達した場合(被操作オブジェクトが投入オブジェクトに触れると)、抽選演出状態が解除されてその投入オブジェクトの種類と対応する表示態様に変化し、中身の投入オブジェクトが出現する(図8)。その後、投入オブジェクトの種類によって、被操作オブジェクトが触れた瞬間に即効果が発揮されるもの(例えば、触れた瞬間に直ぐに体力が回復するアイテム、又は、触れた瞬間に周囲の敵キャラクタにダメージを与える爆弾等)と、第1ユーザが取得した後で任意のタイミングで使用するときに効果が発揮されるもの(例えば、後からでも体力を回復できる権利、又は、装着した後にパラメータ値が向上する武器等)とに演出が分岐する。なお、本実施形態では、投入オブジェクトの効果は既に決定したうえで、抽選演出状態としているが、投入オブジェクトの効果を被操作オブジェクトが触れた時点で抽選することとしてもよい。
【0038】
また、投入オブジェクトには、投入した第2ユーザを識別可能な情報(名前等)を表示してもよい。また、投入オブジェクトの表示態様は、投入した第2ユーザのフレンド又は同チームの第1ユーザに対しては、投入時又は他の第1ユーザよりも早い段階から、投入オブジェクトの中身が判別できるような表示態様(例えば、図8に示されるような投入オブジェクトの種類と態様する表示態様)で表示してもよい。一方、投入した第2ユーザとは関連付けられていない第1ユーザ又は相手チームの第1ユーザに対しては、上記のように抽選演出状態で表示したり(抽選結果を表示しない)、投入オブジェクト自体を非表示にしたりしてもよい。なお、投入オブジェクトの投入後、いずれの第1プレイヤに対してもその投入オブジェクトの効果が発揮されていない場合、エリア遷移時には、その投入オブジェクトは消失してもよいし(例えば、中身判明後)、第2ユーザに返却されることとしてもよい(例えば、中身判明前)。
【0039】
以上により、第2ユーザは第1ユーザのプレイを俯瞰視点で視聴しつつ、第1ユーザを支援又は邪魔することにより、ゲームに参加する、所謂ドローンプレイが可能となる。このドローンプレイでは、第1ユーザが視認できない範囲まで視認することができるので、例えば、単に第1ユーザのゲームプレイを視聴するというだけでなく、第1ユーザが敵に包囲されそうな危機的状況のとき、その情報を第1ユーザと共有したり、投入オブジェクトをその第1ユーザの現在位置の近傍に投入して支援したりするというような楽しみ方ができる。特に、第1ユーザを支援するために投入した投入オブジェクトが、逆に第1ユーザをさらに不利な状況に追い込むこともあり得るので、バラエティに富んだゲーム展開が繰り広げられ、ゲームの興趣性が向上する。
【0040】
<本実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末の構成>
次に、本発明の一実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末(第1端末11、第2端末12)の構成について説明する。第1実施形態に係る情報処理装置は、ゲームデータ配信用のコンピュータ、厳密にはサーバコンピュータ(以下、サーバ10という。)によって構成されている。サーバ10は、コンピュータの一例であり、図1に示すように、第1端末11及び第2端末12とネットワーク14を介して通信可能に接続されており、第1端末11及び第2端末12と共にゲーム用の情報処理システムSを構築している。なお、第1端末11同士又は第1端末11と第2端末12とは、ネットワーク14を介して通信してもよいし、Bluetooth(登録商標)又はWifi-Direct等を通じてネットワーク14を介さずに直接通信してもよい。
【0041】
本実施形態の情報処理システムSでは、上記構成により、サーバ10と第1端末11及び第2端末12とが協働することにより、ゲームが進行する。具体的には、ゲーム進行処理の一部をサーバ10側で行い、グラフィック処理等の一部を第1端末11及び第2端末12で実行する。例えば、サーバ10側で、一定のルール、ロジック及びアルゴリズムを含むプログラムを実行する。一方、第1端末11及び第2端末12側では、サーバ10と同期しつつ、サーバ10で実行されているプログラムと同様のルール、ロジック及びアルゴリズムにより、ゲームを進行させる。
【0042】
また、共同プレイの際には、第1端末11及び第2端末12の間で共同プレイ用の通信経路が確立され、共同プレイに要する各種データの送受信が、公知の通信方式にしたがって実施される。このときのデータは、サーバ10を介したクライアント・サーバ方式であってもよく、サーバ10を介さないP2P(ピア・ツー・ピア)方式であってもよい。また、共同プレイの様式は、完全同期型及び非同期型に分類されるが、いずれの様式を採用してもよい。なお、完全同期型は、キー入力同期方式及びコマンド入力方式を含み、非同期型にはサーバ集中処理型及びクライアント分散処理が含まれる。
【0043】
なお、サーバ10は、1台のコンピュータで構成されてもよく、並列分散された複数台のコンピュータによって構成されてもよい。また、サーバ10は、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。この場合、後述する情報処理フロー中の一連の工程(ただし、情報の入力及び表示を除く)が上記のサーバコンピュータによって実行されるので、第1端末11及び第2端末12側では、サーバコンピュータに引き渡す情報の入力、及びサーバコンピュータから配信される情報の表示等を行えばよい。
【0044】
サーバ10は、ハードウェア機器として、図1に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及びストレージ24を有し、これらの機器がバス25を介して電気的に接続されている。また、サーバ10には、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)と、本件ゲームに関する情報処理用の専用プログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当する。プロセッサ21が上記のプログラムにしたがって動作することで、サーバ10は、本発明の情報処理装置として機能し、本件ゲームの進行に関する一連の処理を実行する。
なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得してもよく、あるいは、インターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)することで取得してもよい。
【0045】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
【0046】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0047】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0048】
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。また、ストレージ24は、サーバ10内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよい。さらに、ストレージ24は、サーバ本体と通信可能に接続された外部コンピュータ(例えば、データベースサーバ)等によって構成されてもよい。なお、各種データを記録する技術としては、不正なデータ改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いてもよい。
【0049】
サーバ10は、本件ゲームの進行に必要な情報を各ユーザへ配信し、また、各ユーザから情報を収集して記憶する。サーバ10が記憶する情報には、各ユーザの識別情報、各ユーザの本件ゲームのプレイ履歴に関する情報、エリアに関する情報、及び、投入オブジェクトに関する情報等が含まれる。また、サーバ10は、投入オブジェクトの効果を抽選する処理をはじめ、本件ゲームの進行に関する様々な情報処理を実行する。
【0050】
第1端末11は第1ユーザ、第2端末12は第2ユーザが、本件ゲームをプレイするために操作するクライアント端末であり、例えば、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、及びウェアラブル端末等によって構成される。なお、図1には、図示の都合上、第1端末11と第2端末12とを各2台ずつ図示しているが、当然ながら、実際には、第1ユーザ及び第2ユーザの人数に応じた台数分の第1端末11及び第2端末12が存在する。
【0051】
第1端末11及び第2端末12は、サーバ10からゲーム進行用のデータを受信し、そのデータが示す画像(映像)を第1端末11若しくは第2端末12のディスプレイ又は第1端末11若しくは第2端末12に接続されたTV等の表示器に表示したり、音声をスピーカ等から出力したりする。すなわち、本実施形態において、第1端末11及び第2端末12は、表示部及び音声出力部として機能する。具体的には、第1ユーザが操作する第1端末11には第1画面G1が表示され、第2ユーザが操作する第2端末12には第2画面G2が表示される。
【0052】
また、第1端末11及び第2端末12は、本件ゲームのプレイ中に行われるユーザの操作を受け付け、その操作内容に応じた情報をサーバ10に向けて送信する。例えば、第1ユーザは、被操作オブジェクトをフィールド上で移動させるための移動操作を第1端末11にて行い、その移動操作に基づく第1情報をサーバ10に送信する。また、第2ユーザは、投入オブジェクトを投入するための投入操作を第2端末12にて行い、その投入操作に基づく第2情報をサーバ10に送信する。なお、上記以外にも、第1ユーザは、プレイスタイルを選択する操作、被操作オブジェクトのパラメータ値を上昇させるための操作、及び、取得した投入オブジェクトの効果を発揮させるための操作等を第1端末11にて行う。また、第2ユーザは、プレイスタイルを選択する操作、及び、第2画面G2に表示される部分(フィールドの範囲)を変更する表示変更操作(例えば、ズームスライダ80の移動操作又はタッチパネル上でのピンチイン・ピンチアウト等)を第2端末12にて行う。
【0053】
<本発明の一実施形態の情報処理装置の機能>
本実施形態に係る情報処理装置であるサーバ10の構成について、機能面から改めて説明する。サーバ10は、図9に示めされるように記憶部30、取得部40、表示制御部50、抽選部60及びゲーム処理部70を有する。これらのうち、記憶部30は、メモリ22又はストレージ24によって実現され、それ以外の機能部は、サーバ10を構成するハードウェア機器と、サーバ10にインストールされたプログラムとが協働することで実現される。なお、サーバ10が複数台のコンピュータによって構成される場合には、上記の機能を分散させて、複数台のコンピュータの各々が互いに異なる機能を発揮してもよい。
以下、各機能部について、それぞれ詳しく説明する。
【0054】
(記憶部)
記憶部30は、ゲーム進行に必要な情報を記憶し、ゲームのプレイに必要な各種の情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報記憶部31、エリア情報記憶部32、投入オブジェクト情報記憶部33を含む。
【0055】
ユーザ情報記憶部31は、第1ユーザに関する第1ユーザ情報と、第2ユーザに関する第2ユーザ情報とを、ユーザごとに記憶する。ユーザ情報は、第1ユーザと第2ユーザとで記憶される情報の種類(項目)が異なる。
【0056】
第1ユーザ情報は、図10に示めされるように、各ユーザを特定するユーザ名(識別ID又はゲーム用のアカウント名)等と紐付けられて、各種情報が記憶される。例えば、第1ユーザ情報には、アバターである被操作オブジェクトの外観、被操作オブジェクトの各パラメータ値の初期値、上限値及び現在値、被操作オブジェクトのエリア及びフィールド上における現在位置、第1ユーザがこれまでに取得した投入オブジェクトに関する情報(例えば、効果が発揮された回数)、並びに、フレンドとして登録している他のユーザに関する情報(ユーザ名)等が含まれる。また、上記以外の情報、例えば、連絡先等のユーザの個人情報、ゲームの総プレイ時間(ゲームプレイ時間)、ログイン履歴(ゲームプレイ日時及びゲームプレイ回数)、ステータス等のゲームの進捗状況、所持するアイテムの識別情報と所持数、並びに、決済履歴及び課金総額等の情報が、第1ユーザ情報に含まれていてもよい。
【0057】
第2ユーザ情報は、図11に示めされるように、各ユーザを特定するユーザ名(識別ID又はゲーム用のアカウント名)等と紐付けられて、各種情報が記憶される。例えば、第2ユーザ情報には、第2画面G2に表示されている表示範囲(エリア及びフィールド上における範囲)、第2ユーザがこれまでに投入した投入オブジェクトの投入履歴、所持するゲーム内通貨の量、及び、フレンドとして登録している他のユーザに関する情報(ユーザ名)等が含まれる。また、上記以外の情報、例えば、連絡先等のユーザの個人情報、ゲームの総プレイ時間(ゲームプレイ時間)、ログイン履歴(ゲームプレイ日時及びゲームプレイ回数)、ステータス等のゲームの進捗状況、所持するアイテム(ゲーム内通貨以外)の識別情報と所持数、並びに、決済履歴及び課金総額等の情報が、第2ユーザ情報に含まれていてもよい。なお、第2ユーザは、第1ユーザのように被操作オブジェクトを操作して原則としてフィールド上に登場しない(ただし、投入オブジェクトをフィールド上に置く演出はあってもよい)ため、被操作オブジェクトの各パラメータ値等は存在しない。
【0058】
エリア情報記憶部32は、ゲーム中でプレイ可能なエリアについて、プレイ時の特徴、例えば、フィールドの構成(背景オブジェクト及び補助オブジェクトの配置)、出現する敵キャラクタの種類及び数、難易度、並びに、プレイ条件等、クリアした場合の報酬等をエリアの識別情報と紐付けて記憶する。
【0059】
投入オブジェクト情報記憶部33は、投入オブジェクトに関する各種情報、例えば、抽選対象となる集合内に含まれるオブジェクトの効果に関する集合情報、及び、投入オブジェクトの投入履歴情報等を記憶する。
【0060】
集合情報には、図12に示されるように、オブジェクトの名称、オブジェクトの外観、オブジェクトの効果の内容、及び、提供可能数の初期値と現在値に関する情報等が含まれる。提供可能数の現在値は、初期値から抽選により当選した投入オブジェクトの数を減算したものである。例えば、爆弾は、フィールド上で被操作オブジェクトが触れたときに、爆発して周囲の所定範囲内にいる敵キャラクタにダメージを与える(敵キャラクタの動作を一時停止させる場合も含む)ものである。爆弾の攻撃力と影響範囲はエリアごとにそれぞれ設定されている。また、囮は、フィールド上で被操作オブジェクトが触れたときに、所定のキャラクタ(第2ユーザのアバターでもよい)がフィールド上に登場して、敵キャラクタに攻撃をしたり、逃げ回って敵キャラクタを引き付けたりする動作を自動的に行う。囮は、敵キャラクタが近くにいる場合は敵キャラクタのいない方向に、また、敵キャラクタが遠くにいる場合は敵キャラクタに近付く方向に移動するように制御される。また、武器(剣)は、フィールド上で被操作オブジェクトが触れたときに所持することができ、被操作オブジェクトが任意のタイミングで装着した後にパラメータ値Aが上昇する。
【0061】
投入履歴情報には、これまでに投入された投入オブジェクトに関する情報が、時系列で順番に記憶され、投入オブジェクトが投入されるごとに上書きされる。投入履歴情報には、投入オブジェクトの種類、投入されたエリア及びフィールド上における配置位置、投入オブジェクトを投入した第2ユーザを特定するユーザ名、投入オブジェクトを利用した第1ユーザ(投入オブジェクトの効果が発揮された第1ユーザ)を特定するユーザ名、利用状況に関する情報等が含まれる。利用状況については、例えば、武器等のように取得した第1ユーザがまだ被操作オブジェクトに装着していない場合等は「未」となる。
【0062】
(取得部)
取得部40は、ユーザがゲームプレイ中に第1端末11又は第2端末12にて行った操作に基づく情報(データ)を、第1端末11又は第2端末12と通信することによって取得するものであり、図9に示めされるように、第1取得部41と第2取得部42とを有する。
【0063】
第1取得部41は、第1ユーザが第1端末11において行った操作に基づく第1情報を、第1端末11と通信することによって取得するものである。第1情報には、第1ユーザが被操作オブジェクトをフィールド上で移動させるために行う移動操作に基づく情報、被操作オブジェクトを用いて敵キャラクタを攻撃する攻撃操作に基づく情報、及び、投入オブジェクトの効果を発揮させるための使用操作に基づく情報の他、ゲーム中の各場面で第1ユーザが行う各種の選択、指定、指示、要求、命令、許可又は拒否、登録及びその他の入力操作等が含まれる。また、共同プレイの募集、共同プレイへの申込及びその申込に対する許否に関する操作等の共同プレイに関する操作に基づく情報が含まれる。
【0064】
第2取得部42は、第2ユーザが第2端末12において行った操作に基づく第2情報を、第2端末12と通信することによって取得するものである。第2情報には、第2ユーザがフィールド上に投入オブジェクトを投入するために行う投入操作に基づく情報、及び、第2画面G2に映される部分を変更する表示変更操作に基づく情報の他、ゲーム中の各場面で第2ユーザが行う各種の選択、指定、指示、要求、命令、許可又は拒否、登録及びその他の入力操作等が含まれる。また、共同プレイの募集、共同プレイへの申込及びその申込に対する許否に関する操作等の共同プレイに関する操作に基づく情報が含まれる。
【0065】
(表示制御部)
表示制御部50は、第1端末11又は第2端末12と通信することによって、ユーザがゲームプレイ中にゲームの進行に必要な情報(データ)を第1端末11又は第2端末12に向けて配信し、ゲーム画面、すなわち、後述するゲーム処理部70による情報処理の結果等を反映させた画面を表示させるものであり、図10に示めされるように、第1表示制御部51と第2表示制御部52とを有する。
【0066】
第1表示制御部51は、第1ユーザの第1端末11において、被操作オブジェクトの移動に応じて、被操作オブジェクトの現在位置を含むフィールド中の一部分を映す第1画面G1(図3)を表示させる。また、第1画面G1には、フィールド上の配置位置に投入された投入オブジェクトを上記の投入演出と共に表示させる。具体的には、被操作オブジェクトの現在位置が投入オブジェクトの配置位置から所定距離の範囲外にあるとき等の所定期間、抽選演出状態(投入オブジェクトの種類とは無関係な表示態様であって投入オブジェクトの種類が判別できないような表示態様)で投入オブジェクトを表示させ、被操作オブジェクトの現在位置が投入オブジェクトの配置位置から所定距離の範囲内に到達した場合、投入オブジェクトの種類と対応する表示態様にて投入オブジェクトを表示させる。また、第1画面G1には、投入オブジェクトを投入した第2ユーザと関連付けられた特定の第1ユーザに対しては、投入オブジェクトの種類と対応する表示態様にて投入オブジェクトを表示させる一方、投入オブジェクトを投入した第2ユーザと関連付けられていない第1ユーザに対しては、少なくとも投入オブジェクトの種類とは無関係な表示態様にて投入オブジェクトを表示させる。
【0067】
第2表示制御部52は、第2ユーザの第2端末12において、第1ユーザがゲームをプレイしている様子を映したゲームプレイ映像である第2画面G2を表示させる。第2画面G2には、フィールドの一部又は全体を俯瞰視点で表示し、フィールド中、第1画面G1に映る部分以外の部分も映すことが可能である。また、表示変更操作に基づく情報に応じて、フィールド中、第2画面G2に映される部分(フィールドの範囲)を変更することも可能である。また、第2画面G2には、上記第1画面G1と同様、フィールド上の配置位置に投入された投入オブジェクトを上記の投入演出と共に表示させる。
【0068】
(抽選部)
抽選部60は、投入操作に基づく第2情報に応じて、当選確率の異なる複数種類のオブジェクトの効果が候補として用意されている集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する。この集合の中には、第1ユーザに有利な効果(第1効果)のみならず、第1ユーザに不利な効果(第2効果)も含み、抽選部60は、その集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する。また、この集合は、被操作オブジェクトのフィールド中における現在位置に基づいて設定(エリアごとに設定)されており、抽選部60は、その集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する。また、この集合の中には、この抽選でしか獲得できない専用のオブジェクト、及び、第2ユーザとフレンド又は同チームの第1ユーザにしか効果が発揮されないオブジェクトが含まれている場合もあり、抽選部60は、その集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する。なお、抽選部60は、抽選を行う際に第2ユーザの所持するゲーム内通貨を消費させる場合もあり、ゲーム内通貨の消費量に応じて、投入オブジェクトの内容を変更する場合もある。
【0069】
また、集合に含まれる複数種類のオブジェクトの効果には、それぞれ提供可能数が規定されており、抽選部60は、投入オブジェクトの効果として当選したオブジェクトの効果を、集合内から削除することによりその提供可能数を減算し、所定条件を満たして提供可能数が初期値に戻されない限り、次回以降の抽選で当選しないように抽選制限をする。なお、提供可能数は、上記のとおり、エリアを移動した場合等の所定条件を満たした場合に、初期値に戻す。
【0070】
また、抽選部60は、投入オブジェクトの配置位置、すなわち、複数の被操作オブジェクトのうち、どの被操作オブジェクトの近傍に配置するかについて抽選してもよい(第2抽選)。このとき、投入オブジェクトの効果が未だ発揮されていない第1ユーザに対して投入オブジェクトの効果が発揮されるように、その第1ユーザが操作する被操作オブジェクトのフィールド中における現在位置の近傍の中から、優先的に配置位置を抽選してもよい。
【0071】
(ゲーム処理部70)
ゲーム処理部70は、ゲームの進行に必要な情報処理を実行するものであり、具体的には、第1取得部41が取得した第1情報、及び、第2取得部42が取得した第2情報に応じてゲームを進行させる情報処理を実行する。例えば、第1情報に基づいて被操作オブジェクトを移動させたり、第2情報に基づいて投入オブジェクトを投入したりする。また、第1ユーザに対して、抽選により選択された投入オブジェクトの効果を発揮し、被操作オブジェクトのパラメータ値を変更する等してゲームを進行させる。
【0072】
以上、サーバ10、第1端末11及び第2端末12のそれぞれの構成について説明した。なお、一般的に、サーバ10、第1端末11及び第2端末12は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明における情報処理システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0073】
<本発明の一実施形態に係る情報処理フロー>
次に、図14及び図15を参照しながら、上記構成からなる情報処理システムSによる情報処理フローのうち、第1端末11及び第2端末12を用いてゲームを進行させるフロー(以下、ゲーム進行フローという。)について説明する。ゲーム進行フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、換言すると、ゲーム進行フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。なお、以下では、ゲーム進行フローについて分かり易く説明するために、第1端末11に関する第1ユーザ側フローと、第2端末12に関する第2ユーザ側フローとを別々に分けて説明することとする。
【0074】
[第1ユーザ側フロー]
第1ユーザ側フローは、例えば、図14に示す流れに沿って進行する。
図14に示されるように、先ず、コンピュータであるサーバ10(詳しくは、第1表示制御部51)は、第1画面G1を第1端末11に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第1ユーザの第1端末11に送信する(S101)。
【0075】
サーバ10から送信された表示制御データを受信した第1端末11は、画面に第1画面G1(図3)を表示する(S102)。そして、第1端末11は、その第1画面G1上で、第1ユーザによる被操作オブジェクトに対する移動操作を受け付けた場合(S103:YES)、サーバ10(詳しくは、第1取得部41)は、ネットワーク14を通じて、第1端末11からその移動操作に基づく第1情報を取得する(S104)。そして、サーバ10(詳しくは、ゲーム処理部70)は、その第1情報に基づいて第1ユーザによって移動操作された被操作オブジェクトをフィールド上で移動させ(S105)、且つ、サーバ10(詳しくは、第1表示制御部51)は、その被操作オブジェクトの移動を反映させた第1画面G1を第1端末11に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第1ユーザの第1端末11に送信する(S106)。
【0076】
サーバ10から送信された表示制御データを受信した第1端末11は、画面に表示されている第1画面G1(図3)において被操作オブジェクトの移動演出を表示する(S107)。なお、第1ユーザによる被操作オブジェクトの移動操作を受け付けていない場合は(S103:NO)、そのまま以降の処理(S108)へ進む。
【0077】
次に、サーバ10(詳しくは、ゲーム処理部70)は、第2ユーザによって投入オブジェクトが投入されたと判断した場合(S108:YES)、サーバ10(詳しくは、第1表示制御部51)は、その投入オブジェクトの投入演出を反映させた第1画面G1を第1端末11に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第1ユーザの第1端末11に送信する(S109)。
【0078】
サーバ10から送信された表示制御データを受信した第1端末11は、画面に表示されている第1画面G1で、投入オブジェクトの投入演出(図5図8)を表示する(S110)。そして、サーバ10(詳しくは、ゲーム処理部70)は、被操作オブジェクトが投入オブジェクトに触れる等して投入オブジェクトの効果が発揮されたと判断した場合(S111:YES)、サーバ10(詳しくは、第1表示制御部51)は、その投入オブジェクトの効果発揮演出を反映させた第1画面G1を第1端末11に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第1ユーザの第1端末11に送信する(S112)。サーバ10から送信された表示制御データを受信した第1端末11は、画面に表示されている第1画面G1で、投入オブジェクトの効果発揮演出(爆弾が爆発して周囲の敵キャラクタにダメージを与える等の演出)を表示する(S110)。
【0079】
そして、サーバ10(詳しくは、ゲーム処理部70)は、ゲームが終了するまでは(S114:NO)、S103~S113までの処理を繰り返し実行し、ゲームが終了すると共に(S114:YES)、処理を終了する。なお、投入オブジェクトが投入されていないと判断した場合(S108:NO)、及び、投入オブジェクトの効果が発揮されていないと判断した場合(S111:NO)も、S103~S113までの処理を繰り返し実行する。
【0080】
[第2ユーザ側フロー]
一方、第2ユーザ側フローは、例えば、図15に示す流れに沿って進行する。
図15に示されるように、先ず、コンピュータであるサーバ10(詳しくは、第2表示制御部52)は、第2画面G2を第2端末12に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第2ユーザの第2端末12に送信する(S201)。
【0081】
サーバ10から送信された表示制御データを受信した第2端末12は、画面に第2画面G2(図4)を表示する(S202)。そして、第2端末12は、その第2画面G2上で、第2ユーザによる表示変更操作を受け付けた場合(S203:YES)、サーバ10(詳しくは、第2取得部42)は、ネットワーク14を通じて、第2端末12からその表示変更操作に基づく第2情報を取得する(S204)。そして、サーバ10(詳しくは、第2表示制御部52)は、その表示変更操作を反映させた第2画面G2を第2端末12に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第2ユーザの第2端末12に送信する(S205)。
【0082】
サーバ10から送信された表示制御データを受信した第2端末12は、画面に表示されている第2画面G2の移される部分を変更し、改めて第2画面G2(図4)を表示する(S206)。なお、第2ユーザによる表示変更操作を受け付けていない場合は(S203:NO)、そのまま以降の処理(S207)へ進む。
【0083】
次に、第2端末12は、その第2画面G2上で、第2ユーザによる投入オブジェクトの投入操作を受け付けた場合(S207:YES)、サーバ10(詳しくは、第2取得部42)は、ネットワーク14を通じて、第2端末12からその投入操作に基づく第2情報を取得する(S208)。そして、サーバ10(詳しくは、抽選部60)は、その第2情報に基づいて投入オブジェクトの効果を抽選する抽選処理を実行し(S209)、サーバ10(詳しくは、ゲーム処理部70)は、その抽選結果に基づいて投入オブジェクトをフィールド上に投入し(S210)、且つ、サーバ10(詳しくは、第2表示制御部52)は、その投入オブジェクトの投入演出を反映させた第2画面G2を第2端末12に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第2ユーザの第2端末12に送信する(S211)。なお、抽選処理(S209)の詳細については、後述する。
【0084】
サーバ10から送信された表示制御データを受信した第2端末12は、画面に表示されている第2画面G2で、投入オブジェクトの投入演出(図5図8)を表示する(S212)。そして、サーバ10(詳しくは、ゲーム処理部70)は、第1ユーザが操作する被操作オブジェクトが投入オブジェクトに触れる等して投入オブジェクトの効果が発揮されたと判断した場合(S213:YES)、サーバ10(詳しくは、第2表示制御部52)は、その投入オブジェクトの効果発揮演出を反映させた第2画面G2を第2端末12に表示させるための表示制御データを生成し、ネットワーク14を通じて、第2ユーザの第2端末12に送信する(S214)。サーバ10から送信された表示制御データを受信した第2端末12は、画面に表示されている第2画面G2で、投入オブジェクトの効果発揮演出(爆弾が爆発して周囲の敵キャラクタにダメージを与える等の演出)を表示する(S215)。
【0085】
そして、サーバ10(詳しくは、ゲーム処理部70)は、ゲームが終了するまでは(S216:NO)、S203~S215までの処理を繰り返し実行し、ゲームが終了すると共に(S216:YES)、処理を終了する。なお、投入オブジェクトの投入操作を受け付けていない場合(S207:NO)、及び、投入オブジェクトの効果が発揮されていないと判断した場合(S213:NO)も、S203~S215までの処理を繰り返し実行する。
【0086】
上記図14又は図15に示される一連の工程が終了した時点で、ゲーム進行フローが終了する。以降、第1ユーザ及び第2ユーザがゲームをプレイしている最中、厳密には、第1ユーザが被操作オブジェクトを操作してゲームをプレイし、第2ユーザがドローンプレイをしている場合に、上記一連の工程が繰り返し実施される。
以上が、ゲーム進行フローの一例である。
【0087】
[抽選処理]
次に、図16に基づいて、抽選処理の一例について説明する。
抽選処理とは、サーバ10(詳しくは、抽選部60)において実行される処理であり、上記の第2ユーザ側フローのステップS209において実行される処理である。具体的には、投入操作に基づく第2情報に応じて、複数種類の効果を含む集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する処理である。
【0088】
具体的には、図16に示されるように、先ず、コンピュータであるサーバ10(詳しくは、抽選部60。以下同じ。)は、集合内のオブジェクトの提供可能数を初期値に戻す場合の条件である所定条件を満たすか否かについて判断する(S301)。サーバ10は、所定条件を満たすと判断した場合(S301:YES)、投入オブジェクトの効果の候補となる集合内に含まれるオブジェクトの効果の提供可能数を初期値に設定する(S302)。一方、サーバ10は、所定条件を満たしていないと判断した場合は(S302:NO)、提供可能数を初期値に設定することなく、そのまま以降の処理(S303)へ進む。
【0089】
続いて、サーバ10は、それぞれについて提供可能数が規定されている複数種類のオブジェクトの効果を含む集合内から一のオブジェクトの効果を抽選し(S303)、その抽選したオブジェクトの効果を投入オブジェクトの効果として設定する(S304)。そして、サーバ10は、集合内に含まれているオブジェクトの効果の中から、抽選したオブジェクトの効果に対応するオブジェクトの効果の提供可能数を1個減算し(S305)、その状態で集合を更新して記憶部30に記憶したうえで、処理を終了する。
【0090】
上記の一連の工程が終了した時点で、抽選処理が終了する。以降、ユーザがゲームをプレイしている最中、厳密にいうと、第2ユーザにより投入操作に基づく第2情報を取得した場合に、上記一連の工程が繰り返し実施される。
以上が、抽選処理の一例である。
【0091】
<その他の実施形態>
以上までに、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関して、具体例を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態も考えられ得る。
【0092】
上記の実施形態では、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)が本発明の情報処理装置として機能しているが、これに限定されるものではなく、サーバ10が有する機能のうちの一部が第1端末11又は第2端末12に備わっていてもよい。例えば、抽選部60又はゲーム処理部70の機能が第1端末11又は第2端末12に備わっていてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、ユーザ情報等は、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)に記憶して所持することとしたが、不図示のデータベースサーバを別途設けて、そのデータベースサーバに一括して記憶することとしてもよいし、第1端末11又は第2端末12側に記憶することとしてもよい。
【0094】
なお、ゲームには、例えば、WebブラウザとSNS(Social Networking Service)のアカウントのみで利用可能なソーシャルゲーム等も含む。また、本実施形態においては、ユーザは、原則として無料で全ての機能を享受することができるが、一部の機能を限定し、所定の料金を支払うことによって、その限定された機能が利用できることとしてもよい。また、所定の料金を支払ったユーザに対しては、プレイするうえで有利になるように各種条件等を設定してもよい。なお、この料金については、従量課金制としてもよいし、一度支払えば一定期間(例えば、一か月間又は一年間等)、そのユーザに対して効果を有することとしてもよい(サブスクリプション)。
【0095】
<まとめ>
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴は以下の通りである。
【0096】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、第1ユーザが被操作オブジェクトをフィールド上で移動させるために行う移動操作に基づく第1情報を取得する第1取得部と、第2ユーザがフィールド上に投入オブジェクトを投入するために行う投入操作に基づく第2情報を取得する第2取得部と、投入操作に基づいて、複数種類の効果を含む集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する抽選部と、第1ユーザの第1端末において、フィールド上の配置位置に投入オブジェクトを表示させる表示制御部と、抽選により選択された投入オブジェクトの効果を発揮してゲームを進行させるゲーム処理部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、投入オブジェクトの効果が抽選によって決定され、且つ、その投入オブジェクトがフィールド上に配置される。これにより、どのような効果を生じるオブジェクトが投入されるか、及び、どの第1ユーザに対してその投入オブジェクトの効果が発揮されるかについて、投入オブジェクトを投入する第2ユーザにとっても判らないので、バラエティに富んだゲーム展開が繰り広げられることとなり、ゲームの興趣性が向上し、多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0097】
[2]上記の情報処理装置において、表示制御部は、フィールド中、移動操作に応じた一部分を映す第1画面を第1端末に表示させる第1表示制御部と、フィールド中、第1画面に映る部分以外の部分を映すことが可能な第2画面を第2ユーザの第2端末に表示させる第2表示制御部と、を有し、第1取得部は、第1ユーザの第1端末に対する移動操作に基づく第1情報を取得し、第2取得部は、第2ユーザの第2端末に対する投入操作に基づく第2情報を取得する。
これにより、第2ユーザには第1ユーザよりも視覚的な優位性が生じるため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0098】
[3]上記の情報処理装置において、第1表示制御部は、フィールド中、被操作オブジェクトを含む部分を映す第1画面を第1端末に表示させ、第2表示制御部は、第2ユーザの第2端末に対する表示変更操作に基づき、フィールド中、第2画面に映される部分を変更する。
これにより、第2ユーザには第1ユーザよりも視覚的な優位性が生じるため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0099】
[4]上記の情報処理装置において、抽選部は、第1ユーザに有利な第1効果と、第1ユーザに不利な第2効果とを含む集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する。
これにより、投入オブジェクトの効果が多様になるため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0100】
[5]上記の情報処理装置において、抽選部は、配置位置を抽選する第2抽選を実行する。
これにより、投入オブジェクトの配置位置が多様になるため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0101】
[6]上記の情報処理装置において、抽選部は、投入オブジェクトの効果が発揮されていない第1ユーザに関連付けられた被操作オブジェクトのフィールド中における現在位置の近傍の中から、配置位置を抽選する第2抽選を実行する。
これにより、投入オブジェクトの配置位置が多様になるうえ、今まで投入オブジェクトの恩恵を受けていなかった第1ユーザに対しても投入オブジェクトの効果が発揮される機会が与えられることになるため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0102】
[7]上記の情報処理装置において、抽選部は、被操作オブジェクトのフィールド中における現在位置に基づいて設定された集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選する。
これにより、投入オブジェクトの効果が多様になるため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0103】
[8]上記の情報処理装置において、集合に含まれる複数種類のオブジェクトにはそれぞれ提供可能数が規定されており、抽選部は、抽選された投入オブジェクトに対応する提供可能数を減じ、所定条件を満たした場合に、提供可能数を初期値に戻す。
これにより、投入オブジェクトの効果が多様になるうえ、集合の中に効果の大きいオブジェクト等が含まれている場合等は、第1ユーザ及び第2ユーザの抽選に対する期待感が増すため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0104】
[9]上記の情報処理装置において、抽選部は、被操作オブジェクトのフィールド中における現在位置が所定範囲から移動した場合に、提供可能数を初期値に戻す。
これにより、投入オブジェクトの効果が多様になるうえ、集合の中に効果の大きいオブジェクト等が含まれている場合等は、第1ユーザ及び第2ユーザの抽選に対する期待感が増すため、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0105】
[10]上記の情報処理装置において、表示制御部は、被操作オブジェクトが配置位置から所定距離の範囲内に到達した場合、投入オブジェクトの種類と対応する表示態様にて投入オブジェクトを表示させる。
これにより、少なくとも第1ユーザにとっては、投入オブジェクトに近付かないとその投入オブジェクトがどのような効果を発揮するか判別できないので、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0106】
[11]上記の情報処理装置では、複数の第1ユーザが共同でゲームをプレイする場合において、表示制御部は、複数の第1ユーザのうち、投入オブジェクトを投入した第2ユーザと関連付けられた特定の第1ユーザに対して、投入オブジェクトの種類と対応する表示態様にて投入オブジェクトを表示させ、投入オブジェクトを投入した第2ユーザと関連付けられていない第1ユーザに対して、投入オブジェクトの種類とは無関係な表示態様にて投入オブジェクトを表示させる。
これにより、第1ユーザの属性によっては、投入オブジェクトに近付かないとその投入オブジェクトがどのような効果を発揮するか判別できないので、ゲームの興趣性がより一層向上し、さらに多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0107】
[12]また、本実施形態に係る情報処理方法によれば、コンピュータが、第1ユーザが被操作オブジェクトをフィールド上で移動させるために行う移動操作に基づく第1情報を取得し、コンピュータが、第2ユーザがフィールド上に投入オブジェクトを投入するために行う投入操作に基づく第2情報を取得し、コンピュータが、投入操作に基づいて、複数種類の効果を含む集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選し、コンピュータが、第1ユーザの第1端末において、フィールド上の配置位置に投入オブジェクトを表示させ、コンピュータが、抽選により選択された投入オブジェクトの効果を発揮してゲームを進行させる。
上記の情報処理方法によれば、投入オブジェクトの効果が抽選によって決定され、且つ、その投入オブジェクトがフィールド上に配置される。これにより、どのような効果を生じるオブジェクトが投入されるか、及び、どの第1ユーザがその投入オブジェクトを取得するかについて、投入オブジェクトを投入する第2ユーザにとっても判らないので、ゲームの興趣性が向上し、多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【0108】
[13]また、本実施形態に係るプログラムによれば、コンピュータに、第1ユーザが被操作オブジェクトをフィールド上で移動させるために行う移動操作に基づく第1情報を取得させ、第2ユーザがフィールド上に投入オブジェクトを投入するために行う投入操作に基づく第2情報を取得させ、投入操作に基づいて、複数種類の効果を含む集合の中から投入オブジェクトの効果を抽選させ、第1ユーザの第1端末において、フィールド上の配置位置に投入オブジェクトを表示させ、抽選により選択された投入オブジェクトの効果を発揮してゲームを進行させる。
上記のプログラムによれば、投入オブジェクトの効果が抽選によって決定され、且つ、その投入オブジェクトがフィールド上に配置される。これにより、どのような効果を生じるオブジェクトが投入されるか、及び、どの第1ユーザがその投入オブジェクトを取得するかについて、投入オブジェクトを投入する第2ユーザにとっても判らないので、ゲームの興趣性が向上し、多くのユーザにゲーム参加を促すことができる。
【符号の説明】
【0109】
10 サーバ
11 第1端末
12 第2端末
14 ネットワーク
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 ストレージ
25 バス
30 記憶部
31 エリア情報記憶部
32 ユーザ情報記憶部
33 投入オブジェクト情報記憶部
40 取得部
41 第1取得部
42 第2取得部
50 表示制御部
51 第1表示制御部
52 第2表示制御部
60 抽選部
70 ゲーム処理部
80 ズームスライダ
81 投入ボタン
82 投入ボタン
G1 第1画面
G2 第2画面
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16