(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241113BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2022078901
(22)【出願日】2022-05-12
(62)【分割の表示】P 2020173241の分割
【原出願日】2020-10-14
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-248370(JP,A)
【文献】特開2020-014670(JP,A)
【文献】特開2014-195534(JP,A)
【文献】特許第6680394(JP,B1)
【文献】ガチャポイント交換登場!,7人の賢者と錬金術師(WaybackMachine)[online],2020年06月16日,インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20200616105957/https://7-renkin.com/info/detail/5d37c4868d2b7>,[2024年7月3日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作に応じて複数の選択候補の中から少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行し、前記抽選処理によって選出された前記ゲーム媒体の少なくとも1つを前記ユーザに関連付けるとともに、関連付けられた前記ゲーム媒体を前記複数の選択候補から削除する抽選手段、
所定の変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の内容を変更する選択候補変更手段、
および
前記変更条件の成立を抽選する変更条件抽選処理を行う変更条件抽選手段、として機能させ
、
前記変更条件の成立は、前記変更条件抽選処理によって前記変更条件の成立が当選することを含み、
前記選択候補変更手段は、前記抽選処理の実行回数が増える、または、前記複数の選択候補の数が減るほど前記変更条件抽選処理において前記変更条件が成立する確率を上昇させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
ユーザの操作に応じて複数の選択候補の中から少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行し、前記抽選処理によって選出された前記ゲーム媒体の少なくとも1つを前記ユーザに関連付けるとともに、関連付けられた前記ゲーム媒体を前記複数の選択候補から削除する抽選手段、
所定の変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の内容を変更する選択候補変更手段、および
前記抽選処理を実行するごとに抽選回数または前記抽選回数に基づく抽選パラメータを積算し、前記ユーザの操作に基づいて、前記ユーザに関連付けられている前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値の少なくとも一部と引き換えに、所定の特典を前記ユーザに関連付ける特典付与手段、として機能させ、
前記選択候補変更手段は、前記特典が前記ユーザに関連付けられた場合に、前記複数の選択候補の内容を初期化することによって前記複数の選択候補の数を増やす
、ゲームプログラム。
【請求項3】
前記選択候補変更手段は、前記抽選処理の実行回数が増える、または、前記複数の選択候補の数が減るほど前記変更条件が成立し易くなるようにする、請求項
2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記選択候補変更手段は、前記変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の数を増やす、または、前記複数の選択候補のうちの少なくとも1つの選択候補を他の選択候補に変更する、請求項1
から3の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記変更条件の成立は、前記抽選処理によって特定のゲーム媒体が選出されることを含む、請求項1から4の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記特典付与手段は、前記特典と引き換えにする前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値に応じて前記ユーザに関連付ける前記特典を異ならせる、請求項
2に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記選択候補変更手段は、前記変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の内容を初期化することによって前記複数の選択候補の数を増やし、
前記特典付与手段は、前記複数の選択候補の内容を初期化する場合に、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値と引き換えに前記特典を取得可能であることの報知を行う、請求項
2または
6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1から
7の何れかに記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶された前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、
を備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の小型コンピュータ装置で実行可能なゲームプログラムにおいて、いわゆるガチャと呼ばれ、そのゲームプログラムによって進行するゲームに使用する要素(以下、ゲーム媒体と称する。例えば、キャラクタ、カード、武器、ガチャチケット等)を抽選により取得可能な抽選処理が知られている(例えば下記特許文献1等)。
【0003】
このような抽選処理において、特定のゲーム媒体(例えば最高レア度のキャラクタ)が確実に選出されるための条件、または、特定のゲーム媒体が選出される確率が高くなるための条件が設定されているものがある。例えば、下記特許文献2には、抽選回数が所定値に達すると特定のゲーム媒体が必ず選出される抽選処理が開示されている。また、下記特許文献3には、抽選回数が増えるほど特定のゲーム媒体が選出される確率が高くなる抽選処理が開示されている。また、下記特許文献4には、抽選を行うたびに選出されたゲーム媒体が選択候補から除外されることにより、特定のゲーム媒体が当選する確率が高くなる抽選処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-202410号公報
【文献】特許第6246770号公報
【文献】特許第6093845号公報
【文献】特許第5335973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの抽選処理においては、抽選処理を繰り返すことにより特定のゲーム媒体が確実に得られる期待感をユーザに与えることができるが、特定のゲーム媒体が得られるまでに必要な抽選回数は一般的に多く、抽選処理を繰り返すことが作業化してしまう。このように、抽選処理を繰り返すことにより特定のゲーム媒体が確実に得られる、または、得られ易くなる抽選処理においては、ユーザに高い興趣を抱かせるための手段について改善の余地がある。
【0006】
そこで本発明は、抽選処理によりゲーム媒体を得ることができるゲームプログラムにおいて、ユーザに、より高い興趣を抱かせることができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータを、ユーザの操作に応じて複数の選択候補の中から少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行し、前記抽選処理によって選出された前記ゲーム媒体の少なくとも1つを前記ユーザに関連付ける抽選手段、前記抽選処理を実行するごとに抽選回数または前記抽選回数に基づく抽選パラメータを積算し、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値が所定値に達した場合に、所定の第1特典をユーザに関連付ける第1特典付与手段、および前記第1特典をユーザに関連付けること以外の所定の変更条件が成立した場合に、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値を変更する値変更手段、として機能させ、前記値変更手段は、前記抽
選回数または前記抽選パラメータの積算値が前記所定値に近づくほど前記変更条件が成立し易くなるようにする。
【0008】
前記第1特典付与手段は、前記抽選処理を実行するごとに抽選回数または前記抽選パラメータを増加させ、前記値変更手段は、前記変更条件が成立した場合に、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値を減少または初期化してもよい。
【0009】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、前記変更条件の成立を抽選する変更条件抽選処理を行う変更条件抽選手段として機能させ、前記変更条件の成立は、前記変更条件抽選処理によって前記変更条件の成立が当選することを含み、前記値変更手段は、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値が前記所定値に近づくほど前記変更条件抽選処理において前記変更条件が成立する確率を上昇させてもよい。
【0010】
前記変更条件の成立は、前記抽選処理によって特定のゲーム媒体が選出されることを含み、前記値変更手段は、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値が前記所定値に近づくほど前記特定のゲーム媒体が選出される確率を上昇させてもよい。
【0011】
前記所定値は、第1所定値および前記第1所定値とは異なる第2所定値を含み、前記第1特典付与手段は、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値が前記第1所定値に達した場合と前記第2所定値に達した場合とで前記ユーザに関連付ける前記第1特典の内容を異ならせてもよい。
【0012】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、前記ユーザの操作に基づいて、前記ユーザに関連付けられている前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値の少なくとも一部と引き換えに、所定の第2特典を前記ユーザに関連付ける第2特典付与手段として機能させてもよい。
【0013】
前記第2特典付与手段は、前記第2特典と引き換えにする前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値に応じて前記ユーザに関連付ける前記第2特典を異ならせてもよい。
【0014】
また、本発明の他の態様に係るゲームプログラムは、コンピュータを、ユーザの操作に応じて複数の選択候補の中から少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行し、前記抽選処理によって選出された前記ゲーム媒体の少なくとも1つを前記ユーザに関連付けるとともに、関連付けられた前記ゲーム媒体を前記複数の選択候補から削除する抽選手段、所定の変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の内容を変更する選択候補変更手段、として機能させ、前記選択候補変更手段は、前記抽選処理の実行回数が増える、または、前記複数の選択候補の数が減るほど前記変更条件が成立し易くなるようにする。
【0015】
前記選択候補変更手段は、前記変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の数を増やす、または、前記複数の選択候補のうちの少なくとも1つの選択候補を他の選択候補に変更してもよい。
【0016】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、前記変更条件の成立を抽選する変更条件抽選処理を行う変更条件抽選手段として機能させ、前記変更条件の成立は、前記変更条件抽選処理によって前記変更条件の成立が当選することを含み、前記選択候補変更手段は、前記抽選処理の実行回数が増える、または、前記複数の選択候補の数が減るほど前記変更条件抽選処理において前記変更条件が成立する確率を上昇させてもよい。
【0017】
前記変更条件の成立は、前記抽選処理によって特定のゲーム媒体が選出されることを含
んでもよい。
【0018】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、前記抽選処理を実行するごとに抽選回数または前記抽選回数に基づく抽選パラメータを積算し、前記ユーザの操作に基づいて、前記ユーザに関連付けられている前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値の少なくとも一部と引き換えに、所定の特典を前記ユーザに関連付ける特典付与手段として機能させてもよい。
【0019】
前記特典付与手段は、前記特典と引き換えにする前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値に応じて前記ユーザに関連付ける前記特典を異ならせてもよい。
【0020】
前記選択候補変更手段は、前記変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の内容を初期化することによって前記複数の選択候補の数を増やし、前記特典付与手段は、前記複数の選択候補の内容を初期化する場合に、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値と引き換えに前記特典を取得可能であることの報知を行ってもよい。
【0021】
前記選択候補変更手段は、前記特典が前記ユーザに関連付けられた場合に、前記複数の選択候補の内容を初期化することによって前記複数の選択候補の数を増やしてもよい。
【0022】
また、本発明の他の態様に係るゲームシステムは、上記ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶された前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、抽選処理によりゲーム媒体を得ることができるゲームプログラムにおいて、ユーザに、より高い興趣を抱かせることができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態1における第2特典付与処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施の形態2におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、コンピュータ装置として構成されるゲーム装置2と、サーバ装置3とが、インターネットやLAN(Local Ar
ea Network)等の通信ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。このうちゲーム装置2は、その動作を制御するCPU(Central Processing Unit)10等のプロセッサを備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、
記憶装置14、ROM(Read Only Memory)15、およびRAM(Random Access Memory)16が接続されている。
【0027】
ゲーム装置2は、表示部であるモニタ19が設けられた移動筐体をユーザが把持するように構成される。当該移動筐体には操作入力部12が設けられている。本実施の形態において、ゲーム装置2の各構成は、移動筐体内に収められている。
【0028】
ROM15は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラム等が記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAM等により構成され、CPU10が実行するべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要となるゲームデータ30b等を、ゲームのプレイ状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
【0029】
さらに、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、ネットワークインタフェイス25、および撮像部28が接続されている。
【0030】
このうち、グラフィック処理部17は、CPU10の指示に従って仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介してゲーム装置2に内蔵されたモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
【0031】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
【0032】
撮像部28は、移動筐体のモニタ19の表示面とは反対側および/または表示面側に設けられ、外部の風景(現実の画像)を撮像する。撮像された画像データは、記憶装置14に記憶される。
【0033】
操作入力部12は、モニタ19上に設けられたタッチパネルで構成され、モニタ19上に表示された操作ボタン等をユーザが触れることにより、対応する操作入力が行われる。
【0034】
一方、サーバ装置3は、その動作を制御する高性能のCPU40等のプロセッサを備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインタフェイス45が接続されている。
【0035】
サーバ装置3のROM43は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、サーバ装置3と他のゲーム装置2との間の通信を制御するプログラム等、サーバ装置3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。
【0036】
また、RAM44は、DRAMまたはSRAM等から構成され、CPU40が実行するべきプログラムや、その実行の際に必要になるデータ等を、記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
【0037】
本実施の形態において、ゲームシステム1は、いわゆるネイティブアプリとしてゲーム装置2にインストールされたゲーム(アプリ)を進行させ、サーバ装置3において(WEB上で)、仮想通貨および抽選処理を実行する際に使用される抽選用ゲーム要素(後述)のデータ、所有キャラクタのデータ、抽選処理に関するデータ等を管理する形式のいわゆるガワネイティブアプリによって動作する。
【0038】
サーバ装置3の記憶装置42は、サーバ装置3に接続される大容量記憶媒体である。サーバ装置3は、記憶装置42にゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを記憶している。CPU40は、ゲーム装置2(アカウント)のセーブデータ42cを管理する。サーバ装置3とゲーム装置2とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信を行う。
【0039】
ゲーム装置2は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行(プレイ)するために、ゲーム装置2を介してサーバ装置3の記憶装置42に記憶されたゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。さらに、ゲーム装置2は、サーバ装置3からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。
【0040】
ゲーム装置2は、インストールしたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいて、ゲーム装置2にてゲーム進行を行い、これらのゲーム進行に伴うゲーム演出(ゲーム画像、音声)を後述するモニタ19およびスピーカ22等に出力する。
【0041】
なお、サーバ装置3には、複数のユーザが操作する複数のゲーム装置2が接続され得る。各ゲーム装置2および各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報(固有の識別情報)が付与される。そして、アカウント情報ごとにID(識別符号)が付与される。
【0042】
サーバ装置3は、各ユーザのアカウント情報を管理し、各アカウントのゲーム進行状況に関するデータなどをゲーム装置2から受信して記憶装置42に記憶する。
【0043】
例えば、ゲーム装置2は、ユーザによってゲームを開始する操作が行われたとき、ゲーム装置2が通信ネットワークNWを介してサーバ装置3と通信を行い、このゲーム装置2からアカウント情報が送信される。サーバ装置3は、送信されたアカウント情報に基づいて所定の認証を行い、ゲーム装置2にゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を送信する。
【0044】
ゲーム装置2は、このアカウントのゲーム進行状況に関するデータ等を受信して、ゲーム装置2にてゲーム進行を行う。また、ゲーム装置2は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費またはゲーム課題クリア等のデータ更新時)でサーバ装置3にゲーム進行状況に関するデータを送信する。このように、ガワネイティブアプリ型のゲームシステムは、所定のタイミングでサーバ装置3とゲーム装置2とで相互に通信を行い、サーバ装置3とゲーム装置2とで同期をとってゲームを進行させる。
【0045】
[実施の形態1]
以下に、実施の形態1における抽選処理について説明する。本実施の形態における抽選処理は、抽選処理を実行するごとに抽選回数が積算され、抽選回数の積算値が所定値に達した場合に、所定の第1特典がユーザに関連付けられる(付与される)。
【0046】
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、実施の形態1におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。ゲームシステム1を構成するゲーム装置2は、CPU10、記憶装置14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、オーディオ合成部20等を含む制御部5aを備
えたコンピュータとして動作する。また、サーバ装置3は、CPU40、記憶装置42、ROM43、およびRAM44等を含む制御部5bを備えたコンピュータとして動作する。
【0047】
そして、
図2に示すように、ゲーム装置2の制御部5aとサーバ装置3の制御部5bとが協動することにより構成されるゲームシステム1の制御部5は、ゲームプログラム30a,42aを実行することで、各プロセッサの制御により、抽選手段51、第1特典付与手段52、値変更手段53、変更条件抽選手段54および第2特典付与手段55等の機能を発揮する。本実施の形態において、これらの機能は、主にサーバ装置3の制御部5bによって発揮される。
【0048】
このうち、抽選手段51は、ユーザの操作に応じて複数の選択候補の中から少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行する。抽選手段51は、抽選処理によって選出されたゲーム媒体の少なくとも1つをユーザに関連付ける。また、第1特典付与手段52は、抽選回数の積算値が所定値に達した場合に、所定の第1特典をユーザに関連付ける(付与する)。また、値変更手段53は、第1特典をユーザに関連付けること以外の所定の変更条件が成立した場合に、抽選回数の積算値を変更する。
【0049】
また、変更条件抽選手段54は、変更条件の成立を抽選する変更条件抽選処理を行う。また、第2特典付与手段55は、ユーザの操作に基づいて、ユーザに関連付けられている抽選回数の積算値の少なくとも一部と引き換えに、所定の第2特典をユーザに関連付ける(付与する)。
【0050】
[抽選処理の流れ]
以下、本実施の形態における抽選処理の流れについて説明する。
図3は、実施の形態1における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
ユーザがゲーム媒体の抽選処理を希望する際、ユーザは、ゲーム装置2に対してゲーム中の所定の抽選画面において抽選処理を実行するための操作入力を行う。複数種類の抽選処理がある場合には、何れかの抽選処理を選択し、対応する実行操作入力を行う。
【0052】
操作入力を受けたゲーム装置2は、抽選処理の実行要求をサーバ装置3に送信する。サーバ装置3は、ゲーム装置2からの抽選処理の実行要求の有無を監視する(ステップSA1)。抽選処理の実行要求があった場合(ステップSA1でYes)、抽選手段51は、抽選処理を実行する(ステップSA2)。
【0053】
抽選処理には、1回ごとに所定のゲーム要素(以下、抽選用ゲーム要素)が消費される。抽選用ゲーム要素は、例えば、抽選チケット、石(クリスタル等とも呼ばれる)等が含まれる。抽選用ゲーム要素には、有償のゲーム要素と無償のゲーム要素とが区別されて管理される。ユーザは、抽選処理を行う際、複数種類ある抽選用ゲーム要素の何れを消費して抽選処理を行うかを選択可能である。また、複数種類の抽選処理には、必要となる抽選用ゲーム要素が予め決まっている。
【0054】
抽選処理の実行要求には、消費する抽選用ゲーム要素の種類情報も含まれる。抽選手段51は、実行要求に含まれる抽選用ゲーム要素の種類情報に基づいて、抽選用ゲーム要素の消費処理を行う。各抽選用ゲーム要素の数は、サーバ装置3の記憶装置42にユーザに関連付けて記憶されている。抽選処理の実行要求を受けた場合、抽選手段51は、そのユーザに関連付けられた、実行要求に含まれる情報に対応する抽選用ゲーム要素の数を読み出し、読み出した抽選用ゲーム要素の数からその抽選処理に応じて設定される消費数を減じる。
【0055】
抽選手段51は、消費数が減じられた後の抽選用ゲーム要素の数をユーザに関連付けて記憶(更新)する。なお、抽選用ゲーム要素の数が消費数に満たない場合、抽選処理を中止し、対応するゲーム装置2にエラー情報を送信する。
【0056】
抽選手段51は、抽選処理において、複数の選択候補の中から所定の抽選確率で少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行する。ゲーム媒体を選出する数は、ユーザが選択した抽選処理の種類に応じて決定される。
【0057】
抽選手段51は、選出されたゲーム媒体をそのユーザに関連付けて記憶する(ステップSA3)。サーバ装置3の制御部5bは、抽選処理に付随する抽選付随処理を実行する(ステップSA4)。詳しくは後述する。その後、抽選手段51は、抽選結果(選出されたゲーム媒体の内容)および抽選付随処理の結果を対応するゲーム装置2に送信する(ステップSA5)。さらに、抽選手段51は、抽選結果に応じて抽選結果を表示する際の演出データを対応するゲーム装置2に送信する。
【0058】
抽選結果等のデータを受信したゲーム装置2の制御部5aは、受信したデータに基づいて抽選結果の報知(モニタ19への表示等)を行う。
【0059】
各選択候補は、複数のレア度のうちの何れかのレア度が設定される。レア度とは、抽選処理における各選択候補の当選確率である。例えば各選択候補は、当選確率の高い順に、星3、星4、星5等のように設定される。複数の選択候補には、星3、星4、星5のそれぞれのゲーム媒体が含まれる。例えば、星3のゲーム媒体は、当選確率が90%であり、複数の選択候補に、77体含まれる。星4のゲーム媒体は、当選確率が7%であり、複数の選択候補に、49体含まれる。星5のゲーム媒体は、当選確率が3%であり、複数の選択候補に、28体含まれる。すなわち、複数の選択候補の中から星5のゲーム媒体が選択される確率は全体で3%であり、星5のゲーム媒体の中から1/28の確率で1つのゲーム媒体が選択される。
【0060】
各選択候補の当選確率(抽選テーブル)、選択候補の種類および数は抽選処理の種類ごとに異なる。
【0061】
また、同一種類の抽選処理であっても、連続した抽選(いわゆる10連ガチャ等の複数連ガチャ)を実行する場合には、星4以上のゲーム媒体が選出される確定枠を設定していてもよい。例えば、1~9回目の抽選は上記の当選確率で抽選されるが、確定枠である10回目の抽選は、星3の当選確率は0%となり、星4の当選確率は97%となり、星5の当選確率は3%となるように設定される。
【0062】
また、抽選処理の種類には、ピックアップされたゲーム媒体(特別ゲーム媒体)が選出されやすいように設定された抽選処理(いわゆるピックアップガチャ、フィーチャーガチャが含まれる。特別ゲーム媒体は、例えば星5のゲーム媒体のうち予め設定された1つのゲーム媒体である。この場合、星3のゲーム媒体は、当選確率が90%であり、複数の選択候補に77体含まれる。星4のゲーム媒体は、当選確率が7%であり、複数の選択候補に49体含まれる。星5のゲーム媒体は、当選確率が2%であり、複数の選択候補に27体含まれる。そして、特別ゲーム媒体の当選確率は、1%であり、複数の選択候補に1体含まれる。よって、特別ゲーム媒体は、他の星5のゲーム媒体より選択されやすいように設定される。
【0063】
抽選処理に用いられる複数の選択候補の中には、所定の第1特典が設定されている。第1特典は、その抽選処理における複数の選択候補のうちの最もレア度が高い選択候補であ
る星5のゲーム媒体の少なくとも1体(星5の28体のゲーム媒体のいずれか1体)に設
定される。
【0064】
なお、ゲーム媒体には、上記レア度(星)の他、体力値、攻撃力、防御力、スキル等の種々のパラメータが属性の一種として設定されている。また、ゲーム媒体の種類は、ゲーム媒体(キャラクタ等)の名称、識別記号、デザイン(外見)等により区別される。同一種類のゲーム媒体であっても、レア度等の属性が異なるゲーム媒体(レア度違いのゲーム媒体)も存在し得る。
【0065】
[抽選付随処理]
以下、抽選付随処理の内容についてより詳しく説明する。第1特典付与手段52は、抽選処理を実行するごとに抽選回数を積算する。例えば、第1特典付与手段52は、所定のタイミングにおける初期値を0とし、抽選処理を実行するごとに抽選回数の積算値を1ずつ増加させる。抽選回数は、抽選処理の種類ごとに積算される。この積算値が所定値(第1特典付与値)に達した場合、第1特典付与手段52は、ユーザに第1特典を関連付ける(付与する)。第1特典の候補が複数ある場合には、どの第1特典をユーザに関連付けるかを抽選により決定する。
【0066】
一方、抽選処理において特定のゲーム媒体(リセットゲーム媒体)が選出された場合、積算値は初期化(0にリセット)される。リセットゲーム媒体は、星5のゲーム媒体のほか、例えば、星3または星4の選択候補の少なくとも1体に設定される。
【0067】
抽選付随処理では、値変更手段53は、抽選処理においてリセットゲーム媒体が選出されたかどうかを判定する(ステップSA41)。リセットゲーム媒体が選出された場合(ステップSA41でYes)、値変更手段53は、抽選回数(積算値)をリセットする(ステップSA42)。すなわち、本実施の形態において、変更条件は、リセットゲーム媒体が選出されたことを含む。
【0068】
一方、リセットゲーム媒体が選出されなかった場合(ステップSA41でNo)、値変更手段53は、ユーザに関連付けられている抽選回数の積算値を読み出し(ステップSA43)、今回の抽選処理による抽選回数の積算を行う。本実施の形態において、値変更手段53は、読み出した抽選回数の積算値に1を加える(ステップSA44)。
【0069】
第1特典付与手段52は、抽選回数の積算値が第1特典付与値に達しているか(所定値以上になったか)否かを判定する(ステップSA45)。積算値が第1特典付与値に達している場合(ステップSA45でYes)、第1特典付与手段52は、第1特典をユーザに関連付ける(ステップSA46)。
【0070】
積算値が第1特典付与値に達していない場合(ステップSA45でNo)、変更条件抽選手段54は、変更条件の成立を抽選する変更条件抽選処理を実行する(ステップSA47)。変更条件抽選処理の結果、変更条件の成立が当選した場合(ステップSA48でYes)、値変更手段53は、抽選回数をリセットする(ステップSA42)。
【0071】
抽選回数をリセットした場合(第1特典をユーザに関連付ける場合または変更条件が成立した場合)、抽選結果の送信の際(ステップSA5において)、抽選付随処理の結果(第1特典の内容、抽選回数がリセットされたこと)も送信される。変更条件抽選処理の結果、変更条件が成立しなかった場合(ステップSA48でNo)、抽選回数をリセットすることなく、抽選手段51は、抽選結果の送信を行う(ステップSA5)。
【0072】
ここで、値変更手段53は、抽選回数の積算値が第1特典を付与するための所定値に近
づくほど変更条件が成立し易くなるようにする。より具体的には、値変更手段53は、抽選回数の積算値が第1特典付与値に近づくほどリセットゲーム媒体が選出される確率を上昇させる。また、値変更手段53は、抽選回数の積算値が第1特典付与値に近づくほど変更条件抽選処理において変更条件が成立する確率を上昇させる。
【0073】
例えば、第1特典付与値が500に設定されている場合、値変更手段53は、抽選回数の積算値が100を超えるごとに上記の各確率を上昇させる。これにより、抽選回数の積算値が100を超えるごとにリセットゲーム媒体が選出される確率が高くなる。また、抽選回数の積算値が100を超えるごとに変更条件抽選処理において変更条件が成立する確率が高くなる。
【0074】
以上をまとめると、本実施の形態は、コンピュータ(制御部5)を、ユーザの操作に応じて複数の選択候補の中から少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行し、前記抽選処理によって選出された前記ゲーム媒体の少なくとも1つを前記ユーザに関連付ける抽選手段51、前記抽選処理を実行するごとに抽選回数または前記抽選回数に基づく抽選パラメータを積算し、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値が所定値(第1特典付与値)に達した場合に、所定の第1特典をユーザに関連付ける第1特典付与手段52、および第1特典をユーザに関連付けること以外の所定の変更条件が成立した場合に、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値を変更する値変更手段53、として機能させ、前記値変更手段53は、前記抽選回数または前記抽選パラメータの積算値が前記所定値に近づくほど前記変更条件が成立し易くなるようにする、ゲームプログラムである。
【0075】
[発明の効果]
本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、抽選処理において当選確率の低いゲーム媒体(星5などのレア度の高いゲーム媒体)を得るために、ユーザが数多く抽選処理の実行を繰り返して抽選回数の積算値を第1特典付与値に近づけようとすると、第1特典または抽選処理によるゲーム媒体(星5などのレア度の高いゲーム媒体)を得る前に、その積算値が変更(リセット)される確率が高くなる。したがって、このような抽選処理の実行に際して、ユーザに、第1特典または抽選処理によるゲーム媒体(星5などのレア度の高いゲーム媒体)が得られる期待感と、積算値がそれまでにリセットされる不安感(ハラハラ感)とを併存させ、かつ期待感が高まるほど不安感も高めることができる。したがって、このような抽選処理においてユーザにより高い興趣を抱かせることができる。
【0076】
また、本実施の形態では、抽選回数の積算値がリセットされる場合(変更条件が成立する場合)として、第1特典とは異なるリセットゲーム媒体が選出されることが含まれる。この場合、積算値がリセットされても別のゲーム媒体が得られるため、ユーザに積算値がリセットされることによる不満感を軽減させることができる。
【0077】
さらに、本実施の形態では、別途、変更条件抽選処理が行われ、そこで変更条件の成立が当選した場合にも抽選回数の積算値がリセットされる。これにより、変更条件の設定および変更条件の成立確率の変更を容易に行うことができる。また、複数の変更条件成立態様(抽選処理によりリセットゲーム媒体が選出されることまたは変更条件抽選処理に当選すること)を設定することにより、抽選回数の積算値がリセットされる条件を多様化することができ、抽選回数に基づくゲーム性を豊富にすることができる。
【0078】
さらに、本実施の形態においては、ユーザの操作に基づいて、抽選回数の積算値を所定の第2特典と交換することが可能である。
図4は、実施の形態1における第2特典付与処理の流れを示すフローチャートである。
【0079】
例えば、抽選処理の実行開始操作を行うための図示しないゲーム画面(抽選処理画面)において、抽選処理の実行開始操作のための第1仮想ボタンとは別に、抽選回数の積算値を第2特典と交換するための第2特典付与処理の実行開始操作のための第2仮想ボタンが設けられる。また抽選処理画面には現在ユーザに関連付けられている抽選回数の積算値が表示される。
【0080】
抽選処理画面で第2仮想ボタンが押下操作された場合、第2特典付与処理の実行要求がそのゲーム装置2からサーバ装置3へ送られる。第2特典付与手段55は、第2特典付与処理の実行要求の有無を監視する(ステップSB1)。第2特典付与処理の実行要求があった場合(ステップSB1でYes)、第2特典付与手段55は、対応するユーザに関連付けられた抽選回数の積算値を読み出す(ステップSB2)。第2特典付与手段55は、読み出した積算値が第2特典の対価として定められた所定値(引き換え値)以上あるか否かを判定する(ステップSB3)。引き換え値は、第1特典付与値より低い値に設定される。
【0081】
読み出した積算値が引き換え値以上ある場合(ステップSB3でYes)、第2特典付与手段55は、積算値から引き換え値を差し引いた値を現在の積算値として更新してユーザに関連付けて記憶する(ステップSB4)。その後、第2特典付与手段55は、第2特典選出処理を実行する(ステップSB5)。第2特典付与手段55は、第2特典選出処理として、抽選回数の積算値に対応する抽選処理ごとに設定された第2特典(例えば所定のゲーム媒体、抽選チケット等の抽選ゲーム要素)をユーザに関連付ける。
【0082】
なお、第2特典は、第1特典と少なくとも一部が異なる。第2特典がゲーム媒体である場合、第1特典とは異なるゲーム媒体を第2特典とする。例えば、第1特典が星5のゲーム媒体である場合、第2特典は星4以下のゲーム媒体とする。第1特典が星5の特別ゲーム媒体である場合、第2特典は特別ゲーム媒体以外の星5のゲーム媒体や星4以下のゲーム媒体とする。また、第2特典はゲーム媒体そのものに限らず、抽選チケット、石等の抽選処理において消費される抽選ゲーム要素であってもよい。すなわち、第2特典は、第1特典より価値が低いゲーム媒体または抽選ゲーム要素である。また、一の抽選処理に設定されている第2特典が複数種類ある場合には、第2特典付与手段55は、複数種類の第2特典の中から抽選処理によってまたはランダムに第2特典を選出し、ユーザに関連付ける。
【0083】
第2特典付与手段55は、第2特典の選出結果を更新後の抽選回数の積算値とともにゲーム装置2に送信する(ステップSB6)。第2特典の選出結果のデータを受信したゲーム装置2の制御部5aは、受信したデータに基づいて抽選結果の報知(モニタ19への表示等)を行う。
【0084】
読み出した積算値が引き換え値未満である場合(ステップSB3でNo)、第2特典付与手段55は、ゲーム装置2にエラー信号を送信する(ステップSB7)。エラー信号を受信したゲーム装置2の制御部5aは、積算値が不足している旨の報知(モニタ19への表示等)を行う。
【0085】
このように、本実施の形態によれば、積算値が第1特典付与値より低い値に設定された引き換え値を超えた場合に、ユーザに、引き続き抽選処理を繰り返して第1特典または抽選処理によるゲーム媒体(レア度の高いゲーム媒体)の獲得を目指すことに加えて、積算値がリセットされる前に第2特典と引き換えて利益を得ることが選択肢として与えられる。このため、積算値がリセットされて無駄になる可能性があるにもかかわらずあくまで第1特典または抽選処理によるゲーム媒体(レア度の高いゲーム媒体)の獲得を目指すのか、確実に第2特典を獲得するのかをユーザに積極的に決めさせることができる。したがっ
て、抽選回数に基づくゲーム性をより豊富にすることができる。
【0086】
なお、以降の抽選処理においてリセットゲーム媒体が選出される確率および以降の変更条件抽選処理において変更条件の成立が当選する確率は、引き換え値を差し引きした後の抽選回数の積算値に基づいて再設定される。
【0087】
[変形例]
本実施の形態では、抽選回数そのものを積算した積算値を用いたが、抽選回数に基づく抽選パラメータを積算してもよい。抽選パラメータの積算値は、抽選回数の積算値の変化に対して非線形に変化してもよい。例えば、抽選回数が所定基準値以上である場合に、所定基準値未満の場合と比べて抽選処理1回あたりの抽選パラメータの増加量を多くしてもよい。例えば、抽選回数が所定基準値未満である場合に、抽選パラメータは、抽選処理1回あたり5増加し、抽選回数が所定基準値以上である場合に、抽選パラメータは、抽選処理1回あたり10増加するとしてもよい。
【0088】
また、本実施の形態では、変更条件が成立した場合に、積算値を初期化(リセット)する例を示したが、これに限られない。例えば、変更条件が成立した場合に、積算値を減少させてもよい。減少態様としては、積算値から所定の減少量を減少させてもよい。例えば、所定の減少量を100とすると、変更時の積算値が400なら300にし、変更時が300なら200にする等としてもよい。あるいは、変更時の積算値にかかわらず、所定の積算値に減少させてもよい。例えば、変更時の積算値が400でも300でも200にする。ただし、変更時の積算値が200以下であれば減少しない等としてもよい。
【0089】
抽選パラメータは、正の値でもよいし、負の値でもよい。すなわち、「積算値の積算」には、増加および減少を含み得る。積算値の変更には、減少だけでなく増加も含み得る。また、抽選パラメータは、抽選処理の結果に基づいて決定してもよい。例えば、選出されたゲーム媒体のレア度に応じて積算する抽選パラメータを異ならせる。具体的には、星3のゲーム媒体が選出された場合には抽選パラメータを10増加させ、星4のゲーム媒体が選出された場合には抽選パラメータを5増加させてもよい。
【0090】
また、本実施の形態において、複数の選択候補に含まれるゲーム媒体を第1特典とする例を示したが、第1特典のゲーム媒体は、複数の選択候補に含まれなくてもよい。この場合、例えば第1特典は、複数の選択候補とは異なるゲーム媒体(選択候補である星5のキャラクタとは異なる星5のキャラクタ等)でもよい。あるいは、第1特典は、複数の選択候補とは異なる種類のゲーム媒体でもよい。例えば、複数の選択候補がキャラクタである場合、第1特典が抽選チケット、石等の抽選処理において消費される抽選ゲーム要素でもよいし、抽選処理において特定の選択候補が選出される確率が高くなる抽選確率変化アイテムでもよい。
【0091】
また、第1特典をユーザに関連付ける際に、複数の特典候補の中から抽選またはランダムに少なくとも1つの特典を選出し、それをユーザに関連付けてもよい。
【0092】
また、本実施の形態においては、複数の選択候補の中から1つのゲーム媒体を選出する抽選処理(単発ガチャ)を例示したが、複数の選択候補の中から2以上である所定数のゲーム媒体を選出する抽選処理(10連ガチャ等の複数連ガチャ)にも適用可能である。さらに、選出された所定数のゲーム媒体の中からユーザが所望する少なくとも1つのゲーム媒体を選択し、選択されたゲーム媒体がユーザに関連付けられてもよい。複数連ガチャの抽選処理を実行する場合、変更条件抽選処理は1回のみ実行するようにしてもよい。すなわち、実施の形態1では単発ガチャ1回につき、抽選回数を+1し、1回の変更条件抽選処理を実行した。しかし、複数連ガチャの抽選処理を実行する場合は、複数連ガチャ(例
えば10連ガチャ)1回につき、抽選回数を複数連分増加させる(例えば10増加)が、変更条件抽選処理は10回ではなく1回のみ実行してもよい。
【0093】
また、抽選処理は、所定回数の抽選処理を実行する毎に選択候補の一部(とくに星5のゲーム媒体)の当選確率が徐々に高くなるように当選確率が変化する特典が用意された抽選処理(いわゆるステップアップガチャ)としてもよい。この場合、抽選パラメータは、第1特典の当選確率としてもよい。
【0094】
また、本実施の形態では、第1特典がユーザに関連付けられる(付与される)所定値(第1特典付与値)が1つの場合を例示したが、複数の第1特典付与値が設けられてもよい。すなわち、第1特典付与値は、第1所定値および第1所定値とは異なる第2所定値を含んでもよい。この場合、各第1特典付与値に応じた第1特典がユーザに対応付けられてもよい。
【0095】
すなわち、第1特典付与手段52は、抽選回数または抽選パラメータの積算値が第1所定値に達した場合と第2所定値に達した場合とでユーザに関連付ける第1特典の内容(キャラクタの種類、レア度、ゲーム媒体の種類等)は同一であってもよいし、異ならせてもよい。例えば、第2所定値が第1所定値より大きい値の場合、第2所定値に達したときにユーザに関連付けられる第1特典は、第1所定値に達したときにユーザに関連付けられる第1特典より価値(レア度または能力値等)が高いゲーム媒体であってもよい。
【0096】
さらに、複数の第1特典付与値が設けられる場合、値変更手段53は、抽選回数または抽選パラメータの積算値が第1所定値を超えた場合に、変更条件が成立し易くなるように(例えばリセットゲーム媒体の当選確率または変更条件抽選における条件成立の当選確率を高く)してもよい。
【0097】
また、本実施の形態では、一の抽選処理において選出対象となる複数の選択候補の内容が抽選回数または抽選パラメータの積算値によらず一定である態様を例示したが、これに限られない。例えば、積算値に応じて複数の選択候補の内容が変化してもよい。これにより抽選処理によるゲーム媒体の当選確率が変化してもよい。
【0098】
[実施の形態2]
上記実施の形態1では、抽選回数または抽選パラメータの積算値が所定値に達した場合に第1特典をユーザに関連付ける処理態様において積算値を変更(増加、減少またはリセット)する態様について例示したが、これに限られない。
図5は、実施の形態2におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。実施の形態2においても実施の形態1と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。
【0099】
図5に示すように、本実施の形態における制御部5Bは、ゲームプログラム30a,42aを実行することで、各プロセッサの制御により、抽選手段51、変更条件抽選手段54、特典付与手段55および選択候補変更手段56等の機能を発揮する。本実施の形態において、これらの機能は、主にサーバ装置3の制御部5bによって発揮される。
【0100】
本実施の形態における抽選手段51、および変更条件抽選手段54は、実施の形態1と同様の機能ブロックである。ただし、本実施の形態において、抽選手段51は、抽選処理後、ユーザに関連付けられたゲーム媒体を次回以降の抽選処理における複数の選択候補から削除する処理をさらに行う(いわゆるボックスガチャ)。
【0101】
また、特典付与手段55は、実施の形態1における第2特典付与手段55と同様の機能ブロックであるが、本実施の形態においては第1特典(および第1特典付与手段52)を
必須の構成としないため、単に「特典」と記載している。
【0102】
選択候補変更手段56は、所定の変更条件が成立した場合に、複数の選択候補の内容を変更する。
【0103】
[抽選処理の流れ]
以下、本実施の形態における抽選処理の流れについて説明する。
図6は、実施の形態2における抽選処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態における抽選処理は、抽選付随処理の内容を除いて実施の形態1における抽選処理と同様である。したがって、
図6においても抽選付随処理以外のステップは
図3と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0104】
本実施の形態における抽選付随処理(ステップSC4)について説明する。上述したように、本実施の形態において、抽選処理(ステップSA2)の結果、選出されたゲーム媒体がユーザに関連付けられた場合(ステップSA3の後)、抽選手段51は、ユーザに関連付けられたゲーム媒体を次回以降の抽選処理における複数の選択候補から削除する(ステップSC41)。この結果、次回以降の抽選処理における選択候補として残っているゲーム媒体の当選確率が今回より高くなる。すなわち、星5のゲーム媒体を含むリセットゲーム媒体の当選確率も今回より高くなる。
【0105】
選択候補変更手段56は、抽選処理においてリセットゲーム媒体が選出されたかどうかを判定する(ステップSC42)。リセットゲーム媒体が選出された場合(ステップSC42でYes)、選択候補変更手段56は、複数の選択候補の内容をリセットする(ステップSC43)。
【0106】
一方、リセットゲーム媒体が選出されなかった場合(ステップSC424でNo)、選択候補変更手段56は、ユーザに関連付けられている抽選回数の積算値を読み出し(ステップSC44)、今回の抽選処理による抽選回数の積算を行う。本実施の形態において、選択候補変更手段56は、読み出した抽選回数の積算値に1を加える(ステップSC45)。
【0107】
変更条件抽選手段54は、変更条件の成立を抽選する変更条件抽選処理を実行する(ステップSC46)。変更条件抽選処理の結果、変更条件の成立が当選した場合(ステップSC47でYes)、選択候補変更手段56は、複数の選択候補の内容をリセットする(ステップSC43)。複数の選択候補の内容がリセットされることにより、削除された選択候補を再度選択候補に戻し、複数の選択候補の数が増加する(初期値に戻る)。複数の選択候補の内容をリセットする際、選択候補変更手段56は、抽選回数もリセットする。
【0108】
複数の選択候補の内容をリセットした場合(変更条件が成立した場合)、抽選結果の送信の際(ステップSA5において)、抽選付随処理の結果(複数の選択候補がリセットされたこと)も送信される。この場合、次回の抽選処理における星5のゲーム媒体を含むリセットゲーム媒体の当選確率もリセットされる(低くなる)。変更条件抽選処理の結果、変更条件が成立しなかった場合(ステップSC47でNo)、複数の選択候補の内容をリセットすることなく、抽選手段51は、抽選結果の送信を行う(ステップSA5)。
【0109】
ここで、選択候補変更手段56は、抽選処理の実行回数(抽選回数の積算値)が増える、または、複数の選択候補の数が減るほど変更条件が成立し易くなるようにする。より具体的には、選択候補変更手段56は、抽選回数の積算値が大きくなるほどリセットゲーム媒体が選出される確率を上昇させる。また、選択候補変更手段56は、抽選回数の積算値が大きくなるほど変更条件抽選処理において変更条件が成立する確率を上昇させる。
【0110】
例えば、選択候補変更手段56は、抽選回数の積算値が100を超えるごとに上記の各確率を上昇させる。これにより、抽選回数の積算値が100を超えるごとにリセットゲーム媒体が選出される確率が高くなる。また、抽選回数の積算値が100を超えるごとに変更条件抽選処理において変更条件が成立する確率が高くなる。
【0111】
以上をまとめると、本実施の形態は、コンピュータ(制御部5B)を、ユーザの操作に応じて複数の選択候補の中から少なくとも1つのゲーム媒体を選出する抽選処理を実行し、前記抽選処理によって選出された前記ゲーム媒体の少なくとも1つを前記ユーザに関連付けるとともに、関連付けられた前記ゲーム媒体を前記複数の選択候補から削除する抽選手段51、所定の変更条件が成立した場合に、前記複数の選択候補の内容を変更する選択候補変更手段56、として機能させ、前記選択候補変更手段56は、前記抽選処理の実行回数が増える、または、前記複数の選択候補の数が減るほど前記変更条件が成立し易くなるようにする、ゲームプログラムである。
【0112】
[発明の効果]
本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、抽選処理において当選確率の低いゲーム媒体(星5などのレア度の高いゲーム媒体)を得るために、ユーザが数多く抽選処理の実行を繰り返して(選出されたゲーム媒体が次回以降の抽選処理における複数の選択候補から除外されることにより)その選択候補として残されたゲーム媒体の当選確率を高めようとすると、当選確率の低いゲーム媒体が当選する前に、複数の選択候補の内容が変更(リセット)されることにより、選択候補として残されたゲーム媒体の当選確率がリセットされる確率が高くなる。したがって、このような抽選処理の実行に際して、ユーザに、当選確率の低いゲーム媒体が得られる期待感と、複数の選択候補の内容がそれまでにリセットされる不安感(ハラハラ感)とを併存させ、かつ期待感が高まるほど不安感も高めることができる。したがって、このような抽選処理においてユーザにより高い興趣を抱かせることができる。
【0113】
また、本実施の形態では、複数の選択候補の内容がリセットされる場合として、特典ゲーム媒体とは異なるリセットゲーム媒体が選出されることが含まれる。この場合、複数の選択候補の内容がリセットされても別のゲーム媒体が得られるため、ユーザに複数の選択候補の内容がリセットされることによる不満感を軽減させることができる。
【0114】
さらに、本実施の形態では、別途、変更条件抽選処理が行われ、そこで変更条件の成立が当選した場合にも複数の選択候補の内容がリセットされる。これにより、変更条件の設定および変更条件の成立確率の変更を容易に行うことができる。また、複数の変更条件成立態様(抽選処理によりリセットゲーム媒体が選出されることまたは変更条件抽選処理に当選すること)を設定することにより、複数の選択候補の内容がリセットされる条件を多様化することができ、選出されたゲーム媒体が次回以降の抽選処理における複数の選択候補から除外されるような抽選処理(いわゆるボックスガチャ)において、ゲーム性を豊富にすることができる。
【0115】
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、ユーザの操作に基づいて、抽選回数の積算値を所定の特典(実施の形態1における第2特典に相当する特典)と交換することが可能である。処理の流れは、
図4と同様であるため説明を省略する。
【0116】
本実施の形態においても、積算値が引き換え値を超えた場合に、ユーザに、引き続き抽選処理を繰り返して当選確率の低いゲーム媒体の獲得を目指すことに加えて、積算値がリセットされる前に特典と引き換えて利益を得ることが選択肢として与えられる。このため、積算値がリセットされて無駄になる可能性があるにもかかわらずあくまで抽選処理によ
るゲーム媒体(星5などのレア度の高いゲーム媒体)の獲得を目指すのか、確実に特典を獲得するのかをユーザに積極的に決めさせることができる。したがって、選出されたゲーム媒体が次回以降の抽選処理における複数の選択候補から除外されるような抽選処理において、ゲーム性をより豊富にすることができる。
【0117】
なお、選択候補変更手段56は、特典がユーザに関連付けられた場合に、複数の選択候補の内容をリセット(初期化)することによって複数の選択候補の数を増やす。
【0118】
[変形例]
本実施の形態では、選択候補変更手段56は、抽選回数の積算値が大きくなるほどリセットゲーム媒体が選出される確率および変更条件抽選処理において変更条件が成立する確率を上昇させる例を示したが、これに限られない。例えば、選択候補変更手段56は、抽選処理における複数の選択候補の数(抽選回数が増えるごとに減っていく)を読み出し、複数の選択候補の数が減るほどリセットゲーム媒体が選出される確率および変更条件抽選処理において変更条件が成立する確率を上昇させてもよい。
【0119】
また、本実施の形態では、選択候補変更手段56は、抽選回数の積算値が大きくなるほどリセットゲーム媒体が選出される確率を上昇させる態様を例示した。ここで、「確率を上昇させる」には、積極的に確率を上昇させる態様だけでなく、抽選回数の増加に基づく複数の選択候補の数の減少によってリセットゲーム媒体の当選確率が自動的に上昇する態様をも含む。
【0120】
例えば、複数の選択候補のそれぞれに、確率パラメータPが設定されていてもよい。確率パラメータPは、例えば、その選択候補(ゲーム媒体)が初期状態における複数の選択候補の中に含まれる数(100個の中から抽選する場合に、100個中4個が同じゲーム媒体等)であってもよい。この場合、その選択候補の当選確率Eは、例えば、初期状態における複数の選択候補の数(初期値)をSとしてE=P/Sと表されてもよい。
【0121】
このとき、リセットゲーム媒体の確率パラメータを抽選回数によらない固定値Prとすれば、初期状態におけるリセットゲーム媒体の当選確率Er0は、Er0=Pr/Sであり、n回抽選後におけるリセットゲーム媒体の当選確率Ernは、Ern=Pr/(S-n)となる。すなわち、Er0<Ernとなるため、抽選回数が増えるほど自動的にリセットゲーム媒体の当選確率が自動的に上昇する。なお、このような態様においても、リセットゲーム媒体の確率パラメータPrを抽選回数が増えるほど(連続的または段階的に)大きくすることにより、積極的にリセットゲーム媒体の当選確率を上昇させることができる。
【0122】
また、本実施の形態では、特典と引き換えるための積算値として、抽選回数そのものを積算した積算値を用いたが、抽選回数に基づく抽選パラメータを積算してもよい。抽選パラメータの積算値は、抽選回数の積算値の変化に対して非線形に変化してもよい。例えば、抽選回数が所定基準値以上である場合に、所定基準値未満の場合と比べて抽選処理1回あたりの抽選パラメータの増加量を多くしてもよい。例えば、抽選回数が所定基準値未満である場合に、抽選パラメータは、抽選処理1回あたり5増加し、抽選回数が所定基準値以上である場合に、抽選パラメータは、抽選処理1回あたり10増加するとしてもよい。
【0123】
また、本実施の形態では、変更条件が成立した場合に、複数の選択候補の内容を初期化(リセット)する例を示したが、これに限られない。例えば、選択候補変更手段56は、変更条件が成立した場合に、複数の選択候補の数を増加させてもよい。増加態様としては、元々複数の選択候補に含まれていたゲーム媒体(抽選処理後に削除されたゲーム媒体)の一部を複数の選択候補に復帰させてもよいし、元々複数の選択候補に含まれていたゲー
ム媒体とは異なるゲーム媒体を複数の選択候補に含めるようにしてもよい。
【0124】
これに加えてまたはこれに代えて、選択候補変更手段56は、変更条件が成立した場合に、複数の選択候補の少なくとも一部を他のゲーム媒体に変更してもよい。例えば、変更条件が成立した場合に、特典ゲーム媒体が複数の選択候補から削除され、他のゲーム媒体(例えばよりレア度の低いゲーム媒体)に置き換えられてもよい。また、例えば、変更条件が成立した場合に、現在の複数の選択候補のすべてが別の複数の選択候補に置き換えられてもよい。また、複数の選択候補に含まれているゲーム媒体の内容(能力値、レア度等)が変更されてもよい。
【0125】
あるいは、選択候補変更手段56は、変更条件が成立した場合に、複数の選択候補の数を減らしてもよい。この場合、さらに選択候補変更手段56は、特典ゲーム媒体の当選確率を変更(例えば低確率に)してもよい。
【0126】
また、選択候補変更手段56は、変更条件が成立しても、現在の複数の選択候補の数が所定値以上または所定値未満の場合には複数の選択候補の内容を変更しないようにしてもよい。
【0127】
また、本実施の形態では、抽選回数の積算値と特典との引き換えをユーザの操作(特典付与処理の実行開始操作)に基づいて行う例を示したが、複数の選択候補の内容を変更(初期化等)する際に、特典との引き換えを可能としてもよい。この場合、選択候補変更手段56は、変更条件が成立した場合に、複数の選択候補の内容を初期化する。特典付与手段55は、複数の選択候補の内容を初期化する場合に、抽選回数の積算値と引き換えに特典を取得可能であることの報知(ゲーム画面への表示等)を行う。
【0128】
これにより、変更条件が成立したときのユーザへの不利益を軽減し、ユーザのゲームに対するモチベーションが下がるのを抑制することができる。
【0129】
[他の実施形態]
以上、2つの実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0130】
例えば、上記実施の形態では、複数の変更条件成立態様(抽選処理によりリセットゲーム媒体が選出されることまたは変更条件抽選処理に当選すること)が設定される例を示したが、これに限られず、例えば、上記何れか一方の変更条件のみが設定されてもよい。また、上記実施の形態で例示した変更条件に加えてまたはそれに代えて、他の変更条件が設定されてもよい。例えば、抽選処理において、「はずれ」となる確率が設定されて(複数の選択候補に「はずれ」が含まれて)おり、抽選処理において「はずれ」を引いた回数が所定回数(例えば10回)に達した場合に、変更条件が成立する(積算値がリセットされる)としてもよい。なお、「はずれ」を引いた場合にはゲーム媒体が得られないとしてもよいし、何等かのゲーム媒体が得られるとしてもよい。
【0131】
また、上記実施の形態において、リセットゲーム媒体は、その抽選処理における複数の選択候補のうちの第1特典よりレア度の低い選択候補(星4の選択候補)に設定される例を示したが、これに限られない。例えば、複数の選択候補に、ゲームには使用しない変更条件成立専用のゲーム媒体が含まれていてもよい。また、複数の選択候補に、複数種類のゲーム媒体が含まれてもよい。この場合、第1特典とリセットゲーム媒体とは異なる種類(キャラクタおよび抽選チケット等)でもよい。
【0132】
また、上記実施の形態では、変更条件の成立し易さが段階的に増加する例を示したが、
これに限られない。例えば、変更条件の成立し易さ(例えばリセットゲーム媒体の当選確率または変更条件抽選における条件成立の当選確率)が積算値の変化に応じて連続的に(毎回)増加してもよい。また、変更条件の成立し易さは、線形に増加してもよいし、指数関数的に増加してもよいし、所定の関数に従って増加してもよい。すなわち、本明細書および特許請求の範囲における「抽選回数または抽選パラメータの積算値が所定値に近づくほど変更条件が成立し易くなる」は、積算値の増加に応じて変更条件の成立し易さが段階的に変化する態様および連続的に変化する態様の何れをも含み得る。
【0133】
また、上記実施の形態1では、第2特典と引き換える抽選回数の積算値の値(引き換え値)が1つの場合を例示したが、引き換え値が複数設けられてもよい。この場合、第2特典付与手段55は、第2特典と引き換えにする抽選回数または抽選パラメータの積算値(引き換え値)に応じてユーザに関連付ける第2特典を異ならせてもよい。例えば、引き換え値が高いほどユーザに関連付けられる第2特典の価値(レア度または能力値等)が高いゲーム媒体に設定されてもよい。
【0134】
例えば、図示しない第2特典付与処理の開始画面において複数の第2特典候補が対応する引き換え値とともに表示される。ユーザが所望の第2特典候補を選択入力することにより、第2特典付与手段55は、対応する第2特典を選出する処理を実行する。
【0135】
これにより、ユーザに関連付けられた現在の積算値を第2特典と引き換える可能性を高める(選択肢を広げる)ことができる。また、単体で価値が高い第2特典を得る代わりに、単体では価値が低い第2特典を複数得たりする等、ユーザが所望の組み合わせで第2特典と引き換えることができ、ユーザによるゲームのプレイ内容に応じた第2特典をユーザに付与することができる。なお、本態様は実施の形態2にも同様に適用可能である。
【0136】
また、上記実施の形態1では、第1特典は、抽選回数によらず一定である態様を例示したが、一の抽選処理において第1特典が変更され得るとしてもよい。例えば、抽選処理ごとに第1特典を変更するかどうかの抽選処理が行われ、抽選回数または抽選パラメータの積算値が増えるほど第1特典を変更する確率が高くなるとしてもよい。第1特典が変更されても、抽選回数または抽選パラメータの積算値のリセットまたは複数の選択候補の内容のリセットは行われなくてもよい。この場合、抽選回数が増えると、抽選回数または抽選パラメータの積算値がリセットされたり、複数の選択候補の内容がリセットされたりする可能性に加えて、第1特典自体が変更される可能性も生じる。これによっても、第1特典が得られる期待感に反してユーザに所望の第1特典が得られない不安感(ハラハラ感)を与えることができる。実施の形態2における当選確率の低いゲーム媒体(星5のゲーム媒体等)についても同様に、一の抽選処理においてそのゲーム媒体が変更され得るとしてもよい。
【0137】
上記実施の形態では、抽選処理を行う際、複数種類ある抽選用ゲーム要素の何れを消費して抽選処理を行うかを選択可能である態様を例示した。例えば、同じ種類の抽選処理において、有償のゲーム要素(有償石)と無償のゲーム要素(無償石)との何れをも使用可能としてもよい。この場合、有償のゲーム要素を使用した方が抽選パラメータの増加量が大きくなるようにしてもよい。あるいは、抽選処理の種類ごとに使用可能な抽選用ゲーム要素が決まっていてもよい。例えば、有償のゲーム要素しか使用できない抽選処理が含まれていてもよい。
【0138】
上記実施の形態では、抽選回数が抽選処理の種類ごと積算される態様を例示したが、抽選回数または抽選パラメータが複数種類の抽選処理における各積算値を合算したものであってもよい。この場合、積算値が所定値に達した場合、そのときの抽選処理に対応する第1特典がユーザに関連付けられてもよい。
【0139】
また、上記実施の形態では、第2特典選出処理においてユーザに関連付けられる第2特典として、所定のゲーム媒体または抽選ゲーム要素を例示したが、第2特典の内容は種々の態様が採用可能である。例えば、第1特典では、n個(n≧2)のゲーム媒体が得られるのに対して、第2特典では、nより少ない数のゲーム媒体が得られるとしてもよい。
【0140】
また、第1特典と第2特典とは、互いに同じレア度および同じ種類のゲーム媒体とした上で、体力値、攻撃力、防御力、レベル等の種々のパラメータの少なくとも一部が異なるように設定されてもよい。例えば、レベルに応じて体力値、攻撃力、防御力等が設定されるキャラクタにおいて、第1特典はレベルが最大値のキャラクタであるのに対して、第2特典は、レベルが初期値のキャラクタであってもよい。
【0141】
また、第2特典は、抽選処理の種類ごとに設定されてもよい。また、第2特典がゲーム媒体である場合、抽選処理における複数の選択候補の中に含まれないゲーム媒体が第2特典として設定されてもよい。
【0142】
また、上記実施の形態ではゲーム装置2として、スマートフォン、タブレットPC等の携帯型の情報端末や携帯型のゲーム専用機器を想定して説明したが、ゲーム装置2は、これらに限られず、据え置き型のゲーム装置やパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置についても、本発明を好適に適用することができる。
【0143】
また、ゲーム装置2は、ディスクドライブ、メモリカードスロットまたはHDD等を備えていてもよい。ディスクドライブを備えるゲーム装置においては、当該ディスクドライブにDVD-ROM等のディスク型記記憶体を装填することにより、ゲームプログラムおよびゲームデータをゲーム装置2が取得することとしてもよい。また、メモリカードスロットを備えるゲーム装置においては、カード型記憶媒体を装填することにより、当該カード型記憶媒体に、セーブデータを格納可能としてもよい。
【0144】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、上記実施の形態1,2、他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、抽選処理によりゲーム媒体を得ることができるゲームプログラムにおいて、ユーザに、より高い興趣を抱かせることができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供するために有用である。
【符号の説明】
【0146】
1 ゲームシステム
2 ゲーム装置
3 サーバ装置(コンピュータ)
5,5a,5b 制御部
51 抽選手段
52 第1特典付与手段
53 値変更手段
54 変更条件抽選手段
55 第2特典付与手段、特典付与手段
56 選択候補変更手段