IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/46 20110101AFI20241113BHJP
   F24F 1/32 20110101ALI20241113BHJP
【FI】
F24F1/46
F24F1/32
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022144155
(22)【出願日】2022-09-09
(65)【公開番号】P2024039535
(43)【公開日】2024-03-22
【審査請求日】2023-09-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】牧角 将
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-069173(JP,A)
【文献】特開2018-204929(JP,A)
【文献】実開平03-067952(JP,U)
【文献】特開2005-188804(JP,A)
【文献】国際公開第2019/239630(WO,A1)
【文献】特開2003-106570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0035
F24F 1/06-1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機(3)から室内機(2)へ室外空気が供給される空気調和装置であって、
ファン(43)と、
前記ファン(43)によって供給される空気が通過する筒状の第1風路(61)と、
前記第1風路(61)に接続された状態で前記室外機(3)の側面に配置され、前記第1風路(61)を伝搬する音を低減する消音器(70)と、
前記第1風路(61)から前記消音器(70)に流入した空気をさらに下流へ導く筒状の第2風路(62)と、
前記室外機(3)の前記側面に設けられ、冷媒配管が接続される閉鎖弁(27,28)と、
を備え、
前記消音器(70)は、
消音器本体(700)と、
前記室外機(3)の第1高さ位置において、前記第1風路(61)と前記消音器本体(700)とを接続する第1接続部(701)と、
前記第1高さ位置よりも低い第2高さ位置において、前記消音器本体(700)と前記第2風路(62)とを接続する第2接続部(702)と、
を有し、
前記第2接続部(702)または前記第2風路(62)は、前記室外機(3)の前記側面に沿いつつ前記室外機(3)の背面側に向かって曲げられる湾曲部(62a)を有し、
前記室外機(3)の側面視において、前記第2接続部(702)は、前記閉鎖弁(27,28)の上方に位置し、前記第1接続部(701)よりも前記室外機(3)の前面側となるように配置され、
前記第2風路(62)における、前記湾曲部(62a)よりも給気流れ方向の下流側が、前記側面に沿いつつ前記室外機(3)の背面側に向かって延び
さらに前記第2風路(62)は、前記湾曲部(62a)よりも給気流れ方向の下流側において、前記閉鎖弁(27,28)に接続される前記冷媒配管に沿うように延びる、
空気調和装置。
【請求項2】
前記第1接続部(701)から前記第2接続部(702)に到る経路が、前記第2接続部(702)に向かって下方に傾斜している、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記室外機(3)の前記側面に設けられ、電気配線が接続される端子盤(60)をさらに備え、
前記第1接続部(701)と前記端子盤(60)とが、前記室外機(3)の前記側面に沿って互いに水平方向に離間している、
請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記冷媒配管および前記冷媒配管に隣接する前記第2風路(62)の直管部が成す角度は、20度以下である、
請求項に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記消音器本体(700)は天板(700d)と底板(700e)とを有し、
前記第1接続部(701)は前記天板(700d)に配置され、前記第2接続部(702)は前記底板(700e)に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
室外機と室内機との間で空気の搬送が行われる空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、室外機から筒状の風路を介して室外空気を室内機へ供給する空気調和装置が広く普及している。例えば、特許文献1(特開2022-60874号公報)に記載の空気調和装置は、ファンによって室外空気を室内に供給して室内を換気する換気装置を有している。換気装置と室内機とは換気ホースによって繋がっている。また、換気装置は加湿機能を備えており、加湿空気を室内に供給することもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような空気調和装置では、室外機の側面に給気ダクト(換気ホース)を引き回す場合、閉鎖弁からの冷媒配管と給気ダクトとを束ねて室内機側へ引き回す必要がある。その際、給気ダクトと冷媒配管とを束ね易くするために、閉鎖弁の上部において冷媒配管にほぼ沿うように給気ダクトを蛇行して引き回す必要がある。その場合、給気ダクトを室外機の側面において、一旦、室外機の前面側に寄せた後、更に背面側に折り返すように引き回す必要がある。
【0004】
一方、給気ダクトを伝搬する音を低減するため、給気ダクトに消音器が設けられることがある。従来、消音器は給気ダクトが鉛直方向に引き回されたストレート部分に配置されていたので、上記のような蛇行する引き回しの場合、鉛直方向のストレート部分が小さくなり、消音器の大きさが制限され、そのために消音効果が限定的となる。
【0005】
本開示の目的は、上記のような蛇行するように引き回された給気ダクトへの接続に適した消音器の配置形態を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の空気調和装置は、室外機から室内機へ室外空気が供給される空気調和装置であって、ファンと、第1風路と、消音器と、第2風路とを備える。第1風路は、ファンによって供給される空気が通過する筒状の風路である。消音器は、第1風路に接続された状態で室外機の側面に配置され、第1風路を伝搬する音を低減する。第2風路は、第1風路から消音器に流入した空気をさらに下流へ導く筒状の風路である。消音器は、消音器本体と、第1接続部と、第2接続部とを有する。第1接続部は、室外機の第1高さ位置において、第1風路と消音器本体とを接続する。第2接続部は、第1高さ位置よりも低い第2高さ位置において、消音器本体と第2風路とを接続する。第2接続部または第2風路は、室外機の側面に沿いつつ室外機の背面側に向かって曲げられる湾曲部を有する。室外機の側面視において、第2接続部は、第1接続部よりも室外機の前面側となるように配置されている。
【0007】
この空気調和装置では、消音器の下流側において第2風路をさらに背面側に折り返す構造とすることで、第2風路を、閉鎖弁に接続される冷媒配管に沿わせ易くなり、製品据え付け時に第2風路と冷媒配管とを束ね易くなる。さらに、第2接続部が第1接続部よりも室外機の前面側となるように配置されることによって、第1接続部と第2接続部とが室外機の側面に沿って上下前後にずれるので、消音器本体内部において、第1接続部から第2接続部に向かう経路が長なり、消音器の容積が大きく確保され、消音効果が高まる。
【0008】
第2観点の空気調和装置は、第1観点の空気調和装置であって、第1接続部から第2接続部に到る経路が、第2接続部に向かって下方に傾斜している。
【0009】
この空気調和装置では、第1接続部と第2接続部とが室外機の側面に沿って上下前後にずれているので、消音器本体内部において、第1接続部から第2接続部に到る経路が第2接続部に向かって下方に傾斜することが可能である。この場合、空気が搬送されやすく、且つ消音器の容積が増加する。
【0010】
第3観点の空気調和装置は、第1観点または第2観点の空気調和装置であって、端子盤をさらに備える。端子盤は、室外機の側面に設けられ、電気配線が接続される。第1接続部と端子盤とは、室外機の側面に沿って互いに水平方向に離間している。
【0011】
この空気調和装置では、端子盤は第1接続部から水平方向に離間しているので、万が一、加湿空気が第1接続部から漏れても、加湿空気が端子盤まで到達することは容易ではない。その結果、端子盤での結露による短絡が防止される。
【0012】
第4観点の空気調和装置は、第1観点から第3観点のいずれか1つの空気調和装置であって、閉鎖弁をさらに備える。閉鎖弁は、室外機の側面に設けられ、冷媒配管が接続される。第2接続部と閉鎖弁とは、室外機の側面に沿って互いに上下方向に離間している。
【0013】
この空気調和装置では、第2接続部が閉鎖弁から上下方向に離間しているので、第2接続部に接続される第2風路の引き回しが閉鎖弁によって邪魔されることがなく、作業性がよい。
【0014】
第5観点の空気調和装置は、第4観点の空気調和装置であって、第2接続部が、閉鎖弁の上方に位置する。
【0015】
この空気調和装置では、第2接続部が閉鎖弁の上方に位置することによって、第2接続部に接続される第2風路が閉鎖弁の外側を囲むように引き回される場合よりも、第2風路の長さを短くすることができる。また、閉鎖弁に接続された冷媒配管からの結露水が第2接続部に滴下することもない。
【0016】
第6観点の空気調和装置は、第1観点から第3観点のいずれか1つの空気調和装置であって、閉鎖弁をさらに備える。閉鎖弁は、室外機の側面に設けられ、冷媒配管が接続される。第2風路は、湾曲部よりも給気流れ方向の下流側において、閉鎖弁に接続される冷媒配管に沿うように延びる。
【0017】
第7観点の空気調和装置は、第6観点に記載の空気調和装置であって、冷媒配管および冷媒配管に隣接する第2風路の直管部が成す角度は、20度以下である。
【0018】
第8観点の空気調和装置は、第1観点から第3観点のいずれか1つの空気調和装置であって、消音器本体が天板と底板とを有している。第1接続部は天板に配置され、第2接続部は底板に配置されている。
【0019】
この空気調和装置では、消音器本体の内部において、第1接続部から第2接続部に向かう経路が長くなり、消音器本体の内部容積が大きくなるので、消音効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る空気調和装置の外観図である。
図2】空気調和装置で用いられる冷媒回路の系統図である。
図3】室外機の構成を示す分解斜視図である。
図4】加湿ユニットの概略構成図である。
図5】吸湿ロータを流れる空気の流れを模式的に表した図である。
図6】消音器が配置された室外機の側面図である。
図7】変形例に係る空気調和装置の消音器が配置された室外機の側面図である。
図8A】変形例Aに係る空気調和装置の室外機の部分正面図である。
図8B図8Aに記載の室外機の右側面図である。
図9A】変形例Bに係る空気調和装置の室外機の部分正面図である。
図9B図9Aに記載の室外機の右側面図である。
図10A】変形例Cに係る空気調和装置の室外機の部分正面図である。
図10B図10Aに記載の室外機の右側面図である。
図11A】変形例Dに係る空気調和装置の室外機の部分正面図である。
図11B図11Aに記載の室外機の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1)空気調和装置1の概略構成
図1は、本実施形態に係る空気調和装置1の外観図である。図1において、空気調和装置1は、室内機2と室外機3とを備えている。室内機2は室内の壁面などに取り付けられ、室外機3は室外に設置される。
【0022】
図2は、空気調和装置1で用いられる冷媒回路の系統図であり、説明の便宜上、空気の流れの概略を付加している。図2において、室内機2は室内熱交換器11を有し、室外機3は室外熱交換器24を有している。各熱交換器およびこれらの熱交換器を接続する冷媒配管31,32が、冷媒回路を構成している。
【0023】
(1-1)室内機2
室内機2の室内熱交換器11は、伝熱管と、複数のフィンとを有している。伝熱管は、長手方向の両端で複数回折り返されている。フィンには、伝熱管が挿通されている。室内熱交換器11は、接触する空気との間で熱交換を行う。
【0024】
また、室内機2は、クロスフローファン12と、クロスフローファン12を回転駆動する室内ファンモータ13とさらに有している。クロスフローファン12は、円筒形状に構成され、周面には多数の羽根が設けられている。クロスフローファン12は、回転軸と交わる方向に空気流を生成する。クロスフローファン12は、室内空気を室内機2の内部に吸い込み、室内熱交換器11との間で熱交換を行った後の空気を室内に吹き出す。
【0025】
(1-2)室外機3
室外機3は、空調室外ユニット5と、加湿ユニット4と、消音器70を含む給排気経路とを有している。室外機3と室内機2との間には、給排気ホース6が設けられている。給排気ホース6は、加湿ユニット4からの室外空気や加湿空気を室内機2側に供給するとき、および室内の空気を室外に排気するときに用いられる。
【0026】
給排気ホース6は、室外機3の内外を跨ぐように設けられた第1ダクト61、室外機3の側面に配置された消音器70、および消音器70と給排気ホース6とを繋ぐ第2ダクト62と共に、空気が通る給排気経路を形成している。
【0027】
消音器70は、図1に示すように第1ダクト61に接続された状態で室外機3の側面に配置されている。消音器70は、第1ダクト61を伝搬してくる音、または給排気ホース6および第2ダクト62を伝搬してくる音を低減する。
【0028】
(2)空調室外ユニット5の構成
図3は、室外機3の構成を示す分解斜視図である。図1および図3において、空調室外ユニット5は、冷媒回路構成部品と、冷媒回路構成部品を収納するケーシング50とを有している。
【0029】
(2-1)ケーシング50
ケーシング50は、前面パネル51、右側板52、左側板53、および金属製の底板54で形成されている。
【0030】
前面パネル51は、空調室外ユニット5の前面を覆う樹脂製の部材である。前面パネル51は、室外熱交換器24を通過する空気の流れ方向において、室外熱交換器24よりも下流側に配置されている。前面パネル51は、吹出口51aを有している。吹出口51aは、複数のスリット状の開口である。室外熱交換器24を通過した空気は、空調室外ユニット5の内部から吹出口51aを通って室外機3の外部へと吹き出される。また、前面パネル51の後方には、第1ベルマウス56と仕切板57とが取り付けられる。
【0031】
右側板52および左側板53は、空調室外ユニット5の側方を覆う金属製の部材である。ここでは、右側板52は、室外機3の正面視における右側に設けられている。左側板53は、室外機3の正面視における左側に設けられている。
【0032】
右側板52および左側板53は、吹出口51aからの吹出空気の吹き出し方向に対して概ね平行になるように設けられている。また、右側板52には、カバー55が取り付けられる。カバー55は、液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28を保護する。
【0033】
(2-2)冷媒回路構成部品
ケーシング50は、冷媒回路構成部品として、圧縮機21と、四路切換弁22と、アキュムレータ23と、室外熱交換器24と、電動弁25とを収納している(図2参照)。圧縮機21、四路切換弁22、アキュムレータ23および電動弁25は、仕切板57と右側板52との間の機械室に配置されている。
【0034】
図2に示すように、四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側に接続されている。アキュムレータ23は、圧縮機21の吸入側に接続されている。
【0035】
室外熱交換器24は、平面視において略L字形状を有している。室外熱交換器24は、空調室外ユニット5の背面を覆う保護金網(図示せず)の前方に配置される。
【0036】
電動弁25は、一端が室外熱交換器24に接続され、他端がフィルタ26、液閉鎖弁27および冷媒配管32を介して室内熱交換器11の一端と接続されている。
【0037】
また、四路切換弁22は、ガス閉鎖弁28および冷媒配管31を介して室内熱交換器11の他端と接続されている。これらの冷媒配管31,32は、給排気ホース6とともに集合連絡管7を形成している。
【0038】
空調室外ユニット5は、さらにプロペラファン29を有している。プロペラファン29は、室外熱交換器24の前方で、仕切板57と左側板53との間の通気スペースに設けられている。プロペラファン29は、室外ファンモータ30によって回転駆動される。プロペラファン29は、空調室外ユニット5の内部に取り入れた空気を室外熱交換器24と接触させた後、吹出口51aから前面パネル51の前方に排気させる。
【0039】
図3に示すように、空調室外ユニット5は、電装品ユニット58をさらに有している。電装品ユニット58は、空調室外ユニット5の上部に配置されている。電装品ユニット58は、電装品箱と各部を制御するためのCPU81(図2参照)を搭載したプリント基板を有している。電装品ユニット58の上方には防炎板59が取り付けられている。
【0040】
(3)加湿ユニット4の構成
加湿ユニット4は、加湿機能、給気機能、排気機能を有している。図3に示すように、加湿ユニット4は、ハウジング40、吸湿ロータ41、ヒータ42、給排気ファン43、切換ダンパ44、吸着用ダクト45、吸着用ファン46、ロータ駆動モータ47、ロータ駆動ギア48、およびヒータ支持板49を含む。
【0041】
(3-1)ハウジング40
ハウジング40は、加湿ユニット4の前方、後方および両側方を覆っている。ハウジング40の上部は、天板66により覆われている。
【0042】
ハウジング40は、空調室外ユニット5の上部に接するように配置されている。ハウジング40は、その前面に、吸着用吹出口40aを有している。吸着用吹出口40aは、複数のスリット状の開口である。空気は、吸着用吹出口40aを通って室外機3の外部へと吹き出される。
【0043】
また、ハウジング40の背面には、吸着用吸込口40bおよび給排気口40cが左右方向に並んで配置されている。吸着用吸込口40bは、前面側から見て左側に配置され、給排気口40cは右側に配置されている。
【0044】
室外空気は、吸着用吸込口40bを介して取り入れられ、吸湿ロータ41へ導かれる。室外空気に含まれる水分は吸湿ロータ41に吸着される。給排気口40cは、室内機2へ送られる空気が通る、または、室内機2から室外へと排気される空気が通る。
【0045】
ハウジング40は、内部に左右2つの空間を有している。右側の空間に吸湿ロータ41等が収容され、左側の空間に吸着用ファン46等が収容される。左側の空間は、吸着用ファン収納空間SP1と呼ばれる。
【0046】
ハウジング40内には、吸湿ロータ41、ヒータ42、給排気ファン43、切換ダンパ44、吸着用ダクト45、および吸着用ファン46が配置されている。
【0047】
(3-2)吸湿ロータ41
吸湿ロータ41は、円板形状を有するハニカム構造のセラミックロータであり、空気が容易に通過できる。吸湿ロータ41は、回転軸と垂直に切った断面において、多数の多角形の筒部分を有しており、その筒部分を空気が通過する。
【0048】
吸湿ロータ41の主たる部分は、ゼオライト、シリカゲル、あるいはアルミナといった吸着剤から焼成されている。ゼオライト等の吸着剤は、接触する空気中の水分を吸着し、加熱されることによって吸着した水分を放出する性質を有している。
【0049】
吸湿ロータ41は、ハウジング40側に設けられた支持軸40dに、回動可能に支持されている。吸湿ロータ41の周面には、ギアが形成されており、ロータ駆動モータ47の駆動軸に取り付けられるロータ駆動ギア48と歯合している。
【0050】
(3-3)ヒータ42
ヒータ42は、吸湿ロータ41の上面の略半分(右側の半分)を覆うように配置されている。ヒータ42の下面には、吸込口と吐出口とが形成されている。吸込口から空気が吸入される。ヒータ42で加熱された空気は、排出口から吸湿ロータ41側へ排出される。このヒータ42は、ヒータ支持板49を介して吸湿ロータ41の上方に取り付けられる。
【0051】
(3-4)給排気ファン43
給排気ファン43は、吸湿ロータ41の側方に配置されている。給排気ファン43は、室外から取り入れた空気を室内機2へと送るか、又は、室内機2から取り入れた空気を室外へと排出する。
【0052】
給排気ファン43は、切換ダンパ44が切り替わることにより、給気動作と排気動作とを切り替える。給排気ファン43は、室外空気を室内機2へと送る場合、吸湿ロータ41を通過して吸湿ロータ41の所定の部分から降りてきた空気を、第1ダクト61へと送り出す。
【0053】
給排気ファン43と室内機2とは、第1ダクト61、消音器70、第2ダクト62および給排気ホース6で構成される給排気経路によって繋がっている。給排気ファン43は、当該給排気経路を介して空気を室内機2へと供給する。
【0054】
給排気ファン43は、室内空気を室外へと排出する場合、第1ダクト61から送られてきた空気をハウジング40の背面に設けられた給排気口40cから室外へと排出する。
【0055】
(3-5)切換ダンパ44
切換ダンパ44は、給排気ファン43の下方に配置される回転式の空気流路切換手段であり、第1状態と第2状態とに切り替わる。
【0056】
第1状態では、給排気ファン43から吹き出された空気は、上記給排気経路を通って室内機2へと供給される。これにより、第1状態では、図2の実線矢印A1で示す矢印の向きに空気が流れ、加湿空気あるいは室外空気が室内機2へと供給される。
【0057】
第2状態では、図2の破線矢印A2で示す矢印の向きに空気が流れ、室内機2からの空気が給排気ファン43から給排気口40cを経て室外へと排気される。
【0058】
(3-6)吸着用ダクト45
吸着用ダクト45は、吸湿ロータ41の上面のうちヒータ42が位置しない部分を覆っている。この吸着用ダクト45は、第2ベルマウス63とともに、吸湿ロータ41の左半分の部分の上面から吸着用ファン収納空間SP1の上部へと通じる空気流路を形成する。
【0059】
(3-7)吸着用ファン46
吸着用ファン46は、吸着用ファン収納空間SP1に配置されている。吸着用ファン46は、遠心ファンである。吸着用ファン46は、吸着用ファンモータ65によって回転する。吸着用ファン46は、上部に配置される第2ベルマウス63の開口部63aから空気を吸込み、吸着用吸込口40bから吸湿ロータ41を介して、開口部63aへ流れる気流を生成する。
【0060】
吸着用ファン46は、吸湿ロータ41を通る際に水分を吸着された乾燥空気を吸着用吹出口40aからハウジング40の前方へ向けて排気する。第2ベルマウス63は、吸着用ファン収納空間SP1の上部に設けられており、吸着用ダクト45を通ってくる空気を吸着用ファン46へと導く。
【0061】
(4)加湿ユニット4の動作
図4は、加湿ユニット4の概略構成図である。また、図5は吸湿ロータ41を流れる空気の流れを模式的に表した図である。図4および図5において、説明の便宜上、吸着用吸込口40bから吸着用ファン46までの空気通路を吸湿通路X、給排気口40cからヒータ42までの空気通路を採熱通路Y、ヒータ42から給排気ファン43までの空気通路を加湿通路Zという。
【0062】
(4-1)加湿動作
加湿ユニット4は、吸着用ファン46が稼働することによって、室外空気を吸着用吸込口40bから吸湿通路X内に取り入れる。吸湿通路Xを流れる空気Axは、吸湿通路Xに面する吸湿ロータ41の第1領域Rxを通過し、その第1領域Rxに空気Ax中の水分が吸収される。
【0063】
空気Axは、吸着用ファン46を通過し、吸着用ファン収納空間SP1から吸着用吹出口40aを通って室外機3の前方へと排出される。
【0064】
また、加湿ユニット4は、給排気ファン43が回転することによって、室外空気を給排気口40cから採熱通路Y内に取り入れる。採熱通路Yを流れる空気Ayは、採熱通路Yに面する吸湿ロータ41の第2領域Ryを通過した後、ヒータ42で加熱される。空気Ayは、ヒータ42で加熱されて高温空気Azとなり加湿通路Zに流れる。高温空気Azは、加湿通路Zに面する吸湿ロータ41の第3領域Rzを通過して第1ダクト61に流れる。
【0065】
採熱通路Yを流れる空気Ayは、吸湿ロータ41の第2領域Ryを通過する際に第2領域Ryから熱を回収して温度上昇し、その後、ヒータ42でさらに加熱され、高温空気Azとなる。加湿通路Zを流れる高温空気Azは吸湿ロータ41の第3領域Rzを通過する際に第3領域Rzから水分を吸収する。
【0066】
図5に示すように、吸湿ロータ41は、矢印Dに示す方向に回転して、吸湿通路X、加湿通路Zおよび採熱通路Yの順に通過していく。その結果、吸湿ロータ41において、吸湿通路Xに面する吸湿ロータ41の第1領域Rxと、加湿通路Zに面する吸湿ロータ41の第3領域Rzと、採熱通路Yに面する吸湿ロータ41の第2領域Ryとが順次移動していく。
【0067】
吸湿通路Xの空気Axから吸湿ロータ41が吸着した水分は、ヒータ42によって加熱された高温空気Azによって放出され、高温空気Azは加湿される。
【0068】
給排気ファン43は、吸湿ロータ41を通り抜けてきた空気を、給排気経路を介して室内機2へと送る。この室内機2へと送られる空気は、吸湿ロータ41に吸着されていた水分を含むようになっている。
【0069】
このようにして加湿ユニット4から室内機2に供給された空気は、室内熱交換器11を経て室内に吹き出される。
【0070】
(4-2)換気動作
空気調和装置1は、吸着用ファンモータ65やヒータ42を動作させないことにより、加湿を行わずに室外の空気を取り入れて室内機2へと送る給気のみを行うこともできる。また、空気調和装置1は、室内の空気を室外へ送る排気のみを行うこともできる。
【0071】
(5)消音器70を含む給排気経路の詳細
給排気経路は、第1ダクト61、消音器70、第2ダクト62および給排気ホース6で構成されている。加湿ユニット4と室内機2とは給排気経路によって繋がっており、給排気ファン43は当該給排気経路を介して空気を室内機2へと供給する。
【0072】
図6は、室外機3の右側面図である。図6において、説明の便宜上、カバー55は仮想線(2点鎖線)で表示され、カバー55が透視されて右側板52が見えるようにしている。また、加湿ユニット4およびその内部も仮想線(2点鎖線)で表示している。さらに、図6に記載の消音器70は、内部構造がわかるように、部分的に破断図で記載されている。
【0073】
また、説明に使用する「方向」については、図6の「上」、「下」、「前」、「後」の4方向の矢印で表記された方向に従う。
【0074】
(5-1)第1ダクト61
第1ダクト61は、筒状の風路であって、給排気ファン43によって供給される空気が流れる。第1ダクト61は、一端が室外機3の内部に位置し、給排気ファン43の下方に配置されている切換ダンパ44に接続される。
【0075】
第1ダクト61は、図6において、右側板52の上部で、かつ右側板52の仮想鉛直中心線C1よりも後方の位置を貫通し、下方にほぼ90°曲げられており、他端(終端)は下方を向いている。
【0076】
第1ダクト61の終端には、消音器70が接続される。また、第1ダクト61は、図6において、端子盤60の後方に隣接している。
【0077】
(5-2)消音器70
消音器70は、図1および図6に示すように、室外機3の右側板52から突出する第1ダクト61の終端に接続されており、右側板52とカバー55との間に収容されている。
【0078】
室外機3から室内機2へ室外空気が供給されるとき、消音器70は第1ダクト61を伝搬する音を低減する。また、室内機2から室外機3へ空気が排気されるとき、消音器70は第2ダクト62を伝搬する音を低減する。
【0079】
消音器70は、消音器本体700と、第1接続部701と、第2接続部702とを有している。
【0080】
(5-2-1)消音器本体700
消音器本体700は、直方体の外殻であるケーシング700aを有している。消音器本体700は、ケーシング700aの内部に、吸音材700bと、吸音材700bに囲まれた空洞700cを有している。
【0081】
吸音材700bの素材としては、フェルトや発泡ウレタンなどが利用できる。空洞700cは、第1ダクト61と繋がっているので、室内機2へと送られる空気、又は、室内機2から送られる空気はこの空洞700cを通る。
【0082】
空気調和装置1では、給排気ファン43で発生した音は、室内機2へと送られる前に室外機3の第1ダクト61に接続された消音器70により低減される。このため、この空気調和装置1では、室外機3から室内機2へと伝わる音が小さくなる。
【0083】
ケーシング700aの天板700dからは第1接続部701が鉛直上方に突出している。また、ケーシング700aの底板700eからは第2接続部702が鉛直下方に突出している。
【0084】
(5-2-2)第1接続部701
第1接続部701は、図6に示すように、右側板52の上部に位置し、第1ダクト61に接続されている。図6において、第1接続部701は右側板52の仮想鉛直中心線C1よりも後方に位置する。
【0085】
より具体的には、室外機3において、前面パネル51(図3参照)が配置されている側を「前面側」、略L字形状の室外熱交換器24(図3参照)の長尺部分が配置されている側を「背面側」とし、第1接続部701は右側板52の中央よりも背面側に位置する。
【0086】
また、第1接続部701は、図6において、端子盤60の後方で且つ端子盤60よりも下方に位置している。このように、第1接続部701は端子盤60から離間しているので、万が一、加湿空気が第1接続部701から漏れても、加湿空気が端子盤60まで到達することは容易ではない。それゆえ、端子盤60の端子60aでの結露による短絡が防止される。
【0087】
(5-2-3)第2接続部702
第2接続部702は、図6に示すように、右側板52の下部に位置し、第2ダクト62が接続されている。図6において、第2接続部702は右側板52の仮想鉛直中心線C1よりも前方に位置する。それゆえ、第2接続部702は、第1接続部701よりも室外機3の前面側となる。また、図6において、第2接続部702は液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28よりも上方に位置している。
【0088】
消音器70は、上記の構成により、第1接続部701から第2接続部702に到る内部経路を、第2接続部に向かって下方に傾斜させることができるので、第1接続部から第2接続部に到る経路が第2接続部に向かって鉛直下方に延びる消音器に比べて、第1接続部701と第2接続部702との間の空間を広げることができる。それゆえ、消音器本体700の容積を増やすことができ、消音効果が高まる。
【0089】
(5-3)第2ダクト62
第2ダクト62は、筒状の風路であって、消音器70の第2接続部702に接続される。第2ダクト62は、第1ダクト61から消音器70に流入した空気をさらに下流へ導く。
【0090】
また、第2接続部702が、室外機3の右側板52に沿って液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28の上方に離間している。それゆえ、第2接続部702と液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28との間に、第2ダクト62が配置される空間が確保されている。
【0091】
また、第2ダクト62は、湾曲部62aを有している。湾曲部62aは、室外機3の右側板52に沿いつつ室外機3の背面側に向かって曲げられている。湾曲部62aによって、給排気経路は消音器70の下流側において第2ダクト62を室外機3の背面側へ折り返す構造とすることができる。
【0092】
本実施形態では、第2ダクト62が湾曲部62aから延びる方向は、冷媒配管31,32が延びる方向に沿っている。
【0093】
(5-4)給排気ホース6
給排気ホース6は、第2ダクト62に接続され、室外機3と室内機2との間で空気の搬送を可能としている。室外機3から室外空気から供給されるとき、給排気ホース6は、室外空気を室内機2へ導く。また、室内機2から室外機3へ空気が排気されるとき、給排気ホース6は、空気を室外機3へ導く。
【0094】
本実施形態では、第2ダクト62と給排気ホース6とを別体として設けているが、第2ダクト62と給排気ホース6とを一体に成形してもよい。
【0095】
上記の通り、第2ダクト62が湾曲部62aによって、給排気経路は消音器70の下流側において第2ダクト62を室外機3の背面側へ折り返す構造となっている。それゆえ、第2ダクト62を液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28に接続される冷媒配管31,32に沿わせ易くなり、製品据え付け時に第2ダクト62および/または給排気ホース6と冷媒配管31,32を束ね易くなる。本実施形態では、冷媒配管31,32と、冷媒配管31,32に隣接する第2ダクト62の直管部が成す角度は、20度以下である。
【0096】
(6)変形例
上記実施形態では、第2ダクト62が湾曲部62aを有し、第2ダクト62が湾曲部62aから延びる構成としているが、これに限定されるものではない。
【0097】
図7は、第1変形例に係る空気調和装置1の室外機3の右側面図である。図7において、図6に記載の室外機3との違いは、第2接続部702に湾曲部702aが設けられ、第2ダクト62に湾曲部はない。作用および効果は、上記実施形態と同様である。
【0098】
(7)特徴
(7-1)
空気調和装置1では、消音器70の下流側において第2接続部702または第2ダクト62をさらに背面側に折り返す構造とすることで、第2ダクト62を、液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28に接続される冷媒配管31,32に沿わせ易くなり、製品据え付け時に第2ダクト62と冷媒配管31,32とを束ね易くなる。
【0099】
さらに、第1接続部701と第2接続部702とが右側板52に沿って上下前後にずれているので、消音器本体700内部において、第1接続部701から第2接続部702に向かう経路が長くなり、消音器70の容積が大きく確保され、消音効果が高まる。
【0100】
(7-2)
空気調和装置1では、第1接続部701と第2接続部702とが右側板52に沿って上下前後にずれているので、消音器本体700の内部において、第1接続部701から第2接続部702に到る経路が第2接続部702に向かって下方に傾斜することが可能である。この場合、空気が搬送されやすく、且つ消音器70の容積が増加する。
【0101】
(7-3)
空気調和装置1では、端子盤60は第1接続部701から水平方向に離間しているので、万が一、加湿空気が第1接続部701からもれても、加湿空気が端子盤60まで到達することは容易ではない。その結果、端子盤60の端子60aでの結露による短絡が防止される。
【0102】
(7-4)
空気調和装置1では、第2接続部702が液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28から上下方向に離間しているので、第2接続部702に接続される第2ダクト62の引き回しが液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28によって邪魔されることがなく、作業性がよい。
【0103】
(7-5)
空気調和装置1では、第2接続部702が液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28の上方に位置することによって、第2接続部702に接続される第2ダクト62が液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28の外側を囲むように引き回される場合よりも、第2ダクト62の長さを短くすることができる。また、液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28に接続された冷媒配管31,32からの結露水が第2接続部702に滴下することもない。
【0104】
(7-6)
空気調和装置1では、液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28は、室外機3の右側板52に設けられ、冷媒配管31,32が接続される。第2ダクト62が湾曲部62aから室内機2に向かって延びる方向は、冷媒配管31,32が延びる方向に沿っている。
【0105】
(7-7)
空気調和装置1では、冷媒配管31,32および冷媒配管31,32に隣接する第2ダクト62の直管部が成す角度は、20度以下である。
【0106】
(7-8)
空気調和装置1では、消音器70の消音器本体700が、天板700dと底板700eとを有している。天板700dからは第1接続部701が鉛直上方に突出し、底板700eからは第2接続部702が鉛直下方に突出している。それゆえ、消音器本体700の内部において、第1接続部701から第2接続部702に向かう経路が長くなり、消音器本体700の内部容積が大きくなるので、消音効果が高まる。
【0107】
(8)その他の変形例
上記実施形態および変形例では、消音器70の第1接続部701が室外機3の右側板52とカバー55との間に位置しているが、第1接続部が室外機3の内部にあってもよい。
【0108】
以下、図面を参照しながら、3種類の変形例A、変形例Bおよび変形例Cについて説明する。但し、各消音器の内部構成については、上記実施形態の消音器の内部構成を踏襲しているので、説明は省略する。
【0109】
(8-1)変形例A
図8Aは、変形例Aに係る空気調和装置1の室外機3の部分正面図である。また、図8Bは、図8Aに記載の室外機3の右側面図である。
【0110】
図8Aおよび図8Bにおいて、消音器70は、上端である第1接続部701が加湿ユニット4の内部で第1ダクト61に接続されている。消音器70は、加湿ユニット4のハウジング40の側面を貫通した後、鉛直下方に延び、途中で室外機3の前面方向かつ下向きに進み、下端である第2接続部702に到る。
【0111】
第2接続部702には、第2ダクト62が接続されている。第2ダクト62は湾曲部62aを有している。この湾曲部62aによって、給排気経路は消音器70の下流側において第2ダクト62を室外機3の背面側へ折り返す構造となっている。それゆえ、第2ダクト62を液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28に接続される冷媒配管31,32に沿わせ易くなり、製品据え付け時に第2ダクト62および/または給排気ホース6と冷媒配管31,32とを束ね易くなる。
【0112】
(8-2)変形例B
図9Aは、変形例Bに係る空気調和装置1の室外機3の部分正面図である。また、図9Bは、図9Aに記載の室外機3の右側面図である。
【0113】
図9Aおよび図9Bにおいて、消音器70は、第1消音部71と第2消音部72とを有している。第1消音部71は、筒状の第1消音部本体710、第1上接続部711および第1下接続部712を含んでいる。
【0114】
第1消音部71の上端である第1上接続部711は、加湿ユニット4の内部で第1ダクト61に接続されている。第1消音部71は、加湿ユニット4のハウジング40の側面を貫通した後、鉛直下方に延び、下端である第1下接続部712に到る。
【0115】
第2消音部72は、直方体状の第2消音部本体720、第2上接続部721および第2下接続部722を含んでいる。第2上接続部721と第2下接続部722とは、室外機3の右側板52に沿って互いに水平方向にずれるように配置されている。
【0116】
第2消音部72の上端である第2上接続部721は、第1消音部71の第1下接続部712に接続されている。
【0117】
第2消音部72の下端である第2下接続部722には、第2ダクト62が接続されている。第2ダクト62は湾曲部62aを有している。この湾曲部62aによって、給排気経路は消音器70の下流側において第2ダクト62を室外機3の背面側へ折り返す構造となっている。
【0118】
それゆえ、第2ダクト62を液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28に接続される冷媒配管31,32に沿わせ易くなり、製品据え付け時に第2ダクト62および/または給排気ホース6と冷媒配管31,32とを束ね易くなる。
【0119】
(8-3)変形例C
図10Aは、変形例Cに係る空気調和装置1の室外機3の部分正面図である。また、図10Bは、図10Aに記載の室外機3の右側面図である。
【0120】
図10Aおよび図10Bにおいて、消音器70は、第1消音部71と第2消音部72とを有している。第1消音部71と第2消音部72とは中間ダクト73とによって繋がっている。
【0121】
第1消音部71は、筒状の第1消音部本体710、第1上接続部711および第1下接続部712を含んでいる。第1消音部71は、全体が室外機3の内部に収容されている。
【0122】
第1消音部71の上端である第1上接続部711は、加湿ユニット4の内部で第1ダクト61に接続されている。第1消音部71は鉛直下方に延び、下端である第1下接続部712に到る。
【0123】
第1下接続部712には中間ダクト73が接続されている。中間ダクト73は、第1下接続部712から室外機3の外方向に延びて右側板52を貫通している。中間ダクト73の終端は下向きである。
【0124】
第2消音部72は、直方体状の第2消音部本体720、第2上接続部721および第2下接続部722を含んでいる。第2上接続部721と第2下接続部722とは、室外機3の右側板52に沿って互いに水平方向にずれるように配置されている。
【0125】
第2消音部72の上端である第2上接続部721は、中間ダクト73の終端に接続されている。第2消音部72の下端である第2下接続部722には、第2ダクト62が接続されている。
【0126】
第2ダクト62は湾曲部62aを有している。この湾曲部62aによって、給排気経路は消音器70の下流側において第2ダクト62を室外機3の背面側へ折り返す構造となっている。
【0127】
それゆえ、第2ダクト62を液閉鎖弁27およびガス閉鎖弁28に接続される冷媒配管31,32に沿わせ易くなり、製品据え付け時に第2ダクト62および/または給排気ホース6と冷媒配管31,32とを束ね易くなる。
【0128】
(8-4)変形例D
変形例Aおよび変形例Bでは、消音器70が加湿ユニット4のハウジング40の側面から内部へ貫通して、ハウジング40の内部で第1ダクト61に接続されている、という構成であるが、これに限定されるものではない。ここでは、変形例Bをベースとした変形例Dについて説明する。
【0129】
図11Aは、変形例Dに係る空気調和装置1の室外機3の部分正面図である。また、図11Bは、図11Aに記載の室外機3の右側面図である。図11Aおよび図11Bにおいて、第1ダクト61が加湿ユニット4のハウジング40の内部を側方に延び、その終端はハウジング40の側面を貫通して突出している。
【0130】
消音器70は、第1消音部71と第2消音部72とを有している。第1消音部71は、筒状の第1消音部本体710、第1上接続部711および第1下接続部712を含んでいる。
【0131】
第1消音部71の上端である第1上接続部711は、加湿ユニット4のハウジング40の側面の外側で第1ダクト61に接続されている。言い換えると、第1上接続部711が、加湿ユニット4のハウジング40の高さ位置で第1ダクト61と接続されている。第1消音部71は、加湿ユニット4のハウジング40の側面に沿って、鉛直下方に延び、下端である第1下接続部712に到る。
【0132】
第2消音部72および第2ダクト62の形態は、変形例Bと同じ形態であるので、説明を省略する。
【0133】
変形例Dは、変形例Bをベースとしたが、変形例Aをベースとして同様の変更を適用することができる。
【0134】
(8-5)変形例E
変形例A、変形例Bおよび変形例Cでは、消音器70の接続部が第1ダクト61に鉛直方向に接続されるという構成であるが、これに限定されるものではなく、消音器70の接続部が第1ダクト61に水平方向に接続されるという構成であってもよい。
【0135】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0136】
1 空気調和装置
2 室内機
3 室外機
27 閉鎖弁
28 閉鎖弁
31 冷媒配管
32 冷媒配管
43 給排気ファン(ファン)
60 端子盤
61 第1ダクト(第1風路)
62 第2ダクト(第2風路)
62a 湾曲部
70 消音器
700 消音器本体
700d 天板
700e 底板
701 第1接続部
702 第2接続部
702a 湾曲部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【文献】特開2022-60874号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B